説明

有機固体骨格支持体を有する前駆体を用いた、ボトムアップ法による、特徴的な孔径を有する多孔質SiO2キセロゲルの製造方法

本発明は、その場(in situ)で形成され、製造プロセスの最後に熱酸化により除去される一時的な有機固体骨格支持体を用いた、ゲルの亜臨界乾燥によるゾル−ゲルプロセスによる多孔質SiOキセロゲルの製造に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造プロセスの最後に熱酸化により除去される一時的な有機固体骨格支持体を用いて、ゲルの亜臨界乾燥を伴うゾル−ゲルプロセスにより、1マイクロメートル未満という特徴的な孔径を有する多孔質SiOキセロゲルを製造する方法に関する。前記無機ゲル中の追加的な有機粒子、または高分子、により、前記亜臨界乾燥プロセスにおける無機ネットワークの崩壊が防止される。これらの有機固体骨格支持体は、その後、300℃を超える熱処理により可能な限り酸化除去される。その結果、80%を超える多孔度、シリケート構造に化学結合していないかあるいは弱くしか化学結合していない10%未満の炭素含量、および1マイクロメートル未満の範囲の孔、を有する(繊維含量5重量%未満の)SiOキセロゲルが生じる。
【背景技術】
【0002】
エアロゲル、クリオゲルおよびキセロゲルは多くの分野で用いられている。前記材料は基本的に乾燥方法の種類によって区別されている。エアロゲルは孔が空気で満たされた低固形分率のゲル全てに対する総称であるが、狭い意味では超臨界乾燥プロセスによっても定義づけられ、クリオゲルは凍結乾燥によって定義づけられ、キセロゲルは対流亜臨界乾燥によって定義づけられる。
【0003】
本発明に係る本エアロゲルについていえば、これはそれゆえ厳密に言えば全体としてはキセロゲルである。
【0004】
シリカエアロゲルは、その非常に低い密度と典型的には85%以上という高い多孔率のため、有機材料とは対照的に高温でも使用可能な優れた断熱材料である。非脱気材料の場合、有機成分は250℃を超えると空気中に存在する酸素により燃焼する。
【0005】
ゾル−ゲル法により高度に多孔質な固体を製造するには、通常、多孔質構造を得るために超臨界乾燥工程が必要である。一般的に、孔中の溶剤を最初に交換する必要があるため、この乾燥は一方では時間および資源について要求の多いものである。他方で、オートクレーブは高圧で作動するため、この乾燥はエネルギー集約的でもある。オートクレーブ中での処理は、その不連続的な性質(バッチ処理)を考慮すると、プロセス設計の観点からも不利なものである。大きな毛細管力が発生するため、1バールでの対流乾燥(亜臨界乾燥)により多孔質構造は崩壊し、このため高い多孔度を有する一体型(monolithic)材料を製造することは困難であった。このことは、キセロゲルが、エアロゲルと比べてより高い密度を示し、それゆえ、より劣った断熱性能を示すことをも意味している。
【0006】
WO2005068361において製造されたエアロゲルは超臨界で乾燥されなければならず、このためその製造は高価で複雑である。
【0007】
超臨界乾燥を避けつつ、しかしながら低い密度を達成するためには、幾つかの一般的な手法がある。アイナルスドら(Einarsud et al.)は、ウエットゲル中のゲル構造を硬くすることにより、亜臨界乾燥の際に起こる収縮を減少させる方法を開発した(Einarsrud, M.A., E. Nilsen, A. Rigacci, G. M. Pajonk, S. Buathier, D. Valette, M. Durant, B. Chevalier, P. Nitz, and F. Ehrburger−Dolle, Strengthening of silica gels and aerogels by washing and aging processes. Journal of Non−Crystalline Solids, 285 (2001) 1−7)。しかし、この方法を用いると、局所的にゲル構造中のシリカ粒子の間での接触が体系的に増加するため、生じるキセロゲルの密度が低いにも関わらず、固体(solid body)熱伝導は増加する。
【0008】
さらなる不利は、2つの時間のかかる溶媒交換工程を含む追加的に必要とされる方法工程およびマクロスコピックな成形体を亀裂無しに乾燥するために必要な長い時間である。
【0009】
(毛細管力によってゲルが圧縮される場合の)乾燥中の表面ヒドロキシ基の架橋を防止し、それにより不可逆的収縮を防止するために、EP0690023A2、WO001998005591A1またはWO001996022942A1におけるように、これらの基をシリル化剤を用いて変換することが出来る。しかし、この方法は、さらに引き延ばされた溶媒交換およびさらなる合成工程を常に意味し、亜臨界乾燥の際のサンプルの大きな一時的収縮を防止はしない。このため、特にcm範囲以上の寸法を有する成形体の場合に亀裂を容易に生じ、あるいは非常にゆっくりした乾燥が必要とされる。これらのシリル化疎水化ゲルは250℃を超える適用温度では使用できない。このような適用温度では、有機表面基は破壊され、そのため例えばWO001998005591A1の場合の疎水性のような所望の効果も破壊されるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開WO2005068361A1
【特許文献2】欧州特許出願公開EP0690023A2
【特許文献3】国際公開WO001998005591A1
【特許文献4】国際公開WO001996022942A1
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Einarsrud, M.A., E. Nilsen, A. Rigacci, G. M. Pajonk, S. Buathier, D. Valette, M. Durant, B. Chevalier, P. Nitz, and F. Ehrburger−Dolle, Strengthening of silica gels and aerogels by washing and aging processes. Journal of Non−Crystalline Solids, 285 (2001) 1−7
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、エアロゲルの低い密度およびそれに対応した低い熱伝導率の両方を示し、300℃を超える温度でも使用可能で、良好な機械的安定性(5MPaを超える弾性率)を示す多孔質SiOキセロゲルの製造である。製造は亜臨界乾燥によって行われる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】固体骨格支持体としての有機成分を有する無機ネットワーク、および酸化工程により有機成分が固体骨格から出来る限り除去されることを模式的に示す図である。
【図2】本発明に係る、固体骨格支持体を有するSiOキセロゲルの弾性率の例を示す図ある。
【図3】本発明に係る、固体骨格支持体を有するSiOキセロゲルの孔径の例を示す図ある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
キセロゲル、つまり亜臨界で乾燥されたゲル、の場合における低密度および低熱伝導性を達成するために、本発明によれば中間産物あるいは前駆体、つまりスフェロイダル(回転楕円体形:spheroidal)有機粒子を有するSiOキセロゲル、がSiOネットワーク中に作製される。20重量%未満の灰分含量を有する成分のことを以下では有機成分と称する。
【0015】
固体骨格支持体()としての有機成分を有する無機ネットワーク()が図1に模式的に示されている。この状況において、粒子サイズはSiO粒子の範囲でなければならない(図1;左)。
【0016】
続いて行われる酸化工程()により、これらの有機成分は、固体骨格から出来る限り除去される(図1;右)。酸化の結果形成される欠陥は()として示され、酸化によっても除去されなかったことによる残留非シリケート成分は各場合において()として示されている。
【0017】
エアロゲルはナノメートル範囲におけるスフェロイダル一次粒子の三次元ネットワーク化された鎖からなる。シリカエアロゲル中の総体熱伝導率は、気体熱伝導、放射熱伝導および固体(solid body)熱伝導という3つの因子から決定される。シリカエアロゲルは赤外線放射に対して殆ど完全に透明であるため、特に高温(〜T)においては放射による熱伝達は無視するべきでない。この寄与分は不透明化剤(opacifying agent)(=顔料)の添加もしくは配合、または低放射放出の境界(低放出境界(low−e boundaries))の使用により十分に低減することが出来る。エアロゲルおよびキセロゲルは一般的に高い光学的透明性を示す。不透明断熱材料など、光学的透明性が必要とされない用途においては、特に光学的透明性をなしとすることも可能である。材料の赤外波長領域における透過率を減少させそれにより放射による熱輸送を減少させる成分を配合すると、一般的には、吸収または拡散により材料が光学的に曇る(dimmining)ことになる。放射輸送を効果的に抑制するために、本発明によれば、可視スペクトル域においても透明性が低いキセロゲルが好ましい。
【0018】
気体熱伝導による寄与分は、孔中の気体分子同士が衝突する際に起こる熱移動によって引き起こされる。孔サイズが減少するにつれて気体分子間の衝突の確率が減少するため、孔径が1マイクロメートル未満であると前記寄与分は大きく減少しうる。ゲル構造がある一定の密度の場合、毛細管力により、孔サイズが減少するにつれて亜臨界乾燥中に起こるサンプルの収縮は増加し、そのため生じるキセロゲルの密度も増加する。材料の密度が増加すると固体(solid−body)伝導の寄与分が増加する。そのため、材料中の孔サイズを1000nm未満とし、可能な限りにおいて300nm未満とさえし、また、亜臨界乾燥として溶媒交換を省略しても十分に低い密度(400kg/m未満)のキセロゲルを達成することが課題となる。亜臨界乾燥中の毛細管圧に耐え、それによりネットワークの崩壊や不可逆的収縮に対抗するために、本発明によれば、少なくとも10%の孔において有機スフェロイダル成分(20重量%未満の割合)がシリカネットワーク中の鎖の機械的支持体として必要とされる。
【0019】
本発明は、シリケート化合物、例えばケイ素アルコキシド(例えばTMOSもしくはTEOS)またはケイ酸ナトリウム、から酸性または塩基性媒体中で製造され、そのために出発溶液またはゾル相中に、その場(in situ)で、例えば有機高分子(例えば炭化水素、エポキシド類、アミン類、ポリエステル、ポリイミド、ポルウレタン、タンパク質)などの適切な有機構成成分が生じさせられる、キセロゲルに関する。これにより材料全体中での構成成分の均一な分布が確実なものとされる。ゲル化中にSiOネットワーク()が有機粒子()と共に形成される。このため、これらのスフェロイダル粒子()はネットワーク()に化学的に結合する。これらのスフェロイダル有機粒子は一時的な固体骨格支持体として用いられ、ゲルの乾燥が行われた後に酸化的に除去され()、その結果、調節可能なサイズの欠陥()が無機ネットワーク中に生じる。これらの有機支持体は、乾燥プロセス中におけるキセロゲルの機械的安定性を確保するが、燃え尽きさせられた後は無くなるために、キセロゲル中における固体(solid body)熱伝導の割合を減少させる。これは、それらの位置においてはさらなる固体(solid body)熱移動が起こらないためである。同時に、有機粒子から熱分解の結果生じ、SiOネットワークから熱処理によっても除去できなかった、あるいはそこに特異的に存在している、材料中の微量の炭素残分()(<10%)は、材料の赤外線減光に寄与する。この結果、シリカキセロゲルの総体的熱伝導率に対し、例えば0℃において30%〜50%、170℃において最大90%というような、特に高温において無視できない寄与を果たす放射熱伝導が減少する。
【0020】
本発明によれば、ここで、ネットワーク中に有機粒子を有するSiOキセロゲルの製造は、「ボトムアップ」法を用いて行われる。
【0021】
「ボトムアップ」法についていうと、この方法は分子前駆体に基づいており、所望の粒子はその場(in situ)で形成される。構造に機械的な支持を与えるため、ここで、有機ポリマーがネットワーク中にその場(in situ)で形成される。適切な有機モノマーおよび添加剤が、出発溶液または液体無機ゾル相に添加される。良好な溶解性が確保されるようにモノマーは選択される。これはモノマーを適切に選択することで、または合成されたポリマーを前記ネットワークに共有結合的に連結するために連結基を用いることで、行われる。これは、本発明においては、シリカゾル粒子の表面に適切な官能基をその場(in situ)で付与することで達成される。その場(in situ)で形成された前記修飾有機粒子を例えばTEOSやTMOSなどの単純なシリカ前駆体と共に変換すると、無機一次粒子からなる対応した鎖が有機粒子と互い違いになるように形成され、ゲル構造の安定性が追加的な有機/無機ネットワーク形成により増大する。ゾル−ゲルプロセス中、およびその後のウエットゲル中、のどちらにも、追加的な顔料を配合することが出来る。
【0022】
材料の合成および亜臨界乾燥の後には、ネットワーク中に有機粒子を有する無機キセロゲルが、その後に行われる熱処理の前に存在している。このキセロゲルの密度は150kg/m〜600kg/mの間にあり、有機粒子の一時的な体積含量は10%〜60%の間である。
【0023】
本発明によれば、キセロゲルに対し300℃を超える熱処理が行われる。この付随する方法ステップにおいて、ゲル構造から有機粒子が可能な限り除去され、固体骨格中に欠陥が残り、これは、固体(solid body)伝導を減少させることにより、総体的な熱伝導を大きく低下させるのに寄与する。
【0024】
本発明により製造されるシリカキセロゲルは以下の性質を示す:
1000nm〜50nmの間の孔サイズ
400kg/m〜100kg/mの間の範囲の密度
孔の平均サイズdは、キセロゲルの巨視的密度(macroscopic density)ρおよび外部比表面積(specific external surface)Sextから決定される。この状況において、SextはBET法による比表面積SBET(ISO9277:1995およびDIN66135−2:2001−06)と細孔比表面積SMik(ISO15901−3)との差として求められ、よってdは
d=4×(1/ρ−1/ρSiO2)/Sext
により与えられる。ここでρは成形体の巨視的密度(macroscopic density)であり、ρSiO2は非多孔質の非晶質SiOガラスの密度(=2.2g/cm)である。一つの孔群の径が100nm未満である二峰性孔分布の場合、100nm未満の孔分布はDIN66134(1998−02)基準による窒素吸着等温線のBJH分析を用いて決定され、対応する平均値はd’’と表される。100nmを超える孔の平均サイズd’は総体的孔容積VP,Gesamt = (1/r−1/rSiO2)と測定された等温線からギュルビッチ(Gurvich)則により求められる100nm未満の孔の孔容積Vp,<100との間の差、および外部表面積(external surface)Sextと100nmより小さい孔の外部表面積(external surface)Sext,<100 = 4×(Vp,<100)/d’との間の差によって、
d=4×( VP,Gesamt− Vp,<100)/(Sext−ext,<100
として与えられる。100nmを超える孔を有する二峰性分布の場合、分布は水銀ポロシメータ(ISO15901−1)の助けにより決定される。
【0025】
300KでのRosseland平均IR吸光係数は、顔料を有さない場合少なくとも50m/gであり、顔料を有する場合少なくとも80m/kgである(1.4μm〜35.0μmの分光平均間隔)。この値は1.4μm〜35.0μmの波長範囲における直接の半球透過および反射を決定することにより確認できる。
【0026】
力学的安定性は5MPaを超える弾性率によって特徴付けられる。弾性率はサンプル長の相対変化(ΔL/L)を一方向圧力pにおいて決定する静的法によって求めることもできる。
【数1】


あるいは、弾性率は密度をρとしてE=νρにより音速νから計算することも出来る。
【0027】
本発明に係る、固体骨格支持体を有するSiOキセロゲルの弾性率および孔径の例が[...]および[...]に示されている。
【0028】
(例示)
本発明に係る方法について、基本的に、極性プロトン性溶媒(好ましくは水とアルコール(ここで好ましくはエタノール)との混合物)に可溶で、ネットワーク化可能な、ポリマー、重縮合物もしくは重付加物の前駆体(つまりモノマー)または共重合体、共縮合物もしくは共付加物の前駆体の全て、例えばレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂、炭化水素、エポキシド類、アミン類、ポリエステル、ポリイミド、ポリウレタンまたはタンパク質用のモノマー、が適している。
【0029】
無機ネットワークと同様の範囲にpH値および温度を設定することにより重合または縮合するモノマーまたはその混合物を選択することが好ましい。触媒に加え、添加剤は物理的または化学的結合により有機ポリマー粒子または炭素粒子の分散性または溶解性を増大させる全ての物質であり、例えば可溶化剤も該当し、ラジカル重合の場合はラジカル開始剤も該当する。「有機ポリマー前駆体またはその混合物」は、よって、極性プロトン性溶媒中でポリマーネットワークを形成するのに必要な全ての成分を指す。
【0030】
本発明に係る本方法においては、必要とされる有機ポリマー粒子は反応溶液中でモノマーにより形成され、このため既に分散状態で存在している。混合物中に含有されるケイ素化合物、例えば一般式Si(OR)(Rは有機残基)を有するシリコンアルコキシドまたは(イオン交換体によってカチオンを分離した後の)ケイ酸ナトリウム、は酸性または塩基性媒体中で水とSiOネットワークを形成する。有機物とシリケート相との間のリンカーとして用いられる一般式RSi(OR’)4−n(n=0〜3;R,R’=有機残基)を有するシリコンアルコキシドにより、有機粒子は無機ネットワーク中に直接取り込まれる。得られたウエットゲルは1バールで乾燥され、その後、有機相が300℃を超える熱処理により除去される。
【0031】
例示的実施形態
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルを50℃でジエチレントリアミンと共にエタノール中で撹拌しながら変換する。その後、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GLYMO)を加え、反応混合液を50℃で撹拌する。冷却後、水および0.05モル水酸化アンモニウム溶液を反応混合液に添加し、20℃でさらに撹拌する。
次に、テトラエトキシシラン(TEOS)を加え、さらに短時間撹拌し、混合液を30℃の密閉容器中に注いでゲル化させる。ゲル化が終了したら、形成された一体化物(monolith)をエタノール中に7日間置き、その後1バールの環境気圧下30℃で乾燥する。次に、得られたキセロゲルを不活性ガス(アルゴン)雰囲気中550℃で熱分解し、その後含酸素雰囲気中、550℃で加熱する。
【0032】
参考文献
国際公開WO001998005591A1
欧州特許出願公開EP0690023A2
独国特許発明DE3346180C2
国際公開WO2005068361
【符号の説明】
【0033】
1 SiO構造
2 有機成分
3 有機構成成分の燃焼
4 保存された欠陥
5 残留する炭素含有成分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1000nm〜50nmの範囲の孔を有し、400kg/m未満の密度を有し、10%未満の炭素残分が化学的に弱く結合しているSiOキセロゲルの製造方法であって、
ケイ素化合物、特にケイ酸ナトリウム、シリカ類(アエロジル(登録商標)などの焼成シリカ類、沈降シリカ類)、積層シリケート類、アルコキシシラン類、変性アルコキシシラン類、特にSi(OR)(Rは有機残基)、ここで好ましくはテトラエトキシシラン(TEOS、Si(OEt))、から、
a 溶媒交換をせずに、
b 亜臨界乾燥により、
c 極性プロトン性溶媒、好ましくは水とアルコール(ここで好ましくはエタノール)との混合液、および一般式RSi(OR’)4−n(n=0〜3;R,R’=有機残基)を有する有機修飾アルコキシシラン、に可溶若しくは分散可能であり、シリケート成分の有機成分含量が重量で20%以下、特には15%以下、好ましくは8%以下、となるように、開始溶液、ゾル相またはゲル化開始後、に添加される有機モノマーの助けにより、
d 1バールでの乾燥の後に300℃を超える熱処理を行って、
ゾル−ゲルプロセスにより前記SiOキセロゲルが形成されることを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
前記有機モノマーがレゾルシノール樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等のホルムアルデヒド樹脂、エポキシド類、アミン類、ポリエステル、ポリイミドまたはポリウレタン用のモノマーであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モノマーまたはその混合物が、無機ネットワークと同じ温度範囲および/または無機ネットワークと同じpH範囲にpH値および温度を設定することにより重合または縮合することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
触媒添加物および可溶化剤の両方、およびラジカル重合の場合はラジカル開始剤、が反応溶液に添加されることを特徴とする、請求項1〜3のうちの一項に記載の方法。
【請求項5】
5重量%未満の繊維分が配合されることを特徴とする、クレーム1〜4のうちの一項に記載の方法。
【請求項6】
モノマー、顔料、繊維およびさらなる添加剤の配合がシリケートネットワークのゲル化の開始後に、超音波処理又は破砕により行われることを特徴とする、請求項1〜5のうちの一項に記載の方法。
【請求項7】
前記熱処理dの前に、酸素含有雰囲気中300℃超での熱分解が行われることを特徴とする、請求項1〜6のうちの一項に記載の方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2013−511461(P2013−511461A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539337(P2012−539337)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【国際出願番号】PCT/EP2010/067823
【国際公開番号】WO2011/061290
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(512132756)ベーエスハー ボッシュ ウント シーメンス ハオスゲレート ゲーエムベーハー (2)
【出願人】(512132767)バイエリッシュ ツェントゥルム フューア アンゲヴァントエネルギーフォルシュング エー.フォア. (2)
【Fターム(参考)】