説明

有機廃棄物を利用した植木鉢の製法

【技術課題】 普通の射出成形機を用いて有機系乾燥微粉末に生分解性樹脂を混合した材料で植木鉢を成形する。
【解決手段】 有機廃棄物を利用した植木鉢1の製法において、原材料に生成された乾燥微粉末と生分解性樹脂をペレット化装置内に投入してペレット化を行い、このペレットを射出成形機を用いて植木鉢1に成形する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生ゴミ、おがくず、もみがら、茶がら、米ぬか等の有機系廃棄物の乾燥微粉末に生分解性樹脂を混合したものを材料として各種植物等の植木鉢を射出成形する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本件出願人は、平成11年11月10日付で、有機系廃棄物を微粉末に加工したものに生分解性樹脂を混合して植木鉢やポット類を成形し、後日この植木鉢やポットが土壌中に分解することにより、植物の肥料となり、併せて有機系廃棄物の処理問題を解決する方法を特許出願中である(特願平11−319145号)。
【0003】この方法において、植木鉢等を成形するためには、合成樹脂用の射出成形機を用いるのが最も簡単な方法であるが、生分解性樹脂ペレットに有機系微粉末をただ混合したものを射出成形機にかけて成形すると、双方の混合が均一化されていなかったり、射出成形機において加熱条件の設置が非常に難しく、理想的な植木鉢を成形することは出来なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、有機系乾燥微粉末に生分解性樹脂を混合して植木鉢を射出成形することが、コストも安く、大量生産が可能であることから、鋭意研究を重ねた結果、合成樹脂成品の射出成形機をそのまま用いて成形するのがコストも安く、大量生産が可能であることに気付き、これを提案するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】先ず、請求項1に記載の発明においては、有機廃棄物を利用した植木鉢の製法において、有機廃棄物を原材料に生成された乾燥微粉末と生分解性樹脂をペレット化装置内に投入してペレット化を行い、このペレットを射出成形機に投入して植木鉢を成形する、ことを特徴とするものである。
【0006】更に、請求項2に記載の発明においては、有機廃棄物を利用した植木鉢の製法において、有機廃棄物を原材料に生成された乾燥微粉末のペレットと、生分解樹脂ペレットを射出成形機に投入して植木鉢を成形する、ことを特徴とするものである。
【0007】更に、請求項3に記載の発明においては、有機廃棄物を利用した植木鉢の製法において、有機廃棄物を原材料に生成された乾燥微粉末と生分解樹脂ペレットをペレット化装置内に投入して成形用のペレット化を行い、このペレットを射出成形機に投入して植木鉢を成形する、ことを特徴とするものである。
【0008】更に、請求項4に記載の発明においては、請求項1〜3において、乾燥微粉末又はこのペレットに対して混合する生分解性樹脂の割り合いは30〜50重量%である、ことを特徴とするものである。
【0009】更に、請求項5に記載の発明においては、有機廃棄物を利用した植木鉢の製法において、請求項1及び3のペレット化するときの温度条件は、60〜200℃である、ことを特徴とするものである。
【0010】更に、請求項6に記載の発明においては、請求項1〜5において、乾燥微粉末又はこのペレットの乾燥率は水分が1〜12%以内である、ことを特徴とするものである。
【0011】
【実施例】請求項1〜6に記載した本発明の実施例を図1R>1に示すフローに基づいて説明する。先ず、ステップ100で、生ゴミを脱水乾燥したのち、粒径0.1〜2mmに微粉化し、ステップ101の混合手段において、ステップ102から供給される生分解性樹脂と微粉末を生分解樹脂45に対し、微粉末55重量%の割り合いで良く撹拌しながら混合し、これをステップ103において、ペレット化装置(株式会社星プラスチック「リペレイズ」)を用い、1mm〜20mmのペレットに加工した。
【0012】なお、ペレット化において、温度条件は60〜200℃の範囲が実用的であり、微粉末の比率が多いと温度は高く、少ないと低くなる。したがって、この混合比率で温度条件は変更する。
【0013】次に、ステップ104において、上記工程を経て製造されたペレットを用いて図2に示す植木鉢1を射出成形した(この時用いた射出成形機は日精樹脂株式会社製FS80である)。なお、この射出成形又はペレットの段階において、着色料を配合し、任意の色付けを行ってもよいし、原料そのものの自然な色をそのまま残してもよい。なお、ペレット化した微粉末と生分解樹脂ペレットを原材料として用いる場合(請求項2)及び微粉末と生分解樹脂ペレットを混合してペレット化する場合(請求項3)の成形条件及びペレット化条件は上記と同じ条件で実施化が可能である。
【0014】
【発明の効果】本発明は以上のように、有機系廃棄物の微粉末と生分解性樹脂を混合して植木鉢を成形するに当り、先ずペレット化したことにより、普通の合成樹脂の射出成型機と金型を用いて、簡単、大量に植木鉢を成形することができる。この結果、製品コストを低減し、更に有機系廃棄物の大量処理に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施フローの説明図。
【図2】本発明方法により射出成型された植木鉢の説明図。
【符号の説明】
1 植木鉢

【特許請求の範囲】
【請求項1】 有機廃棄物を原材料に生成された乾燥微粉末と生分解性樹脂をペレット化装置内に投入してペレット化を行い、このペレットを射出成形機に投入して植木鉢を成形する有機廃棄物を利用した植木鉢の製法。
【請求項2】 有機廃棄物を原材料に生成された乾燥微粉末のペレットと、生分解樹脂ペレットを射出成形機に投入して植木鉢を成形する有機廃棄物を利用した植木鉢の製法。
【請求項3】有機廃棄物を原材料に生成された乾燥微粉末と生分解樹脂ペレットをペレット化装置内に投入して成形用のペレット化を行い、このペレットを射出成形機に投入して植木鉢を成形する有機廃棄物を利用した植木鉢の製法。
【請求項4】 請求項1〜3において、乾燥微粉末又はこのペレットに対して混合する生分解性樹脂の割り合いは30〜50重量%であることを特徴とする有機廃棄物を利用した植木鉢の製法。
【請求項5】 請求項1及び3のペレット化するときの温度条件は、60〜200℃であることを特徴とする有機廃棄物を利用した植木鉢の製法。
【請求項6】 請求項1〜5において、乾燥微粉末又はこのペレットの乾燥率は水分が1〜12%以内であることを特徴とする有機廃棄物を利用した植木鉢の製法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2002−81(P2002−81A)
【公開日】平成14年1月8日(2002.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−190705(P2000−190705)
【出願日】平成12年6月26日(2000.6.26)
【出願人】(599158557)
【Fターム(参考)】