説明

有機性廃棄物の処理方法及び装置

【課題】 より低い温度で、有機性廃棄物の減容とともに、効率良く有用物質の回収ができる有機性廃棄物の処理方法を得ることを目的とする。
【解決手段】 反応槽2に有機性廃棄物を含有する被処理水を被処理水供給手段Iにより供給し、過酸化水素供給手段IIIにより、反応槽2に過酸化水素を供給して有機性廃棄物に過酸化水素を添加し、制御手段18を用いて加熱手段14、被処理水供給手段Iおよび排出手段IIIを制御して、反応槽2内の温度および圧力を被処理水が水熱反応するように調整し、排出手段IIIにより反応処理済み水を反応槽2から排出して酢酸等の有用物質を回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー資源回収型かつ省エネ型の有機性廃棄物の処理方法および有機性廃棄物の処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機性廃棄物の処理に要するエネルギーが比較的低い処理方法として、有機性廃棄物に苛性ソーダ等の薬液を混入した後に、亜臨界水(300℃、10MPa)を利用して処理する方法がある(例えば特許文献1参照)。
また、未利用バイオマス利活用の見地から、有機性廃棄物の処理過程で有用物を回収する処理方法として、第1工程において、有機性廃棄物を酸素の供給を制限した条件下で、250℃〜350℃で水熱反応させて分解して酢酸の中間体を生成し、第2の工程において、上記酢酸の中間体を酸素を供給して、250℃〜350℃で水熱反応させて酢酸を生成する方法がある(例えば特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−113348号公報(第2頁)
【特許文献2】特開2003−145090号公報(第1頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の水熱反応を利用した処理方法は、処理時の温度が超臨界水を利用する場合に比べて低温であり、加熱に要するエネルギーは小さいものの、実用的な観点からは依然多くのエネルギーが必要になるという課題があった。
【0005】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、より低い温度で、有機性廃棄物の減容とともに、有用物質の回収が可能な有機性廃棄物の処理方法を得ることを目的とする。また、有機性廃棄物の処理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る有機性廃棄物の処理方法は、有機性廃棄物に過酸化水素を添加して、水熱反応させる方法である。
【発明の効果】
【0007】
有機性廃棄物に過酸化水素を加えて水熱反応させることにより、有機性廃棄物の分解が促進されて従来より低温で分解できるだけでなく、有用物である酢酸等の回収率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
従来は、有機性廃棄物を超臨界水または亜臨界水に溶解して反応処理することにより減容していた。処理温度を高くすれば有機性廃棄物の溶解率は向上し減容の効果が上がるが、有機性廃棄物から有用物を回収しようとする場合、処理温度が高いと回収すべき有用物が反応によって別の物質に変換されるため有用物の回収率が低下する。
そこで、本発明の実施の形態の有機性廃棄物の処理方法においては、処理工程において、OHラジカルやOラジカル等のラジカル種が関与する反応を促進させることにより処理温度を低下させようとするもので、上記ラジカル種の発生源となる過酸化水素を有機性廃棄物に添加して水熱反応させるのである。
【0009】
本発明の実施の形態1においては、有機性廃棄物である下水汚泥{固形物の濃度が20000mg/l、上記固形物中の有機成分(VSS)の割合が80%}を含有する被処理水を反応槽に封入し、上記下水汚泥の固形物1g当り、0.1〜3.5gの過酸化水素を添加し、上記反応槽内において、100℃、200℃、250℃または300℃で、30分間水熱反応させて処理した。なお、過酸化水素は、35%濃度の過酸化水素水溶液を用いて上記所定量を添加した。
また、反応槽内の気相空間の比率(被処理水が封入された反応槽における、反応槽容積に対する気相空間容積の比率)を50%とした。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態1の有機性廃棄物の処理方法において、各処理温度における、上記固形物1g当りの過酸化水素の添加量(g)と、上記固形物中の有機成分(VSS)量に対する溶解した有機成分量の割合(VSS溶解率)(%)との相関を示す特性図で、VSS溶解率は、有機性廃棄物の減容の指標となるものであり、図中、a1、b1、c1、d1は、各々処理温度が100℃、200℃、250℃、300℃の場合の特性である。なお、図1中、処理温度が300℃で、過酸化水素の添加量がゼロでの処理は、従来の亜臨界水を用いた水熱反応処理に相当する。
図1に示すように、各処理温度において、被処理水に過酸化水素を添加することにより、VSS溶解率が増加し、過酸化水素の添加量が増加するにしたがってVSS溶解率が増加するが、上記固形物1g当たりの過酸化水素の添加量が2.5gで飽和する(200℃ではVSS溶解率は約80%)。
また、従来の亜臨界水を用いた水熱反応処理に相当する、過酸化水素を添加しないで300℃で処理した場合は、VSS溶解率が40%程度であるのに対して、上記固形物1g当りの過酸化水素が0.1gであると、100℃での処理によっても、上記従来と同程度のVSS溶解率が得られることから、処理温度が従来よりも大幅に低い100℃においても、過酸化水素添加の効果が大きいことがわかる。また、処理温度が100℃を越えるとVSS溶解率が大幅に増加し、減容の効果が大きくなる。
【0011】
図2は、本実施の形態において、各処理温度における、上記固形物1g当たりの過酸化水素の添加量(g)と、上記固形物1g当たりの酢酸生成量(mg)との相関を示す特性図であり、図2中、a2〜d2は各々処理温度が100℃、200℃、250℃、300℃の場合の特性である。
図2に示すように、各処理温度において、被処理水に過酸化水素を添加することにより、酢酸の生成量が増加し、過酸化水素の添加量が増加するにしたがって酢酸の生成量が増加する。即ち、上記固形物1g当たり、過酸化水素を0.1g添加した場合でも、上記各処理温度において、上記固形物1g当たり、18〜40mgの酢酸が生成され、また、上記固形物1g当たり、過酸化水素を1.5〜2.5g添加した場合には約40〜60mgの酢酸が生成され、過酸化水素の添加により、下水汚泥の固形物が溶解し酢酸の生成が促進されることがわかる。一方、上記固形物1g当りの過酸化水素の添加量が2.5gを越えると、酢酸の生成量が低下する傾向が顕著となり、生成した酢酸の分解が優勢になることが示唆される。
また、従来の亜臨界水を用いた水熱反応処理に相当する、過酸化水素を添加しないで300℃で処理した場合は、上記固形物1g当りの酢酸の生成量が20mg程度であるのに対して、上記固形物1g当り、過酸化水素を0.1〜3g添加することにより、100℃での処理によっても従来と同程度の酢酸の生成量が得られ、処理温度が従来よりも大幅に低い100℃においても、過酸化水素添加の効果が大きいことがわかる。また、処理温度が100℃を越えると酢酸の生成量が大幅に増加する。
以上のように、本実施の形態において、下水汚泥の固形物1g当り、過酸化水素の添加範囲を0.1〜3gとすることにより、従来よりも低い処理温度で、従来以上の溶解率と酢酸の生成量が得られるという効果がある。
【0012】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2においては、実施の形態1と同様の下水汚泥を含有する被処理水を反応槽に封入し、上記下水汚泥の固形物(以下、単に固形物と記載する。)1g当り、過酸化水素を0.1g、1.5gまたは2.5g添加するか、過酸化水素を添加しないで、室温〜360℃間の所定の温度で、30分間水熱反応させて処理した。なお、反応槽内の気相空間の比率(被処理水が封入された反応槽における、反応槽の容積に対する気相空間容積の比率)は50%とした。
図3は、本実施の形態における、各過酸化水素の添加量における、処理温度と上記VSS溶解率(%)との相関を示す特性図で、図中、e1、f1、g1、h1は、各々過酸化水素無添加、並びに0.1g、1.5g、2.5g添加の特性である。なお、図3中、処理温度が300℃で、過酸化水素の添加量がゼロは、従来の亜臨界水を用いた水熱反応処理に相当する。
図3に示すように、各過酸化水素の添加量において、処理温度が100℃になると急激にVSS溶解率が上昇し、処理温度の上昇にともなってVSS溶解率も増加し、温度が250℃の場合には高い溶解率(上記固形物1g当りの過酸化水素の添加量が2.4gではVSS溶解率が約80%)が得られ、過酸化水素を添加しない場合に比べて溶解率が約2〜3倍と大幅に増加しており、過酸化水素添加の効果が顕著である。
また、従来の亜臨界水を用いた水熱反応処理に相当する、過酸化水素を添加しないで、300℃で処理した場合は、VSS溶解率が40%程度となるのに対して、上記固形物1g当りの過酸化水素が0.1gであると、100℃での処理によっても、上記従来と同程度のVSS溶解率が得られることから、処理温度が従来よりも大幅に低い100℃においても、過酸化水素添加の効果が大きいことがわかる。また、処理温度が100℃を越えるとVSS溶解率が大幅に増加し、減容の効果が大きくなる。
【0013】
図4は、本実施の形態において、各過酸化水素の添加量における、処理温度と上記固形物1g当たりの酢酸生成量(mg)の相関を示す特性図で、図中、e2、f2、g2、h2は、各々過酸化水素無添加、および過酸化水素の添加量が0.1g、1.5g、2.5gの特性である。
図4に示すように、各過酸化水素の添加量において、処理温度が上昇するにしたがって酢酸の生成量が増加し、処理温度が100〜250℃では、上記各過酸化水素の添加量において、上記固形物1g当たり、20〜60mgの酢酸が生成される。また、上記のように、処理温度を上昇させるにともなって酢酸生成量は増加するが、いずれの過酸化水素添加量の場合も200℃でピークを示し、処理温度をさらに上昇させても酢酸生成量はこれ以上増加せず、逆に、低下する傾向が顕著で、高温での処理によって生成した酢酸の分解反応が優勢になることが示唆される。
また、従来の亜臨界水を用いた水熱反応処理に相当する、過酸化水素を添加しないで300℃で処理した場合は、上記固形物1g当り、酢酸の生成量が20mg程度であるのに対して、処理温度を100〜250℃とすることにより、上記固形物1g当り、過酸化水素を0.1g添加するだけで、従来以上の酢酸の生成量が得られ、過酸化水素添加の効果が大きいことがわかる。また、上記過酸化水素の添加量が増加するとVSS溶解率が大幅に増加し、減容の効果が大きくなっている。
以上のように、本実施の形態において、過酸化水素を添加する水熱反応においては、温度範囲を従来よりも低い、100℃〜250℃とすることによって、従来を越える溶解率と酢酸の生成量が得られるという効果がある。
【0014】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3においては、実施の形態1と同様の下水汚泥を含有する被処理水を、反応槽内の気相空間の比率が5〜95%の間の所定の比率となるように反応槽に封入し、上記下水汚泥の固形物(以下、単に固形物と記載する。)1g当り、過酸化水素を1.5g添加するか、または過酸化水素を添加しないで、200℃で、30分間水熱反応させて処理した。なお、反応槽には被処理水が導入されるため気相空間比率が100%になることはない。
図5は、本実施の形態における、反応槽における気相空間の比率と上記固形物のVSS溶解率との相関を示す特性図であり、図中、j1は過酸化水素添加の特性、k1は過酸化水素無添加の特性である。
図5中、過酸化水素を添加した場合の特性j1に示すように、気相空間の比率が5%の場合のVSS溶解率は10%程度であるのに対し、気相空間の比率を20%にまで増加させると、VSS溶解率は50%となり、これは同じ気相空間比率で過酸化水素無添加の場合k1に比べて大幅に大きな値であり、上記気相空間の比率が20%程度で、過酸化水素を添加することによる上記固形物の溶解率への効果が顕著となる。
さらに、気相空間の比率の増加にともない酸素量および圧力が増加することにより溶解率も増加し、気相空間の比率が80%の場合には80%を超える高い溶解率が得られたが、気相空間の比率を95%に増加させても溶解率のさらなる増加は見られなかった。なお、上記下水汚泥の固形物1g当たり過酸化水素の添加量が0.1〜3g、処理温度が100〜250℃で同様の傾向が見られた。
【0015】
図6は、本実施の形態における、各過酸化水素の添加量における、気相空間比率と上記固形物1g当たりの酢酸生成量(mg)の相関を示す特性図で、j2は過酸化水素添加の特性、k2は過酸化水素無添加の特性である。
図6に示すように、過酸化水素を添加した場合j2、気相空間の比率20%での処理において、酢酸生成量は、上記固形物1g当り40mg程度であった。また、気相空間の比率の増加にともない酢酸生成量は増加するが、気相空間の比率を80%にまで増加させると、反応槽における被処理水の絶対量が減少することにより酢酸生成量の低下が顕著になることが示された。
以上の結果より、過酸化水素を添加する水熱反応において気相空間の比率を20%〜80%とすることによって、高い汚泥溶解率を確保できるとともに酢酸の生成を促進することができる。
【0016】
上記実施の形態1〜3については、有機性廃棄物として、固形物の濃度が20000mg/lで、上記固形物中の有機成分(VSS)の割合が80%の下水汚泥を対象とした実験結果を示したが、固形物の濃度が10000〜50000mg/lで、上記固形物中の有機成分(VSS)の割合が70〜100%である下水汚泥でも、また、家畜排泄物、食品廃棄物等、他の有機性廃棄物についても、上記実施の形態と同様の結果が得られた。
【0017】
実施の形態4.
図7は、本発明の実施の形態4の有機性廃棄物の処理装置の概略構成図で、実施の形態1〜3の処理方法に用いる装置である。
廃棄物貯留槽1に有機性廃棄物を含有する被処理水を貯留し、廃棄物貯留槽1と反応槽2とは廃棄物投入配管3により接続されている。過酸化水素貯留槽11と反応槽2とは過酸化水素投入配管12により接続され、反応槽2には加熱装置14、温度測定器15、圧力測定器16および水位測定器17が備えられ、反応槽2と処理後廃棄物貯留槽7とは廃棄物排出配管8により接続されている。
また、廃棄物投入配管3には廃棄物投入ポンプ5および廃棄物投入バルブ6が、廃棄物排出配管8には廃棄物排出ポンプ9および廃棄物排出バルブ10が設けられ、廃棄物投入配管3と廃棄物排出配管8とには熱交換器4が設けられている。
廃棄物投入バルブ6と廃棄物排出バルブ10とを開とし、廃棄物投入ポンプ5と廃棄物排出ポンプ9とを運転することにより、廃棄物貯留槽1の被処理水を廃棄物投入配管3を通して反応槽2へ投入する処理水供給手段(I)となり、廃棄物排出配管8を通して反応処理後の処理済み水を、廃棄物排出バルブ10を開として廃棄物排出ポンプ9により排出することにより、処理後廃棄物貯留槽7へ排出する排出手段(III)となるが、この過程で熱交換器4において反応槽2から排出する処理済み水と反応槽2へ投入する被処理水との間で熱交換を行う。
また、過酸化水素投入配管12には過酸化水素投入ポンプ13が設けられ、過酸化水素貯留槽11の過酸化水素溶液を過酸化水素投入配管12を通して反応槽2に供給する過酸化水素供給手段(II)となる。
反応槽2において、被処理水に過酸化水素が添加され、加熱装置により加熱して所定時間、反応槽2に滞留させて水熱反応させる。
加熱装置14、温度測定器15、圧力測定器16および水位測定器17は信号線によって制御装置18に接続されており、制御装置18により、温度測定器15、圧力測定器16および水位測定器17によって測定された測定値に基づき、加熱装置14、廃棄物投入ポンプ5、過酸化水素投入ポンプ13、廃棄物排出ポンプ9の移送流量を調整することにより、反応槽2における被処理水の温度、水位および圧力を調整し、反応槽2内の水熱反応の条件を制御する。
【0018】
実施の形態5.
図8は、本発明の実施の形態5による有機性廃棄物の処理方法に用いる処理装置の概略構成図で、実施の形態4の処理装置における処理後廃棄物貯留槽7の代わりに固液分離装置19が設けられている他は実施の形態4と同様である。
つまり、本実施の形態の処理装置には固液分離装置19が設けられているので、処理済み液を、固体成分である濃縮廃棄物と液体成分である分離液とに分けることができる。
上記分離液は分離液配管21を通して分離液槽20へ導入され、水熱処理によって得られた酢酸等の有価物を多く含む液体成分を分離液として分けることができ、有価物の回収を効率的に行うことが可能となる。
また、上記濃縮廃棄物の一部は濃縮廃棄物配管22を通して廃棄物貯留槽1へ、残りの濃縮廃棄物は濃縮廃棄物配管23を通して処理後廃棄物貯留槽7にそれぞれ投入され、処理後の廃棄物を固液分離し、濃縮廃棄物の一部を再度水熱反応させることで、有機性廃棄物の分解をより一層促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1において、各処理温度における、下水汚泥の固形物1g当りの過酸化水素の添加量(g)と、下水汚泥の固形物のVSS溶解率(%)との相関を示す特性図である。
【図2】本発明の実施の形態1において、各処理温度における、下水汚泥の固形物1g当たりの過酸化水素の添加量(g)と、下水汚泥の固形物1g当たりの酢酸生成量(mg)との相関を示す特性図である。
【図3】本発明の実施の形態2において、各過酸化水素の添加量における、処理温度と、下水汚泥の固形物のVSS溶解率(%)との相関を示す特性図である。
【図4】本発明の実施の形態2において、各過酸化水素の添加量における、処理温度と下水汚泥の固形物1g当たりの酢酸生成量(mg)の相関を示す特性図である。
【図5】本発明の実施の形態3において、各過酸化水素の添加量における、反応槽における気相空間の比率と下水汚泥の固形物のVSS溶解率(%)との相関を示す特性図である。
【図6】本発明の実施の形態3において、各過酸化水素の添加量における、反応槽における気相空間の比率と、生成された酢酸の絶対量との相関を示す特性図である。
【図7】本発明の実施の形態4の有機性廃棄物の処理装置の概略構成図である。
【図8】本発明の実施の形態5の有機性廃棄物の処理装置の概略構成図である。
【符号の説明】
【0020】
1 廃棄物貯留槽、2 反応槽、3 廃棄物投入配管、5 廃棄物投入ポンプ、6 廃棄物投入バルブ、I 被処理水供給手段、11 過酸化水素貯留槽、12 過酸化水素投入配管、13 過酸化水素投入ポンプ、II 過酸化水素供給手段、7 処理後廃棄物貯留槽、8 廃棄物排出配管、9 廃棄物排出ポンプ、10 廃棄物排出バルブ、III 排出手段、14 加熱装置(加熱手段)、15 温度測定器、16 圧力測定器、17 水位測定器、18 制御装置(制御手段)、19 固液分離装置。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機性廃棄物に過酸化水素を添加して、水熱反応させる有機性廃棄物の処理方法。
【請求項2】
有機性廃棄物の固形物1g当たり、0.1〜3gの過酸化水素を添加することを特徴とする請求項1に記載の有機性廃棄物の処理方法。
【請求項3】
100〜250℃で、水熱反応させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機性廃棄物の処理方法。
【請求項4】
有機性廃棄物と過酸化水素とを含有する被処理水が封入された反応槽内の気相空間が、20〜80%であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の有機性廃棄物の処理方法。
【請求項5】
反応槽において、有機性廃棄物を含有する被処理水を水熱反応させ、反応処理済み水を回収する有機性廃棄物の処理装置において、上記反応槽に上記被処理水を供給する被処理水供給手段と、上記反応槽に過酸化水素を供給する過酸化水素供給手段と、上記反応槽を加熱する加熱手段と、上記被処理水または上記反応処理済み水を上記反応槽から排出する排出手段と、上記反応槽において被処理水が水熱反応するように、上記加熱手段、被処理水供給手段および排出手段により、上記反応槽内の温度および圧力を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
【請求項6】
制御手段が、被処理水が封入された反応槽内の気相空間の比率を、被処理水供給手段および排出手段により制御することを特徴とする請求項5に記載の有機性廃棄物の処理装置。
【請求項7】
排出された反応処理済み液を、固体成分と液体成分に分離する固液分離手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の有機性廃棄物の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−296440(P2007−296440A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−125204(P2006−125204)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】