説明

有機系脱酸素剤

【課題】 脱酸素性能に優れ、金属探知器に検知されず、染み出しもなく、かつ安全性が高く、しかも安価な有機系脱酸素剤を提供すること。
【解決手段】主剤、アルカリ剤、水及び担持体を含有する有機系脱酸素剤であって、上記主剤としてフェノール性水酸基を1個以上含有するベンゼン環が化学構造式中に2個以上含む複合化合物、上記アルカリ剤として水酸化カルシウムをそれぞれ用い、かつ上記担持体が多孔質二酸化珪珪素であることを特徴とする有機系脱酸素剤等を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機系脱酸素剤に関し、詳しくは安価で安全性が高く、染み出しもなく、金属探知器に検知されず、優れた脱酸素性能を有する有機系脱酸素剤に関する。
【背景技術】
【0002】
食品等の保存方法の一つとして、それ自身が酸素吸収作用を果たす脱酸素剤を使用する方法があり、カビ防止、酸化防止、変色防止等に使用されている。この脱酸素剤を使用する方法は、酸素を透過しにくいガスバリアー性を有する食品包装容器又は袋内に、通気性の包材により包装された脱酸素剤包装体を食品等の被保存物と共存させるだけで脱酸素機能を充分に発揮できるので、食品等の品質保持方法として極めて有効である。
【0003】
このような脱酸素剤としては、従来、還元鉄粉を主剤とし、塩化ナトリウム等のハロゲン化金属、活性炭及び水を始めとする水供与性化合物を混合した鉄系脱酸素剤が一般的に用いられていた。
【0004】
しかし、鉄系脱酸素剤は、食品包装容器又は袋内に混入される可能性のある鉄片等の金属異物を検出するための金属探知器により検知され、金属異物と区別が付かないという問題が生じる。
【0005】
そこで、金属探知器に検知されない脱酸素剤が要望されており、還元鉄粉等の金属を用いない有機系脱酸素剤やシリコン系脱酸素剤が提案されている。しかし、シリコン系脱酸素剤は、水素ガスが発生とするという問題を有し、さらに脱酸素能力が時間と共に飽和し、脱酸素能力が十分でなく、食品包装容器又は袋内の酸素濃度をゼロにすることは実質的に困難である。
【0006】
このため、有機系脱酸素剤が汎用されてきている。有機系脱酸素剤の主剤としては、種々の有機化合物が用いられており、例えば特許文献1(特開平9−75724号公報)では、低分子フェノール化合物、特にカテコールとポリアニリンを主剤とすることが提案され、特許文献2(特開平10−287871号公報)及び特許文献3(特開2000−50849号公報)では、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、クレゾール及びピロガロールといった低分子フェノール化合物を主剤とすることが提案されている。また、特許文献4(特開2003−38143号公報)には、脱酸素剤の主剤としてアスコルビン酸及びその塩、グリセリン、グルコース等の多価アルコール、カテコール、レゾルシン、没食子酸等のフェノール化合物、植物油、魚油等の不飽和油脂及びこれらの脂肪酸、ブタジエンオリゴマー等の不飽和重合物が例示され、酸素吸収性能、入手し易さ、価格の点でアスコルビン酸及びその塩、没食子酸並びにブタジエンオリゴマーが好ましく、アスコルビン酸及びその塩がより好ましいと記載されている。また、特許文献5(特開2003−144112号公報)には、グリセリン、糖アルコール、1,2−ジオールが例示されている。さらに、特許文献6(特開昭53−46492号公報)には、タンニン又はタンニン含有物とアルカリ液とを担体に吸着せしめ、担体として脱脂米糠、珪藻土、パルプシートを用いる脱酸素剤が提案されており、アルカリ剤として、苛性カリや苛性ソーダ等の強アルカリ液を用いることが例示されている。
【0007】
【特許文献1】特開平9−75724号公報
【特許文献2】特開平10−287871号公報
【特許文献3】特開2000−50849号公報
【特許文献4】特開2003−38143号公報
【特許文献5】特開2003−144112号公報
【特許文献6】特開昭53−46492号公報
【0008】
しかし、これらの有機系脱酸素剤においても、充分な脱酸素性能を満足させるものではない。また、低分子フェノール化合物を主剤とする脱酸素剤は、安全性そのものに問題があることと、内部通気性包袋表面に液が染み出したように色が濃く見える、いわゆる「染み出し」を生じることがあり、外観を損ね、消費者に安全性に関して不安感を抱かせる等という点で問題があり、グリセリンを主剤とする脱酸素剤は、反応後に刺激性の強いシュウ酸が生成するという問題がある。
【0009】
一方、担持体は不純物として金属成分を含有すると、金属探知器に検知されしまう問題がある。この問題に対し、化学合成された二酸化珪珪素や珪酸カルシウム等の無機多孔質担持体が好適に使用されるが、近年の市場の要求はさらに高まり、その材質、平均粒径、比表面積及び吸油量等の特性が適切である担持体を選択しなければならず、経済的かつ効率的に脱酸素能力を発揮する脱酸素剤は未だ得られていなかった。また、アルカリ剤においても、強アルカリを使用することに対し、使用者や消費者に安全性面で不安感を抱かせる点で問題があり、安全性や機能面に対する要望が高まっていたが、未だその要求に応えるアルカリ剤の選択はなされていなかった。
【0010】
このような状況から、脱酸素性能に優れ、金属探知器に検知されず、染み出しもなく、かつ安全性が高い有機系脱酸素剤が要望されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は、脱酸素性能に優れ、金属探知器に検知されず、染み出しもなく、かつ安全性が高く、しかも安価な有機系脱酸素剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決すべく検討の結果、フェノール性水酸基を1個以上含有するベンゼン環が化学構造式中に2個以上含む複合化合物を主剤とし、水酸化カルシウムをアルカリ剤としてそれぞれ使用し、かつ多孔質二酸化珪珪素を担持体として用いることによって、上記目的が達成し得ることを知見し、本発明に到達した。
【0013】
すなわち、本発明は、主剤、アルカリ剤、水及び担持体を含有する有機系脱酸素剤であって、上記主剤としてフェノール性水酸基を1個以上含有するベンゼン環が化学構造式中に2個以上含む複合化合物、上記アルカリ剤として水酸化カルシウムをそれぞれ用い、かつ上記担持体が多孔質二酸化珪珪素であることを特徴とする有機系脱酸素剤を提供するものである。
【0014】
本発明に係る上記有機系脱酸素剤において、上記多孔質二酸化珪珪素の平均粒径は、200μm以下であるものが好ましく使用される。
【0015】
本発明に係る上記有機系脱酸素剤において、上記複合化合物がタンニン、タンニン酸、カテキン、ケルセチン、フラボノール、フラボン、フラバノン、イソフラボン、アントシアニンから選択される少なくとも1種であるものが好ましく使用される。
【0016】
本発明に係る上記有機系脱酸素剤において、上記複合化合物がタンニン又はタンニン酸であるであることがさらに望ましい。
【0017】
本発明に係る上記有機系脱酸素剤において、上記タンニン又はタンニン酸が、縮合型タンニン又は縮合型タンニン酸であることが最も望ましい。
【0018】
本発明に係る上記有機系脱酸素剤において、上記主剤100重量部に対して、上記アルカリ剤を10〜200重量部、上記水を10〜200重量部それぞれ含有し、かつ上記担持体100重量部に対して、上記主剤、アルカリ剤及び水の合計量が10〜2500重量部含有されることが好ましい。
【0019】
本発明係る上記有機系脱酸素剤は、上記主剤、アルカリ剤、水及び担持体に加えて、さらに触媒及び/又は活性炭を含んでもよい。
【0020】
本発明係る上記有機系脱酸素剤は、上記主剤100重量部に対して、上記触媒を15重量部以下及び/又は上記活性炭を100重量部以下含有することが望ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る有機系脱酸素剤は、鉄等の金属を含まないため金属探知器に反応しないことはもとより、優れた脱酸素性能を有し、かつ安全性が高く、誤食しても人体に対する影響が極めて少なく、染み出しという問題も生じず、また安価である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る有機系脱酸素剤の実施の形態について説明する。
本発明に係る有機系脱酸素剤は、主剤としてフェノール性水酸基を1個以上含有するベンゼン環が化学構造式中に2個以上含む複合化合物(以下、ポリフェノール化合物と称する)を用いる。ポリフェノール化合物は、植物の果実、葉や花、樹皮等に成分として含まれるものであり、タンニン、タンニン酸、カテキン、ケルセチン、フラボン、フラバノン、フラボノール、イソフラボン、アントシアニン等を主成分とするものが挙げられる。本発明に用いられるポリフェノール化合物は、化学的合成により製造されたものでも、植物より抽出されたもののいずれでもよい。植物より抽出されポリフェノール化合物の場合には、不純物を含む粗製ポリフェノール化合物、精製された精製ポリフェノール化合物のいずれも使用される。これら植物から抽出されるポリフェノール化合物としては、特に限定されるものではないが、例えばケブラチョ抽出タンニン(縮合型タンニン)、ワットル(ミモザ)抽出タンニン(縮合型タンニン)、チェストナット(栗属の渋)抽出タンニン(加水分解型タンニン)、茶カテキン(テアフラビンとエピガロカテキンガレート等の混合物やエピガロカテキンガレート単味抽出物)、葡萄種ポリフェノール(アントシアニン)、リンゴポリフェノール(カテキンやケルセチン等)等が挙げられる。このようなポリフェノール化合物を用いることによって、安価で安全性が高く、所望の脱酸素性能を有する有機系脱酸素剤が得られる。
【0023】
これらポリフェノール化合物の中でもタンニン、タンニン酸、カテキン、ケルセチン、フラボン、フラバノン、フラボノール、イソフラボン、アントシアニンから選択される少なくとも1種を含むものが好ましく、入手の容易さや安価なことと、主剤として十分な脱酸素能力を発揮することを兼ね備えていることから、タンニン又はタンニン酸、特に好ましくは縮合型タンニン又はタンニン酸を主成分とするものが望ましい。縮合型タンニンは、アルカリ剤や環境の変化などに対して主骨格の化学構造が変化しづらく、同時に脱酸素反応に関わる官能基が保持されるため、脱酸素能力を維持する点で好ましく使用される。
【0024】
ここで縮合型タンニンは、フラバノール骨格を持つ化合物が重合したもので、その構造は多種多様で複雑で数百種類以上に及ぶが、そのいずれを使用しても良い。例えば下記化学構造式を有する。
【0025】
【化1】

【0026】
また、加水分解型タンニンは、没食子酸やエラグ酸等の芳香族化合物とエステル結合を形成したもので、その構造は多種多様で複雑であり、数百種類以上に及ぶが、そのいずれも使用してよく、例えば下記のような化学構造式を有する。
【0027】
【化2】

【0028】
本発明に係る有機系脱酸素剤は、アルカリ剤として水酸化カルシウムを用いる。アルカリ剤は水と作用又は溶解してアルカリ性を示す物質であり、反応を進めるために必須の物質である。本発明では、使用される主剤であるポリフェノール化合物の脱酸素性能を高めるためのアルカリ剤として、上記のように水酸化カルシウムを使用することが必須である。水酸化カルシウムが好ましい理由は定かではないが、従来技術として使われてきた他のアルカリ剤と比べて、水酸化カルシウムを使用することで、主剤であるポリフェノール化合物に対して加水分解等の分解を引き起こすことも少なく、また、水との相互作用により脱酸素を生じさせる条件であるpHを安定化することができ、ポリフェノール化合物中の脱酸素に関わる官能基を保持したまま脱酸素反応を生じさせることができると考えられる。従って、水酸化カルシウムをアルカリ剤として使用することにより、十分な脱酸素能力と、適度な脱酸素速度を示す脱酸素剤を得ることが出来る。また、水酸化カルシウムは比較的弱いアルカリ剤であり(水酸化カルシウムの急性経口毒性:7340mg/kgラット)、と比較的安全である。これに比べて、水酸化ナトリウム(水酸化ナトリウムの急性経口毒性:40mg/kgマウス)や水酸化カリウム(水酸化カリウムの急性経口毒性:365mg/kgラット)等の様な強アルカリよりも水酸化カルシウムを使用することが、安全性の観点からも好ましい(急性経口毒性データ出典:「14303の化学商品」2003年1月28日、化学工業日報社発行)。
【0029】
本発明に係る有機系脱酸素剤において、上記アルカリ剤は、主剤100重量部に対して、10〜200重量部含有されることが望ましく、50〜150重量部含有されることがさらに望ましい。アルカリ剤の含有量が10重量部未満では脱酸素能力が低下することがあるので好ましくなく、200重量部を超えて含有しても、脱酸素能力がアルカリ剤の増量分に応じず頭打ちとなり、結果として脱酸素能力が低下するので好ましくない。
【0030】
本発明に係る有機系脱酸素剤には、水が含有される。もともと脱酸素剤に含まれる水は脱酸素剤を構成する組成物を馴染ませ反応の場を提供するものである。上記水は、主剤100重量部に対して、10〜200重量部含有させることが望ましく、20〜120重量部含有させることがさらに望ましい。本発明において、脱酸素剤(組成物)中の水の含有量が少ない脱酸素剤は、水分を多く含んだ食品である場合に、その食品から水分を吸収して脱酸素能力を発揮する、水分依存型脱酸素剤として使用される。しかし、水の含有量が10重量部未満では、主剤及びアルカリ剤を均一に馴染ませることが出来ず、さらに担持体に均一に担持させることが困難となる。また、本発明において、脱酸素剤組成物中の水の含有量の多い脱酸素剤は、自己の水分で脱酸素能を発揮することから、自己反応型脱酸素剤として使用され、水分の少ない食品等に対して有効である。しかし、もともと脱酸素剤に含まれる水の含有量が200重量部を超えると、粉体とするのにそれに見合うだけの担持体の増量が必要となり、同時に通気性包装体内に仕込む脱酸素剤中の主剤含有率が低くなり、結果として脱酸素能力が低下するので好ましくない。
【0031】
本発明に係る有機系脱酸素剤は、担持体として多孔質二酸化珪素を用いる。担持体は、主剤を保持すると共に、反応の場を提供する。このような担持体としては従来、二酸化珪素、シリカ、アルミニウムシリケート、アルミナ、活性アルミナ、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、珪藻土、パーライト、ゼオライト、活性白土等が使用されてきたが、本発明における主剤であるポリフェノール化合物を使用した脱酸素剤の性能を高めるには、多孔質二酸化珪素が必須である。この理由としては、第一に、適当な比表面積と吸油量及び内部細孔容積を保持する担持体を使用することで脱酸素剤組成物を好適に含浸することができる。第二に、理由は定かではないが、材質としてカルシウムを含まない二酸化珪素を選択することによって、脱酸素能力を向上させることが出来ることと、別途添加する触媒の触媒作用が阻害されずに脱酸素能力が向上するためと考えられる。また、不純物として鉄等の金属の含有量が著しく低いので、得られる脱酸素剤も金属探知器に非検知となる。本発明における担持体としては平均粒径1mm未満、さらには200μm以下、特に好ましくは5〜200μmの二酸化珪素が好ましい。平均粒径が5μm未満だと、その担持体を使用した脱酸素剤の流動性が悪くなり、脱酸素剤包袋とする際の自動充填時に脱酸素剤がブロッキングする等の現象が生じ、脱酸素剤の供給が停止してしまうことがある。また、平均粒径が1mm以上であると、担持体の奥深くへ脱酸素剤組成物が含浸され、脱酸素剤組成物と、空気中の酸素との接触する機会が減少し、結果として脱酸素性能が低下することがあるので好ましくない。また、担持体である二酸化珪珪素の比表面積は50〜500m/g、吸油量は10〜500cm/100gの範囲内であることが好ましい。
【0032】
本発明に係る有機系脱酸素剤において、上記担持体は、担持体100重量部に対して、上記主剤、アルカリ剤及び水の合計量が、10〜2500重量部、好ましくは10〜1300重量部となるように添加されることが好ましい。これは担持体である二酸化珪素の種類、平均粒径、比表面積、吸油量、内部細孔容積にもよるが、担持体100重量部に対する上記の主剤、アルカリ及び水の含有量の合計量に対して10重量部未満では、脱酸素組成物中の主剤含有率が小さくなり、結果として脱酸素能力の低下を引き起こすため好ましくない。また、2500重量部を超えると脱酸素組成物を十分担持できず、スラリー状となったり、又は部分的に粘土状の固まりを生じる等、流動性が悪くなり、自動充填包装ができないという問題が生じることがあり好ましくない。
【0033】
本発明に係る有機系脱酸素剤は、必要に応じて触媒及び/又は活性炭を含有させることができる。触媒は、反応速度を高めるもので、有機系触媒としては、ナフトヒドロキノン、フロログリシン、t−ブチルカテコール、t−ブチルヒドロキノン、5−メチルレゾルシン等を用い、無機系触媒としては、鉄、ニッケル、銅、マンガン等の遷移金属の塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化ナトリウム等のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が用いられる。この中でも好ましくは金属探知器に完全に非検知で、かつ触媒効果の高い有機系触媒が使用され、特に好ましくはt-ブチルカテコール、t−ブチルヒドロキノンが好適に使用できる。また、活性炭は脱酸素反応後の低分子量物質の揮散を防止し、捕捉する機能を有するものである。
【0034】
触媒の含有量は、主剤100重量部に対して、好ましくは15重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。触媒の含有量が15重量部を超える場合では、主剤の酸化反応に寄与する触媒機能の効果が触媒の添加量相当分以上に発揮されず、頭打ちとなるので必要量以上添加するのは経済上の点でも好ましくない。
【0035】
活性炭の含有量は、主剤100重量部に対して、好ましくは100重量部以下、さらに好ましくは50重量部以下である。活性炭の含有量が100重量部超では、酸素吸収速度が低下することがあり好ましくない。
【0036】
次に、本発明に係る有機系脱酸素剤の製造方法について説明する。
先ず、所定量の主剤に対して、必要に応じて触媒を加えて混合し、次に水を加えて主剤を溶解又は分散する。次いで、担持体を加えて混練し、さらにアルカリ剤を添加し、混練、粉体化し、さらに必要に応じて活性炭を秤量、添加、混合した後、充填包装し、包材化して有機系脱酸素剤包装体の製品とする。
【0037】
通気性袋は、酸素が通過可能な素材であればいずれも使用できるが、適度な通気性とヒートシール性を兼ね備えた積層体が好適である。例えば有孔(ポリエステル/ポリエチレン)フィルム/紙/有孔ポリエチレンフィルムをラミネートしたもの、紙又は不織布/有孔ポリエチレンフィルムをラミネートしたもの等が使用される。また、ポリエチレン不織布は単体で使用できる。
【0038】
以下に、実施例に基づき、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0039】
(実施例1−1)
縮合型タンニン(ケブラチョ抽出タンニン)5g、アルカリ剤(水酸化カルシウム)5g、水12.5g及び担持体(平均粒径100μmの二酸化珪素、比表面積198m/g、吸油量250cm3/100g)40gを上記した方法により混合し、脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を15g秤量し、外寸100×75mm、三方シール袋、シール幅5mmの通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。尚、通気性包材は、有孔(ポリエステル/ポリエチレン)/紙/有孔ポリエチレンの4層ラミネート構造で、ガーレ式透気度が6000〜10000秒/100mlを示すものを用いた。これを、以下「通気性包材」と称する。
【0040】
次に、この脱酸素剤包装体をポリ塩化ビニリデンコートナイロン/ポリエチレンラミネートフィルムのガスバリアー性袋(220×300mm)に水分活性が0.95を示す塩化ナトリウム水溶液を染み込ませた脱脂綿と共に入れ、空気1500mlを充填して密封した。また、同様にこの脱酸素剤包装体をポリ塩化ビニリデンコートナイロン/ポリエチレンラミネートフィルムのガスバリアー性袋(220×150mm)に水分活性が0.95を示す塩化ナトリウム水溶液を染み込ませた脱脂綿と共に入れ、空気500mlを充填して密封した。
【0041】
空気1500mlを封入した脱酸素剤包装体入りの密封袋を室温(25℃)に保持し、120時間後の袋内の酸素濃度(%)を東レエンジニアリング株式会社製ジルコニア式酸素濃度計LC−700Fを用いて測定し、脱酸素剤の酸素吸収量、すなわち、脱酸素能力(ml/個(15g))を評価した。さらに、同様に空気500mlを封入した脱酸素剤包装体入りの密封袋を作成したものについては、室温(25℃)に保持し、48時間後の酸素濃度(%)を測定し、すなわち脱酸素速度を評価した。さらに、金属探知器の感度を鉄球感度φ0.5に設定し、脱酸素剤包袋が金属探知器に検知されるか否かを評価した。また、脱酸素剤包装体を75%RH、25℃の環境の室内大気中に1週間放置したものの外観を観察し、染み出しの有無を評価した。結果を図1に示した。以下の実施例1−2〜1−6及び比較例1−1〜1−9においても上記と同様の評価を行い、結果を図1に示す。
【0042】
(実施例1−2)
縮合型タンニン(ケブラチョ)に代えて、加水分解型タンニン(化成品)を用いた以外は、実施例1−1と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を15g秤量し、実施例1−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0043】
(実施例1−3)
縮合型タンニン(ケブラチョ)に代えて、茶カテキン(1)(茶葉由来、主成分:テアフラビンとエピガロカテキンガレートの混合物を用いた以外は、実施例1−1と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を15g秤量し、実施例1−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0044】
(実施例1−4)
縮合型タンニン(ケブラチョ)に代えて、茶カテキン(2)(茶葉由来、主成分:エピガロカテキンガレートのみ)を用いた以外は、実施例1−1と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を15g秤量し、実施例1−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0045】
(実施例1−5)
縮合型タンニン(ケブラチョ)に代えて、葡萄種ポリフェノール(葡萄種)を用いた以外は、実施例1−1と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を15g秤量し、実施例1−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0046】
(実施例1−6)
縮合型タンニン(ケブラチョ)に代えて、リンゴポリフェノール(リンゴ果実皮)を用いた以外は、実施例1−1と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を15g秤量し、実施例1−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【比較例】
【0047】
(比較例1−1)
縮合型タンニン(ケブラチョ)に代えて、グリセリン(化成品)を用いた以外は、実施例1−1と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を15g秤量し、実施例1−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0048】
(比較例1−2)
縮合型タンニン(ケブラチョ)に代えて、カテコール(化成品)を用いた以外は、実施例1−1と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を15g秤量し、実施例1−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0049】
(比較例1−3)
縮合型タンニン(ケブラチョ)に代えて、没食子酸(化成品)を用いた以外は、実施例1−1と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を15g秤量し、実施例1−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0050】
(比較例1−4)
先行技術である上記した特許文献6の実施例に記載されている配合と同じように脱酸素剤組成物を調合した。具体的には、加水分解型タンニン(化成品)を4gとし、アルカリ剤として水酸化カルシウムに代えて、濃度0.75mol/lの水酸化ナトリウム水溶液3gを使用し、水を添加せず、担持体に平均粒径50μmの珪藻土(比表面積136m2/g)8gを用いた以外は、実施例1−2と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を15g秤量し、実施例1−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0051】
(比較例1−5)
担持体として平均粒径100μmの二酸化珪素に代えて、比較例1−4で用いたのと同様の平均粒径50μmの珪藻土を用いた以外は、実施例1−2と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を15g秤量し、実施例1−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0052】
(比較例1−6)
担持体として平均粒径100μmの二酸化珪素に代えて、平均粒径20μmの珪酸カルシウム(比表面積115m2/g、吸油量400cm3/100g)を用いた以外は、実施例1−2と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を15g秤量し、実施例1−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0053】
(比較例1−7)
アルカリ剤として水酸化カルシウムに代えて、濃度0.75mol/lの水酸化ナトリウム水溶液3gを使用し、水9.5gを用いた以外は、実施例1−2と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を15g秤量し、実施例1−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0054】
(比較例1−8)
アルカリ剤として水酸化カルシウムに代えて、水酸化マグネシウムを用いた以外は、実施例1−2と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を15g秤量し、実施例1−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0055】
(比較例1−9)
縮合型タンニン(ケブラチョ)に代えて、カテコール(化成品)を用い、かつ担持体として平均粒径1.1μmの二酸化珪素を用いた以外は、実施例1−1と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を15g秤量し、実施例1−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0056】
図1の表に示す結果から明らかなように、実施例1−1〜1−6は、比較例1−1〜1−9に比較していずれも高い酸素吸収量、すなわち優れた脱酸素性能を有する。実施例1−1〜1−6の中では、主剤として茶カテキンを用いた実施例1−3〜1−4が最も高い酸素吸収量を有するが、脱酸素能力及び速度と、経済性や入手の容易さを兼ね備えている点では、主剤として縮合型タンニンや加水分解型タンニンを用いた実施例1−1〜1−2が特に好適である。
【0057】
比較例1−1は、主剤としてグリセリンを用いたものであるが、実施例1−1〜1−6に比べて酸素吸収量が低いのみならず、反応後に刺激性の強いシュウ酸が生成する恐れがある。また、比較例1−2〜1−3は、低分子フェノール化合物(カテコール、没食子酸)を用いたものであるが、実施例1−1〜1−6に比べて酸素吸収量が低いのみならず、さらに染み出しが認められた。比較例1−4〜1−5は担持体として珪藻土を用いたものであり、二酸化珪素に比べて珪藻土の比表面積が小さいため、空気中の酸素との接触面積が小さくなることに起因して、実施例1−1〜1−6に比べて脱酸素量が低下しているものと推測される。また、比較例1−4〜1−5が金属探知器に感応性を示したのは、珪藻土に含有されている金属系不純物によるものと考えられる。比較例1−4と比較例1−5との比較では、強アルカリである水酸化ナトリウムを用いた比較例1−4よりも水酸化カルシウムを用いた比較例1−5の方がわずかに良好な脱酸素性能を示した。またこの結果からも分かるように、比較例1−4は、主剤にタンニンを使用しているのにも関わらず、アルカリ剤と担持体の適切な選択がなされておらず、その結果、脱酸素能力、脱酸素速度に劣り、さらに金属探知器に検知されたことから、上記した本発明の課題を解決するに足るものではないと言える。
【0058】
比較例1−6は、担持体として珪酸カルシウムを用いたものであるが、実施例1−1〜1−6と比較して脱酸素量が低下した。また、比較例1−7〜1−8は、アルカリ剤を変えたものであるが、実施例1−1〜1−6と比べて脱酸素性能が低下した。比較例1−9は、カテコールを主剤とし、担持体として平均粒径1.1mmの二酸化珪素を用いたものであるが、実施例1−1〜1−6と比べて脱酸素性能が低下した。これは、担持体の奥まで主剤が取り込まれ、空気中の酸素と接触する機会が少なくなったためと考えられる。また、染み出しもわずかながら観察された。
【実施例2】
【0059】
(実施例2−1)
縮合型タンニン(ケブラチョ)11g、アルカリ剤(水酸化カルシウム)7.5g、水10g、t−ブチルカテコール1.0g、活性炭0.5g及び担持体として平均粒径15μmの二酸化珪素(比表面積220m/g、吸油量200cm/100g)3gを上記した方法により混合し、脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を4g秤量し、それぞれ、外寸60×60mm;三方シール袋,シール幅5mmの通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0060】
実施例1−1と同様にして脱酸素剤の酸素吸収量(ml/個(4g))、48時間後の酸素濃度(%)、金属探知器に検知されるか否か、及び染み出しの有無を評価した。結果を図2に示す。以下の実施例2−2〜2−10においても上記と同様の評価を行い、結果を図2に掲載する。
【0061】
(実施例2−2)
水酸化カルシウムの添加量を4.5gとした以外は、実施例2−1と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を4g秤量し、実施例2−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0062】
(実施例2−3)
縮合型タンニン(ケブラチョ)に代えて、縮合型タンニン(ワットル)を用い、水酸化カルシウムの添加量を12.5gとした以外は、実施例2−1と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を4g秤量し、実施例2−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0063】
(実施例2−4)
縮合型タンニン(ケブラチョ)11gに代えて、縮合型タンニン(ワットル)13gを用い、担持体として二酸化珪素(平均粒径6.5μm、比表面積298m/g、吸油量240cm3/100g)4gを用い、t−ブチルカテコールを添加しない以外は、実施例2−1と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を4g秤量し、実施例2−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0064】
(実施例2−5)
担持体として実施例2−1で用いたのと同様の二酸化珪素(平均粒径15μm、比表面積220m2/g、吸油量200cm3/100g)を使用した以外は、実施例2−4と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を4g秤量し、実施例2−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0065】
(実施例2−6)
担持体として二酸化珪素(平均粒径140μm、比表面積186m2/g、吸油量170cm3/100g)を使用した以外は、実施例2−4と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を4g秤量し、実施例2−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0066】
(実施例2−7)
縮合型タンニン(ケブラチョ)に代えて、縮合型タンニン(ワットル)を用い、水の添加量を8gとした以外は、実施例2−1と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を4g秤量し、実施例2−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0067】
(実施例2−8)
水の添加量を12gとした以外は、実施例2−7と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を4g秤量し、実施例2−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0068】
(実施例2−9)
t−ブチルカテコール0.5gを添加した以外は、実施例2−5と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を4g秤量し、実施例2−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0069】
(実施例2−10)
t−ブチルカテコール1.0gを添加した以外は、実施例2−5と同様に脱酸素剤を調製した。この脱酸素剤を4g秤量し、実施例2−1と同様の通気性包材に封入し、脱酸素剤包装体とした。
【0070】
図2の表から分かるように、実施例2−1〜2−3は水酸化カルシウム量をそれぞれ変量した結果である。実施例2−2の水酸化カルシウムを4.5g添加したものよりも実施例2−1の7.5g添加したものの方が脱酸素能に優れる。しかし、実施例2−3のようにアルカリ剤を増やしすぎると脱酸素量、脱酸素速度が低下する傾向にある。これは適当なアルカリ環境を提供するのには水酸化カルシウムの適正な添加領域があることを意味し、主剤11gに対して水酸化カルシウムの添加量が7.5g付近のものが最適であることが判る。
【0071】
また、実施例2−4〜2−6は担持体の平均粒径、比表面積及び吸油量を変えた結果である。平均粒径、比表面積及び吸油量によって、脱酸素能力が変化することが判る。この中で実施例2−5において使用した担持体が良好な脱酸素能力を示した。これは、担持体粒径が小さすぎると、含浸させる脱酸素剤を構成する組成物が介在した凝集体を作り、主剤の酸素と接触する機会が減少するため脱酸素能力が低下したと考えられる。また、粒径の大きいものは、その分だけ比表面積が小さくなっており、上記の理由と同様に主剤の酸素と接触する機会が減少するため脱酸素能力が低下したと考えられる。従って、これらのことから、本発明における脱酸素剤に使用する担持体については、適当な材質、平均粒径、比表面積及び吸油量の特性を備えた担持体が選択されるべきであることが明らかとなった。
【0072】
さらに、実施例2−1、実施例2−7及び2−8は脱酸素剤に含まれる水の量を変量した結果を対比するものである。主剤11gに対して水の添加量は10gであったときに、脱酸素能力が高くなっているが、48時間後の酸素濃度、すなわち脱酸素速度においては水の添加量が多いほど低下してしまう。この理由は定かではないが、水分量が多いと各成分が水に溶解した時の濃度が薄まり、各成分の接触機会が低下して脱酸素速度が低下したものと考えられる。
【0073】
また、実施例2−5、2−9及び2−10は触媒としてt−ブチルカテコールの添加量を変量した結果を対比するものである。触媒の添加量が多いほど脱酸素能力と脱酸素速度ともに向上している。このことは、脱酸素剤中の触媒濃度が高くなるので、主剤に対しての脱酸素反応を促進させたものと考えられる。
【0074】
これらの実施例2−1〜2−10は、脱酸素剤4gで評価した結果であり、一方実施例1−1〜1−6は脱酸素剤15gで評価したものである。これらの結果から、配合を適正化することによって、脱酸素能力が大幅に向上していることが明らかとなり、特に実施例2−1の配合の脱酸素剤が好適である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明に係る有機系脱酸素剤は、鉄等の金属を含まないため金属探知器に検知されないことはもとより、優れた脱酸素性能を有し、かつ安全性が高く、誤食しても人体に対する影響が極めて少なく、染み出しの問題も有せず、また安価である。このことから、本発明に係る有機系脱酸素剤は、食品を始めとして医薬品、金属製品等に使用される脱酸素剤として広範な用途に使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施例1−1〜実施例1−6と比較例1−1〜比較例1−9との品質性能等の対比を行った一覧表である。
【図2】実施例2−1〜実施例2−10の品質性能を掲載した一覧表である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主剤、アルカリ剤、水及び担持体を含有する有機系脱酸素剤であって、上記主剤としてフェノール性水酸基を1個以上含有するベンゼン環が化学構造式中に2個以上含む複合化合物、上記アルカリ剤として水酸化カルシウムをそれぞれ用い、かつ上記担持体が多孔質二酸化珪素であることを特徴とする有機系脱酸素剤。
【請求項2】
上記多孔質二酸化珪素の平均粒径が200μm以下である請求項1記載の有機系脱酸素剤。
【請求項3】
上記複合化合物がタンニン、タンニン酸、カテキン、ケルセチン、フラボノール、フラボン、フラバノン、イソフラボン、アントシアニンから選択される少なくとも1種である請求項1又は2記載の有機系脱酸素剤。
【請求項4】
上記複合化合物がタンニン又はタンニン酸である請求項3記載の有機系脱酸素剤。
【請求項5】
上記タンニン又はタンニン酸が、縮合型タンニン又は縮合型タンニン酸である請求項4記載の有機系脱酸素剤。
【請求項6】
上記主剤100重量部に対して、上記アルカリ剤を10〜200重量部、上記水を10〜200重量部をそれぞれ含有し、かつ上記担持体100重量部に対して、上記主剤、アルカリ剤及び水の合計量が10〜2500重量部が含有されている請求項1〜5のいずれかに記載の有機系脱酸素剤。
【請求項7】
触媒及び/又は活性炭を含む請求項1〜6のいずれかに記載の有機系脱酸素剤。
【請求項8】
上記主剤100重量部に対して、上記触媒を15重量部以下及び/又は上記活性炭を100重量部以下含有する請求項7記載の有機系脱酸素剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−74962(P2007−74962A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−265731(P2005−265731)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(000231970)パウダーテック株式会社 (91)
【Fターム(参考)】