有機電界発光素子及びその製造方法
【課題】有機電界発光素子の暗点を減らし寿命を増加させて効率を高める。
【解決手段】有機電界発光素子の赤色、緑色及び青色を具現する有機膜のうちで赤色、緑色及び青色の正孔注入層と正孔輸送層の合計厚さをそれぞれ500ないし700Åまたは2000ないし2400Å、1600ないし2000Åと200ないし400Åに制御する。
【解決手段】有機電界発光素子の赤色、緑色及び青色を具現する有機膜のうちで赤色、緑色及び青色の正孔注入層と正孔輸送層の合計厚さをそれぞれ500ないし700Åまたは2000ないし2400Å、1600ないし2000Åと200ないし400Åに制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機電界発光素子及びその製造方法に係り、さらに詳細には緑色を具現する有機膜のうち正孔注入層と正孔輸送層の厚さの合計が1600ないし2000Åになるように形成して、赤色を具現する有機膜のうち正孔注入層と正孔輸送層の厚さの合計が200ないし400Åになるように形成して有機膜の寿命を増加させて暗点を最小化する有機電界発光素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機電界発光素子は自発光型表示素子であり、薄形で軽量、部品が簡素で工程が簡単であるという理想的構造をもっていて、高画質で広視野角を確保したし完壁な動映像具現と高色純度具現が可能であって低消費電力、低電圧駆動でモバイルに好適な電気的特性をもつという長所がある。
【0003】
一般的な有機電界発光素子の構造は基板と前記基板上に画素電極が位置して、前記画素電極上に発光層(EML)を含んだ有機膜が位置し、前記有機膜上に対向電極が位置する。前記有機膜は前記画素電極と発光層間に正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)を、前記発光層(EML)と前記対向電極間に電子輸送層(ETL)、電子注入層(EIL)をさらに含むことができる。
【0004】
前記構造の有機電界発光素子の駆動原理は下記のよう通りである。
【0005】
前記画素電極と対向電極間に電圧を印加すると、正孔は画素電極から正孔注入層、正孔輸送層を経由して発光層内に注入されて、電子は対向電極から電子注入層、電子輸送層を経由してやはり発光層内に注入される。前記発光層内に注入された正孔と電子は発光層で再結合して励起子(exciton)を生成して、このような励起子が励起状態から基底状態に転移しながら光を放出するようになる。
【0006】
一般的に前面発光型有機電界発光表示素子は光の共振効果を利用するので画素電極の厚さを可能な限り波長帯に一致するように形成することが重要であって発光層と画素電極間に具備される正孔注入層及び正孔輸送層の厚さを波長帯に一致するように形成することも重要である。前記正孔注入層は陽極である画素電極から正孔の注入を容易にして素子の消費電力効率を改善させて素子の寿命を増加させる。そして、前記正孔輸送層は正孔を容易に運搬して電子を発光領域に束縛して励起子の形成確率を増加させて正孔移動度が高いということが特徴である。
【0007】
しかし、従来の有機発光素子の有機膜は素子の寿命を延ばすために薄く形成しようとすると、パーティクル(Particle)により暗点(Dark Pixel)が発生する確率が高くなり、反面、前記暗点を減らすために有機膜を厚く形成しようとすると、駆動電圧が上昇して効率及び寿命が減少する等、相反する問題点が生じ、適切な厚さで前記有機膜の厚さを制御することが難しいという短所がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、前記のような従来技術の短所と問題点を解決するためになされたものであって、有機電界発光素子のR、G及びBのそれぞれの単位画素上の正孔注入層と正孔輸送層の厚さの合計を制御することによって暗点を減らして、寿命を増加させて効率を高めることができるようにした有機電界発光素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の前記目的は第1電極、前記第1電極上に位置した有機発光層及び前記有機発光層上に位置した第2電極が形成された、第1画素領域、第2画素領域及び第3画素領域を具備した基板を含み、前記第1電極と有機発光層との間に位置する、前記第1有機膜及び第2有機膜の厚さの合計が、前記第1画素領域では500ないし700Åまたは2000ないし2400Åであって、前記第2画素領域では1600ないし2000Åであって、前記第3画素領域では200ないし400Åである有機電界発光素子により達成される。
【0010】
また、本発明の前記目的は基板上に複数個の第1電極を形成する段階と、それぞれの前記第1電極上に画素定義膜を形成して第1画素領域、第2画素領域及び第3画素領域を定義する段階と、前記第1画素領域上に厚さの合計が500ないし700Åまたは2000ないし2400Åである第1有機膜層及び第2有機膜層、前記第2画素領域上に厚さの合計が1600ないし2000Åである第1有機膜層及び第2有機膜層及び前記第3画素領域上に厚さの合計が200ないし400Åである第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階と、前記第1画素領域、第2画素領域及び第3画素領域に定義された基板上に発光層を形成する段階と、前記発光層上に第2電極を形成する段階と、で構成された有機電界発光素子製造方法により達成される。
【発明の効果】
【0011】
したがって、本発明の有機電界発光素子及びその製造方法によれば、緑色及び赤色を具現する有機膜のうち、正孔注入層及び正孔輸送層の厚さの合計を制御することによって暗点を減少させて寿命も増加させることができ、効率をも高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の前記目的と技術的構成及びそれによる作用効果に関する詳細な事項は、本発明の望ましい実施形態を図示している図面を参照した以下の詳細な説明によりさらに明確に理解される。また図面において、層及び領域の長さ、厚さなどは発明の理解を助けるため便宜上誇張されて表現されることもある。明細書全体にかけて等しい参照番号は等しい構成要素を示す。
【0013】
図1Aないし図1Cは本発明の1実施形態による有機発光素子の製造方法を示す断面図である。
【0014】
図1Aを参照しながら説明すれば、ガラスまたはプラスチックのような透明な絶縁基板100上にバッファー層105を形成する。これは、前記バッファー層105は下部の前記基板で発生する水分または不純物の拡散を防止したり、結晶化時熱の伝達の速度を調節したりすることによって、半導体層の結晶化がよく進むことができるようにするためである。
【0015】
続いて、前記バッファー層105上に半導体層110を形成する。この時、前記半導体層110は前記バッファー層105上に非晶質シリコーン層を形成して、これを結晶化した後、パターニングすることによって形成することができる。
【0016】
続いて、前記半導体層110が形成された基板100上にゲート絶縁膜115を形成する。この時、前記ゲート絶縁膜115は物理的気相蒸着法(Physical Vapor Deposition)または化学的気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition)でシリコーン酸化膜、シリコーン窒化膜及びこれらの複層のうちいずれか一つを利用して形成する。
【0017】
続いて、前記ゲート絶縁膜115上にゲート電極物質を蒸着した後、これをパターニングしてゲート電極120を形成する。前記ゲート電極物質をパターニングする時、所定領域にデータライン、スキャンライン、共通電源ライン及びキャパシターの電極等のような素子のうちいずれか一つ以上を同時に形成することができる。
【0018】
続いて、前記ゲート電極120等のような素子を保護するために層間絶縁膜125を基板全面にかけて形成する。
【0019】
続いて、前記層間絶縁膜125及びゲート絶縁膜115の所定領域をエッチングして前記半導体層110のソース/ドレイン領域の所定領域を露出させるコンタクトホールを形成した後、ソース/ドレイン電極物質を基板上に蒸着して、前記ソース/ドレイン電極物質をパターニングして前記半導体層110のソース/ドレイン領域とコンタクトするソース/ドレイン電極130を形成する。
【0020】
前記ソース/ドレイン電極物質をパターニングする時、所定領域にデータライン、スキャンライン、共通電源ライン及びキャパシターの電極等のような素子のうちいずれか一つ以上を同時に形成することができる。前記ソース/ドレイン電極130を形成することによって半導体層、ゲート絶縁膜、ゲート電極及びソース/ドレイン電極で構成される薄膜トランジスタを完成したと言える。
【0021】
続いて、前記基板上にパッシベーション膜135及び平坦化層140のうちいずれか一つ以上を形成する。この時、前記パッシベーション膜135は下部の素子を保護する役割をする絶縁膜であって、前記平坦化層140は下部の素子により発生する段差を除去する役割をする絶縁膜である。
【0022】
図1Bを参照しながら説明すれば、前記平坦化層140及びパッシベーション膜135の一部をエッチングして前記ソース/ドレイン電極130の一部を露出させるビアホール145を形成する。
【0023】
続いて、前記基板上に第1電極物質を蒸着した後、これをパターニングして前記ソース/ドレイン電極130と連結された第1電極150を形成する。この時、前記第1電極150はITO(Indium−Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)等のような透明な導電体を利用して形成することができる。
【0024】
続いて、前記基板上に絶縁物を形成して、これをパターニングして前記第1電極150の所定領域が露出するように画素定義膜155を形成する。この時、前記画素定義膜155は画素領域を定義する役割をするようになるが、前記第1電極150のうち前記画素定義膜155により露出される領域を画素領域だと定義することができる。
【0025】
前記図1A及び図1Bを参照しながら説明すれば、ゲート電極物質またはソース/ドレイン電極物質をパターニングすることによってスキャンライン、データライン及び共通電源ラインを形成することができる。この時、前記スキャンライン、データライン及び共通電源ラインが形成されることによって一つの副画素(Sub−Pixel)を定義することができる。前記副画素は有機電界発光素子の最小単位であって、R(Red)、G(Green)またはB(Blue)のうちいずれか一つであって、前記副画素が複数個形成されて有機電界発光素子を構成する。
【0026】
図1Cを参照しながら説明すれば、前記で詳述した副画素が少なくとも3個が構成されて、それぞれR、G及びBを発現して階調表示が可能な最小限の大きさで定義されることができる一つの単位ピクセル(Unit Pixel)を図示している。
【0027】
前記画素定義膜155で定義された3個の画素領域はそれぞれ第1画素領域P1、第2画素領域P2及び第3画素領域P3で定義される。
【0028】
前記第1画素領域P1は前記第1電極150a上に少なくとも赤色(すなわち、R)を発現することができる有機発光層を含む有機膜層160aを形成することによって具現して、前記第2画素領域P2は前記第1電極150b上に少なくとも緑色(すなわち、G)を発現することができる有機発光層を含む有機膜層160bを形成することによって具現して、前記第3画素領域P3は前記第1電極150c上に少なくとも青色(すなわち、B)を発現することができる有機発光層を含む有機膜層160cを形成することによって具現することができる。
【0029】
続いて、前記第1画素領域P1、第2画素領域P2及び第3画素領域P3上に第2電極165を形成することによって一つの単位ピクセルが図示されて、前記単位ピクセルを複数個形成することによって有機電界発光素子を完成することができる。
【0030】
図2Aないし図2Cは前記単位ピクセルのそれぞれの画素領域上に形成された有機膜層の構造を示した断面図である。
【0031】
図2Aないし図2Cを参照しながら説明すれば、前記図1Cに示した第1画素領域P1、第2画素領域P2及び第3画素領域P3上の有機膜層の構造を図示しているが、前記第1電極160a、160b、160c上に第1有機膜210a、210b、210c、第2有機膜220a、220b、220c、第3有機膜230a、230b、230c、第4有機膜240a、240b、240c及び第5有機膜250a、250b、250cが順次的に積層されていて、前記第5有機膜250a、250b、250c上に第2電極165が形成されている。
【0032】
前記第1有機膜210a、210b、210cは正孔注入層(Hole Injetion Layer)、第2有機膜220a、220b、220cは正孔輸送層(Hole Transfer Layer)、第3有機膜230a、230b、240cは発光層(Emitting Layer)、第4有機膜240a、240b、240cは電子輸送層(Electron Transfer Layer)、第5有機膜250a、250b、250cは電子注入層(Electron Injection Layer)であることがある。
【0033】
また、図2Aないし図2Cの断面図では図示しなかったが、前記第3有機膜230a、230b、230cと第4有機膜(240a、240b、240c)間に正孔阻止層(Hole Blocking Layer)をさらに形成することもできる。
【0034】
前記第1画素領域P1、第2画素領域P2及び第3画素領域P3の第1有機膜210a、210b、210cである正孔輸送層及び第2有機膜220a、220b、220cである正孔注入層の厚さの合計は適切な値を有することが望ましい。
【0035】
まず、それぞれの副画素(すなわち、R、G及びB)の第1有機膜と第2有機膜の厚さの合計による共振効果などにより発光効率は変わるようになるが、このような第1有機膜と第2有機膜の厚さの合計と発光効率(または色相)の関係を下記[表1]に表示した。
【0036】
【表1】
【0037】
前記表1を参照しながら説明すれば、RとGは厚さを変化させてもある程度色特性は満足されるため、前記表1で最高の効率を有する範囲の厚さ範囲である500−700または200−2400Å(R)と200−400または1600−2000Å(G)を選択して、Bはまず色特性を制限した後(y色座標0.09以下にならなければならない)そのうち効率が最も高い厚さ範囲である200−400または1200−1600Åを選択する。
【0038】
したがって、前記副画素のうち、赤色(R)の副画素は第1有機膜及び第2有機膜の厚さの合計が500ないし700Åまたは2000ないし2400Åとして、緑色(G)の副画素は200ないし400Åまたは1600ないし2000Åとして、青色(B)の副画素は200ないし400Åまたは1200ないし1600Åとして形成することが望ましい。
【0039】
図3A及び図3Bはそれぞれ副画素(RGB)別平均暗点数とGの第1有機膜及び第2有機膜の厚さの合計による暗点比を示したグラフである。
【0040】
図3A及び図3Bを参照しながら説明すれば、3個の副画素が合わせられた単位ピクセルのホワイトバランス(White Balance)を合せるためにはそれぞれの副画素の輝度は異なる(特に、緑色(G)の輝度が最も高い)が、図3Aに示したように赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の第1有機膜と第2有機膜の厚さの合計を同一にしてホワイトバランスを合せる場合、青色(B)または赤色(R)を発現する副画素の場合には暗点(DarkPixel)の発生が少なくなるが、輝度が高い緑色(G)を発現する副画素の場合には暗点の発生が多くなる。前記のような緑色(G)を発現する副画素の暗点は図3Bに示したように緑色(G)の有機膜を従来の共振条件を満足させながら厚く形成する場合、暗点が顕著に減ることが分かる。したがって、緑色(G)の副画素の第1有機膜と第2有機膜の厚さは厚くすることが望ましい。
【0041】
図4A及び図4Bはそれぞれ副画素(RGB)別時間による輝度比とGの副画素及びBの副画素の時間による発光比を示すグラフである。
【0042】
青色(B)を発現する副画素の第1有機膜と第2有機膜の厚さの合計は薄いことが望ましいが、これは図4Aに示したように青色(B)の寿命が最も短くて時間が経過するにしたがって寿命が他の色に比べて輝度比が急激に減少するためであり、これによりカラーシフト(Color Shift)が起きて緑色を帯びたり(Greenish)黄色を帯びたりするように(Yellowish)なる。このような問題点を解決するために、図4Bに示したように前記青色(B)の第1有機膜と第2有機膜の厚さを薄く形成して(B_thin曲線)、緑色(B)の第1有機膜と第2有機膜の厚さを厚く形成(G_thick曲線)すれば、青色(B)の寿命と緑色(B)の寿命が同様になってその問題点を解決することができる。
【0043】
前記図4Aの‘R’は赤色(R)の時間による輝度比を、‘G’は緑色(G)の時間による輝度比を、‘B’は青色(B)の時間による輝度比を示しており、図4Bの‘G_thin’は第1有機膜と第2有機膜の厚さが薄い緑色(G)の発光比を、‘G_thick’は第1有機膜と第2有機膜の厚さが厚い緑色(G)の発光比を、‘B_thin’は第1有機膜と第2有機膜の厚さが薄い青色(B)の発光比を、‘B_thick’は第1有機膜と第2有機膜の厚さが厚い青色(B)の発光比を示している。
【0044】
したがって、第1電極と第2電極との間にショートを発生させることなく、しかも発光効率及び寿命を減少させないようにするためには、緑色を発現する第2画素領域の有機膜層のうち第1有機膜220b及び第2有機膜230bの厚さの合計を厚く形成する。緑色を発現する第2画素領域の有機膜層のうち第1有機膜220b及び第2有機膜230bの厚さの合計を厚く形成する場合には、寿命が短くなって発光効率が低くなる青色を発現する第3画素領域の第1有機膜220c及び第2有機膜230cは薄く形成する。
【0045】
このとき、赤色を発現する第1画素領域の有機膜層の第1有機膜210a及び第2有機膜220aは薄く形成しても暗点が発生しない。赤色を発現する第1画素領域の有機膜層の第1有機膜210a及び第2有機膜220aは薄く形成しても厚く形成してもその寿命または効率は減少しないので、薄く形成しても厚く形成しても構わない。
【0046】
したがって、前記の第1画素領域P1の第1有機膜210a及び第2有機膜220aの厚さの合計は500ないし700Åまたは2000ないし2400Åの間で形成することが望ましく、第2画素領域P2の第1有機膜210b及び第2有機膜220bの厚さの合計は1600ないし2000Åの間で形成することが望ましく、第3画素領域P3の第1有機膜210c及び第2有機膜220cの厚さの合計は200ないし400Åの間で形成することが望ましい。
【0047】
このとき、前記第1画素領域P1は赤色(R)の副画素であって、前記第2画素領域P2は緑色(G)の副画素であって、前記第3画素領域P3は青色(B)の副画素であることがある。
【0048】
図5Aないし図5Fは各副画素の有機膜層を形成する方法の1実施形態を示した断面図である。
【0049】
図5Aを参照しながら説明すれば、ガラスまたはプラスチックのような透明な絶縁基板300上に前記図1A及び図1Bを参照しながら説明したように多層の素子層310を形成する。
【0050】
続いて、それぞれの副画素の画素領域P1、P2、P3上にそれぞれの素子層310のソース/ドレイン電極に連結された第1電極320a、320b、320cを形成して、前記第1電極220a、220b、220cの所定領域を露出させる画素定義膜330を形成する。
【0051】
続いて、図5Bを参照しながら説明すれば、前記基板300上に第1マスク340aを位置させた後、第1画素領域P1の第1電極320a上に第1有機膜350a及び第2有機膜350bの厚さの合計が500ないし700Åまたは2000ないし2400Åになるように第1有機膜350a及び第2有機膜350bを蒸着D1する。
【0052】
続いて、図5Cを参照しながら説明すれば、前記基板300上に第2マスク340bを位置させた後、第2画素領域P2の第1電極320b上に第1有機膜360a及び第2有機膜360bの厚さの合計が1600ないし2000Åになるように第1有機膜360a及び第2有機膜360bを蒸着D2する。
【0053】
続いて、図5Dを参照しながら説明すれば、前記基板300上に第3マスク340cを位置させた後、第3画素領域P3の第1電極320c上に第1有機膜370a及び第2有機膜370bの厚さの合計が200ないし400Åになるように第1有機膜370a及び第2有機膜370bを蒸着D3する。
【0054】
続いて、図5Eを参照しながら説明すれば、前記基板300上に第4マスク340dを位置させた後、第1画素領域P1、第2画素領域P2及び第3画素領域P3の第1電極320c上に第3有機膜380a、第4有機膜380b及び第5有機膜380cを順次的に蒸着D4する。
【0055】
続いて、図5Fを参照しながら説明すれば、前記第1画素領域P1、第2画素領域P2及び第3画素領域P3上に第2電極390を形成することによって、第1画素領域P1上には第1有機膜350a及び第2有機膜350bの厚さの合計が500ないし700Åまたは2000ないし2400Åであり、第2画素領域P2上には第1有機膜360a及び第2有機膜360bの厚さの合計が1600ないし2000Åであり、第3画素領域P3上には第1有機膜370a及び第2有機膜370bの厚さの合計が1200ないし1600Åである第1有機膜及び第2有機膜が形成されて、その上部に第3有機膜380a、第4有機膜380b及び第5有機膜280cが等しい厚さで形成されている有機電界発光素子が完成される。
【0056】
図6Aないし図6Eは各副画素の有機膜層を形成する方法の他実施形態を示した断面図である。
【0057】
図6Aを参照しながら説明すれば、前記図1A及び図1Bを参照しながら説明したようにガラスまたはプラスチックのような透明な絶縁基板400上に多層の素子層410を形成する。
【0058】
続いて、前記素子層410上に前記素子層410のソース/ドレイン電極にコンタクトする第1電極420a、420b、420cを形成する。
【0059】
続いて、前記第1電極420a、420b、420cの所定領域を露出させる画素定義膜330を形成する。
【0060】
続いて、前記基板400上に光熱変換層510及び厚さの合計が200ないし400Åである第1ドナー−第1有機膜フィルム520aと第1ドナー−第2有機膜フィルム520bが形成されたドナーフィルム500を位置させる。
【0061】
図6Bを参照しながら説明すれば、前記第1ドナーフィルム500aを前記基板400上に接触させた後、レーザー530を所定の距離だけ移動させて、前記第1ドナー−第1有機膜フィルム520a及び第1ドナー−第2有機膜フィルム520bの一部を第3画素領域P3の第1電極420c上に転写させ、第3画素領域P3の第1有機膜層430a及び第2有機膜層430bを形成する。この時、前記第1ドナーフィルム500a上に形成された第1有機膜フィルム520a及び第2有機膜フィルム520bが前記第1電極420c上に転写される理由は、前記照射されたレーザー430の光エネルギーが前記光熱変換層で熱エネルギーに変化して前記第1有機膜フィルム520a及び第2有機膜フィルム520bの一部を前記第1ドナーフィルム500aから分離させるためである。
【0062】
続いて、前記第1ドナーフィルム500aを基板400上から除去する。
【0063】
図6Cを参照しながら説明すれば、前記基板400上に第2ドナー−第1有機膜フィルム530a及び第2ドナー−第2有機膜フィルム530bが形成された第2ドナーフィルム500bを接触させた後、レーザー530を所定の距離だけ移動させて、第2ドナー−第1有機膜フィルム530a及び第2ドナー−第2有機膜フィルム530bの一部を第2画素領域P2の第1電極420b上に転写させ、厚さの合計が1600ないし2000Åである第2画素領域P2の第1電極420b上に第1有機膜層440a及び第2有機膜層440bを形成する。
【0064】
図6Dを参照しながら説明すれば、前記基板400上に第3ドナー−第1有機膜フィルム540a及び第3ドナー−第2有機膜フィルム540bが形成された第3ドナーフィルム500cを接触させた後、レーザー530を所定の距離だけ移動させて、第3ドナー−第1有機膜フィルム540a及び第3ドナー−第2有機膜フィルム540bの一部を第1画素領域P1の第1電極420a上に転写させ、厚さの合計が500ないし700Åまたは2000ないし2400Åである第1画素領域P1の第1有機膜層450a及び第2有機膜層450bを形成する。
【0065】
図6Eを参照しながら説明すれば、前記基板400上に第4ドナー−第3有機膜フィルム550a、第4ドナー−第4有機膜フィルム550b及び第4ドナー−第5有機膜フィルム550cが形成された第4ドナーフィルム500dを接触させた後、レーザー530を所定の距離だけ移動させて、第4ドナー−第3有機膜フィルム550a、第4ドナー−第4有機膜フィルム550b及び第4ドナー−第5有機膜フィルム550cの一部を、第1画素領域P1、第2画素領域P2及び第3画素領域P3上にそれぞれ転写させ、第1画素領域P1、第2画素領域P2及び第3画素領域P3上に第3有機膜層450c、440c、430c、第4有機膜層450d、440d、430d及び第5有機膜層450e、440e、430eを形成する。
【0066】
この時、前記それぞれの画素領域上に形成された第3有機膜層、第4有機膜層及び第5有機膜層の厚さの合計は等しい。
【0067】
以後、前記基板400上に第2電極(図示せず)を形成して有機電界発光素子を完成する。
【0068】
本発明は以上のように望ましい実施形態を挙げて図示して説明したが、本発明は前記実施形態に限られず本発明の精神を外れない範囲内で該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者により多様な変更と修正が可能であることはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、有機発光素子に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1A】本発明の1実施形態による有機発光素子の製造方法を示す断面図である。
【図1B】本発明の1実施形態による有機発光素子の製造方法を示す断面図である。
【図1C】本発明の1実施形態による有機発光素子の製造方法を示す断面図である。
【図2A】単位ピクセルのそれぞれの画素領域上に形成された有機膜層の構造を示した断面図である。
【図2B】単位ピクセルのそれぞれの画素領域上に形成された有機膜層の構造を示した断面図である。
【図2C】単位ピクセルのそれぞれの画素領域上に形成された有機膜層の構造を示した断面図である。
【図3A】各副画素(RGB)別平均暗点数とGの第1有機膜及び第2有機膜の厚さの合計による暗点比を示したグラフである。
【図3B】各副画素(RGB)別平均暗点数とGの第1有機膜及び第2有機膜の厚さの合計による暗点比を示したグラフである。
【0071】
【図4A】各副画素(RGB)別時間による輝度比とGの副画素及びBの副画素の時間による発光比を示すグラフである。
【図4B】各副画素(RGB)別時間による輝度比とGの副画素及びBの副画素の時間による発光比を示すグラフである。
【図5A】各副画素の有機膜層を形成する方法の1実施形態を示した断面図である。
【図5B】各副画素の有機膜層を形成する方法の1実施形態を示した断面図である。
【図5C】各副画素の有機膜層を形成する方法の1実施形態を示した断面図である。
【図5D】各副画素の有機膜層を形成する方法の1実施形態を示した断面図である。
【図5E】各副画素の有機膜層を形成する方法の1実施形態を示した断面図である。
【図5F】各副画素の有機膜層を形成する方法の1実施形態を示した断面図である。
【図6A】各副画素の有機膜層を形成する方法の他実施形態を示した断面図である。
【図6B】各副画素の有機膜層を形成する方法の他実施形態を示した断面図である。
【図6C】各副画素の有機膜層を形成する方法の他実施形態を示した断面図である。
【図6D】各副画素の有機膜層を形成する方法の他実施形態を示した断面図である。
【図6E】各副画素の有機膜層を形成する方法の他実施形態を示した断面図である。
【符号の説明】
【0072】
160a、160b、160c 第1電極
210a、210b、210c 第1有機膜層
220a、220b、220c 第2有機膜層
230a、230b、230c 第3有機膜層
240a、240b、240c 第4有機膜層
250a、250b、250c 第5有機膜層
165:第2電極
【技術分野】
【0001】
本発明は有機電界発光素子及びその製造方法に係り、さらに詳細には緑色を具現する有機膜のうち正孔注入層と正孔輸送層の厚さの合計が1600ないし2000Åになるように形成して、赤色を具現する有機膜のうち正孔注入層と正孔輸送層の厚さの合計が200ないし400Åになるように形成して有機膜の寿命を増加させて暗点を最小化する有機電界発光素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機電界発光素子は自発光型表示素子であり、薄形で軽量、部品が簡素で工程が簡単であるという理想的構造をもっていて、高画質で広視野角を確保したし完壁な動映像具現と高色純度具現が可能であって低消費電力、低電圧駆動でモバイルに好適な電気的特性をもつという長所がある。
【0003】
一般的な有機電界発光素子の構造は基板と前記基板上に画素電極が位置して、前記画素電極上に発光層(EML)を含んだ有機膜が位置し、前記有機膜上に対向電極が位置する。前記有機膜は前記画素電極と発光層間に正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)を、前記発光層(EML)と前記対向電極間に電子輸送層(ETL)、電子注入層(EIL)をさらに含むことができる。
【0004】
前記構造の有機電界発光素子の駆動原理は下記のよう通りである。
【0005】
前記画素電極と対向電極間に電圧を印加すると、正孔は画素電極から正孔注入層、正孔輸送層を経由して発光層内に注入されて、電子は対向電極から電子注入層、電子輸送層を経由してやはり発光層内に注入される。前記発光層内に注入された正孔と電子は発光層で再結合して励起子(exciton)を生成して、このような励起子が励起状態から基底状態に転移しながら光を放出するようになる。
【0006】
一般的に前面発光型有機電界発光表示素子は光の共振効果を利用するので画素電極の厚さを可能な限り波長帯に一致するように形成することが重要であって発光層と画素電極間に具備される正孔注入層及び正孔輸送層の厚さを波長帯に一致するように形成することも重要である。前記正孔注入層は陽極である画素電極から正孔の注入を容易にして素子の消費電力効率を改善させて素子の寿命を増加させる。そして、前記正孔輸送層は正孔を容易に運搬して電子を発光領域に束縛して励起子の形成確率を増加させて正孔移動度が高いということが特徴である。
【0007】
しかし、従来の有機発光素子の有機膜は素子の寿命を延ばすために薄く形成しようとすると、パーティクル(Particle)により暗点(Dark Pixel)が発生する確率が高くなり、反面、前記暗点を減らすために有機膜を厚く形成しようとすると、駆動電圧が上昇して効率及び寿命が減少する等、相反する問題点が生じ、適切な厚さで前記有機膜の厚さを制御することが難しいという短所がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、前記のような従来技術の短所と問題点を解決するためになされたものであって、有機電界発光素子のR、G及びBのそれぞれの単位画素上の正孔注入層と正孔輸送層の厚さの合計を制御することによって暗点を減らして、寿命を増加させて効率を高めることができるようにした有機電界発光素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の前記目的は第1電極、前記第1電極上に位置した有機発光層及び前記有機発光層上に位置した第2電極が形成された、第1画素領域、第2画素領域及び第3画素領域を具備した基板を含み、前記第1電極と有機発光層との間に位置する、前記第1有機膜及び第2有機膜の厚さの合計が、前記第1画素領域では500ないし700Åまたは2000ないし2400Åであって、前記第2画素領域では1600ないし2000Åであって、前記第3画素領域では200ないし400Åである有機電界発光素子により達成される。
【0010】
また、本発明の前記目的は基板上に複数個の第1電極を形成する段階と、それぞれの前記第1電極上に画素定義膜を形成して第1画素領域、第2画素領域及び第3画素領域を定義する段階と、前記第1画素領域上に厚さの合計が500ないし700Åまたは2000ないし2400Åである第1有機膜層及び第2有機膜層、前記第2画素領域上に厚さの合計が1600ないし2000Åである第1有機膜層及び第2有機膜層及び前記第3画素領域上に厚さの合計が200ないし400Åである第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階と、前記第1画素領域、第2画素領域及び第3画素領域に定義された基板上に発光層を形成する段階と、前記発光層上に第2電極を形成する段階と、で構成された有機電界発光素子製造方法により達成される。
【発明の効果】
【0011】
したがって、本発明の有機電界発光素子及びその製造方法によれば、緑色及び赤色を具現する有機膜のうち、正孔注入層及び正孔輸送層の厚さの合計を制御することによって暗点を減少させて寿命も増加させることができ、効率をも高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の前記目的と技術的構成及びそれによる作用効果に関する詳細な事項は、本発明の望ましい実施形態を図示している図面を参照した以下の詳細な説明によりさらに明確に理解される。また図面において、層及び領域の長さ、厚さなどは発明の理解を助けるため便宜上誇張されて表現されることもある。明細書全体にかけて等しい参照番号は等しい構成要素を示す。
【0013】
図1Aないし図1Cは本発明の1実施形態による有機発光素子の製造方法を示す断面図である。
【0014】
図1Aを参照しながら説明すれば、ガラスまたはプラスチックのような透明な絶縁基板100上にバッファー層105を形成する。これは、前記バッファー層105は下部の前記基板で発生する水分または不純物の拡散を防止したり、結晶化時熱の伝達の速度を調節したりすることによって、半導体層の結晶化がよく進むことができるようにするためである。
【0015】
続いて、前記バッファー層105上に半導体層110を形成する。この時、前記半導体層110は前記バッファー層105上に非晶質シリコーン層を形成して、これを結晶化した後、パターニングすることによって形成することができる。
【0016】
続いて、前記半導体層110が形成された基板100上にゲート絶縁膜115を形成する。この時、前記ゲート絶縁膜115は物理的気相蒸着法(Physical Vapor Deposition)または化学的気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition)でシリコーン酸化膜、シリコーン窒化膜及びこれらの複層のうちいずれか一つを利用して形成する。
【0017】
続いて、前記ゲート絶縁膜115上にゲート電極物質を蒸着した後、これをパターニングしてゲート電極120を形成する。前記ゲート電極物質をパターニングする時、所定領域にデータライン、スキャンライン、共通電源ライン及びキャパシターの電極等のような素子のうちいずれか一つ以上を同時に形成することができる。
【0018】
続いて、前記ゲート電極120等のような素子を保護するために層間絶縁膜125を基板全面にかけて形成する。
【0019】
続いて、前記層間絶縁膜125及びゲート絶縁膜115の所定領域をエッチングして前記半導体層110のソース/ドレイン領域の所定領域を露出させるコンタクトホールを形成した後、ソース/ドレイン電極物質を基板上に蒸着して、前記ソース/ドレイン電極物質をパターニングして前記半導体層110のソース/ドレイン領域とコンタクトするソース/ドレイン電極130を形成する。
【0020】
前記ソース/ドレイン電極物質をパターニングする時、所定領域にデータライン、スキャンライン、共通電源ライン及びキャパシターの電極等のような素子のうちいずれか一つ以上を同時に形成することができる。前記ソース/ドレイン電極130を形成することによって半導体層、ゲート絶縁膜、ゲート電極及びソース/ドレイン電極で構成される薄膜トランジスタを完成したと言える。
【0021】
続いて、前記基板上にパッシベーション膜135及び平坦化層140のうちいずれか一つ以上を形成する。この時、前記パッシベーション膜135は下部の素子を保護する役割をする絶縁膜であって、前記平坦化層140は下部の素子により発生する段差を除去する役割をする絶縁膜である。
【0022】
図1Bを参照しながら説明すれば、前記平坦化層140及びパッシベーション膜135の一部をエッチングして前記ソース/ドレイン電極130の一部を露出させるビアホール145を形成する。
【0023】
続いて、前記基板上に第1電極物質を蒸着した後、これをパターニングして前記ソース/ドレイン電極130と連結された第1電極150を形成する。この時、前記第1電極150はITO(Indium−Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)等のような透明な導電体を利用して形成することができる。
【0024】
続いて、前記基板上に絶縁物を形成して、これをパターニングして前記第1電極150の所定領域が露出するように画素定義膜155を形成する。この時、前記画素定義膜155は画素領域を定義する役割をするようになるが、前記第1電極150のうち前記画素定義膜155により露出される領域を画素領域だと定義することができる。
【0025】
前記図1A及び図1Bを参照しながら説明すれば、ゲート電極物質またはソース/ドレイン電極物質をパターニングすることによってスキャンライン、データライン及び共通電源ラインを形成することができる。この時、前記スキャンライン、データライン及び共通電源ラインが形成されることによって一つの副画素(Sub−Pixel)を定義することができる。前記副画素は有機電界発光素子の最小単位であって、R(Red)、G(Green)またはB(Blue)のうちいずれか一つであって、前記副画素が複数個形成されて有機電界発光素子を構成する。
【0026】
図1Cを参照しながら説明すれば、前記で詳述した副画素が少なくとも3個が構成されて、それぞれR、G及びBを発現して階調表示が可能な最小限の大きさで定義されることができる一つの単位ピクセル(Unit Pixel)を図示している。
【0027】
前記画素定義膜155で定義された3個の画素領域はそれぞれ第1画素領域P1、第2画素領域P2及び第3画素領域P3で定義される。
【0028】
前記第1画素領域P1は前記第1電極150a上に少なくとも赤色(すなわち、R)を発現することができる有機発光層を含む有機膜層160aを形成することによって具現して、前記第2画素領域P2は前記第1電極150b上に少なくとも緑色(すなわち、G)を発現することができる有機発光層を含む有機膜層160bを形成することによって具現して、前記第3画素領域P3は前記第1電極150c上に少なくとも青色(すなわち、B)を発現することができる有機発光層を含む有機膜層160cを形成することによって具現することができる。
【0029】
続いて、前記第1画素領域P1、第2画素領域P2及び第3画素領域P3上に第2電極165を形成することによって一つの単位ピクセルが図示されて、前記単位ピクセルを複数個形成することによって有機電界発光素子を完成することができる。
【0030】
図2Aないし図2Cは前記単位ピクセルのそれぞれの画素領域上に形成された有機膜層の構造を示した断面図である。
【0031】
図2Aないし図2Cを参照しながら説明すれば、前記図1Cに示した第1画素領域P1、第2画素領域P2及び第3画素領域P3上の有機膜層の構造を図示しているが、前記第1電極160a、160b、160c上に第1有機膜210a、210b、210c、第2有機膜220a、220b、220c、第3有機膜230a、230b、230c、第4有機膜240a、240b、240c及び第5有機膜250a、250b、250cが順次的に積層されていて、前記第5有機膜250a、250b、250c上に第2電極165が形成されている。
【0032】
前記第1有機膜210a、210b、210cは正孔注入層(Hole Injetion Layer)、第2有機膜220a、220b、220cは正孔輸送層(Hole Transfer Layer)、第3有機膜230a、230b、240cは発光層(Emitting Layer)、第4有機膜240a、240b、240cは電子輸送層(Electron Transfer Layer)、第5有機膜250a、250b、250cは電子注入層(Electron Injection Layer)であることがある。
【0033】
また、図2Aないし図2Cの断面図では図示しなかったが、前記第3有機膜230a、230b、230cと第4有機膜(240a、240b、240c)間に正孔阻止層(Hole Blocking Layer)をさらに形成することもできる。
【0034】
前記第1画素領域P1、第2画素領域P2及び第3画素領域P3の第1有機膜210a、210b、210cである正孔輸送層及び第2有機膜220a、220b、220cである正孔注入層の厚さの合計は適切な値を有することが望ましい。
【0035】
まず、それぞれの副画素(すなわち、R、G及びB)の第1有機膜と第2有機膜の厚さの合計による共振効果などにより発光効率は変わるようになるが、このような第1有機膜と第2有機膜の厚さの合計と発光効率(または色相)の関係を下記[表1]に表示した。
【0036】
【表1】
【0037】
前記表1を参照しながら説明すれば、RとGは厚さを変化させてもある程度色特性は満足されるため、前記表1で最高の効率を有する範囲の厚さ範囲である500−700または200−2400Å(R)と200−400または1600−2000Å(G)を選択して、Bはまず色特性を制限した後(y色座標0.09以下にならなければならない)そのうち効率が最も高い厚さ範囲である200−400または1200−1600Åを選択する。
【0038】
したがって、前記副画素のうち、赤色(R)の副画素は第1有機膜及び第2有機膜の厚さの合計が500ないし700Åまたは2000ないし2400Åとして、緑色(G)の副画素は200ないし400Åまたは1600ないし2000Åとして、青色(B)の副画素は200ないし400Åまたは1200ないし1600Åとして形成することが望ましい。
【0039】
図3A及び図3Bはそれぞれ副画素(RGB)別平均暗点数とGの第1有機膜及び第2有機膜の厚さの合計による暗点比を示したグラフである。
【0040】
図3A及び図3Bを参照しながら説明すれば、3個の副画素が合わせられた単位ピクセルのホワイトバランス(White Balance)を合せるためにはそれぞれの副画素の輝度は異なる(特に、緑色(G)の輝度が最も高い)が、図3Aに示したように赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の第1有機膜と第2有機膜の厚さの合計を同一にしてホワイトバランスを合せる場合、青色(B)または赤色(R)を発現する副画素の場合には暗点(DarkPixel)の発生が少なくなるが、輝度が高い緑色(G)を発現する副画素の場合には暗点の発生が多くなる。前記のような緑色(G)を発現する副画素の暗点は図3Bに示したように緑色(G)の有機膜を従来の共振条件を満足させながら厚く形成する場合、暗点が顕著に減ることが分かる。したがって、緑色(G)の副画素の第1有機膜と第2有機膜の厚さは厚くすることが望ましい。
【0041】
図4A及び図4Bはそれぞれ副画素(RGB)別時間による輝度比とGの副画素及びBの副画素の時間による発光比を示すグラフである。
【0042】
青色(B)を発現する副画素の第1有機膜と第2有機膜の厚さの合計は薄いことが望ましいが、これは図4Aに示したように青色(B)の寿命が最も短くて時間が経過するにしたがって寿命が他の色に比べて輝度比が急激に減少するためであり、これによりカラーシフト(Color Shift)が起きて緑色を帯びたり(Greenish)黄色を帯びたりするように(Yellowish)なる。このような問題点を解決するために、図4Bに示したように前記青色(B)の第1有機膜と第2有機膜の厚さを薄く形成して(B_thin曲線)、緑色(B)の第1有機膜と第2有機膜の厚さを厚く形成(G_thick曲線)すれば、青色(B)の寿命と緑色(B)の寿命が同様になってその問題点を解決することができる。
【0043】
前記図4Aの‘R’は赤色(R)の時間による輝度比を、‘G’は緑色(G)の時間による輝度比を、‘B’は青色(B)の時間による輝度比を示しており、図4Bの‘G_thin’は第1有機膜と第2有機膜の厚さが薄い緑色(G)の発光比を、‘G_thick’は第1有機膜と第2有機膜の厚さが厚い緑色(G)の発光比を、‘B_thin’は第1有機膜と第2有機膜の厚さが薄い青色(B)の発光比を、‘B_thick’は第1有機膜と第2有機膜の厚さが厚い青色(B)の発光比を示している。
【0044】
したがって、第1電極と第2電極との間にショートを発生させることなく、しかも発光効率及び寿命を減少させないようにするためには、緑色を発現する第2画素領域の有機膜層のうち第1有機膜220b及び第2有機膜230bの厚さの合計を厚く形成する。緑色を発現する第2画素領域の有機膜層のうち第1有機膜220b及び第2有機膜230bの厚さの合計を厚く形成する場合には、寿命が短くなって発光効率が低くなる青色を発現する第3画素領域の第1有機膜220c及び第2有機膜230cは薄く形成する。
【0045】
このとき、赤色を発現する第1画素領域の有機膜層の第1有機膜210a及び第2有機膜220aは薄く形成しても暗点が発生しない。赤色を発現する第1画素領域の有機膜層の第1有機膜210a及び第2有機膜220aは薄く形成しても厚く形成してもその寿命または効率は減少しないので、薄く形成しても厚く形成しても構わない。
【0046】
したがって、前記の第1画素領域P1の第1有機膜210a及び第2有機膜220aの厚さの合計は500ないし700Åまたは2000ないし2400Åの間で形成することが望ましく、第2画素領域P2の第1有機膜210b及び第2有機膜220bの厚さの合計は1600ないし2000Åの間で形成することが望ましく、第3画素領域P3の第1有機膜210c及び第2有機膜220cの厚さの合計は200ないし400Åの間で形成することが望ましい。
【0047】
このとき、前記第1画素領域P1は赤色(R)の副画素であって、前記第2画素領域P2は緑色(G)の副画素であって、前記第3画素領域P3は青色(B)の副画素であることがある。
【0048】
図5Aないし図5Fは各副画素の有機膜層を形成する方法の1実施形態を示した断面図である。
【0049】
図5Aを参照しながら説明すれば、ガラスまたはプラスチックのような透明な絶縁基板300上に前記図1A及び図1Bを参照しながら説明したように多層の素子層310を形成する。
【0050】
続いて、それぞれの副画素の画素領域P1、P2、P3上にそれぞれの素子層310のソース/ドレイン電極に連結された第1電極320a、320b、320cを形成して、前記第1電極220a、220b、220cの所定領域を露出させる画素定義膜330を形成する。
【0051】
続いて、図5Bを参照しながら説明すれば、前記基板300上に第1マスク340aを位置させた後、第1画素領域P1の第1電極320a上に第1有機膜350a及び第2有機膜350bの厚さの合計が500ないし700Åまたは2000ないし2400Åになるように第1有機膜350a及び第2有機膜350bを蒸着D1する。
【0052】
続いて、図5Cを参照しながら説明すれば、前記基板300上に第2マスク340bを位置させた後、第2画素領域P2の第1電極320b上に第1有機膜360a及び第2有機膜360bの厚さの合計が1600ないし2000Åになるように第1有機膜360a及び第2有機膜360bを蒸着D2する。
【0053】
続いて、図5Dを参照しながら説明すれば、前記基板300上に第3マスク340cを位置させた後、第3画素領域P3の第1電極320c上に第1有機膜370a及び第2有機膜370bの厚さの合計が200ないし400Åになるように第1有機膜370a及び第2有機膜370bを蒸着D3する。
【0054】
続いて、図5Eを参照しながら説明すれば、前記基板300上に第4マスク340dを位置させた後、第1画素領域P1、第2画素領域P2及び第3画素領域P3の第1電極320c上に第3有機膜380a、第4有機膜380b及び第5有機膜380cを順次的に蒸着D4する。
【0055】
続いて、図5Fを参照しながら説明すれば、前記第1画素領域P1、第2画素領域P2及び第3画素領域P3上に第2電極390を形成することによって、第1画素領域P1上には第1有機膜350a及び第2有機膜350bの厚さの合計が500ないし700Åまたは2000ないし2400Åであり、第2画素領域P2上には第1有機膜360a及び第2有機膜360bの厚さの合計が1600ないし2000Åであり、第3画素領域P3上には第1有機膜370a及び第2有機膜370bの厚さの合計が1200ないし1600Åである第1有機膜及び第2有機膜が形成されて、その上部に第3有機膜380a、第4有機膜380b及び第5有機膜280cが等しい厚さで形成されている有機電界発光素子が完成される。
【0056】
図6Aないし図6Eは各副画素の有機膜層を形成する方法の他実施形態を示した断面図である。
【0057】
図6Aを参照しながら説明すれば、前記図1A及び図1Bを参照しながら説明したようにガラスまたはプラスチックのような透明な絶縁基板400上に多層の素子層410を形成する。
【0058】
続いて、前記素子層410上に前記素子層410のソース/ドレイン電極にコンタクトする第1電極420a、420b、420cを形成する。
【0059】
続いて、前記第1電極420a、420b、420cの所定領域を露出させる画素定義膜330を形成する。
【0060】
続いて、前記基板400上に光熱変換層510及び厚さの合計が200ないし400Åである第1ドナー−第1有機膜フィルム520aと第1ドナー−第2有機膜フィルム520bが形成されたドナーフィルム500を位置させる。
【0061】
図6Bを参照しながら説明すれば、前記第1ドナーフィルム500aを前記基板400上に接触させた後、レーザー530を所定の距離だけ移動させて、前記第1ドナー−第1有機膜フィルム520a及び第1ドナー−第2有機膜フィルム520bの一部を第3画素領域P3の第1電極420c上に転写させ、第3画素領域P3の第1有機膜層430a及び第2有機膜層430bを形成する。この時、前記第1ドナーフィルム500a上に形成された第1有機膜フィルム520a及び第2有機膜フィルム520bが前記第1電極420c上に転写される理由は、前記照射されたレーザー430の光エネルギーが前記光熱変換層で熱エネルギーに変化して前記第1有機膜フィルム520a及び第2有機膜フィルム520bの一部を前記第1ドナーフィルム500aから分離させるためである。
【0062】
続いて、前記第1ドナーフィルム500aを基板400上から除去する。
【0063】
図6Cを参照しながら説明すれば、前記基板400上に第2ドナー−第1有機膜フィルム530a及び第2ドナー−第2有機膜フィルム530bが形成された第2ドナーフィルム500bを接触させた後、レーザー530を所定の距離だけ移動させて、第2ドナー−第1有機膜フィルム530a及び第2ドナー−第2有機膜フィルム530bの一部を第2画素領域P2の第1電極420b上に転写させ、厚さの合計が1600ないし2000Åである第2画素領域P2の第1電極420b上に第1有機膜層440a及び第2有機膜層440bを形成する。
【0064】
図6Dを参照しながら説明すれば、前記基板400上に第3ドナー−第1有機膜フィルム540a及び第3ドナー−第2有機膜フィルム540bが形成された第3ドナーフィルム500cを接触させた後、レーザー530を所定の距離だけ移動させて、第3ドナー−第1有機膜フィルム540a及び第3ドナー−第2有機膜フィルム540bの一部を第1画素領域P1の第1電極420a上に転写させ、厚さの合計が500ないし700Åまたは2000ないし2400Åである第1画素領域P1の第1有機膜層450a及び第2有機膜層450bを形成する。
【0065】
図6Eを参照しながら説明すれば、前記基板400上に第4ドナー−第3有機膜フィルム550a、第4ドナー−第4有機膜フィルム550b及び第4ドナー−第5有機膜フィルム550cが形成された第4ドナーフィルム500dを接触させた後、レーザー530を所定の距離だけ移動させて、第4ドナー−第3有機膜フィルム550a、第4ドナー−第4有機膜フィルム550b及び第4ドナー−第5有機膜フィルム550cの一部を、第1画素領域P1、第2画素領域P2及び第3画素領域P3上にそれぞれ転写させ、第1画素領域P1、第2画素領域P2及び第3画素領域P3上に第3有機膜層450c、440c、430c、第4有機膜層450d、440d、430d及び第5有機膜層450e、440e、430eを形成する。
【0066】
この時、前記それぞれの画素領域上に形成された第3有機膜層、第4有機膜層及び第5有機膜層の厚さの合計は等しい。
【0067】
以後、前記基板400上に第2電極(図示せず)を形成して有機電界発光素子を完成する。
【0068】
本発明は以上のように望ましい実施形態を挙げて図示して説明したが、本発明は前記実施形態に限られず本発明の精神を外れない範囲内で該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者により多様な変更と修正が可能であることはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、有機発光素子に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1A】本発明の1実施形態による有機発光素子の製造方法を示す断面図である。
【図1B】本発明の1実施形態による有機発光素子の製造方法を示す断面図である。
【図1C】本発明の1実施形態による有機発光素子の製造方法を示す断面図である。
【図2A】単位ピクセルのそれぞれの画素領域上に形成された有機膜層の構造を示した断面図である。
【図2B】単位ピクセルのそれぞれの画素領域上に形成された有機膜層の構造を示した断面図である。
【図2C】単位ピクセルのそれぞれの画素領域上に形成された有機膜層の構造を示した断面図である。
【図3A】各副画素(RGB)別平均暗点数とGの第1有機膜及び第2有機膜の厚さの合計による暗点比を示したグラフである。
【図3B】各副画素(RGB)別平均暗点数とGの第1有機膜及び第2有機膜の厚さの合計による暗点比を示したグラフである。
【0071】
【図4A】各副画素(RGB)別時間による輝度比とGの副画素及びBの副画素の時間による発光比を示すグラフである。
【図4B】各副画素(RGB)別時間による輝度比とGの副画素及びBの副画素の時間による発光比を示すグラフである。
【図5A】各副画素の有機膜層を形成する方法の1実施形態を示した断面図である。
【図5B】各副画素の有機膜層を形成する方法の1実施形態を示した断面図である。
【図5C】各副画素の有機膜層を形成する方法の1実施形態を示した断面図である。
【図5D】各副画素の有機膜層を形成する方法の1実施形態を示した断面図である。
【図5E】各副画素の有機膜層を形成する方法の1実施形態を示した断面図である。
【図5F】各副画素の有機膜層を形成する方法の1実施形態を示した断面図である。
【図6A】各副画素の有機膜層を形成する方法の他実施形態を示した断面図である。
【図6B】各副画素の有機膜層を形成する方法の他実施形態を示した断面図である。
【図6C】各副画素の有機膜層を形成する方法の他実施形態を示した断面図である。
【図6D】各副画素の有機膜層を形成する方法の他実施形態を示した断面図である。
【図6E】各副画素の有機膜層を形成する方法の他実施形態を示した断面図である。
【符号の説明】
【0072】
160a、160b、160c 第1電極
210a、210b、210c 第1有機膜層
220a、220b、220c 第2有機膜層
230a、230b、230c 第3有機膜層
240a、240b、240c 第4有機膜層
250a、250b、250c 第5有機膜層
165:第2電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極、前記第1電極上に位置した有機発光層及び前記有機発光層上に位置した第2電極がそれぞれ形成された、第1画素領域、第2画素領域及び第3画素領域を具備した基板を含み、
前記第1電極と有機発光層との間に第1有機膜及び第2有機膜を含み、前記第1有機膜及び第2有機膜の厚さの合計が、前記第1画素領域では500ないし700Åまたは2000ないし2400Åであって、前記第2画素領域では1600ないし2000Åであって、前記第3画素領域では200ないし400Åであることを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項2】
前記第1有機膜層は正孔注入層であって、前記第2有機膜層は正孔輸送層であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項3】
前記第1画素領域は赤色を具現する画素領域であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項4】
前記第2画素領域は緑色を具現する画素領域であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項5】
前記第3画素領域は青色を具現する画素領域であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項6】
基板上に複数個の第1電極を形成する段階と、
それぞれの前記第1電極上に画素定義膜を形成して第1画素領域、第2画素領域及び第3画素領域を定義する段階と、
前記第1画素領域上に厚さの合計が500ないし700Åまたは2000ないし2400Åである第1有機膜層及び第2有機膜層、前記第2画素領域上に厚さの合計が1600ないし2000Åである第1有機膜層及び第2有機膜層及び前記第3画素領域上に厚さの合計が200ないし400Åである第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階と、
前記第1画素領域、第2画素領域及び第3画素領域に定義された基板上に発光層を形成する段階と、
前記発光層上に第2電極を形成する段階と、
を含むことを特徴とする有機電界発光素子製造方法。
【請求項7】
前記第2電極を形成する段階よりも前に、
前記発光層上に正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層のうちいずれか一つ以上の層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の有機電界発光素子製造方法。
【請求項8】
前記第1画素領域の第1有機膜層及び第2有機膜層、第2画素領域の第1有機膜層及び第2有機膜層及び第3画素領域の第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階は、
第1マスクを利用して前記第1画素領域上に第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階と、
第2マスクを利用して前記第2画素領域上に第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階と、
第3マスクを利用して前記第3画素領域上に第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階と、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の有機電界発光素子製造方法。
【請求項9】
前記第1有機膜層は正孔注入層であって、前記第2有機膜層は正孔輸送層であることを特徴とする請求項8に記載の有機電界発光素子製造方法。
【請求項10】
前記第1画素領域の第1有機膜層及び第2有機膜層、第2画素領域の第1有機膜層及び第2有機膜層及び第3画素領域の第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階は、
熱変換層及び第1転写層を具備した第1ドナーフィルムを前記基板上に整列させて、熱転写法で第3画素領域上に第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階と、
熱変換層及び第2転写層を具備した第2ドナーフィルムを前記基板上に整列させて、熱転写法で第2画素領域上に第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階と、
熱変換層及び第3転写層を具備した第3ドナーフィルムを前記基板上に整列させて、熱転写法で第1画素領域上に第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階と、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の有機電界発光素子製造方法。
【請求項11】
前記第1有機膜層は正孔注入層であって、前記第2有機膜層は正孔輸送層であることを特徴とする請求項10に記載の有機電界発光素子製造方法。
【請求項1】
第1電極、前記第1電極上に位置した有機発光層及び前記有機発光層上に位置した第2電極がそれぞれ形成された、第1画素領域、第2画素領域及び第3画素領域を具備した基板を含み、
前記第1電極と有機発光層との間に第1有機膜及び第2有機膜を含み、前記第1有機膜及び第2有機膜の厚さの合計が、前記第1画素領域では500ないし700Åまたは2000ないし2400Åであって、前記第2画素領域では1600ないし2000Åであって、前記第3画素領域では200ないし400Åであることを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項2】
前記第1有機膜層は正孔注入層であって、前記第2有機膜層は正孔輸送層であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項3】
前記第1画素領域は赤色を具現する画素領域であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項4】
前記第2画素領域は緑色を具現する画素領域であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項5】
前記第3画素領域は青色を具現する画素領域であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項6】
基板上に複数個の第1電極を形成する段階と、
それぞれの前記第1電極上に画素定義膜を形成して第1画素領域、第2画素領域及び第3画素領域を定義する段階と、
前記第1画素領域上に厚さの合計が500ないし700Åまたは2000ないし2400Åである第1有機膜層及び第2有機膜層、前記第2画素領域上に厚さの合計が1600ないし2000Åである第1有機膜層及び第2有機膜層及び前記第3画素領域上に厚さの合計が200ないし400Åである第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階と、
前記第1画素領域、第2画素領域及び第3画素領域に定義された基板上に発光層を形成する段階と、
前記発光層上に第2電極を形成する段階と、
を含むことを特徴とする有機電界発光素子製造方法。
【請求項7】
前記第2電極を形成する段階よりも前に、
前記発光層上に正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層のうちいずれか一つ以上の層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の有機電界発光素子製造方法。
【請求項8】
前記第1画素領域の第1有機膜層及び第2有機膜層、第2画素領域の第1有機膜層及び第2有機膜層及び第3画素領域の第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階は、
第1マスクを利用して前記第1画素領域上に第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階と、
第2マスクを利用して前記第2画素領域上に第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階と、
第3マスクを利用して前記第3画素領域上に第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階と、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の有機電界発光素子製造方法。
【請求項9】
前記第1有機膜層は正孔注入層であって、前記第2有機膜層は正孔輸送層であることを特徴とする請求項8に記載の有機電界発光素子製造方法。
【請求項10】
前記第1画素領域の第1有機膜層及び第2有機膜層、第2画素領域の第1有機膜層及び第2有機膜層及び第3画素領域の第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階は、
熱変換層及び第1転写層を具備した第1ドナーフィルムを前記基板上に整列させて、熱転写法で第3画素領域上に第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階と、
熱変換層及び第2転写層を具備した第2ドナーフィルムを前記基板上に整列させて、熱転写法で第2画素領域上に第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階と、
熱変換層及び第3転写層を具備した第3ドナーフィルムを前記基板上に整列させて、熱転写法で第1画素領域上に第1有機膜層及び第2有機膜層を形成する段階と、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の有機電界発光素子製造方法。
【請求項11】
前記第1有機膜層は正孔注入層であって、前記第2有機膜層は正孔輸送層であることを特徴とする請求項10に記載の有機電界発光素子製造方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【公開番号】特開2007−116175(P2007−116175A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−286901(P2006−286901)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】
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