有機黒色顔料およびその製造
式(I)の化合物が式(II)の化合物と1:2のモル比で、水中で25℃で4.5以下のpKを有する触媒の存在下で反応させることによって特徴付けられた、黒色着色剤、好ましくは黒色顔料の製造法。R1〜R7の定義については、明細書の記載に言及し;好ましくは、全てがHである。この方法によって得られる新規の結晶の多形態および好ましくは、単一相の混合結晶は、同様に特許保護が請求されている。相乗組成物も特許保護が請求されている。前記の組成物は、この組成物が公知の黒色顔料、例えばカーボンブラックよりもむしろ本発明の着色剤で顔料着色されている場合に、塩基性光安定剤で安定化されたプラスチック中で向上された光安定性を示す。更に、また、本明細書は、ペイント、印刷用インクおよびプラスチックを全体として着色するための本発明の黒色着色剤の使用、ならびに該着色剤で顔料着色された、マルチングフィルム、インストルメント・パネル、織物、庭園家具製品または構造物工業のための要素に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
殆どの常用されている黒色顔料は、カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)である。カーボンブラックは、安価であり、優れた適用特性、例えば光安定性および耐候性、高い色強度、黒色度、および白色顔料、例えば二酸化チタン(C.I.ピグメントホワイト6)との混合物中の中性の灰色の色調を有するが、しかし、重大な欠点、例えば極めて微細な粒子の分散性、過度の導電性、および深刻な加熱をまねく可能性があり、ことによると顔料が含有された支持体の破壊または顔料が含有された製品の故障でさえもまねく可能性がある太陽スペクトルからの近赤外線の高い吸収量という問題を有する。
【0002】
前記問題を解決するために、混合された金属酸化物(MMO)が提案された。この酸化物は、NIR線を反射する一方で、その色は、弱く、かつ人類および環境に対して不快な重金属を含有する。
【0003】
既に、例えばC.I.ピグメントブラック32のような有機黒色顔料も提案された。しかし、全ての公知の有機黒色顔料によって占められる欠点は、この有機黒色顔料が不満足なピッチブラック(不適当なジェットネス(jetness))であり、白色顔料との混合物中でのこの有機黒色顔料の色調は、中性の灰色ではなく、その代わりに顔料に依存して、例えばチンジドグリーン(tinged green)、赤、紫または褐色である色の比較的強い色合いを有するという事実にある。
【0004】
WO 00/24736には、式
【化1】
で示される化合物が開示されており、この化合物は、式
【化2】
で示されるビスベンゾフラノンをイサチンと未知濃度の酢酸中で縮合することによって紫色の粉末の形で得られる(実施例12b)。
【0005】
US 2003/0083407には、収量が悪い内容であると思われるという不平が述べられている。更に、適用特性は、全く開示されておらず、紫色の粉末は、高度に凝集された形で存在し、例えばこの紫色の粉末のプラスチック中での分散性は、全く不満足なものである。
【0006】
WO 01/32577には、テトラエトキシシラン、硝酸水溶液および式
【化3】
で示される着色剤で被覆され、および200℃への加熱後に760〜765nmで吸収最大を有するガラス板(実施例41)を含めてガラス様材料が開示されている。
【0007】
同様に公知である有機有色顔料の混合物は、個々の成分と同様に必要な分散工程中に緑、赤、紫または褐色の色合いの色調を生じる。それというのも、個々の成分は、分散性の点で異なるからである。それ故に、それぞれの分散法は、大規模な配合作業を必要とし、その後にはもはや急速に変化しえず、実地において、必要な場合には、これは、欠点である。
【0008】
それ故に、高い色強度および良好な分散性ならびに極めて低い導電率および近赤外線の低い吸収量を有するヘビーメタル不含のジェットブラック顔料に関連してこれまで果たされなかった望みは、そのままである。
【0009】
WO 2009/010521は、EPC条項54(3)およびPCT規則64.3によって規制された特許出願である。
【0010】
今や、意外なことに、新規の一工程法において、良好な堅牢度を有する高度に分散性の強力なジェットブラック着色剤(殆ど常に顔料)が得られることが見い出された。更に、基本添加剤、例えば立体障害アミン(HALS)および/またはベンゾトリアゾールまたはトリアジン型のUV吸収剤との組合せで、耐候試験時にプラスチックにおいて得られる物理的耐久性は、意外なことに、公知の黒色顔料、例えばカーボンブラックを用いるよりも良好である。
【0011】
従って、本発明は、式
【化4】
で示される1つの化合物を式
【化5】
で示される1つの化合物と1:2のモル比で、水中で25℃で4.5以下のpKを有する触媒の存在下で反応させることによって特徴付けられた、黒色着色剤、好ましくは黒色顔料を製造する方法を提供し、
上記式中、
R1およびR2は、互いに独立にHであるかまたはそれぞれ置換されていないかまたはハロゲンまたはC1〜C8アルコキシによって置換された、C1〜C24アルキル、C3〜C24シクロアルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C24シクロアルケニルまたはC2〜C24アルキニルであり;置換されていないかまたは1回または数回ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシによって置換されたC7〜C24アラルキルであり;または置換されていないかまたは1回または数回ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシによって置換されたC6〜C24アリールであり;
R3は、H、F、Cl、R8またはOR8、好ましくはHまたはFであり;
R4、R5およびR6は、互いに独立にH、F、Br、Cl、COOH、COOR8、CONH2、CONHR8、CONR8R8、CN、COR8、SO3H、SO2Cl、SO2NH2、SO2NHR8、SO2NR8R8、SO2R8、NO2、R8、OR8、SR8、NR8R8、NHCOR8または
【化6】
であるか、またはR3とR4、R4とR5またはR5とR6は、一緒になって対で、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、OR、NO、オキソ、チキソまたはSOHによって置換されたC1〜C6アルケンジオキシ基、C3〜C6アルキレン基、C3〜C6アルケニレン基または1,4−ブタジエニレン基を形成し;
R7は、Hであるかまたはそれぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、オキソまたはチオキソによって置換され、および中断されていないかまたは1回または数回O、SまたはNR8によって中断された、C1〜C24アルキル、C3〜C24シクロアルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C24シクロアルケニル、C2〜C24アルキニルまたはC2〜C12ヘテロシクロアルキルであり;またはそれぞれ置換されていないかまたは1回または数回オキソ、チオキソ、F、Br、Cl、COOH、COOR8、CONH2、CONHR8、CONR8R8、CN、COR8、SO3H、SO3Cl、SO2NH2、SO2NHR8、SO2NR8R8、SO2R8、NO2、R8、OR8、SR8、NR8R8、NHCOR8または
【化7】
によって置換された、C7〜C24アラルキル、C1〜C12ヘテロアリール−C1〜C8アルキル、C6〜C24アリールまたはC1〜C12ヘテロアリールであり;および
それぞれR8は、全ての他のR8とは独立に、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、オキソ、チオキソ、OR9、SR9またはNR9R9によって置換された、C1〜C24アルキル、C3〜C24シクロアルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C24シクロアルケニル、C2〜C24アルキニルまたはC2〜C12ヘテロシクロアルキルであり;またはそれぞれ置換されていないかまたは1回または数回オキソ、F、Br、Cl、COOH、CONH2、CONHR9、CONR9R9、SO3H、SO2Cl、SO2NH2、SO2NHR9、SO2NHR9R9、CN、NO2、OR9、SR9、NR9R9、NHCOR9または
【化8】
によって置換された、C7〜C24アラルキル、C1〜C12ヘテロアリール−C1〜C8アルキル、C6〜C24アリールまたはC1〜C12ヘテロアリールであり;または
2個のビシナルR8は、一緒になって−O−CO−O−、−O−CS−O−、−CO−N−CO−、−N−CO−N−、−N=S=N−、−N−C=C−、−O−C=C−、−S−C=C−、−O−C=N−、−S−C=N−、−N−N=N−、−N=C−C=C−、−C=N−C=C−、−N=C−C=N−、−C=N−N=C−または−C=N−C=N−または−C=C−C=C−を形成し、この場合それぞれ−C=および−N−は、全ての他の−C=および−N−とは独立にHまたはR9によって置換されており;または
2個のジェミナルまたはビシナルR8は、一緒になって、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、オキソまたはチオキソによって置換された、C3〜C8アルキレンまたはC3〜C8アルケニレン基を形成し、この場合0、1または2個のノンビシナルメチレン単位は、O、SまたはNR9によって置換されていてよく;および
それぞれR9は、全ての他のR9とは独立に、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回オキソ、チオキソ、Fおよび/またはO−C1〜C8アルキルによって置換された、C1〜C8アルキル、C3〜C6シクロアルキルまたはベンジルであり;またはそれぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、Br、Cl、CO−C1〜C8アルキル、COOH、CONH、CONHC1〜C8アルキル、CON(C1〜C8アルキル)2、SO3H、SO3Cl、SO2NH2、SO2NHC1〜C8アルキル、SO2N(C1〜C8アルキル)2、CN、NO2、C1〜C8アルキル、OC1〜C8アルキル、SC1〜C8アルキルまたはN(C1〜C8アルキル)によって置換された、フェニルまたはC1〜C5ヘテロアリールであり;または
2個のビシナルR9は、一緒になって−O−CO−O−、−O−CS−O−、−CO−N−CO−、−N−CO−N−、−N=S=N−、−N−C=C−、−O−C=C−、−S−C=C−、−O−C=N−、−S−C=N−、−N−N=N−、−N=C−C=C−、−C=N−C=C−、−N=C−C=N−、−C=N−N=C−または−C=N−C=N−または−C=C−C=C−を形成し、この場合それぞれ−C=および−N−は、全ての他の−C=および−N−とは独立にH、F、オキソ、チオキソ、C1〜C8アルキルまたはOC1〜C8アルキルによって置換されており;または
2個のジェミナルまたはビシナルR9は、一緒になって、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回オキソまたはチオキソによって置換された、C3〜C8アルキレンまたはC3〜C8アルケニレン基を形成し、この場合0、1または2個のノンビシナルメチレン単位は、O、SまたはN(C1〜C8アルキル)によって置換されていてよい。
【0012】
黒と考えられる着色剤は、透明で実質的に無色の基質(例えば、ポリエステル/セルロースアセトブチレートワニス、PVCフィルムまたはポリエステルプラーク)内での分散におけるマストーン(masstone)が十分な不透明度で色飽和C*5以下を有するものである(CIE 1976 L*C*h色空間)。一般に、測色法にとって満足の行く不透明度(分光透過率1%未満)は、常用の試験方法により約2g/m2の着色剤で直ちに達成させることができ、さもなければ、基質中の着色剤の濃度は、増加されるべきである。
【0013】
この反応は、たとえ置換基R3、例えば塩素またはメチルによる立体障害であったとしても完全に満足の行く方法で進行する。しかし、R3がHであるような着色剤は、R4、R5、R6およびR7に対する全ての他の選択と組み合わせても、十分によりいっそう黒色の色彩、よりいっそう低い移染性およびよりいっそう良好な光安定性のために特に好ましい。
【0014】
R1およびR2は、好ましくは水素であるかまたは置換されていないかまたは置換されたC1〜C8アルキルまたはC5〜C8シクロアルキル、特に水素、置換されていないC1〜C8アルキルまたはC5〜C8シクロアルキル、好ましくは水素、C1〜C4アルキルまたはシクロヘキシル、殊に水素、メチル、エチルおよびイソブチルである。
【0015】
式
【化9】
で示される1つの化合物を式
【化10】
で示される1つの化合物と1:2の化合物で反応させることは、好ましい。
【0016】
特に好ましくは、R3、R5およびR7は、Hであり、R4およびR6は、互いに独立にH、F、Br、Cl、COOH、COOR8、CONH2、CONHR8、CONR8R8、CN、COR8、SO3H、SO2Cl、SO2NH2、SO2NHR8、SO2NR8R8、SO2R8、NO2、R8、OR8またはNHCOR8であり、またはR5およびR6は、一緒になって1,4−ブタジエニレン基を形成する。
【0017】
殊に好ましいのは、式
【化11】
で示される1つの化合物と式
【化12】
で示される1つの化合物とのモル比1:2での反応生成物であり、この場合式(ii)の化合物は、次の置換基パターンを有する化合物から構成されている群から選択される:
R3=R4=R5=R6=R7=H;
R3=R5=R6=R7=H、R4=NO2;
R3=R5=R6=R7=H、R4=OCH3;
R3=R5=R6=R7=H、R4=Cl;
R3=R5=R6=R7=H、R4=F;
R3=R5=R6=R7=H、R4=Br;
R3=R5=R6=R7=H、R4=SO3H;
R3=R5=R6=R7=H、R4=COOH;
R3=R5=R6=R7=H、R4=N(CH3)2;
R3=R5=R6=R7=H、R4=NHCOC1〜C18アルキル、特にNHCOC1〜C12アルキル;
R3=R5=R6=R7=H、R4=C1〜C20アルキル、特にC1〜C14アルキル;
R3=R5=R6=R7=H、R4=C2〜C20アルコキシ、特にC2〜C14アルコキシ;
R3=R5=R7=H、R4=R6=CH3;
R3=R5=R7=H、R4=R6=Cl;
R3=R5=R7=H、R4=Cl、R6=CH3;
R3=R4=R5=R6=H、R7=CH3;
R3=R4=R5=R6=H、R7=C6H5;および
R3=R4=R7=H、R5およびR6が一緒になって=1,4−ブタジエニレン。
【0018】
式
【化13】
で示される2つ以上の化合物を同時にかまたは順次に使用する場合には(下記に後で開示されるように)、この好ましい置換パターンは、式(ii)の他の化合物の1つ以上、好ましくは、式(ii)の全ての他の化合物にも適用される。
【0019】
25℃で水中での触媒は、有利にpK4.5以下、好ましくはpK2.0以下を有する。触媒の量それ自体は、本質的なものではなく;例えば、式(i)の化合物1モル当たり触媒5・10-3〜5モル、好ましくは触媒0.1〜1モルが合理的である。本明細書中で触媒および反応媒体(および/または溶剤)に依存して、触媒を定量的に望ましい黒の着色剤から通常の洗浄法によって除去することは、高価であり、不都合であることに注目すべきである。しかし、全体としての生成物に対して触媒1ppb〜5質量%、好ましくは触媒1ppm〜0.5質量%の触媒の小さな残留量は、通常、受け入れることができる。それというのも、この小さな残留量は、着色剤の性質に対して有利であるかまたは少なくとも有害ではないからである。特に厳しい要件には、着色剤は、触媒が完全に除去されるかまたは残留量の触媒がもはや検出不可能になる(1ppb)まで、水および常用の溶剤での繰り返されるスラリー化、濾過および洗浄の常用の手段を受けることができる。
【0020】
反応は、通常、ほぼ2・102〜2・106Paの圧力および20〜250℃の温度、好ましくは50〜220℃の温度で行なわれる。反応は、一般に非連続的装置中で1/2〜100時間後に終結する。連続的な装置中で、反応時間は、例えば反応器またはマイクロ反応器の300℃までの温度での反応帯域の通過の場合と同様に、実質的によりいっそう短くともよい。
【0021】
反応媒体として、反応体、反応生成物および触媒に関連して不活性であり、酸性または中性であり、および反応温度で液体である、任意の組成物または物質を使用することが可能である。無水反応媒体は、この無水反応媒体とこの無水物反応媒体の量に対して50質量%までの水との混合物であるのも有利である。好ましくは、吸湿性であるかまたは水との共沸混合物を形成する、場合によっては互いの混合物および/または水との混合物の形での無水反応媒体が記載される。
【0022】
適当な不活性の反応媒体は、例えばアルコール、エーテル、酸、エステル、アミド、ニトリル、場合によっては不飽和かまたはハロゲン化された炭化水素、ニトロ、チオまたは相応する多官能性化合物、例えばメタノール、エタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、n−プロパノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール、イソブタノール、第二アミルアルコール、第三アミルアルコール、2−メトキシエタノール、1−メトキシプロパン−2−オール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、チオジグリコール、低分子量ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコール、好ましくは100〜800の分子量を有する低分子量ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールP 400、ポリプロピレングリコールP 425)およびこれらのエーテル(例えば、プロピレンオキシドモノメチルエーテル、ジプロピレンオキシドモノメチルエーテル)、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、2−n−ブトキシエタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エタノールまたは2−[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]−エタノール、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、DowthermTM(例えば、A、G、J、MX、Q、RPまたはT)、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、乳酸、2−エチルヘキサン酸;メチルアセテート、エチルアセテート、n−プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、ブチルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、n−プロピルプロピオネート、イソプロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、メチルラクテート、メチルイソブチレート、エチレンカーボネート、カプロラクトン、ポリカプロラクトン、アセトアミド、ホルムアミド、メチルアセトアミド、メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン、カプロラクタム、バレロラクタム、1,1,2,2,−トラメチルウレア;アセトニトリル、ベンゾニトリル;ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカリン、芳香族不含、芳香族貧有または芳香族富有の炭化水素留出物(例えば、軽質石油留分または重質石油留分、石油エーテル、SolvessoTM100、150、200、ShellsolTMD38、D40、D43、D60、DSC、D70、D80、D90、D100、D100 S);ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、o−シメン、m−シメン、p−シメン、第二ブチルベンゼン、第三ブチルベンゼン、2−ペンチルベンゼン、イソペンと−2−イルベンゼン、第三アミルベンゼン、テトラリン、ニトロベンゼン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、またはポリ燐酸;ならびにこれらの互いの混合物および/またはこれらと水との混合物である。
【0023】
好ましい反応媒体は、酢酸水溶液、氷酢酸、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、および150〜300℃で沸騰する飽和または芳香族炭化水素、ならびにポリ燐酸である。
【0024】
水は、場合によっては反応混合物から、好ましくは共沸的に除去されてよい。しかし、意外なことに、反応媒体からの水の除去がなくとも反応は十分に満足に進行することが証明された。他面、水と反応する薬剤、例えばカルボン酸無水物または塩化カルボニルの添加は、一般に望ましくない。それというのも、前記薬剤は、反応の経過を妨害し、望ましくない副生成物の形成をまねくからである。この1つの例外は、ポリ燐酸である。それというのも、このポリ燐酸と水との反応は、十分に緩慢であるからである。勿論、有利にイサチンとの望ましくない副生成物の形成をまねく任意の物質は、十分に回避される。
【0025】
本発明の黒色顔料は、一般に、当業界で常用の方法で、濾過およびフィルター残留物の洗浄、引続く−30℃〜200℃で、場合によっては減圧下での乾燥によって単離される。反応媒体中で可溶性の本発明の黒色着色剤は、有利には予め不溶性の塩に変換されるかまたは低い溶解力を有するかまたは溶解力を全く有しない液体の中性または酸性の媒体に移動される。
【0026】
本発明により得られる黒色着色剤は、C10H2O2に合致する実験式および2回式(ii)の化合物の実験式を示す。更に、本発明により得られる黒色着色剤は、赤外スペクトルで一般に2〜4本のカルボニル振動を示し、しばしば重なりの振動をほぼ1610cm-1〜1780cm-1の間で示す。実験式は、質量スペクトル(例えば、LDI−MS)における分子イオンの正確な質量および/または元素分析に由来することができる。本発明により得られる黒色着色剤が前記式
【化14】
を有するかまたはその互変異性体を有することは、推測されるが、しかし、証明するにはそれほど遠くはなく、それぞれ2個の環外の二重結合は、互いに独立にEまたはZ異性を有することができる(前者は、立体的によりいっそう好ましい)。
【0027】
本発明により得られる黒色着色剤は、有利に凝集されていない顔料粒子から構成され、10nm〜10μmの平均粒径Lによって特徴付けられ、この場合好ましくは、粒子の60質量%〜100質量%、よりいっそう好ましくは80質量%〜100質量%は、L±1/2Lの粒径を有する。粒径は、等価球面の直径である("Equivalent Settling Rate Diameter"xw)。粒径は、それぞれの粒径画分の粒子の質量に応じて平均化することができる。
【0028】
異なる画分には、特殊な適用に応じて格別興味深いものがある。例えば、インク、ペイントまたはエレクトロニクスにとって透明度が望ましい場合には、〜10nmから〜200nmまでの平均粒径Lを有する顔料粒子を使用することが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂を原料着色するための透過性は、好ましくは〜201nmから〜400nmまでの平均粒径Lを有する顔料粒子を用いて得られる。不透明の顔料着色は、適用とは無関係に好ましくは〜401nmから〜999nmまでの平均粒径を有する顔料粒子を用いて得られる。効果的な顔料着色にとっての特殊な適性は、〜1μmから〜10μmまでの平均粒径を有する顔料粒子によって所有される。本明細書の記載内容において、特に400nm以上の平均粒径Lの場合の5以上のアスペクト比は、驚異的な光学的効果および熱的効果、例えば高いNIR反射率を生じる。アスペクト比は、粒子長さ(最大寸法)と粒子高さ(最小寸法)との比である。このアスペクト比は、例えばPCT/EP 2008/067011に開示された仕方で当業者に自体公知である方法により測定されうる。
【0029】
アルキル、アルケニルまたはアルキニルは、直鎖状または分枝鎖状であることができる。アルケニルは、モノ不飽和またはポリ不飽和アルキルであり、この場合2個の二重結合は、場合により単離されていてよいかまたは共役されていてよい。アルキニルは、二重不飽和の1個以上の場合を有するアルキルまたはアルケニルであり、この場合三重結合は、場合により単離されていてよいかまたは互いにかまたは二重結合と共役されていてよい。シクロアルキルまたはシクロアルケニルは、それぞれ単環式または多環式のアルキルまたはアルケニルである。
【0030】
それ故に、C1〜C24−アルキルは、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、第二ブチル、イソブチル、第三ブチル、2−メチルブチル、2,2−ジメチルプロプピル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、n−ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシルまたはテトラコシルである。
【0031】
それ故に、C3〜C24シクロアルキルは、例えばシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、トリメチルシクロヘキシル、ツジル(thujyl)、ノルボルニル、ボルニル、ノルカリル、カリル、メンチル、ノルピニル、ピニル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、3α−ゴニルまたは5ξ−プレグニルであることができる。
【0032】
C2〜C24アルケニルは、例えばビニル、アリル、2−プロペニ−2−イル、2−ブテニ−1−イル、3−ブテニ−1−イル、1,3−ブタンジエニ−2−イル、2−ペンテニ−1−イル、3−ペンテニ−2−イル、2−メチル−1−ブテニ−3−イル、2−メチル−3−ブテニ−2−イル、3−メチル−2−ブテニ−1−イル、1,4−ペンタジエニ−3−イルであるか、またはヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニル、エイコセニル、ヘンエイコセニル、ドコセニル、テトラコセニル、ヘキサジエニル、オクタジエニル、ノナジエニル、デカジエニル、ドデカジエニル、テトラデカジエニル、ヘキサデカジエニル、オクタデカジエニルまたhエイコサジエニルの任意の異性体である。
【0033】
C3〜C24シクロアルケニルは、例えば2−シクロブテン−1−イル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、1−p−メンテン−8−イル、4(10)−ツジェン−10−イル、2−ノルボルネン−1−イル、2,5−ノルボルナジエン−1−イル、7.7−ジメチル−2,4−ノルカラジエン−3−イルまたはカンフェニルである。
【0034】
C2〜C24アルキニルは、例えば1−プロピニ−3−イル、1−ブチニ−4−イル、1−ペンチニ−5−イル、2−メチル−3−ブチニ−2−イル、1,4−ペンタジイニ−3−イル、1,3−ペンタジイニ−5−イル、1−ヘキシニ−6−イル、シス−3−メチル−2−ペンテニ−4−イニ−1−イル、トランス−3−メチル−2−ペンテニ−4−イニ−1−イル、1,3−ヘキサジイニ−5−イル、1−オクチニ−8−イル、1−ノニニ−9−イル、1−デシニ−10−イルまたは1−テトラコシニ−24−イルである。
【0035】
C7〜C24アラルキルは、例えばベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニルエチル、9−フルオレニル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニルブチル、ω−フェニルオクチル、ω−フェニルドデシルまたは3−メチル−5−(1’,1’,3’,3’−テトラメチルブチル)ベンジルである。C7〜C24アラルキルは、例えば2,4,6−トリ−第三ブチルベンジルまたは1−(3,5−ジベンジルフェニル)−3−メチル−2−プロピルであってもよい。C7〜C24アラルキルが置換されている場合にはアラルキル基のアルキル部分だけでなく、アリール部分も置換されていてよく、この場合には、後者の選択肢が好ましい。
【0036】
C6〜C24−アリールは、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニリル、2−フルオレニル、フェナントリル、アントラセニルまたはテルフェニリルである。
【0037】
ハロゲンは、塩素、臭素、弗素または沃素、好ましくはアルキル上の弗素およびアリール上の弗素または塩素である。
【0038】
C1〜C12ヘテロアリールは、4n+2共役π電子を有する不飽和または芳香族基であり、この場合例は、2−チエニル、2−フリル、1−ピラゾリル、2−ピリジル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル、2−イミダゾリル、イソチアゾリル、トリアジニル、トリアゾニル、テトラゾリルまたは任意の他の環系であり、この任意の環系は、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環、ピリジン環およびベンゼン環から構成されており、および置換されていないかまたは1〜6個のエチル基、メチル基、エチレン基および/またはメチレン基によって置換されている。
【0039】
C2〜C12ヘテロシクロアルキルは、不飽和環系基であるかまたは部分的に不飽和の環系基、例えばエポキシジル、オキセタニル、アジリジニル;ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、モルホリニル、キヌクリジル;または別のC4〜C12ヘテロアリールであり、これは単一に水素化されているかまたは多重に水素化されている。
【0040】
5員環ないし12員環の例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチル、好ましくはシクロペンチルまたは特にシクロヘキシルを含む。
【0041】
置換されていないかまたは置換されたC1〜C6アルキレンジオキシ基は、例えば
【化15】
である。
【0042】
数回は、例えば2回ないし10回である。従って、Fおよび/またはオキソによって1回または数回中断されたおよび/または置換されたアルキルは、例えばCF3、COCH3、COCF3、(CF2)5CH3、CH2OCH3、CH2CH2OH、CH2CH2OCOCH3、CH2COCH2OHまたはCH2(CH2OCH2)10CH3であることができる。勿論、可能な置換基の数は、置換されていてよいH原子の数によって制限され、数回中断されている基中で、中断するO原子は、有利に少なくとも2個のC原子によって互いに分離されている。C7〜C24アラルキルまたはC1〜C12ヘテロアリール−C1〜C8アルキル中で、アルキル部分は、場合によりオキソおよびチオキソによって置換されている。
【0043】
粒径は、有利に十分に分散された顔料懸濁液およびジョイス−レーブル(Joyce−Loebl)ディスク型遠心分離器を用いて測定され、この場合粒子は、例えばそれぞれ20nmの範囲を有する画分に対して質量に基づき割り当てられる。本明細書中の記載内容における粒径は、等価球面の直径であると考えられる("Equivalent Settling Rate Diameter"xw)。粒径は、それぞれの粒径画分の粒子の質量に応じて平均化することができる。勿論、数多くのパラメーターは、結果に影響を及ぼす可能性があり、不適当な実験の仕方により不正確な結果が得られる可能性さえある。しかし、下記した方法論は、特に有利でありかつ良好な再現性を有することを証明した。
【0044】
顔料の分散および脱凝集のために、顔料2gは、ネジ付き蓋を備えた標準の200mlのガラス容器中で、Alkydal(登録商標)F310 34.272g(Bayer AG、D−Leverkusen,SolventnaphtolTM中60質量%)、キシレン10.848g、n−ブタノール1.152g、1−メトキシ−2−プロパノール1.152gおよびキシレン99質量部中の揮発性シロキサンの多量の画分を有する、1質量部の低分子量メチルポリシロキサンの溶液0.576g(Baysilone(登録商標)ペイント添加剤MA、Borchers GmbH,D−40764 Langenfeld)から構成されているアルキドワニス48g中に配合される。
【0045】
次に、2mmのガラス玉100gが添加され、この容器は、約2μmより大きい残留凝集塊の数が測定の結果に対して実質的な効果を全く有しないほど小さくなることが光学顕微鏡によって見出されるまで振盪装置(例えば、Skandex(登録商標)型)中で振盪される。数多くの試料を同時に分散させかつ脱凝集させることができる620WのBAS機器(Lau GmbH、D−58675 Hemer)を使用することは、好ましい。この機器は、32mmから45mmへの置換のために毎分約619の振盪周波数を有する(装入量に依存する)。この場合の分散および脱凝集の時間は、典型的に1〜6時間、好ましくは2〜4時間、特に3時間である。分散および脱凝集が完結されると、分散および脱凝集の時間の任意の不必要な延長は、回避されうる。空気流で冷却することによって、温度は、有利に約20℃〜50℃の範囲内に維持される。
【0046】
更に、生じるアルキドワニス分散液1gは、20質量%の可塑剤を含有するニトロセルロース323g(低粘稠な印刷用インク等級、置換度〜2.0、〜11.1%N、ISO 14446によるアセトン生産において30質量%、Hoppler粘度400mPa・s、アセチルトリブチルシトレート20質量%を含有するNC AH 27チップス、Hagedorn NC GmbH/Osnabrueck DE)、エチルセルロース133mg(低粘度の等級、トルエン/エタノール4:1中5%は、Ubbelohde粘度計において3〜5.5mPa・sの粘度を生じる;例えば、ETHOCEL(登録商標)Std.4、Dow Europe GmbH/Horgen CH)、エチルアセテート11.704g、1−アセトキシ−2−エトキシエタン2.223gおよびトルエン4.617gから構成されかつ1.870cPの粘度および0.932g/cm3の密度を有する液体混合物19G中に導入される。5分間の攪拌後、この混合物は、100Wの超音波で約20〜30℃で1分間、好ましくは外部の氷水冷却と共に、Sonifier(登録商標)B12(Branson、Danbury CT/USA)を用いて処理される。
【0047】
測定の目的のために、生じる懸濁液0.5mlは、通常の方法で、直径10±1cmおよび厚さ6±1mmのキャビティーを有するJoyce−Loeblディスク型遠心分離器中に毎分10000回転で噴射され、この場合このキャビティーは、ニトロセルロース1.17%(上記と同様)、エチルセルロース0.48質量%(上記と同様)、エチルアセテート42.41質量%、1−アセトキシ−2−エトキシエタン8.06質量%、トルエン16,73質量%およびペルクロロエチレン31.15質量%から構成されている液体(スピン流体)で殆ど充填される(粘度〜1.7cP/比重〜1.08g/cm3)。前記粒子は、吸光分光分析でディスクを用いて実質的に周辺の位置で定量分析される。粒径は、ストークス方程式
【数1】
[式中、
T=遠心分離時間 分;
d=粒径 μm;
N=毎分の回転数(=10000);
p=粒子充填量と初期流体充填量との密度差、mg/cm3;
η=流体の粘度 ポアズ;
R’’=ディスクの周辺測定位置での半径、cm;
R’=ディスクの中心付近での噴射位置での半径、cm〕を用いて測定される。
【0048】
このような条件は、熟練した分析者には熟知されている。本発明により得られる着色剤の比重は、実験により、例えば比重びんを用いて測定されうる。
【0049】
他の選択可能な方法によれば、粒径は、レーザー散乱法によって測定されてもよい。この技術それ自体は、よく知られており、精密計器は、例えばMalvern Instruments Ltd.社(Malvern,Worcestershire/UK)から入手可能である。一般に、固体は、1滴の可溶性コポリマーと一緒に水中に約1%で懸濁され(例えば、Luviskol(登録商標)W73/BASF/ポリビニルピロリドン/ビニルアセテート)、および測定の約5〜10分前に超音波浴中で室温で分散される。
【0050】
本発明の方法は、望ましい黒色着色剤を極めて良好な収量で提供する。更に、本発明の方法の極めて特殊な利点は、反応媒体の選択によって、結晶の多形態および結晶度に影響を及ぼすことが極めて簡単になることである。これは、新規の結晶の多形態への直接の経路をもたらす。後者の新規の結晶の多形態は、分散性および堅牢度の点で僅かに異なり、ときどきジェットブラックの色合いの点で異なる。
【0051】
更に、式(i)の化合物から出発して、本発明の方法は、意外なことに、式
【化16】
で示されるビスベンゾフラノンから出発するWO 00/24736の方法よりも少量の比較的可溶性の副生成物を生じる。
【0052】
結果として、移染性および滲み、ならびに黄変傾向は、十分に改善される。
【0053】
その後に、場合によっては種結晶および/または粉砕助剤(例えば、粉末状の塩化ナトリウムまたは硫酸ナトリウム)の存在下で、再結晶(例えば、別の溶剤から)および/または機械的処理(例えば、湿式ミル中または混練装置中で)によって、前記の結晶の多形態の幾つかは、一般的に言えば、変換が必要でもなく有利でもないとしても、他の結晶の多形態に変換されうる。結晶度を増大させかつ粒径分布を最適化する目的のための再結晶化は、敏感である。
【0054】
粒径分布を最適化する目的のために、湿式粉砕または塩混練を使用することも可能である。例えば、WO 01/04215(しかし、非晶質化は、場合により本発明の顔料にとって妥当である)またはWO 02/68541(この場合、粉末密度は、例えば粉砕空間1リットル当たり3.0kJ・s-1またはそれ以上に達してもよい)から、2つの技術が自体公知である。
【0055】
従って、本発明は、次の結晶の多形態も提供する(°2Θ/CuKα;X線粉末回折図中の線は、光沢度数に加えて、相対強度により同定される:331/3%未満=w、331/3〜662/3%=mまたは662/3〜100%=s;極めて弱い、幅広の線および隆起は、一般に含まれない):
7.8s、10.2w、12.6s、18.6w、21.8w、22.4w、24.4m、25.0w、26.7m、27.2mおよび28.8w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図1)によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6のモル比1:2での
【化17】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えばそのつど触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて低分子量のポリカプロラクトンまたはトルエン中で得られる。
【0056】
6.6s、13.3w、14.8w、21.6w、24.5w、26.4mおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図2)によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6のモル比1:2での
【化18】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。全ての前記線は、かなり広幅であり、これは、極めて微細な一次粒子を示す。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて酢酸水溶液(60〜90質量%)中で得られる。
【0057】
7.3s、10.9w、12.7w、14.6w、24.5w、26.4mおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図3)によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6のモル比1:2での
【化19】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えばジメチルスルホキシドからの6.6s、13.3w、14.8w、21.6w、24.5w、26.4mおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた上記の結晶の多形態の再結晶によって得られる。
【0058】
7.2s、9.7w、11.6w、12.7w、19.2w、20.4w、21.5w、24.3w、25.0w、26.6wおよび28.5w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図4)によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O6のモル比1:2での
【化20】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてトルエン中で得られる。
【0059】
6.7w、12.6m、14.1w、15.7w、17.2w、19.6w、23.3w、24.8w、25.4w、27.6s、31.0wおよび34.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図5)によって特徴付けられた、実験式C26H10N4O10のモル比1:2での
【化21】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて氷酢酸中で得られる。
【0060】
6.6s、9.7w、13.3w、16.2w、19.9w、22.1w、24.9w、26.9wおよび29.1w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図6)によって特徴付けられた、実験式C26H10N4O10のモル比1:2での
【化22】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。〜22.1°2Θで線の数は、弱く分解される。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて酢酸水溶液(60〜90質量%)中で得られる。
【0061】
7.0s、10.1w、11.8s、20.5m、21.8m、24,2m、26.3sおよび27.9m °2Θで線を有するX線粉末回折図(図7)によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O8のモル比1:2での
【化23】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて氷酢酸中で得られる。
【0062】
6.2s、7.0s、10.1m、11.8m、20.5w、21.8w、26.3w、26.9mおよび27.8w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図8)によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O8のモル比1:2での
【化24】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この場合この生成物は、先の生成物と比較して、6.2s、13.3m、17.8w、22.8w、23.0w、25.0wおよび26.9m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた付加的な結晶の多形態を有する。この生成物は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて酢酸水溶液(60〜90質量%)中で得られる。
【0063】
7.1m、11.7s、19.2w、20.5w、22.6m、24.3m、25.6w、26.7m、27.1mおよび29.0w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図9)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2のモル比1:2での
【化25】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてトルエン中で得られる。
【0064】
4.7s、6.6w、9.3w、12.5w、14.5w、16.0w、19.7w、21.8w、24.6wおよび27.4w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図10)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2のモル比1:2での
【化26】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて酢酸水溶液(60〜90質量%)中で得られる。上記の結晶の多形態と比較して、4.7s、9.3w、14.5w、16.0w、19.7wおよび24.6w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた付加的な結晶の多形態が存在する。
【0065】
4.8m、12.6m、21.8w、24.9mおよび27.4s °2Θで線を有するX線粉末回折図(図11)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2のモル比1:2での
【化27】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてトルエン中で得られ、およびジイソブチルエステルが反応体として使用される(トルエン中と同様)場合に形成される結晶の多形態と区別される。
【0066】
5.9w、15.2w、23.9w、25.1mおよび26.8s °2Θで線を有するX線粉末回折図(図12)によって特徴付けられた、実験式C26H8N2O6Cl4のモル比1:2での
【化28】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてトルエン中で得られる。
【0067】
23.9wおよび26.9s °2Θで線を有するX線粉末回折図(図13)によって特徴付けられた、実験式C26H8N2O6Cl4のモル比1:2での
【化29】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて酢酸水溶液(60〜90質量%)中で得られる。
【0068】
6.7s、14.8m、16.1m、19.9m、21.8m、22.3m、24.8m、26.8sおよび29.1m °2Θで線を有するX線粉末回折図(図14)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6F2のモル比1:2での
【化30】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてトルエン中で得られる。
【0069】
6.7s、9.7w、13.3w、14.9w、16.3w、20.0w、22.3w、25.0w、26.9wおよび29.2w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図15)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6F2のモル比1:2での
【化31】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。〜22.3°2Θで線の数は、弱く分解される。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて酢酸水溶液(60〜90質量%)中で得られる。
【0070】
10.0w、11.6m、19.3m、20.6w、22.1s、23.3w、24.3m、25.4m、26.0w、26.8w、26.9s、28.8wおよび31.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図16)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Br2のモル比1:2での
【化32】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてクロロベンゼン中で得られる。
【0071】
6.0m、7.0m、9.2w、11.1s、19.7w、20.6m、22.4w、25.0m、26.5sおよび28.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図17)によって特徴付けられた、実験式C28H14N2O6Cl2のモル比1:2での
【化33】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてトルエン中で得られる。
【0072】
6.7s、9.6w、10.7w、14.4w、15.2w、19.9w、21.6wおよび25.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図18)によって特徴付けられた、実験式C38H20N2O6のモル比1:2での
【化34】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてクロロベンゼン中で得られる。
【0073】
8.5s、10.7w、12.6w、13.2w、21.0w、21.9w、22.7w、24.5w、26.9wおよび28.6w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図19)によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O6のモル比1:2での
【化35】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてクロロベンゼン中で得られる。
【0074】
6.4s、11.1m、11.8m、26.4mおよび26.9m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C30H20N2O6のモル比1:2での
【化36】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。線は、6.9および26.2〜27.0 °2Θで、弱く分解される(図20)。2つの上記の結晶の多形態のこの有望な混合物は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてトルエン中で得られる。
【0075】
6.9s、9.2w、11.1s、14.2w、20.3w、22.4wおよび26.3m °2Θで線を有するX線粉末回折図(図21)によって特徴付けられた、実験式C30H20N2O6のモル比1:2での
【化37】
からp−トルエンスルホン酸を用いてトルエン中での酸性触媒反応、引続く氷酢酸またはN−メチルピロリドンからの再結晶によって得られる反応生成物。
【0076】
6.9s、11.0s、20.3wおよび26.3m °2Θで線を有するX線粉末回折図(図22)によって特徴付けられた、実験式C30H20N2O6のモル比1:2での
【化38】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて酢酸水溶液(60〜90質量%)中で得られ、微少量の上記の結晶の多形態を含有していると思われる。
【0077】
分子イオンピークm/z 548.1を有する質量スペクトル(MALDI)によって特徴付けられた、実験式C34H16N2O6のモル比1:2での
【化39】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて酢酸水溶液(60〜90質量%)中で得られる。
【0078】
10.6s、14.4w、16.7w、19.1w、23.7w、25.2w、26.6wおよび27.9w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図23)によって特徴付けられた、実験式C30H16N2O10のモル比1:2での
【化40】
からp−トルエンスルホン酸を用いての酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてトルエン中で得られる。
【0079】
7.9w、9.7w、11.5w、12.6s、13.5w、15.9w、19.6w、21.4m、22.8w、23.5w、24.0w、25.4m、25.6s、27.9w、28.3w、29.1wおよび30.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図24)によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O12S2のモル比1:2での
【化41】
からp−トルエンスルホン酸を用いての酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて酢酸水溶液(60〜90質量%)中で得られる。
【0080】
弱い相対的強度(331/3%未満=w)を有する線は、必ずしも特性を有さず、ときどき強度の点で変動してもよいかまたは結晶形、試料調製および記録方法または純度に依存して全く不在であってよい。それ故に、試料の同一性を確認するためには、媒体の線を比較するかまたは強い相対的強度を比較することで通常、十分である(331/3〜662/3%=mまたは662/3〜100%=s)。常用の測定法により得られる、光沢度数の報告された絶対値は、試料調製および測定条件に応じて約±0.2 °2Θまでの誤差を有することができ、絶対値に対するスペクトルの基準は、僅かに移動してもよいだけでなく、程度の点で狭められてもよいし、伸張されてもよい。線幅は、微結晶の寸法および結晶度を反映する。
【0081】
適当な計器は、例えばSiemens D500/501回折計である。例えば、U.S.Geological Survey Open−File Report 01−041/A Laboratory Manual for X−Ray Powder Diffraction/Randomly Oriented Powder Mounts For X−Ray Powder Diffraction(http://pubs.usgs.gov/of/2001/of01−041/htmldocs/methods/romount.htm)に開示されているように常法でタブレットを製造することは、有利である。
【0082】
通常、前記の結晶の多形態は、好ましくは実質的に単一相の形で存在する。これは、他の結晶の多形態が全ての結晶の多形態の全体量に対して20質量%未満、好ましくは10質量%未満の量で存在することを意味する。試料中の異なる結晶の多形態の相対的量は、最も強力に異なる線の領域から評価され、引続き最初に基線を減算することにより評価されうる。他の選択可能な方法によれば、X線粉末回折図は、公知の組成の物理的混合物のX線粉末回折図と比較されてよい。
【0083】
水性反応媒体、例えば無水反応媒体の量に対して水5質量%〜50質量%を含有する反応媒体を使用する場合には、得られた結晶の多形態は、一般に、無水反応媒体、例えばトルエンまたは氷酢酸が使用される場合に得られたものとは異なる。水の存在下で得られる結晶の多形態は、殊にポリオレフィンにおいて、良好な耐光堅牢度、よりいっそう良好な分散性およびマストーンにおける卓越したジェットブラックの色合い、ならびに酸化チタンを還元した際の若干緑がかった灰色の色合いについて顕著である。更に、この結晶の多形態は、特に有利に極性溶剤からの再結晶により十分に安定した結晶の多形態に変換することができる。
【0084】
これとは異なり、無水の反応媒体中で得られる結晶の多形態は、殊にワニス中(特に、ポリエステル/セルロースアセトブチレートワニス中)での高い耐光堅牢度について顕著である。酸化チタンを還元した場合、前記の結晶の多形態は、典型的には顕著に中性の灰色の色合いを生じる。
【0085】
意外なことに、本発明の方法により、式
【化42】
で示される1つの化合物、好ましくは式
【化43】
で示される1つの化合物と式
【化44】
で示される2つ以上の化合物とを1:2の全体のモル比(i):(iv)で、水中で25℃で4.5以下のpKを有する酸性触媒の存在下で反応させることによって固溶体および混合結晶を製造することも可能である。この場合には、多相または単一相の顔料を得ることができ、その際、後者の単一相の顔料が好ましい。しかし、固溶体および混合結晶を形成するための適性は、式
【化45】
で示されるイサチンおよび一定の置換イサチンによってのみ所有され、付加的に主要成分の定義された量は、維持されなければならない。
【0086】
従って、本発明は、式
【化46】
で示される1つの化合物を式
【化47】
〔式中、
R10は、H、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5、F、Cl、Br、NO2、CN、COOHまたはSO3Hであり、
R11は、H、NO2、CN、COOHまたはSO3Hであり、および
R12は、H、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5、FまたはClである〕で示される2〜5つの化合物と1:2の全体のモル比(i):(iv)で、水中で25℃で4.5以下のpKを有する触媒の存在下で反応させることによって特徴付けられた、黒色着色剤を製造する方法も提供する。
【0087】
好ましくは、R10は、H、CH3、OCH3、F、Cl、Br、NO2またはSO3Hであり、R11は、HまたはSO3Hであり、およびR12は、H、CH3またはClである。特に好ましくは、R10は、H、CH3またはClであり、R11は、Hであり、およびR12は、H、CH3またはClである。殊に好ましくは、R10=R11=R12=H、R10=CH3/R11=R12=H、R10=Cl/R11=R12=H、R10=OCH3/R11=R12=H、R10=NO2/R11=R12=H、R11=H/R10=R12=CH3またはR11=H/R10=R12=Clであるような式(iv)の化合物が記載される。
【0088】
反応のための化合物(i)および(iv)、好ましくは(iii)および(iv)は、全部が初期の装入量中に含まれていてもよいし、同時に、または任意の順序で添加されてもよい。化合物(iv)の全部が初期の装入量中に必ずしも含まれていない場合には、一般に、反応を通して式(iv)の化合物のために上記した最終的な比を維持することは、好ましい。従って、例えば、この反応は、50:50の質量比で式(iv)の2つの化合物の混合物を用いて開始することができ、さらに、80:20の質量比で連続させることができ、この場合には、結晶の多形態は、もはや何の変化も受けない。
【0089】
意外なことに、多くの場合に反応媒体に依存して、式(iv)の同じ化合物の単一のものだけが反応される場合に形成される生成物の結晶相と著しく異なる結晶の多形態が形成される。換言すれば、好ましくは新規のよりいっそう安定した結晶の多形態が形成され、好ましくは単一相の結晶の多形態または単一相の混合結晶が形成され、これらの結晶格子は、理想的な単一相の結晶格子中で化学量論的に超流動性と予想されるゲスト分子に対してホスト分子として使用することができる。
【0090】
式(iv)の主要成分として、式
【化48】
で示される化合物および式(iv)の第2成分として、式
【化49】
で示される化合物は、好ましくは式(i)の化合物と反応され、上記式中、
R13は、H、C1〜C8アルキル、OC1〜C8アルコキシ、F、Cl、Br、NO2、CN、COOHまたはSO3Hであり、
R14は、H、NO2、CN、COOHまたはSO3Hであり、およびR15は、H、ClまたはC1〜C8アルキルである。
【0091】
特に好ましくは、R13は、HまたはC1〜C4アルキルであり、R14は、Hであり、およびR15は、H、ClまたはC1〜C8アルキルである。
【0092】
本発明の混合結晶および固溶体は、殊に高い分散性、高い色強度、有利な黒色の色合いおよび高い堅牢度(殊に、よりいっそう良好な耐候堅牢度)に対して顕著である。本発明の混合結晶および固溶体は、特にペイントの用途に有利である(殊に、ポリエステル/セルロースアセトブチレートワニス)。
【0093】
従って、本発明は、次の結晶の多形態も提供する(°2Θ/CuKα;X線粉末回折図中の線は、光沢度数に加えて、相対強度により同定される:331/3%未満=w、331/3〜662/3%=mまたは662/3〜100%=s;極めて弱い、幅広の線および隆起は、一般に含まれない):
7.6s、9.5w、11.8s、20.7w、24.7m、26.4mおよび28.4m °2Θで線を有するX線粉末回折図(図25)によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C28H16N2O6およびC30H20N2O6の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化50】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C26H12N2O6およびC30H20N2O6の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばトルエン、クロロベンゼンまたは氷酢酸中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。
【0094】
7.4s、10.0w、11.9s、18.8w、20.1w、22.1w、24.1m、25.0w、26.6mおよび28.6w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図26)によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C27H14N2O6およびC28H16N2O6の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化51】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C26H12N2O6およびC28H16N2O6の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、本質的に実験式C28H16N2O6の純粋な化合物の結晶の多形態に対応する(図4)。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてクロロベンゼン中で得られる。
【0095】
7.2s、9.3w、11.3s、19.4w、20.6w、24.5w、26.4m、26.9wおよび28.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図27)によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O6、C29H18N2O6およびC30H20N2O6の化合物を有するモル比1:1:1での
【化52】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C28H16N2O6およびC30H20N2O6の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばトルエン中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。また、この結晶の多形態は、氷酢酸中で得られる同じ組成の生成物の結晶の多形態とは異なる。
【0096】
7.2s、7.4s、10.3w、11.9m、12.2s、13.3w、18.9w、20.2w、22.8m、24.1s、25.3w、26.8sおよび29.0m °2Θで線を有するX線粉末回折図(図28)によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C26H11N2O6ClおよびC26H10N2O6Cl2の化合物を有するモル比1::1:1での
【化53】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C28H16N2O6およびC26H10N2O6Cl2の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばトルエン中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。
【0097】
7.1s、11.6s、19.2w、20.4w、21.9w、24.2m、25.2w、26.7sおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図29)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2、C27H13N2O6ClおよびC28H16N2O6の化合物を有するモル比1:1:1での
【化54】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C26H10N2O6Cl2およびC28H16N2O6の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばトルエン中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。
【0098】
6.6s、13.5w、14.7m、15.9w、19.8m、21.6m、22.3w、24.6m、26.6sおよび28.8m °2Θで線を有するX線粉末回折図(図30)によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C26H11N2O6FおよびC26H10N2O6F2の化合物を有するモル比1:1:1での
【化55】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C26H12N2O6およびC26H10N2O6F2の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばクロロベンゼン中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。
【0099】
7.1m、10.2m、11.8s、13.1w、18.8m、20.2m、22.7s、24.0s、25.3m、26.5s、26.8sおよび28.8m °2Θで線を有するX線粉末回折図(図31)によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C26H11N2O6BrおよびC26H10N2O6Br2の化合物を有するモル比1:1:1での
【化56】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C26H12N2O6およびC26H10N2O6Br2の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばクロロベンゼン中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。
【0100】
7.0s、10.4w、11.6m、19.0w、20.3w、22.3w、24.0w、25.3w、26.5mおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図32)によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C27H14N2O7およびC28H16N2O8の化合物を有するモル比1:1:1での
【化57】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C26H12N2O6およびC28H16N2O8の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばクロロベンゼン中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。
【0101】
6.1m、11.9m、13.5w、15.0w、16.5w、22.6w、24.1w、24.7wおよび26.9s °2Θで線を有するX線粉末回折図(図33)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2、C26H10N3O8ClおよびC26H10N4O10の化合物を有するモル比1:1:1での
【化58】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C26H10N2O6Cl2およびC26H10N4O10の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばトルエン中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。
【0102】
4.6s、9.3w、11.6m、14.2w、17.1w、18.8w、22.1w、25.4m、26.0mおよび27.5s °2Θで線を有するX線粉末回折図(図34)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2、C26H9N2O6Cl3およびC26H8N2O6Cl4の化合物を有するモル比1:1:1での
【化59】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C26H10N2O6Cl2およびC26H8N2O6Cl4の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばトルエン中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。
【0103】
7.0s、11.2s、12.7w、19.4w、20.7w、21.6w、22.5w、24.3w、25.3w、26.8mおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図35)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2、C27H13N2O7ClおよびC28H16N2O8の化合物を有するモル比1:1:1での
【化60】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C26H10N2O6Cl2およびC28H16N2O8の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばトルエン中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。
【0104】
真の混合結晶および固溶体の製造が望ましくない場合(例えば、費用の理由から)には、主要成分の式(iv)の量を増加させることも可能である。この場合には、式(iv)の全ての化合物の全体量に対して、例えば0.1質量%〜15質量%、好ましくは0.5質量%〜12質量%の濃度で式(iv)の第2の成分は、有利に結晶成長を抑制することができるかまたは目標の結晶の多形態をもたすことができる。
【0105】
本明細書中では、固溶体が製造されるかどうかは無関係であるので、結晶成長抑制剤または結晶の多形態のエフェクターとして使用するための第2の成分の選択には、全く制限はない。勿論、同時の添加に対する他の選択可能な方法によれば、最初に式(i)の化合物の一部分と式(iv)の第2の成分の一部分または全部とを1:2の全体のモル比で反応させ、次に式(i)の化合物の残り、式(iv)の主要成分の残りおよび存在する場合に式(iv)の第2の成分の残りとの反応を継続させることもできるか、または最初に式(i)の化合物の一部分と式(iv)の主要成分の一部分または全部とを1:2の全体のモル比で反応させることができ、次に式(i)の化合物の残り、式(iv)の第2の成分の残りおよび存在する場合に式(iv)の主要成分の残りとの反応を継続させることができる。
【0106】
従って、本発明は、式
【化61】
で示される1つの化合物を式
【化62】
で示される2〜5つの化合物と1:2の全体のモル比(i):(ii)で、水中で25℃で4.5以下のpKを有する触媒の存在下で反応させることによって特徴付けられた、黒色着色剤を製造する方法も提供し、この場合式(ii)の化合物の1つの量は、式(ii)の全ての化合物の全体量に対して85質量%〜99.9質量%であり、式
【化63】
で示される複数の化合物は、反応前または反応中に同時に、または任意の順序で添加される。
【0107】
更に、本発明は、1:2の全体のモル比(i):(ii)で、水中で25℃で4.5以下のpKを有する触媒の存在下での式
【化64】
で示される1つの化合物と式
【化65】
で示される1つの化合物および式
【化66】
で示される1〜4つの他の化合物との反応生成物を含有する黒色着色剤組成物も提供し、この場合、式(iia)の化合物の量は、式(iia)および(iib)の化合物の全体量に対して85質量%〜99.9質量%であり、および式(iia)および(iib)中のR3、R4、R5、R6およびR7は、互いに独立に上記の式(ii)中の定義と同じ定義を有する。勿論、式(iia)の化合物と式(iib)の全ての他の化合物とは、異なる。
【0108】
式(iia)の化合物は、好ましくは置換されていないイサチンまたは5−メチルイサチンであり、よりいっそう好ましくは、置換されていないイサチンである。
【0109】
式(iia)および(iib)中で、好ましくは、基R3、R4、R5、R6またはR7の1つ、好ましくはR4は、C1〜C16アルキル、C1〜C16アルコキシ、C3〜C16シクロアルキル、C3〜C16シクロアルコキシ、C2〜C16アルケニルまたはC2〜C16アルケンオキシ、よりいっそう好ましくはC3〜C12アルキル、C5〜C6シクロアルキル、C3〜C12アルコキシまたはC5〜C6シクロアルコキシ、殊に好ましくはC4〜C8アルキルまたはC4〜C8アルコキシ、特に好ましくはn−ブチル、イソブチル、第三ブチル、3−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、n−オクチル、ラウリルまたはミリスチルであり、基R3、R4、R5、R6またはR7の他の4つは、それぞれHである。
【0110】
添加された成分によって変性された、本発明の顔料は、殊に高い色強度、有利なジェットブラックの色合いおよび高い堅牢度に対して顕著である。本発明の顔料は、殊にペイントの用途およびプラスチックの物体色の点で有利である。
【0111】
勿論、本発明により得られる全ての着色剤、着色剤混合物、混合結晶および固溶体は、さらにそれらの製造後の化学的変性、例えばスルホン化、アミノ基へのニトロ基の還元、エステル化または塩を形成するための酸基の中和を含めてかかる変性に掛けることが可能である。前記の変性された黒色化合物は、出発材料と同様に着色剤または顔料として使用されてよい。本明細書中で、好ましくは、スルホン化、クロロスルホン化、カルボキシル基およびスルホ基の中和、ならびにSO2Cl基からのアミドの形成が記載される。カルボキシル基およびスルホ基は、有利に塩基、特に強塩基でCOO-基およびSO3-基に変換されている。適当な塩基の例は、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物またはアルカリ金属アミドおよびアルカリ土類金属アミド、酸化アルミニウム、アンモニア、第1アミン、第2アミン、第3アミンまたは第4アミンを含む。好ましくは、アルカリ土類金属水酸化物および第4アミンが記載される。第1アミン、第2アミン、第3アミンまたは第4アミンは、好ましくはNでC1〜C30アルキル、C2〜C30アルケニル、C2〜C30アルキニル、C7〜C30アラルキルまたはC6〜C30アリールによって置換されており、この場合前記の炭化水素置換基は、直鎖状または分枝鎖状であることができ、1回または数回カルボニル、
【化67】
によって中断されていないかまたは中断されていてよく、および/または置換されていないかまたは1回または数回ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシルまたはスルホによって置換されていてよい。同様に、他の化学的変性を受けた着色剤は、ピッチブラックの色合いを有し、特に比較的低い表面極性が必要とされる用途にとって興味深いものがある。
【0112】
意外なことに、この興味は、本発明により得られる着色剤が、塩基性の添加剤、例えば立体障害アミン(HALS)および/またはベンゾトリアゾール型またはトリアジン型のUV吸収剤と組み合わせて、マトリックス材料の耐候安定性が公知の黒色顔料、例えばカーボンブラックと比較して増大しているようなジェットブラックペイントおよびプラスチックを生じることから出現した。
【0113】
従って、本発明は、高分子材料を全体として着色するための本発明の着色剤の使用、ならびにそれぞれ全体着色された高分子材料に対して、本発明の着色剤0.01質量%〜70質量%、好ましくは0.05質量%〜30質量%、および塩基性光安定剤または塩基性光安定剤の混合物0.01質量%〜20質量%、好ましくは0.1質量%〜10質量%、よりいっそう好ましくは0.2質量%〜5質量%を含有する練込み着色された高分子量材料も提供する。
【0114】
好ましい光安定剤は、全体の着色された高分子量材料に対して1.0質量%の濃度で少なくとも50%の光安定性の増大を生じる光安定剤である。これは、加速された光安定性の試験において、光安定剤1%の存在下で表面構造内または機械的性質において有効な変化が存在するまでの時間が、光安定剤の不在下で表面構造または幾何的性質に対する同じ変化を生じる時間の少なくとも150%であることを意味する。
【0115】
塩基性光安定剤は、好ましくは8以上のpKaまたはpKBH+を有する。光安定剤のpKaまたはpKBH+は、水中または水性の中性溶剤中で測定されてよいか、または必要な場合には、一般的な方法によって計算されてもよい。
【0116】
光安定剤は、好ましくは第2アミノ基、ニトロキシル基、ヒドロキシルアミノ基またはアルコキシアミノ基を有するか、または他にフェノールと互変異性化されているかまたはフェノールのプロトンへの水素結合を形成する−N=基を有する。勿論、光安定剤の混合物を使用することも可能であり、この場合には、例えば同じ活性の下部構造または他に異なる活性の下部構造を有する2〜12個の光安定剤が組み合わされていてよい。
【0117】
特に好ましい光安定剤は、次の下部構造を有するものである:
【化68】
【0118】
立体障害アミンは、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリド−4−イル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イル)セバケート、n−ブチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロン酸、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)エステル、1−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合生成物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状または環状縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラオエート、1,1’−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3.5−ジ−第三ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]−デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状または環状縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピル−アミノ)エタンとの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物ならびに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(CAS登録番号[136504−96−6]);1,6−ジアミノヘキサンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物ならびにN,N−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジンとの縮合生成物(CAS登録番号[192268−64−7]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビスホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレン−ジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、無水マロン酸−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、Sanduvor(登録商標)(Clariant;CAS登録番号106917−31−1)、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリド−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンとの反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジンまたは1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジンである。
【0119】
2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンは、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンまたは2,4−ビス(4−[2−エチルヘキシルオキシ]−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンである。
【0120】
2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールは、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール];2−[3’−第三ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換反応生成物;
【化69】
、但し、R=3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)−フェニル]ベンゾトリアゾールである。
【0121】
付加的に、
【0122】
に開示された塩基性光安定剤ならびに上記刊行物中に開示された下部構造を有する数多くの商品を参照することができる。
【0123】
本発明の黒色着色剤は、ペイント、印刷用インクおよびプラスチックを全体として着色するために使用されてよい。従って、本発明は、本発明の着色剤の使用およびペイント、印刷用インクおよびプラスチックを全体として着色するための本発明により製造された着色剤の使用、ならびに全体的に着色された高分子量材料に対して、本発明の着色剤または本発明により製造された着色剤0.01質量%〜70質量%を含有する、練込み着色された高分子量材料も提供する。他の結晶の多形態が全ての結晶の多形態の全体量に対して20質量%未満、好ましくは10質量%未満の量で存在する本発明の単一の顔料を使用することは、好ましい。
【0124】
本発明により着色すべき高分子量有機材料は、天然または合成に由来することができ、典型的には、103g/mol〜108g/molの範囲内の分子量を有する。このような材料は、例えば天然樹脂または乾性油、ゴムまたはカゼイン、または変性された天然物質、例えば塩素化ゴム、オイル変性されたアルキド樹脂、ビスコース、セルロースエーテルまたはセルロースエステル、例えばセルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセトブチレートまたはニトロセルロースであることができるが、しかし、特に連鎖成長反応による付加重合、段階的成長による付加重合または縮合重合によって得られるような全ての合成有機ポリマー(熱硬化性プラスチックおよび熱可塑性プラスチックの双方)、例えばポリカーボネート、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレート、ポリオレフィン、例えばポリエチレン(HDPE、HDPE−HMW、HDPE−UHMW、LDPE、LLDPE、VLDPE、ULDPE)、ポリプロピレンまたはポリイソブチレン、置換ポリオレフィン、例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、アセトニトリルまたはアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルまたはブタジエンのポリマー、ポリスチレンまたはポリメチルメタクリレート、および前記モノマーのコポリマー、殊にアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)、スチレン/アクリロニトリル(SAN)またはEVAであることができる。
【0125】
段階的成長による付加重合樹脂および縮合重合樹脂の群から、ホルムアルデヒドとフェノール樹脂として知られているフェノールとの縮合生成物、およびホルムアルデヒドとアミノ樹脂として知られているウレア、チオウレアおよびメラミンとの縮合生成物、飽和樹脂、例えばアルキド樹脂と不飽和樹脂、例えばマレエート樹脂の双方を含む、被膜形成樹脂として使用されるポリエステル、ならびに直鎖状ポリエステルおよびポリアミドまたはシリコーンを挙げることができる。
【0126】
更に、高分子量有機材料は、ペイントまたは印刷用インクのための結合剤、例えば亜麻仁油ワニス、ニトロセルロース、アルキド樹脂、メラミン樹脂、ウレア−ホルムアルデヒド樹脂、アクリル樹脂または他の硬化性または重合性の前駆物質であることができる。
【0127】
上記の高分子量化合物は、個別的に存在してもよいし、混合物でプラスチック素材、溶液または溶融液として存在してもよく、これは、必要に応じて繊維中に回転塗布されることができる。当該の形は、直ちに使用できる組成物または直ちに使用できる組成物から形成された製品であることができるか、または他に例えばペレットの形でマスターバッチであることができる。必要に応じて、本発明により高分子量有機材料を着色するために、着色されていない有機材料中に存在していてよいかまたは配合中に添加されてよい常用の補助剤を使用することも可能である。
【0128】
このような補助剤の例は、安定剤、例えば酸化防止剤、UV安定剤または光安定剤、界面活性剤、湿潤剤、可塑剤またはテクスチャー向上剤である。テクスチャー向上剤が必要とされる場合には、テクスチャー向上剤は、場合によっては有利に実際の合成中または後処理中に本発明の着色剤に添加される。
【0129】
テクスチャー向上剤の例は、少なくとも12個の炭素原子を有する脂肪酸、例えば殊にステアリン酸またはベヘン酸、ステアラミドまたはベヘンアミド、ステアリン酸またはベヘン酸の塩、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛またはステアリン酸アルミニウム、またはベヘン酸マグネシウム、ベヘン酸亜鉛またはベヘン酸アルミニウム、または他に第四級アンモニウム化合物、例えば殊にトリ(C1〜C4)アルキルベンジルアンモニウム塩、例えばトリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリ−n−プロピルアンモニウム塩、トリイソプロピルアンモニウム塩、トリ−n−ブチルアンモニウム塩、トリ−第二ブチルアンモニウム塩またはトリ−第三ブチルベンジルアンモニウム塩、または他に可塑剤、例えばエポキシド化大豆油、ワックス、例えばポリエチレンワックス、樹脂酸、例えばアビエチン酸、ロジン石鹸、水素化または二量体化ロジン、(C12〜C18)パラフィンジスルホン酸、アルキルフェノールまたはアルコール、例えばステアリルアルコール、または他にラウリルアミンまたはステアリルアミン、および/または他に脂肪族1,2−ジオール、例えばドデカン−1,2−ジオールである。
【0130】
好ましいテクスチャー向上剤は、ラウリルアミンまたはステアリルアミン、脂肪族1,2−ジオール、ステアリン酸またはそのアミド、塩またはエステル、エポキシド化大豆油、ワックスまたは樹脂酸である。
【0131】
このような補助剤は、例えば有利に本発明の組成物に対してこの組成物の製造前、製造中または製造後に0.05質量%〜25質量%、有利に0.5質量%〜15質量%の量で添加されてよい。
【0132】
高分子量有機物質は、例えばこのような着色剤で、場合によってはマスターバッチの形で前記基質中にロールミル、混合装置または粉砕装置を用いて着色される。その後に、着色された材料は、一般に自体公知の技術、例えばカレンダー加工、圧縮成形、押出、塗布、噴霧、注型、印刷または射出成形によって望ましい最終形にもたらされる。硬質でないかまたは脆性を減少させない成形品を製造するために、しばしば可塑剤を造形前に高分子量化合物中に配合することは、望ましい。有用な可塑剤の例は、燐酸、フタル酸またはセバシン酸のエステルを含む。本発明の方法において、可塑剤は、着色剤が配合される前または配合された後にポリマー中に配合されてよい。異なる色調を得るためのもう1つの方法は、高分子量有機材料を着色剤組成物と混合するだけでなく、充填剤、補強材料(例えば、有機繊維または無機繊維)、および/または他の着色成分、例えば白色顔料、有彩顔料または黒色顔料、ならびに効果顔料とそのつど望ましい量で混合することでもある。
【0133】
着色剤の混合は、実際の処理工程の直前に、本発明の粉末状着色剤およびペレット化された高分子量有機材料、ならびに場合によっては補助剤、例えば添加剤を、例えば同時に、および押出機の凍結帯域に直接に、処理前に短時間配合しながら、連続的に計量供給することによって実施されてもよい。しかし、一般的に言えば、処理中に着色剤を高分子量有機材料中に混合することは、好ましく、それというのも、よりいっそう一様の結果を得ることができるからである。
【0134】
ペイントおよび印刷用インクを着色するためには、高分子量有機材料および本発明の着色剤は、場合によっては補助剤、例えば安定剤、分散剤、光沢向上剤、充填剤、他の顔料、乾燥剤または可塑剤と一緒に、一般に有機溶剤および/または水性溶剤または溶剤混合物中に微細に分散されるかまたは溶解される。本明細書中での1つの可能な方法は、個々の成分自体を分散または溶解するか、または他に2つ以上を一緒にして分散または溶解し、次に全ての成分を組み合わせる。
【0135】
ペイントは、例えば浸漬、ナイフ塗布、被膜塗布、ブラシ掛けまたは噴霧によって適用され、乾燥および硬化後に有利に熱的に、または照射によって、本発明の塗膜を生じる。更に、塗膜を生じる適用方法は、粉体塗装技術またはロール塗布(コイル被覆)技術であり、これらの技術の詳細は、当業者にとって自体公知である。
【0136】
着色すべき高分子量材料がペイントである場合、このペイントは、常用のペイントであることができるか、または他に特殊なペイント、例えば自動車の仕上げ塗料であることができる。このペイントは、マルチコート塗装系の一部分であることができる。効果仕上げ塗料は、金属薄片、場合によっては塗布された雲母および/または干渉顔料の添加によって可能である。本発明の着色剤の利点は、ペイントの用途において特に顕著であり、例えば高い不透明度を有するタンデムにおける色強度が増大されること、および直射日光中の熱のレベルが低いことにある。
【0137】
好ましくは、本発明のペイントは、付加的に保護の際に常用の厚さで澄明なワニスを備えており、この場合このワニスは、例えば1つ以上のUV吸収剤または効果顔料を有する。本発明の塗膜が金属支持体上に位置している場合、この支持体は、好ましくは、プライマーで被覆された支持体である。
【0138】
本発明により着色された製品は、近赤外線に対して著しく不活性である、良好な堅牢度を有する顕著なジェットブラックの色合いを有する。本明細書中で性質および用途については、殊にWO 2009/010521の第9頁/第13行〜第29頁/第11行の記載を参照することができ、この場合本発明により製造された黒色着色剤は、色強度、色合いおよび堅牢度の性質に関連してWO 2009/010521の黒色着色剤よりも卓越している。
【0139】
意外なことに、本発明の黒色着色剤は、粉体塗装またはコイル被覆の点で、特にカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)と比較して顕著な結果を生じる。ジェットブラックの色合いに加えて、付着力、端から端までの硬化(through−curing)および光沢、ならびに特に平滑度および規則的な表面は、有利である。
【0140】
更に、本発明の黒色着色剤の特に興味深い実施態様は、マルチングフィルム、インストルメント・パネルまたは織物、殊に車両における構成物のためのもの、庭園家具、例えばベンチ、椅子、リクライニングチェアおよびテーブルのためのもの、または構造物工業のための材料および要素、例えば屋根用要素またはファサード要素、窓およびドアにおける黒色着色剤の使用である。マルチングフィルムは、殊に直射日光に暴露され、かつ早期分解傾向を有し、マルチングフィルムの機能を消失し、かつ飛び交うスクラップで景観を汚す。他面、光安定剤の量が増大した場合には、植生サイクルの最後でのマルチングフィルムの望ましい完全な生分解は、遅速になり、土壌汚染は、増大する。本発明のマルチングフィルムは、従来の顔料が含有されたマルチングフィルム(例えば、カーボンブラックを有する)と比較して早期成長段階における作物の生長に対する少ない予防効果も有する。自動車用製品、庭園用製品および構造物製品は、同様に直射日光に強く暴露され、前記製品の着色に依存して、過剰に熱くなり、早期に変形するかまたは破壊される。前記の問題は、本発明の着色剤および組成物によって大部分が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】実施例1および実施例4によるX線粉末回折図をそれぞれ示す略図。
【図2】実施例2および実施例5によるX線粉末回折図をそれぞれ示す略図。
【図3】実施例3および実施例6によるX線粉末回折図をそれぞれ示す略図。
【図4】実施例7によるX線粉末回折図を示す略図。
【図5】実施例8によるX線粉末回折図を示す略図。
【図6】実施例9によるX線粉末回折図を示す略図。
【図7】実施例10によるX線粉末回折図を示す略図。
【図8】実施例11によるX線粉末回折図を示す略図。
【図9】実施例12によるX線粉末回折図を示す略図。
【図10】実施例13によるX線粉末回折図を示す略図。
【図11】実施例14によるX線粉末回折図を示す略図。
【図12】実施例15によるX線粉末回折図を示す略図。
【図13】実施例16によるX線粉末回折図を示す略図。
【図14】実施例17によるX線粉末回折図を示す略図。
【図15】実施例18によるX線粉末回折図を示す略図。
【図16】実施例19によるX線粉末回折図を示す略図。
【図17】実施例20によるX線粉末回折図を示す略図。
【図18】実施例21によるX線粉末回折図を示す略図。
【図19】実施例22によるX線粉末回折図を示す略図。
【図20】実施例23によるX線粉末回折図を示す略図。
【図21】実施例24によるX線粉末回折図を示す略図。
【図22】実施例25によるX線粉末回折図を示す略図。
【図23】実施例27によるX線粉末回折図を示す略図。
【図24】実施例28によるX線粉末回折図を示す略図。
【図25】実施例29によるX線粉末回折図を示す略図。
【図26】実施例30および実施例31によるX線粉末回折図をそれぞれ示す略図。
【図27】実施例32によるX線粉末回折図を示す略図。
【図28】実施例33によるX線粉末回折図を示す略図。
【図29】実施例34によるX線粉末回折図を示す略図。
【図30】実施例35によるX線粉末回折図を示す略図。
【図31】実施例36によるX線粉末回折図を示す略図。
【図32】実施例37によるX線粉末回折図を示す略図。
【図33】実施例38によるX線粉末回折図を示す略図。
【図34】実施例39によるX線粉末回折図を示す略図。
【図35】実施例40によるX線粉末回折図を示す略図。
【0142】
下記の実施例は、本発明の範囲を制限することなく本発明を説明する(別記しない限り、"%"は、常に質量%である):
【実施例】
【0143】
実施例1:2,5−ジヒドロキシベンゼン−1,4−ジ酢酸2.3g(Aldrich)、イサチン3.0g(98%、Aldrich)およびトルエン75ml中のp−トルエンスルホン酸一水和物0.7g(Fluka purum)の混合物を110℃に加熱する。この混合物を水を除去しながら7時間攪拌し、さらに14時間攪拌する。この混合物を冷却し、黒色の懸濁液を濾過する。残留物をメタノール100mlで洗浄し、60℃/104Paで4乾燥する。X線粉末回折図は、7.8s、10.2w、12.6s、18.6w、21.8w、22.4w、24.4m、25.0w、26.7m、27.2mおよび28.8w °2Θで線を有する(図1参照)。
【0144】
実施例2:2,5−ジヒドロキシベンゼン−1,4−ジ酢酸2.3g(Aldrich)、イサチン3.0g(98%、Aldrich)およびp−トルエンスルホン酸一水和物1.9g(Fluka purum)を、濃酢酸57mlと水10mlとの混合物中で攪拌し、生じる混合物を還流温度に加熱し、この温度で20時間攪拌する。次に、この反応混合物を加熱することなく温度が90℃に低下するまでさらに攪拌し、この時点で反応混合物を濾過し、残留物を最初に冷たい濃酢酸30mlで洗浄し、次にメタノール150mlで洗浄する。生成物を40℃/104Paで24時間乾燥する。黒色粉末(4.2g)のX線粉末回折図は、6.6s、13.3w、14.8w、21.6w、24.5w、26,4mおよび28.7w °2Θで線を有する(図2参照)。
【0145】
実施例3:実施例2で得られた化合物6gをジメチルスルホキシド60ml中で130℃に加熱し、この温度で18時間攪拌する。この反応混合物を加熱することなく温度が100℃に低下するまでさらに攪拌し、この時点で反応混合物を濾過し、残留物を最初にジメチルスルホキシド10mlで洗浄し、次に水150mlで洗浄する。生成物を40℃/104Paで24時間乾燥する。黒色粉末(4g)のX線粉末回折図は、7.3s、10.9w、12.7w、14.6w、24.5w、26.4mおよび28.7w °2Θで線を有する(図3参照)。
【0146】
実施例4:0.5リットルの能力を有する混練装置に実施例1からの生成物33g、塩化ナトリウム196gおよびN−メチルピロリドン77gを装入し、回転速度を65rpmに設定する。この装置の壁を80℃に温度調節する。6時間後、水150mlを添加する。得られた混合物を磁性吸込フィルター中に注入し、フィルター上の固体物質をさらに水で、洗浄水が塩不含になるまで洗浄する。生成物を80℃/104Paで乾燥し、0,4mmの目開きを有する篩に通過させる。X線粉末回折図は、7.8s、10.2w、12.6s、18.6w、21.8w、22.4w、24.4m、25.0w、26.7m、27.2mおよび28.8w °2Θで線を有する(図1参照)。
【0147】
実施例5:0.5リットルの能力を有する混練装置に実施例1からの生成物30g、塩化ナトリウム180gおよびN−メチルピロリドン85gを装入し、回転速度を65rpmに設定する。この装置の壁を20℃に温度調節する。414時間後、水150mlを添加する。生じる混合物を磁性吸込フィルター中に注入し、フィルター上の固体物質をさらに水で、洗浄水が塩不含になるまで洗浄する。X線粉末回折図は、6.6s、13.3w、14.8w、21.6w、24.5w、26.4mおよび28.7w °2Θで線を有する(図2参照)。
【0148】
実施例6:0.5リットルの能力を有する混練装置に実施例41からの生成物35g、塩化ナトリウム210gおよびジメチルスルホキシド105gを装入し、回転速度を65rpmに設定する。この装置の壁を45℃に温度調節する。6時間後、水150mlを添加する。生じる混合物を磁性吸込フィルター中に注入し、フィルター上の固体物質をさらに水で、洗浄水が塩不含になるまで洗浄する。生成物を80℃/104Paで12時間乾燥し、0,4mmの目開きを有する篩に通過させる。X線粉末回折図は、7.3s、10.9w、12.7w、14.6w、24.5w、26.4mおよび28.7w °2Θで線を有する(図3参照)。
【0149】
実施例7:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の5−メチルイサチン(Aldrich 97%)を用いて行なう。X線粉末回折図は、7.2s、9.7w、11.6s、12.7w、19.2w、20.4w、21.5w、24.3w、25.0w、26.6wおよび28.5w °2Θで線を有する(図4参照)。
【0150】
実施例8:2,5−ジヒドロキシベンゼン−1,4−ジ酢酸5.65g(Aldrich)、5−ニトロイサチン9.9g(97%、Aldrich)および酢酸175ml中のp−トルエンスルホン酸1.8g(Fluka purum)の混合物を110℃に加熱し、さらに20時間攪拌する。この混合物を冷却し、黒色の懸濁液を濾過する。残留物をメタノール200mlで洗浄し、60℃/104Paで乾燥する。X線粉末回折図は、6.7w、12.6w、14.1w、15.7w、17.2w、19.6w、23.3w、24.8w、25.4w、27.6s、31.0wおよび34.3w °2Θで線を有する(図5)。
【0151】
実施例9:実施例2と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、5−ニトロイサチン3.9g(97%、Aldrich)を用いて行なう。黒色粉末(4.1g)のX線粉末回折図は、6.6s、9.7w、13.3w、16.2w、19.9w、22.1w、24.9w、26.9wおよび29.1w °2Θで線を有する(図6参照;〜22.1°2Θで線の数は、弱く分解される)。
【0152】
実施例10:実施例8と同様に方法を行なうが、しかし、5−ニトロイサチンの代わりに、等モル量の5−メトキシイサチン(Aldrich 98%)を用いて行なう。X線粉末回折図は、7.0s、10.1m、11.8s、20.5m、21.8m、24.2m、26.3sおよび27.9m °2Θで線を有する(図7)。
【0153】
実施例11:実施例2と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、5−メトキシイサチン3.6gを用いて行なう。黒色粉末(3.6g)のX線粉末回折図は、6.2s、7.0s、10.1m、11.8m、20.5w、21.8w、26.3w、26.9mおよび27.8w °2Θで主要線を有する(図8参照)。
【0154】
実施例12:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の5−クロロイサチン(97%、Aldrich)を用いて行ない、2,5−ジヒドロキシベンゼン−1,4−ジ酢酸の代わりに等モル量のジイソブチルエステルを用いて行なう。X線粉末回折図は、7.1m、11.7s、19.2w、20.5w、22.6m、24.3m、25.6w、26.7m、27.1mおよび29.0w °2Θで線を有する(図9)。他の選択可能な方法として、ジイソブチルエステルの代わりに、ジイソプロピルエステルを使用することもできる。
【0155】
実施例13:実施例2と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、5−クロロイサチン3.7gを用いて行なう。これは、黒色粉末4.2gを生じ、この黒色粉末のX線粉末回折図は、4.7s、6.6w、9.3w、12.5w、14.5w、16.0w、19.7w、21.8w、24.6wおよび27.4w °2Θで線を有する。実施例12の記載により得られた結晶の多形態に加えて、4.7s、9.3w、14.5w、16.0w、19.7wおよび24.6w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられたさらなる結晶の多形態が存在する(図10参照)。
【0156】
実施例14:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の5−クロロイサチン(Aldrich 97%)を用いて行なう。X線粉末回折図は、4.8m、12.6m、21.8w、24.9mおよび27.4s °2Θで線を有する(図11参照)。
【0157】
実施例15:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の5,7−ジクロロイサチン(Aldrich)を用いて行なう。X線粉末回折図は、5.9w、15.2w、23.9w、25.1mおよび26.8s °2Θで線を有する(図12参照)。
【0158】
実施例16:実施例2と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、5,7−ジクロロイサチン4.4gを用いて行なう。黒色粉末(3.6g)のX線粉末回折図は、23.9wおよび26.9s °2Θで線を有する(図13参照)。
【0159】
実施例17:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の5−フルオロイサチン(Aldrich 97%)を用いて行なう。X線粉末回折図は、6.7s、14.8m、16.1m、19.9m、21.8m、22.3m、24.8m、26.8sおよび29.1m °2Θで線を有する(図14参照)。
【0160】
実施例18:実施例2と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、5−フルオロイサチン3.4g(97%、Aldrich)を用いて行なう。黒色粉末(3.2g)のX線粉末回折図は、6.7s、9.7w、13.3w、14.9w、16.3w、20.0w、22.3w、25.0w、26.9wおよび29.2w °2Θで線を有する(図15参照;〜22.3°2Θで線の数は、弱く分解される)。
【0161】
実施例19:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の5−ブロモイサチン(90%、Aldrich)を用いて行ない、およびトルエンの代わりにクロロベンゼンを用いて行なう。X線粉末回折図は、10.0w、11.6m、19.3m、20.6w、22.1s、23.3w、24.3m、25.4m、26.0w、26.8w、26.9s、28.8wおよび31.3w °2Θで線を有する(図16参照)。
【0162】
実施例20:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の5−クロロ−7−メチルイサチン(97%、Aldrich)を用いて行なう。X線粉末回折図は、6.0m、7.0m、9.2w、11.1s、19.7w、20.6m、22.4w、25.0m、26.5sおよび28.3w °2Θで線を有する(図17参照)。
【0163】
実施例21:実施例19と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の1−フェニルイサチン(97%、Aldrich)を用いて行なう。X線粉末回折図は、6.7s、9.6w、10.7w、14.4w、15.2w、19.9w、21.6wおよび25.3w °2Θで線を有する(図18参照)。
【0164】
実施例22:実施例19と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の1−メチルイサチン(97%、Aldrich)を用いて行なう。X線粉末回折図は、8.5s、10.7w、12.6w、13.2w、21.0w、21.9w、22.7w、24.5w、26.9wおよび28.6w °2Θで線を有する(図19参照)。
【0165】
実施例23:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の5,7−ジメチルイサチン(97%、Aldrich)を用いて行なう。X線粉末回折図は、6.4s、11.1m、11.8m、26.4mおよび26.9m °2Θで線を有する(図20参照;6.9および26.2〜27.0°2Θで線の数は、弱く分解される)。
【0166】
実施例24:実施例23から得られた生成物を氷酢酸から110℃で16時間再結晶させる。X線粉末回折図は、6.9s、9.2w、11.1s、14.2w、20.3w、22.4wおよび26.3m °2Θで線を有する(図21参照)。
【0167】
実施例25:実施例2と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、5,7−ジメチルイサチン3.6g(97%、Aldrich)を用いて行なう。黒色粉末(3.9g)のX線粉末回折図は、6.9s、11.0s、20.3wおよび26.3m °2Θで線を有する(図22参照)。また、この生成物は、実施例24から得られた微少量の多形態を含有するように思われる。
【0168】
実施例26:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、2,1−ナフトイサチン4.0g(CH 93487[1920]の記載により製造した)を用いて行ない、およびトルエンの代わりに、同量の酢酸水溶液(60〜90質量%)を用いて行なう。黒色粉末(4.4g)の質量スペクトル(MALDI)は、m/z548.1で分子イオンピークを有する。
【0169】
実施例27:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の2,3−ジオキソインドリン−7−カルボン酸(97%、Aldrich)を用いて行なう。X線粉末回折図は、10.6s、14.4w、16.7w、19.1w、23.7w、25.2w、26.6wおよび27.9w °2Θで線を有する(図23参照)。
【0170】
実施例28:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量のイサチン−5−スルホン酸ナトリウム塩(98%、Aldrich)を用いて行ない、およびトルエンの代わりに、酢酸水溶液(80質量%)を用いて行なう。黒色生成物のX線粉末回折図は、7.9w、9.7w、11.5w、12.6s、13.5w、15.9w、19.6w、21.4m、22.8w、23.5w、24.0w、25.4m、25.6s、27.9w、28.3w、29.1wおよび30.7w °2Θで線を有する(図24参照)。
【0171】
実施例29:2,5−ジヒドロキシベンゼン−1,4−ジ酢酸9.2g(Aldrich)、イサチン6.0g(98%、Aldrich)、5,7−ジメチルイサチン7.3g(98%、Aldrich)およびクロロベンゼン160ml中のp−トルエンスルホン酸一水和物2.8g(Fluka purum)の混合物を23℃で攪拌し、次に130℃に加熱し、水を除去しながら7時間攪拌し、次にさらに14時間攪拌する。この混合物を冷却し、黒色の懸濁液を濾過する。この残留物をメタノール200mlで洗浄し、および水200mlで洗浄し、60℃/104Paで乾燥する。X線粉末回折図は、7.6s、9.5w、11.8s、20.7w、24.7m、26.4mおよび28.4m °2Θで線を有する(図25参照)。
【0172】
実施例30:2,5−ジヒドロキシベンゼン−1,4−ジ酢酸2.3g(Aldrich)、イサチン1.5g(98%、Aldrich)、5−メチルイサチン1.7g(98%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸一水和物0.7g(Fluka purum)およびクロロベンゼン40mlの混合物を23℃で攪拌し、130℃に加熱し、次に110℃で16時間攪拌し、および実施例29の記載と同様に後処理する。X線粉末回折図は、7.4s、10.0w、11.9s、18.8w、20.1w、22.1w、24.1m、25.0w、26.6mおよび28.6w °2Θで線を有し(図26参照)、本質的に実施例7からの純粋な化合物のX線粉末回折図に相当する(図4参照)。
【0173】
実施例31:0.5リットルの能力を有する混練装置に実施例1からの生成物15g、実施例7からの生成物15g、塩化ナトリウム198gおよびN−メチルピロリドン77gを装入し、回転速度を65rpmに設定する。この装置の壁を20℃に温度調節する。6時間後、水150mlを添加する。得られた混合物を磁性吸込フィルター中に注入し、フィルター上の固体物質をさらに水で、洗浄水が塩不含になるまで洗浄する。生成物を80℃/104Paで12時間乾燥し、0,4mmの目開きを有する篩に通過させる。X線粉末回折図は、7.4s、10.0w、11.9s、18.8w、20.1w、22.1w、24.1m、25.0w、26.6mおよび28.6w °2Θで線を有する(殆ど図26と同一)。
【0174】
実施例32:実施例30と同様に方法を行なうが、しかし、WO 00/24736の実施例12bからの生成物2.0g、5−メチルイサチン1.6g(98%、Aldrich)、5,7−ジメチルイサチン1.8g(96%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸一水和物0.5g(Fluka purum)およびトルエン40mlの混合物を用いて行なう。X線粉末回折図は、7.2s、9.3w、11.3s、19.4w、20.6w、24.5w、26.4m、26.9wおよび28.3w °2Θで線を有する(図27参照)。
【0175】
実施例33:実施例30と同様に方法を行なうが、しかし、2,5−ジヒドロキシベンゼン−1,4−ジ酢酸2.3g(Aldrich)、イサチン1.5g(98%、Aldrich)、5−クロロイサチン1.9g(97%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸一水和物0.7g(Fluka purum)およびトルエン40mlの混合物を用いて行なう。X線粉末回折図は、7.2s、7.4s、10.3w、11.9m、12.2s、13.3w、18.9w、20.2w、22.8m、24.1s、25.3w、26.8sおよび29.0m °2Θで線を有する(図28参照)。
【0176】
実施例34:実施例32と同様に方法を行なうが、しかし、5−メチルイサチン1.6g(98%、Aldrich)、5−クロロイサチン1.9g(97%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸およびトルエンの混合物を用いて行なう。X線粉末回折図は、7.1s、11.6s、19.2w、20.4w、21.9w、24.2m、25.2w、26.7sおよび28.7w °2Θで線を有する(図29参照)。
【0177】
実施例35:実施例30と同様に方法を行なうが、しかし、イサチン1.5g(98%、Aldrich)、5−フルオロイサチン1.7g(97%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸およびクロロベンゼンの混合物を用いて行なう。X線粉末回折図は、6.6s、13.5w、14.7m、15.9w、19.8m、21.6m、22.3w、24.6m、26.6sおよび28.8m °2Θで線を有する(図30参照)。
【0178】
実施例36:実施例30と同様に方法を行なうが、しかし、イサチン1.5g(98%、Aldrich)、5−ブロモイサチン2.5g(90%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸およびクロロベンゼンの混合物を用いて行なう。X線粉末回折図は、7.1m、10.2m、11.8s、13.1w、18.8m、20.2m、22.7s、24.0s、25.3m、26.5s、26.8sおよび28.8m °2Θで線を有する(図31参照)。
【0179】
実施例37:実施例30と同様に方法を行なうが、しかし、イサチン1.5g(98%、Aldrich)、5−メトキシイサチン1.8g(98%、Aldrich)、5−メトキシイサチン1.8g(98%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸およびクロロベンゼンの混合物を用いて行なう。X線粉末回折図は、7.0s、10.4w、11.6m、19.0w、20.3w、22.3w、24.0w、25.3w、26.5mおよび28.7w °2Θで線を有する(図32参照)。
【0180】
実施例38:実施例32と同様に方法を行なうが、しかし、5−ニトロイサチン2g(97%、Aldrich)、5−クロロイサチン1.8g(97%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸およびトルエンの混合物を用いて行なう。X線粉末回折図は、6.1m、11.9m、13.5w、15.0w、16.5w、22.6w、24.1w、24.7wおよび26.9s °2Θで線を有する(図33参照)。
【0181】
実施例39:実施例32と同様に方法を行なうが、しかし、5,7−ジクロロイサチン1.1g(97%、Aldrich)、5−クロロイサチン0.9g(97%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸およびトルエンの混合物を用いて行なう。X線粉末回折図は、4.6s、9.3w、11.6m、14.2w、17.1w、18.8w、22.1w、25.4m、26.0mおよび27.5s °2Θで線を有する(図34参照)。
【0182】
実施例40:実施例38と同様に方法を行なうが、しかし、5−メトキシイサチン1.8g(98%、Aldrich)、5−クロロイサチン0.9g(97%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸およびトルエンの混合物を用いて行なう。X線粉末回折図は、7.0s、11.2s、12.7w、19.4w、20.7w、21.6w、22.5w、24.3w、25.3w、26.8mおよび28.7w °2Θで線を有する(図35参照)。
【0183】
実施例41:実施例1の方法を繰り返すが、しかし、式
【化70】
で示される化合物の代わりに、等モル量の式
【化71】
で示される化合物(J.Org.Chem.32,3155〜3159[1967]の記載により製造した)を使用する。
【0184】
実施例1と同じ生成物が良好な収量で得られる。
【0185】
実施例42:実施例1の方法を繰り返すが、しかし、式
【化72】
で示される化合物の代わりに、等モル量の式
【化73】
で示される化合物(J.Org.Chem.32,3155〜3159[1967]の記載により製造した)を使用する。
【0186】
実施例1と同じ生成物が良好な収量で得られる。
【0187】
実施例43:実施例1からの生成物5.0gを少量ずつ5分間に亘って23℃でクロロスルホン酸30ml中に導入する。反応溶液を3時間攪拌し、次に30分間に亘って氷水500ml中に攪拌混入する。この懸濁液を濾過し、残留物を氷水100mlで洗浄する。30℃/104Paで6時間の乾燥により、黒色粉末3.2gを生じる。質量分光分析法によれば、生成物は、主に実施例1のジクロロスルホニル置換された化合物から構成されている。ESI質量スペクトルにおいて、分子イオンピークは、m/z=644.9で明らかになる(単一のプロトン化分子)。
【0188】
実施例44:実施例1からの生成物5.0gを25%発煙硫酸中に攪拌混入する。この反応溶液を30℃から20℃に冷却し、23℃で4時間攪拌し、氷水500ml中に導入し、再び1時間攪拌する。トリブチルアミン25g(大過剰量)を5分間に亘って添加する。この懸濁液を30分間攪拌し、濾過し、残留物を水50mlで洗浄し、再び水100ml中に懸濁させる。更に、トリブチルアミン5gを前記懸濁液に添加し、次に生成物を2回塩化メチレン150mlで抽出する。2つの有機相を合わせ、ヘキサン1200ml中に攪拌混入し、生成物を微細な結晶物の形で沈殿させる。この懸濁液をさらに30分間攪拌し、ガラス繊維フィルターを通して濾過する。この生成物は、フィルター上から離れる傾向にあるので、この生成物を塩化メチレン100ml中に溶解しかつロータリーエバポレーター上で僅かに高められた温度(40℃未満)で溶剤をストリッピングすることによって生成物を単離するのが好ましい。30℃/104Paで24時間の乾燥後、黒色の固体2.1gが得られる。ESI質量スペクトルにおいて、分子イオンピークは、m/z=606.0で明らかになり、これは、ジスルホン化された化合物のジアニオンに相当する。しかし、スルホ基の位置は、1H−NMR分光分析法によって明らかに指摘することができない(この生成物は、恐らく異性体混合物である;実施例28参照)。
【0189】
実施例45:実施例44と同様に方法を行なうが、しかし、トリブチルアミンの代わりに、同量のトリオクチルメチルアンモニウムブロミドを用いて行なう。これは、黒色の生成物1.6gを生じ、これは、2回中和されたスルホ塩にほぼ相当する。
【0190】
元素分析[%]C76H118N4O12S2:
理論値:C 67.92 H 8.85 N 4.17 O 14.29 S 4.77;
実測値:C 66.35 H 9.11 N 3.77 O 14.30 S 5.45。
【0191】
実施例46:実施例44と同様に方法を行なうが、しかし、トリブチルアミンの代わりに、同量のオクタデシルトリメチルアンモニウムブロミドを用いて行なう。これは、黒色の生成物8.3gを生じ、これは、1回中和されたスルホ塩にほぼ相当する。
【0192】
元素分析[%]C47H57N3O12S2:
理論値:C 61.35 H 6.24 N 4.57 O 20.87 S 6.97;
実測値:C 58.90 H 7.47 N 4.01 O 21.25 S 6.74。
【0193】
実施例47:実施例44と同様に方法を行なうが、しかし、トリブチルアミンの代わりに、同量のテトラエチルアンモニウムブロミドを用いて行なう。これは、黒色の生成物1.2gを生じる。
【0194】
実施例48:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、トルエンの代わりに、エチルアセテートを用いて行なう。主な生成物は、実施例1と同じであるが、しかし、反応は、トルエンの場合よりもかなり遅速に行なわれ、この生成物は、実施例2からの微少量の生成物を含有する。
【0195】
実施例49〜50および比較例51:オキソ生物分解可能なマルチングフィルムを、Dowlex(登録商標)NG 5056−G LLDPE(メルトインデックス 1.1g/分;190℃/2.16kg;トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスファイト0.10質量%およびオクタデシル 3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)0.032質量%を含有する)をターボミキサー(Labo 10、Caccia(登録商標))中で下記の添加剤と混合し、次にこの混合物を200℃以下でペレットに加工し(O.M.C.二軸押出機、φ=19;L/D=25)、最終的にこのペレットを吹込成形(Formac(登録商標)実験室用インフレートフィルム押出機)によって最大210℃で加工し、12μmの厚さを有するフィルムを生じる。
【0196】
【表1】
【0197】
全ての数は、フィルムの100質量部に基づくものである。Plasblack(登録商標)2642は、カーボンブラック40%を含有するPEマスターバッチである。
【0198】
このフィルムをウェザーオメーター(Weather−Ometer(登録商標))(Ci 65A/ATLAS,6500Wキセノン サイクルなし、標準黒体温度63℃)中で暴露し、この場合この試験片は、巨視的な崩壊の開始を示す表面亀裂の発生について周期的に検査される。
【0199】
【表2】
【0200】
本発明(実施例49および50)のマルチングフィルムは、カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)で顔料着色された常用のマルチングフィルム(比較例51)と比較して著しく改善された光安定性を有する。
【0201】
実施例52および比較例53〜54:二段階の分散(最初にDispermat(登録商標)を用いて20分間、次にSkandex(登録商標)中でガラス玉70質量部を用いて4時間)により、次の成分を有する基本配合物を調製する(全ての量は、質量部である):
【表3】
【0202】
次に、この基本配合物を他の成分で希釈し、NIR硬化性ペイントを生じる:
【表4】
【0203】
このペイントをコイルコーティング用プライマーと一緒に20μmの膜厚(乾燥後)でアルミニウムシートに塗布する。硬化のために、加熱を、最初に300℃で30秒間行ない(ピーク金属温度225℃)、引続きコンベヤーベルト上で赤外線加熱炉に通過させる(ベルトからの距離50mm、ベルト速度2m/分、6個のAdphos(登録商標)HB−NIR灯)。試験片の温度を前記炉からの出口で測定し、次にこの試験片を目視的に評価し、メチルエチルケトンを用いて摩擦試験を行なう。比較例53〜54とは異なり、本発明の実施例52は、優れた結果を生じる:
【表5】
【技術分野】
【0001】
殆どの常用されている黒色顔料は、カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)である。カーボンブラックは、安価であり、優れた適用特性、例えば光安定性および耐候性、高い色強度、黒色度、および白色顔料、例えば二酸化チタン(C.I.ピグメントホワイト6)との混合物中の中性の灰色の色調を有するが、しかし、重大な欠点、例えば極めて微細な粒子の分散性、過度の導電性、および深刻な加熱をまねく可能性があり、ことによると顔料が含有された支持体の破壊または顔料が含有された製品の故障でさえもまねく可能性がある太陽スペクトルからの近赤外線の高い吸収量という問題を有する。
【0002】
前記問題を解決するために、混合された金属酸化物(MMO)が提案された。この酸化物は、NIR線を反射する一方で、その色は、弱く、かつ人類および環境に対して不快な重金属を含有する。
【0003】
既に、例えばC.I.ピグメントブラック32のような有機黒色顔料も提案された。しかし、全ての公知の有機黒色顔料によって占められる欠点は、この有機黒色顔料が不満足なピッチブラック(不適当なジェットネス(jetness))であり、白色顔料との混合物中でのこの有機黒色顔料の色調は、中性の灰色ではなく、その代わりに顔料に依存して、例えばチンジドグリーン(tinged green)、赤、紫または褐色である色の比較的強い色合いを有するという事実にある。
【0004】
WO 00/24736には、式
【化1】
で示される化合物が開示されており、この化合物は、式
【化2】
で示されるビスベンゾフラノンをイサチンと未知濃度の酢酸中で縮合することによって紫色の粉末の形で得られる(実施例12b)。
【0005】
US 2003/0083407には、収量が悪い内容であると思われるという不平が述べられている。更に、適用特性は、全く開示されておらず、紫色の粉末は、高度に凝集された形で存在し、例えばこの紫色の粉末のプラスチック中での分散性は、全く不満足なものである。
【0006】
WO 01/32577には、テトラエトキシシラン、硝酸水溶液および式
【化3】
で示される着色剤で被覆され、および200℃への加熱後に760〜765nmで吸収最大を有するガラス板(実施例41)を含めてガラス様材料が開示されている。
【0007】
同様に公知である有機有色顔料の混合物は、個々の成分と同様に必要な分散工程中に緑、赤、紫または褐色の色合いの色調を生じる。それというのも、個々の成分は、分散性の点で異なるからである。それ故に、それぞれの分散法は、大規模な配合作業を必要とし、その後にはもはや急速に変化しえず、実地において、必要な場合には、これは、欠点である。
【0008】
それ故に、高い色強度および良好な分散性ならびに極めて低い導電率および近赤外線の低い吸収量を有するヘビーメタル不含のジェットブラック顔料に関連してこれまで果たされなかった望みは、そのままである。
【0009】
WO 2009/010521は、EPC条項54(3)およびPCT規則64.3によって規制された特許出願である。
【0010】
今や、意外なことに、新規の一工程法において、良好な堅牢度を有する高度に分散性の強力なジェットブラック着色剤(殆ど常に顔料)が得られることが見い出された。更に、基本添加剤、例えば立体障害アミン(HALS)および/またはベンゾトリアゾールまたはトリアジン型のUV吸収剤との組合せで、耐候試験時にプラスチックにおいて得られる物理的耐久性は、意外なことに、公知の黒色顔料、例えばカーボンブラックを用いるよりも良好である。
【0011】
従って、本発明は、式
【化4】
で示される1つの化合物を式
【化5】
で示される1つの化合物と1:2のモル比で、水中で25℃で4.5以下のpKを有する触媒の存在下で反応させることによって特徴付けられた、黒色着色剤、好ましくは黒色顔料を製造する方法を提供し、
上記式中、
R1およびR2は、互いに独立にHであるかまたはそれぞれ置換されていないかまたはハロゲンまたはC1〜C8アルコキシによって置換された、C1〜C24アルキル、C3〜C24シクロアルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C24シクロアルケニルまたはC2〜C24アルキニルであり;置換されていないかまたは1回または数回ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシによって置換されたC7〜C24アラルキルであり;または置換されていないかまたは1回または数回ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシによって置換されたC6〜C24アリールであり;
R3は、H、F、Cl、R8またはOR8、好ましくはHまたはFであり;
R4、R5およびR6は、互いに独立にH、F、Br、Cl、COOH、COOR8、CONH2、CONHR8、CONR8R8、CN、COR8、SO3H、SO2Cl、SO2NH2、SO2NHR8、SO2NR8R8、SO2R8、NO2、R8、OR8、SR8、NR8R8、NHCOR8または
【化6】
であるか、またはR3とR4、R4とR5またはR5とR6は、一緒になって対で、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、OR、NO、オキソ、チキソまたはSOHによって置換されたC1〜C6アルケンジオキシ基、C3〜C6アルキレン基、C3〜C6アルケニレン基または1,4−ブタジエニレン基を形成し;
R7は、Hであるかまたはそれぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、オキソまたはチオキソによって置換され、および中断されていないかまたは1回または数回O、SまたはNR8によって中断された、C1〜C24アルキル、C3〜C24シクロアルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C24シクロアルケニル、C2〜C24アルキニルまたはC2〜C12ヘテロシクロアルキルであり;またはそれぞれ置換されていないかまたは1回または数回オキソ、チオキソ、F、Br、Cl、COOH、COOR8、CONH2、CONHR8、CONR8R8、CN、COR8、SO3H、SO3Cl、SO2NH2、SO2NHR8、SO2NR8R8、SO2R8、NO2、R8、OR8、SR8、NR8R8、NHCOR8または
【化7】
によって置換された、C7〜C24アラルキル、C1〜C12ヘテロアリール−C1〜C8アルキル、C6〜C24アリールまたはC1〜C12ヘテロアリールであり;および
それぞれR8は、全ての他のR8とは独立に、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、オキソ、チオキソ、OR9、SR9またはNR9R9によって置換された、C1〜C24アルキル、C3〜C24シクロアルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C24シクロアルケニル、C2〜C24アルキニルまたはC2〜C12ヘテロシクロアルキルであり;またはそれぞれ置換されていないかまたは1回または数回オキソ、F、Br、Cl、COOH、CONH2、CONHR9、CONR9R9、SO3H、SO2Cl、SO2NH2、SO2NHR9、SO2NHR9R9、CN、NO2、OR9、SR9、NR9R9、NHCOR9または
【化8】
によって置換された、C7〜C24アラルキル、C1〜C12ヘテロアリール−C1〜C8アルキル、C6〜C24アリールまたはC1〜C12ヘテロアリールであり;または
2個のビシナルR8は、一緒になって−O−CO−O−、−O−CS−O−、−CO−N−CO−、−N−CO−N−、−N=S=N−、−N−C=C−、−O−C=C−、−S−C=C−、−O−C=N−、−S−C=N−、−N−N=N−、−N=C−C=C−、−C=N−C=C−、−N=C−C=N−、−C=N−N=C−または−C=N−C=N−または−C=C−C=C−を形成し、この場合それぞれ−C=および−N−は、全ての他の−C=および−N−とは独立にHまたはR9によって置換されており;または
2個のジェミナルまたはビシナルR8は、一緒になって、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、オキソまたはチオキソによって置換された、C3〜C8アルキレンまたはC3〜C8アルケニレン基を形成し、この場合0、1または2個のノンビシナルメチレン単位は、O、SまたはNR9によって置換されていてよく;および
それぞれR9は、全ての他のR9とは独立に、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回オキソ、チオキソ、Fおよび/またはO−C1〜C8アルキルによって置換された、C1〜C8アルキル、C3〜C6シクロアルキルまたはベンジルであり;またはそれぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、Br、Cl、CO−C1〜C8アルキル、COOH、CONH、CONHC1〜C8アルキル、CON(C1〜C8アルキル)2、SO3H、SO3Cl、SO2NH2、SO2NHC1〜C8アルキル、SO2N(C1〜C8アルキル)2、CN、NO2、C1〜C8アルキル、OC1〜C8アルキル、SC1〜C8アルキルまたはN(C1〜C8アルキル)によって置換された、フェニルまたはC1〜C5ヘテロアリールであり;または
2個のビシナルR9は、一緒になって−O−CO−O−、−O−CS−O−、−CO−N−CO−、−N−CO−N−、−N=S=N−、−N−C=C−、−O−C=C−、−S−C=C−、−O−C=N−、−S−C=N−、−N−N=N−、−N=C−C=C−、−C=N−C=C−、−N=C−C=N−、−C=N−N=C−または−C=N−C=N−または−C=C−C=C−を形成し、この場合それぞれ−C=および−N−は、全ての他の−C=および−N−とは独立にH、F、オキソ、チオキソ、C1〜C8アルキルまたはOC1〜C8アルキルによって置換されており;または
2個のジェミナルまたはビシナルR9は、一緒になって、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回オキソまたはチオキソによって置換された、C3〜C8アルキレンまたはC3〜C8アルケニレン基を形成し、この場合0、1または2個のノンビシナルメチレン単位は、O、SまたはN(C1〜C8アルキル)によって置換されていてよい。
【0012】
黒と考えられる着色剤は、透明で実質的に無色の基質(例えば、ポリエステル/セルロースアセトブチレートワニス、PVCフィルムまたはポリエステルプラーク)内での分散におけるマストーン(masstone)が十分な不透明度で色飽和C*5以下を有するものである(CIE 1976 L*C*h色空間)。一般に、測色法にとって満足の行く不透明度(分光透過率1%未満)は、常用の試験方法により約2g/m2の着色剤で直ちに達成させることができ、さもなければ、基質中の着色剤の濃度は、増加されるべきである。
【0013】
この反応は、たとえ置換基R3、例えば塩素またはメチルによる立体障害であったとしても完全に満足の行く方法で進行する。しかし、R3がHであるような着色剤は、R4、R5、R6およびR7に対する全ての他の選択と組み合わせても、十分によりいっそう黒色の色彩、よりいっそう低い移染性およびよりいっそう良好な光安定性のために特に好ましい。
【0014】
R1およびR2は、好ましくは水素であるかまたは置換されていないかまたは置換されたC1〜C8アルキルまたはC5〜C8シクロアルキル、特に水素、置換されていないC1〜C8アルキルまたはC5〜C8シクロアルキル、好ましくは水素、C1〜C4アルキルまたはシクロヘキシル、殊に水素、メチル、エチルおよびイソブチルである。
【0015】
式
【化9】
で示される1つの化合物を式
【化10】
で示される1つの化合物と1:2の化合物で反応させることは、好ましい。
【0016】
特に好ましくは、R3、R5およびR7は、Hであり、R4およびR6は、互いに独立にH、F、Br、Cl、COOH、COOR8、CONH2、CONHR8、CONR8R8、CN、COR8、SO3H、SO2Cl、SO2NH2、SO2NHR8、SO2NR8R8、SO2R8、NO2、R8、OR8またはNHCOR8であり、またはR5およびR6は、一緒になって1,4−ブタジエニレン基を形成する。
【0017】
殊に好ましいのは、式
【化11】
で示される1つの化合物と式
【化12】
で示される1つの化合物とのモル比1:2での反応生成物であり、この場合式(ii)の化合物は、次の置換基パターンを有する化合物から構成されている群から選択される:
R3=R4=R5=R6=R7=H;
R3=R5=R6=R7=H、R4=NO2;
R3=R5=R6=R7=H、R4=OCH3;
R3=R5=R6=R7=H、R4=Cl;
R3=R5=R6=R7=H、R4=F;
R3=R5=R6=R7=H、R4=Br;
R3=R5=R6=R7=H、R4=SO3H;
R3=R5=R6=R7=H、R4=COOH;
R3=R5=R6=R7=H、R4=N(CH3)2;
R3=R5=R6=R7=H、R4=NHCOC1〜C18アルキル、特にNHCOC1〜C12アルキル;
R3=R5=R6=R7=H、R4=C1〜C20アルキル、特にC1〜C14アルキル;
R3=R5=R6=R7=H、R4=C2〜C20アルコキシ、特にC2〜C14アルコキシ;
R3=R5=R7=H、R4=R6=CH3;
R3=R5=R7=H、R4=R6=Cl;
R3=R5=R7=H、R4=Cl、R6=CH3;
R3=R4=R5=R6=H、R7=CH3;
R3=R4=R5=R6=H、R7=C6H5;および
R3=R4=R7=H、R5およびR6が一緒になって=1,4−ブタジエニレン。
【0018】
式
【化13】
で示される2つ以上の化合物を同時にかまたは順次に使用する場合には(下記に後で開示されるように)、この好ましい置換パターンは、式(ii)の他の化合物の1つ以上、好ましくは、式(ii)の全ての他の化合物にも適用される。
【0019】
25℃で水中での触媒は、有利にpK4.5以下、好ましくはpK2.0以下を有する。触媒の量それ自体は、本質的なものではなく;例えば、式(i)の化合物1モル当たり触媒5・10-3〜5モル、好ましくは触媒0.1〜1モルが合理的である。本明細書中で触媒および反応媒体(および/または溶剤)に依存して、触媒を定量的に望ましい黒の着色剤から通常の洗浄法によって除去することは、高価であり、不都合であることに注目すべきである。しかし、全体としての生成物に対して触媒1ppb〜5質量%、好ましくは触媒1ppm〜0.5質量%の触媒の小さな残留量は、通常、受け入れることができる。それというのも、この小さな残留量は、着色剤の性質に対して有利であるかまたは少なくとも有害ではないからである。特に厳しい要件には、着色剤は、触媒が完全に除去されるかまたは残留量の触媒がもはや検出不可能になる(1ppb)まで、水および常用の溶剤での繰り返されるスラリー化、濾過および洗浄の常用の手段を受けることができる。
【0020】
反応は、通常、ほぼ2・102〜2・106Paの圧力および20〜250℃の温度、好ましくは50〜220℃の温度で行なわれる。反応は、一般に非連続的装置中で1/2〜100時間後に終結する。連続的な装置中で、反応時間は、例えば反応器またはマイクロ反応器の300℃までの温度での反応帯域の通過の場合と同様に、実質的によりいっそう短くともよい。
【0021】
反応媒体として、反応体、反応生成物および触媒に関連して不活性であり、酸性または中性であり、および反応温度で液体である、任意の組成物または物質を使用することが可能である。無水反応媒体は、この無水反応媒体とこの無水物反応媒体の量に対して50質量%までの水との混合物であるのも有利である。好ましくは、吸湿性であるかまたは水との共沸混合物を形成する、場合によっては互いの混合物および/または水との混合物の形での無水反応媒体が記載される。
【0022】
適当な不活性の反応媒体は、例えばアルコール、エーテル、酸、エステル、アミド、ニトリル、場合によっては不飽和かまたはハロゲン化された炭化水素、ニトロ、チオまたは相応する多官能性化合物、例えばメタノール、エタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、n−プロパノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール、イソブタノール、第二アミルアルコール、第三アミルアルコール、2−メトキシエタノール、1−メトキシプロパン−2−オール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、チオジグリコール、低分子量ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコール、好ましくは100〜800の分子量を有する低分子量ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールP 400、ポリプロピレングリコールP 425)およびこれらのエーテル(例えば、プロピレンオキシドモノメチルエーテル、ジプロピレンオキシドモノメチルエーテル)、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、2−n−ブトキシエタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エタノールまたは2−[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]−エタノール、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、DowthermTM(例えば、A、G、J、MX、Q、RPまたはT)、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、乳酸、2−エチルヘキサン酸;メチルアセテート、エチルアセテート、n−プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、ブチルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、n−プロピルプロピオネート、イソプロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、メチルラクテート、メチルイソブチレート、エチレンカーボネート、カプロラクトン、ポリカプロラクトン、アセトアミド、ホルムアミド、メチルアセトアミド、メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン、カプロラクタム、バレロラクタム、1,1,2,2,−トラメチルウレア;アセトニトリル、ベンゾニトリル;ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカリン、芳香族不含、芳香族貧有または芳香族富有の炭化水素留出物(例えば、軽質石油留分または重質石油留分、石油エーテル、SolvessoTM100、150、200、ShellsolTMD38、D40、D43、D60、DSC、D70、D80、D90、D100、D100 S);ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、o−シメン、m−シメン、p−シメン、第二ブチルベンゼン、第三ブチルベンゼン、2−ペンチルベンゼン、イソペンと−2−イルベンゼン、第三アミルベンゼン、テトラリン、ニトロベンゼン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、またはポリ燐酸;ならびにこれらの互いの混合物および/またはこれらと水との混合物である。
【0023】
好ましい反応媒体は、酢酸水溶液、氷酢酸、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、および150〜300℃で沸騰する飽和または芳香族炭化水素、ならびにポリ燐酸である。
【0024】
水は、場合によっては反応混合物から、好ましくは共沸的に除去されてよい。しかし、意外なことに、反応媒体からの水の除去がなくとも反応は十分に満足に進行することが証明された。他面、水と反応する薬剤、例えばカルボン酸無水物または塩化カルボニルの添加は、一般に望ましくない。それというのも、前記薬剤は、反応の経過を妨害し、望ましくない副生成物の形成をまねくからである。この1つの例外は、ポリ燐酸である。それというのも、このポリ燐酸と水との反応は、十分に緩慢であるからである。勿論、有利にイサチンとの望ましくない副生成物の形成をまねく任意の物質は、十分に回避される。
【0025】
本発明の黒色顔料は、一般に、当業界で常用の方法で、濾過およびフィルター残留物の洗浄、引続く−30℃〜200℃で、場合によっては減圧下での乾燥によって単離される。反応媒体中で可溶性の本発明の黒色着色剤は、有利には予め不溶性の塩に変換されるかまたは低い溶解力を有するかまたは溶解力を全く有しない液体の中性または酸性の媒体に移動される。
【0026】
本発明により得られる黒色着色剤は、C10H2O2に合致する実験式および2回式(ii)の化合物の実験式を示す。更に、本発明により得られる黒色着色剤は、赤外スペクトルで一般に2〜4本のカルボニル振動を示し、しばしば重なりの振動をほぼ1610cm-1〜1780cm-1の間で示す。実験式は、質量スペクトル(例えば、LDI−MS)における分子イオンの正確な質量および/または元素分析に由来することができる。本発明により得られる黒色着色剤が前記式
【化14】
を有するかまたはその互変異性体を有することは、推測されるが、しかし、証明するにはそれほど遠くはなく、それぞれ2個の環外の二重結合は、互いに独立にEまたはZ異性を有することができる(前者は、立体的によりいっそう好ましい)。
【0027】
本発明により得られる黒色着色剤は、有利に凝集されていない顔料粒子から構成され、10nm〜10μmの平均粒径Lによって特徴付けられ、この場合好ましくは、粒子の60質量%〜100質量%、よりいっそう好ましくは80質量%〜100質量%は、L±1/2Lの粒径を有する。粒径は、等価球面の直径である("Equivalent Settling Rate Diameter"xw)。粒径は、それぞれの粒径画分の粒子の質量に応じて平均化することができる。
【0028】
異なる画分には、特殊な適用に応じて格別興味深いものがある。例えば、インク、ペイントまたはエレクトロニクスにとって透明度が望ましい場合には、〜10nmから〜200nmまでの平均粒径Lを有する顔料粒子を使用することが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂を原料着色するための透過性は、好ましくは〜201nmから〜400nmまでの平均粒径Lを有する顔料粒子を用いて得られる。不透明の顔料着色は、適用とは無関係に好ましくは〜401nmから〜999nmまでの平均粒径を有する顔料粒子を用いて得られる。効果的な顔料着色にとっての特殊な適性は、〜1μmから〜10μmまでの平均粒径を有する顔料粒子によって所有される。本明細書の記載内容において、特に400nm以上の平均粒径Lの場合の5以上のアスペクト比は、驚異的な光学的効果および熱的効果、例えば高いNIR反射率を生じる。アスペクト比は、粒子長さ(最大寸法)と粒子高さ(最小寸法)との比である。このアスペクト比は、例えばPCT/EP 2008/067011に開示された仕方で当業者に自体公知である方法により測定されうる。
【0029】
アルキル、アルケニルまたはアルキニルは、直鎖状または分枝鎖状であることができる。アルケニルは、モノ不飽和またはポリ不飽和アルキルであり、この場合2個の二重結合は、場合により単離されていてよいかまたは共役されていてよい。アルキニルは、二重不飽和の1個以上の場合を有するアルキルまたはアルケニルであり、この場合三重結合は、場合により単離されていてよいかまたは互いにかまたは二重結合と共役されていてよい。シクロアルキルまたはシクロアルケニルは、それぞれ単環式または多環式のアルキルまたはアルケニルである。
【0030】
それ故に、C1〜C24−アルキルは、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、第二ブチル、イソブチル、第三ブチル、2−メチルブチル、2,2−ジメチルプロプピル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、n−ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシルまたはテトラコシルである。
【0031】
それ故に、C3〜C24シクロアルキルは、例えばシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、トリメチルシクロヘキシル、ツジル(thujyl)、ノルボルニル、ボルニル、ノルカリル、カリル、メンチル、ノルピニル、ピニル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、3α−ゴニルまたは5ξ−プレグニルであることができる。
【0032】
C2〜C24アルケニルは、例えばビニル、アリル、2−プロペニ−2−イル、2−ブテニ−1−イル、3−ブテニ−1−イル、1,3−ブタンジエニ−2−イル、2−ペンテニ−1−イル、3−ペンテニ−2−イル、2−メチル−1−ブテニ−3−イル、2−メチル−3−ブテニ−2−イル、3−メチル−2−ブテニ−1−イル、1,4−ペンタジエニ−3−イルであるか、またはヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニル、エイコセニル、ヘンエイコセニル、ドコセニル、テトラコセニル、ヘキサジエニル、オクタジエニル、ノナジエニル、デカジエニル、ドデカジエニル、テトラデカジエニル、ヘキサデカジエニル、オクタデカジエニルまたhエイコサジエニルの任意の異性体である。
【0033】
C3〜C24シクロアルケニルは、例えば2−シクロブテン−1−イル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、1−p−メンテン−8−イル、4(10)−ツジェン−10−イル、2−ノルボルネン−1−イル、2,5−ノルボルナジエン−1−イル、7.7−ジメチル−2,4−ノルカラジエン−3−イルまたはカンフェニルである。
【0034】
C2〜C24アルキニルは、例えば1−プロピニ−3−イル、1−ブチニ−4−イル、1−ペンチニ−5−イル、2−メチル−3−ブチニ−2−イル、1,4−ペンタジイニ−3−イル、1,3−ペンタジイニ−5−イル、1−ヘキシニ−6−イル、シス−3−メチル−2−ペンテニ−4−イニ−1−イル、トランス−3−メチル−2−ペンテニ−4−イニ−1−イル、1,3−ヘキサジイニ−5−イル、1−オクチニ−8−イル、1−ノニニ−9−イル、1−デシニ−10−イルまたは1−テトラコシニ−24−イルである。
【0035】
C7〜C24アラルキルは、例えばベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニルエチル、9−フルオレニル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニルブチル、ω−フェニルオクチル、ω−フェニルドデシルまたは3−メチル−5−(1’,1’,3’,3’−テトラメチルブチル)ベンジルである。C7〜C24アラルキルは、例えば2,4,6−トリ−第三ブチルベンジルまたは1−(3,5−ジベンジルフェニル)−3−メチル−2−プロピルであってもよい。C7〜C24アラルキルが置換されている場合にはアラルキル基のアルキル部分だけでなく、アリール部分も置換されていてよく、この場合には、後者の選択肢が好ましい。
【0036】
C6〜C24−アリールは、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニリル、2−フルオレニル、フェナントリル、アントラセニルまたはテルフェニリルである。
【0037】
ハロゲンは、塩素、臭素、弗素または沃素、好ましくはアルキル上の弗素およびアリール上の弗素または塩素である。
【0038】
C1〜C12ヘテロアリールは、4n+2共役π電子を有する不飽和または芳香族基であり、この場合例は、2−チエニル、2−フリル、1−ピラゾリル、2−ピリジル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル、2−イミダゾリル、イソチアゾリル、トリアジニル、トリアゾニル、テトラゾリルまたは任意の他の環系であり、この任意の環系は、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環、ピリジン環およびベンゼン環から構成されており、および置換されていないかまたは1〜6個のエチル基、メチル基、エチレン基および/またはメチレン基によって置換されている。
【0039】
C2〜C12ヘテロシクロアルキルは、不飽和環系基であるかまたは部分的に不飽和の環系基、例えばエポキシジル、オキセタニル、アジリジニル;ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、モルホリニル、キヌクリジル;または別のC4〜C12ヘテロアリールであり、これは単一に水素化されているかまたは多重に水素化されている。
【0040】
5員環ないし12員環の例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチル、好ましくはシクロペンチルまたは特にシクロヘキシルを含む。
【0041】
置換されていないかまたは置換されたC1〜C6アルキレンジオキシ基は、例えば
【化15】
である。
【0042】
数回は、例えば2回ないし10回である。従って、Fおよび/またはオキソによって1回または数回中断されたおよび/または置換されたアルキルは、例えばCF3、COCH3、COCF3、(CF2)5CH3、CH2OCH3、CH2CH2OH、CH2CH2OCOCH3、CH2COCH2OHまたはCH2(CH2OCH2)10CH3であることができる。勿論、可能な置換基の数は、置換されていてよいH原子の数によって制限され、数回中断されている基中で、中断するO原子は、有利に少なくとも2個のC原子によって互いに分離されている。C7〜C24アラルキルまたはC1〜C12ヘテロアリール−C1〜C8アルキル中で、アルキル部分は、場合によりオキソおよびチオキソによって置換されている。
【0043】
粒径は、有利に十分に分散された顔料懸濁液およびジョイス−レーブル(Joyce−Loebl)ディスク型遠心分離器を用いて測定され、この場合粒子は、例えばそれぞれ20nmの範囲を有する画分に対して質量に基づき割り当てられる。本明細書中の記載内容における粒径は、等価球面の直径であると考えられる("Equivalent Settling Rate Diameter"xw)。粒径は、それぞれの粒径画分の粒子の質量に応じて平均化することができる。勿論、数多くのパラメーターは、結果に影響を及ぼす可能性があり、不適当な実験の仕方により不正確な結果が得られる可能性さえある。しかし、下記した方法論は、特に有利でありかつ良好な再現性を有することを証明した。
【0044】
顔料の分散および脱凝集のために、顔料2gは、ネジ付き蓋を備えた標準の200mlのガラス容器中で、Alkydal(登録商標)F310 34.272g(Bayer AG、D−Leverkusen,SolventnaphtolTM中60質量%)、キシレン10.848g、n−ブタノール1.152g、1−メトキシ−2−プロパノール1.152gおよびキシレン99質量部中の揮発性シロキサンの多量の画分を有する、1質量部の低分子量メチルポリシロキサンの溶液0.576g(Baysilone(登録商標)ペイント添加剤MA、Borchers GmbH,D−40764 Langenfeld)から構成されているアルキドワニス48g中に配合される。
【0045】
次に、2mmのガラス玉100gが添加され、この容器は、約2μmより大きい残留凝集塊の数が測定の結果に対して実質的な効果を全く有しないほど小さくなることが光学顕微鏡によって見出されるまで振盪装置(例えば、Skandex(登録商標)型)中で振盪される。数多くの試料を同時に分散させかつ脱凝集させることができる620WのBAS機器(Lau GmbH、D−58675 Hemer)を使用することは、好ましい。この機器は、32mmから45mmへの置換のために毎分約619の振盪周波数を有する(装入量に依存する)。この場合の分散および脱凝集の時間は、典型的に1〜6時間、好ましくは2〜4時間、特に3時間である。分散および脱凝集が完結されると、分散および脱凝集の時間の任意の不必要な延長は、回避されうる。空気流で冷却することによって、温度は、有利に約20℃〜50℃の範囲内に維持される。
【0046】
更に、生じるアルキドワニス分散液1gは、20質量%の可塑剤を含有するニトロセルロース323g(低粘稠な印刷用インク等級、置換度〜2.0、〜11.1%N、ISO 14446によるアセトン生産において30質量%、Hoppler粘度400mPa・s、アセチルトリブチルシトレート20質量%を含有するNC AH 27チップス、Hagedorn NC GmbH/Osnabrueck DE)、エチルセルロース133mg(低粘度の等級、トルエン/エタノール4:1中5%は、Ubbelohde粘度計において3〜5.5mPa・sの粘度を生じる;例えば、ETHOCEL(登録商標)Std.4、Dow Europe GmbH/Horgen CH)、エチルアセテート11.704g、1−アセトキシ−2−エトキシエタン2.223gおよびトルエン4.617gから構成されかつ1.870cPの粘度および0.932g/cm3の密度を有する液体混合物19G中に導入される。5分間の攪拌後、この混合物は、100Wの超音波で約20〜30℃で1分間、好ましくは外部の氷水冷却と共に、Sonifier(登録商標)B12(Branson、Danbury CT/USA)を用いて処理される。
【0047】
測定の目的のために、生じる懸濁液0.5mlは、通常の方法で、直径10±1cmおよび厚さ6±1mmのキャビティーを有するJoyce−Loeblディスク型遠心分離器中に毎分10000回転で噴射され、この場合このキャビティーは、ニトロセルロース1.17%(上記と同様)、エチルセルロース0.48質量%(上記と同様)、エチルアセテート42.41質量%、1−アセトキシ−2−エトキシエタン8.06質量%、トルエン16,73質量%およびペルクロロエチレン31.15質量%から構成されている液体(スピン流体)で殆ど充填される(粘度〜1.7cP/比重〜1.08g/cm3)。前記粒子は、吸光分光分析でディスクを用いて実質的に周辺の位置で定量分析される。粒径は、ストークス方程式
【数1】
[式中、
T=遠心分離時間 分;
d=粒径 μm;
N=毎分の回転数(=10000);
p=粒子充填量と初期流体充填量との密度差、mg/cm3;
η=流体の粘度 ポアズ;
R’’=ディスクの周辺測定位置での半径、cm;
R’=ディスクの中心付近での噴射位置での半径、cm〕を用いて測定される。
【0048】
このような条件は、熟練した分析者には熟知されている。本発明により得られる着色剤の比重は、実験により、例えば比重びんを用いて測定されうる。
【0049】
他の選択可能な方法によれば、粒径は、レーザー散乱法によって測定されてもよい。この技術それ自体は、よく知られており、精密計器は、例えばMalvern Instruments Ltd.社(Malvern,Worcestershire/UK)から入手可能である。一般に、固体は、1滴の可溶性コポリマーと一緒に水中に約1%で懸濁され(例えば、Luviskol(登録商標)W73/BASF/ポリビニルピロリドン/ビニルアセテート)、および測定の約5〜10分前に超音波浴中で室温で分散される。
【0050】
本発明の方法は、望ましい黒色着色剤を極めて良好な収量で提供する。更に、本発明の方法の極めて特殊な利点は、反応媒体の選択によって、結晶の多形態および結晶度に影響を及ぼすことが極めて簡単になることである。これは、新規の結晶の多形態への直接の経路をもたらす。後者の新規の結晶の多形態は、分散性および堅牢度の点で僅かに異なり、ときどきジェットブラックの色合いの点で異なる。
【0051】
更に、式(i)の化合物から出発して、本発明の方法は、意外なことに、式
【化16】
で示されるビスベンゾフラノンから出発するWO 00/24736の方法よりも少量の比較的可溶性の副生成物を生じる。
【0052】
結果として、移染性および滲み、ならびに黄変傾向は、十分に改善される。
【0053】
その後に、場合によっては種結晶および/または粉砕助剤(例えば、粉末状の塩化ナトリウムまたは硫酸ナトリウム)の存在下で、再結晶(例えば、別の溶剤から)および/または機械的処理(例えば、湿式ミル中または混練装置中で)によって、前記の結晶の多形態の幾つかは、一般的に言えば、変換が必要でもなく有利でもないとしても、他の結晶の多形態に変換されうる。結晶度を増大させかつ粒径分布を最適化する目的のための再結晶化は、敏感である。
【0054】
粒径分布を最適化する目的のために、湿式粉砕または塩混練を使用することも可能である。例えば、WO 01/04215(しかし、非晶質化は、場合により本発明の顔料にとって妥当である)またはWO 02/68541(この場合、粉末密度は、例えば粉砕空間1リットル当たり3.0kJ・s-1またはそれ以上に達してもよい)から、2つの技術が自体公知である。
【0055】
従って、本発明は、次の結晶の多形態も提供する(°2Θ/CuKα;X線粉末回折図中の線は、光沢度数に加えて、相対強度により同定される:331/3%未満=w、331/3〜662/3%=mまたは662/3〜100%=s;極めて弱い、幅広の線および隆起は、一般に含まれない):
7.8s、10.2w、12.6s、18.6w、21.8w、22.4w、24.4m、25.0w、26.7m、27.2mおよび28.8w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図1)によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6のモル比1:2での
【化17】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えばそのつど触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて低分子量のポリカプロラクトンまたはトルエン中で得られる。
【0056】
6.6s、13.3w、14.8w、21.6w、24.5w、26.4mおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図2)によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6のモル比1:2での
【化18】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。全ての前記線は、かなり広幅であり、これは、極めて微細な一次粒子を示す。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて酢酸水溶液(60〜90質量%)中で得られる。
【0057】
7.3s、10.9w、12.7w、14.6w、24.5w、26.4mおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図3)によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6のモル比1:2での
【化19】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えばジメチルスルホキシドからの6.6s、13.3w、14.8w、21.6w、24.5w、26.4mおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた上記の結晶の多形態の再結晶によって得られる。
【0058】
7.2s、9.7w、11.6w、12.7w、19.2w、20.4w、21.5w、24.3w、25.0w、26.6wおよび28.5w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図4)によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O6のモル比1:2での
【化20】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてトルエン中で得られる。
【0059】
6.7w、12.6m、14.1w、15.7w、17.2w、19.6w、23.3w、24.8w、25.4w、27.6s、31.0wおよび34.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図5)によって特徴付けられた、実験式C26H10N4O10のモル比1:2での
【化21】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて氷酢酸中で得られる。
【0060】
6.6s、9.7w、13.3w、16.2w、19.9w、22.1w、24.9w、26.9wおよび29.1w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図6)によって特徴付けられた、実験式C26H10N4O10のモル比1:2での
【化22】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。〜22.1°2Θで線の数は、弱く分解される。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて酢酸水溶液(60〜90質量%)中で得られる。
【0061】
7.0s、10.1w、11.8s、20.5m、21.8m、24,2m、26.3sおよび27.9m °2Θで線を有するX線粉末回折図(図7)によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O8のモル比1:2での
【化23】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて氷酢酸中で得られる。
【0062】
6.2s、7.0s、10.1m、11.8m、20.5w、21.8w、26.3w、26.9mおよび27.8w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図8)によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O8のモル比1:2での
【化24】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この場合この生成物は、先の生成物と比較して、6.2s、13.3m、17.8w、22.8w、23.0w、25.0wおよび26.9m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた付加的な結晶の多形態を有する。この生成物は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて酢酸水溶液(60〜90質量%)中で得られる。
【0063】
7.1m、11.7s、19.2w、20.5w、22.6m、24.3m、25.6w、26.7m、27.1mおよび29.0w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図9)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2のモル比1:2での
【化25】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてトルエン中で得られる。
【0064】
4.7s、6.6w、9.3w、12.5w、14.5w、16.0w、19.7w、21.8w、24.6wおよび27.4w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図10)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2のモル比1:2での
【化26】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて酢酸水溶液(60〜90質量%)中で得られる。上記の結晶の多形態と比較して、4.7s、9.3w、14.5w、16.0w、19.7wおよび24.6w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた付加的な結晶の多形態が存在する。
【0065】
4.8m、12.6m、21.8w、24.9mおよび27.4s °2Θで線を有するX線粉末回折図(図11)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2のモル比1:2での
【化27】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてトルエン中で得られ、およびジイソブチルエステルが反応体として使用される(トルエン中と同様)場合に形成される結晶の多形態と区別される。
【0066】
5.9w、15.2w、23.9w、25.1mおよび26.8s °2Θで線を有するX線粉末回折図(図12)によって特徴付けられた、実験式C26H8N2O6Cl4のモル比1:2での
【化28】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてトルエン中で得られる。
【0067】
23.9wおよび26.9s °2Θで線を有するX線粉末回折図(図13)によって特徴付けられた、実験式C26H8N2O6Cl4のモル比1:2での
【化29】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて酢酸水溶液(60〜90質量%)中で得られる。
【0068】
6.7s、14.8m、16.1m、19.9m、21.8m、22.3m、24.8m、26.8sおよび29.1m °2Θで線を有するX線粉末回折図(図14)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6F2のモル比1:2での
【化30】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてトルエン中で得られる。
【0069】
6.7s、9.7w、13.3w、14.9w、16.3w、20.0w、22.3w、25.0w、26.9wおよび29.2w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図15)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6F2のモル比1:2での
【化31】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。〜22.3°2Θで線の数は、弱く分解される。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて酢酸水溶液(60〜90質量%)中で得られる。
【0070】
10.0w、11.6m、19.3m、20.6w、22.1s、23.3w、24.3m、25.4m、26.0w、26.8w、26.9s、28.8wおよび31.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図16)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Br2のモル比1:2での
【化32】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてクロロベンゼン中で得られる。
【0071】
6.0m、7.0m、9.2w、11.1s、19.7w、20.6m、22.4w、25.0m、26.5sおよび28.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図17)によって特徴付けられた、実験式C28H14N2O6Cl2のモル比1:2での
【化33】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてトルエン中で得られる。
【0072】
6.7s、9.6w、10.7w、14.4w、15.2w、19.9w、21.6wおよび25.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図18)によって特徴付けられた、実験式C38H20N2O6のモル比1:2での
【化34】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてクロロベンゼン中で得られる。
【0073】
8.5s、10.7w、12.6w、13.2w、21.0w、21.9w、22.7w、24.5w、26.9wおよび28.6w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図19)によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O6のモル比1:2での
【化35】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてクロロベンゼン中で得られる。
【0074】
6.4s、11.1m、11.8m、26.4mおよび26.9m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C30H20N2O6のモル比1:2での
【化36】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。線は、6.9および26.2〜27.0 °2Θで、弱く分解される(図20)。2つの上記の結晶の多形態のこの有望な混合物は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてトルエン中で得られる。
【0075】
6.9s、9.2w、11.1s、14.2w、20.3w、22.4wおよび26.3m °2Θで線を有するX線粉末回折図(図21)によって特徴付けられた、実験式C30H20N2O6のモル比1:2での
【化37】
からp−トルエンスルホン酸を用いてトルエン中での酸性触媒反応、引続く氷酢酸またはN−メチルピロリドンからの再結晶によって得られる反応生成物。
【0076】
6.9s、11.0s、20.3wおよび26.3m °2Θで線を有するX線粉末回折図(図22)によって特徴付けられた、実験式C30H20N2O6のモル比1:2での
【化38】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて酢酸水溶液(60〜90質量%)中で得られ、微少量の上記の結晶の多形態を含有していると思われる。
【0077】
分子イオンピークm/z 548.1を有する質量スペクトル(MALDI)によって特徴付けられた、実験式C34H16N2O6のモル比1:2での
【化39】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて酢酸水溶液(60〜90質量%)中で得られる。
【0078】
10.6s、14.4w、16.7w、19.1w、23.7w、25.2w、26.6wおよび27.9w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図23)によって特徴付けられた、実験式C30H16N2O10のモル比1:2での
【化40】
からp−トルエンスルホン酸を用いての酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてトルエン中で得られる。
【0079】
7.9w、9.7w、11.5w、12.6s、13.5w、15.9w、19.6w、21.4m、22.8w、23.5w、24.0w、25.4m、25.6s、27.9w、28.3w、29.1wおよび30.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図24)によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O12S2のモル比1:2での
【化41】
からp−トルエンスルホン酸を用いての酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて酢酸水溶液(60〜90質量%)中で得られる。
【0080】
弱い相対的強度(331/3%未満=w)を有する線は、必ずしも特性を有さず、ときどき強度の点で変動してもよいかまたは結晶形、試料調製および記録方法または純度に依存して全く不在であってよい。それ故に、試料の同一性を確認するためには、媒体の線を比較するかまたは強い相対的強度を比較することで通常、十分である(331/3〜662/3%=mまたは662/3〜100%=s)。常用の測定法により得られる、光沢度数の報告された絶対値は、試料調製および測定条件に応じて約±0.2 °2Θまでの誤差を有することができ、絶対値に対するスペクトルの基準は、僅かに移動してもよいだけでなく、程度の点で狭められてもよいし、伸張されてもよい。線幅は、微結晶の寸法および結晶度を反映する。
【0081】
適当な計器は、例えばSiemens D500/501回折計である。例えば、U.S.Geological Survey Open−File Report 01−041/A Laboratory Manual for X−Ray Powder Diffraction/Randomly Oriented Powder Mounts For X−Ray Powder Diffraction(http://pubs.usgs.gov/of/2001/of01−041/htmldocs/methods/romount.htm)に開示されているように常法でタブレットを製造することは、有利である。
【0082】
通常、前記の結晶の多形態は、好ましくは実質的に単一相の形で存在する。これは、他の結晶の多形態が全ての結晶の多形態の全体量に対して20質量%未満、好ましくは10質量%未満の量で存在することを意味する。試料中の異なる結晶の多形態の相対的量は、最も強力に異なる線の領域から評価され、引続き最初に基線を減算することにより評価されうる。他の選択可能な方法によれば、X線粉末回折図は、公知の組成の物理的混合物のX線粉末回折図と比較されてよい。
【0083】
水性反応媒体、例えば無水反応媒体の量に対して水5質量%〜50質量%を含有する反応媒体を使用する場合には、得られた結晶の多形態は、一般に、無水反応媒体、例えばトルエンまたは氷酢酸が使用される場合に得られたものとは異なる。水の存在下で得られる結晶の多形態は、殊にポリオレフィンにおいて、良好な耐光堅牢度、よりいっそう良好な分散性およびマストーンにおける卓越したジェットブラックの色合い、ならびに酸化チタンを還元した際の若干緑がかった灰色の色合いについて顕著である。更に、この結晶の多形態は、特に有利に極性溶剤からの再結晶により十分に安定した結晶の多形態に変換することができる。
【0084】
これとは異なり、無水の反応媒体中で得られる結晶の多形態は、殊にワニス中(特に、ポリエステル/セルロースアセトブチレートワニス中)での高い耐光堅牢度について顕著である。酸化チタンを還元した場合、前記の結晶の多形態は、典型的には顕著に中性の灰色の色合いを生じる。
【0085】
意外なことに、本発明の方法により、式
【化42】
で示される1つの化合物、好ましくは式
【化43】
で示される1つの化合物と式
【化44】
で示される2つ以上の化合物とを1:2の全体のモル比(i):(iv)で、水中で25℃で4.5以下のpKを有する酸性触媒の存在下で反応させることによって固溶体および混合結晶を製造することも可能である。この場合には、多相または単一相の顔料を得ることができ、その際、後者の単一相の顔料が好ましい。しかし、固溶体および混合結晶を形成するための適性は、式
【化45】
で示されるイサチンおよび一定の置換イサチンによってのみ所有され、付加的に主要成分の定義された量は、維持されなければならない。
【0086】
従って、本発明は、式
【化46】
で示される1つの化合物を式
【化47】
〔式中、
R10は、H、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5、F、Cl、Br、NO2、CN、COOHまたはSO3Hであり、
R11は、H、NO2、CN、COOHまたはSO3Hであり、および
R12は、H、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5、FまたはClである〕で示される2〜5つの化合物と1:2の全体のモル比(i):(iv)で、水中で25℃で4.5以下のpKを有する触媒の存在下で反応させることによって特徴付けられた、黒色着色剤を製造する方法も提供する。
【0087】
好ましくは、R10は、H、CH3、OCH3、F、Cl、Br、NO2またはSO3Hであり、R11は、HまたはSO3Hであり、およびR12は、H、CH3またはClである。特に好ましくは、R10は、H、CH3またはClであり、R11は、Hであり、およびR12は、H、CH3またはClである。殊に好ましくは、R10=R11=R12=H、R10=CH3/R11=R12=H、R10=Cl/R11=R12=H、R10=OCH3/R11=R12=H、R10=NO2/R11=R12=H、R11=H/R10=R12=CH3またはR11=H/R10=R12=Clであるような式(iv)の化合物が記載される。
【0088】
反応のための化合物(i)および(iv)、好ましくは(iii)および(iv)は、全部が初期の装入量中に含まれていてもよいし、同時に、または任意の順序で添加されてもよい。化合物(iv)の全部が初期の装入量中に必ずしも含まれていない場合には、一般に、反応を通して式(iv)の化合物のために上記した最終的な比を維持することは、好ましい。従って、例えば、この反応は、50:50の質量比で式(iv)の2つの化合物の混合物を用いて開始することができ、さらに、80:20の質量比で連続させることができ、この場合には、結晶の多形態は、もはや何の変化も受けない。
【0089】
意外なことに、多くの場合に反応媒体に依存して、式(iv)の同じ化合物の単一のものだけが反応される場合に形成される生成物の結晶相と著しく異なる結晶の多形態が形成される。換言すれば、好ましくは新規のよりいっそう安定した結晶の多形態が形成され、好ましくは単一相の結晶の多形態または単一相の混合結晶が形成され、これらの結晶格子は、理想的な単一相の結晶格子中で化学量論的に超流動性と予想されるゲスト分子に対してホスト分子として使用することができる。
【0090】
式(iv)の主要成分として、式
【化48】
で示される化合物および式(iv)の第2成分として、式
【化49】
で示される化合物は、好ましくは式(i)の化合物と反応され、上記式中、
R13は、H、C1〜C8アルキル、OC1〜C8アルコキシ、F、Cl、Br、NO2、CN、COOHまたはSO3Hであり、
R14は、H、NO2、CN、COOHまたはSO3Hであり、およびR15は、H、ClまたはC1〜C8アルキルである。
【0091】
特に好ましくは、R13は、HまたはC1〜C4アルキルであり、R14は、Hであり、およびR15は、H、ClまたはC1〜C8アルキルである。
【0092】
本発明の混合結晶および固溶体は、殊に高い分散性、高い色強度、有利な黒色の色合いおよび高い堅牢度(殊に、よりいっそう良好な耐候堅牢度)に対して顕著である。本発明の混合結晶および固溶体は、特にペイントの用途に有利である(殊に、ポリエステル/セルロースアセトブチレートワニス)。
【0093】
従って、本発明は、次の結晶の多形態も提供する(°2Θ/CuKα;X線粉末回折図中の線は、光沢度数に加えて、相対強度により同定される:331/3%未満=w、331/3〜662/3%=mまたは662/3〜100%=s;極めて弱い、幅広の線および隆起は、一般に含まれない):
7.6s、9.5w、11.8s、20.7w、24.7m、26.4mおよび28.4m °2Θで線を有するX線粉末回折図(図25)によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C28H16N2O6およびC30H20N2O6の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化50】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C26H12N2O6およびC30H20N2O6の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばトルエン、クロロベンゼンまたは氷酢酸中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。
【0094】
7.4s、10.0w、11.9s、18.8w、20.1w、22.1w、24.1m、25.0w、26.6mおよび28.6w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図26)によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C27H14N2O6およびC28H16N2O6の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化51】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C26H12N2O6およびC28H16N2O6の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、本質的に実験式C28H16N2O6の純粋な化合物の結晶の多形態に対応する(図4)。この結晶の多形態は、例えば触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いてクロロベンゼン中で得られる。
【0095】
7.2s、9.3w、11.3s、19.4w、20.6w、24.5w、26.4m、26.9wおよび28.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図27)によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O6、C29H18N2O6およびC30H20N2O6の化合物を有するモル比1:1:1での
【化52】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C28H16N2O6およびC30H20N2O6の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばトルエン中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。また、この結晶の多形態は、氷酢酸中で得られる同じ組成の生成物の結晶の多形態とは異なる。
【0096】
7.2s、7.4s、10.3w、11.9m、12.2s、13.3w、18.9w、20.2w、22.8m、24.1s、25.3w、26.8sおよび29.0m °2Θで線を有するX線粉末回折図(図28)によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C26H11N2O6ClおよびC26H10N2O6Cl2の化合物を有するモル比1::1:1での
【化53】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C28H16N2O6およびC26H10N2O6Cl2の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばトルエン中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。
【0097】
7.1s、11.6s、19.2w、20.4w、21.9w、24.2m、25.2w、26.7sおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図29)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2、C27H13N2O6ClおよびC28H16N2O6の化合物を有するモル比1:1:1での
【化54】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C26H10N2O6Cl2およびC28H16N2O6の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばトルエン中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。
【0098】
6.6s、13.5w、14.7m、15.9w、19.8m、21.6m、22.3w、24.6m、26.6sおよび28.8m °2Θで線を有するX線粉末回折図(図30)によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C26H11N2O6FおよびC26H10N2O6F2の化合物を有するモル比1:1:1での
【化55】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C26H12N2O6およびC26H10N2O6F2の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばクロロベンゼン中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。
【0099】
7.1m、10.2m、11.8s、13.1w、18.8m、20.2m、22.7s、24.0s、25.3m、26.5s、26.8sおよび28.8m °2Θで線を有するX線粉末回折図(図31)によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C26H11N2O6BrおよびC26H10N2O6Br2の化合物を有するモル比1:1:1での
【化56】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C26H12N2O6およびC26H10N2O6Br2の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばクロロベンゼン中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。
【0100】
7.0s、10.4w、11.6m、19.0w、20.3w、22.3w、24.0w、25.3w、26.5mおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図32)によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C27H14N2O7およびC28H16N2O8の化合物を有するモル比1:1:1での
【化57】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C26H12N2O6およびC28H16N2O8の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばクロロベンゼン中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。
【0101】
6.1m、11.9m、13.5w、15.0w、16.5w、22.6w、24.1w、24.7wおよび26.9s °2Θで線を有するX線粉末回折図(図33)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2、C26H10N3O8ClおよびC26H10N4O10の化合物を有するモル比1:1:1での
【化58】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C26H10N2O6Cl2およびC26H10N4O10の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばトルエン中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。
【0102】
4.6s、9.3w、11.6m、14.2w、17.1w、18.8w、22.1w、25.4m、26.0mおよび27.5s °2Θで線を有するX線粉末回折図(図34)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2、C26H9N2O6Cl3およびC26H8N2O6Cl4の化合物を有するモル比1:1:1での
【化59】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C26H10N2O6Cl2およびC26H8N2O6Cl4の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばトルエン中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。
【0103】
7.0s、11.2s、12.7w、19.4w、20.7w、21.6w、22.5w、24.3w、25.3w、26.8mおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図(図35)によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2、C27H13N2O7ClおよびC28H16N2O8の化合物を有するモル比1:1:1での
【化60】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物。この結晶の多形態は、実験式C26H10N2O6Cl2およびC28H16N2O8の純粋な化合物の結晶の多形態とは異なり、例えばトルエン中で触媒としてのp−トルエンスルホン酸を用いて得られる。
【0104】
真の混合結晶および固溶体の製造が望ましくない場合(例えば、費用の理由から)には、主要成分の式(iv)の量を増加させることも可能である。この場合には、式(iv)の全ての化合物の全体量に対して、例えば0.1質量%〜15質量%、好ましくは0.5質量%〜12質量%の濃度で式(iv)の第2の成分は、有利に結晶成長を抑制することができるかまたは目標の結晶の多形態をもたすことができる。
【0105】
本明細書中では、固溶体が製造されるかどうかは無関係であるので、結晶成長抑制剤または結晶の多形態のエフェクターとして使用するための第2の成分の選択には、全く制限はない。勿論、同時の添加に対する他の選択可能な方法によれば、最初に式(i)の化合物の一部分と式(iv)の第2の成分の一部分または全部とを1:2の全体のモル比で反応させ、次に式(i)の化合物の残り、式(iv)の主要成分の残りおよび存在する場合に式(iv)の第2の成分の残りとの反応を継続させることもできるか、または最初に式(i)の化合物の一部分と式(iv)の主要成分の一部分または全部とを1:2の全体のモル比で反応させることができ、次に式(i)の化合物の残り、式(iv)の第2の成分の残りおよび存在する場合に式(iv)の主要成分の残りとの反応を継続させることができる。
【0106】
従って、本発明は、式
【化61】
で示される1つの化合物を式
【化62】
で示される2〜5つの化合物と1:2の全体のモル比(i):(ii)で、水中で25℃で4.5以下のpKを有する触媒の存在下で反応させることによって特徴付けられた、黒色着色剤を製造する方法も提供し、この場合式(ii)の化合物の1つの量は、式(ii)の全ての化合物の全体量に対して85質量%〜99.9質量%であり、式
【化63】
で示される複数の化合物は、反応前または反応中に同時に、または任意の順序で添加される。
【0107】
更に、本発明は、1:2の全体のモル比(i):(ii)で、水中で25℃で4.5以下のpKを有する触媒の存在下での式
【化64】
で示される1つの化合物と式
【化65】
で示される1つの化合物および式
【化66】
で示される1〜4つの他の化合物との反応生成物を含有する黒色着色剤組成物も提供し、この場合、式(iia)の化合物の量は、式(iia)および(iib)の化合物の全体量に対して85質量%〜99.9質量%であり、および式(iia)および(iib)中のR3、R4、R5、R6およびR7は、互いに独立に上記の式(ii)中の定義と同じ定義を有する。勿論、式(iia)の化合物と式(iib)の全ての他の化合物とは、異なる。
【0108】
式(iia)の化合物は、好ましくは置換されていないイサチンまたは5−メチルイサチンであり、よりいっそう好ましくは、置換されていないイサチンである。
【0109】
式(iia)および(iib)中で、好ましくは、基R3、R4、R5、R6またはR7の1つ、好ましくはR4は、C1〜C16アルキル、C1〜C16アルコキシ、C3〜C16シクロアルキル、C3〜C16シクロアルコキシ、C2〜C16アルケニルまたはC2〜C16アルケンオキシ、よりいっそう好ましくはC3〜C12アルキル、C5〜C6シクロアルキル、C3〜C12アルコキシまたはC5〜C6シクロアルコキシ、殊に好ましくはC4〜C8アルキルまたはC4〜C8アルコキシ、特に好ましくはn−ブチル、イソブチル、第三ブチル、3−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、n−オクチル、ラウリルまたはミリスチルであり、基R3、R4、R5、R6またはR7の他の4つは、それぞれHである。
【0110】
添加された成分によって変性された、本発明の顔料は、殊に高い色強度、有利なジェットブラックの色合いおよび高い堅牢度に対して顕著である。本発明の顔料は、殊にペイントの用途およびプラスチックの物体色の点で有利である。
【0111】
勿論、本発明により得られる全ての着色剤、着色剤混合物、混合結晶および固溶体は、さらにそれらの製造後の化学的変性、例えばスルホン化、アミノ基へのニトロ基の還元、エステル化または塩を形成するための酸基の中和を含めてかかる変性に掛けることが可能である。前記の変性された黒色化合物は、出発材料と同様に着色剤または顔料として使用されてよい。本明細書中で、好ましくは、スルホン化、クロロスルホン化、カルボキシル基およびスルホ基の中和、ならびにSO2Cl基からのアミドの形成が記載される。カルボキシル基およびスルホ基は、有利に塩基、特に強塩基でCOO-基およびSO3-基に変換されている。適当な塩基の例は、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物またはアルカリ金属アミドおよびアルカリ土類金属アミド、酸化アルミニウム、アンモニア、第1アミン、第2アミン、第3アミンまたは第4アミンを含む。好ましくは、アルカリ土類金属水酸化物および第4アミンが記載される。第1アミン、第2アミン、第3アミンまたは第4アミンは、好ましくはNでC1〜C30アルキル、C2〜C30アルケニル、C2〜C30アルキニル、C7〜C30アラルキルまたはC6〜C30アリールによって置換されており、この場合前記の炭化水素置換基は、直鎖状または分枝鎖状であることができ、1回または数回カルボニル、
【化67】
によって中断されていないかまたは中断されていてよく、および/または置換されていないかまたは1回または数回ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシルまたはスルホによって置換されていてよい。同様に、他の化学的変性を受けた着色剤は、ピッチブラックの色合いを有し、特に比較的低い表面極性が必要とされる用途にとって興味深いものがある。
【0112】
意外なことに、この興味は、本発明により得られる着色剤が、塩基性の添加剤、例えば立体障害アミン(HALS)および/またはベンゾトリアゾール型またはトリアジン型のUV吸収剤と組み合わせて、マトリックス材料の耐候安定性が公知の黒色顔料、例えばカーボンブラックと比較して増大しているようなジェットブラックペイントおよびプラスチックを生じることから出現した。
【0113】
従って、本発明は、高分子材料を全体として着色するための本発明の着色剤の使用、ならびにそれぞれ全体着色された高分子材料に対して、本発明の着色剤0.01質量%〜70質量%、好ましくは0.05質量%〜30質量%、および塩基性光安定剤または塩基性光安定剤の混合物0.01質量%〜20質量%、好ましくは0.1質量%〜10質量%、よりいっそう好ましくは0.2質量%〜5質量%を含有する練込み着色された高分子量材料も提供する。
【0114】
好ましい光安定剤は、全体の着色された高分子量材料に対して1.0質量%の濃度で少なくとも50%の光安定性の増大を生じる光安定剤である。これは、加速された光安定性の試験において、光安定剤1%の存在下で表面構造内または機械的性質において有効な変化が存在するまでの時間が、光安定剤の不在下で表面構造または幾何的性質に対する同じ変化を生じる時間の少なくとも150%であることを意味する。
【0115】
塩基性光安定剤は、好ましくは8以上のpKaまたはpKBH+を有する。光安定剤のpKaまたはpKBH+は、水中または水性の中性溶剤中で測定されてよいか、または必要な場合には、一般的な方法によって計算されてもよい。
【0116】
光安定剤は、好ましくは第2アミノ基、ニトロキシル基、ヒドロキシルアミノ基またはアルコキシアミノ基を有するか、または他にフェノールと互変異性化されているかまたはフェノールのプロトンへの水素結合を形成する−N=基を有する。勿論、光安定剤の混合物を使用することも可能であり、この場合には、例えば同じ活性の下部構造または他に異なる活性の下部構造を有する2〜12個の光安定剤が組み合わされていてよい。
【0117】
特に好ましい光安定剤は、次の下部構造を有するものである:
【化68】
【0118】
立体障害アミンは、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリド−4−イル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イル)セバケート、n−ブチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロン酸、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)エステル、1−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合生成物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状または環状縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラオエート、1,1’−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3.5−ジ−第三ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]−デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状または環状縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピル−アミノ)エタンとの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物ならびに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(CAS登録番号[136504−96−6]);1,6−ジアミノヘキサンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物ならびにN,N−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピぺリジンとの縮合生成物(CAS登録番号[192268−64−7]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビスホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレン−ジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、無水マロン酸−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、Sanduvor(登録商標)(Clariant;CAS登録番号106917−31−1)、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリド−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンとの反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジンまたは1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジンである。
【0119】
2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンは、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンまたは2,4−ビス(4−[2−エチルヘキシルオキシ]−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンである。
【0120】
2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールは、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール];2−[3’−第三ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換反応生成物;
【化69】
、但し、R=3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)−フェニル]ベンゾトリアゾールである。
【0121】
付加的に、
【0122】
に開示された塩基性光安定剤ならびに上記刊行物中に開示された下部構造を有する数多くの商品を参照することができる。
【0123】
本発明の黒色着色剤は、ペイント、印刷用インクおよびプラスチックを全体として着色するために使用されてよい。従って、本発明は、本発明の着色剤の使用およびペイント、印刷用インクおよびプラスチックを全体として着色するための本発明により製造された着色剤の使用、ならびに全体的に着色された高分子量材料に対して、本発明の着色剤または本発明により製造された着色剤0.01質量%〜70質量%を含有する、練込み着色された高分子量材料も提供する。他の結晶の多形態が全ての結晶の多形態の全体量に対して20質量%未満、好ましくは10質量%未満の量で存在する本発明の単一の顔料を使用することは、好ましい。
【0124】
本発明により着色すべき高分子量有機材料は、天然または合成に由来することができ、典型的には、103g/mol〜108g/molの範囲内の分子量を有する。このような材料は、例えば天然樹脂または乾性油、ゴムまたはカゼイン、または変性された天然物質、例えば塩素化ゴム、オイル変性されたアルキド樹脂、ビスコース、セルロースエーテルまたはセルロースエステル、例えばセルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセトブチレートまたはニトロセルロースであることができるが、しかし、特に連鎖成長反応による付加重合、段階的成長による付加重合または縮合重合によって得られるような全ての合成有機ポリマー(熱硬化性プラスチックおよび熱可塑性プラスチックの双方)、例えばポリカーボネート、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレート、ポリオレフィン、例えばポリエチレン(HDPE、HDPE−HMW、HDPE−UHMW、LDPE、LLDPE、VLDPE、ULDPE)、ポリプロピレンまたはポリイソブチレン、置換ポリオレフィン、例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、アセトニトリルまたはアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルまたはブタジエンのポリマー、ポリスチレンまたはポリメチルメタクリレート、および前記モノマーのコポリマー、殊にアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)、スチレン/アクリロニトリル(SAN)またはEVAであることができる。
【0125】
段階的成長による付加重合樹脂および縮合重合樹脂の群から、ホルムアルデヒドとフェノール樹脂として知られているフェノールとの縮合生成物、およびホルムアルデヒドとアミノ樹脂として知られているウレア、チオウレアおよびメラミンとの縮合生成物、飽和樹脂、例えばアルキド樹脂と不飽和樹脂、例えばマレエート樹脂の双方を含む、被膜形成樹脂として使用されるポリエステル、ならびに直鎖状ポリエステルおよびポリアミドまたはシリコーンを挙げることができる。
【0126】
更に、高分子量有機材料は、ペイントまたは印刷用インクのための結合剤、例えば亜麻仁油ワニス、ニトロセルロース、アルキド樹脂、メラミン樹脂、ウレア−ホルムアルデヒド樹脂、アクリル樹脂または他の硬化性または重合性の前駆物質であることができる。
【0127】
上記の高分子量化合物は、個別的に存在してもよいし、混合物でプラスチック素材、溶液または溶融液として存在してもよく、これは、必要に応じて繊維中に回転塗布されることができる。当該の形は、直ちに使用できる組成物または直ちに使用できる組成物から形成された製品であることができるか、または他に例えばペレットの形でマスターバッチであることができる。必要に応じて、本発明により高分子量有機材料を着色するために、着色されていない有機材料中に存在していてよいかまたは配合中に添加されてよい常用の補助剤を使用することも可能である。
【0128】
このような補助剤の例は、安定剤、例えば酸化防止剤、UV安定剤または光安定剤、界面活性剤、湿潤剤、可塑剤またはテクスチャー向上剤である。テクスチャー向上剤が必要とされる場合には、テクスチャー向上剤は、場合によっては有利に実際の合成中または後処理中に本発明の着色剤に添加される。
【0129】
テクスチャー向上剤の例は、少なくとも12個の炭素原子を有する脂肪酸、例えば殊にステアリン酸またはベヘン酸、ステアラミドまたはベヘンアミド、ステアリン酸またはベヘン酸の塩、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛またはステアリン酸アルミニウム、またはベヘン酸マグネシウム、ベヘン酸亜鉛またはベヘン酸アルミニウム、または他に第四級アンモニウム化合物、例えば殊にトリ(C1〜C4)アルキルベンジルアンモニウム塩、例えばトリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリ−n−プロピルアンモニウム塩、トリイソプロピルアンモニウム塩、トリ−n−ブチルアンモニウム塩、トリ−第二ブチルアンモニウム塩またはトリ−第三ブチルベンジルアンモニウム塩、または他に可塑剤、例えばエポキシド化大豆油、ワックス、例えばポリエチレンワックス、樹脂酸、例えばアビエチン酸、ロジン石鹸、水素化または二量体化ロジン、(C12〜C18)パラフィンジスルホン酸、アルキルフェノールまたはアルコール、例えばステアリルアルコール、または他にラウリルアミンまたはステアリルアミン、および/または他に脂肪族1,2−ジオール、例えばドデカン−1,2−ジオールである。
【0130】
好ましいテクスチャー向上剤は、ラウリルアミンまたはステアリルアミン、脂肪族1,2−ジオール、ステアリン酸またはそのアミド、塩またはエステル、エポキシド化大豆油、ワックスまたは樹脂酸である。
【0131】
このような補助剤は、例えば有利に本発明の組成物に対してこの組成物の製造前、製造中または製造後に0.05質量%〜25質量%、有利に0.5質量%〜15質量%の量で添加されてよい。
【0132】
高分子量有機物質は、例えばこのような着色剤で、場合によってはマスターバッチの形で前記基質中にロールミル、混合装置または粉砕装置を用いて着色される。その後に、着色された材料は、一般に自体公知の技術、例えばカレンダー加工、圧縮成形、押出、塗布、噴霧、注型、印刷または射出成形によって望ましい最終形にもたらされる。硬質でないかまたは脆性を減少させない成形品を製造するために、しばしば可塑剤を造形前に高分子量化合物中に配合することは、望ましい。有用な可塑剤の例は、燐酸、フタル酸またはセバシン酸のエステルを含む。本発明の方法において、可塑剤は、着色剤が配合される前または配合された後にポリマー中に配合されてよい。異なる色調を得るためのもう1つの方法は、高分子量有機材料を着色剤組成物と混合するだけでなく、充填剤、補強材料(例えば、有機繊維または無機繊維)、および/または他の着色成分、例えば白色顔料、有彩顔料または黒色顔料、ならびに効果顔料とそのつど望ましい量で混合することでもある。
【0133】
着色剤の混合は、実際の処理工程の直前に、本発明の粉末状着色剤およびペレット化された高分子量有機材料、ならびに場合によっては補助剤、例えば添加剤を、例えば同時に、および押出機の凍結帯域に直接に、処理前に短時間配合しながら、連続的に計量供給することによって実施されてもよい。しかし、一般的に言えば、処理中に着色剤を高分子量有機材料中に混合することは、好ましく、それというのも、よりいっそう一様の結果を得ることができるからである。
【0134】
ペイントおよび印刷用インクを着色するためには、高分子量有機材料および本発明の着色剤は、場合によっては補助剤、例えば安定剤、分散剤、光沢向上剤、充填剤、他の顔料、乾燥剤または可塑剤と一緒に、一般に有機溶剤および/または水性溶剤または溶剤混合物中に微細に分散されるかまたは溶解される。本明細書中での1つの可能な方法は、個々の成分自体を分散または溶解するか、または他に2つ以上を一緒にして分散または溶解し、次に全ての成分を組み合わせる。
【0135】
ペイントは、例えば浸漬、ナイフ塗布、被膜塗布、ブラシ掛けまたは噴霧によって適用され、乾燥および硬化後に有利に熱的に、または照射によって、本発明の塗膜を生じる。更に、塗膜を生じる適用方法は、粉体塗装技術またはロール塗布(コイル被覆)技術であり、これらの技術の詳細は、当業者にとって自体公知である。
【0136】
着色すべき高分子量材料がペイントである場合、このペイントは、常用のペイントであることができるか、または他に特殊なペイント、例えば自動車の仕上げ塗料であることができる。このペイントは、マルチコート塗装系の一部分であることができる。効果仕上げ塗料は、金属薄片、場合によっては塗布された雲母および/または干渉顔料の添加によって可能である。本発明の着色剤の利点は、ペイントの用途において特に顕著であり、例えば高い不透明度を有するタンデムにおける色強度が増大されること、および直射日光中の熱のレベルが低いことにある。
【0137】
好ましくは、本発明のペイントは、付加的に保護の際に常用の厚さで澄明なワニスを備えており、この場合このワニスは、例えば1つ以上のUV吸収剤または効果顔料を有する。本発明の塗膜が金属支持体上に位置している場合、この支持体は、好ましくは、プライマーで被覆された支持体である。
【0138】
本発明により着色された製品は、近赤外線に対して著しく不活性である、良好な堅牢度を有する顕著なジェットブラックの色合いを有する。本明細書中で性質および用途については、殊にWO 2009/010521の第9頁/第13行〜第29頁/第11行の記載を参照することができ、この場合本発明により製造された黒色着色剤は、色強度、色合いおよび堅牢度の性質に関連してWO 2009/010521の黒色着色剤よりも卓越している。
【0139】
意外なことに、本発明の黒色着色剤は、粉体塗装またはコイル被覆の点で、特にカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)と比較して顕著な結果を生じる。ジェットブラックの色合いに加えて、付着力、端から端までの硬化(through−curing)および光沢、ならびに特に平滑度および規則的な表面は、有利である。
【0140】
更に、本発明の黒色着色剤の特に興味深い実施態様は、マルチングフィルム、インストルメント・パネルまたは織物、殊に車両における構成物のためのもの、庭園家具、例えばベンチ、椅子、リクライニングチェアおよびテーブルのためのもの、または構造物工業のための材料および要素、例えば屋根用要素またはファサード要素、窓およびドアにおける黒色着色剤の使用である。マルチングフィルムは、殊に直射日光に暴露され、かつ早期分解傾向を有し、マルチングフィルムの機能を消失し、かつ飛び交うスクラップで景観を汚す。他面、光安定剤の量が増大した場合には、植生サイクルの最後でのマルチングフィルムの望ましい完全な生分解は、遅速になり、土壌汚染は、増大する。本発明のマルチングフィルムは、従来の顔料が含有されたマルチングフィルム(例えば、カーボンブラックを有する)と比較して早期成長段階における作物の生長に対する少ない予防効果も有する。自動車用製品、庭園用製品および構造物製品は、同様に直射日光に強く暴露され、前記製品の着色に依存して、過剰に熱くなり、早期に変形するかまたは破壊される。前記の問題は、本発明の着色剤および組成物によって大部分が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】実施例1および実施例4によるX線粉末回折図をそれぞれ示す略図。
【図2】実施例2および実施例5によるX線粉末回折図をそれぞれ示す略図。
【図3】実施例3および実施例6によるX線粉末回折図をそれぞれ示す略図。
【図4】実施例7によるX線粉末回折図を示す略図。
【図5】実施例8によるX線粉末回折図を示す略図。
【図6】実施例9によるX線粉末回折図を示す略図。
【図7】実施例10によるX線粉末回折図を示す略図。
【図8】実施例11によるX線粉末回折図を示す略図。
【図9】実施例12によるX線粉末回折図を示す略図。
【図10】実施例13によるX線粉末回折図を示す略図。
【図11】実施例14によるX線粉末回折図を示す略図。
【図12】実施例15によるX線粉末回折図を示す略図。
【図13】実施例16によるX線粉末回折図を示す略図。
【図14】実施例17によるX線粉末回折図を示す略図。
【図15】実施例18によるX線粉末回折図を示す略図。
【図16】実施例19によるX線粉末回折図を示す略図。
【図17】実施例20によるX線粉末回折図を示す略図。
【図18】実施例21によるX線粉末回折図を示す略図。
【図19】実施例22によるX線粉末回折図を示す略図。
【図20】実施例23によるX線粉末回折図を示す略図。
【図21】実施例24によるX線粉末回折図を示す略図。
【図22】実施例25によるX線粉末回折図を示す略図。
【図23】実施例27によるX線粉末回折図を示す略図。
【図24】実施例28によるX線粉末回折図を示す略図。
【図25】実施例29によるX線粉末回折図を示す略図。
【図26】実施例30および実施例31によるX線粉末回折図をそれぞれ示す略図。
【図27】実施例32によるX線粉末回折図を示す略図。
【図28】実施例33によるX線粉末回折図を示す略図。
【図29】実施例34によるX線粉末回折図を示す略図。
【図30】実施例35によるX線粉末回折図を示す略図。
【図31】実施例36によるX線粉末回折図を示す略図。
【図32】実施例37によるX線粉末回折図を示す略図。
【図33】実施例38によるX線粉末回折図を示す略図。
【図34】実施例39によるX線粉末回折図を示す略図。
【図35】実施例40によるX線粉末回折図を示す略図。
【0142】
下記の実施例は、本発明の範囲を制限することなく本発明を説明する(別記しない限り、"%"は、常に質量%である):
【実施例】
【0143】
実施例1:2,5−ジヒドロキシベンゼン−1,4−ジ酢酸2.3g(Aldrich)、イサチン3.0g(98%、Aldrich)およびトルエン75ml中のp−トルエンスルホン酸一水和物0.7g(Fluka purum)の混合物を110℃に加熱する。この混合物を水を除去しながら7時間攪拌し、さらに14時間攪拌する。この混合物を冷却し、黒色の懸濁液を濾過する。残留物をメタノール100mlで洗浄し、60℃/104Paで4乾燥する。X線粉末回折図は、7.8s、10.2w、12.6s、18.6w、21.8w、22.4w、24.4m、25.0w、26.7m、27.2mおよび28.8w °2Θで線を有する(図1参照)。
【0144】
実施例2:2,5−ジヒドロキシベンゼン−1,4−ジ酢酸2.3g(Aldrich)、イサチン3.0g(98%、Aldrich)およびp−トルエンスルホン酸一水和物1.9g(Fluka purum)を、濃酢酸57mlと水10mlとの混合物中で攪拌し、生じる混合物を還流温度に加熱し、この温度で20時間攪拌する。次に、この反応混合物を加熱することなく温度が90℃に低下するまでさらに攪拌し、この時点で反応混合物を濾過し、残留物を最初に冷たい濃酢酸30mlで洗浄し、次にメタノール150mlで洗浄する。生成物を40℃/104Paで24時間乾燥する。黒色粉末(4.2g)のX線粉末回折図は、6.6s、13.3w、14.8w、21.6w、24.5w、26,4mおよび28.7w °2Θで線を有する(図2参照)。
【0145】
実施例3:実施例2で得られた化合物6gをジメチルスルホキシド60ml中で130℃に加熱し、この温度で18時間攪拌する。この反応混合物を加熱することなく温度が100℃に低下するまでさらに攪拌し、この時点で反応混合物を濾過し、残留物を最初にジメチルスルホキシド10mlで洗浄し、次に水150mlで洗浄する。生成物を40℃/104Paで24時間乾燥する。黒色粉末(4g)のX線粉末回折図は、7.3s、10.9w、12.7w、14.6w、24.5w、26.4mおよび28.7w °2Θで線を有する(図3参照)。
【0146】
実施例4:0.5リットルの能力を有する混練装置に実施例1からの生成物33g、塩化ナトリウム196gおよびN−メチルピロリドン77gを装入し、回転速度を65rpmに設定する。この装置の壁を80℃に温度調節する。6時間後、水150mlを添加する。得られた混合物を磁性吸込フィルター中に注入し、フィルター上の固体物質をさらに水で、洗浄水が塩不含になるまで洗浄する。生成物を80℃/104Paで乾燥し、0,4mmの目開きを有する篩に通過させる。X線粉末回折図は、7.8s、10.2w、12.6s、18.6w、21.8w、22.4w、24.4m、25.0w、26.7m、27.2mおよび28.8w °2Θで線を有する(図1参照)。
【0147】
実施例5:0.5リットルの能力を有する混練装置に実施例1からの生成物30g、塩化ナトリウム180gおよびN−メチルピロリドン85gを装入し、回転速度を65rpmに設定する。この装置の壁を20℃に温度調節する。414時間後、水150mlを添加する。生じる混合物を磁性吸込フィルター中に注入し、フィルター上の固体物質をさらに水で、洗浄水が塩不含になるまで洗浄する。X線粉末回折図は、6.6s、13.3w、14.8w、21.6w、24.5w、26.4mおよび28.7w °2Θで線を有する(図2参照)。
【0148】
実施例6:0.5リットルの能力を有する混練装置に実施例41からの生成物35g、塩化ナトリウム210gおよびジメチルスルホキシド105gを装入し、回転速度を65rpmに設定する。この装置の壁を45℃に温度調節する。6時間後、水150mlを添加する。生じる混合物を磁性吸込フィルター中に注入し、フィルター上の固体物質をさらに水で、洗浄水が塩不含になるまで洗浄する。生成物を80℃/104Paで12時間乾燥し、0,4mmの目開きを有する篩に通過させる。X線粉末回折図は、7.3s、10.9w、12.7w、14.6w、24.5w、26.4mおよび28.7w °2Θで線を有する(図3参照)。
【0149】
実施例7:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の5−メチルイサチン(Aldrich 97%)を用いて行なう。X線粉末回折図は、7.2s、9.7w、11.6s、12.7w、19.2w、20.4w、21.5w、24.3w、25.0w、26.6wおよび28.5w °2Θで線を有する(図4参照)。
【0150】
実施例8:2,5−ジヒドロキシベンゼン−1,4−ジ酢酸5.65g(Aldrich)、5−ニトロイサチン9.9g(97%、Aldrich)および酢酸175ml中のp−トルエンスルホン酸1.8g(Fluka purum)の混合物を110℃に加熱し、さらに20時間攪拌する。この混合物を冷却し、黒色の懸濁液を濾過する。残留物をメタノール200mlで洗浄し、60℃/104Paで乾燥する。X線粉末回折図は、6.7w、12.6w、14.1w、15.7w、17.2w、19.6w、23.3w、24.8w、25.4w、27.6s、31.0wおよび34.3w °2Θで線を有する(図5)。
【0151】
実施例9:実施例2と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、5−ニトロイサチン3.9g(97%、Aldrich)を用いて行なう。黒色粉末(4.1g)のX線粉末回折図は、6.6s、9.7w、13.3w、16.2w、19.9w、22.1w、24.9w、26.9wおよび29.1w °2Θで線を有する(図6参照;〜22.1°2Θで線の数は、弱く分解される)。
【0152】
実施例10:実施例8と同様に方法を行なうが、しかし、5−ニトロイサチンの代わりに、等モル量の5−メトキシイサチン(Aldrich 98%)を用いて行なう。X線粉末回折図は、7.0s、10.1m、11.8s、20.5m、21.8m、24.2m、26.3sおよび27.9m °2Θで線を有する(図7)。
【0153】
実施例11:実施例2と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、5−メトキシイサチン3.6gを用いて行なう。黒色粉末(3.6g)のX線粉末回折図は、6.2s、7.0s、10.1m、11.8m、20.5w、21.8w、26.3w、26.9mおよび27.8w °2Θで主要線を有する(図8参照)。
【0154】
実施例12:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の5−クロロイサチン(97%、Aldrich)を用いて行ない、2,5−ジヒドロキシベンゼン−1,4−ジ酢酸の代わりに等モル量のジイソブチルエステルを用いて行なう。X線粉末回折図は、7.1m、11.7s、19.2w、20.5w、22.6m、24.3m、25.6w、26.7m、27.1mおよび29.0w °2Θで線を有する(図9)。他の選択可能な方法として、ジイソブチルエステルの代わりに、ジイソプロピルエステルを使用することもできる。
【0155】
実施例13:実施例2と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、5−クロロイサチン3.7gを用いて行なう。これは、黒色粉末4.2gを生じ、この黒色粉末のX線粉末回折図は、4.7s、6.6w、9.3w、12.5w、14.5w、16.0w、19.7w、21.8w、24.6wおよび27.4w °2Θで線を有する。実施例12の記載により得られた結晶の多形態に加えて、4.7s、9.3w、14.5w、16.0w、19.7wおよび24.6w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられたさらなる結晶の多形態が存在する(図10参照)。
【0156】
実施例14:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の5−クロロイサチン(Aldrich 97%)を用いて行なう。X線粉末回折図は、4.8m、12.6m、21.8w、24.9mおよび27.4s °2Θで線を有する(図11参照)。
【0157】
実施例15:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の5,7−ジクロロイサチン(Aldrich)を用いて行なう。X線粉末回折図は、5.9w、15.2w、23.9w、25.1mおよび26.8s °2Θで線を有する(図12参照)。
【0158】
実施例16:実施例2と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、5,7−ジクロロイサチン4.4gを用いて行なう。黒色粉末(3.6g)のX線粉末回折図は、23.9wおよび26.9s °2Θで線を有する(図13参照)。
【0159】
実施例17:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の5−フルオロイサチン(Aldrich 97%)を用いて行なう。X線粉末回折図は、6.7s、14.8m、16.1m、19.9m、21.8m、22.3m、24.8m、26.8sおよび29.1m °2Θで線を有する(図14参照)。
【0160】
実施例18:実施例2と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、5−フルオロイサチン3.4g(97%、Aldrich)を用いて行なう。黒色粉末(3.2g)のX線粉末回折図は、6.7s、9.7w、13.3w、14.9w、16.3w、20.0w、22.3w、25.0w、26.9wおよび29.2w °2Θで線を有する(図15参照;〜22.3°2Θで線の数は、弱く分解される)。
【0161】
実施例19:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の5−ブロモイサチン(90%、Aldrich)を用いて行ない、およびトルエンの代わりにクロロベンゼンを用いて行なう。X線粉末回折図は、10.0w、11.6m、19.3m、20.6w、22.1s、23.3w、24.3m、25.4m、26.0w、26.8w、26.9s、28.8wおよび31.3w °2Θで線を有する(図16参照)。
【0162】
実施例20:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の5−クロロ−7−メチルイサチン(97%、Aldrich)を用いて行なう。X線粉末回折図は、6.0m、7.0m、9.2w、11.1s、19.7w、20.6m、22.4w、25.0m、26.5sおよび28.3w °2Θで線を有する(図17参照)。
【0163】
実施例21:実施例19と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の1−フェニルイサチン(97%、Aldrich)を用いて行なう。X線粉末回折図は、6.7s、9.6w、10.7w、14.4w、15.2w、19.9w、21.6wおよび25.3w °2Θで線を有する(図18参照)。
【0164】
実施例22:実施例19と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の1−メチルイサチン(97%、Aldrich)を用いて行なう。X線粉末回折図は、8.5s、10.7w、12.6w、13.2w、21.0w、21.9w、22.7w、24.5w、26.9wおよび28.6w °2Θで線を有する(図19参照)。
【0165】
実施例23:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の5,7−ジメチルイサチン(97%、Aldrich)を用いて行なう。X線粉末回折図は、6.4s、11.1m、11.8m、26.4mおよび26.9m °2Θで線を有する(図20参照;6.9および26.2〜27.0°2Θで線の数は、弱く分解される)。
【0166】
実施例24:実施例23から得られた生成物を氷酢酸から110℃で16時間再結晶させる。X線粉末回折図は、6.9s、9.2w、11.1s、14.2w、20.3w、22.4wおよび26.3m °2Θで線を有する(図21参照)。
【0167】
実施例25:実施例2と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、5,7−ジメチルイサチン3.6g(97%、Aldrich)を用いて行なう。黒色粉末(3.9g)のX線粉末回折図は、6.9s、11.0s、20.3wおよび26.3m °2Θで線を有する(図22参照)。また、この生成物は、実施例24から得られた微少量の多形態を含有するように思われる。
【0168】
実施例26:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、2,1−ナフトイサチン4.0g(CH 93487[1920]の記載により製造した)を用いて行ない、およびトルエンの代わりに、同量の酢酸水溶液(60〜90質量%)を用いて行なう。黒色粉末(4.4g)の質量スペクトル(MALDI)は、m/z548.1で分子イオンピークを有する。
【0169】
実施例27:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量の2,3−ジオキソインドリン−7−カルボン酸(97%、Aldrich)を用いて行なう。X線粉末回折図は、10.6s、14.4w、16.7w、19.1w、23.7w、25.2w、26.6wおよび27.9w °2Θで線を有する(図23参照)。
【0170】
実施例28:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、イサチンの代わりに、等モル量のイサチン−5−スルホン酸ナトリウム塩(98%、Aldrich)を用いて行ない、およびトルエンの代わりに、酢酸水溶液(80質量%)を用いて行なう。黒色生成物のX線粉末回折図は、7.9w、9.7w、11.5w、12.6s、13.5w、15.9w、19.6w、21.4m、22.8w、23.5w、24.0w、25.4m、25.6s、27.9w、28.3w、29.1wおよび30.7w °2Θで線を有する(図24参照)。
【0171】
実施例29:2,5−ジヒドロキシベンゼン−1,4−ジ酢酸9.2g(Aldrich)、イサチン6.0g(98%、Aldrich)、5,7−ジメチルイサチン7.3g(98%、Aldrich)およびクロロベンゼン160ml中のp−トルエンスルホン酸一水和物2.8g(Fluka purum)の混合物を23℃で攪拌し、次に130℃に加熱し、水を除去しながら7時間攪拌し、次にさらに14時間攪拌する。この混合物を冷却し、黒色の懸濁液を濾過する。この残留物をメタノール200mlで洗浄し、および水200mlで洗浄し、60℃/104Paで乾燥する。X線粉末回折図は、7.6s、9.5w、11.8s、20.7w、24.7m、26.4mおよび28.4m °2Θで線を有する(図25参照)。
【0172】
実施例30:2,5−ジヒドロキシベンゼン−1,4−ジ酢酸2.3g(Aldrich)、イサチン1.5g(98%、Aldrich)、5−メチルイサチン1.7g(98%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸一水和物0.7g(Fluka purum)およびクロロベンゼン40mlの混合物を23℃で攪拌し、130℃に加熱し、次に110℃で16時間攪拌し、および実施例29の記載と同様に後処理する。X線粉末回折図は、7.4s、10.0w、11.9s、18.8w、20.1w、22.1w、24.1m、25.0w、26.6mおよび28.6w °2Θで線を有し(図26参照)、本質的に実施例7からの純粋な化合物のX線粉末回折図に相当する(図4参照)。
【0173】
実施例31:0.5リットルの能力を有する混練装置に実施例1からの生成物15g、実施例7からの生成物15g、塩化ナトリウム198gおよびN−メチルピロリドン77gを装入し、回転速度を65rpmに設定する。この装置の壁を20℃に温度調節する。6時間後、水150mlを添加する。得られた混合物を磁性吸込フィルター中に注入し、フィルター上の固体物質をさらに水で、洗浄水が塩不含になるまで洗浄する。生成物を80℃/104Paで12時間乾燥し、0,4mmの目開きを有する篩に通過させる。X線粉末回折図は、7.4s、10.0w、11.9s、18.8w、20.1w、22.1w、24.1m、25.0w、26.6mおよび28.6w °2Θで線を有する(殆ど図26と同一)。
【0174】
実施例32:実施例30と同様に方法を行なうが、しかし、WO 00/24736の実施例12bからの生成物2.0g、5−メチルイサチン1.6g(98%、Aldrich)、5,7−ジメチルイサチン1.8g(96%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸一水和物0.5g(Fluka purum)およびトルエン40mlの混合物を用いて行なう。X線粉末回折図は、7.2s、9.3w、11.3s、19.4w、20.6w、24.5w、26.4m、26.9wおよび28.3w °2Θで線を有する(図27参照)。
【0175】
実施例33:実施例30と同様に方法を行なうが、しかし、2,5−ジヒドロキシベンゼン−1,4−ジ酢酸2.3g(Aldrich)、イサチン1.5g(98%、Aldrich)、5−クロロイサチン1.9g(97%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸一水和物0.7g(Fluka purum)およびトルエン40mlの混合物を用いて行なう。X線粉末回折図は、7.2s、7.4s、10.3w、11.9m、12.2s、13.3w、18.9w、20.2w、22.8m、24.1s、25.3w、26.8sおよび29.0m °2Θで線を有する(図28参照)。
【0176】
実施例34:実施例32と同様に方法を行なうが、しかし、5−メチルイサチン1.6g(98%、Aldrich)、5−クロロイサチン1.9g(97%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸およびトルエンの混合物を用いて行なう。X線粉末回折図は、7.1s、11.6s、19.2w、20.4w、21.9w、24.2m、25.2w、26.7sおよび28.7w °2Θで線を有する(図29参照)。
【0177】
実施例35:実施例30と同様に方法を行なうが、しかし、イサチン1.5g(98%、Aldrich)、5−フルオロイサチン1.7g(97%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸およびクロロベンゼンの混合物を用いて行なう。X線粉末回折図は、6.6s、13.5w、14.7m、15.9w、19.8m、21.6m、22.3w、24.6m、26.6sおよび28.8m °2Θで線を有する(図30参照)。
【0178】
実施例36:実施例30と同様に方法を行なうが、しかし、イサチン1.5g(98%、Aldrich)、5−ブロモイサチン2.5g(90%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸およびクロロベンゼンの混合物を用いて行なう。X線粉末回折図は、7.1m、10.2m、11.8s、13.1w、18.8m、20.2m、22.7s、24.0s、25.3m、26.5s、26.8sおよび28.8m °2Θで線を有する(図31参照)。
【0179】
実施例37:実施例30と同様に方法を行なうが、しかし、イサチン1.5g(98%、Aldrich)、5−メトキシイサチン1.8g(98%、Aldrich)、5−メトキシイサチン1.8g(98%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸およびクロロベンゼンの混合物を用いて行なう。X線粉末回折図は、7.0s、10.4w、11.6m、19.0w、20.3w、22.3w、24.0w、25.3w、26.5mおよび28.7w °2Θで線を有する(図32参照)。
【0180】
実施例38:実施例32と同様に方法を行なうが、しかし、5−ニトロイサチン2g(97%、Aldrich)、5−クロロイサチン1.8g(97%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸およびトルエンの混合物を用いて行なう。X線粉末回折図は、6.1m、11.9m、13.5w、15.0w、16.5w、22.6w、24.1w、24.7wおよび26.9s °2Θで線を有する(図33参照)。
【0181】
実施例39:実施例32と同様に方法を行なうが、しかし、5,7−ジクロロイサチン1.1g(97%、Aldrich)、5−クロロイサチン0.9g(97%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸およびトルエンの混合物を用いて行なう。X線粉末回折図は、4.6s、9.3w、11.6m、14.2w、17.1w、18.8w、22.1w、25.4m、26.0mおよび27.5s °2Θで線を有する(図34参照)。
【0182】
実施例40:実施例38と同様に方法を行なうが、しかし、5−メトキシイサチン1.8g(98%、Aldrich)、5−クロロイサチン0.9g(97%、Aldrich)、p−トルエンスルホン酸およびトルエンの混合物を用いて行なう。X線粉末回折図は、7.0s、11.2s、12.7w、19.4w、20.7w、21.6w、22.5w、24.3w、25.3w、26.8mおよび28.7w °2Θで線を有する(図35参照)。
【0183】
実施例41:実施例1の方法を繰り返すが、しかし、式
【化70】
で示される化合物の代わりに、等モル量の式
【化71】
で示される化合物(J.Org.Chem.32,3155〜3159[1967]の記載により製造した)を使用する。
【0184】
実施例1と同じ生成物が良好な収量で得られる。
【0185】
実施例42:実施例1の方法を繰り返すが、しかし、式
【化72】
で示される化合物の代わりに、等モル量の式
【化73】
で示される化合物(J.Org.Chem.32,3155〜3159[1967]の記載により製造した)を使用する。
【0186】
実施例1と同じ生成物が良好な収量で得られる。
【0187】
実施例43:実施例1からの生成物5.0gを少量ずつ5分間に亘って23℃でクロロスルホン酸30ml中に導入する。反応溶液を3時間攪拌し、次に30分間に亘って氷水500ml中に攪拌混入する。この懸濁液を濾過し、残留物を氷水100mlで洗浄する。30℃/104Paで6時間の乾燥により、黒色粉末3.2gを生じる。質量分光分析法によれば、生成物は、主に実施例1のジクロロスルホニル置換された化合物から構成されている。ESI質量スペクトルにおいて、分子イオンピークは、m/z=644.9で明らかになる(単一のプロトン化分子)。
【0188】
実施例44:実施例1からの生成物5.0gを25%発煙硫酸中に攪拌混入する。この反応溶液を30℃から20℃に冷却し、23℃で4時間攪拌し、氷水500ml中に導入し、再び1時間攪拌する。トリブチルアミン25g(大過剰量)を5分間に亘って添加する。この懸濁液を30分間攪拌し、濾過し、残留物を水50mlで洗浄し、再び水100ml中に懸濁させる。更に、トリブチルアミン5gを前記懸濁液に添加し、次に生成物を2回塩化メチレン150mlで抽出する。2つの有機相を合わせ、ヘキサン1200ml中に攪拌混入し、生成物を微細な結晶物の形で沈殿させる。この懸濁液をさらに30分間攪拌し、ガラス繊維フィルターを通して濾過する。この生成物は、フィルター上から離れる傾向にあるので、この生成物を塩化メチレン100ml中に溶解しかつロータリーエバポレーター上で僅かに高められた温度(40℃未満)で溶剤をストリッピングすることによって生成物を単離するのが好ましい。30℃/104Paで24時間の乾燥後、黒色の固体2.1gが得られる。ESI質量スペクトルにおいて、分子イオンピークは、m/z=606.0で明らかになり、これは、ジスルホン化された化合物のジアニオンに相当する。しかし、スルホ基の位置は、1H−NMR分光分析法によって明らかに指摘することができない(この生成物は、恐らく異性体混合物である;実施例28参照)。
【0189】
実施例45:実施例44と同様に方法を行なうが、しかし、トリブチルアミンの代わりに、同量のトリオクチルメチルアンモニウムブロミドを用いて行なう。これは、黒色の生成物1.6gを生じ、これは、2回中和されたスルホ塩にほぼ相当する。
【0190】
元素分析[%]C76H118N4O12S2:
理論値:C 67.92 H 8.85 N 4.17 O 14.29 S 4.77;
実測値:C 66.35 H 9.11 N 3.77 O 14.30 S 5.45。
【0191】
実施例46:実施例44と同様に方法を行なうが、しかし、トリブチルアミンの代わりに、同量のオクタデシルトリメチルアンモニウムブロミドを用いて行なう。これは、黒色の生成物8.3gを生じ、これは、1回中和されたスルホ塩にほぼ相当する。
【0192】
元素分析[%]C47H57N3O12S2:
理論値:C 61.35 H 6.24 N 4.57 O 20.87 S 6.97;
実測値:C 58.90 H 7.47 N 4.01 O 21.25 S 6.74。
【0193】
実施例47:実施例44と同様に方法を行なうが、しかし、トリブチルアミンの代わりに、同量のテトラエチルアンモニウムブロミドを用いて行なう。これは、黒色の生成物1.2gを生じる。
【0194】
実施例48:実施例1と同様に方法を行なうが、しかし、トルエンの代わりに、エチルアセテートを用いて行なう。主な生成物は、実施例1と同じであるが、しかし、反応は、トルエンの場合よりもかなり遅速に行なわれ、この生成物は、実施例2からの微少量の生成物を含有する。
【0195】
実施例49〜50および比較例51:オキソ生物分解可能なマルチングフィルムを、Dowlex(登録商標)NG 5056−G LLDPE(メルトインデックス 1.1g/分;190℃/2.16kg;トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスファイト0.10質量%およびオクタデシル 3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)0.032質量%を含有する)をターボミキサー(Labo 10、Caccia(登録商標))中で下記の添加剤と混合し、次にこの混合物を200℃以下でペレットに加工し(O.M.C.二軸押出機、φ=19;L/D=25)、最終的にこのペレットを吹込成形(Formac(登録商標)実験室用インフレートフィルム押出機)によって最大210℃で加工し、12μmの厚さを有するフィルムを生じる。
【0196】
【表1】
【0197】
全ての数は、フィルムの100質量部に基づくものである。Plasblack(登録商標)2642は、カーボンブラック40%を含有するPEマスターバッチである。
【0198】
このフィルムをウェザーオメーター(Weather−Ometer(登録商標))(Ci 65A/ATLAS,6500Wキセノン サイクルなし、標準黒体温度63℃)中で暴露し、この場合この試験片は、巨視的な崩壊の開始を示す表面亀裂の発生について周期的に検査される。
【0199】
【表2】
【0200】
本発明(実施例49および50)のマルチングフィルムは、カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)で顔料着色された常用のマルチングフィルム(比較例51)と比較して著しく改善された光安定性を有する。
【0201】
実施例52および比較例53〜54:二段階の分散(最初にDispermat(登録商標)を用いて20分間、次にSkandex(登録商標)中でガラス玉70質量部を用いて4時間)により、次の成分を有する基本配合物を調製する(全ての量は、質量部である):
【表3】
【0202】
次に、この基本配合物を他の成分で希釈し、NIR硬化性ペイントを生じる:
【表4】
【0203】
このペイントをコイルコーティング用プライマーと一緒に20μmの膜厚(乾燥後)でアルミニウムシートに塗布する。硬化のために、加熱を、最初に300℃で30秒間行ない(ピーク金属温度225℃)、引続きコンベヤーベルト上で赤外線加熱炉に通過させる(ベルトからの距離50mm、ベルト速度2m/分、6個のAdphos(登録商標)HB−NIR灯)。試験片の温度を前記炉からの出口で測定し、次にこの試験片を目視的に評価し、メチルエチルケトンを用いて摩擦試験を行なう。比較例53〜54とは異なり、本発明の実施例52は、優れた結果を生じる:
【表5】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒色着色剤、好ましくは黒色顔料を製造する方法において、式
【化1】
で示される1つの化合物と式
【化2】
で示される1つの化合物とを1:2のモル比で、水中で25℃で4.5以下のpKを有する触媒の存在下で反応させ、
上記式中、
R1およびR2は、互いに独立にHであるかまたはそれぞれ置換されていないかまたはハロゲンまたはC1〜C8アルコキシによって置換された、C1〜C24アルキル、C3〜C24シクロアルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C24シクロアルケニルまたはC2〜C24アルキニルであり;置換されていないかまたは1回または数回ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシによって置換されたC7〜C24アラルキルであり;または置換されていないかまたは1回または数回ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシによって置換されたC6〜C24アリールであり;
R3は、H、F、Cl、R8またはOR8、好ましくはHまたはFであり;
R4、R5およびR6は、互いに独立にH、F、Br、Cl、COOH、COOR8、CONH2、CONHR8、CONR8R8、CN、COR8、SO3H、SO2Cl、SO2NH2、SO2NHR8、SO2NR8R8、SO2R8、NO2であり、
R8は、OR8、SR8、NR8R8、NHCOR8または
【化3】
であるか、または
R3とR4、R4とR5またはR5とR6は、一緒になって対で、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、OR、NO、オキソ、チキソまたはSOHによって置換されたC1〜C8アルケンジオキシ基、C3〜C6アルキレン基、C3〜C6アルケニレン基または1,4−ブタジエニレン基を形成し;
R7は、Hであるかまたはそれぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、オキソまたはチオキソによって置換され、および中断されていないかまたは1回または数回O、SまたはNR8によって中断された、C1〜C24アルキル、C3〜C24シクロアルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C24シクロアルケニル、C2〜C24アルキニルまたはC2〜C12ヘテロシクロアルキルであり;またはそれぞれ置換されていないかまたは1回または数回オキソ、チオキソ、F、Br、Cl、COOH、COOR8、CONH2、CONHR8、CONR8R8、CN、COR8、SO3H、SO3Cl、SO2NH2、SO2NHR8、SO2NR8R8、SO2R8、NO2、R8、OR8、SR8、NR8R8、NHCOR8または
【化4】
によって置換された、C7〜C24アラルキル、C1〜C12ヘテロアリール−C1〜C8アルキル、C6〜C24アリールまたはC1〜C12ヘテロアリールであり;および
それぞれR8は、全ての他のR8とは独立に、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、オキソ、チオキソ、OR9、SR9またはNR9R9によって置換された、C1〜C24アルキル、C3〜C24シクロアルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C24シクロアルケニル、C2〜C24アルキニルまたはC2〜C12ヘテロシクロアルキルであり;またはそれぞれ置換されていないかまたは1回または数回オキソ、F、Br、Cl、COOH、CONH2、CONHR9、CONR9R9、SO3H、SO2Cl、SO2NH2、SO2NHR9、SO2NHR9R9、CN、NO2、OR9、SR9、NR9R9、NHCOR9または
【化5】
によって置換された、C7〜C24アラルキル、C1〜C12ヘテロアリール−C1〜C8アルキル、C6〜C24アリールまたはC1〜C12ヘテロアリールであり;
または2個のビシナル−R8は、一緒になって−O−CO−O−、−O−CS−O−、−CO−N−CO−、−N−CO−N−、−N=S=N−、−N−C=C−、−O−C=C−、−S−C=C−、−O−C=N−、−S−C=N−、−N−N=N−、−N=C−C=C−、−C=N−C=C−、−N=C−C=N−、−C=N−N=C−または−C=N−C=N−または−C=C−C=C−を形成し、この場合それぞれ−C=および−N−は、全ての他の−C=および−N−とは独立にHまたはR9によって置換されており;
または2個のジェミナルまたはビシナルR8は、一緒になって、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、オキソまたはチオキソによって置換された、C3〜C8アルキレンまたはC3〜C8アルケニレン基を形成し、この場合0、1または2個のノンビシナルメチレン単位は、O、SまたはNR9によって置換されていてよく;および
それぞれR9は、全ての他のR9とは独立に、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回オキソ、チオキソ、Fおよび/またはO−C1〜C8アルキルによって置換された、C1〜C8アルキル、C3〜C6シクロアルキルまたはベンジルであり;またはそれぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、Br、Cl、CO−C1〜C8アルキル、COOH、CONH、CONHC1〜C8アルキル、CON(C1〜C8アルキル)2、SO3H、SO3Cl、SO2NH2、SO2NHC1〜C8アルキル、SO2N(C1〜C8アルキル)2、CN、NO2、C1〜C8アルキル、OC1〜C8アルキル、SC1〜C8アルキルまたはN(C1〜C8アルキル)によって置換された、フェニルまたはC1〜C5ヘテロアリールであり;
または2個のビシナルR9は、一緒になって−O−CO−O−、−O−CS−O−、−CO−N−CO−、−N−CO−N−、−N=S=N−、−N−C=C−、−O−C=C−、−S−C=C−、−O−C=N−、−S−C=N−、−N−N=N−、−N=C−C=C−、−C=N−C=C−、−N=C−C=N−、−C=N−N=C−または−C=N−C=N−または−C=C−C=C−を形成し、この場合それぞれ−C=および−N−は、全ての他の−C=および−N−とは独立にH、F、オキソ、チオキソ、C1〜C8アルキルまたはOC1〜C8アルキルによって置換されており;
または2個のジェミナルまたはビシナルR9は、一緒になって、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回オキソまたはチオキソによって置換された、C3〜C8アルキレンまたはC3〜C8アルケニレン基を形成し、この場合0、1または2個のノンビシナルメチレン単位は、O、SまたはN(C1〜C8アルキル)によって置換されていてよい、黒色着色剤、好ましくは黒色顔料を製造する方法。
【請求項2】
R3、R5およびR7は、Hであり、R4およびR6は、互いに独立にH、F、Br、Cl、COOH、COOR8、CONH2、CONHR8、CONR8R8、CN、COR8、SO3H、SO2Cl、SO2NH2、SO2NHR8、SO2NR8R8、SO2R8、NO2、R8、OR8またはNHCOR8であり、またはR5およびR6は、一緒になって1,4−ブタジエニレン基を形成する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
黒色着色剤を製造する方法において、式
【化6】
で示される1つの化合物と式
【化7】
〔上記式中、R1およびR2は、互いに独立にHであるかまたはそれぞれ置換されていないかまたはハロゲンまたはC1〜C8アルコキシによって置換された、C1〜C24アルキル、C3〜C24シクロアルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C24シクロアルケニルまたはC2〜C24アルキニルであり;置換されていないかまたは1回または数回ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシによって置換されたC7〜C24アラルキルであり;または置換されていないかまたは1回または数回ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシによって置換されたC6〜C24アリールであり;
R10は、H、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5、F、Cl、Br、NO2、CN、COOHまたはSO3Hであり、
R11は、H、NO2、CN、COOHまたはSO3Hであり、および
R12は、H、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5、FまたはClである〕〕で示される2〜5つの化合物とを、1:2の全体のモル比(i):(iv)で、水中で25℃で4.5以下のpKを有する触媒の存在下で反応させ、この場合式(iv)の化合物の1つの量は、式(iv)の全ての化合物の全体量に対して50質量%〜80質量%であることを特徴とする、黒色着色剤を製造する方法。
【請求項4】
R10は、H、CH3、OCH3、F、Cl、Br、NO2またはSO3Hであり、R11は、HまたはSO3Hであり、およびR12は、H、CH3またはClである、請求項3記載の方法。
【請求項5】
式(iv)の主要成分として、式
【化8】
で示される化合物および式(iv)の第2の化合物として、式
【化9】
〔式中、
R13は、H、C1〜C8アルキル、OC1〜C8アルコキシ、F、Cl、Br、NO2、CN、COOHまたはSO3Hであり、
R14は、H、NO2、CN、COOHまたはSO3Hであり、および
R15は、H、ClまたはC1〜C8アルキルである〕で示される化合物を式(i)の化合物と反応させる、請求項3または4記載の方法。
【請求項6】
黒色着色剤を製造する方法において、式
【化10】
で示される1つの化合物と式
【化11】
〔上記式中、
R1〜R7は、請求項1の記載と同じ定義を有する〕で示される2〜5つの化合物とを、1:2の全体のモル比(i):(ii)で、水中で25℃で4.5以下のpKを有する触媒の存在下で反応させ、この場合式(ii)の化合物の1つの量は、式(ii)の全ての化合物の全体量に対して85質量%〜99.9質量%であり、式
【化12】
で示される化合物は、同時に添加されるかまたは反応前または反応中に任意の順序で添加されることを特徴とする、黒色着色剤を製造する方法。
【請求項7】
式(ii)、(iv)または(v)の化合物は、次の置換基パターン:
R3=R4=R5=R6=R7=H;
R3=R5=R6=R7=H、R4=NO2;
R3=R5=R6=R7=H、R4=OCH3;
R3=R5=R6=R7=H、R4=Cl;
R3=R5=R6=R7=H、R4=F;
R3=R5=R6=R7=H、R4=Br;
R3=R5=R6=R7=H、R4=SO3H;
R3=R5=R6=R7=H、R4=COOH;
R3=R5=R6=R7=H、R4=N(CH3)2;
R3=R5=R6=R7=H、R4=NHCOC1〜C18アルキル、特にNHCOC1〜C12アルキル;
R3=R5=R6=R7=H、R4=C1〜C20アルキル、特にC1〜C14アルキル;
R3=R5=R6=R7=H、R4=C2〜C20アルコキシ、特にC2〜C14アルコキシ;
R3=R5=R7=H、R4=R6=CH3;
R3=R5=R7=H、R4=R6=Cl;
R3=R5=R7=H、R4=Cl、R6=CH3;
R3=R4=R5=R6=H、R7=CH3;
R3=R4=R5=R6=H、R7=C6H5;および
R3=R4=R7=H、一緒になったR5とR6=1,4−ブタジエニレンを有する化合物から構成されている群から選択される、請求項1、2、3、4、5または6に記載の方法。
【請求項8】
反応は、式(i)の化合物1モル当たり触媒5・10-3〜5モル%を用いて2・102〜2・106Paの圧力、20〜250℃の温度および1/2〜100時間の反応時間で行なわれる、請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の方法。
【請求項9】
黒色着色剤は、有利に凝集されていない顔料粒子から構成され、10nm〜10μmの平均粒径Lによって特徴付けられ、この場合好ましくは、粒子の60質量%〜100質量%、よりいっそう好ましくは80質量%〜100質量%は、L±1/2Lの粒径を有する、請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の方法。
【請求項10】
7.8s、10.2w、12.6s、18.6w、21.8w、22.4w、24.4m、25.0w、26.7m、27.2mおよび28.8w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6のモル比1:2での
【化13】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.6s、13.3w、14.8w、21.6w、24.5w、26.4mおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6のモル比1:2での
【化14】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.3s、10.9w、12.7w、14.6w、24.5w、26.4mおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6のモル比1:2での
【化15】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.2s、9.7w、11.6w、12.7w、19.2w、20.4w、21.5w、24.3w、25.0w、26.6wおよび28.5w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O6のモル比1:2での
【化16】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.7w、12.6m、14.1w、15.7w、17.2w、19.6w、23.3w、24.8w、25.4w、27.6s、31.0wおよび34.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N4O10のモル比1:2での
【化17】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.6s、9.7w、13.3w、16.2w、19.9w、22.1w、24.9w、26.9wおよび29.1w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N4O10のモル比1:2での
【化18】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.0s、10.1m、11.8s、20.5m、21.8m、24.2m、26.3sおよび27.9m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O8のモル比1:2での
【化19】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.2s、13.3m、17.8w、22.8w、23.0w、25.0wおよび26.9m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O8のモル比1:2での
【化20】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.1m、11.7s、19.2w、20.5w、22.6m、24.3m、25.6w、26.7m、27.1mおよび29.0w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2のモル比1:2での
【化21】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
4.8m、12.6m、21.8w、24.9mおよび27.4s °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2のモル比1:2での
【化22】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
4.7s、9.3w、14.5w、16.0w、19.7wおよび24.6w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2のモル比1:2での
【化23】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
5.9w、15.2w、23.9w、25.1mおよび26.8s °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H8N2O6Cl4のモル比1:2での
【化24】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
23.9wおよび26.9s °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H8N2O6Cl4のモル比1:2での
【化25】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.7s、14.8m、16.1m、19.9m、21.8m、22.3m、24.8m、26.8sおよび29.1m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6F2のモル比1:2での
【化26】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.7s、9.7W、13.3W、14.9W、16.3W、20.0W、22.3W、25.0W、26.9Wおよび29.2W °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6F2のモル比1:2での
【化27】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
10.0w、11.6m、19.3m、20.6w、22.1s、23,3w、24.3m、25.4m、26.0w、26.9s、28.8wおよび31.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Br2のモル比1:2での
【化28】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.0m、7.0m、9.2w、11.1s、19.7w、20.6m、22.4w、25.0m、26.5sおよび28.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C28H14N2O6Cl2のモル比1:2での
【化29】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.7s、9.6w、10.7w、14.4w、15.2w、19.9w、21.6wおよび25.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C38H20N2O6のモル比1:2での
【化30】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
8.5s、10.7w、12.6w、13.2w、21.0w、21.9w、22.7w、24.5w、26.9wおよび28.6w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O6のモル比1:2での
【化31】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.9s、9.2w、11.1s、14.2w、20.3w、22.4wおよび26.3m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C30H20N2O6のモル比1:2でのトルエン中p−トルエンスルホン酸を用いる、
【化32】
からの酸性触媒反応、引続く氷酢酸またはN−メチルピロリドンからの再結晶によって得られる反応生成物、
6.9s、11.0s、20.3wおよび26.3m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C30H20N2O6のモル比1:2での
【化33】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
10.6s、14.4w、16.7w、19.1w、23.7w、25.2w、26.6wおよび27.9w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C30H16N2O10のモル比1:2での
【化34】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.9w、9.7w、11.5w、12.6s、13.5w、15.9w、19.6w、21.4m、22.8w、23.5w、24.0w、25.4m、25.6s、27.9w、28.3w、29.1wおよび30.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O12S2のモル比1:2での
【化35】
からp−トルエンスルホン酸を用いる酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
分子イオンピークm/z 548.1を有する質量スペクトルによって特徴付けられた、実験式C34H16N2O6のモル比1:2での
【化36】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物から構成される群から選択された、請求項1、2、7、8または9の記載により得られる黒色着色剤。
【請求項11】
7.6s、9.5w、11.8s、20.7w、24.7m、26.4mおよび28.4m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C28H16N2O6およびC30H20N2O6の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化37】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.4s、10.0w、11.9s、18.8w、20.1w、22.1w、24.1m、25.0w、26.6mおよび28.6w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C27H14N2O6およびC28H16N2O6の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化38】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.2s、9.3w、11.3s、19.4w、20.6w、24.5w、26.4m、26.9wおよび28.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O6、C29H18N2O6およびC30H20N2O6の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化39】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.2s、7.4s、10.3w、11.9m、12.2s、13.3w、18.9w、20.2w、22.8m、24.1s、25.3w、26.8sおよび29.0m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C26H11N2O6ClおよびC26H10N2O6Cl2の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化40】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.1s、11.6s、19.2w、20.4w、21.9w、24.2m、25.2w、26.7sおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2、C27H13N2O6ClおよびC28H16N2O6の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化41】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.6s、13.5w、14.7m、15.9w、19.8m、21.6m、22.3w、24.6m、26.6sおよび28.8m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C26H11N2O6FおよびC26H10N2O6F2の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化42】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.1m、10.2m、11.8s、13.1w、18.8m、20.2m、22.7s、24.0s、25.3m、26.5s、26.8sおよび28.8m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C26H11N2O6BrおよびC26H10N2O6Br2の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化43】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.0s、10.4w、11.6m、19.0w、20.3w、22.3w、24.0w、25.3w、26.5mおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C27H14N2O7およびC28H16N2O8の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化44】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.1m、11.9m、13.5w、15.0w、16.5w、22.6w、24.1w、24.7wおよび26.9s °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2、C26H10N3O8ClおよびC26H10N4O10の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化45】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
4.6s、9.3w、11.6m、14.2w、17.1w、18.8w、22.1w、25.4m、26.0mおよび27.5s °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2、C26H9N2O6Cl3およびC26H8N2O6Cl4の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化46】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.0s、11.2s、12.7w、19.4w、20.7w、21.6w、22.5w、24.3w、25.3w、26.8mおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2、C27H13N2O7ClおよびC28H16N2O8の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化47】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物から構成される群から選択された、請求項3、4、5、8または9の記載により得られる黒色着色剤。
【請求項12】
1:2の全体のモル比(i):(ii)で、水中で25℃で4.5以下のpKを有する触媒の存在下での式
【化48】
で示される1つの化合物と式
【化49】
で示される1つの化合物および式
【化50】
で示される1〜4つの他の化合物との反応生成物を含有する黒色着色剤組成物であって、この場合、式(iia)の化合物の量は、式(iia)および(iib)の化合物の全体量に対して85質量%〜99.9質量%であり、および式(iia)および(iib)中のR3、R4、R5、R6およびR7は、互いに独立に請求項1に記載、好ましくは請求項2に記載、よりいっそう好ましくは請求項7に記載の式(ii)中の定義と同じ定義を有する、上記の黒色着色剤組成物。
【請求項13】
ペイント、印刷用インクおよびプラスチックを全体として着色するための、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の記載により得られる黒色着色剤の使用、請求項10または11記載の黒色着色剤の使用、または請求項12記載の黒色着色剤組成物の使用。
【請求項14】
他の結晶の多形態が着色剤の全ての結晶の多形態の全体量に対して20質量%未満、好ましくは10質量%未満の量で存在する、請求項13記載の黒色着色剤の使用。
【請求項15】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の記載により得られる黒色着色剤、請求項10、11または13に記載の黒色着色剤または請求項12記載の黒色着色剤組成物を、全体の着色された高分子量材料に対して0.01質量%〜70質量%含有する、練込み着色された高分子量材料。
【請求項16】
それぞれ着色された全体の高分子量材料に対して、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の記載により得られる黒色着色剤、請求項10または11に記載の黒色着色剤または請求項12記載の黒色着色剤組成物0.01質量%〜70質量%、好ましくは0.05質量%〜30質量%および塩基性光安定剤または塩基性光安定剤の混合物0.01質量%〜20質量%、好ましくは0.1質量%〜10質量%、よりいっそう好ましくは0.2質量%〜5質量%を含有する、練込み着色された高分子量材料。
【請求項17】
請求項15または16に記載の練込み着色された高分子量材料を有し、好ましくは請求項15または16に記載の練込み着色された高分子量材料および場合によっては体質顔料および/または補強材料を含有する、マルチングフィルム、インストルメント・パネルまたは織物、庭園家具製品または構造物工業用要素。
【請求項18】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の記載により得られる黒色着色剤、請求項10または11に記載の黒色着色剤または請求項12記載の黒色着色剤組成物がスルホン化されるか、クロロスルホン化されるか、カルボキシル基またはスルホ基で中和されるか、またはSO2Cl基でアミド化される、着色剤の製造法。
【請求項1】
黒色着色剤、好ましくは黒色顔料を製造する方法において、式
【化1】
で示される1つの化合物と式
【化2】
で示される1つの化合物とを1:2のモル比で、水中で25℃で4.5以下のpKを有する触媒の存在下で反応させ、
上記式中、
R1およびR2は、互いに独立にHであるかまたはそれぞれ置換されていないかまたはハロゲンまたはC1〜C8アルコキシによって置換された、C1〜C24アルキル、C3〜C24シクロアルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C24シクロアルケニルまたはC2〜C24アルキニルであり;置換されていないかまたは1回または数回ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシによって置換されたC7〜C24アラルキルであり;または置換されていないかまたは1回または数回ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシによって置換されたC6〜C24アリールであり;
R3は、H、F、Cl、R8またはOR8、好ましくはHまたはFであり;
R4、R5およびR6は、互いに独立にH、F、Br、Cl、COOH、COOR8、CONH2、CONHR8、CONR8R8、CN、COR8、SO3H、SO2Cl、SO2NH2、SO2NHR8、SO2NR8R8、SO2R8、NO2であり、
R8は、OR8、SR8、NR8R8、NHCOR8または
【化3】
であるか、または
R3とR4、R4とR5またはR5とR6は、一緒になって対で、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、OR、NO、オキソ、チキソまたはSOHによって置換されたC1〜C8アルケンジオキシ基、C3〜C6アルキレン基、C3〜C6アルケニレン基または1,4−ブタジエニレン基を形成し;
R7は、Hであるかまたはそれぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、オキソまたはチオキソによって置換され、および中断されていないかまたは1回または数回O、SまたはNR8によって中断された、C1〜C24アルキル、C3〜C24シクロアルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C24シクロアルケニル、C2〜C24アルキニルまたはC2〜C12ヘテロシクロアルキルであり;またはそれぞれ置換されていないかまたは1回または数回オキソ、チオキソ、F、Br、Cl、COOH、COOR8、CONH2、CONHR8、CONR8R8、CN、COR8、SO3H、SO3Cl、SO2NH2、SO2NHR8、SO2NR8R8、SO2R8、NO2、R8、OR8、SR8、NR8R8、NHCOR8または
【化4】
によって置換された、C7〜C24アラルキル、C1〜C12ヘテロアリール−C1〜C8アルキル、C6〜C24アリールまたはC1〜C12ヘテロアリールであり;および
それぞれR8は、全ての他のR8とは独立に、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、オキソ、チオキソ、OR9、SR9またはNR9R9によって置換された、C1〜C24アルキル、C3〜C24シクロアルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C24シクロアルケニル、C2〜C24アルキニルまたはC2〜C12ヘテロシクロアルキルであり;またはそれぞれ置換されていないかまたは1回または数回オキソ、F、Br、Cl、COOH、CONH2、CONHR9、CONR9R9、SO3H、SO2Cl、SO2NH2、SO2NHR9、SO2NHR9R9、CN、NO2、OR9、SR9、NR9R9、NHCOR9または
【化5】
によって置換された、C7〜C24アラルキル、C1〜C12ヘテロアリール−C1〜C8アルキル、C6〜C24アリールまたはC1〜C12ヘテロアリールであり;
または2個のビシナル−R8は、一緒になって−O−CO−O−、−O−CS−O−、−CO−N−CO−、−N−CO−N−、−N=S=N−、−N−C=C−、−O−C=C−、−S−C=C−、−O−C=N−、−S−C=N−、−N−N=N−、−N=C−C=C−、−C=N−C=C−、−N=C−C=N−、−C=N−N=C−または−C=N−C=N−または−C=C−C=C−を形成し、この場合それぞれ−C=および−N−は、全ての他の−C=および−N−とは独立にHまたはR9によって置換されており;
または2個のジェミナルまたはビシナルR8は、一緒になって、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、オキソまたはチオキソによって置換された、C3〜C8アルキレンまたはC3〜C8アルケニレン基を形成し、この場合0、1または2個のノンビシナルメチレン単位は、O、SまたはNR9によって置換されていてよく;および
それぞれR9は、全ての他のR9とは独立に、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回オキソ、チオキソ、Fおよび/またはO−C1〜C8アルキルによって置換された、C1〜C8アルキル、C3〜C6シクロアルキルまたはベンジルであり;またはそれぞれ置換されていないかまたは1回または数回F、Br、Cl、CO−C1〜C8アルキル、COOH、CONH、CONHC1〜C8アルキル、CON(C1〜C8アルキル)2、SO3H、SO3Cl、SO2NH2、SO2NHC1〜C8アルキル、SO2N(C1〜C8アルキル)2、CN、NO2、C1〜C8アルキル、OC1〜C8アルキル、SC1〜C8アルキルまたはN(C1〜C8アルキル)によって置換された、フェニルまたはC1〜C5ヘテロアリールであり;
または2個のビシナルR9は、一緒になって−O−CO−O−、−O−CS−O−、−CO−N−CO−、−N−CO−N−、−N=S=N−、−N−C=C−、−O−C=C−、−S−C=C−、−O−C=N−、−S−C=N−、−N−N=N−、−N=C−C=C−、−C=N−C=C−、−N=C−C=N−、−C=N−N=C−または−C=N−C=N−または−C=C−C=C−を形成し、この場合それぞれ−C=および−N−は、全ての他の−C=および−N−とは独立にH、F、オキソ、チオキソ、C1〜C8アルキルまたはOC1〜C8アルキルによって置換されており;
または2個のジェミナルまたはビシナルR9は、一緒になって、それぞれ置換されていないかまたは1回または数回オキソまたはチオキソによって置換された、C3〜C8アルキレンまたはC3〜C8アルケニレン基を形成し、この場合0、1または2個のノンビシナルメチレン単位は、O、SまたはN(C1〜C8アルキル)によって置換されていてよい、黒色着色剤、好ましくは黒色顔料を製造する方法。
【請求項2】
R3、R5およびR7は、Hであり、R4およびR6は、互いに独立にH、F、Br、Cl、COOH、COOR8、CONH2、CONHR8、CONR8R8、CN、COR8、SO3H、SO2Cl、SO2NH2、SO2NHR8、SO2NR8R8、SO2R8、NO2、R8、OR8またはNHCOR8であり、またはR5およびR6は、一緒になって1,4−ブタジエニレン基を形成する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
黒色着色剤を製造する方法において、式
【化6】
で示される1つの化合物と式
【化7】
〔上記式中、R1およびR2は、互いに独立にHであるかまたはそれぞれ置換されていないかまたはハロゲンまたはC1〜C8アルコキシによって置換された、C1〜C24アルキル、C3〜C24シクロアルキル、C2〜C24アルケニル、C3〜C24シクロアルケニルまたはC2〜C24アルキニルであり;置換されていないかまたは1回または数回ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシによって置換されたC7〜C24アラルキルであり;または置換されていないかまたは1回または数回ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシによって置換されたC6〜C24アリールであり;
R10は、H、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5、F、Cl、Br、NO2、CN、COOHまたはSO3Hであり、
R11は、H、NO2、CN、COOHまたはSO3Hであり、および
R12は、H、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5、FまたはClである〕〕で示される2〜5つの化合物とを、1:2の全体のモル比(i):(iv)で、水中で25℃で4.5以下のpKを有する触媒の存在下で反応させ、この場合式(iv)の化合物の1つの量は、式(iv)の全ての化合物の全体量に対して50質量%〜80質量%であることを特徴とする、黒色着色剤を製造する方法。
【請求項4】
R10は、H、CH3、OCH3、F、Cl、Br、NO2またはSO3Hであり、R11は、HまたはSO3Hであり、およびR12は、H、CH3またはClである、請求項3記載の方法。
【請求項5】
式(iv)の主要成分として、式
【化8】
で示される化合物および式(iv)の第2の化合物として、式
【化9】
〔式中、
R13は、H、C1〜C8アルキル、OC1〜C8アルコキシ、F、Cl、Br、NO2、CN、COOHまたはSO3Hであり、
R14は、H、NO2、CN、COOHまたはSO3Hであり、および
R15は、H、ClまたはC1〜C8アルキルである〕で示される化合物を式(i)の化合物と反応させる、請求項3または4記載の方法。
【請求項6】
黒色着色剤を製造する方法において、式
【化10】
で示される1つの化合物と式
【化11】
〔上記式中、
R1〜R7は、請求項1の記載と同じ定義を有する〕で示される2〜5つの化合物とを、1:2の全体のモル比(i):(ii)で、水中で25℃で4.5以下のpKを有する触媒の存在下で反応させ、この場合式(ii)の化合物の1つの量は、式(ii)の全ての化合物の全体量に対して85質量%〜99.9質量%であり、式
【化12】
で示される化合物は、同時に添加されるかまたは反応前または反応中に任意の順序で添加されることを特徴とする、黒色着色剤を製造する方法。
【請求項7】
式(ii)、(iv)または(v)の化合物は、次の置換基パターン:
R3=R4=R5=R6=R7=H;
R3=R5=R6=R7=H、R4=NO2;
R3=R5=R6=R7=H、R4=OCH3;
R3=R5=R6=R7=H、R4=Cl;
R3=R5=R6=R7=H、R4=F;
R3=R5=R6=R7=H、R4=Br;
R3=R5=R6=R7=H、R4=SO3H;
R3=R5=R6=R7=H、R4=COOH;
R3=R5=R6=R7=H、R4=N(CH3)2;
R3=R5=R6=R7=H、R4=NHCOC1〜C18アルキル、特にNHCOC1〜C12アルキル;
R3=R5=R6=R7=H、R4=C1〜C20アルキル、特にC1〜C14アルキル;
R3=R5=R6=R7=H、R4=C2〜C20アルコキシ、特にC2〜C14アルコキシ;
R3=R5=R7=H、R4=R6=CH3;
R3=R5=R7=H、R4=R6=Cl;
R3=R5=R7=H、R4=Cl、R6=CH3;
R3=R4=R5=R6=H、R7=CH3;
R3=R4=R5=R6=H、R7=C6H5;および
R3=R4=R7=H、一緒になったR5とR6=1,4−ブタジエニレンを有する化合物から構成されている群から選択される、請求項1、2、3、4、5または6に記載の方法。
【請求項8】
反応は、式(i)の化合物1モル当たり触媒5・10-3〜5モル%を用いて2・102〜2・106Paの圧力、20〜250℃の温度および1/2〜100時間の反応時間で行なわれる、請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の方法。
【請求項9】
黒色着色剤は、有利に凝集されていない顔料粒子から構成され、10nm〜10μmの平均粒径Lによって特徴付けられ、この場合好ましくは、粒子の60質量%〜100質量%、よりいっそう好ましくは80質量%〜100質量%は、L±1/2Lの粒径を有する、請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の方法。
【請求項10】
7.8s、10.2w、12.6s、18.6w、21.8w、22.4w、24.4m、25.0w、26.7m、27.2mおよび28.8w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6のモル比1:2での
【化13】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.6s、13.3w、14.8w、21.6w、24.5w、26.4mおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6のモル比1:2での
【化14】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.3s、10.9w、12.7w、14.6w、24.5w、26.4mおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6のモル比1:2での
【化15】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.2s、9.7w、11.6w、12.7w、19.2w、20.4w、21.5w、24.3w、25.0w、26.6wおよび28.5w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O6のモル比1:2での
【化16】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.7w、12.6m、14.1w、15.7w、17.2w、19.6w、23.3w、24.8w、25.4w、27.6s、31.0wおよび34.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N4O10のモル比1:2での
【化17】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.6s、9.7w、13.3w、16.2w、19.9w、22.1w、24.9w、26.9wおよび29.1w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N4O10のモル比1:2での
【化18】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.0s、10.1m、11.8s、20.5m、21.8m、24.2m、26.3sおよび27.9m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O8のモル比1:2での
【化19】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.2s、13.3m、17.8w、22.8w、23.0w、25.0wおよび26.9m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O8のモル比1:2での
【化20】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.1m、11.7s、19.2w、20.5w、22.6m、24.3m、25.6w、26.7m、27.1mおよび29.0w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2のモル比1:2での
【化21】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
4.8m、12.6m、21.8w、24.9mおよび27.4s °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2のモル比1:2での
【化22】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
4.7s、9.3w、14.5w、16.0w、19.7wおよび24.6w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2のモル比1:2での
【化23】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
5.9w、15.2w、23.9w、25.1mおよび26.8s °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H8N2O6Cl4のモル比1:2での
【化24】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
23.9wおよび26.9s °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H8N2O6Cl4のモル比1:2での
【化25】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.7s、14.8m、16.1m、19.9m、21.8m、22.3m、24.8m、26.8sおよび29.1m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6F2のモル比1:2での
【化26】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.7s、9.7W、13.3W、14.9W、16.3W、20.0W、22.3W、25.0W、26.9Wおよび29.2W °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6F2のモル比1:2での
【化27】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
10.0w、11.6m、19.3m、20.6w、22.1s、23,3w、24.3m、25.4m、26.0w、26.9s、28.8wおよび31.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Br2のモル比1:2での
【化28】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.0m、7.0m、9.2w、11.1s、19.7w、20.6m、22.4w、25.0m、26.5sおよび28.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C28H14N2O6Cl2のモル比1:2での
【化29】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.7s、9.6w、10.7w、14.4w、15.2w、19.9w、21.6wおよび25.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C38H20N2O6のモル比1:2での
【化30】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
8.5s、10.7w、12.6w、13.2w、21.0w、21.9w、22.7w、24.5w、26.9wおよび28.6w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O6のモル比1:2での
【化31】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.9s、9.2w、11.1s、14.2w、20.3w、22.4wおよび26.3m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C30H20N2O6のモル比1:2でのトルエン中p−トルエンスルホン酸を用いる、
【化32】
からの酸性触媒反応、引続く氷酢酸またはN−メチルピロリドンからの再結晶によって得られる反応生成物、
6.9s、11.0s、20.3wおよび26.3m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C30H20N2O6のモル比1:2での
【化33】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
10.6s、14.4w、16.7w、19.1w、23.7w、25.2w、26.6wおよび27.9w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C30H16N2O10のモル比1:2での
【化34】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.9w、9.7w、11.5w、12.6s、13.5w、15.9w、19.6w、21.4m、22.8w、23.5w、24.0w、25.4m、25.6s、27.9w、28.3w、29.1wおよび30.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O12S2のモル比1:2での
【化35】
からp−トルエンスルホン酸を用いる酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
分子イオンピークm/z 548.1を有する質量スペクトルによって特徴付けられた、実験式C34H16N2O6のモル比1:2での
【化36】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物から構成される群から選択された、請求項1、2、7、8または9の記載により得られる黒色着色剤。
【請求項11】
7.6s、9.5w、11.8s、20.7w、24.7m、26.4mおよび28.4m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C28H16N2O6およびC30H20N2O6の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化37】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.4s、10.0w、11.9s、18.8w、20.1w、22.1w、24.1m、25.0w、26.6mおよび28.6w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C27H14N2O6およびC28H16N2O6の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化38】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.2s、9.3w、11.3s、19.4w、20.6w、24.5w、26.4m、26.9wおよび28.3w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C28H16N2O6、C29H18N2O6およびC30H20N2O6の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化39】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.2s、7.4s、10.3w、11.9m、12.2s、13.3w、18.9w、20.2w、22.8m、24.1s、25.3w、26.8sおよび29.0m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C26H11N2O6ClおよびC26H10N2O6Cl2の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化40】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.1s、11.6s、19.2w、20.4w、21.9w、24.2m、25.2w、26.7sおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2、C27H13N2O6ClおよびC28H16N2O6の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化41】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.6s、13.5w、14.7m、15.9w、19.8m、21.6m、22.3w、24.6m、26.6sおよび28.8m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C26H11N2O6FおよびC26H10N2O6F2の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化42】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.1m、10.2m、11.8s、13.1w、18.8m、20.2m、22.7s、24.0s、25.3m、26.5s、26.8sおよび28.8m °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C26H11N2O6BrおよびC26H10N2O6Br2の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化43】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.0s、10.4w、11.6m、19.0w、20.3w、22.3w、24.0w、25.3w、26.5mおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H12N2O6、C27H14N2O7およびC28H16N2O8の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化44】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
6.1m、11.9m、13.5w、15.0w、16.5w、22.6w、24.1w、24.7wおよび26.9s °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2、C26H10N3O8ClおよびC26H10N4O10の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化45】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
4.6s、9.3w、11.6m、14.2w、17.1w、18.8w、22.1w、25.4m、26.0mおよび27.5s °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2、C26H9N2O6Cl3およびC26H8N2O6Cl4の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化46】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物、
7.0s、11.2s、12.7w、19.4w、20.7w、21.6w、22.5w、24.3w、25.3w、26.8mおよび28.7w °2Θで線を有するX線粉末回折図によって特徴付けられた、実験式C26H10N2O6Cl2、C27H13N2O7ClおよびC28H16N2O8の複数の化合物を有する、モル比1:1:1での
【化47】
から酸性触媒反応によって得られる反応生成物から構成される群から選択された、請求項3、4、5、8または9の記載により得られる黒色着色剤。
【請求項12】
1:2の全体のモル比(i):(ii)で、水中で25℃で4.5以下のpKを有する触媒の存在下での式
【化48】
で示される1つの化合物と式
【化49】
で示される1つの化合物および式
【化50】
で示される1〜4つの他の化合物との反応生成物を含有する黒色着色剤組成物であって、この場合、式(iia)の化合物の量は、式(iia)および(iib)の化合物の全体量に対して85質量%〜99.9質量%であり、および式(iia)および(iib)中のR3、R4、R5、R6およびR7は、互いに独立に請求項1に記載、好ましくは請求項2に記載、よりいっそう好ましくは請求項7に記載の式(ii)中の定義と同じ定義を有する、上記の黒色着色剤組成物。
【請求項13】
ペイント、印刷用インクおよびプラスチックを全体として着色するための、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の記載により得られる黒色着色剤の使用、請求項10または11記載の黒色着色剤の使用、または請求項12記載の黒色着色剤組成物の使用。
【請求項14】
他の結晶の多形態が着色剤の全ての結晶の多形態の全体量に対して20質量%未満、好ましくは10質量%未満の量で存在する、請求項13記載の黒色着色剤の使用。
【請求項15】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の記載により得られる黒色着色剤、請求項10、11または13に記載の黒色着色剤または請求項12記載の黒色着色剤組成物を、全体の着色された高分子量材料に対して0.01質量%〜70質量%含有する、練込み着色された高分子量材料。
【請求項16】
それぞれ着色された全体の高分子量材料に対して、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の記載により得られる黒色着色剤、請求項10または11に記載の黒色着色剤または請求項12記載の黒色着色剤組成物0.01質量%〜70質量%、好ましくは0.05質量%〜30質量%および塩基性光安定剤または塩基性光安定剤の混合物0.01質量%〜20質量%、好ましくは0.1質量%〜10質量%、よりいっそう好ましくは0.2質量%〜5質量%を含有する、練込み着色された高分子量材料。
【請求項17】
請求項15または16に記載の練込み着色された高分子量材料を有し、好ましくは請求項15または16に記載の練込み着色された高分子量材料および場合によっては体質顔料および/または補強材料を含有する、マルチングフィルム、インストルメント・パネルまたは織物、庭園家具製品または構造物工業用要素。
【請求項18】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の記載により得られる黒色着色剤、請求項10または11に記載の黒色着色剤または請求項12記載の黒色着色剤組成物がスルホン化されるか、クロロスルホン化されるか、カルボキシル基またはスルホ基で中和されるか、またはSO2Cl基でアミド化される、着色剤の製造法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【公表番号】特表2012−515234(P2012−515234A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545661(P2011−545661)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067953
【国際公開番号】WO2010/081625
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067953
【国際公開番号】WO2010/081625
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】
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