説明

木材の生材の加熱改質処理方法と木材の生材の加熱 改質処理装置

【目的】従来から、木材を自然乾燥し、建築用素材、産業用素材、生活用素材としてその利用範囲を広く活用させてきた。そこで、その自然乾燥方法に勝る木材の組織の改質方法は無い。本発明は、この問題を解決することを目的とする。
【構成】本発明は、まず、熱エネルギー発生室で発生した熱エネルギーを被処理材加熱改質処理室2に送り込み、その被処理材加熱改質処理室2に収容した被処理材4の木材の生材を加熱し、その生材の中の水温を上昇させて蒸発させ、木材の生材の含水率が3%乃至25%の範囲の適切な含水率のところまで到達すると、次に、熱エネルギー発生室からの熱エネルギーの供給を弱め或いは停止して、木材の生材の加熱改質処理済木材を被処理材加熱改質処理室2から外部に搬出させるようにした木材の生材の加熱改質処理方法であり、その加熱改質処理装置である。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、木材の生材の加熱改質処理方法と木材の生材の加熱改質処理装置に関し、特に、多量の丸太などの木材の生材の加熱改質処理方法と多量の丸太などの木材の生材の加熱改質処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、木材の生材を長時間かけて自然乾燥し、適度の乾燥度にして加工し製品化し使用してきた。しかし、木材の生材を自然乾燥させるためには、長時間かけなければ所望の性質の木材を得ることができないことが問題であった。そこで、木材の生材を長時間かけることなく人為的に乾燥し、所望の性質の木材を得ることに努力を重ねてきたが、いまだ、実用性の高い成果は得られていない。それでも、従来から、木材は、建築用素材、産業用素材、その他の生活用素材としてその利用範囲が広く、多方面で十分活用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、木材は、生命体である樹木から得られるものであって、その樹木の成長過程が樹木の組織に変化を与え、特に、辺材と心材とではその樹木の組織に格段の変化が生じる。また、異なる樹木の間でもそれぞれの樹木の組織に変化が生じる。そこで、それらの変化を十分考慮して個々の樹木を木材として利用するにあたり、その素材となる樹木に適応した用途を選び、それらの樹木の性質を生かして活用する工夫が必要である。それ故に、金属や合成樹脂のように均一の組織を持ち、均一の性質を有するものと樹木とは基本的に相違しているといえる。そこで、樹木の組織を安定させるために、従来から、木材の組織を安定させるための幾多の研究がなされてきたが自然乾燥方法に勝る木材の組織を安定化させる改質方法は無かった。本発明は、この問題を解決することを第一の目的とする。また、従来の木材の自然乾燥方法は、数年間の長期間の自然乾燥処理により、はじめて所望の性質の木材を得ることができるのであって自然乾燥処理技術を抜本的に改善しないかぎり、比較的短期間で木材の組織を改質することは望めないことであった。本発明は、この問題を解決することを第二の目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、まず、熱エネルギー発生室で発生した熱エネルギーを被処理材加熱改質処理室に送り込み、その被処理材加熱改質処理室に収容した被処理材である木材の生材を加熱し、その木材の生材の中の水温が上昇して蒸発をはじめ、被処理材加熱改質処理室内の室温を摂氏80度以上で被処理材である木材の生材が炭化しない程度の適切な高温の温度条件にし、その温度条件の雰囲気の下で、被処理材である木材の生材の中の水が盛んに蒸発するようにし、その蒸発の状態を所望時間の間継続させて、被処理材である木材の生材の含水率が3%乃至25%の範囲の適切な含水率のところまで到達すると、次に、熱エネルギー発生室からの熱エネルギーの供給を弱め或いは停止して、次に、被処理材である木材の生材の加熱改質処理済木材を被処理材加熱改質処理室から外部に取り出すようにした木材の生材の加熱改質処理方法であり、そして、本発明は、熱エネルギー発生室と被処理材加熱改質処理室とからなり、前記熱エネルギー発生室に熱エネルギー発生材投入口を設け、その投入口に投入口閉鎖用断熱扉を設け、前記被処理材加熱改質処理室に被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を設け、その被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口に被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口閉鎖用断熱扉を設け、前記熱エネルギー発生室と前記被処理材加熱改質処理室との間を通孔を介して連通させて前記熱エネルギー発生室内で発生させた熱エネルギーを前記被処理材加熱改質処理室に供給しうるようにした木材の生材の加熱改質処理装置である。
【0005】
【作用】本発明の木材の生材の加熱改質処理方法は、まず、熱エネルギー発生室で発生した熱エネルギーを被処理材加熱改質処理室に送り込み、その被処理材加熱改質処理室に収容した被処理材である木材の生材を加熱し、その木材の生材の中の水温が上昇して蒸発をはじめ、被処理材加熱改質処理室内の室温を摂氏80度以上で被処理材である木材の生材が炭化しない程度の適切な高温の温度条件にし、その温度条件の雰囲気の下で、被処理材である木材の生材の中の水が盛んに蒸発するようにし、その蒸発の状態を所望時間の間継続させて、被処理材である木材の生材の含水率が3%乃至25%の範囲の適切な含水率のところまで到達すると、次に、熱エネルギー発生室からの熱エネルギーの供給を弱め或いは停止して、次に、被処理材である木材の生材の加熱改質処理済木材を被処理材加熱改質処理室から外部に取り出すようにしたので比較的短期間で木材の組織を改質することができる。そして、本発明の木材の生材の加熱改質処理方法は、熱エネルギー発生室で発生した熱エネルギーを被処理材加熱改質処理室に送り込んで被処理材加熱改質処理室に収容した被処理材である木材の生材を加熱して、その木材の生材の中の水を蒸発させ、短期間で所望の乾燥条件を比較的容易に獲得しうる。また、本発明の木材の生材の加熱改質処理装置は、熱エネルギー発生室と被処理材加熱改質処理室とからなり、前記熱エネルギー発生室に熱エネルギー発生材投入口を設け、その投入口に投入口閉鎖用断熱扉を設け、前記被処理材加熱改質処理室に被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を設け、その被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口に被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口閉鎖用断熱扉を設け、前記熱エネルギー発生室と前記被処理材加熱改質処理室との間を通孔を介して連通させて前記熱エネルギー発生室内で発生させた熱エネルギーを前記被処理材加熱改質処理室に供給しうるようにしたので、一方で、間伐材などの可燃性材料の燃料などからなる熱エネルギー発生材の投入口閉鎖用断熱扉を開いて熱エネルギー発生材を前記熱エネルギー発生室に容易に供給しうるようにし、他方で、被処理材加熱改質処理室に収容するための被処理材である木材の生材を外部から被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を介して被処理材加熱改質処理室に供給することができる。そして、被処理材の加熱改質処理の後に、所望の乾燥条件に到達すると被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を開いて加熱改質処理済木材を被処理材加熱改質処理室から容易に搬出させうる。また、本発明の木材の生材の加熱改質処理装置は、被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を介して被処理用木材を搬入し、その被処理用木材を所望時間かけて加熱改質処理して後、加熱改質処理済木材を容易に搬出させうるのであるが、特に、多量の被処理用木材を台車に載置してレール上を移動しうるようにし、外部から被処理材加熱改質処理室に向けて多量の被処理用木材を容易に搬入することができるとともに多量の被処理用木材を被処理材加熱改質処理室に容易に搬入してその被処理用木材を所望時間かけて加熱改質処理して後、被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を開いて加熱改質処理済木材を台車に載置したままで被処理材加熱改質処理室から容易に搬出させうる。
【0006】
【実施例1】本発明は、まず、熱エネルギー発生室で発生した熱エネルギーを熱風の状態にして被処理材加熱改質処理室に送り込み、その被処理材加熱改質処理室に収容した被処理材である木材の生材を加熱し、その木材の生材の中の水温が上昇して蒸発をはじめ、被処理材加熱改質処理室内の室温を摂氏160度乃至摂氏260度の範囲の適切な高温の温度条件にし、その温度条件の雰囲気の下で、被処理材である木材の生材の中の水が盛んに蒸発するようにし、その蒸発の状態を所望時間の間継続させて、被処理材である木材の生材の含水率が3%乃至25%の範囲の適切な含水率のところまで到達すると、次に、熱エネルギー発生室からの熱エネルギーの供給を弱め或いは停止して、次に、被処理材である木材の生材の加熱改質処理済木材を被処理材加熱改質処理室から外部に取り出すようにした木材の生材の加熱改質処理方法である。
【0007】
【実施例2】本発明は、まず、被処理材である木材の生材を台車に載置して被処理材加熱改質処理室に台車とともに搬入し、次に、被処理材加熱改質処理室に隣接した熱エネルギー発生室で可燃性燃料を燃焼させて生じた熱エネルギーを熱風の状態にして被処理材加熱改質処理室に送り込み、その被処理材加熱改質処理室に収容した被処理材である木材の生材を加熱し、その木材の生材の中の水温が上昇して蒸発をはじめ、被処理材加熱改質処理室内の室温を摂氏160度乃至摂氏260度の範囲の適切な高温の温度条件にし、その温度条件の雰囲気の下で、被処理材である木材の生材の中の水が盛んに蒸発するようにし、その蒸発の状態を所望時間の間継続させて、被処理材である木材の生材の含水率が3%乃至25%の範囲の適切な含水率のところまで到達すると、次に、熱エネルギー発生室からの熱エネルギーの供給を弱め或いは停止して、次に、台車に載置された被処理材である木材の生材の加熱改質処理済木材を台車とともに搬出し、前記加熱改質処理済木材は被処理材加熱改質処理室から外部に取り出すようにした木材の生材の加熱改質処理方法である。
【0008】
【実施例3】本発明は、まず、被処理材である木材の生材を台車に載置して被処理材加熱改質処理室に台車とともに搬入し、次に、被処理材加熱改質処理室に隣接した熱エネルギー発生室で可燃性燃料を燃焼させて生じた熱エネルギーを熱エネルギー調整室で調整し、所望の熱エネルギーを熱風の状態にして被処理材加熱改質処理室に送り込み、その被処理材加熱改質処理室に収容した被処理材である木材の生材を加熱し、その木材の生材の中の水温が上昇して蒸発をはじめ、被処理材加熱改質処理室内の室温を摂氏160度乃至摂氏260度の範囲の適切な高温の温度条件にし、その温度条件の雰囲気の下で、被処理材である木材の生材の中の水が盛んに蒸発するようにし、その蒸発の状態を所望時間の間継続させて、かつ、煤煙処理装置で煤煙処理をし、かつ、湿度制御装置で湿度制御をし、かつ、温度制御装置で温度制御をし、所望の温度と湿度を得うるようにし、被処理材を加熱改質処理する時間を5時間乃至200時間の所望時間にして被処理材である木材の生材の含水率が3%乃至25%の範囲の適切な含水率のところまで到達すると、次に、熱エネルギー発生室からの熱エネルギーの供給を弱め或いは停止して、次に、台車に載置された被処理材である木材の生材の加熱改質処理済木材を台車とともに搬出し、前記加熱改質処理済木材は被処理材加熱改質処理室から外部に取り出すようにした木材の生材の加熱改質処理方法である。
【0009】
【実施例4】本発明は、被処理材加熱改質処理室に収容した被処理材である木材の生材を加熱し、その木材の生材の中の水温が上昇して蒸発をはじめ、被処理材加熱改質処理室内の室温を摂氏160度乃至摂氏260度の範囲の適切な高温の温度条件にし、その温度条件の雰囲気の下で、被処理材である木材の生材の中の水が盛んに蒸発するようにし、その蒸発の状態を所望時間の間継続させて、かつ、煤煙処理装置で煤煙処理をし、かつ、湿度センサからの信号を受けて湿度制御装置で湿度制御をし、かつ、温度センサからの信号を受けて温度制御装置で温度制御をし、所望の温度と湿度を得うるようにし、被処理材を加熱改質処理する時間を5時間乃至200時間の所望時間にして被処理材である木材の生材の含水率が3%乃至25%の範囲の適切な含水率のところまで到達させうるようにした木材の生材の加熱改質処理装置である。
【0010】
【実施例5】本発明は、被処理材加熱改質処理室に収容した被処理材である木材の生材を加熱し、その木材の生材の中の水温を上昇させて蒸発させ、被処理材加熱改質処理室内の室温を摂氏160度乃至摂氏260度の範囲の適切な高温の温度条件にして被処理材である木材の生材の中の水が盛んに蒸発するようにし、その蒸発の状態を所望時間の間継続させて、かつ、煤煙処理装置で煤煙処理をし、かつ、湿度センサからの信号を受けて湿度制御装置で湿度制御をし、かつ、温度センサからの信号を受けて温度制御装置で温度制御をし、それらの制御装置を自動制御装置により自動制御して所望の温度と湿度を得うるようにし、被処理材を加熱改質処理する時間を5時間乃至200時間の所望時間にして被処理材である木材の生材の含水率が3%乃至25%の範囲の適切な含水率のところまで到達させうるようにした木材の生材の加熱改質処理装置である。
【0011】
【実施例6】本発明は、熱エネルギー発生室と被処理材加熱改質処理室とからなり、前記熱エネルギー発生室に熱エネルギー発生材投入口を設け、その投入口に投入口閉鎖用断熱扉を設け、前記被処理材加熱改質処理室に被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を設け、その被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口に被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口閉鎖用断熱扉を設け、前記熱エネルギー発生室と前記被処理材加熱改質処理室との間を通孔を介して連通させて前記熱エネルギー発生室内で発生させた熱エネルギーを前記被処理材加熱改質処理室に供給しうるようにした木材の生材の加熱改質処理装置である。
【0012】
【実施例7】本発明は、熱エネルギー発生室と被処理材加熱改質処理室とからなり、前記熱エネルギー発生室に熱エネルギー発生材投入口を設け、その投入口に投入口閉鎖用断熱扉を設け、前記被処理材加熱改質処理室に被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を設け、その被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口に上下動可能な被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口閉鎖用断熱扉を設け、前記熱エネルギー発生室と前記被処理材加熱改質処理室との間を連通させて前記熱エネルギー発生室内で発生させた熱エネルギーを前記被処理材加熱改質処理室に供給しうるようにした木材の生材の加熱改質処理装置である。
【0013】
【実施例8】本発明は、熱エネルギー発生室と被処理材加熱改質処理室とからなり、前記熱エネルギー発生室に熱エネルギー発生材投入口を設け、その投入口に投入口閉鎖用断熱扉を設け、前記被処理材加熱改質処理室に被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を設け、その被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口に上下動可能な被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口閉鎖用断熱扉を設け、前記被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を介して被処理用木材を搬入したり加熱改質処理済木材を搬出するための被処理用木材載置用台車とその台車用レールを設けてなる木材の生材の加熱改質処理装置である。
【0014】
【実施例9】本発明は、熱エネルギー発生室と被処理材加熱改質処理室とからなり、前記熱エネルギー発生室に熱エネルギー発生材投入口を設け、その投入口に投入口閉鎖用断熱扉を設け、前記被処理材加熱改質処理室に被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を設け、その被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口に上下動可能な被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口閉鎖用断熱扉を設け、前記被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を介して多量の被処理用木材を搬入したり多量の加熱改質処理済木材を搬出するための被処理用木材支持用垂直起立部材付き被処理用木材載置用台車とその台車用レールを設けてなる木材の生材の加熱改質処理装置である。
【0015】
【効果】本発明の木材の生材の加熱改質処理方法は、まず、熱エネルギー発生室で発生した熱エネルギーを被処理材加熱改質処理室に送り込み、その被処理材加熱改質処理室に収容した被処理材である木材の生材を加熱し、その木材の生材の中の水温が上昇して蒸発をはじめ、被処理材加熱改質処理室内の室温を摂氏80度以上で被処理材である木材の生材が炭化しない程度の適切な高温の温度条件にし、その温度条件の雰囲気の下で、被処理材である木材の生材の中の水が盛んに蒸発するようにし、その蒸発の状態を所望時間の間継続させて、被処理材である木材の生材の含水率が3%乃至25%の範囲の適切な含水率のところまで到達すると、次に、熱エネルギー発生室からの熱エネルギーの供給を弱め或いは停止して、次に、被処理材である木材の生材の加熱改質処理済木材を被処理材加熱改質処理室から外部に取り出すようにしたので比較的短期間で木材の組織を改質することができる効果がある。そして、本発明の木材の生材の加熱改質処理方法は、熱エネルギー発生室で発生した熱エネルギーを被処理材加熱改質処理室に送り込んで被処理材加熱改質処理室に収容した被処理材である木材の生材を加熱して、その木材の生材の中の水を蒸発させ、短期間で所望の乾燥条件を比較的容易に獲得しうる効果がある。また、本発明の木材の生材の加熱改質処理装置は、熱エネルギー発生室と被処理材加熱改質処理室とからなり、前記熱エネルギー発生室に熱エネルギー発生材投入口を設け、その投入口に投入口閉鎖用断熱扉を設け、前記被処理材加熱改質処理室に被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を設け、その被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口に被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口閉鎖用断熱扉を設け、前記熱エネルギー発生室と前記被処理材加熱改質処理室との間を通孔を介して連通させて前記熱エネルギー発生室内で発生させた熱エネルギーを前記被処理材加熱改質処理室に供給しうるようにしたので、一方で、間伐材などの可燃性材料の燃料などからなる熱エネルギー発生材の投入口閉鎖用断熱扉を開いて熱エネルギー発生材を前記熱エネルギー発生室に容易に供給しうるようにし、他方で、被処理材加熱改質処理室に収容するための被処理材の木材の生材を外部から被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を介して被処理材加熱改質処理室に供給することができる効果がある。そして、被処理材の加熱改質処理の後に、所望の乾燥条件に到達すると被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を開いて加熱改質処理済木材を被処理材加熱改質処理室から容易に搬出しうる効果がある。また、本発明の木材の生材の加熱改質処理装置は、被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を介して被処理用木材を搬入し、その被処理用木材を所望時間かけて加熱改質処理して後、加熱改質処理済木材を容易に搬出させうるのであるが、特に、多量の被処理用木材を台車に載置してレール上を移動しうるようにし、外部から被処理材加熱改質処理室に向けて多量の被処理用木材を容易に搬入することができるとともに多量の被処理用木材を被処理材加熱改質処理室に容易に搬入してその被処理用木材を所望時間かけて加熱改質処理して後、被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を開いて加熱改質処理済木材を台車に載置したままで被処理材加熱改質処理室から容易に搬出しうる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の木材の生材の加熱改質処理装置の1実施例の概念図である。
【図2】図2は、本発明の木材の生材の加熱改質処理装置の1実施例の斜視図である。
【符号の説明】
1 熱エネルギー発生室 2 被処理材加熱改質処理室
3 熱エネルギー発生材 4 被処理用木材
5 熱エネルギー発生材投入口 6 投入口閉鎖用断熱扉
7 熱量調整室 8 煤煙処理装置
9 湿度制御装置 10 温度制御装置
11 自動制御装置 12 被処理用木材載置用台車用レール
13 被処理用木材支持用垂直起立部材
14 被処理用木材支持用垂直起立部材付き被処理用木材載置用台車
15 被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口
16 被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口閉鎖用断熱扉

【特許請求の範囲】
【請求項1】まず、熱エネルギー発生室で発生した熱エネルギーを被処理材加熱改質処理室に送り込み、その被処理材加熱改質処理室に収容した被処理材である木材の生材を加熱し、その木材の生材の中の水温が上昇して蒸発をはじめ、被処理材加熱改質処理室内の室温を摂氏80度以上で被処理材である木材の生材が炭化しない程度の適切な高温の温度条件にし、その温度条件の雰囲気の下で、被処理材である木材の生材の中の水が盛んに蒸発するようにし、その蒸発の状態を所望時間の間継続させて、被処理材である木材の生材の含水率が3%乃至25%の範囲の適切な含水率のところまで到達すると、次に、熱エネルギー発生室からの熱エネルギーの供給を弱め或いは停止して、次に、被処理材である木材の生材の加熱改質処理済木材を被処理材加熱改質処理室から外部に取り出すようにした木材の生材の加熱改質処理方法。
【請求項2】まず、熱エネルギー発生室で発生した熱エネルギーを熱風の状態にして被処理材加熱改質処理室に送り込み、その被処理材加熱改質処理室に収容した被処理材である木材の生材を加熱し、その木材の生材の中の水温が上昇して蒸発をはじめ、被処理材加熱改質処理室内の室温を摂氏160度乃至摂氏260度の範囲の適切な高温の温度条件にし、その温度条件の雰囲気の下で、被処理材である木材の生材の中の水が盛んに蒸発するようにし、その蒸発の状態を所望時間の間継続させて、被処理材である木材の生材の含水率が3%乃至25%の範囲の適切な含水率のところまで到達すると、次に、熱エネルギー発生室からの熱エネルギーの供給を弱め或いは停止して、次に、被処理材である木材の生材の加熱改質処理済木材を被処理材加熱改質処理室から外部に取り出すようにした請求項1記載の木材の生材の加熱改質処理方法。
【請求項3】まず、被処理材である木材の生材を台車に載置して被処理材加熱改質処理室に台車とともに搬入し、次に、被処理材加熱改質処理室に隣接した熱エネルギー発生室で可燃性燃料を燃焼させて生じた熱エネルギーを熱風の状態にして被処理材加熱改質処理室に送り込み、その被処理材加熱改質処理室に収容した被処理材である木材の生材を加熱し、その木材の生材の中の水温が上昇して蒸発をはじめ、被処理材加熱改質処理室内の室温を摂氏160度乃至摂氏260度の範囲の適切な高温の温度条件にし、その温度条件の雰囲気の下で、被処理材である木材の生材の中の水が盛んに蒸発するようにし、その蒸発の状態を所望時間の間継続させて、被処理材である木材の生材の含水率が3%乃至25%の範囲の適切な含水率のところまで到達すると、次に、熱エネルギー発生室からの熱エネルギーの供給を弱め或いは停止して、次に、台車に載置された被処理材である木材の生材の加熱改質処理済木材を台車とともに搬出し、前記加熱改質処理済木材は被処理材加熱改質処理室から外部に取り出すようにした請求項1記載の木材の生材の加熱改質処理方法。
【請求項4】まず、被処理材である木材の生材を台車に載置して被処理材加熱改質処理室に台車とともに搬入し、次に、被処理材加熱改質処理室に隣接した熱エネルギー発生室で可燃性燃料を燃焼させて生じた熱エネルギーを熱エネルギー調整室で調整し、所望の熱エネルギーを熱風の状態にして被処理材加熱改質処理室に送り込み、その被処理材加熱改質処理室に収容した被処理材である木材の生材を加熱し、その木材の生材の中の水温が上昇して蒸発をはじめ、被処理材加熱改質処理室内の室温を摂氏160度乃至摂氏260度の範囲の適切な高温の温度条件にし、その温度条件の雰囲気の下で、被処理材である木材の生材の中の水が盛んに蒸発するようにし、その蒸発の状態を所望時間の間継続させて、かつ、煤煙処理装置で煤煙処理をし、かつ、湿度制御装置で湿度制御をし、かつ、温度制御装置で温度制御をし、所望の温度と湿度を得うるようにし、被処理材を加熱改質処理する時間を5時間乃至200時間の所望時間にして被処理材である木材の生材の含水率が3%乃至25%の範囲の適切な含水率のところまで到達すると、次に、熱エネルギー発生室からの熱エネルギーの供給を弱め或いは停止して、次に、台車に載置された被処理材である木材の生材の加熱改質処理済木材を台車とともに搬出し、前記加熱改質処理済木材は被処理材加熱改質処理室から外部に取り出すようにした請求項1記載の木材の生材の加熱改質処理方法。
【請求項5】被処理材加熱改質処理室に収容した被処理材である木材の生材を加熱し、その木材の生材の中の水温が上昇して蒸発をはじめ、被処理材加熱改質処理室内の室温を摂氏160度乃至摂氏260度の範囲の適切な高温の温度条件にし、その温度条件の雰囲気の下で、被処理材である木材の生材の中の水が盛んに蒸発するようにし、その蒸発の状態を所望時間の間継続させて、かつ、煤煙処理装置で煤煙処理をし、かつ、湿度センサからの信号を受けて湿度制御装置で湿度制御をし、かつ、温度センサからの信号を受けて温度制御装置で温度制御をし、所望の温度と湿度を得うるようにし、被処理材を加熱改質処理する時間を5時間乃至200時間の所望時間にして被処理材である木材の生材の含水率が3%乃至25%の範囲の適切な含水率のところまで到達させうるようにした請求項1記載の木材の生材の加熱改質処理方法。
【請求項6】被処理材加熱改質処理室に収容した被処理材である木材の生材を加熱し、その木材の生材の中の水温を上昇させて蒸発させ、被処理材加熱改質処理室内の室温を摂氏160度乃至摂氏260度の範囲の適切な高温の温度条件にして被処理材である木材の生材の中の水が盛んに蒸発するようにし、その蒸発の状態を所望時間の間継続させて、かつ、煤煙処理装置で煤煙処理をし、かつ、湿度センサからの信号を受けて湿度制御装置で湿度制御をし、かつ、温度センサからの信号を受けて温度制御装置で温度制御をし、それらの制御装置を自動制御装置により自動制御して所望の温度と湿度を得うるようにし、被処理材を加熱改質処理する時間を5時間乃至200時間の所望時間にして被処理材である木材の生材の含水率が3%乃至25%の範囲の適切な含水率のところまで到達させうるようにした請求項1記載の木材の生材の加熱改質処理方法。
【請求項7】熱エネルギー発生室と被処理材加熱改質処理室とからなり、前記熱エネルギー発生室に熱エネルギー発生材投入口を設け、その投入口に投入口閉鎖用断熱扉を設け、前記被処理材加熱改質処理室に被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を設け、その被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口に被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口閉鎖用断熱扉を設け、前記熱エネルギー発生室と前記被処理材加熱改質処理室との間を通孔を介して連通させて前記熱エネルギー発生室内で発生させた熱エネルギーを前記被処理材加熱改質処理室に供給しうるようにした請求項1記載の木材の生材の加熱改質処理装置。
【請求項8】熱エネルギー発生室と被処理材加熱改質処理室とからなり、前記熱エネルギー発生室に熱エネルギー発生材投入口を設け、その投入口に投入口閉鎖用断熱扉を設け、前記被処理材加熱改質処理室に被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を設け、その被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口に上下動可能な被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口閉鎖用断熱扉を設け、前記熱エネルギー発生室と前記被処理材加熱改質処理室との間を連通させて前記熱エネルギー発生室内で発生させた熱エネルギーを前記被処理材加熱改質処理室に供給しうるようにした請求項1記載の木材の生材の加熱改質処理装置。
【請求項9】熱エネルギー発生室と被処理材加熱改質処理室とからなり、前記熱エネルギー発生室に熱エネルギー発生材投入口を設け、その投入口に投入口閉鎖用断熱扉を設け、前記被処理材加熱改質処理室に被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を設け、その被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口に上下動可能な被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口閉鎖用断熱扉を設け、前記被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を介して被処理用木材を搬入したり加熱改質処理済木材を搬出するための被処理用木材載置用台車とその台車用レールを設けてなる請求項1記載の木材の生材の加熱改質処理装置。
【請求項10】熱エネルギー発生室と被処理材加熱改質処理室とからなり、前記熱エネルギー発生室に熱エネルギー発生材投入口を設け、その投入口に投入口閉鎖用断熱扉を設け、前記被処理材加熱改質処理室に被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を設け、その被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口に上下動可能な被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口閉鎖用断熱扉を設け、前記被処理用木材搬入口兼加熱改質処理済木材搬出口を介して多量の被処理用木材を搬入したり多量の加熱改質処理済木材を搬出するための被処理用木材支持用垂直起立部材付き被処理用木材載置用台車とその台車用レールを設けてなる請求項1記載の木材の生材の加熱改質処理装置。

【図1】
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【図2】
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