木構造におけるパレット工法
【課題】枠組壁構法や木質パネル工法の様に桟木を使用する必要が無く、廃木材や間伐材を利用する事の出来る地球環境にやさしい技術の提供。
【解決手段】廃木材又は間伐材の破砕木材と合成樹脂とからなるコンパウンドを型に供し、当該合成樹脂内部の廃木材又は間伐材の破砕木材を熱により炭化様物質とし、当該炭化様物質の生成により当該合成樹脂内部に隙間を形成すると共に、型成形を行い、当該型成形後に冷却固化することにより得られたパレット状の構造耐力要素1を、木構造120の主として壁組1202に用いてパレット状の構造耐力要素1により屋根1201などの荷重を支えるようにしてなる木構造120におけるパレット工法。
【解決手段】廃木材又は間伐材の破砕木材と合成樹脂とからなるコンパウンドを型に供し、当該合成樹脂内部の廃木材又は間伐材の破砕木材を熱により炭化様物質とし、当該炭化様物質の生成により当該合成樹脂内部に隙間を形成すると共に、型成形を行い、当該型成形後に冷却固化することにより得られたパレット状の構造耐力要素1を、木構造120の主として壁組1202に用いてパレット状の構造耐力要素1により屋根1201などの荷重を支えるようにしてなる木構造120におけるパレット工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木構造におけるパレット工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図12(A)に例示するような日本の木造建築では、主として、図12(B)に示すような軸組工法と図12(C)に示すような枠組工法とが行われている。当該軸組工法(在来木造工法)は、例えば、日本の木造建築120において、柱や筋違い1200等で軸組を構成して当該柱、筋違い1200などからなる軸組にて屋根1201等の荷重を支えるようにした工法である。それに対し、当該枠組工法は、ツ−バイフォ−工法や枠組壁構法(プラットフォ−ム構法)とも称されるもので、例えば、2インチX4インチの大きさの枠組材(桟木)に合板(ベニア)などの面材を張り合わせた板状の構成要素1202をその壁面等にして屋根1201等の荷重を支えるようにしたものである。
当該枠組工法に属する形の木質パネル工法も行われており、当該木質プレハブ工法では、予じめ壁組や床組などの構造耐力要素(パネル)を工場で生産しておき、それを施工現場で組立てる工法である。工場でパネルを作る際,枠組(や桟木)と面材(合板など)を釘打ちではなく、接着するところに特徴がある。
上記の工法では、いずれにしても、桟木などの木材を使用することになり、又、その殆んどが輸入木材に依存しているのが現状であり、世界各地の森林が枯涸し自然破壊が深刻化し地球温暖化にも繋がっている。
間伐材の利用が叫ばれているが、人手不足などで、なかなか、間伐材の 需要拡大及び間伐促進に繋がっていないのが現状である。又、住宅の建て替えなどに伴い排出される廃棄木材や物流用の古くなった木質パレットなどの廃木材の利用も叫ばれているが、なかなか、廃木材の需要拡大及び利用促進に繋がっていないのが現状である。
木粉を熱可塑性樹脂に高充填した合成木材が盛んに開発利用されているが、それに使用される当該木粉には、粒度の出来るだけ揃った米栂などの比較的に高品質の木質材の粉砕品や異物の混入が出来るだけ少ない高純度のものが要求されたりして、木粉への廃木材の需要拡大及び利用促進には繋がっていないのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記のような従来技術の欠点を解消できる技術を提供することを目的としたものである。
本発明の他の目的および新規な特徴は以下の明細書及び図面の記載からも明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の特許請求は、次の通りである。
(請求項1) 廃木材又は間伐材の破砕木材と合成樹脂とからなるコンパウンドを型に供し、当該合成樹脂内部の廃木材又は間伐材の破砕木材を熱により炭化様物質とし、当該炭化様物質の生成により当該合成樹脂内部に隙間を形成すると共に、型成形を行い、当該型成形後に冷却固化することにより得られたパレット状の構造耐力要素を、木構造の主として壁組に用いて当該パレット状の構造耐力要素により屋根などの荷重を支えるようにしてなることを特徴とする木構造におけるパレット工法。
(請求項2) 合成樹脂が、塩化ビニル樹脂よりなり、コンパウンドが当該塩化ビニル樹脂用可塑剤を含有してなることを特徴とする、請求項1に記載の木構造におけるパレット工法。
(請求項3) パレット状の構造耐力要素が、型成形においてエンボス加工を行い、当該パレット状の構造耐力要素に当該エンボス加工によるタイル模様又はモザイク模様を施してなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の木構造におけるパレット工法。
(請求項4) パレット状の構造耐力要素が、継手又は仕口を備えてなることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の木構造におけるパレット工法。
【発明の効果】
【0005】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、本発明によれば、一般のツ−バイフォ−工法や枠組壁構法(プラットフォ−ム構法)や木質パネル工法のような桟木などの木材を使用する必要がなく、地球環境に優しい技術を提供することができる。
本発明によれば、当該ツ−バイフォ−工法やプラットフォ−ム構法や木質パネル工法とは異なる新規の木構造における組立工法を提供することができる。
本発明によれば、住宅の建て替えなどに伴い排出される廃棄木材や物流等で排出される中古木質パレットなどの廃木材を利用することができ、木粉を熱可塑性樹脂に充填してなる合成木材のように、それに使用される当該木粉の粒度の均一性等は要求されず、当該住宅の建て替えなどに伴い排出される廃棄木材や木質パレットなどの廃木材を最大源に利用することができる。
本発明によれば、当該廃木材と合成樹脂とからなるコンパウンドを型に供し、型成形を行うことにより得ることができるので、製法上、木粉と熱可塑性樹脂とのコンパウンドを押出機で一旦粒状化し、次いで、射出成形を行って製品を得る合成木材とは異なり、本発明によれば、比較的に簡易な手法で当該パレット状の構造耐力要素を得ることができる。本発明によれば、塩化ビニル樹脂製品の供給に際して行われるカレンダ−加工のような大掛かりな設備を要しないで、比較的に安価な設備にて当該パレット状の構造耐力要素を得ることができる。
当該パレット状の構造耐力要素は、その製法上、当該合成樹脂内部の廃木材又は間伐材の破砕木材(木材チップ)が熱により炭化様物質とされ、当該炭化様物質の生成により当該合成樹脂内部に隙間(空隙)を形成するので、網目構造となり、軽量で、加工性に優れたパレット状の構造耐力要素となる。
合成樹脂の中には熱により炭化様物質となった廃木材又は間伐材の破砕木材が混入されているので、合成樹脂単独物よりも強度が大となり、本発明のパレット工法において、屋根などの構造耐力を充分に担うことができる。
本発明によるパレット状の構造耐力要素は、ツ−バイフォ−工法やプラットフォ−ム構法や木質パネル工法における構造耐力要素と同様に使用することができ、当該ツ−バイフォ−工法やプラットフォ−ム構法や木質パネル工法では、木材を使用するので、シロアリの被害が出ているが、本発明によるパレット状の構造耐力要素によれば、シロアリの被害を防ぐことができる。
本発明によるパレット状の構造耐力要素によるパレット工法によれば、耐湿性や耐震性や断熱性や耐久性や気密性等に富ませることができる。
本発明においては、当該パレット状の構造耐力要素の型成形の際にエンボス加工を行い、タイル模様やモザイク模様等のエンボス(絞付け)を施すことにより、外壁部において表層にタイルを貼合したり、或いは、モザイク模様を施したりすることを不要とする。
本発明のパレット工法によれば、廃木材又は間伐材の破砕木材(木材チップ)を使用でき、又、合成樹脂を使用でき、それも安価で入手性の高い塩化ビニル樹脂を使用するようにすれば、コストの安い、リサイクルに寄与できるものが提供でき、当該塩化ビニル樹脂にも廃棄物を使用するようにすれば、より一層坪単価の安い地球環境に優しい技術を提供することができる。
本発明のパレット工法におけるパレット状の構造耐力要素によれば、型成形の際に、継手や仕口の形成を同時に容易に行え、当該継手や仕口により、当該パレット状の構造耐力要素を継ぎ手・連結して行けばよいので、工期も短縮できる。
【0006】
次に、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。
【実施例】
【0007】
図2に、本発明の木構造におけるパレット工法で使用されるパレット状の構造耐力要素の一例を示す。
当該パレット状の構造耐力要素1は、パレット本体部100と継手部101とを備えてなる。
【0008】
当該パレット状の構造耐力要素1は、例えば、図3に示すように、廃木材又は間伐材の破砕木材2と合成樹脂3等とを、計量・混合し、融解混練4し、流動化した当該コンパウンド5を、金型6に流延し、成形加工後、冷却固化することにより得ることができる。
【0009】
当該破砕木材2は、廃木材又は間伐材から得ることができ、例えば、住宅の建て替えなどに伴い排出される廃棄木材や物流などで排出される古くなった木質パレットや住宅工場から排出される木端材や建築現場からの木端材などの廃木材を、適宜の大きさに破砕することにより得ることができる。クラッシャ−などの破砕機を使用して、例えば、その長さが、2mm〜50mmになるように破砕すればよい。間伐材からも同様にして得ることができる。
当該破砕木材2は、例えば、30〜80重量%の配合量をコンパウンド5中に含有させることができる。破砕木材の配合量が、30重量%未満では、得られたパレット状の構造耐力要素の強度などが不足し、一方、80重量%を超えると混練が難しくなる。
【0010】
当該合成樹脂3としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を使用することができる。
当該熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂などが挙げられる。
当該熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂などが挙げられる。
本発明では、成形性や入手性の良さ、価格の安さ等から塩化ビニル系樹脂(PVC)の使用が好ましい。
当該塩化ビニル系樹脂は、軟質用でも硬質用でもよい。当該塩化ビニル樹脂の破砕木材2とのコンパウンド5には、可塑剤、安定剤、着色剤、充填材などを含有させることができる。当該可塑剤としては、DOP(ジオクチルフタレ−ト)、DBP(ジブチルフタレ−ト)等が例示され、当該可塑剤は、当該コンパウンド5に流動性を付与したり、製品に柔軟性を付与したり等することができる。当該可塑剤は、通常、軟質製品を意図した場合、そのコンパウンド5中に例えば30〜40%含有させるようにするが、その含有量を調整して、上記のように、融解混練4し、廃木材又は間伐材の破砕木材2と塩化ビニル樹脂等の合成樹脂3とからなる当該コンパウンド5を流動化させ、当該流動物を金型6に流延し、当該金型6内にてパレット状に成形加工後、冷却固化させてパレット状の構造耐力要素1が得られるようにすればよい。
当該可塑剤は、当該塩化ビニル樹脂中に既に含有されている場合がある。当該塩化ビニル樹脂と当該可塑剤とを混練してペ−スト状としたもの(ペ−ストレジンと称される。)で、当該ペ−ストレジンを配合して、プラスチゾル、オルガノゾル、プラスチゲル、オルガノゲルの形態にすればよい。当該プラスチゾルは、可塑剤に当該ペ−ストレジンを分散させたもので、当該オルガノゾルは、可塑剤と当該ペ−ストレジンとの系に希釈剤を添加したもので、これらゾルに金属石鹸などのゲル化剤を添加した系が、プラスチゲル、オルガノゲルである。コンパウンド5の流動性や金型6での熱成形などを考慮して、その流動性等を調整したプラスチゾル、オルガノゾル、プラスチゲル、オルガノゲルの形態を選択すればよい。
安定剤としては、ジアルキルスズジラウレート、ステアリン酸鉛などが挙げられる。充填材としては、炭酸カルシウム、雲母などが挙げられる。
有機顔料や無機顔料等の着色剤を添加することにより、パレット状の構造耐力要素1を着色することができる。
当該コンパウンド5の調製は、破砕木材2と合成樹脂3等とを計量し、例えば、混合機を80〜100℃に加温して行うドライブレンド法で充分に混合・分散を行い、次いで、例えば、バンバリ−ミキサ−による加熱混練により行うことができる。ポリ塩化ビニル製品の調製には、押出機によりコンパウンドを粒状化し、次いで、射出成形を行ったり、又は、バンバリ−ミキサ−による加熱混練後にカレンダー加工することがあるが、本発明では、バンバリ−ミキサ−による加熱混練後に型成形を行いパレット状の構造耐力要素1を得るようにする。
【0011】
型成形は、流動状態にあるコンパウンド5を金型6に流して固化させる注型成形(casting、cast molding)の形態を採用すればよい。
当該型成形に際しては、当該金型6は加熱加温する。上記の塩化ビニル樹脂は、加熱すると65℃〜85℃で軟化し、120℃〜150℃で可塑性となり、170℃以上で溶融し、190℃以上となると分解を始める。もっとも、当該温度の変遷は、可塑剤、安定剤などの種類・含有量や加熱混練の態様などにより異なる。コンパウンド5は、当該熱分解温度や可塑流動化温度などとの関係を考慮して行われる。金型6を雄型と雌型としランド(land、両型の合わせ面)を合わせてキャビティ(cavity)を形成して、当該キャビティ内にコンパウンド5に入れ、圧力と熱を掛けて成形するようにしてもよい。
破砕木材2は、合成樹脂3とのコンパウンド中で、空気を断って還元状態とし、蒸し焼き状態にする。当該型成形に際しては、金型は当該還元状態に置くようにする。
【0012】
当該型成形において、当該コンパウンド5中の破砕木材2は、熱により炭化様物質とされ、当該炭化様物質の生成により、図3に示すように、当該コンパウンド5中に隙間(空隙)102が形成される。
【0013】
当該型成形において、図4に示すように、型成形においてエンボス(絞付け)を行い、当該パレット状の構造耐力要素1の表面に当該絞付けによるタイル模様103を施してもよい。
当該絞付けは、例えば、図4に示すように、金型6の底面に絞形成部60を形成し、当該絞形成部60に、タイル等のエンボス模様を施しておき、当該型成形において、当該エンボス模様がパレット状の構造耐力要素1に転写されるようにすればよい。
図8に、タイル模様103を施してなるパレット状の構造耐力要素1を図示してある。当該タイル模様等の模様は、パレット状の構造耐力要素1の表面に立体的に形成されていてもよいし、図9に示すように、必ずしも立体的でなくてもよく、例えば、上記の絞形成部60を金型6の底部に深さを有するように形成せずに、金型6の平面にエンボス模様を施すようにしてもよい。
タイル模様に代えて、図10に示すように、モザイク模様103を施してもよい。
【0014】
本発明のパレット状の構造耐力要素1は、図1に示すように、木造建築の木構造120に使用できる。
壁組1202や床組1203の構造耐力部材として使用できる。屋根1201などの構造耐力を負担することができる。
当該パレット状の構造耐力要素1は、図1等にも示すように、継手部101を備えてなる。
図2に一例を示す当該パレット状の構造耐力要素1は、一方の側面に凸状の継手部101が形成され、他方の側面に凹状の継手部101が形成されている例を示してある。
当該当該パレット状の構造耐力要素1は、図5及び図6に示すように、当該凸状の継手部101と凹状の継手部101とで、継手して、上記のような壁組1202や床組1203の構成部材として使用できる。
図7に示すように、棒状の継手3により、凹状の継手部101を両側面に有する当該パレット状の構造耐力要素1の当該凹状の継手部101の内部に装着して、当該パレット状の構造耐力要素1を連結してもよい。尚、当該継手は例であって、他の態様であってもよいことは勿論である。
【0015】
本発明のパレット状の構造耐力要素1は、図11に示すように、輸送や物流などに使う、荷物を載せる台になる「すのこ」様にして、当該パレット状の構造耐力要素1に穴部104を形成して、当該穴部104にフォークリフトやハンドリフトの爪を差し込んで持ち上げ、木構造の組立作業を扱い易くしてもよい。
【0016】
実施例1
次の配合組成で混合機(混合時温度:100℃)で混合し、
破砕木材 40部
PVC酢酸ビニル共重合樹脂(85/15) 30部
DOP 10部
DBP 10部
炭酸カルシウム 5部
チタノックス 2部
Mark−225(安定剤) 3部
次いで、密閉室を有するバンバリ−ミキサ−にてコンパウンドの最終温度が180〜195℃となるように混練分散を行った後、当該流動状態にあるコンパウンドを、タイル模様の絞付け部を有する金型に流し混み、エア−を断ち、コンパウンドの温度が最終180℃〜185℃となるように加熱溶融させ、次いで、冷却固化させ、金型から成形物を取出し、タイル模様を有するパレット状の構造耐力要素(2インチX4インチ規格品同等物)を得た。
尚、部は、重量部である。以下、同じ。
当該パレット状の構造耐力要素の引張り強さは、5kg/mm2、弾性係数は400kg/mm2又、圧縮強さは8kg/mm2であった。
枠組工法の外壁に使用したところ、桟木と合板からなるパレット状の構造耐力要素(2インチX4インチ規格品同等物)と同等に使用することができた。
実施例2
次の配合組成とした以外は、実施例1と同様にして同様の結果を得た。
破砕木材 50部
PVCペ−ストレジン(85/15) 40部
炭酸カルシウム 5部
チタノックス 2部
Mark−225(安定剤) 3部
【0017】
本発明は上記実施例に限定されず、適宜変更が可能である。
前記実施例では、継手を設ける例を示したが、当該継手に代えて仕口を設けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は、各種の場合に適用できる。例えば、本発明のパレット状の構造耐力要素は、壁組や床組の木造建築の木構造の耐力部材として使用できるが、屋根材1201としても使用することができる。又、間仕切り材1204のような内装材にも使用することができる。
木造建築において、平屋立ての他、2階屋などの建築にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例を示すパレット状の構造耐力要素を使用した木構造の説明図である。
【図2】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の実施例を示す斜視図である。
【図3】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の製法例を示す説明図である。
【図4】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の他の製法例を示す説明図である。
【図5】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の継ぎ前の実施例の一例を示す説明図である。
【図6】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の継ぎ後の実施例の一例を示す説明図である。
【図7】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の継ぎの他の実施例の一例を示す説明図である。
【図8】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の実施例を示す斜視図である。
【図9】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の実施例を示す平面図である。
【図10】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の実施例を示す他の平面図である。
【図11】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の他の実施例を示す斜視図である。
【図12】(A)木構造の説明図、(B)軸組工法の説明図、(C)枠組工法の説明図である。
【符号の説明】
【0020】
1…パレット状の構造耐力要素
2…破砕廃木材
3…合成樹脂(PVC)
4…混練(バンバリーミキサー)
5…コンパウンド
6…金型
100…パレット本体部
101…継手部
102…隙間部(空隙部)
103…タイル模様(モザイク模様)
104…穴部
【技術分野】
【0001】
本発明は、木構造におけるパレット工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図12(A)に例示するような日本の木造建築では、主として、図12(B)に示すような軸組工法と図12(C)に示すような枠組工法とが行われている。当該軸組工法(在来木造工法)は、例えば、日本の木造建築120において、柱や筋違い1200等で軸組を構成して当該柱、筋違い1200などからなる軸組にて屋根1201等の荷重を支えるようにした工法である。それに対し、当該枠組工法は、ツ−バイフォ−工法や枠組壁構法(プラットフォ−ム構法)とも称されるもので、例えば、2インチX4インチの大きさの枠組材(桟木)に合板(ベニア)などの面材を張り合わせた板状の構成要素1202をその壁面等にして屋根1201等の荷重を支えるようにしたものである。
当該枠組工法に属する形の木質パネル工法も行われており、当該木質プレハブ工法では、予じめ壁組や床組などの構造耐力要素(パネル)を工場で生産しておき、それを施工現場で組立てる工法である。工場でパネルを作る際,枠組(や桟木)と面材(合板など)を釘打ちではなく、接着するところに特徴がある。
上記の工法では、いずれにしても、桟木などの木材を使用することになり、又、その殆んどが輸入木材に依存しているのが現状であり、世界各地の森林が枯涸し自然破壊が深刻化し地球温暖化にも繋がっている。
間伐材の利用が叫ばれているが、人手不足などで、なかなか、間伐材の 需要拡大及び間伐促進に繋がっていないのが現状である。又、住宅の建て替えなどに伴い排出される廃棄木材や物流用の古くなった木質パレットなどの廃木材の利用も叫ばれているが、なかなか、廃木材の需要拡大及び利用促進に繋がっていないのが現状である。
木粉を熱可塑性樹脂に高充填した合成木材が盛んに開発利用されているが、それに使用される当該木粉には、粒度の出来るだけ揃った米栂などの比較的に高品質の木質材の粉砕品や異物の混入が出来るだけ少ない高純度のものが要求されたりして、木粉への廃木材の需要拡大及び利用促進には繋がっていないのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記のような従来技術の欠点を解消できる技術を提供することを目的としたものである。
本発明の他の目的および新規な特徴は以下の明細書及び図面の記載からも明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の特許請求は、次の通りである。
(請求項1) 廃木材又は間伐材の破砕木材と合成樹脂とからなるコンパウンドを型に供し、当該合成樹脂内部の廃木材又は間伐材の破砕木材を熱により炭化様物質とし、当該炭化様物質の生成により当該合成樹脂内部に隙間を形成すると共に、型成形を行い、当該型成形後に冷却固化することにより得られたパレット状の構造耐力要素を、木構造の主として壁組に用いて当該パレット状の構造耐力要素により屋根などの荷重を支えるようにしてなることを特徴とする木構造におけるパレット工法。
(請求項2) 合成樹脂が、塩化ビニル樹脂よりなり、コンパウンドが当該塩化ビニル樹脂用可塑剤を含有してなることを特徴とする、請求項1に記載の木構造におけるパレット工法。
(請求項3) パレット状の構造耐力要素が、型成形においてエンボス加工を行い、当該パレット状の構造耐力要素に当該エンボス加工によるタイル模様又はモザイク模様を施してなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の木構造におけるパレット工法。
(請求項4) パレット状の構造耐力要素が、継手又は仕口を備えてなることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の木構造におけるパレット工法。
【発明の効果】
【0005】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、本発明によれば、一般のツ−バイフォ−工法や枠組壁構法(プラットフォ−ム構法)や木質パネル工法のような桟木などの木材を使用する必要がなく、地球環境に優しい技術を提供することができる。
本発明によれば、当該ツ−バイフォ−工法やプラットフォ−ム構法や木質パネル工法とは異なる新規の木構造における組立工法を提供することができる。
本発明によれば、住宅の建て替えなどに伴い排出される廃棄木材や物流等で排出される中古木質パレットなどの廃木材を利用することができ、木粉を熱可塑性樹脂に充填してなる合成木材のように、それに使用される当該木粉の粒度の均一性等は要求されず、当該住宅の建て替えなどに伴い排出される廃棄木材や木質パレットなどの廃木材を最大源に利用することができる。
本発明によれば、当該廃木材と合成樹脂とからなるコンパウンドを型に供し、型成形を行うことにより得ることができるので、製法上、木粉と熱可塑性樹脂とのコンパウンドを押出機で一旦粒状化し、次いで、射出成形を行って製品を得る合成木材とは異なり、本発明によれば、比較的に簡易な手法で当該パレット状の構造耐力要素を得ることができる。本発明によれば、塩化ビニル樹脂製品の供給に際して行われるカレンダ−加工のような大掛かりな設備を要しないで、比較的に安価な設備にて当該パレット状の構造耐力要素を得ることができる。
当該パレット状の構造耐力要素は、その製法上、当該合成樹脂内部の廃木材又は間伐材の破砕木材(木材チップ)が熱により炭化様物質とされ、当該炭化様物質の生成により当該合成樹脂内部に隙間(空隙)を形成するので、網目構造となり、軽量で、加工性に優れたパレット状の構造耐力要素となる。
合成樹脂の中には熱により炭化様物質となった廃木材又は間伐材の破砕木材が混入されているので、合成樹脂単独物よりも強度が大となり、本発明のパレット工法において、屋根などの構造耐力を充分に担うことができる。
本発明によるパレット状の構造耐力要素は、ツ−バイフォ−工法やプラットフォ−ム構法や木質パネル工法における構造耐力要素と同様に使用することができ、当該ツ−バイフォ−工法やプラットフォ−ム構法や木質パネル工法では、木材を使用するので、シロアリの被害が出ているが、本発明によるパレット状の構造耐力要素によれば、シロアリの被害を防ぐことができる。
本発明によるパレット状の構造耐力要素によるパレット工法によれば、耐湿性や耐震性や断熱性や耐久性や気密性等に富ませることができる。
本発明においては、当該パレット状の構造耐力要素の型成形の際にエンボス加工を行い、タイル模様やモザイク模様等のエンボス(絞付け)を施すことにより、外壁部において表層にタイルを貼合したり、或いは、モザイク模様を施したりすることを不要とする。
本発明のパレット工法によれば、廃木材又は間伐材の破砕木材(木材チップ)を使用でき、又、合成樹脂を使用でき、それも安価で入手性の高い塩化ビニル樹脂を使用するようにすれば、コストの安い、リサイクルに寄与できるものが提供でき、当該塩化ビニル樹脂にも廃棄物を使用するようにすれば、より一層坪単価の安い地球環境に優しい技術を提供することができる。
本発明のパレット工法におけるパレット状の構造耐力要素によれば、型成形の際に、継手や仕口の形成を同時に容易に行え、当該継手や仕口により、当該パレット状の構造耐力要素を継ぎ手・連結して行けばよいので、工期も短縮できる。
【0006】
次に、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。
【実施例】
【0007】
図2に、本発明の木構造におけるパレット工法で使用されるパレット状の構造耐力要素の一例を示す。
当該パレット状の構造耐力要素1は、パレット本体部100と継手部101とを備えてなる。
【0008】
当該パレット状の構造耐力要素1は、例えば、図3に示すように、廃木材又は間伐材の破砕木材2と合成樹脂3等とを、計量・混合し、融解混練4し、流動化した当該コンパウンド5を、金型6に流延し、成形加工後、冷却固化することにより得ることができる。
【0009】
当該破砕木材2は、廃木材又は間伐材から得ることができ、例えば、住宅の建て替えなどに伴い排出される廃棄木材や物流などで排出される古くなった木質パレットや住宅工場から排出される木端材や建築現場からの木端材などの廃木材を、適宜の大きさに破砕することにより得ることができる。クラッシャ−などの破砕機を使用して、例えば、その長さが、2mm〜50mmになるように破砕すればよい。間伐材からも同様にして得ることができる。
当該破砕木材2は、例えば、30〜80重量%の配合量をコンパウンド5中に含有させることができる。破砕木材の配合量が、30重量%未満では、得られたパレット状の構造耐力要素の強度などが不足し、一方、80重量%を超えると混練が難しくなる。
【0010】
当該合成樹脂3としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を使用することができる。
当該熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂などが挙げられる。
当該熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂などが挙げられる。
本発明では、成形性や入手性の良さ、価格の安さ等から塩化ビニル系樹脂(PVC)の使用が好ましい。
当該塩化ビニル系樹脂は、軟質用でも硬質用でもよい。当該塩化ビニル樹脂の破砕木材2とのコンパウンド5には、可塑剤、安定剤、着色剤、充填材などを含有させることができる。当該可塑剤としては、DOP(ジオクチルフタレ−ト)、DBP(ジブチルフタレ−ト)等が例示され、当該可塑剤は、当該コンパウンド5に流動性を付与したり、製品に柔軟性を付与したり等することができる。当該可塑剤は、通常、軟質製品を意図した場合、そのコンパウンド5中に例えば30〜40%含有させるようにするが、その含有量を調整して、上記のように、融解混練4し、廃木材又は間伐材の破砕木材2と塩化ビニル樹脂等の合成樹脂3とからなる当該コンパウンド5を流動化させ、当該流動物を金型6に流延し、当該金型6内にてパレット状に成形加工後、冷却固化させてパレット状の構造耐力要素1が得られるようにすればよい。
当該可塑剤は、当該塩化ビニル樹脂中に既に含有されている場合がある。当該塩化ビニル樹脂と当該可塑剤とを混練してペ−スト状としたもの(ペ−ストレジンと称される。)で、当該ペ−ストレジンを配合して、プラスチゾル、オルガノゾル、プラスチゲル、オルガノゲルの形態にすればよい。当該プラスチゾルは、可塑剤に当該ペ−ストレジンを分散させたもので、当該オルガノゾルは、可塑剤と当該ペ−ストレジンとの系に希釈剤を添加したもので、これらゾルに金属石鹸などのゲル化剤を添加した系が、プラスチゲル、オルガノゲルである。コンパウンド5の流動性や金型6での熱成形などを考慮して、その流動性等を調整したプラスチゾル、オルガノゾル、プラスチゲル、オルガノゲルの形態を選択すればよい。
安定剤としては、ジアルキルスズジラウレート、ステアリン酸鉛などが挙げられる。充填材としては、炭酸カルシウム、雲母などが挙げられる。
有機顔料や無機顔料等の着色剤を添加することにより、パレット状の構造耐力要素1を着色することができる。
当該コンパウンド5の調製は、破砕木材2と合成樹脂3等とを計量し、例えば、混合機を80〜100℃に加温して行うドライブレンド法で充分に混合・分散を行い、次いで、例えば、バンバリ−ミキサ−による加熱混練により行うことができる。ポリ塩化ビニル製品の調製には、押出機によりコンパウンドを粒状化し、次いで、射出成形を行ったり、又は、バンバリ−ミキサ−による加熱混練後にカレンダー加工することがあるが、本発明では、バンバリ−ミキサ−による加熱混練後に型成形を行いパレット状の構造耐力要素1を得るようにする。
【0011】
型成形は、流動状態にあるコンパウンド5を金型6に流して固化させる注型成形(casting、cast molding)の形態を採用すればよい。
当該型成形に際しては、当該金型6は加熱加温する。上記の塩化ビニル樹脂は、加熱すると65℃〜85℃で軟化し、120℃〜150℃で可塑性となり、170℃以上で溶融し、190℃以上となると分解を始める。もっとも、当該温度の変遷は、可塑剤、安定剤などの種類・含有量や加熱混練の態様などにより異なる。コンパウンド5は、当該熱分解温度や可塑流動化温度などとの関係を考慮して行われる。金型6を雄型と雌型としランド(land、両型の合わせ面)を合わせてキャビティ(cavity)を形成して、当該キャビティ内にコンパウンド5に入れ、圧力と熱を掛けて成形するようにしてもよい。
破砕木材2は、合成樹脂3とのコンパウンド中で、空気を断って還元状態とし、蒸し焼き状態にする。当該型成形に際しては、金型は当該還元状態に置くようにする。
【0012】
当該型成形において、当該コンパウンド5中の破砕木材2は、熱により炭化様物質とされ、当該炭化様物質の生成により、図3に示すように、当該コンパウンド5中に隙間(空隙)102が形成される。
【0013】
当該型成形において、図4に示すように、型成形においてエンボス(絞付け)を行い、当該パレット状の構造耐力要素1の表面に当該絞付けによるタイル模様103を施してもよい。
当該絞付けは、例えば、図4に示すように、金型6の底面に絞形成部60を形成し、当該絞形成部60に、タイル等のエンボス模様を施しておき、当該型成形において、当該エンボス模様がパレット状の構造耐力要素1に転写されるようにすればよい。
図8に、タイル模様103を施してなるパレット状の構造耐力要素1を図示してある。当該タイル模様等の模様は、パレット状の構造耐力要素1の表面に立体的に形成されていてもよいし、図9に示すように、必ずしも立体的でなくてもよく、例えば、上記の絞形成部60を金型6の底部に深さを有するように形成せずに、金型6の平面にエンボス模様を施すようにしてもよい。
タイル模様に代えて、図10に示すように、モザイク模様103を施してもよい。
【0014】
本発明のパレット状の構造耐力要素1は、図1に示すように、木造建築の木構造120に使用できる。
壁組1202や床組1203の構造耐力部材として使用できる。屋根1201などの構造耐力を負担することができる。
当該パレット状の構造耐力要素1は、図1等にも示すように、継手部101を備えてなる。
図2に一例を示す当該パレット状の構造耐力要素1は、一方の側面に凸状の継手部101が形成され、他方の側面に凹状の継手部101が形成されている例を示してある。
当該当該パレット状の構造耐力要素1は、図5及び図6に示すように、当該凸状の継手部101と凹状の継手部101とで、継手して、上記のような壁組1202や床組1203の構成部材として使用できる。
図7に示すように、棒状の継手3により、凹状の継手部101を両側面に有する当該パレット状の構造耐力要素1の当該凹状の継手部101の内部に装着して、当該パレット状の構造耐力要素1を連結してもよい。尚、当該継手は例であって、他の態様であってもよいことは勿論である。
【0015】
本発明のパレット状の構造耐力要素1は、図11に示すように、輸送や物流などに使う、荷物を載せる台になる「すのこ」様にして、当該パレット状の構造耐力要素1に穴部104を形成して、当該穴部104にフォークリフトやハンドリフトの爪を差し込んで持ち上げ、木構造の組立作業を扱い易くしてもよい。
【0016】
実施例1
次の配合組成で混合機(混合時温度:100℃)で混合し、
破砕木材 40部
PVC酢酸ビニル共重合樹脂(85/15) 30部
DOP 10部
DBP 10部
炭酸カルシウム 5部
チタノックス 2部
Mark−225(安定剤) 3部
次いで、密閉室を有するバンバリ−ミキサ−にてコンパウンドの最終温度が180〜195℃となるように混練分散を行った後、当該流動状態にあるコンパウンドを、タイル模様の絞付け部を有する金型に流し混み、エア−を断ち、コンパウンドの温度が最終180℃〜185℃となるように加熱溶融させ、次いで、冷却固化させ、金型から成形物を取出し、タイル模様を有するパレット状の構造耐力要素(2インチX4インチ規格品同等物)を得た。
尚、部は、重量部である。以下、同じ。
当該パレット状の構造耐力要素の引張り強さは、5kg/mm2、弾性係数は400kg/mm2又、圧縮強さは8kg/mm2であった。
枠組工法の外壁に使用したところ、桟木と合板からなるパレット状の構造耐力要素(2インチX4インチ規格品同等物)と同等に使用することができた。
実施例2
次の配合組成とした以外は、実施例1と同様にして同様の結果を得た。
破砕木材 50部
PVCペ−ストレジン(85/15) 40部
炭酸カルシウム 5部
チタノックス 2部
Mark−225(安定剤) 3部
【0017】
本発明は上記実施例に限定されず、適宜変更が可能である。
前記実施例では、継手を設ける例を示したが、当該継手に代えて仕口を設けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は、各種の場合に適用できる。例えば、本発明のパレット状の構造耐力要素は、壁組や床組の木造建築の木構造の耐力部材として使用できるが、屋根材1201としても使用することができる。又、間仕切り材1204のような内装材にも使用することができる。
木造建築において、平屋立ての他、2階屋などの建築にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例を示すパレット状の構造耐力要素を使用した木構造の説明図である。
【図2】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の実施例を示す斜視図である。
【図3】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の製法例を示す説明図である。
【図4】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の他の製法例を示す説明図である。
【図5】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の継ぎ前の実施例の一例を示す説明図である。
【図6】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の継ぎ後の実施例の一例を示す説明図である。
【図7】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の継ぎの他の実施例の一例を示す説明図である。
【図8】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の実施例を示す斜視図である。
【図9】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の実施例を示す平面図である。
【図10】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の実施例を示す他の平面図である。
【図11】本発明に使用されるパレット状の構造耐力要素の他の実施例を示す斜視図である。
【図12】(A)木構造の説明図、(B)軸組工法の説明図、(C)枠組工法の説明図である。
【符号の説明】
【0020】
1…パレット状の構造耐力要素
2…破砕廃木材
3…合成樹脂(PVC)
4…混練(バンバリーミキサー)
5…コンパウンド
6…金型
100…パレット本体部
101…継手部
102…隙間部(空隙部)
103…タイル模様(モザイク模様)
104…穴部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃木材又は間伐材の破砕木材と合成樹脂とからなるコンパウンドを型に供し、当該合成樹脂内部の廃木材又は間伐材の破砕木材を熱により炭化様物質とし、当該炭化様物質の生成により当該合成樹脂内部に隙間を形成すると共に、型成形を行い、当該型成形後に冷却固化することにより得られたパレット状の構造耐力要素を、木構造の主として壁組に用いて当該パレット状の構造耐力要素により屋根などの荷重を支えるようにしてなることを特徴とする木構造におけるパレット工法。
【請求項2】
合成樹脂が、塩化ビニル樹脂よりなり、コンパウンドが当該塩化ビニル樹脂用可塑剤を含有してなることを特徴とする、請求項1に記載の木構造におけるパレット工法。
【請求項3】
パレット状の構造耐力要素が、型成形においてエンボス加工を行い、当該パレット状の構造耐力要素に当該エンボス加工によるタイル模様又はモザイク模様を施してなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の木構造におけるパレット工法。
【請求項4】
パレット状の構造耐力要素が、継手又は仕口を備えてなることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の木構造におけるパレット工法。
【請求項1】
廃木材又は間伐材の破砕木材と合成樹脂とからなるコンパウンドを型に供し、当該合成樹脂内部の廃木材又は間伐材の破砕木材を熱により炭化様物質とし、当該炭化様物質の生成により当該合成樹脂内部に隙間を形成すると共に、型成形を行い、当該型成形後に冷却固化することにより得られたパレット状の構造耐力要素を、木構造の主として壁組に用いて当該パレット状の構造耐力要素により屋根などの荷重を支えるようにしてなることを特徴とする木構造におけるパレット工法。
【請求項2】
合成樹脂が、塩化ビニル樹脂よりなり、コンパウンドが当該塩化ビニル樹脂用可塑剤を含有してなることを特徴とする、請求項1に記載の木構造におけるパレット工法。
【請求項3】
パレット状の構造耐力要素が、型成形においてエンボス加工を行い、当該パレット状の構造耐力要素に当該エンボス加工によるタイル模様又はモザイク模様を施してなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の木構造におけるパレット工法。
【請求項4】
パレット状の構造耐力要素が、継手又は仕口を備えてなることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の木構造におけるパレット工法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−68167(P2009−68167A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−234197(P2007−234197)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【出願人】(395024632)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【出願人】(395024632)
【Fターム(参考)】
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