説明

木質繊維板の製造方法

【課題】繊維マット/剥離層/繊維マットの積層体を熱圧成形した後に剥離層に沿って厚さ方向に分割して同時に2枚の木質繊維板を製造する方法において分割面の仕上がりを良好にし、表面平滑な木質繊維板が得られるようにする。
【解決手段】第一の繊維マット層1を形成した後その表面の繊維による凹凸を取り除いて平滑にした上で、粉粒マット層4を形成し、その上に第二の繊維マット層5を形成した後その表面の繊維による凹凸を取り除いて平滑にし、これらマット積層体をプレス装置によって熱圧成形して、第一の繊維マット層が硬化してなる第一の繊維層\粉粒マット層が圧縮されてなる分割層\第二の繊維マット層が硬化してなる第二の繊維層からなる木質繊維積層板を得、この木質繊維積層板を分割層で分割することにより、第一の繊維層からなる第一の木質繊維板と第二の繊維層からなる第二の木質繊維板を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木質繊維板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、木質繊維からなるファイバーをフォーミングして繊維マットを形成し、その表面に剥離層を設け、さらに、剥離層の表面に木質繊維からなるファイバーをフォーミングして繊維マットを形成して積層体としたものを、ホットプレス装置の熱盤間に挿入して熱圧成形した後、剥離層に沿って剥離することにより同時に2枚の木質繊維板を製造する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平4−46202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
木質繊維をフォーミングして繊維マットを形成すると、繊維マットの表面に繊維による凹凸が現れるため、この凹凸の上に剥離層や繊維マットを積層すると、接触面(積層面)が凹凸の影響を受け、分割した際の分割面の仕上がりが悪くなってしまう。このため、分割面をサンダーなどで平滑にする後処理を要していた。さらに、繊維マットを形成する際には、この後処理における研削量を考慮して繊維マットを厚めに構成しなければならず、ホットプレス時の熱圧圧力や熱圧時間が余分にかかり、効率の悪いものとなっていた。
【0005】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、繊維マット/剥離層/繊維マットの積層体を熱圧成形した後に剥離層に沿って厚さ方向に分割して同時に2枚の木質繊維板を製造する方法において分割面の仕上がりを良好にし、表面平滑な木質繊維板が得られるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するため、請求項1に係る本発明は、(1)木質繊維からなるファイバーをフォーミングして第一の繊維マット層を形成し、(2)この第一の繊維マット層の表面の繊維による凹凸を取り除いて平滑にした後、(3)第一の繊維マット層の上に粉粒をフォーミングして粉粒マット層を形成し、(4)この粉粒マット層の上に木質繊維からなるファイバーをフォーミングして第二の繊維マット層を形成し、(5)この第二の繊維マット層の表面の繊維による凹凸を取り除いて平滑にした後、(6)第一の繊維マット層\粉粒マット層\第二の繊維マット層からなるマット積層体をプレス装置によって熱圧成形して、第一の繊維マット層が硬化してなる第一の繊維層\粉粒マット層が圧縮されてなる分割層\第二の繊維マット層が硬化してなる第二の繊維層からなる木質繊維積層板を得、(7)この木質繊維積層板を分割層で分割することにより、第一の繊維層からなる第一の木質繊維板と第二の繊維層からなる第二の木質繊維板を得ることを特徴とする木質繊維板の製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第一の繊維マット層形成の際にその表面にスキャルパーロールをかけるなどして繊維による凹凸を取り除いて表面を平滑にしており、また、粉粒マット層は、スキャルパーロールにより表面平滑にした第一の繊維マット層の上に一定量の粉粒を投入して均一にフォーミングされることで形成されるので、粉粒マット層の表面に平滑に形成される。したがって、第一の繊維マット層\粉粒マット層\第二の繊維マット層からなるマット積層体における各積層面(接触面)はいずれもほぼ平滑となっている。よって、このマット積層体を熱圧成形して得られる木質繊維積層板を粉粒マット層からなる分割層で分割して得られる第一および第二の繊維層からなる第一および第二の木質繊維板は、いずれも分割面に凹凸がほとんど見られないほぼ平滑なものとなり、サンダーやヤスリがけなどの研削作業が不要となるか、あるいは少なくとも研削量を大幅に低減させることができ、仕上げ工程に手間のかからない木質繊維板を製造することができる。
【0008】
木質繊維積層板を粉粒マット層からなる分割層で分割して得られる第一および第二の木質繊維板の表面には凹凸がほとんど見らないほぼ平滑なものであるため、サンダーやヤスリがけなどの研削作業が不要となるか、あるいは少なくとも研削量を大幅に低減させることができ、したがって、得ようとする木質繊維板の厚みに対してこの研削量を見込んで繊維マット層を過度に厚く形成する必要がなくなる。このため、木質繊維の使用量を適正に抑えることができるとともに、マット積層体をプレスする際の熱圧圧力や圧縮時間も低減させることができる。
【0009】
第二の繊維マット層形成の際にもその表面にスキャルパーロールをかけるなどして繊維による凹凸を取り除いて表面を平滑にすることから、熱圧成形時にプレス装置の平滑な圧縮面(熱盤面)から均一な圧力が得られ、表面硬度が均一な木質繊維板を得ることができる。
【0010】
このように、本発明によって製造される第一および第二の木質繊維板は、表面が平滑で且つ均一な硬度を持つため、床材の基材として使用したときに、フロア表面の仕上がりが均一に得られるだけでなく、耐傷性や耐キャスター凹み性にも強いものとなり、好適に使用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明による木質繊維板の製造方法中、マット積層体を形成するまでの工程図である。
【図2】図1に示す工程に続いてマット積層体を熱圧成形して得た木質繊維積層板を分割層で分割して木質繊維板を得るまでの工程図である。
【図3】繊維マット層の表面の繊維による凹凸を取り除く工程を省略して同様に木質繊維積層板を得る場合の工程図である。
【図4】本発明による木質繊維積層板と比較例による木質繊維積層板における分割層の配置状態を示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明による木質繊維板の製造方法について、図1および図2を参照して詳細に説明する。まず、広葉樹・針葉樹などの木材チップをリファイナー(解繊装置)に投入して解繊して木質繊維を得る。木材チップをリファイナーに投入する前に蒸煮処理すると繊維間結合が弱められるので解繊を効率的に行うことができる。リファイナーとしては、高温高圧蒸気(たとえば10kgf/cm)の蒸煮装置から取り出された木材チップを解繊するものや、蒸煮装置と直結された高温高圧下にあるものなどが用いられる。広葉樹・針葉樹などの木質繊維のほか、竹・笹・稲葉・バカス・パルプ工場から大量に副生されるノット粕などの植物性繊維を使用しても良い。
【0013】
リファイナーから排出された木質繊維は多量の水分を有するので、これを熱風ダクトに投入して風送しながら乾燥する。一般に風送速度は10〜30m/sec、風送雰囲気温度30〜120℃前後であるが、木質繊維の密度・送り量・前後工程の処理能力などに応じて調整する。この熱風による風送で木質繊維の含水率を好ましくは10〜15%まで乾燥する。
【0014】
乾燥された木質繊維に接着剤を塗布して接着剤塗布木質繊維とする。接着剤の塗布は、ブレンダー(塗布装置)に木質繊維と接着剤を投入して行っても良いし、木質繊維の熱風ダクト内に接着剤を噴霧することにより木質繊維が風送される過程で行っても良い。あるいは、解繊と同時に接着剤を混合・塗布しても良い。このようにして得られた接着剤塗布木質繊維を常法によりフォーミングして第一の繊維マット層1を形成する(図1(a))。この第一の繊維マット層1は、熱圧成形後に得られる木質繊維積層板10において第一の繊維層11となるものである(図2(g))。第一の繊維マット層1は25〜70mm程度の厚さに形成される。
【0015】
次いで、第一の繊維マット層1の表面にスキャルパーロール2をかけることによって、該表面における繊維による凹凸を取り除いてほぼ平滑な表面1aを形成する(図1(b))。スキャルパーロール2のほか、シェーブ・オブ・ローターなどを用いて平滑表面1aとしても良い。スキャルパーロール2などで繊維マット層1の表層から取り除かれた木質繊維は、繊維マット層を形成するために再利用することができる。スキャルパーロール2をかけられた第一の繊維マット層1は当初の25〜70mm程度から20〜50mm程度に厚みが減少する。
【0016】
次いで、第一の繊維マット層1の平滑化された表面1aの上に所定量の粉粒3をフォーミングして、厚さ0.2〜1.0mm程度の厚さの粉粒マット層4を形成する(図1(c))。粉粒3としては、木粉その他の木質粉状物質であって良いが、特にサンダーダストを用いることが好ましい。サンダーダストは、木質繊維板および/またはパーティクルボードの製造過程、特に熱圧成形による成板後の仕上げ工程において研削ないし切削する際に生ずるものであり、具体的には、ドラムサンダーやワイドベルトサンダーなどで表面研削する際に生ずるもの(狭義のサンダーダスト)の他、ダブルカットソーなどで板の幅および長さを裁断して規定寸法に切り揃える際に生ずるソーダストなどをも含む。サンダーダストによるマット層4とする場合は、木質繊維や木粉を含んでも良いが、サンダーダストを90重量%以上含んで形成することが好ましい。また、サンダーダストは、第一(および第二)の繊維マット層1,5の形成に用いる木質繊維の含水率よりも低い含水率まで乾燥してサンダーダストマット層4の形成に用いることが好ましく、たとえば上述のように第一(および第二)の繊維マット層1,5において木質繊維の含水率を10〜15%にして用いる場合には、サンダーダストマット層4に用いるサンダーダストの含水率を4〜10%にして用いることが好ましい。このサンダーダストマット層などの粉粒マット層4は、熱圧成形後の木質繊維積層板10において分割層12となるものである(図2(g))。
【0017】
なお、第一の繊維マット層1はスキャルパーロール2などによって平滑表面1aとされており、その平滑表面1aの上に所定量の粉粒3を投入して均一にフォーミングして粉粒マット層4が形成されるので、この粉粒マット層4の表面においても第一の繊維マット層1の平滑表面1aがそのまま反映され、平滑表面4aを有する粉粒マット層4として形成される。
【0018】
次いで、粉粒マット層4の上に、接着剤塗布木質繊維を常法によりフォーミングして第二の繊維マット層5を形成する(図1(d))。この第二の繊維マット層5は、第一の繊維マット層1と同様にして形成することができ、熱圧成形後に得られる木質繊維積層板10において第二の繊維層13となるものである(図2(g))。第二の繊維マット層5は、第一の繊維マット層1と同様の25〜70mm程度の厚さに形成される。なお、第一および第二の繊維マット層1,5を形成するに当たり、微量の木粉やサンダーダストを添加混合して用いても良い。
【0019】
次いで、第二の繊維マット層5の表面にスキャルパーロール6をかけることによって、該表面における繊維による凹凸を取り除いてほぼ平滑な表面5aを形成する(図1(e))。この工程は、第一の繊維マット層1の表面1aを平滑にする工程(図1(b))と同様であり、スキャルパーロール6のほか、シェーブ・オブ・ローターなどを用いて平滑表面5aとしても良い。スキャルパーロール6などで繊維マット層1の表層から取り除かれた木質繊維は、繊維マット層を形成するために再利用することができる。スキャルパーロール6をかけられた第二の繊維マット層5は当初の25〜70mm程度から20〜50mm程度に厚みが減少する。
【0020】
こうして得られた3層のマット積層体7をプレス装置8により熱圧成形する(図2(f))。熱圧成形を受けるとき、マット積層体7における第二の繊維マット層5の表面は平滑面5aとされており(図1(e))、第一の繊維マット層1の下面も平滑面であるので、マット積層体7の平滑な表裏面がプレス装置8の平滑な上下熱盤面9a,9bに接触して圧縮が行われることとなるので、第一および第二の繊維マット層1,5はいずれも均一な圧力を受けて均一な表面硬度に形成される。
【0021】
このときの熱圧条件は、たとえば温度160〜210℃、圧力20〜40kg/cm、時間13〜40秒に設定する。粉粒マット層4を形成するサンダーダストなどの粉粒4は木質繊維などと比べて圧縮変形量が小さいという物性を有するので、マット積層体7をプレス装置8の上下熱盤9a,9b間に挟んで熱圧成形すると、第一および第二の繊維マット層1,5の片面(上下熱盤に接する面)がまず圧縮されて硬化した後、これらマット積層体7の全体が圧縮されていくが、圧縮量の小さい(圧縮される度合いが小さい)粉粒4からなる粉粒マット層4は先に圧縮が完了して分割層を形成し、以降は、第一および第二の繊維マット層が分割層側からの反力を受けることになり、既に硬化している熱盤接触面側との両面側から圧縮されていく。このため、第一および第二の繊維マット層1,5は表裏両面から圧縮を受けることとなって、分割層側の密度も高くなって全体の密度差が小さくなる。
【0022】
熱圧成形完了後、必要に応じて木質繊維積層板10の表裏に残るプレキュア層をサンディングにより除去して、第一および第二の繊維層11,13を表裏にて現出させて、図2(g)の木質繊維積層板10を得る。すなわち、この木質繊維積層板10は、第一の繊維マット層1の熱圧硬化による第一の繊維層11と、粉粒マット層4の熱圧による分割層12と、第二の繊維マット層5の熱圧硬化による第二の繊維層13とが順次に積層されてなる。第一および第二の繊維層11,13の比重は、たとえば、いずれも層内の平均密度が0.65〜1.00g/cmであって且つ層内での密度差が0.05g/cm以下である。また、この木質繊維積層板10の各層の厚さは、たとえば、第一および第二の繊維層11,13がいずれも1〜10mmであり、分割層12が0.1〜0.5mm程度であって、全体厚の10%以下、好ましくは2%以下である。
【0023】
次いで、この木質繊維積層板10を分割層12で厚さ方向に2分割して、第一の繊維層11からなる第一の木質繊維板と第二の繊維層13からなる第二の木質繊維板の2枚の木質繊維板を得る。符号Xは分割面を示す。分割層12は、接着剤を含まない粉粒マット層4を熱圧して得られるものであるので、第一の繊維層11と第二の繊維層13とは分割層12を介して互いに接着することなく単に圧接された状態で積層されているに過ぎず、分割層12で容易に分割することができる。分割の手法は特に限定的ではなく、公知の板材分割装置などを使用することができる他、手で引き剥がすことも可能である。図2(h)はこのようにして得られる2枚の木質繊維板のうち第一の繊維層11からなる木質繊維板を示している。
【0024】
図2(h)に示されるように、分割後に得られる木質繊維板においてはその分割面に分割層12の一部が残存していることがあるので、この場合にはサンディングにより残存分割層12aを除去して、第一の繊維層11単独による木質繊維板を得る(図2(i))。この場合であっても、分割層12の厚さは木質繊維積層板10(図2(g))の全体厚の10%以下であるので、残存分割層12aはごく薄いものであり、少ない研削量で容易に除去することができる。第二の繊維層13単独による木質繊維板も同様にして得られる。サンディング後に得られる木質繊維板の厚さはたとえば0.65〜8.75mmである。
【0025】
比較のために、繊維マット層1,5の表面の繊維による凹凸を取り除く工程(図1(b),図1(e))を省略して同様に木質繊維積層板10’を得る方法について、図3を参照して説明すると、前述と同様にして得た接着剤塗布木質繊維を常法によりフォーミングして第一の繊維マット層1’を形成し(図3(a))、その表面に繊維による凹凸が残されたままの状態で所定量の粉粒3を投入して均一にフォーミングして粉粒マット層4’を形成した(図3(b))後、さらに接着剤塗布木質繊維を常法によりフォーミングして第二の繊維マット層5’を形成し(図3(c))、得られたマット積層体7’をプレス装置8により熱圧成形する(図3(f))ことにより、第一の繊維マット層1’の熱圧硬化による第一の繊維層11’と、粉粒マット層4’の熱圧による分割層12’と、第二の繊維マット層5’の熱圧硬化による第二の繊維層13’とが順次に積層されてなる木質繊維積層板10’を得る(図3(e))。この後は、図1(g)〜図1(i)と同様にして、分割層12’で分割し、残存する分割層を除去して、第一の繊維層11’による第一の木質繊維板と第二の繊維層13’による第二の木質繊維板を得る。
【0026】
ここで、第一の繊維マット層1’の表面は繊維の凹凸が残る凹凸面1a’となっているので、その上に形成される粉粒マット層4’の表面もその影響を受けて凹凸面4a’となり、さらにその上に形成される第二の繊維マット層5’の表面もそれらの影響を受けるとともにそれ自身も繊維の凹凸が残ったままとされるので凹凸面5a’となる。このように凹凸面で積層され且つ上の熱盤面9aとの接触面も凹凸面5a’として形成されるマット積層体7’をプレス装置8で熱圧成形すると、表面の凹凸5a’は熱盤9aに圧縮されて平滑面となるものの、凸部では大きな圧力を受け、凹部では小さな圧力を受けることとなるので、均一な圧縮を受けることができず、第二の繊維マット層5’側の木質繊維積層板10’の表面では密度分布や硬度分布が不均一な状態となる。
【0027】
また、凹凸に形成される粉粒マット層4’の表裏面には圧縮力が十分に伝わらないので、熱圧成形後もこれら凹凸面が維持されたままの状態で木質繊維積層板10’が形成されることになる(図3(e),図4(b))。すなわち、粉粒マット層4’形成の際に使用した粉粒3の量に応じて厚さaの範囲で分割層12’が形成されるとしても凹凸状ないし波打状に形成されることになるので、見掛け上の厚さはb(>a)となり、木質繊維積層板10’も厚く形成されることになる。木質繊維積層板10’が厚くなると熱圧成形の際のプレス時間や圧力が余分に必要となり、好ましくない。また、このように凹凸状ないし波打状に形成される分割層12’の厚さaが小さいと、この分割層12’の範囲内で分割する作業が困難になるので、実際にはある程度厚さaを大きくして形成しなければならず、材料の無駄が大きくなる。
【0028】
これに対し、本発明によるときは、第一の繊維マット層1の表面を平滑にした後に粉粒3をフォーミングするので、第一の繊維マット層表面1aと共に粉粒マット層表面4aも平滑面に形成され、すなわちマット積層体7においては中央の粉粒マット層4の表裏がいずれも平滑面となって第一の繊維マット層と第二の繊維マット層との間で圧縮されることになるため、粉粒マット層7の表裏の平滑面がそのままの状態で維持されて木質繊維積層板10とされる(図4(a))。したがって、木質繊維積層板10の厚さを極小化することができるので、熱圧成形のプレス時間や圧力が小さくて済み、効率的な処理が可能となり、また、分割層12の厚さaも小さくて済むので材料の無駄が無く分割作業も容易である。
【0029】
以上に本発明の実施例について説明したが、本発明はこの実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内において種々多様な実施形態を取り得るものである。
【符号の説明】
【0030】
1 第一の繊維マット層
1a 第一の繊維マット層の平滑表面
2 スキャルパーロール
3 粉粒
4 粉粒マット層
4a 粉粒マット層の平滑表面
5 第二の繊維マット層
5a 第二の繊維マット層の平滑表面
6 スキャルパーロール
7 マット積層体
8 プレス装置
9a,9b 上下熱盤
10 木質繊維積層板
11 第一の繊維層
12 分割層
13 第二の繊維層
X 分割面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)木質繊維からなるファイバーをフォーミングして第一の繊維マット層を形成し、(2)この第一の繊維マット層の表面の繊維による凹凸を取り除いて平滑にした後、(3)第一の繊維マット層の上に粉粒をフォーミングして粉粒マット層を形成し、(4)この粉粒マット層の上に木質繊維からなるファイバーをフォーミングして第二の繊維マット層を形成し、(5)この第二の繊維マット層の表面の繊維による凹凸を取り除いて平滑にした後、(6)第一の繊維マット層\粉粒マット層\第二の繊維マット層からなるマット積層体をプレス装置によって熱圧成形して、第一の繊維マット層が硬化してなる第一の繊維層\粉粒マット層が圧縮されてなる分割層\第二の繊維マット層が硬化してなる第二の繊維層からなる木質繊維積層板を得、(7)この木質繊維積層板を分割層で分割することにより、第一の繊維層からなる第一の木質繊維板と第二の繊維層からなる第二の木質繊維板を得ることを特徴とする木質繊維板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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