説明

本発明は、海ぶどうの鮮度保持と、保存方法及び、育成方法に関する。

【課題】 現在の生の海ぶどうの養殖及び販売の環境としては、収穫後、2,3日で、出荷状態になった時点で、海ぶどうの形を維持する為、すぐに出荷しないといけない。又、出荷後の保存期間は、4〜5日と、保存できる期間が短い為、塩蔵保存方法などがあるが、生の食感とは大きく違う。
海ぶどうの養殖は、陸上に設置したタンクに海水を海中より汲みあげて行われている為、藻の発生、病気、台風、水温の変化、赤土の被害で、約年間2ヵ月間、育成販売が出来ない状態がある。また、比較的安定した冬場の養殖に関しては、夏場の2倍の育成期間を必要とする。
【解決手段】 孔質複合光触媒装置を使用し、活性化処理海水を生成し、その海水で、閉鎖式養殖を行う事で、水質や水温を調整できるようになる為、年間を通して安定した生育が出来るようになる。又、海ぶどうは生で食することが多い食材ですが、活性化処理水で洗浄、殺菌、浄化することで、安全で完全に殺菌できる。そして、その活性化海水と一緒に海ぶどうを容器又は袋に脱気密封することで、保存期間を延長させる事が出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海ぶどうの鮮度保持と、保存方法及び、育成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
海ぶどうは、気温の変化に弱く、常温(15〜26)での保存が原則となり、収穫した海ぶどうを保存する方法として、塩分の濃い海水に浸しておく方法と、UV殺菌処理した海水に浸し保存する方法と、水きりした状態で蓋つき発砲スチロールに入れて、保存する方法がある。
【0003】
塩分の濃い海水に浸す方法では、海ぶどうの塩分を水道水で洗い、浸透圧を利用して戻しますが、元来、海ぶどうの粒内の養分は、水分だけでは無いので、食感はもとより、味も変化し、戻した海ぶどうは、わずかな時間で萎んでしまう。
【0004】
UV殺菌処理した海水に浸し、保存する方法では、海水、海ぶどうの除菌が完全でないため、海水が腐り、3〜5日で鮮度が落ちてしまう。
【0005】
次に水切りした状態での保存では、直射日光、高温多湿の場所をさけても、4〜5日で海ぶどうが萎んでしまいます。
【0006】
海ぶどうを養殖する方法では、公知の、海水を直接海からポンプ等で養殖タンクに引き、海水を海へ返す常に循環した状態での養殖が行われている。
【0007】
常に新鮮な海水を必要とする為、気候変化の影響が大きく、年間2か月以上海ぶどうの育成、出荷ができない状態がある。そこで年間を通して育成する為、孔質複合光触媒装置を用いた循環型養殖を行うことを目的に、孔質複合光触媒装置を海水の使用に耐えられるようフィルター等を変更する。
【特許文献1】特許公開番号2007−117789
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の塩分の濃い海水に浸す方法では、塩抜きの際に水道水を利用しますが、海ぶどうの粒内の養分が失われているため、完全には戻らず、わずかな時間で萎んでしまうため、食感も、味も損なわれてしまう。海ぶどう本来の、美味しさや、養分を損うことなく、鮮度を保持したまま保存する方法を提供する。
【0009】
海ぶどうは、常温保存方法しかなく、常温で保存すると、3〜5日で、粒が萎んでしまう為、海ぶどうの鮮度を保持したまま長期保存する方法を提供する。
【0010】
公知の海ぶどう養殖方法では、気候変化の影響が大きく、海ぶどうの育成、出荷ができない状態が年間2か月間ぐらいある為、安定した状態での年間を通した養殖方法の提供
【課題を解決するための手段】
【0011】
養殖場から刈り取った海ぶどうの傷口を修復する段階から、洗浄装置内の孔質複合光触媒を用い活性化処理海水した海水に浸し、ゆっくり還流させながら洗浄、殺菌、浄化をする。
【0012】
還流させる際にも、水流や、還流させる海ぶどうと海水の割合、日光調整、還流日数を、刈り取った状態の水温や、海ぶどうの状態を考慮し、海ぶどうの萎み、溶けなどの状態を作らないように設定する。
【0013】
活性化処理海水を使用し、ポリエチレンの袋又は透過性のある密封容器に海ぶどうと一緒に入れ脱気密封するが、海ぶどうが光合成できるように海ぶどうと活性化処理海水の割合を調整する。
【0014】
海ぶどう養殖の過程で、養殖場内で生育に使用する海水を孔質複合光触媒を用いて常に育成タンク内を循環させる活性化処理海水での閉鎖型循環型殖を行う。
【0015】
養殖に使用する海水を海より汲み上げる段階で、いそぎんちゃく、小海老の侵入がないように濾過器を設置する。
【0016】
水温調整を図るため、冷却システム、加温システムを設置する。
【0017】
常に循環させるため、塩分濃度を、最適な濃度に調整する。
【0018】
上記の解決手段による作用は次の通りである。養殖課程での海水の新たな入れ替えを必要としない為、潮の干満時や、時化による海水濁りの影響を受けず、海ぶどうに取っては命取りとなる赤土の侵入も防ぐ事が出来る。又、水温の変化に敏感に反応し、生育が停止することもある事から、常に安定した水温、水質を確保することが出来る。
【発明の効果】
【0019】
上記したように、本発明の孔質複合光触媒を用いた活性化処理海水での洗浄、浄化、殺菌を行えば、生で食する事が多くを占めている海ぶどうをより、安全に食することが出来、活性化処理海水と一緒に密封、保存する方法を用いれば、遠方の方にも、新鮮な海ぶどうを届けることができる。
【0020】
特に、閉鎖型活性化処理海水循環養殖を行えば、季節によって育成速度が違う海ぶどうを天気や気候に左右されることがなく、安定した養殖が行える。
【0021】
又、活性化処理海水の特徴として、同一条件下での生育では、活性化処理海水を使用した育成は、通常育成の場合に比べ、より大きく、より早く育成する事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図1〜2に基づいて説明する。
【0023】
図1は、活性化処理海水を用いた洗浄、殺菌、浄化、保存方法を、行程を表す。
図2は、孔質複合光触媒を用いた活性化処理処理海水養殖方法を表す。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】は、行程1を表示する。1、育成に使用した海域の海水で活性化処理海水を生成する。2、収穫した海ぶどうの傷口を修復する目的の為、約2日間活性化処理水の中で還流させる。3、雑菌や小エビ等を取り除き、活性化処理海水洗浄槽で約1日間ゆっくり還流洗浄する。いずれも、充分な照度を与える。4、充分な養生が出来た状態の海ぶどうを密封できる容器に入れる。5、孔質複合光触媒を用い、生成した新鮮な活性化処理海水を注入する。6、鮮度保持のため、脱気密封する。7、高温多湿、直射日光を避け、常温で保存する。
【図2】は、公知の養殖方法に、孔質複合光触媒を使用する方法を表示する。
【0025】
1、(タケモト産業株式会社製エコビームライト浄化装置)を用いるが、真水用の装置の為、フィルターや、中に使用されている部品を、海水にも耐えられるように変更する。
【0026】
2、初期に、養殖に必要な海水を養殖場に引いた後は、孔質複合光触媒を用い、活性化処理海水を生成し、生成した活性化海水を利用し孔質複合光触媒装置を循環水を通過させ、常に活性化処理海水を供給する。
【0027】
3、水温の調節が容易になり、気候の影響がなくなる為、安定した育成ができる。又、活性化処理水の特性上、通常より、より早く、より大きく育成することが出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
養殖場で採取した海ぶどうを、その場の海水を利用して、多孔質複合光触媒を用い活性化処理海水を生成し、洗浄、浄化、殺菌、する鮮度保持方法。
【請求項2】
孔質複合光触媒を用い活性化処理海水を生成し、殺菌力、浄化力を利用して、海ぶどうを洗浄する場合、活性化処理海水をゆっくり循環させる事による、海ぶどうを洗浄、浄化、殺菌、する請求項1の鮮度保持方法。
【請求項3】
ポリエチレンの袋に孔質複合光触媒を用い生成した活性化処理海水と、請求項1、請求項2の方法で洗浄、浄化、殺菌、した海ぶどうを袋に入れ、脱気密封し、常温で鮮度を保持したまま、長期保存する方法。
【請求項4】
ガラス瓶や、プラスチックなどの、光を透過する容器に、孔質複合光触媒を用い生成した活性化処理海水と請求項1、請求項2の方法で、洗浄、浄化、殺菌した海ぶどうを入れ、海水の入れ替えなしで、長期保存、育成する方法。
【請求項5】
養殖場にて、海ぶどうを養殖育成する際、孔質複合光触媒を用いた活性化処理海水を循環させ、育成する方法。

【図1】
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【図2】
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