説明

本立て型ラック体

【課題】 本出願人の先出願の特願2006−299596及び特願2008−285927に記載の円形ラック体を横置きにすると、揺動して姿勢が不安定になる。
【解決手段】 透孔が穿設されたパーツ板1と、一体形成された連結凹部によりパーツ板に交叉連結されるパーツ柱3と、第1、第2リング部を一連一体形成してなる複連リング5と、透孔と第2リング部とに挿通固定してパーツ柱3を位置決めする位置決めピン6と、連結孔を設けたコ字形抱持翼を接合一体化し、パーツ板1を平面連結する連結具7と、両端面に凸部を持つ背面パーツ柱4と、支持脚が植設された底板8と、第3リング部が植設された脚板9とを具備し、パーツ板1を仕切り板として横に整列させ、透孔に背面パーツ柱4の凸部を挿入し、パーツ板1とパーツ柱3とを交叉連結し、接地位置のパーツ柱3に第3リング部を外嵌して脚板9を配し、底板8支持脚にて接地支持し、本立て型ラック体を形成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本出願人による先出願(特願2006−299596「ラック体」及び特願2008−285927「自在立体」)中のDVDラック、テーブルラック等の物品収納整理用ラック体を横置き仕様に改良した本立て型ラック体に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人のラック体に関する先の出願(特願2006−299596及び特願2008−285927)を背景技術とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
先出願のラック体によれば、パーツ板が方形又は角形であれば、一辺が直線となり、パーツ板を仕切り板としてラック体の横置き仕様が可能である。ところが、パーツ板が円板や楕円板等のように周縁外形が多様な曲率の曲線の場合、横置きにすると、前後に揺動して姿勢が不安定となり、倒れ易く、静止状態を維持できず、ラック体の横置き仕様が不能となる課題がある。本発明は上述の課題を解決し、先出願ラック体においてパーツ板が円板や楕円板等のように周縁外形が曲線の場合、横置きにしても前後に揺動せず、姿勢を安定にして静止状態を維持し、ラック体の横置き仕様を可能とする本立て型ラック体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、周縁部に沿って所定数と径の透孔が穿設された所定形状と厚さの複数のパーツ板と、一体形成された連結凹部を前記周縁部に嵌めてパーツ板に交叉連結される複数のパーツ柱と、前記パーツ柱に外嵌される第1リング部及び前記透孔に重なる第2リング部とを一連に一体形成してなる複連リングと、前記第1リング部が外嵌されたパーツ柱の連結時に重なった前記透孔と第2リング部とに挿通固定してパーツ柱をパーツ板に位置決めする位置決めピンと、対向面に前記各透孔に重なる連結孔を設けたコ字形抱持翼のコ字背部を背中合わせに付き合わせて接合して一連一体化してなり、各抱持翼にて隣接するパーツ板各周縁部を同時に抱持し、重なった透孔と前記連結孔とに位置決めピンを同時に挿通して固定して異なるパーツ板を平面連結する連結具と、前記透孔に挿入される凸部が両端面に突設された背面パーツ柱と、下面所定位置に所定高さの接地用支持脚が所定数植設された底板と、上面所定位置に前記パーツ柱に外嵌される第3リング部が所定の位置と向きに所定数植設された脚板とを具備し、各種形状のパーツ板同士を平面連結して所望形状の仕切り板を形成し、仕切り板を整列させて所定の透孔に背面パーツ柱の凸部を挿入すると共に、仕切り板のパーツ板とパーツ柱とを交叉連結し、接地位置のパーツ柱に第3リング部を外嵌して脚板を配し、その真上に底板を配して支持脚にて接地支持し、ラック体を形成したことを特徴とする。
【0005】
上記解決手段による作用を次に述べる。まず一対の単品抱持翼の各背部を背中合わせに付き合わせて接合し、又は合わせ部位を囲い型固定部材で囲って一体化して本発明連結具を形成する。互いに異方向に開口した各抱持翼に周縁が多様な曲率の曲線を持つパーツ板を抱持し、その空き透孔に連結具の連結孔を重ねて位置決めピンにて挿通固定して異なるパーツ板を平面連結し、平面形状を自在に設定する。例えば大円形パーツ板の両肩部に耳となる一対の小円形パーツ板を連結すると、ミッキーマウス型仕切り板を形成できる。又、耳部に一対の小形三角板を連結すると、猫型仕切り板を形成でき、それぞれ仕切り板にデザイン性を持たせる。
【0006】
ミッキーマウス型等の所望の仕切り板を立てて横に整列させる。複連リングの第1リング部を外嵌したパーツ柱の連結凹部をパーツ板周縁部に嵌め、パーツ板透孔と、複連リングの第2リング部とを重ね合わせて位置決めピンを両者に同時に挿通固定し、パーツ柱をパーツ板に交叉連結する。背面パーツ柱の凸部を所定のパーツ板空き透孔に挿入して橋渡しに連結しておく。交叉連結したパーツ板とパーツ柱とでパーツ板を仕切り板として本立て型ラック体を形成する。その際、接地位置のパーツ柱に脚板の第3リングを外嵌しておき、脚板を接地させると、机上等に設置したラック体が脚板にて支持され、前後に揺動せず、姿勢を安定にして静止状態を維持する。接地位置のパーツ柱の真上に底板を配すると、支持脚が接地し、その支持脚が底板上に載せた本等を支え、且つ、背面パーツ柱が本を奥行で位置規制する。上記動作を繰り返して仕切り板を必要数だけ横に所定間隔毎に連結して横に延長しても良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、一対の抱持翼背部を付き合わせて接合した連結具と位置決めピンとで円形パーツ板等、周縁部が多様な曲率の各種パーツ板同士を平面連結してミッキーマウス型等の所望形状の仕切り板を形成する。仕切り板を立てて横に整列させ、先出願のラック体と同様、パーツ板に穿設した透孔を利用し、パーツ柱と複連リングと位置決めピンとで仕切り板を横に連結して本立て型ラック体を形成する。その際、接地位置のパーツ柱に脚板の第3リング部を外嵌しておくと、横置き仕様のラック体が脚板で支持されて前後に揺動せず、姿勢が安定して静止状態を維持する。常に人目に触れる机上において各種パーツ板からミッキーマウス型、猫型等、使用者が好みの形状の仕切り板を組み立てる。仕切り板自体に造形性を持たせて見栄えを良くし、見た目に心地好く、ラック体のデザイン性を高めることができる。
【0008】
パーツ柱は仕切り板毎に分離独立し、それを横に順次、連結していくと、本立て型ラック体を自在に延長できる。そこで、各仕切り毎のパーツ柱の長さを各種揃えておくと、本の他、CD、DVD等、常に数量が変動する収納物品の増減に合わせて各仕切り毎に長短自在に選択的に自由設定できる。仕切り数、仕切り間長さ及び板形状まで設置場所や収納物等、使用状態や好みのデザインに応じて自在に選択的に設定及び増減変更できる本立て型ラック体を形成できる。パーツ柱は各仕切り毎に分離独立しているため、部品としては短く、パーツ板も部品の状態では小さく、それぞれ場所を取らない。つまり、パーツ板、パーツ柱、複連リング、位置決めピン及び連結具の各部品は小物で、部品状態でコンパクトにまとめられるため、収納や搬送、持運び、店頭での陳列等に手間が要らない。且つ、各部品は単体で個々に独立しているため、それらの内、個々に不良が発生しても不良の当該部品単体だけを取り替えるだけで支障なく所望の本立て型ラック体を形成できる。しかも、ラックは使用者が所望の形体に自在に組み立てて形成されるもので、従って、製造時の組立コストは不要となり、大幅なコスト低減を図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施の形態を図1及び図2を参照して以下に説明する。図1(a)(b)(c)は本発明の本立て型ラック体の側面図と正面図と平面図、図1(d)(e)は本発明部品の斜視図と部分断面側面図、図2(a)〜(za)は本発明ラック体部品の各図を示す。まず図1(a)(b)(c)において(1)(2)は大小円形の各パーツ板、(3)(図中の3p〜3y)はパーツ柱、(4)は背面パーツ柱、(5)(図中の5a)は複連リング、(6)は位置決めピン、(7)は連結具、(8)は底板、(9)は脚板である。パーツ板(1)は、図2(a)(b)に示すように、周縁部に沿って所定位置に所定数と径の透孔(1a)が穿設された所定形状(図示例は円形)と厚さの平板体で、例えば所定厚み(h)の合板を所望形状に切断成形したり、プラスチック成形すれば良い。又は、図示しないが、所定形状の金属平板の全周縁部に添ってその板厚との加算で同じ厚み(h)となる枠体を一体に設け、その枠体に同様の透孔(1a)を形成しても良い。図1のパーツ板(2)は小円形板で、(2a)は所定の透孔である。図示例は円板であるが、楕円形や半円形板、扇形板、四分円形や四分円環形板、正方形板、正三角形や直角二等辺三角形板、正五角形板、長二等辺三角形板等、各種幾何学形状の他、様々な形状を必要や好みに応じて任意に導入しても良く、各パーツ板周縁部に沿って所定の透孔(1a)を穿設する。
【0010】
パーツ柱(3)は、図2(c)(d)(e)に示すように、側面上下各部に同一方向に開口した所定横深さと縦幅の一対の連結凹部(3a)が一体形成された所定長さと径の丸棒体で、金属や金属パイプ、プラスチック、木材等から形成し、連結凹部(3a)をパーツ板(1)の周縁部(側端縁部)に嵌めてパーツ板(1)に交叉連結される。パーツ板(1)の板厚(h)はパーツ柱(1)の連結凹部(3a)の縦幅(h)に等しくしておく。パーツ柱(3)は各種長さのものを長さ毎に所定数ずつ用意しておく。背面パーツ柱(4)は、図2(f)(g)に示すように、パーツ柱(3)と同径の丸棒体で、その両端面に凸部(4a)を突設しておき、その高さ(t)はパーツ板(1)の板厚(h)の半分とする。
【0011】
複連リング(5)は、図2(h)に示すように、大小各円形の第1リング部(5a)及び第2リング部(5b)を横一連に一体形成してなる8字型二連リングである。第1リング部(5a)のリング内径(r)はパーツ柱(3)の外径(r)に等しく、パーツ柱(3)に外嵌される。第2リング部(5b)のリング内径(s)は透孔(1a)の孔径(s)に等しい。複連リング(5)は、図2(h)に示すように、一本の金属線材を8字形に屈曲成形し、又は図2(i)に示すように、中間交叉部位の二リング連結部位(5c)を溶着、接着剤等により直接的に連結一体化しても良く、又は図2(j)に示すように、一本の線材の始点と終点を中間交叉部位の二リング連結部位に集め、その部位に筒状金属(5d)を嵌めて圧潰して一本化し、二リングを連結一体化する。又は、図2(ja)(図面左下隅)に示すように、上記線材の始点と終点の両端部(5e)を筒状金属(5d)から食み出させて側面で折り曲げて圧潰すると、線材の抜けを防止してより強固に連結一体化できる。又は、金属テープ部材を巻き付けて圧潰して一本化し、二リングを連結一体化する。又は、柔軟で十分な強度のプラスチック線材にて同様に形成しても良い。又は、プラスチック又は金属板から金型により直接8字形に成形加工しても良い。
【0012】
位置決めピン(6)はねじ径(s)の所定長さのボルト及び対応するナットである。位置決めピン(6)はパーツ板(1)とパーツ柱(3)とを交叉連結し、図2(k)(l)に示すように、複連リング(5)の第1リング部(5a)をパーツ柱(3)に外嵌し、連結凹部(3a)にパーツ板(1)の周縁部を差し込み、交叉させる。重なった透孔(1a)と第2リング部(5b)とにボルトの位置決めピン(6)を挿通し、下に突き出たボルトにナット(6a)を締め付けてパーツ板(1)とパーツ柱(3)とを交叉連結する。図示しないが、先出願と同様、位置決めピン(6)は径(s)の所定長さの差し込み式平ピン及びそれに嵌め込むナット対応の円環型ゴムブッシュでも良く、その内径をピン径よりやや小さくしておく。平ピン型位置決めピンはをゴムブッシュの環内に押し込むだけでゴムとの摩擦によりピンを固定でき、作業を簡略化する。先出願と同様に、ゴムブッシュの円環孔内周面に凸部を設けて平ピンとの摩擦を大きくしてピン固定を強化する。
【0013】
図示しないが、先出願と同様、パーツ板(1)の表裏各面上に透孔(1a)と同軸に内径が透孔径よりやや小さ目の円環型ゴムブッシュを貼着固定し、平ピンをゴムブッシュを通って透孔(1a)に挿入すると、平ピンの位置決めピンはゴムブッシュとの摩擦により固定される。先出願と同様、パーツ板(1)の透孔(1a)内の表裏各面近傍に設けた凹穴に透孔(1a)と同軸に円環型ゴムブッシュを埋設して表裏各面を平坦化しても良く、先出願と同様、摩擦を生じさせるため、ゴムブッシュ内径を透孔(1a)の孔径よりもやや小さくしておく。尚、ゴムブッシュに替えてナットを貼り付け又は埋設しても良く、ボルトの位置決めピンをナットにねじ込むだけで位置決めでき、作業が簡略化される。
【0014】
連結具(7)は、図2(m)のコ字成形した一対の抱持翼(7a)の背部側を、図2(n)に示すように、背中合わせに付き合わせて合わせ部位を溶接、溶着、接着、ねじ止め等にて接合一体化する。又は図2(o)に示すように、囲い型固定部材(7b)で同様に合わせ部位を囲って固定一体化して連結具(7)を形成しても良い。各抱持翼(7a)には対向面所定位置に上下同時貫通する孔径(s)の連結孔(7c)が穿設され、その翼間高さ(h)をパーツ板(1)の板厚(h)に等しくする。抱持翼(7a)は金属平板をコ字成形して連結孔(7c)を穿設し、或いはプラスチックをコ字成形しても良い。又は図2(p)に示すように、略十字形金属平板の長めの上下各板(7d)を一対の抱持翼として連結孔(7c)を穿設し、コ字成形する。次に、コ字成形した上下各板(7d)と他のコ字形抱持翼(7a)の各背部を背中合わせに付き合わせ、短めの左右各板(7e)を内側に折り曲げて他の抱持翼(7a)の背部に重ねて締め付けて両翼を固定一体化する。連結具(7)は、図2(q)(r)に示すように、相異なるパーツ板(1)の各周縁部を抱持翼(7a)により抱持し、重なった透孔(1a)と連結孔(7c)とに位置決めピン(6)のボルトを挿通し、突き出たボルトをナット(6a)で締め付けて両パーツ板(1)を平面連結する。
【0015】
底板(8)は、図2(s)(t)に示すように、所定寸法の方形板で、その下面所定位置に四本の支持脚(8a)を植設する。横幅(w)はラック体組み立て時の仕切り板間長さに等しく、奥行長(d)はパーツ板(1)の直径よりもやや短めにしている。脚板(9)は、図2(u)(v)(w)に示すように、所定寸法の方形板(9a)の上面所定位置に一対の第3リング部(9b)を植設する。第3リング部(9b)は、図2(x)に示すように、所定径の金属線材を円環形に成形して端部を組み付け端(9c)とし、組み付け端(9c)を方形板(9a)の上面所定位置に差し込んで固定する。その内径(r)をパーツ柱(3)の外径(r)に等しくして後述のように接地位置のパーツ柱(3)に外嵌し、ラック体の揺動を防止して姿勢を安定に維持する。横幅(a)はラック体の奥行方向になり、底板(8)の奥行(d)よりもやや短めにし、縦幅(b)は適宜長さとする。
【0016】
上記構成に基づき本発明の動作(機能)を次に説明する。まず図2(r)に示すように、連結具(7)の異方向の各抱持翼(7a)に隣り合う相異なるパーツ板(1)の周縁部を嵌め込んで透孔(1a)と連結孔(7c)とを重ねる。且つ、両孔内に位置決めピン(6)を同時挿通してパーツ板下面側でナット締めし、連結具(7)を用いて異なるパーツ板(1)同士を平面連結する。上記連結具(7)によるパーツ板(1)の連結を利用し、図1(a)に示すように、周縁部が曲線の大円形パーツ板(1)の両肩部に小円形パーツ板(2)を連結具(7)にて平面的に連結すると、図示例のようにミッキーマウス型仕切り板となる。図1(c)においてパーツ板(1)(2)の連結具(7)及びパーツ板(2)の一部を図示省略する。
【0017】
図示しないが、上記両肩部に小三角形パーツ板を連結すると、猫型仕切り板、又、長めの半円形パーツ板を連結すると、兎型仕切り板をそれぞれ形成する。パーツ板(1)の表面にミッキーマウスやパンダ、又は猫、兎等の絵シールを貼り付けても良い。図1(a)に示すように、パーツ板(1)の所定位置に所定厚と形状の円板(10)又は(11)を貼り付けておく。後述するラック体組み立て時に位置決めピン(6)による出っ張りを厚み的にカバーし、本等の収納時、同出っ張りによる引っ掛かり等の収納阻害を解消する。図示例では、図面表面側に鎖線で示す3枚の小円板(10)を貼り付け、裏面側に点線で示す一部切り欠き円板(11)を貼り付ける。3枚の小円板(10)はミッキーマウスの目と鼻を表わし、一部切り欠き円板(11)は頭部の毛髪を表わす。
【0018】
次に、図2(l)(k)に示すように、複連リング(5)の第1リング部(5a)をパーツ柱(3)の連結凹部(3a)の近傍にそれぞれ嵌め込む。一方、仕切り板となるパーツ板(1)を立てて横に整列させ、連結凹部(3a)をパーツ板(1)の周縁部(側端縁部)に嵌めて複連リング(5)の第2リング部(5b)を透孔(1a)に同軸に重ねる。位置決めピン(6)のボルトをパーツ板(1)の側方から第2リング部(5b)及び透孔(1a)に同時に挿通する。パーツ板(1)の裏面側でナット(6a)を位置決めピン(6)に螺合してナット締めして、パーツ板(1)とパーツ柱(3)とを交叉連結する。上記動作により、図1(a)(b)(c)に示すように、一本のパーツ柱(3p)の左右各連結凹部(3a)によって隣り合うパーツ板(1x)(1y)を水平橋渡しに連結する。同様に、空き透孔(1a)の一つ置きに他のパーツ柱(3q)を連結する。
【0019】
更に、一対のパーツ柱(3r)(3s)のそれぞれに脚板(9)の第3リング部(9b)を嵌めた状態で各パーツ柱(3r)(3s)を最下位置の左右の隣り合う透孔(1a)に連結する。又、空き透孔(1a)に背面パーツ柱(4)の凸部(4a)を横に内挿して仕切り板のパーツ板(1x)(1y)間に橋渡し状に連結しておく。次に、図1(a)(c)に示すように、底板(8)を支持脚(8a)がパーツ柱(3r)(3s)の間に収まるように配して同パーツ柱(3r)(3s)の真上に配する。パーツ柱(3)の長さに応じた仕切り間長さの本立て型ラック体を形成する。但し、図1(c)では底板(8)を鎖線で示し、前側半分を図示する。
【0020】
上記ラック体を机上等の設置面上に載せると、脚板(9)により同ラック体が支持され、曲率を持った仕切り板(1)に対して前後揺動を防止してラック体の姿勢を安定に維持する。脚板(9)の横幅(a)は揺動を防止するのに十分な長さを確保しておき、縦幅(b)も同様で、必要に応じ、脚板(9)の数を増やしても良い。又、ラック体の設置面に支持脚(8a)が接地して底板(8)を支持する。底板(8)上に本等を載せた際、その荷重は底板(8)から接地の支持脚(8a)を経て机等の設置面にて直接受けており、パーツ柱(3)や脚板(9)等に本荷重による力は加わらない。背面パーツ柱(4)はパーツ柱(3p)(3q)よりもやや内側に位置し、本等の収納時、その背面側が背面パーツ柱(4)に当接して本の奥行を位置規制する。
【0021】
次に、連結したパーツ板(1y)の隣に他のパーツ板(1z)を整列させ、上記と異なる長さのパーツ柱(3t)(3u)を空き透孔(1a)の一つ置きに同様に連結してパーツ板(1y)(1z)に交叉連結する。更に、一対のパーツ柱(3r)(3s)と同軸位置にあるパーツ板(1z)の透孔(1a)にパーツ柱(3v)(3w)を連結する。この場合、パーツ板(1y)側の透孔(1a)は空きではない。図1(d)(e)に示すように、突き出たパーツ柱(3r)(3s)の各端部を円筒体(12)に挿通してパーツ柱(3r)と(3v)、及びパーツ柱(3s)と(3w)とをそれぞれ同軸に連結して脚板(9)を配する。又は、円筒体(12)に代えて粘着テープ等を巻き付けて各同パーツ柱を同様に連結しても良い。各同パーツ柱には本荷重は加わらず、横向きに力が加わることもないため、使用時に外れることはない。更に、パーツ板(1y)(1z)のそれぞれの隣の各透孔(1a)にパーツ柱(3x)(3y)を連結し、パーツ板(1y)(1z)に交叉連結しておく。
【0022】
これにより仕切り板のパーツ板(1)を横に増やし、漸次、ラック長を横に延長でき、図示しないが、パーツ柱(3v)(3w)にそれぞれ円筒体(12)を介して他のパーツ柱を同軸に連結すると、漸次、ラック体を更に延長できる。しかもパーツ柱(3)の長さを適宜、選択して仕切り板間長さを任意に選択できる。同様に、相異なる長さの各種パーツ柱(3)を長さ毎に複数組、予め用意し、それらを選択的に用いて必要な各仕切り間長さ及び仕切り数に設定し、増減する収納物や設置場所等、好みに合わせて任意に対応できる。又、上記同様、底板(8)を接地位置のパーツ柱(3x)(3y)の真上に配して支持脚(8a)により机上面等に支持し、且つ、背面パーツ柱(4)も凸部(4a)をパーツ板(1y)側と同じ水平高さ位置にある空き透孔(1a)に内挿して橋渡しに連結する。又、円形の他、五角形や六角形等の多角形、楕円形やハート型等の多様な曲率を持つ等、各種形状のパーツ板(1)を用いて同様に各種ラック体を自在に形成しても良い。
【0023】
尚、本発明では、背面パーツ柱(4)を横に配し、収納した本の奥行の位置規制に用いているが、先出願のラック体にも適用可能で、上下縦に配したパーツ板間に縦に配してパーツ板支持に用いる。特にパーツ板連結時、中間内方の連結位置であって外周縁が塞がってパーツ柱(3)の周縁部への嵌め込みが不能の場合、それに替えてパーツ柱(4)を配すれば良い。この場合、図2(y)(z)に示すように、金属又はプラスチック製等の連結用筒体(4b)の中間に中底板(4c)を設け、その中央位置に貫通孔(4d)を穿設し、且つ、板厚(h)をパーツ板の板厚(h)に等しくしておく。そこで、図2(za)に示すように、筒体(4b)の両端から相異なるパーツ板(4)を挿通し、凸部(4a)を貫通孔(4d)に挿入し、相異なる両パーツ板(4)を同軸に連結する。そうすると、パーツ柱(4)を先出願の多段ラック体の上下パーツ板支持に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(a)(b)(c)は本発明の本立て型ラック体の側面図と正面図と平面図、(d)(e)は本発明のパーツ柱の端部と円筒体の斜視図と一部断面正面図。
【図2】(a)(b)は本発明のパーツ板の平面図と側面図、(c)(d)(e)は本発明のパーツ柱の側面図と正面図と平面図、(f)(g)は本発明の背面パーツ柱の正面図と平面図、(h)(i)(j)は本発明の複連リングの各平面図、(ja)は本発明の複連リングの一部平面図、(k)(l)は本発明のパーツ板とパーツ柱の連結時の各部分側面図と平面図、(m)は本発明の連結具の抱持翼の斜視図、(n)(o)は本発明の連結具の側面図と平面図、(p)は本発明の連結具の展開図、(q)(r)は本発明の連結具のパーツ板連結時の各部分側面図と平面図、(s)(t)は本発明の底板の平面図と側面図、(u)(v)(w)は本発明の脚板の正面図と平面図と側面図、(x)は本発明の第3リング部の正面図、(y)(z)(za)は本発明の背面パーツ柱の連結用筒体の平面図と縦断面図と連結時の縦断面図。
【符号の説明】
【0025】
1 パーツ板(大円形)
2 パーツ板(小円形)
3 パーツ柱
4 背面パーツ柱
5 複連リング
6 位置決めピン
7 連結具
8 底板
9 脚板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周縁部に沿って所定数と径の透孔が穿設された所定形状と厚さの複数のパーツ板と、一体形成された連結凹部を前記周縁部に嵌めてパーツ板に交叉連結される複数のパーツ柱と、前記パーツ柱に外嵌される第1リング部及び前記透孔に重なる第2リング部とを一連に一体形成してなる複連リングと、前記第1リング部が外嵌されたパーツ柱の連結時に重なった前記透孔と第2リング部とに挿通固定してパーツ柱をパーツ板に位置決めする位置決めピンと、対向面に前記各透孔に重なる連結孔を設けたコ字形抱持翼のコ字背部を背中合わせに接合して一連一体化してなり、各抱持翼にて隣接するパーツ板各周縁部を同時に抱持し、重なった透孔と前記連結孔とに位置決めピンを同時に挿通して固定して異なるパーツ板を平面連結する連結具と、前記透孔に挿入される凸部が両端面に突設された背面パーツ柱と、下面所定位置に所定高さの接地用支持脚が所定数植設された底板と、上面所定位置に前記パーツ柱に外嵌される第3リング部が所定の位置と向きに所定数植設された脚板とを具備し、各種形状のパーツ板同士を平面連結して所望形状の仕切り板を形成し、仕切り板を整列させて所定の透孔に背面パーツ柱の凸部を挿入すると共に、仕切り板のパーツ板とパーツ柱とを交叉連結し、接地位置のパーツ柱に第3リング部を外嵌して脚板を配し、その真上に底板を配して支持脚にて接地支持し、ラック体を形成したことを特徴とする本立て型ラック体。
【請求項2】
パーツ板は相異なる大きさ及び各種幾何学形状からなり、同一形状と大きさの一群からなるパーツ板を一組とし、各種形状及び大きさ毎に複数組、揃えたことを特徴とする請求項1記載の本立て型ラック体。
【請求項3】
パーツ板同士を平面連結する連結具は、パーツ板周縁部を抱持して対向面にパーツ板各透孔に重なる連結孔を有する一対のコ字型抱持翼の各背部を背中合わせに付き合わせて合わせ部位を囲い型固定部材で囲って締め付けて一体化してなり、各抱持翼にて隣接するパーツ板各周縁部を同時に抱持し、重なった各透孔と前記連結孔とに位置決めピンを挿通して固定して異なるパーツ板を平面連結することを特徴とする請求項1又は2記載の本立て型ラック体。
【請求項4】
パーツ板同士を平面連結する連結具は、一対のコ字型抱持翼の各背部を背中合わせに付き合わせて合わせ部位を溶接又は接着剤により直接一体化したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の本立て型ラック体。
【請求項5】
複連リングは、所定強度の線材を8字形状に成形し、又はその中間交叉部位に集めた前記線材両端部を金属テープ部材又は筒状金属で囲って締め付けて固定し、又は前記両金属部材から前記両端部の先端部を食み出させて折り曲げて締め付けて固定し、又は前記中間交叉部位を直接、溶着又は接着固定してなることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の本立て型ラック体。
【請求項6】
パーツ柱は相異なる各種長さからなり、同一長さの一群からなるパーツ柱を一組とし、各種長さ毎に複数組、揃えたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の本立て型ラック体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−40328(P2012−40328A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197113(P2010−197113)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(503052335)
【Fターム(参考)】