説明

材料、特には吸収性物品で使用される材料のボンディング方法

【課題】衛生ナプキン、パンティライナ、タンポン吸収性唇間デバイス、おむつ、失禁デバイス、及びワイプ等のような吸収性物品を含む物品の製造に使用される材料をボンディングさせる方法を提供する。
【解決手段】開示される方法には多数の側面がある。1つの側面においては、その方法が比較的厚い材料(例えば4mm以上の厚さを有する材料)を介してボンディングさせるのに使用されるのを可能とする改良がなされる。他の側面においては、ボンディングさせられるべき材料に事実上無制限の数のボンディングパターンを生じさせる能力を有する方法が提供される。さらに他の側面においては、本ボンディング方法はボンド形成を改良する圧縮工程を利用する。さらに他の側面においては、材料,それを介してボンドが形成される,材料をスリットする工程を利用するボンディング方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には吸収性物品で使用される材料のボンディング方法に関するが、ここで記載される技術は他のタイプの物品で使用される材料をボンディングさせるのに使用されてもよい。好ましい態様において、本発明は、衛生ナプキン、パンティライナ、タンポン、吸収性唇間デバイス(absorbent interlabial device)、おむつ、及び失禁デバイス等のような吸収性物品の製造で使用される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
衛生ナプキン、パンティライナ、タンポン、吸収性唇間デバイス、使い捨ておむつ、失禁製品、及びバンデージのような吸収性物品は、人体からの液体や他の放出物を吸収及び保持するように並びに身体及び衣服が汚れるのを防止するように設計されている。
【0003】
吸収性物品の製造において、最終製品を形成するために、ともに吸収性物品を形成するコンポーネントをボンディングさせることが一般に必要である。そのような材料をボンディングさせる典型的な方法は、接着剤、熱及び/または圧力、及び超音波工学を含んでいる。
【0004】
しかしながら、幾つかの材料は、それらの構造保全性(structural integrity)或いは組成のせいで、これら典型的なボンディング技術ではボンディングさせられ得ない。そのようなタイプの材料の1つは、1993年11月9日にDesMaraisらに交付された米国特許第5,260,345号、1993年12月7日にDesMaraisらに交付された米国特許第5,268,224号、及び1995年2月7日にDyerらに交付された米国特許第5,387,207号に記載されるような高分散相エマルジョン(high internal phase emulsions:或いは、「HIPE」フォーム)から作られた吸収性フォーム材料である。そのような材料は、典型的には、低い引張り強さ及び/または低い構造保全性を有している。そのような材料への接着剤を用いたボンディングは、その構造保全性がしばしば接着剤のボンドほどは強くないため困難である。その結果、これら材料の接着剤と直接に接触している部分のみが他の材料とボンディングさせられたままとなるであろう。その材料の残りは、それがボンディングさせられた材料から容易に分離するであろう。そのようなフォームは熱硬化性ポリマーであるので、そのような材料は熱接着を用いてボンディングされ得ない。一旦、それらが形成されると、それらは再溶融され得ない。その代わりに、そのようなフォーム材料に熱が印加されると、それらは熱接着に必要な溶融及びフローよりはむしろ炭化するであろう。熱硬化性フォーム材料は圧力下でフローし且つ融合される能力を有していないので、そのようなフォーム材料は同様にプレス接着され得ない。
【0005】
1984年9月25日にHaqに交付され「Porous Polymeric Material Containing a Reinforcing and Heat−Sealable Material」と題された米国特許第4,473,611号は、材料を高分散相エマルジョンの重合により準備された非常に多孔性の高分子材料にボンディングさせる1つの従来の努力を記載している。Haqのリファレンスは、そのような材料に熱可塑性の繊維状、粒状、或いは小孔状材料を組み込むことにより、それにヒートシールを形成する能力を提供することを開示している。ワイプのような物品は、2つのヒートシール性基材の間に改質された多孔性高分子材料を挟み込み、第1及び第2の基材を中間の非常に多孔性の高分子材料中のヒートシール性補強材料にヒートシールすることにより形成される。しかしながら、Haqの特許に記載された多孔性高分子材料の作製方法は、熱可塑性材料の添加を必要とする。
【0006】
吸収性物品の製造で使用される他のタイプの材料は、しばしば、熱可塑性材料を具備する。1989年8月8日にBallらに交付され「Dynamic Mechanical Bonding Method and Apparatus」と題された米国特許第4,854,984号は、薄層を一対のロール間の圧力バイアスされたニップに送ることにより複数の薄層を相互に動的機械的にボンディングさせる方法及び装置を開示している。Ballらの特許に記載された方法は、商業上の大きな成功とともに使用されている。それでもなお、材料をボンディングさせる改良された方法の調査が続けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、材料、特には吸収性物品で使用される材料の改良されたボンディングについての要求が存在している。例えば、公知のボンディング技術ではボンディングさせられ得ない吸収性物品で使用される材料の改良されたボンディング方法についての、及び特にはそれに他の材料をボンディングさせるために問題となっている材料への熱可塑性材料の添加を必要としない方法についての要求が存在している。また、吸収性物品の製造の際に、比較的厚い材料を介してボンディングさせる方法についての要求が存在する。加えて、ボンディングさせられるべき材料に事実上無制限の数のボンディングパターンをもたらし得るボンディング方法についての要求も存在している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一般には、吸収性物品で使用される材料をボンディングさせる方法へと向けられているが、ここで記載される技術は他のタイプの物品で使用される材料をボンディングさせるのに使用されてもよい。ここで記載される方法のそのような使用全ては、本発明の範囲内にあると考えられてもよい。好ましい態様において、本発明は、衛生ナプキン、パンティライナ、タンポン、吸収性唇間デバイス、おむつ、及び失禁デバイス等のような吸収性物品の製造で使用されるような方法に関する。
【0009】
本発明には多数の側面がある。1つの側面において、本発明は、幾つかの材料を具備する複合構造を形成するプロセスの際に、不適合な(incompatible)材料を介してボンディングさせる方法に関する。ここで使用されるように、用語「不適合な材料」は、従来のボンディング技術を用いて他の材料にボンディングさせることが困難な材料をいう。他の側面において、本発明は、その方法が、比較的厚い材料(例えば、約2、3、或いは4mm以上の厚さを有する材料)を介してボンディングさせるのに使用されるのを可能とする改良に関する。他の側面において、本発明は、ボンディングさせられるべき材料において事実上無制限の数のボンディングパターンをもたらし得るボンディング方法に関する。さらに他の側面において、本発明は、圧縮工程を利用してボンド形成を改良するボンディング方法に関する。さらに他の側面において、本発明は、材料,それを介してボンドが形成される,をスリットする工程を利用するボンディング方法に関する。
【0010】
本明細書で記載される態様は、本明細書の長さが過度とならないように好ましい態様によって表されていることが理解されるべきである。本発明はそのような態様に制限されることが意図されないことが理解されるべきである。また、ここで記載される方法の側面は単一のプロセスの中で組み合わせられ得ること、またはそれらは個々に或いはどのような所望の組み合わせでも使用され得ることが理解されるべきである。さらに、本発明者らはこれら側面のそのような使用或いは組み合わせの全てが独立した特許権を受けられ得る発明を潜在的に具備していることを考慮していること、及びそのような発明の範囲は従来技術が認めるのと同程度に広いことが意図されていることが理解されるべきである。そのような本発明の範囲は、請求の範囲のみにより制限されることが意図されるものであり、ここに記載される好ましい態様により制限されることは意図されていない。
【0011】
不適合な材料を介してボンディングさせる方法の側面は、好ましくは、 (a)従来技術を用いたボンディングに対して少なくともある程度の不適合性を有する材料を提供する工程,前記不適合な材料は第1のボンディング性(bondability)、第1の表面、及び第2の表面を有する; (b)前記第1のボンディング性よりも高いボンディング性を有する少なくとも1つの他の材料を提供する工程; (c)前記不適合な材料の前記第1及び第2の表面の少なくとも一部を、前記第1のボンディング性よりも高いボンディング性を有する前記少なくとも1つの材料で被覆する工程;及び (d)前記不適合な材料の前記第1の表面の少なくとも一部を被覆する前記より高いボンディング性を有する前記材料を、前記不適合な材料の前記第2の表面の少なくとも一部を被覆する前記より高いボンディング性を有する前記材料に、前記不適合な材料を貫通する複数のボンド(bonds)を用いてボンディング させる工程を具備する。
【0012】
ここで記載される方法の本側面において、不適合な材料は、好ましくは吸収性材料を具備する。1つの特に好ましい態様において、その不適合な材料は、熱硬化性高分子吸収性フォーム材料を具備する。より高いボンディング性を有する材料は、制限されるものではないが、1つ以上の材料のウェブ、グルーの層、或いはシリコーンコーティングを含む幾つかの好適な材料を具備し得る。不適合な材料が熱硬化性高分子吸収性フォーム材料を具備する1つの特に好ましい態様において、より高いボンディング性を有する材料は不織布ウェブを具備する。
【0013】
また、本発明は、材料、特には、衛生ナプキン、パンティライナ、タンポン、吸収性唇間デバイス、おむつ、失禁デバイス、及びワイプ等のような吸収性物品での使用のための吸収性材料のような圧縮可能な材料を付形する方法を提供する。本発明のこの側面において、圧縮可能な不適合な材料にボンドパターンが型押しされ、不適合な材料の一部を不適合な材料の残りから分離し、その分離された部分を特異な形状へと形作る。ここで記載される方法の付形する側面は、1つ以上の折り畳み工程を伴ってもよい。ここで記載される方法の多数の他の使用もまた明白となるであろう。
【0014】
本明細書は、本発明を形成するものとみなされる主題を個々に指し示し且つ明確に請求する請求の範囲で締めくくられるが、本発明は添付する図面と一緒に扱われる以下の記載からより良好に理解されるものと信じる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の方法を用いてボンディングさせられ且つ衛生ナプキンのための吸収性チューブへと付形される不適合な吸収性フォーム材料を具備する材料の複合ウェブの斜視図。
【図2】任意であるが好ましい吸収性チューブをつくる工程において、図1に示す複合ウェブ中の吸収性材料を粒状材料へと形成するのに使用される装置の斜視図。
【図3】図2に示す装置に送り出され且つ不適合な吸収性フォーム材料が粒状材料へと形成された後の図1に示す複合ウェブの部分的に断片化された斜視図。
【図4】第1の任意の折り畳み操作で側縁が折り畳まれた後の図3に示す複合ウェブの斜視図。
【図5】第2の任意の折り畳み操作で折り畳まれた後の図3に示す複合ウェブの概略的な斜視図。
【図6】一部が相互にボンディングさせられた後の図5に示す複合ウェブの概略的な斜視図。
【図7】図6の7−7線に沿ったボンディング箇所の1つで得られる図6に示すウェブの簡略化された断面図。
【図8】簡略化された方法で示される型押しロールで衛生ナプキンのための吸収性材料のチューブをボンディングさせるのに使用される方法の一工程の一態様の概略的な斜視図。
【図9】型押しロールとアンビルロールとの間のニップ中の比較的高いキャリパ材料を示す簡略化された断片的な概略図であり、そこで、型押しロールはその隆起したエレメントの周りに圧縮可能な材料を提供していない。
【図10】型押しロールとアンビルロールとの間のニップ中の比較的高いキャリパ材料を示す簡略化された断片的な概略図であり、そこで、型押しロールはその隆起したエレメントの周りに圧縮可能な材料を提供している。
【図11】間欠ロードベアリング部材を有する従来の動的ボンディングロールの表面を示す斜視図。
【図12】連続ロードベアリング部材を有する本発明の方法に一態様で使用される型押しロールの表面を示す斜視図。
【図13】本発明の方法によりボンディングさせられ且つ付形された吸収性材料のチューブを身体対向側に有する複巻式の衛生ナプキンの斜視図。
【図14】本発明の方法を用いて2つの不適合な材料を相互にボンディングさせる代わりの方法を示す斜視図。
【図15】本発明の方法によりボンディングさせられ且つ付形された吸収性唇間デバイスの斜視図。
【図16】唇間デバイスをつくるのに使用される本発明の方法の変形の斜視図。
【図17】本発明の方法によりつくられた衛生ナプキンの部分的に断片化された平面図。
【図18】図17に示す衛生ナプキンの一部の概略的な断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、吸収性物品での使用のための材料をボンディングさせる方法に関するが、ここで記載される技術は他のタイプの物品で使用される材料をボンディングさせるのに使用されてもよい。好ましい態様において、本発明は、衛生ナプキン、パンティライナ、タンポン、吸収性唇間デバイス、おむつ、失禁デバイス、及びワイプ等のような吸収性物品の製造において使用される方法に関する。
【0017】
本発明には多数の側面がある。1つの側面において、本発明は、幾つかの材料を具備する複合構造を形成するプロセスの際に、不適合な材料を介してボンディングさせる方法に関する。ここで使用されるように、用語「不適合な材料」は、従来のボンディング技術を用いて他の材料にボンディングさせることが困難な材料をいう。他の側面において、本発明は、その方法が、比較的厚い材料(例えば、約2、3、或いは4mm以上の厚さを有する材料)を介してボンディングさせるのに使用されるのを可能とする改良に関する。他の側面において、本発明は、ボンディングさせられるべき材料において事実上無制限の数のボンディングパターンをもたらし得るボンディング方法に関する。さらに他の側面において、本発明は、圧縮工程を利用してボンド形成を改良するボンディング方法に関する。さらに他の側面において、本発明は、材料,それを介してボンドが形成される,をスリットする工程を利用するボンディング方法に関する。
【0018】
本明細書で記載される態様は、本明細書の長さが過度とならないように好ましい態様によって表されていることが理解されるべきである。本発明はそのような態様に制限されることが意図されないことが理解されるべきである。また、ここで記載される方法の側面は単一のプロセスの中で組み合わせられ得ること、またはそれらは個々に或いはどのような所望の組み合わせでも使用され得ることが理解されるべきである。さらに、本発明者らはこれら側面のそのような使用或いは組み合わせの全てが独立した特許権を受けられ得る発明を潜在的に具備していることを考慮していること、及びそのような発明の範囲は従来技術が認めるのと同程度に広いことが意図されていることが理解されるべきである。そのような本発明の範囲は、請求の範囲のみにより制限されることが意図されるものであり、ここに記載される好ましい態様により制限されることは意図されていない。
【0019】
特に好ましい態様において、ここで記載される材料のボンディング方法は、そのボンディングプロセスを使用して物品の一部に外力を印加し、それを付形することにより、吸収性物品(或いは他のタイプの物品)またはそれらの一部に独特の三次元形状を提供するのに使用されてもよい。
【0020】
1.本発明の方法の1つの非制限的な態様の説明:複巻式の(compound)衛生ナプキンのための吸収性材料のチューブの作製における使用 本発明の方法は、吸収性物品を含む多くの異なるタイプの物品で使用する多くの異なる材料をボンディングさせるのに使用され得る。図1〜8は、本発明の方法の1つの特に好ましい用途を示している。図1〜8は、ベースパッドの身体対向側に配置されて複巻式の衛生ナプキンを形成する吸収性材料のチューブを作製するプロセスを示している。複巻式の衛生ナプキンは、パンティプロテクタ(ベースパッド)と連結された第1の月経パッド(吸収性パッドのチューブ)を具備している。吸収性材料のチューブは、本発明の方法によりボンディングさせられ且つ付形されている。最終製品を図13に示す。
【0021】
それら図面は、吸収性材料のチューブを具備する材料をボンディングさせる工程の前(及び後)に行われる幾つかの工程を示している。これら幾つかの工程は任意であり、それらは図13に示す吸収性製品を作製するのに有用であるので示されていることが理解されるべきである。本発明の方法の使用全てが、これら任意の工程を含む必要はない。本発明の方法は図1〜8に示す方法に制限されるものではなく、図1〜8に示す方法は単なる例示であることが理解されるべきである。
【0022】
A.コンポーネントの組み立て図1は、本発明の方法を用いてボンディングさせられ、図13に示す衛生ナプキンで使用される吸収性チューブへと付形される材料20の複合ウェブを示している。図1に示す材料20の複合ウェブは、接着剤、熱及び/または圧力、及び超音波工学のような従来の技術を用いたボンディングに不適合な第1の材料22のウェブを具備している。第1の材料22のウェブはまた、「ボンディング不適合材料」或いは「不適合な材料のウェブ」と呼ばれてもよい。不適合な材料22のウェブは、第1の表面22A及び第2の表面22Bを有している。
【0023】
不適合な第1の材料22は、どのような適当な材料であってもよい。好ましくは、不適合な材料22のウェブは吸収性材料であるが、実質的に非吸収性の不適合な材料も本発明の方法を用いてボンディングさせられ得る。不適合な材料22のウェブは、必須ではないが、圧縮可能及び/または弾性であってもよい。好ましくは、本発明のこの態様において、第1の材料22は、圧縮可能であり且つ弾性の多孔質吸収性材料を具備する。また、第1の材料22は、ウェブの形態の材料に制限されない。第1の材料22は、どのような適当な形態であってもよい。例えば、第1の材料22は、粒子或いは繊維の塊、積層体、1つ以上の層、ストリップ、シート、ブロック、或いはウェブの形態であってもよい。好ましくは、図面に示す吸収性材料のチューブを作製するために、それはウェブの形態である。
【0024】
不適合な材料22のウェブは、第1のボンディング性(他の材料にボンディングさせる或いは他の材料をそれにボンディングさせ得る容易さ或いは程度)を有している。不適合な材料22のウェブは、必須ではないが、従来のボンディング技術に対して完全に不適合であってもよい。例えば、それは、他の材料がそのような技術を用いて単に容易にボンディング可能ではない材料であってもよい。材料のボンディング性は、他の材料とのボンド或いは試みられたボンド状態から材料を分離するのに必要な力を測定することにより規定され得る。この規定のために、いずれが最初に起ころうと、2つの材料が剥離され得る力或いはそれら材料を引き離すことを試みるプロセスの間に不適合な材料の構造保全性が壊れる力のもとで分離が生じる。
【0025】
不適合な材料22のウェブは、1つ以上の理由で、他の材料が容易にはボンディング可能ではない材料であってもよい。たいていの場合、そのような材料は、それらの構造保全性或いは組成のせいで従来のボンディング技術に対して不適合である。あるタイプの不適合な材料は、高分散相エマルジョン(或いは「HIPE」フォーム)からつくられた多孔質高分子吸収性フォーム材料である。これら特徴を有する吸収性フォーム材料は、以下の特許に制限されるものではないが、1993年11月9日にDesMaraisらに交付された米国特許第5,260,345号、1993年12月7日にDesMaraisらに交付された米国特許第5,268,224号、及び1995年2月7日にDyerらに交付された米国特許第5,387,207号を含む特許文献に記載されている。そのような材料は、低い引張り強さ及び/または低レベルの破断点伸び(elongation before breaking)を有していてもよい。
【0026】
そのような材料の構造保全性はしばしば接着剤によるボンドほど強くはないので、他の材料を接着剤を用いてこれら吸収性フォーム材料にボンディングさせることは困難である。結果として、接着剤と直接に接触している不適合な材料の一部のみが他の材料とボンディングさせられたままとなるであろう。不適合な材料の残りは、それがボンディングさせられている材料から容易に分離するであろう。加えて、上記特許に記載されたフォーム材料は、これらフォームは熱硬化性ポリマーであるので、他の材料に熱接着を用いてボンディングさせられ得ない。一旦、それらが形成されると、それらは再溶融され得ない。その代わりに、これらフォーム材料に熱が適用されると、それらは、熱接着に必要な溶融やフローよりはむしろ炭化するであろう。熱硬化性フォーム材料は圧力下でフローし且つ融合される能力を有していないので、これらフォーム材料は他の材料にプレス接着され得ない。
【0027】
それゆえ、不適合な材料22のウェブは、容易にはボンディング可能でない材料と呼ばれてもよい。場合によっては、非ヒートシール性の、熱可塑性材料のないものと、及び/または低い構造保全性を有する材料と呼ばれてもよい。不適合な材料の使用は不適合な材料をボンディングさせる方法を扱う本発明の側面において単に重要であるということも理解されるべきである。ここで記載される方法の他の側面において、不適合な材料を使用する必要はない。そのような他の側面においては、広範な吸収性材料を含むどのような適当な材料も使用され得る。
【0028】
それら図面に示す態様において、不適合な材料22のウェブは、前述の特許に記載されたフォーム材料の1つのような吸収性フォーム材料のウェブである。図1に示す態様における不適合な材料22のウェブは、第2の材料24のウェブの中に少なくとも部分的に巻かれている。第2の材料24のウェブは、不適合な材料22のウェブのボンディング性よりも高い第2のボンディング性を有している。すなわち、それは、従来のボンディング技術を用いて他の材料(或いはそれ自身)により直ちにボンディングさせられ得る。第2の材料24のウェブは、ここで、「キャリアウェブ」或いは「ボンディング可能なウェブ」と呼ばれてもよい。図1に示す態様において、第2の材料24のウェブは、好ましくは、第2の材料24のウェブが断面で「e」字型折り畳み構造を有するように不適合な材料22のウェブの周りに完全に巻かれる。
【0029】
第2の材料24のウェブは、熱または圧力、接着剤、或いは超音波により、それ自身或いはここで記載されるタイプの吸収性物品で使用される少なくとも幾つかの他の材料にボンディングさせられ得るどのような材料であってもよい。第2の材料24のウェブは、織られた及び不織の材料;開口された成形熱可塑性フィルム、開口された或いは開口されていない可塑性フィルム、及びハイドロフォームされた熱可塑性フィルムのような高分子材料;多孔質フォーム、網状フォーム;網状熱可塑性フィルム;及び熱可塑性スクリムのような広範な材料から製造されてもよい。適当な織られた及び不織の材料は、天然繊維(例えば、木材或いは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、或いはポリエチレン繊維のような高分子繊維)、複合繊維(すなわち、ある材料でつくられたシースに囲まれた他の材料のコアを有する繊維)、或いは天然繊維と合成繊維との組み合わせで構成され得る。好ましくは、示される態様において、第2の材料24のウェブは、少なくとも部分的に熱可塑性材料を具備する。しかしながら、他の態様において、特には接着剤或いは他のタイプのボンディングが使用される場合、第2の材料24は熱可塑性材料を具備する必要はない。例えば、第2の材料24は、水素結合によりそれ自身に結合させられ得るセルロース系材料であってもよい。
【0030】
さらに他の態様において、第2の材料24のウェブは、材料のウェブ以外の形態の材料により置換され得る。例えば、第2の材料24のウェブは、不適合な材料22のウェブに適用される押出グルーコーティングや高分子コーティングのようなボンディング可能な層或いはコーティングで置換されてもよい。グルー、特にはホットメルト接着剤は、それらは本発明の方法のこの側面を用いてボンディングさせられ得るという点で熱可塑性材料と類似している。あるシリコーンは、特にはそれらが十分に低い融点を有している場合、ここで記載されるようにボンディングさせられ得るであろう。この理由のため、第2の材料24のウェブは、ウェブ以外の材料が含まれることが明確となるように「第2の材料」と呼ばれてもよい。
【0031】
それら図面に示す好ましい態様において、第2の材料24は、好ましくは、吸収性物品における吸収性材料のためのラッピングとしての使用にも適した材料を具備する。例えば、第2の材料24は、吸収性物品に吸収性材料を封じ込めるための封じ込めウェブ(containment web)として、吸収性物品のカバーまたはトップシートとして、或いは吸収性物品のバックシートとして供され得る。図1〜8及び13に示す態様について、第2の材料24は、スパンボンドされた不織材料でつくられた封じ込めウェブを具備している。1つの特に好ましいスパンボンドされた不織材料は、ワシントン州North America of WashougalのFiberweb社から得られ製品番号065MLPV60U(或いは「P−9」)と呼ばれる19g/yd2(22.5g/m2)スパンボンドポリプロピレン不織材料である。他の特に好ましい不織材料は、ドイツ国PeineのCorovin GmbHから市販されCOROLINDとして知られているスパンボンドポリプロピレン不織材料であり、それは2つの基本重量、23gsm及び30gsmで入手可能である。
【0032】
第2の材料24のウェブは不適合な材料22のウェブの周りにe字型折り畳み構造で巻かれているが、材料のウェブが使用される場合、第2の材料24のウェブは不適合な材料22のウェブをe字型折り畳み構造で巻くことに制限されないことが理解されるべきである。不適合な材料22のウェブと第2の材料24のウェブとの間の関係は、好ましくは、不適合な材料22のウェブよりも高いボンディング性を有する材料のウェブが不適合な材料22のウェブの2つの対向する表面(例えば、図1に示す22A及び22B)に単に少なくとも隣接している関係である。それゆえ、他の態様において、第2の材料24のウェブは、単に部分的に折り畳まれる或いは不適合な材料22のウェブの周りに巻かれてもよい。第2の材料24のウェブは、どのような他の適当な構造でも折り畳まれる或いは不適合な材料22の周りに巻かれ得る。他の適当な構造は、制限されるものではないが、C字型折り畳み構造等を含む。
【0033】
また、第2の材料24のウェブは不適合な材料のウェブを巻く単一のウェブに制限される必要はない。1つの(或いはそれより多くの)材料のウェブが、不適合な材料22のウェブのそれぞれの表面22A及び22Bに隣接して配置されてもよい。例えば、他の態様において、第2の材料24の2つの別々のウェブが存在し、それらの一方は不適合な材料22のウェブのそれぞれの表面22A及び22Bと隣接して配置されてもよい。第2の材料24の2つのウェブは、同じタイプの材料であり且つ同じ特徴を有するものであってもよい。他の態様において、不適合な材料22のウェブのそれぞれの表面22A及び22Bに隣接して配置される材料の2つのウェブは異なっていてもよい。例えば、それらは異なるタイプの材料であってもよく、或いは、それらは同じ基本タイプの材料ではあるが異なる特徴(キャリパ等のような)を有するものであってもよい。
【0034】
さらに他の態様において、第2の材料24は、不適合な材料22のウェブと同程度に広い或いは長いウェブである必要はない。例えば、第2の材料24は、ボンド箇所に望まれる位置に置かれたストリップ、ストライプ、パッチ、或いはピースの形態であってもよい。このように、第2の材料24は、不適合な材料22のウェブの第1及び第2の表面22A及び22Bの一部を被覆することのみが必要である。
【0035】
B.任意の中間工程 (1)不適合な材料の粒状材料への形成 図1〜8に示す吸収性材料のチューブを作製するプロセスの好ましい態様においては、ボンディング及び付形を行う前に、不適合な材料22のウェブは、第2の材料24のウェブの内側にありながら粒状材料へと形成されるであろう。これは、1998年2月20日にRonald R.McFallらの名のもとで出願され「Method of Making Slitted or Particulate Absorbent Materials」と題された一般に付与される米国特許出願番号09/027,379号に記載された方法によりなされるであろう。
【0036】
そのような場合、第2の材料24のウェブは不適合な材料22のウェブに比べてよりボンディング性であるだけでなく、不適合な材料22のウェブに比べてより高い破断点降伏(yield to break point)を有することが好ましい。この操作(不適合な材料を粒状材料へと形成すること)は好ましくはボンディング工程を実行する前になされる任意の工程であり、それは、図13に示す衛生ナプキンのための吸収性材料のチューブを作製するのに非常に好ましい。不適合な材料を粒状材料へと形成する工程はボンディング工程の前に実施されることに制限されないことも理解されるべきである。望まれるのであれば、不適合な材料を粒状材料へと形成する工程は、代わりに、ボンディング工程と同時に或いはその後に実行され得る。この任意の工程が好ましい理由は、以下により詳細に記載される。
【0037】
不適合な材料22を粒状材料へと形成する任意のプロセスは幾つかの工程を具備している。この任意のプロセス(及びそれに使用される装置)には幾つかの態様があるが、そのプロセス及び装置の好ましい態様が図2に示されている。図2に示すプロセス及び装置は、不適合な材料22を機械的に歪ませる(strain)ことにより、不適合な材料22を粒状材料へと形成するのに使用される。
【0038】
第1の工程は、引張力が提供されているもとでの第1の破断点降伏を有する「キャリアウェブ」を提供することを伴う。(ここで記載される態様において、第2の材料24のウェブはキャリアウェブとして供される。)粒状材料へと形成するための材料のウェブ(それは、この場合、不適合な材料のウェブ,フォーム吸収性材料22である)及びキャリアウェブは、その後、複合ウェブ20のような複合構造へと形成される。フォーム吸収性材料22は、引張力が提供されているもとでの第2の破断点降伏を有し、それは不織キャリアウェブ24の破断点降伏よりも低い。このように、不適合な材料22を粒状材料へと形成する最初の2つの工程が、ここで記載されるボンディング方法に備えて既に実施された。
【0039】
複合ウェブ20を機械的に歪ませる装置が提供される。その装置は、好ましくは、型押し面を備えた少なくとも1つのコンポーネントを有するデバイスを具備する。その後、その複合ウェブ20は、好ましくは、その装置を用い、キャリアウェブ(第2の材料のウェブ)24を粒状材料へと形成することなく、フォーム吸収性材料22が少なくとも部分的に粒状材料へと形成されるように、そのパターンが設けられた表面を複合ウェブ20に型押しすることによる機械的に歪ませるプロセスに供される。
【0040】
図2に示す複合ウェブ20を機械的に歪ませる装置30は、2組の円筒ロール,第1のロールの組32及び第2のロールの組62,を具備している。それぞれのロールは、パターンが設けられた表面を有している。それらパターンは、好ましくは、複数の三角形状の歯を規定するロール上の複数の稜及び谷により形成される。図2に示す装置の第1及び第2のロールの組32及び62としての使用に適当な型押しロールは、1996年5月21日にChappellらに交付され「Web Materials Exhibiting Elastic−Like Behavior」と題された米国特許第5,518,801号に詳細に記載されている。
【0041】
示される好ましい態様において、第1のロールの組32のロールは、好ましくは、ロールの円周の周りに配向した稜及び谷により形成された三角形状の歯を有する。それら歯は、好ましくは、二等辺三角形の形態の断面を有する。望まれるのであれば、歯の頂点は僅かに丸みを帯びていてもよい。第1のロールの組32のトップロール34及びボトムロール36は、トップロール34の稜38がボトムロール36の谷40に揃うように位置合わせされている。トップロール34上の稜及びボトムロール上の谷を形成する三角形状の歯は、これら歯が互いに接触しないように或いは完全に「噛合」しないように離間されている。
【0042】
それら歯は、どのような適当なサイズ及びピッチを有するものであってもよい。ここで使用する用語「ピッチ」は、隣り合う歯の頂点間の距離をいう。それら図面に示す好ましい態様において、歯の深さ(或いは高さ)は、好ましくは、約0.1インチ乃至約0.17インチ(約2.5mm乃至約4.3mm)である。ピッチは、好ましくは約1mm乃至約5mmであり、より好ましくは約1.5mm乃至約2.5mmである。歯のピッチは、細断された或いは切断された吸収性材料のピースの幅を決定する。
【0043】
また、ボトムロール36は、ボトムロール36の表面に、ボトムロールの軸Xに平行に配向し均等に離間した幾つかの薄い平面の溝44を具備してもよい。本態様において、ボトムロール36の離間された溝44は、好ましくは2mmの幅を有する。離間された溝間のボトムロールの円周の周りで測定したボトムロール36の歯の「長さ」は8mmである。ロール34及び36は、好ましくは反対方向に駆動される。
【0044】
トップロール34上の三角形状の歯及びボトムロール36上の谷40は、好ましくは、それらが部分的に噛み合うように離間される。対向するロールの歯の噛み合いの程度は、ここでは、歯の「噛み合わせ」という。歯の噛み合わせは、それぞれのロールの歯が同一面内にある位置(0%噛み合わせ)と、一方のロールの歯の頂点がその面を超えて対向するロールの谷へ向けて内側に伸びた面により示される位置との間の距離である。歯の噛み合わせは、ピッチ(一方のロール上の歯の頂点間の距離)の百分率として或いは測定した距離で表され得る。多分、歯の高さはピッチよりも大きいので、噛み合わせは100%よりも大きな値であってもよい(例えば、噛み合わせがピッチの長さよりも大きい場合)。好ましくは、噛み合わせは、ピッチの長さの約15%乃至120%である。測定した距離で表される噛み合わせは、好ましくは約0.01インチ乃至約0.07インチ(約0.25mm乃至約1.8mm)であり、より好ましくは約0.04インチ乃至約0.06インチ(約1mm乃至約1.5mm)である。
【0045】
図2に示すように、Aで示される段階では、複合ウェブ20はロール34及び36間のニップの中へと流れ方向(MD)に送られる。そのプロセスのこの段階での第2の材料24のウェブは、キャリアウェブとして供される。キャリアウェブとして、それは、スリットされて粒状材料へと形成されようとしている不適合な材料22のウェブを保持し且つ包含している。第2の材料24のウェブは、第2の材料24のウェブがロール34及び36のパターンが設けられた面と対向するように不適合な材料22のウェブの外側に巻き付いている。
【0046】
ロール34及び36は、そのパターンが設けられた表面を複合ウェブ20に型押しすることにより、複合ウェブ20を機械的に歪ませるプロセスに供する。その機械的に歪ませるプロセスは、キャリアウェブ24をスリットすることなく、不適合なフォーム吸収性材料22のウェブが少なくとも部分的にスリットされるように、不適合なフォーム吸収性材料22のウェブの破断点降伏よりも大きいが、不織キャリアウェブ(第2の材料のウェブ(より高いボンディング性を有する))の破断点降伏よりも小さな力を印加する。
【0047】
図2は、第1のロールの組32間のニップを通過した後の段階Bでの複合ウェブの状態を示している。図2に示すように、キャリアウェブ24は、隣り合うロール34及び36上のパターンの組み合わせに対応して形成された起伏のパターンを有しているであろう。しかしながら、キャリアウェブ24はスリット或いは切断されていない。フォーム吸収性材料22の中間のウェブは、そこに形成された複数のスリット50を有している。それらスリット50は、流れ方向(或いは「MD」)に配向している。図示する態様において、それらスリット50は、不連続であり、流れ交差方向(或いは「CD」)のスリットされていない材料の帯52によって分離されている。これは、ボトムロール36上の溝44のせいである。フォーム吸収性材料22のウェブは、キャリアウェブ24よりも低い破断点降伏を有しており、引張力(歪ませるプロセス)のもとで破断するのに対し、キャリアウェブ24は破断しないため、フォーム吸収性材料22のウェブはスリットされているが、キャリアウェブ24はスリットされていない。
【0048】
本プロセスのこの時点で(第1及び第2のロールの組32及び62の間の段階Bで)、複合ウェブ20に付加的な操作を行うことが可能である。例えば、複合ウェブ20は、第1及び第2のロールの組32及び62の間で個別の長さへと切断され得る。他の態様においては、複合ウェブ20は、第1のロールの組32の一方のロール上に設置された刃によって個別の長さへと切断され得る。複合ウェブ20は、図13に示す衛生ナプキンに望まれるチューブの長さに対応する長さへと切断されるであろう。
【0049】
さらに、開口されたフィルムトップシート材料56の連続したウェブのような付加的な材料のウェブ(或いは複数のウェブ)が、第1及び第2のロールの組32及び62間で複合ウェブ20に接合され得る。その代わりに、そのような付加的な材料は、個々のピースへと切断され、第1及び第2のロールの組32及び62間で複合ウェブ20に接合されてもよい。開口されたフィルムトップシート材料56の複合ウェブ20への接合を図3に示す。それは、図の簡略化のために図2から省略されている。開口されたフィルムトップシート材料56は、好ましくは接着剤により複合ウェブ20に接合される。これは、ここでは、「チューブ成形複合体」(或いは「チューブ成形複合ウェブ」)88と呼ばれる構造を形成している。
【0050】
複合ウェブを機械的に歪ませる装置30の第2のロールの組62は、トップ及びボトムロール64及び66をそれぞれ具備している。これらロールのそれぞれもその表面にパターンを有している。図2に示すように、トップロール64は、トップロール64の軸Xに平行に延びた稜を有している。それら稜は、複数の三角形状の歯68を規定している。また、トップロール64は、円筒ロールの円周の周りに配向した幾つかの離間された溝70を有していてもよい。
【0051】
図2は、複合ウェブ20が第2のロールの組62間のニップをあとにする際に、フォーム吸収性材料22の少なくとも一部が、流れ交差方向に配向した複数のスリット80をさらに提供されるのを示している。この最初の流れ方向のスリッティング及びその次の流れ交差方向のスリッティングは、複数の粒子82へと形成された或いは細断された吸収性材料22をもたらす。フォーム吸収性材料22は、第1のロールの組32のボトムロール36上の溝44の存在のせいでスリットされていない材料の流れ交差方向のバンドに加え、第2のロールの組62での溝70の存在のせいでそこに残されたスリットされていないストリップ84を任意に有し得る。
【0052】
さらにまた、不織キャリアウェブ24はスリットされていないが、そこには他のパターンが形成されている。そこに形成されたパターン全体は、第1及び第2のロールの組32及び62により生じた圧痕の組み合わせを有するグリッドに類似している。開口されたフィルムトップシート56は、第2のロールの組62のパターンに類似したパターンが形成されているであろう。
【0053】
図3は、図2に示す装置へと送り出した後の複合ウェブ20を示している。上述のように、開口されたフィルムトップシート材料56のシートは、好ましくは、第1及び第2のロールの組の間で個別の長さの複合ウェブ20に接合されている。図3は、開口されたフィルムトップシート材料56のシートは、好ましくは、切断された個別の長さの複合ウェブ20とほぼ同じ幅であるがより長いサイズを有することを示している。吸収性材料のチューブが、ひとたび成されれば、その両端部のみを衛生ナプキンに取り付けることにより衛生ナプキンにより容易に取り付けられ得るように、開口されたフィルム56は、個別の長さの複合ウェブ材料の両端部を超えて延在している。
【0054】
図3において、第1及び第2のロールの組により不織材料24に型押しされたパターンは省略或いは簡略化されていることが理解されるべきである。加えて、不適合なフォーム吸収性材料22は、簡略化のために粒子82のみを具備するものとして示されている(すなわち、スリットされていないストリップが不適合な材料22中に残されているものとして示されていない)。そのような態様は、第1及び第2のロールの組62のロールに連続的な歯を提供し且つ歯の間の谷40及び溝70を省略することによりもたらされ得る。
【0055】
(2)チューブ成形複合ウェブを折り畳む任意の工程 図13に示す衛生ナプキンのための吸収性材料のチューブを作製する次の工程は、複合ウェブ20と開口されたフィルムトップシート材料56との組み合わせである、チューブ成形複合ウェブ88を折り畳むことである。これら任意であるが好ましい折り畳み工程は、次の幾つかの図面に示される。
【0056】
図3は、長手方向に配向した折り畳み線Fを示しており、そこで、チューブ成形複合ウェブ88の長手方向のサイドマージン90が最初に折り畳まれる。図4は、第1の折り畳み操作で折り畳み線Fに沿ってサイドマージン90が折り畳まれ「C」字型折り畳み構造を形成した後のチューブ成形複合ウェブ88を示している。
【0057】
図5は、第2の折り畳み操作で折り畳まれた後のチューブ成形複合ウェブ88を示している。図5に示すように、チューブ成形複合ウェブ88は、その長手方向の中心線に沿って折り畳まれている。結果として、先に折り畳まれた長手方向のサイドマージン90は互いに隣接することとなり、チューブ成形複合ウェブ88の長手方向のサイドマージン90は、折り畳まれたチューブ成形複合ウェブ88の内側に巻き込まれる。図5に示すように、それら折り畳まれた長手方向のサイドマージン90は、チューブ成形複合ウェブ88の長手方向の中心線Lに隣接して位置している。図5に示す折り畳まれたチューブ成形複合ウェブ88は、今や本発明の方法を用いてボンディングさせられる準備ができている。(図2〜5に示す工程は全て任意であるが、図13に示す衛生ナプキンの吸収性材料のチューブを作製するための好ましい工程である。) C.不適合な材料のボンディング(及び付形) (1)概説 不適合な吸収性フォーム材料22をボンディングさせる(及び付形させる)ために、最も一般的な認識では、より高い第2の接合性を有する材料(不織布)24のウェブは、不適合な材料(吸収性フォーム材料)22の外側に配置される。ボンディングさせられた実際の構造の断面(図7に示すような)は、この記載の目的を別にすれば、上述した一般的な関係(より高い第2のボンディング性を有する材料のウェブが不適合な材料のウェブの外側に位置しているという)が好ましくは存在するということよりは幾分複雑化されている。
【0058】
第2のより高いボンディング性を有する材料のウェブ,不織ウェブ24を外側に備えた不適合な材料,吸収性フォーム材料22は、好ましくは、複数の自生ボンド(autogenous bond)94でボンディングさせられる。ここで使用する用語 「自生」は、接着剤やステッチ糸のような他の付加的な材料(すなわち、ボンディングさせられるべきコンポーネントに対して付加的な)なしでボンディングさせることをいう。しかしながら、ここで記載される方法は、そのような自生ボンディングの接着性増強或いは接着剤によるボンディング自体を排除する方法に制限されることを意図されてはいない。
【0059】
それらボンド94は、好ましくは、不適合な吸収性フォーム材料22を貫通している。それらボンド94は、好ましくは、不織ウェブ24の一部を不織ウェブ24の他の部分に不適合なフォーム材料22の反対側で接合させている。それら図面に示す態様において、そのボンディングは、不適合な材料をボンディングさせることへと向けられた本発明の方法における工程として供され、また、独特な三次元形状を有する吸収性材料のチューブを提供することにも供される。
【0060】
本発明の方法の実行において、どのような適当な数のボンド94が用いられてもよい。それらボンド94は、どのような適当な位置に配置されてもよい。図13に示す衛生ナプキンのための吸収性材料のチューブの作製に関しては、2乃至5個のボンド94が好ましくは使用される。それら図面に示す態様においては、3個のボンド94が使用されている。それらボンド94は、好ましくは、約1.75インチ(約4.4cm)離間され、チューブ成形複合ウェブ88の長手方向の中心線Lに沿った折り目から約17mmに配置される。
【0061】
好ましい自生ボンディングプロセスは、熱及び/または圧力を用いて或いは超音波工学によりなされ得る。熱及び/または圧力ボンディング、特には動的ボンディングに適当な技術は、以下に詳細に記載される。超音波ボンディングに適当な技術は、1984年2月7日にSchaeferに交付され「Ultrasonic Bonding Process」と題されたProcter&Gamble社の米国特許第4,430,148号及び1989年4月25日にWillhite,Jr.らに交付され「Adhesive−Free Bonding of Continuously Moving Webs to form Laminate Web and Products Cut Therefrom」と題された米国特許第4,823,783号に記載されている。超音波ボンディングに適当な機器は、コネチカット州DanburyのBranson Ultrasonics社から市販されている。超音波ボンディング装置は、好ましくは、動的ボンディングプロセスについて以下に記載するのと同様のパターンエレメントを有するプレートを装備している。しかしながら、超音波ボンディングは、ここで記載されるより高いキャリパ構造の幾つかのボンディングに使用するには(動的ボンディングプロセスに比べて)より好ましくないかも知れないことが理解されるべきである。
【0062】
動的ボンディングプロセスは、超音波ボンディングプロセスに対して幾つかの他の利益を有している。第1には、それは、高速で稼動させることが可能な連続プロセスとすることができる。これとは逆に、超音波工学は、一般に、ボンドを形成するために一定の停止時間を設ける少なくとも1つの静的ヘッド(static head)を有する装置の使用を必要とする。それゆえ、超音波ボンディングプロセ スにおいては、ボンディングさせられるべきウェブはボンドを完了するまでの期間にわたり停止されねばならない。第2に、超音波ボンディングプロセスは、ある量(例えば、約4mmまで或いは以上の)を超える厚さを有する材料を介したボンディングには適当ではない。ここで記載される動的ボンディングプロセスは、他方で、そのような厚さを有する材料を介して容易にボンディングさせ得る。
【0063】
前工程における吸収性材料22のスリッティング及び粒状材料への形成は、ボンディングプロセスにおいて有利である。これは、スリット或いは粒状材料を形成するのに使用する方法は、ボンドが吸収性材料を貫通するための連続したクリアなパスを提供するかも知れないためである。これは、ボンドがスリット或いは粒子間の間隙に整列している場合に特にそうである。これは、スリット或いは粒状材料がキャリアウェブに接着している場合に最も起こりやすい。単に吸収性材料を細断し、それを閉じたチューブの中へと圧縮空気により吹き込む従来の吸収性材料を細断する方法は、細断された粒子の無秩序な分布をもたらすであろう。そのような方法は、ここで記載されるボンディングプロセスについてのクリアなパスを形成しないであろう。
【0064】
動的ボンディングプロセスは、上述のように、吸収性フォーム材料22のそれぞれの側で第2の材料(不織被覆)24のウェブの複数の部分を互いにボンディングさせることを伴う。開口されたフィルムトップシート材料56は、互いに動的にボンディングさせられた複数の部分を有し得る。不織被覆24の複数の部分を互いにボンディングさせることに加え、或いはその代わりに、開口されたフィルムトップシート材料56がボンディングさせられ得る。動的ボンディングプロセスにおいて、ボンディングさせられるべき少なくとも1つの材料(不織被覆24或いは開口されたフィルムトップシート56材料)は、好ましくは熱可塑性材料を具備する。(例え、開口されたフィルムトップシート材料の複数の部分がそのプロセスで同様にボンディングさせられるとしても、簡略化のために、ボンディングは、不織被覆24の複数の部分を互いにボンディングさせるという点で以下に記載されることが理解されるべきである。) 図8は、被覆材料24の第1の部分24Aが、好ましくはチューブ成形複合ウェブ88を介して被覆材料の第2の部分24Bにボンディングさせられるプロセスを示している。チューブ成形複合ウェブ88をボンディングさせるのに使用される装置は、好ましくは一対の円筒ロール110及び112を具備する。好ましくは、それらロールの少なくとも1つ、型押しロール110は、その表面に浮き彫りパターンを有している。型押しロール110は、図8において簡略化された方法で示されており、図12においてより詳細に示されている。(しかしながら、図12は、図8に示すパターンとは僅かに異なる浮き彫りパターンを有するロールを示している。) 図12に示すように、型押しロール110は、円筒形の表面115及び表面から外側に向かって延在している複数の隆起或いはパターンエレメント(或いは、「パターンエレメントセグメント」、「突起」、または「ナブ」)を有している。パターンエレメント116により形成される浮き彫りパターンは、どのような適当な構造であってもよい。それは、直線状でも、曲線状でもよく、或いは直線状セグメントと曲線状セグメントとで構成されてもよい。その浮き彫りパターンは連続的或いは断続的であってもよい。浮き彫りパターンは、無制限の数のパターン及び他のタイプのデザインを規定し得る。例えば、それは、幾何学的形状、矢、単語等を規定し得る。また、パターンエレメント上のランド面118も広範な適当な形状で提供され得る。ランド面118に適当な形状は、制限されるものではないが、長円形及び円形を含む。
【0065】
図示する装置の態様において、浮き彫りパターンは、円形のランド面118を有する複数の離間されたパターンエレメント116を具備している。図8に示す方法の態様において、パターンエレメント118は不連続な直線状の構造で配列されている。
【0066】
本発明はどのような適当な形状およびサイズのボンドにも適用されることが意図されているが、適当であることが見出されているボンドサイズは、約0.25mm乃至約5mm或いはそれより大きい直径を有する円形の平面図構造を有している。1つの好ましい態様において、それらボンドは約3mmの直径及び約8mm2の面積を有する。
【0067】
パターンエレメント116は、好ましくは円筒ロールの表面に対して垂直ではない側壁119を有している。好ましくは、パターンエレメント116の側壁119は、円筒ロールの表面115に対して45°より大きく且つ90°未満の、好ましくは70〜90度の角度をなす。ボンディングさせられている材料の厚さ及び被覆材料24を引き裂くのを避けることへの要求のために、パターンエレメント116の側壁119の配向を変更することが好ましい。
【0068】
他のロール112はアンビル部材として供せられ、それゆえ、アンビルロール112と呼ばれてもよい。型押しロール110及びアンビルロール112は、それらの間に圧力がバイアスされるニップ114を規定している。好ましくは、アンビルロール112は滑面化されている。しかしながら、他の態様においては、ロール110及び112の双方が浮き彫りパターン及び/またはパターンエレメントを有していてもよい。型押しロール110及びアンビルロール112は、好ましくは、互いに向けて、約20,000psi(約140MPa)乃至約200,000psi(約1,400MPa)の予め決められたパターンエレメント荷重をバイアスされる。図8に示す態様において、それらロールは、ニップ114での圧力が好ましくは約93,700psi(約656MPa)に維持されるように互いに向けてバイアスされている。この態様において、ボンディングさせられるべき材料は、好ましくは比較的高速でニップ114に送り込まれている。そのラインの速度(line velocity)は、好ましくは約383フィート/分(約 117m/分)である。
【0069】
型押しロール110及び112は、好ましくは、それらの間に表面速度差が存在するように異なる速度で同方向に駆動される。その表面速度差は、好ましくは、より低い表面速度を有するロールの約2乃至約40パーセント、より好ましくは約2乃至約20パーセントの大きさを有する。アンビルロール112は、好ましくは、型押しロール110の表面速度よりも大きな表面速度で動作させられる。しかしながら、高いライン速度では、速度差がゼロでも(すなわち、等しい表面速度を有するロールを規定するニップでも)ボンディングは生じ得る。
【0070】
チューブ成形複合ウェブ88を具備する複数の薄層は、それをロール110及び112間のニップ114の中へと送り込むことによりボンディングさせられる。それら図面に示す好ましいボンディングプロセスは、チューブ成形複合ウェブ88を貫通させ、不織被覆材料の第1の部分24Aを被覆材料24の第2の部分24Bに自生ボンディングさせている。それらボンド94は、フォーム材料22の外側に位置するより高い第2のボンディング性を有する材料24の不織ウェブの反対側の部分間に形成されている。
【0071】
どのような特定の理論にも束縛されることは望まないが、不適合な材料のボンディングを生じると信じられているメカニズムは以下の通りである。そのボンディングメカニズムのパターンエレメント116は、不適合な吸収性フォーム材料22を圧縮する。この局所的な圧縮は、不適合な吸収性フォーム材料22のパターンエレメント116からの引き裂け及び分離(圧点からの引き離し)をもたらす。そのボンディングメカニズムは、ボンディング可能な材料が相互にボンディングするためのクリアなパスが存在するように、不適合な材料をスライスする或いは不適合な材料の粒子を押し退ける。好ましくは、非常に僅かな(もしあれば)フォーム材料22しか実際にはボンドサイトに残されない。
【0072】
ボンドによる不適合な材料の貫通に加え、ここで記載される方法は幾つかの他の重要な特徴を有している。これら特徴は、高キャリパの材料がボンディングさせられるのを可能とし、プロセスが事実上無制限の数のボンドパターンをボンディングさせられるべき材料にもたらすことを容易にする。型押しロール110は、好ましくは、その表面115上に追従性の(或いは圧縮性の)材料120を有している。また、型押しロール110は、好ましくは、その表面115上に一対の荷重支持部材122を有している。これらコンポーネントの目的は以下に記載される。
【0073】
追従性の材料120の目的は、パターンエレメント116が被覆材料24に穴を開けないように、ボンディングさせられるべき材料を圧縮することにある。被覆材料に穴が開けられた場合、ボンドが形成されないか或いは被覆材料が溶融されずにボンドを形成するため弱いボンドが形成されるであろう。圧縮工程は、ボンディングよりも前に或いは同時に行われてもよい。追従性の材料の使用は、ボンディングさせられるべき材料が比較的厚い場合に特に好ましい。追従性の材料は、ボンディングさせられるべき材料がより薄い場合には省略され得る。図12は、追従性の材料120が好ましくはパターンエレメント116を取り囲んでいるのを示している。
【0074】
図9及び10の比較は、追従性の材料が機能すると考えられている方法を示している。図9は、型押しロール110とパターンエレメント116を取り囲む追従性の材料を有していないアンビルロール112との間のニップ114を通過している比較的厚い材料を示している。図9に示すように、パターンエレメント116は、ボンディングさせられるべき材料、特には被覆材料24への大きな局所的な応力のせいで、ボンディングさせられるべき材料に穴を開ける傾向にある。
【0075】
図10は、型押しロール110とパターンエレメント116を取り囲む追従性の材料を有するアンビルロール112との間のニップ114を通過している同様の比較的厚い材料を示している。図10に示すように、追従性の材料120は、型押しロール110とアンビルロール112との間の空間を占有している。追従性の材料120は、ボンディングさせられるべき材料がパターンエレメント116の領域で徐々に圧縮されることをもたらす。これは、被覆材料24に余分な歪を加えることなく、ボンディングの間に被覆材料24の層の双方を互いに近づける。これは、被覆材料24を引き裂く或いは被覆材料の層の間に位置しているフォーム材料22に穴を開けることなく、ボンド94が形成されるのを可能とする。
【0076】
これが動作する方法は、以下の類推を考慮することにより視覚化され得る。必要とされる原理は、厚さ6インチ(15cm)のグラスファイバ収容する断熱材(insulation)片をネイルガンを用いて他の材料に固定する試みの問題と類似している。グラスファイバが圧縮されていないときにこれを試みるとすると、ネイルが突き出される際に、それは断熱材を刺し通し、断熱材を完全に通過するであろう。しかしながら、グラスファイバ断熱材がそれをネイルガンで固定することを試みる前に圧縮されているとすると、これは生じず、ネイルは断熱材を固定することができるであろう。
【0077】
追従性の材料120は、好ましくはある特徴を有する。追従性の材料120は、好ましくは、ボンディングさせられるべき材料よりも圧縮性が低く且つ型押しロール110の表面115よりも圧縮性が高い。それゆえ、追従性の材料120は、好ましくは、型押しロール110の表面115よりも低い硬さを有する。好ましくは、追従性の材料120は、Shore A スケールで約50乃至Rockwell C スケールで約62の硬さ(デュロメータを用いて測定された)を有し、より好ましくはShore A スケールで約50乃至約100の硬さを有し、最も好ましくはShore A スケールで約90の硬さを有する。(Rockwell C スケールで約62の硬さは、型押しロール110の表面115を構成するD2鋼の硬さである。)(アンビルロールの表面はどのような適当な固さをも有し得るが、アンビルロール112の表面は、好ましくは型押しロール110の表面と同等或いはそれより大きな硬さを有する。) 追従性の材料120は、どのような適当なタイプの材料を具備してもよい。適当な材料は、真鍮、ゴム、及びポリウレタンのような高分子材料を含む。特に好ましい態様において、追従性の材料120はポリウレタンを具備する。
【0078】
追従性の材料120は、好ましくは、ボンディングさせられるべき材料よりも幅がより広い。これは、それがボンディングさせられるべき材料の全体にわたり圧力を均等化するのを可能とする。追従性の材料120は、どのような適当なキャリパを有していてもよい。好ましくは、追従性の材料120のキャリパは、被覆材料24に穴を開ける問題を避けることに幾分かの効果を有するのに十分に大きい。追従性の材料120のキャリパは、好ましくは、パターンエレメント116の高さ以下である。パターンエレメントは、例えば、約2mmの高さを有してもよい。1つの非制限的な態様において、約1.5mmの高さを有するShore A スケールで約90Aの硬さを有する追従性のポリウレタン材料が適当であることが見出されている。
【0079】
追従可能な材料120は、好ましくは型押しロールの表面115に接着される。追従可能な材料120は、溶接或いは接着剤のようなどのような適当な方法で型押しロール110に接着されてもよい。
【0080】
荷重支持部材122の目的は、型押しロール110をバランスさせること(すなわち、ボンディングさせられるべき材料が型押しロール110とアンビルロール112との間を通過する際に型押しロール110上で力を均等化すること)にある。荷重支持部材122の使用は、型押しロール110上のパターンが「アンバランス」或いは「インバランス」であるときに特に好ましい。「アンバランス」或いは「インバランス」により、パターンエレメントのランド118の表面積の差のせいで及び/またはパターンエレメント116の分布のせいで、型押しロール110とアンビルロール112との間のニップ114における圧力が型押しロール110の円周の周りで一様でないようにパターンエレメント116が分布されていることが意味される。
【0081】
荷重支持部材122は、ボンドパターンがバランスされている場合は省略され得る。しかしながら、以下に詳細に記載されるように、ボンドパターンがバランスされている場合であっても、荷重支持部材122を使用して、より大きな高さを有するパターンエレメント116を用いることにおけるより大きな柔軟性を提供することが望ましい。
【0082】
荷重支持部材122は、どのような適当な構造であってもよい。荷重支持部材122は、型押しロール110の周りの連続的なリングの形態であってもよい。また、荷重支持部材122は不連続なエレメントの形態であってもよい。しかしながら、荷重支持部材122が不連続なエレメントの形態である場合、それらは、好ましくは、それらが型押しロールの円周の周りに連続的なリングを実質上形成するような方法で型押しロール110の円周の周りにジグザグに配置された配列をとる。図12に示すように、荷重支持部材122は、好ましくは型押しロール110の周りの連続的なリングの形態である。
【0083】
それら図面に示す態様において、荷重支持部材122は、好ましくは、型押しロール110のそれぞれのサイドエッジに隣接して設置される。それら荷重支持部材は、好ましくは、型押しロール110の表面115のボンディングさせられるべき材料が接触する部分の外板(outboard)に横方向に設置される(すなわち、それらは、好ましくは、型押しロール110の中央部と型押しロール110の両サイドエッジ部との間に設置される)。これは、アンビルロール112が荷重支持部材122との直接接触をなし得るのを確実にする。この接触は、ボンディングさせられるべき材料がロール間のニップ114の中へと送られる際にさえ起こると考えられている。この接触は、それらロールを相互に向けてバイアスするために印加される強い力のもとでのニップ114中のボンディングさせられるべき材料の圧縮及びロールの変形のせいで起こると考えられている。
【0084】
図11及び12の比較は、荷重支持部材122が機能すると信じられている方法をより詳細に示している。図11は、ここで記載されるタイプの荷重部材を有していない型押しロール1110の一例を示している。型押しロール1110上のパターンエレメント1116の分布は「ネストされ」且つバランスされている。ここで使用する用語「ネストされ」は、型押しロール1110の円周の周りを進行するパターンを見た場合にある程度の重なりを呈するパターンエレメント1116の分布をいう。これは、アンビルロール1112がニップ領域1114中でパターンエレメント1116の頂部を連続的に乗り越え、それぞれのパターンエレメント1116間に落ちない或いは沈まないことを確実にする。パターンエレメントがネストされておらず、アンビルロール1112がパターンエレメント1116間に沈み込むとすると、非常に高い圧力で相互に接近して維持され且つ高速で回転させられているそれらロールは、自動車の扁平なタイヤと同様に極めて荒々しい方法で動作するであろう。
【0085】
図11に示すロール1110においては、図示するグループと同様のパターンエレメントの同一のグループが、そのロールの他の部分上にも存在している。また、パターンエレメントのグループ間には枕或いは枕ストリップ1124が存在している。ロールの表面の一部のみが示されているので、パターンエレメントの他の同一のグループは図11に示されていない。しかしながら、議論すべき問題の概念の記載には、パターンエレメント及び枕1124の単一のグループを示すだけで十分である。図11に示すように、パターンがバランスされている場合、いずれの枕或いは枕ストリップ1124も、型押しロール1110の円周の周りに不連続な(或いは断続的な)配列で提供されることのみが必要である。枕1124は、パターンエレメント1116が存在していない位置に提供されている。これは、型押しロールが回転している際、荷重機構からの全体の力がパターンエレメントから枕1124に伝達されるためである。バランスされたパターンが必要であるということは、ニップ中のボンディング面積(すなわち、ニップ内で接触しているロールの部分の表面積)がロールの周りのどの位置でも一定のままでなければならないことを意味している。もし、それがばらつくことが許容されたとすると、ボンディング圧力もばらつき、首尾一貫しないボンドを生ずるであろう。
【0086】
図12は、ここで記載される方法の態様で使用され得る型押しロール110の一例を示しており、それは、その上にネストされておらず且つインバランスされたパターンのパターンエレメント116を有している。パターンエレメント116の単一のグループを有するロール110の一部のみが図12に示されているが、型押しロール110は、好ましくは、ロール110の円周の周りに幾つかの同様の離間されたドットのパターンを具備する。(「ドット」により、パターンエレメントは円形のランド面を有していることが意味される。)それぞれのドットのグループは、所望の配列で分布され、議論されている製品にボンドを形成する。例えば、図8に示すチューブ成形複合ウェブをボンディングさせるために、それぞれのドットのグループは、3つのドットの直線状パターンで配置されてもよい。図15に示す唇間デバイス1020をボンディングさせるために、それぞれのドットのグループは、図16に示すパターンエレメントのグループの場合のように、4つ或いは5つのドットの半円形配列であってもよい。
【0087】
この議論のために、ロール110の円周の周りに6つのドットのグループが存在していることとする。この例においては、全てのパターンエレメント116は同じ高さである。ドットパターンの3つは、2mmの直径を有する円形状ボンディング面を規定するランドを備えたパターンエレメント116を有している。他の3つのドットパターンは、3mmの直径を有する円形状ボンディング面を備えたパターンエレメント116を有している。パターンエレメント116のグループは、直径3mmのパターンエレメントのグループのそれぞれが、直径2mmのパターンエレメントのグループのそれぞれの後に続くように、型押しロール11ーの表面の周りで互い違いとされている。
【0088】
ここで記載される支持部材の発明の以前に、直径2mmのパターンエレメント及び直径3mmのパターンエレメントの双方を用いてボンドを形成する本発明者らに知られている便利な方法は全くない。例えば、従来のロール配列を用いたとすると、直径2mmのエレメントでボンドを形成することが可能であるが、直径3mmのエレメントでは不可能である。仮に直径2mmのエレメントでボンドを形成するのに適当な圧力が選択されたとすると、直径3mmのエレメントを用いてボンドを形成するには不十分な圧力となるであろう。その逆も成り立つ(直径3mmのエレメントでボンドを形成することが可能であるが、直径2mmのエレメントでは不可能である)。仮に直径3mmのエレメントでボンドを形成するのに適当な圧力が選択されたとすると、直径2mmのエレメントを用いてボンドを形成するには圧力が高すぎ、ボンディングさせられるべき材料に穴が開けられるであろう。
【0089】
ここで記載される支持部材122は、さらに発展させられた。上述のように、支持部材122は、好ましくは、型押しロールの円周の周りに連続的なリングの形態で提供される。型押しロール110の動的なバランシングを確実なものとするために、パターンエレメントの表面積と等しい量の材料が支持部材から除かれている。図12に示すように、支持部材122は、好ましくは、それぞれのサイドに小さな切り抜きエリア126を有している。切り抜きエリア126は、好ましくは、パターンエレメントが設置されたロールの表面上に同じ長軸に沿って設置される。それぞれのパターンエレメント116について2つの切り抜きエリア126が存在している。図1に示す切り抜きエリア126は、それぞれ半円形状の形状である。切り抜きエリア126のそれぞれのサイズは、好ましくは、共通の長軸上に設置されたパターンエレメントの表面のサイズの1/2に等しい。
【0090】
支持部材122は、型押しロール110の表面及びパターンエレメント116よりも大きい或いは等しい硬さを有するべきである。支持部材122は、どのような適当なタイプの材料を具備してもよい。支持部材122は、型押しロール110の表面及びパターンエレメント116と同様に、好ましくはD2鋼で構成される。
【0091】
支持部材122は、パターンエレメント116の高さより小さい、より大きい、或いは、等しいキャリパを有していてもよい。好ましくは、プロセスの構成を簡略化するために、支持部材122のキャリパはパターンエレメントの高さと等しい。パターンエレメント116は、例えば、約2mmの高さを有していてもよい。1つの非制限的な態様において、約2mmの高さを有する支持部材122が適当であることも見出されている。支持部材122は、どのような適当な幅を有していてもよい。支持部材122は、好ましくは、型押しロール110の表面の長手方向に配向したゾーン(すなわち、ロールの軸に平行に配向した)のそれぞれの部分に沿って、同じゾーン内にあるパターンエレメント116上のランド118の全表面積以上の表面積をそれらに提供する幅を有する。図12に示す態様において、支持部材112は約6mmの幅を有している(切り抜きエリア126を含まない支持部材122の一部を通って測定された)。
【0092】
支持部材122は型押しロール110上に一体的に形成され得るか、或いは、それらは型押しロール110の表面115に接着される別個のエレメントを具備し得る。支持部材122は、好ましくは、型押しロール110の表面115上に一体的に形成される。支持部材122が型押しロール110に接着されている場合、それらは溶接のようなどのような適当な方法でも接着され得る。
【0093】
どのような特定の理論にも束縛されることは望まないが、ボンディングエリアにおける圧力はもはや単にパターンエレメントの表面積の関数或いはパターンエレメントの存在または非存在の関数ではないので、支持部材122はアンバランスなパターンを用いたボンディングに対処しているものと信じられている。支持部材122で、ボンディングエリアにおける圧力は、パターンエレメント116及び支持部材122の幾何(すなわち、高さ及び表面積)と同様に、ロール、特には型押しロール110及びボンディングさせられるべき材料の材料特性により制御されるようになる。比較的高い圧力の使用のもとでボンディングが生じると、ロールの、特にはパターンエレメント116の変形が生ずるものと信じられている。ボンディングエリアにおける圧力は、パターンエレメント116における圧縮たわみをもたらすと信じられている。また、ボンディングエリアにおける圧力は、パターンエレメントの底面の周りの型押しロール110の表面にある程度のたわみをもたらすかも知れない。パターンエレメント116との接点の位置でのアンビルロール112の局所的な変形も起こり得る。
【0094】
パターンエレメント116及びその取り囲んでいるエリアにおける変形の大きさは、本プロセスにより形成されるボンドの厚さのオーダーであると信じられている。ここで記載される好ましい態様において、それらボンドは約0.0015乃至約0.002インチ(約0.038mm乃至約0.05mm)の厚さを有する。この変形は、パターンエレメント116が存在し且つ介在しているボンディングさせられるべき材料が型押しロール110とアンビルロール112との間のニップ114中に送られているエリアにおいてさえ、アンビルロール112が支持部材122との一定の接触を維持するのを可能とする。これが可能となるためには、負荷する力は、支持部材122とアンビルロール112との間の一定の接触を確実にするのに十分に高くなければならない。支持部材122は、それゆえ、パターンエレメント116のさらなる圧縮たわみを防止するアンビルロール112のための「止め具」として働く。
【0095】
支持部材122は、一旦、アンビルロール112が支持部材122と接触するとパターンエレメント116上へのボンディング圧力のさらなる増加が不可能となるように十分に高強度であるように設計され得る。負荷される力が増加しないとすると、支持部材が非常に硬質であれば、それらに作用する負荷のみが増加する。
【0096】
型押しロール110のバランシングは、特に重要な影響を有している。本ボンディング方法のこの側面は、型押しロールの円周の周りに異なるサイズのランドを有するパターンエレメントを備えたボンドパターンを生成するのに使用され得る。また、本ボンディング方法のこの側面は、先の機械的な制限に晒されていないものにも使用され得る。ボンドパターンは、ネストされたパターンエレメントを有している必要はなく、ボンドパターンはバランスされている必要はない。例えば、従来のボンディングプロセスにおいては、図17に示すようなパターンのようにネストされ且つバランスされた複雑なパターンの生成は、極めて複雑化された設計プロセスを必要とする。型押しロールのバランシングは、ボンドパターンがネストされ且つバランスされていることを確実なものとするための複雑な設計作業を経る必要性を削除する。
【0097】
加えて、プロセスの制限よりはむしろ、ある特定のボンディングの必要性にかなうように或いは顧客の好みにかなうようにあつらえられたボンディングパターンが生成され得る。加えて、ここで記載される方法は、美的な目的或いは他の目的で無制限の数のボンドの設計をもたらすのに使用され得る。例えば、ここで記載される技術の使用は、ボンディングさせられるべき材料にスクリプトを書き込む或いは絵をエンボスするのに使用され得る。
【0098】
さらに、本方法における支持部材122の使用は、遥かに大きな高さを有するパターンエレメント116が使用されるのを可能とする。先のパターンエレメントは典型的には約0.015インチ(約0.38mm)の高さであった。ここで議論されるように、パターンエレメント116は、2mmまで或いはそれを超える高さに及ぶ。これは、より厚い材料がボンディングさせられるのを可能とする。しかしながら、型押しロールにより大きな高さを有するパターンエレメントを提供することは、厚い材料のボンディングでの使用に制限されない。支持部材122はパターンエレメント116がボンディングさせられるべき材料に穴を開けるのを避けさせるので、それは薄い材料を介してボンディングさせるのにも使用され得る。
【0099】
本方法のこの側面は、型押しロールの増加された寿命をもたらすとも信じられている。一般に、浮き彫り型押しロールは、パターンエレメント上へのストレスのせいで磨耗する。支持部材の使用は、これらストレスの一部を支持し且つパターンエレメント上への圧力を軽減することによりストレスを減少させると信じられている。上述のように、支持部材は、パターンエレメントのさらなる圧縮たわみを防止する「止め具」としての役割を果たしてもよい。支持部材はパターンエレメントのさらなる圧縮たわみを防止する「止め具」としての役割を果たしてもよいので、パターンエレメントは、それらの塑性変形点を超えて歪められることはないと信じられている。
【0100】
(2)ボンディングプロセスの非制限的な変形 ここで記載するボンディング方法には多くの可能な変形が存在する。非制限的な数のこれら変形が以下に詳述される。
【0101】
例えば、ここで記載される方法は、吸収性物品で使用される材料をボンディングさせることにおける使用に制限されない。ここで記載される方法は、例えば、パッケージ或いは他のタイプの物品の製造において使用される材料をボンディングさせるのに、特には、不適合な材料や高分子材料等が使用される場合に使用されてもよい。加えて、ボンディングさせられるべき材料の中央の薄層は、不適合な材料を具備しなくともよい。それは、制限されるものではないが、熱可塑性材料を含むどのような適当なタイプの材料も具備し得る。
【0102】
加えて、ここで記載されるボンディング方法は、図示するロールの配置に制限されない。他の態様においては、例えば、それらロールの双方がパターンエレメントを提供され得る。双方のロールがパターンエレメントを提供された態様において、パターンエレメントは相互に接触するように配置され得る。その代わりに、一方のロール上のパターンエレメントが対向するロールの表面と他方のロールの表面上のパターンエレメント間で接触するように配置され得る。加えて、荷重支持部材は、アンビルロール上に或いは型押しロール及びアンビルロールの双方の上に提供され得る。
【0103】
また、図12に示す支持部材の多数の変形が可能である。例えば、支持部材が連続的ではない少なくとも幾つかの部分を有して、型押しロール110はここで記載される幾つか或いは全ての利益を提供することができる。加えて、支持部材の切り抜きエリアの形状は、パターンエレメントの形状の1/2と等しい必要はない。
【0104】
これら材料を動的にボンディングさせる好ましい方法は、ロール110及び112の一方或いは双方を加熱する工程をさらに具備してもよい。それらロールが加熱される場合、それらは、好ましくは、被覆材料24中の熱可塑性材料の融点よりも所定温度低い表面温度に加熱される。
【0105】
他の態様において、ボンディングさせられるべき材料は、それらがボンディングのためにニップ114中へと送られる前に圧縮(或いは「予備圧縮」)させられ得る。例えば、ボンディングさせられるべき材料はロール110及び112の組の前の他のロールの組の間の加圧されたニップに送られ、それらボンディングさせられるべき材料を予備圧縮することができる。その予備圧縮は、ボンディングさせられるべき材料の全体を圧縮することを伴ってもよく、或いは、チューブ成形複合ウェブ88のボンド94が形成される領域における局所的な圧縮を具備してもよい。
【0106】
また、予備圧縮工程は、他のタイプのボンディングプロセスにおけるボンディングと関連して行われ得る。例えば、超音波工学が使用される場合、超音波溶接或いは「ステーカ(staker)」は一般には超音波ボンドを形成するのに必要な停止時間の間にボンディングさせられるべき材料にある程度の圧縮を引き起こさせるであろう。それゆえ、従来の超音波溶接の場合、ボンディングプロセスから分離された予備圧縮工程は必要ではない。
【0107】
加えて、本発明の簡略化及び明確化のために、ボンディングプロセスで使用される装置は、ここでは円筒110及び112を具備するものとして記載されている。しかしながら、円筒は代表的なニップ規定部材に過ぎない。したがって、それにより本発明を円筒を具備する装置自体に制限することは意図されていない。同じ調子で、用語「パターンエレメント」の使用は、記載された方法を不連続な離間されたパターンエレメントのみからなるパターンを他のパターン,例えば網目状のパターン或いは連続的な或いは引き伸ばされたボンディングの線,を除外してボンディングさせることに制限することを意図されていない。
【0108】
ここで記載される方法は、1989年8月8日にBallらに交付された米国特許第4,854,984号に記載されたどのようなプロセスの制限或いは工程をさらに具備し得る。
【0109】
動的ボンディングプロセスを使用してボンドを形成する際に考慮されるべき他の要因は、パターンエレメント上に均等に荷重を分布させることである。これは、異なる厚さの部分を有する材料をボンディングさせるのに単一のボンディングロール或いは表面が使用される場合に最も顕著である。それら異なる厚さは、幾つかの異なる状況で生じるかもしれない。例えば、ボンディングさせられるべき材料は、それが異なる厚さの領域を有するように型出し或いはカレンダがけされ得る。その代わりに、ボンディングさせられるべき材料は、全ての層の長さ及び/または幅が等しい訳ではない積層体を具備してもよい。そのような場合、ボンドの幾つかは他のボンドよりも多くの層を貫通しなければならないかも知れない。
【0110】
そのような状況でパターンエレメント上に荷重を均等に分布させる1つの方法は、パターンエレメント116の側壁の角度を変化させることである。より大きな厚さを有するボンディングさせられるべき1つの材料或いは複数の材料の一部を貫通するパターンエレメント116の側壁119の角度は、より小さな厚さを有する材料の一部を貫通するパターンエレメント116のそれよりも大きくあるべきである。例えば、ボンディングさせられるべき材料のより薄い部分を貫通するパターンエレメント116の側壁119の角度は約50°の角度をなしてもよく、ボンディングさせられるべき材料のより厚い部分を貫通するパターンエレメント116の側壁119の角度は約70°であってもよい。また、必要であれば、ボンディングさせられるべき材料のより厚い部分を貫通するパターンエレメント116は、より大きな高さを有していてもよい(或いは、他のパターンエレメントはより短くされ得る)。
【0111】
上述のように、本発明の方法は、接着剤、粘着剤(cohesive)、水素結合(例えば、ボンディングさせられるべき材料の1つがセルロースを具備する場合)、熱及び/または圧力、或いは超音波工学を用いて実行され得る。しかしながら、好ましくは、動的ボンディングプロセス或いは超音波工学のいずれかが使用される。そのようなプロセスは、第2の材料24のウェブのようなボンディング可能な材料が通常のボンディング方法(特には接着剤)の邪魔をする化学物質或いは配合物で処理される場合に特に好ましい。例えば、これらボンディングプロセスは、第2の材料がスキンケア配合物或いは第2の材料の親水性を変える材料で処理される場合に好ましい。
【0112】
後者のタイプの表面処理の例は、1997年12月2日にYan−Per Leeらに交付され「Absorbent Articles Having Improved Surfactant−Treated Hydrophilic Topsheets」と題されたP&G社の米国特許第5,693,037号に記載されている。ここで記載される動的ボンディングプロセス及び超音波ボンディングプロセスは、そのような処理によりボンディングさせること、或いはそのようなコーティング或いは表面処理により下地材料とのボンドが形成されるのに十分な熱を伝達させることのいずれかが可能である。その代わりに、そのような表面処理が断続的に適用される場合、ボンディングデバイス上のパターンは、材料の処理されていない部分をボンドが貫通するように設計されてもよい。
【0113】
図7は、ボンド94が形成された局所的なエリアで、ボンディングが圧縮可能なフォーム吸収性材料22を圧縮、より好ましくは押し退けているのを示している。これは、チューブ成形複合ウェブ88の三次元的に形作られた部分100をチューブ成形複合ウェブの残り102から隔離し、隔離された部分100を(チューブ成形複合ウェブ88全体と同様に)特異な形状へと形成している。チューブ成形複合ウェブ88は、好ましくは両側で対称的に形作られる。これは、ボンディングは、チューブ成形複合ウェブ88のチューブ成形複合ウェブ88がパターンエレメント116によりアンビルロールのカーブした表面に対して圧縮される部分にのみ圧力を作用させるので可能である。本発明の方法のこの態様は、それゆえ、1つのエンボスされた側と1つの平坦な側とを備えた構造を生ずるエンボスプロセスとは異なる。
【0114】
D.複巻式衛生ナプキンを形成するための吸収性材料のチューブのベースパッドへと取り付け ボンディングプロセスの後、ボンディングさせられたチューブ成形複合ウェブ88は、好ましくは、吸収性材料の複数の個別のチューブへと切断され、それらのそれぞれは、複巻式衛生ナプキンを形成するためにベースパッドの表に配置される。
【0115】
図8に示すように、ボンディングさせられたチューブ成形複合ウェブ88を切断するのに使用する装置は一対のロール130及び132を具備している。一方のロール,ロール130,は、その表面に少なくとも1つの、好ましくは複数のナイフエレメント134を有している。ナイフエレメント134は、好ましくは、連続的なボンディングさせられたチューブ成形複合ウェブ88に、連続的な一般には横方向の切断をなすように構成される。他方のロール132は、アンビル部材として供され、それゆえアンビルロール132と呼ばれてもよい。ナイフロール130及びアンビルロール132もそれらの間にニップ136を規定している。切断工程の後、吸収性材料の個別のチューブ88は、ベースパッドへの取り付けのためにコンベア140へと送られ、複巻式衛生ナプキンを形成する。
【0116】
図7に示す吸収性材料の個別のチューブの場合、ボンドにより相互に保持されていないチューブ成形複合ウェブ88の残りは、チューブ成形複合ウェブ88のベースパッドへの取り付けの前に展開されて広げられる。ボンディングさせること及びチューブ成形複合ウェブ88の残りを展開することは、チューブ成形複合ウェブ88を、最終製品上で吸収性材料の最上部を形成するチューブ成形複合ウェブ88の部分がより狭い幅を与えられる断面形状へと形成する。好ましくは、図13に示すように、最終製品上で吸収性チューブの最上部を形成する複合ウェブ88の部分は、成形複合チューブ102の残り(及び衛生ナプキンの残り)の最上部から垂直に突出した稜106を規定する。図13に示すように、そのボンディングは、チューブ成形複合ウェブ88にキルト状パターンをも提供し、そこでは、チューブ成形複合ウェブ88はボンドサイト94の周りで皺を寄せられている。
【0117】
図13は、身体対向側に本発明の方法によりボンディングさせられた吸収性材料のチューブ88を有する複巻式の衛生ナプキン800を示している。複巻式の衛生ナプキン800を形成するにあたり、衛生ナプキンはパンティプロテクタ(或いは「ベースパッド」)820として供され得て、「第1の月経パッド」として供せられる吸収性材料のチューブ88はベースパッド820の最上部に配置され、少なくともその両端部をそれに取り付けられる。ベースパッド820としての使用に適した衛生ナプキンは、オハイオ州CincinnatiのProcter&Gamble社から市販されているALWAYS ULTRA衛生ナプキンを含む。
【0118】
特に好ましい態様において、ベースパッド820は、挟み込まれた超吸収性ハイドロゲル形成材料粒子と薄葉紙とを備えた薄葉紙積層体を具備する吸収性コア並びに吸収性コアを覆うDRI−WEAVE開口フィルムを有するALWAYS ULTRA衛生ナプキンのような変形を具備する。適当な薄葉紙は、Merfin Hygienic Products社により製造されている。吸収性コアを覆う薄葉紙は、好ましくは、接着剤の渦巻パターンにより吸収性コアに接合されている。
【0119】
吸収性材料のチューブ88は、どのような適当な方法でもベースパッド820に接合され得る。チューブ88の衛生ナプキン820への取り付けは、好ましくは、トップシート材料56の拡張部58をチューブの両端部でベースパッド820に融着させることにより達成される。そのような複巻式の衛生ナプキンの幾つかの好ましい態様において、吸収性材料のチューブ88の両端部とベースパッド820との間でベースパッド820への取り付けがあってもよい。複巻式の衛生ナプキンのチューブは、接着剤のようなどのような適当な取り付け手段でも、その両端部間でベースパッドに取り付けられ得る。
【0120】
衛生ナプキン800は、第1の(或いは前方)端部領域828、第2の(或いは後方)端部領域830、及び第1及び第2の端部領域間に位置する中央領域832を有している。図13に示すように、吸収性材料88のチューブは、衛生ナプキン800の前方端部領域828から衛生ナプキンの後方端部領域830までボンディングの結果として輪郭を描かれている。より詳細には、吸収性材料のチューブ88は、横の中心線Tに沿って衛生ナプキンの中央部にその最も高いキャリパを有し、衛生ナプキンの両端部でより少ないキャリパへとテーパしている。
【0121】
ボンドパターンは、衛生ナプキンの長さ全体或いは一部に沿ってキャリパが増加する吸収性材料のチューブを生じるように変化させられ得る。例えば、ボンディングは、増加したキャリパが衛生ナプキン800の中央領域832に制限されるようなものであってもよい。その代わりに、ボンドパターンは、両端部領域に或いは中央領域の一部及び両端部領域の一部に増加したキャリパを提供するのに使用され得る。
【0122】
2.本発明の方法の他の態様 本発明には多数の他の態様が存在する。例えば、1つの代わりの態様においては、吸収性材料のチューブ中の吸収性材料は、それがボンディングさせられる前に粒状材料へと形成される必要はない。すなわち、吸収性材料の均質な(solid )ピースが使用され得る。しかしながら、均質な吸収性フォーム材料のような吸収性材料を介したボンディングは、特にそれが約4mmを超える厚さである場合に、より困難となるであろう。
【0123】
また、本発明の方法を用いて、低密度吸収性材料のような他のタイプの材料を介してボンディングさせることも可能である。例えば、本発明の方法は、カレンダされていないエアフェルトを介してボンディングさせるのに使用され得る。エアフェルトがカレンダされることが望まれる場合は、エアフェルトは本発明の方法によりボンディング可能な材料中に包まれてボンディングさせられた後にカレンダされ得る。
【0124】
しかしながら、本発明の方法は、エンボスされたエアフェルト吸収性コアを具備する吸収性物品のような吸収性物品を単にエンボスすることと比べて幾つかの利益を提供する。そのような吸収性物品においては、トップシートは、エアフェルト吸収性コアに接着剤によりボンディングさせられるかも知れない。バックシートは、エアフェルトに同様に接着剤によりボンディングさせられるかもしれない。エアフェルト中のセルロース繊維は水素結合により互いに支えられている。これら水素結合は、液体により解離する傾向にあるという不利益に煩わされる。接着剤もまた、それらは液体により及びある表面処理がトップシートのような吸収性物品のコンポーネントに適用された場合に解離するという傾向にあるという不利益に煩わされる。
【0125】
図14は、本発明の方法の他の用途を示している。先の態様においては、本発明の方法は、ボンディングさせられ得る材料を不適合な材料の外側表面に配置し、不適合な材料を貫通することによりこれら材料を相互にボンディングさせることを伴っていた。図14において、本発明の方法は、2つの不適合な材料を、それら不適合な材料の内側に位置するボンディングさせられ得る材料にボンディングさせるのに使用される。
【0126】
図14は、不適合な材料の2つのウェブ22を示している。それら不適合な材料のウェブ22は、ここに記載されるどのような不適合な材料を具備してもよい。好ましくは、それら不適合な材料のウェブは吸収性フォーム材料を具備する。そのような吸収性材料を接着剤を用いて他の材料に取り付けることは困難であるが、本態様においては、1つの接着剤の層98が、吸収性フォーム材料のウェブ22のそれぞれをより高いボンディング性を有する材料のウェブ24にボンディングさせるのに使用される。しかしながら、この接着剤ボンドは、吸収性フォーム材料が吸収性フォーム材料の低い構造保全性のせいでそこから分離するかもしれないという危険性に晒される。より高いボンディング性を有する材料のウェブ24は、ここで記載される第2の材料のいずれであってもよい。好ましくは、より高いボンディング性を有する材料のウェブ24は不織ウェブを具備する。
【0127】
図14に示すように、不織ウェブ24が接着剤により取り付けられた吸収性フォーム材料のウェブ22は、不織ウェブ24が相互に隣接して向かい合った関係で配置されている。このように形成される複合構造全体は、次に、ここに記載される方法により相互にボンディングさせられる。その複合構造は、それを、図8に示す装置におけるような一対のロール間のニップに通過させることによりボンディングさせられ得る。これは、2つの不織ウェブ24間にボンド94を形成させるであろう。
【0128】
本態様のボンド94は、吸収性フォーム材料22の外側からは見えない「隠された」ボンドであってもよい。ボンドを形成したパターンエレメントは典型的には少量のフォーム材料を押し退けるので、ボンド94は隠されてもよい。加えて、ボンディングの後に、フォーム材料22は、ボンドエリアを覆って発泡させられて、フォーム材料が押し退けられた場所をより見えにくくさせてもよい。
【0129】
加えて、ここで記載される方法は、他の目的のために及び他のタイプの吸収性物品を製造するのに使用され得る。例えば、図15は、本発明の方法によりボンディングさせられ且つ付形させられた吸収性唇間デバイス1020を示している。吸収性唇間デバイス1020は、ここで記載されるいずれの不適合な材料も含むどのような適当な吸収性材料を具備してもよい。図15に示す態様において、吸収性唇間デバイス1020は、不織ウェブ被覆材料1046で巻かれたレーヨンコア1044を具備している。レーヨンは、典型的には、従来のボンディング技術を用いては不適合である。しかしながら、図16に示すように、本発明の方法は、吸収性唇間材料の対向する両側で不織被覆1046間にレーヨンを貫通するボンド94を提供することにより、レーヨンコア1044をボンディングさせ且つ付形させるのに使用され得る。
【0130】
図16に示すように、被覆材料1046の第1の部分1046Aは、好ましくは、吸収性レーヨン材料1044を介して、被覆材料の第2の部分1046にボンディングさせられる。被覆された吸収性材料1044をボンディングさせるのに使用される装置は、好ましくは、一対の円筒ロール,型押しロール110及びアンビルロール112,を具備する。円筒ロール110及び112は、図8に示すのと同様である。図8に示す態様のように、好ましくは、少なくとも一方のロール,ロール110は、その表面に浮き彫りパターンを有する。型押しロールは、円形の円筒表面115及び表面115から外側に延在した複数の隆起或いはパターンエレメント116を有するように構成されている。浮き彫りパターン及びパターンエレメント116のランド面118は、どのような適当な構造であってもよい。パターンエレメント116の側壁119は、好ましくは、図8に示すロール110に関連して記載したのと同様の角度をなす。
【0131】
ロール110及び112は、好ましくは、図8に示す装置について上述したのと同様或いは類似の方法で動作される(制限されるものではないが、ロール間の表面速度差の範囲、ロール間のニップ圧の範囲、一方或いは双方のロールの加熱の任意の可能性、及び他のタイプのニップ規定部材によるロールの置換を含む)。
【0132】
図16に示す装置の態様において、浮き彫りパターンは、円形のランド面118を有する複数の離間されたパターンエレメント(或いは「パターンエレメントセグメント」)を具備している。しかしながら、図16に示す方法の態様において、パターンエレメント116は「半月」構造で配列されている。それらパターンエレメント116は、ボンディングパターンの適用毎にボンド94が吸収性材料の被覆された「ロープ」の長軸A1の反対側に形成される交互のパターンで提供されている。
【0133】
それら図面に示すボンディングプロセスは、吸収性材料のスライバ1044を貫通し、被覆材料の第1の部分1046Aを被覆材料1046の第2の部分1046Bに自生ボンディングさせている。
【0134】
図示する吸収性物品の態様は、本発明の他の利益を証明している。ボンド94は、事実上無制限の数のパターンで配置され得る。これらボンド94は、事実上無制限の数の可能な幾何学的形状を有する製品を生成するのに使用され得る。また、ボンディングパターンは、それらボンドを通過する線に沿って製品にある程度の剛性を与えることにより、吸収性物品の付形と同様に構造的安定性を与えるのに使用され得る。この線は、直線、曲線、或いは部分的に直線且つ部分的に曲線であってもよい。深いキルト状のしぼは、液体取扱い性或いは外観のために生成され得る。本発明の方法は、高速(例えば、700〜1,000フィート毎分)で運転する製造ラインで使用されることができ、縫製プロセスのように特定のパターンに制限されない。
【0135】
図17及び18は、本発明の方法を用い幾つかの異なる特徴で製造され得る衛星ナプキン1320を示している。図17は吸収性物品(1320で示される伸展性の衛生ナプキン)を示しており、そこでは、本発明の方法が吸収性物品をつくるプロセスで幾つかの異なる操作を同時に実行するのに使用された。衛生ナプキン1320は本体部1322を具備している。本体部1322は、液体透過性トップシート1324、トップシートと接合された液体不透過性バックシート1326、及びトップシート1324とバックシート1326との間に位置する吸収性コア1328を具備している。これらコンポーネントは、組み合わされた衛生ナプキン1320が延伸されるのを可能とするどのような適当な方法で接合されてもよい。衛生ナプキン1320は、トップシート及びバックシートをともに溶融することにより形成された一対のエンドシール1329を具備してもよい。また、衛生ナプキン1320は、その本体部1322のそれぞれの長手側エッジから延在したウイング或いはフラップ1330を有していてもよい。
【0136】
図17に示す衛生ナプキン1320は、ここで記載される方法により粒状材料1336へと形成された領域1334を備えた吸収性コア1328を有している。図17に示すように、粒状材料を具備する領域1334は、縦方向及び横方向の双方に配向した非形成バンド1338により分離されている。加えて、本発明の方法は、好ましくは、トップシート1324及びバックシート1326中に歪み得るネットワーク領域を形成するのにも使用された。用語「歪み得るネットワーク領域」は、1996年3月21日にChappellらに交付され、Web Materials Exhibiting Elastic−Like Behaviorと題された米国特許第5,518,801号に詳細に記載されている。トップシート1324及びバックシート1326中への歪み得るネットワークの形成は、衛生ナプキンのこれらコンポーネントに伸展性を提供する。トップシート1324及びバックシート1326中の歪み得るネットワークの非形成バンドは、これら伸展性のコンポーネントに弾性状の特性を提供する。吸収性コア1328の粒状材料への形成は、吸収性コア1328をトップシート1324及びバックシート1326の伸展性に干渉しない形状にする。
【0137】
トップシート1324及びバックシート1326は、そこに形成される歪み得るネットワークのパターンに依存して、一方向に、一方向より多く、或いはX−Y平面内の全ての方向に伸展性を提供され得る。図17に示す態様において、衛生ナプキン1320は縦及び横方向の双方に伸展可能である。図17に示す衛生ナプキン1320は、好ましくは、1997年3月18日にOsbornらに交付され「Stretchable Absorbent Articles」と題された米国特許第5,611,790号の開示に規定された量で伸展可能である。
【0138】
図17は、ここで記載される方法が、ウイング或いはフラップ1330に伸展性を提供するのに使用され得ることを示している。ウイング1330は、トップシート及びバックシートについて規定したいずれの方向に伸展性を提供されてもよい。また、型押し面のウイング1330と接触する部分にその装置の吸収性物品の本体部と接触する部分とは異なるパターンを有する装置に衛生ナプキン1320を通すことにより、トップシート及びバックシートとは異なる方向或いは量でウイング1330に伸展性を提供することも可能である。それらロールのウイングに伸展性を提供するのに使用される部分は、嵌め合いロール(mating roll )が使用される場合は相互に近接して配置されてもよく、或いは、ウイング1330が本体部1322ほど多くの層を有していない場合はより高度に噛み合っていてもよい。
【0139】
また、本発明の方法は、衛生ナプキンのコンポーネントをエンボスする及び/または相互にボンディングさせるのに使用される。図17は、衛生ナプキン1320の身体対向面が溶融ボンド1340の形態の複数のエンボスメントを提供されてもよいことを示している。溶融ボンド1340は、吸収性コア1328を粒状材料へと形成するのに使用する装置の型押し面に複数のボンディングエレメントを提供することにより形成され得る。ボンディングエレメントは、必要であれば、任意に加熱されてもよい。典型的には、それらコンポーネントを相互にボンディングさせるために、少なくとも相互にボンディングさせられるこれらコンポーネントは、好ましくは、少なくとも何等かの熱可塑性材料を具備する。他の態様においては、型押し面は、単に衛生ナプキンの身体対向面をエンボスし、そのコンポーネント間に溶融ボンドを形成しないエレメントを提供されることが望ましいかも知れない。
【0140】
本発明の方法は、それゆえ、吸収性コア1328を粒状材料へと形成し、トップシート1324及びバックシート1326に伸展性を提供し、ウイング或いはフラップ1330に伸展性を提供し、それらコンポーネントをエンボスする及び/または相互にボンディングさせ、衛生ナプキン1320の両端部をシールするのに使用され得る。これは、それら図面に示されるのと同様の装置に1回通すことにより全て達成され得る。さらに、図18に示すように、ボンディングパターンは、バックシートまで完全にトップシートを貫通し、吸収性材料にそれを区分することにより保全性を提供し得る。例えば、吸収性材料は、熱的にボンディングさせられたエアレイド材料を具備し得る。そのような態様においては、材料の保全性を維持するために従来のバインダ繊維や粉末バインダを提供することは不要かもしれない。
【0141】
本説明で言及した全ての特許、特許出願(及び対応する外国特許出願と同様にそれに由来する特許)、及び刊行物の開示は、ここに参照により組み込まれる。しかしながら、ここで参照により組み込まれた文献のいずれも本発明を教示も開示もしていないことが明白に認められる。本発明の特定の態様が例示され且つ記載されたが、本発明の真意及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更や修飾が成され得ることは当業者には明白であろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品の製造プロセスの際に複数の材料をボンディングさせる方法であって、
(a)第1の材料を提供する工程,前記第1の材料は第1のボンディング性、第1の表面、及び第2の表面を具備する;前記方法は以下の工程をさらに具備することを特徴とする,と、
(b)前記第1のボンディング性よりも高いボンディング性を有する少なくとも1つの他の材料を提供する工程と、
(c)前記第1の材料の前記第1及び第2の表面の少なくとも一部を、前記第1のボンディング性よりも高いボンディング性を有する前記少なくとも1つの材料で被覆する工程と、
(d)前記第1の材料の前記第1の表面の少なくとも一部を被覆する前記より高いボンディング性を有する材料を、前記第1の材料の前記第2の表面の少なくとも一部を被覆する前記より高いボンディング性を有する材料に、前記第1の材料を貫通する複数のボンドを用いてボンディングさせる工程と を具備する方法。
【請求項2】
前記第1の材料は従来のボンディングプロセスに対して少なくともある程度の不適合性を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の材料をボンディングさせる前記工程(d)は前記複数の材料を自生ボンディングさせることを具備する請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の材料を相互にボンディングさせる前記工程(d)は圧力を用いて前記複数の材料をボンディングさせることを具備する請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の材料は吸収性フォーム材料を具備する請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの他の材料は不織材料のウェブである請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの他の材料は前記第1の材料の両側に巻き付けられたシングルウェブである請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの他の材料はグルーの層或いは高分子コーティングを具備する請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
複合構造であって、従来のボンディングプロセスに対して少なくともある程度の不適合性を有する吸収性材料を具備し、前記不適合な材料は第1のボンディング性並びに前記第1のボンディング性よりも高いボンディング性を有する少なくとも1つの材料で少なくとも部分的に被覆された第1及び第2の表面を有し、前記複合構造は前記不適合な材料の前記第1の表面を少なくとも部分的に被覆する前記被覆材料の部分を前記不適合な材料の前記第2の表面を少なくとも部分的に被覆する前記被覆材料の部分にボンディングさせる1つ以上のボンドを具備し、前記複合構造は前記ボンドのエリアにキルト状の外観を有することを特徴とする複合構造。
【請求項10】
吸収性物品の製造プロセスの間に従来のボンディングプロセスに対して少なくともある程度の不適合性を有する吸収性材料を介してボンディングさせる方法であって、
(a)従来のボンディングプロセスに対して少なくともある程度の不適合性を有する吸収性材料を提供する工程,前記吸収性材料は第1のボンディング性、第1の表面、及び反対側の第2の表面を具備する;前記方法は以下の工程をさらに具備することを特徴とする,と、
(b)前記第1のボンディング性よりも高いボンディング性を有する少なくとも1つの他の材料を提供する工程と、
(c)前記吸収性材料の前記第1及び第2の表面の少なくとも一部を前記第1のボンディング性よりも高いボンディング性を有する少なくとも1つの材料で被覆する工程と、
(d)前記被覆された吸収性材料に局所的な力を印加して前記力が印加された位置で前記吸収性材料を押し退ける工程,前記力は前記吸収性材料の背中合わせの面上に位置する前記第1のボンディング性よりも高いボンディング性を有する前記材料を前記吸収性材料が押し退けられた位置で相互に接触させる,と、
(e)前記吸収性材料が押し退けられた位置で前記より高いボンディング性を有する前記材料を互いにボンディングさせる工程と を具備する方法。
【請求項11】
前記吸収性材料は前記より高いボンディング性を有する材料の破断点よりも低い破断点を有し、前記局所的な力は前記吸収性材料の前記破断点よりも大きく前記より高いボンディング性を有する前記材料の前記破断点よりも小さく、前記より高いボンディング性を有する前記材料を破断することなく前記吸収性材料が少なくとも1つの位置で断裂する請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記局所的な力を印加して前記吸収性材料を押し退け前記より高いボンディング性を有する前記材料を互いにボンディングさせる前記工程(d)及び(e)は単一の操作で行われる請求項11の方法。
【請求項13】
複数の薄層を互いにボンディングさせる方法であって、前記複数の薄層の少なくとも1つは熱可塑性材料を具備し、
(a)アンビル部材と浮き彫り型押しニップ規定部材とを提供する工程,前記浮き彫り型押し部材は外側に向けて延在した複数のパターンエレメントを備えた表面を有する;前記方法は前記浮き彫り型押し部材がその表面上に追従性の材料を具備し、前記追従性の材料は前記複数のパターンエレメントの少なくとも幾つかを少なくとも部分的に取り囲んでいることを特徴とする,と、
(b)前記複数の薄層をそれらの一部が向き合った関係で前記アンビル部材と前記浮き彫り型押し部材との間の圧力バイアスされたニップに前送りする工程と、
(c)前記複数の薄層の少なくとも一部を圧縮し且つ前記複数の薄層の少なくとも幾つかを互いにボンディングさせて積層体を形成するのに十分な圧力で前記積層体に穴を開けることなく前記ニップ規定部材を互いに向けてバイアスする工程と を具備する方法。
【請求項14】
複数の薄層を互いにボンディングさせる方法であって、前記複数の薄層の少なくとも1つは熱可塑性材料を具備し、
(a)アンビル部材と浮き彫り型押しニップ規定部材とを提供する工程,前記浮き彫り型押し部材は外側に向けて延在した複数のパターンエレメントを備えた表面を有する,と、
(b)前記複数の薄層をそれらの一部が向き合った関係で提供する工程;前記方法は以下の工程をさらに具備することを特徴とする,と、
(c)前記複数の薄層の少なくとも一部を前記複数の薄層の複数のボンドが形成させられるべき複数の領域で圧縮する工程と、
(d)前記複数のパターンエレメントが前記複数の薄層の少なくとも幾つかを互いにボンディングさせて積層体を形成するのに十分な圧力で前記積層体に穴を開けることなく前記ニップ規定部材を互いに向けてバイアスする工程と を具備する方法。
【請求項15】
前記圧縮する工程(c)は工程(d)の前記ボンディングよりも前に行われる請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記圧縮する工程(c)は工程(d)の前記ボンディングと同時に行われる請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の薄層の少なくとも1つは吸収性材料を具備する請求項13または請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の薄層は約2mm以上の組み合わされたキャリパを有する請求項13、請求項14、及び請求項17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
複数の薄層を互いにボンディングさせる方法であって、前記複数の薄層の少なくとも1つは熱可塑性材料を具備し、
(a)アンビル部材と浮き彫り型押しニップ規定部材とを提供する工程,前記浮き彫り型押し部材は外側に向けて延在した複数のパターンエレメントを備えた表面を有する;前記方法は前記アンビル部材及び前記浮き彫り型押し部材の少なくとも一方が少なくとも1つの保持部材を具備し、前記少なくとも1つの保持部材が前記型押し部材と前記アンビル部材とが前記ニップが規定する関係にある際に前記アンビル部材の表面の少なくとも一部との接触を維持するのに十分な高さを有することを特徴とする,と、
(b)前記複数の薄層をそれらの一部が向き合った関係で前記アンビル部材と前記浮き彫り型押し部材との間の圧力バイアスされたニップに前送りする工程と、
(c)前記複数のパターンエレメントの少なくとも幾つかが前記複数の薄層の少なくとも幾つかを互いにボンディングさせて積層体を形成するのに十分な圧力で前記ニップ規定部材を互いに向けてバイアスする工程と を具備する方法。
【請求項20】
前記アンビル部材及び浮き彫り型押し部材は回転ロールを具備する請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つの保持部材は前記アンビル部材及び前記浮き彫り型押し部材の少なくとも一方の円周の周りに連続的なリングを具備する請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記型押しロールの円周の周りで前記複数のパターンエレメントの表面積に差があり、前記少なくとも1つの保持部材の表面積は前記型押し部材の円周の周りで前記複数のパターンエレメントの表面積の差をバランスするように選ばれた請求項20または請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの保持部材はそこに少なくとも1つの切り抜きエリアを有する請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記複数のパターンエレメントは一表面積を有する複数のランドを有し、前記少なくとも1つの切り抜きエリアは前記複数のパターンエレメントの前記複数のランドの前記表面積と等しい平面図サイズを有する請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの保持部材は前記アンビル部材の軸と前記型押し部材の軸との間の予め選択された最短距離をそれらの間で前記複数のパターンエレメントが間隔を有しているときでさえも維持する請求項20または請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つの保持部材は前記アンビル部材と前記型押し部材とをそれらの間で前記複数のパターンエレメントが間隔を有しているときでさえも接触させたままとする請求項20または請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−214115(P2010−214115A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−58037(P2010−58037)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【分割の表示】特願2000−521953(P2000−521953)の分割
【原出願日】平成10年11月25日(1998.11.25)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】