材料管理システム、材料管理方法及び材料管理プログラム
【課題】より精度よく材料の管理を行うことができる材料管理システム、材料管理方法及び材料管理プログラムを得る。
【解決手段】セメント系材料を打設現場まで搬送する搬送車両に対するセメント系材料の積載量を計量部44により各搬送車両毎に計量し、計量した各搬送車両毎の積載量に対応する大きさの直方体のブロックを、セメント系材料の管理単位とする管理ブロックとして導出し、導出した管理ブロック毎にセメント系材料の特性を示す特性情報を取得する一方、搬送車両によるセメント系材料の実際の打設位置を示す打設位置情報を各搬送車両毎に検出し、取得した前記特性情報と検出した前記打設位置情報とを、対応する管理ブロック毎に関連付けて、工事事務所に設けられたサーバ装置20の二次記憶部により記憶する。
【解決手段】セメント系材料を打設現場まで搬送する搬送車両に対するセメント系材料の積載量を計量部44により各搬送車両毎に計量し、計量した各搬送車両毎の積載量に対応する大きさの直方体のブロックを、セメント系材料の管理単位とする管理ブロックとして導出し、導出した管理ブロック毎にセメント系材料の特性を示す特性情報を取得する一方、搬送車両によるセメント系材料の実際の打設位置を示す打設位置情報を各搬送車両毎に検出し、取得した前記特性情報と検出した前記打設位置情報とを、対応する管理ブロック毎に関連付けて、工事事務所に設けられたサーバ装置20の二次記憶部により記憶する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料管理システム、材料管理方法及び材料管理プログラムに係り、より詳しくは、築造現場に配設した予め定められた材料を管理する材料管理システム、材料管理方法及び材料管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
盛土構造物を施工する場合や、セメント系固化材を混合した材料(以下、「セメント系材料」ともいう。)により構造物を施工する場合等には、一般に、構造物の施工現場にダンプトラック、バケット等の搬送機器により材料を搬送し、当該材料をブルドーザ、モータグレーダ等の敷き均し機によって予め定められた面積を所定厚さの薄層に敷き均した後に振動ローラ、タイヤローラ、タンピングローラ等の締め固め機で転圧する、という施工形態が採られている。
【0003】
なかでもセメント系材料により構造物を施工する場合、品質確保の観点から、セメント系材料の製造から転圧までを所定の時間内に完了させる必要があり、当該所定の時間内に完了しない場合や、セメント系材料の品質、配合等によっては、完成した構造物に欠陥が生じる場合がある。
【0004】
このため、セメント系材料により構築される構造物では、そのセメント系材料の品質や施工状態に関して、その履歴を遡ることのできる仕組みである、所謂トレーサビリティ(Traceability)を如何に精度よく行うかが重要である。
【0005】
そして、このトレーサビリティを精度よく行うために適用し得る技術として、特許文献1には、盛土作業における各施工結果の帳票作成及び管理が容易に行える土木工事の盛土施工管理支援システムを提供することを目的として、盛土作業の作業対象領域を、横断方向、縦断方向から見て、盛土層、測点毎の情報が識別可能な複数のメッシュブロックに分割し、3次元の管理ブロックを設定して、各管理ブロック単位で盛土材料を管理する技術が開示されている。
【0006】
この技術を、盛土をセメント系材料に置き換えて適用することにより、セメント系材料のトレーサビリティも可能となる。
【特許文献1】特開2006−291454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術では、各管理ブロックのサイズが予め設定されたサイズで固定されているため、材料の精度のよい管理を行うことができない、という問題点があった。
【0008】
すなわち、予め管理ブロックのサイズが設定されている場合、複数の搬送機器により搬送された材料を用いた配設作業が進むにつれて、材料の実際の配設位置と、これに対応する管理ブロックの位置に次第にずれが生じていき、この結果として、精度のよい管理を行うことができないのである。
【0009】
なお、この問題点は、管理対象とする材料がセメント系材料の場合のみに限らず、盛土構造物を施工する際の土質材料や、コンクリート構造物を施工する際のコンクリート等、他の施工に用いられる材料の場合にも生じ得る問題点である。
【0010】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、より精度よく材料の管理を行うことができる材料管理システム、材料管理方法及び材料管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1記載の材料管理システムは、予め定められた材料を築造現場まで搬送する搬送機器に対する前記材料の積載量を各搬送機器毎に計量する計量手段と、前記計量手段によって計量された各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体又は立方体のブロックを前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出する導出手段と、前記導出手段によって導出された前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報を取得する取得手段と、前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報を各搬送機器毎に検出する検出手段と、前記取得手段によって取得された前記特性情報と前記検出手段によって検出された前記配設位置情報とを、対応する前記管理ブロック毎に関連付けて記憶する記憶手段と、を備えている。
【0012】
請求項1記載の材料管理システムによれば、予め定められた材料を築造現場まで搬送する搬送機器に対する前記材料の積載量が各搬送機器毎に計量手段によって計量される。なお、上記搬送機器には、ダンプトラック、不整地運搬車等の搬送車両や、バケット等の容器類が含まれる。
【0013】
ここで、本発明では、導出手段により、前記計量手段によって計量された各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体又は立方体のブロックが、前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出される。
【0014】
また、本発明では、取得手段により、前記導出手段によって導出された前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報が取得される一方、検出手段により、前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報が各搬送機器毎に検出される。なお、上記取得手段による上記特性情報の取得には、キーボード、タッチパネル、タブレット、デジタイザ、マウス等の入力装置を介した取得の他、インターネット、ローカル・エリア・ネットワーク等の通信回線を介した外部装置からの取得が含まれる。
【0015】
そして、本発明では、前記取得手段によって取得された前記特性情報と前記検出手段によって検出された前記配設位置情報とが、対応する前記管理ブロック毎に関連付けられて記憶手段により記憶される。なお、上記記憶手段には、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュEEPROM(Flash EEPROM)等の半導体記憶素子、フレキシブル・ディスク等の可搬記録媒体やハードディスク等の固定記録媒体、或いはネットワークに接続されたサーバ・コンピュータ等に設けられた外部記憶装置が含まれる。
【0016】
このように、請求項1記載の材料管理システムによれば、予め定められた材料を築造現場まで搬送する搬送機器に対する前記材料の積載量を計量手段により各搬送機器毎に計量し、計量した各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体又は立方体のブロックを前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出し、導出した前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報を取得する一方、前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報を各搬送機器毎に検出手段により検出し、取得した前記特性情報と検出した前記配設位置情報とを、対応する前記管理ブロック毎に関連付けて記憶手段により記憶しているので、前記材料の実際の配設位置と、これに対応する管理ブロックの位置のずれの発生を回避することができる結果、本発明を適用しない場合に比較して、より精度よく材料の管理を行うことができる。
【0017】
なお、本発明は、請求項2に記載の発明のように、前記予め定められた材料が、セメント系固化材を混合した材料又は土質材料であるものとしてもよい。これにより、適用した材料の管理を、より精度よく行うことができる。
【0018】
特に、請求項2に記載の発明は、請求項3に記載の発明のように、前記予め定められた材料が、セメント系固化材を混合した材料であり、前記特性情報が、前記セメント系固化材を混合した材料の品質管理に関する情報、配合に関する情報、計量に関する情報、打設日時を示す情報、及び打設後の水分密度を示す情報の少なくとも1つの情報であるものとしてもよい。これにより、適用した情報を用いた管理が可能となる。
【0019】
また、請求項3に記載の発明は、請求項4に記載の発明のように、前記品質管理に関する情報が、前記セメント系固化材を混合した材料の密度、吸水率、粒度、及び表面水量の少なくとも1つの情報であり、前記配合に関する情報が、前記セメント系固化材を混合した材料の配合の種類、単位セメント量、単位水量、及び単位骨材相当材量の少なくとも1つの情報であり、前記計量に関する情報が、前記セメント系固化材を混合した材料の骨材相当材量、セメント量、水量、及びセメント混合材量の少なくとも1つの情報であるものとしてもよい。これにより、適用した情報を用いた管理が可能となる。
【0020】
また、本発明は、請求項5に記載の発明のように、前記管理ブロックの高さ方向の寸法が、前記搬送機器による前記予め定められた材料の最大積載量に応じて予め定められた寸法で固定されているものとしてもよい。これにより、上記管理ブロックの高さを一律とすることができる結果、管理を容易かつ分かりやすく行うことができる。
【0021】
また、本発明は、請求項6に記載の発明のように、前記管理ブロックの幅方向の寸法が、前記築造現場において前記予め定められた材料を敷き均す敷き均し機による敷き均し部の幅に対応する寸法で固定されているものとしてもよい。これにより、上記管理ブロックの幅を一律とすることができる結果、管理を容易かつ分かりやすく行うことができる。なお、上記敷き均し機には、ブルドーザ、モータグレーダ等が含まれる。
【0022】
更に、本発明は、請求項7に記載の発明のように、前記検出手段が、GPS(Global Positioning Systems)を利用して前記配設位置情報を検出してもよい。これにより、本発明を適用しない場合に比較して、より容易に本発明を実現することができると共に、より高精度に管理を行うことができる。
【0023】
一方、上記目的を達成するために、請求項8記載の材料管理方法は、予め定められた材料を築造現場まで搬送する搬送機器に対する前記材料の積載量を計量手段により各搬送機器毎に計量する計量工程と、前記計量工程によって計量された各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体又は立方体のブロックを前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出する導出工程と、前記導出工程によって導出された前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報を取得する取得工程と、前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報を各搬送機器毎に検出手段により検出する検出工程と、前記取得工程によって取得された前記特性情報と前記検出工程によって検出された前記配設位置情報とを、対応する前記管理ブロック毎に関連付けて記憶手段により記憶する記憶工程と、を有する。
【0024】
従って、請求項8に記載の材料管理方法によれば、請求項1記載の発明と同様に作用するので、請求項1記載の発明と同様に、本発明を適用しない場合に比較して、より精度よく材料の管理を行うことができる。
【0025】
一方、上記目的を達成するために、請求項9記載の材料管理プログラムは、予め定められた材料を築造現場まで搬送する搬送機器に対する前記材料の積載量を計量手段により各搬送機器毎に計量する計量ステップと、前記計量ステップによって計量された各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体又は立方体のブロックを前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出する導出ステップと、前記導出ステップによって導出された前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報を取得する取得ステップと、前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報を各搬送機器毎に検出手段により検出する検出ステップと、前記取得ステップによって取得された前記特性情報と前記検出ステップによって検出された前記配設位置情報とを、対応する前記管理ブロック毎に関連付けて記憶手段により記憶する記憶ステップと、をコンピュータに実行させるものである。
【0026】
従って、請求項9に記載の材料管理プログラムによれば、コンピュータに対して請求項1記載の発明と同様に作用させることができるので、請求項1記載の発明と同様に、本発明を適用しない場合に比較して、より精度よく材料の管理を行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、予め定められた材料を築造現場まで搬送する搬送機器に対する前記材料の積載量を計量手段により各搬送機器毎に計量し、計量した各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体又は立方体のブロックを前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出し、導出した前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報を取得する一方、前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報を各搬送機器毎に検出手段により検出し、取得した前記特性情報と検出した前記配設位置情報とを、対応する前記管理ブロック毎に関連付けて記憶手段により記憶しているので、前記材料の実際の配設位置と、これに対応する管理ブロックの位置のずれの発生を回避することができる結果、本発明を適用しない場合に比較して、より精度よく材料の管理を行うことができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を、セメント系材料を管理する、クライアント/サーバシステムとして構成された材料管理システムに適用した場合について説明する。
【0029】
まず、図1及び図2を参照して、本発明が適用された材料管理システム10の構成を説明する。
【0030】
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る材料管理システム10は、セメント系材料に関する情報を集中管理する工事事務所に設けられたサーバ装置20と、セメント系材料の品質に関するデータを得るための試験を行う試験室に設けられたクライアント装置30と、セメント系材料を製造するプラントに設けられたクライアント装置40と、セメント系材料を打設現場に搬送する各搬送車両(本実施の形態では、ダンプトラック)に設けられたクライアント装置50と、打設現場において搬送車両により搬送されたセメント系材料を敷き均すブルドーザに設けられたクライアント装置60と、打設現場においてブルドーザにより敷き均されたセメント系材料を転圧により締め固める振動ローラに設けられたクライアント装置70と、を備えている。
【0031】
サーバ装置20、クライアント装置30、及びクライアント装置40は、モデム、ルータ、TA(Terminal Adapter)等の接続装置14を介してネットワーク12に接続されている。従って、サーバ装置20、クライアント装置30、及びクライアント装置40は、ネットワーク12を介して相互通信が可能とされている。
【0032】
一方、クライアント装置50、クライアント装置60、及びクライアント装置70は、各々無線通信機能を有しており、ネットワーク12上に設けられた基地局16に接続することにより、サーバ装置20、クライアント装置30、及びクライアント装置40との間で相互通信が可能とされると共に、各クライアント装置50〜70間でも相互通信が可能とされている。
【0033】
なお、本実施の形態に係る材料管理システム10では、ネットワーク12としてLAN(Local Area Network)を適用しているが、これに限らず、イントラネット、VAN(Value Added Network)、インターネット、電話回線網、エコーネット、HomePNA等の各種ネットワークを単独又は組み合わせて適用することもできる。
【0034】
次に、図3を参照して、本材料管理システム10において特に重要な役割を有するサーバ装置20の電気系の要部構成を説明する。
【0035】
同図に示すように、本実施の形態に係るサーバ装置20は、サーバ装置20全体の動作を司るCPU(中央処理装置)20Aと、CPU20Aによる各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM20Bと、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM20Cと、各種情報を記憶するために用いられる二次記憶部(ここでは、ハードディスク装置)20Dと、各種情報を入力するために用いられるキーボード20Eと、各種情報を表示するために用いられるディスプレイ20Fと、ネットワーク12を介して外部装置との間で各種情報の授受を行う入出力ポート20Gと、が備えられており、これら各部はシステムバスB1により電気的に相互に接続されている。
【0036】
従って、CPU20Aは、RAM20B、ROM20C、及び二次記憶部20Dに対するアクセス、キーボード20Eを介した各種入力情報の取得、ディスプレイ20Fに対する各種情報の表示、及び入出力ポート20Gを介したネットワーク12に接続された外部装置との間の各種情報の授受を各々行うことができる。
【0037】
次に、図4を参照して、クライアント装置30の電気系の要部構成を説明する。
【0038】
同図に示すように、本実施の形態に係るクライアント装置30は、クライアント装置30全体の動作を司るCPU30Aと、CPU30Aによる各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM30Bと、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM30Cと、各種情報を記憶するために用いられる二次記憶部(ここでは、ハードディスク装置)30Dと、各種情報を入力するために用いられるキーボード30Eと、各種情報を表示するために用いられるディスプレイ30Fと、ネットワーク12を介して外部装置との間で各種情報の授受を行う入出力ポート30Gと、が備えられており、これら各部はシステムバスB2により電気的に相互に接続されている。
【0039】
従って、CPU30Aは、RAM30B、ROM30C、及び二次記憶部30Dに対するアクセス、キーボード30Eを介した各種入力情報の取得、ディスプレイ30Fに対する各種情報の表示、及び入出力ポート30Gを介したネットワーク12に接続された外部装置との間の各種情報の授受を各々行うことができる。
【0040】
次に、図5を参照して、クライアント装置40の電気系の要部構成を説明する。
【0041】
同図に示すように、本実施の形態に係るクライアント装置40は、クライアント装置40全体の動作を司るCPU40Aと、CPU40Aによる各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM40Bと、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM40Cと、各種情報を記憶するために用いられる二次記憶部(ここでは、ハードディスク装置)40Dと、各種情報を入力するために用いられるキーボード40Eと、各種情報を表示するために用いられるディスプレイ40Fと、接続された外部装置との間で各種情報の授受を行う外部インタフェース40Gと、ネットワーク12を介して外部装置との間で各種情報の授受を行う入出力ポート40Hと、基地局16との間でアンテナ40Jを介して無線通信を行う無線LANドライバ40Iと、が備えられており、これら各部はシステムバスB3により電気的に相互に接続されている。
【0042】
従って、CPU40Aは、RAM40B、ROM40C、及び二次記憶部40Dに対するアクセス、キーボード40Eを介した各種入力情報の取得、ディスプレイ40Fに対する各種情報の表示、及び入出力ポート40H、又は無線LANドライバ40I及びアンテナ40Jを介したネットワーク12に接続された外部装置との間の各種情報の授受を各々行うことができる。
【0043】
ここで、本実施の形態に係る材料管理システム10では、一例として図2に示されるように、プラントに対して、セメント系材料の製造に用いる各種材料を計量する計量槽42と、搬送車両に積載するセメント系材料を計量する計量部44とが設けられており、外部インタフェース40Gには、計量槽42の計量結果を示す情報(以下、「材料計量情報」という。)を出力する出力端子及び計量部44の計量結果を示す情報(以下、「積載量計量情報」という。)を出力する出力端子が接続されている。従って、CPU40Aは、外部インタフェース40Gを介して材料計量情報及び積載量計量情報を取得することができる。
【0044】
なお、本実施の形態に係る材料管理システム10では、上記計量部44として、ロードセルを使用することにより、搬送車両に積載するセメント系材料を計量するものを適用しているが、これに限らず、例えば、トラックスケールを使用することにより計量する形態等、他のセメント系材料の計量手法や、計量用のセンサ等を用いる形態等とすることもできる。
【0045】
次に、図6を参照して、クライアント装置50〜70の電気系の要部構成を説明する。なお、クライアント装置50〜70は同一の構成とされているため、ここでは、クライアント装置50の構成を説明する。
【0046】
同図に示すように、本実施の形態に係るクライアント装置50は、クライアント装置50全体の動作を司るCPU50Aと、CPU50Aによる各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM50Bと、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM50Cと、各種情報を記憶するために用いられる二次記憶部(ここでは、ハードディスク装置)50Dと、各種情報を入力するために用いられるキーボード50Eと、各種情報を表示するために用いられるディスプレイ50Fと、自身の位置を特定する位置特定部50Gと、基地局16との間でアンテナ50Iを介して無線通信を行う無線LANドライバ50Hと、が備えられており、これら各部はシステムバスB4により電気的に相互に接続されている。
【0047】
従って、CPU50Aは、RAM50B、ROM50C、及び二次記憶部50Dに対するアクセス、キーボード50Eを介した各種入力情報の取得、ディスプレイ50Fに対する各種情報の表示、位置特定部50Gにより特定された自身の位置を示す位置情報の取得、及び無線LANドライバ50H及びアンテナ50Iを介したネットワーク12に接続された外部装置との間の各種情報の授受を各々行うことができる。
【0048】
なお、本実施の形態に係る材料管理システム10では、搬送車両に設けられたクライアント装置50における位置特定部50Gとして、一例として図2に模式的に示されるように、D−GPS(Differential GPS)を利用した位置特定システムを適用しており、ブルドーザに設けられたクライアント装置60及び振動ローラに設けられたクライアント装置70における位置特定部50Gとして、一例として図2に模式的に示されるように、RTK−GPS(Real Time Kinematic GPS)を利用した位置特定システムを適用しているが、これに限らず、他のGPSを利用した位置特定システム、三角測量技術を利用した位置特定システム等、他の位置特定システムを適用することもできる。
【0049】
一方、図7には、サーバ装置20に備えられた二次記憶部20Dの主な記憶内容が模式的に示されている。
【0050】
同図に示すように、二次記憶部20Dには、各種データベースを記憶するためのデータベース領域DBと、サーバ装置20を制御するための制御プログラムや各種処理を行うためのプログラム等を記憶するためのプログラム領域PGと、が設けられている。
【0051】
また、データベース領域DBには、材料情報データベースDB1が含まれる。以下、材料情報データベースDB1の構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0052】
図8に示すように、本実施の形態に係る材料情報データベースDB1は、現場ID(Identification)情報、基点位置情報、ブロックID情報、ブロックサイズ情報、材料投下情報、敷き均し転圧情報、品質管理情報、及び材料情報の各情報が、材料管理システム10において処理対象としているセメント系材料の打設現場毎に記憶されるように構成されている。
【0053】
なお、上記現場ID情報は、処理対象としている上記打設現場を識別するために、サーバ装置20により打設現場毎に異なるデータ(本実施の形態では、数値データ)として予め付与されるものである。
【0054】
ところで、本実施の形態に係る材料管理システム10では、一例として図9に模式的に示されるように、個々の搬送車両によって打設現場まで搬送されたセメント系材料をブルドーザで敷き均した後に振動ローラで締め固めたものを、一例として図10に示されるような直方体の形状とされた管理ブロックBLと見なし、一例として図11に示されるように、1箇所の打設現場において複数の搬送車両により搬送されて締め固められたセメント系材料を、各々各搬送車両に対応する複数の管理ブロックBLにより管理するものとされている。
【0055】
上記基点位置情報は、一例として図11に示されるように、上記打設現場における各管理ブロックBLの位置の基点となる位置を示す情報であり、上記ブロックID情報は、各管理ブロックBLを識別するために、プラントに設けられたクライアント装置40により管理ブロックBL毎に異なるデータ(本実施の形態では、アルファベットと数値を組み合わせたデータ)として予め付与されるものである。
【0056】
なお、本実施の形態に係る材料管理システム10では、上記基点位置情報として、一例として図11に示すように、打設現場において最初に打設されるセメント系材料に対応する管理ブロックBLの、他の管理ブロックBLに接しない角点位置の3次元座標(x1,y1,z1)を適用しているが、これに限らず、何れか1つの管理ブロックBLの何れか1つの角点位置の3次元座標、1箇所の打設現場における管理ブロックBL群の外周近傍の予め定められた位置の3次元座標等、打設現場における各管理ブロックBLの位置の基点となり得る位置であれば、何れの位置も適用することができる。また、ここで適用する座標系も上記のようなX−Y−Zの3次元座標系に限らず、管理ブロックBLが高さ方向に積層されない場合等には、X−Yの2次元座標系を適用することもできる。
【0057】
また、上記ブロックサイズ情報は、対応する管理ブロックBLのサイズを示す情報である。本実施の形態に係る材料管理システム10では、当該ブロックサイズ情報として、一例として図10に示されるように、3次元座標系におけるX座標方向(幅方向)のサイズ、Y座標方向(奥行き方向)のサイズ、及びZ座標方向(高さ方向)のサイズを適用している。
【0058】
一方、図8に示されるように、本実施の形態に係る材料管理システム10では、上記材料投下情報として、投下位置情報、及び投下日時情報の2種類の情報を適用している。
【0059】
上記投下位置情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料が搬送車両によって実際に投下された位置を示す情報である。本実施の形態に係る材料管理システム10では、当該投下位置情報として、一例として図10に示されるように、基点位置(x1,y1,z1)を基点とした、対応する管理ブロックBLの予め定められた角点(本実施の形態では、同図底面手前側左端の角点)の位置を上記3次元座標系で表したものを適用しているが、これに限らず、他の角点等、管理ブロックBLの位置を特定できる情報であれば如何なる情報も適用できることは言うまでもない。
【0060】
また、上記投下日時情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料が搬送車両によって打設現場に実際に投下された日時を示す情報である。
【0061】
一方、図8に示されるように、本実施の形態に係る材料管理システム10では、上記敷き均し転圧情報として、敷き均し日時情報、転圧回数情報、及び転圧日時情報の3種類の情報を適用している。
【0062】
上記敷き均し日時情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料に対するブルドーザによる敷き均しが完了した日時を示す情報であり、上記転圧回数情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料に対する振動ローラによる転圧回数を示す情報であり、上記転圧日時情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料に対する振動ローラによる転圧が完了した日時を示す情報である。
【0063】
また、図8に示されるように、本実施の形態に係る材料管理システム10では、上記品質管理情報として、物性情報、及び試験日時情報の2種類の情報を適用している。
【0064】
上記物性情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料の物性を示す情報であり、本実施の形態に係る材料管理システム10では、当該物性情報として、密度、吸水率、粒度、表面水量、天候、気温、及び湿度の7種類の情報を適用している。
【0065】
なお、上記密度は、対応するセメント系材料に含まれる骨材相当材料の表乾質量を当該骨材相当材料の絶対容積で除した値である。ここで、上記骨材相当材料は、コンクリートでいう骨材(砕石、又は砂利や砂)に相当する礫質材料であり、粒度調整や水洗い等を行わないものを示す。
【0066】
また、上記吸水率は、骨材相当材料が吸収する水量の、絶乾状態における骨材相当材料の質量に対する割合であり、次の(1)式により表される。
【0067】
【数1】
また、上記粒度は、骨材相当材料の大小粒の混合状態を示す値であり、上記表面水量は、骨材相当材料の表面に付着している水の量である。
【0068】
また、上記試験日時情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料に対して、対応する物性情報を得るための試験を実施した日時を示す情報である。
【0069】
一方、図8に示されるように、本実施の形態に係る材料管理システム10では、上記材料情報として、配合情報、計量情報、及び製造日時情報の3種類の情報を適用している。
【0070】
上記配合情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料の配合に関する情報であり、本実施の形態に係る材料管理システム10では、当該配合情報として、配合種類、単位セメント量、単位水量、及び単位骨材相当材量の4種類の情報を適用している。
【0071】
なお、上記配合種類は、セメント混合材料等の単位体積当たりに占める、セメント、水、骨材相当材料等を質量で表したものである。ここで、上記セメント混合材料は、粒度調整を行わない礫質系の材料にセメントと水を加えて混合したものである。
【0072】
また、上記単位セメント量は、セメント混合材料1m3に含まれる配合上のセメントの質量であり、上記単位水量は、セメント混合材料1m3に含まれる配合上の水の質量であり、上記単位骨材相当材量は、セメント混合材料1m3に含まれる配合上の骨材相当材料の質量である。
【0073】
また、上記計量情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料の製造に用いた材料の質量に関する情報であり、本実施の形態に係る材料管理システム10では、当該計量情報として、骨材相当材量、セメント量、水量、及びセメント混合材量の4種類の情報を適用している。
【0074】
なお、上記骨材相当材量は、セメント混合材料1m3に含まれる実際の(計量上の)骨材相当材料の質量であり、上記セメント量は、セメント混合材料1m3に含まれる実際の(計量上の)セメントの質量であり、上記水量は、セメント混合材料1m3に含まれる実際の(計量上の)水の質量であり、上記セメント混合材量は、セメント混合材料1m3に含まれる実際の(計量上の)セメント混合材料の質量である。
【0075】
また、上記製造日時情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料を製造した日時を示す情報である。
【0076】
次に、本実施の形態に係る材料管理システム10の作用を説明する。
【0077】
材料管理システム10では、セメント系材料を打設現場に打設するに当たり、工事事務所に設けられたサーバ装置20にて、当該打設現場を識別するための現場ID情報を生成する一方、当該打設現場において適用する基点位置情報を、生成した現場ID情報と共に材料情報データベースDB1に登録する。
【0078】
ところで、前述したように、本実施の形態に係る材料管理システム10は、1箇所の打設現場において複数の搬送車両により搬送されて締め固められたセメント系材料を、各々各搬送車両に対応する複数の管理ブロックBLにより管理するものとされている。
【0079】
ここで、本実施の形態に係る材料管理システム10では、管理ブロックBLにおける、一例として図10に示されるZ座標方向(高さ方向)の寸法を、使用する搬送車両によるセメント系材料の最大積載量に応じて予め定められた寸法(本実施の形態では、25cm)で固定値とする一方、X座標方向(幅方向)の寸法を、使用するブルドーザのブレード(排土板)の幅に対応する寸法(本実施の形態では、300cm)で固定値としている。
【0080】
ここで、管理ブロックBLの幅方向の寸法を、使用するブルドーザのブレードの幅に対応する寸法とするのは、振動ローラによって締め固められたセメント系材料の管理ブロック単位での幅は、結果的に上記ブレードの幅に対応する幅(通常、ブレードの幅より若干(30cm程度)大きな幅)となるためであり、当該ブレードの幅に対応する寸法として、当該ブレードの幅より予め定められた幅(一例として30cm)だけ大きな幅を適用する形態の他、実際に使用するブルドーザでセメント系材料を敷き均した場合の当該セメント系材料の幅を測定し、当該幅を適用する形態とすることもできる。
【0081】
なお、本実施の形態では、管理ブロックBLの幅方向の寸法として、材料管理システム10において使用し得るブルドーザの種類毎に上記ブレードの幅に対応する寸法を二次記憶部20Dの所定領域に予め記憶しておき、実際に使用するブルドーザにおけるブレードの幅に対応する寸法を二次記憶部20Dから読み出して適用する形態としているが、これに限らず、打設現場等において、実際に使用するブルドーザを用いた上記測定を行うことにより、当該寸法を導出する形態等とすることもできる。
【0082】
また、本実施の形態では、管理ブロックBLの高さ方向の寸法として、材料管理システム10において使用し得る搬送車両の種類毎に上記セメント系材料の最大積載量に応じて予め定められた寸法を二次記憶部20Dの所定領域に予め記憶しておき、実際に使用する搬送車両の最大積載量に対応する寸法を二次記憶部20Dから読み出して適用する形態とされているが、これに限らず、例えば、サーバ装置20のユーザに対して当該寸法をサーバ装置20に入力させる形態等とすることもできる。
【0083】
そして、サーバ装置20は、管理ブロックBLの高さ方向の寸法を示す情報(以下、「高さ情報」という。)及び管理ブロックBLの幅方向の寸法を示す情報(以下、「幅情報」という。)と、現場ID情報とをプラントに設けられたクライアント装置40に送信すると共に、当該高さ情報及び幅情報を二次記憶部20Dの所定領域に記憶する。
【0084】
更に、サーバ装置20は、打設現場における施工条件、施工範囲、施工仕様等の当該打設現場に打設するセメント系材料を製造するために必要な情報(以下、「施工情報」という。)と、上記現場ID情報とを試験室に設けられたクライアント装置30に送信する。
【0085】
試験室では、クライアント装置30によってサーバ装置20から受信した施工情報に基づき、上記物性情報に含まれる、試験によって得られる情報(本実施の形態では、密度、吸水率、粒度、及び表面水量の4種類の情報)を得るための試験を行い、その後にクライアント装置30に対して品質管理情報送信処理を実行させる指示入力を行う。
【0086】
次に、図12を参照して、当該指示入力が行われたときのクライアント装置30の作用を説明する。なお、図12は、当該指示入力が行われた際に、クライアント装置30のCPU30Aによって実行される品質管理情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは二次記憶部30Dの所定領域に予め記憶されている。
【0087】
まず、同図のステップ100では、上記試験によって得られた物性情報と、当該試験を行った際の天候、気温、及び湿度の環境情報と、当該試験を行った日時を示す試験日時情報とを、品質管理情報として取得する。なお、本実施の形態に係る品質管理情報送信処理プログラムでは、当該品質管理情報の取得を、上記物性情報、上記環境情報、及び上記試験日時情報の入力を促す情報をディスプレイ30Fにより表示させ、これに応じてユーザによりキーボード30Eを介して入力された情報を取得することにより行っているが、これに限らず、例えば、上記物性情報を得るために用いる試験装置、上記環境情報を得ることができる環境検知装置等からオンラインで直接入力する形態や、ユーザによる音声により入力する形態等、他の形態とすることもできることは言うまでもない。
【0088】
次のステップ102では、上記ステップ100の処理によって取得された品質管理情報と、上記施工情報と共に受信した現場ID情報とを入出力ポート30G及びネットワーク12を介してサーバ装置20に送信し、次のステップ104にて、上記品質管理情報、施工情報及び現場ID情報を入出力ポート30G及びネットワーク12を介してプラントに設けられたクライアント装置40に送信し、その後に本品質管理情報送信処理プログラムを終了する。
【0089】
品質管理情報、施工情報及び現場ID情報をクライアント装置40にて受信すると、プラントでは、受信した施工情報に基づいて、受信した現場ID情報により特定される打設現場において打設するセメント系材料の製造を開始する一方、クライアント装置40に対して材料情報送信処理を実行させる指示入力を行う。
【0090】
次に、図13を参照して、当該指示入力が行われたときのクライアント装置40の作用を説明する。なお、図13は、当該指示入力が行われた際に、クライアント装置40のCPU40Aによって実行される材料情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは二次記憶部40Dの所定領域に予め記憶されている。
【0091】
まず、同図のステップ200では、上記材料情報(本実施の形態では、配合情報、計量情報、及び製造日時情報の3種類の情報)を取得する。なお、本実施の形態に係る材料情報送信処理プログラムでは、上記配合情報及び上記製造日時情報の取得を、当該情報の入力を促す情報をディスプレイ40Fにより表示させ、これに応じてユーザによりキーボード40Eを介して入力された情報を取得することにより行うと共に、上記計量情報の取得を、上記材料計量情報を計量槽42から取得することにより行っているが、これに限らず、例えば、上記配合情報については当該配合情報を検出することのできる装置からオンラインで直接入力する形態等、上記計量情報についてはユーザに入力させる形態等、他の形態とすることもできることは言うまでもない。
【0092】
次のステップ202では、クライアント装置30から受信した品質管理情報と、サーバ装置20から受信した高さ情報に基づいて、敷き均しに使用するブルドーザによる敷き均し高さを示す情報(以下、「敷き均し用高さ情報」という。)と、締め固めに使用する振動ローラによる転圧回数を示す情報(以下、「指定転圧回数情報」という。)とを導出する。
【0093】
なお、本実施の形態に係る材料情報送信処理プログラムでは、上記指定転圧回数情報を、上記品質管理情報によって示されるセメント系材料の性状に応じて、当該セメント系材料に対して必要とされる、使用する振動ローラによる転圧回数を導出することにより導出し、上記敷き均し用高さ情報を、導出した転圧回数で転圧したときの当該セメント系材料の高さが、結果的にサーバ装置20から受信した高さ情報により示される高さとなる高さを導出することにより導出する。
【0094】
次のステップ204では、製造したセメント系材料の搬送車両1台分の積載の終了待ちを行い、次のステップ206では、積載したセメント系材料に関する積載量計量情報を外部インタフェース40Gを介して取得する。なお、本実施の形態に係る材料情報送信処理プログラムでは、上記セメント系材料の搬送車両1台分への積載が終了したか否かの検出を、セメント系材料を搬送車両に積載する作業員により、当該積載が終了した旨を示す情報が入力されたか否かを判定することにより行っているが、これに限らず、例えば、セメント系材料を積載する位置に存在した搬送車両が、当該位置から移動されたことを検知するセンサを設けておき、当該センサによる検知結果に基づいて自動的に判定する形態等、他の形態とすることもできる。
【0095】
次のステップ208では、上記搬送車両への積載が終了したセメント系材料を管理するための管理ブロックBLに付与するブロックID情報を生成する。なお、本実施の形態に係る材料情報送信処理プログラムでは、上記ブロックID情報の生成を、受信した現場ID情報のみに適用する符号を一部に用い、かつ材料管理システム10で取り扱い対象とする打設現場1箇所当たりの最大管理ブロック数の管理ブロックBLを表現することができる情報を生成することにより行っている。
【0096】
本実施の形態に係る材料情報送信処理プログラムでは、一例として図8に示されるように、上記符号としてアルファベット(同図に示す例では‘A’)をブロックID情報の先頭に用い、上記最大管理ブロック数を‘1000’とするために当該アルファベットに続けて3桁の数値を組み合わせた情報を適用しているが、これに限らず、各管理ブロックBLを識別することのできる情報であれば如何なる情報も適用できることは言うまでもない。
【0097】
次のステップ210では、上記ステップ200の処理によって取得した材料情報、上記ステップ206の処理により取得した積載量計量情報、及び上記ステップ208の処理によって生成したブロックID情報を、入出力ポート40H及びネットワーク12を介してサーバ装置20に送信し、次のステップ212にて、上記ブロックID情報と、上記ステップ202の処理によって導出した敷き均し用高さ情報及び指定転圧回数情報とを、この直前にセメント系材料の積載を終了した搬送車両に設けられたクライアント装置50に、無線LANドライバ40I、アンテナ40J、及びネットワーク12を介して送信する。
【0098】
次のステップ214では、予め定められた終了条件を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合は上記ステップ204に戻る一方、肯定判定となった時点で本材料情報送信処理プログラムを終了する。なお、本実施の形態に係る材料情報送信処理プログラムでは、上記予め定められた終了条件として、受信した施工情報に含まれる施工範囲を示す情報により特定される、打設に必要とされる全ての量のセメント系材料の製造及び搬送車両への積載が終了した、との条件を適用しているが、これに限らず、クライアント装置40のユーザによる終了指示の入力を受け付けた、との条件や、セメント系材料の製造や搬送車両への積載を終了する時刻として予め定められた時刻になった、との条件等、他の条件とすることができることは言うまでもない。
【0099】
セメント系材料の積載が終了し、当該積載したセメント系材料に付与されたブロックID情報と、上記敷き均し用高さ情報及び指定転圧回数情報とをクライアント装置40から受信したクライアント装置50では、材料投下情報送信処理を実行する。
【0100】
次に、図14を参照して、当該材料投下情報送信処理を実行する際のクライアント装置50の作用を説明する。なお、図14は、この際、クライアント装置50のCPU50Aによって実行される材料投下情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは二次記憶部50Dの所定領域に予め記憶されている。
【0101】
当該クライアント装置50が設けられている搬送車両は、セメント系材料を打設現場まで搬送し、打設対象領域内で、それまでにセメント系材料が打設されていない位置にセメント系材料を投下する。なお、一例として図2に示されるように、打設現場に対し、無線通信機能を有するパーソナル・コンピュータ80を所持した誘導員を配置しておき、当該誘導員から、パーソナル・コンピュータ80を介してクライアント装置50に対し、セメント系材料の投下位置を示す情報を送信することにより、搬送車両の運転者に対してセメント系材料の投下位置を指示するようにしてもよい。
【0102】
そこで、まず、図14のステップ300では、セメント系材料の投下終了待ちを行う。なお、本実施の形態に係る材料投下情報送信処理プログラムでは、上記セメント系材料が投下されたか否かの検出を、搬送車両の運転者により、当該投下が終了した旨を示す情報が入力されたか否かを判定することにより行っているが、これに限らず、例えば、搬送車両におけるセメント系材料の積載領域に対して、セメント系材料が存在するか否かを検知するセンサを設けておき、当該センサによる検知結果に基づいて自動的に判定する形態等、他の形態とすることもできる。
【0103】
次のステップ302では、上記材料投下情報(本実施の形態では、投下位置情報、及び投下日時情報の2種類の情報)を取得する。なお、本実施の形態に係る材料投下情報送信処理プログラムでは、上記投下位置情報の取得を、位置特定部50GによりD−GPSを利用して行う一方、上記投下日時情報の取得を、当該投下日時情報の入力を促す情報をディスプレイ50Fにより表示させ、これに応じてユーザによりキーボード50Eを介して入力された情報を取得することにより行っているが、これに限らず、例えば、上記投下位置情報の取得を、RTK−GPSを利用して行う形態や、上記投下日時情報の取得を、クライアント装置50に内蔵された時計部から取得することにより行う形態等、他の形態とすることもできることは言うまでもない。
【0104】
次のステップ304では、上記ステップ302の処理によって取得した材料投下情報及びクライアント装置40から受信したブロックID情報を、サーバ装置20に対して、無線LANドライバ50H、アンテナ50I、及びネットワーク12を介して送信し、次のステップ306にて、上記ブロックID情報と、クライアント装置40から受信した敷き均し用高さ情報及び指定転圧回数情報とをブルドーザに設けられたクライアント装置60に、無線LANドライバ50H、アンテナ50I、及びネットワーク12を介して送信した後、本材料投下情報送信処理プログラムを終了する。
【0105】
ブロックID情報と、上記敷き均し用高さ情報及び指定転圧回数情報とを搬送車両に設けられたクライアント装置50から受信したクライアント装置60では、敷き均し情報送信処理を実行する。
【0106】
次に、図15を参照して、当該敷き均し情報送信処理を実行する際のクライアント装置60の作用を説明する。なお、図15は、この際、クライアント装置60のCPU50Aによって実行される敷き均し情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは二次記憶部50Dの所定領域に予め記憶されている。
【0107】
ブルドーザは、受信したブロックID情報に対応するセメント系材料、すなわち、当該ブロックID情報の送信元であるクライアント装置50が設けられた搬送車両により搬送され、投下されたセメント系材料を敷き均す。
【0108】
この際、当該ブルドーザに設けられたクライアント装置60は、クライアント装置50から受信した敷き均し用高さ情報をディスプレイ50Fによって表示させる。そして、当該ブルドーザの操作者は、そのときの敷き均し対象とするセメント系材料の高さが、ディスプレイ50Fによって表示された敷き均し用高さ情報により示される高さとなるように敷き均し作業を行う。なお、このとき、クライアント装置60は、RTK−GPSを利用して位置特定部50Gにより得られたブルドーザの高さ方向の位置を示す高度情報をディスプレイ50Fにより逐次表示する。そこで、当該ブルドーザの操作者は、ディスプレイ50Fによって表示された高度情報を参照して、そのときの敷き均し対象とするセメント系材料の高さが、ディスプレイ50Fによって表示された敷き均し用高さ情報により示される高さとなるように敷き均し作業を行う。
【0109】
また、この際、ブルドーザの操作者は、そのときの敷き均し対象とするセメント系材料の幅が、当該ブルドーザのブレードの幅に対応する幅となるように敷き均し作業を行う。
【0110】
そこで、まず、同図のステップ400では、セメント系材料の敷き均し作業の終了待ちを行う。なお、本実施の形態に係る敷き均し情報送信処理プログラムでは、上記敷き均し作業が終了したか否かの検出を、ブルドーザの運転者により、当該敷き均し作業が終了した旨を示す情報が入力されたか否かを判定することにより行っているが、これに限らないことも言うまでもない。
【0111】
次のステップ402では、上記敷き均し日時情報を取得する。なお、本実施の形態に係る敷き均し情報送信処理プログラムでは、上記敷き均し日時情報の取得を、当該敷き均し日時情報の入力を促す情報をディスプレイ50Fにより表示させ、これに応じてユーザによりキーボード50Eを介して入力された情報を取得することにより行っているが、これに限らず、例えば、クライアント装置60に内蔵された時計部から取得することにより行う形態等、他の形態とすることもできることは言うまでもない。
【0112】
次のステップ404では、上記ステップ402の処理によって取得した敷き均し日時情報及び搬送車両に設けられたクライアント装置50から受信したブロックID情報を、サーバ装置20に対して、無線LANドライバ50H、アンテナ50I、及びネットワーク12を介して送信し、次のステップ406にて、クライアント装置50から受信した指定転圧回数情報を、振動ローラに設けられたクライアント装置70に対して、無線LANドライバ50H、アンテナ50I、及びネットワーク12を介して送信した後、本敷き均し情報送信処理プログラムを終了する。
【0113】
一方、振動ローラを操作する操作者は、ブルドーザにより予め定められた面積のセメント系材料の敷き均し作業が終了すると、敷き均されたセメント系材料を振動ローラによって転圧により締め固める作業を開始すると共に、当該振動ローラに設けられたクライアント装置70に対して転圧情報送信処理を実行させる指示入力を行う。
【0114】
次に、図16を参照して、当該指示入力が行われたときのクライアント装置70の作用を説明する。なお、図16は、当該指示入力が行われた際に、クライアント装置70のCPU50Aによって実行される転圧情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは二次記憶部50Dの所定領域に予め記憶されている。
【0115】
まず、同図のステップ500では、クライアント装置60から受信した指定転圧回数情報をディスプレイ50Fにより表示する。これに応じて、当該振動ローラの操作者は、それ以降、ディスプレイ50Fによって表示された指定転圧回数情報を参照して、実際の転圧回数が指定転圧回数情報により示される回数となるように、セメント系材料の締め固め作業を行うことになる。
【0116】
次のステップ502では、その時点における振動ローラの位置を示す情報(以下、「転圧位置情報」という。)と、その時点の日時を示す情報(以下、「転圧日時情報」という。)を取得する。なお、本実施の形態に係る転圧情報送信処理プログラムでは、上記転圧位置情報の取得を、位置特定部50GによりRTK−GPSを利用して行う一方、上記転圧日時情報の取得を、クライアント装置70に内蔵された時計部から取得することにより行っているが、これに限らず、例えば、上記転圧位置情報の取得を、D−GPSを利用して行う形態や、上記転圧日時情報の取得を、当該転圧日時情報の入力を促す情報をディスプレイ50Fにより表示させ、これに応じて操作者によりキーボード50Eを介して入力された情報を取得することにより行う形態等、他の形態とすることもできることは言うまでもない。
【0117】
次のステップ504では、上記ステップ502の処理によって取得した転圧位置情報及び転圧日時情報を、サーバ装置20に対して、無線LANドライバ50H、アンテナ50I、及びネットワーク12を介して送信し、次のステップ506にて、予め定められた終了条件を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合は上記ステップ502に戻る一方、肯定判定となった時点で本転圧情報送信処理プログラムを終了する。なお、本実施の形態に係る転圧情報送信処理プログラムでは、上記予め定められた終了条件として、操作者による終了指示の入力を受け付けた、との条件を適用しているが、これに限らず、セメント系材料の締め固め作業を終了する時刻として予め定められた時刻になった、との条件等、他の条件とすることができることは言うまでもない。
【0118】
次に、図17を参照して、ブロック情報登録処理が実行される際のサーバ装置20の作用を説明する。なお、図17は、当該ブロック情報登録処理を実行すべきタイミングとして予め定められたタイミング(本実施の形態では、現場ID情報を生成して材料情報データベースDB1に登録したタイミング)で、サーバ装置20のCPU20Aにより実行されるブロック情報登録処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは二次記憶部20Dのプログラム領域PGに予め記憶されている。
【0119】
まず、同図のステップ600では、試験室に設けられたクライアント装置30からの上記品質管理情報の受信待ちを行い、次のステップ602にて、受信した品質管理情報を、当該品質管理情報と共に受信した現場ID情報に対応する全ての管理ブロックBLに対する品質管理情報欄の対応する記憶領域に記憶する。なお、本実施の形態では、上記品質管理情報に含まれる上記物性情報及び上記環境情報の2種類の情報を材料情報データベースDB1における物性情報欄に記憶する。
【0120】
次のステップ604では、プラントに設けられたクライアント装置40から上記材料情報が受信されたか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ606に移行して、受信した材料情報に対応する管理ブロックBLを次のように導出する。
【0121】
すなわち、まず、上記高さ情報及び幅情報を二次記憶部20Dから読み出す一方、材料情報と共に受信した積載量計量情報により示されるセメント系材料の量を特定し、特定した量に対応する大きさの直方体のブロックを管理ブロックBLとして導出する。この際、一例として図10に示されるZ座標方向(高さ方向)の寸法は、読み出した高さ情報により示される寸法とする一方、X座標方向(幅方向)の寸法を、読み出した幅情報により示される寸法とした上で、Y座標方向(奥行き方向)の寸法を、管理ブロックBLの体積が上記特定した量と一致するように決定する。
【0122】
次のステップ608では、上記材料情報と共に受信したブロックID情報と、上記ステップ606の処理によって導出した管理ブロックBLの寸法を示すブロックサイズ情報と、受信した材料情報を、材料情報データベースDB1の対応する記憶領域に記憶し、その後にステップ618に移行する。
【0123】
一方、上記ステップ604において否定判定となった場合にはステップ610に移行し、搬送車両に設けられたクライアント装置50から上記材料投下情報が受信されたか否かを判定して、肯定判定となった場合にはステップ612に移行し、受信した材料投下情報を、材料情報データベースDB1における、当該材料投下情報と共に受信したブロックID情報に対応する材料投下情報欄の対応する記憶領域に記憶し、その後にステップ618に移行する。なお、ここで、材料投下情報における投下位置情報を記憶する際には、当該投下位置情報を、対応する上記基点位置を基点としたものに変換して記憶する。
【0124】
また、上記ステップ610において否定判定となった場合にはステップ614に移行し、ブルドーザに設けられたクライアント装置60から上記敷き均し日時情報が受信されたか否かを判定して、肯定判定となった場合にはステップ616に移行し、受信した敷き均し日時情報を、材料情報データベースDB1における、当該敷き均し日時情報と共に受信したブロックID情報に対応する敷き均し日時情報欄に記憶し、その後にステップ618に移行する。なお、上記ステップ614において否定判定となった場合は、何ら処理を実行することなくステップ618に移行する。
【0125】
ステップ618では、予め定められた終了条件を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合は上記ステップ604に戻る一方、肯定判定となった時点で本ブロック情報登録処理プログラムを終了する。なお、本実施の形態に係るブロック情報登録処理プログラムでは、上記予め定められた終了条件として、試験室に設けられたクライアント装置30に送信した施工情報に含まれる施工範囲を示す情報により特定される、打設に必要とされる全ての量のセメント系材料に対応する管理ブロックBLに対する敷き均し日時情報の記憶が終了した、との条件を適用しているが、これに限らず、サーバ装置20のユーザによる終了指示の入力を受け付けた、との条件や、セメント系材料の打設を終了する時刻として予め定められた時刻になった、との条件等、他の条件とすることができることは言うまでもない。
【0126】
次に、図18を参照して、転圧情報登録処理が実行される際のサーバ装置20の作用を説明する。なお、図18は、振動ローラに設けられたクライアント装置70から上記転圧位置情報を受信した際に、サーバ装置20のCPU20Aにより実行される転圧情報登録処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムも二次記憶部20Dのプログラム領域PGに予め記憶されている。
【0127】
まず、同図のステップ700では、クライアント装置70から受信した転圧位置情報及び転圧日時情報を二次記憶部20Dの所定領域に記憶する。なお、本転圧情報登録処理プログラムは、振動ローラから転圧位置情報及び転圧日時情報を受信するたびに実行されるものである一方、当該転圧位置情報及び転圧日時情報は振動ローラから時系列で順次受信されるため、本ステップ700では、受信した転圧位置情報及び転圧日時情報を、受信した順に、二次記憶部20Dの異なるアドレスに順次記憶する。
【0128】
次のステップ702では、予め定められた終了条件を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合は本転圧情報登録処理プログラムを終了する一方、肯定判定となった場合にはステップ704に移行する。なお、本実施の形態に係る転圧情報登録処理プログラムでは、上記予め定められた終了条件として、上記ステップ700の処理によって二次記憶部20Dに記憶した情報の数が所定数以上になった、との条件を適用しているが、他の条件とすることができることは言うまでもない。
【0129】
ステップ704では、処理対象としている打設現場に関して、それまでに上記ステップ700の処理によって記憶された転圧位置情報及び転圧日時情報と、材料情報データベースDB1における対応する全ての管理ブロックBLに対応する投下位置情報、ブロックサイズ情報、及び基点位置情報とを二次記憶部20Dから読み出し、次のステップ706にて、読み出した転圧位置情報、投下位置情報、ブロックサイズ情報、及び基点位置情報に基づいて、一例として次に示すように、管理ブロックBL毎の振動ローラによる転圧回数を示す転圧回数情報を導出する。
【0130】
すなわち、一例として図19に示すように、上記投下位置情報、ブロックサイズ情報、及び基点位置情報により特定される管理ブロックBL毎のセメント系材料の各打設領域の各々毎に、上記転圧位置情報により示される時系列順に連続する転圧位置が通過する回数を上記転圧回数として導出する。なお、この際、振動ローラにより連続的に転圧された隣接する転圧領域の境界部には、一部重複して転圧される領域が生じるが、ここでは、錯綜を回避するために、当該領域の転圧回数は2回とはせずに1回とする。
【0131】
なお、転圧回数の導出方法は以上の方法には限らず、他の導出方法とすることができることも言うまでもない。例えば、上記重複して転圧される領域に関しても正確な転圧回数を材料情報データベースDB1に登録したい場合には、当該重複して転圧される領域のサイズを考慮して管理ブロックBLを更に細分化し、細分化した各領域毎に転圧回数を導出して登録する形態としてもよい。
【0132】
次のステップ708では、上記投下位置情報、ブロックサイズ情報、及び基点位置情報により特定される管理ブロックBL毎のセメント系材料の各打設領域の各々毎に、上記ステップ704の処理によって読み出した転圧日時情報により示される転圧日時のうち、最も遅い日時を最終的な転送日時を示す転送日時情報として特定し、次のステップ710にて、上記ステップ706の処理によって導出した転送回数情報と、上記ステップ708の処理によって特定した転送日時情報を、材料情報データベースDB1における敷き均し転圧情報欄の対応する記憶領域に記憶し、その後に本転圧情報登録処理プログラムを終了する。
【0133】
なお、以上の処理によって構築された材料情報データベースDB1を参照することにより、打設したセメント系材料のトレーサビリティを精度よく行うことが可能となる。
【0134】
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、予め定められた材料(ここでは、セメント系材料)を築造現場まで搬送する搬送機器(ここでは、ダンプトラック)に対する前記材料の積載量を計量手段(ここでは、計量部44)により各搬送機器毎に計量し、計量した各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体のブロックを前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出し、導出した前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報(ここでは、投下日時情報、敷き均し転圧情報、品質管理情報、及び材料情報)を取得する一方、前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報(ここでは、投下位置情報)を各搬送機器毎に検出手段(ここでは、位置特定部50G)により検出し、取得した前記特性情報と検出した前記配設位置情報とを、対応する前記管理ブロック毎に関連付けて記憶手段(ここでは、二次記憶部20D)により記憶しているので、前記材料の実際の配設位置と、これに対応する管理ブロックの位置のずれの発生を回避することができる結果、本発明を適用しない場合に比較して、より精度よく材料の管理を行うことができる。
【0135】
また、本実施の形態では、前記予め定められた材料としてセメント系材料を適用しているので、セメント系材料の管理を、より精度よく行うことができる。
【0136】
特に、本実施の形態では、前記特性情報として、前記セメント系材料の品質管理に関する情報(ここでは、品質管理情報)、配合に関する情報(ここでは、配合情報)、計量に関する情報(ここでは、計量情報)、及び打設日時を示す情報(ここでは、転圧日時情報)を適用しているので、これらの情報を用いた管理が可能となる。
【0137】
また、本実施の形態では、前記品質管理に関する情報として、前記セメント系材料の密度、吸水率、粒度、及び表面水量の各情報を適用し、前記配合に関する情報として、前記セメント系材料の配合の種類、単位セメント量、単位水量、及び単位骨材相当材量の各情報を適用し、前記計量に関する情報として、前記セメント系材料の骨材相当材量、セメント量、水量、及びセメント混合材量の各情報を適用しているので、これらの情報を用いた管理が可能となる。
【0138】
また、本実施の形態では、前記管理ブロックの高さ方向の寸法が、前記搬送機器による前記予め定められた材料の最大積載量に応じて予め定められた寸法で固定されているものとしているので、上記管理ブロックの高さを一律とすることができる結果、管理を容易かつ分かりやすく行うことができる。
【0139】
また、本実施の形態では、前記管理ブロックの幅方向の寸法が、前記築造現場において前記予め定められた材料を敷き均す敷き均し機(ここでは、ブルドーザ)による敷き均し部(ここでは、ブレード)の幅に対応する寸法で固定されているものとしているので、上記管理ブロックの幅を一律とすることができる結果、管理を容易かつ分かりやすく行うことができる。
【0140】
更に、本実施の形態では、GPSを利用して前記配設位置情報を検出しているので、より容易に本発明を実現することができると共に、より高精度に管理を行うことができる。
【0141】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0142】
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0143】
例えば、上記実施の形態では、物性情報、配合情報、計量情報、及び製造日時情報を搬送車両に設けられたクライアント装置50を経由することなく材料情報データベースDB1に登録する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらの情報のうちの少なくとも1つを、対応する搬送車両に設けられたクライアント装置50に送信し、当該クライアント装置50からサーバ装置20に送信するか、又はブルドーザに設けられたクライアント装置60及び振動ローラに設けられたクライアント装置70の少なくとも一方を経由してサーバ装置20に送信することにより、この情報をサーバ装置20にて材料情報データベースDB1に登録する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0144】
また、上記実施の形態では、敷き均し用高さ情報及び指定転圧回数情報を、クライアント装置50を経由してブルドーザに設けられたクライアント装置60や振動ローラに設けられたクライアント装置70に転送する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、敷き均し用高さ情報をクライアント装置60に対して直接送信する形態や、指定転圧回数情報をクライアント装置70に直接送信する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0145】
また、上記実施の形態では、サーバ装置20、クライアント装置30、及びクライアント装置40を有線にてネットワーク12に接続する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの装置の少なくとも1つを無線にてネットワーク12に接続する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0146】
また、上記実施の形態では、本発明の材料としてセメント系材料を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、盛土を行うための土質材料や、コンクリート構造物を構築するためのコンクリート等の他の材料を本発明の材料として適用する形態とすることもできる。この場合は、適用した材料に応じた特性を示す情報を材料情報データベースDB1に登録することになる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0147】
また、上記実施の形態では、本発明の搬送機器としてダンプトラックを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、不整地運搬車、コンクリート・ミキサー車等の他の搬送車両や、バケット等の容器類を本発明の搬送機器として適用する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0148】
また、上記実施の形態では、本発明の敷き均し機としてブルドーザを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、モータグレーダ等の他の敷き均し機を適用する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0149】
また、上記実施の形態では、締め固め機として振動ローラを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、タイヤローラ、タンピングローラ等の他の締め固め機を適用する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0150】
また、上記実施の形態では、本発明の管理ブロックとして直方体のブロックを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、立方体のブロックを管理ブロックとして適用する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0151】
また、上記実施の形態では、敷き均し用高さ情報及び指定転圧回数情報をプラントに設けられたクライアント装置40により導出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、敷き均し用高さ情報及び指定転圧回数情報については、サーバ装置20、試験室に設けられたクライアント装置30、運搬車両に設けられたクライアント装置50、及びブルドーザに設けられたクライアント装置60の何れの装置により導出してもよく、このうち指定転圧回数情報については、振動ローラに設けられたクライアント装置70で導出する形態とすることもできる。この場合、導出対象とする情報を導出するために必要とされる情報を導出する装置に転送するようにする。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0152】
また、上記実施の形態では、材料管理システム10において対応する試験室及びプラントが1箇所のみである場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの少なくとも一方を複数とする形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0153】
また、上記実施の形態では、打設後のセメント系材料の特性に関する情報については特に言及しなかったが、例えば、一例として図2に示されるように、打設現場に対し、ラジオアイソトープ密度計90等の材料の特性値を測定することのできる測定装置を配置し、当該測定装置によって測定された特性値を、搬送車両、ブルドーザ、及び振動ローラの何れかに設けられたクライアント装置を介して、対応するブロックID情報と共にサーバ装置20に送信し、材料情報データベースDB1の当該ブロックID情報に対応する特性情報として当該特性値を登録する形態とすることもできる。ここで、上記ラジオアイソトープ密度計90を適用する場合には、打設後のセメント系材料の水分密度を示す情報が、当該セメント系材料の特性を示す情報として材料情報データベースDB1に登録されることになる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0154】
また、上記実施の形態では、本発明の特性情報として、品質管理情報、配合情報、計量情報、及び転圧日時情報を全て適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの情報に、上記打設後のセメント系材料の水分密度を示す情報を加えた情報の少なくとも1つを適用する形態とすることもできる。この場合は、適用した情報を用いた管理が可能となる。
【0155】
また、上記実施の形態では、上記品質管理情報として、セメント系材料の密度、吸水率、粒度、及び表面水量の各情報を適用し、上記配合情報として、配合の種類、単位セメント量、単位水量、及び単位骨材相当材量の各情報を適用し、上記計量情報として、骨材相当材量、セメント量、水量、及びセメント混合材量の各情報を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらの情報の少なくとも1つを適用する形態とすることもできる。この場合は、適用した情報を用いた管理が可能となる。
【0156】
また、上記実施の形態では、ブルドーザによって敷き均し作業を行う際に、ブルドーザの操作者がディスプレイ50Fによって表示された高度情報を参照して、そのときの敷き均し対象とするセメント系材料の高さが、ディスプレイ50Fによって表示された敷き均し用高さ情報により示される高さとなるように敷き均し作業を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、TS−GPS等のシステムを用いて、そのときの敷き均し対象とするセメント系材料の高さが、敷き均し用高さ情報により示される高さとなるように、ブルドーザのブレードの高さを自動的に制御することによって敷き均し作業を行う形態とすることもできる。この場合、ブルドーザの操作者にとっての利便性を向上させることができる。
【0157】
また、上記実施の形態では、投下日時情報、敷き均し日時情報、及び転圧日時情報の各日時情報の取得方法の一例として、各クライアント装置に内蔵された時計部から取得する方法を例示したが、当該時計部から取得する方法に代えて、各クライアント装置で用いられるGPSを介して取得する形態とすることもできる。この場合、上記各日時情報を正確なものとすることができる結果、より精度よく材料の管理を行うことができる。
【0158】
その他、上記実施の形態で説明した材料管理システム10の構成(図1〜図7参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な構成要素を削除したり、新たな構成要素を追加したりすることができることは言うまでもない。
【0159】
また、上記実施の形態で示した各種プログラムの処理の流れ(図12〜図18参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な処理ステップを削除したり、新たな処理ステップを追加したり、処理ステップの順序を入れ替えたりすることができることは言うまでもない。
【0160】
更に、本実施の形態で示した材料情報データベースDB1の構成(図8参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、一部の情報を削除したり、新たな情報を追加したり、記憶位置を入れ替えたりすることができることは言うまでもない。
【0161】
例えば、材料情報データベースDB1における基点位置情報は、必ずしも必要ではなく、投下位置情報を、基点位置を基点としたものに代えて、緯度、経度、高度の各情報により示される絶対位置を示すものとすることにより、基点位置情報を削除する形態とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】実施の形態に係る材料管理システムの全体構成を示す模式図である。
【図2】実施の形態に係る材料管理システムを構成する各部の配置関係等を示す模式図である。
【図3】実施の形態に係るサーバ装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態に係る試験室に設けられたクライアント装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態に係るプラントに設けられたクライアント装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態に係る搬送車両、ブルドーザ、及び振動ローラに設けられたクライアント装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図7】実施の形態に係るサーバ装置に備えられた二次記憶部の主な記憶内容を示す模式図である。
【図8】実施の形態に係る材料情報データベースの構成を示す模式図である。
【図9】実施の形態に係る管理ブロックの説明に供する概略側面図である。
【図10】実施の形態に係る管理ブロック及び投下位置情報の説明に供する概略斜視図である。
【図11】実施の形態に係る管理ブロック、投下位置情報、及び基点位置情報の説明に供する概略斜視図である。
【図12】実施の形態に係る品質管理情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】実施の形態に係る材料情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】実施の形態に係る材料投下情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】実施の形態に係る敷き均し情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】実施の形態に係る転圧情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】実施の形態に係るブロック情報登録処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】実施の形態に係る転圧情報登録処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】実施の形態に係る転圧情報登録処理プログラムにおける転圧回数の導出方法の説明に供する概略図である。
【符号の説明】
【0163】
10 材料管理システム
12 ネットワーク
20 サーバ装置
20A CPU(導出手段,取得手段)
20D 二次記憶部(記憶手段)
30 クライアント装置
40 クライアント装置
42 計量槽
44 計量部(計量手段)
50 クライアント装置
50G 位置特定部(検出手段)
60 クライアント装置
70 クライアント装置
DB1 材料情報データベース
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料管理システム、材料管理方法及び材料管理プログラムに係り、より詳しくは、築造現場に配設した予め定められた材料を管理する材料管理システム、材料管理方法及び材料管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
盛土構造物を施工する場合や、セメント系固化材を混合した材料(以下、「セメント系材料」ともいう。)により構造物を施工する場合等には、一般に、構造物の施工現場にダンプトラック、バケット等の搬送機器により材料を搬送し、当該材料をブルドーザ、モータグレーダ等の敷き均し機によって予め定められた面積を所定厚さの薄層に敷き均した後に振動ローラ、タイヤローラ、タンピングローラ等の締め固め機で転圧する、という施工形態が採られている。
【0003】
なかでもセメント系材料により構造物を施工する場合、品質確保の観点から、セメント系材料の製造から転圧までを所定の時間内に完了させる必要があり、当該所定の時間内に完了しない場合や、セメント系材料の品質、配合等によっては、完成した構造物に欠陥が生じる場合がある。
【0004】
このため、セメント系材料により構築される構造物では、そのセメント系材料の品質や施工状態に関して、その履歴を遡ることのできる仕組みである、所謂トレーサビリティ(Traceability)を如何に精度よく行うかが重要である。
【0005】
そして、このトレーサビリティを精度よく行うために適用し得る技術として、特許文献1には、盛土作業における各施工結果の帳票作成及び管理が容易に行える土木工事の盛土施工管理支援システムを提供することを目的として、盛土作業の作業対象領域を、横断方向、縦断方向から見て、盛土層、測点毎の情報が識別可能な複数のメッシュブロックに分割し、3次元の管理ブロックを設定して、各管理ブロック単位で盛土材料を管理する技術が開示されている。
【0006】
この技術を、盛土をセメント系材料に置き換えて適用することにより、セメント系材料のトレーサビリティも可能となる。
【特許文献1】特開2006−291454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術では、各管理ブロックのサイズが予め設定されたサイズで固定されているため、材料の精度のよい管理を行うことができない、という問題点があった。
【0008】
すなわち、予め管理ブロックのサイズが設定されている場合、複数の搬送機器により搬送された材料を用いた配設作業が進むにつれて、材料の実際の配設位置と、これに対応する管理ブロックの位置に次第にずれが生じていき、この結果として、精度のよい管理を行うことができないのである。
【0009】
なお、この問題点は、管理対象とする材料がセメント系材料の場合のみに限らず、盛土構造物を施工する際の土質材料や、コンクリート構造物を施工する際のコンクリート等、他の施工に用いられる材料の場合にも生じ得る問題点である。
【0010】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、より精度よく材料の管理を行うことができる材料管理システム、材料管理方法及び材料管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1記載の材料管理システムは、予め定められた材料を築造現場まで搬送する搬送機器に対する前記材料の積載量を各搬送機器毎に計量する計量手段と、前記計量手段によって計量された各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体又は立方体のブロックを前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出する導出手段と、前記導出手段によって導出された前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報を取得する取得手段と、前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報を各搬送機器毎に検出する検出手段と、前記取得手段によって取得された前記特性情報と前記検出手段によって検出された前記配設位置情報とを、対応する前記管理ブロック毎に関連付けて記憶する記憶手段と、を備えている。
【0012】
請求項1記載の材料管理システムによれば、予め定められた材料を築造現場まで搬送する搬送機器に対する前記材料の積載量が各搬送機器毎に計量手段によって計量される。なお、上記搬送機器には、ダンプトラック、不整地運搬車等の搬送車両や、バケット等の容器類が含まれる。
【0013】
ここで、本発明では、導出手段により、前記計量手段によって計量された各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体又は立方体のブロックが、前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出される。
【0014】
また、本発明では、取得手段により、前記導出手段によって導出された前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報が取得される一方、検出手段により、前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報が各搬送機器毎に検出される。なお、上記取得手段による上記特性情報の取得には、キーボード、タッチパネル、タブレット、デジタイザ、マウス等の入力装置を介した取得の他、インターネット、ローカル・エリア・ネットワーク等の通信回線を介した外部装置からの取得が含まれる。
【0015】
そして、本発明では、前記取得手段によって取得された前記特性情報と前記検出手段によって検出された前記配設位置情報とが、対応する前記管理ブロック毎に関連付けられて記憶手段により記憶される。なお、上記記憶手段には、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュEEPROM(Flash EEPROM)等の半導体記憶素子、フレキシブル・ディスク等の可搬記録媒体やハードディスク等の固定記録媒体、或いはネットワークに接続されたサーバ・コンピュータ等に設けられた外部記憶装置が含まれる。
【0016】
このように、請求項1記載の材料管理システムによれば、予め定められた材料を築造現場まで搬送する搬送機器に対する前記材料の積載量を計量手段により各搬送機器毎に計量し、計量した各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体又は立方体のブロックを前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出し、導出した前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報を取得する一方、前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報を各搬送機器毎に検出手段により検出し、取得した前記特性情報と検出した前記配設位置情報とを、対応する前記管理ブロック毎に関連付けて記憶手段により記憶しているので、前記材料の実際の配設位置と、これに対応する管理ブロックの位置のずれの発生を回避することができる結果、本発明を適用しない場合に比較して、より精度よく材料の管理を行うことができる。
【0017】
なお、本発明は、請求項2に記載の発明のように、前記予め定められた材料が、セメント系固化材を混合した材料又は土質材料であるものとしてもよい。これにより、適用した材料の管理を、より精度よく行うことができる。
【0018】
特に、請求項2に記載の発明は、請求項3に記載の発明のように、前記予め定められた材料が、セメント系固化材を混合した材料であり、前記特性情報が、前記セメント系固化材を混合した材料の品質管理に関する情報、配合に関する情報、計量に関する情報、打設日時を示す情報、及び打設後の水分密度を示す情報の少なくとも1つの情報であるものとしてもよい。これにより、適用した情報を用いた管理が可能となる。
【0019】
また、請求項3に記載の発明は、請求項4に記載の発明のように、前記品質管理に関する情報が、前記セメント系固化材を混合した材料の密度、吸水率、粒度、及び表面水量の少なくとも1つの情報であり、前記配合に関する情報が、前記セメント系固化材を混合した材料の配合の種類、単位セメント量、単位水量、及び単位骨材相当材量の少なくとも1つの情報であり、前記計量に関する情報が、前記セメント系固化材を混合した材料の骨材相当材量、セメント量、水量、及びセメント混合材量の少なくとも1つの情報であるものとしてもよい。これにより、適用した情報を用いた管理が可能となる。
【0020】
また、本発明は、請求項5に記載の発明のように、前記管理ブロックの高さ方向の寸法が、前記搬送機器による前記予め定められた材料の最大積載量に応じて予め定められた寸法で固定されているものとしてもよい。これにより、上記管理ブロックの高さを一律とすることができる結果、管理を容易かつ分かりやすく行うことができる。
【0021】
また、本発明は、請求項6に記載の発明のように、前記管理ブロックの幅方向の寸法が、前記築造現場において前記予め定められた材料を敷き均す敷き均し機による敷き均し部の幅に対応する寸法で固定されているものとしてもよい。これにより、上記管理ブロックの幅を一律とすることができる結果、管理を容易かつ分かりやすく行うことができる。なお、上記敷き均し機には、ブルドーザ、モータグレーダ等が含まれる。
【0022】
更に、本発明は、請求項7に記載の発明のように、前記検出手段が、GPS(Global Positioning Systems)を利用して前記配設位置情報を検出してもよい。これにより、本発明を適用しない場合に比較して、より容易に本発明を実現することができると共に、より高精度に管理を行うことができる。
【0023】
一方、上記目的を達成するために、請求項8記載の材料管理方法は、予め定められた材料を築造現場まで搬送する搬送機器に対する前記材料の積載量を計量手段により各搬送機器毎に計量する計量工程と、前記計量工程によって計量された各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体又は立方体のブロックを前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出する導出工程と、前記導出工程によって導出された前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報を取得する取得工程と、前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報を各搬送機器毎に検出手段により検出する検出工程と、前記取得工程によって取得された前記特性情報と前記検出工程によって検出された前記配設位置情報とを、対応する前記管理ブロック毎に関連付けて記憶手段により記憶する記憶工程と、を有する。
【0024】
従って、請求項8に記載の材料管理方法によれば、請求項1記載の発明と同様に作用するので、請求項1記載の発明と同様に、本発明を適用しない場合に比較して、より精度よく材料の管理を行うことができる。
【0025】
一方、上記目的を達成するために、請求項9記載の材料管理プログラムは、予め定められた材料を築造現場まで搬送する搬送機器に対する前記材料の積載量を計量手段により各搬送機器毎に計量する計量ステップと、前記計量ステップによって計量された各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体又は立方体のブロックを前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出する導出ステップと、前記導出ステップによって導出された前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報を取得する取得ステップと、前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報を各搬送機器毎に検出手段により検出する検出ステップと、前記取得ステップによって取得された前記特性情報と前記検出ステップによって検出された前記配設位置情報とを、対応する前記管理ブロック毎に関連付けて記憶手段により記憶する記憶ステップと、をコンピュータに実行させるものである。
【0026】
従って、請求項9に記載の材料管理プログラムによれば、コンピュータに対して請求項1記載の発明と同様に作用させることができるので、請求項1記載の発明と同様に、本発明を適用しない場合に比較して、より精度よく材料の管理を行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、予め定められた材料を築造現場まで搬送する搬送機器に対する前記材料の積載量を計量手段により各搬送機器毎に計量し、計量した各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体又は立方体のブロックを前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出し、導出した前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報を取得する一方、前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報を各搬送機器毎に検出手段により検出し、取得した前記特性情報と検出した前記配設位置情報とを、対応する前記管理ブロック毎に関連付けて記憶手段により記憶しているので、前記材料の実際の配設位置と、これに対応する管理ブロックの位置のずれの発生を回避することができる結果、本発明を適用しない場合に比較して、より精度よく材料の管理を行うことができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を、セメント系材料を管理する、クライアント/サーバシステムとして構成された材料管理システムに適用した場合について説明する。
【0029】
まず、図1及び図2を参照して、本発明が適用された材料管理システム10の構成を説明する。
【0030】
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る材料管理システム10は、セメント系材料に関する情報を集中管理する工事事務所に設けられたサーバ装置20と、セメント系材料の品質に関するデータを得るための試験を行う試験室に設けられたクライアント装置30と、セメント系材料を製造するプラントに設けられたクライアント装置40と、セメント系材料を打設現場に搬送する各搬送車両(本実施の形態では、ダンプトラック)に設けられたクライアント装置50と、打設現場において搬送車両により搬送されたセメント系材料を敷き均すブルドーザに設けられたクライアント装置60と、打設現場においてブルドーザにより敷き均されたセメント系材料を転圧により締め固める振動ローラに設けられたクライアント装置70と、を備えている。
【0031】
サーバ装置20、クライアント装置30、及びクライアント装置40は、モデム、ルータ、TA(Terminal Adapter)等の接続装置14を介してネットワーク12に接続されている。従って、サーバ装置20、クライアント装置30、及びクライアント装置40は、ネットワーク12を介して相互通信が可能とされている。
【0032】
一方、クライアント装置50、クライアント装置60、及びクライアント装置70は、各々無線通信機能を有しており、ネットワーク12上に設けられた基地局16に接続することにより、サーバ装置20、クライアント装置30、及びクライアント装置40との間で相互通信が可能とされると共に、各クライアント装置50〜70間でも相互通信が可能とされている。
【0033】
なお、本実施の形態に係る材料管理システム10では、ネットワーク12としてLAN(Local Area Network)を適用しているが、これに限らず、イントラネット、VAN(Value Added Network)、インターネット、電話回線網、エコーネット、HomePNA等の各種ネットワークを単独又は組み合わせて適用することもできる。
【0034】
次に、図3を参照して、本材料管理システム10において特に重要な役割を有するサーバ装置20の電気系の要部構成を説明する。
【0035】
同図に示すように、本実施の形態に係るサーバ装置20は、サーバ装置20全体の動作を司るCPU(中央処理装置)20Aと、CPU20Aによる各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM20Bと、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM20Cと、各種情報を記憶するために用いられる二次記憶部(ここでは、ハードディスク装置)20Dと、各種情報を入力するために用いられるキーボード20Eと、各種情報を表示するために用いられるディスプレイ20Fと、ネットワーク12を介して外部装置との間で各種情報の授受を行う入出力ポート20Gと、が備えられており、これら各部はシステムバスB1により電気的に相互に接続されている。
【0036】
従って、CPU20Aは、RAM20B、ROM20C、及び二次記憶部20Dに対するアクセス、キーボード20Eを介した各種入力情報の取得、ディスプレイ20Fに対する各種情報の表示、及び入出力ポート20Gを介したネットワーク12に接続された外部装置との間の各種情報の授受を各々行うことができる。
【0037】
次に、図4を参照して、クライアント装置30の電気系の要部構成を説明する。
【0038】
同図に示すように、本実施の形態に係るクライアント装置30は、クライアント装置30全体の動作を司るCPU30Aと、CPU30Aによる各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM30Bと、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM30Cと、各種情報を記憶するために用いられる二次記憶部(ここでは、ハードディスク装置)30Dと、各種情報を入力するために用いられるキーボード30Eと、各種情報を表示するために用いられるディスプレイ30Fと、ネットワーク12を介して外部装置との間で各種情報の授受を行う入出力ポート30Gと、が備えられており、これら各部はシステムバスB2により電気的に相互に接続されている。
【0039】
従って、CPU30Aは、RAM30B、ROM30C、及び二次記憶部30Dに対するアクセス、キーボード30Eを介した各種入力情報の取得、ディスプレイ30Fに対する各種情報の表示、及び入出力ポート30Gを介したネットワーク12に接続された外部装置との間の各種情報の授受を各々行うことができる。
【0040】
次に、図5を参照して、クライアント装置40の電気系の要部構成を説明する。
【0041】
同図に示すように、本実施の形態に係るクライアント装置40は、クライアント装置40全体の動作を司るCPU40Aと、CPU40Aによる各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM40Bと、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM40Cと、各種情報を記憶するために用いられる二次記憶部(ここでは、ハードディスク装置)40Dと、各種情報を入力するために用いられるキーボード40Eと、各種情報を表示するために用いられるディスプレイ40Fと、接続された外部装置との間で各種情報の授受を行う外部インタフェース40Gと、ネットワーク12を介して外部装置との間で各種情報の授受を行う入出力ポート40Hと、基地局16との間でアンテナ40Jを介して無線通信を行う無線LANドライバ40Iと、が備えられており、これら各部はシステムバスB3により電気的に相互に接続されている。
【0042】
従って、CPU40Aは、RAM40B、ROM40C、及び二次記憶部40Dに対するアクセス、キーボード40Eを介した各種入力情報の取得、ディスプレイ40Fに対する各種情報の表示、及び入出力ポート40H、又は無線LANドライバ40I及びアンテナ40Jを介したネットワーク12に接続された外部装置との間の各種情報の授受を各々行うことができる。
【0043】
ここで、本実施の形態に係る材料管理システム10では、一例として図2に示されるように、プラントに対して、セメント系材料の製造に用いる各種材料を計量する計量槽42と、搬送車両に積載するセメント系材料を計量する計量部44とが設けられており、外部インタフェース40Gには、計量槽42の計量結果を示す情報(以下、「材料計量情報」という。)を出力する出力端子及び計量部44の計量結果を示す情報(以下、「積載量計量情報」という。)を出力する出力端子が接続されている。従って、CPU40Aは、外部インタフェース40Gを介して材料計量情報及び積載量計量情報を取得することができる。
【0044】
なお、本実施の形態に係る材料管理システム10では、上記計量部44として、ロードセルを使用することにより、搬送車両に積載するセメント系材料を計量するものを適用しているが、これに限らず、例えば、トラックスケールを使用することにより計量する形態等、他のセメント系材料の計量手法や、計量用のセンサ等を用いる形態等とすることもできる。
【0045】
次に、図6を参照して、クライアント装置50〜70の電気系の要部構成を説明する。なお、クライアント装置50〜70は同一の構成とされているため、ここでは、クライアント装置50の構成を説明する。
【0046】
同図に示すように、本実施の形態に係るクライアント装置50は、クライアント装置50全体の動作を司るCPU50Aと、CPU50Aによる各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM50Bと、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM50Cと、各種情報を記憶するために用いられる二次記憶部(ここでは、ハードディスク装置)50Dと、各種情報を入力するために用いられるキーボード50Eと、各種情報を表示するために用いられるディスプレイ50Fと、自身の位置を特定する位置特定部50Gと、基地局16との間でアンテナ50Iを介して無線通信を行う無線LANドライバ50Hと、が備えられており、これら各部はシステムバスB4により電気的に相互に接続されている。
【0047】
従って、CPU50Aは、RAM50B、ROM50C、及び二次記憶部50Dに対するアクセス、キーボード50Eを介した各種入力情報の取得、ディスプレイ50Fに対する各種情報の表示、位置特定部50Gにより特定された自身の位置を示す位置情報の取得、及び無線LANドライバ50H及びアンテナ50Iを介したネットワーク12に接続された外部装置との間の各種情報の授受を各々行うことができる。
【0048】
なお、本実施の形態に係る材料管理システム10では、搬送車両に設けられたクライアント装置50における位置特定部50Gとして、一例として図2に模式的に示されるように、D−GPS(Differential GPS)を利用した位置特定システムを適用しており、ブルドーザに設けられたクライアント装置60及び振動ローラに設けられたクライアント装置70における位置特定部50Gとして、一例として図2に模式的に示されるように、RTK−GPS(Real Time Kinematic GPS)を利用した位置特定システムを適用しているが、これに限らず、他のGPSを利用した位置特定システム、三角測量技術を利用した位置特定システム等、他の位置特定システムを適用することもできる。
【0049】
一方、図7には、サーバ装置20に備えられた二次記憶部20Dの主な記憶内容が模式的に示されている。
【0050】
同図に示すように、二次記憶部20Dには、各種データベースを記憶するためのデータベース領域DBと、サーバ装置20を制御するための制御プログラムや各種処理を行うためのプログラム等を記憶するためのプログラム領域PGと、が設けられている。
【0051】
また、データベース領域DBには、材料情報データベースDB1が含まれる。以下、材料情報データベースDB1の構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0052】
図8に示すように、本実施の形態に係る材料情報データベースDB1は、現場ID(Identification)情報、基点位置情報、ブロックID情報、ブロックサイズ情報、材料投下情報、敷き均し転圧情報、品質管理情報、及び材料情報の各情報が、材料管理システム10において処理対象としているセメント系材料の打設現場毎に記憶されるように構成されている。
【0053】
なお、上記現場ID情報は、処理対象としている上記打設現場を識別するために、サーバ装置20により打設現場毎に異なるデータ(本実施の形態では、数値データ)として予め付与されるものである。
【0054】
ところで、本実施の形態に係る材料管理システム10では、一例として図9に模式的に示されるように、個々の搬送車両によって打設現場まで搬送されたセメント系材料をブルドーザで敷き均した後に振動ローラで締め固めたものを、一例として図10に示されるような直方体の形状とされた管理ブロックBLと見なし、一例として図11に示されるように、1箇所の打設現場において複数の搬送車両により搬送されて締め固められたセメント系材料を、各々各搬送車両に対応する複数の管理ブロックBLにより管理するものとされている。
【0055】
上記基点位置情報は、一例として図11に示されるように、上記打設現場における各管理ブロックBLの位置の基点となる位置を示す情報であり、上記ブロックID情報は、各管理ブロックBLを識別するために、プラントに設けられたクライアント装置40により管理ブロックBL毎に異なるデータ(本実施の形態では、アルファベットと数値を組み合わせたデータ)として予め付与されるものである。
【0056】
なお、本実施の形態に係る材料管理システム10では、上記基点位置情報として、一例として図11に示すように、打設現場において最初に打設されるセメント系材料に対応する管理ブロックBLの、他の管理ブロックBLに接しない角点位置の3次元座標(x1,y1,z1)を適用しているが、これに限らず、何れか1つの管理ブロックBLの何れか1つの角点位置の3次元座標、1箇所の打設現場における管理ブロックBL群の外周近傍の予め定められた位置の3次元座標等、打設現場における各管理ブロックBLの位置の基点となり得る位置であれば、何れの位置も適用することができる。また、ここで適用する座標系も上記のようなX−Y−Zの3次元座標系に限らず、管理ブロックBLが高さ方向に積層されない場合等には、X−Yの2次元座標系を適用することもできる。
【0057】
また、上記ブロックサイズ情報は、対応する管理ブロックBLのサイズを示す情報である。本実施の形態に係る材料管理システム10では、当該ブロックサイズ情報として、一例として図10に示されるように、3次元座標系におけるX座標方向(幅方向)のサイズ、Y座標方向(奥行き方向)のサイズ、及びZ座標方向(高さ方向)のサイズを適用している。
【0058】
一方、図8に示されるように、本実施の形態に係る材料管理システム10では、上記材料投下情報として、投下位置情報、及び投下日時情報の2種類の情報を適用している。
【0059】
上記投下位置情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料が搬送車両によって実際に投下された位置を示す情報である。本実施の形態に係る材料管理システム10では、当該投下位置情報として、一例として図10に示されるように、基点位置(x1,y1,z1)を基点とした、対応する管理ブロックBLの予め定められた角点(本実施の形態では、同図底面手前側左端の角点)の位置を上記3次元座標系で表したものを適用しているが、これに限らず、他の角点等、管理ブロックBLの位置を特定できる情報であれば如何なる情報も適用できることは言うまでもない。
【0060】
また、上記投下日時情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料が搬送車両によって打設現場に実際に投下された日時を示す情報である。
【0061】
一方、図8に示されるように、本実施の形態に係る材料管理システム10では、上記敷き均し転圧情報として、敷き均し日時情報、転圧回数情報、及び転圧日時情報の3種類の情報を適用している。
【0062】
上記敷き均し日時情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料に対するブルドーザによる敷き均しが完了した日時を示す情報であり、上記転圧回数情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料に対する振動ローラによる転圧回数を示す情報であり、上記転圧日時情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料に対する振動ローラによる転圧が完了した日時を示す情報である。
【0063】
また、図8に示されるように、本実施の形態に係る材料管理システム10では、上記品質管理情報として、物性情報、及び試験日時情報の2種類の情報を適用している。
【0064】
上記物性情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料の物性を示す情報であり、本実施の形態に係る材料管理システム10では、当該物性情報として、密度、吸水率、粒度、表面水量、天候、気温、及び湿度の7種類の情報を適用している。
【0065】
なお、上記密度は、対応するセメント系材料に含まれる骨材相当材料の表乾質量を当該骨材相当材料の絶対容積で除した値である。ここで、上記骨材相当材料は、コンクリートでいう骨材(砕石、又は砂利や砂)に相当する礫質材料であり、粒度調整や水洗い等を行わないものを示す。
【0066】
また、上記吸水率は、骨材相当材料が吸収する水量の、絶乾状態における骨材相当材料の質量に対する割合であり、次の(1)式により表される。
【0067】
【数1】
また、上記粒度は、骨材相当材料の大小粒の混合状態を示す値であり、上記表面水量は、骨材相当材料の表面に付着している水の量である。
【0068】
また、上記試験日時情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料に対して、対応する物性情報を得るための試験を実施した日時を示す情報である。
【0069】
一方、図8に示されるように、本実施の形態に係る材料管理システム10では、上記材料情報として、配合情報、計量情報、及び製造日時情報の3種類の情報を適用している。
【0070】
上記配合情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料の配合に関する情報であり、本実施の形態に係る材料管理システム10では、当該配合情報として、配合種類、単位セメント量、単位水量、及び単位骨材相当材量の4種類の情報を適用している。
【0071】
なお、上記配合種類は、セメント混合材料等の単位体積当たりに占める、セメント、水、骨材相当材料等を質量で表したものである。ここで、上記セメント混合材料は、粒度調整を行わない礫質系の材料にセメントと水を加えて混合したものである。
【0072】
また、上記単位セメント量は、セメント混合材料1m3に含まれる配合上のセメントの質量であり、上記単位水量は、セメント混合材料1m3に含まれる配合上の水の質量であり、上記単位骨材相当材量は、セメント混合材料1m3に含まれる配合上の骨材相当材料の質量である。
【0073】
また、上記計量情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料の製造に用いた材料の質量に関する情報であり、本実施の形態に係る材料管理システム10では、当該計量情報として、骨材相当材量、セメント量、水量、及びセメント混合材量の4種類の情報を適用している。
【0074】
なお、上記骨材相当材量は、セメント混合材料1m3に含まれる実際の(計量上の)骨材相当材料の質量であり、上記セメント量は、セメント混合材料1m3に含まれる実際の(計量上の)セメントの質量であり、上記水量は、セメント混合材料1m3に含まれる実際の(計量上の)水の質量であり、上記セメント混合材量は、セメント混合材料1m3に含まれる実際の(計量上の)セメント混合材料の質量である。
【0075】
また、上記製造日時情報は、対応する管理ブロックBLのセメント系材料を製造した日時を示す情報である。
【0076】
次に、本実施の形態に係る材料管理システム10の作用を説明する。
【0077】
材料管理システム10では、セメント系材料を打設現場に打設するに当たり、工事事務所に設けられたサーバ装置20にて、当該打設現場を識別するための現場ID情報を生成する一方、当該打設現場において適用する基点位置情報を、生成した現場ID情報と共に材料情報データベースDB1に登録する。
【0078】
ところで、前述したように、本実施の形態に係る材料管理システム10は、1箇所の打設現場において複数の搬送車両により搬送されて締め固められたセメント系材料を、各々各搬送車両に対応する複数の管理ブロックBLにより管理するものとされている。
【0079】
ここで、本実施の形態に係る材料管理システム10では、管理ブロックBLにおける、一例として図10に示されるZ座標方向(高さ方向)の寸法を、使用する搬送車両によるセメント系材料の最大積載量に応じて予め定められた寸法(本実施の形態では、25cm)で固定値とする一方、X座標方向(幅方向)の寸法を、使用するブルドーザのブレード(排土板)の幅に対応する寸法(本実施の形態では、300cm)で固定値としている。
【0080】
ここで、管理ブロックBLの幅方向の寸法を、使用するブルドーザのブレードの幅に対応する寸法とするのは、振動ローラによって締め固められたセメント系材料の管理ブロック単位での幅は、結果的に上記ブレードの幅に対応する幅(通常、ブレードの幅より若干(30cm程度)大きな幅)となるためであり、当該ブレードの幅に対応する寸法として、当該ブレードの幅より予め定められた幅(一例として30cm)だけ大きな幅を適用する形態の他、実際に使用するブルドーザでセメント系材料を敷き均した場合の当該セメント系材料の幅を測定し、当該幅を適用する形態とすることもできる。
【0081】
なお、本実施の形態では、管理ブロックBLの幅方向の寸法として、材料管理システム10において使用し得るブルドーザの種類毎に上記ブレードの幅に対応する寸法を二次記憶部20Dの所定領域に予め記憶しておき、実際に使用するブルドーザにおけるブレードの幅に対応する寸法を二次記憶部20Dから読み出して適用する形態としているが、これに限らず、打設現場等において、実際に使用するブルドーザを用いた上記測定を行うことにより、当該寸法を導出する形態等とすることもできる。
【0082】
また、本実施の形態では、管理ブロックBLの高さ方向の寸法として、材料管理システム10において使用し得る搬送車両の種類毎に上記セメント系材料の最大積載量に応じて予め定められた寸法を二次記憶部20Dの所定領域に予め記憶しておき、実際に使用する搬送車両の最大積載量に対応する寸法を二次記憶部20Dから読み出して適用する形態とされているが、これに限らず、例えば、サーバ装置20のユーザに対して当該寸法をサーバ装置20に入力させる形態等とすることもできる。
【0083】
そして、サーバ装置20は、管理ブロックBLの高さ方向の寸法を示す情報(以下、「高さ情報」という。)及び管理ブロックBLの幅方向の寸法を示す情報(以下、「幅情報」という。)と、現場ID情報とをプラントに設けられたクライアント装置40に送信すると共に、当該高さ情報及び幅情報を二次記憶部20Dの所定領域に記憶する。
【0084】
更に、サーバ装置20は、打設現場における施工条件、施工範囲、施工仕様等の当該打設現場に打設するセメント系材料を製造するために必要な情報(以下、「施工情報」という。)と、上記現場ID情報とを試験室に設けられたクライアント装置30に送信する。
【0085】
試験室では、クライアント装置30によってサーバ装置20から受信した施工情報に基づき、上記物性情報に含まれる、試験によって得られる情報(本実施の形態では、密度、吸水率、粒度、及び表面水量の4種類の情報)を得るための試験を行い、その後にクライアント装置30に対して品質管理情報送信処理を実行させる指示入力を行う。
【0086】
次に、図12を参照して、当該指示入力が行われたときのクライアント装置30の作用を説明する。なお、図12は、当該指示入力が行われた際に、クライアント装置30のCPU30Aによって実行される品質管理情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは二次記憶部30Dの所定領域に予め記憶されている。
【0087】
まず、同図のステップ100では、上記試験によって得られた物性情報と、当該試験を行った際の天候、気温、及び湿度の環境情報と、当該試験を行った日時を示す試験日時情報とを、品質管理情報として取得する。なお、本実施の形態に係る品質管理情報送信処理プログラムでは、当該品質管理情報の取得を、上記物性情報、上記環境情報、及び上記試験日時情報の入力を促す情報をディスプレイ30Fにより表示させ、これに応じてユーザによりキーボード30Eを介して入力された情報を取得することにより行っているが、これに限らず、例えば、上記物性情報を得るために用いる試験装置、上記環境情報を得ることができる環境検知装置等からオンラインで直接入力する形態や、ユーザによる音声により入力する形態等、他の形態とすることもできることは言うまでもない。
【0088】
次のステップ102では、上記ステップ100の処理によって取得された品質管理情報と、上記施工情報と共に受信した現場ID情報とを入出力ポート30G及びネットワーク12を介してサーバ装置20に送信し、次のステップ104にて、上記品質管理情報、施工情報及び現場ID情報を入出力ポート30G及びネットワーク12を介してプラントに設けられたクライアント装置40に送信し、その後に本品質管理情報送信処理プログラムを終了する。
【0089】
品質管理情報、施工情報及び現場ID情報をクライアント装置40にて受信すると、プラントでは、受信した施工情報に基づいて、受信した現場ID情報により特定される打設現場において打設するセメント系材料の製造を開始する一方、クライアント装置40に対して材料情報送信処理を実行させる指示入力を行う。
【0090】
次に、図13を参照して、当該指示入力が行われたときのクライアント装置40の作用を説明する。なお、図13は、当該指示入力が行われた際に、クライアント装置40のCPU40Aによって実行される材料情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは二次記憶部40Dの所定領域に予め記憶されている。
【0091】
まず、同図のステップ200では、上記材料情報(本実施の形態では、配合情報、計量情報、及び製造日時情報の3種類の情報)を取得する。なお、本実施の形態に係る材料情報送信処理プログラムでは、上記配合情報及び上記製造日時情報の取得を、当該情報の入力を促す情報をディスプレイ40Fにより表示させ、これに応じてユーザによりキーボード40Eを介して入力された情報を取得することにより行うと共に、上記計量情報の取得を、上記材料計量情報を計量槽42から取得することにより行っているが、これに限らず、例えば、上記配合情報については当該配合情報を検出することのできる装置からオンラインで直接入力する形態等、上記計量情報についてはユーザに入力させる形態等、他の形態とすることもできることは言うまでもない。
【0092】
次のステップ202では、クライアント装置30から受信した品質管理情報と、サーバ装置20から受信した高さ情報に基づいて、敷き均しに使用するブルドーザによる敷き均し高さを示す情報(以下、「敷き均し用高さ情報」という。)と、締め固めに使用する振動ローラによる転圧回数を示す情報(以下、「指定転圧回数情報」という。)とを導出する。
【0093】
なお、本実施の形態に係る材料情報送信処理プログラムでは、上記指定転圧回数情報を、上記品質管理情報によって示されるセメント系材料の性状に応じて、当該セメント系材料に対して必要とされる、使用する振動ローラによる転圧回数を導出することにより導出し、上記敷き均し用高さ情報を、導出した転圧回数で転圧したときの当該セメント系材料の高さが、結果的にサーバ装置20から受信した高さ情報により示される高さとなる高さを導出することにより導出する。
【0094】
次のステップ204では、製造したセメント系材料の搬送車両1台分の積載の終了待ちを行い、次のステップ206では、積載したセメント系材料に関する積載量計量情報を外部インタフェース40Gを介して取得する。なお、本実施の形態に係る材料情報送信処理プログラムでは、上記セメント系材料の搬送車両1台分への積載が終了したか否かの検出を、セメント系材料を搬送車両に積載する作業員により、当該積載が終了した旨を示す情報が入力されたか否かを判定することにより行っているが、これに限らず、例えば、セメント系材料を積載する位置に存在した搬送車両が、当該位置から移動されたことを検知するセンサを設けておき、当該センサによる検知結果に基づいて自動的に判定する形態等、他の形態とすることもできる。
【0095】
次のステップ208では、上記搬送車両への積載が終了したセメント系材料を管理するための管理ブロックBLに付与するブロックID情報を生成する。なお、本実施の形態に係る材料情報送信処理プログラムでは、上記ブロックID情報の生成を、受信した現場ID情報のみに適用する符号を一部に用い、かつ材料管理システム10で取り扱い対象とする打設現場1箇所当たりの最大管理ブロック数の管理ブロックBLを表現することができる情報を生成することにより行っている。
【0096】
本実施の形態に係る材料情報送信処理プログラムでは、一例として図8に示されるように、上記符号としてアルファベット(同図に示す例では‘A’)をブロックID情報の先頭に用い、上記最大管理ブロック数を‘1000’とするために当該アルファベットに続けて3桁の数値を組み合わせた情報を適用しているが、これに限らず、各管理ブロックBLを識別することのできる情報であれば如何なる情報も適用できることは言うまでもない。
【0097】
次のステップ210では、上記ステップ200の処理によって取得した材料情報、上記ステップ206の処理により取得した積載量計量情報、及び上記ステップ208の処理によって生成したブロックID情報を、入出力ポート40H及びネットワーク12を介してサーバ装置20に送信し、次のステップ212にて、上記ブロックID情報と、上記ステップ202の処理によって導出した敷き均し用高さ情報及び指定転圧回数情報とを、この直前にセメント系材料の積載を終了した搬送車両に設けられたクライアント装置50に、無線LANドライバ40I、アンテナ40J、及びネットワーク12を介して送信する。
【0098】
次のステップ214では、予め定められた終了条件を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合は上記ステップ204に戻る一方、肯定判定となった時点で本材料情報送信処理プログラムを終了する。なお、本実施の形態に係る材料情報送信処理プログラムでは、上記予め定められた終了条件として、受信した施工情報に含まれる施工範囲を示す情報により特定される、打設に必要とされる全ての量のセメント系材料の製造及び搬送車両への積載が終了した、との条件を適用しているが、これに限らず、クライアント装置40のユーザによる終了指示の入力を受け付けた、との条件や、セメント系材料の製造や搬送車両への積載を終了する時刻として予め定められた時刻になった、との条件等、他の条件とすることができることは言うまでもない。
【0099】
セメント系材料の積載が終了し、当該積載したセメント系材料に付与されたブロックID情報と、上記敷き均し用高さ情報及び指定転圧回数情報とをクライアント装置40から受信したクライアント装置50では、材料投下情報送信処理を実行する。
【0100】
次に、図14を参照して、当該材料投下情報送信処理を実行する際のクライアント装置50の作用を説明する。なお、図14は、この際、クライアント装置50のCPU50Aによって実行される材料投下情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは二次記憶部50Dの所定領域に予め記憶されている。
【0101】
当該クライアント装置50が設けられている搬送車両は、セメント系材料を打設現場まで搬送し、打設対象領域内で、それまでにセメント系材料が打設されていない位置にセメント系材料を投下する。なお、一例として図2に示されるように、打設現場に対し、無線通信機能を有するパーソナル・コンピュータ80を所持した誘導員を配置しておき、当該誘導員から、パーソナル・コンピュータ80を介してクライアント装置50に対し、セメント系材料の投下位置を示す情報を送信することにより、搬送車両の運転者に対してセメント系材料の投下位置を指示するようにしてもよい。
【0102】
そこで、まず、図14のステップ300では、セメント系材料の投下終了待ちを行う。なお、本実施の形態に係る材料投下情報送信処理プログラムでは、上記セメント系材料が投下されたか否かの検出を、搬送車両の運転者により、当該投下が終了した旨を示す情報が入力されたか否かを判定することにより行っているが、これに限らず、例えば、搬送車両におけるセメント系材料の積載領域に対して、セメント系材料が存在するか否かを検知するセンサを設けておき、当該センサによる検知結果に基づいて自動的に判定する形態等、他の形態とすることもできる。
【0103】
次のステップ302では、上記材料投下情報(本実施の形態では、投下位置情報、及び投下日時情報の2種類の情報)を取得する。なお、本実施の形態に係る材料投下情報送信処理プログラムでは、上記投下位置情報の取得を、位置特定部50GによりD−GPSを利用して行う一方、上記投下日時情報の取得を、当該投下日時情報の入力を促す情報をディスプレイ50Fにより表示させ、これに応じてユーザによりキーボード50Eを介して入力された情報を取得することにより行っているが、これに限らず、例えば、上記投下位置情報の取得を、RTK−GPSを利用して行う形態や、上記投下日時情報の取得を、クライアント装置50に内蔵された時計部から取得することにより行う形態等、他の形態とすることもできることは言うまでもない。
【0104】
次のステップ304では、上記ステップ302の処理によって取得した材料投下情報及びクライアント装置40から受信したブロックID情報を、サーバ装置20に対して、無線LANドライバ50H、アンテナ50I、及びネットワーク12を介して送信し、次のステップ306にて、上記ブロックID情報と、クライアント装置40から受信した敷き均し用高さ情報及び指定転圧回数情報とをブルドーザに設けられたクライアント装置60に、無線LANドライバ50H、アンテナ50I、及びネットワーク12を介して送信した後、本材料投下情報送信処理プログラムを終了する。
【0105】
ブロックID情報と、上記敷き均し用高さ情報及び指定転圧回数情報とを搬送車両に設けられたクライアント装置50から受信したクライアント装置60では、敷き均し情報送信処理を実行する。
【0106】
次に、図15を参照して、当該敷き均し情報送信処理を実行する際のクライアント装置60の作用を説明する。なお、図15は、この際、クライアント装置60のCPU50Aによって実行される敷き均し情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは二次記憶部50Dの所定領域に予め記憶されている。
【0107】
ブルドーザは、受信したブロックID情報に対応するセメント系材料、すなわち、当該ブロックID情報の送信元であるクライアント装置50が設けられた搬送車両により搬送され、投下されたセメント系材料を敷き均す。
【0108】
この際、当該ブルドーザに設けられたクライアント装置60は、クライアント装置50から受信した敷き均し用高さ情報をディスプレイ50Fによって表示させる。そして、当該ブルドーザの操作者は、そのときの敷き均し対象とするセメント系材料の高さが、ディスプレイ50Fによって表示された敷き均し用高さ情報により示される高さとなるように敷き均し作業を行う。なお、このとき、クライアント装置60は、RTK−GPSを利用して位置特定部50Gにより得られたブルドーザの高さ方向の位置を示す高度情報をディスプレイ50Fにより逐次表示する。そこで、当該ブルドーザの操作者は、ディスプレイ50Fによって表示された高度情報を参照して、そのときの敷き均し対象とするセメント系材料の高さが、ディスプレイ50Fによって表示された敷き均し用高さ情報により示される高さとなるように敷き均し作業を行う。
【0109】
また、この際、ブルドーザの操作者は、そのときの敷き均し対象とするセメント系材料の幅が、当該ブルドーザのブレードの幅に対応する幅となるように敷き均し作業を行う。
【0110】
そこで、まず、同図のステップ400では、セメント系材料の敷き均し作業の終了待ちを行う。なお、本実施の形態に係る敷き均し情報送信処理プログラムでは、上記敷き均し作業が終了したか否かの検出を、ブルドーザの運転者により、当該敷き均し作業が終了した旨を示す情報が入力されたか否かを判定することにより行っているが、これに限らないことも言うまでもない。
【0111】
次のステップ402では、上記敷き均し日時情報を取得する。なお、本実施の形態に係る敷き均し情報送信処理プログラムでは、上記敷き均し日時情報の取得を、当該敷き均し日時情報の入力を促す情報をディスプレイ50Fにより表示させ、これに応じてユーザによりキーボード50Eを介して入力された情報を取得することにより行っているが、これに限らず、例えば、クライアント装置60に内蔵された時計部から取得することにより行う形態等、他の形態とすることもできることは言うまでもない。
【0112】
次のステップ404では、上記ステップ402の処理によって取得した敷き均し日時情報及び搬送車両に設けられたクライアント装置50から受信したブロックID情報を、サーバ装置20に対して、無線LANドライバ50H、アンテナ50I、及びネットワーク12を介して送信し、次のステップ406にて、クライアント装置50から受信した指定転圧回数情報を、振動ローラに設けられたクライアント装置70に対して、無線LANドライバ50H、アンテナ50I、及びネットワーク12を介して送信した後、本敷き均し情報送信処理プログラムを終了する。
【0113】
一方、振動ローラを操作する操作者は、ブルドーザにより予め定められた面積のセメント系材料の敷き均し作業が終了すると、敷き均されたセメント系材料を振動ローラによって転圧により締め固める作業を開始すると共に、当該振動ローラに設けられたクライアント装置70に対して転圧情報送信処理を実行させる指示入力を行う。
【0114】
次に、図16を参照して、当該指示入力が行われたときのクライアント装置70の作用を説明する。なお、図16は、当該指示入力が行われた際に、クライアント装置70のCPU50Aによって実行される転圧情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは二次記憶部50Dの所定領域に予め記憶されている。
【0115】
まず、同図のステップ500では、クライアント装置60から受信した指定転圧回数情報をディスプレイ50Fにより表示する。これに応じて、当該振動ローラの操作者は、それ以降、ディスプレイ50Fによって表示された指定転圧回数情報を参照して、実際の転圧回数が指定転圧回数情報により示される回数となるように、セメント系材料の締め固め作業を行うことになる。
【0116】
次のステップ502では、その時点における振動ローラの位置を示す情報(以下、「転圧位置情報」という。)と、その時点の日時を示す情報(以下、「転圧日時情報」という。)を取得する。なお、本実施の形態に係る転圧情報送信処理プログラムでは、上記転圧位置情報の取得を、位置特定部50GによりRTK−GPSを利用して行う一方、上記転圧日時情報の取得を、クライアント装置70に内蔵された時計部から取得することにより行っているが、これに限らず、例えば、上記転圧位置情報の取得を、D−GPSを利用して行う形態や、上記転圧日時情報の取得を、当該転圧日時情報の入力を促す情報をディスプレイ50Fにより表示させ、これに応じて操作者によりキーボード50Eを介して入力された情報を取得することにより行う形態等、他の形態とすることもできることは言うまでもない。
【0117】
次のステップ504では、上記ステップ502の処理によって取得した転圧位置情報及び転圧日時情報を、サーバ装置20に対して、無線LANドライバ50H、アンテナ50I、及びネットワーク12を介して送信し、次のステップ506にて、予め定められた終了条件を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合は上記ステップ502に戻る一方、肯定判定となった時点で本転圧情報送信処理プログラムを終了する。なお、本実施の形態に係る転圧情報送信処理プログラムでは、上記予め定められた終了条件として、操作者による終了指示の入力を受け付けた、との条件を適用しているが、これに限らず、セメント系材料の締め固め作業を終了する時刻として予め定められた時刻になった、との条件等、他の条件とすることができることは言うまでもない。
【0118】
次に、図17を参照して、ブロック情報登録処理が実行される際のサーバ装置20の作用を説明する。なお、図17は、当該ブロック情報登録処理を実行すべきタイミングとして予め定められたタイミング(本実施の形態では、現場ID情報を生成して材料情報データベースDB1に登録したタイミング)で、サーバ装置20のCPU20Aにより実行されるブロック情報登録処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは二次記憶部20Dのプログラム領域PGに予め記憶されている。
【0119】
まず、同図のステップ600では、試験室に設けられたクライアント装置30からの上記品質管理情報の受信待ちを行い、次のステップ602にて、受信した品質管理情報を、当該品質管理情報と共に受信した現場ID情報に対応する全ての管理ブロックBLに対する品質管理情報欄の対応する記憶領域に記憶する。なお、本実施の形態では、上記品質管理情報に含まれる上記物性情報及び上記環境情報の2種類の情報を材料情報データベースDB1における物性情報欄に記憶する。
【0120】
次のステップ604では、プラントに設けられたクライアント装置40から上記材料情報が受信されたか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ606に移行して、受信した材料情報に対応する管理ブロックBLを次のように導出する。
【0121】
すなわち、まず、上記高さ情報及び幅情報を二次記憶部20Dから読み出す一方、材料情報と共に受信した積載量計量情報により示されるセメント系材料の量を特定し、特定した量に対応する大きさの直方体のブロックを管理ブロックBLとして導出する。この際、一例として図10に示されるZ座標方向(高さ方向)の寸法は、読み出した高さ情報により示される寸法とする一方、X座標方向(幅方向)の寸法を、読み出した幅情報により示される寸法とした上で、Y座標方向(奥行き方向)の寸法を、管理ブロックBLの体積が上記特定した量と一致するように決定する。
【0122】
次のステップ608では、上記材料情報と共に受信したブロックID情報と、上記ステップ606の処理によって導出した管理ブロックBLの寸法を示すブロックサイズ情報と、受信した材料情報を、材料情報データベースDB1の対応する記憶領域に記憶し、その後にステップ618に移行する。
【0123】
一方、上記ステップ604において否定判定となった場合にはステップ610に移行し、搬送車両に設けられたクライアント装置50から上記材料投下情報が受信されたか否かを判定して、肯定判定となった場合にはステップ612に移行し、受信した材料投下情報を、材料情報データベースDB1における、当該材料投下情報と共に受信したブロックID情報に対応する材料投下情報欄の対応する記憶領域に記憶し、その後にステップ618に移行する。なお、ここで、材料投下情報における投下位置情報を記憶する際には、当該投下位置情報を、対応する上記基点位置を基点としたものに変換して記憶する。
【0124】
また、上記ステップ610において否定判定となった場合にはステップ614に移行し、ブルドーザに設けられたクライアント装置60から上記敷き均し日時情報が受信されたか否かを判定して、肯定判定となった場合にはステップ616に移行し、受信した敷き均し日時情報を、材料情報データベースDB1における、当該敷き均し日時情報と共に受信したブロックID情報に対応する敷き均し日時情報欄に記憶し、その後にステップ618に移行する。なお、上記ステップ614において否定判定となった場合は、何ら処理を実行することなくステップ618に移行する。
【0125】
ステップ618では、予め定められた終了条件を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合は上記ステップ604に戻る一方、肯定判定となった時点で本ブロック情報登録処理プログラムを終了する。なお、本実施の形態に係るブロック情報登録処理プログラムでは、上記予め定められた終了条件として、試験室に設けられたクライアント装置30に送信した施工情報に含まれる施工範囲を示す情報により特定される、打設に必要とされる全ての量のセメント系材料に対応する管理ブロックBLに対する敷き均し日時情報の記憶が終了した、との条件を適用しているが、これに限らず、サーバ装置20のユーザによる終了指示の入力を受け付けた、との条件や、セメント系材料の打設を終了する時刻として予め定められた時刻になった、との条件等、他の条件とすることができることは言うまでもない。
【0126】
次に、図18を参照して、転圧情報登録処理が実行される際のサーバ装置20の作用を説明する。なお、図18は、振動ローラに設けられたクライアント装置70から上記転圧位置情報を受信した際に、サーバ装置20のCPU20Aにより実行される転圧情報登録処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムも二次記憶部20Dのプログラム領域PGに予め記憶されている。
【0127】
まず、同図のステップ700では、クライアント装置70から受信した転圧位置情報及び転圧日時情報を二次記憶部20Dの所定領域に記憶する。なお、本転圧情報登録処理プログラムは、振動ローラから転圧位置情報及び転圧日時情報を受信するたびに実行されるものである一方、当該転圧位置情報及び転圧日時情報は振動ローラから時系列で順次受信されるため、本ステップ700では、受信した転圧位置情報及び転圧日時情報を、受信した順に、二次記憶部20Dの異なるアドレスに順次記憶する。
【0128】
次のステップ702では、予め定められた終了条件を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合は本転圧情報登録処理プログラムを終了する一方、肯定判定となった場合にはステップ704に移行する。なお、本実施の形態に係る転圧情報登録処理プログラムでは、上記予め定められた終了条件として、上記ステップ700の処理によって二次記憶部20Dに記憶した情報の数が所定数以上になった、との条件を適用しているが、他の条件とすることができることは言うまでもない。
【0129】
ステップ704では、処理対象としている打設現場に関して、それまでに上記ステップ700の処理によって記憶された転圧位置情報及び転圧日時情報と、材料情報データベースDB1における対応する全ての管理ブロックBLに対応する投下位置情報、ブロックサイズ情報、及び基点位置情報とを二次記憶部20Dから読み出し、次のステップ706にて、読み出した転圧位置情報、投下位置情報、ブロックサイズ情報、及び基点位置情報に基づいて、一例として次に示すように、管理ブロックBL毎の振動ローラによる転圧回数を示す転圧回数情報を導出する。
【0130】
すなわち、一例として図19に示すように、上記投下位置情報、ブロックサイズ情報、及び基点位置情報により特定される管理ブロックBL毎のセメント系材料の各打設領域の各々毎に、上記転圧位置情報により示される時系列順に連続する転圧位置が通過する回数を上記転圧回数として導出する。なお、この際、振動ローラにより連続的に転圧された隣接する転圧領域の境界部には、一部重複して転圧される領域が生じるが、ここでは、錯綜を回避するために、当該領域の転圧回数は2回とはせずに1回とする。
【0131】
なお、転圧回数の導出方法は以上の方法には限らず、他の導出方法とすることができることも言うまでもない。例えば、上記重複して転圧される領域に関しても正確な転圧回数を材料情報データベースDB1に登録したい場合には、当該重複して転圧される領域のサイズを考慮して管理ブロックBLを更に細分化し、細分化した各領域毎に転圧回数を導出して登録する形態としてもよい。
【0132】
次のステップ708では、上記投下位置情報、ブロックサイズ情報、及び基点位置情報により特定される管理ブロックBL毎のセメント系材料の各打設領域の各々毎に、上記ステップ704の処理によって読み出した転圧日時情報により示される転圧日時のうち、最も遅い日時を最終的な転送日時を示す転送日時情報として特定し、次のステップ710にて、上記ステップ706の処理によって導出した転送回数情報と、上記ステップ708の処理によって特定した転送日時情報を、材料情報データベースDB1における敷き均し転圧情報欄の対応する記憶領域に記憶し、その後に本転圧情報登録処理プログラムを終了する。
【0133】
なお、以上の処理によって構築された材料情報データベースDB1を参照することにより、打設したセメント系材料のトレーサビリティを精度よく行うことが可能となる。
【0134】
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、予め定められた材料(ここでは、セメント系材料)を築造現場まで搬送する搬送機器(ここでは、ダンプトラック)に対する前記材料の積載量を計量手段(ここでは、計量部44)により各搬送機器毎に計量し、計量した各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体のブロックを前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出し、導出した前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報(ここでは、投下日時情報、敷き均し転圧情報、品質管理情報、及び材料情報)を取得する一方、前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報(ここでは、投下位置情報)を各搬送機器毎に検出手段(ここでは、位置特定部50G)により検出し、取得した前記特性情報と検出した前記配設位置情報とを、対応する前記管理ブロック毎に関連付けて記憶手段(ここでは、二次記憶部20D)により記憶しているので、前記材料の実際の配設位置と、これに対応する管理ブロックの位置のずれの発生を回避することができる結果、本発明を適用しない場合に比較して、より精度よく材料の管理を行うことができる。
【0135】
また、本実施の形態では、前記予め定められた材料としてセメント系材料を適用しているので、セメント系材料の管理を、より精度よく行うことができる。
【0136】
特に、本実施の形態では、前記特性情報として、前記セメント系材料の品質管理に関する情報(ここでは、品質管理情報)、配合に関する情報(ここでは、配合情報)、計量に関する情報(ここでは、計量情報)、及び打設日時を示す情報(ここでは、転圧日時情報)を適用しているので、これらの情報を用いた管理が可能となる。
【0137】
また、本実施の形態では、前記品質管理に関する情報として、前記セメント系材料の密度、吸水率、粒度、及び表面水量の各情報を適用し、前記配合に関する情報として、前記セメント系材料の配合の種類、単位セメント量、単位水量、及び単位骨材相当材量の各情報を適用し、前記計量に関する情報として、前記セメント系材料の骨材相当材量、セメント量、水量、及びセメント混合材量の各情報を適用しているので、これらの情報を用いた管理が可能となる。
【0138】
また、本実施の形態では、前記管理ブロックの高さ方向の寸法が、前記搬送機器による前記予め定められた材料の最大積載量に応じて予め定められた寸法で固定されているものとしているので、上記管理ブロックの高さを一律とすることができる結果、管理を容易かつ分かりやすく行うことができる。
【0139】
また、本実施の形態では、前記管理ブロックの幅方向の寸法が、前記築造現場において前記予め定められた材料を敷き均す敷き均し機(ここでは、ブルドーザ)による敷き均し部(ここでは、ブレード)の幅に対応する寸法で固定されているものとしているので、上記管理ブロックの幅を一律とすることができる結果、管理を容易かつ分かりやすく行うことができる。
【0140】
更に、本実施の形態では、GPSを利用して前記配設位置情報を検出しているので、より容易に本発明を実現することができると共に、より高精度に管理を行うことができる。
【0141】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0142】
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0143】
例えば、上記実施の形態では、物性情報、配合情報、計量情報、及び製造日時情報を搬送車両に設けられたクライアント装置50を経由することなく材料情報データベースDB1に登録する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらの情報のうちの少なくとも1つを、対応する搬送車両に設けられたクライアント装置50に送信し、当該クライアント装置50からサーバ装置20に送信するか、又はブルドーザに設けられたクライアント装置60及び振動ローラに設けられたクライアント装置70の少なくとも一方を経由してサーバ装置20に送信することにより、この情報をサーバ装置20にて材料情報データベースDB1に登録する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0144】
また、上記実施の形態では、敷き均し用高さ情報及び指定転圧回数情報を、クライアント装置50を経由してブルドーザに設けられたクライアント装置60や振動ローラに設けられたクライアント装置70に転送する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、敷き均し用高さ情報をクライアント装置60に対して直接送信する形態や、指定転圧回数情報をクライアント装置70に直接送信する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0145】
また、上記実施の形態では、サーバ装置20、クライアント装置30、及びクライアント装置40を有線にてネットワーク12に接続する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの装置の少なくとも1つを無線にてネットワーク12に接続する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0146】
また、上記実施の形態では、本発明の材料としてセメント系材料を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、盛土を行うための土質材料や、コンクリート構造物を構築するためのコンクリート等の他の材料を本発明の材料として適用する形態とすることもできる。この場合は、適用した材料に応じた特性を示す情報を材料情報データベースDB1に登録することになる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0147】
また、上記実施の形態では、本発明の搬送機器としてダンプトラックを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、不整地運搬車、コンクリート・ミキサー車等の他の搬送車両や、バケット等の容器類を本発明の搬送機器として適用する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0148】
また、上記実施の形態では、本発明の敷き均し機としてブルドーザを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、モータグレーダ等の他の敷き均し機を適用する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0149】
また、上記実施の形態では、締め固め機として振動ローラを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、タイヤローラ、タンピングローラ等の他の締め固め機を適用する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0150】
また、上記実施の形態では、本発明の管理ブロックとして直方体のブロックを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、立方体のブロックを管理ブロックとして適用する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0151】
また、上記実施の形態では、敷き均し用高さ情報及び指定転圧回数情報をプラントに設けられたクライアント装置40により導出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、敷き均し用高さ情報及び指定転圧回数情報については、サーバ装置20、試験室に設けられたクライアント装置30、運搬車両に設けられたクライアント装置50、及びブルドーザに設けられたクライアント装置60の何れの装置により導出してもよく、このうち指定転圧回数情報については、振動ローラに設けられたクライアント装置70で導出する形態とすることもできる。この場合、導出対象とする情報を導出するために必要とされる情報を導出する装置に転送するようにする。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0152】
また、上記実施の形態では、材料管理システム10において対応する試験室及びプラントが1箇所のみである場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの少なくとも一方を複数とする形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0153】
また、上記実施の形態では、打設後のセメント系材料の特性に関する情報については特に言及しなかったが、例えば、一例として図2に示されるように、打設現場に対し、ラジオアイソトープ密度計90等の材料の特性値を測定することのできる測定装置を配置し、当該測定装置によって測定された特性値を、搬送車両、ブルドーザ、及び振動ローラの何れかに設けられたクライアント装置を介して、対応するブロックID情報と共にサーバ装置20に送信し、材料情報データベースDB1の当該ブロックID情報に対応する特性情報として当該特性値を登録する形態とすることもできる。ここで、上記ラジオアイソトープ密度計90を適用する場合には、打設後のセメント系材料の水分密度を示す情報が、当該セメント系材料の特性を示す情報として材料情報データベースDB1に登録されることになる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0154】
また、上記実施の形態では、本発明の特性情報として、品質管理情報、配合情報、計量情報、及び転圧日時情報を全て適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの情報に、上記打設後のセメント系材料の水分密度を示す情報を加えた情報の少なくとも1つを適用する形態とすることもできる。この場合は、適用した情報を用いた管理が可能となる。
【0155】
また、上記実施の形態では、上記品質管理情報として、セメント系材料の密度、吸水率、粒度、及び表面水量の各情報を適用し、上記配合情報として、配合の種類、単位セメント量、単位水量、及び単位骨材相当材量の各情報を適用し、上記計量情報として、骨材相当材量、セメント量、水量、及びセメント混合材量の各情報を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらの情報の少なくとも1つを適用する形態とすることもできる。この場合は、適用した情報を用いた管理が可能となる。
【0156】
また、上記実施の形態では、ブルドーザによって敷き均し作業を行う際に、ブルドーザの操作者がディスプレイ50Fによって表示された高度情報を参照して、そのときの敷き均し対象とするセメント系材料の高さが、ディスプレイ50Fによって表示された敷き均し用高さ情報により示される高さとなるように敷き均し作業を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、TS−GPS等のシステムを用いて、そのときの敷き均し対象とするセメント系材料の高さが、敷き均し用高さ情報により示される高さとなるように、ブルドーザのブレードの高さを自動的に制御することによって敷き均し作業を行う形態とすることもできる。この場合、ブルドーザの操作者にとっての利便性を向上させることができる。
【0157】
また、上記実施の形態では、投下日時情報、敷き均し日時情報、及び転圧日時情報の各日時情報の取得方法の一例として、各クライアント装置に内蔵された時計部から取得する方法を例示したが、当該時計部から取得する方法に代えて、各クライアント装置で用いられるGPSを介して取得する形態とすることもできる。この場合、上記各日時情報を正確なものとすることができる結果、より精度よく材料の管理を行うことができる。
【0158】
その他、上記実施の形態で説明した材料管理システム10の構成(図1〜図7参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な構成要素を削除したり、新たな構成要素を追加したりすることができることは言うまでもない。
【0159】
また、上記実施の形態で示した各種プログラムの処理の流れ(図12〜図18参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な処理ステップを削除したり、新たな処理ステップを追加したり、処理ステップの順序を入れ替えたりすることができることは言うまでもない。
【0160】
更に、本実施の形態で示した材料情報データベースDB1の構成(図8参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、一部の情報を削除したり、新たな情報を追加したり、記憶位置を入れ替えたりすることができることは言うまでもない。
【0161】
例えば、材料情報データベースDB1における基点位置情報は、必ずしも必要ではなく、投下位置情報を、基点位置を基点としたものに代えて、緯度、経度、高度の各情報により示される絶対位置を示すものとすることにより、基点位置情報を削除する形態とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】実施の形態に係る材料管理システムの全体構成を示す模式図である。
【図2】実施の形態に係る材料管理システムを構成する各部の配置関係等を示す模式図である。
【図3】実施の形態に係るサーバ装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態に係る試験室に設けられたクライアント装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態に係るプラントに設けられたクライアント装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態に係る搬送車両、ブルドーザ、及び振動ローラに設けられたクライアント装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図7】実施の形態に係るサーバ装置に備えられた二次記憶部の主な記憶内容を示す模式図である。
【図8】実施の形態に係る材料情報データベースの構成を示す模式図である。
【図9】実施の形態に係る管理ブロックの説明に供する概略側面図である。
【図10】実施の形態に係る管理ブロック及び投下位置情報の説明に供する概略斜視図である。
【図11】実施の形態に係る管理ブロック、投下位置情報、及び基点位置情報の説明に供する概略斜視図である。
【図12】実施の形態に係る品質管理情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】実施の形態に係る材料情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】実施の形態に係る材料投下情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】実施の形態に係る敷き均し情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】実施の形態に係る転圧情報送信処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】実施の形態に係るブロック情報登録処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】実施の形態に係る転圧情報登録処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】実施の形態に係る転圧情報登録処理プログラムにおける転圧回数の導出方法の説明に供する概略図である。
【符号の説明】
【0163】
10 材料管理システム
12 ネットワーク
20 サーバ装置
20A CPU(導出手段,取得手段)
20D 二次記憶部(記憶手段)
30 クライアント装置
40 クライアント装置
42 計量槽
44 計量部(計量手段)
50 クライアント装置
50G 位置特定部(検出手段)
60 クライアント装置
70 クライアント装置
DB1 材料情報データベース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた材料を築造現場まで搬送する搬送機器に対する前記材料の積載量を各搬送機器毎に計量する計量手段と、
前記計量手段によって計量された各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体又は立方体のブロックを前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出する導出手段と、
前記導出手段によって導出された前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報を取得する取得手段と、
前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報を各搬送機器毎に検出する検出手段と、
前記取得手段によって取得された前記特性情報と前記検出手段によって検出された前記配設位置情報とを、対応する前記管理ブロック毎に関連付けて記憶する記憶手段と、
を備えた材料管理システム。
【請求項2】
前記予め定められた材料は、セメント系固化材を混合した材料又は土質材料である
請求項1記載の材料管理システム。
【請求項3】
前記予め定められた材料は、セメント系固化材を混合した材料であり、
前記特性情報は、前記セメント系固化材を混合した材料の品質管理に関する情報、配合に関する情報、計量に関する情報、打設日時を示す情報、及び打設後の水分密度を示す情報の少なくとも1つの情報である
請求項2記載の材料管理システム。
【請求項4】
前記品質管理に関する情報は、前記セメント系固化材を混合した材料の密度、吸水率、粒度、及び表面水量の少なくとも1つの情報であり、前記配合に関する情報は、前記セメント系固化材を混合した材料の配合の種類、単位セメント量、単位水量、及び単位骨材相当材量の少なくとも1つの情報であり、前記計量に関する情報は、前記セメント系固化材を混合した材料の骨材相当材量、セメント量、水量、及びセメント混合材量の少なくとも1つの情報である
請求項3記載の材料管理システム。
【請求項5】
前記管理ブロックの高さ方向の寸法は、前記搬送機器による前記予め定められた材料の最大積載量に応じて予め定められた寸法で固定されている
請求項1〜請求項4の何れか1項記載の材料管理システム。
【請求項6】
前記管理ブロックの幅方向の寸法は、前記築造現場において前記予め定められた材料を敷き均す敷き均し機による敷き均し部の幅に対応する寸法で固定されている
請求項1〜請求項5の何れか1項記載の材料管理システム。
【請求項7】
前記検出手段は、GPSを利用して前記配設位置情報を検出する
請求項1〜請求項6の何れか1項記載の材料管理システム。
【請求項8】
予め定められた材料を築造現場まで搬送する搬送機器に対する前記材料の積載量を計量手段により各搬送機器毎に計量する計量工程と、
前記計量工程によって計量された各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体又は立方体のブロックを前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出する導出工程と、
前記導出工程によって導出された前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報を取得する取得工程と、
前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報を各搬送機器毎に検出手段により検出する検出工程と、
前記取得工程によって取得された前記特性情報と前記検出工程によって検出された前記配設位置情報とを、対応する前記管理ブロック毎に関連付けて記憶手段により記憶する記憶工程と、
を有する材料管理方法。
【請求項9】
予め定められた材料を築造現場まで搬送する搬送機器に対する前記材料の積載量を計量手段により各搬送機器毎に計量する計量ステップと、
前記計量ステップによって計量された各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体又は立方体のブロックを前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出する導出ステップと、
前記導出ステップによって導出された前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報を取得する取得ステップと、
前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報を各搬送機器毎に検出手段により検出する検出ステップと、
前記取得ステップによって取得された前記特性情報と前記検出ステップによって検出された前記配設位置情報とを、対応する前記管理ブロック毎に関連付けて記憶手段により記憶する記憶ステップと、
をコンピュータに実行させる材料管理プログラム。
【請求項1】
予め定められた材料を築造現場まで搬送する搬送機器に対する前記材料の積載量を各搬送機器毎に計量する計量手段と、
前記計量手段によって計量された各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体又は立方体のブロックを前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出する導出手段と、
前記導出手段によって導出された前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報を取得する取得手段と、
前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報を各搬送機器毎に検出する検出手段と、
前記取得手段によって取得された前記特性情報と前記検出手段によって検出された前記配設位置情報とを、対応する前記管理ブロック毎に関連付けて記憶する記憶手段と、
を備えた材料管理システム。
【請求項2】
前記予め定められた材料は、セメント系固化材を混合した材料又は土質材料である
請求項1記載の材料管理システム。
【請求項3】
前記予め定められた材料は、セメント系固化材を混合した材料であり、
前記特性情報は、前記セメント系固化材を混合した材料の品質管理に関する情報、配合に関する情報、計量に関する情報、打設日時を示す情報、及び打設後の水分密度を示す情報の少なくとも1つの情報である
請求項2記載の材料管理システム。
【請求項4】
前記品質管理に関する情報は、前記セメント系固化材を混合した材料の密度、吸水率、粒度、及び表面水量の少なくとも1つの情報であり、前記配合に関する情報は、前記セメント系固化材を混合した材料の配合の種類、単位セメント量、単位水量、及び単位骨材相当材量の少なくとも1つの情報であり、前記計量に関する情報は、前記セメント系固化材を混合した材料の骨材相当材量、セメント量、水量、及びセメント混合材量の少なくとも1つの情報である
請求項3記載の材料管理システム。
【請求項5】
前記管理ブロックの高さ方向の寸法は、前記搬送機器による前記予め定められた材料の最大積載量に応じて予め定められた寸法で固定されている
請求項1〜請求項4の何れか1項記載の材料管理システム。
【請求項6】
前記管理ブロックの幅方向の寸法は、前記築造現場において前記予め定められた材料を敷き均す敷き均し機による敷き均し部の幅に対応する寸法で固定されている
請求項1〜請求項5の何れか1項記載の材料管理システム。
【請求項7】
前記検出手段は、GPSを利用して前記配設位置情報を検出する
請求項1〜請求項6の何れか1項記載の材料管理システム。
【請求項8】
予め定められた材料を築造現場まで搬送する搬送機器に対する前記材料の積載量を計量手段により各搬送機器毎に計量する計量工程と、
前記計量工程によって計量された各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体又は立方体のブロックを前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出する導出工程と、
前記導出工程によって導出された前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報を取得する取得工程と、
前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報を各搬送機器毎に検出手段により検出する検出工程と、
前記取得工程によって取得された前記特性情報と前記検出工程によって検出された前記配設位置情報とを、対応する前記管理ブロック毎に関連付けて記憶手段により記憶する記憶工程と、
を有する材料管理方法。
【請求項9】
予め定められた材料を築造現場まで搬送する搬送機器に対する前記材料の積載量を計量手段により各搬送機器毎に計量する計量ステップと、
前記計量ステップによって計量された各搬送機器毎の前記積載量に対応する大きさの直方体又は立方体のブロックを前記材料の管理単位とする管理ブロックとして導出する導出ステップと、
前記導出ステップによって導出された前記管理ブロック毎に前記材料の特性を示す特性情報を取得する取得ステップと、
前記搬送機器による前記材料の実際の配設位置を示す配設位置情報を各搬送機器毎に検出手段により検出する検出ステップと、
前記取得ステップによって取得された前記特性情報と前記検出ステップによって検出された前記配設位置情報とを、対応する前記管理ブロック毎に関連付けて記憶手段により記憶する記憶ステップと、
をコンピュータに実行させる材料管理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2009−102894(P2009−102894A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276185(P2007−276185)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(000150110)株式会社竹中土木 (101)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(000150110)株式会社竹中土木 (101)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]