説明

材料設計支援システム、材料設計支援方法、及びコンピュータプログラム

【課題】 設計結果が製造上の制約を満たすか否かを検証することができる材料設計支援システム、材料設計支援方法、及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】
鋼材設計支援システム1のサーバ装置2は、クライアント装置3から与えられた設計結果を検証するためのデータを、チェックルールデータベース100から読み出し、読み出したルールによりIF−THENルールの条件部及び帰結部を生成する。サーバ装置2は、生成したIF−THENルールに設計結果が適合するか否かを判定し、こうして得られた検証結果がクライアント装置3へ送信され、クライアント装置3の画像表示部に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼材及び非鉄金属材料等の材料の設計業務を支援する材料設計支援システム及び材料設計支援方法、並びにコンピュータに材料の設計業務を支援させるためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鋼材をはじめとする材料の設計業務においては、顧客から与えられた仕様(品質要求)を満足するように鋼種、寸法、加工精度及び製造手順等が決定される。このような材料の設計を支援するために、種々の設計支援方法が知られている。例えば、特許文献1には、製造条件からルールを用いて決まる設計知識を知識データベースに格納しておき、設計者が定めた製造条件等を知識データベースに与えたときに、知識データベースから関連知識を抽出し、設計者にガイダンスする鋼材の品質設計支援方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−264934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようにして設計結果が得られたとしても、製造上の制約を満たさなければ、設計結果にしたがって製品を製造することはできない。例えば、各製造設備には製品の許容寸法が定められており、設計において定められた寸法が許容寸法を越える場合にはその製造設備を使用することはできない。また、顧客によっては独自の検査基準を定めている場合があり、かかる場合には設計結果が検査基準に適合している必要がある。このため、設計結果が製造上の制約を満足するかどうかを検証することが必要であるが、この検証作業には熟練を要し、特に経験が浅い設計者には大きな負担となっている。上記の特許文献1に開示された方法にあっては、関連知識をガイダンスするが、設計結果の検証を行うことはできない。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、上記課題を解決することができる材料設計支援システム、材料設計支援方法、及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の材料設計支援システムは、材料の製造に関する複数の項目を含む設計結果の入力を受け付ける入力部と、設計結果に含まれる複数の項目間の関係を規定する関係データを記憶する記憶部と、前記関係データに基づいて、複数の項目間のルールを生成する生成手段と、入力された前記設計結果が前記ルールに適合するか否かを判定する判定手段と、前記設計結果が前記ルールに適合しないと判定された場合に、警告を出力する出力部と、を備える。
【0007】
この態様においては、前記記憶部が、前記関係データを項目毎のフィールドを有するテーブルで記憶していることが好ましい。
【0008】
また、上記態様においては、前記記憶部が、前記関係データを、第1の項目に関する条件を示す条件部テーブルと、前記条件部を満たす場合における第2の項目に関する結果を示す帰結部テーブルとで記憶しており、前記生成手段が、前記第1の項目に関する条件を満たす場合に、前記第2の項目に関する結果を得ることを示す前記ルールを生成するように構成されていることが好ましい。
【0009】
また、上記態様においては、前記条件部テーブルが、前記第1の項目に対応する値を指定するための第1テーブルと、前記第1の項目に関する条件が否定文であることを示す否定情報を格納するための第2テーブルとを具備し、前記生成手段が、前記第2テーブルに否定情報が格納されている場合に、前記第1の項目と前記第1テーブルにおいて指定されている値との関係を否定文として前記ルールを生成するように構成されていることが好ましい。
【0010】
また、上記態様においては、前記条件部テーブルが、項目に対応する数値範囲の下限を指定するための第3テーブルをさらに具備し、前記生成手段が、前記第3テーブルにおいて数値範囲の下限が指定されている場合に、入力された設計結果に含まれる当該項目についての数値が、前記下限によって規定される数値範囲に入ることを条件として含む前記ルールを生成するように構成されていることが好ましい。
【0011】
また、上記態様においては、前記条件部テーブルが、項目に対応する数値範囲の上限を指定するための第4テーブルをさらに具備し、前記生成手段が、前記第4テーブルにおいて数値範囲の上限が指定されている場合に、入力された設計結果に含まれる当該項目についての数値が、前記上限によって規定される数値範囲に入ることを条件として含む前記ルールを生成するように構成されていることが好ましい。
【0012】
また、上記態様においては、前記条件部テーブルが、前記第1の項目に対応する値を指定するための第1レコードと、前記第1の項目に関する条件が否定文であることを示す否定情報を指定するための第2レコードとを個別に登録可能であり、各レコードが前記第1の項目に対応する値を指定するためのレコードであることを示す第1特定情報及び前記否定情報を指定するためのレコードであることを示す第2特定情報の何れかを格納するための特定情報フィールドをさらに有し、前記生成手段が、前記特定情報フィールドに第2特定情報が格納されているレコードにおいて否定情報が格納されている場合に、前記第1の項目と前記特定情報フィールドに第1特定情報が格納されているレコードにおいて指定されている値との関係を否定文として前記ルールを生成するように構成されていることが好ましい。
【0013】
また、上記態様においては、前記条件部テーブルが、項目に対応する数値範囲の下限を指定するための第3レコードと、項目に対応する数値範囲の上限を指定するための第4レコードとをさらに登録可能であり、前記特定情報フィールドに、前記第1特定情報、前記第2特定情報、各レコードが数値範囲の下限を指定するためのレコードであることを示す第3特定情報及び数値範囲の上限を指定するためのレコードであることを示す第4特定情報の何れかを格納可能であり、前記生成手段が、前記特定情報フィールドに前記第3特定情報又は第4特定情報が格納されているレコードにおいて前記数値範囲の下限又は上限が格納されている場合に、入力された設計結果に含まれる当該項目についての数値が、前記下限又は上限によって規定される数値範囲に入ることを条件として含む前記ルールを生成するように構成されていることが好ましい。
【0014】
また、本発明の一の態様の材料設計支援方法は、材料の製造に関する複数の項目を含む設計結果の入力を受け付けるステップと、設計結果に含まれる複数の項目間の関係を規定する関係データに基づいて、複数の項目間のルールを生成するステップと、入力された前記設計結果が前記ルールに適合するか否かを判定するステップと、前記設計結果が前記ルールに適合しないと判定された場合に、警告を出力するステップと、を有する。
【0015】
また、本発明の一の態様のコンピュータプログラムは、入力部と、出力部と、設計結果に含まれる複数の項目間の関係を規定する関係データを記憶する記憶部とを備えるコンピュータに、材料の設計を支援させるためのコンピュータプログラムであって、前記入力部が、材料の製造に関する複数の項目を含む設計結果の入力を受け付けるステップと、前記記憶部から前記関係データを読み出し、複数の項目間のルールを生成するステップと、入力された前記設計結果が前記ルールに適合するか否かを判定するステップと、前記設計結果が前記ルールに適合しないと判定された場合に、前記出力部が警告を出力するステップと、を前記コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る材料設計支援システム、材料設計支援方法、及びコンピュータプログラムによれば、設計結果が製造上の制約を満たすか否かを検証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態1に係る鋼材設計支援システムの全体構成を示す模式図。
【図2】実施の形態1に係る鋼材設計支援システムが備えるサーバ装置の構成を示すブロック図。
【図3】鋼材設計支援システムに入力される設計結果の一例を示す模式図。
【図4】実施の形態1に係るチェックルールデータベースの構成を示す模式図。
【図5】実施の形態1に係る鋼材設計支援システムが備えるクライアント装置3構成を示すブロック図。
【図6A】実施の形態1に係る鋼材設計支援システムの設計結果検証処理の手順を示すフローチャート(前半)。
【図6B】実施の形態1に係る鋼材設計支援システムの設計結果検証処理の手順を示すフローチャート(後半)。
【図7】鋼材設計支援システムに入力される設計結果の他の例を示す模式図。
【図8】実施の形態2に係る鋼材設計支援システムの全体構成を示す模式図。
【図9】実施の形態2に係る鋼材設計支援システムが備えるサーバ装置の構成を示すブロック図。
【図10】実施の形態2に係るチェックルールデータベースの条件記憶部の構成を示す模式図。
【図11】実施の形態2に係るチェックルールデータベースの帰結記憶部の構成を示す模式図。
【図12A】実施の形態2に係る鋼材設計支援システムの設計結果検証処理の手順を示すフローチャート(前半)。
【図12B】実施の形態2に係る鋼材設計支援システムの設計結果検証処理の手順を示すフローチャート(後半)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0019】
(実施の形態1)
[鋼材設計支援システムの構成]
図1は、本実施の形態に係る鋼材設計支援システムの全体構成を示す模式図である。本鋼材設計支援システム1は、インターネット又はイントラネット等の情報ネットワークを使用したクライアントサーバシステムであり、サーバ装置2と、クライアント装置3とを備えている。サーバ装置2と、クライアント装置3との間は、情報ネットワーク5によりデータ通信可能に接続されている。
【0020】
<サーバ装置2の構成>
図2は、サーバ装置2の構成を示すブロック図である。サーバ装置2は、コンピュータ2aによって実現される。図2に示すように、コンピュータ2aは、本体21と、画像表示部22と、入力部23とを備えている。本体21は、CPU21a、ROM21b、RAM21c、ハードディスク21d、読出装置21e、入出力インタフェース21f、通信インタフェース21g、及び画像出力インタフェース21hを備えており、CPU21a、ROM21b、RAM21c、ハードディスク21d、読出装置21e、入出力インタフェース21f、通信インタフェース21g、及び画像出力インタフェース21hは、バス21jによって接続されている。
【0021】
CPU21aは、RAM21cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、鋼材設計支援システム1のサーバ用のコンピュータプログラム24aを当該CPU21aが実行することにより、コンピュータ2aがサーバ装置2として機能する。
【0022】
ROM21bは、マスクROM、PROM、EPROM、又はEEPROM等によって構成されており、CPU21aに実行されるコンピュータプログラム及びこれに用いるデータ等が記録されている。
【0023】
RAM21cは、SRAMまたはDRAM等によって構成されている。RAM21cは、ハードディスク21dに記録されているコンピュータプログラム24aの読み出しに用いられる。また、CPU21aがコンピュータプログラムを実行するときに、CPU21aの作業領域として利用される。
【0024】
ハードディスク21dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU21aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータがインストールされている。サーバ用のコンピュータプログラム24aも、このハードディスク21dにインストールされている。
【0025】
読出装置21eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体24に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体24には、コンピュータをサーバ装置2として機能させるためのコンピュータプログラム24aが格納されており、コンピュータ2aが当該可搬型記録媒体24からコンピュータプログラム24aを読み出し、当該コンピュータプログラム24aをハードディスク21dにインストールすることが可能である。
【0026】
なお、前記コンピュータプログラム24aは、可搬型記録媒体24によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ2aと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、前記コンピュータプログラム24aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ2aがアクセスして、当該コンピュータプログラムをダウンロードし、これをハードディスク21dにインストールすることも可能である。
【0027】
ハードディスク21dには、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施の形態に係るコンピュータプログラム24aは当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0028】
入出力インタフェース21fは、例えばUSB,IEEE1394,又はRS-232C等のシリアルインタフェース、SCSI,IDE,又は IEEE1284等のパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース21fには、キーボード及びマウスからなる入力部23が接続されており、ユーザが当該入力部23を使用することにより、コンピュータ2aにデータを入力することが可能である。
【0029】
通信インタフェース21gは、Ethernet(登録商標)インタフェースである。通信インタフェース21gはLANを介してクライアント装置3に接続されている。コンピュータ2aは、通信インタフェース21gにより、所定の通信プロトコルを使用して当該LANに接続されたクライアント装置3との間でデータの送受信が可能である。この通信インタフェース21gは、クライアント装置3から送信された情報を受信することにより、当該情報の入力を受け付けることができ、また、クライアント装置3へ情報を送信することにより、当該情報を出力することができる。
【0030】
画像出力インタフェース21hは、LCDまたはCRT等で構成された画像表示部22に接続されており、CPU21aから与えられた画像データに応じた映像信号を画像表示部22に出力するようになっている。画像表示部22は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
【0031】
サーバ装置2には、クライアント装置3から設計結果が与えられる。図3は、入力される設計結果の一例を示す模式図である。図3に示すように、設計結果には、製品手入、需要家(顧客)、鋼材の寸法、鋼材の矯正に用いられる矯正設備、曲がり規格値等の複数の項目が含まれており、各項目には対応する値が指定されている。図3の例では、製品手入に値“M”が、需要家に値“A1”が、寸法に値“40”が、曲がり規格値には値“2”(mm/M)がそれぞれ指定されている。また、本例においては、矯正設備の値が指定されていない。
【0032】
ハードディスク21dには、チェックルールデータベース100が設けられている。チェックルールデータベース100は、上述した設計結果が各項目間において製造上の制約を満たすか否かの検証に用いられるデータが格納されるリレーショナルデータベースであり、IF−THENルールの条件部の作成に用いられる条件記憶部101と、IF−THENルールの帰結部の作成に用いられる帰結記憶部102とを有している。条件記憶部101には、基本条件テーブル110と、否定条件テーブル120と、数値範囲下限テーブル130と、数値範囲上限テーブル140とが設けられており、帰結記憶部102には、基本条件テーブル150と、否定条件テーブル160と、数値範囲下限テーブル170と、数値範囲上限テーブル180とが設けられている。
【0033】
図4は、チェックルールデータベース100の構成を示す模式図である。図4に示すように、条件記憶部101に設けられた基本条件テーブル110、否定条件テーブル120、数値範囲下限テーブル130、及び数値範囲上限テーブル140には、上記の設計結果と同一の項目毎に、値を指定するためのフィールドが設けられている。つまり、テーブル110,120,130,140のそれぞれには、製品手入のフィールド112,122,132,142、需要家のフィールド113,123,133,143、寸法のフィールド114,124,134,144、矯正設備のフィールド115,125,135,145、及び曲がり規格値のフィールド116,126,136,146等の複数のフィールドが設けられている。即ち、テーブル110,120,130,140のそれぞれには、設計結果に含まれる全ての項目のそれぞれについて、1つずつ対応するフィールドが設けられている。
【0034】
また、これらのテーブル110,120,130,140のそれぞれには、ルールを特定するためのルールIDを指定するためのフィールド111,121,131,141が設けられている。ルールIDはルール毎に割り当てられる。テーブル110,120,130,140は、IF−THENルールの条件部(IF部)を作成するために用いられるテーブルである。例えば、「製品手入が“M”の場合」という条件部、つまり、条件式“if(製品手入=M)”を作成するためには、基本条件テーブル110において、製品手入のフィールド112に“M”が指定されたレコードが登録される。また、1つのルールにおいて、1項目に複数の値が指定される場合、これらの値は別々のレコードとしてテーブル110に登録される。また、各レコードには上記のルールIDのフィールド111に同一のルールIDが指定される。つまり、ルールIDが共通する複数のレコードは、1つのルールを作成するためのものである。例えば、基本条件テーブル110において、製品手入のフィールド112に“M”が指定されたレコードと、製品手入のフィールド112に“N”が指定されたレコードとが登録されており、両レコードのフィールド111に同一のルールID“1”が指定されている場合には、これらのレコードを用いてルールID“1”のルールの条件部が作成される。このとき、各レコードにより作成された式“製品手入=M”及び“製品手入=N”が、論理和(OR)により結合されて条件式が作成される。つまり、基本条件テーブル110に上記の2つのレコードが登録されている場合、「製品手入が“M”又は製品手入が“N”の場合」という条件部、つまり、条件式“if(製品手入=M)or(製品手入=N)”が生成される。
【0035】
また、基本条件テーブル110においては、ワイルドカードを用いた値の指定も可能である。例えば、需要家のフィールド113において文字“B”とワイルドカードの特殊文字“%”の組合せ“B%”が指定されている場合には、「需要家が“B”で始まる文字列の場合」という条件部、つまり、条件式“if(需要家 like B%)”が作成される。なお、ここでワイルドカード“%”は、0文字以上の任意の文字列を意味し、演算子“like”は、ワイルドカード“%”と組み合わせて用いられるあいまい検索の演算子であり、特定の文字列(1文字以上)と一致する部分がある文字列を検索するための演算子である。
【0036】
テーブル110,120,130,140において、同一レコードの複数のフィールドに値が指定されている場合、各値によって作成された複数の検索式が論理積(AND)により結合される。例えば、基本条件テーブル110において、製品手入のフィールド112に“M”が指定されており、需要家のフィールド113に“B%”が指定されている場合、各値により作成された式“製品手入=M”及び“需要家 like B%”が、AND結合されて条件式が作成される。つまり、この場合、「製品手入が“M”であり、且つ、需要家が“B”で始まる文字列の場合」という条件部、つまり、条件式“if(製品手入=M)and(需要家 like B%)”が生成される。
【0037】
基本条件テーブル110において指定された数値から否定の条件文を生成する場合には、否定条件テーブル120が用いられる。例えば、基本条件テーブル110において需要家のフィールド113に“B%”が指定されており、否定条件テーブル120において、同じく需要家のフィールド123に否定を示す特殊文字“!”が指定されている場合であって、両レコードのルールIDのフィールド111,121に同一のルールID“1”が指定されているとき、基本条件テーブル110により作成された式“需要家 like B%”から否定の条件式“需要家 not like B%”が生成される。
【0038】
例えば、基本条件テーブル110において、需要家のフィールド113に“B%”が指定されたレコードと、同じく需要家のフィールド113に“C%”が指定されたレコードとが登録されており、両レコードのフィールド111に同一のルールID“1”が指定されている場合には、上述したように各レコードにより作成された式“需要家 like B%”及び“需要家 like C%”がOR結合され、“if(需要家 like B%)or(需要家 like C%)”の条件式が作成される。この場合において、否定条件テーブル120に需要家のフィールド123に否定を示す特殊文字“!”が指定されており、しかも当該レコードのルールIDのフィールド121にルールID“1”が指定されているとき、if(需要家 like B%)or(需要家 like C%)から否定文が作成される。このとき、論理和“or”が論理積“and”に変換される。つまり、「需要家が“B”から始まる文字列ではなく、且つ、需要家が“C”から始まる文字列でもない場合」という条件部、つまり、条件式“if(需要家 not like B%)and(需要家 not like C%)”が生成される。
【0039】
項目に対応する数値範囲を上限又は下限で指定する場合には、数値範囲下限テーブル130又は数値範囲上限テーブル140が用いられる。例えば、数値範囲下限テーブル130において寸法のフィールド134に“100”が指定される場合には、条件式“if(寸法≧100)”が生成される。この場合において、数値範囲上限テーブル140の曲がり規格値のフィールド136に“5”が指定されており、しかもこれらのレコードにおけるルールIDのフィールド131,141の両方に同一のルールID“1”が指定されているときには、各値により作成された式“寸法≧100”及び“曲がり規格値<5”が、AND結合されて条件式が作成される。つまり、この場合、「寸法が“100”以上であり、且つ、曲がり規格値が“5”未満の場合」という条件部、つまり、条件式“if(寸法≧100)and(曲がり規格値<5)”が生成される。基本条件テーブル110及び否定条件テーブル120においても同一のルールIDを有するレコードが登録されている場合には、これらから作成された式と上記の数値範囲下限テーブル130又は数値範囲上限テーブル140から作成された式とがAND結合されて条件式が作成される。
【0040】
図4に示すように、帰結記憶部102に設けられた基本条件テーブル150、否定条件テーブル160、数値範囲下限テーブル170、及び数値範囲上限テーブル180には、上記の条件記憶部101におけるテーブル110,120,130,140と同様に、与えられる設計結果と同一の項目毎に、値を指定するためのフィールドが設けられている。つまり、テーブル150,160,170,180のそれぞれには、製品手入のフィールド152,162,172,182、需要家のフィールド153,163,173,183、寸法のフィールド154,164,174,184、矯正設備のフィールド155,165,175,185、及び曲がり規格値のフィールド156,166,176,186等の複数のフィールドが設けられている。即ち、テーブル150,160,170,180のそれぞれには、設計結果に含まれる全ての項目のそれぞれについて、1つずつ対応するフィールドが設けられている。かかるテーブル150,160,170,180に登録されたデータからは、上記のテーブル110,120,130,140と同様にして式(帰結部)が生成される。
【0041】
また、これらのテーブル150,160,170,180のそれぞれには、ルールを特定するためのルールIDを指定するためのフィールド151,161,171,181が設けられている。1つのIF−THENルールの条件部と帰結部とには何れも同一のルールIDが割り当てられる。即ち、条件記憶部101のテーブル110,120,130,140において指定されたルールIDと同一のルールIDが指定されたテーブル150,160,170,180のレコードは、テーブル110,120,130,140において当該ルールIDを含むレコードから生成された条件部に対応する帰結部を生成するために用いられるものであり、生成された条件部と帰結部とによって1つのIF−THENルールが作成される。
【0042】
例えば、条件記憶部101のテーブル110,120,130,140からルールID“1”の条件式“if(需要家 not like B%)and(需要家 not like C%)”が生成され、帰結記憶部102のテーブル150,160,170,180からルールID“1”の帰結式“then(矯正設備!=“ ”)”が生成された場合、これらの2つの式が組み合わされて、1つのIF−THENルール“if(需要家 not like B%)and(需要家 not like C%),then(矯正設備!=“ ”)”が生成される。
【0043】
<クライアント装置3の構成>
図5は、本実施の形態に係るクライアント装置3の構成を示すブロック図である。クライアント装置3は、コンピュータ3aによって実現される。図5に示すように、コンピュータ3aは、本体31と、画像表示部32と、入力部33とを備えている。本体31は、CPU31a、ROM31b、RAM31c、ハードディスク31d、読出装置31e、入出力インタフェース31f、通信インタフェース31g、及び画像出力インタフェース31hを備えており、CPU31a、ROM31b、RAM31c、ハードディスク31d、読出装置31e、入出力インタフェース31f、通信インタフェース31g、及び画像出力インタフェース31hは、バス31jによって接続されている。
【0044】
ハードディスク31dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU31aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータがインストールされている。クライアント用のコンピュータプログラム34aも、このハードディスク31dにインストールされている。
【0045】
読出装置31eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体34に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体34には、コンピュータをクライアント装置3として機能させるためのコンピュータプログラム34aが格納されており、コンピュータ3aが当該可搬型記録媒体34からコンピュータプログラム34aを読み出し、当該コンピュータプログラム34aをハードディスク31dにインストールすることが可能である。
【0046】
なお、前記コンピュータプログラム34aは、可搬型記録媒体34によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ3aと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、前記コンピュータプログラム34aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ3aがアクセスして、当該コンピュータプログラムをダウンロードし、これをハードディスク31dにインストールすることも可能である。
【0047】
また、ハードディスク31dには、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施の形態に係るコンピュータプログラム34aは当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0048】
なお、クライアント装置3のその他の構成は、上述したサーバ装置2の構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0049】
[鋼材設計支援システムの動作]
以下、本実施の形態に係る鋼材設計支援システム1の動作について説明する。
【0050】
鋼材の設計業務を開始するとき、需要家(顧客)からの鋼材の要求仕様が与えられる。設計者は、要求仕様を満たす設計を行う。設計者は、こうして得られた設計結果を鋼材設計支援システム1に入力し、以下のような動作を実行させることにより、設計結果が製造上の制約を満たすか否かをチェックさせる。
【0051】
図6A及び図6Bは、本実施の形態に係る鋼材設計支援システム1の設計結果検証処理の手順を示すフローチャートである。設計者は、クライアント装置3の入力部33を操作して、設計結果をクライアント装置3に入力する。クライアント装置3のCPU31aは、設計結果の入力を受け付け(ステップS101)、当該設計結果のデータをサーバ装置2へ送信する(ステップS102)。
【0052】
サーバ装置2のCPU21aは、設計結果データを受信すると、IF−THENルールを生成するために、最初のルールID“1”を選択する(ステップS103)。
【0053】
次に、CPU21aは、条件記憶部101の基本条件テーブル110から選択したルールIDのレコードを読み出し、条件部を生成する(ステップS104)。さらにCPU21aは、条件記憶部101の否定条件テーブル120から選択したルールIDのレコードを読み出し、ステップS104で生成した条件部を修正する(ステップS105)。この処理では、否定条件テーブル120において否定を示す特殊文字“!”によって否定文の作成が指定されていれば、ステップS104において生成された条件部から否定の条件部が作成される。否定条件テーブル120において否定文の作成が指定されていなければ、条件部の修正は行われない。
【0054】
次にCPU21aは、条件記憶部101の数値範囲下限テーブル130及び数値範囲上限テーブル140から選択したルールIDのレコードを読み出し、数値範囲の条件式を作成し、上記のステップS104,S105で作成した条件部に当該数値範囲の条件式を追加する(ステップS106)。
【0055】
CPU21aは、ステップS104〜S106において生成した条件式に、入力された設計結果が適合するか否かを判定する(ステップS107)。ステップS107において、設計結果が条件式に適合しない場合(ステップS107においてNO)、CPU21aは後述するステップS113へ処理を移す。
【0056】
一方、ステップS107において、設計結果が条件式に適合する場合(ステップS107においてYES)、CPU21aは、帰結記憶部102の基本条件テーブル150から選択したルールIDのレコードを読み出し、IF−THENルールのTHEN部、即ち帰結部の条件式を生成する(ステップS108)。さらにCPU21aは、帰結記憶部102の否定条件テーブル160から選択したルールIDのレコードを読み出し、ステップS108で生成した帰結部を修正する(ステップS109)。この処理では、否定条件テーブル160において否定を示す特殊文字“!”によって否定文の作成が指定されていれば、ステップS108において生成された帰結部から否定の帰結部が作成される。否定条件テーブル160において否定文の作成が指定されていなければ、帰結部の修正は行われない。
【0057】
次にCPU21aは、帰結記憶部102の数値範囲下限テーブル170及び数値範囲上限テーブル180から選択したルールIDのレコードを読み出し、数値範囲の条件式を作成し、上記のステップS108,S109で作成した帰結部に当該数値範囲の条件式を追加する(ステップS110)。
【0058】
CPU21aは、ステップS108〜S110において生成した条件式に、入力された設計結果が適合するか否かを判定する(ステップS111)。ステップS111において、設計結果が条件式に適合しない場合(ステップS111においてNO)、CPU21aは、条件式のうち設計結果と適合しなかった箇所をRAM21cに記憶し(ステップS112)、ステップS113へ処理を移す。
【0059】
ステップS113において、CPU21aは、チェックルールデータベース100に登録されている全てのルールIDを既に選択したか否かを判定する(ステップS113)。ステップS113において選択していないルールIDが存在する場合には(ステップS113においてNO)、CPU21aは、次のルールIDを選択し(ステップS114)、当該ルールIDについてステップS104以降の処理を実行する。
【0060】
一方、ステップS113において、全てのルールIDが既に選択されている場合には(ステップS113においてYES)、CPU21aは、設計結果の検証結果を示す検証結果データをクライアント装置3へ送信し(ステップS115)、処理を終了する。上記の処理により生成されたIF−THENルールの帰結部の条件式に設計結果が適合しなかった箇所が存在する場合には、検証結果データには、RAM21cに記憶した帰結部の箇所の全てが含まれる。また、設計結果が帰結部の条件式の全てに適合していた場合には、検証結果データには、設計結果が製造上の制約を全て満たしている旨を示すデータが含まれる。
【0061】
クライアント装置3のCPU31aは、検証結果データを受信すると、検証結果を画像表示部32に表示し(ステップS116)、処理を終了する。IF−THENルールの帰結部の条件式に設計結果が適合しなかった箇所が存在する場合には、検証結果表示画面には、設計結果が適合しなかった箇所の全てが表示される。また、設計結果が帰結部の条件式の全てに適合していた場合には、検証結果表示画面には、設計結果が製造上の制約を全て満たしている旨を示すメッセージが表示される。
【0062】
<動作例1>
以下に、チェックルールデータベース100に図4に示すデータが登録されている鋼材設計支援システム1に図3に示す設計結果が入力された場合における鋼材設計支援システム1の動作例を具体的に説明する。まず、クライアント装置2に図3に示す設計結果が入力され(ステップS101)、この設計結果がサーバ装置4へ送信される(ステップS102)。サーバ装置2のCPU21aは、最初のルールID“1”を選択し(ステップS103)、条件記憶部101の基本条件テーブル110からルールID“1”のレコードを読み出し、条件部を生成する(ステップS104)。これにより、“if(製品手入=M or 製品手入=N or 製品手入=O or 製品手入=P)and(需要家 like B% or 需要家 like C% or 需要家 like D% or 需要家 like E%)”の条件式が生成される。
【0063】
次に、CPU21aは、条件記憶部101の否定条件テーブル120からルールID“1”のレコードを読み出し、生成した条件部を修正する(ステップS105)。これにより、上記の条件式が“if(製品手入=M or 製品手入=N or 製品手入=O or 製品手入=P)and(需要家 not like B% and 需要家 not like C% and 需要家 not like D% and 需要家 not like E%)”へ修正される。
【0064】
次にCPU21aは、条件記憶部101の数値範囲下限テーブル130及び数値範囲上限テーブル140からルールID“1”のレコードを読み出し、数値範囲の条件式を作成し、これを上記の条件式に追加する(ステップS106)。これにより、条件式が“if(製品手入=M or 製品手入=N or 製品手入=O or 製品手入=P)and(需要家 not like B% and 需要家 not like C% and 需要家 not like D% and 需要家 not like E%)and 寸法≧100 and 曲がり規格値<5”へ修正される。
【0065】
CPU21aは、生成した条件式に、入力された設計結果が適合するか否かを判定する(ステップS107)。図3に示す設計結果では寸法が40であり、“寸法 ≧ 100”の条件式を満たしていないので、条件式に設計結果が適合しないことになる。
【0066】
CPU21aは、次のルールID“2”を選択し(ステップS113,S114)、条件記憶部101の基本条件テーブル110からルールID“2”のレコードを読み出し、条件部を生成する(ステップS104)。これにより、“if(製品手入=“ ” and 需要家=A1)”の条件式が生成される。
【0067】
次に、CPU21aは、条件記憶部101の否定条件テーブル120からルールID“2”のレコードを読み出し、生成した条件部を修正する(ステップS105)。これにより、上記の条件式が“if(製品手入!=“ ” and 需要家=A1)”へ修正される。
【0068】
次にCPU21aは、条件記憶部101の数値範囲下限テーブル130及び数値範囲上限テーブル140からルールID“2”のレコードを読み出し、数値範囲の条件式を作成し、これを上記の条件式に追加する(ステップS106)。これにより、条件式が“if(製品手入!=“ ” and 需要家=A1 and 寸法<100)”へ修正される。
【0069】
CPU21aは、生成した条件式に、入力された設計結果が適合するか否かを判定する(ステップS107)。図3に示す設計結果は、上記のルールID“2”の条件式を全て満たしている。そこでCPU21aは、帰結記憶部102の基本条件テーブル150からルールID“2”のレコードを読み出し、帰結部の条件式を生成する(ステップS108)。これにより、“then(矯正設備=“ ”)”の条件式が生成される。
【0070】
次にCPU21aは、帰結記憶部102の否定条件テーブル160からルールID“2”のレコードを読み出し、帰結部を修正する(ステップS109)。これにより、上記の条件式が“then(矯正設備!=“ ”)”へ修正される。
【0071】
次にCPU21aは、帰結記憶部102の数値範囲下限テーブル170及び数値範囲上限テーブル180からルールID“2”のレコードを読み出し、数値範囲の条件式を作成し、これを上記の条件式に追加する(ステップS110)。これにより、条件式が“then(矯正設備!=“ ” and 曲がり規格値<4)”へ修正される。
【0072】
CPU21aは、生成した帰結部の条件式に、入力された設計結果が適合するか否かを判定する(ステップS111)。図3に示す設計結果は、上記のルールID“2”の帰結部の条件式の“曲がり規格値<4)”の箇所においては適合しているが、“矯正設備!=“ ”の箇所は適合していない。よってCPU21aは、条件式のうち設計結果と適合しなかった箇所“矯正設備!=“ ””をRAM21cに記憶する(ステップS112)。
【0073】
この時点で、チェックルールデータベース100に登録されている全てのルールIDが既に選択されているので(ステップS113においてYES)、CPU21aは、条件式のうち設計結果と適合しなかった箇所“矯正設備!=“ ””を示す検証結果データをクライアント装置3へ送信し(ステップS115)、処理を終了する。
【0074】
クライアント装置3のCPU31aは、検証結果データを受信すると、検証結果を画像表示部32に表示する(ステップS116)。これにより、画像表示部に“矯正設備!=“ ”を入力してください”という警告メッセージを含む検証結果表示画面が表示される。ここで、“矯正設備!=“ ””は、「矯正設備の項目にデータを入力する必要がある」ことを意味している。したがって、設計者は、かかる検証結果表示画面を確認することで、設計結果において矯正設備が指定されていないという不備があることを認識することができる。
【0075】
<動作例2>
次に、チェックルールデータベース100に図4に示すデータが登録されている鋼材設計支援システム1に図7に示す設計結果が入力された場合における鋼材設計支援システム1の動作例を具体的に説明する。図7は、入力される設計結果の他の例を示す模式図である。
【0076】
まず、クライアント装置2に図7に示す設計結果が入力され(ステップS101)、この設計結果がサーバ装置4へ送信される(ステップS102)。サーバ装置2のCPU21aは、最初のルールID“1”を選択し(ステップS103)、ルールID“1”の条件部を生成する(ステップS104〜S106)。これにより、動作例1と同様に、“if(製品手入=M or 製品手入=N or 製品手入=O or 製品手入=P)and(需要家 not like B% and 需要家 not like C% and 需要家 not like D% and 需要家 not like E%)and 寸法≧100 and 曲がり規格値<5”の条件式が生成される。
【0077】
CPU21aは、生成した条件式に、入力された設計結果が適合するか否かを判定する(ステップS107)。図7に示す設計結果は、上記のルールID“1”の条件式を全て満たしている。そこでCPU21aは、帰結記憶部102の基本条件テーブル150からルールID“1”のレコードを読み出し、帰結部の条件式を生成する(ステップS108)。これにより、“then(矯正設備=R or 矯正設備=Q)”の条件式が生成される。
【0078】
次にCPU21aは、帰結記憶部102の否定条件テーブル160からルールID“1”のレコードを検索する。ここで、否定条件テーブル160にはルールID“1”のレコードは存在しない。したがって、ここでは帰結部の修正は行われない(ステップS109)。
【0079】
次にCPU21aは、帰結記憶部102の数値範囲下限テーブル170及び数値範囲上限テーブル180からルールID“1”のレコードを検索する。ここで、数値範囲下限テーブル170及び数値範囲上限テーブル180にはルールID“1”のレコードが存在しない。したがって、ここでも帰結部の修正は行われない(ステップS110)。
【0080】
CPU21aは、生成した帰結部の条件式に、入力された設計結果が適合するか否かを判定する(ステップS111)。図7に示す設計結果は、上記のルールID“1”の帰結部の条件式の全ての箇所に適合していない。よってCPU21aは、条件式のうち設計結果と適合しなかった箇所“矯正設備=R or 矯正設備=Q”をRAM21cに記憶する(ステップS112)。
【0081】
CPU21aは、次のルールID“2”を選択し(ステップS113,S114)、ルールID“2”の条件部を生成する(ステップS104〜S106)。これにより、動作例1と同様に、“if(製品手入!=“ ” and 需要家=A1 and 寸法<100)”の条件式が生成される。
【0082】
CPU21aは、生成した条件式に、入力された設計結果が適合するか否かを判定する(ステップS107)。図7に示す設計結果では需要家が“A2”であり、“需要家=A1”の条件式を満たしていないので、条件式に設計結果が適合しないことになる。
【0083】
この時点で、チェックルールデータベース100に登録されている全てのルールIDが既に選択されているので(ステップS113においてYES)、CPU21aは、条件式のうち設計結果と適合しなかった箇所“矯正設備=R or 矯正設備=Q”を示す検証結果データをクライアント装置3へ送信し(ステップS115)、処理を終了する。
【0084】
クライアント装置3のCPU31aは、検証結果データを受信すると、検証結果を画像表示部32に表示する(ステップS116)。これにより、画像表示部に““矯正設備=R or 矯正設備=Q”を入力してください”という警告メッセージを含む検証結果表示画面が表示される。ここで、“矯正設備=R or 矯正設備=Q”は、「矯正設備の項目が“R”又は“Q”である必要がある」ことを意味している。したがって、設計者は、かかる検証結果表示画面を確認することで、設計結果において矯正設備に“R”又は“Q”が指定されていないという不備があることを認識することができる。
【0085】
(実施の形態2)
[鋼材設計支援システムの構成]
図8は、本実施の形態に係る鋼材設計支援システムの全体構成を示す模式図である。本鋼材設計支援システム10は、インターネット又はイントラネット等の情報ネットワークを使用したクライアントサーバシステムであり、サーバ装置4と、クライアント装置3とを備えている。サーバ装置4と、クライアント装置3との間は、情報ネットワーク5によりデータ通信可能に接続されている。
【0086】
<サーバ装置4の構成>
図9は、サーバ装置4の構成を示すブロック図である。サーバ装置4は、コンピュータ4aによって実現される。図9に示すように、コンピュータ4aは、本体41と、画像表示部42と、入力部43とを備えている。本体41は、CPU41a、ROM41b、RAM41c、ハードディスク41d、読出装置41e、入出力インタフェース41f、通信インタフェース41g、及び画像出力インタフェース41hを備えており、CPU41a、ROM41b、RAM41c、ハードディスク41d、読出装置41e、入出力インタフェース41f、通信インタフェース41g、及び画像出力インタフェース41hは、バス41jによって接続されている。
【0087】
ハードディスク41dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU41aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータがインストールされている。サーバ用のコンピュータプログラム44aも、このハードディスク41dにインストールされている。
【0088】
読出装置41eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体44に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体44には、コンピュータをサーバ装置2として機能させるためのコンピュータプログラム44aが格納されており、コンピュータ2aが当該可搬型記録媒体44からコンピュータプログラム44aを読み出し、当該コンピュータプログラム44aをハードディスク41dにインストールすることが可能である。
【0089】
ハードディスク41dには、チェックルールデータベース200が設けられている。チェックルールデータベース200は、上述した設計結果が各項目間において製造上の制約を満たすか否かの検証に用いられるデータが格納されるリレーショナルデータベースであり、IF−THENルールの条件部の作成に用いられる条件記憶部201と、IF−THENルールの帰結部の作成に用いられる帰結記憶部202とを有している。
【0090】
図10及び図11は、チェックルールデータベース200の構成を示す模式図であり、図10は、条件記憶部201の構成を示し、図11は、帰結記憶部202の構成を示している。図10及び図11に示すように、条件記憶部201及び帰結記憶部202のそれぞれは、テーブル型のデータベースであり、上記の設計結果と同一の項目毎に、値を指定するためのフィールドが設けられている。つまり、条件記憶部201には、製品手入のフィールド213、需要家のフィールド214、寸法のフィールド215、矯正設備のフィールド216、及び曲がり規格値のフィールド217等の複数のフィールドが設けられており、帰結記憶部202には、製品手入のフィールド223、需要家のフィールド224、寸法のフィールド225、矯正設備のフィールド226、及び曲がり規格値のフィールド227等の複数のフィールドが設けられている。即ち、条件記憶部201及び帰結記憶部202のそれぞれには、設計結果に含まれる全ての項目のそれぞれについて、1つずつ対応するフィールドが設けられている。
【0091】
また、条件記憶部201及び帰結記憶部202のそれぞれには、ルールを特定するためのルールIDを指定するためのフィールド211,221と、各レコードが基本の条件式、否定の条件式、数値範囲下限値の条件式、及び数値範囲上限値の条件式の何れであるかを特定するための条件区分を指定するためのフィールド212,222とが設けられている。基本の条件式の作成に用いられるレコードにおいては、フィールド212,222に条件区分“1”が格納される。また、否定の条件式の作成に用いられるレコードにおいては、フィールド212,222に条件区分“2”が、数値範囲の下限値の条件式の作成に用いられるレコードにおいては、フィールド212,222に条件区分“3”が、数値範囲の上限値の条件式の作成に用いられるレコードにおいては、フィールド212,222に条件区分“4”が格納される。
【0092】
例えば、条件記憶部201において、条件区分のフィールド212に“1”が、製品手入のフィールド112に“M”が指定されたレコードが登録されている場合、条件式“if(製品手入=M)”が作成される。
【0093】
また、例えば、条件記憶部201において、条件区分のフィールド212に“1”が指定され、製品手入のフィールド213に“M”が指定されたレコードと、条件区分のフィールド212に“2”が指定され、製品手入のフィールド112に“!”が指定されたレコードとが登録されており、両レコードのフィールド211に同一のルールID“1”が指定されている場合には、これらのレコードを用いてルールID“1”のルールの条件部“if(製品手入!=M)”が作成される。
【0094】
項目に対応する数値範囲を上限又は下限で指定する場合には、数値範囲下限の条件区分“3”又は数値範囲上限の条件区分“4”がフィールド212,222に格納されたレコードが用いられる。例えば、条件記憶部201において、条件区分のフィールド212に条件区分“3”が指定され、寸法のフィールド215に“100”が指定される場合には、条件式“if(寸法≧100)”が生成される。この場合において、条件記憶部201の他のレコードにおいて、条件区分のフィールド212に条件区分“4”が指定され、曲がり規格値のフィールド136に“5”が指定されており、しかもこれらのレコードにおけるルールIDのフィールド211に同一のルールID“1”が指定されているときには、各値により作成された式“寸法≧100”及び“曲がり規格値<5”が、AND結合されて条件式が作成される。つまり、この場合、「寸法が“100”以上であり、且つ、曲がり規格値が“5”未満の場合」という条件部、つまり、条件式“if(寸法≧100)and(曲がり規格値<5)”が生成される。
【0095】
なお、本実施の形態においては、基本の条件式、否定の条件式、数値範囲下限値の条件式、及び数値範囲上限値の条件式の何れの作成に用いられるデータであるかがフィールド212,222に格納される条件区分によって特定される他は、実施の形態1と同様の手順により条件式が作成されるので、他の条件式の作成手順については説明を省略する。
【0096】
また、本実施の形態に係る鋼材設計支援システム10のその他の構成は、実施の形態1に係る鋼材設計支援システム1の構成と同様であるので、同一構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0097】
[鋼材設計支援システムの動作]
以下、本実施の形態に係る鋼材設計支援システム1の動作について説明する。
【0098】
鋼材の設計業務を開始するとき、需要家(顧客)からの鋼材の要求仕様が与えられる。設計者は、要求仕様を満たす設計を行う。設計者は、こうして得られた設計結果を鋼材設計支援システム10に入力し、以下のような動作を実行させることにより、設計結果が製造上の制約を満たすか否かをチェックさせる。
【0099】
図12A及び図12Bは、本実施の形態に係る鋼材設計支援システム10の設計結果検証処理の手順を示すフローチャートである。設計者は、クライアント装置3の入力部33を操作して、設計結果をクライアント装置3に入力する。クライアント装置3のCPU31aは、設計結果の入力を受け付け(ステップS201)、当該設計結果のデータをサーバ装置4へ送信する(ステップS202)。
【0100】
サーバ装置2のCPU41aは、設計結果データを受信すると、IF−THENルールを生成するために、最初のルールID“1”を選択する(ステップS203)。
【0101】
次に、CPU41aは、条件記憶部201から選択したルールID及び条件区分“1”を含むレコードを読み出し、条件部を生成する(ステップS204)。さらにCPU41aは、条件記憶部201から選択したルールID及び条件区分“2”を含むレコードを読み出し、ステップS204で生成した条件部を修正する(ステップS205)。この処理では、条件記憶部201に条件区分“2”を含むレコードが存在する場合には、ステップS204において生成された条件部から否定の条件部が作成される。一方、条件記憶部201に条件区分“2”を含むレコードが存在しない場合には、条件部の修正は行われない。
【0102】
次にCPU41aは、条件記憶部201から選択したルールID及び条件区分“3”又は“4”を含むレコードを読み出し、数値範囲の条件式を作成し、上記のステップS204,S205で作成した条件部に当該数値範囲の条件式を追加する(ステップS206)。
【0103】
CPU41aは、ステップS204〜S206において生成した条件式に、入力された設計結果が適合するか否かを判定する(ステップS207)。ステップS207において、設計結果が条件式に適合しない場合(ステップS207においてNO)、CPU41aはステップS213へ処理を移す。
【0104】
一方、ステップS207において、設計結果が条件式に適合する場合(ステップS207においてYES)、CPU41aは、帰結記憶部202から選択したルールID及び条件区分“1”を含むレコードを読み出し、IF−THENルールのTHEN部、即ち帰結部の条件式を生成する(ステップS208)。さらにCPU41aは、帰結記憶部202から選択したルールID及び条件区分“2”を含むレコードを読み出し、ステップS208で生成した帰結部を修正する(ステップS209)。この処理では、条件記憶部201に条件区分“2”を含むレコードが存在する場合には、ステップS208において生成された帰結部から否定の帰結部が作成される。一方、条件記憶部201に条件区分“2”を含むレコードが存在しない場合には、帰結部の修正は行われない。
【0105】
次にCPU41aは、帰結記憶部202から選択したルールID及び条件区分“3”又は“4”を含むレコードを読み出し、数値範囲の条件式を作成し、上記のステップS208,S209で作成した帰結部に当該数値範囲の条件式を追加する(ステップS210)。
【0106】
なお、ステップS211〜S216の処理については、実施の形態1で説明したステップS111〜S116と同様であるので、説明を省略する。
【0107】
上記の如く構成することにより、実施の形態1及び2に係る鋼材設計支援システム1,10にあっては、鋼材の寸法により定まる製造設備の制約、鋼種毎に定められる加工精度の制約、顧客によって定められる検査基準等を設計結果が満たしているか否かを検証することができ、設計者に検証結果を提示することができる。このため、設計者は設計結果が制約を満たしているか否かを容易に知ることができる。また、設計結果がルールに適合していない箇所が出力されるので、設計者は設計結果のどの箇所を修正すべきであるのかを容易に知ることができ、設計結果を修正する等の必要な対応を迅速に取ることができる。さらに、設計結果がルールに適合していない場合、検証結果表示画面には、どの設計項目にどのようなデータを入力すべきかが示されるため、設計者はどのような対応を取ればよいかを容易に知ることができる。
【0108】
実施の形態1及び2に係る鋼材設計支援システム1,10においては、チェックルールデータベース100,200にIF−THENルールを作成するためのデータが格納されているため、ルールを新たに追加したり、不要なルールを削除することにより、ルールの更新を容易に行うことが可能である。また、入力データである設計結果に含まれる全ての項目のそれぞれに対応するフィールドがチェックルールデータベース100,200に設けられているので、設計結果のフォーマットが変更され、項目の追加又は削除等の変更があった場合であっても、サーバ装置2,4のコンピュータプログラム24a,44aを変更する必要はなく、対応するフィールドを追加又は削除するようチェックルールデータベース100,200を変更すればよいため、変更にかかる工数を抑制することができる。
【0109】
(その他の実施の形態)
なお、上述した実施の形態1,2においては、チェックルールデータベース100,200において、条件記憶部101,201及び帰結記憶部102,202を個別に設ける構成について述べたが、これに限定されるものではない。1つのテーブル型のチェックルールデータベースに、条件部の作成に用いられるレコードであか、帰結部の作成に用いられるレコードであるかを特定する情報を格納するためのフィールドを設け、このフィールドに格納されている情報を用いることにより、条件部の作成又は帰結部の作成において必要なデータを取得する構成としてもよい。
【0110】
また、上述した実施の形態1,2においては、入力される設計結果の全項目のそれぞれに対応する複数のフィールドをチェックルールデータベース100,200に設ける構成について述べたが、これに限定されるものではない。例えば、設計結果に含まれる項目毎に、どの項目であるかを識別する識別情報を割り当て、チェックルールデータベース100,200に、この識別情報を格納するフィールドと、その項目の値を格納するフィールドとを設ける構成としてもよい。
【0111】
また、上述した実施の形態1,2においては、鋼材の設計を支援する鋼材設計支援システム1,10について述べたが、これに限定されるものではない。鋼材以外の材料、例えば非金属材料の設計を支援するためのシステムであってもよい。
【0112】
また、上述した実施の形態1,2においては、鋼材設計支援システム1,10が、サーバ装置2,4、及びクライアント装置3、によって構成されている場合について述べたが、これに限定されるものではない。サーバ装置2又は4、及びクライアント装置3の機能の全てを1台の装置に搭載した鋼材設計支援システムとしてもよい。
【0113】
また、上述した実施の形態1,2においては、単一のコンピュータ2a,4aによりコンピュータプログラム24a,44aの全ての処理を実行する構成について述べたが、これに限定されるものではなく、上述したコンピュータプログラム24a又は44aと同様の処理を、複数の装置(コンピュータ)により分散して実行する分散システムとすることも可能である。コンピュータ3aについても同様である。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明の材料設計支援システム、材料設計支援方法、及びコンピュータプログラムは、鋼材及び非鉄金属材料等の材料の設計業務を支援する材料設計支援システム及び材料設計支援方法、並びにコンピュータに材料の設計業務を支援させるためのコンピュータプログラムとして有用である。
【符号の説明】
【0115】
1 鋼材設計支援システム
2,4 サーバ装置
2a,4a コンピュータ
21a,41a CPU
21b,41b ROM
21c,41c RAM
21d,41d ハードディスク
21g,41g 通信インタフェース
24a,44a コンピュータプログラム
3 クライアント装置
3a コンピュータ
31a CPU
31b ROM
31c RAM
31d ハードディスク
32 画像出力部
33 入力部
34a コンピュータプログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料の製造に関する複数の項目を含む設計結果の入力を受け付ける入力部と、
設計結果に含まれる複数の項目間の関係を規定する関係データを記憶する記憶部と、
前記関係データに基づいて、複数の項目間のルールを生成する生成手段と、
入力された前記設計結果が前記ルールに適合するか否かを判定する判定手段と、
前記設計結果が前記ルールに適合しないと判定された場合に、警告を出力する出力部と、
を備える、材料設計支援システム。
【請求項2】
前記記憶部は、前記関係データを項目毎のフィールドを有するテーブルで記憶している、
請求項1に記載の材料設計支援システム。
【請求項3】
前記記憶部は、前記関係データを、第1の項目に関する条件を示す条件部テーブルと、前記条件部を満たす場合における第2の項目に関する結果を示す帰結部テーブルとで記憶しており、
前記生成手段は、前記第1の項目に関する条件を満たす場合に、前記第2の項目に関する結果を得ることを示す前記ルールを生成するように構成されている、
請求項1又は2に記載の材料設計支援システム。
【請求項4】
前記条件部テーブルは、前記第1の項目に対応する値を指定するための第1テーブルと、前記第1の項目に関する条件が否定文であることを示す否定情報を格納するための第2テーブルとを具備し、
前記生成手段は、前記第2テーブルに否定情報が格納されている場合に、前記第1の項目と前記第1テーブルにおいて指定されている値との関係を否定文として前記ルールを生成するように構成されている、
請求項3に記載の材料設計支援システム。
【請求項5】
前記条件部テーブルは、項目に対応する数値範囲の下限を指定するための第3テーブルをさらに具備し、
前記生成手段は、前記第3テーブルにおいて数値範囲の下限が指定されている場合に、入力された設計結果に含まれる当該項目についての数値が、前記下限によって規定される数値範囲に入ることを条件として含む前記ルールを生成するように構成されている、
請求項4に記載の材料設計支援システム。
【請求項6】
前記条件部テーブルは、項目に対応する数値範囲の上限を指定するための第4テーブルをさらに具備し、
前記生成手段は、前記第4テーブルにおいて数値範囲の上限が指定されている場合に、入力された設計結果に含まれる当該項目についての数値が、前記上限によって規定される数値範囲に入ることを条件として含む前記ルールを生成するように構成されている、
請求項4又は5に記載の材料設計支援システム。
【請求項7】
前記条件部テーブルは、前記第1の項目に対応する値を指定するための第1レコードと、前記第1の項目に関する条件が否定文であることを示す否定情報を指定するための第2レコードとを個別に登録可能であり、各レコードが前記第1の項目に対応する値を指定するためのレコードであることを示す第1特定情報及び前記否定情報を指定するためのレコードであることを示す第2特定情報の何れかを格納するための特定情報フィールドをさらに有し、
前記生成手段は、前記特定情報フィールドに第2特定情報が格納されているレコードにおいて否定情報が格納されている場合に、前記第1の項目と前記特定情報フィールドに第1特定情報が格納されているレコードにおいて指定されている値との関係を否定文として前記ルールを生成するように構成されている、
請求項3に記載の材料設計支援システム。
【請求項8】
前記条件部テーブルは、項目に対応する数値範囲の下限を指定するための第3レコードと、項目に対応する数値範囲の上限を指定するための第4レコードとをさらに登録可能であり、前記特定情報フィールドに、前記第1特定情報、前記第2特定情報、各レコードが数値範囲の下限を指定するためのレコードであることを示す第3特定情報及び数値範囲の上限を指定するためのレコードであることを示す第4特定情報の何れかを格納可能であり、
前記生成手段は、前記特定情報フィールドに前記第3特定情報又は第4特定情報が格納されているレコードにおいて前記数値範囲の下限又は上限が格納されている場合に、入力された設計結果に含まれる当該項目についての数値が、前記下限又は上限によって規定される数値範囲に入ることを条件として含む前記ルールを生成するように構成されている、
請求項7に記載の材料設計支援システム。
【請求項9】
材料の製造に関する複数の項目を含む設計結果の入力を受け付けるステップと、
設計結果に含まれる複数の項目間の関係を規定する関係データに基づいて、複数の項目間のルールを生成するステップと、
入力された前記設計結果が前記ルールに適合するか否かを判定するステップと、
前記設計結果が前記ルールに適合しないと判定された場合に、警告を出力するステップと、
を有する、材料設計支援方法。
【請求項10】
入力部と、出力部と、設計結果に含まれる複数の項目間の関係を規定する関係データを記憶する記憶部とを備えるコンピュータに、材料の設計を支援させるためのコンピュータプログラムであって、
前記入力部が、材料の製造に関する複数の項目を含む設計結果の入力を受け付けるステップと、
前記記憶部から前記関係データを読み出し、複数の項目間のルールを生成するステップと、
入力された前記設計結果が前記ルールに適合するか否かを判定するステップと、
前記設計結果が前記ルールに適合しないと判定された場合に、前記出力部が警告を出力するステップと、
を前記コンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【公開番号】特開2012−3571(P2012−3571A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−138965(P2010−138965)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】