説明

杭打機

【課題】リーダを大きく前傾させた状態で誤って上部旋回体の旋回操作を行っても、上部旋回体が旋回すること防止して下部走行体やリーダを保護することができる杭打機を提供する。
【解決手段】基本リーダ16aに、基本リーダ16aを上部旋回体14に対して前後方向に傾動可能に支持するための第1支軸22を、基本リーダ16aの軸線に直交する位置に水平方向に配置し、その両端部22aを基本リーダ16aの左右両側にそれそれ突出させる。フロントブラケット15は、回動ピン29を介して上部旋回体14と第1支軸22に回動可能にそれぞれ連結され、基本リーダ16aをあらかじめ設定した傾斜角度よりも大きく前傾させた時に、基本リーダ16aの前傾に伴って回転する第1支軸22の回転角度により、旋回手段13の作動を停止させるリミットスイッチ34を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭打機に関し、詳しくは、下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体の前部にリーダを傾動可能に設けた杭打機に関する。
【背景技術】
【0002】
杭打機は、下部走行体の上に旋回手段を介して上部旋回体を旋回可能に設け、該上部旋回体の前部にフロントブラケットを介してリーダを傾動可能に設けるとともに、該リーダを上部旋回体に設けたバックステーで支持し、前記リーダに沿ってオーガ駆動装置などの作業装置を昇降させることにより掘削などの作業を行っている。このような杭打機として、リーダを前記フロントブラケットに装着される基本リーダ(下部リーダ)と、該基本リーダの上部に連結される複数の延長リーダ(上部リーダ)とに分割形成し、一組のバックステーを基本リーダの上部背面と延長リーダの背面とにスライドさせることにより、バックステーを着脱することなく、輸送状態と作業状態とに容易に切り替えられる構造を有する杭打機が知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−293352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、基本リーダに延長リーダを連結した状態と基本リーダに延長リーダを連結していない状態(基本リーダのみの状態)とを一組の同じバックステーで対応する場合、バックステーの最大長さは、基本リーダに延長リーダを連結した状態でリーダを傾動させることができる長さに、バックステーの最小長さは、基本リーダのみの状態に応じた長さにそれぞれ設定する必要がある。このため、基本リーダのみの状態では、バックステーが最小長さ近くに縮んだ状態になることから、基本リーダのみの状態でバックステーを大きく伸長させると、フロントブラケット装着点を中心として基本リーダの下部が上部旋回体や下部走行体の方向に大きく移動し、基本リーダの下部後面が上部旋回体の下部前端に当たるまで基本リーダを前傾させることが可能な状態となる。
【0005】
また、通常の作業では、リーダを大きく前傾させた状態で走行させたり、旋回させたりすることはなく、また、誤って走行させたとしても問題はないが、リーダの前傾角度によっては、上部旋回体を旋回させたときに、基本リーダの下部が下部走行体の前端に衝突し、下部走行体やリーダが損傷するおそれがあった。
【0006】
そこで本発明は、リーダを大きく前傾させた状態で誤って上部旋回体の旋回操作を行っても、上部旋回体が旋回すること防止して下部走行体やリーダを保護することができる杭打機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の杭打機は、下部走行体と、該下部走行体上に旋回手段を介して旋回可能に設けられた上部旋回体と、該上部旋回体の前部に設けられたフロントブラケットに傾動可能に装着されたリーダと、該リーダと前記上部旋回体との間に設けられたバックステーとを備えた杭打機において、前記リーダの前傾角度を検出する前傾角度検出手段を備えるとともに、該前傾角度検出手段が検出したリーダの前傾角度が、あらかじめ設定された前傾許容角度を超えたときに前記旋回手段の旋回作動を抑制する旋回作動抑制手段を備えていることを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明の杭打機は、前記リーダが、該リーダの下部に固着されたリーダ支持軸の軸線を上部旋回体の幅方向に向けた状態で前記フロントブラケットに軸支され、前記前傾角度検出手段が、前記リーダ支持軸に設けられてリーダ支持軸と一体に回動する作動部と、リーダの前傾角度が前記前傾許容角度を超えたときに前記作動部により作動するリミットスイッチとを備えていることを特徴としている。
【0009】
また、前記旋回手段が、該旋回手段の旋回を抑制する旋回ブレーキを備え、前記旋回作動抑制手段は、前記前傾角度検出手段がリーダの前傾角度が前記前傾許容角度を超えたことを検出したときに前記旋回ブレーキの制動状態を保持することを特徴としている。さらに、前記上部旋回体が、前記フロントブラケットの下方に、前記リーダが前記前傾許容角度を超えて前傾したときに前記基本リーダの下部後面と当接する緩衝材を備えていること、前記リーダが、前記フロントブラケットに装着される基本リーダと、該基本リーダの上部に着脱可能に連結される延長リーダとを有するとともに、前記バックステーのリーダ側接続部が、前記基本リーダに前記延長リーダが連結されたときには延長リーダに接続され、前記基本リーダに前記延長リーダが連結されていないときには基本リーダの上部に接続されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の杭打機によれば、リーダがあらかじめ設定された前傾許容角度よりも大きく前傾した際に、旋回作動抑制手段が旋回手段の旋回作動を抑制するので、オペレータが旋回操作を行っても上部旋回体が旋回することはなく、リーダの下部が下部走行体の前端に衝突することを防止でき、下部走行体やリーダを保護することができる。また、リーダを前後方向に傾動可能に支持するリーダ支持軸の回動によって作動するリミットスイッチにより前傾角度検出手段を形成することにより、上部旋回体が水平になっていなくても、上部旋回体に対するリーダの前傾角度を容易かつ確実に検出することができる。
【0011】
また、旋回手段に設けられている旋回ブレーキを旋回作動抑制手段に利用することで、旋回手段の旋回作動を容易に抑制することができる。さらに、緩衝材を設けておくことにより、リーダの下部後面が上部旋回体に衝突する際の衝撃を吸収してリーダなどが損傷することを防止できる。特に、リーダを基本リーダと延長リーダとで形成し、基本リーダのみの短尺仕様と延長リーダを連結した長尺仕様とでバックステーを共用する場合は、リーダが大きく前傾しやすい短尺仕様の際に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一形態例を示す短尺仕様状態の杭打機の側面図である。
【図2】同じく杭打機の要部側面図である。
【図3】同じく杭打機の要部断面図である。
【図4】旋回作動抑制手段の一例を示す電気回路図である。
【図5】同じく長尺仕様状態の杭打機の側面図である。
【図6】同じく杭打機の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本形態例に示す杭打機11は、クローラ12aを備えた下部走行体12と、該下部走行体12上に旋回手段13を介して旋回可能に設けられた上部旋回体14と、該上部旋回体14の前部に設けられたフロントブラケット15と、該フロントブラケット15に傾動可能に装着されたリーダ16と、該リーダ16と上部旋回体14との間に設けられ、リーダ16を上部旋回体14の後部から傾動可能に支持する左右一対のバックステー17,17とを備えている。
【0014】
リーダ16は、前記フロントブラケット15に装着される基本リーダ16aと、該基本リーダ16aの上にボルト・ナットを使用したフランジ結合によってそれぞれ着脱可能に連結される複数の延長リーダ16bとを有しており、基本リーダ16a及び延長リーダ16bの前面側には、図示しない作業装置を昇降可能にガイドするための一対のガイドパイプ18がリーダ16の全長にわたって設けられ、後面側下半部には、バックステー17,17の先端に設けられているスライディングホルダ19をガイドするための一対のガイドレール20が上下方向に連続して設けられている。また、作業状態では、リーダ16の上端部にトップシーブブロック21が取り付けられる。
【0015】
この杭打機11は、フロントブラケット15に装着された基本リーダ16aのみを使用して作業を行う短尺仕様(図1)と、基本リーダ16aの上に複数の延長リーダ16bを連結した長尺仕様(図5)との切り替えの際にバックステー17の着脱交換を不要とした構造を有しており、短尺仕様の状態で運搬可能な大きさとなるように形成されている。
【0016】
基本リーダ16aの上下方向中間位置には、リーダ16を上部旋回体14に対して前後左右の任意の方向に傾動可能に支持するための第1支軸22と第2支軸23とが設けられている。第1支軸22は、基本リーダ16aに形成された上部旋回体幅方向の第1支軸挿通孔16cを貫通して両端部22a,22aが基本リーダ16aの両側面から突出した状態で固着されている。第2支軸23は、第1支軸22の中央に形成された前後方向の第2支軸挿通孔22bを貫通して回動可能な状態で設けられており、後端部は基本リーダ16aの後部側部材16dに固定され、前端部は基本リーダ16aの前部側部材16eを貫通して固定部材24によって固定されている。
【0017】
フロントブラケット15は、第1回動アーム25と、該第1回動アーム25の前部側に連結ピン26,26によって着脱可能に連結された第2回動アーム27とを備えている。第1回動アーム25は、上部旋回体14に突設したブラケット28に回動ピン29を介して前後方向に回動可能に設けられ、第1回動アーム25の後端側上部と上部旋回体14との間には前後調整用シリンダ30が設けられている。また、上部旋回体14のブラケット28の下部には、リーダ16を大きく前傾させたときに、基本リーダ16aの下部後面が当接するゴム製の緩衝材31が取り付けられている。
【0018】
第2回動アーム27は、前端側上部に前記第1支軸22を回動可能に支持する軸受32が設けられ、両軸受32を貫通した第1支軸22の両端には、第1支軸22と一体に回転する第1支軸抜止部材33が取り付けられている。また、第2回動アーム27の前部側下部と基本リーダ16aの下部とには、スライディングホルダ19をガイドレール20に沿って上昇させる際にリーダ16を前傾状態で固定するための固定ピンを挿入するピン孔27a,16fがそれぞれ設けられている。
【0019】
このようにしてフロントブラケット15、第1支軸22及び第2支軸23に支持されたリーダ16は、前後調整用シリンダ30を伸縮させて第1回動アーム25及び第2回動アーム27を回動ピン29を中心に回動させることによって第1支軸22を介して前後方向に移動し、前記一対のバックステー17,17の双方を同時に伸縮させることによって第1支軸22を回動中心として前後方向に傾動し、バックステー17,17の一方を伸長させて他方を短縮させることによって第2支軸23を回動中心として左右方向に傾動するように形成されている。
【0020】
さらに、リーダ16の前傾角度を検出する前傾角度検出手段として、一方の第2回動アーム27の軸受32から突出した第1支軸22の一端部に取り付けられる一方の第1支軸抜止部材33の外周に作動突起(作動部)33aを設けると共に、一方の第2回動アーム27の外面に、作動突起33aの回動状態に応じてON/OFF作動するリミットスイッチ34を設けている。
【0021】
前記リミットスイッチ34は、防塵用のケース34a内に収納されて作動レバー34bを前記第1支軸抜止部材33の作動突起33a側に突出させた状態で設けられている。作動突起33aとリミットスイッチ34との位置関係は、リーダ16の前傾角度があらかじめ設定された前傾許容角度を超えたときに、リーダ16の前傾動作に伴って回動する作動突起33aが作動レバー34bを、図2に実線で示す水平方向の位置から想像線で示す先端が上方に向いた位置に移動させてリミットスイッチ34をON/OFF作動させるように設定されている。
【0022】
一方、前記旋回手段13は、従来からこの種の杭打機に一般的に用いられている構成の旋回手段を採用することができ、例えば、下部走行体12の上部に固定された内輪と上部旋回体14の下部に固定された外輪との間に複数の転動体を設けて上部旋回体14を下部走行体12に対して回転可能に形成するとともに、上部旋回体14に設けた旋回用モータで駆動されるピニオンと内輪の内周に形成した内歯車とを歯合させ、旋回用操作レバーを操作して旋回用モータを作動させることによって上部旋回体14を任意の方向に旋回できるように形成している。さらに、旋回手段13には、下部走行体12に対して上部旋回体14を固定するための旋回ブレーキが設けられている。この旋回ブレーキは、例えばスプリングによって常時制動状態に保持され、シリンダなどで制動状態を解除するように形成されており、ブレーキ解除操作を行ってから旋回操作を行うことによって上部旋回体14を旋回させることができる。
【0023】
旋回手段13の旋回作動を抑制する旋回作動抑制手段は、図4に示すような電気回路35によって形成することができる。この電気回路35は、旋回ブレーキ解除手段36に対して前記リミットスイッチ34と旋回ブレーキ解除スイッチ37とを直列に配置したものであって、リミットスイッチ34のON/OFF動作は、図2に実線で示した水平方向の位置でON、図2に想像線で示した位置でOFFとなるように設定している。
【0024】
リーダ16の前傾角度が前記前傾許容角度以下のとき、例えば、上部旋回体14が水平状態にあるときにリーダ16の前傾角度が鉛直線に対して7度以下のときは、リミットスイッチ34がONとなっているため、旋回ブレーキ解除スイッチ37をONにすると旋回ブレーキ解除手段36が通電状態となり、例えば旋回ブレーキの油圧回路に設けられている電磁弁をブレーキ解除方向に作動させ、シリンダによって旋回ブレーキを解除する。これにより、旋回用操作レバーを操作することで上部旋回体14を任意の方向に旋回させることができる。
【0025】
バックステー17,17を大きく伸長させてリーダ16の前傾角度が前傾許容角度の7度を超えると、第1支軸22の回動に伴って第1支軸抜止部材33が回動し、作動突起33aがリミットスイッチ34の作動レバー34bを図2に想像線で示した位置に押し上げ、リミットスイッチ34をOFFとする。これにより、電気回路35は、図4に示すように、リミットスイッチ34がOFFとなっているため、旋回ブレーキ解除スイッチ37をONにしても旋回ブレーキ解除手段36に通電されず、旋回ブレーキは制動状態を保持し、旋回用操作レバーを操作しても上部旋回体14を旋回させることができなくなる。
【0026】
したがって、リーダ16が大きく前傾することによって後方に突出した状態になる基本リーダ16aの下部後面が、上部旋回体14の旋回によって下部走行体12のクローラ12aの前端部に衝突することを防止でき、基本リーダ16aやクローラ12aを保護することができる。さらに、リミットスイッチ34がOFFになったときに光や音で警報を発することにより、リーダ16が前傾許容角度を超えて大きく前傾していることを通報することができる。また、上部旋回体14の前端部下方に緩衝材31を設けたことにより、バックステー17,17を伸長させてリーダ16が大きく前傾したときに、基本リーダ16aの下部後面が上部旋回体14の前端部下方に衝突する際の衝撃を緩和することができるので、基本リーダ16aや上部旋回体14を保護することができる。
【0027】
特に、本形態例に示すように、基本リーダ16a及び延長リーダ16bの後面に、バックステー17の先端に設けられているスライディングホルダ19をガイドするためのガイドレール20を設け、延長リーダ16bの連結状態に応じてスライディングホルダ19をガイドレール20に沿って移動させることにより、バックステー17を交換することなくリーダ16の高さを変更できるようにした杭打機11の場合、基本リーダ16aのみあるいは基本リーダ16aに1本の延長リーダ16bを連結した状態の短尺仕様で杭打ち作業を行う際には、バックステー17が図5に示す最大作業状態のときに比べて短い状態になっており、伸長側に余裕があるため、バックステー17を伸長させる操作で、リーダ16が想定より大きく前傾して前傾許容角度を超えてしまうことがある。
【0028】
さらに、リーダ16の前後位置を調整できることから、リーダ16の前後の位置によって基本リーダ16aとクローラ12aとの位置関係が異なる場合でも、前傾角度検出手段と旋回作動抑制手段とにより、リーダ16を前傾させたままで上部旋回体14を旋回できるか否かを確実に判定することができるので、必要に応じてリーダ16を鉛直方向に起こすことで、上部旋回体14の旋回操作を安心して行うことができ、オペレータの負担を軽減できる。
【0029】
また、第1支軸抜止部材33の形状変更、リミットスイッチ34の追加、電気回路35の変更といった僅かな改造で実施できるため、製作コストの上昇を抑えることができ、既存の杭打機の改造も容易に行うことができるとともに、上部旋回体14に対するリーダ16の前傾角度を確実に検出することができる。さらに、緩衝材31を設けておくことにより、前傾許容角度を超えてリーダ16を前傾させた場合でも、基本リーダ16aが上部旋回体14に激しく衝突して損傷することを回避できる。
【0030】
なお、杭打機の構成は任意であり、各種形状の杭打機(地盤改良機を含む)に適用することができ、前傾角度検出手段や旋回作動抑制手段も前記形態例に限るものではない。例えば、前傾角度検出手段は、重力を基準にして鉛直線に対する角度を検出する角度センサや第1支軸の回転量を検出する回転角度センサ、ロータリエンコーダなどを用いることができ、旋回作動抑制手段は、旋回用操作レバーを固定して操作不能にしたり、旋回用操作レバーや旋回ブレーキ解除手段によって作動する油圧回路に適宜な電磁弁を設けて旋回用モータや旋回ブレーキ解除用シリンダへの油圧供給を行えなくするようにしてもよく、別のブレーキを設けて上部旋回体の旋回を規制するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0031】
11…杭打機、12…下部走行体、12a…クローラ、13…旋回手段、14…上部旋回体、15…フロントブラケット、16…リーダ、16a…基本リーダ、16b…延長リーダ、16c…第1支軸挿通孔、16d…後部側部材、16e…前部側部材、16f…ピン孔、17…バックステー、18…ガイドギブ、19…スライディングホルダ、20…ガイドレール、21…トップシーブ、22…第1支軸、22a…端部、22b…第2支軸挿通孔、23…第2支軸、24…固定部材、25…第1回動アーム、26…連結ピン、27…第2回動アーム、27a…ピン孔、28…ブラケット、29…回動ピン、30…前後調整用シリンダ、31…緩衝材、32…軸受,33…第1支軸抜止部材、33a…作動突起、34…リミットスイッチ、34a…ケース、34b…作動レバー、35…電気回路、36…解除手段、37…旋回ブレーキ解除スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、該下部走行体上に旋回手段を介して旋回可能に設けられた上部旋回体と、該上部旋回体の前部に設けられたフロントブラケットに傾動可能に装着されたリーダと、該リーダと前記上部旋回体との間に設けられたバックステーとを備えた杭打機において、前記リーダの前傾角度を検出する前傾角度検出手段を備えるとともに、該前傾角度検出手段が検出したリーダの前傾角度が、あらかじめ設定された前傾許容角度を超えたときに前記旋回手段の旋回作動を抑制する旋回作動抑制手段を備えていることを特徴とする杭打機。
【請求項2】
前記リーダは、該リーダの下部に固着されたリーダ支持軸の軸線を上部旋回体の幅方向に向けた状態で前記フロントブラケットに軸支され、前記前傾角度検出手段は、前記リーダ支持軸に設けられてリーダ支持軸と一体に回動する作動部と、リーダの前傾角度が前記前傾許容角度を超えたときに前記作動部により作動するリミットスイッチとを備えていることを特徴とする請求項1記載の杭打機。
【請求項3】
前記旋回手段は、該旋回手段の旋回を抑制する旋回ブレーキを備え、前記旋回作動抑制手段は、前記前傾角度検出手段がリーダの前傾角度が前記前傾許容角度を超えたことを検出したときに前記旋回ブレーキの制動状態を保持することを特徴とする請求項1又は2記載の杭打機。
【請求項4】
前記上部旋回体は、前記フロントブラケットの下方に、前記リーダが前記前傾許容角度を超えて前傾したときに前記基本リーダの下部後面と当接する緩衝材を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の杭打機。
【請求項5】
前記リーダは、前記フロントブラケットに装着される基本リーダと、該基本リーダの上部に着脱可能に連結される延長リーダとを有するとともに、前記バックステーのリーダ側接続部は、前記基本リーダに前記延長リーダが連結されたときには延長リーダに接続され、前記基本リーダに前記延長リーダが連結されていないときには基本リーダの上部に接続されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の杭打機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate