説明

【課題】体に負担がかからないように冷却でき又冷却が長持ちする枕の提供。
【解決手段】本発明に係る枕1は、中央部に凹部7を備える本体3と、上記凹部7に組み込まれる保冷体5とからなる。この凹部7が人の首筋が位置する側の本体側壁8の中央部に開口している。上記保冷体5が、袋体と、この袋体に内封され媒体を含まない架橋高分子からなる軟質成形体とを含む。上記軟質成形体が、未発泡のポリウレタン樹脂からなり、そのアスカーF硬度が10以上50以下であることがより好ましい。さらに好ましくは、上記凹部7が本体側壁8に開口している開口部の深さが、この本体側壁8の高さの1/3以上である。この枕は、首及び頭の形状に沿った形状で頭部が保持される形成されており、体に負担がかからない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枕に関する。特に、本発明は、人の首筋と頭部との冷却に使用される枕に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から頭部の冷却には、水枕が用いられてきた。水枕は、氷や水の入れ替えが面倒である。入れ替えは、水を取り扱うための場所や容器等が必要である。この煩わしさを改良するために種々の工夫がなされている。例えば、水を不要とするカプセル入り枕が特開2002−330986公報に記載されている。氷の代わりにカプセルが冷却され、枕の中に充填されて用いられる。
【0003】
また、枕カバーに設けられたポケットに保冷具が収容される枕が特開2001−297公報に記載されている。この保冷具には、市販のものが用いられる。これは単純なシート状であるため、厚みが薄い。外気との接触面積が大きく保冷能力が少ない。
【0004】
塩を水に溶解させるときの吸熱反応に改良を加えた即冷型冷却包装体について、特開2001−198151公報に記載されている。これは、隔離されていた冷却剤を使用するときに水に混合溶解させることにより吸熱反応を開始させる。反応生成物の塩水をゲル化させることによって反応の進行を長続きさせる。生成されたゲルは上記の保冷具と同様に用いられるというものである。
【0005】
枕芯材(本体)の中央部低い部分に設けられた凹穴にゲル状物が充填された袋体が填め込まれてなる枕について、特開平7−163448公報に記載されている。ゲル状物としては、高吸水性樹脂と水を混含させたもの及び連通気泡のポリウレタンフォームに水を入れたものが挙げられている。上記袋体が保冷等のため用いられても、凹穴の体積が限られているため、保冷能力が不足する又袋体の位置が頭部の位置に限られているため、頭部の一部を保冷するにとどまる。
【特許文献1】特開2002−330986公報
【特許文献2】特開2001−297公報
【特許文献3】特開2001−198151公報
【特許文献4】特開平7−163448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
枕の形状は、起立姿勢と同様の頸椎の形をしている方が体に負担がかからなくてよいとされている。そのためには一定に形作った枕の形状を維持しながら、枕に頭部を当てたときの安定性と寝心地とを保つ必要がある。枕の形状を維持するには、復元性を備えることが必要である。上記のような枕及び包装体は、従来の水枕と同様に、いずれも頭部が動くままに変形し、形状保持機能はない。一方、形状保持能力が大きすぎると形状追随性が悪いため頭部の安定性や寝心地が悪くなる。すなわち、安定性と寝心地をよくするには、可撓性が要求される。本発明は、上記のような実情に鑑み、なされたものであり、体に負担がかからないように、首及び頭の形状に沿った形状で頭部を保持して冷却でき、冷却が長持ちするとともに寝心地もよい枕の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る枕は、中央部に凹部を備える本体と、上記凹部に組み込まれる保冷体とからなり、この凹部が人の首筋が位置する側の本体側壁の中央部に開口している。
【0008】
好ましくは、上記保冷体が、袋体と、この袋体に内封され媒体を含まない架橋高分子からなる軟質成形体とを含む。
【0009】
上記軟質成形体が、未発泡のポリウレタン樹脂からなり、そのアスカーF硬度が10以上50以下であることがより好ましい。
【0010】
さらに好ましくは、上記凹部が本体側壁に開口している開口部の深さが、この本体側壁の高さの1/3以上である。
【0011】
上記保冷体が、その底面に厚さが2mm以上15mm以下の非柔軟性基盤部をさらに備えており、上記袋体が0.02mm以上0.5mm以下の厚みの材料からなることがさらに好ましい。
【0012】
好ましくは、上記保冷体の表面に複数の窪みを備えている。
【0013】
保冷体がシート状とされてもよい。好ましくは、シート状保冷体の厚みは、25mm以下である。シート状保冷体は、巻かれた状態又は折りたたまれた状態で、容器に収納されうる。
【発明の効果】
【0014】
この枕は、保冷体により、首筋及び頭の形状に沿った形状で頭部を保持して冷却できるので、体に負担がかからない。組み込まれた保冷体による冷却機能が長持ちする。また、組み込まれる保冷体は複数種類が保有されて取り替えることができる。保冷体が選択されることにより、体格、その他使用される人及び状況に応じて調節することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0016】
図1から図4に本発明の一実施形態にかかる枕1が示されている。図1は、枕1の斜視図である。図2(a)は、枕1の平面図、図2(b)は正面図、図2(c)は右側面図である。図3は図2のIII−III線に沿った断面図である。図4は図2のIV−IV線に沿った断面図である。
【0017】
枕1は、本体3と保冷体5とから形成されている。本体3は、保冷体5を組み込むための凹部7を備えている。この凹部7は、人の首筋が位置する側の本体側壁8の中央部で、本体奥行き方向に立体的に切り欠かれて開口している。人の首筋が位置する側は、本体3の長方形の輪郭の長辺の一方の側に定められる。人の首筋が位置する側の本体側壁8は、図2に示されているように、その長辺を含み底面から上方に立ち上がる面である。保冷体5は、上記凹部7に填るように、ほぼ凹部7の形状に沿う輪郭を備えている。保冷体5が上記側壁8の中央部に開口を有する凹部7に組み込まれる。このように本体3と保冷体5とが組み合わされて、枕1が使用されるときの形態になる。本体3と保冷体5とが組み合わされた輪郭のおよその平面形状は、長方形である。上記輪郭の大きさは、特に制限はないが、通常、横幅Lが400mm以上1000mm以下、奥行きWが300mm以上500mm以下及び上記側壁8の高さHが10mm以上190mm以下である。
【0018】
図2(b)に示されている例では、本体側壁8に開口している凹部7の開口部の深さPは、この本体側壁8の高さHの約83%である。この開口部の深さPが浅すぎる場合は、保冷体5の容積が小さくなり十分な保冷効果が得られない。好ましくは、この開口部の深さPは本体側壁8の高さHの1/3以上である。開口部の深さPが側壁8の高さHと等しくてもよい。後述するように、凹部7の形状は、人の体型が考慮されて形成される保冷体5に相応して規定される。この凹部7に組み込まれる保冷体5の形状(主に高さ及び曲面形状)が変えられることが考慮される。すなわち、保冷体5と組み合わされて枕全体の形状が滑らかになるように形成される。
【0019】
本体3は、人の頭を支持できる硬さを備えるとともに、可撓性と復元性とを備えていることが好ましい。そのため、本体3には、ゴム又は合成樹脂材料が用いられることが好ましい。ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等が用いられる。合成樹脂材料としては、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、シリコーン、ポリブタジエン等の系統に属する熱可塑性エラストマーの単独又は複数種類の組み合わせが用いられる。本体3の材質は、可撓性及び種々の硬さを調節できるという面から、ポリウレタンの発泡体がより好ましい。なかでも低反発性のポリウレタン発泡体がさらに好ましい。本体3は、これらの材料が射出成形、押出成形等の成形方法で成形されることによって得られる。
【0020】
保冷体5の可撓性(柔軟性とも表現される)が大きく形状保持能力が小さい場合は特に、凹部7によって保冷体5が所定の形状の範囲に保たれるように形成される。例えば、本体3の材質の可撓性は小さめで形状保持性が高い材質が選択される。あるいは、凹部7をなす周側壁等の表材が部分的に厚くされて凹部の形状が変化しにくくされてもよい。また、本体3の材質よりも高弾性率の材料が凹部7の周辺に部分的に配置されてもよい。
【0021】
凹部7は、後述のように保冷体5を取り替えて組み込むことができる。そのため、凹部7は保冷体5の形状に沿った形状に形成される。しかし、別に作られた複数種類の保冷体5の寸法の誤差を吸収する等のために多少の隙間はあってもよい。隙間がない場合でも本体3及び保冷体5が可撓性を有するので、この可撓性の範囲内で保冷体5は、組み込まれ得る。ただし、隙間が大きすぎると頭部の沈み込みが深くなりすぎる等、所定の形状の範囲が保てなくなる場合があり好ましくない。
【0022】
凹部7は、使用されるときに首筋及び後頭部が載る位置と大きさとを基準として設けられる。この枕1には、人の起立時の首筋から後頭部の形状になぞらえた曲面が中央部に形成される。この曲面形状は、本体3の有する形状保持性に支持された柔軟性を有する保冷体5により形成されてもよい。
【0023】
図3及び図4に示されているところから明らかなように、本体3の人が頭をあずけたときに後頭部が位置する部分は、高さが低くなっている。枕1の肩に近い後頸部があずけられる部分は、高さが高くなっている。保冷体5が大きい場合は、この形状は、主として保冷体5によって形成保持される。保冷体5が小さい場合は、主として本体3の形状によって所定の形状が規定される。
【0024】
本体3は、保冷体5が組み込まれた状態で、変形に追随できる可撓性を備えている。人は、頭の向きを変えたり位置をずらしたりする。変形追随性を良くするためには低反発弾性率の材質がよい。この凹部7を含めて本体3は、ある程度の変形追随性がないと使い心地が悪い。そのため、適度の可撓性と復元性を備え頭部の重量を頭部表面全体に分散させて支持することができるようにする。
【0025】
本体3は、表面に複数の窪みDを備えていることが好ましい。この窪みDは、人の頭部等が枕に当てられたときに頭部等と本体3との密着を防ぐ。すなわち、頭部等と本体3との間に隙間ができる。この隙間が通気性を備えるため、べたつき感やムレを生じさせない。上記窪みDは、表面に溝、穴、突起等が設けられることにより形成される。図1から図4に記載されている枕1は、表面に長手方向に平行な溝を備えている。この溝の深さ、間隔等の形状は、本体3及び保冷体5の性状に合わせて使い心地がよいように設けられる。
【0026】
保冷体5は、保冷材9とこの保冷材9を封入する封入用フィルム11とを備えている。保冷体5の表面形状は、起立姿勢における首筋から後頭部までの曲面にならって形成される。保冷体5は、本体3とは別に作製され、独立している。保冷体5は、本体3一に対して複数種類準備され得る。すなわち、保冷体5のみ本体から取り外して冷却又は冷凍することができる。本体の凹部に組み込みできる限り、特に高さ(厚み)、表面の曲線形状等の形状の異なる保冷体5に取り替えることができる。また、保冷材9の硬さ、保冷性能等の異なるものを各種準備してもよい。これらのものを状況に応じて選択することができる。
【0027】
保冷体5の大きさは、通常、横幅Nが100mm以上500mm以下、奥行きMが150mm以上500mm以下及び高さが10mm以上190mm以下である。本体3との組み合わせでは主として、首を支える高さを備えるように保冷体5の高さが調節される。保冷体5の高さは、使用する人の後頸部の深さと横臥したときの肩と側頭部との距離により、また好みにより異なる。
【0028】
上記のように、この保冷体5は、人の首筋が位置する側の本体側壁8の中央部に一定の厚みを備えて填め込まれることにより枕1の一部を形成する。保冷体5が本体3と接する三方の側面は、発泡体等からなる本体3により外部から保護されている状態になっている。この側面に隣接する本体3の発泡体には保温機能があるため保冷体5の側面からの熱伝導が少ない。したがって、保冷体5の体積の大きさに対して外部からの熱が伝えられる枕表面側の面積は相対的に小さくなっている。保冷体5は、この組み合わせ構造により外部からの余分な熱が伝わりにくい。この枕1は、したがって、冷却時間が長持ちする。
【0029】
保冷体5も、頭や首の重さを支えながらある程度の形状保持能力を備えている。この機能によって、人が頭を枕にあずけたとき、首の負担を減らすことができる。しかし、形状保持性が大きすぎると硬くなりすぎる傾向がある。保冷体5が硬すぎると頭や首の位置がずらされた場合等に変形追随性が不足する。ある程度の変形追随性がないと使い心地が悪い。保冷体5は、変形に追随できる可撓性を備えている。適度の可撓性と復元性を備え頭部の重量を頭部表面全体に分散させて支持することができるようにする。その材料としては、ゲル状材が好ましい。
【0030】
保冷体5は、通常、表面温度が5℃以上30℃以下の範囲で用いられる。保冷体5の表面温度は10℃以上25℃以下が好ましい。より好ましくは12℃以上20℃以下である。保冷材9には、この温度で長時間用いることに有利なゲル又は媒体を含まない高分子からなる軟質成形体が選択される。ゲルには、媒体により、水を溶媒とするヒドロゲルとオイルを溶媒とするリポゲルとがある。ヒドロゲルには、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩(ポリアクリル酸ナトリウム等)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。例えば、ポリアクリル酸の重量平均分子量としては100万から500万程度のものが好適に用いられる。
【0031】
リポゲルとしては、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリスチレン、シリコーン、ポリエチレン、ポリエステル、酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ネオプレン、ポリブタジエンゴムからなるゲルが例示される。これらのポリマーは、単独又は複数組み合わされて用いられる。また、これらポリマーの性状に応じて軟化剤、可塑剤、充填剤等が加えられて弾性が付与又は調節され得る。リポゲルは、これらのポリマーがオイルとともに架橋されて作られる。例えば、ポリマーが常温で溶解されるオイル100質量部とポリマー10質量部以上20質量部以下と有機過酸化物とが用いられる。オイルとしては、例えば、植物油、鉱物油、エステル油等の可塑剤が用いられる。上記の有機過酸化物としては、ラウロイルパーオキシド、アセチルパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、ジクミルパーオキシド等が用いられる。上記ヒドロゲルとリポゲルとでは、低温でも粘性を有する点からリポゲルの方が好ましい。なかでも、圧力分散性、加工性、価格等のバランスがよいという面からポリウレタンゲルが好ましい。
【0032】
上記のようにゲルは一般に、三次元網目構造を有する高分子が媒体で膨潤されてなる。基本的に、これらのゲル自体は弾性を有する復元性を備えていない。これらの溶媒を伴うゲルによる場合は、凹部7を形成する本体3の形状保持性又は封入用フィルム11の復元性に依存して首筋及び後頭部の形状に沿う形状が保持されうる。
【0033】
これに対して、上記の媒体を含まない架橋高分子からなる軟質成形体は、軟質成形体自体が形状保持性と弾性とを備えている点で、保冷材9としてより好ましい。ここで、媒体を含まないとは、媒体によって膨潤させた形態を採っていないという意味であり、添加物として少量オイル等が用いられる場合とは区別される。具体的には、媒体が、架橋高分子に対して50質量%以下である。ゲルには、ゲルの媒体の水やオイルが析出する恐れもある。軟質成形体は、媒体を含まないので、媒体が析出することなく安定している。
【0034】
この軟質成形体は、未発泡のウレタンが架橋されて得られる。ポリウレタン樹脂は、ポリオール、ポリイソシアネート及び架橋剤(硬化剤)が配合されて架橋構造が形成されて得られる。代表的な硬化方法としては、あらかじめポリオールとポリイソシアネートとを反応させたプレポリマー法、上記成分が同時に配合されるワンショット法が挙げられる。軟質成形体は、アスカーF硬度が15以上50以下であることが好ましい。アスカーF硬度がこの範囲に調整されることができれば、この未発泡ポリウレタンはいずれの方法から得られてもよい。本発明において、アスカーF硬度は、JIS−K6253に規定されるデュロメータ硬さ試験に準拠する方法によって測定された硬度である。具体的な測定にあたっては、高分子計器株式会社のアスカーF硬度計を用いることができる。被測定体の粘着性が強い場合は、硬度計と被測定体の間に被測定体の自由な歪みを妨げないフィルムを介在させて被測定体の硬度が測定される。
【0035】
アスカーF硬度が15未満の場合は、軟らかすぎて安定性に欠ける。この観点から、より好ましくは、アスカーF硬度は、20以上である。さらにはアスカーF硬度は、25以上が好ましい。アスカーF硬度が50を超えると、触感が硬く寝心地が悪くなる。この観点からアスカーF硬度が40以下がより好ましい。より好ましくは、アスカーF硬度は35以下である。
【0036】
上記ウレタンプレポリマーの材料となるイソシアネート化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、液状MDI等の変性MDI、水素添加TDI、水素添加MDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシネート及びポリメチレンポリフェニルイソシアネートが例示される。
【0037】
上記ポリオールとしては、平均官能基数が2から4であり、平均分子量が50から6000のものが用いられる。例えば、低分子量の2価又は3価のアルコール、ポリエーテルポリオール類、縮合ポリエステルポリオール類、重合ポリエステルポリオール類ポリカプロラクトンポリオール類等が使用できる。好適なポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3ブタンジオール等の低分子量アルコール類、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン−トリオール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリアルキレンエーテルポリオール類等が挙げられる。
【0038】
ポリウレタンプレポリマーは、例えば、イソシアネート化合物が有するイソシアネート基(NCO)と、ポリオール中に含まれる水酸基(OH)との当量比(NCO/OH)が1.3から5の割合でイソシアネート化合物とポリオールとを配合し、50℃から120℃程度で3から10時間程度反応させることにより合成される。これらの粘度は、常温で低粘度の液状を呈する程度が作業性等の面から好ましい。ポリウレタンプレポリマーにおけるイソシアネート基含有量は、通常1%から15重量%が用いられる。なかでも、イソシアネート基含有量は、2.5%から10%のものが好適である。ポリウレタンプレポリマーの液粘度は、2000から20000CPS(25℃)であることが作業性の面から好ましい。
【0039】
硬化剤としては、活性水素を有する化合物が用いられる。例えば、ポリオールを含有する硬化剤がウレタンプレポリマーの硬化に好適に用いられる。なかでも、ポリ(オキシエチレン)ポリオール、ポリ(オキシエチレンプロピレン)ポリオール及びポリテトラメチレンエーテルグリコールが好適であり、その分子量が300から6000、官能基が2から4のものが好ましい。
【0040】
この軟質成形体の硬度の調整は、硬化剤の種類や配合量を変えて架橋度を変化させ又触媒等の添加剤を使用すること等によりなされる。触媒としては、トリレンジアミン等のアミン系触媒、オクチル酸鉛、ジブチル錫ジウラレート等が単独又は併用で用いられる。ポリオール、ポリイソシアネート及び硬化剤が含まれる配合物は、50から150℃で1から120分程度加熱され架橋される。
【0041】
この未発泡ポリウレタンの組成物に蓄熱材を配合することがより好ましい。この蓄熱材は、ヒドロゲル又はリポゲルにも配合されうる。蓄熱材としては、保冷材9の温度が上昇するときに、徐々に融解し、融解するときに、この熱を吸収するものが用いられる。保冷材9用の蓄熱材としては、融点が5℃以上30℃以下のものが好ましく、特に10℃以上20℃以下が好ましい。例えば、n−テトラデカン(融点5.9℃)、n−ペンタデカン(融点9.9℃)、1,9−ノナンジカルボン酸ジエチル(融点16℃)、n−ヘキサデカン(融点18.2℃)、トリデカン酸メチル(融点19℃)等が挙げられる。なかでも、n−ペンタデカン等のn−パラフィンが、相変化安定性が良好であり蓄熱量が大きいという点でより好ましく用いられる。
【0042】
この蓄熱材は、効果が持続する観点からポリウレタン配合物の5質量%以上、好ましくは10質量%以上配合される。この蓄熱材の量が多いと、軟質成形体の弾性率が高くなり、ヒステリシスロスが大きくなる傾向がある。この理由から60質量%以下であることが好ましい。より好ましくは50質量%以下である。蓄熱材の具体例としては、「蓄熱材マイクロカプセル固形造粒物」(三菱製紙株式会社総合研究所製)が挙げられる。この蓄熱材は、主成分としてn−パラフィンを含む混合物がマイクロカプセル化されている。このマイクロカプセルが、ウレタンプレポリマーの組成物に配合される。この蓄熱材の融点は、15℃程度であるため長時間快適な低温が維持される。
【0043】
このように架橋して得られた成形体の23℃における弾性率は、復元性の面から0.1N/mm以上であることが好ましい。より好ましくは0.2N/mm以上であり、さらには、0.3N/mm以上である。柔軟性の観点から、成形体の弾性率は、0.7N/mm以下であることが好ましい。好ましくは0.6N/mmであり、さらには、0.5N/mm以下である。
【0044】
これらの軟質成形体は、例えば所定形状の封入用フィルム11に充填し、架橋して得られる。軟質成形体は、また金属の型に流し込んだり、押出機で押出成形した後、架橋して得てもよい。上記封入用フィルム11としては、ある程度の外力に対して破れず、ゲル状材が染みこんだり、ゲル状材により変質したりすることがなければ特に制限はない。この封入用フィルム11には、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン-テレフタレート(PET)、ポリブチレン−テレフタレート(PBT0)、ポリアミド、ポリ塩化ビニル及びポリ塩化ビニリデンからなるものが挙げられる。また、上記いずれか複数の樹脂が複合されたフィルム又はアルミ蒸着フィルムも用いられ得る。
【0045】
上記の未発泡の熱硬化性ポリウレタンが用いられた場合には、この封入用フィルム11としてポリウレタンフィルムが好適である。上記ポリウレタン架橋生成物とフィルムとの接着性が良好であるため、このフィルムがポリウレタン保冷材9から剥離することが少ない。そのため保冷体5の表面状態が均一に保たれ形状保持性もよい。
【0046】
封入用フィルム11の厚みは、0.01mm以上1.0mm以下であることが好ましい。0.01mmよりも薄いとフィルムが破れやすくなり耐久性が劣る恐れがある。この観点から封入フィルムの厚みは、0.02mm以上が好ましいより好ましくは0.04mm以上である。1mmより厚いと可撓性が乏しく、人の頭が接したときに硬く感じられ寝心地が悪くなる。この観点から封入フィルムの厚みは0.5mm以下であることが好ましい。より好ましくは0.3mm以下である。
【0047】
封入用フィルム11の引張強度は10N以上であり、切断時伸びは200%以上であり、引裂強度は5N以上であることが好ましい。引張強度及び引裂強度が上記の値よりも小さい場合は、耐久性が劣る恐れがある。切断時伸びが200%より小さいと可撓性が小さいため、変形の自由度が小さすぎる恐れがある。そのため、保冷体5が人の首や頭の形に沿いにくく、寝心地も悪くなりがちである。また、切断伸びが小さいと寝返り等による軟質成形体等の変形をフィルムが拘束して、変形の力をフィルムだけで負担することになる。この場合は、フィルムに応力集中が生じやすくフィルムの耐久性が悪くなる。
【0048】
上記軟質成形体が含まれた保冷体の製造には、まず人の首筋及び頭の形状に沿うように作られた成形金型が準備される。この金型表面が上記封入用フィルム11で覆われる。この封入フィルムは、エア吸引等によって金型表面に密着される。このフィルムで覆われた金型に保冷材9本体となる軟質成形体用の未発泡ポリウレタン配合物が充填される。この配合物の上に上記封入用フィルム11と一体化して接合させるために、上記未発泡ポリウレタン配合物よりも架橋度が高く設定された未発泡ポリウレタン配合物が充填される。この配合物が50℃以上150℃以下の所定の温度で、1分から120分の所定時間加熱されて保冷体が得られる。
【0049】
このようにして得られた保冷体5は、その底面に厚さが2mm以上15mm以下の非柔軟性基盤部13が形成される。この厚さが2mm未満では、フィルムと軟質成形体との接合が不十分になる恐れがある。この観点から非柔軟性基盤部13の厚さは、3mm以上であることがより好ましく、さらには5mm以上である。上記厚さが15mmを超えると、軟質成形体の柔軟性が減殺される恐れがある。この観点から、非柔軟性基盤部13の厚さは、12mm以下が好ましく、より好ましくは10mm以下である。この保冷体の封入フィルムと保冷材9とは一体性が高いため、封入用フィルム11が破れにくく、保冷体5の形状安定性も高まる。
【0050】
この保冷体5の表面にも、複数の窪みDを備えることが好ましい。保冷体5が軟質成形体からなる場合は、成形用金型により窪みDが形成される。この窪みDにより保冷体5に通気性が備えられる。この保冷体5では、人の頭や首が保冷体に直に接したときに人の発汗によるムレが防止される。この保冷体5には、上記封入用フィルム11の外装として本体3と同様外装カバーを着けることができる。この外装カバーの材質としては、公知のカバーと同様でよい。外装カバーとしては、シルク、綿、羊毛等の天然繊維又はポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン等の合成繊維が用いられる。これらの繊維からなる不織布、織布、編布等が用いられる。肌触りを良くするという観点から、これらの積層体及び空隙率の大きいものが好ましい。この外装カバーには、天然皮革又は合成皮革が用いられてもよい。ただし、この外装カバーは、上記表面の凹凸形状の機能が失われないように厚み等が考慮される。
【0051】
人の頭部と頸部とが冷やされる場合、入眠時には体温が2時間で1℃下がるのがよいといわれている。枕1が使用されるとき、予め冷蔵庫等で冷やされていた保冷体5が本体3に填め込まれる。この保冷体5が枕1にあずけられた後頭部や首筋を効果的に冷やす。この保冷体5は、上述のように余分な熱が伝わりにくいので保冷性がよい。したがって、保冷体5は、長時間にわたって冷却効果が持続する。
【0052】
図5は、本発明の他の実施形態に係る枕17が示された平面図である。図6は、図6の枕17が示された正面図である。図7は、図5の枕が示された右側面図である。この枕17も、本体19と保冷体21とを備えている。本体19は、人の首筋が位置する側の本体側壁23の中央部に開口する凹部25を備えている。それぞれの図面では、本体27が上側に、この本体に填め込まれる保冷体29がその下側に示されている。図5から図7に示されているように、凹部25は、本体側壁23の中央部とその奥行き方向上部に開口している。凹部25は、本体19が切りかかれて形成された四面に囲まれている。この場合の凹部25の底となる部分の本体19の厚みは比較的薄い。この部分により、凹部25の左右に位置する本体27の左右に拡がろうとする変形が防止される。
【0053】
この保冷体21は、前述の媒体を含まない高分子軟質成形体からなる保冷材27と、これを封入する封入用フィルム29とからなる。この保冷体21の底面には、非柔軟性基盤部31が備えられている。この保冷材27は、人の首筋から後頭部の形状に沿わせた形状に成形されている。薄く柔軟性のある封入用フィルム29は、十分な外形拘束機能は備えていない。この保冷材27は、保冷材27自体に形状保持機能を備えているので、成形された形状が封入用フィルム29の支持なしで保持される。この枕17は、保冷体21の保冷材27が柔軟性に富むとともに、人の首筋から後頭部の形状に沿った形状である。この保冷材27を備える保冷体21により、体に負担がかからないように、首筋及び頭が保持され冷却できる。図示されていないが、本体19及び保冷体21の上面側には多数の窪みが設けられている。この枕によれば、冷却が長持ちするとともに寝心地がよい。
【0054】
図8は、本発明のさらに他の実施形態に係る枕40が示された分解斜視図である。この枕40は、本体42と保冷体44とを備えている。本体42は、その中央部に、保冷体44を組み込むための凹部46を備えている。この保冷体44は、図1に示された保冷体5と同様、保冷材と封入用フィルムとからなる。保冷材の材質は、図3に示された保冷材9と同様である。保冷体44は、シート状である。シート状の保冷体44は保冷効果が維持される時間の面では塊状の保冷体5よりも不利であるが、最も重要である入眠前後における保冷効果は発揮される。
【0055】
図9は、図8の枕40の保冷体44が冷蔵される状態が示された分解斜視図である。この図9には、胴部48及び蓋50からなる容器52も示されている。この保冷体44が冷蔵されるには、まず保冷体44が巻かれる。保冷体44はシート状なので、容易に巻かれうる。次に、この保冷体44が胴部48に入れられる。次に、この胴部48に蓋50がかぶせられる。次に、容器52が冷蔵庫に収納される。容器52が冷蔵庫に一定時間保持されることにより、保冷体44の温度が下がる。冷蔵庫から容器52が取り出され、この容器52から保冷体44が取り出される。この保冷体44が本体42と組み合わされ、使用される。
【0056】
枕40の使用により、保冷体44には、髪の毛、汗、整髪料、香料等が付着する。冷蔵庫には通常、食料品が保存されている。保冷体44が容器52に収納されることにより、保冷体44と食料品との接触が阻止される。容器52はまた、保冷体44から食料品への臭いの移行も阻止する。この容器52は、衛生に寄与する。容器52が冷蔵庫へ容易に収納されうるように、容器52のサイズが決定される。例えば、通常の清涼飲料水のためのボトルと同程度のサイズの容器52が用意される。この保冷体44と容器52との組み合わせは、冷蔵庫の省スペースに寄与する。
【0057】
臭いの移行阻止の観点からは、通気性のない材質(例えば合成樹脂)から容器52が構成されることが好ましい。短時間で保冷体44が冷却されるとの観点からは、通気性のある材質(例えば紙)から容器52が構成されることが好ましい。通気性を備えた容器52では臭いの移行は十分には阻止されないが、保冷体44と食料品との接触は阻止される。容器52に通気口が形成されてもよい。
【0058】
容易に巻かれうるとの観点から、保冷体44の厚みは25mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましく、15mm以下が特に好ましい。保冷効果の維持の観点から、厚みは5mm以上が好ましい。保冷材が折りたたまれて容器に収納されててもよい。この場合は、ボックス状の容器が用いられる。
【実施例】
【0059】
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
【0060】
[実施例]
天然ゴムを基材とするゴム組成物(天然ゴム100質量部、充填剤115質量部、軟化剤4質量部、亜鉛華5.5質量部、ステアリン酸1.1質量部、発泡剤5質量部、硫黄2質量部、加硫促進剤0.9質量部、老化防止剤0.6質量部)を金型に投入して、150℃、10分加硫発泡させて成形し凹部を備えた本体を製造した。一方、本体の凹部形状に対応した形状を備えた金型にポリウレタンフィルム(厚さ0.1mm、引張強度20N、引裂強度8N、切断時伸び220%)を敷き、ポリウレタンプレポリマーを加温して50℃にして金型に50mm程度流し込み、その上に硬化型ポリウレタン組成物を充填し、120℃30分で架橋させた後、金型を冷却して成形体を取り出し保冷体を得た。この保冷体を本体に組み合わせて外装カバー(本体用;綿100%)を被せて実施例の枕を得た。
【0061】
[比較例]
市販の保冷具(ダンロップホームプロダクツ社製、品名「やわらか雪枕」、厚さ30mm、縦190mm、横340mm)を乗せた一般市販の平型枕(発泡ポリウレタン製、 550幅mm、奥行380mm、高さ10mm、綿100%製外装カバー付き)を比較例とした。
【0062】
[評価]
試験方法:頭をあずけ、頸部と保冷体の表面温度をグラム社製MT−8を用いて測定した。その結果が図10に示されている。さらにテスター10人に保冷体を15℃にして使用させて、心地よさ、フィット感及びムレ感について官能評価を行った。各々を5段階(非常に良いを5,良いを4、普通を3、悪いを2、非常に悪いを1)で評価した平均値を算出して表1の結果を得た。
【0063】
【表1】

【0064】
図10に示されているように、実施例の枕は、比較例の枕に比べて使用開始後の温度上昇が小さく、明らかに冷却機能が持続し優れている。また、表1に示されるように、実施例の枕では、比較例の枕に比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、通常の安眠用枕として用いられる他、脳障害患者等の医療用具に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかる枕が示された斜視図である。
【図2】図2(a)は、図1の平面図であり、図2(b)は図1の正面図であり、図2(c)は図1の側面図である。
【図3】図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】図4は、図2のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】図5は、本発明の他の実施形態に係る枕が示された平面図である。
【図6】図6は、図5の枕が示された正面図である。
【図7】図7は、図5の枕が示された右側面図である。
【図8】図8は、本発明のさらに他の実施形態に係る枕が示された分解斜視図である。
【図9】図9は、図8の枕の保冷体が冷蔵される状態が示された分解斜視図である。
【図10】図10は、実施例と比較例の枕が使用されたときの温度変化が示されたグラフである。
【符号の説明】
【0067】
1、17、40・・・枕
3、19、42・・・本体
5、21、44・・・保冷体
7、25、46・・・凹部
8、23・・・側壁
9、27・・・保冷材
11、28・・・封入用フィルム
13、31・・・非柔軟性基盤
52・・・容器
D・・・窪み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部に凹部を備える本体と、上記凹部に組み込まれる保冷体とからなり、この凹部が人の首筋が位置する側の本体側壁の中央部に開口している枕。
【請求項2】
上記保冷体が、封入用フィルムと、この封入用フィルムに内封され媒体を含まない架橋高分子からなる軟質成形体とを含む請求項1に記載の枕。
【請求項3】
上記軟質成形体が、未発泡のポリウレタン樹脂からなり、そのアスカーF硬度が10以上50以下である請求項2に記載の枕。
【請求項4】
上記凹部が本体側壁に開口している開口部の深さが、この本体側壁の高さの1/3以上である請求項1から3のいずれかに記載の枕。
【請求項5】
上記保冷体が、その底面に厚さが2mm以上15mm以下の非柔軟性基盤部をさらに備えており、上記袋体が0.02mm以上0.5mm以下の厚みの材料からなる請求項1から4のいずれかに記載の枕。
【請求項6】
上記保冷体の表面に複数の窪みを備えている請求項1から5のいずれかに記載の枕。
【請求項7】
中央部に凹部を備える本体と、上記凹部に組み込まれる保冷体とからなり、この保冷体がシート状である枕。
【請求項8】
上記保冷体の厚みが25mm以下である請求項7に記載の枕。
【請求項9】
上記保冷体が、封入用フィルムと、この封入用フィルムに内封され媒体を含まない架橋高分子からなる軟質成形体とを含む請求項7又は8に記載の枕。
【請求項10】
上記軟質成形体が、未発泡のポリウレタン樹脂からなり、そのアスカーF硬度が10以上50以下である請求項7から9のいずれかに記載の枕。
【請求項11】
上記請求項7から9のいずれかに記載の枕の保冷体と、この保冷体が巻かれて又は折りたたまれて収納される容器との組み合わせ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−51295(P2006−51295A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−257170(P2004−257170)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】