枕
【課題】寝返りにより高さが変化する枕について、横に寝た時と仰向けに寝たときであってもスムーズに高さが変化し且つコンパクトな枕を提案する。
【解決手段】下部支持部材と、使用者の頭部を載置する頭部支持部材と、下部支持部材と頭部支持部材の頭部載置側の両縁部を回動可能に接続する第1の側面支持部材、前記下部支持部材と前記頭部支持部材の頭部載置側と反対側の両縁部を回動可能に接続する第2の側面支持部材、前記頭部支持部材の頭部載置側から、前記第2の支持部材の略中間部方向へ前記頭部支持部材を付勢する付勢手段よりなる枕
【解決手段】下部支持部材と、使用者の頭部を載置する頭部支持部材と、下部支持部材と頭部支持部材の頭部載置側の両縁部を回動可能に接続する第1の側面支持部材、前記下部支持部材と前記頭部支持部材の頭部載置側と反対側の両縁部を回動可能に接続する第2の側面支持部材、前記頭部支持部材の頭部載置側から、前記第2の支持部材の略中間部方向へ前記頭部支持部材を付勢する付勢手段よりなる枕
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部の位置に適切に対応する枕に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、就寝時に使用者の頭部を支え負荷の少ない安定した姿勢で睡眠状態を得るために種々の枕が提案され使用されている。特に、睡眠時に寝返りを行うことで仰向け姿勢(仰臥)と横向き姿勢(横臥)とを交互に繰り返し姿勢を変化させることに対応して、その高さを変化させる枕が提案されている。
【0003】
特開2007−44490には、下部支持部材に対して使用者の頭部が載置される頭部支持部材と、前記下部支持部材上に設けられ前記略平行状態を維持して前記頭部支持部材を上下動可能に支持する複数の傾斜した支持部材を支持する機構と、前記支持部材を前記傾斜した方向に倒す荷重に対抗して直接又は他の部材を介して前記支持部材を付勢する付勢手段により、前記頭部支持部材を上下に移動させる構成が記載されている。この付勢手段の斜め下方向への付勢力によって前記頭部支持部材を上方向へ持ち上げる力は、頭部の仰向けの際の重さより小さく設定することで、横向き姿勢は、適度な高さで頭を支持し、仰向けに寝返ると、頭の重さが増して、付勢力を越え、頭部支持部材が下降することで、常に頭の位置に従った枕の高さを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−44490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特開2007−44490は、図5でしめすように、上部の頭部支持部材02と下部の下部支持部材03に対し、頭部支持部材02と下部支持部材03の間の両側面を回動可能に接続して支える第1の支持部材04及び対向する第2支持部材05と、頭部支持部材02の内側に接続し、斜め下方向へ付勢して、前記頭部支持部材02の上下の移動を行う付勢力形成手段01との組み合わせが示されているが、付勢力形成手段01によって生じる付勢力01aは、下部支持部材03と頭部支持部材02との間のおよそ対角線状に加えられている。
【0006】
この付勢力01aは、図5で示すように横方向01cと下方向の力01bに分解できるが、下方向への力01bは、頭が載置された際、頭が頭部支持部材02を押す方向と同じであり、下降しようとする力であることからこの力が大きいと、横向き寝で頭を十分に支えることができなかったり、頭部支持部材02のスムーズな上下運動ができない要因を形成してしまう場合がある。
このような状況を克服するには、更に大きな付勢力が生じる駆動手段が必要となるため、付勢力を発生させる装置自体が大きくなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑み本発明者は、鋭意研究の結果、下部支持部材と、頭を載置する頭部支持部材と、前記下部支持部材と前記頭部支持部材との間の頭を載置する側の側面を支持し、前記下部支持部材及び前記頭部支持部材と接する部位を中心に回動可能に接続された第1の側面支持部材、第1の側面支持部材に対向する側面に配置され前記下部支持部材及び前記頭部支持部材と接する部位を中心に回動可能に接続された第2の側面支持部材、前記頭部支持部材と前記第2の側面支持部材間に付勢手段を設けた枕により、付勢力の方向をより有効な力が発揮出来る方向とし、付勢手段の小型化とより簡素な構成を実現する。
より好ましくは、前記付勢手段は前記頭部支持部材の頭部載置側から、前記第2の側面支持部材の略中間部方向へ付勢することで、瞬時にして静かで且つスムースな頭部支持部材の上下動を行う寝心地の良い枕を実現する。
【0008】
更に本発明は、付勢力を調整する調整手段を設けることで、寝心地や頭の重さに応じた、横向き姿勢から仰向け姿勢への寝返りに伴う枕の上下動の動作を任意に行うことを実現する。
更に本発明は、付勢力伝達部材を頭部支持部材の複数の位置で接続配置することで、頭部支持部材の上下の運動を安定させることができ、枕のどの位置に頭が来ても安定した水平の上下動を可能とする。
即ち、睡眠状態にある使用者の頭が枕の中心に乗っておらず、又寝相によって頭が枕の端へいっても、頭部支持部材はスムースな上下動を水平に行うものである。
又、仰向けの状態で、頭部支持部材の位置が最低部位となったとしても、水平状態が維持されているため、偏った状態で、頭が枕内に不用意に埋もれることなく枕部材による顔の側面に対する圧迫感がなく安定した状態を形成できる場合もある。
【0009】
本発明における下部支持部材及び頭部支持部材は、非変形性の部材が好ましく又、より薄くできる材質が好ましい。形状は、枕全体の形状を決めるが、例えば長方形状、楕円形状、等寝具にあった様々な形状を取り得る。又、両者は、異なる形状であってもよく、厚みも、下部支持板を厚くし頭部支持板を薄くした状態としてもよい。
本発明における第1の側面支持部材は、頭部を載置する方向に配置されるものであり、長方形状で非変形性を有する例えば硬質プラスチック等で形成されても良い。
第1側面支持部材は、上部を、頭部支持部材と接触する部位で回動可能に接続され、下部を下部支持部材と接触する部位で回動可能に接続される。
接触する部位とは、頭部支持部材の縁部と第1側面支持部材の縁部同志の接触や、頭部支持部材の裏面と第1側面支持部材の縁部との接触した部分を示す。頭部支持部材と第2側面支持部材との接触、下部支持部材と第1側面支持部材との接触、及び下部支持部材と第2側面支持部材も同様の接触構成を有する。この接触は、蝶番等の付設により、回動可能な接続状態を形成する場合がある。
回動可能な接続状態は、例えば特開2007−44490号公報に示されており、有効に利用可能である。
【0010】
付勢手段は、頭部支持部材の裏面であって、頭を載せる方向に近い部位から、第2側面支持部材の中間方向へ、付勢力を生じさせるものが好ましく、手動、電動、いずれの場合でも好適に利用されるが、枕は、寝具であることから、より静かな上下動が求められることから、バネ、ゴム等の弾性部材が好適であるが、例えば、電力によって、伸縮する形状記憶合金製のワイヤー、静かに伸縮することで付勢力を発生させるものを使用しても良い。
付勢方向が、第2側面支持部材の中間部とする場合の中間部とは、例えば、中心部から上であって、少なくとも、付勢力により頭部支持部材が起き上がるまでの距離までを示す。
又、中心部から下、下部支持部材方向であっても、この付勢力が頭部支持部材が横向きで頭を支える際、無駄がない力で支えられる位置であればその位置も含まれるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、下部支持部材と、頭を載置する頭部支持部材と、前記下部支持部材と前記頭部支持部材の間の使用者の頭を載置する側の側面を支持し、前記下部支持部材及び前記頭部支持部材と接する部位を中心に回動可能に接続された第1の側面支持部材、第1の側面支持部材に対向する側面に配置され前記下部支持部材及び前記頭部支持部材と接する部位を中心に回動可能に接続された第2の側面支持部材、前記頭部支持部材と前記第2の側面支持部材間に付勢手段を設けたことにより、付勢手段の無駄な付勢力を解消することで、付勢手段の小型化を図り、寝返りの際の頭部支持部材の静かでスムースな上下運動を可能とすると共に複数の付勢手段を前記頭部支持部材と前記第2の側面支持部材との間に設けることで、枕のどの部分に頭をおいた状態であっても、寝返りの際、枕は、安定して上下動を行うと共に、付勢手段を第2側面支持部材に装着することで、更にコンパクトな枕を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態を説明する為の図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す図である。
【図3】本発明の他の実施例を説明する為の図である。
【図4】本発明の他の実施例を説明する為の図である。
【図5】従来例を説明する為の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態の一例を図1を参照して詳細に説明する。
11は、頭部支持部材であり、長方形状で、プラスチック材、木材等で形成されている。
12は、下部支持部材であり、頭部支持部材11と同様、長方形状で頭部支持部材と同様の材料で形成されている。
13は、第1側面支持部材であり、頭部支持部材と同様の材料でかつ長方形状を有しており、使用者が寝た状態で頭部を置く側に配置されている。
14は、第2側面支持部材であり、頭部支持部材と同様の材料でかつ長方形状を有しており、使用者が寝た状態で頭部を置く側と対向する側に位置されている。
【0014】
頭部支持部材11と第1側面支持部材13の上部縁部は、蝶番等の回動可能な接続具22aによって接続され、第1側面支持部材13の下部縁部と下部支持部材12は、回動可能な接続具22cによって接続され、頭部支持部材11と第2側面支持部材14の上部縁部は、回動可能な接続具22bによって接続され、下部支持部材12と第2側面支持部材14の下部縁部は、回動可能な接続具22dによって接続された状態となっている。
これら接続具22aから22dは、例えば、特開2007−44490号公報に記載されたものが好適に使用される。
15は、付勢手段であり、内部に付勢力を形成する引っ張りバネ、ゴム、弦巻バネ、等の弾性部材が内蔵されている。又場合によって、電動ポンプ、による陰圧発生機構、付勢部材巻き取りローター等電動式を用いても良い。
【0015】
付勢手段15は、第2側面支持部材14上に、ネジ、リベット等を用いて結合されていてもよい。
16は付勢力伝達部材であり、ワイヤー、綿製ロープ等で形成されている 付勢力伝達部材16は、一端が付勢手段15と接続し、他端が、頭部支持部材の裏面であって、頭部を置く側に接続されている。付勢手段15と付勢力伝達部材16との接続部位は、第2側面支持部材の略中間部となっており、第2側面支持部材14の略中間部から、前記頭部支持部材11と付勢伝達部位が接続している部位であるフック17a付近を付勢している。第2側面支持部材14の略中間部とは、中央だけを意味するのではなく、中央付近から、上部方向であって、少なくとも、付勢力によりこれらの支持部材が、倒置した状態や、復帰する状態が形成される範囲であれば良い。
【0016】
17aは、フックであり、付勢力伝達部材16の一端と接続するものである。17bは、フック固定部材であり、フック17aと接続し且つ頭部支持部材11の裏面に接続固定されている。
図1(b)の17a’は、フックであって、付勢力伝達部材16’の一端と接続するものである。17b’は、フック固定部材であり、フック17a’と接続し且つ頭部支持部材11の裏面に接続固定されている。
【0017】
図1(a)で、第2側面支持部材14と付勢力伝達部材16による付勢力を出力する部分の位置を14aと14bで示した。14a=14b、14b>14aであって、より頭部支持部材11に近くても良いが、14b<14aであってもよい場合もある。即ち、付勢手段15の付勢力16aの下方向の力16bを小さくして、より水平方向の力16cを大きくすることで、無駄な力が少なくすることができることから、駆動源となる弾性部材を小さくしたりすることができ、付勢手段の大きさを小さくすることができる。又、駆動源を電気式にした場合は、付勢力の有効な使用は、電力消費を抑得るなどの効果を有する。
【0018】
図1でしめす様に横向きで寝た状態では、第2側面支持部材14の中央から、頭部支持部材11を引っ張ることで生じる付勢力16aは、下方向への力16bと水平方向への力16cに分解されるものであるが、この下方向の力16bが、比較の為、従来例として示した付勢力形成手段01の対角線的な付勢力01aにおける下方向への力01bに比べて小さくなることで、余分な力を小さくすることができ、また、支持部材の上下の運動を形成する水平方向の力16cを従来の水平力01cよりも大きくすることができることから、付勢力を発生させる弾性部材の付勢力を小さくすることが出来ると共に付勢手段の小型化が図られたり、より大きな枕を小さな付勢手段で、上下操作させることを可能とする。23は、緩衝部材であって、クッションで形成され、頭を載せる部分を形成し、ウレタンフォーム、スポンジ、綿、畳等の通常枕の材料として用いられる緩衝性を有する材料で形成されている。
【0019】
図1(a)において、18、及び19は、ストッパーであり、頭部支持部材11が、付勢手段15の付勢力によって起き上がる高さを制限する手段である。
より具体的には、特開2007−44490号公報で記載されたストッパー機構が好適に利用される。
20は、調整用ダイヤルであり、回転、摺動、押したり、引いたりするボタン等で形成され、付勢手段の付勢力を調整する為のものである。尚、付勢力が、電動式で形成される場合は、タッチ式スイッチなどであっても良い場合もある。
21は、表示部であり、例えば、触った感触や目視によって付勢力の大きさがわかるような移動する突起と突起状の目盛りを具えている。この表示部は、調整用ダイヤル20を操作すると連動して移動して、表示位置を変え、付勢力の大きさ、寝返りの際の頭部支持板の上下移動の早さや、頭の重さに応じた、頭部支持板の上下移動のタイミングを表示し、寝た状態でも触ると付勢力の大きさがわかるようになっていることが好ましい。
【0020】
図1の状態は、使用者が横向きで寝ている状態で頭Hがクッションにおかれている。
付勢手段15が付勢力伝達部材16を介して頭部支持部材11の裏面に発生させる付勢力16aは、肩によって頭が多少支えられている状態で頭が頭部支持部材11に与える重さよりも大きく設定されている。
付勢手段15は、付勢力伝達部材16を介して頭部支持部材11に、その付勢力16a(水平方向の引っ張る力16c)を加えることで、頭部支持部材11を立ち上がらせて頭を支持する。
次に仰向けに寝ると、肩による支えが無くなるため、頭の重さが直接頭部支持部材11にかかることで、付勢力16aよりも上回り、頭部支持部材11は、第1側面支持部材13及び第2側面支持部材14の回動により、倒れるように下方向へ移動するが、その際、付勢力16aの水平方向の力16cが次第に大きくなると共に、頭部支持部材11は付勢力伝達部材16を引っ張る方向に倒れる為、付勢手段15内の付勢駆動源の付勢力が増加することから、抵抗力となって一時に下降するのではなく、徐々に下降していく。この様な付勢力による、頭部支持部材11の上下運動は、予め設定された付勢力の閾値に基づき、この閾値以下であると、横向けに寝た状態で頭を支え、仰向けに寝ると、頭の重さが付勢力の閾値を越えるため、頭部支持部材11が下に瞬時に且つスムーズに移動することで、快眠を誘う。
【0021】
又、仰向け寝から横向け寝に寝返った場合も、本発明は、第2側面支持部材の中間から頭部支持部材11の先端方向へ付勢力を生じさせているため、付勢力の水平方向の力が大きいことから、頭部支持板11はスムーズに立ち上がり、常に、頭を支持する枕となる。
更にこの付勢力の閾値を調整する手段と調整用ダイヤル20を設けることで、頭の重さが普通のひとより重い場合や軽い場合でも、頭部支持部材11が、寝返りに応じて上下運動を行う枕も可能となる。
【0022】
この調整用ダイヤル20は、これを回すことで、内部の付勢駆動力が、調整できる。ダイヤル調整用ダイヤル20を動かすと、連動して摺動し、閾値の程度が目で見て又触った感触で、付勢力の強さが認識できる表示部を21に示した。
付勢手段15と、閾値を調整する調整手段の具体的構成は、実施例に示すものであるが、少なくとも付勢力とこの付勢力を調整できる調整手段の組み合わせであれば良い。
又、付勢力伝達部材を複数形成して、頭部支持部材の複数部位と接続することで、頭部支持部材の端部に頭が来ても寝返りにより十分な上下運動を形成可能とするものである。
付勢力伝達部材と頭部支持部材との接続位置は、例えば図1(b)で示すように中心TOから、長手方向に等間隔THとすることが好ましいが、これに限るものではない。本数は、2本程度が好ましいが、これに限るものではない。
【0023】
このように付勢力伝達部材を、頭部支持板の複数の位置に配置し、同時に付勢力を加えることで、頭の位置が、枕のどの部位にあっても頭部支持部材はそのままの状態で安定した上下動作を行うことができる。
尚、付勢力伝達部材は、場合によっては、付勢駆動源として引張りコイルバネに置き換えても良く、頭部支持部材11の頭部を載置する側の裏面と、第2側面支持部材14の好ましくは中間部位間に引っ張りコイルバネを接続して、これを付勢手段としても良い場合もある。その場合は、付勢手段15が不要になる場合もある。
更に、下部支持板12の頭を載置する側に対し、肩が下部支持板12に接触しないように、湾曲状の切り込み部121が形成されていてもよい。
【実施例1】
【0024】
次に本発明の実施例を図2を参照して詳細に説明する。
図2は、実施例に係る枕を真上からみた図であり、頭を直接置く緩衝部材は省略した。又、付勢手段の内部構成を説明するために、図2(a)は駆動機構を覆う筐体220を省略して記載している。
図2(b)は、図2(a)のy−y’から見た断面図である。更に図2(b)は、本実施例の底面方向から見た図と併せて記載している。
図3は、図2で示す実施例をx−x’の切断面を見た断面図であり、図4は、真上から見た図である。
【0025】
更に図3と図4は、横向きで寝た状態と、仰向けで寝た状態を併せて示している。
201は、頭部支持部材であり、例えば上述した材質を有する長方形状の平板である。
202は、第2側面支持部材であり、同様の材質を具えた平板であり、頭部支持部材201と第2側面支持部材202は、一方の縁部で、回動自在に接続している。第2側面支持部材202に、付勢手段15が形成される。
203は第1付勢力伝達部材、209は、第2付勢力伝達部材であり、ワイヤー、ロープ類、チェーン、ベルト等、非伸縮性を具えた線状体が用いられる。
第1付勢力伝達部材203の一端は、頭部支持部材の裏面に形成されたフック205と接続する。フック205は、頭部支持部材201の裏面に接続したフック固定部材205aと接続している。
【0026】
206は、第1回転体であり、例えば滑車で形成され、その回転軸206sが第2側面支持部材202の平面に沿って固定され、第2側面支持部材202に開けられた開口部204’にその略半分が収まった形で、回転可能状態で配置されている。
208は、第2回転体であり、例えば滑車で形成され、円周部分に回転溝が形成されており、回転軸208sが第2側面支持部材202の平面に沿って固定され、第2側面支持部材202に表裏を貫通する様に設けられた開口部204にその略半分が収まった形で、第2側面支持部材202の面に対して垂直に回転可能状態で配置されている。
207は、第1の2連回転体であり、例えば滑車の2連構造体で形成され、回転軸207sは、第2側面支持部材202に直立した状態で固定され、この回転軸207sを中心にそれぞれが第2側面支持部材202の平面上を平行に回転するように形成されている。
図2(b)で示すように第1の2連回転体207の上側の上部回転体を207a、下側の下部回転体を207bとした。それぞれの円周には、回転溝が形成されている。
【0027】
211は、第2の2連回転体であり、例えば同様の滑車の構造体で形成され、第2側面支持部材202上に直立した回転軸211sを中心に、第2側面支持部材202の平面上を平行に回転する2連の回転体であって、第1の2連回転体207と同様の構成と設定がされている。
図2(b)で示すように第2の2連回転体の上側の上部回転体を211a、下側の下部回転体を211bとした。それぞれの円周には、回転溝が形成されている。
212は、第3の2連回転体であり、例えば同様の滑車の構造体で形成され、第2側面支持部材202上に垂直に形成された回転軸212sを中心に、第2側面支持部材202の平面上を平行に回転する2連の回転体であって、第1の2連回転体207と同様の構成と設定がされている。
【0028】
図2(b)で示すように第3の2連回転体の上側の上部回転体を212a、下側の下部回転体を212bとした。それぞれの円周には回転溝が形成されている。
第1付勢力伝達部材203は、まず開口部204’から、第1の回転体206の回転溝に沿いながら、筐体220内部に入り込み第1の2連回転体207の上部回転体207aの回転溝に沿うように第2の2連回転体211の方向へ回転方向を変えて進む。
そして、第1付勢力伝達部材203は、第2の2連回転体211の下部回転体211bの溝に沿いながら、第3の2連回転体212の下部回転体212bの溝部方向に方向を変え、更に第3の2連回転体212の下部回転体212bの溝部を沿うことで、進行方向を、引張りコイルバネ214方向へ変えて、収束具213に接続する。引張りコイルバネ214は、引っ張ることで、戻る力を利用するタイプのバネであるが、その他の形状のバネも利用可能である。
【0029】
第2付勢力伝達部材209は、その一端をフック210と接続する。フック210は、頭部支持部材201の裏面に接続されたフック固定部材210aと接続している。
第2付勢力伝達部材209の他端は、まず第2側面支持部材202の中間部に形成された表裏を貫通する開口部204にその一部が収容されるように配置された第2回転体208の回転溝部に沿って、筐体220内部に進行する。更に、第2付勢力伝達部材209の他端は、第2の2連回転体211の上部回転体211a方向へ方向を変えて進み、上部回転体211aの回転溝部に沿って、第3の2連回転体212の方向へ進行する。更に第2付勢力伝達部材209の他端は、第3の2連回転体212の上部回転体212aの回転溝部に沿って、進行方向を引っ張りコイルバネ21方向へ変えて進行し、収束具213に接続している。
【0030】
214は、引張りコイルバネであり、一方の先端のフックは、収束具213と接続している。収束具213は、ここでは、四角枠状に形成したものを示しているが、0リング等でもよく、少なくとも複数の付勢力伝達部材と結合接続されれば、バネ部のフックがその役目を代用しても良い場合もある。
引張りコイルバネ214は、コイル状に限らず、樹脂、ゴム等その他の弾性部材が利用できる。
引張りコイルバネ214の他端は、線状の調整用伝達部材215と接続する。調整用伝達部材215は、非伸縮性の部材で形成されていることが好ましく、金属製が例示される。
【0031】
調整用伝達部材215の他端は、バネ調整具216の中間部に接続している。バネ調整具216は、筐体220の下部に設置された細長いガイド溝217gを摺動可能に配置され、バネ調整具216の上部には、筐体220から突出した指示用突起217が設置されている。
バネ調整具216の上側には、内部にネジ部を有する貫通口216aが形成されており、そこを周囲にネジ部が施された調整用ボルト218が累合状態で貫通し、調整用ボルト218の一端は、筐体220を貫通して調整用つまみ219の回転と連動するように接続する。調整用ボルト218の他端には、調整用ボルト用軸受け220bが接続し、更により先端部には、抜け止め用リング220cにより抜け止め状態が形成されており、調整用ボルト218は、調整用つまみの回転と連動した回転を行う。
220は、筐体であり、駆動系を覆う硬質のカバーであって、水平方向等で発生する応力に対し、強力に対向する様に固定されることが好ましい。又、内部の回転体の軸の軸受けとして加工されても良い。
221は、下部支持部材であり、頭部支持部材201と同じ材料で板状に成型されるが、先端には、曲率を持って形成された切り込み部221aが形成され、横寝をした場合、下部支持部材221に肩が触れないようにすることが好ましい。
【0032】
図3において、222は、第1側面支持部材であり、長方形状で上述した材料により形成され、一方の縁部を頭部支持部材201の縁部と、他方の縁部を下部支持部材221と回動自在に接続している。
下部支持部材221の他方の縁部は、第2側面支持部材202と回動自在に接続している。302、303は、ストッパであり、付勢力伝達部材が、頭部支持部材へ加える付勢力によって、第1側面支持部材及び第2側面支持部材が、下部支持部材との接続部を中心に回動して頭部支持部材201が上部へ移動する際、移動しすぎないように回動を停止させるためのものである。ストッパ302、303の構成は、特開2007−44490号公報に示されたものが使用されても良い。
図3(a)において、22aから22dは、回転可能な接続具であり、図1の説明で用いられたものがそのまま利用できる。
【0033】
次に図2で示した実施例の動作を図2、図3及び図4を参照して詳細に説明する。
まず、枕に頭を載せない状態において、
図2でしめす様にフック205とその一端が接続した第1付勢力伝達部材203は、第2側面支持部材202の中間に設けられた開口部204’から第1回転体206の回転溝部を沿って、第1の2連回転体207の上側回転体207aの回転溝部を通り、第2側面支持部材202の面に沿って、第2の2連回転体211の下側回転体211bの回転溝部を通り更に第3の2連回転体212の下部回転体212bの回転溝部に沿って進行し、収束具213に接続した状態となる。又、フック210とその一端が接続した第2付勢力伝達部材209は、第2側面支持部材202の中間に設けられた開口部204から第2回転体208の回転溝部に沿って上方向へ進行して第2の2連回転体211の上部回転体211aの回転溝部に沿う。第2付勢力伝達部材209の進行方向は、第2側面支持部材202の平面方向へ変更され、更に第3の2連回転体212の上部回転体212aの回転溝部に沿って、その方向を収束具213方向に変える。そして第2付勢力伝達部材209の一端は、収束具213と接続する。
【0034】
収束具213は、引張りコイルバネ214の一端に接続し、引張りコイルバネ214の他端は、調整用伝達部材215を介してバネ調整具216に接続する。
バネ調整具216は、調整用ボルト218上に移動可能に固定されており、バネ調整具216が調整用つまみ219方向へ移動すると付勢力が強くなり、逆方向へ移動すると弱くなる。
調整用つまみ219を回して調整された引っ張りコイルバネ214が生じさせる付勢力は、第2付勢力伝達部材209と第1付勢力伝達部材203を同時に付勢し、頭部支持部材201の第1側面支持部材側であって、頭を載置する方向を下斜め方向へ引く力を発生させ、下部支持部材と第1側面支持部材の接続部を中心に回動させ、起き上がらせる。
更に、起き上がる量を調整するため、図3(a)でしめすストッパー302と303が働いて、適当な高さで維持された状態となっており、頭部支持部材201と下部支持部材221は、略平行な状態となっている。
次に図3(a)で示すように使用者が横向き寝をした状態3Hで、クッション等の緩衝性部材301に頭を置く。頭は、肩で支えられている為、頭部支持部材201を押す力は、2つの付勢力伝達手段を介して引張りコイルバネ214を引っ張ることから付勢力が増すことで生じる頭部支持部材201の上へ押す力を大きくしてバランスをとろうとすることから、頭部支持部材201は、調整つまみ219で調整された引張コイルバネ214の付勢力に基づいて横向け寝の際のバランスのあった力関係で適当な使用者の頭の高さを維持する。
【0035】
次に図3(b)で示すように使用者が、寝返りをすることで、仰向け寝の状態3Aが形成されると、頭を支持するものが無くなるために、頭部支持部材201を押す力が増大する。
この押す力は、頭部支持部材201を押し下げようとし、引張りバネコイル214の付勢力に基づく第1及び第2の付勢力伝達部材203、209の付勢力は、その押し下げようとする力が閾値を超えたため、抗し切れず、下部支持部材221と接触する程度まで下降し、図4(a)の状態となる。
この時、引張りコイルバネ214の付勢力が増加しており、図3(a)で示す横向け寝や起き上がったときに、この付勢力により、頭部支持部材201を第1付勢伝達手段203及び第2付勢力伝達手段209を介して引っ張り、下部支持部材221と第1側面支持部材222及び第2側面支持部材202との接触線を中心に頭部支持部材201を回動させるように起き上がらせる。
【0036】
使用者の頭が頭部支持部材201に加える重さと、これに対向する頭部支持部材201に対し第2側面支持部材202の中間方向から付勢する付勢力の線形的な対向により、頭部支持部材201の高さを頭の重さに応じてスムーズに変化させることができ、しかもコンパクトな構成である付勢手段15を第2側面支持部材上に固定することができ、枕全体もコンパクトになる。
又、図2でしめすように付勢力伝達部材203、第2付勢力伝達部材209が、頭部支持部材201を等間隔で配置されているため、頭が頭部支持部材のどの部分にあっても、寝返りに追従した動きをさせることができ、又、2つの付勢力伝達部材の付勢力の方向を、第2側面支持部材202上の平面方向へ変更すると共に、一つにまとめると共に一つの付勢駆動力により、駆動させることで、より効率の良い付勢力と、一つの調整具による調整が可能となる。
又、このような付勢力を付勢力の伝達部材を組み合わせて、一つの付勢駆動源により駆動させる構成を第2側面支持部材上に設けた場合、よりコンパクトな枕であって、一つの調整具により、付勢力の調整を可能としている。
付勢手段15は、図2で示す様に筐体220に駆動部分が全て収容された場合、回転体の回転時の動作音が外部へ漏れないことから駆動が静かであり、寝具としては最適であると共に製造コスト、を低く抑え、軽量化、故障発生率の低減を図ることが出来る。
【0037】
次に横向き寝の場合の頭の高さを調整する場合、寝返りがスムーズになるように調整する場合等、図2でしめす調整用つまみ219を所定の方向へ回す。所定の方向とは、調整用ボルト218のネジの回転方向によって設定される。
調整用つまみ219は、調整用ボルト218と連動して接続しているために、同じ方向へ回転する。バネ調整具216は、貫通口216a内の内ネジと調整用ボルト218の外ネジが累合しているため、調整用ボルト218の回転によって、左右に移動し、調整用つまみ219方向へ移動させると、引張りコイルバネ214が更に引っ張られるため、頭部支持部材201を付勢する付勢力が増加し、頭部支持部材201を上方向持ち上げる力が大きくなる。
【0038】
調整用つまみ219を逆方向に回すと、バネ調整具216は、反対方向へ摺動し、引張りコイルバネ214の引っ張られ得る度合いが小さくなり、頭部支持部材201の付勢力が小さくなる。更に、調整用つまみ219を回すと、付勢力が解消され、折畳んだ状態となり持ち運びが容易になる。
又、バネ調整具216の上部には、筐体220から突出した指示用突起217が形成されており、強さ表示部401が多少の凹凸を持つと、指示用突起217と、表示部401のさわった感触から、引張りコイルバネ214の付勢力がわかる為、睡眠を邪魔することなく枕の寝心地等を調整でき、場合によっては、視覚障害者でも枕の寝心地等を容易に調整できる様にすることもできる。
【0039】
本実施例は、仰向き寝の状態から、横向き寝の状態に寝返りを打つ場合、頭部支持部材が上方向へ立ち上がると同時に各支持部材とこれを覆う通気性のある防護カバー部材(図示せず)で囲まれた内部空間が形成されることから、カバー部材を介して外気が枕内部に入り込むことで、頭部を間接的に冷却するラジエター的作用も期待できる。
又、頭部支持部材が上下動する際、大量の空気が出入りするために上述の様な防護カバーで覆って使用する場合は、これに適当なポケットを空気の出入り部に形成し、ポケット内部に芳香剤、やポプリ、ハーブ等を入れておくと、寝返りをする毎に香りをかぐことが出来、癒し、安らぎの効果を生み、良質の睡眠が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、寝返りに追従して枕の高さが変化し、快眠を誘うことができる枕であって、よりコンパクトな構造を持つことから、自宅、ホテルにおいて安眠を誘う枕としての寝具を提供する
【符号の説明】
【0041】
11 頭部支持部材
12 下部支持部材
13 第1側面支持部材
14 第2側面支持部材
15 付勢手段
16 付勢力伝達部材
18 ストッパー
19 ストッパー
20 調整用ダイヤル
21 表示部
23 緩衝性部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部の位置に適切に対応する枕に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、就寝時に使用者の頭部を支え負荷の少ない安定した姿勢で睡眠状態を得るために種々の枕が提案され使用されている。特に、睡眠時に寝返りを行うことで仰向け姿勢(仰臥)と横向き姿勢(横臥)とを交互に繰り返し姿勢を変化させることに対応して、その高さを変化させる枕が提案されている。
【0003】
特開2007−44490には、下部支持部材に対して使用者の頭部が載置される頭部支持部材と、前記下部支持部材上に設けられ前記略平行状態を維持して前記頭部支持部材を上下動可能に支持する複数の傾斜した支持部材を支持する機構と、前記支持部材を前記傾斜した方向に倒す荷重に対抗して直接又は他の部材を介して前記支持部材を付勢する付勢手段により、前記頭部支持部材を上下に移動させる構成が記載されている。この付勢手段の斜め下方向への付勢力によって前記頭部支持部材を上方向へ持ち上げる力は、頭部の仰向けの際の重さより小さく設定することで、横向き姿勢は、適度な高さで頭を支持し、仰向けに寝返ると、頭の重さが増して、付勢力を越え、頭部支持部材が下降することで、常に頭の位置に従った枕の高さを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−44490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特開2007−44490は、図5でしめすように、上部の頭部支持部材02と下部の下部支持部材03に対し、頭部支持部材02と下部支持部材03の間の両側面を回動可能に接続して支える第1の支持部材04及び対向する第2支持部材05と、頭部支持部材02の内側に接続し、斜め下方向へ付勢して、前記頭部支持部材02の上下の移動を行う付勢力形成手段01との組み合わせが示されているが、付勢力形成手段01によって生じる付勢力01aは、下部支持部材03と頭部支持部材02との間のおよそ対角線状に加えられている。
【0006】
この付勢力01aは、図5で示すように横方向01cと下方向の力01bに分解できるが、下方向への力01bは、頭が載置された際、頭が頭部支持部材02を押す方向と同じであり、下降しようとする力であることからこの力が大きいと、横向き寝で頭を十分に支えることができなかったり、頭部支持部材02のスムーズな上下運動ができない要因を形成してしまう場合がある。
このような状況を克服するには、更に大きな付勢力が生じる駆動手段が必要となるため、付勢力を発生させる装置自体が大きくなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑み本発明者は、鋭意研究の結果、下部支持部材と、頭を載置する頭部支持部材と、前記下部支持部材と前記頭部支持部材との間の頭を載置する側の側面を支持し、前記下部支持部材及び前記頭部支持部材と接する部位を中心に回動可能に接続された第1の側面支持部材、第1の側面支持部材に対向する側面に配置され前記下部支持部材及び前記頭部支持部材と接する部位を中心に回動可能に接続された第2の側面支持部材、前記頭部支持部材と前記第2の側面支持部材間に付勢手段を設けた枕により、付勢力の方向をより有効な力が発揮出来る方向とし、付勢手段の小型化とより簡素な構成を実現する。
より好ましくは、前記付勢手段は前記頭部支持部材の頭部載置側から、前記第2の側面支持部材の略中間部方向へ付勢することで、瞬時にして静かで且つスムースな頭部支持部材の上下動を行う寝心地の良い枕を実現する。
【0008】
更に本発明は、付勢力を調整する調整手段を設けることで、寝心地や頭の重さに応じた、横向き姿勢から仰向け姿勢への寝返りに伴う枕の上下動の動作を任意に行うことを実現する。
更に本発明は、付勢力伝達部材を頭部支持部材の複数の位置で接続配置することで、頭部支持部材の上下の運動を安定させることができ、枕のどの位置に頭が来ても安定した水平の上下動を可能とする。
即ち、睡眠状態にある使用者の頭が枕の中心に乗っておらず、又寝相によって頭が枕の端へいっても、頭部支持部材はスムースな上下動を水平に行うものである。
又、仰向けの状態で、頭部支持部材の位置が最低部位となったとしても、水平状態が維持されているため、偏った状態で、頭が枕内に不用意に埋もれることなく枕部材による顔の側面に対する圧迫感がなく安定した状態を形成できる場合もある。
【0009】
本発明における下部支持部材及び頭部支持部材は、非変形性の部材が好ましく又、より薄くできる材質が好ましい。形状は、枕全体の形状を決めるが、例えば長方形状、楕円形状、等寝具にあった様々な形状を取り得る。又、両者は、異なる形状であってもよく、厚みも、下部支持板を厚くし頭部支持板を薄くした状態としてもよい。
本発明における第1の側面支持部材は、頭部を載置する方向に配置されるものであり、長方形状で非変形性を有する例えば硬質プラスチック等で形成されても良い。
第1側面支持部材は、上部を、頭部支持部材と接触する部位で回動可能に接続され、下部を下部支持部材と接触する部位で回動可能に接続される。
接触する部位とは、頭部支持部材の縁部と第1側面支持部材の縁部同志の接触や、頭部支持部材の裏面と第1側面支持部材の縁部との接触した部分を示す。頭部支持部材と第2側面支持部材との接触、下部支持部材と第1側面支持部材との接触、及び下部支持部材と第2側面支持部材も同様の接触構成を有する。この接触は、蝶番等の付設により、回動可能な接続状態を形成する場合がある。
回動可能な接続状態は、例えば特開2007−44490号公報に示されており、有効に利用可能である。
【0010】
付勢手段は、頭部支持部材の裏面であって、頭を載せる方向に近い部位から、第2側面支持部材の中間方向へ、付勢力を生じさせるものが好ましく、手動、電動、いずれの場合でも好適に利用されるが、枕は、寝具であることから、より静かな上下動が求められることから、バネ、ゴム等の弾性部材が好適であるが、例えば、電力によって、伸縮する形状記憶合金製のワイヤー、静かに伸縮することで付勢力を発生させるものを使用しても良い。
付勢方向が、第2側面支持部材の中間部とする場合の中間部とは、例えば、中心部から上であって、少なくとも、付勢力により頭部支持部材が起き上がるまでの距離までを示す。
又、中心部から下、下部支持部材方向であっても、この付勢力が頭部支持部材が横向きで頭を支える際、無駄がない力で支えられる位置であればその位置も含まれるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、下部支持部材と、頭を載置する頭部支持部材と、前記下部支持部材と前記頭部支持部材の間の使用者の頭を載置する側の側面を支持し、前記下部支持部材及び前記頭部支持部材と接する部位を中心に回動可能に接続された第1の側面支持部材、第1の側面支持部材に対向する側面に配置され前記下部支持部材及び前記頭部支持部材と接する部位を中心に回動可能に接続された第2の側面支持部材、前記頭部支持部材と前記第2の側面支持部材間に付勢手段を設けたことにより、付勢手段の無駄な付勢力を解消することで、付勢手段の小型化を図り、寝返りの際の頭部支持部材の静かでスムースな上下運動を可能とすると共に複数の付勢手段を前記頭部支持部材と前記第2の側面支持部材との間に設けることで、枕のどの部分に頭をおいた状態であっても、寝返りの際、枕は、安定して上下動を行うと共に、付勢手段を第2側面支持部材に装着することで、更にコンパクトな枕を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態を説明する為の図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す図である。
【図3】本発明の他の実施例を説明する為の図である。
【図4】本発明の他の実施例を説明する為の図である。
【図5】従来例を説明する為の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態の一例を図1を参照して詳細に説明する。
11は、頭部支持部材であり、長方形状で、プラスチック材、木材等で形成されている。
12は、下部支持部材であり、頭部支持部材11と同様、長方形状で頭部支持部材と同様の材料で形成されている。
13は、第1側面支持部材であり、頭部支持部材と同様の材料でかつ長方形状を有しており、使用者が寝た状態で頭部を置く側に配置されている。
14は、第2側面支持部材であり、頭部支持部材と同様の材料でかつ長方形状を有しており、使用者が寝た状態で頭部を置く側と対向する側に位置されている。
【0014】
頭部支持部材11と第1側面支持部材13の上部縁部は、蝶番等の回動可能な接続具22aによって接続され、第1側面支持部材13の下部縁部と下部支持部材12は、回動可能な接続具22cによって接続され、頭部支持部材11と第2側面支持部材14の上部縁部は、回動可能な接続具22bによって接続され、下部支持部材12と第2側面支持部材14の下部縁部は、回動可能な接続具22dによって接続された状態となっている。
これら接続具22aから22dは、例えば、特開2007−44490号公報に記載されたものが好適に使用される。
15は、付勢手段であり、内部に付勢力を形成する引っ張りバネ、ゴム、弦巻バネ、等の弾性部材が内蔵されている。又場合によって、電動ポンプ、による陰圧発生機構、付勢部材巻き取りローター等電動式を用いても良い。
【0015】
付勢手段15は、第2側面支持部材14上に、ネジ、リベット等を用いて結合されていてもよい。
16は付勢力伝達部材であり、ワイヤー、綿製ロープ等で形成されている 付勢力伝達部材16は、一端が付勢手段15と接続し、他端が、頭部支持部材の裏面であって、頭部を置く側に接続されている。付勢手段15と付勢力伝達部材16との接続部位は、第2側面支持部材の略中間部となっており、第2側面支持部材14の略中間部から、前記頭部支持部材11と付勢伝達部位が接続している部位であるフック17a付近を付勢している。第2側面支持部材14の略中間部とは、中央だけを意味するのではなく、中央付近から、上部方向であって、少なくとも、付勢力によりこれらの支持部材が、倒置した状態や、復帰する状態が形成される範囲であれば良い。
【0016】
17aは、フックであり、付勢力伝達部材16の一端と接続するものである。17bは、フック固定部材であり、フック17aと接続し且つ頭部支持部材11の裏面に接続固定されている。
図1(b)の17a’は、フックであって、付勢力伝達部材16’の一端と接続するものである。17b’は、フック固定部材であり、フック17a’と接続し且つ頭部支持部材11の裏面に接続固定されている。
【0017】
図1(a)で、第2側面支持部材14と付勢力伝達部材16による付勢力を出力する部分の位置を14aと14bで示した。14a=14b、14b>14aであって、より頭部支持部材11に近くても良いが、14b<14aであってもよい場合もある。即ち、付勢手段15の付勢力16aの下方向の力16bを小さくして、より水平方向の力16cを大きくすることで、無駄な力が少なくすることができることから、駆動源となる弾性部材を小さくしたりすることができ、付勢手段の大きさを小さくすることができる。又、駆動源を電気式にした場合は、付勢力の有効な使用は、電力消費を抑得るなどの効果を有する。
【0018】
図1でしめす様に横向きで寝た状態では、第2側面支持部材14の中央から、頭部支持部材11を引っ張ることで生じる付勢力16aは、下方向への力16bと水平方向への力16cに分解されるものであるが、この下方向の力16bが、比較の為、従来例として示した付勢力形成手段01の対角線的な付勢力01aにおける下方向への力01bに比べて小さくなることで、余分な力を小さくすることができ、また、支持部材の上下の運動を形成する水平方向の力16cを従来の水平力01cよりも大きくすることができることから、付勢力を発生させる弾性部材の付勢力を小さくすることが出来ると共に付勢手段の小型化が図られたり、より大きな枕を小さな付勢手段で、上下操作させることを可能とする。23は、緩衝部材であって、クッションで形成され、頭を載せる部分を形成し、ウレタンフォーム、スポンジ、綿、畳等の通常枕の材料として用いられる緩衝性を有する材料で形成されている。
【0019】
図1(a)において、18、及び19は、ストッパーであり、頭部支持部材11が、付勢手段15の付勢力によって起き上がる高さを制限する手段である。
より具体的には、特開2007−44490号公報で記載されたストッパー機構が好適に利用される。
20は、調整用ダイヤルであり、回転、摺動、押したり、引いたりするボタン等で形成され、付勢手段の付勢力を調整する為のものである。尚、付勢力が、電動式で形成される場合は、タッチ式スイッチなどであっても良い場合もある。
21は、表示部であり、例えば、触った感触や目視によって付勢力の大きさがわかるような移動する突起と突起状の目盛りを具えている。この表示部は、調整用ダイヤル20を操作すると連動して移動して、表示位置を変え、付勢力の大きさ、寝返りの際の頭部支持板の上下移動の早さや、頭の重さに応じた、頭部支持板の上下移動のタイミングを表示し、寝た状態でも触ると付勢力の大きさがわかるようになっていることが好ましい。
【0020】
図1の状態は、使用者が横向きで寝ている状態で頭Hがクッションにおかれている。
付勢手段15が付勢力伝達部材16を介して頭部支持部材11の裏面に発生させる付勢力16aは、肩によって頭が多少支えられている状態で頭が頭部支持部材11に与える重さよりも大きく設定されている。
付勢手段15は、付勢力伝達部材16を介して頭部支持部材11に、その付勢力16a(水平方向の引っ張る力16c)を加えることで、頭部支持部材11を立ち上がらせて頭を支持する。
次に仰向けに寝ると、肩による支えが無くなるため、頭の重さが直接頭部支持部材11にかかることで、付勢力16aよりも上回り、頭部支持部材11は、第1側面支持部材13及び第2側面支持部材14の回動により、倒れるように下方向へ移動するが、その際、付勢力16aの水平方向の力16cが次第に大きくなると共に、頭部支持部材11は付勢力伝達部材16を引っ張る方向に倒れる為、付勢手段15内の付勢駆動源の付勢力が増加することから、抵抗力となって一時に下降するのではなく、徐々に下降していく。この様な付勢力による、頭部支持部材11の上下運動は、予め設定された付勢力の閾値に基づき、この閾値以下であると、横向けに寝た状態で頭を支え、仰向けに寝ると、頭の重さが付勢力の閾値を越えるため、頭部支持部材11が下に瞬時に且つスムーズに移動することで、快眠を誘う。
【0021】
又、仰向け寝から横向け寝に寝返った場合も、本発明は、第2側面支持部材の中間から頭部支持部材11の先端方向へ付勢力を生じさせているため、付勢力の水平方向の力が大きいことから、頭部支持板11はスムーズに立ち上がり、常に、頭を支持する枕となる。
更にこの付勢力の閾値を調整する手段と調整用ダイヤル20を設けることで、頭の重さが普通のひとより重い場合や軽い場合でも、頭部支持部材11が、寝返りに応じて上下運動を行う枕も可能となる。
【0022】
この調整用ダイヤル20は、これを回すことで、内部の付勢駆動力が、調整できる。ダイヤル調整用ダイヤル20を動かすと、連動して摺動し、閾値の程度が目で見て又触った感触で、付勢力の強さが認識できる表示部を21に示した。
付勢手段15と、閾値を調整する調整手段の具体的構成は、実施例に示すものであるが、少なくとも付勢力とこの付勢力を調整できる調整手段の組み合わせであれば良い。
又、付勢力伝達部材を複数形成して、頭部支持部材の複数部位と接続することで、頭部支持部材の端部に頭が来ても寝返りにより十分な上下運動を形成可能とするものである。
付勢力伝達部材と頭部支持部材との接続位置は、例えば図1(b)で示すように中心TOから、長手方向に等間隔THとすることが好ましいが、これに限るものではない。本数は、2本程度が好ましいが、これに限るものではない。
【0023】
このように付勢力伝達部材を、頭部支持板の複数の位置に配置し、同時に付勢力を加えることで、頭の位置が、枕のどの部位にあっても頭部支持部材はそのままの状態で安定した上下動作を行うことができる。
尚、付勢力伝達部材は、場合によっては、付勢駆動源として引張りコイルバネに置き換えても良く、頭部支持部材11の頭部を載置する側の裏面と、第2側面支持部材14の好ましくは中間部位間に引っ張りコイルバネを接続して、これを付勢手段としても良い場合もある。その場合は、付勢手段15が不要になる場合もある。
更に、下部支持板12の頭を載置する側に対し、肩が下部支持板12に接触しないように、湾曲状の切り込み部121が形成されていてもよい。
【実施例1】
【0024】
次に本発明の実施例を図2を参照して詳細に説明する。
図2は、実施例に係る枕を真上からみた図であり、頭を直接置く緩衝部材は省略した。又、付勢手段の内部構成を説明するために、図2(a)は駆動機構を覆う筐体220を省略して記載している。
図2(b)は、図2(a)のy−y’から見た断面図である。更に図2(b)は、本実施例の底面方向から見た図と併せて記載している。
図3は、図2で示す実施例をx−x’の切断面を見た断面図であり、図4は、真上から見た図である。
【0025】
更に図3と図4は、横向きで寝た状態と、仰向けで寝た状態を併せて示している。
201は、頭部支持部材であり、例えば上述した材質を有する長方形状の平板である。
202は、第2側面支持部材であり、同様の材質を具えた平板であり、頭部支持部材201と第2側面支持部材202は、一方の縁部で、回動自在に接続している。第2側面支持部材202に、付勢手段15が形成される。
203は第1付勢力伝達部材、209は、第2付勢力伝達部材であり、ワイヤー、ロープ類、チェーン、ベルト等、非伸縮性を具えた線状体が用いられる。
第1付勢力伝達部材203の一端は、頭部支持部材の裏面に形成されたフック205と接続する。フック205は、頭部支持部材201の裏面に接続したフック固定部材205aと接続している。
【0026】
206は、第1回転体であり、例えば滑車で形成され、その回転軸206sが第2側面支持部材202の平面に沿って固定され、第2側面支持部材202に開けられた開口部204’にその略半分が収まった形で、回転可能状態で配置されている。
208は、第2回転体であり、例えば滑車で形成され、円周部分に回転溝が形成されており、回転軸208sが第2側面支持部材202の平面に沿って固定され、第2側面支持部材202に表裏を貫通する様に設けられた開口部204にその略半分が収まった形で、第2側面支持部材202の面に対して垂直に回転可能状態で配置されている。
207は、第1の2連回転体であり、例えば滑車の2連構造体で形成され、回転軸207sは、第2側面支持部材202に直立した状態で固定され、この回転軸207sを中心にそれぞれが第2側面支持部材202の平面上を平行に回転するように形成されている。
図2(b)で示すように第1の2連回転体207の上側の上部回転体を207a、下側の下部回転体を207bとした。それぞれの円周には、回転溝が形成されている。
【0027】
211は、第2の2連回転体であり、例えば同様の滑車の構造体で形成され、第2側面支持部材202上に直立した回転軸211sを中心に、第2側面支持部材202の平面上を平行に回転する2連の回転体であって、第1の2連回転体207と同様の構成と設定がされている。
図2(b)で示すように第2の2連回転体の上側の上部回転体を211a、下側の下部回転体を211bとした。それぞれの円周には、回転溝が形成されている。
212は、第3の2連回転体であり、例えば同様の滑車の構造体で形成され、第2側面支持部材202上に垂直に形成された回転軸212sを中心に、第2側面支持部材202の平面上を平行に回転する2連の回転体であって、第1の2連回転体207と同様の構成と設定がされている。
【0028】
図2(b)で示すように第3の2連回転体の上側の上部回転体を212a、下側の下部回転体を212bとした。それぞれの円周には回転溝が形成されている。
第1付勢力伝達部材203は、まず開口部204’から、第1の回転体206の回転溝に沿いながら、筐体220内部に入り込み第1の2連回転体207の上部回転体207aの回転溝に沿うように第2の2連回転体211の方向へ回転方向を変えて進む。
そして、第1付勢力伝達部材203は、第2の2連回転体211の下部回転体211bの溝に沿いながら、第3の2連回転体212の下部回転体212bの溝部方向に方向を変え、更に第3の2連回転体212の下部回転体212bの溝部を沿うことで、進行方向を、引張りコイルバネ214方向へ変えて、収束具213に接続する。引張りコイルバネ214は、引っ張ることで、戻る力を利用するタイプのバネであるが、その他の形状のバネも利用可能である。
【0029】
第2付勢力伝達部材209は、その一端をフック210と接続する。フック210は、頭部支持部材201の裏面に接続されたフック固定部材210aと接続している。
第2付勢力伝達部材209の他端は、まず第2側面支持部材202の中間部に形成された表裏を貫通する開口部204にその一部が収容されるように配置された第2回転体208の回転溝部に沿って、筐体220内部に進行する。更に、第2付勢力伝達部材209の他端は、第2の2連回転体211の上部回転体211a方向へ方向を変えて進み、上部回転体211aの回転溝部に沿って、第3の2連回転体212の方向へ進行する。更に第2付勢力伝達部材209の他端は、第3の2連回転体212の上部回転体212aの回転溝部に沿って、進行方向を引っ張りコイルバネ21方向へ変えて進行し、収束具213に接続している。
【0030】
214は、引張りコイルバネであり、一方の先端のフックは、収束具213と接続している。収束具213は、ここでは、四角枠状に形成したものを示しているが、0リング等でもよく、少なくとも複数の付勢力伝達部材と結合接続されれば、バネ部のフックがその役目を代用しても良い場合もある。
引張りコイルバネ214は、コイル状に限らず、樹脂、ゴム等その他の弾性部材が利用できる。
引張りコイルバネ214の他端は、線状の調整用伝達部材215と接続する。調整用伝達部材215は、非伸縮性の部材で形成されていることが好ましく、金属製が例示される。
【0031】
調整用伝達部材215の他端は、バネ調整具216の中間部に接続している。バネ調整具216は、筐体220の下部に設置された細長いガイド溝217gを摺動可能に配置され、バネ調整具216の上部には、筐体220から突出した指示用突起217が設置されている。
バネ調整具216の上側には、内部にネジ部を有する貫通口216aが形成されており、そこを周囲にネジ部が施された調整用ボルト218が累合状態で貫通し、調整用ボルト218の一端は、筐体220を貫通して調整用つまみ219の回転と連動するように接続する。調整用ボルト218の他端には、調整用ボルト用軸受け220bが接続し、更により先端部には、抜け止め用リング220cにより抜け止め状態が形成されており、調整用ボルト218は、調整用つまみの回転と連動した回転を行う。
220は、筐体であり、駆動系を覆う硬質のカバーであって、水平方向等で発生する応力に対し、強力に対向する様に固定されることが好ましい。又、内部の回転体の軸の軸受けとして加工されても良い。
221は、下部支持部材であり、頭部支持部材201と同じ材料で板状に成型されるが、先端には、曲率を持って形成された切り込み部221aが形成され、横寝をした場合、下部支持部材221に肩が触れないようにすることが好ましい。
【0032】
図3において、222は、第1側面支持部材であり、長方形状で上述した材料により形成され、一方の縁部を頭部支持部材201の縁部と、他方の縁部を下部支持部材221と回動自在に接続している。
下部支持部材221の他方の縁部は、第2側面支持部材202と回動自在に接続している。302、303は、ストッパであり、付勢力伝達部材が、頭部支持部材へ加える付勢力によって、第1側面支持部材及び第2側面支持部材が、下部支持部材との接続部を中心に回動して頭部支持部材201が上部へ移動する際、移動しすぎないように回動を停止させるためのものである。ストッパ302、303の構成は、特開2007−44490号公報に示されたものが使用されても良い。
図3(a)において、22aから22dは、回転可能な接続具であり、図1の説明で用いられたものがそのまま利用できる。
【0033】
次に図2で示した実施例の動作を図2、図3及び図4を参照して詳細に説明する。
まず、枕に頭を載せない状態において、
図2でしめす様にフック205とその一端が接続した第1付勢力伝達部材203は、第2側面支持部材202の中間に設けられた開口部204’から第1回転体206の回転溝部を沿って、第1の2連回転体207の上側回転体207aの回転溝部を通り、第2側面支持部材202の面に沿って、第2の2連回転体211の下側回転体211bの回転溝部を通り更に第3の2連回転体212の下部回転体212bの回転溝部に沿って進行し、収束具213に接続した状態となる。又、フック210とその一端が接続した第2付勢力伝達部材209は、第2側面支持部材202の中間に設けられた開口部204から第2回転体208の回転溝部に沿って上方向へ進行して第2の2連回転体211の上部回転体211aの回転溝部に沿う。第2付勢力伝達部材209の進行方向は、第2側面支持部材202の平面方向へ変更され、更に第3の2連回転体212の上部回転体212aの回転溝部に沿って、その方向を収束具213方向に変える。そして第2付勢力伝達部材209の一端は、収束具213と接続する。
【0034】
収束具213は、引張りコイルバネ214の一端に接続し、引張りコイルバネ214の他端は、調整用伝達部材215を介してバネ調整具216に接続する。
バネ調整具216は、調整用ボルト218上に移動可能に固定されており、バネ調整具216が調整用つまみ219方向へ移動すると付勢力が強くなり、逆方向へ移動すると弱くなる。
調整用つまみ219を回して調整された引っ張りコイルバネ214が生じさせる付勢力は、第2付勢力伝達部材209と第1付勢力伝達部材203を同時に付勢し、頭部支持部材201の第1側面支持部材側であって、頭を載置する方向を下斜め方向へ引く力を発生させ、下部支持部材と第1側面支持部材の接続部を中心に回動させ、起き上がらせる。
更に、起き上がる量を調整するため、図3(a)でしめすストッパー302と303が働いて、適当な高さで維持された状態となっており、頭部支持部材201と下部支持部材221は、略平行な状態となっている。
次に図3(a)で示すように使用者が横向き寝をした状態3Hで、クッション等の緩衝性部材301に頭を置く。頭は、肩で支えられている為、頭部支持部材201を押す力は、2つの付勢力伝達手段を介して引張りコイルバネ214を引っ張ることから付勢力が増すことで生じる頭部支持部材201の上へ押す力を大きくしてバランスをとろうとすることから、頭部支持部材201は、調整つまみ219で調整された引張コイルバネ214の付勢力に基づいて横向け寝の際のバランスのあった力関係で適当な使用者の頭の高さを維持する。
【0035】
次に図3(b)で示すように使用者が、寝返りをすることで、仰向け寝の状態3Aが形成されると、頭を支持するものが無くなるために、頭部支持部材201を押す力が増大する。
この押す力は、頭部支持部材201を押し下げようとし、引張りバネコイル214の付勢力に基づく第1及び第2の付勢力伝達部材203、209の付勢力は、その押し下げようとする力が閾値を超えたため、抗し切れず、下部支持部材221と接触する程度まで下降し、図4(a)の状態となる。
この時、引張りコイルバネ214の付勢力が増加しており、図3(a)で示す横向け寝や起き上がったときに、この付勢力により、頭部支持部材201を第1付勢伝達手段203及び第2付勢力伝達手段209を介して引っ張り、下部支持部材221と第1側面支持部材222及び第2側面支持部材202との接触線を中心に頭部支持部材201を回動させるように起き上がらせる。
【0036】
使用者の頭が頭部支持部材201に加える重さと、これに対向する頭部支持部材201に対し第2側面支持部材202の中間方向から付勢する付勢力の線形的な対向により、頭部支持部材201の高さを頭の重さに応じてスムーズに変化させることができ、しかもコンパクトな構成である付勢手段15を第2側面支持部材上に固定することができ、枕全体もコンパクトになる。
又、図2でしめすように付勢力伝達部材203、第2付勢力伝達部材209が、頭部支持部材201を等間隔で配置されているため、頭が頭部支持部材のどの部分にあっても、寝返りに追従した動きをさせることができ、又、2つの付勢力伝達部材の付勢力の方向を、第2側面支持部材202上の平面方向へ変更すると共に、一つにまとめると共に一つの付勢駆動力により、駆動させることで、より効率の良い付勢力と、一つの調整具による調整が可能となる。
又、このような付勢力を付勢力の伝達部材を組み合わせて、一つの付勢駆動源により駆動させる構成を第2側面支持部材上に設けた場合、よりコンパクトな枕であって、一つの調整具により、付勢力の調整を可能としている。
付勢手段15は、図2で示す様に筐体220に駆動部分が全て収容された場合、回転体の回転時の動作音が外部へ漏れないことから駆動が静かであり、寝具としては最適であると共に製造コスト、を低く抑え、軽量化、故障発生率の低減を図ることが出来る。
【0037】
次に横向き寝の場合の頭の高さを調整する場合、寝返りがスムーズになるように調整する場合等、図2でしめす調整用つまみ219を所定の方向へ回す。所定の方向とは、調整用ボルト218のネジの回転方向によって設定される。
調整用つまみ219は、調整用ボルト218と連動して接続しているために、同じ方向へ回転する。バネ調整具216は、貫通口216a内の内ネジと調整用ボルト218の外ネジが累合しているため、調整用ボルト218の回転によって、左右に移動し、調整用つまみ219方向へ移動させると、引張りコイルバネ214が更に引っ張られるため、頭部支持部材201を付勢する付勢力が増加し、頭部支持部材201を上方向持ち上げる力が大きくなる。
【0038】
調整用つまみ219を逆方向に回すと、バネ調整具216は、反対方向へ摺動し、引張りコイルバネ214の引っ張られ得る度合いが小さくなり、頭部支持部材201の付勢力が小さくなる。更に、調整用つまみ219を回すと、付勢力が解消され、折畳んだ状態となり持ち運びが容易になる。
又、バネ調整具216の上部には、筐体220から突出した指示用突起217が形成されており、強さ表示部401が多少の凹凸を持つと、指示用突起217と、表示部401のさわった感触から、引張りコイルバネ214の付勢力がわかる為、睡眠を邪魔することなく枕の寝心地等を調整でき、場合によっては、視覚障害者でも枕の寝心地等を容易に調整できる様にすることもできる。
【0039】
本実施例は、仰向き寝の状態から、横向き寝の状態に寝返りを打つ場合、頭部支持部材が上方向へ立ち上がると同時に各支持部材とこれを覆う通気性のある防護カバー部材(図示せず)で囲まれた内部空間が形成されることから、カバー部材を介して外気が枕内部に入り込むことで、頭部を間接的に冷却するラジエター的作用も期待できる。
又、頭部支持部材が上下動する際、大量の空気が出入りするために上述の様な防護カバーで覆って使用する場合は、これに適当なポケットを空気の出入り部に形成し、ポケット内部に芳香剤、やポプリ、ハーブ等を入れておくと、寝返りをする毎に香りをかぐことが出来、癒し、安らぎの効果を生み、良質の睡眠が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、寝返りに追従して枕の高さが変化し、快眠を誘うことができる枕であって、よりコンパクトな構造を持つことから、自宅、ホテルにおいて安眠を誘う枕としての寝具を提供する
【符号の説明】
【0041】
11 頭部支持部材
12 下部支持部材
13 第1側面支持部材
14 第2側面支持部材
15 付勢手段
16 付勢力伝達部材
18 ストッパー
19 ストッパー
20 調整用ダイヤル
21 表示部
23 緩衝性部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部支持部材と、頭を載置する頭部支持部材と、前記下部支持部材と前記頭部支持部材との間の頭を載置する側の側面に、前記下部支持部材及び前記頭部支持部材と接する部位を回動可能に接続した第1の側面支持部材、第1の側面支持部材に対向する側面に配置され前記下部支持部材及び前記頭部支持部材と接する部位を回動可能に接続した第2の側面支持部材、前記頭部支持部材と前記第2の側面支持部材間に付勢手段を設けた枕。
【請求項2】
前記付勢手段は、前記頭部支持部材の頭部載置側から、前記第2の側面支持部材の略中間部方向へ付勢する請求項1に記載の枕。
【請求項3】
前記付勢手段は、前記頭部支持部材の頭部載置側の複数の部位から、前記第2の側面支持部材の略中間部方向へ、付勢する請求項1に記載の枕。
【請求項4】
前記付勢手段は、前記頭部支持部材の複数部位を付勢する複数の付勢用部材、複数の前記付勢用部材を、前記第2の側面支持部材の外側の面に沿って、同一方向に付勢する付勢駆動部を有する請求項1に記載の枕。
【請求項5】
前記下部支持部材に対し、前記頭部支持部材が、前記付勢手段の付勢力によって、前記頭部支持部材が所定の高さまで立ち上がる制限手段を具えた請求項1に記載の枕。
【請求項6】
前記付勢手段の付勢力を任意に調整することができる調整手段を具えた請求項1に記載の枕。
【請求項1】
下部支持部材と、頭を載置する頭部支持部材と、前記下部支持部材と前記頭部支持部材との間の頭を載置する側の側面に、前記下部支持部材及び前記頭部支持部材と接する部位を回動可能に接続した第1の側面支持部材、第1の側面支持部材に対向する側面に配置され前記下部支持部材及び前記頭部支持部材と接する部位を回動可能に接続した第2の側面支持部材、前記頭部支持部材と前記第2の側面支持部材間に付勢手段を設けた枕。
【請求項2】
前記付勢手段は、前記頭部支持部材の頭部載置側から、前記第2の側面支持部材の略中間部方向へ付勢する請求項1に記載の枕。
【請求項3】
前記付勢手段は、前記頭部支持部材の頭部載置側の複数の部位から、前記第2の側面支持部材の略中間部方向へ、付勢する請求項1に記載の枕。
【請求項4】
前記付勢手段は、前記頭部支持部材の複数部位を付勢する複数の付勢用部材、複数の前記付勢用部材を、前記第2の側面支持部材の外側の面に沿って、同一方向に付勢する付勢駆動部を有する請求項1に記載の枕。
【請求項5】
前記下部支持部材に対し、前記頭部支持部材が、前記付勢手段の付勢力によって、前記頭部支持部材が所定の高さまで立ち上がる制限手段を具えた請求項1に記載の枕。
【請求項6】
前記付勢手段の付勢力を任意に調整することができる調整手段を具えた請求項1に記載の枕。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2012−130640(P2012−130640A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294787(P2010−294787)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(510306580)プロフェッサーズ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(510306580)プロフェッサーズ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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