説明

架橋高分子水性分散体の製造方法および前記製造方法によって得られる架橋高分子水性分散体。

【課題】基材への密着性や耐溶剤性を有する皮膜を形成可能な架橋高分子の水性分散体を提供する。
【解決手段】高分子水性分散体に放射線を照射することを特徴とする架橋高分子水性分散体の製造方法。また、高分子がオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種である前記水性分散体の製造方法。さらに、前記製造方法によって得られる架橋高分子水性分散体。水性分散体から媒体を除去してなる樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線を用いた架橋高分子水性分散体の製造方法およびその製造方法によって得られる水性分散体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消防法等による危険物規制、職場環境改善の立場から有機溶剤の使用が制限され、高分子水性分散体がコーティングや接着の用途に広く用いられている(例えば特許文献1)。また、高分子水性分散体から得られる皮膜は一般的に耐水性や耐溶剤性に弱いことが多く、架橋によってこれらの性能を改善することが行われてきた。
【0003】
水性分散体塗膜の耐溶剤性を高める方法として、架橋剤を含む水性分散体が検討されてきたが、反応性の高い架橋剤を用いる場合は、ポットライフが問題になり、反応性の低い架橋剤を用いる場合は、反応時に高温を要したり生産性が問題となっていた。
【0004】
また、架橋した高分子は、耐水性や耐溶剤性に優れる反面、媒体に分散することは困難であり、高分子水性分散体に架橋剤を添加して架橋しようとすると、系全体がゲル化するため、高分子水性分散体の分散状態を保ったまま架橋することも困難であった。
【0005】
一方、架橋高分子の水性分散体を得る方法として、架橋性モノマーを乳化重合して得られる方法が知られているが、未反応モノマーが残存すると臭気が発生したり、皮膜の性能に悪影響を及ぼしたりしていた。また、乳化重合可能なモノマーを使用する必要があり、得られる高分子の種類に制限があった。
【0006】
【特許文献1】特開2003−253102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、良好な塗膜や粒子を形成可能な架橋高分子の水性分散体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、高分子水性分散体に放射線を照射することで、架橋高分子の水性分散体が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明に到達した。
【0009】
すなわち本発明の要旨は下記の通りである。
(1)高分子水性分散体に放射線を照射することを特徴とする架橋高分子水性分散体の製造方法。
(2)高分子がオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の水性分散体の製造方法。
(3)(1)または(2)に記載の製造方法によって得られる架橋高分子水性分散体。
(4)(3)に記載の水性分散体から媒体を除去してなる樹脂組成物。
(5)(4)記載の樹脂組成物からなる塗膜。
(6)(4)記載の樹脂組成物からなる粒子。
【発明の効果】
【0010】
本発明の製造方法によれば、架橋高分子の水性分散体が簡便に得られる。この水性分散体からは、耐溶剤性に優れた皮膜を形成でき、また、粒子を得ることができる。本発明の水性分散体は乳化重合ではなく高分子水性分散体を使用しているので、未反応モノマーによる起因する臭気や未反応モノマーがブリードアウトして起こる接着不良などの悪影響が極めて少ない。本発明の水性分散体によれば、水系であるために作業環境を悪化させることなく、経済的、省資源的に有利な方法で塗膜や粒子が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明において、放射線を照射する水性分散体としては、公知のものを用いることができ、アニオン性、ノニオン性、カチオン性のいずれの水性分散体も用いることができる。また、これらの水性分散体は、乳化剤を含んでいても含まなくてもよいが、乳化剤を含まない方が塗膜とした際に高分子本来の性能を発現できるため好ましい。
【0013】
さらに、これらの水性分散体には、水以外にアルコールやエーテル、エステル、炭化水素などの有機溶剤が含まれていてもよい。消防法等による危険物規制、職場環境改善の立場から水が媒体中の50%以上であることが好ましい。が、水は放射線照射時に分解して水素ラジカルや水酸化物ラジカルを生成し、架橋反応に利用できる。
【0014】
水性分散体の固形分濃度は特に限定されないが、製造上の観点から5〜60質量%であることが好ましい。固形分濃度が5質量%未満であると媒体を除去して皮膜を作製する際に過大なエネルギーが必要となり、固形分濃度が60質量%を超えると水性分散体全体がゲル化するおそれがある。
【0015】
水性分散体の粒子径は、目的に応じて選択され、特に限定されないが、通常10nm〜10μmの範囲で使用される。
【0016】
本発明の高分子分散体に用いる高分子としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニデンなどの塩素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのオレフィン樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ乳酸、変性ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、ロジンなどの粘着付与樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂等を挙げることができる。これらの高分子は、水性化するために、(無水)マレイン酸、(メタ)アクリル酸、テレフタル酸、スルホン酸などのアニオン性官能基やアミノ基などのカチオン性官能基、水酸基やエーテル基などのノニオン性官能基で変性されていてもよい。これらのなかで、オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂が好ましい。また、反応性の点から高分子の主鎖または/および側鎖に不飽和結合が含まれていることが好ましい。
【0017】
これらの高分子は、ホモポリマーでも、コポリマーでもよい。コポリマーの場合、ランダムコポリマーでもブロックコポリマーでもグラフトコポリマーでもよい。また、エラストマーやアイオノマーであってもよい。さらに、2種以上を混合して使用してもよく、その場合、1つの粒子中に2つ以上の高分子が存在してもよく、コアシェル型になっていてもよい。
【0018】
高分子水性分散体における高分子の分子量は特に限定されないが、一般に1000〜1000000の範囲である。なお、塗膜の耐溶剤性を高めるためには、分子量が大きいほど低い放射線量で所望の架橋が達成できる。
【0019】
高分子水性分散体には、架橋の促進の目的で、放射線照射により活性ラジカル種を発生させる公知の化合物を含有させることができ、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:イルガキュア 184、907等を挙げることができる。こうした化合物の好ましい使用量は、高分子100質量部に対して0.01〜10質量部である。
【0020】
本発明において使用する放射線の線源としては、α線、β線(電子線)、γ線、X線、紫外線等を使用することができるが、コバルト60からのβ線、γ線、X線がより好ましく、中でもγ線、電子加速器の使用によるβ線照射処理が特に好ましい。これら放射線は1種単独で又は2種以上を同時に照射してもよく、また1種以上の放射線を一定期間をおいて照射してもよい。
【0021】
放射線を水性分散体に照射する際には、容器に入れた水性分散体を放射線源付近に配置するが、照射中に線源または容器の位置を変えるか、または水性分散体を攪拌するかのいずれかによって実質的に均一に照射することが好ましい。あるいは、ラジカルを発生させるために、水性分散体の一部をガンマ線源付近に配置して照射した後、残りの水性分散体と混合してもよい。さらに、水性分散体をポンプ等で送液しつつ放射線を照射してもよい。
【0022】
本発明において使用する放射線の照射線量は、特に限定されないが、10〜400kGyが好ましく、より好ましくは20〜300kGy、さらに好ましくは50〜200kGyである。照射線量が10kGyより少なすぎると架橋が不十分になり、400kGyを超えると架橋が進みすぎて、柔軟性、機械的特性が低下し、クラックが発生しやすくなるおそれがある。
【0023】
放射線の照射時の雰囲気には特に制限はないが、酸素濃度が低いほど放射線の照射線量を小さくすることができる。雰囲気を窒素やアルゴンなどの不活性ガスで置換してもよい。
【0024】
放射線照射後の高分子水性分散体が架橋していることは、用いる高分子をこの高分子の良溶媒に溶解したときの不溶解分(ゲル)の有無で確認できる。
【0025】
高分子としてオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂を用いた場合には、ゲルの有無を確認するための溶媒として、例えばトルエンを良好に用いることができる。後述する方法で測定されるトルエン不溶解分(ゲル分率)は、25質量%以上であることが好ましい。水性分散体から粒子を取り出す場合にはさらに不溶解分が高くてもよい。水性分散体を基材上に塗布して塗膜として使用する場合には、トルエン不溶解分が25質量%未満であると、耐溶剤性向上の効果が小さい場合がある。
【0026】
本発明の水性分散体には、性能をさらに向上させるため、他の重合体の水性分散体、粘着付与剤、無機粒子、架橋剤、顔料、染料、連鎖移動剤などを添加することが出来る。
【0027】
他の重合体の水性分散体としては、特に限定されない。例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニデン、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、変性ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、ロジンなどの粘着付与樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の水性分散体を挙げることができる。これらは、2種以上を混合して使用してもよい。
【0028】
無機粒子としては、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化錫等の金属酸化物、炭酸カルシウム、シリカ等の無機粒子や、バーミキュライト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ハイドロタルサイト、合成雲母等の層状無機化合物を添加することができる。これらの無機粒子の平均粒子径は水性分散体の安定性の面から0.005〜10μmが好ましく、より好ましくは0.005〜5μmである。なお、無機粒子は、2種以上を混合して使用してもよい。なお、酸化亜鉛は紫外線遮蔽、酸化錫は帯電防止の目的にそれぞれ使用できる。
【0029】
本発明の水性分散体に架橋剤を添加すると、耐水性や耐溶剤性等の各種の塗膜性能をさらに向上させることができる。架橋剤の添加量は水性分散体中の樹脂100質量部に対して0.01〜80質量部が好ましい。架橋剤としては、自己架橋性を有する架橋剤、カルボキシル基と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物、多価の配位座を有する金属等を用いることができ、このうちイソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン基含有化合物、ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤等が好ましい。また、これらの架橋剤を組み合わせて使用してもよい。
【0030】
顔料・染料としては、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック等が挙げられる。
【0031】
水性分散体には、さらに必要に応じて、レベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤、増粘剤、耐候剤、難燃剤、帯電防止剤等の各種薬剤を添加することも可能である。
【0032】
次に、本発明の製造方法によって得られる架橋高分子水性分散体の使用方法について説明する。
【0033】
水性分散体から媒体を除去して得られる樹脂組成物は、各種基材への塗膜として使用すれば、密着性と耐溶剤性に優れる。このため、コーティング剤、塗料、インキ、接着剤として使用できる。
【0034】
基材としては、紙、合成紙、熱可塑性樹脂フィルム、プラスチック製品、鋼板、アルミ箔等の金属箔、木材、織布、編布、不織布、石膏ボード、木質ボード等が挙げられる。
【0035】
熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリグリコール酸やポリ乳酸等のポリヒドロキシカルボン酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル樹脂に代表される生分解性樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂、PP、ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテート共重合体等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂またはそれらの混合物等の熱可塑性樹脂よりなるフィルムやこれらの積層体が挙げられる。これらの基材フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよく、その製法も限定されるものではない。また、基材フィルムの厚さも特に限定されるものではないが、通常は1〜500μmの範囲であればよい。さらに、未延伸フィルムに本発明の水性分散体を塗布し、そのコートフィルムを延伸する、いわゆるインラインコートを行ってもよい。
【0036】
水性分散体を基材に塗工する方法は特に限定されるものではないが、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等が採用できる。水性分散体の塗布量は、基材によって適宜、決定すればよく、0.1〜10μm程度で使用できる。
【0037】
また、水性分散体から媒体を除去して得られる樹脂組成物は、その架橋の程度が高いものであれば、粒子として取り出すことができる。こうした粒子は、液晶用スペーサー、トナー、プラスチック改質材(衝撃改良材、摺動性改良材)、化粧品、粉体塗料等に利用できる。
【0038】
水性分散体から媒体を除去するための乾燥温度は、特に限定されず、基材の耐熱温度等によって適宜、決定すればよいが、通常、50〜240℃である。乾燥温度が50℃未満の場合、水性媒体を十分、揮発させることができないことがある。一方、乾燥温度が240℃を超えると接着性能が低下してしまう傾向がある。加熱時間は特に限定されないが、例えば、1秒〜20分の範囲で適宜選択される。
【実施例】
【0039】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、各種の特性については以下の方法によって測定又は評価した。
【0040】
(1)トルエン溶解試験
高分子水性分散体を凍結乾燥し秤量した。この質量をA(g)とする。70℃で20時間、トルエンで溶解(濃度40mg/ml)し、遠心分離機を使用し、さらに200メッシュの金網を用いてゲルを分離した。ゲル分を風乾後150℃雰囲気下で、1時間乾燥し、秤量した。この質量をB(g)とする。ゲル分率(%)は下式に従って算出した。
ゲル分率(%)=(B/A)×100
【0041】
(2)密着性:テープ剥離試験
(トルエン浸漬前)
各種熱可塑性樹脂フィルムのコロナ処理面に水性分散体を乾燥後の塗膜厚が2μmになるようにマイヤーバーを用いてコートした後、60℃で1分間、乾燥させた。得られたコートフィルムは室温で1日放置後、評価した。コート面にセロハンテープ(ニチバン社製TF−12)を貼り付け、テープを一気に剥がした場合の剥がれの程度を目視で評価した。
(トルエン浸漬後)
前記と同様ににしてコートフィルムを得て室温で1日放置したのち、コートフィルムを室温で5分間トルエンに浸漬したのち室温で3時間乾燥したのち、同様の試験を行った。
○:全く剥がれなし、△:一部、剥がれた、×:全て剥がれた
【0042】
(3)耐溶剤性
水性分散体を各種熱可塑性樹脂フィルムのコロナ処理面に乾燥後の塗布量が約4g/mになるようにメイヤーバーでコートし、90℃で120秒間乾燥した。得られたフィルムを15mm幅で切り出し、50℃のメチルエチルケトン溶液中で3時間放置した後のフィルムの外観を目視で評価した。
○:変化なし、△:一部、白化、×:溶解
【0043】
[実施例1]
高分子水性分散体として、ユニチカ製アローベースSB−1200(ポリオレフィン樹脂水性分散体) 30gをガラス製のサンプル瓶に入れ、窒素パージした後、コバルト−60を線源としたγ線を、30kGy照射した。高分子水性分散体の照射後のトルエン不溶解分は63質量%であった(照射前のトルエン不溶解分は3質量%以下であった。)。また、SB−1200は照射前、照射後とも1週間後も安定に分散していた。
【0044】
γ線照射をした後のSB−1200を延伸PPフィルム(東セロ社製、厚み50μm)に塗布して、密着性、耐溶剤性について評価した。結果を表1に記す。
【0045】
[実施例2]
高分子水性分散体をユニチカ製エリーテルKZA5034(ポリエステル樹脂水性分散体)に変え、基材を2軸延伸PETフィルム(ユニチカ社製エンブレットPET12、厚み12μm)としたこと以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
【0046】
[実施例3]
高分子水性分散体を旭電化アデカボンタイターHUX−380(ウレタン樹脂水性分散体)に変え、基材を2軸延伸Nylonフィルム(ユニチカ社製エンブレムON15、厚み15μm)にしたこと以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
【0047】
[比較例1〜3]
放射線を照射しないこと以外は実施例1〜3と同様にして各種評価を行った。
【0048】
実施例1〜3および比較例1〜3の結果を表1に示す。
【0049】
【表1】

【0050】
実施例1〜3の水性分散体から得られる塗膜は、耐溶剤性に優れていた。これに対して、比較例1〜3では、放射線を照射していないため、耐溶剤性が不十分であった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子水性分散体に放射線を照射することを特徴とする架橋高分子水性分散体の製造方法。
【請求項2】
高分子がオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の水性分散体の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の製造方法によって得られる架橋高分子水性分散体。
【請求項4】
請求項3に記載の水性分散体から媒体を除去してなる樹脂組成物。
【請求項5】
請求項4記載の樹脂組成物からなる塗膜。
【請求項6】
請求項4記載の樹脂組成物からなる粒子。


【公開番号】特開2007−302763(P2007−302763A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−131446(P2006−131446)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(000004503)ユニチカ株式会社 (1,214)
【Fターム(参考)】