説明

柔軟剤用香料組成物

【課題】ボトル口・脱水布・乾燥布まで香りの強さがちょうど良く、残香の質も高い柔軟剤用香料組成物の提供。
【解決手段】成分(A)及び(B)を含有する香料組成物。
(A)一般式(1)で表されるケイ酸エステル


〔4個のRは、同一の又は相異なる香料残基であって、それぞれ、アルコール系香料又はフェノール系香料から水酸基1個を除いた残基を示す。〕
(B)デカハイドロ-3a,6,6,9a-テトラメチルナフト[2,1-b]フラン、アントラニル酸メチル、ジヒドロキシジメチル安息香酸メチル、クマリン、ヘリオトロピン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン等から選ばれる高残香性香料

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、残香性に優れた柔軟剤用香料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の柔軟剤においては、高い残香性を有することが望まれており、色々な商品が発売されている。その商品の多くは、香料を多量に配合することによって高残香を実現している。しかし、この方法によれば乾燥布の残香は高くできるものの、これに比例して脱水布の香りは更に強くなり、干す際に香りが強すぎると感じるユーザーも少なくない。また現実に乾燥布の残香は高くなっているにも拘わらず、あまりにも脱水布の香りが強いため、脱水布と乾燥布の香りの強さのギャップ(急激に乾燥布で弱くなったと感じる)から、乾燥布の残香が不十分に感じられる場合がある。
【0003】
また乾燥布の香りの強さについても、強い香りばかりが望まれている訳ではなく、ほのかに長く香ることを望むユーザーも存在する。残香の持続期間としては、次に身に着けるときまで香って欲しいというニーズを満たすためには、一週間程度の残香を確保することが望ましいが、長期にわたる残香性の向上は、未だ不十分である。
【0004】
一方、本発明者らは、香りの質についても検討した。高残香性香料の香調は、一般的に重厚でしっかりした香りが多く、多くの消費者が求めているさわやかでフレッシュな香りを残すことは難しい。さわやかでフレッシュな香調を実現するためには、アルコール系香料の使用が非常に重要となるが、アルコール系香料は親水性が高いため、柔軟剤処理中にその多くが浴水中に取り込まれ、排水と一緒に流れてしまっていた。
【0005】
これに対し、アルコール系香料をケイ酸エステル化することにより残香性を向上させる技術がある(例えば特許文献1)。この技術においては、基剤中では香料は前駆体の形態であるため香りが弱く、衣類上で徐々に加水分解してフリーの香料になることで香るケイ酸エステルを用いる。ケイ酸エステルは、脱水布ではあまり匂わないので、その状態での香り強度は弱い。しかし乾燥過程や乾燥後に加水分解により徐々に前駆体からフリーのアルコールが発生することで香料の徐放性を達成するものである。
【0006】
また、特許文献2では、水を含む製剤中での加水分解耐性がより高いケイ酸エステルのオリゴマー又はポリマーを、一般香料と組み合わせている。この系においては、一般香料も遅延放出されるため、長時間香りが持続することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭54-59498号公報
【特許文献2】特表2003-526644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし特許文献1の技術は、香料としてケイ酸エステルのみを使用するものであるため、柔軟剤製品を選ぶ又は使用するうえで非常に重要な、脱水布の状態やボトル口での香りが不十分であるという問題がある。また、特許文献1の技術では、選択する香料によっては柔軟剤中において加水分解が進行し、期待する残香性が得られない場合がある。
【0009】
一方、特許文献2では、モノマーのケイ酸エステルと香料の組合せについては開示がなく、具体的な香料や量比を採用することによる効果については記載がないため、ボトル口でも脱水布でも乾燥布でも香りの強度と質を適切とするための方法が不明であった。また、同特許文献には、水を含む洗剤等の製品中に混和しうるような、加水分解耐性がより高いポリアルコキシシロキサンを含むケイ酸エステル混合物が記載されている。しかしながらこのケイ酸エステル混合物は、高分子量化合物を含むため、柔軟剤の製品に配合する場合、溶解性等配合性に問題がある。
【0010】
そこで本発明は、ボトル口・脱水布・乾燥布までの香りがさわやかで柔らかであり、更に香りの強度差が少なく、残香の質も高い柔軟剤用香料組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、ケイ酸エステル型香料前駆体と特定の高残香性香料の組み合わせを用いることにより、前記課題を解決できることを見出した。
【0012】
本発明は、下記成分(A)及び(B)を含有する香料組成物を提供するものである。
(A)一般式(1)で表されるケイ酸エステル
【化1】

【0013】
〔式中、4個のRは、同一の又は相異なる香料残基であって、それぞれ、アルコール系香料である炭素数6以上の1級若しくは2級の脂肪族アルコール又はフェノール系香料であるフェノール若しくはその誘導体から水酸基1個を除いた残基を示す。〕
(B)下記香料群から選ばれる1種又は2種以上の高残香性香料
デカハイドロ-3a,6,6,9a-テトラメチルナフト[2,1-b]フラン、アントラニル酸メチル、ジヒドロキシジメチル安息香酸メチル、クマリン、ヘリオトロピン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、δ-デカラクトン、γ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル、2-(2-(4-メチル-3-シクロヘキセン-1-イル)プロピル)シクロペンタノン、シクロヘキサデセノン、3-メチル-4(5)-シクロペンタデセン-1-オン、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-アセトナフトン、α-ヘキシルシンナミックアルデハイド、リリアール、α-アミルシンナミックアルデハイド、トナライド、ガラクソライド、4(5)-シクロペンタデセノライド、シクロペンタデカノリド、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール
【0014】
また本発明は、上記香料組成物を含有する柔軟剤組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
脱水布の香りが強すぎず、適度な強さを有し、かつ乾燥布は適度な残香を有し、7日間程度持続することができる。また残香の質としては、従来の技術では達成できなかった、さわやかでやわらかな香りを持続することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔(A):ケイ酸エステル〕
一般式(1)で表されるケイ酸エステルにおいて、香料残基Rに用いる香料素材としては、アルコール系香料としての炭素数6以上の1級若しくは2級の、脂肪族アルコール、テルペン系アルコール、セスキテルペン系アルコール、脂環式アルコール若しくは芳香族アルコール、又はフェノール系香料としてのフェノール若しくはその誘導体が使用される。適度な香りの持続性を有する観点から、官能基として水酸基のみを有し、更にエーテル結合を有してもよい香料素材が好ましい。
【0017】
かかる香料素材として特に適している化合物は、以下のとおりである。1級の脂肪族アルコールとしては、トランス-2-ヘキセノール、9-デセノール、10-ウンデセノール、シス-3-ヘキセノールが挙げられる。1級のテルペン系アルコール及びセスキテルペン系アルコールとしては、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、2-イソプロペニル-5-メチル-4-ヘキセン-1-オール、テトラヒドロゲラニオール、ヒドロキシシトロネロール、6,6-ジメチル−ビシクロ[3.1.1]-2-ヘプテン-2−エタノール、3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエン-1-オール、6-メタノアズレン-3-メタノール、2-メチル-5-(2,3-ジメチルトリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプト-3-イル-2-ペンテン-1-オールが挙げられる。1級の脂環式アルコールとしては、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-メタノール、4-イソプロピルシクロヘキサンメタノール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-ブタン-1-オールが挙げられる。1級の芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、フェノキシエチルアルコール、3-フェニル-2-プロペン-1-オール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、3-フェニルプロピルアルコール、2-メチル-4-フェニル-1-ペンタノール、4-メトキシベンジルアルコール、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)-プロパノールが挙げられる。2級の脂肪族アルコールとしては、3-オクタノール、1-オクテン-3-オール、4-メチル-3-デセン-5-オールが挙げられる。2級のテルペン系アルコール及びセスキテルペン系アルコールとしては、1,7,7-トリメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール、1-メチル-4-イソプロペニルシクロヘキサン-3-オール、3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール、l-メントールが挙げられる。2級の脂環式アルコールとしては、4-イソプロピルシクロヘキサノール、1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)-エタノール、p-tert-ブチルシクロヘキサノール、o-tert-ブチルシクロヘキサノール、1-(2-tert-ブチルシクロヘキシルオキシ)-2-ブタノール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-ペンタン-2-オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)-3-ヘキサノール、α,β,2,2,6-ペンタメチルシクロヘキシルプロパノールが挙げられる。2級の芳香族アルコールとしては、1-フェニルエチルアルコールが挙げられる。フェノール系香料としては、チモール、2-メチル-5-イソプロピルフェノール、オイゲノール、イソオイゲノールが好ましいものとして挙げられる。
【0018】
成分(A)のケイ酸エステルとしては、すべてのRが同一である「単独型」と、4個のRが複数の香料種である「ハイブリッド型」があるが、いずれを使用することもできる。
【0019】
成分(A)として単独型のケイ酸エステルを用いる場合、バランスの取れた残香を得る観点より、2種以上の単独型ケイ酸エステルを組み合わせて使用することが好ましく、これらケイ酸エステルのRは、相互に異なる香調を有する香料から導かれた残基であることが好ましい。
【0020】
成分(A)としてハイブリッド型のケイ酸エステルを用いる場合、製品中での安定性の観点から、ClogPが11以上、更には11〜19、特に11.5〜18であることが望ましい。ここで、ClogPとは、化学物質の1-オクタノール/水分配係数であり、f値法(疎水性フラグメント定数法)により計算で求められた値をいう。具体的には、化合物の化学構造を、その構成要素に分解し、各フラグメントの有する疎水性フラグメント定数(f値)を積算して求めることができ、CLOGP3 Reference Manual Daylight Software 4.34, Albert Leo, David Weininger, Version 1, March 1994を参考にすることができる。
【0021】
ハイブリッド型のケイ酸エステルにおけるRの組み合わせとしては、安定性(合成後のClogP)と脱水布以降での香り立ちや香り強度の2つの特性を考えることが好ましい。ClogPが1.8以下の香料を用いて単独型のケイ酸エステルとした場合には、合成後のClogPが11以下になる。すると柔軟剤中では安定に存在できず、加水分解が進行してしまう。このため、ケイ酸エステルの有する徐放性の効果を得ることができない。しかし、2種以上の香料を組み合わせハイブリッド型とすることで、単独型では達成できない高いClogP値を有するものとすることができる。これによりケイ酸エステルの安定性が高まり、柔軟剤系中での加水分解が起こりにくくなるため、長期間にわたって香りが洗濯後の乾燥布から香る。ClogPが1.8以下の香料素材には、cis-3-ヘキセノール、2-フェニルエチルアルコール、アニスアルコールなど、天然の草花に含まれる香気素材があり、乾燥布で、ナチュラル感のある香りを実現することができる。
【0022】
また、乾燥布での香り立ちや香り強度の観点から、ケイ酸エステルは単独型よりもハイブリッド型の方が好ましい。詳細は不明であるが、ケイ酸エステルは単独型よりもハイブリッド型にした方が乾燥時の香りの強さが強いためである。ハイブリッド型にする際の香料の組合せとしてはClogPの差が0.5以上であることが好ましく、更に1.0以上である香料の組合せが好ましい。また、ハイブリッド型のケイ酸エステルのRが3種又は4種の場合にも、ClogPの差が0.5以上である2種の香料を含むことが好ましい。
【0023】
また調合香料のように香りのバランスの取れた残香を得る観点から、異なる香調のアルコール系香料の組み合わせが好ましい。
【0024】
〔(B):残香性香料〕
成分(A)のケイ酸エステルは、主に脱水布上で加水分解されフリーの香料が分離することで匂うため、柔軟剤処理直後では香りの強度は弱い。しかし柔軟剤においては、処理した脱水布も洗濯物を干す行為においてその製品特徴である香りを消費者に感じてもらえるため、その状態で香ることが望ましい。そこで(A)ケイ酸エステルと同時に(B)高残香性香料を用いることが重要となる。
【0025】
本発明で用いる残香性香料は、数ある香料素材の中から実際に単品素材において柔軟剤処理を行い、後述の「香り強度」を基準として、一定以上の残香性を有することを確認した香料である。ここで残香の意味合いは、洗濯処理後にも多く衣類に残ることを意味している。
【0026】
本発明において成分(B)の高残香性香料としては、以下の方法に従って香りの残香性を評価したときの脱水布での香り強度が2以上4未満、1日吊るし乾燥後(乾燥布1日後)の香り強度が1以上4未満、脱水布と乾燥布1日後の香り強度差が2未満であるものから選ばれる。本発明において香り強度とは、実際に洗濯で柔軟剤を使用したときに布から感じる匂いの強度であって、以下のような方法で評価を行ったときの数値をいう。
【0027】
<香りの残香性評価法>
あらかじめ、市販の弱アルカリ性洗剤(花王(株)アタック)を用いて、木綿タオル24枚をNational電気洗濯機NA-FV8000で5回洗浄、脱水及びすすぎを繰り返し、室内乾燥することによって、過分の薬剤を除去した(洗剤濃度0.0667質量%、水道水49L使用、水温20℃、洗浄9分、注水濯ぎ2回脱水7分)。
【0028】
National電気バケツN-BK2に、5Lの水道水を注水し、ここに各柔軟剤組成物0.75gを溶解させ、1分後、上述の方法で前処理を行った木綿タオル2枚を5分間浸漬処理した。その後、2枚の木綿タオルをNational電気洗濯機NA-FV8000に移し、3分間脱水処理を行った。脱水処理後、約20℃の室内に1日、若しくは7日間吊るし干しして乾燥させた。
なお、柔軟剤組成物は、表1に示す組成の香料を賦香していない柔軟剤組成物に香料を賦香したものである。
【0029】
【表1】

【0030】
脱水処理後、1日吊るし乾燥後(以後乾燥布1日後と記載)、7日吊るし乾燥後(以後乾燥布7日後と記載)の各タオルについて、香り強度専門パネラー10人により、以下の基準で官能評価を行い、平均値を求めた。
【0031】
0:無臭
1:わずかにニオイあり(質はわからない)
2:ニオイの質が分かるが弱い
3:はっきりとニオイの存在が分かる
4:やや強くニオイが感じられる
5:強くニオイが感じられる
【0032】
なお高残香性香料は、蒸気圧や閾値の観点から衣類上での強さを同じになるように設定した場合に、その配合量は異なるものとなる。少量でも残香性香料の要件を満たす香料もあれば、多く配合しなければならない香料もある。そのため残香香料は、その閾値によって、以下の3つのグループに分ける必要がある。分類した基準として、表1に示す未賦香柔軟剤組成物に、試験液を0.7質量%賦香したとき、脱水布の香り強度を3前後にするのに必要な試験液濃度を用いた。なお、試験液は高残香性香料をジプロピレングリコールで希釈したものであり、かかる試験液中の高残香性香料濃度が0.2質量%であるものを低閾値残香性香料、1質量%であるものを中閾値残香性香料、15質量%であるものを高閾値残香性香料とする。具体的な素材名を以下に示す。
【0033】
(b1):低閾値残香性香料
ジヒドロキシジメチル安息香酸メチル、アントラニル酸メチル、デカハイドロ-3a,6,6,9a-テトラメチルナフト[2,1-b]フラン
【0034】
(b2):中閾値残香性香料
シクロヘキサデセノン、3-メチル-4(5)-シクロペンタデセン-1-オン、δ-デカラクトン、2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル、クマリン、γ-ウンデカラクトン、γ-デカラクトン、2-(2-(4-メチル-3-シクロヘキセン-1-イル)プロピル)シクロペンタノン、ヘリオトロピン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン
【0035】
(b3):高閾値残香性香料
ガラクソライド、トナライド、シクロペンタデカノリド、4(5)-シクロペンタデセノライド、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、リリアール、1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-アセトナフトン、α-ヘキシルシンナミックアルデハイド、α-アミルシンナミックアルデハイド、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール
【0036】
本発明の香料組成物は、ケイ酸エステルと高残香性香料をそれぞれ一種以上配合する。また、ケイ酸エステルと高残香性香料が含まれていれば、他の一般的に使われる香料を含んでいても良い。柔軟剤に望まれる香りとして、さわやかでやわらかい香りが挙げられ、そのような香りを実現するためには、乾燥布でもトップノート、ミドルノート、ベースノートの調和の取れた香りにすることが望ましい。このため、ケイ酸エステルによる、トップノート、ミドルノートの香りに加え、高残香性香料による、ミドルノート、ベースノートの香りを選択することが望ましい。またケイ酸エステルや高残香性香料の種類を考慮することにより、これまで望まれていた、さわやかでやわらかい香りを実現することができる。
【0037】
本発明の香料組成物としては、脱水布の香り強度が2以上4未満であることが好ましく、特に2.5以上3.5未満であることが好ましい。更に乾燥布1日後の香り強度は2以上4未満、かつ脱水布と乾燥布1日後の香り強度の差は1以内であることが望ましい。特に乾燥布1日後と乾燥布7日後の香り強度の差が1以内であることが望ましい。
【0038】
脱水布と乾燥布の香り強度の差を少なくし、なおかつ1週間後まで香りを楽しめるようにする点から(A)ケイ酸エステルと(B)残香性香料の比率が以下の重量比が好ましい。
【0039】
成分(B)として、前記の(b1)を用いる場合、(A)と(b1)の質量比は、500:1〜10:1が好ましく、更に450:1〜30:1、特に400:1〜150:1が好ましい。
【0040】
成分(B)として、前記の(b2)を用いる場合、(A)と(b2)の質量比は、100:1〜2:1が好ましく、更に90:1〜3:1、特に80:1〜30:1が好ましい。
【0041】
成分(B)として、前記の(b3)を用いる場合、(A)と(b3)の質量比は、10:1〜1:2が好ましく、更に9:1〜1:1、特に8:1〜2:1が好ましい。
【0042】
上記の比率を満たすことにより、脱水布、乾燥布1日後、乾燥布7日後の香り強度を前述の範囲とすることが可能となる。
【0043】
〔柔軟剤組成物としての要件〕
本発明の柔軟剤組成物は、一般家庭における洗濯工程のすすぎの段階で濯ぎ水に添加される繊維製品処理剤として用いられるのが好ましい。
【0044】
本発明の柔軟剤組成物には、成分(C)として柔軟基剤を含有することが好ましい。柔軟基剤としては、炭素数10〜22の炭化水素基を1〜3個有する3級アミン又はその酸塩若しくはその4級化物〔以下成分(c1)という〕、及びシリコーン化合物〔以下成分(c2)という〕から選ばれる化合物が好ましい。
【0045】
成分(c1)としては、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数12〜22の炭化水素基を1〜3個と、炭素数1〜3のアルキル基及び/又はヒドロキシアルキル基とを有する3級アミン、並びにその酸塩若しくはその4級化物が好ましい。成分(c1)の具体例としては、下記(c1-1)〜(c1-3)の化合物を挙げることができる。
【0046】
(c1-1)炭素数12〜22、好ましくは炭素数14〜20、より好ましくは炭素数16〜18のアルキル基又はアルケニル基を2個と、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を2個有する4級アンモニウム塩(塩としては、クロル塩、炭素数1〜12の脂肪酸塩、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステル塩)
【0047】
(c1-2)アルカノイル基又はアルケノイル基の炭素数11〜21、好ましくは13〜19、より好ましくは15〜17であるアルカノイル(アルケノイル)オキシエチル基若しくはアルカノイル(アルケノイル)アミノプロピル基を1個又は2個と、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を2個又は1個有する3級アミン又はその酸塩(酸塩としては塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、炭素数1〜12の脂肪酸塩)
【0048】
(c1-3)トリエタノールアミンと、炭素数12〜22、好ましくは14〜20、特に好ましくは16〜18の脂肪酸、並びにその脂肪酸低級アルキルエステル及び脂肪酸クロリドから選ばれる脂肪酸誘導体、好ましくは脂肪酸とのエステル化反応生成物をアルキル化剤、好ましくはメチルクロリド、ジメチル硫酸又はジエチル硫酸により4級化した4級アンモニウム塩(塩としては、クロル塩、炭素数1〜12の脂肪酸塩、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステル塩)
【0049】
成分(c2)としては、水不溶性のシリコーン化合物が好適である。ここで、水不溶性化合物とは、20℃のイオン交換水1Lに溶解する量が1g以下の化合物をいう。具体的にはジメチルポリシロキサン、4級アンモニウム変性ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン、アミド変性ジメチルポリシロキサン、エポキシ変性ジメチルポリシロキサン、カルボキシ変性ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン、フッ素変性ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
【0050】
シリコーン化合物としては、分子量が1000〜100万、好ましくは3000〜100万、特に好ましくは5000〜100万であって、25℃における粘度が2〜100万mm2/s、好ましくは500〜100mm2/s、特に好ましくは1000〜100万mm2/sである、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン、アミド変性ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン、好ましくはポリオキシエチレン)変性ジメチルポリシロキサンから選ばれる1種以上が好ましい。アミノ変性ジメチルポリシロキサンのアミノ当量(アミノ当量とは窒素原子1個当たりの分子量)は、1,500〜40,000g/molが好ましく、2,500〜20,000g/molがより好ましく、3,000〜10,000g/molが更に好ましい。
【0051】
本発明においては、特に成分(c1)と成分(c2)を併用することが好ましく、成分(c1)/成分(c2)を、質量比で60/1〜1/50、好ましくは60/1〜1/20、更に好ましくは50/1〜1/10で含有することが好適である。
【0052】
本発明の香料組成物が含有する成分(A)及び成分(B)、並びに、本発明の柔軟剤組成物が含有する成分(C)は、水に対して不溶な化合物であるため、水性の組成物の形態として用いる場合には、組成物中に安定に溶解、分散、乳化させるため、非イオン界面活性剤〔以下成分(D)という〕を含有することが好適である。
【0053】
成分(D)成分としては、炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましく、下記一般式(2)で表される非イオン界面活性剤がより好ましい。
【0054】
2a−A−[(R2bO)p−R2c]q (2)
〔式中、R2aは、炭素数8〜18、好ましくは炭素数10〜16のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2bは、炭素数2又は3のアルキレン基、好ましくはエチレン基であり、R2cは、炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子を示し、pは2〜100、好ましくは5〜80、より好ましくは5〜60、更に好ましくは10〜60の数を示し、Aは−O−、−COO−,−CON−又は−N−であり、Aが−O−又は−COO−の場合qは1であり、Aが−CON−又は−N−の場合qは1又は2である。〕
【0055】
一般式(2)で表される化合物の具体例としては、以下の式(2-1)〜(2-3)で表される化合物を挙げることができる。
【0056】
2a−O−(C24O)r−H (2-1)
〔式中、R2aは前記の意味を示す。rは8〜100、好ましくは10〜60の数である。〕
【0057】
2a−O−(C24O)s−(C36O)t−H (2-2)
〔式中、R2aは前記の意味を示す。s及びtはそれぞれ独立に2〜40、好ましくは5〜40の数であり、C24O及びC36Oは、ランダム付加、ブロック付加のいずれでもよい。〕
【0058】
【化2】

【0059】
〔式中、R2aは前記の意味を示す。Aは−N<又は−CON<を示し、u及びvはそれぞれ独立に0〜40の数を示し、u+vは5〜60、好ましくは5〜40の数を示す。R2d及びR2eはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。〕
【0060】
本発明の柔軟剤組成物には、柔軟効果を向上させるため、脂肪酸〔以下(E)成分という〕を含有することが好ましく、具体的にはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、エルカ酸、ベヘニン酸等の炭素数12〜22の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましく、特にパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸が好適である。
【0061】
本発明の柔軟剤組成物には、貯蔵安定性を向上させるため、必要に応じて成分(F)として無機塩を含有させることができる。無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウムが貯蔵安定性の点から好ましい。
【0062】
本発明の柔軟剤組成物には、貯蔵安定性を改善するため、成分(G)として炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物を含有してもよい。配合できる成分(G)としては、トリグリセライド、ジグリセライド、モノグリセライド、ペンタエリスリトールのモノ、ジ、トリ脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルを挙げることができる。
【0063】
本発明の柔軟剤組成物には、必要に応じて成分(H)として溶剤を含有させることができる。溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールが好ましく、特にエタノールが匂いの点から好ましい。
【0064】
本発明の柔軟剤組成物中における、成分(A)と成分(B)の合計含有量は、0.1〜6.0質量%が好ましく、0.2〜3.0質量%がより好ましく、0.3〜2.0質量%が更に好ましい。
【0065】
本発明の柔軟剤組成物中における、成分(c1)の含有量は、3〜30質量%がより好ましく、3〜25質量%がより好ましく、3〜20質量%が更に好ましい。また、組成物中の(c2)成分の含有量は、0.3〜15質量%が好ましく、0.3〜10質量%がより好ましく、0.5〜8質量%が更に好ましい。
【0066】
本発明の柔軟剤組成物中における、成分(D)の含有量は、0.1〜10質量%が好ましく、0.2〜9質量%がより好ましく、0.5〜8質量%が更に好ましい。
【0067】
本発明の柔軟剤組成物中における、成分(E)の含有量は、0.2〜10質量%が好ましく、0.2〜5質量%がより好ましく、0.3〜4質量%が更に好ましい。
【0068】
本発明の柔軟剤組成物中における、成分(F)成分の含有量は、0.0005〜5質量%が好ましく、0.001〜4質量%がより好ましく、0.005〜3質量%が更に好ましい。
【0069】
本発明の柔軟剤組成物中における、成分(G)の含有量は、0.01〜15質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が更に好ましい。
【0070】
本発明の柔軟剤組成物中における、成分(H)の含有量は、0.2〜25質量%が好ましく、0.3〜10質量%がより好ましく、0.3〜5質量%が更に好ましい。
【実施例】
【0071】
合成例1
2-フェニルエチルアルコールとサンダルマイソールコア(logP13.9)(1:1)の混合ケイ酸エステルの合成
100mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン18.78g(90mmol)、2-フェニルエチルアルコール19.81g(0.16mol)、サンダルマイソールコア〔Sandalmysore core、花王(株)製、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール〕31.52g(0.16mol)、2.8質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.635mLを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら109〜110℃で約2時間攪拌した。2時間後、槽内の圧力を徐々に8kPaまで下げ、エタノールを留出させながら約120℃でさらに3時間攪拌した。3時間後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、2-フェニルエチルアルコールとサンダルマイソールコアのモル比1:1の混合ケイ酸エステルを含む54.04gの黄色油状物を得た。
得られた油状物について、ガスクロマトグラフィーにより分析を行った結果を表2に示す。
【0072】
【表2】

【0073】
*1:SMCは2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オールから水酸基を除いた残基を示す。
【0074】
試験例1:高残香性香料の評価
前述の<香りの残香性評価法>に従って、各香料の残香性を評価した。
柔軟剤組成物は、表3に記載の香料(表中の希釈濃度に調整したもの)を、表1に示す組成の未賦香柔軟剤組成物に、0.7質量%賦香したものを用いた。
【0075】
脱水布での香り強度2以上4未満、乾燥布1日後での香り強度1以上4未満、脱水布と乾燥布1日後での強度差が2未満であるものを実施例の残香性香料、この規定を満たさなかったものを比較例の香料として使用する。
【0076】
【表3】

【0077】
試験例2:ケイ酸エステルの安定性評価
合成例1で得られた2-フェニルエチルアルコールとサンダルマイソールコア(花王株式会社;2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール)のケイ酸エステル(モル比1:1)、又は2-フェニルエチルアルコールのケイ酸エステルを、表1に示す未賦香柔軟剤組成物に対し0.5質量%になるように、50mLのスクリュー管(マルエムNo.7)に未賦香柔軟剤組成物とケイ酸エステル香料とを加え、50℃に加熱後冷却を行い、柔軟剤組成物を調製した。この柔軟剤組成物を密栓し、40℃の恒温槽に保存した。3日後及び7日後のフリーのアルコール量をHPLC(検出器UV)で測定し、ケイ酸エステル化合物の残存率を求めた。結果を表4に示す。
単独型のケイ酸エステル(ClogP=8.4)に比べ、ハイブリッド型のケイ酸エステル(ClogP=14.5)は、柔軟剤系中であっても加水分解が進むことなく安定であった。
【0078】
【表4】

【0079】
試験例3:ケイ酸エステルの残香性評価
表5に示すハイブリッド型ケイ酸エステル、又は2種の単独型ケイ酸エステルの混合物を、表1の未賦香柔軟剤組成物に対し、0.3質量%になるように賦香した。この柔軟剤について、香りの残香性評価方法に従って残香性の評価を行った。
表5に示すように2種の単独型ケイ酸エステルの混合物を使用した場合より、ハイブリッド化したものを使用した場合の方が、乾燥布1日後、乾燥布7日後の香り強度を強くすることができた。
【0080】
【表5】

【0081】
実施例1〜22及び比較例1〜4
最終の柔軟剤組成物が300gになるように、表6〜11に示す香料成分を表1に記載の未賦香柔軟剤組成物に添加し、柔軟剤組成物を調製した。柔軟剤組成物は以下の手順で調製した。
【0082】
<柔軟剤組成物の調製法>
一枚の長さが2.5cmのタービン型羽根が3枚ついた攪拌羽根をビーカー底面より1cm上部に設置した、500mLのガラスビーカーに必要量の95質量%イオン交換水を入れ、ウォーターバスで62℃まで昇温した。500rpmで攪拌しながら、融解した成分(D)を添加した。
次に成分(C)、成分(G)及び成分(H)を予め混合し、70℃で溶融させた予備混合物を添加した。次に所定のpHにするのに必要な量の35%塩酸水溶液及び/又は48%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、5分間攪拌した後、5℃のウォーターバスで30℃まで冷却し、成分(F)を添加し、更に5分間混合した。
更に、表6〜11に示す香料成分を攪拌しながら添加し、最後に再度pHを確認し、必要に応じて35%塩酸水溶液及び/又は48%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを2.5に調整した(柔軟剤の液温が20℃での条件下)。表1の組成においては、(c1-1)は、ほぼすべて塩酸塩の状態で組成物に存在する。なお、表1中、(c1-1)の数値はそれ自体(有効分)の配合量である。
【0083】
<柔軟剤処理組成物による処理および官能評価法>
上記方法で得られた柔軟剤組成物を用い、下記方法で繊維製品を処理し、前述の<香りの残香性評価法>に従って、脱水布、乾燥布1日後、乾燥布7日後の香り強度を評価した。結果を表6〜11に併せて示す。
【0084】
【表6】

【0085】
【表7】

【0086】
【表8】

【0087】
【表9】

【0088】
【表10】

【0089】
【表11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)及び(B)を含有する柔軟剤用香料組成物。
(A)一般式(1)で表されるケイ酸エステル
【化1】

〔式中、4個のRは、同一の又は相異なる香料残基であって、それぞれ、アルコール系香料である炭素数6以上の1級若しくは2級の脂肪族アルコール又はフェノール系香料であるフェノール若しくはその誘導体から水酸基1個を除いた残基を示す。〕
(B)下記香料群から選ばれる1種又は2種以上の高残香性香料
デカハイドロ-3a,6,6,9a-テトラメチルナフト[2,1-b]フラン、アントラニル酸メチル、ジヒドロキシジメチル安息香酸メチル、クマリン、ヘリオトロピン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、δ-デカラクトン、γ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル、2-(2-(4-メチル-3-シクロヘキセン-1-イル)プロピル)シクロペンタノン、シクロヘキサデセノン、3-メチル-4(5)-シクロペンタデセン-1-オン、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-アセトナフトン、α-ヘキシルシンナミックアルデハイド、リリアール、α-アミルシンナミックアルデハイド、トナライド、ガラクソライド、4(5)-シクロペンタデセノライド、シクロペンタデカノリド、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール
【請求項2】
成分(A)が、4個のRが同一であるケイ酸エステルを2種以上混合したものであって、これら2種以上のケイ酸エステルのそれぞれのRが、相互に異なる香調を有する香料の残基である請求項1記載の柔軟剤用香料組成物。
【請求項3】
成分(A)のケイ酸エステルが、4個のRとして2種以上の香料残基を有するものである請求項1記載の柔軟剤用香料組成物。
【請求項4】
ケイ酸エステルのClogPが11以上である請求項3記載の柔軟剤用香料組成物。
【請求項5】
ケイ酸エステルの4個のRのうち少なくとも1個以上が、ClogPが1.8以下の香料の残基である請求項4記載の柔軟剤用香料組成物。
【請求項6】
2種以上の香料残基が、ClogPの差が0.5以上である2種の香料の残基を含むものである請求項3〜5のいずれかに記載の柔軟剤用香料組成物。
【請求項7】
柔軟剤用香料組成物である請求項1〜6のいずれかに記載の香料組成物を含有する柔軟剤組成物。

【公開番号】特開2011−63674(P2011−63674A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214109(P2009−214109)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】