説明

栄養補給用マンゴスチン茶

キサントン化合物を含む栄養補給茶組成物を開示する。茶組成物中に含まれるキサントンは、好ましくは、マンゴスチン樹木としても知られているガルシニア・マンゴスターナL樹木の果実に由来する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中に記載の技術は、キサントン化合物を含む栄養補給茶組成物に関する。より詳細には、本明細書中に記載の技術は、例えば、マンゴスチン樹木としても知られているガルシニア・マンゴスターナL樹木の果実由来のキサントンを含む栄養補給茶組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
茶飲料には長く語られてきた歴史がある。紀元前2500年頃、中国の皇帝である神農がある日飲み水を沸かしている時に急須の上の枝から葉がその水に落ちたと言われている。生じた香りは素晴らしく、野生の茶樹の葉から新しい飲料が誕生した。中国から日本に茶の栽培が広まり、最終的にこの飲料は欧州に伝えられた。ボストンティパーティは、当時の茶飲料の幅広い人気を証明するアメリカ史初期の有名な出来事であった。今日、茶は、世界中で定番の飲料である。
【0003】
多くの茶は、健康上の利点が知られている。実際、茶は、アルキルアミンと呼ばれる化学成分が非常に豊富であり、アルキルアミンは、ヒトの体内で免疫細胞を増強することが知られている。茶が多数の健康上の利点(心血管疾患リスクの減少及びいくつかの癌形態の発生率の低下が含まれる)と肯定的に関連し得ることが最近の医学的研究から示されている。さらに、多数の茶は、高レベルの抗酸化剤を有することが知られている。
【0004】
ガルシニア・マンゴスターナL樹木の医学的性質は、最近の薬理学的研究及び臨床研究の主題となりつつある。これらの研究により、この植物由来のいくつかの天然化合物から驚くべき医学的に有益な、特にキサントン化合物が得られることが示されている。ガルシニア・マンゴスターナL樹木の歴史及び各キサントン化合物の薬理学的利益は、米国特許第6,730333号(Garrity et al.)(本明細書中で参考として援用される)により詳細に記載されている。
【0005】
茶の既知の用途及びキサントンの報告されている医学的利点にもかかわらず、茶飲料中にキサントン化合物の利点を付与する栄養補給組成物が当該分野で必要とされている。さらに、天然キサントンを含む茶飲料が当該分野で必要とされている。キサントン化合物の利点と薬効のある茶とを組み合わせたマンゴスチン茶飲料が当該分野でさらに必要とされている。マンゴスチン樹木の果皮及び果実由来のキサントンを含むマンゴスチン茶飲料が当該分野でさらに必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書中に記載の技術は、キサントン化合物を含む栄養補給茶組成物に関する。
【0007】
1つの態様では、本明細書中に記載の技術は、リーフティ、ハーブティ、茶抽出物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ又は複数の成分、並びに少なくとも1つのキサントンを含む、栄養補給茶組成物を提供する。栄養補給茶組成物は、ビタミン、ミネラル、食品用甘味料、及びこれらの組み合わせをさらに含むことができる。
【0008】
好ましくは、本明細書中に記載の技術で使用されるキサントンは、天然樹木源、特に、ガルシニア・マンゴスターナL樹木の果実に由来する。例えば、ガルシニア・マンゴスターナL樹木の果実の果皮を、単独で使用するか、又は優れたキサントン供給源を得るために果実の果肉と組み合わせて使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本明細書中で使用した専門用語を、特定の実施形態を説明することを目的として使用し、本明細書中に記載の技術の範囲を制限することを意図しないと理解される。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、背景が他で明確に示されない限り、単数形「a」、「an」、及び「the」には、複数形が含まれることも理解される。
【0010】
他で定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明に属する当業者によって一般的に理解されている意味と同義を有する。本明細書中に記載の技術の種々の方法、組成物、及び材料が本明細書中に記載されているが、本明細書中に記載の方法及び材料に類似しているか、又は等価の任意の方法及び材料を本明細書中に記載の技術の実施又は試験で使用することができる。本明細書中に引用された全ての引用内容は、その全体が参考として援用される。
【0011】
茶は、種々の異なる植物源に由来する。一般に、例えば、以下の3種のリーフティタイプが存在する:緑茶(不発酵)、ウーロン茶(半発酵)、及び黒茶又は紅茶(全発酵)。リーフティの主な製造工程の1つは、茶葉が受ける発酵の程度である。発酵の程度により、製造される茶のタイプが決定される。茶の発酵は、通常、生の茶葉が乾燥し始めた時に自然に起こる酵素的酸化レベルをいう。この天然の酸化過程を、茶葉が完全に乾燥する前に茶葉を焙煎する又は蒸らすことによって停止させることができる。
【0012】
本明細書中に記載の技術の1つの実施形態によれば、マンゴスチン樹木由来の天然キサントンを、1つ又は複数のリーフティ、ハーブティ、茶抽出物、又はこれらの組み合わせと組み合わせて、栄養補給マンゴスチン茶飲料を形成することができる。
【0013】
本明細書中に記載の技術で使用されるキサントンは、多数の異なる供給源に由来し得る。好ましくは、キサントンは、ガルシニア・マンゴスターナL樹木の果実の果皮、又は果肉、或いは果実全体に由来する天然キサントンであるが、他の供給源も有効であろう。本明細書中に記載の技術の1つの実施形態では、マンゴスチン果実全体を、果皮−果肉混合物に粉砕する。次いで、本産業分野で既知の標準的な脱水技術(真空乾燥が含まれる)によって混合物から水を除去する。得られたマンゴスチン果実の果皮及び果肉由来の天然キサントンの脱水混合物は、天然の全体的キサントン化合物の優れた供給源である。本明細書中に記載の技術の別の実施形態では、マンゴスチンの果実全体の混合物又はマンゴスチン果実の果皮からキサントンを抽出する。
【0014】
マンゴスチンキサントンと選択された茶との相乗効果により、驚くべき健康上の利点が付与された栄養補給茶飲料が得られる。
【0015】
本明細書中に記載の技術のさらなる実施形態では、マンゴスチンキサントンをルイボスティ抽出物と組み合わせる。ルイボスティは、ルイボス樹木(Rooibos plant)としても既知のアスパラサス・リネアリスL樹木に由来する。この樹木は、南アフリカで生息する200種を超えるアスパラサス樹木群(plant group)の一部である。アスパラサス・リネアリスL樹木は、不眠症、過敏症、頭痛、神経緊張、及び高血圧の症状を緩和することが知られている。枯草熱、喘息、及び湿疹に有効であることも知られている。ガルシニア・マンゴスターナL樹木由来のキサントンとアスパラサス・リネアリスL樹木由来のキサントンとの組み合わせにより、驚くべき健康上の特性を有する有益な栄養補給組成物が得られる。
【0016】
本明細書中に記載の技術の他の実施形態では、マンゴスチン樹木由来のキサントンを、ゴボウ、ショウズク、カモミール、シナモン、ダミアナ、タンポポ、フェンネル、ショウガ、サンザシ、カワカワ、レモンバーム、カンゾウ、ミント、マザーワート、イラクサ、ラズベリー、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、タツナミソウ、セントジョーンズワート、イチゴ、タイム、カノコソウ、及びノコギリソウからなる群から選択される1つ又は複数のハーブティと組み合わせる。本明細書中に記載の技術の好ましい実施形態では、湿っているか、又は脱水した形態のマンゴスチンの果実の果皮と果肉との混合物を、ゴボウ、ショウズク、カモミール、シナモン、ダミアナ、タンポポ、フェンネル、ショウガ、サンザシ、カワカワ、レモンバーム、カンゾウ、ミント、マザーワート、イラクサ、ラズベリー、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、タツナミソウ、セントジョーンズワート、イチゴ、タイム、カノコソウ、ノコギリソウルイボス(yarrow rooibos)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される茶と混合する。
【0017】
本明細書中に記載の技術を、ビタミン及びミネラルで強化してさらに健康及びエネルギーの利点を提供することもできる。本明細書中に記載の技術と共に使用することができるビタミン及びミネラルの型及び種類に制限はないが、このような知識は十分に当業者の範囲内であり、本明細書中に記載の技術の組成物への混和に適切なビタミン及びミネラルの例には、ビタミンA、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、パントテン酸のビオチン許容可能形態、カルシウム、ナトリウム、カリウム、リン、マグネシウム、マンガン、銅、亜鉛、鉄、セレン、クロム、及びモリブデンが含まれる。
【0018】
本明細書中に記載の技術には、グルコース、デキストロース、フルクトース、ラクトース、マルトース、キシロース、スクロース、コーンシュガーシロップ、及び高フルクトースコーンシロップなどの一般的な食品用甘味料も含まれ得る。
【0019】
本発明を、ここに、以下の実施例を参照して説明し、以下の実施例は例示を目的とし、本発明を制限することを意図しない。
【実施例】
【0020】
栄養補給マンゴスチン茶を、高フルクトースコーンシロップを10.38のブリックス値まで希釈し、226.8g(8オンス)あたり100%RDIのビタミンCを添加し、マンゴスチンの果皮と果肉との混合物を添加し、天然のルイボスティ抽出物を添加することによって作製した。
【0021】
本明細書中に記載の技術を、その精神又は本質的な特徴から逸脱することなく他の特定の形態で実施し得る。記載の実施形態は、全ての態様において例示としてのみ見なされるべきであり、限定的に見なされるべきではない。従って、本明細書中に記載の技術の範囲は、前述の説明によるよりもむしろ添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の等価物の趣意及び範囲におけるすべての変更形態を本発明の範囲に含めるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
栄養補給茶組成物であって、
リーフティ、ハーブティ、茶抽出物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ又は複数の成分、及び
少なくとも1つのキサントン
を含む、栄養補給茶組成物。
【請求項2】
ビタミン、ミネラル、食品用甘味料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む、請求項1に記載の栄養補給茶組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1つのキサントンは天然樹木源に由来する、請求項1に記載の栄養補給茶組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1つのキサントンはガルシニア・マンゴスターナL樹木の果実に由来する、請求項1に記載の栄養補給茶組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1つのキサントンはガルシニア・マンゴスターナL樹木の果実の果皮に由来する、請求項1に記載の栄養補給茶組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1つのキサントンはガルシニア・マンゴスターナL樹木の果実の果肉と果皮との混合物に由来する、請求項1に記載の栄養補給茶組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1つのキサントンは、ガルシニア・マンゴスターナL樹木の果実全体を果皮と果肉との混合物に粉砕することを含むプロセスによるガルシニア・マンゴスターナL樹木の果実に由来し、該混合物を使用して栄養補給マンゴスチン茶組成物を製造する、請求項1に記載の栄養補給茶組成物。
【請求項8】
前記果皮と果肉との混合物は脱水されている、請求項7に記載の栄養補給茶組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1つのキサントンは、
ガルシニア・マンゴスターナL樹木の果実全体を果皮と果肉との混合物に粉砕するプロセス、及び
該混合物からキサントンを抽出するプロセスと、
を含むプロセスによる、ガルシニア・マンゴスターナL樹木の果実に由来する、請求項1に記載の栄養補給茶組成物。
【請求項10】
前記リーフティは、緑茶、ウーロン茶、全発酵茶、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の栄養補給茶組成物。
【請求項11】
前記茶抽出物は、ルイボスティ抽出物である、請求項1に記載の栄養補給茶組成物。
【請求項12】
前記ルイボスティ抽出物は、アスパラサス・リネアリスL樹木に由来する、請求項11に記載の栄養補給茶組成物。
【請求項13】
前記ハーブティは、ゴボウ、ショウズク、カモミール、シナモン、ダミアナ、タンポポ、フェンネル、ショウガ、サンザシ、カワカワ、レモンバーム、カンゾウ、ミント、マザーワート、イラクサ、ラズベリー、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、タツナミソウ、セントジョーンズワート、イチゴ、タイム、カノコソウ、ノコギリソウ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の栄養補給茶組成物。
【請求項14】
前記ビタミン及びミネラルは、ビタミンA、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、パントテン酸のビオチン許容可能形態、カルシウム、ナトリウム、カリウム、リン、マグネシウム、マンガン、銅、亜鉛、鉄、セレン、クロム、モリブデン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の栄養補給茶組成物。
【請求項15】
前記食品用甘味料は、グルコース、デキストロース、フルクトース、ラクトース、マルトース、キシロース、スクロース、コーンシュガーシロップ、高フルクトースコーンシロップ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の栄養補給茶組成物。

【公表番号】特表2007−511224(P2007−511224A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539951(P2006−539951)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/038003
【国際公開番号】WO2005/048940
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(505443573)ディービーシー エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】