株価チャート
【課題】 株商いの初心者にあっても、任意の銘柄株の将来動向をある程度の確度で簡単に予測することができ、しかも株価の時系列的な変動傾向を足の配列から容易に読み取ることができるようにした株価チャートを提供すること。
【解決手段】 時間軸と株価軸とからなる直交座標上に、株価軸に沿ってそれぞれ長さが伸縮する足を、時間軸方向へと所要本数時系列的に配置することにより株価の動向を表すようにした株価チャートであって、足の一本に対応する時間軸の割当幅が一日とされ、足の上端位置又は下端位置のいずれか一方が当日までの規定日数分の終値移動平均値とされ、かつ他方が前日までの規定日数分の終値移動平均値とされ、さらに足の色が、当日までの規定日数分の終値移動平均値と前日までの規定日数分の終値移動平均値との差の極性が正のときには第1の色とされ、負の時には第2の色とされる。ことを特徴とする
【解決手段】 時間軸と株価軸とからなる直交座標上に、株価軸に沿ってそれぞれ長さが伸縮する足を、時間軸方向へと所要本数時系列的に配置することにより株価の動向を表すようにした株価チャートであって、足の一本に対応する時間軸の割当幅が一日とされ、足の上端位置又は下端位置のいずれか一方が当日までの規定日数分の終値移動平均値とされ、かつ他方が前日までの規定日数分の終値移動平均値とされ、さらに足の色が、当日までの規定日数分の終値移動平均値と前日までの規定日数分の終値移動平均値との差の極性が正のときには第1の色とされ、負の時には第2の色とされる。ことを特徴とする
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、株価動向の把握に好適な株価チャートに係り、特に、株商いの初心者にあっても、任意の銘柄株の将来動向をある程度の確度で簡単に予測することができ、しかも株価の時系列的な変動傾向を足の配列から容易に読み取ることができるようにした株価チャートに関する。
【0002】
【従来の技術】株価チャートの代表的なものとしては、ローソク足を使用したものが知られている。このローソク足式の株価チャートは、時間軸と株価軸とからなる直交座標上に、株価軸に沿ってそれぞれ長さが伸縮する『足』(例えば、株価軸方向へと伸縮する矩形の細帯)を、時間軸方向へと所要本数時系列的に配置してなるものである。
【0003】ローソク足式の株価チャートの場合、所謂日足(足の一本に対応する時間軸の割当幅が一日に相当する足)を採用すると、足の長さは当日の始値と終値との差の絶対値に対応するものとなり、足の上端又は下端のいずれか一方は当日の始値を、他方が終値を示すこととなる。また、当日の終値と始値との差の極性が正のとき(終値>始値)は足の色は第1の色(例えば、ピンク等)とされ、負のとき(終値<始値)には第2の色(例えばブルー等)とされる。さらに、足の上下端部からは『ひげ』と称される垂直細線が引き出され、上ひげの上端が高値又下ひげの下端が安値を示すこととなる。
【0004】この株価チャートによれば、ユーザは、足の長さ並びに色によってその日の株価の変動傾向を大凡知ることができ、また足並びにひげの上下端位置により、株価の値(始値、終値、高値、安値)を具体的に知ることがてきる。加えて、相隣接する一連の足の配列により、株価の時系列的な変動傾向も知ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このようなローソク足を採用した株価チャートにあっては、各足に含まれる情報は全て当日に関するものでしかないから、株価が毎日激しい上下変動を繰り返しつつ全体としては緩やかに上昇又は下降するような状況にあっては、足の長さ乃至色の変動が敏感すぎて、株式売買の初心者等にあっては、将来の株価動向を見誤る虞が指摘されている。
【0006】斯かる問題点は、相隣接するローソク足の配列のなす軌跡乃至包絡線の昇降傾向(上り調子、下げ調子)に着目することで一見解決されそうには見える。しかし、ローソク足を採用した株価チャートにあっては、株商いの実状に照らすと、前日の終値が当日の始値には必ずしも一致しないことから、足の上下端同士の連続性に乏しく、加えて、足の上下からひげが延びているため、相隣接するローソク足の配列のなす軌跡乃至包絡線を掴みにくいと言う欠点がある。
【0007】なお、株価動向の把握に好適な株価チャートとしては、株価移動平均線が従来より知られている。しかし、この株価移動平均線にあっては、そもそも足という概念が存在しないため、将来の株価動向予測にはなおも不便である。この移動平均線は、通常、ローソク足の欠点を補うために使用される。
【0008】この発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、株商いの初心者にあっても、任意の銘柄株の将来動向をある程度の確度で簡単に予測することができ、しかも株価の時系列的な変動傾向を足の配列から容易に読み取ることができるようにした株価チャートを提供することにある。
【0009】また、この発明の他の目的とするところは、そのような株価チャートをディスプレイ装置の画面上に表示させることができるコンピュータプログラムを提供することにある。
【0010】さらに、この発明の他の目的並びに作用効果については、以下の明細書の記載により、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の株価チャートは、時間軸と株価軸とからなる直交座標上に、株価軸に沿ってそれぞれ長さが伸縮する足を、時間軸方向へと所要本数時系列的に配置することにより株価の動向を表すようにした株価チャートである。
【0012】ここで、足の一本に対応する時間軸の割当幅が一日とされる。また、足の上端位置又は下端位置のいずれか一方が当日までの規定日数分の終値移動平均値とされ、かつ他方が前日までの規定日数分の終値移動平均値とされる。さらに、足の色が、当日までの規定日数分の終値移動平均値と前日までの規定日数分の終値移動平均値との差の極性が正のときには第1の色とされ、負の時には第2の色とされる。
【0013】好ましい実施の形態では、当日までの規定日数分の終値移動平均値と前日までの規定日数分の終値移動平均値との差がゼロのときには、足は時間軸に平行な1本の直線として表現されかつその色は前日の足と同じ色とされる。
【0014】好ましい実施の形態では、終値移動平均値算出に係る規定日数が、短期、中期、長期の3種類用意され、それら3種類の規定日数のそれぞれによる終値移動平均値を用いて作成された3種類の足が共通の直交座標上に同時に表示される。
【0015】別の一面から見たこの発明の株価チャートは、時間軸と株価軸とからなる直交座標上に、株価軸に沿ってそれぞれ長さが伸縮する足を、時間軸方向へと所要本数時系列的に配置することにより株価の動向を表すようにした株価チャートである。
【0016】ここで、足の一本に対応する時間軸の割当幅が1週とされる。また、足の上端位置又は下端位置のいずれか一方が当週までの規定週数分の週基準日終値移動平均値とされ、かつ他方が前週までの規定週数分の週基準日終値移動平均値とされる。さらに、足の色が、当週までの規定週数分の終値移動平均値と前週までの規定週数分の終値移動平均値との差の極性が正のときには第1の色とされ、負の時には第2の色とされる。
【0017】好ましい実施の形態では、当週までの規定週数分の週基準日終値移動平均値と前週までの規定週数分の週基準日終値移動平均値との差がゼロのときには、足は時間軸に平行な1本の直線として表現されかつその色は前週の足と同じ色とされる。
【0018】好ましい実施の形態では、週基準日終値移動平均値算出に係る規定週数が、短期、中期、長期の3種類用意され、それら3種類の規定週数のそれぞれによる週基準日終値移動平均値を用いて作成された3種類の足が共通の直交座標上に同時に表示される。
【0019】この発明のソフトウェアは、コンピュータを使用してディスプレイ装置の画面上に株価チャートを映し出すために、以下の処理ステップa)〜d)を含むものである。
【0020】a)指定された銘柄に関して、毎日の終値データを順に記憶させて終値データ列を生成するステップ
【0021】b)前記ステップにて生成された終値データ列に対して、規定のデータ個数を前提として移動平均化演算を施すことにより終値移動平均値データ列を生成するステップ
【0022】c)前記ステップにて生成された終値移動平均値データ列から抽出された相前後する一対の終値移動平均値データにより毎日の日足の上下端位置を決定すると共に、それら一対の終値移動平均値データの差極性により毎日の日足の色を二者択一的に決定するステップ
【0023】d)前記ステップにて決定された上下端位置並びに色を有する毎日の日足を、時間軸と株価軸とからなる直交座標に重ねて表示出力するステップ
【0024】好ましい実施の形態にあっては、ステップc)において、一対の終値移動平均値データの差がゼロのときには、足は時間軸に平行な1本の直線とされかつその色は前日の足と同じ色として決定される。
【0025】好ましい実施の形態にあっては、ステップb)において、規定のデータ個数が短期、中期、長期に対応して三種類用意され、ディスプレイ装置の画面上には、短期、中期、長期の三本の曲線が同時に表示される。
【0026】別の一面から見たこの発明のソフトウェアは、コンピュータを使用してディスプレイ装置の画面上に株価チャートを映し出すために、以下の処理ステップa)〜d)を含むものである。
【0027】a)指定された銘柄に関して、毎週の週基準日終値データを順に記憶させて終値データ列を生成するステップ
【0028】b)前記ステップにて生成された週基準日終値データ列に対して、規定のデータ個数を前提として移動平均化演算を施すことにより週基準日終値移動平均値データ列を生成するステップ
【0029】c)前記ステップにて生成された週基準日終値移動平均値データ列から抽出された相前後する一対の週基準日終値移動平均値データにより毎週の週足の上下端位置を決定すると共に、それら一対の終値移動平均値データの差極性により毎週の週足の色を二者択一的に決定するステップ
【0030】d)前記ステップにて決定された上下端位置並びに色を有する毎週の週足を、時間軸と株価軸とからなる直交座標に重ねて表示出力するステップ
【0031】好ましい実施の形態にあっては、ステップc)において、一対の週基準日終値移動平均値データの差がゼロのときには、足は時間軸に平行な1本の直線として表現されかつその色は前週の足と同じ色として決定される。
【0032】好ましい実施の形態にあっては、ステップb)において、規定のデータ個数が短期、中期、長期に対応して三種類用意され、ディスプレイ装置の画面上には、短期、中期、長期の三本の曲線が同時に表示される。
【0033】なお、本発明の株価には相場も含まれる。『相場』とは、株、債権、商品、デリバティブ、オプション、ワラント等の値段を指し、以下の明細書中においても同じ意味合いで用いられるものとする。
【0034】本発明の株価チャートは、日足の場合は毎日、週足の場合は毎週の終値平均値データを基礎として作成されているため、日足チャートの場合にあっては、毎日の株価変動に過敏にあまり反応しないし、週足チャートの場合にあっては、毎週の株価変動にあまり過敏に反応しない。
【0035】また、隣接する足同士間で必ず上端か下端が繋がっていることに加えて、足の上端又は下端同士を連結する包絡線は移動平均線と等価であるため、全体として滑らかな曲線が現出され、株価の時系列的な動向を視覚的に捉えやすい。
【0036】また、個々の足の長さ並びに色は、サンプル日数分又はサンプル週数分の昇降エネルギの蓄積を反映したものとなるため、それらに基づいて株価の将来動向も比較的容易に把握できる。
【0037】さらに、相前後する移動平均値が同じであっても、当日は時間軸に平行な1本の直線でかつ前日と同色で表示されるため、足の途切れが回避されると共に株価動向の変化点を見誤ることもない。
【0038】加えて、短期、中期、長期の観点で作成された曲線が同時に表示されように構成すれば、それら短期線、中期線、長期線の相互関係(絡み)から、株価の動向予測をより的確に行うことが可能となる。
【0039】したがって、本発明の株価チャートによれば、株商いの初心者にあっても、任意の銘柄株の将来動向をある程度の確度で簡単に予測することができ、しかも株価の時系列的な変動傾向を足の配列から容易に読み取ることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の好適な実施の一形態を添付図面にしたがって詳細に説明する。
【0041】本発明の実施の一形態である株価チャート作成システムの機能的な構成図が図1のブロック図に概念的に示されている。同図に示されるように、この株価チャート作成システム1は、入力手段2と、処理手段3と、入力された株価を記憶する株価記憶手段4と、演算手段5と、演算結果を記憶する演算結果記憶手段6と、演算結果記憶手段6に記憶された株価を出力する出力手段7とを含んでいる。
【0042】株価チャート作成システム1は、具体的には、パーソナルコンピュータやワークステーション等で構成される。本実施の形態では、パーソナルコンピュータを使用することにより、処理手段3、株価記憶手段4、演算手段5、演算結果記憶手段6が実現されている。
【0043】入力手段2にはキーボード2aが含まれている。このキーボード2aは、会社情報の登録や会社の株価の随時入力等に使用されるほか、後述する出力手段7としてのディスプレイ装置7aに、所望の銘柄のチャートを表示する際に、その銘柄の名称(または、便宜上銘柄コード)を入力するためにも使用される。
【0044】証券取引所で取り扱っている株の銘柄数は、店頭銘柄も含めると、3000銘柄にも及ぶ。これらの株価情報を終値が発表される午後3時以降に、すべてキーボード2aから手入力することは、多大なる時間と労力を必要とする上、入力ミスも避けがたい。そのため、この例では、オンライン受信手段2bが設けられている。
【0045】受信手段2bは、証券取引所から提供される株価情報をオンライン(実際には、証券取引所と契約した株価提供会社より送信されるが、本実施の形態では、株価情報は、証券取引所から送信されるものとして説明する。)で取り込むためのものであり、取り込まれた株価情報は受信手段2b内のキャッシュメモリ2cに一時的に記憶される。
【0046】処理手段3は、CPU(中央処理装置)3aとプログラム記憶装置3bとを含んでいる。プログラム記憶装置3bには、当該株価チャート作成システムで使用する各種のプログラムが記憶されている。これらのプログラムの中には、本発明に係る株価チャート作成プログラムや株価動向予測プログラムが含まれている。
【0047】株価記憶手段4は、パーソナルコンピュータの内部に設けられたハードディスクで構成される。このハードディスクの記憶領域の一部は、株価記憶手段4に割り当てられている。株価記億手段4には、予め登録された銘柄のそれぞれ毎に、株価と日付とが対として記憶される。これは、後述する演算手段5が、例えば日足(短期)の演算を行う場合に、当日と、1つ前と、前々日の株価を特定するためである。
【0048】株価記憶手段4に記憶された株価情報の一例が図2に示されている。1つの銘柄に対し、日付、始値、高値、安値、終値、出来高が一日分のデータとして記憶される。本実施の形態では、日足による株価チャートの作成は、450日分の株価情報を使用して行われる。週足による株価チャートの作成は、192周分の株価情報を使用して行われる。そのため、株価記億手段4には、これらの演算を行うためにN日分(詳細には後述する)の株価情報が記憶される。
【0049】演算手段5は、プログラム記憶装置3aに記憶されている演算プログラムの手順に従って、株価記憶手段4に記憶された必要な株価データを読み出し、対応する演算処理を行う。この演算処理には、日足データ又は週足データを用いた短期、中期、長期の移動平均化演算が含まれる。
【0050】なお、ここで、『日足データ』とは、1日間の株価を代表する株価データで、例えば、午後3時に得られる毎日の終値データがこれに相当する。『週足データ』とは、1週間の株価を代表する株価データで、例えば、毎週特定曜日の終値がこれに相当する。本実施の形態では、毎週金曜日の終値を週足データとして使用するが、演算段階において、最新の終値データが金曜日以外の曜日の終値データであるときには、当該金曜日以外の終値データが週足データとして使用される。
【0051】日足チャートにおける短期線は、この例では、直近の3日(所定短期間)の終値の移動平均値(終値の3日移動平均値)で作成された増田足(詳細は後述する)を順に連結することで描かれ、株価の急伸、急落、転換を知り得るのにも好適とされる。
【0052】日足チャートにおける中期線は、この例では、直近の25日(所定中期間)の終値の平均値(終値の25日移動平均値)で作成された増田足を順に隣接配置することで描かれ、株価の中期的な転換、強弱の方向性を知り得るのにも好適とされる。
【0053】日足チャートにおる長期線は、この例では、直近の75日(所定長期間)の終値の平均値(終値の75日移動平均値)を用いて描かれ、株価の中長期の転換、強弱、方向性を知り得るのにも好適とされる。
【0054】ここで、日足チャートにおける短期線の描き方を一例として説明する。なお、中期線並びに長期線についても同様に説明される。日足短期線を構成する3日増田足を描くのに必要とされる毎日の終値、3日移動平均値並びにその計算式が10日分の表形式で図3に示されており、3日増田足を使用して実際に描かれた日足短期線の部分拡大図が図4に概略的に示されている。それらの図から明らかなように、3日増田足の作成に必要な終値3日移動平均値の値は、次式(式1)に従って求められる。
【0055】
【数1】
終値3日移動平均値=(本日の終値+前日の終値+2日前の終値)÷3 …(式1)
【0056】具体的には、図3に示されるように、3日目の時点における終値3日移動平均値は、( 800+1000+1200)÷3=10004日目の時点における終値3日移動平均値は、(1000+1200+1400)÷3=12005日目の時点における終値3日移動平均値は、(1200+1400+1600)÷3=14006日目以降も同様して求められる。
【0057】図4は、このようにして得られた3日目〜10日目の終値3日移動平均値を使用して作成された4日目〜10日目の3日増田足を順に隣接配置してなる日足短期線の一例を示すものである。同図に示されるように、毎日の『3日増田足』は、その日の終値3日移動平均値と前日の終値3日移動平均値とをそれぞれ上線若しくは下線とする対応長さの垂直バーとして描かれる。
【0058】より具体的には、4日の3日増田足は、4日の終値3日移動平均値である1200を上線、3日の終値3日移動平均値である1000を下線とする垂直バーとして描かれる。このように、前日の終値3日移動平均値よりも本日の終値3日移動平均値の方が高い場合(すなわち、3日増田足の昇降値が『上昇』の場合)を一般に『陽足』と称する。『陽足』の場合における垂直バーの色としては、例えば、ピンクが使用される。
【0059】5日の3日増田足は、5日の終値3日移動平均値である1400を上線、4日の終値3日移動平均値である1200を下線とするピンク色の垂直バーとして描かれる。
【0060】6日の3日増田足は、6日の終値3日移動平均値および5日の終値3日移動平均値の値がいずれも1400であることから、5日(1つ前)と同様のピンク色の水平な一本の線で描かれる。
【0061】7日の3日増田足は、7日の終値3日移動平均値である1300を下線、6日の終値3日移動平均値である1400を上線とする垂直バーとして描かれる。このように、前日の終値3日移動平均値よりも本日の終値3日移動平均値の方が低い場合(すなわち、3日増田足の昇降値が『下降』の場合)を一般に『陰足』と称する。『陰足』の場合における垂直バーの色としては、例えば、ブルーが使用される。
【0062】同様にして8日目、9日目、10日目の増田足も垂直バーとして描かれ、それぞれの増田足の色としてピンクもしくはブルーが使用される。
【0063】一方、週足チャートにおける短期線、中期線、長期線は、株価の中長期の動向を知り得るために用いられる。
【0064】週足チャートにおける短期線は、この例では、直近の3週(所定短期間)の終値の移動平均値(終値3週移動平均値)で作成された増田足を順に連結することで描かれ、日足より緩やかな転換を知り得るのにも好適とされる。
【0065】週足チャートにおける中期線は、この例では、直近の13週(所定中期間)の終値の平均値(終値13週移動平均値)で作成された増田足を順に隣接配置することで描かれ、中期的な売買の動向を知り得るのにも好適とされる。
【0066】週足チャートにおる長期線は、この例では、直近の26週(所定長期間)の終値の平均値(終値26週移動平均値)を用いて描かれ、株価の長期的な将来の動向を知り得るのにも好適とされる。
【0067】図1に戻り、演算手段5で行われる演算処理には、日足データ又は週足データを用いた移動平均化演算の他、後述する株価動向予測処理のための終値変化率並びに増田足変化率に掛かる演算が含まれている。
【0068】ここで、『終値変化率』並びに『増田足変化率』とは、株価動向予測処理で使用される指数であり、次式(数2),(数3)に従って求められる。
【数2】
終値変化率(r)=(基準時の終値−1つ前の終値)/1つ前の終値 …(式2)
【数3】
増田足変化率(m)
=(基準時の終値移動平均値−1つ前の終値移動平均値)
/1つ前の終値移動平均値 …(式3)
【0069】具体的な一例としては、図3に示される4日目の増田足変化率は、(1200−1000)÷1000=0.2
【0070】次に、演算結果記憶手段6は、パーソナルコンピュータの内部に設けられたハードディスクの一部を演算結果記憶部として予め確保することで構成される。この演算結果記憶手段6は、日足に基づき演算した移動平均値データと、日毎の終値変化率データと、日毎の増田足変化率データとをそれぞれ記憶する日足記憶部6aと、週足に基づき演算した移動平均値データと、週毎の終値変化率データと、週毎の増田足変化率データとをそれぞれ記憶する週足記憶部6bとを含んでいる。
【0071】日足記憶部6a並びに週足記憶部6bには、それぞれ日足並びに週足に基づき演算した、短期、中期、長期の株価移動平均値と、日毎、週毎の終値変化率データと増田足変化率データとが日付とともに記憶される。
【0072】この日付は、演算の基準となる日であり、例えば、日足における短期移動平均値を算出する場合は、3日目に該当する日(当日が、7月10日とすると、演算には、7月9日と7月8日の株価(終値)が必要であり、この場合に、終値3日移動平均値を算出した日である7月10日)が記憶される。終値変化率および増田足変化率は、日足、週足の演算基準日に対応してそれぞれ記憶される。
【0073】演算結果記憶手段6に記憶された株価情報の一例が図5に示されている。日足記憶部6aには、450日分の株価移動平均値情報と、450日分の終値変化率データ並びに増田足変化率データとが記憶される。同様にして、週足記憶部6bには、192週分の株価移動平均値情報と、192週分の終値変化率データ並びに増田足変化率データとがそれぞれ記憶される。
【0074】出力手段7は、パーソナルコンピュータに接続されたディスプレイ装置7aとプリンタ装置7bとを含んでいる。ディスプレイ装置7aは、処理手段3が有するプログラム記憶装置3aに記憶されたプログラムに従って、入力手段2から株価や株価に関する情報を入力するための入力画面を表示したり、演算結果記憶手段6に記憶された日足データや週足データ等に基づいて作成される株価チャートを表示する。また、本実施例では、株価チャートの所定箇所には、後述する株価動向予測処理により決定される株価動向報知マークが表示される。
【0075】プリンタ装置7bは、ディスプレイ装置7aに表示された株価チャートや、演算結果記憶手段6に記憶された日足データや週足データ等に基づいた株価チャートを印字する。
【0076】これらの出力手段7であるディスプレイ装置7a、プリンタ装置7bは、カラー対応であり、例えば、日足の3日増田足の場合は、前日(1つ前)より当日(基準日)の株価終値の3日移動平均値が高い『陽足』(昇降値は『上昇』)のとき、その3日増田足はピンク色で表される。同様に、前日より当日の株価終値の3日移動平均値が低い『陰足』(昇降値は『下降』)のとき、その3日増田足はブルー色で表される。これにより、一見して株価の陰陽が判明可能となる。
【0077】次に、以上説明した株価チャート作成システムをパーソナルコンピュータにて実現するためのコンピュータプログラムの構成全体を図6のゼネラルフローチャートに示す。
【0078】同図に示されるように、このコンピュータプログラムは、入力処理(ステップ601)と、当日入力あり(ステップ602)を条件として実行される演算処理(ステップ603)と、チャート作成処理(ステップ604)と、株価動向予測処理(ステップ605)と、プリント指示あり(ステップ606)を条件として実行されるプリント処理(ステップ607)とを含んでいる。
【0079】入力処理の詳細が図7のフローチャートに示されている。同図に示されるように、この入力処理は、要するに、当日株価の受信並びにキャッシュメモリ2cへの書き込み処理を定期的に実行する一方(ステップ701,702)、キャッシュメモリ2cに書き込まれたデータの中から、予め特定された銘柄に関するデータを読み出して、株価記憶手段4の該当銘柄の株価データに追加する処理(ステップ703〜711)を繰り返すものである。
【0080】演算処理の詳細が図8のフローチャートに示されている。同図に示されるように、本実施例における演算処理は、移動平均値演算処理と変化率演算処理とを含んでいる。
【0081】移動平均値演算処理は、要するに、株価記憶手段4から各銘柄の株価データを読み出すと共に(ステップ801,817)、これに基づいて3日増田足、25日増田足、75日増田足の作成に必要な終値3日移動平均値、終値25日移動平均値、終値75日移動平均値をそれぞれ算出して(ステップ802)、日足記憶部6aの該当する銘柄データに追加する処理(ステップ806)と、同様にして3週増田足、13週増田足、26週増田足の作成に必要な終値3週移動平均値、終値13週移動平均値、終値26週移動平均値をそれぞれ算出して(ステップ809)、週足記憶部6bの該当する銘柄データに追加する処理(ステップ813)とを含んでいる。
【0082】変化率演算処理は、先に述べたように、株価記憶手段4から各銘柄の株価データを読み出すと共に(ステップ801,817)、プログラム記憶手段3aに記憶されている株価動向予測プログラムの手順に従って、日毎の終値変化率並びに増田足変化率を算出して(ステップ803)、日足記憶部6aの該当する銘柄データに追加する処理(ステップ806)と、同様にして、週毎の終値変化率並びに増田足変化率をそれぞれ算出して(ステップ810)、週足記憶部6bの該当する銘柄データに追加する処理(ステップ813)とを含んでいる。
【0083】チャート作成処理の詳細が図9のフローチャートに示されている。同図に示されるように、このチャート作成処理は、要するに、キーボード2a等を介してオペレータから与えられた指示(銘柄、区分)等に従って(ステップ901,902,903)、日足記憶部6a又は週足記憶部6bから該当日数乃至週数の移動平均値データを読み出すと共に(ステップ904,906)、それら読み出されたデータに基づいて、先に説明した増田足作成ルールに従って、該当色の増田足を作成し、これを連結することで、日足乃至週足の短期線、中期線、長期線を描く(ステップ911,912,913)ものである。
【0084】株価動向予測処理の詳細が図10〜図18に示されている。それらの図から明らかなように、図6にステップ605で示される株価動向予測処理は、株価動向予測そのものを行う処理(図10〜図17参照)と、予測結果に対応するチャート上の報知マークを決定する処理(図18参照)とから構成されている。
【0085】株価動向の予測は、株価チャート(日足、週足の双方を含む)の短期線、中期線、長期線のそれぞれについて、下記の株価動向予測方法(1)〜(3)を使用して自動的に行われる。
(1)短期線における株価動向の予測は、基準時の増田足変化率、基準時の終値変化率、基準時直近の1若しくは2以上の本数の増田足の昇降値並びに上下値の少なくとも1つが所定の条件を満足するとき、基準時以降の株価が増田足の短期線から見て特定の動向を示すものと判定する。
(2)中期線における株価動向の予測は、基準時の増田足変化率、および/または、基準時の増田足の昇降値が所定の条件を満足するとき、基準時以降の株価が増田足の中期線から見て特定の動向を示すものと判定する。
(3)長期線における株価動向の予測は、基準時の増田足の昇降値が所定の条件を満足するとき、基準時以降の株価が増田足の長期線から見て特定の動向を示すものと判定する。
【0086】株価チャートにおける増田足の短期線から見た株価の将来動向を予測する方法の具体的な実施の一形態を図10〜15のフローチャートに従って詳細に説明する。尚、理解を容易とするため以下の実施の形態では、増田足に日足を採用しかつ基準日を本日として説明する。また、それらの図において、mは増田足変化率、rは終値変化率、Hは増田足の上値、Lは増田足の下値をそれぞれ示している。また、それらの図において、「2つ前」は前々日を、「3つ前」は本日より数えて3日前に該当する日をそれぞれ示す。
【0087】但し、m:増田足変化率=(終値短期移動平均値による基準時の増田足の長さ/1つ前の終値短期移動平均値)
r:終値変化率=((基準時の終値−1つ前の終値)/1つ前の終値)
以下の記述において同様とする。
【0088】図10に示されるように、短期線における株価動向予測処理が開始されると、先ず、株価記憶手段6から読み込まれた銘柄データの増田足変化率mと定数C1との比較演算処理『|m|<C1』が行われる(ステップ1001)。この例では、定数C1=0.015とされる。尚、定数C1については以下同様とする。ここで、『|m|<C1』が真であるときには(ステップ1001YES)、動向予測は“ホールド”と判定される(ステップ1005)。
【0089】ステップ1001において、『|m|<C1』が偽であるときには(ステップ1001NO)、続くステップ1002において、増田足変化率mと定数C1並びに終値変化率rと定数C2との比較演算処理『m≧C1かつr<−C2』が行われる。この例では、定数C2=0.015とされる。定数C2については以下同様とする。ここで、『m≧C1かつr<−C2』が真であるときには(ステップ1002YES)、動向予測は“ホールド”と判定される(ステップ1005)。
【0090】ステップ1002において、『m≧C1かつr<−C2』が偽であるときには(ステップ1002NO)、続くステップ1003において、増田足変化率mと定数C1並びに終値変化率と定数C2との比較演算処理『m<−C1かつr>C2』が行われる。ここで、『m<−C1かつr>C2』が真であるときには(ステップ1003YES)、動向予測は“ホールド”と判定される(ステップ1005)。
【0091】ステップ1003において、『m<−C1かつr>C2』が偽であるときには、後に詳細に説明するフィルター処理(ステップ1004)が行われる。
【0092】フィルター処理(ステップ1004)の概略が図11のフローチャートに示されている。
【0093】同図に示されるように、フィルター処理においては、先ず、読み込まれたデータの本日の増田足の昇降値(以下、単に『本日の昇降値』という。)に基づいて本日の昇降値が上昇であるデータ(ステップ1101YES)と、本日の昇降値が下降であるデータ(ステップ1101NO)との2つに大別される。
【0094】ここで、『昇降値』とは、日足記憶部6aに記憶された該当日の移動平均値と1つ前の移動平均値とを比較することで算出される。該当日の移動平均値が1つ前の移動平均値より大きいときは上昇、小さいときは下降と判別される。尚、該当日の移動平均値と1つ前の移動平均値とが等しい場合には、本実施の形態においては、1つ前の増田足の昇降値が該当日の昇降値として採用される。『昇降値』は、以下の実施の形態において同様にして算出される。
【0095】本日の昇降値が上昇であるデータの内、前日の昇降値が下降であるデータは、ステップ1102において、後述する各種ステップに基づいたフィルター処理が行われる。一方、本日の昇降値が上昇でありかつ前日の昇降値が上昇であるデータは、続くステップ1103において、後述する各種ステップに基づいたフィルター処理が行われる。
【0096】本日の昇降値が下降であるデータの内、前日の昇降値が上昇であるデータは、ステップ1104において、後述する各種ステップに基づいたフィルター処理が行われる。一方、本日の昇降値が下降でありかつ前日の昇降値が下降であるデータは、続くステップ1105において、後述する各種ステップに基づいたフィルター処理が行われる。
【0097】本日の昇降値が上昇でありかつ前日の昇降値が下降であるデータに対するフィルター処理(図11R>1,ステップ1102)の詳細が図12のフローチャートに示されている。
【0098】処理が開始されると、先ず、本日の増田足の上値と前日の増田足の上値との比較演算処理『本日の増田足の上値≦前日の増田足の上値』が行われる(ステップ1201)。
【0099】ここで、増田足の『上値』は、該当する増田足の昇降値が上昇である場合には、日足記憶部6aに記憶された該当日の移動平均値が読み出され、また昇降値が下降である場合には該当日前日の移動平均値が読み出される。『上値』は、以下の実施の形態において同様にして日足記憶部6aから読み出される。
【0100】ステップ1201において、『本日の増田足の上値≦前日の増田足の上値』が真であるときには(ステップ1201YES)、動向予測は“ホールド”と判定される(ステップ1202)。
【0101】『本日の増田足の上値≦前日の増田足の上値』が偽であるときには(ステップ1201NO)、続くステップ1203において、本日の増田足の上値と前々日(2つ前)の増田足の上値との比較演算処理『本日の増田足の上値≧2つ前の増田足の上値』が行われる。ここで、『本日の増田足の上値≧2つ前の増田足の上値』が真であるときには(ステップ1203YES)、続くステップ1204において、終値変化率rと定数C5並びに増田足変化率mと定数C6との比較演算処理『r>C5かつm>C6』が行われる。この例では、定数C5=0.025,定数C6=0.025とされる。定数C5,C6については以下同様とする。ここで、『r>C5かつm>C6』が真であるときには(ステップ1204YES)、動向予測は“強い上げ”と判定され(ステップ1206)、『r>C5かつm>C6』が偽であるときには(ステップ1204NO)、“上げ”と判定される(ステップ1205)。
【0102】ステップ1203において、『本日の増田足の上値≧2つ前の増田足の上値』が偽であるときには(ステップ1203NO)、続くステップ1207において、本日の増田足の上値と前々日(2つ前)の増田足の上値との比較演算処理『本日の増田足の上値<2つ前の増田足の上値』が行われる。ここで、『本日の増田足の上値<2つ前の増田足の上値』が真であるときには(ステップ1207YES)、続くステップ1208において、終値変化率rと定数C5並びに増田足変化率mと定数C6との比較演算処理『r<C5かつm<C6』が行われる。ここで、『r<C5かつm<C6』が真であるときには(ステップ1208YES)、動向予測は“ホールド”と判定され(ステップ1210)、『r<C5かつm<C6』が偽であるときには(ステップ1208NO)、“上げ”と判定される(ステップ1209)。
【0103】ステップ1207において、『本日の増田足の上値<2つ前の増田足の上値』が偽であるときには(ステップ1207NO)、図11のステップ1103に示されるフィルター処理へと進む。
【0104】本日の昇降値が上昇でありかつ前日の昇降値が上昇であるデータに対するフィルター処理(図11R>1,ステップ1103)の詳細が図13のフローチャートに示されている。
【0105】処理が開始されると、先ず、本日の増田足の上値と前々日(2つ前)の増田足の上値との比較演算処理『本日の増田足の上値≦2つ前の増田足の上値』が行われる(ステップ1301)。ここで、『本日の増田足の上値≦2つ前の増田足の上値』が真であるときには(ステップ1301YES)、動向予測は“ホールド”と判定される(ステップ1302)。
【0106】『本日の増田足の上値≦2つ前の増田足の上値』が偽であるときには(ステップ1301NO)、続くステップ1303において、本日の増田足の上値と本日より3日前(3つ前)の増田足の上値との比較演算処理『本日の増田足の上値>3つ前の増田足の上値』が行われる。ここで、『本日の増田足の上値>3つ前の増田足の上値』が真であるときには(ステップ1303YES)、続くステップ1304において、終値変化率rと定数C5並びに増田足変化率mと定数C6との比較演算処理『r>C5かつm>C6』が行われる。ここで、『r>C5かつm>C6』が真であるときには(ステップ1304YES)、動向予測は“強い上げ”と判定され(ステップ1306)、『r>C5かつm>C6』が偽であるときには(ステップ1304NO)、動向予測は“上げ”と判定される(ステップ1305)。
【0107】ステップ1303において、『本日の増田足の上値>3つ前の増田足の上値』が偽であるときには(ステップ1303NO,ステップ1307YES)、続くステップ1308において、終値変化率rと定数C5並びに増田足変化率mと定数C6との比較演算処理『r<C5かつm<C6』が行われる。ここで、『r<C5かつm<C6』が真であるときには(ステップ1308YES)、動向予測は“ホールド”と判定され(ステップ1310)、『r<C5かつm<C6』が偽であるときには(ステップ1308NO)、“上げ”と判定される(ステップ1309)。
【0108】次に、本日の昇降値が下降でありかつ前日の昇降値が上昇あるデータに対するフィルター処理(図1111,ステップ1104)の詳細が図14のフローチャートに示されている。
【0109】処理が開始されると、先ず、本日の増田足の下値と前日の増田足の下値との比較演算処理『本日の増田足の下値≧前日の増田足の下値』が行われる(ステップ1401)。
【0110】ここで、増田足の『下値』は、該当する増田足の昇降値が下降である場合には、日足記憶部6aに記憶された該当日の移動平均値が読み出され、また昇降値が上昇である場合には該当日前日の移動平均値が読み出される。『下値』は、以下の実施の形態において同様にして日足記憶部6aから読み出される。
【0111】ステップ1401において、『本日の増田足の下値≧前日の増田足の下値』が真であるときには(ステップ1401YES)、動向予測は“ホールド”と判定される(ステップ1402)。
【0112】『本日の増田足の下値≧前日の増田足の下値』が偽であるときには(ステップ1401NO)、続くステップ1403において、本日の増田足の下値と前々日(2つ前)の増田足の下値との比較演算処理『本日の増田足の下値≧2つ前の増田足の下値』が行われる。ここで、『本日の増田足の下値≧2つ前の増田足の下値』が真であるときには(ステップ1403YES)、続くステップ1404において、終値変化率rと定数C5並びに増田足変化率mと定数C6との比較演算処理『r>−C5かつm>−C6』が行われる。ここで、『r>−C5かつm>−C6』が真であるときには(ステップ1404YES)、動向予測は“ホールド”と判定され(ステップ1406)、『r>−C5かつm>−C6』が偽であるときには(ステップ1404NO)、“下げ”と判定される(ステップ1405)。
【0113】ステップ1403において、『本日の増田足の下値≧2つ前の増田足の下値』が偽であるときには(ステップ1403NO)、続くステップ1407において、本日の増田足の下値と2つ前の増田足の下値との比較演算処理『本日の増田足の下値<2つ前の増田足の下値』が行われる。ここで、『本日の増田足の下値<2つ前の増田足の下値』が真であるときには(ステップ1407YES)、続くステップ1408において、終値変化率rと定数C5並びに増田足変化率mと定数C6との比較演算処理『r<−C5かつm<−C6』が行われる。ここで、『r<−C5かつm<−C6』が真であるときには(ステップ1408YES)、動向予測は“強い下げ”と判定され(ステップ1410)、『r<−C5かつm<−C6』が偽であるときには(ステップ1408NO)、“下げ”と判定される(ステップ1409)。
【0114】ステップ1407において、『本日の増田足の下値<2つ前の増田足の下値』が偽であるときには(ステップ1407NO)、図11のステップ1105に示されるフィルター処理へと進む。
【0115】本日の昇降値が下降でありかつ前日の昇降値が下降であるデータに対するフィルター処理(図11R>1,ステップ1105)の詳細が図15のフローチャートに示されている。
【0116】処理が開始されると、先ず、本日の増田足の下値と前々日(2つ前)の増田足の下値との比較演算処理『本日の増田足の下値≧2つ前の増田足の下値』が行われる(ステップ1501)。ここで、『本日の増田足の下値≧2つ前の増田足の下値』が真であるときには(ステップ1501YES)、動向予測は“ホールド”と判定される(ステップ1502)。
【0117】『本日の増田足の下値≧2つ前の増田足の下値』が偽であるときには(ステップ1501NO)、続くステップ1503において、本日の増田足の下値と本日より3日前(3つ前)の増田足の下値との比較演算処理『本日の増田足の下値<3つ前の増田足の下値』が行われる。ここで、『本日の増田足の下値<3つ前の増田足の下値』が真であるときには(ステップ1503YES)、続くステップ1504において、終値変化率rと定数C5並びに増田足変化率mと定数C6との比較演算処理『r<−C5かつm<−C6』が行われる。ここで、『r<−C5かつm<−C6』が真であるときには(ステップ1504YES)、動向予測は“強い下げ”と判定され(ステップ1506)、『r<−C5かつm<−C6』が偽であるときには(ステップ1504NO)、“下げ”と判定される(ステップ1505)。
【0118】ステップ1503において、『本日の増田足の下値<3つ前の増田足の下値』が偽であるときには(ステップ1503NO,ステップ1507YES)、続くステップ1508において、終値変化率rと定数C5並びに増田足変化率mと定数C6との比較演算処理『r>−C5かつm>−C6』が行われる。ここで、『r>−C5かつm>−C6』が真であるときには(ステップ1508YES)、動向予測は“ホールド”と判定され(ステップ1510)、『r>−C5かつm>−C6』が偽であるときには(ステップ1508NO)、“下げ”と判定される(ステップ1509)。
【0119】株価チャートにおける増田足の中期線から見た株価の将来動向を予測する方法の具体的な実施の一形態を図16のフローチャートに従って詳細に説明する。同図において、処理が開始されると、先ず、読み込まれたデータの増田足変化率mと定数C3との比較演算処理『|m|≦C3』が行われる(ステップ1601)。この例では、定数C3=0.0029とされる。ここで、『|m| ≦C3』が真であるときには(ステップ1601YES)、動向予測は“ホールド”と判定される(ステップ1602)。
【0120】ステップ1601において、『|m|≦C3』が偽であるときには(ステップ1601NO)、続くステップ1603において、本日の増田足の昇降値が上昇であるか否かの判定が行われる。
【0121】本日の昇降値が下降であるときには(ステップ1603NO)、続くステップ1604において、増田足変化率mと定数C4との比較演算処理『|m|≧C4』が行われる。この例では、定数C4=0.025とされる。定数C4については以下同様とする。ここで、『|m|≧C4』が真であるときには(ステップ1604YES)、動向予測は“強い下げ”と判定され(ステップ1606)、『|m|≧C4』が偽であるときには(ステップ1604NO)、“下げ”と判定される(ステップ1606)。
【0122】ステップ1603において、本日の昇降値が上昇であるときには(ステップ1603YES)、続くステップ1607において、増田足変化率mと定数C4との比較演算処理『m≧C4』が行われる。ここで、『m≧C4』が真であるときには(ステップ1607YES)、動向予測は“強い上げ”とされ(ステップ1609)、『m≧C4』が偽であるときには(ステップ1607NO)、“上げ”と判定される(ステップ1608)。
【0123】株価チャートにおける増田足の長期線から見た株価の将来動向を予測する方法の具体的な実施の一形態を図17のフローチャートに従って詳細に説明する。同図において、処理が開始されると、ステップ1701において、本日の増田足の昇降値が上昇であるか否かの判定が行われる。
【0124】本日の昇降値が下降であるときには(ステップ1701NO)、動向予測は“下げ”と判定され(ステップ1702)、本日の昇降値が上昇であるときには(ステップ1701YES)、“上げ”と判定される(ステップ1703)。
【0125】株価動向予測結果に基づいて、株価動向報知マークを決定する方法の具体的な実施の一形態を図18R>8のフローチャートに従って詳細に説明する。同図において、処理が開始されると、先ず、演算結果記憶部6から、指定された銘柄のデータが読み込まれ(ステップ1801)、次いで、読み込まれたデータを基に、上述の種々の形態のステップを経て株価動向予測処理を行う(ステップ1802)。
【0126】ここで、動向予測が“強い上げ”と判定されると(ステップ1803)、後述するディスプレイ上の所定箇所に(プリントアウト時には紙面上の所定箇所)に、強い上げを示すマークが表示される(ステップ1804)。この例では、頂点が上向きの二等辺三角形が2つ横並びで表示され、ピンクの色が付される。
【0127】動向予測が“上げ”と判定されると(ステップ1805)、“上げ”を示すマークとして、この例では、頂点が上向きの二等辺三角形が1つ表示され、ピンクの色が付される(ステップ1806)。
【0128】動向予測が“強い下げ”と判定されると(ステップ1811)、“強い下げ”を示すマークとして、この例では、頂点が下向きの二等辺三角形が2つ横並びで表示され、ブルーの色が付される(ステップ1812)。
【0129】動向予測が“下げ”と判定されると(ステップ1809)、“下げ”を示すマークが表示され、この例では、頂点が下向きの二等辺三角形が1つ表示され、ブルーの色が付される(ステップ1810)。
【0130】動向予測が“ホールド”と判定されると(ステップ1807)、“ホールド”を示すマークとして、上下方向に二等辺三角形が2つ表示される(ステップ1808)。このとき、上に位置する二等辺三角形は頂点が上向きであり、ピンクの色が付される。下に位置する二等辺三角形は頂点が下向きであり、ブルーの色が付される。
【0131】このようにして、出力手段7を構成するディスプレイ装置7aに表示される増田足株価チャートの一例が図19に示されている。この例では、短期線、中期線、長期線が1つの株価チャートに含まれており、特定銘柄の株価動向を見ることができる。なお、図において、8aは3日足を連結して描かれた日足短期線、8bは25日足を連結して描かれた日足中期線、8cは75日足を連結して描かれた日足長期線である。また、画面上部の水平一列に延びる表示バー9は、右から順に、短期表示領域9a、中期表示領域9b、長期表示領域9cの3つの領域に分割されている。各領域には、それぞれ増田足短期線から見た株価動向予測、増田足中期線から見た株価動向予測、増田足長期線からみた株価動向予測、のそれぞれの結果に相当する報知マークM1〜M3が付されている。また、表示バー9の上に位置する表示バー10には、該当株の銘柄名と共に、本日の終値、安値、高値、始値の各種株価情報が表示される。従って、この新規な株価動向報知マーク付きの増田足チャートによれば、株取引に不慣れな初心者であっても、株の売り時や買い時を容易かつ的確に知ることができる。
【0132】プリント処理の詳細が図20のフローチャートに詳細に示されている。同図に示されるように、このプリント処理は、要するに、キーボード2a等を介してオペレータから与えられた指示(銘柄、区分)等に従って(ステップ2001,2002,2003)、日足記憶部6a又は週足記憶部6bから該当日数乃至週数の移動平均値データを読み出すと共に(ステップ2004,2006)、それら読み出されたデータに基づいて、先に説明した増田足作成ルールに従って、該当色の増田足を作成し、これを連結することで、日足乃至週足の短期線、中期線、長期線をプリントバッファ上で描き(ステップ2011,2012,2013)、これを最後にプリンタからプリント出力させるものである(ステップ2019)。なお、この演算処理の内容についても、既に、特開平11−66154号公報にて詳細に開示されているから、ここでの重複説明は回避する。
【0133】次に、本発明の株価チャート表示システムについて説明する。これまでの説明では、画面上に株価チャートを表示させるとともに、該当株情報や、短期予測、中期予測、長期予測の結果に相当する報知マークを表示させたが、これとは別に様々な付加情報を表示させることもできる。
【0134】その具体的な表示の一態様が図21に示されている。尚、この例では、増田足には日足を採用している。同図に示されるように、本実施形態における株価チャート表示システムでは、オペレータ自身による株価の予測に便利なように、平行移動可能な4本のカーソル線C1〜C4がチャート上に表示される。この例では、カーソル線C1は基準時点を示しており、表示位置P1上に表示されている。また、基準時点表示バー11には日付と共に、基準時点における各種株価データ(該当株の銘柄名、始値、高値、安値、終値)が表示される。
【0135】また、カーソル線C2は短期起算時点を、カーソル線C3は中期起算時点を、カーソル線C4は長期起算時点をそれぞれ示しており、それぞれ表示位置P2〜P4上に表示される。表示バー11の下に位置する表示バー12は、右から順に、短期起算時点表示領域12a、中期起算時点表示領域12b、長期起算時点表示領域12cの3つの領域に分割されている。各領域のそれぞれには、各起算時点における日付、終値とともに、基準時点における株価動向予測報知マークM1〜M3が表示される。尚、M1は基準時点における増田足の短期線からみた動向予測報知マーク、M2は基準時点における増田足の中期線から見た動向予測報知マーク、M3は基準時点における増田足の長期線から見た動向予測報知マークをそれぞれ示している。
【0136】図22にはこのような表示システム実現のための処理のフローチャートが示されている。
【0137】同図において、処理が開始されると、先ず図21に示される4本のカーソル線C1〜C4の表示位置の初期化が行われる(ステップ2201)。次いで、表示位置P1〜P4に4本のカーソル線C1〜C4が表示される(ステップ2202)。
【0138】ここで、表示位置P1〜P4は、チャート画面上に4本のカーソル線C1〜C4を表示する際、それらカーソル線C1〜C4のそれぞれが、チャート画面上の増田足に重なるように定められる。また、この例では、基準時点を含めて、3日前(例えば基準時点の日付が4月10日なら、4月8日がこれに該当する)を短期起算時点に、同様にして25日前を中期起算時点に、75日前を長期起算時点にそれぞれ固定している。そのため、カーソル線C1〜C4の移動は、それら4本のカーソル線C1〜C4が一定の間隔を保ったままでの平行移動とされる。
【0139】続くステップ2203では、カーソル線C1〜C4で示される該当日の各種データ群D11〜D14,D2,D3,D4が読み込まれる。この例では、図2323に示されるように、データ群D11〜D14は、該当銘柄の基準時点の始値、高値、安値、終値を示しており、また、データD2,D3,D4は、該当銘柄の各起算時点における終値データをそれぞれ示しており、これらのデータは、株価記憶手段4から読み出される。
【0140】ステップ2203において読み込まれたデータD11〜D14,D2,D3,D4は、表示画面上の該当表示領域11,12a〜12cにそれぞれ数値で表示される(ステップ2204)。
【0141】更に、この例では、先述した株価動向予測処理を実行することにより、基準時点における、増田足の短期線からみた動向予測報知マークM1を短期起算時点表示領域12aに、増田足の中期線からみた動向報知マークM2を中期起算時点表示領域12bに、増田足の長期線から見た動向報知マークM3を長期起算時点表示領域12cにそれぞれ表示する。
【0142】次いで、3日増田足による短期線、25日増田足による中期線、75日増田足を連結してなる短期・中期・長期線のそれぞれをチャート上に表示する(ステップ2206)。
【0143】続くステップ2207では、カーソル移動操作の有無が判定される。このカーソル移動操作は、例えばオペレータのキーボード操作等により行われる。ここで、カーソル移動操作が確認されると(ステップ2207YES)、4本のカーソルC1〜C4の表示位置P1〜P4が操作に応じて変更される。次いで、ステップ2202〜2206の処理が行われ、再びカーソル移動操作の有無が判定される(ステップ2207)。
【0144】すなわち、本実施の形態においては、オペレータのキーボード操作に対応して、カーソル線C1〜C4を平行移動可能にしているため、基準時点と共に、基準時点までの短期起算時点、中期起算時点、長期起算時点に該当する日の増田足をカーソルC1〜C4により同時に指し示すことが可能とされている。
【0145】ステップ2207において、カーソル移動操作が無いときには(ステップ2207NO)、次いで、プログラムを継続するか否かの判定が行われる(ステップ2209)。継続が確認されたときには、ステップ2207に戻るが、継続が確認されないときには(ステップ2209NO)プログラムは終了する。
【0146】本実施形態における株価チャート表示システムでは、上述の種々の付加情報により、オペレータによる株価の予測を容易としている。以下に、この表示システムを使用した日足による株価動向予測の方法を説明する。
【0147】先ず最初に、基準時点(カーソル線C1)を本日に合わせる。このとき、画面上の基準時点表示バー11には、本日の日付とともに本日の始値、高値、安値、終値の4つの数値が表示される。また、このとき、カーソル線C2は基準時点を起算日として3日前に、カーソル線C3は基準時点を起算日として25日前に、カーソル線C4は基準時点を起算日として75日前にそれぞれが自動的に合わせられる。また、表示領域12a〜12cには基準時点における短期、中期、長期増田足のそれぞれからみた株価動向報知マークが表示される。
【0148】次いで、基準時点表示バー11に示された本日の始値、高値、安値、終値を参照して明日の終値(Aとする)を予測し、この終値Aと短期表示領域12aに示される短期起算時点(基準時点から数えて3日前)に該当する終値(Bとする)とを比較する。なお、3日前の終値と比較するのは、増田足短期線が、基準時点を含めた3日の移動平均値を基に形成されているためである。すなわち、増田足の中期線からみた株価動向を予測するような場合には、12bに示される25日前の終値とAとを比較する。また、増田足の長期線からみた株価動向を予測するような場合には、12cに示される75日前の終値とAとを比較する。
【0149】ここで、A>Bであれば、明日の増田足は上昇を示すピンクであると予測する。更に、表示バー12に示される株価動向予測報知マークを加味して予測の精度を向上させることも可能である。
【0150】また、上述の比較結果が、A≦Bであれば、明日の増田足は下降を示すブルーであると予測する。同様に、表示バー12に示される株価動向予測報知マークを加味して予測の精度を向上させる。
【0151】なお、上述した株価チャートシステムにおける株価動向予測は、本実施形態の株価チャート表示システムを好適に利用するための一例であり、上述した付加情報等をどのように利用するかは、言うまでもなく利用者に委ねられるものである。
【0152】なお、上記実施の形態では、株価チャートを作成する際に、日足の演算は、短期を3日、中期を25日、長期を75日とし、週足の演算は、短期を3週、中期を13週、長期を26週として終値移動平均値を求めたが、これらの同数、週数は、例えば、日足の演算を行う際に、短期を4日または5日、中期を24日または26日、長期を74日または76日として、算出してもよく、上記した日数、週数に近似していれば、その日数、週数に特に限定されるものではない。
【0153】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、この発明の株価チャートによれば、日足の場合は毎日、週足の場合は毎週の終値平均値データを基礎として作成されているため、日足チャートの場合にあっては、毎日の株価変動にあまり過敏に反応しないし、週足チャートの場合にあっては、毎週の株価変動にあまり過敏に反応しない。
【0154】また、隣接する足同士間で必ず上端か下端が繋がっていることに加えて、足の上端又は下端同士を連結する包絡線は移動平均線と等価であるため、全体として滑らかな曲線が現出され、株価の時系列的な動向を視覚的に捉えやすい。
【0155】また、個々の足の長さ並びに色は、サンプル日数分又はサンプル週数分の昇降エネルギの蓄積を反映したものとなるため、それらに基づいて株価の将来動向も比較的容易に把握できる。
【0156】さらに、相前後する移動平均値が同じであっても、当日は時間軸に平行な1本の直線でかつ前日と同色で表示されるため、足の途切れが回避されると共に株価動向の変化点を見誤ることもない。
【0157】加えて、短期、中期、長期の観点で作成された曲線が同時に表示されように構成すれば、それら短期線、中期線、長期線の相互関係(絡み)から、株価の動向予測をより的確に行うことが可能となる。
【0158】したがって、本発明の株価チャートによれば、株商いの初心者にあっても、任意の銘柄株の将来動向をある程度の確度で簡単に予測することができ、しかも株価の時系列的な変動傾向を足の配列から容易に読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】株価チャート作成システムの構成を示すブロック図である。
【図2】株価情報の一例を示す図である。
【図3】3日移動平均値の具体的な一例を示す図である。
【図4】増田足(日足短期線)の一例を示す図である。
【図5】演算記憶手段に格納された株価情報の一例を示す図である。
【図6】コンピュータプログラムの構成を示すゼネラルフローチャートである。
【図7】入力処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】演算処理の詳細を示すフローチャートである。
【図9】チャート作成処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】短期株価動向予測処理を示すフローチャートである。
【図11】フィルター処理の概略を示すフローチャートである。
【図12】短期株価動向予測処理におけるフィルター処理を示す詳細フローチャートである。
【図13】短期株価動向予測処理におけるフィルター処理を示す詳細フローチャート(その2)である。
【図14】短期株価動向予測処理におけるフィルター処理を示す詳細フローチャート(その3)である。
【図15】短期株価動向予測処理におけるフィルター処理を示す詳細フローチャート(その4)である。
【図16】中期株価動向予測処理を示すフローチャートである。
【図17】長期株価動向予測処理を示すフローチャートである。
【図18】株価動向予測報知マーク決定処理を示すフローチャートである。
【図19】増田足株価チャートの一例を示す図である。
【図20】プリント処理の詳細を示す図である。
【図21】株価チャート表示システムの一表示例を示す図である。
【図22】株価チャート表示システムの処理を示すフローチャートである。
【図23】図22に示す各種データ内容を説明するための図である。
【符号の説明】
1 株価チャート作成システム
2 入力手段
3 処理手段
4 株価記憶手段
5 演算手段
6 演算結果記憶手段
7 出力手段
8a 日足短期線
8b 日足中期線
8c 日足長期線
9,10,11,12 表示バー
9a 短期予測表示領域
9b 中期予側表示領域
9c 長期予測表示領域
12a 短期起算時点表示領域
12b 中期起算時点表示領域
12c 長期起算時点表示領域
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、株価動向の把握に好適な株価チャートに係り、特に、株商いの初心者にあっても、任意の銘柄株の将来動向をある程度の確度で簡単に予測することができ、しかも株価の時系列的な変動傾向を足の配列から容易に読み取ることができるようにした株価チャートに関する。
【0002】
【従来の技術】株価チャートの代表的なものとしては、ローソク足を使用したものが知られている。このローソク足式の株価チャートは、時間軸と株価軸とからなる直交座標上に、株価軸に沿ってそれぞれ長さが伸縮する『足』(例えば、株価軸方向へと伸縮する矩形の細帯)を、時間軸方向へと所要本数時系列的に配置してなるものである。
【0003】ローソク足式の株価チャートの場合、所謂日足(足の一本に対応する時間軸の割当幅が一日に相当する足)を採用すると、足の長さは当日の始値と終値との差の絶対値に対応するものとなり、足の上端又は下端のいずれか一方は当日の始値を、他方が終値を示すこととなる。また、当日の終値と始値との差の極性が正のとき(終値>始値)は足の色は第1の色(例えば、ピンク等)とされ、負のとき(終値<始値)には第2の色(例えばブルー等)とされる。さらに、足の上下端部からは『ひげ』と称される垂直細線が引き出され、上ひげの上端が高値又下ひげの下端が安値を示すこととなる。
【0004】この株価チャートによれば、ユーザは、足の長さ並びに色によってその日の株価の変動傾向を大凡知ることができ、また足並びにひげの上下端位置により、株価の値(始値、終値、高値、安値)を具体的に知ることがてきる。加えて、相隣接する一連の足の配列により、株価の時系列的な変動傾向も知ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このようなローソク足を採用した株価チャートにあっては、各足に含まれる情報は全て当日に関するものでしかないから、株価が毎日激しい上下変動を繰り返しつつ全体としては緩やかに上昇又は下降するような状況にあっては、足の長さ乃至色の変動が敏感すぎて、株式売買の初心者等にあっては、将来の株価動向を見誤る虞が指摘されている。
【0006】斯かる問題点は、相隣接するローソク足の配列のなす軌跡乃至包絡線の昇降傾向(上り調子、下げ調子)に着目することで一見解決されそうには見える。しかし、ローソク足を採用した株価チャートにあっては、株商いの実状に照らすと、前日の終値が当日の始値には必ずしも一致しないことから、足の上下端同士の連続性に乏しく、加えて、足の上下からひげが延びているため、相隣接するローソク足の配列のなす軌跡乃至包絡線を掴みにくいと言う欠点がある。
【0007】なお、株価動向の把握に好適な株価チャートとしては、株価移動平均線が従来より知られている。しかし、この株価移動平均線にあっては、そもそも足という概念が存在しないため、将来の株価動向予測にはなおも不便である。この移動平均線は、通常、ローソク足の欠点を補うために使用される。
【0008】この発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、株商いの初心者にあっても、任意の銘柄株の将来動向をある程度の確度で簡単に予測することができ、しかも株価の時系列的な変動傾向を足の配列から容易に読み取ることができるようにした株価チャートを提供することにある。
【0009】また、この発明の他の目的とするところは、そのような株価チャートをディスプレイ装置の画面上に表示させることができるコンピュータプログラムを提供することにある。
【0010】さらに、この発明の他の目的並びに作用効果については、以下の明細書の記載により、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の株価チャートは、時間軸と株価軸とからなる直交座標上に、株価軸に沿ってそれぞれ長さが伸縮する足を、時間軸方向へと所要本数時系列的に配置することにより株価の動向を表すようにした株価チャートである。
【0012】ここで、足の一本に対応する時間軸の割当幅が一日とされる。また、足の上端位置又は下端位置のいずれか一方が当日までの規定日数分の終値移動平均値とされ、かつ他方が前日までの規定日数分の終値移動平均値とされる。さらに、足の色が、当日までの規定日数分の終値移動平均値と前日までの規定日数分の終値移動平均値との差の極性が正のときには第1の色とされ、負の時には第2の色とされる。
【0013】好ましい実施の形態では、当日までの規定日数分の終値移動平均値と前日までの規定日数分の終値移動平均値との差がゼロのときには、足は時間軸に平行な1本の直線として表現されかつその色は前日の足と同じ色とされる。
【0014】好ましい実施の形態では、終値移動平均値算出に係る規定日数が、短期、中期、長期の3種類用意され、それら3種類の規定日数のそれぞれによる終値移動平均値を用いて作成された3種類の足が共通の直交座標上に同時に表示される。
【0015】別の一面から見たこの発明の株価チャートは、時間軸と株価軸とからなる直交座標上に、株価軸に沿ってそれぞれ長さが伸縮する足を、時間軸方向へと所要本数時系列的に配置することにより株価の動向を表すようにした株価チャートである。
【0016】ここで、足の一本に対応する時間軸の割当幅が1週とされる。また、足の上端位置又は下端位置のいずれか一方が当週までの規定週数分の週基準日終値移動平均値とされ、かつ他方が前週までの規定週数分の週基準日終値移動平均値とされる。さらに、足の色が、当週までの規定週数分の終値移動平均値と前週までの規定週数分の終値移動平均値との差の極性が正のときには第1の色とされ、負の時には第2の色とされる。
【0017】好ましい実施の形態では、当週までの規定週数分の週基準日終値移動平均値と前週までの規定週数分の週基準日終値移動平均値との差がゼロのときには、足は時間軸に平行な1本の直線として表現されかつその色は前週の足と同じ色とされる。
【0018】好ましい実施の形態では、週基準日終値移動平均値算出に係る規定週数が、短期、中期、長期の3種類用意され、それら3種類の規定週数のそれぞれによる週基準日終値移動平均値を用いて作成された3種類の足が共通の直交座標上に同時に表示される。
【0019】この発明のソフトウェアは、コンピュータを使用してディスプレイ装置の画面上に株価チャートを映し出すために、以下の処理ステップa)〜d)を含むものである。
【0020】a)指定された銘柄に関して、毎日の終値データを順に記憶させて終値データ列を生成するステップ
【0021】b)前記ステップにて生成された終値データ列に対して、規定のデータ個数を前提として移動平均化演算を施すことにより終値移動平均値データ列を生成するステップ
【0022】c)前記ステップにて生成された終値移動平均値データ列から抽出された相前後する一対の終値移動平均値データにより毎日の日足の上下端位置を決定すると共に、それら一対の終値移動平均値データの差極性により毎日の日足の色を二者択一的に決定するステップ
【0023】d)前記ステップにて決定された上下端位置並びに色を有する毎日の日足を、時間軸と株価軸とからなる直交座標に重ねて表示出力するステップ
【0024】好ましい実施の形態にあっては、ステップc)において、一対の終値移動平均値データの差がゼロのときには、足は時間軸に平行な1本の直線とされかつその色は前日の足と同じ色として決定される。
【0025】好ましい実施の形態にあっては、ステップb)において、規定のデータ個数が短期、中期、長期に対応して三種類用意され、ディスプレイ装置の画面上には、短期、中期、長期の三本の曲線が同時に表示される。
【0026】別の一面から見たこの発明のソフトウェアは、コンピュータを使用してディスプレイ装置の画面上に株価チャートを映し出すために、以下の処理ステップa)〜d)を含むものである。
【0027】a)指定された銘柄に関して、毎週の週基準日終値データを順に記憶させて終値データ列を生成するステップ
【0028】b)前記ステップにて生成された週基準日終値データ列に対して、規定のデータ個数を前提として移動平均化演算を施すことにより週基準日終値移動平均値データ列を生成するステップ
【0029】c)前記ステップにて生成された週基準日終値移動平均値データ列から抽出された相前後する一対の週基準日終値移動平均値データにより毎週の週足の上下端位置を決定すると共に、それら一対の終値移動平均値データの差極性により毎週の週足の色を二者択一的に決定するステップ
【0030】d)前記ステップにて決定された上下端位置並びに色を有する毎週の週足を、時間軸と株価軸とからなる直交座標に重ねて表示出力するステップ
【0031】好ましい実施の形態にあっては、ステップc)において、一対の週基準日終値移動平均値データの差がゼロのときには、足は時間軸に平行な1本の直線として表現されかつその色は前週の足と同じ色として決定される。
【0032】好ましい実施の形態にあっては、ステップb)において、規定のデータ個数が短期、中期、長期に対応して三種類用意され、ディスプレイ装置の画面上には、短期、中期、長期の三本の曲線が同時に表示される。
【0033】なお、本発明の株価には相場も含まれる。『相場』とは、株、債権、商品、デリバティブ、オプション、ワラント等の値段を指し、以下の明細書中においても同じ意味合いで用いられるものとする。
【0034】本発明の株価チャートは、日足の場合は毎日、週足の場合は毎週の終値平均値データを基礎として作成されているため、日足チャートの場合にあっては、毎日の株価変動に過敏にあまり反応しないし、週足チャートの場合にあっては、毎週の株価変動にあまり過敏に反応しない。
【0035】また、隣接する足同士間で必ず上端か下端が繋がっていることに加えて、足の上端又は下端同士を連結する包絡線は移動平均線と等価であるため、全体として滑らかな曲線が現出され、株価の時系列的な動向を視覚的に捉えやすい。
【0036】また、個々の足の長さ並びに色は、サンプル日数分又はサンプル週数分の昇降エネルギの蓄積を反映したものとなるため、それらに基づいて株価の将来動向も比較的容易に把握できる。
【0037】さらに、相前後する移動平均値が同じであっても、当日は時間軸に平行な1本の直線でかつ前日と同色で表示されるため、足の途切れが回避されると共に株価動向の変化点を見誤ることもない。
【0038】加えて、短期、中期、長期の観点で作成された曲線が同時に表示されように構成すれば、それら短期線、中期線、長期線の相互関係(絡み)から、株価の動向予測をより的確に行うことが可能となる。
【0039】したがって、本発明の株価チャートによれば、株商いの初心者にあっても、任意の銘柄株の将来動向をある程度の確度で簡単に予測することができ、しかも株価の時系列的な変動傾向を足の配列から容易に読み取ることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の好適な実施の一形態を添付図面にしたがって詳細に説明する。
【0041】本発明の実施の一形態である株価チャート作成システムの機能的な構成図が図1のブロック図に概念的に示されている。同図に示されるように、この株価チャート作成システム1は、入力手段2と、処理手段3と、入力された株価を記憶する株価記憶手段4と、演算手段5と、演算結果を記憶する演算結果記憶手段6と、演算結果記憶手段6に記憶された株価を出力する出力手段7とを含んでいる。
【0042】株価チャート作成システム1は、具体的には、パーソナルコンピュータやワークステーション等で構成される。本実施の形態では、パーソナルコンピュータを使用することにより、処理手段3、株価記憶手段4、演算手段5、演算結果記憶手段6が実現されている。
【0043】入力手段2にはキーボード2aが含まれている。このキーボード2aは、会社情報の登録や会社の株価の随時入力等に使用されるほか、後述する出力手段7としてのディスプレイ装置7aに、所望の銘柄のチャートを表示する際に、その銘柄の名称(または、便宜上銘柄コード)を入力するためにも使用される。
【0044】証券取引所で取り扱っている株の銘柄数は、店頭銘柄も含めると、3000銘柄にも及ぶ。これらの株価情報を終値が発表される午後3時以降に、すべてキーボード2aから手入力することは、多大なる時間と労力を必要とする上、入力ミスも避けがたい。そのため、この例では、オンライン受信手段2bが設けられている。
【0045】受信手段2bは、証券取引所から提供される株価情報をオンライン(実際には、証券取引所と契約した株価提供会社より送信されるが、本実施の形態では、株価情報は、証券取引所から送信されるものとして説明する。)で取り込むためのものであり、取り込まれた株価情報は受信手段2b内のキャッシュメモリ2cに一時的に記憶される。
【0046】処理手段3は、CPU(中央処理装置)3aとプログラム記憶装置3bとを含んでいる。プログラム記憶装置3bには、当該株価チャート作成システムで使用する各種のプログラムが記憶されている。これらのプログラムの中には、本発明に係る株価チャート作成プログラムや株価動向予測プログラムが含まれている。
【0047】株価記憶手段4は、パーソナルコンピュータの内部に設けられたハードディスクで構成される。このハードディスクの記憶領域の一部は、株価記憶手段4に割り当てられている。株価記億手段4には、予め登録された銘柄のそれぞれ毎に、株価と日付とが対として記憶される。これは、後述する演算手段5が、例えば日足(短期)の演算を行う場合に、当日と、1つ前と、前々日の株価を特定するためである。
【0048】株価記憶手段4に記憶された株価情報の一例が図2に示されている。1つの銘柄に対し、日付、始値、高値、安値、終値、出来高が一日分のデータとして記憶される。本実施の形態では、日足による株価チャートの作成は、450日分の株価情報を使用して行われる。週足による株価チャートの作成は、192周分の株価情報を使用して行われる。そのため、株価記億手段4には、これらの演算を行うためにN日分(詳細には後述する)の株価情報が記憶される。
【0049】演算手段5は、プログラム記憶装置3aに記憶されている演算プログラムの手順に従って、株価記憶手段4に記憶された必要な株価データを読み出し、対応する演算処理を行う。この演算処理には、日足データ又は週足データを用いた短期、中期、長期の移動平均化演算が含まれる。
【0050】なお、ここで、『日足データ』とは、1日間の株価を代表する株価データで、例えば、午後3時に得られる毎日の終値データがこれに相当する。『週足データ』とは、1週間の株価を代表する株価データで、例えば、毎週特定曜日の終値がこれに相当する。本実施の形態では、毎週金曜日の終値を週足データとして使用するが、演算段階において、最新の終値データが金曜日以外の曜日の終値データであるときには、当該金曜日以外の終値データが週足データとして使用される。
【0051】日足チャートにおける短期線は、この例では、直近の3日(所定短期間)の終値の移動平均値(終値の3日移動平均値)で作成された増田足(詳細は後述する)を順に連結することで描かれ、株価の急伸、急落、転換を知り得るのにも好適とされる。
【0052】日足チャートにおける中期線は、この例では、直近の25日(所定中期間)の終値の平均値(終値の25日移動平均値)で作成された増田足を順に隣接配置することで描かれ、株価の中期的な転換、強弱の方向性を知り得るのにも好適とされる。
【0053】日足チャートにおる長期線は、この例では、直近の75日(所定長期間)の終値の平均値(終値の75日移動平均値)を用いて描かれ、株価の中長期の転換、強弱、方向性を知り得るのにも好適とされる。
【0054】ここで、日足チャートにおける短期線の描き方を一例として説明する。なお、中期線並びに長期線についても同様に説明される。日足短期線を構成する3日増田足を描くのに必要とされる毎日の終値、3日移動平均値並びにその計算式が10日分の表形式で図3に示されており、3日増田足を使用して実際に描かれた日足短期線の部分拡大図が図4に概略的に示されている。それらの図から明らかなように、3日増田足の作成に必要な終値3日移動平均値の値は、次式(式1)に従って求められる。
【0055】
【数1】
終値3日移動平均値=(本日の終値+前日の終値+2日前の終値)÷3 …(式1)
【0056】具体的には、図3に示されるように、3日目の時点における終値3日移動平均値は、( 800+1000+1200)÷3=10004日目の時点における終値3日移動平均値は、(1000+1200+1400)÷3=12005日目の時点における終値3日移動平均値は、(1200+1400+1600)÷3=14006日目以降も同様して求められる。
【0057】図4は、このようにして得られた3日目〜10日目の終値3日移動平均値を使用して作成された4日目〜10日目の3日増田足を順に隣接配置してなる日足短期線の一例を示すものである。同図に示されるように、毎日の『3日増田足』は、その日の終値3日移動平均値と前日の終値3日移動平均値とをそれぞれ上線若しくは下線とする対応長さの垂直バーとして描かれる。
【0058】より具体的には、4日の3日増田足は、4日の終値3日移動平均値である1200を上線、3日の終値3日移動平均値である1000を下線とする垂直バーとして描かれる。このように、前日の終値3日移動平均値よりも本日の終値3日移動平均値の方が高い場合(すなわち、3日増田足の昇降値が『上昇』の場合)を一般に『陽足』と称する。『陽足』の場合における垂直バーの色としては、例えば、ピンクが使用される。
【0059】5日の3日増田足は、5日の終値3日移動平均値である1400を上線、4日の終値3日移動平均値である1200を下線とするピンク色の垂直バーとして描かれる。
【0060】6日の3日増田足は、6日の終値3日移動平均値および5日の終値3日移動平均値の値がいずれも1400であることから、5日(1つ前)と同様のピンク色の水平な一本の線で描かれる。
【0061】7日の3日増田足は、7日の終値3日移動平均値である1300を下線、6日の終値3日移動平均値である1400を上線とする垂直バーとして描かれる。このように、前日の終値3日移動平均値よりも本日の終値3日移動平均値の方が低い場合(すなわち、3日増田足の昇降値が『下降』の場合)を一般に『陰足』と称する。『陰足』の場合における垂直バーの色としては、例えば、ブルーが使用される。
【0062】同様にして8日目、9日目、10日目の増田足も垂直バーとして描かれ、それぞれの増田足の色としてピンクもしくはブルーが使用される。
【0063】一方、週足チャートにおける短期線、中期線、長期線は、株価の中長期の動向を知り得るために用いられる。
【0064】週足チャートにおける短期線は、この例では、直近の3週(所定短期間)の終値の移動平均値(終値3週移動平均値)で作成された増田足を順に連結することで描かれ、日足より緩やかな転換を知り得るのにも好適とされる。
【0065】週足チャートにおける中期線は、この例では、直近の13週(所定中期間)の終値の平均値(終値13週移動平均値)で作成された増田足を順に隣接配置することで描かれ、中期的な売買の動向を知り得るのにも好適とされる。
【0066】週足チャートにおる長期線は、この例では、直近の26週(所定長期間)の終値の平均値(終値26週移動平均値)を用いて描かれ、株価の長期的な将来の動向を知り得るのにも好適とされる。
【0067】図1に戻り、演算手段5で行われる演算処理には、日足データ又は週足データを用いた移動平均化演算の他、後述する株価動向予測処理のための終値変化率並びに増田足変化率に掛かる演算が含まれている。
【0068】ここで、『終値変化率』並びに『増田足変化率』とは、株価動向予測処理で使用される指数であり、次式(数2),(数3)に従って求められる。
【数2】
終値変化率(r)=(基準時の終値−1つ前の終値)/1つ前の終値 …(式2)
【数3】
増田足変化率(m)
=(基準時の終値移動平均値−1つ前の終値移動平均値)
/1つ前の終値移動平均値 …(式3)
【0069】具体的な一例としては、図3に示される4日目の増田足変化率は、(1200−1000)÷1000=0.2
【0070】次に、演算結果記憶手段6は、パーソナルコンピュータの内部に設けられたハードディスクの一部を演算結果記憶部として予め確保することで構成される。この演算結果記憶手段6は、日足に基づき演算した移動平均値データと、日毎の終値変化率データと、日毎の増田足変化率データとをそれぞれ記憶する日足記憶部6aと、週足に基づき演算した移動平均値データと、週毎の終値変化率データと、週毎の増田足変化率データとをそれぞれ記憶する週足記憶部6bとを含んでいる。
【0071】日足記憶部6a並びに週足記憶部6bには、それぞれ日足並びに週足に基づき演算した、短期、中期、長期の株価移動平均値と、日毎、週毎の終値変化率データと増田足変化率データとが日付とともに記憶される。
【0072】この日付は、演算の基準となる日であり、例えば、日足における短期移動平均値を算出する場合は、3日目に該当する日(当日が、7月10日とすると、演算には、7月9日と7月8日の株価(終値)が必要であり、この場合に、終値3日移動平均値を算出した日である7月10日)が記憶される。終値変化率および増田足変化率は、日足、週足の演算基準日に対応してそれぞれ記憶される。
【0073】演算結果記憶手段6に記憶された株価情報の一例が図5に示されている。日足記憶部6aには、450日分の株価移動平均値情報と、450日分の終値変化率データ並びに増田足変化率データとが記憶される。同様にして、週足記憶部6bには、192週分の株価移動平均値情報と、192週分の終値変化率データ並びに増田足変化率データとがそれぞれ記憶される。
【0074】出力手段7は、パーソナルコンピュータに接続されたディスプレイ装置7aとプリンタ装置7bとを含んでいる。ディスプレイ装置7aは、処理手段3が有するプログラム記憶装置3aに記憶されたプログラムに従って、入力手段2から株価や株価に関する情報を入力するための入力画面を表示したり、演算結果記憶手段6に記憶された日足データや週足データ等に基づいて作成される株価チャートを表示する。また、本実施例では、株価チャートの所定箇所には、後述する株価動向予測処理により決定される株価動向報知マークが表示される。
【0075】プリンタ装置7bは、ディスプレイ装置7aに表示された株価チャートや、演算結果記憶手段6に記憶された日足データや週足データ等に基づいた株価チャートを印字する。
【0076】これらの出力手段7であるディスプレイ装置7a、プリンタ装置7bは、カラー対応であり、例えば、日足の3日増田足の場合は、前日(1つ前)より当日(基準日)の株価終値の3日移動平均値が高い『陽足』(昇降値は『上昇』)のとき、その3日増田足はピンク色で表される。同様に、前日より当日の株価終値の3日移動平均値が低い『陰足』(昇降値は『下降』)のとき、その3日増田足はブルー色で表される。これにより、一見して株価の陰陽が判明可能となる。
【0077】次に、以上説明した株価チャート作成システムをパーソナルコンピュータにて実現するためのコンピュータプログラムの構成全体を図6のゼネラルフローチャートに示す。
【0078】同図に示されるように、このコンピュータプログラムは、入力処理(ステップ601)と、当日入力あり(ステップ602)を条件として実行される演算処理(ステップ603)と、チャート作成処理(ステップ604)と、株価動向予測処理(ステップ605)と、プリント指示あり(ステップ606)を条件として実行されるプリント処理(ステップ607)とを含んでいる。
【0079】入力処理の詳細が図7のフローチャートに示されている。同図に示されるように、この入力処理は、要するに、当日株価の受信並びにキャッシュメモリ2cへの書き込み処理を定期的に実行する一方(ステップ701,702)、キャッシュメモリ2cに書き込まれたデータの中から、予め特定された銘柄に関するデータを読み出して、株価記憶手段4の該当銘柄の株価データに追加する処理(ステップ703〜711)を繰り返すものである。
【0080】演算処理の詳細が図8のフローチャートに示されている。同図に示されるように、本実施例における演算処理は、移動平均値演算処理と変化率演算処理とを含んでいる。
【0081】移動平均値演算処理は、要するに、株価記憶手段4から各銘柄の株価データを読み出すと共に(ステップ801,817)、これに基づいて3日増田足、25日増田足、75日増田足の作成に必要な終値3日移動平均値、終値25日移動平均値、終値75日移動平均値をそれぞれ算出して(ステップ802)、日足記憶部6aの該当する銘柄データに追加する処理(ステップ806)と、同様にして3週増田足、13週増田足、26週増田足の作成に必要な終値3週移動平均値、終値13週移動平均値、終値26週移動平均値をそれぞれ算出して(ステップ809)、週足記憶部6bの該当する銘柄データに追加する処理(ステップ813)とを含んでいる。
【0082】変化率演算処理は、先に述べたように、株価記憶手段4から各銘柄の株価データを読み出すと共に(ステップ801,817)、プログラム記憶手段3aに記憶されている株価動向予測プログラムの手順に従って、日毎の終値変化率並びに増田足変化率を算出して(ステップ803)、日足記憶部6aの該当する銘柄データに追加する処理(ステップ806)と、同様にして、週毎の終値変化率並びに増田足変化率をそれぞれ算出して(ステップ810)、週足記憶部6bの該当する銘柄データに追加する処理(ステップ813)とを含んでいる。
【0083】チャート作成処理の詳細が図9のフローチャートに示されている。同図に示されるように、このチャート作成処理は、要するに、キーボード2a等を介してオペレータから与えられた指示(銘柄、区分)等に従って(ステップ901,902,903)、日足記憶部6a又は週足記憶部6bから該当日数乃至週数の移動平均値データを読み出すと共に(ステップ904,906)、それら読み出されたデータに基づいて、先に説明した増田足作成ルールに従って、該当色の増田足を作成し、これを連結することで、日足乃至週足の短期線、中期線、長期線を描く(ステップ911,912,913)ものである。
【0084】株価動向予測処理の詳細が図10〜図18に示されている。それらの図から明らかなように、図6にステップ605で示される株価動向予測処理は、株価動向予測そのものを行う処理(図10〜図17参照)と、予測結果に対応するチャート上の報知マークを決定する処理(図18参照)とから構成されている。
【0085】株価動向の予測は、株価チャート(日足、週足の双方を含む)の短期線、中期線、長期線のそれぞれについて、下記の株価動向予測方法(1)〜(3)を使用して自動的に行われる。
(1)短期線における株価動向の予測は、基準時の増田足変化率、基準時の終値変化率、基準時直近の1若しくは2以上の本数の増田足の昇降値並びに上下値の少なくとも1つが所定の条件を満足するとき、基準時以降の株価が増田足の短期線から見て特定の動向を示すものと判定する。
(2)中期線における株価動向の予測は、基準時の増田足変化率、および/または、基準時の増田足の昇降値が所定の条件を満足するとき、基準時以降の株価が増田足の中期線から見て特定の動向を示すものと判定する。
(3)長期線における株価動向の予測は、基準時の増田足の昇降値が所定の条件を満足するとき、基準時以降の株価が増田足の長期線から見て特定の動向を示すものと判定する。
【0086】株価チャートにおける増田足の短期線から見た株価の将来動向を予測する方法の具体的な実施の一形態を図10〜15のフローチャートに従って詳細に説明する。尚、理解を容易とするため以下の実施の形態では、増田足に日足を採用しかつ基準日を本日として説明する。また、それらの図において、mは増田足変化率、rは終値変化率、Hは増田足の上値、Lは増田足の下値をそれぞれ示している。また、それらの図において、「2つ前」は前々日を、「3つ前」は本日より数えて3日前に該当する日をそれぞれ示す。
【0087】但し、m:増田足変化率=(終値短期移動平均値による基準時の増田足の長さ/1つ前の終値短期移動平均値)
r:終値変化率=((基準時の終値−1つ前の終値)/1つ前の終値)
以下の記述において同様とする。
【0088】図10に示されるように、短期線における株価動向予測処理が開始されると、先ず、株価記憶手段6から読み込まれた銘柄データの増田足変化率mと定数C1との比較演算処理『|m|<C1』が行われる(ステップ1001)。この例では、定数C1=0.015とされる。尚、定数C1については以下同様とする。ここで、『|m|<C1』が真であるときには(ステップ1001YES)、動向予測は“ホールド”と判定される(ステップ1005)。
【0089】ステップ1001において、『|m|<C1』が偽であるときには(ステップ1001NO)、続くステップ1002において、増田足変化率mと定数C1並びに終値変化率rと定数C2との比較演算処理『m≧C1かつr<−C2』が行われる。この例では、定数C2=0.015とされる。定数C2については以下同様とする。ここで、『m≧C1かつr<−C2』が真であるときには(ステップ1002YES)、動向予測は“ホールド”と判定される(ステップ1005)。
【0090】ステップ1002において、『m≧C1かつr<−C2』が偽であるときには(ステップ1002NO)、続くステップ1003において、増田足変化率mと定数C1並びに終値変化率と定数C2との比較演算処理『m<−C1かつr>C2』が行われる。ここで、『m<−C1かつr>C2』が真であるときには(ステップ1003YES)、動向予測は“ホールド”と判定される(ステップ1005)。
【0091】ステップ1003において、『m<−C1かつr>C2』が偽であるときには、後に詳細に説明するフィルター処理(ステップ1004)が行われる。
【0092】フィルター処理(ステップ1004)の概略が図11のフローチャートに示されている。
【0093】同図に示されるように、フィルター処理においては、先ず、読み込まれたデータの本日の増田足の昇降値(以下、単に『本日の昇降値』という。)に基づいて本日の昇降値が上昇であるデータ(ステップ1101YES)と、本日の昇降値が下降であるデータ(ステップ1101NO)との2つに大別される。
【0094】ここで、『昇降値』とは、日足記憶部6aに記憶された該当日の移動平均値と1つ前の移動平均値とを比較することで算出される。該当日の移動平均値が1つ前の移動平均値より大きいときは上昇、小さいときは下降と判別される。尚、該当日の移動平均値と1つ前の移動平均値とが等しい場合には、本実施の形態においては、1つ前の増田足の昇降値が該当日の昇降値として採用される。『昇降値』は、以下の実施の形態において同様にして算出される。
【0095】本日の昇降値が上昇であるデータの内、前日の昇降値が下降であるデータは、ステップ1102において、後述する各種ステップに基づいたフィルター処理が行われる。一方、本日の昇降値が上昇でありかつ前日の昇降値が上昇であるデータは、続くステップ1103において、後述する各種ステップに基づいたフィルター処理が行われる。
【0096】本日の昇降値が下降であるデータの内、前日の昇降値が上昇であるデータは、ステップ1104において、後述する各種ステップに基づいたフィルター処理が行われる。一方、本日の昇降値が下降でありかつ前日の昇降値が下降であるデータは、続くステップ1105において、後述する各種ステップに基づいたフィルター処理が行われる。
【0097】本日の昇降値が上昇でありかつ前日の昇降値が下降であるデータに対するフィルター処理(図11R>1,ステップ1102)の詳細が図12のフローチャートに示されている。
【0098】処理が開始されると、先ず、本日の増田足の上値と前日の増田足の上値との比較演算処理『本日の増田足の上値≦前日の増田足の上値』が行われる(ステップ1201)。
【0099】ここで、増田足の『上値』は、該当する増田足の昇降値が上昇である場合には、日足記憶部6aに記憶された該当日の移動平均値が読み出され、また昇降値が下降である場合には該当日前日の移動平均値が読み出される。『上値』は、以下の実施の形態において同様にして日足記憶部6aから読み出される。
【0100】ステップ1201において、『本日の増田足の上値≦前日の増田足の上値』が真であるときには(ステップ1201YES)、動向予測は“ホールド”と判定される(ステップ1202)。
【0101】『本日の増田足の上値≦前日の増田足の上値』が偽であるときには(ステップ1201NO)、続くステップ1203において、本日の増田足の上値と前々日(2つ前)の増田足の上値との比較演算処理『本日の増田足の上値≧2つ前の増田足の上値』が行われる。ここで、『本日の増田足の上値≧2つ前の増田足の上値』が真であるときには(ステップ1203YES)、続くステップ1204において、終値変化率rと定数C5並びに増田足変化率mと定数C6との比較演算処理『r>C5かつm>C6』が行われる。この例では、定数C5=0.025,定数C6=0.025とされる。定数C5,C6については以下同様とする。ここで、『r>C5かつm>C6』が真であるときには(ステップ1204YES)、動向予測は“強い上げ”と判定され(ステップ1206)、『r>C5かつm>C6』が偽であるときには(ステップ1204NO)、“上げ”と判定される(ステップ1205)。
【0102】ステップ1203において、『本日の増田足の上値≧2つ前の増田足の上値』が偽であるときには(ステップ1203NO)、続くステップ1207において、本日の増田足の上値と前々日(2つ前)の増田足の上値との比較演算処理『本日の増田足の上値<2つ前の増田足の上値』が行われる。ここで、『本日の増田足の上値<2つ前の増田足の上値』が真であるときには(ステップ1207YES)、続くステップ1208において、終値変化率rと定数C5並びに増田足変化率mと定数C6との比較演算処理『r<C5かつm<C6』が行われる。ここで、『r<C5かつm<C6』が真であるときには(ステップ1208YES)、動向予測は“ホールド”と判定され(ステップ1210)、『r<C5かつm<C6』が偽であるときには(ステップ1208NO)、“上げ”と判定される(ステップ1209)。
【0103】ステップ1207において、『本日の増田足の上値<2つ前の増田足の上値』が偽であるときには(ステップ1207NO)、図11のステップ1103に示されるフィルター処理へと進む。
【0104】本日の昇降値が上昇でありかつ前日の昇降値が上昇であるデータに対するフィルター処理(図11R>1,ステップ1103)の詳細が図13のフローチャートに示されている。
【0105】処理が開始されると、先ず、本日の増田足の上値と前々日(2つ前)の増田足の上値との比較演算処理『本日の増田足の上値≦2つ前の増田足の上値』が行われる(ステップ1301)。ここで、『本日の増田足の上値≦2つ前の増田足の上値』が真であるときには(ステップ1301YES)、動向予測は“ホールド”と判定される(ステップ1302)。
【0106】『本日の増田足の上値≦2つ前の増田足の上値』が偽であるときには(ステップ1301NO)、続くステップ1303において、本日の増田足の上値と本日より3日前(3つ前)の増田足の上値との比較演算処理『本日の増田足の上値>3つ前の増田足の上値』が行われる。ここで、『本日の増田足の上値>3つ前の増田足の上値』が真であるときには(ステップ1303YES)、続くステップ1304において、終値変化率rと定数C5並びに増田足変化率mと定数C6との比較演算処理『r>C5かつm>C6』が行われる。ここで、『r>C5かつm>C6』が真であるときには(ステップ1304YES)、動向予測は“強い上げ”と判定され(ステップ1306)、『r>C5かつm>C6』が偽であるときには(ステップ1304NO)、動向予測は“上げ”と判定される(ステップ1305)。
【0107】ステップ1303において、『本日の増田足の上値>3つ前の増田足の上値』が偽であるときには(ステップ1303NO,ステップ1307YES)、続くステップ1308において、終値変化率rと定数C5並びに増田足変化率mと定数C6との比較演算処理『r<C5かつm<C6』が行われる。ここで、『r<C5かつm<C6』が真であるときには(ステップ1308YES)、動向予測は“ホールド”と判定され(ステップ1310)、『r<C5かつm<C6』が偽であるときには(ステップ1308NO)、“上げ”と判定される(ステップ1309)。
【0108】次に、本日の昇降値が下降でありかつ前日の昇降値が上昇あるデータに対するフィルター処理(図1111,ステップ1104)の詳細が図14のフローチャートに示されている。
【0109】処理が開始されると、先ず、本日の増田足の下値と前日の増田足の下値との比較演算処理『本日の増田足の下値≧前日の増田足の下値』が行われる(ステップ1401)。
【0110】ここで、増田足の『下値』は、該当する増田足の昇降値が下降である場合には、日足記憶部6aに記憶された該当日の移動平均値が読み出され、また昇降値が上昇である場合には該当日前日の移動平均値が読み出される。『下値』は、以下の実施の形態において同様にして日足記憶部6aから読み出される。
【0111】ステップ1401において、『本日の増田足の下値≧前日の増田足の下値』が真であるときには(ステップ1401YES)、動向予測は“ホールド”と判定される(ステップ1402)。
【0112】『本日の増田足の下値≧前日の増田足の下値』が偽であるときには(ステップ1401NO)、続くステップ1403において、本日の増田足の下値と前々日(2つ前)の増田足の下値との比較演算処理『本日の増田足の下値≧2つ前の増田足の下値』が行われる。ここで、『本日の増田足の下値≧2つ前の増田足の下値』が真であるときには(ステップ1403YES)、続くステップ1404において、終値変化率rと定数C5並びに増田足変化率mと定数C6との比較演算処理『r>−C5かつm>−C6』が行われる。ここで、『r>−C5かつm>−C6』が真であるときには(ステップ1404YES)、動向予測は“ホールド”と判定され(ステップ1406)、『r>−C5かつm>−C6』が偽であるときには(ステップ1404NO)、“下げ”と判定される(ステップ1405)。
【0113】ステップ1403において、『本日の増田足の下値≧2つ前の増田足の下値』が偽であるときには(ステップ1403NO)、続くステップ1407において、本日の増田足の下値と2つ前の増田足の下値との比較演算処理『本日の増田足の下値<2つ前の増田足の下値』が行われる。ここで、『本日の増田足の下値<2つ前の増田足の下値』が真であるときには(ステップ1407YES)、続くステップ1408において、終値変化率rと定数C5並びに増田足変化率mと定数C6との比較演算処理『r<−C5かつm<−C6』が行われる。ここで、『r<−C5かつm<−C6』が真であるときには(ステップ1408YES)、動向予測は“強い下げ”と判定され(ステップ1410)、『r<−C5かつm<−C6』が偽であるときには(ステップ1408NO)、“下げ”と判定される(ステップ1409)。
【0114】ステップ1407において、『本日の増田足の下値<2つ前の増田足の下値』が偽であるときには(ステップ1407NO)、図11のステップ1105に示されるフィルター処理へと進む。
【0115】本日の昇降値が下降でありかつ前日の昇降値が下降であるデータに対するフィルター処理(図11R>1,ステップ1105)の詳細が図15のフローチャートに示されている。
【0116】処理が開始されると、先ず、本日の増田足の下値と前々日(2つ前)の増田足の下値との比較演算処理『本日の増田足の下値≧2つ前の増田足の下値』が行われる(ステップ1501)。ここで、『本日の増田足の下値≧2つ前の増田足の下値』が真であるときには(ステップ1501YES)、動向予測は“ホールド”と判定される(ステップ1502)。
【0117】『本日の増田足の下値≧2つ前の増田足の下値』が偽であるときには(ステップ1501NO)、続くステップ1503において、本日の増田足の下値と本日より3日前(3つ前)の増田足の下値との比較演算処理『本日の増田足の下値<3つ前の増田足の下値』が行われる。ここで、『本日の増田足の下値<3つ前の増田足の下値』が真であるときには(ステップ1503YES)、続くステップ1504において、終値変化率rと定数C5並びに増田足変化率mと定数C6との比較演算処理『r<−C5かつm<−C6』が行われる。ここで、『r<−C5かつm<−C6』が真であるときには(ステップ1504YES)、動向予測は“強い下げ”と判定され(ステップ1506)、『r<−C5かつm<−C6』が偽であるときには(ステップ1504NO)、“下げ”と判定される(ステップ1505)。
【0118】ステップ1503において、『本日の増田足の下値<3つ前の増田足の下値』が偽であるときには(ステップ1503NO,ステップ1507YES)、続くステップ1508において、終値変化率rと定数C5並びに増田足変化率mと定数C6との比較演算処理『r>−C5かつm>−C6』が行われる。ここで、『r>−C5かつm>−C6』が真であるときには(ステップ1508YES)、動向予測は“ホールド”と判定され(ステップ1510)、『r>−C5かつm>−C6』が偽であるときには(ステップ1508NO)、“下げ”と判定される(ステップ1509)。
【0119】株価チャートにおける増田足の中期線から見た株価の将来動向を予測する方法の具体的な実施の一形態を図16のフローチャートに従って詳細に説明する。同図において、処理が開始されると、先ず、読み込まれたデータの増田足変化率mと定数C3との比較演算処理『|m|≦C3』が行われる(ステップ1601)。この例では、定数C3=0.0029とされる。ここで、『|m| ≦C3』が真であるときには(ステップ1601YES)、動向予測は“ホールド”と判定される(ステップ1602)。
【0120】ステップ1601において、『|m|≦C3』が偽であるときには(ステップ1601NO)、続くステップ1603において、本日の増田足の昇降値が上昇であるか否かの判定が行われる。
【0121】本日の昇降値が下降であるときには(ステップ1603NO)、続くステップ1604において、増田足変化率mと定数C4との比較演算処理『|m|≧C4』が行われる。この例では、定数C4=0.025とされる。定数C4については以下同様とする。ここで、『|m|≧C4』が真であるときには(ステップ1604YES)、動向予測は“強い下げ”と判定され(ステップ1606)、『|m|≧C4』が偽であるときには(ステップ1604NO)、“下げ”と判定される(ステップ1606)。
【0122】ステップ1603において、本日の昇降値が上昇であるときには(ステップ1603YES)、続くステップ1607において、増田足変化率mと定数C4との比較演算処理『m≧C4』が行われる。ここで、『m≧C4』が真であるときには(ステップ1607YES)、動向予測は“強い上げ”とされ(ステップ1609)、『m≧C4』が偽であるときには(ステップ1607NO)、“上げ”と判定される(ステップ1608)。
【0123】株価チャートにおける増田足の長期線から見た株価の将来動向を予測する方法の具体的な実施の一形態を図17のフローチャートに従って詳細に説明する。同図において、処理が開始されると、ステップ1701において、本日の増田足の昇降値が上昇であるか否かの判定が行われる。
【0124】本日の昇降値が下降であるときには(ステップ1701NO)、動向予測は“下げ”と判定され(ステップ1702)、本日の昇降値が上昇であるときには(ステップ1701YES)、“上げ”と判定される(ステップ1703)。
【0125】株価動向予測結果に基づいて、株価動向報知マークを決定する方法の具体的な実施の一形態を図18R>8のフローチャートに従って詳細に説明する。同図において、処理が開始されると、先ず、演算結果記憶部6から、指定された銘柄のデータが読み込まれ(ステップ1801)、次いで、読み込まれたデータを基に、上述の種々の形態のステップを経て株価動向予測処理を行う(ステップ1802)。
【0126】ここで、動向予測が“強い上げ”と判定されると(ステップ1803)、後述するディスプレイ上の所定箇所に(プリントアウト時には紙面上の所定箇所)に、強い上げを示すマークが表示される(ステップ1804)。この例では、頂点が上向きの二等辺三角形が2つ横並びで表示され、ピンクの色が付される。
【0127】動向予測が“上げ”と判定されると(ステップ1805)、“上げ”を示すマークとして、この例では、頂点が上向きの二等辺三角形が1つ表示され、ピンクの色が付される(ステップ1806)。
【0128】動向予測が“強い下げ”と判定されると(ステップ1811)、“強い下げ”を示すマークとして、この例では、頂点が下向きの二等辺三角形が2つ横並びで表示され、ブルーの色が付される(ステップ1812)。
【0129】動向予測が“下げ”と判定されると(ステップ1809)、“下げ”を示すマークが表示され、この例では、頂点が下向きの二等辺三角形が1つ表示され、ブルーの色が付される(ステップ1810)。
【0130】動向予測が“ホールド”と判定されると(ステップ1807)、“ホールド”を示すマークとして、上下方向に二等辺三角形が2つ表示される(ステップ1808)。このとき、上に位置する二等辺三角形は頂点が上向きであり、ピンクの色が付される。下に位置する二等辺三角形は頂点が下向きであり、ブルーの色が付される。
【0131】このようにして、出力手段7を構成するディスプレイ装置7aに表示される増田足株価チャートの一例が図19に示されている。この例では、短期線、中期線、長期線が1つの株価チャートに含まれており、特定銘柄の株価動向を見ることができる。なお、図において、8aは3日足を連結して描かれた日足短期線、8bは25日足を連結して描かれた日足中期線、8cは75日足を連結して描かれた日足長期線である。また、画面上部の水平一列に延びる表示バー9は、右から順に、短期表示領域9a、中期表示領域9b、長期表示領域9cの3つの領域に分割されている。各領域には、それぞれ増田足短期線から見た株価動向予測、増田足中期線から見た株価動向予測、増田足長期線からみた株価動向予測、のそれぞれの結果に相当する報知マークM1〜M3が付されている。また、表示バー9の上に位置する表示バー10には、該当株の銘柄名と共に、本日の終値、安値、高値、始値の各種株価情報が表示される。従って、この新規な株価動向報知マーク付きの増田足チャートによれば、株取引に不慣れな初心者であっても、株の売り時や買い時を容易かつ的確に知ることができる。
【0132】プリント処理の詳細が図20のフローチャートに詳細に示されている。同図に示されるように、このプリント処理は、要するに、キーボード2a等を介してオペレータから与えられた指示(銘柄、区分)等に従って(ステップ2001,2002,2003)、日足記憶部6a又は週足記憶部6bから該当日数乃至週数の移動平均値データを読み出すと共に(ステップ2004,2006)、それら読み出されたデータに基づいて、先に説明した増田足作成ルールに従って、該当色の増田足を作成し、これを連結することで、日足乃至週足の短期線、中期線、長期線をプリントバッファ上で描き(ステップ2011,2012,2013)、これを最後にプリンタからプリント出力させるものである(ステップ2019)。なお、この演算処理の内容についても、既に、特開平11−66154号公報にて詳細に開示されているから、ここでの重複説明は回避する。
【0133】次に、本発明の株価チャート表示システムについて説明する。これまでの説明では、画面上に株価チャートを表示させるとともに、該当株情報や、短期予測、中期予測、長期予測の結果に相当する報知マークを表示させたが、これとは別に様々な付加情報を表示させることもできる。
【0134】その具体的な表示の一態様が図21に示されている。尚、この例では、増田足には日足を採用している。同図に示されるように、本実施形態における株価チャート表示システムでは、オペレータ自身による株価の予測に便利なように、平行移動可能な4本のカーソル線C1〜C4がチャート上に表示される。この例では、カーソル線C1は基準時点を示しており、表示位置P1上に表示されている。また、基準時点表示バー11には日付と共に、基準時点における各種株価データ(該当株の銘柄名、始値、高値、安値、終値)が表示される。
【0135】また、カーソル線C2は短期起算時点を、カーソル線C3は中期起算時点を、カーソル線C4は長期起算時点をそれぞれ示しており、それぞれ表示位置P2〜P4上に表示される。表示バー11の下に位置する表示バー12は、右から順に、短期起算時点表示領域12a、中期起算時点表示領域12b、長期起算時点表示領域12cの3つの領域に分割されている。各領域のそれぞれには、各起算時点における日付、終値とともに、基準時点における株価動向予測報知マークM1〜M3が表示される。尚、M1は基準時点における増田足の短期線からみた動向予測報知マーク、M2は基準時点における増田足の中期線から見た動向予測報知マーク、M3は基準時点における増田足の長期線から見た動向予測報知マークをそれぞれ示している。
【0136】図22にはこのような表示システム実現のための処理のフローチャートが示されている。
【0137】同図において、処理が開始されると、先ず図21に示される4本のカーソル線C1〜C4の表示位置の初期化が行われる(ステップ2201)。次いで、表示位置P1〜P4に4本のカーソル線C1〜C4が表示される(ステップ2202)。
【0138】ここで、表示位置P1〜P4は、チャート画面上に4本のカーソル線C1〜C4を表示する際、それらカーソル線C1〜C4のそれぞれが、チャート画面上の増田足に重なるように定められる。また、この例では、基準時点を含めて、3日前(例えば基準時点の日付が4月10日なら、4月8日がこれに該当する)を短期起算時点に、同様にして25日前を中期起算時点に、75日前を長期起算時点にそれぞれ固定している。そのため、カーソル線C1〜C4の移動は、それら4本のカーソル線C1〜C4が一定の間隔を保ったままでの平行移動とされる。
【0139】続くステップ2203では、カーソル線C1〜C4で示される該当日の各種データ群D11〜D14,D2,D3,D4が読み込まれる。この例では、図2323に示されるように、データ群D11〜D14は、該当銘柄の基準時点の始値、高値、安値、終値を示しており、また、データD2,D3,D4は、該当銘柄の各起算時点における終値データをそれぞれ示しており、これらのデータは、株価記憶手段4から読み出される。
【0140】ステップ2203において読み込まれたデータD11〜D14,D2,D3,D4は、表示画面上の該当表示領域11,12a〜12cにそれぞれ数値で表示される(ステップ2204)。
【0141】更に、この例では、先述した株価動向予測処理を実行することにより、基準時点における、増田足の短期線からみた動向予測報知マークM1を短期起算時点表示領域12aに、増田足の中期線からみた動向報知マークM2を中期起算時点表示領域12bに、増田足の長期線から見た動向報知マークM3を長期起算時点表示領域12cにそれぞれ表示する。
【0142】次いで、3日増田足による短期線、25日増田足による中期線、75日増田足を連結してなる短期・中期・長期線のそれぞれをチャート上に表示する(ステップ2206)。
【0143】続くステップ2207では、カーソル移動操作の有無が判定される。このカーソル移動操作は、例えばオペレータのキーボード操作等により行われる。ここで、カーソル移動操作が確認されると(ステップ2207YES)、4本のカーソルC1〜C4の表示位置P1〜P4が操作に応じて変更される。次いで、ステップ2202〜2206の処理が行われ、再びカーソル移動操作の有無が判定される(ステップ2207)。
【0144】すなわち、本実施の形態においては、オペレータのキーボード操作に対応して、カーソル線C1〜C4を平行移動可能にしているため、基準時点と共に、基準時点までの短期起算時点、中期起算時点、長期起算時点に該当する日の増田足をカーソルC1〜C4により同時に指し示すことが可能とされている。
【0145】ステップ2207において、カーソル移動操作が無いときには(ステップ2207NO)、次いで、プログラムを継続するか否かの判定が行われる(ステップ2209)。継続が確認されたときには、ステップ2207に戻るが、継続が確認されないときには(ステップ2209NO)プログラムは終了する。
【0146】本実施形態における株価チャート表示システムでは、上述の種々の付加情報により、オペレータによる株価の予測を容易としている。以下に、この表示システムを使用した日足による株価動向予測の方法を説明する。
【0147】先ず最初に、基準時点(カーソル線C1)を本日に合わせる。このとき、画面上の基準時点表示バー11には、本日の日付とともに本日の始値、高値、安値、終値の4つの数値が表示される。また、このとき、カーソル線C2は基準時点を起算日として3日前に、カーソル線C3は基準時点を起算日として25日前に、カーソル線C4は基準時点を起算日として75日前にそれぞれが自動的に合わせられる。また、表示領域12a〜12cには基準時点における短期、中期、長期増田足のそれぞれからみた株価動向報知マークが表示される。
【0148】次いで、基準時点表示バー11に示された本日の始値、高値、安値、終値を参照して明日の終値(Aとする)を予測し、この終値Aと短期表示領域12aに示される短期起算時点(基準時点から数えて3日前)に該当する終値(Bとする)とを比較する。なお、3日前の終値と比較するのは、増田足短期線が、基準時点を含めた3日の移動平均値を基に形成されているためである。すなわち、増田足の中期線からみた株価動向を予測するような場合には、12bに示される25日前の終値とAとを比較する。また、増田足の長期線からみた株価動向を予測するような場合には、12cに示される75日前の終値とAとを比較する。
【0149】ここで、A>Bであれば、明日の増田足は上昇を示すピンクであると予測する。更に、表示バー12に示される株価動向予測報知マークを加味して予測の精度を向上させることも可能である。
【0150】また、上述の比較結果が、A≦Bであれば、明日の増田足は下降を示すブルーであると予測する。同様に、表示バー12に示される株価動向予測報知マークを加味して予測の精度を向上させる。
【0151】なお、上述した株価チャートシステムにおける株価動向予測は、本実施形態の株価チャート表示システムを好適に利用するための一例であり、上述した付加情報等をどのように利用するかは、言うまでもなく利用者に委ねられるものである。
【0152】なお、上記実施の形態では、株価チャートを作成する際に、日足の演算は、短期を3日、中期を25日、長期を75日とし、週足の演算は、短期を3週、中期を13週、長期を26週として終値移動平均値を求めたが、これらの同数、週数は、例えば、日足の演算を行う際に、短期を4日または5日、中期を24日または26日、長期を74日または76日として、算出してもよく、上記した日数、週数に近似していれば、その日数、週数に特に限定されるものではない。
【0153】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、この発明の株価チャートによれば、日足の場合は毎日、週足の場合は毎週の終値平均値データを基礎として作成されているため、日足チャートの場合にあっては、毎日の株価変動にあまり過敏に反応しないし、週足チャートの場合にあっては、毎週の株価変動にあまり過敏に反応しない。
【0154】また、隣接する足同士間で必ず上端か下端が繋がっていることに加えて、足の上端又は下端同士を連結する包絡線は移動平均線と等価であるため、全体として滑らかな曲線が現出され、株価の時系列的な動向を視覚的に捉えやすい。
【0155】また、個々の足の長さ並びに色は、サンプル日数分又はサンプル週数分の昇降エネルギの蓄積を反映したものとなるため、それらに基づいて株価の将来動向も比較的容易に把握できる。
【0156】さらに、相前後する移動平均値が同じであっても、当日は時間軸に平行な1本の直線でかつ前日と同色で表示されるため、足の途切れが回避されると共に株価動向の変化点を見誤ることもない。
【0157】加えて、短期、中期、長期の観点で作成された曲線が同時に表示されように構成すれば、それら短期線、中期線、長期線の相互関係(絡み)から、株価の動向予測をより的確に行うことが可能となる。
【0158】したがって、本発明の株価チャートによれば、株商いの初心者にあっても、任意の銘柄株の将来動向をある程度の確度で簡単に予測することができ、しかも株価の時系列的な変動傾向を足の配列から容易に読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】株価チャート作成システムの構成を示すブロック図である。
【図2】株価情報の一例を示す図である。
【図3】3日移動平均値の具体的な一例を示す図である。
【図4】増田足(日足短期線)の一例を示す図である。
【図5】演算記憶手段に格納された株価情報の一例を示す図である。
【図6】コンピュータプログラムの構成を示すゼネラルフローチャートである。
【図7】入力処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】演算処理の詳細を示すフローチャートである。
【図9】チャート作成処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】短期株価動向予測処理を示すフローチャートである。
【図11】フィルター処理の概略を示すフローチャートである。
【図12】短期株価動向予測処理におけるフィルター処理を示す詳細フローチャートである。
【図13】短期株価動向予測処理におけるフィルター処理を示す詳細フローチャート(その2)である。
【図14】短期株価動向予測処理におけるフィルター処理を示す詳細フローチャート(その3)である。
【図15】短期株価動向予測処理におけるフィルター処理を示す詳細フローチャート(その4)である。
【図16】中期株価動向予測処理を示すフローチャートである。
【図17】長期株価動向予測処理を示すフローチャートである。
【図18】株価動向予測報知マーク決定処理を示すフローチャートである。
【図19】増田足株価チャートの一例を示す図である。
【図20】プリント処理の詳細を示す図である。
【図21】株価チャート表示システムの一表示例を示す図である。
【図22】株価チャート表示システムの処理を示すフローチャートである。
【図23】図22に示す各種データ内容を説明するための図である。
【符号の説明】
1 株価チャート作成システム
2 入力手段
3 処理手段
4 株価記憶手段
5 演算手段
6 演算結果記憶手段
7 出力手段
8a 日足短期線
8b 日足中期線
8c 日足長期線
9,10,11,12 表示バー
9a 短期予測表示領域
9b 中期予側表示領域
9c 長期予測表示領域
12a 短期起算時点表示領域
12b 中期起算時点表示領域
12c 長期起算時点表示領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】 時間軸と株価軸とからなる直交座標上に、株価軸に沿ってそれぞれ長さが伸縮する足を、時間軸方向へと所要本数時系列的に配置することにより株価の動向を表すようにした株価チャートであって、足の一本に対応する時間軸の割当幅が1日とされ、足の上端位置又は下端位置のいずれか一方が当日までの規定日数分の終値移動平均値とされ、かつ他方が前日までの規定日数分の終値移動平均値とされ、さらに足の色が、当日までの規定日数分の終値移動平均値と前日までの規定日数分の終値移動平均値との差の極性が正のときには第1の色とされ、負の時には第2の色とされる、ことを特徴とする株価チャート。
【請求項2】 当日までの規定日数分の終値移動平均値と前日までの規定日数分の終値移動平均値との差がゼロのときには、足は時間軸と平行な1本の線として表現されかつその色は前日の足と同じ色とされる、ことを特徴とする請求項1に記載の株価チャート。
【請求項3】 終値移動平均値算出に係る規定日数が、短期、中期、長期の3種類用意され、それら3種類の規定日数のそれぞれによる終値移動平均値を用いて作成された3種類の足が共通の直交座標上に同時に表示される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の株価チャート。
【請求項4】 時間軸と株価軸とからなる直交座標上に、株価軸に沿ってそれぞれ長さが伸縮する足を、時間軸方向へと所要本数時系列的に配置することにより株価の動向を表すようにした株価チャートであって、足の1本に対応する時間軸の割当幅が1週とされ、足の上端位置又は下端位置のいずれか一方が当週までの規定週数分の周基準日終値移動平均値とされ、かつ他方が前週までの規定週数分の週基準日終値移動平均値とされ、さらに足の色が、当週までの規定週数分の週基準日終値移動平均値と前週までの規定週数分の週基準日終値移動平均値との差の極性が正のときには第1の色とされ、負の時には第2の色とされる、ことを特徴とする株価チャート。
【請求項5】 当週までの規定週数分の週基準日終値移動平均値と前週までの規定週数分の週基準日終値移動平均値との差がゼロのときには、足は時間軸に平行な1本の直線として表現されかつその色は前週の足と同じ色とされる、ことを特徴とする請求項4に記載の株価チャート。
【請求項6】 週基準日終値移動平均値算出に係る規定週数が、短期、中期、長期の3種類用意され、それら3種類の規定週数のそれぞれによる週基準日終値移動平均値を用いて作成された3種類の足が共通の直交座標上に同時に表示される、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の株価チャート。
【請求項7】 コンピュータを使用してディスプレイ装置の画面上に株価チャートを映し出すために、以下の処理ステップa)〜d)を含む、ことを特徴とするソフトウェア。
a)指定された銘柄に関して、毎日の終値データを順に記憶させて終値データ列を生成するステップb)前記ステップにて生成された終値データ列に対して、規定のデータサンプル数を前提として移動平均化演算を施すことにより終値移動平均値データ列を生成するステップc)前記ステップにて生成された終値移動平均値データ列から抽出された相前後する一対の終値移動平均値データにより毎日の日足の上下端位置を決定すると共に、それら一対の終値移動平均値データの差極性により毎日の日足の色を二者択一的に決定するステップd)前記ステップにて決定された上下端位置並びに色を有する毎日の日足を、時間軸と株価軸とからなる直交座標に重ねて表示出力するステップ
【請求項8】 ステップc)において、一対の終値移動平均値データの差がゼロのときには、足は時間軸に平行な1本の直線として表現されかつその色は前日の足と同じ色として決定される、ことを特徴とする請求項7に記載のソフトウェア。
【請求項9】 ステップb)において、規定のデータ個数が短期、中期、長期に対応して三種類用意され、ディスプレイ装置の画面上には、短期、中期、長期の三本の曲線が同時に表示される、ことを特徴とする請求項7又は8に記載のソフトウェア。
【請求項10】 コンピュータを使用してディスプレイ装置の画面上に株価チャートを映し出すために、以下の処理ステップa)〜d)を含む、ことを特徴とするソフトウェア。
a)指定された銘柄に関して、毎週の週基準日終値データを順に記憶させて週基準日終値データ列を生成するステップb)前記ステップにて生成された週基準日終値データ列に対して、規定のデータサンプル数を前提として移動平均化演算を施すことにより週基準日終値移動平均値データ列を生成するステップc)前記ステップにて生成された週基準日終値移動平均値データ列から抽出された相前後する一対の週基準日終値移動平均値データにより毎週の週足の上下端位置を決定すると共に、それら一対の週基準日終値移動平均値データの差極性により毎週の週足の色を二者択一的に決定するステップd)前記ステップにて決定された上下端位置並びに色を有する毎週の週足を、時間軸と株価軸とからなる直交座標に重ねて表示出力するステップ
【請求項11】 ステップc)において、一対の週基準日終値移動平均値データの差がゼロのときには、足は時間軸に平行な1本の直線として表現されかつその色は前週の足と同じ色として決定される、ことを特徴とする請求項10に記載のソフトウェア。
【請求項12】 ステップb)において、規定のデータ個数が短期、中期、長期に対応して三種類用意され、ディスプレイ装置の画面上には、短期、中期、長期の三本の曲線が同時に表示される、ことを特徴とする請求項10又は11に記載のソフトウェア。
【請求項1】 時間軸と株価軸とからなる直交座標上に、株価軸に沿ってそれぞれ長さが伸縮する足を、時間軸方向へと所要本数時系列的に配置することにより株価の動向を表すようにした株価チャートであって、足の一本に対応する時間軸の割当幅が1日とされ、足の上端位置又は下端位置のいずれか一方が当日までの規定日数分の終値移動平均値とされ、かつ他方が前日までの規定日数分の終値移動平均値とされ、さらに足の色が、当日までの規定日数分の終値移動平均値と前日までの規定日数分の終値移動平均値との差の極性が正のときには第1の色とされ、負の時には第2の色とされる、ことを特徴とする株価チャート。
【請求項2】 当日までの規定日数分の終値移動平均値と前日までの規定日数分の終値移動平均値との差がゼロのときには、足は時間軸と平行な1本の線として表現されかつその色は前日の足と同じ色とされる、ことを特徴とする請求項1に記載の株価チャート。
【請求項3】 終値移動平均値算出に係る規定日数が、短期、中期、長期の3種類用意され、それら3種類の規定日数のそれぞれによる終値移動平均値を用いて作成された3種類の足が共通の直交座標上に同時に表示される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の株価チャート。
【請求項4】 時間軸と株価軸とからなる直交座標上に、株価軸に沿ってそれぞれ長さが伸縮する足を、時間軸方向へと所要本数時系列的に配置することにより株価の動向を表すようにした株価チャートであって、足の1本に対応する時間軸の割当幅が1週とされ、足の上端位置又は下端位置のいずれか一方が当週までの規定週数分の周基準日終値移動平均値とされ、かつ他方が前週までの規定週数分の週基準日終値移動平均値とされ、さらに足の色が、当週までの規定週数分の週基準日終値移動平均値と前週までの規定週数分の週基準日終値移動平均値との差の極性が正のときには第1の色とされ、負の時には第2の色とされる、ことを特徴とする株価チャート。
【請求項5】 当週までの規定週数分の週基準日終値移動平均値と前週までの規定週数分の週基準日終値移動平均値との差がゼロのときには、足は時間軸に平行な1本の直線として表現されかつその色は前週の足と同じ色とされる、ことを特徴とする請求項4に記載の株価チャート。
【請求項6】 週基準日終値移動平均値算出に係る規定週数が、短期、中期、長期の3種類用意され、それら3種類の規定週数のそれぞれによる週基準日終値移動平均値を用いて作成された3種類の足が共通の直交座標上に同時に表示される、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の株価チャート。
【請求項7】 コンピュータを使用してディスプレイ装置の画面上に株価チャートを映し出すために、以下の処理ステップa)〜d)を含む、ことを特徴とするソフトウェア。
a)指定された銘柄に関して、毎日の終値データを順に記憶させて終値データ列を生成するステップb)前記ステップにて生成された終値データ列に対して、規定のデータサンプル数を前提として移動平均化演算を施すことにより終値移動平均値データ列を生成するステップc)前記ステップにて生成された終値移動平均値データ列から抽出された相前後する一対の終値移動平均値データにより毎日の日足の上下端位置を決定すると共に、それら一対の終値移動平均値データの差極性により毎日の日足の色を二者択一的に決定するステップd)前記ステップにて決定された上下端位置並びに色を有する毎日の日足を、時間軸と株価軸とからなる直交座標に重ねて表示出力するステップ
【請求項8】 ステップc)において、一対の終値移動平均値データの差がゼロのときには、足は時間軸に平行な1本の直線として表現されかつその色は前日の足と同じ色として決定される、ことを特徴とする請求項7に記載のソフトウェア。
【請求項9】 ステップb)において、規定のデータ個数が短期、中期、長期に対応して三種類用意され、ディスプレイ装置の画面上には、短期、中期、長期の三本の曲線が同時に表示される、ことを特徴とする請求項7又は8に記載のソフトウェア。
【請求項10】 コンピュータを使用してディスプレイ装置の画面上に株価チャートを映し出すために、以下の処理ステップa)〜d)を含む、ことを特徴とするソフトウェア。
a)指定された銘柄に関して、毎週の週基準日終値データを順に記憶させて週基準日終値データ列を生成するステップb)前記ステップにて生成された週基準日終値データ列に対して、規定のデータサンプル数を前提として移動平均化演算を施すことにより週基準日終値移動平均値データ列を生成するステップc)前記ステップにて生成された週基準日終値移動平均値データ列から抽出された相前後する一対の週基準日終値移動平均値データにより毎週の週足の上下端位置を決定すると共に、それら一対の週基準日終値移動平均値データの差極性により毎週の週足の色を二者択一的に決定するステップd)前記ステップにて決定された上下端位置並びに色を有する毎週の週足を、時間軸と株価軸とからなる直交座標に重ねて表示出力するステップ
【請求項11】 ステップc)において、一対の週基準日終値移動平均値データの差がゼロのときには、足は時間軸に平行な1本の直線として表現されかつその色は前週の足と同じ色として決定される、ことを特徴とする請求項10に記載のソフトウェア。
【請求項12】 ステップb)において、規定のデータ個数が短期、中期、長期に対応して三種類用意され、ディスプレイ装置の画面上には、短期、中期、長期の三本の曲線が同時に表示される、ことを特徴とする請求項10又は11に記載のソフトウェア。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図16】
【図17】
【図9】
【図10】
【図11】
【図23】
【図12】
【図13】
【図18】
【図19】
【図14】
【図15】
【図21】
【図20】
【図22】
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【図23】
【図12】
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【図18】
【図19】
【図14】
【図15】
【図21】
【図20】
【図22】
【公開番号】特開2002−183451(P2002−183451A)
【公開日】平成14年6月28日(2002.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−314266(P2001−314266)
【分割の表示】特願2000−112391(P2000−112391)の分割
【出願日】平成12年4月13日(2000.4.13)
【出願人】(300027015)有限会社増田経済研究所 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成14年6月28日(2002.6.28)
【国際特許分類】
【分割の表示】特願2000−112391(P2000−112391)の分割
【出願日】平成12年4月13日(2000.4.13)
【出願人】(300027015)有限会社増田経済研究所 (9)
【Fターム(参考)】
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