説明

梱包装置

【課題】大きな落下衝撃を緩和することができ、製品の損傷を防止することができる梱包装置を提供する。
【解決手段】立法体状の製品を包装し、包装箱3内に配置される梱包装置1である。製品2の底面21に接触する底面、対向する1組の2側面22、22に接触する側板を備える緩衝部材4と、製品の他の2側面23、23に対応して配置される角筒状の側壁保護部材5、5と、製品の上面に接触する上面部材6と、を備える。側壁保護部材5は、側板に形成された側壁突出部がはめ込まれる上方穴部、案内部、下方穴部が鉛直方向に沿って配置される。包装箱3が落下し鉛直方向の衝撃が加わったとき、梱包装置1は、側壁突出部が上方穴部から案内部で緩衝されつつ下方穴部へ移動し、包装箱3の底板31に隙間をあけて停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包装置に係り、特に底面、上面、および相対する側面対を2組有する直方体状の製品を包装した状態で包装箱内に配置する梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小型プリンター、紙搬送装置などの製品のための梱包装置としてさまざまなものが提案されている。これらの梱包装置は、切欠部や突出部を形成した段ボール等の紙製材料を折り曲げ加工し、製品を覆うとともに、衝撃を吸収するための緩衝部を形成するものである。製品を梱包装置に包装した状態で、段ボール等で形成された包装箱に収納され、製品を包装している包装箱が落下して落下衝撃が加わった場合には、梱包装置の緩衝部がつぶれて、梱包された製品への衝撃を緩和し、製品の破損を防止する。
【0003】
特許文献1には、一枚のシート状材料からなり、被包装物の底面部、側面部、端面部、および上面部をそれぞれ保護する底面保護部、側面保護部、端面保護部および上面保護部を備える梱包装置が記載されている。そして、底面保護部には、被包装物が設置面から浮上した状態で保持されるようにするための脚部が設けられ、側面保護部には、緩衝用突出部が設けられ、端面保護部には、緩衝用突出部が設けられる。また、上面保護部は、一対の側面保護部の上部を複数回折り曲げることにより略筒状に形成され、被包装物の上面部と接触する。これにより、包装構造材中に被包装物が保持されるとともに、被包装物の上面部が保護される。
【0004】
また、特許文献2には、製品の一部を乗せるための線状の端部を有する板状の緩衝部材と、該緩衝部材の両側面の一部を挟み込む緩衝ガイドと、を具備した梱包装置が記載されている。上記緩衝部材は折り重ねられた段ボールで形成され、さらに上記緩衝部材は、製品に外部からの力が加えられた際、上記緩衝ガイドに沿ってつぶれる。
【0005】
また、特許文献3には、衝撃が包装箱体に加わった場合、各舌片部がその根元側が折り曲げ変形されるよりも前に、まず、自身の根元側舌片部に対して、先端側舌片部が、両者の境界部分で折り曲げ変形する包装材が記載されている。これにより、脚部として舌片部が、多段に折り曲げ変形可能になり、脚部としての舌片部から包装材の底面に伝わる衝撃を、それぞれの変形により緩和することができ、さらに衝撃に対する緩衝効果を向上させることができる。
【0006】
さらに、特許文献4には、シート材で構成され、折り曲げられることによりスリーブ形状とされ、回路基板を包装することができる包装体が記載されている。スリーブが有するスリーブ開口部2カ所のそれぞれに、折り曲げられることによりスリーブ開口部の一部をふさぐように形成された突出部と、折り曲げられた突出部の先端を挿入するための突出部用開口部を有している。そして、回路基板を包装材の内部に配置した際に、突出部が前記回路基板を保持する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のこのような梱包装置にあっては、大きな落下衝撃が加わると、緩衝材が完全につぶれてしまい、製品が包装箱内で底付きして、製品に衝撃が加わってしまうという問題がある。
【0008】
本発明は上述の点にかんがみてなされたものであり、製品の底付きを防止し、大きな落下衝撃を緩和することができ、製品の損傷を防止することができる梱包装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る梱包装置は、底面、上面、および相対する側面対を2組具備する直方体状の製品を包装した状態で包装箱内に配置され、前記製品を衝撃から保護する梱包装置であって、前記製品の底面に対応して配置される平板状の底面部、およびこの底面部から折り曲げ形成され、前記2組の側面対のうちの少なくとも1組の側面対に対応して配置される平板状の側面部を備える緩衝部材と、前記製品の他の側面対に対応して2つ配置され、底板、天板、および2枚の側板を備えた角筒状の側壁保護部材と、前記製品の上面に対応して配置される板状の上面部材と、を備え、前記緩衝部材の側面部には、前記側壁保護部材方向へ向け突出する側壁突出部が形成され、前記側壁保護部材の側板には、前記緩衝部材と側壁保護部材とを組み立てるに際して前記側壁突出部がはめ込まれる上方穴部と、前記上方穴部の下方に配置され衝撃を受けた後において前記側壁突出部を受け止める下部穴部と、前記上部穴部と前記下部穴部を鉛直方向に連結し、前記製品に鉛直方向の衝撃が加わったとき、前記緩衝部材の前記側壁突出部が前記上方穴部から前記下方穴部へ衝撃を吸収しつつ案内する案内部と、が形成されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る梱包装置によれば、製品は、落下衝撃を受けたときにおける緩衝材の底付きによる衝撃を受けることがなく、確実に保護される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態1に係る梱包装置の全体を示す斜視図である。
【図2】同梱包装置の緩衝部材を示す斜視図である。
【図3】同梱包装置の側壁保護部材を示す斜視図である。
【図4】同梱包装置の各穴部と案内部とを拡大して示す正面図である。
【図5】同梱包装置の上面部材を示す斜視図である。
【図6】同梱包装置に製品が包装された状態を示す斜視図である。
【図7】同梱包装置に製品が包装され、本梱包装置が落下衝撃を受けた際の状態を示す斜視図である。
【図8】同梱包装置の落下前と落下後の状態を示す側面図である。
【図9】実施形態2に係る梱包装置の各穴部と案内部とを拡大して示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態(以下では単に実施形態と記載する)に係る梱包装置について説明する。
【0013】
<実施形態1>
以下、実施形態1に係る梱包装置を図面に基づいて説明する。図1は実施形態1に係る梱包装置の全体を示す斜視図である。実施形態1に係る梱包装置1は、小型プリンター、紙搬送装置などの直方体形状の製品2を包装するために用いられる。梱包装置1は、製品2を包装して包装箱3に配置される。製品2は、底面21、対向する2組の側面対、すなわち側面22、22と、側面23、23、および上面24を備える。包装箱3は、例えば段ボールで形成されている。包装箱3は、底板31を有する箱本体32を備えている。また包装箱3は、箱本体32の開口35の周囲に、ふた板33、33、34、34を備えて構成され、組み立てられた状態で直方体となる。
【0014】
梱包装置1は、緩衝部材4と、2つの側壁保護部材5と、上面部材6とを備える。緩衝部材4は、製品2の底面21、および相対する2つの側面22、22に接触して保護する段ボール製板材である。側壁保護部材5は、製品2の他の1組の側面23、23を保護する段ボール製の四角筒状(スリーブ状)部材である。上面部材6は、製品2の上面24を保護する段ボール製の板状部材である。ここで、説明のため、製品2の幅方向(図中左上−右下に沿う方向)をX方向、奥行き方向(図中左下−右上に沿う方向)をY方向、高さ方向(図中上下方向)をZ方向とする
【0015】
まず緩衝部材4について説明する。図2は同梱包装置の緩衝部材を示す斜視図である。緩衝部材4は、1枚の段ボール板を切り抜いて形成される。緩衝部材4は、製品2の底面21に接触する長方形状の底板41と、底板41のX方向の両端に連続して形成され、先端が上方に向け折り曲げられて製品2の側面22、22に接触する2枚の側板42、42とを備える。また、緩衝部材4は、底板41のY方向の両端連続して形成され、先端が上方に向け折り曲げられて、製品2の側面23、23に対応した位置に配置される2枚のフラップ部43、43を備える。
【0016】
2枚の側板42には、それぞれ側壁保護部材5に向け(Y方向)へ突出する2つの側壁突出部44と、上方向(Z方向)へ突出する上面突出部45とが形成される。上面突出部45は、側板42の辺部から境界線44aを隔ててほぼ四角形状に形成される。
【0017】
また、側板42には、上方(Z方向)に向け、上面突出部45が形成される。上面突出部45は、境界線45aを隔ててほぼ4角形形状に形成される。また、上面突出部45の先端部には、Y方向に突出する突起片45b、45bが形成される。
【0018】
2枚のフラップ部43には、それぞれ側壁保護部材5の方向(Y方向)へ突出する折曲片46が形成される。折曲片46は、フラップ部43の先端辺43aから形成された2本の切り込み線43b、43bの間の部分を外側に折り曲げることにより形成される。
【0019】
このような構造を備える緩衝部材4は、X軸とZ軸を含む平面、およびY軸とZ軸を含む平面に対して面対称に形成される。
【0020】
次に側壁保護部材5について説明する。図3は同梱包装置の側壁保護部材を示す斜視図、図4は同梱包装置の各穴部と案内部とを拡大して示す正面図である。側壁保護部材5は、段ボール板を筒状に組み立てて形成された部材である。側壁保護部材5は、下側に配置され、包装箱3の底板31上に配置される底板51と、この底板51に対向して上側に配置される天板52と、底板51および天板52を連結する側板53、53とを備えている。側壁保護部材5は、全体が四角筒状に形成され、その両端に開口58、58を備えた空洞部59を内部に備える。
【0021】
2つの側壁保護部材5、5は同形であるので、1方の側壁保護部材5について説明する。側壁保護部材5の両側の側板53には、図4に示すように、緩衝部材4の側壁突出部44がはめ込まれる上方穴部55と下方穴部56とが鉛直方向(Z方向)に沿って形成される。上方穴部55および下方穴部56は、上下方向に延びるスリット状に形成され、前記側壁突出部44がきつくはめ込まれる程度の幅寸法w1を備える。
【0022】
また、上方穴部55と下方穴部56と間には、上方穴部55の下部と下方穴部56の上部を連結する案内部57が形成されている。この案内部57の幅寸法w2は、側壁突出部44の厚みより1〜2mm狭く形成されている。この寸法は、使用する段ボール材の厚み、製品2の質量、想定する衝撃等に基づいて最適な値を採用する。側壁突出部44は、常時は、上方穴部55にはめ込まれ移動しないが、落下衝撃を受けたとき、側壁突出部44は、上方穴部55から案内部57を経て衝撃が吸収されつつ下方穴部56に移動する。
【0023】
上方穴部55、下方穴部56、案内部57は、両方の側板53、53の幅方向(X方向)両端部にそれぞれ開設される。側壁突出部44は、実際には一方の側板53に開設された上方穴部55、下方穴部56、案内部57に挿入される(図8参照)。しかし、実施形態1に係る梱包装置1では、側壁保護部材5の包装箱3内への配置時に、設置方向を限定しないよう、上方穴部55、下方穴部56、案内部57を2枚の側板53、53に形成するものとしている。
【0024】
また、下方穴部56は、側壁突出部44が差し込まれた状態になったとき、緩衝部材4の底板51が側壁保護部材5の底板51(包装箱3の底板31と同位置)より高い位置(寸法d、図8(b)参照)に配置される位置に形成されている。
【0025】
さらに、側壁保護部材5には、緩衝部材4のフラップ部43に設けられた折曲片46が挿入されて固定される固定穴54が開設されている。固定穴54は、側板53、53の天板52側端部の中央位置に形成される。
【0026】
この固定穴54は、緩衝部材4の側壁突出部44が側壁保護部材5の上方穴部55に差し込まれた状態になっているとき、緩衝部材4の折曲片46がはめ込まれるよう配置される。このような構造を備える側壁保護部材5は、X−Z平面、Y−Z平面に対して面対称に形成されている。このため、側壁保護部材5の配置時に設置方向を意識する必要がなくなる。
【0027】
次に上面部材6について説明する。図5は同梱包装置の上面部材を示す斜視図である。上面部材6は、製品2の上面24に接触して配置される天板61と、この天板61のX方向の両端に形成される折りたたみ式の折りたたみ部62、62と、を備える。天板61には、緩衝部材4の上面突出部45がはめ込まれる穴部63と、天板61を取り外すときに指を掛ける指掛け穴65とが開設される。
【0028】
また、折りたたみ部62には、折りたたみ部62を折りたたんだ状態で、穴部63を貫通して突出する上面突出部45がはまり込む穴部64が形成されている。折りたたみ部62を折りたたんだ状態で、緩衝部材4の上面突出部45が穴部63、64に挿入され、突起片45b、45bが引っかけられることにより、上面部材6が緩衝部材4に固定される。
【0029】
ここで、折りたたみ部62の高さ寸法hは、緩衝部材4の側壁突出部44が側壁保護部材5の下方穴部56に差し込まれたとき、折りたたみ部62の上端が側壁保護部材5の上端(包装箱3のふた板内側面)と同じ位置に配置される寸法に形成されている。
【0030】
このような構造を備える上面部材6は、X軸およびY軸に対して線対称に形成されている。このため、設置時に上面部材6の設置方向を意識する必要がなくなる。
【0031】
次に梱包装置1で製品2を梱包する手順について説明する。図6は実施形態1に係る梱包装置に製品が包装された状態を示す斜視図である。梱包装置1で製品2を包装するには、まず緩衝部材4の側板42、42とフラップ部43、43とを上方に向け折り曲げ、両側に2つの側壁保護部材5をフラップ部43、43側に配置する。
【0032】
そして、側壁突出部44を2つの側壁保護部材5の上方穴部55にそれぞれはめ込む。また、緩衝部材4の折曲片46を側壁保護部材5の固定穴54に挿入して、緩衝部材4に2つの側壁保護部材5を取り付ける。そして、この状態の緩衝部材4と側壁保護部材5とを開口35から包装箱3の中に挿入し、この梱包装置1の緩衝部材4と側壁保護部材5との間に製品2を配置する。
【0033】
このとき、側壁保護部材5は左右対称(Z−Y平面に対して面対称)になっているので、左右方向に対しては方向性を考えることなく、緩衝部材4と固定、組み付けることができる。そして、上面部材6の折りたたみ部62を折りたたんだ状態にして、緩衝部材4の上面突出部45を上面部材6の穴部63、および穴部64に挿入して突起片45b、45bを引っかけて固定する。そして、包装箱3のふた板33、33、34、34を閉じて、テープ等により止める。これにより、製品2の包装は完了する。
【0034】
次に落下衝撃を受けた場合の梱包装置1の挙動について説明する。図7は同梱包装置に製品が包装され、本梱包装置が落下衝撃を受けた際の状態を示す斜視図、図8は同梱包装置の落下前と落下後の状態を示す側面図である。梱包装置1が運搬、輸送中に落下衝撃を受けると、落下衝撃により緩衝部材4のフラップ部43に設けられた折曲片46が、側壁保護部材5の固定穴54から外れる。そして、緩衝部材4の側壁突出部44が側壁保護部材5の上方穴部55から下方穴部56へ案内部57を通って移動する(図8(a)、(b))。
【0035】
このとき、実施形態1に係る梱包装置1では、案内部57の幅が側壁突出部44の厚みより1〜2mm狭く形成されているので、側壁突出部44の移動に際して摩擦抵抗が生じ、緩衝部材4はゆっくりと移動する。これにより、梱包装置1は、製品2への衝撃を緩和させて製品2の破損を防止する。
【0036】
ここで、緩衝部材4の側壁突出部44が側壁保護部材5の上方穴部55から下方穴部56へ移動した場合、緩衝部材4の底板41と側壁保護部材5(包装箱3)の底板51との間には隙間d(図8(b)参照)が確保されている。このため、落下衝撃により製品2が梱包装置1内で底付きすることがない。
【0037】
さらに、緩衝部材4の上面突出部45が上面部材6と固定されているので、落下衝撃により緩衝部材4の側壁突出部44が側壁保護部材5の55から下方穴部56へ移動した場合においても製品2の上面24が保護される。そして、緩衝部材4の側壁突出部44が側壁保護部材5の上方穴部55から下方穴部56へ移動するので、上面部材6の折りたたみ部62が垂直に立ち上がる。
【0038】
この状態で、折りたたみ部62の上端と側壁保護部材5の上端が同じ位置になり、梱包装置1と包装箱3との上側の隙間がなくなる。このため、落下衝撃によりに緩衝部材4の側壁突出部44が側壁保護部材5の上方穴部55から下方穴部56へ移動した場合においても製品2ががたつくことなく製品2に損傷を与えることがない。
【0039】
<実施形態2>
次に実施形態2に係る梱包装置について説明する。図9は実施形態2に係る梱包装置の各穴部と案内部とを拡大して示す正面図である。実施形態2に係る梱包装置では、側壁保護部材5の案内部57に凸部57aを形成してのこぎり歯状に形成している。実施形態2によれば、側壁突出部44が案内部57を通過するとき、側壁突出部44が凸部57aに接触して緩衝されるので、より確実に衝撃を緩和できる。
【0040】
なお、案内部57の幅寸法や形状は、適宜設定して、側壁突出部44が案内部57を通る際に発生する抵抗を調整することができる。この幅寸法や形状は、緩衝部材4、側壁保護部材5の材質、厚み、製品2の質量、想定される衝撃によって選択することができる。
【0041】
また、前記各実施形態では、上方穴部の下方に1つの下方穴部を形成したが、下方穴部は3個以上設けることができる。このとき、各穴部は鉛直方向に案内部57で連結する。このようにすれば、落下衝撃が複数回与えられたときにも製品を保護することができる。
【0042】
各実施形態に梱包装置によれば、落下衝撃により緩衝部材の側壁突出部が側壁保護部材の上方穴部から下方穴部へ案内部を通って移動するとき、摩擦により衝撃を吸収する。このとき、緩衝材がつぶれることにより発生する衝撃を防止できるので、製品の破損を防止することができる。
【0043】
また、各実施形態に係る梱包装置によれば、緩衝部材の側壁突出部が側壁保護部材の案内部を通って移動するとき、より大きな摩擦抵抗が発生させることができる。このため、大きな落下衝撃が加わっても確実に製品への衝撃を吸収でき、優れた緩衝性能を発揮する。
【0044】
また、各実施形態に係る梱包装置によれば、落下衝撃によりに緩衝部材の側壁突出部が側壁保護部材の上方穴部から下方穴部へ移動したとき、緩衝部材の底板と側壁保護部材(包装箱)の底板との間には隙間が確保される。このため、落下衝撃により製品が梱包装置内で底付きすることを確実に防止することができる。
【0045】
また、各実施形態に係る梱包装置によれば、緩衝部材のフラップ部の折曲片が側壁保護部材の固定穴にはめ込まれ止められている。このため、緩衝部材が確実に固定保持されることとなり、製品を包装するとき、緩衝部材の側壁突出部が側壁保護部材の上方穴部から下方穴部へ簡単に移動してしまうのを防止できる。
【0046】
また、各実施形態に係る梱包装置によれば、緩衝部材の上面突出部が上面部材と固定されている。このため、落下衝撃により緩衝部材の側壁突出部が側壁保護部材の上側穴部から下側穴部へ移動したとき、製品の上面を保護することができる。
【0047】
さらに、各実施形態に係る梱包装置によれば、緩衝部材の側壁突出部が上方穴部から下方穴部へ移動したとき、上面部材の折りたたみ部が垂直に立ち上がり、折りたたみ部の上端と側壁保護部材の上端と同じ位置になる。このため、梱包装置と包装箱のふた板との隙間がなくなり、製品ががたつくことなく製品に損傷を与えることがない。
【0048】
そして、各実施形態に係る梱包装置によれば、側壁保護部材が面対称形状となっているので、2つの側壁保護部材を共通使用することができる他、組付けの方向を考慮する必要がなく、組み付け性を良好にでき、コストを低減できる。
【符号の説明】
【0049】
1 梱包装置
2 製品
3 包装箱
4 緩衝部材
5 側壁保護部材
6 上面部材
21 底面
22 側面
23 側面
24 上面
31 底板
32 箱本体
33、34 ふた板
35 開口
41 底板
42 側板
43 フラップ部
44 側壁突出部
45 上面突出部
46 折り曲げ片
51 底板
52 天板
53 側板
54 固定穴
55 上方穴部
56 下方穴部
57 案内部
61 天板
62 折りたたみ部
63、64 穴部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【特許文献1】特開2003−137356
【特許文献2】特開2000−85848
【特許文献3】特開2004−196407
【特許文献4】特開平10−310128

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面、上面、および相対する側面対を2組具備する直方体状の製品を包装した状態で包装箱内に配置され、前記製品を衝撃から保護する梱包装置であって、
前記製品の底面に対応して配置される平板状の底面部、およびこの底面部から折り曲げ形成され、前記2組の側面対のうちの少なくとも1組の側面対に対応して配置される平板状の側面部を備える緩衝部材と、
前記製品の他の側面対に対応して2つ配置され、底板、天板、および2枚の側板を備えた角筒状の側壁保護部材と、
前記製品の上面に対応して配置される板状の上面部材と、を備え、
前記緩衝部材の側面部には、前記側壁保護部材方向へ向け突出する側壁突出部が形成され、
前記側壁保護部材の側板には、前記緩衝部材と側壁保護部材とを組み立てるに際して前記側壁突出部がはめ込まれる上方穴部と、前記上方穴部の下方に配置され衝撃を受けた後において前記側壁突出部を受け止める下部穴部と、前記上部穴部と前記下部穴部を鉛直方向に連結し、前記製品に鉛直方向の衝撃が加わったとき、前記緩衝部材の前記側壁突出部が前記上方穴部から前記下方穴部へ衝撃を吸収しつつ案内する案内部と、が形成されている、
ことを特徴とする梱包装置。
【請求項2】
前記下方穴部は、前記側壁突出部が配置されたとき、前記緩衝部材の底面部が前記側壁保護部材の底板の位置より上方に位置するよう形成されたことを特徴とする請求項1に記載の梱包装置。
【請求項3】
前記案内部の幅寸法は、前記側壁突出部の厚さ寸法より狭く形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の梱包装置。
【請求項4】
前記案内部は、前記側壁突出部の移動に抵抗を与える凸部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の梱包装置。
【請求項5】
前記緩衝部材には、前記側壁保護部材と当接する1組のフラップ部が設けられ、前記フラップ部には、前記側壁保護部材の方向へ突出する折り曲げ片が形成され、
前記側壁保護部材には前記側壁突出部が側壁保護部材の上段の穴に差し込まれた状態で前記折曲片がはめ込まれるはめ込み穴部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の梱包装置。
【請求項6】
前記緩衝部材の側面部には、上方に向け突出形成された上面突出部が形成され、
前記上面部材には前記上面突出部がはめ込まれる上面穴部を形成したことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の梱包装置。
【請求項7】
前記上面部材には、折りたたみ可能な折りたたみ部が設けられ、前記折りたたみ部の高さ寸法は前記緩衝部材の側壁突出部が下方穴部に移動したとき、前記折りたたみ部の上端が前記側壁保護部材の天板と同じ位置に配置される寸法に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の梱包装置。
【請求項8】
前記側壁保護部材は、前記側板に対して垂直な平面であり、平面包装箱に配置する際の鉛直線を含む平面に対して面対称形状をなしていることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の梱包装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−32171(P2013−32171A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168538(P2011−168538)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】