説明

梱包部材及び梱包方法

【課題】梱包部材内に収容された被梱包部材の所定部に衝撃が直接伝わるのを抑制できる梱包部材及び梱包方法を提供する。
【解決手段】梱包部材400または梱包部材500において、被梱包部材32の所定部34と接触せず、被梱包部材32の前記所定部34とは異なる保持部33を保持して被梱包部材32に伝わる衝撃を緩衝する緩衝材406A,406B,406C,406D、緩衝材600または緩衝材700を有し、緩衝材406A,406B,406C,406D、緩衝材600または緩衝材700を介して内部に被梱包部材32が梱包される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被梱包部材を梱包する梱包部材及び梱包方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、トナーを収納した円筒状のトナー容器を、画像形成装置本体に着脱自在に設け、このトナー容器からのトナーを装置本体の現像装置に補給するものが知られている(特許文献1など)。
【0003】
トナー容器は、容器本体とボトルキャップとで構成されている。容器本体の一端面には、容器本体の直径よりも小さい直径の開口部が設けられており、その開口部の縁とボトルキャップに設けられたシール部材設置部に設置されたシール部材とを接触させた状態で、容器本体とボトルキャップとが係合部で係合している。また、容器本体とボトルキャップとの間に隙間が生じないようにシール部材によってシールすることで、トナー容器内から外部にトナーが漏れるのを抑制することができる。
【0004】
トナー容器は、工場からの出荷時などに梱包箱内に格納されて運搬されるが、運搬時に梱包箱が落下するなどして梱包箱が外部から衝撃を受けると、その衝撃が梱包箱内のトナー容器に伝わりトナー容器が損傷する虞がある。そのため、例えば、トナー容器軸方向からトナ−容器を挟み込むように一対の緩衝材をボトルキャップと容器本体とに装着した状態で、緩衝材とともにトナー容器を梱包箱内に格納し、緩衝材によってトナー容器に加わる衝撃を緩和させることが行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、緩衝材により衝撃が緩和されたとしても、梱包箱が外部から受けた衝撃が緩衝材を介して容器本体やボトルキャップに到達して、トナー容器軸方向で容器本体に対しボトルキャップが傾くような力がボトルキャップにかかることがある。このような力がボトルキャップにかかると、ボトルキャップと容器本体との間にあるシール部材がずれてボトルキャップと容器本体との間に隙間が生じ、その隙間からトナーが漏れだしてしまうといった問題が生じる。
【0006】
また、梱包箱に緩衝材を介して収納される被梱包部材が前記トナー容器以外の場合でも、梱包箱が外部から衝撃を受けることによって種々の問題が生じ得る。例えば、梱包箱が外部から衝撃を受けたときに緩衝材によって衝撃が緩和されたとしても、被梱包部材の高い形状精度が求められる箇所や電子部品などの精密部材が設置されている箇所などの所定部に衝撃が伝わると、形状が変形して高い形状精度が得られなくなったり、精密部材が損傷して正常に機能しなくなったりする虞がある。
【0007】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、梱包部材内に収容された被梱包部材の所定部に衝撃が直接伝わるのを抑制できる梱包部材及び梱包方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、梱包部材において、被梱包部材の所定部と接触せず、前記被梱包部材の前記所定部とは異なる保持部を保持して前記被梱包部材に伝わる衝撃を緩衝する緩衝材を有し、前記緩衝材を介して内部に前記被梱包部材が梱包されることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の梱包部材において、前記被梱包部材の所定部の最も突出している部分が梱包部材の壁面に接しないような間隔を前記突出している部分と前記壁面との間に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の梱包部材において、前記緩衝材は中空であり、前記被梱包部材の保持部と梱包部材の壁との間に空間が形成されるように前記被梱包部材の保持部が前記緩衝材に保持されることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の梱包部材において、前記緩衝材は、4つの板状部材で前記被梱包部材の保持部を内包するような四角形を形成しており、前記4つの板状部材それぞれの隣接し合う板状部材の交わる稜線が、梱包部材の上下面及び両側面を形成する4つの壁面に接することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の梱包部材において、前記4つの板状部材それぞれの隣接し合う板状部材の交わる稜線が、梱包部材の上下面及び両側面を形成する4つの壁面の略中央部に位置することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の梱包部材において、前記被梱包部材は、前記保持部であって収容物を収容する収容部及び収容物排出口を有する容器本体と、前記所定部であって前記収容物排出口を覆うように前記容器本体に取り付けられるキャップ部材と、前記容器本体と前記キャップ部との間に介在するシール部材とを有する収容容器であり、前記キャップ部材と前記緩衝材とが接しないようにしつつ該緩衝材によって前記容器本体を保持することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、梱包部材の内部に緩衝材を介して被梱包部材を収納し梱包する梱包方法において、前記緩衝材により前記被梱包部材の保持部を保持させ、前記梱包部材内で前記被梱包部材の前記保持部とは異なる所定部を宙に浮かせた状態で前記梱包部材内に前記被梱包部材を収納することを特徴とするものである。
【0009】
ここで、被梱包部材が長尺物の場合、所定部は長尺面の端部であり、保持部は長尺面の一部であることを例示できる。同場合の、所定部の最も突出している部分とは、長尺物の端面であるか、または、短尺面であることが例示できる。
【0010】
本発明においては、緩衝材により被梱包部材の保持部のみが保持され、被梱包部材の所定部が緩衝材に接することなく梱包部材内で宙に浮いた状態となる。これにより、梱包部材が外部から衝撃を受けたとしても被梱包部材の所定部には緩衝材や梱包部材から衝撃が直接伝わるのを抑制することができる。
よって、例えば前記所定部として、被梱包部材の高い形状精度が求められる箇所や電子部品などの精密部材が設置されている箇所などに衝撃が直接伝わらないので、形状が変形して高い形状精度が得られなくなったり、精密部材が損傷して正常に機能しなくなったりするのを抑制することができる。
また、他例として、被梱包部材が、前記保持部であってトナーなどの粉体を収容する粉体収容部及び粉体排出口を有する容器本体と、前記所定部であって前記粉体排出口を覆うように前記容器本体に取り付けられるキャップ部材と、前記容器本体と前記キャップ部材との間に介在するシール部材とを有する粉体収容容器である場合には、緩衝材により容器本体のみが保持されており、キャップ部材が緩衝材に接することなく梱包部材内で宙に浮いた状態となる。これにより、梱包部材が外部から衝撃を受けたとしても、キャップ部材には緩衝材や梱包部材から衝撃が直接伝わらない。これにより、キャップ部材の軸線が容器本体の軸線から傾くような力がキャップ部材にかかるのを抑制できる。よって、容器本体とキャップ部材との間にあるシール部材がずれて容器本体とキャップ部材との間に隙間が生じ、その隙間から粉体が漏れ出してしまうことを抑制することができる。
【発明の効果】
【0011】
以上、本発明によれば、梱包部材内に収容された被梱包部材の所定部に衝撃が直接伝わるのを抑制できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)トナー容器が緩衝材を介して梱包された構成例2に係る梱包箱を図26(a)のE1−E2切断線で切断した場合の断面図。(b)トナー容器が緩衝材を介して梱包された構成例2に係る梱包箱を図26(a)のF1−F2切断線で切断した場合の断面図。
【図2】実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図3】画像形成装置における作像部を示す断面図。
【図4】画像形成装置におけるトナー補給経路を示す概略図。
【図5】トナー容器が設置される状態のトナー容器収容部を示す斜視図。
【図6】トナー容器収容部に設置されるトナー容器を示す概略斜視図。
【図7】トナー容器の頭部側を示す断面図。
【図8】トナー容器における被保持部を示す分解斜視図。
【図9】画像形成装置の本体ドアーを開放した状態を示す斜視図。
【図10】(a)構成例1に係る梱包箱の正面図、(b)構成例1に係る梱包箱の側面図、(c)構成例1に係る梱包箱の上面図。
【図11】トナー容器が梱包されていない梱包箱を図10(c)のA1−A2切断線で切断した場合の断面図。
【図12】トナー容器が梱包されていない梱包箱を図10(a)のB1−B2切断線で切断した場合の断面図。
【図13】トナー容器が梱包されていない梱包箱を図10(a)のC1−C2切断線で切断した場合の断面図。
【図14】トナー容器が梱包されていない梱包箱を図10(c)のA3−A4切断線で切断した場合の断面図。
【図15】構成例1に係る緩衝材機能付梱包箱の展開図。
【図16】底部の組み立てが完了した梱包箱の斜視図。
【図17】トナー容器が梱包された梱包箱を図10(c)のA1−A2切断線で切断した場合の断面図。
【図18】トナー容器が梱包された梱包箱を図10(a)のB1−B2切断線で切断した場合の断面図。
【図19】トナー容器が梱包された梱包箱を図10(a)のC1−C2切断線で切断した場合の断面図。
【図20】トナー容器が梱包された梱包箱を図10(c)のA3−A4切断線で切断した場合の断面図。
【図21】組み立てが完了した梱包箱を示す図。
【図22】落下角aの角から落下した際に衝撃を緩衝する空気層部の説明に用いる図。
【図23】落下角bの角度から落下した際に衝撃を緩衝する緩衝材と緩衝材との交差部(角)の説明に用いる図。
【図24】トナー容器が梱包された構成例1に係る梱包箱を図10(c)のB3−B4切断線で切断した場合の断面図。
【図25】容器本体が2つの緩衝材により上下方向から挟まれて保持された梱包箱を容器本体の位置で容器本体軸方向に直交する方向で切断した場合の断面図。
【図26】(a)構成例2に係る梱包箱の正面図、(b)構成例2に係る梱包箱の側面図、(c)構成例2に係る梱包箱の上面図。
【図27】緩衝材を内包しトナー容器が梱包されていない梱包箱を図26(c)のD1−D2切断線で切断した場合の断面図。
【図28】緩衝材を内包しトナー容器が梱包されていない梱包箱を図26(c)のD3−D4切断線で切断した場合の断面図。
【図29】(a)緩衝材を内包しトナー容器が梱包されていない梱包箱を図26(a)のE1−E2切断線で切断した場合の断面図、(b)緩衝材を内包しトナー容器が梱包されていない梱包箱を図26(a)のF1−F2切断線で切断した場合の断面図。
【図30】構成例2に係る梱包箱の展開図。
【図31】構成例2に係る緩衝材の展開図。
【図32】緩衝材の組み立て説明図。
【図33】緩衝材の組み立て説明図。
【図34】組み立てが完了した緩衝材の模式図。
【図35】梱包箱の中に組み込まれた緩衝材上にトナー容器の容器本体を載せた状態を示す図。
【図36】トナー容器軸方向でボトルキャップと梱包箱の内側面との間に嵌め込むパッドの斜視図。
【図37】トナー容器軸方向でボトルキャップと梱包箱の内側面との間に嵌め込むパッドの展開図。
【図38】トナー容器を梱包箱内で2つの緩衝材によって上下方向から挟み込んだ状態を示す図。
【図39】トナー容器が緩衝材を介して梱包された梱包箱を図26(c)のD1−D2切断線で切断した場合の断面図。
【図40】トナー容器が緩衝材を介して梱包された梱包箱を図26(c)のD3−D4切断線で切断した場合の断面図。
【図41】トナー容器の容器本体が同一形状の4つの緩衝材により上下方向から挟まれて保持された梱包箱を、容器本体の位置で容器本体軸方向に直交する方向で切断した場合の断面図。
【図42】(a)構成例3に係る梱包箱の正面図、(b)構成例3に係る梱包箱の側面図、(c)構成例3に係る梱包箱の上面図。
【図43】緩衝材を内包しトナー容器が梱包されていない梱包箱を図42(c)のG1−G2切断線で切断した場合の断面図。
【図44】緩衝材を内包しトナー容器が梱包されていない梱包箱を図42(c)のG3−G4切断線で切断した場合の断面図。
【図45】(a)緩衝材を内包しトナー容器が梱包されていない梱包箱を図42(a)のH1−H2切断線で切断した場合の断面図、(b)緩衝材を内包しトナー容器が梱包されていない梱包箱を図42(a)のI1−I2切断線で切断した場合の断面図。
【図46】構成例3に係る緩衝材の展開図。
【図47】緩衝材の組み立て説明図。
【図48】緩衝材の組み立て説明図。
【図49】組み立てが完了した緩衝材の模式図。
【図50】梱包箱の中に組み込まれた緩衝材上にトナー容器の容器本体を載せた状態を示す図。
【図51】容器本体後端部に設けられた把持部に嵌め込まれる凹形状のパッドの斜視図。
【図52】トナー容器の容器本体後端部に設けられた把持部に凹形状のパッドを嵌め込んだ状態を示す図。
【図53】トナー容器の容器本体後端部に設けられた把持部に嵌め込まれるパッドの展開図。
【図54】トナー容器を梱包箱内で2つの緩衝材によって上下方向から挟み込んだ状態を示す図。
【図55】トナー容器が緩衝材を介して梱包された梱包箱を図42(c)のG1−G2切断線で切断した場合の断面図。
【図56】トナー容器が緩衝材を介して梱包された梱包箱を図42(c)のG3−G4切断線で切断した場合の断面図。
【図57】(a)トナー容器が緩衝材を介して梱包された梱包箱を図42(a)のH1−H2切断線で切断した場合の断面図、(b)トナー容器が緩衝材を介して梱包された梱包箱を図42(a)のI1−I2切断線で切断した場合の断面図。
【図58】変形例に係る緩衝材の展開図。
【図59】(a)変形例に係る緩衝材を介してトナー容器が収納された梱包箱を図42(a)のH1−H2切断線で切断した場合の断面図、(b)変形例に係る緩衝材を介してトナー容器が収納された梱包箱を図42(a)のI1−I2切断線で切断した場合の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0014】
まず、図2〜図5にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図2は画像形成装置としてのプリンタを示す全体構成図であり、図3はその作像部を示す拡大図であり、図4はそのトナー補給経路を示す概略図であり、図5はトナー補給装置の一部を示す斜視図である。
【0015】
図2に示すように、画像形成装置本体100の上方にあるトナー容器収容部31には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色に対応した4つのトナー容器32Y、32M、32C、32Bkが着脱自在(交換自在)に設置されている。
【0016】
トナー容器収容部31の下方には中間転写ユニット15が配設されている。その中間転写ユニット15の中間転写ベルト8に対向するように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色に対応した作像部6Y、6M、6C、6Bkが並設されている。
【0017】
図3を参照して、イエローに対応した作像部6Yは、感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配設された帯電部4Y、現像装置5Y(現像部)、クリーニング部2Y、除電部(不図示である。)等で構成されている。そして、感光体ドラム1Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、感光体ドラム1Y上にイエロー画像が形成されることになる。
【0018】
なお、他の3つの作像部6M、6C、6Bkも、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応した作像部6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。
【0019】
以下、他の3つの作像部6M、6C、6Bkの説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部6Yのみの説明をおこなうことにする。
【0020】
図3を参照して、感光体ドラム1Yは、不図示の駆動モータによって図3中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程)。
【0021】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光装置7(図2参照)から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程)。
【0022】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像装置5Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程)。
【0023】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び一次転写バイアスローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(一次転写工程)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
【0024】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング部2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって機械的に回収される(クリーニング工程)。
【0025】
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上の残留電位が除去される。
【0026】
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0027】
なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6M、6C、6Bkでも作像部6Yと同様におこなわれる。
【0028】
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0029】
ここで、図2を参照して、中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、4つの一次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Bk、二次転写バックアップローラ12、クリーニングバックアップローラ13、テンションローラ14、中間転写クリーニング部10、等で構成される。中間転写ベルト8は、二次転写バックアップローラ12とクリーニングバックアップローラ13とテンションローラ14とによって張架支持されるとともに、二次転写バックアップローラ12の回転駆動によって図2中の矢印方向に無端移動される。
【0030】
4つの一次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Bkは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkとの間に挟み込んで一次転写ニップを形成している。そして、一次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Bkに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
【0031】
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各一次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Bkの一次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて一次転写される。
【0032】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、二次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、二次転写バックアップローラ12が、二次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで二次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この二次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の被転写材P上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、被転写材Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
【0033】
その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング部10の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。
【0034】
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0035】
ここで、二次転写ニップの位置に搬送された被転写材Pは、画像形成装置本体100の下方に配設された給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。
【0036】
その後、二次転写ニップの位置でカラー画像が転写された被転写材Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ローラ及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が被転写材P上に定着される。
【0037】
その後、被転写材Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出された被転写材Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。
【0038】
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0039】
次に、図3にて、作像部における現像装置の構成・動作について、さらに詳しく説明する。
【0040】
現像装置5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Y、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Y、現像剤収容部53Y、54Y内に配設された2つの搬送スクリュ55Y、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Y、等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部53Y、54Y内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤Gが収容されている。現像剤収容部54Yは、その上方に形成された開口を介してトナー搬送パイプ43Yに連通している。
【0041】
このように構成された現像装置5Yは、次のように動作する。
現像ローラ51Yのスリーブは、図3の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。
【0042】
ここで、現像装置5Y内の現像剤Gは、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナー容器32Yに収容されているトナーが、トナー補給装置59(図4参照)を介して現像剤収容部54Y内に補給される。
【0043】
その後、現像剤収容部54Y内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、2つの現像剤収容部53Y、54Yを循環する(図3の紙面垂直方向の移動である)。そして、現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
【0044】
現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、図3中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード52Yの位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤Gは、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51Y上に残った現像剤Gはスリーブの回転にともない現像剤収容部53Yの上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
【0045】
次に、図4にて、トナー容器32Y内に収容されたトナーを現像装置5Yに導くトナー補給装置59について詳述する。
【0046】
なお、図4は、理解を容易にするために、トナー容器32Y、トナー搬送パイプ43Y、スクリューポンプ60、ノズル70、チューブ71、及び、現像装置5Yの配置方向を変えて図示している。実際には、図4において、トナー搬送パイプ43Y、スクリューポンプ60、ノズル70及びチューブ71などで形成されるトナー補給経路の一部とトナー容器32Yとの長手方向が紙面垂直方向になるように配設されている(図2参照)。
【0047】
図5及び図9を参照して、画像形成装置本体100のトナー容器収容部31に設置された各トナー容器32Y、32M、32C、32Bk内のトナーは、各色の現像装置内のトナー消費に応じて、トナー色ごとに設けられたトナー補給経路を経て適宜に各現像装置内に補給される。4つのトナー補給経路は、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造である。
【0048】
詳しくは、図4を参照して、トナー容器32Yが画像形成装置本体100のトナー容器収容部31にセットされると、トナー容器32Yのボトルキャップ34Yにトナー容器収容部31のノズル70が接続される。このとき、トナー容器32Yの口栓部材34d(開閉部材)は、板バネ77によって付勢されている爪部材76とノズル70とに挟まれた状態で、ボトルキャップ34Yのトナー排出口を開放する。これにより、トナー容器32Yの容器本体33Y内に収容されたトナーが、トナー排出口を介して、ノズル70内に搬送されることになる。
【0049】
一方、ノズル70の他端は、搬送管としてのチューブ71の一端に接続されている。チューブ71は、耐トナー性に優れたフレキシブルな材料からなり、その他端がトナー補給装置のスクリューポンプ60(モーノポンプ)に接続されている。
【0050】
スクリューポンプ60は、吸引型一軸偏心スクリューポンプであって、ロータ61、ステータ62、吸引口63、ユニバーサルジョイント64、モータ66、等で構成される。ロータ61、ステータ62、ユニバーサルジョイント64等は、不図示のケース内に収納されている。ステータ62は、ゴム等の弾性材料からなる雌ねじ状部材であって、その内部にはダブルピッチの螺旋溝が形成されている。ロータ61は、金属等の剛性材料からなる軸が螺旋状にねじれて形成された雄ねじ状部材であって、ステータ62内に回動自在に嵌挿されている。ロータ61の一端は、ユニバーサルジョイント64を介して、モータ66に回転自在に連結されている。
【0051】
このように構成されたスクリューポンプ60は、モータ66によってステータ62内のロータ61を所定方向(トナー搬送方向上流側からみて反時計方向である)に回転駆動させることで、吸引口36に吸引力を発生させる(チューブ71内の空気を送出してチューブ71内に負圧を発生させる)。これによって、トナー容器32Y内のトナーが空気とともにチューブ71を介して吸引口63に吸引される。吸引口63まで吸引されたトナーは、ステータ62とロータ61との隙間に送入されて、ロータ61の回転に沿って他端側に送出される。送出されたトナーは、スクリューポンプ60の送出口67から排出されて、トナー搬送パイプ43Yを介して現像装置5Y内に補給される(図4中の破線矢印方向の移動である)。
【0052】
次に、図6及び図7にて、トナー容器について説明する。
先に図2及び図5で説明したように、トナー容器収容部31には、4つの略円筒状のトナー容器32Y、32M、32C、32Bk(トナーボトル)が、着脱自在に設置されている。トナー容器32Y、32M、32C、32Bkは、それぞれ、収容するトナーがほとんどすべて消費されて空になったときなど寿命に達したときに新品のものに交換される。そして、トナー容器32Y、32M、32C、32Bk内に収容された各色のトナーは、それぞれ、図4で説明したトナー補給経路を経て、各作像部6Y、6M、6C、6Bkの現像装置に適宜補給される。
【0053】
図6は、トナー容器32Yを示す概略斜視図である。図7は、トナー容器32Yの頭部側(ボトルキャップ34Yが設置された側)を示す断面図である。
【0054】
なお、他の3つのトナー容器32M、32C、32Bkも、収容されたトナーの色が異なることと凹部34m及び凸部34nの位置以外は、イエロートナーを収容したトナー容器32Yとほぼ同様の構成となっている。以下、他の3つのトナー容器32M、32C、32Bkの説明を適宜に省略して、イエロートナーを収容したトナー容器32Yのみの説明をおこなうことにする。
【0055】
図6に示すように、トナー容器32Yは、主として、トナーを収容するトナー収容部を有する容器本体33Yと、その頭部に設けられたボトルキャップ34Yとで構成される。
【0056】
容器本体33Yの頭部には、容器本体33Yと一体的に回転するギア部33cと、開口部Aとが設けられている(図7参照)。開口部Aは、容器本体33Yの頭部(装着動作において先方となる位置である)に設けられていて、容器本体33Y内に収容されたトナーをボトルキャップ34Y内のスペース(空洞)に向けて排出するためのものである。
【0057】
ギア部33c(ギア)は、画像形成装置本体100のトナー容器収容部31に設けられた駆動部の駆動ギア31gと噛合して、容器本体33Yに回転駆動力を伝達して、容器本体33Yを回転軸を中心に回転駆動させるためのものである。詳しくは、ギア部33cは、その一部がボトルキャップ34Yに形成された切欠部34hから露呈して、画像形成装置本体100の駆動ギア31gと噛合する。そして、駆動ギア31gからギア部33cに回転駆動力が伝達されて、容器本体33Yが所定方向に回転することになる。
【0058】
図6を参照して、容器本体33Yの後端部(底部)には、トナー容器32Yの着脱作業をおこなう際にユーザーが把持するための把持部33dが設けられている。
【0059】
また、容器本体33Yの内周面には、螺旋状の突起33bが設けられている(外周面側から見ると螺旋状の溝となっている)。この螺旋状の突起33bは、容器本体33Yを所定方向に回転駆動して開口部Aからトナーを排出するためのものである。このように構成された容器本体33Y(ギア部33cを除く)は、ブロー成形にて製造することができる。
【0060】
なお、トナー容器32Yは、容器本体33Yとともに回転する撹拌部材33fが開口部Aに設置されている。撹拌部材33fは、ボトルキャップ34Y内のスペースから容器本体33Y内に向けて延設されるとともに、容器本体33Yの回転軸に対して斜めに配設された棒状部材である。容器本体33Yとともに撹拌部材33fが回転することで、開口部Aからのトナー排出性が向上する。
【0061】
また、本実施形態では、トナー容器32Yの容器本体33Yを、トナー搬送方向上流側から見て反時計方向に回転させている。また、容器本体33Yにおける突起33bの螺旋方向(巻き方向)を右方向に設定している。これにより、容器本体33Yの回転によって、トナー容器32Y内にはスクリューポンプ60内に形成される渦気流の回転方向と同方向である右回りの渦気流が形成されることになる。
【0062】
図6及び図7を参照して、ボトルキャップ34Yには、ホルダ34c、開閉部材としての口栓部材34d(シャッタ)、パッキン34e、電子部品としてのICチップ35等が設置されている。また、図6を参照して、ボトルキャップ34Yの両側面には、トナー容器収容部31の位置決め部材31cが係合する係合部34g(溝部)が設けられている。また、ボトルキャップ34Yの端面には、トナー容器収容部31の嵌合部材31dが嵌合する凹部34mが設けられている。また、ボトルキャップ34Yの周面には、トナー容器収容部31の別の嵌合部材(不図示)が嵌合する、凸部34nが設けられている。さらに、ボトルキャップ34Yの上方には、ギア部33cの一部が露呈する切欠部34hが設けられている。
【0063】
ボトルキャップ34Yは、開口部Aを介して容器本体33Yに連通していて、開口部Aから排出されたトナーをトナー排出口Bから排出する。
【0064】
ここで、本実施形態では、ボトルキャップ34Yの内部に形成された空洞(スペース)が、略円柱状に形成されている。さらに、ボトルキャップ34Yの内部に形成された略円柱状の空洞からトナー排出口Bに至るトナー排出経路(垂直経路)がすり鉢状に形成されている。これによって、容器本体33Yの回転によって容器本体33Y内に形成された渦気流が消失されることなく維持されて、トナー排出口Bに向けて効率よく受け渡されることになる。そのため、トナー排出口Bから排出されてチューブ71内を移動するトナーのトナー搬送性が向上する。
【0065】
ボトルキャップ34Yは、容器本体33Yの回転には連動せずに、係合部34gが位置決め部材31cに係合した状態でトナー容器収容部31の保持部73(図5参照)に非回転で保持される。
【0066】
ボトルキャップ34Yには爪34b1が設けられていて、この爪34b1が容器本体33Y(ギア部33c)の頭部に形成された係合部材に係合することで、容器本体33Yがボトルキャップ34Yに対して相対的に回転可能に保持される。ここで、容器本体33Yの回転駆動をスムーズにおこなうために、ボトルキャップ34Yの爪34b1と容器本体33Yの係合部材とは適度なクリアランスを設けて係合されている。
【0067】
また、ボトルキャップ34Yの下方にはホルダ34cが設けられている。ホルダ34cには、トナー容器32Yの着脱動作に連動してトナー排出口Bを開閉する開閉部材としての口栓部材34d(シャッタ)が設置されている。
【0068】
詳しくは、図7及び図8を参照して、ボトルキャップ34Yに対して着脱可能に設置されるホルダ34cは、ホルダ主部34c10、ホルダカバー34l、口栓部材34d、付勢部材としての圧縮スプリング340等で構成される。ホルダ主部34c10にはトナー排出口とそれに連通しノズル70が挿入される貫通穴とが形成されていて、貫通穴に口栓部材34dが挿設される。さらに、口栓部材34dの後部から圧縮スプリング340が設置された状態で、ホルダカバー34lによってホルダ主部34c10、口栓部材34d、圧縮スプリング340がボトルキャップ34Yに保持される。ホルダ主部34c10は、Oリング342を介してボトルキャップ34Yに設置されるために、ホルダ主部34c10の外周面からのトナー飛散を抑止することができる。
【0069】
ここで、図7を参照して、口栓部材34dには圧縮スプリング341の一部をガイドするメクラ穴が形成されているために、圧縮スプリング341の座屈が抑止される。
【0070】
以上述べたように、本実施形態におけるトナー容器32Yは、口栓部材34dを閉鎖方向に付勢する圧縮スプリング340がトナー容器32Y側に設置されているために、画像形成装置本体100に設置されていないトナー容器32Y単体でもトナー排出口が口栓部材34dによって確実に閉鎖されるため、トナー飛散の発生を確実に抑止することができる。
【0071】
また、図7を参照して、本実施形態におけるトナー容器32Yは、開口部Aの周囲で容器本体33Y及びボトルキャップ34Yの互いの対向面の隙間を封止するために、シール部材であるGシール等のパッキン370を2つ並設している。
【0072】
ここで、Gシール等のパッキン370は、ボトルキャップ34Yに対して容器本体33Yが偏心して組み付けられたり偏心して回転駆動した場合であったりしても、リップ部(ゴム部)が容器本体33Yの動きに追従するとともに経時のヘタリも少ないため、容器本体33Yとボトルギャップ34Y間のシール性が安定的に向上することになる。特に、本実施形態では、パッキン370が複数設置されているために、上述した効果がさらに向上することになる。
【0073】
以下、トナー容器収容部31へのトナー容器32Yの着脱動作(着脱操作)について簡単に説明する。
【0074】
図9を参照して、トナー容器32Yを画像形成装置本体100のトナー容器収容部31に装着する場合は、まず、画像形成装置本体100の前面に設けられた本体カバー110を開放してトナー容器収容部31を前方に露出させる。
【0075】
その後、トナー容器32Yをトナー容器収容部31内に向けて押し込む。すなわち、ボトルキャップ34Yが容器本体33Yに対して先方になるように、容器本体33Y(トナー容器32Y)の長手方向に沿って、トナー容器32Yがトナー容器収容部31に装着される。
【0076】
このとき、トナー容器32Yの先頭側で滑動部34c1がトナー容器収容部31の滑合面を滑りながら、トナー容器32Yの後端側で把持部33dを把持するユーザーによって、トナー容器32Yがトナー容器収容部31内にバランスよく押し込められることになる。
【0077】
その後、トナー容器32Yのホルダ34cがトナー容器収容部31の保持部73に達すると、第1の滑動部34c1の滑動に加えて、第2の滑動部34c2が滑合面(側面)を滑りながらボトルキャップ34Yの位置決めが開始される。詳しくは、ボトルキャップ34Yの係合部34gと、トナー容器収容部31の位置決め部材31cとの係合が開始される。このとき、不図示のアーム対によって、トナー容器32Yのボトルキャップ34Yは保持部73に向けて付勢される。
【0078】
さらに、このとき、トナー容器収容部31の保持部73に設置された爪部材76は、回転支軸76aを中心に回転してボトルキャップ34Yの装着を妨げない位置に退避する。すなわち、爪部材76は、滑動部34c1によって、板バネ77の付勢力に抗する方向に押し下げられる。
【0079】
その後、さらにトナー容器32Yの装着動作が進められると、係合部34gと位置決め部材31cとが係合した状態で、口栓部材34dによるトナー排出口Bの開放が開始される。すなわち、ノズル70の先端がホルダ34cの穴部に挿入されるのにともない、口栓部材34dがノズル70に押動される。
【0080】
このとき、爪部材76は、回転支軸76aを中心に回転して上述した退避位置から口栓部材34dに係合する位置に突出する。すなわち、爪部材76は、滑動部34c1による押動から開放されて、板バネ77の付勢力によってデフォルトポジションに押し上げられる。
【0081】
このとき、口栓部材34dは、ノズル70と爪部材76とによって挟持されて、トナー容器収容部31(保持部73)における位置が固定された状態である。そして、その状態から、トナー容器32Yがさらに装着方向に移動すると、口栓部材34dの位置が固定された状態で、トナー排出口Bの開放がおこなわれる。
【0082】
そして、ホルダ34cが保持部73に突き当たる位置(突き当て基準位置)でボトルキャップ34Yの位置が定まり、それと同時に口栓部材34dがトナー排出口Bを完全に開放するとともに、トナー容器収容部31の駆動部の駆動ギア31gにトナー容器32Yのギア部33cが噛合する。また、ICチップ35が、通信回路74に対して無線通信ができる位置で対向する。さらに、トナー容器の非互換性を担保するための凹部34m及び凸部34nが、装置本体の嵌合部材と嵌合する。そして、トナー容器32Yのトナー排出口Bとノズル70のトナー補給口70aとが連通して、トナー容器32Yの装着動作が完了する。
【0083】
他方、トナー容器32Yを画像形成装置本体100のトナー容器収容部31から取出(離脱)する場合には、上述の装着時の手順と逆の手順で操作がおこなわれる。
【0084】
まず、トナー容器32Yが保持部73から離れる動作(離脱動作)に連動して、保持部73における口栓部材34dの位置がノズル70及び爪部材76によって固定された状態で、口栓部材34dが爪部材76に付勢されてトナー排出口Bの閉鎖がおこなわれる。このとき、口栓部材34dの端面が、ボトルキャップ34Yに形成された嵌合部に嵌合して、口栓部材34dによるトナー排出口Bの閉鎖が完了する。その後、トナー容器32Yがさらに離脱方向に移動すると、ボトルキャップ34Yの離脱を妨げない位置に爪部材76が移動する。そして、ボトルキャップ34Yが完全に離脱された後に、爪部材76は、滑動部34c1による押動から開放されて、板バネ77の付勢力によってデフォルトポジションに戻ることになる。
【0085】
本実施形態のような画像形成装置で用いられるトナー容器32は、物流の過程であらゆる方向から落下される可能性があり、そのため、製品を保持するために、緩衝材を介して梱包部材である箱の中に収容する。
【0086】
以下に、内部に円筒状のトナーボトルであるトナー容器32を緩衝材を介して梱包可能な梱包部材である梱包箱について説明する。
【0087】
[構成例1]
図10は本構成例に係る箱と緩衝材とが一体型である緩衝材機能付きの梱包箱400の外観図であり、図10(a)が梱包箱400の正面図、図10(b)が梱包箱400の側面図、図10(c)が梱包箱400の上面図を示している。
【0088】
また、図11はトナー容器32が梱包されていない梱包箱400を図10(c)のA1−A2切断線で切断した場合の断面図である。図12はトナー容器32が梱包されていない梱包箱400を図10(a)のB1−B2切断線で切断した場合の断面図である。図13はトナー容器32が梱包されていない梱包箱400を図10(a)のC1−C2切断線で切断した場合の断面図である。なお、図13中の二点鎖線は想像線である。図14はトナー容器32が梱包されていない梱包箱400を図10(c)のA3−A4切断線で切断した場合の断面図である。
【0089】
梱包箱400の組み立て方法について説明する。
図15は、梱包箱400の展開図である。本構成例で用いる梱包箱の素材は段ボールであり、所謂A式段ボールである。段ボールの材質は、(220/150220)BFであり、図15に示すようにかたどる。そして、図15の太実線部をカットし切り込みを入れ、一点鎖線部に折り罫をつける。なお、上記素材については、段ボールに特定されるものではなく、プラスチック段ボール、厚紙、プラスチックシート、プラスチック発泡シートなど、弾力性を有するシートが例示できる。また、図中の矢印は折り曲げ方向を示している。
【0090】
この段ボールには折り曲げて梱包箱400にするときに、その4側面部分である側面部402A、妻面部404A、側面部402B、妻面部404Bのうちの一方の対向する側面部分である側面部402Aと側面部402Bとのそれぞれに、梱包箱400の上開口部を閉じ天面や緩衝材などとして機能する上フラップ410Aと上フラップ410B、及び、梱包箱400の下開口部を閉じ底面や緩衝材として機能する下フラップ410Cと下フラップ410Dとが形成されている。一方、他方の対向する側面部分である妻面部404Aと妻面部404Bとのうち、妻面部404Aには上フラップ410A及び上フラップ410Bの外側に配置される上フラップ411Aと、下フラップ410C及び下フラップ410Dの外側に配置される下フラップ411Cとが形成されている。そして、妻面部404Bには上フラップ410A及び上フラップ410Bの外側に配置される上フラップ411Bと、下フラップ410C及び下フラップ410Dの外側に配置される下フラップ411Dとが形成されている。
【0091】
上フラップ410A,410B及び下フラップ410C,410Dと上フラップ411A,411B及び下フラップ411C,411Dとの間には切れ目が設けられており、妻面部404Bの後端には糊しろ407Aが設けられている。糊しろ407Aは、4つの側面部分である側面部402Aと妻面部404Aと側面部402Bと妻面部404Bとを順次内側方向に折り曲げて梱包箱400を形成する際に、側面部402Aの先端に設けられた糊しろ407Bに糊しろ407Aを糊などの接着剤によって接着させて接続するためのものである。なお、図中の二点鎖線は側面部402Aと糊しろ407Bとの境界を示すものである。
【0092】
<手順1>
まず、側面部402Aと妻面部404Aと側面部402Bと妻面部404Bとを順次内側方向に折り曲げて、糊しろ407Aと糊しろ407Bとを糊で貼り合わせて、梱包箱400の側面部分を形成する。
【0093】
<手順2>
次に、下フラップ410Cの底面部403Aと下緩衝壁部406Cと下緩衝壁支持部406Cbとにより三角形が形成されるように、図15に示した折り罫部A、折り罫部B及び折り罫部Cを山折りで、底面部403Aと下緩衝壁部406Cと下緩衝壁支持部406Cbとを内側に折り込み、下フラップ410Cで梱包箱400の片側の底部を形成する。なお、底面部403Aと下緩衝壁部406Cと下緩衝壁支持部406Cbとにより形成される三角形の底面部403Aと下緩衝壁部406Cとでなす角が45°となるようにするのが好ましい。
【0094】
<手順3>
上記手順2と同じようにして、下フラップ410Dの底面403Bと下緩衝壁部406Dと下緩衝壁支持部406Dbとにより三角形が形成されるように、図15に示した折り罫部D、折り罫部E及び折り罫部Fを山折りで、底面403Bと下緩衝壁部406Dと下緩衝壁支持部406Dbとを内側に折り込み、下フラップ410Dで梱包箱400のもう一方の片側の底部を形成する。なお、底面403Bと下緩衝壁部406Dと下緩衝壁支持部406Dbとにより形成された三角形の底面403Bと下緩衝壁部406Dとでなす角が45°となるようにするのが好ましい。
【0095】
<手順4>
そして、下フラップ411Cの図15に示した折り罫部G及び折り罫部Hが山折りとなるように、下フラップ411Cの短手フラップ405C及び差し込み部409Cを内側に折り込み、差し込み部409Cを下フラップ410Cの切り込み408Fと下フラップ410Dの切り込み408Gとに差し込む。また、下フラップ411Dの図15に示した折り罫部I及び折り罫部Jが山折りとなるように、下フラップ411Dの短手フラップ405D及び差し込み部409Dを内側に折り込み、差し込み部409Dを下フラップ410Cの切り込み408Eと下フラップ410Dの切り込み408Hとに差し込む。これにより、梱包箱内側に折り込まれた下フラップ410Cと下フラップ410Dとが下フラップ411Cと下フラップ411Dとによって開放しないようになり、梱包箱400の底部の組み立てが完了する。図16に底部の組み立てが完了した梱包箱400の斜視図を示す。
【0096】
<手順5>
このように梱包箱400の底部の組み立てが完了したら、下緩衝壁部406Cの側面と下緩衝壁部406Dの側面とにトナー容器32の容器本体33が載るように、梱包箱400内にトナー容器32をセットする。この際、トナー容器32のボトルキャップ34は、下緩衝壁部406C及び下緩衝壁部406Dそれぞれに形成された開口406Ca及び開口406Daと対向する位置に位置させ、ボトルキャップ34が下緩衝壁部406C及び下緩衝壁部406Dに接しないようにする。
【0097】
<手順6>
次に、上フラップ410Aの天面部401Aと上緩衝壁部406Aと上緩衝壁支持部406Abとにより三角形が形成されるように、図15に示した折り罫部K、折り罫部L及び折り罫部Mを山折りで、天面部401Aと上緩衝壁部406Aと上緩衝壁支持部406Abとを内側に折り込み、上フラップ410Aで梱包箱400の片側の上面部を形成する。なお、天面部401Aと上緩衝壁部406Aと上緩衝壁支持部406Abとにより形成される三角形の天面部401Aと上緩衝壁部406Aとでなす角が45°となるようにするのが好ましい。
【0098】
<手順7>
上記手順6と同じようにして、上フラップ410Bの天面部401Bと上緩衝壁部406Bと上緩衝壁支持部406Bbとにより三角形が形成されるように、図15に示した折り罫部N、折り罫部O及び折り罫部Pを山折りで、天面部401Bと上緩衝壁部406Bと上緩衝壁支持部406Bbとを内側に折り込み、上フラップ410Bで梱包箱400のもう一方の片側の上面部を形成する。なお、天面部401Bと上緩衝壁部406Bと上緩衝壁支持部406Bbとにより形成される三角形の天面部401Bと上緩衝壁部406Bとでなす角が45°となるようにするのが好ましい。
【0099】
<手順8>
そして、上フラップ411Aの図15に示した折り罫部Q及び折り罫部Rが山折りとなるように、上フラップ411Aの短手フラップ405A及び差し込み部409Aを内側に折り込み、差し込み部409Aを上フラップ410Aの切り込み408Bと下フラップ410Cの切り込み408Cとに差し込む。また、上フラップ411Bの折り罫部S及び折り罫部Tが山折りとなるように、上フラップ411Bの短手フラップ405B及び差し込み部409Bを内側に折り込み、差し込み部409Bを上フラップ410Aの切り込み408Aと上フラップ410Bの切り込み408Dとに差し込む。これにより、梱包箱内側に折り込まれた上フラップ410Aと上フラップ410Bとが上フラップ411Aと上フラップ411Bとによって開放しないようになり、梱包箱400の上面部の組み立てが完了する。
【0100】
なお、梱包箱400の上面部を組み立てるときには底部を組み立てる場合と同じように、梱包箱400内にあるトナー容器32のボトルキャップ34を、上緩衝壁部406A及び上緩衝壁部406Bに形成された開口406Aa及び開口406Baと対向する位置に位置させ、ボトルキャップ34が上緩衝壁部406A及び上緩衝壁部406Bに接しないようにする。
【0101】
以上の手順によって組み立てることにより、緩衝材機能付カートンである梱包箱400が形成される。本構成例では、緩衝材と梱包箱400とを一体で一枚の段ボールを折り曲げて形成しているので、部品点数を少なくすることができる。
【0102】
図17はトナー容器32が梱包された梱包箱400を図10(c)のA1−A2切断線で切断した場合の断面図である。図18はトナー容器32が梱包された梱包箱400を図10(a)のB1−B2切断線で切断した場合の断面図である。図19はトナー容器32が梱包された梱包箱400を図10(a)のC1−C2切断線で切断した場合の断面図である。なお、図19中の二点鎖線は想像線である。図20はトナー容器32が梱包された梱包箱400を図10(c)のA3−A4切断線で切断した場合の断面図である。図17、図18、図20からわかるように容器本体33が各緩衝壁部と接触しており、図17、図19、図20からわかるようにボトルキャップ34が各緩衝壁部と接触していない。
【0103】
このようにしてトナー容器32を梱包箱400に梱包することで、ボトルキャップ34が上緩衝壁部406A、上緩衝壁部406B、下緩衝壁部406C及び下緩衝壁部406Dに接することなく宙に浮いた状態となっているので、梱包箱400が外部から衝撃を受けたとしても、ボトルキャップ34には緩衝壁部や梱包箱400から衝撃が直接伝わらないので、ボトルキャップ34の軸線が容器本体33の軸線から傾くような力がボトルキャップ34にかかるのを抑制できる。そのため、ボトルキャップ34と容器本体33との間にあるシール部材であるパッキン370がずれてボトルキャップ34と容器本体33との間に隙間が生じ、その隙間からトナーが漏れだしてしまうことを抑制することができる。
【0104】
また、緩衝材機能付カートンである梱包箱400は図21に示すように、上緩衝壁部406A、上緩衝壁部406B、下緩衝壁部406C及び下緩衝壁部406Dが、梱包箱400の内部で容器本体33を内包するような四角形を形成しており、上緩衝壁部406A、上緩衝壁部406B、下緩衝壁部406C及び下緩衝壁部406Dそれぞれの隣接し合う緩衝壁部の交わる稜線が、梱包箱400の上下面及び両側面を形成する4つの壁面の略中央部に位置するように構成されている。
【0105】
このため、梱包箱400内にトナー容器32を収納すると、前記稜線と容器本体33との間に空間が形成されるため、梱包箱400の外部から輸送中に衝撃などが加えられても、容器本体33までに達する衝撃は弱められ、輸送途中でのトナー容器32の破損などを抑制することができる。
【0106】
また、例えば梱包箱400が図22の落下角aの角から落下した際には、衝撃壁部406Bと天面部401Bと側面部402Bとで囲まれて形成された空気層部470が座屈することで衝撃が緩衝され、梱包箱400内の容器本体33に加えられる衝撃が抑えられる。
【0107】
また、梱包箱400が図23の落下角bの角度から落下した際には、下緩衝壁部406Cと下緩衝壁部406Cと容器本体33とで囲まれた空気層部471が形成されていることや、下緩衝壁部406Cと下緩衝壁部406Dとの交差部(角)が座屈することなどにより衝撃が緩衝され、梱包箱400内の容器本体33に加えられる衝撃が抑えられる。
【0108】
このように、梱包箱400の外部から輸送中に衝撃などが加えられても、トナー容器32までに達する衝撃は弱められるので、輸送途中でのトナー容器32の破損などを抑制することができる。
【0109】
図24は、本構成例のトナー容器32が梱包された梱包箱400を図10(c)のB3−B4切断線で切断した場合の断面図である。図25は、比較例として容器本体33が緩衝材481と緩衝材482とにより上下方向から挟まれて保持された梱包箱480を容器本体33の位置で容器本体軸方向に直交する方向で切断した場合の断面図である。
【0110】
本構成例の梱包箱400では、例えば図24に示すようにトナー容器32の荷重を下緩衝壁部406Cと下緩衝壁部406Dとの2面で受けて荷重が図中矢印で示したように分散されるため、図25に示すように梱包箱480内でトナー容器32に対して緩衝材481と緩衝材382とのうち緩衝材481の1面だけでトナー容器32の荷重を図中矢印で示すように受ける場合よりも、梱包箱400の外部から加えられトナー容器32まで達する衝撃を低減させることができる。
【0111】
<実験>
落下試験においてJIS Z 0202包装貨物−落下試験方法に基づき、RICOH製ProトナーC900を用いて落下実験を行なった。C900は製品総重量が3kgあり、段ボールはBF220/150で構成されている。1角3稜6面自由落下90cmで落下床はコンクリートで実施した。また、比較例として緩衝材でトナー容器32の容器本体33の後端とボトルキャップ34とを保持させて梱包箱内に収納した場合でも上述した落下実験と同条件で実施した。これら落下実験を実施した結果は、表1に示す通りとなった。
【0112】
【表1】

【0113】
本構成例の梱包箱400にトナー容器32を収納した場合には、容器本体33やボトルキャップ34などの部品の破損や、トナー容器32からのトナー漏れの発生が認められなかった。これに対して、比較例の梱包箱にトナー容器32を収納した場合には、トナー容器32からのトナー漏れの発生が認められた。
【0114】
[構成例2]
本構成例においては、緩衝材と梱包箱とが別体であり、トナー容器の容器本体を保持して伝わる衝撃を緩やかにする2つの緩衝材と、それら緩衝材を内包する梱包箱とからなり、3つのパーツで構成される。
【0115】
図26は本構成例に係る梱包箱500の外観図であり、図26(a)が梱包箱500の正面図、図26(b)が梱包箱500の側面図、図26(c)が梱包箱500の上面図を示している。
【0116】
また、図27は緩衝材600を内包しトナー容器32が梱包されていない梱包箱500を図26(c)のD1−D2切断線で切断した場合の断面図である。図28は緩衝材600を内包しトナー容器32が梱包されていない梱包箱500を図26(c)のD3−D4切断線で切断した場合の断面図である。図29(a)は緩衝材600を内包しトナー容器32が梱包されていない梱包箱500を図26(a)のE1−E2切断線で切断した場合の断面図である。図29(b)は緩衝材600を内包しトナー容器32が梱包されていない梱包箱500を図26(a)のF1−F2切断線で切断した場合の断面図である。なお、図29(a)中の二点鎖線は想像線である。
【0117】
図30に梱包箱500の展開図であり、図中の一点鎖線は折り目である折り罫部を示している。梱包箱500は、板状の所謂A式段ボールを折り曲げて形成される。この段ボールには折り曲げて梱包箱500にするときに、その4側面部分である側面部501、妻面部507、側面部502、妻面部508のうちの一方の対向する側面部分である側面部501と側面部502とのそれぞれに、梱包箱500の上開口部を閉じ天面となる外上フラップ503と外上フラップ504、及び、梱包箱500の下開口部を閉じ底面となる外下フラップ505と外下フラップ506とが形成されている。一方、他方の対向する側面部分である妻面部507と妻面部508とのうち、妻面部507には外上フラップ503及び外上フラップ504の内側に配置される内上フラップ510と、外下フラップ505及び外下フラップ506の内側に配置される内下フラップ511とが形成されている。そして、妻面部508には外上フラップ503及び外上フラップ504の内側に配置される内上フラップ512と、外下フラップ505及び外下フラップ506の内側に配置される内下フラップ513とが形成されている。
【0118】
側面部502の後端にはのりしろ509が設けられており、側面部501と妻面部507と側面部502と妻面部508とを順次内側方向に折り曲げて梱包箱500を組み立てる際に、側面部502の後端を妻面部507の先端に糊などの接着剤によって接着させて接続するためのものである。
【0119】
なお、梱包箱500の組み立ては、梱包箱500の上開口部から梱包箱500内にトナー容器32を設置できるように、内下フラップ511,513を内側に折り曲げた後、外下フラップ505と外下フラップ506とを内側に折り曲げて梱包箱500の下開口部を閉塞し梱包箱500の底を形成するが、外上フラップ503と外上フラップ504、及び、内上フラップ510と内上フラップ512は、折り曲げずに梱包箱500の上開口部を開口させた状態にしておく。そして、上開口部から梱包箱500内にトナー容器32を収納した後に、内上フラップ510と内上フラップ512とを内側に折り曲げ、その後、外上フラップ503と外上フラップ504とを内側に折り曲げて梱包箱500の上開口部を閉塞し梱包箱500に蓋をする。
【0120】
図31は緩衝材600の展開図であり、図中の一点鎖線は折り目である折り罫部を示している。
まず、折り罫部A’、折り罫部B’及び折り罫部C’が谷折りで折り罫部O’及び折り罫部P’が山折りとなるように、壁部601、壁部602及び壁部603を一体として手前側に折り曲げて立ち上げる。同様に、折り罫部D’、折り罫部E’及び折り罫部F’が谷折りで折り罫部Q’及び折り罫部R’が山折りとなるように、壁部604、壁部605及び壁部606を一体として手前側に折り曲げて立ち上げる。このように折ったときの緩衝材600の状態を図32に示す。
【0121】
次に、折り罫部G’、折り罫部K’、折り罫部M’、折り罫部H’が谷折りとなるように壁部609及び壁部611を折り曲げて、壁部611の切り込み600aを壁部601の嵌合部601aに嵌め込み、壁部611の切り込み600bを壁部604の嵌合部604bに嵌め込んで、図33に示す状態にする。なお、壁部609と壁部611とでなす角が45°となるように折るのが望ましい。同様に、折り罫部I’、折り罫部L’、折り罫部N’及び折り罫部J’が谷折りとなるように壁部608及び壁部610を折り曲げて、壁部610の切り込み600cを壁部601の嵌合部601cに嵌め込み、壁部610の切り込み600dを壁部604の嵌合部604dに嵌め込んで、図34に示す状態にする。なお、壁部608と壁部610とでなす角が45°となるように折るのが望ましい。
【0122】
このようにして組み立てた緩衝材600を図35に示すように梱包箱500の中に組み込み、壁部610の側面と壁部611の側面とにトナー容器32の容器本体33が載るように、梱包箱500内の緩衝材600上にトナー容器32をセットする。
【0123】
また、図35に示すように、トナー容器32の軸方向でボトルキャップ34と梱包箱500の内側面との間に、図36に示すパッド650を嵌め込み、梱包箱500内でのトナー容器32の軸方向への移動を規制する。図37はパッド650の展開図であり、図中の一点鎖線は折り目である折り罫部を示している。パッド650の組み立ては、空洞を有する角筒状部が両側に形成されるように、折り罫部Q’、折り罫部R’、折り罫部S’及び折り罫部T’を谷折りで側壁部652と側壁部653と側壁部654と側壁部655とを側壁部651側に折り曲げるとともに、折り罫部U’、折り罫部V’、折り罫部W’及び折り罫部X’を谷折りで側壁部656と側壁部657と側壁部658と側壁部659とを側壁部651側に折り曲げる。このように折り曲げた後、側壁部655の側面と側壁部659の側面とを糊などの接着剤により貼り合わせることで、パッド650の組み立てが完了する。
【0124】
そして、このように梱包箱500内の緩衝材600上にセットされたトナー容器32上に、もう一つの緩衝材600を載せて図38に示すようにトナー容器32を梱包箱500内で2つの緩衝材600によって上下方向から挟み込んだ状態にして、梱包箱500の内上フラップ510,512と外上フラップ503,504とを閉じることにより梱包が完了する。
【0125】
図39はトナー容器32が緩衝材600を介して梱包された梱包箱500を図26(c)のD1−D2切断線で切断した場合の断面図である。図40はトナー容器32が緩衝材600を介して梱包された梱包箱500を図26(c)のD3−D4切断線で切断した場合の断面図である。図1(a)はトナー容器32が緩衝材600を介して梱包された梱包箱500を図26(a)のE1−E2切断線で切断した場合の断面図である。図1(b)はトナー容器32が緩衝材600を介して梱包された梱包箱500を図26(a)のF1−F2切断線で切断した場合の断面図である。なお、図1(a)中の二点鎖線は想像線である。
【0126】
前述したようにしてトナー容器32を緩衝材600を介して梱包箱500内に梱包することで、図1(a)に示すようにトナー容器32のボトルキャップ34は緩衝材600に接することなく宙に浮いた状態となっており、図1(b)に示すように緩衝材600によって容器本体33のみが保持された状態でトナー容器32が梱包箱500内に収納される。また、ボトルキャップ34の最も突出している突出部であるホルダ34cと梱包箱500の内壁面との間には、梱包箱500を落下させて外部から衝撃を受けたとしても、ボトルキャップ34のホルダ34cが緩衝材600の壁部612を介して梱包箱500の内壁面に接しないような大きさの間隔があけられている。
【0127】
このようにして、トナー容器32が梱包箱500に梱包されることにより、ボトルキャップ34が緩衝材600に接することなく宙に浮いた状態となっているので、梱包箱500が外部から衝撃を受けたとしても、ボトルキャップ34には緩衝材600や梱包箱500から衝撃が直接伝わらない。これにより、ボトルキャップ34の軸線が容器本体33の軸線から傾くような力がボトルキャップ34にかかるのを抑制できる。そのため、ボトルキャップ34と容器本体33との間にあるシール部材がずれてボトルキャップ34と容器本体33との間に隙間が生じ、そこからトナーが漏れだしてしまうことを抑制することができる。
【0128】
<実験>
落下試験においてJIS Z 0202包装貨物−落下試験方法に基づき、本構成例の梱包箱500に緩衝材600を介してトナー容器32としてRICOH製ProトナーC900を収納し落下実験を行なった。C900は製品総重量が3kgあり、段ボールはBF220/150で構成されている。1角3稜6面自由落下90cmで落下床はコンクリートで実施した。実施した実験の結果、トナー容器32の容器本体33やボトルキャップ34などの部品の破損や、トナー容器32からのトナー漏れの発生が認められなかった。
【0129】
図41は、緩衝材600に代えて同一形状の4つの緩衝材660を内包し、トナー容器32の容器本体33が緩衝材660により上下方向から挟まれて保持された梱包箱500を、図26(a)のF1−F2切断線で切断した場合の断面図である。
【0130】
本構成例では、緩衝材600を梱包箱500内で上部と下部との2つに分けて配設しているが、図41に示すように梱包箱500とは別体の緩衝材660を、梱包箱500内の上右部と上左部と下右部と下左部との4つに分けて配設するような構成としても良い。そして、緩衝材660によってトナー容器32の容器本体33のみを保持しボトルキャップ34は緩衝材660に接することなく宙に浮いた状態でトナー容器32を梱包箱500内に収納することで、緩衝材600を用いた場合と同様な上述した種々の効果を得ることができる。
【0131】
[構成例3]
本構成例においては、梱包箱と緩衝材とが別体であり、2つの緩衝材と、それら緩衝材を内包する箱とからなり、3つのパーツで構成される他の例を説明する。なお、本構成例の梱包箱は構成例2で説明した梱包箱500と同様のものを用いるので、梱包箱500の組み立て方法などの説明は省略する。
【0132】
図42は本構成例に係る梱包箱500の外観図であり、図42(a)が梱包箱500の正面図、図42(b)が梱包箱500の側面図、図42(c)が梱包箱500の上面図を示している。
【0133】
また、図43は緩衝材700を内包しトナー容器32が梱包されていない梱包箱500を図42(c)のG1−G2切断線で切断した場合の断面図である。図44は緩衝材700を内包しトナー容器32が梱包されていない梱包箱500を図42(c)のG3−G4切断線で切断した場合の断面図である。図45(a)は緩衝材700を内包しトナー容器32が梱包されていない梱包箱500を図42(a)のH1−H2切断線で切断した場合の断面図である。図45(b)は緩衝材700を内包しトナー容器32が梱包されていない梱包箱500を図42(a)のI1−I2切断線で切断した場合の断面図である。
【0134】
図46は本構成例に係る緩衝材700の展開図であり、図中の一点鎖線は折り目である折り罫部を示している。
【0135】
まず、折り罫部A’’、折り罫部B’’及び折り罫部C’’が谷折りで折り罫部O’’及び折り罫部P’’が山折りとなるように、壁部701、壁部702及び壁部703を一体として手前側に折り曲げて立ち上げる。同様に、折り罫部D’’、折り罫部E’’及び折り罫部F’’が谷折りで折り罫部Q’’及び折り罫部R’’が山折りとなるように、壁部704、壁部705及び壁部706を一体として手前側に折り曲げて立ち上げる。このように折ったときの緩衝材700の状態を図47に示す。
【0136】
次に、折り罫部G’’、折り罫部K’’、折り罫部M’’、折り罫部H’’が谷折りとなるように壁部709及び壁部711を折り曲げて、壁部711の切り込み700aを壁部701の嵌合部701aに嵌め込み、壁部711の切り込み700bを壁部704の嵌合部704bに嵌め込んで、図48に示す状態にする。なお、壁部709と壁部711とでなす角が45°となるように折るのが望ましい。同様に、折り罫部I’’、折り罫部L’’、折り罫部N’’及び折り罫部J’’が谷折りとなるように壁部708及び壁部710を折り曲げて、壁部710の切り込み700cを壁部701の嵌合部701cに嵌め込み、壁部710の切り込み700dを壁部704の嵌合部704dに嵌め込んで、さらに、壁部710の差し込み部710aを壁部711の開口711aに差し込むことで、図49に示す状態にする。なお、壁部708と壁部710とでなす角が45°となるように折るのが望ましい。
【0137】
このようにして組み立てた緩衝材700を図50に示すように梱包箱500の中に組み込み、壁部710の側面と壁部711の側面とにトナー容器32の容器本体33が載るように、梱包箱500内の緩衝材700上にトナー容器32をセットする。また、この際、トナー容器32の容器本体後端部に設けられた把持部33dに図51に示す凹形状のパッド750を嵌め込み、図52に示すように梱包箱500内でのトナー容器32の軸方向への移動を規制する。
【0138】
図53はパッド750の展開図であり、図中の一点鎖線は折り目である折り罫部を示している。パッド750は各側壁部を重ね合わせて組み立てられる。すなわち、折り罫部R’’を谷折りで側壁部751と側壁部752とが重なり合うように折り曲げる。次に、折り罫部S’’を山折りで側壁部752と側壁部753とが重なり合うように折り曲げる。次に、折り罫部T’’を谷折りで側壁部753と側壁部754とが重なり合うように折り曲げる。次に、折り罫部U’’を山折りで側壁部754と側壁部755とが重なり合うように折り曲げる。最後に、折り罫部V’’で側壁部755と側壁部756とが重なり合うように折り曲げる。このように谷折りと山折りとを交互で繰り返し各側壁部が重なり合うように折り曲げることで、パッド750の組み立てが完了する。
【0139】
そして、このように梱包箱500内の緩衝材700上にセットされたトナー容器32上に、もう一つの緩衝材700を載せて図54に示すようにトナー容器32を梱包箱500内で2つの緩衝材700によって上下方向から挟み込んだ状態にして、梱包箱500の内上フラップ510,512及び外上フラップ503,504を閉じることにより梱包が完了する。
【0140】
図55はトナー容器32が緩衝材700を介して梱包された梱包箱500を図42(c)のG1−G2切断線で切断した場合の断面図である。図56はトナー容器32が緩衝材700を介して梱包された梱包箱500を図42(c)のG3−G4切断線で切断した場合の断面図である。図57(a)はトナー容器32が緩衝材700を介して梱包された梱包箱500を図42(a)のH1−H2切断線で切断した場合の断面図である。図57(b)はトナー容器32が緩衝材700を介して梱包された梱包箱500を図42(a)のI1−I2切断線で切断した場合の断面図である。なお、図57(a)中の二点鎖線は想像線である。
【0141】
前述したようにしてトナー容器32を緩衝材700を介して梱包箱500内に梱包することで、図57(a)に示すようにトナー容器32のボトルキャップ34は緩衝材700に接することなく宙に浮いた状態となっており、図57(b)に示すように緩衝材700によって容器本体33のみが保持された状態でトナー容器32が梱包箱500内に収納される。また、ボトルキャップ34の最も突出している突出部であるホルダ34cと梱包箱500の内壁面との間には、梱包箱500を落下させて外部から衝撃を受けたとしても、ボトルキャップ34のホルダ34cが緩衝材700の壁部712を介して梱包箱500の内壁面に接しないような大きさの間隔があけられている。
【0142】
ボトルキャップ34が緩衝材700に接することなく宙に浮いた状態となっているので、梱包箱500が外部から衝撃を受けたとしても、ボトルキャップ34には緩衝材700や梱包箱500から衝撃が直接伝わらない。これにより、ボトルキャップ34の軸線が容器本体33の軸線から傾くような力がボトルキャップ34にかかるのを抑制できる。そのため、容器本体33とボトルキャップ34との間にあるシール部材であるパッキン370がずれて容器本体33とボトルキャップ34との間に隙間が生じ、その隙間からトナーが漏れだしてしまうことを抑制することができる。
【0143】
[変形例]
図58は、変形例に係る緩衝材700の展開図である。図59(a)は、変形例に係る緩衝材700を介してトナー容器32が収納された梱包箱500を図42(a)のH1−H2切断線で切断した場合の断面図であり、図59(b)は、変形例に係る緩衝材700を介してトナー容器32が収納された梱包箱500を図42(a)のI1−I2切断線で切断した場合の断面図である。なお、図59(a)中の二点鎖線は想像線である。
【0144】
緩衝材700としては、図58に示すように壁部712の緩衝材長手方向端部中央に、折り罫部S’’で谷折りすることにより立ち上がる立ち上げ部712aを設けても良い。このように壁部712に立ち上げ部712aを設けることで、図59に示すように、フラップ710とフラップ711とを立ち上げ部712aの両端面に接触させて、フラップ710とフラップ711とがボトルキャップ34に近づく方向の移動を規制することができる。このように、立ち上げ部712aによってフラップ710とフラップ711との移動を規制することで、より確実にボトルキャップ34と緩衝材700とが接触しないようにすることができる。よって、緩衝材700からボトルキャップ34に衝撃が直接伝わるのをより確実に抑えられるとともに、緩衝材700のフラップ710,711とボトルキャップ34とが擦れ合ってフラップ710,711やボトルキャップ34が損傷するのを抑制することができる。
【0145】
<実験>
落下試験においてJIS Z 0202包装貨物−落下試験方法に基づき、本構成例の梱包箱500に緩衝材700を介してトナー容器32としてRICOH製ProトナーC900を収納し落下実験を行なった。C900は製品総重量が3kgあり、段ボールはBF220/150で構成されている。1角3稜6面自由落下90cmで落下床はコンクリートで実施した。実施した実験の結果、トナー容器32の容器本体33やボトルキャップ34などの部品の破損や、トナー容器32からのトナー漏れの発生が認められなかった。
【0146】
以上、本実施形態によれば、梱包部材である梱包箱400,500(以下、単に梱包箱という)において、被梱包部材であるトナー容器32の所定部であるボトルキャップ34と接触せず、トナー容器32の前記所定部とは異なる保持部である容器本体33を保持してトナー容器32に伝わる衝撃を緩衝する緩衝材(上緩衝壁部406A,406B、下緩衝壁部406C,406D、緩衝材600、及び、緩衝材700など)を有し、緩衝材を介して内部にトナー容器32が梱包されることで、ボトルキャップ34が緩衝材に接することなく梱包箱内で宙に浮いた状態となる。これにより、梱包箱が外部から衝撃を受けたとしてもボトルキャップ34に緩衝材や梱包箱から衝撃が直接伝わるのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、ボトルキャップ34の最も突出している突出部であるホルダ34cが梱包箱の壁面に接しないような間隔をホルダ34cと前記壁面との間に設けたことで、より確実にボトルキャップの軸線が容器本体の軸線から傾くような力がボトルキャップにかかるのを抑制できる。
また、本実施形態によれば、緩衝材は中空であり、容器本体33と梱包箱の壁との間に空間が形成されるように容器本体33が緩衝材に保持されることで、梱包箱に外部から衝撃などが加えられても、トナー容器32まで達する衝撃が弱められ、トナー容器32の破損などを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、緩衝材は、4つの板状部材で容器本体33を内包するような四角形を形成しており、前記4つの板状部材それぞれの隣接し合う板状部材の交わる稜線が、梱包箱の上下面及び両側面を形成する4つの壁面に接する。これにより、容器本体33は、前記稜線と容器本体33との間に形成される空間を介して宙に浮いたような状態となる。これにより、梱包箱の外部から衝撃などが加えられても、容器本体33までに達する衝撃は弱められ、トナー容器32の破損などを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、前記4つの板状部材それぞれの隣接し合う板状部材の交わる稜線が、梱包箱の上下面及び両側面を形成する4つの壁面の略中央部に位置させるのが望ましい。
また、本実施形態によれば、梱包箱の内部に緩衝材を介して円筒状の容器本体33とキャップ部材であるボトルキャップ34とからなる粉体収容容器であるトナー容器32を収納し梱包する梱包方法において、前記緩衝材により容器本体33を保持させ梱包箱内でボトルキャップ34を宙に浮かせた状態で梱包箱内にトナー容器32を収納することで、これにより、梱包箱が外部から衝撃を受けたとしても、ボトルキャップ34の軸線が容器本体33の軸線から傾くような力がボトルキャップ34にかかるのを抑制できる。よって、容器本体33とボトルキャップ34との間にあるパッキン370がずれて容器本体33とボトルキャップ34との間に隙間が生じ、その隙間から粉体であるトナーが漏れ出してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、前記被梱包部材が、前記保持部であって、収容物であるトナーを収容するトナー収容部及び収容物排出口である開口部Aを有する容器本体33と、前記所定部であって開口部Aを覆うように容器本体33に取り付けられるキャップ部材であるボトルキャップ34と、容器本体33とボトルキャップ34との間に介在するシール部材であるパッキン370とを有する収容容器であるトナー容器32であり、ボトルキャップ34と緩衝材とが接しないようにしつつ緩衝材によって容器本体33を保持する。これにより、トナー容器32は、緩衝材により容器本体33のみが保持されて、ボトルキャップ34が緩衝材に接することなく梱包箱内で宙に浮いた状態となるので、梱包箱が外部から衝撃を受けたとしても、ボトルキャップ34の軸線が容器本体33の軸線から傾くような力がボトルキャップ34にかかるのを抑制できる。よって、容器本体33とボトルキャップ34との間にあるパッキン370がずれて容器本体33とボトルキャップ34との間に隙間が生じ、その隙間から粉体であるトナーが漏れ出してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、梱包箱の内部に緩衝材を介して被梱包部材であるトナー容器32を収納し梱包する梱包方法において、緩衝材によりトナー容器32の保持部である容器本体33を保持させ、梱包箱内でトナー容器32の容器本体33とは異なる所定部であるボトルキャップ34を宙に浮かせた状態で梱包箱内にトナー容器32を収納することで、梱包箱が外部から衝撃を受けたとしてもボトルキャップ34に緩衝材や梱包箱から衝撃が直接伝わるのを抑制することができ、ボトルキャップ34の軸線が容器本体33の軸線から傾くような力がボトルキャップ34にかかるのを抑制できる。よって、容器本体33とボトルキャップ34との間にあるパッキン370がずれて容器本体33とボトルキャップ34との間に隙間が生じ、その隙間から粉体であるトナーが漏れ出してしまうことを抑制することができる。
【0147】
なお、本実施形態では被梱包部材として前述したようなトナー容器32を用いて説明したが、被梱包部材がトナー容器32以外の場合でも、緩衝材により被梱包部材の保持部のみが保持され、被梱包部材の高い形状精度が求められる箇所や電子部品などの精密部材が設置されている箇所などの所定部が緩衝材に接することなく梱包箱内で宙に浮いた状態で、緩衝材を介して被梱包部材が梱包箱内に梱包されることにより、前記所定部に衝撃が直接伝わらないので、形状が変形して高い形状精度が得られなくなったり、精密部材が正常に機能しなくなったりするのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0148】
1 感光体ドラム
2 クリーニング部
2a クリーニングブレード
4 帯電部
5 現像装置
6 作像部
7 露光装置
8 中間転写ベルト
9 一次転写バイアスローラ
10 中間転写クリーニング部
12 二次転写バックアップローラ
13 クリーニングバックアップローラ
14 テンションローラ
15 中間転写ユニット
19 二次転写ローラ
20 定着部
26 給紙部
27 給紙ローラ
28 レジストローラ対
29 排紙ローラ対
30 スタック部
31 トナー容器収容部
31c 位置決め部材
31d 嵌合部材
31g 駆動ギア
32 トナー容器
33 容器本体
33b 突起
33c ギア部
33d 把持部
33f 撹拌部材
34 ボトルキャップ
34b1 爪
34c ホルダ
34c1 滑動部
34c2 滑動部
34c10 ホルダ主部
34d 口栓部材
34e パッキン
34g 係合部
34h 切欠部
34l ホルダカバー
34m 凹部
34n 凸部
35 チップ
36 吸引口
43 トナー搬送パイプ
51 現像ローラ
52 ドクターブレード
53 現像剤収容部
54 現像剤収容部
55 搬送スクリュ
56 濃度検知センサ
59 トナー補給装置
60 スクリューポンプ
61 ロータ
62 ステータ
63 吸引口
64 ユニバーサルジョイント
66 モータ
67 送出口
70 ノズル
70a トナー補給口
71 チューブ
73 保持部
74 通信回路
76 爪部材
76a 回転支軸
77 板バネ
100 画像形成装置本体
110 本体カバー
340 圧縮スプリング
341 圧縮スプリング
342 リング
370 パッキン
401A 天面部
401B 天面部
402A 側面部
402B 側面部
403A 底面部
403B 底面部
404A 妻面部
404B 妻面部
405A 短手フラップ
405B 短手フラップ
405C 短手フラップ
405D 短手フラップ
406A 上緩衝壁部
406Aa 開口
406Ab 上緩衝壁支持部
406B 上緩衝壁部
406Ba 開口
406Bb 上緩衝壁支持部
406C 下緩衝壁部
406Ca 開口
406Cb 下緩衝壁支持部
406D 下緩衝壁部
406Da 開口
406Db 下緩衝壁支持部
409A 差し込み部
409B 差し込み部
409C 差し込み部
409D 差し込み部
410A 上フラップ
410B 上フラップ
410C 下フラップ
410D 下フラップ
411A 上フラップ
411B 上フラップ
411C 下フラップ
411D 下フラップ
470 空気層部
501 側面部
502 側面部
503 外上フラップ
504 外上フラップ
505 外下フラップ
506 外下フラップ
507 妻面部
508 妻面部
510 内上フラップ
511 内下フラップ
512 内上フラップ
513 内下フラップ
600 緩衝材
601 壁部
601a 嵌合部
601c 嵌合部
602 壁部
603 壁部
604 壁部
604b 嵌合部
604d 嵌合部
605 壁部
606 壁部
608 壁部
609 壁部
610 壁部
611 壁部
612 壁部
650 パッド
660 緩衝材
700 緩衝材
701 壁部
701a 嵌合部
701c 嵌合部
702 壁部
703 壁部
704 壁部
704b 嵌合部
704d 嵌合部
705 壁部
706 壁部
708 壁部
709 壁部
710 壁部
711 壁部
712 壁部
712a 立ち上げ部
750 パッド
【先行技術文献】
【特許文献】
【0149】
【特許文献1】特開2004−287404号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被梱包部材の所定部と接触せず、前記被梱包部材の前記所定部とは異なる保持部を保持して前記被梱包部材に伝わる衝撃を緩衝する緩衝材を有し、前記緩衝材を介して内部に前記被梱包部材が梱包されることを特徴とする梱包部材。
【請求項2】
請求項1の梱包部材において、
前記被梱包部材の所定部の最も突出している部分が梱包部材の壁面に接しないような間隔を前記突出している部分と前記壁面との間に設けたことを特徴とする梱包部材。
【請求項3】
請求項1または2の梱包部材において、
前記緩衝材は中空であり、
前記被梱包部材の保持部と梱包部材の壁との間に空間が形成されるように前記被梱包部材の保持部が前記緩衝材に保持されることを特徴とする梱包部材。
【請求項4】
請求項3の梱包部材において、
前記緩衝材は、4つの板状部材で前記被梱包部材の保持部を内包するような四角形を形成しており、前記4つの板状部材それぞれの隣接し合う板状部材の交わる稜線が、梱包部材の上下面及び両側面を形成する4つの壁面に接することを特徴とする梱包部材。
【請求項5】
請求項4の梱包部材において、
前記4つの板状部材それぞれの隣接し合う板状部材の交わる稜線が、梱包部材の上下面及び両側面を形成する4つの壁面の略中央部に位置することを特徴とする梱包部材。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5の梱包部材において、
前記被梱包部材は、前記保持部であって、収容物を収容する収容部及び収容物排出口を有する容器本体と、前記所定部であって前記収容物排出口を覆うように前記容器本体に取り付けられるキャップ部材と、前記容器本体と前記キャップ部との間に介在するシール部材とを有する収容容器であり、
前記キャップ部材と前記緩衝材とが接しないようにしつつ該緩衝材によって前記容器本体を保持することを特徴とする梱包部材。
【請求項7】
梱包部材の内部に緩衝材を介して被梱包部材を収納し梱包する梱包方法において、
前記緩衝材により前記被梱包部材の保持部を保持させ、前記梱包部材内で前記被梱包部材の前記保持部とは異なる所定部を宙に浮かせた状態で前記梱包部材内に前記被梱包部材を収納することを特徴とする梱包方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【公開番号】特開2012−121604(P2012−121604A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274396(P2010−274396)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】