説明

棒金ドロア装置、棒金管理方法および棒金管理プログラム

【課題】内部の収納庫の配置をユーザの側で容易に変更でき、収納庫の配置を変更しても棒金の金種および本数を検出することを可能とする棒金ドロア装置等を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る棒金ドロア装置1は、棒金を種類毎に収容可能な複数の収納庫11〜1N(Nは2以上の整数)と、この複数の収納庫を装着位置を容易に移動および交換可能であるように取り付け可能である棒金ドロアベース10とを備え、複数の収納庫の各々が、収納庫に収容された棒金の金額を検知するために必要な情報である検知対象情報を検出する棒金検知部21〜2Nと、収納庫が収容する金種に対応した情報である金種情報を記憶している情報保持部31〜3Nとを備え、読取部41〜4Nが検知対象情報および金種情報を読み取り、制御部50が検知対象情報と金種情報とに基づいて棒金の金額を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POS(Point Of Sale、販売時点情報管理)システムなどで棒金を収容する棒金ドロア装置に関し、特にそこに収容されている棒金の種類と金額の管理に関する。
【背景技術】
【0002】
ここでいう棒金とは、同一金種の硬貨を所定の枚数だけまとめて棒状に包装したものである。特に流通業、小売業などの業種で、釣り銭用などの用途でこのような棒金を多数準備する必要がある。棒金ドロア装置とは、POSシステムなどに含まれるオプション装置であり、このような棒金を収容する引き出し(ドロア)を備えた収納装置である。
【0003】
それらの業種における職務の性質上、取り扱う金額には間違いがあってはならない。また、棒金の盗難や紛失などの発生もすぐに把握されねばならない。従って、棒金ドロアに収容される棒金の種類および金額も、常に正確に把握され、厳正に管理されねばならない。また、釣り銭が不足しそうな場合などで、すぐに新しい棒金が補充されることが望ましい。
【0004】
棒金ドロア装置については、次のような従来技術がある。特許文献1には、棒金の外形寸法および重量などによって、収容されている棒金の金種および金額などを判定する棒金ドロア装置が記載されている。特許文献2には、棒金自体にRFタグを取り付け、そこに記録された情報によって収容されている棒金の金種および金額などを判定する棒金ドロア装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−219735号公報
【特許文献2】特開2008−210294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図5は、従来の棒金ドロア装置200の構成を示す説明図である。この図5に示されるように、従来の棒金ドロア装置200では、各々の金種ごとに対応する複数の収納庫201〜206がドロアの内部に配置されており、ユーザはそれらの収納庫に、金種ごとに棒金を収容している。棒金ドロア装置200内には、この配置に合わせて、収容されている棒金の金額を検出できるセンサが配置され、これによって棒金の金種および金額の管理が行われる。
【0007】
しかしながら、ドロア内の各収納庫201〜206に収納できる棒金の、金種ごとの数および配置は固定されており、ユーザ側での変更はできない。業種および時季などによって、取り扱う棒金の金種および金額には違いがあるので、ユーザの側でドロア内の収納庫の数および配置を変更したいという要望がある。それにはドロアの新規開発が必要であり、この新規開発には多大なコストを要するので、ドロア内の収納庫の数および配置の変更は容易なことではない。
【0008】
特許文献1の技術では、棒金の金種および金額などの判定は可能だが、ドロア内の収納庫の数および配置の変更については記載されていない。特許文献2の技術では、各々の棒金にRFタグを取り付ける手間が必要となり、またこれにもドロア内の収納庫の数および配置の変更については記載されていない。即ち、特許文献1および2のいずれにも、ユーザの側でドロア内の収納庫の数および配置を変更しても棒金の金種および金額を検出することを可能とする技術は記載されていない。
【0009】
本発明の目的は、内部の収納庫の配置および数をユーザの側で容易に変更でき、収納庫の配置および数を変更しても棒金の金種および金額を検出することを可能とする棒金ドロア装置、棒金管理方法および棒金管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る棒金ドロア装置は、棒金を種類毎に収容可能な複数の収納庫と、複数の収納庫を、装着位置を容易に移動および交換可能であるように取り付け可能である棒金ドロアベースとを備え、収納庫の各々に収容された棒金の金額を算出する制御部を設けると共に、複数の収納庫の各々が、収納庫に収容された棒金の本数を検知するために必要な情報である検知対象情報を検出する棒金検知部と、収納庫が収容する金種に対応した情報である金種情報を記憶している情報保持部とを備え、棒金ドロアベースが、複数の収納庫の各々に対応して、検知対象情報および金種情報を読み取って制御部に伝達する読取部を有し、制御部が、伝達された検知対象情報と金種情報とに基づいて棒金の金額を算出することを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る棒金管理方法は、複数の棒金を種類毎に収容可能な複数の収納庫と、複数の収納庫を装着位置を容易に移動および交換可能であるように取り付け可能である棒金ドロアベースを備える棒金ドロア装置にあって、棒金の金額を算出する棒金管理方法であって、収納庫に収容された棒金の本数を検知するために必要な情報である検知対象情報を複数の収納庫の各々が備える棒金検知部が検出すると共に収納庫が収容する金種に対応した情報である金種情報を複数の収納庫の各々が備える情報保持部が出力し、検出された検知対象情報と出力された金種情報とを読取部が読み取り、棒金ドロア装置の備える制御部が、検知対象情報と金種情報とに基づいて棒金の金額を算出することを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係る棒金管理プログラムは、複数の棒金を種類毎に収容可能な複数の収納庫と、複数の収納庫を装着位置を容易に移動および交換可能であるように取り付け可能である棒金ドロアベースを備える棒金ドロア装置にあって、収納庫に収容された棒金の本数を検知するために必要な情報である検知対象情報を複数の収納庫の各々が備える棒金検知部から受信すると共に収納庫が収容する金種に対応した情報である金種情報を複数の収納庫の各々が備える情報保持部から受信する手順と、 棒金ドロア装置の備える制御部が、検知対象情報と金種情報とに基づいて棒金の金額を算出する手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、上述したように棒金ドロアベース上に装着位置を移動および交換可能な複数の収納庫を備え、それら収納庫が棒金の金額の算出に必要な情報を検知し、かつ金種情報を保持するように構成したので、これらの情報を受けた制御部が棒金の金種および金額を算出できる。これによって収納庫の配置および数を変更しても棒金の金種および金額を検出することを可能とする棒金ドロア装置、棒金管理方法および棒金管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る棒金ドロア装置の構成を示す説明図である。
【図2】図1で示した棒金ドロアベースに各々の収納庫を取り付けた状態を示す説明図である。
【図3】図1〜2で示した棒金ドロアベースおよび収納庫のより詳細な構成を示す説明図である。
【図4】収納庫の取り付けられた棒金ドロアベースが棒金ドロア装置に取り付けられた際に、制御部が実行する処理について示すフローチャートである。
【図5】従来の棒金ドロア装置の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態の構成について添付図1〜3に基づいて説明する。
最初に、本実施形態の基本的な内容について説明し、その後でより具体的な内容について説明する。
本実施形態に係る棒金ドロア装置1は、棒金を種類毎に収容可能な複数の収納庫11〜1N(Nは自然数)と、複数の収納庫を、装着位置を容易に移動および交換可能であるように取り付け可能である棒金ドロアベース10とを備え、収納庫の各々に収容された棒金の金額を算出する制御部50を設けると共に、複数の収納庫の各々が、収納庫に収容された棒金の本数を検知するために必要な情報である検知対象情報を検出する棒金検知部21〜2Nと、収納庫が収容する金種に対応した情報である金種情報を記憶している情報保持部31〜3Nとを備え、棒金ドロアベースが、複数の収納庫の各々に対応して、検知対象情報および金種情報を読み取って制御部に伝達する読取部41〜4Nを有し、制御部が、伝達された検知対象情報と金種情報とに基づいて棒金の金額を算出する。
【0016】
そして読取部読取部41〜4Nは、検知対象情報と金種情報のうち少なくとも一方を無線通信手段によって受信して制御部50に伝達する。また、制御部50が、算出した棒金の本数を上位装置70に送信する。
【0017】
また、複数の収納庫11〜1Nは各々、統一された外形の寸法および形状を持つ。
【0018】
この構成を備えることにより、本実施形態は、収納庫の配置を変更しても棒金の金種および本数を検出することを可能となる。
以下、これをより詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る棒金ドロア装置1の構成を示す説明図である。棒金ドロア装置1は、複数の収納庫11〜1N(Nは2以上の整数)と、これらの収納庫11〜1Nを装着して開閉可能な棒金ドロアベース10とで主に構成される。図2は、図1で示した棒金ドロアベース10に各々の収納庫11〜1Nを取り付けた状態を示す説明図である。収納庫11〜1Nは、外形の寸法および形状が統一されているので、棒金ドロアベース10内部で装着位置を容易に移動および交換可能である。
【0020】
図3は、図1〜2で示した棒金ドロアベース10および収納庫11〜1Nのより詳細な構成を示す説明図である。収納庫11〜1Nは各々、各々の内部に収容された棒金の金額を検知するために必要な検知対象情報を検出する棒金検知部21〜2Nと、各々が収容する金種などについての情報である金種情報を記憶している情報保持部31〜3Nとを備える。そして棒金ドロアベース10には、各々の収納庫11〜1Nに対応して、棒金検知部21〜2Nおよび情報保持部31〜3Nから棒金の金種および金額(詳しくは後述)についての情報を受信する読取部41〜4Nを備える。
【0021】
ここでいう検知対象情報としては、任意の公知技術を適用できる。以後ここでは、棒金検知部21〜2Nが光センサであり、検知対象情報が棒金の包装に印刷されたバーコードであるものとして説明を続行する。収納庫11〜1Nは、棒金の金種ごとの形状に対応した収容部の形状を有するので、原則として異なる金種の棒金は正しく収容されない。
【0022】
これと同時に、棒金ドロア装置1は各々の棒金検知部21〜2Nおよび情報保持部31〜3Nから情報を読み取る読取部41〜4Nと、読取部41〜4Nを通して受信した情報について判断する演算装置である制御部50とを備える。制御部50には、不揮発性の記憶装置である記憶部60が付属し、さらに棒金ドロア装置1内に収納されている棒金の金種および金額を総合的に管理するコンピュータ装置である上位装置70との間で情報を送受信する。ここで、制御部50と上位装置70との間の通信は、取り扱う情報の性質上、SSLなどのようなセキュアな通信手段を適用することが望ましい。
【0023】
記憶部60には、棒金の種類に対応する検知基準情報、ここでは各々の棒金の印刷情報について記憶している検知基準情報61が記憶される。そして制御部50には、各々の収納庫11〜1Nに収容された棒金の金額を算出する判断部51と、検知基準情報61を読み出す検知基準情報読取部52とが含まれる。判断部51は、この検知基準情報61と、棒金検知部21〜2Nから受信した検知対象情報とに基づいて棒金の金額を判断する。
【0024】
たとえば情報保持部31〜3NをRFタグ、読取部41〜4Nをそれらからの電波を受信するアンテナとして、無線接続手段を介して情報保持部31〜3Nが金種情報を送信するようにしてもよい。また、情報保持部31〜3Nが棒金検知部21〜2Nから検知対象情報を取得して、金種情報と同時に読取部41〜4Nに対して送信するようにしてもよいし、棒金検知部21〜2Nが独自に読取部41〜4Nに対して検知対象情報を送信するようにしてもよい。さらに、検知対象情報と金種情報のうちの一方もしくは両方を無線ではなく有線接続手段で送信するようにしてもよい。
【0025】
図1〜3に示した例では、棒金ドロア装置1は6種類の棒金の各々に対応する収納庫11〜16を備える。収納庫11は1円収納庫であり、1円玉×50枚の棒金を収容可能である。収納庫11の備える情報保持部31は、自らのID(金種情報)=「001」を制御部50に伝達する。
【0026】
これと同様に、収納庫12は5円玉×50枚の棒金を収容可能な5円収納庫であり、ID=「005」を制御部50に伝達する。収納庫13は10円玉×50枚の棒金を収容可能な10円収納庫であり、ID=「010」を制御部50に伝達する。収納庫14は50円玉×50枚の棒金を収容可能な50円収納庫であり、ID=「050」を制御部50に伝達する。収納庫15は100円玉×50枚の棒金を収容可能な100円収納庫であり、ID=「100」を制御部50に伝達する。収納庫16は500円玉×50枚の棒金を収容可能な500円収納庫であり、ID=「500」を制御部50に伝達する。なお、情報保持部31が制御部50に伝達するIDは、この例の通りである必要はない。
【0027】
また、棒金ドロア装置1はこれらとは別に、棒金以外の物を収容する小物入れ17を備える。小物入れ17は、他の収納庫11〜16と統一された外形の寸法および形状を持ち、棒金ドロアベース10に装着可能であり、また棒金ドロアベース10内部で装着位置を移動および交換可能である。この小物入れ17は、棒金検知部を備えず、ただID=「null」を制御部50に伝達する情報保持部37を備えるのみである。検知基準情報記憶部52には、このID=「null」に対応する検知基準情報は存在しない。従って、制御部50は、その小物入れ17を管理対象とはしない。
【0028】
図4は、収納庫11〜1Nの取り付けられた棒金ドロアベース10が棒金ドロア装置1に取り付けられた際に、制御部50が実行する処理について示すフローチャートである。読取部41〜4Nを通じて棒金検知部21〜2Nおよび情報保持部31〜3Nからの情報を受信した判断部51は(ステップS101)、まず情報保持部31〜3Nから受信したIDを検出し、このIDに対応する検知基準情報61を記憶部60から読み出す(ステップS102)。ここで、ID=「null」である場合には、ステップS102でこのIDに対応する検知基準情報が読み出されないので、ステップS103以降の処理は行われない。
【0029】
続いて判断部51は、棒金検知部21〜2Nが検知した検知対象情報を読み取り、これと前ステップで読み出した検知基準情報60から、まず正しい棒金が収容されているか否かを検出する(ステップS103)。検知対象情報が棒金の包装に印刷されたバーコードである場合、棒金検知部21〜2Nは収容された内容物が正しいバーコードが印刷された棒金であるか否かを検知する。
【0030】
この収納庫11〜1Nに正しい棒金が収容されていない場合、判断部51はその場で警報を出す(ステップS104)ことができる。警報は、たとえば収納庫11〜1Nにランプが取り付けられている場合にそれを点灯させる、あるいはブザーやチャイムなどで注意音を出すなどのような方法をとることができる。また、判断部51はその旨を上位装置70に伝達する(ステップS105)。
【0031】
ステップS103で、正しい棒金が収容されている場合には、判断部51は検知対象情報から棒金の金額を算出し(ステップS106)、この金額を上位装置70に伝達する(ステップS107)。以上の図4で示した処理は、予め定められた時間間隔で定期的に行われるようにしてもよいし、また棒金ドロアベース10が棒金ドロア装置1に取り付けられたり、引き出されていた棒金ドロアベース10が閉じられたりなどのような動作に連動して行われるようにしてもよい。
【0032】
上位装置70は、判断部51から受信した棒金の金額をディスプレイに出力するなどして、この上位装置70のオペレータに通知する。また判断部51から警報を受信した場合、その旨をやはりディスプレイに出力するなどして、オペレータに通知する。
【0033】
ここで、棒金ドロアベース10内で収納庫11〜1Nの配置および数が変更されている場合も、ステップS101〜102で収納庫11〜1NのIDに対応する検知基準情報が読み出されるので、ステップS106で金種に対応する棒金の金額の検出が可能となる。また正しくない棒金が収容されていた場合も、ステップS103〜104でそのことを検出することが可能となる。
【0034】
(第1の実施形態の全体的な動作)
次に、上記の実施形態の全体的な動作について説明する。本実施形態に係る動作は、複数の棒金を種類毎に収容可能な複数の収納庫と、複数の収納庫を装着位置を容易に移動および交換可能であるように取り付け可能である棒金ドロアベースを備える棒金ドロア装置にあって、収納庫に収容された棒金の本数を検知するために必要な情報である検知対象情報を複数の収納庫の各々が備える棒金検知部が検出すると共に収納庫が収容する金種に対応した情報である金種情報を複数の収納庫の各々が備える情報保持部が出力し、検出された検知対象情報と出力された金種情報とを読取部が読み取り、棒金ドロア装置の備える制御部が、検知対象情報と金種情報とに基づいて棒金の金額を算出する(図4:ステップS101〜102、107)。
【0035】
ここで、上記各動作ステップについては、これをコンピュータで実行可能にプログラム化し、これらを前記各ステップを直接実行するコンピュータである制御部50に実行させるようにしてもよい。
この動作により、本実施形態は以下のような効果を奏する。
【0036】
全ての収納庫11〜1Nは外形寸法および形状を統一させ、棒金ドロアベース10に対し装着可能なものとした。このことにより、棒金ドロアベース10内で収納庫11〜1Nの配置を変更すれば、該ドロアベース内での金種ごとの配置を簡単に変更できる。
【0037】
そして、収納庫11〜1Nの各々が、棒金の金額の算出に必要な情報を検知する棒金検知部21〜2Nと、金種情報を保持する情報保持部31〜3Nとを持ち、制御部50がそれらの情報に基づいて棒金の金額を算出するようにした。このことにより、該ドロアベース内での収納庫11〜1Nの配置および数を変更しても、収容されている棒金の金種および金額を検出することが可能となり、これに基づいて棒金の管理を行うことが可能となる。検出された情報を、上位装置70に伝達してさらに細かい管理を行うことも可能である。
【0038】
(実施形態の拡張)
以上で述べた本発明の実施形態には、様々な拡張が考えられる。たとえば、棒金ドロアベース10内で収納庫11〜1Nの物理的な配置についての情報を制御部50で検出して、それについての情報を上位装置70に伝達し、上位装置70ではこれに基づいて収納庫11〜1Nの配置を図示するようにしてもよい。
【0039】
また、棒金以外の物を収容する小物入れ17には、棒金検知部を備えず、ただ情報保持部37がID=「null」を制御部50に伝達するようにするだけでなく、金額情報を手動で入力可能な入力装置を備えるようにして、そこで入力された金額を制御部50に伝達するようにしてもよい。
【0040】
これまで本発明について図面に示した特定の実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、棒金ドロア装置を含むPOS装置、現金管理装置などに適用できる。
【符号の説明】
【0042】
1 棒金ドロア装置
11、12、13、14、15、16 収納庫
17 小物入れ
21、22、23、24、25、26 棒金検知部
31、32、33、34、35、36、37 情報保持部
41、42、43、44、45、46、47 読取部
50 制御部
51 判断部
52 検知基準情報読出部
60 記憶部
61 検知基準情報
70 上位装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の棒金を収容可能である棒金ドロア装置であって、
前記棒金を種類毎に収容可能な複数の収納庫と、前記複数の収納庫を、装着位置を容易に移動および交換可能であるように取り付け可能である棒金ドロアベースとを備え、
前記収納庫の各々に収容された前記棒金の金額を算出する制御部を設けると共に、
前記複数の収納庫の各々が、前記収納庫に収容された棒金の本数を検知するために必要な情報である検知対象情報を検出する棒金検知部と、前記収納庫が収容する金種に対応した情報である金種情報を記憶している情報保持部とを備え、
前記棒金ドロアベースが、前記複数の収納庫の各々に対応して、前記検知対象情報および前記金種情報を読み取って前記制御部に伝達する読取部を有し、
前記制御部が、伝達された前記検知対象情報と前記金種情報とに基づいて前記棒金の金額を算出することを特徴とする棒金ドロア装置。
【請求項2】
前記読取部が、前記検知対象情報と前記金種情報のうち少なくとも一方を無線通信手段を介して受信して前記制御部に伝達することを特徴とする、請求項1に記載の棒金ドロア装置。
【請求項3】
前記制御部が、算出した前記棒金の金額を上位装置に送信することを特徴とする、請求項1に記載の棒金ドロア装置。
【請求項4】
前記複数の収納庫の各々が、統一された外形の寸法および形状を持つことを特徴とする、請求項1に記載の棒金ドロア装置。
【請求項5】
複数の棒金を種類毎に収容可能な複数の収納庫と、前記複数の収納庫を装着位置を容易に移動および交換可能であるように取り付け可能である棒金ドロアベースを備える棒金ドロア装置にあって、前記棒金の金額を算出する棒金管理方法であって、
前記収納庫に収容された棒金の本数を検知するために必要な情報である検知対象情報を前記複数の収納庫の各々が備える棒金検知部が検出すると共に前記収納庫が収容する金種に対応した情報である金種情報を前記複数の収納庫の各々が備える情報保持部が出力し、
検出された前記検知対象情報と出力された前記金種情報とを読取部が読み取り、
前記棒金ドロア装置の備える制御部が、前記検知対象情報と前記金種情報とに基づいて前記棒金の金額を算出することを特徴とする棒金管理方法。
【請求項6】
複数の棒金を種類毎に収容可能な複数の収納庫と、前記複数の収納庫を装着位置を容易に移動および交換可能であるように取り付け可能である棒金ドロアベースを備える棒金ドロア装置にあって、
前記収納庫に収容された棒金の本数を検知するために必要な情報である検知対象情報を前記複数の収納庫の各々が備える棒金検知部から受信すると共に前記収納庫が収容する金種に対応した情報である金種情報を前記複数の収納庫の各々が備える情報保持部から受信する手順と、
前記棒金ドロア装置の備える制御部が、前記検知対象情報と前記金種情報とに基づいて前記棒金の金額を算出する手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする棒金管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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