椅子式マッサージ機
【課題】 オットマンを元のスライド位置に戻さずに下方に回動させた場合には、オットマンのロックが自動的に解除されて初期位置に収納可能となる椅子式マッサージ機を、簡単且つ低コストな構造により提供する。
【解決手段】 座部2と、座部2前方にて上下に回動自在に連結される支持部19と、支持部19にスライド自在に連結支持されるオットマン6と、支持部19を介してオットマン6を上下に回動させるリフト機構と、オットマン6を任意のスライド量で支持部19にロックするロック機構とを具備する椅子式マッサージ機において、オットマン6の下方への回動に連動して上記ロック機構のロックを解除するロック解除機構を備える。
【解決手段】 座部2と、座部2前方にて上下に回動自在に連結される支持部19と、支持部19にスライド自在に連結支持されるオットマン6と、支持部19を介してオットマン6を上下に回動させるリフト機構と、オットマン6を任意のスライド量で支持部19にロックするロック機構とを具備する椅子式マッサージ機において、オットマン6の下方への回動に連動して上記ロック機構のロックを解除するロック解除機構を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オットマンを備えた椅子式マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から図14に模式的に示すように、座部80と、座部80前方にて上下に回動自在に連結される支持部81と、支持部81にスライド自在に連結支持されるオットマン82と、オットマン82を任意のスライド量で支持部81にロックするロック機構(図示せず)とを具備する椅子式マッサージ機が知られている(例えば特許文献1参照)。上記オットマン82にはエアバッグ等の施療手段が備えてあり、被施療者がオットマン82に保持させた脚部に対してマッサージを施すようになっている。
【0003】
図14(a)においてオットマン82は初期位置に収納されており、通常は図14(b)に示すように支持部81を介してオットマン82を上方に回動させてからロック機構を解除してオットマン82を前方にスライドさせ、任意のスライド位置にて再度ロック機構によりオットマン82をロックさせて使用する。ここで、この状態からオットマン82を下方に回動させるにあたって、使用者が上記ロックを解除してオットマン82を元のスライド位置に戻さなければ、図14(c)に示すようにオットマン82は回動途中で床面100と接触して停止し、図14(a)の初期位置に収納されないという問題がある。
【0004】
更に、この状態でオットマン82先端部に荷重Fを加えると、オットマン82の床面100との接地部分83を支点として椅子式マッサージ機全体が浮き上がってしまうといった問題がある。
【特許文献1】特開平11−169417号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、オットマンを元のスライド位置に戻さずに下方に回動させた場合には、オットマンのロックが自動的に解除されて初期位置に収納可能となる椅子式マッサージ機を、簡単且つ低コストな構造により提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明を、座部2と、座部2前方にて上下に回動自在に連結される支持部19と、支持部19にスライド自在に連結支持されるオットマン6と、支持部19を介してオットマン6を上下に回動させるリフト機構12と、オットマン6を任意のスライド量で支持部19にロックするロック機構30と、オットマン6の下方への回動に連動して上記ロック機構30のロックを解除するロック解除機構とを備えたことを特徴とした椅子式マッサージ機とする。
【0007】
上記構成の椅子式マッサージ機にあっては、ロック機構30によるオットマン6のロックが該オットマン6の下方への回動と連動して自動的に解除されるので、オットマン6を元のスライド位置に戻さずに下方に回動させて床面に接触した場合であっても該オットマン6を初期位置に収納可能となる。
【0008】
上記構成の椅子式マッサージ機にあっては、上記リフト機構12が、モータ28により進退駆動される駆動体32と、該駆動体32にスライド自在に連結し且つオットマン6と連結する連結体31とを備え、駆動体32の進退動作により連結体31を介してオットマン6を回動させるものであるとともに、上記ロック解除機構が、上記リフト機構12の連結体31と駆動体32との離間動作に連動して引張り操作されるワイヤ45と、ワイヤ45の引張り操作によりロック機構30のロックを解除する機構とを備えるものであることが好適である。
【0009】
このような椅子式マッサージ機にあっては、オットマン6が床面に接触した後はリフト機構28に備えてあるモータ28を駆動源として連結体31と駆動体32との離間動作がなされることとなり、この離間動作を用いたワイヤ45操作によりロック機構30のロックを解除することができる。つまり、上記の簡単且つ低コストな構造であるにも関わらず、ワイヤ45操作はリフト機構12のモータ28を利用した強力ものとなって、解除作業が確実に行われるものである。
【0010】
また上記リフト機構12が、モータ28により進退駆動される駆動体32と、該駆動体32にスライド自在に連結し且つオットマン6と連結する連結体31とを備え、駆動体32の進退動作により連結体31を介してオットマン6を回動させるものであるとともに、上記ロック解除機構が、上記リフト機構12の連結体31と駆動体32との離間動作を検知するセンサ50と、該センサ50の検知信号に基づいてロック機構30のロックを解除する機構とを備えるものであることも好適である。
【0011】
このような椅子式マッサージ機にあっては、オットマン6が床面に接触した後はリフト機構28に備えてあるモータ28を駆動源として連結体31と駆動体32との離間動作がなされることとなり、この離間動作をセンサ50で検知してロック機構30のロックを素早く解除することができる。
【0012】
また上記ロック解除機構が、オットマン6外底面の床面100と接触する部分から突設される突起部材60と、上記突起部材60の押込みと連動して引張り操作されるワイヤ45と、ワイヤ45の引張り操作によりロック機構30のロックを解除する機構とを備えるものであることも好適である。
【0013】
このような椅子式マッサージ機にあっては、オットマン6に備えてある突起部材60が床面に接触した後は該突起部材60がオットマン6や支持部19の重みで押込まれることとなり、この押込み動作を用いたワイヤ45操作によりロック機構30のロックを解除することができる。つまり、上記の簡単且つ低コストな構造であるにも関わらず、ワイヤ45操作はオットマン6や支持部19の重みを利用した強力なものとなって、解除作業が確実に行われるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の椅子式マッサージ機は、オットマンを元のスライド位置に戻さずに下方に回動させた場合には、オットマンのロックが自動的に解除されて初期位置に収納可能となる椅子式マッサージ機を、簡単且つ低コストな構造により提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。図1には、本発明の実施形態における一例の椅子式マッサージ機全体を示している。本例の椅子式マッサージ機は、被施療者が着座するための座部2と、座部2に着座状態にある被施療者が背中を凭れ掛けるための背凭れ部3と、座部2に着座状態にある被施療者が腕を置くために座部2の左右両側に設けた肘置き部4と、上記各部2〜4を支持する支持脚部5とで主体を成すマッサージ機本体1に、座部2に着座状態にある被施療者が脚部の膝下部分を保持させるためのオットマン6を、上下に回動自在に且つスライド自在に連結させたものである。なお、本文中に用いる上下、左右、前後等の各方向は、座部2に着座状態にある被施療者側から見た方向を基準とする。
【0016】
上記オットマン6には、被施療者の脚部の膝下部分全体が嵌まり込む左右一対の凹溝部9を形成している。図2に示すように該凹溝部9の内側壁には、被施療者の脹脛部分用のマッサージ手段であるエアバッグ7が配してあり、凹溝部9の先端側の内側壁には、被施療者の足裏及び足先、足首部分のマッサージ手段であるエアバッグ8が配してある。
【0017】
上記オットマン6は図5に示すような支持部19を介することで、マッサージ機本体1に対して上下方向に回動自在に、且つ座部2とは近接離間する所定のスライド方向に向けてスライド自在に連結される構造になっている。この支持部19は、座部2の前方位置においてマッサージ機本体1に上下方向に回動自在に連結されるとともに、オットマン6を所定のスライド方向に進退自在に連結支持するものである。
【0018】
上記支持部19は、左右方向に伸びるパイプ20と、パイプ20の左右両端に固定されて支持軸受21を有する一対の支持板22と、パイプ20の左右両側からスライド方向に伸びるように延設される一対のサイドパイプ23と、左右両側のサイドパイプ23間に架け渡すように固定される一対の連結板24とで主体を成すものである。
【0019】
また、図2等に示すように上記オットマン6は、底部の外形部分を保持するベースパイプ10と、ベースパイプ10に連結されて各凹溝部9先端の足裏が当る部分を保持する足裏保持部材13と、ベースパイプ10及び足裏保持部材13と連結して両凹溝部9間の側壁部分を保持する補強パイプ11とで全体の枠組を形成し、この枠組上にカバー14を被せることで主体を成している。
【0020】
オットマン6の左右方向の中央部分には、スライド方向に伸びるスライド部材15を固定している。上記スライド部材15は、支持部19側の連結板24上に固定されるスライド支持部材26と、図3(b)や図4(b)に示すようにスライド自在に嵌合することでスライド機構を形成するものである。
【0021】
更に、オットマン6のベースパイプ10の左右両端部には断面コ字状を成す一対の傾倒防止部材18を、支持部19側のサイドパイプ23を囲むように固定させてある。これにより、オットマン6が支持部19に対して左右方向に傾倒することを防止している。
【0022】
また、支持部19とオットマン6との間には、座部2側に近接するスライド方向に向けてオットマン6を付勢するための付勢手段として、左右一対のコイル状の引張ばね33を介在させている。
【0023】
上記支持部19は、その基端側のパイプ20に配してある一対の支持軸受21を、マッサージ機本体1の座部2の前方位置に設けてある左右方向に伸びる支持軸(図示せず)と回動自在に嵌合させてある。これにより支持部19及びこれに支持されるオットマン6は、先端側を下げて座部2の座面と略直行するような垂直姿勢と、先端側を持ち上げて座部2の座面と略平行になるような水平姿勢との間で、上記支持軸を中心として上下方向に回動自在に連結されるものである。
【0024】
支持部19を上下に回動させてオットマン6の姿勢を制御するリフト機構12は、支持部19とマッサージ機本体1との間に配される伸縮自在な支持手段である(図6参照)。詳しい構造については後述する。
【0025】
そして本例のオットマン6には、上記スライド部材15と平行に即ちスライド方向に伸び、且つ多数の係止溝16をスライド方向に沿って列設して成るラック状の固定部材17を固定しており、支持部19側の連結板24上に回動自在に設置されるストッパ29を任意の係止溝16に嵌合自在となるように設けることで、オットマン6を任意のスライド量で支持部19にロックするロック機構30の主体を成している。
【0026】
図5に示すように上記ストッパ29は、連結板24上において軸40中心に回動自在に設置してあり、軸40を挟む一端側に付勢ばね41を接続させるとともに、軸40を挟む他端側には平板状の係止片42と引張り片43を突設している。上記係止片42は、固定部材17の係止溝16内に側方から嵌入される部分であり、引張りばねである付勢ばね41の付勢力によって、該係止片42が係止溝16内に嵌入する方向に付勢されるものである。
【0027】
上記係止片42と隣接して位置する引張り片43には、ストッパ29を上記嵌入方向と逆方向に引張る一対のワイヤ44,45の各インナーケーブル44a,45aを接続させてある。一方のワイヤ44は、マッサージ機本体1の座部2と肘置き部4との間に配してある調整レバー25の後方への引張り操作によってそのインナーケーブル44aが引張られるように設けている。そして他方のワイヤ45は、その先端がマッサージ機本体1と支持部19との間に配される上記リフト機構12内にまで引き伸ばされて連結される構造である。ここでの連結部分についても後述する。
【0028】
以下、本例の椅子式マッサージ機において、オットマン6を元のスライド位置に戻さずに下方に回動させた場合に、ロック機構30によるオットマン6のロックを自動的に解除させるための構造について詳述する。
【0029】
図6〜図9には本例のリフト機構12を示している。上記リフト機構12は、座部2下方にてマッサージ機本体1に一端側が上下に回動自在に連結されるウォーム軸27と、ウォーム軸27に噛合うモータ28と、モータ28に固定されるとともに該モータ28と一体となってウォーム軸27に沿って進退駆動される柱状の駆動体32と、駆動体32に対して軸方向にスライド自在に被嵌される筒状の連結体31とで主体を形成している。
【0030】
上記連結体31は、支持部19に対して上下に回動自在に連結される連結部31aと、駆動体32と当接して該駆動体32と一体に連結体31を駆動させる当接部31bとを有している。したがって、モータ28を回転させて駆動体32が延伸方向(図7〜図9中の左方向)に移動すると連結体31もこれに押されて一体に延伸方向に移動し、連結体31に連結される支持部19やこれに支持されるオットマン6を上方に回動させるものである。またモータ28を逆方向に回転させて駆動体32が収縮方向(図7〜図9中の右方向)に移動すると、オットマン6や支持部19の重みを受ける連結体31も駆動体32に追従して収縮方向に移動し、連結体31に連結される支持部19やこれに支持されるオットマン6を下方に回動させるものである。
【0031】
上述の如く、通常の動作においては連結体31は駆動体32と一体に進退駆動されるのであるが、オットマン6を元のスライド位置に戻さずに下方に回動させた場合には、図14(c)にて示したようにオットマン6先端の外底面が床面100と接触し、オットマン6や支持部19、並びに該支持部19と連結する連結体31は途中で移動を停止させる。これに対して駆動体32は連結体31とスライド自在に連結されているので、図7(c)や図8(c)に示すようにモータ28の回転駆動力により該モータ28と一体に収縮方向への移動を続ける。
【0032】
即ち、オットマン6が床面100と接触した後は、連結体31と駆動体32とを離間させようとする駆動力がモータ28を駆動源として生じるものであり、本例のロック解除機構はこのモータ28を駆動源とする上記連結体31と駆動体32の離間動作に連動させて、リフト機構12内にまで導入された上記ワイヤ45のインナーケーブル45aを引張り操作するものである。
【0033】
具体的には図9に示すように、リフト機構12内にまで導入されたワイヤ45先端のアウター部45bを連結体31側に固定するとともに、アウター部45b先端から突出するインナーケーブル45aを駆動体32側に固定する構造とする。上記構造により、オットマン6が床面100と接触した後はワイヤ45のインナーケーブル45aがモータ28の駆動力により引っ張られ、これにより図10に示すように、固定部材17の係止溝16に嵌入させてあるストッパ29は軸40中心に回動し、係止片42の係止溝16との係合状態を解除するものである。
【0034】
また、調整レバー25を引くことによっても上記ワイヤ45とは別のワイヤ44が同様にストッパ29を軸40中心に回動させて係合状態を解除することは勿論である。
【0035】
しかして、本例の椅子式マッサージ機にあっては、オットマン6を座部2から離れる方向にスライドさせたままリフト機構12により該オットマン6を下方に回動させ、オットマン6が回動途中で床面100と接触した場合には、リフト機構12内の連結体31と駆動体32との離間動作に連動してワイヤ45のインナーケーブル45aが引張り操作される。このワイヤ45操作によりロック機構30のロックが解除されるので、そのままオットマン6を初期位置にまで収納することが可能である。
【0036】
そして、上記の簡単且つ低コストな構造であるにも関わらず、ワイヤ45のインナーケーブル45aを引く力はリフト機構12のモータ28を利用したものとなるので、解除作業を確実に行うことが可能である。
【0037】
次に、本発明の実施形態における他例の椅子式マッサージ機について図11、図12に基づいて説明する。なお、本例の構成のうち一例と同様の構成については詳しい説明を省略し、一例とは相違する特徴的な構成についてのみ異符号を付して以下に詳述する。
【0038】
本例のロック解除機構は、リフト機構12における連結体31と駆動体32との離間動作を利用してロックを解除するものである点では一例と一致するが、ワイヤ45を用いるのではなく上記離間動作を検知するセンサ50を用い、このセンサ50からの信号に基づいて電気エネルギにより動作するソレノイド51によってロック機構30のロックを解除させるものである点で、一例と相違している。
【0039】
即ち、本例にあってはリフト機構12における連結体31と駆動体32との接触部分に圧力センサであるセンサ50を配しており、該センサ50で検知される圧力がゼロとなった時点で上記離間動作が検知されるものである。上記センサ50は図示例では駆動体32側に配しているが、連結体31側に配してあっても構わない。
【0040】
図12に示す如く本例のロック機構を成すストッパ29近傍に上記ソレノイド51を配してあり、このソレノイド51のプランジャ52先端をストッパ29の引張り片43に係合させてある。上記ソレノイド51は、センサ50からの電気信号に基づいてプランジャ52を引込み動作させるものである。
【0041】
しかして、本例の椅子式マッサージ機にあっては、オットマン6を座部2から離れる方向にスライドさせたままリフト機構12により該オットマン6を下方に回動させ、その回動途中で床面100と接触した場合には、リフト機構12内の連結体31と駆動体32との離間動作をセンサ50が検知してソレノイド51にまで電気信号を送る。電気信号を受けたソレノイド51はプランジャ52を引込み動作させ、この引込み動作によりストッパ29が軸40中心に回転してロック機構30のロックを解除させるので、そのままオットマン6を初期位置にまで収納することが可能となる。
【0042】
このように本例にあってはソレノイド51が電気信号により作動するので、回動途中のオットマン6が床面100と接触した後に素早くロック解除が行われるという利点がある。
【0043】
なお、上記センサ50は圧力センサに限定されず、連結体31と駆動体32との離間動作を検知するものであればよいので、リミットスイッチ等を用いた他のセンサであっても構わない。またロック機構30のロックを解除する機構も上記ソレノイド51に限定されず、電気エネルギを機械的運動に変換して作動するものであれば他の構成であっても構わない。
【0044】
次に、本発明の実施形態における他例の椅子式マッサージ機について図13に基づいて説明する。なお、本例の構成のうち一例と同様の構成については詳しい説明を省略し、一例とは相違する特徴的な構成についてのみ異符号を付して以下に詳述する。
【0045】
本例のロック解除機構にあっては、オットマン6外底面の床面100と接触する部分から押込み自在に突設される突起部材60と、上記突起部材60の押込み動作と連動してワイヤ45を引張り操作する変換機構61とを備えている。
【0046】
ここで、ワイヤ45の先端はオットマン6内の上記突起部材60近傍にまで導入されており、該ワイヤ45のアウター部45b先端はオットマン6内に固定されている。そして上記変換機構61は、ワイヤ45先端から突出するインナーケーブル45aと突起部材60とを軸62中心に回動自在に連結させる回転板63から成り、回転板63が回動することで突起部材60の押込み力がワイヤ45の引張り力に変換される構造になっている。
【0047】
しかして、本例の椅子式マッサージ機にあっては、オットマン6を座部2から離れる方向にスライドさせたままリフト機構12により該オットマン6を下方に回動させた場合には、その回動途中で突起部材60が床面100と接触する。上記接触後には、突起部材60はオットマン6や支持部19の重みを受けてオットマン6内に押込まれ、この押込み動作と連動して回転板63が回動するとともにワイヤ45のインナーケーブル45aが引張り操作される。このワイヤ45操作によりロック機構30のロックが解除されることは一例と同様であり、オットマン6をそのまま初期位置にまで収納することが可能となる。
【0048】
即ち、本例にあってはワイヤ45のインナーケーブル45aを引く力として、オットマン6や支持部19の重みが利用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態における一例の椅子式マッサージ機の全体斜視図である。
【図2】同上の椅子式マッサージ機のオットマンのカバーを半部側だけ装着した状態を示す斜視図である。
【図3】同上の椅子式マッサージ機のオットマンのスライド収納状態を示しており、(a)は正面図、(b)は斜視図である。
【図4】同上の椅子式マッサージ機のオットマンのスライド状態を示しており、(a)は正面図、(b)は斜視図である。
【図5】同上の椅子式マッサージ機の支持部を示す斜視図である。
【図6】同上の椅子式マッサージのリフト機構の説明図であり、(a)、(b)はオットマン収納時、(c)、(d)はオットマン上昇時を示している。
【図7】同上の椅子式マッサージ機のリフト機構の説明図であり、(a)はオットマン収納時、(b)はオットマン上昇時、(c)はオットマンの床面接触後の状態を示している。
【図8】同上の椅子式マッサージ機のリフト機構の説明図であり、(a)はオットマン収納時、(b)はオットマン上昇時、(c)はオットマンの床面接触後の状態を模式的に示している。
【図9】同上の椅子式マッサージ機のワイヤを引張り操作する機構の説明図であり、(a)は通常時の状態、(b)はオットマンの床面接触後の状態を模式的に示している。
【図10】同上の椅子式マッサージ機のワイヤ操作されるロック機構の説明図であり、(a)は通常時の状態、(b)はオットマンの床面接触後の状態を模式的に示している。
【図11】本発明の実施形態における他例の椅子式マッサージ機に配置されるセンサの説明図であり、(a)は通常時の状態、(b)はオットマンの床面接触後の状態を模式的に示している。
【図12】同上の椅子式マッサージ機のセンサ信号により操作されるロック機構の説明図であり、(a)は通常時の状態、(b)はオットマンの床面接触後の状態を模式的に示している。
【図13】本発明の実施形態における他例の椅子式マッサージ機の主要部説明図であり、(a)はオットマンの床面接触時点の状態、(b)オットマンの床面接触後の状態を模式的に示している。
【図14】従来の椅子式マッサージ機の説明図であり、(a)はオットマンの初期状態、(b)はオットマンの使用状態、(c)はオットマンの床面接触状態を示している。
【符号の説明】
【0050】
2 座部
6 オットマン
19 支持部
28 モータ
30 ロック機構
31 連結体
32 駆動体
45 ワイヤ
50 センサ
60 突起部材
61 変換機構
100 床面
【技術分野】
【0001】
本発明は、オットマンを備えた椅子式マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から図14に模式的に示すように、座部80と、座部80前方にて上下に回動自在に連結される支持部81と、支持部81にスライド自在に連結支持されるオットマン82と、オットマン82を任意のスライド量で支持部81にロックするロック機構(図示せず)とを具備する椅子式マッサージ機が知られている(例えば特許文献1参照)。上記オットマン82にはエアバッグ等の施療手段が備えてあり、被施療者がオットマン82に保持させた脚部に対してマッサージを施すようになっている。
【0003】
図14(a)においてオットマン82は初期位置に収納されており、通常は図14(b)に示すように支持部81を介してオットマン82を上方に回動させてからロック機構を解除してオットマン82を前方にスライドさせ、任意のスライド位置にて再度ロック機構によりオットマン82をロックさせて使用する。ここで、この状態からオットマン82を下方に回動させるにあたって、使用者が上記ロックを解除してオットマン82を元のスライド位置に戻さなければ、図14(c)に示すようにオットマン82は回動途中で床面100と接触して停止し、図14(a)の初期位置に収納されないという問題がある。
【0004】
更に、この状態でオットマン82先端部に荷重Fを加えると、オットマン82の床面100との接地部分83を支点として椅子式マッサージ機全体が浮き上がってしまうといった問題がある。
【特許文献1】特開平11−169417号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、オットマンを元のスライド位置に戻さずに下方に回動させた場合には、オットマンのロックが自動的に解除されて初期位置に収納可能となる椅子式マッサージ機を、簡単且つ低コストな構造により提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明を、座部2と、座部2前方にて上下に回動自在に連結される支持部19と、支持部19にスライド自在に連結支持されるオットマン6と、支持部19を介してオットマン6を上下に回動させるリフト機構12と、オットマン6を任意のスライド量で支持部19にロックするロック機構30と、オットマン6の下方への回動に連動して上記ロック機構30のロックを解除するロック解除機構とを備えたことを特徴とした椅子式マッサージ機とする。
【0007】
上記構成の椅子式マッサージ機にあっては、ロック機構30によるオットマン6のロックが該オットマン6の下方への回動と連動して自動的に解除されるので、オットマン6を元のスライド位置に戻さずに下方に回動させて床面に接触した場合であっても該オットマン6を初期位置に収納可能となる。
【0008】
上記構成の椅子式マッサージ機にあっては、上記リフト機構12が、モータ28により進退駆動される駆動体32と、該駆動体32にスライド自在に連結し且つオットマン6と連結する連結体31とを備え、駆動体32の進退動作により連結体31を介してオットマン6を回動させるものであるとともに、上記ロック解除機構が、上記リフト機構12の連結体31と駆動体32との離間動作に連動して引張り操作されるワイヤ45と、ワイヤ45の引張り操作によりロック機構30のロックを解除する機構とを備えるものであることが好適である。
【0009】
このような椅子式マッサージ機にあっては、オットマン6が床面に接触した後はリフト機構28に備えてあるモータ28を駆動源として連結体31と駆動体32との離間動作がなされることとなり、この離間動作を用いたワイヤ45操作によりロック機構30のロックを解除することができる。つまり、上記の簡単且つ低コストな構造であるにも関わらず、ワイヤ45操作はリフト機構12のモータ28を利用した強力ものとなって、解除作業が確実に行われるものである。
【0010】
また上記リフト機構12が、モータ28により進退駆動される駆動体32と、該駆動体32にスライド自在に連結し且つオットマン6と連結する連結体31とを備え、駆動体32の進退動作により連結体31を介してオットマン6を回動させるものであるとともに、上記ロック解除機構が、上記リフト機構12の連結体31と駆動体32との離間動作を検知するセンサ50と、該センサ50の検知信号に基づいてロック機構30のロックを解除する機構とを備えるものであることも好適である。
【0011】
このような椅子式マッサージ機にあっては、オットマン6が床面に接触した後はリフト機構28に備えてあるモータ28を駆動源として連結体31と駆動体32との離間動作がなされることとなり、この離間動作をセンサ50で検知してロック機構30のロックを素早く解除することができる。
【0012】
また上記ロック解除機構が、オットマン6外底面の床面100と接触する部分から突設される突起部材60と、上記突起部材60の押込みと連動して引張り操作されるワイヤ45と、ワイヤ45の引張り操作によりロック機構30のロックを解除する機構とを備えるものであることも好適である。
【0013】
このような椅子式マッサージ機にあっては、オットマン6に備えてある突起部材60が床面に接触した後は該突起部材60がオットマン6や支持部19の重みで押込まれることとなり、この押込み動作を用いたワイヤ45操作によりロック機構30のロックを解除することができる。つまり、上記の簡単且つ低コストな構造であるにも関わらず、ワイヤ45操作はオットマン6や支持部19の重みを利用した強力なものとなって、解除作業が確実に行われるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の椅子式マッサージ機は、オットマンを元のスライド位置に戻さずに下方に回動させた場合には、オットマンのロックが自動的に解除されて初期位置に収納可能となる椅子式マッサージ機を、簡単且つ低コストな構造により提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。図1には、本発明の実施形態における一例の椅子式マッサージ機全体を示している。本例の椅子式マッサージ機は、被施療者が着座するための座部2と、座部2に着座状態にある被施療者が背中を凭れ掛けるための背凭れ部3と、座部2に着座状態にある被施療者が腕を置くために座部2の左右両側に設けた肘置き部4と、上記各部2〜4を支持する支持脚部5とで主体を成すマッサージ機本体1に、座部2に着座状態にある被施療者が脚部の膝下部分を保持させるためのオットマン6を、上下に回動自在に且つスライド自在に連結させたものである。なお、本文中に用いる上下、左右、前後等の各方向は、座部2に着座状態にある被施療者側から見た方向を基準とする。
【0016】
上記オットマン6には、被施療者の脚部の膝下部分全体が嵌まり込む左右一対の凹溝部9を形成している。図2に示すように該凹溝部9の内側壁には、被施療者の脹脛部分用のマッサージ手段であるエアバッグ7が配してあり、凹溝部9の先端側の内側壁には、被施療者の足裏及び足先、足首部分のマッサージ手段であるエアバッグ8が配してある。
【0017】
上記オットマン6は図5に示すような支持部19を介することで、マッサージ機本体1に対して上下方向に回動自在に、且つ座部2とは近接離間する所定のスライド方向に向けてスライド自在に連結される構造になっている。この支持部19は、座部2の前方位置においてマッサージ機本体1に上下方向に回動自在に連結されるとともに、オットマン6を所定のスライド方向に進退自在に連結支持するものである。
【0018】
上記支持部19は、左右方向に伸びるパイプ20と、パイプ20の左右両端に固定されて支持軸受21を有する一対の支持板22と、パイプ20の左右両側からスライド方向に伸びるように延設される一対のサイドパイプ23と、左右両側のサイドパイプ23間に架け渡すように固定される一対の連結板24とで主体を成すものである。
【0019】
また、図2等に示すように上記オットマン6は、底部の外形部分を保持するベースパイプ10と、ベースパイプ10に連結されて各凹溝部9先端の足裏が当る部分を保持する足裏保持部材13と、ベースパイプ10及び足裏保持部材13と連結して両凹溝部9間の側壁部分を保持する補強パイプ11とで全体の枠組を形成し、この枠組上にカバー14を被せることで主体を成している。
【0020】
オットマン6の左右方向の中央部分には、スライド方向に伸びるスライド部材15を固定している。上記スライド部材15は、支持部19側の連結板24上に固定されるスライド支持部材26と、図3(b)や図4(b)に示すようにスライド自在に嵌合することでスライド機構を形成するものである。
【0021】
更に、オットマン6のベースパイプ10の左右両端部には断面コ字状を成す一対の傾倒防止部材18を、支持部19側のサイドパイプ23を囲むように固定させてある。これにより、オットマン6が支持部19に対して左右方向に傾倒することを防止している。
【0022】
また、支持部19とオットマン6との間には、座部2側に近接するスライド方向に向けてオットマン6を付勢するための付勢手段として、左右一対のコイル状の引張ばね33を介在させている。
【0023】
上記支持部19は、その基端側のパイプ20に配してある一対の支持軸受21を、マッサージ機本体1の座部2の前方位置に設けてある左右方向に伸びる支持軸(図示せず)と回動自在に嵌合させてある。これにより支持部19及びこれに支持されるオットマン6は、先端側を下げて座部2の座面と略直行するような垂直姿勢と、先端側を持ち上げて座部2の座面と略平行になるような水平姿勢との間で、上記支持軸を中心として上下方向に回動自在に連結されるものである。
【0024】
支持部19を上下に回動させてオットマン6の姿勢を制御するリフト機構12は、支持部19とマッサージ機本体1との間に配される伸縮自在な支持手段である(図6参照)。詳しい構造については後述する。
【0025】
そして本例のオットマン6には、上記スライド部材15と平行に即ちスライド方向に伸び、且つ多数の係止溝16をスライド方向に沿って列設して成るラック状の固定部材17を固定しており、支持部19側の連結板24上に回動自在に設置されるストッパ29を任意の係止溝16に嵌合自在となるように設けることで、オットマン6を任意のスライド量で支持部19にロックするロック機構30の主体を成している。
【0026】
図5に示すように上記ストッパ29は、連結板24上において軸40中心に回動自在に設置してあり、軸40を挟む一端側に付勢ばね41を接続させるとともに、軸40を挟む他端側には平板状の係止片42と引張り片43を突設している。上記係止片42は、固定部材17の係止溝16内に側方から嵌入される部分であり、引張りばねである付勢ばね41の付勢力によって、該係止片42が係止溝16内に嵌入する方向に付勢されるものである。
【0027】
上記係止片42と隣接して位置する引張り片43には、ストッパ29を上記嵌入方向と逆方向に引張る一対のワイヤ44,45の各インナーケーブル44a,45aを接続させてある。一方のワイヤ44は、マッサージ機本体1の座部2と肘置き部4との間に配してある調整レバー25の後方への引張り操作によってそのインナーケーブル44aが引張られるように設けている。そして他方のワイヤ45は、その先端がマッサージ機本体1と支持部19との間に配される上記リフト機構12内にまで引き伸ばされて連結される構造である。ここでの連結部分についても後述する。
【0028】
以下、本例の椅子式マッサージ機において、オットマン6を元のスライド位置に戻さずに下方に回動させた場合に、ロック機構30によるオットマン6のロックを自動的に解除させるための構造について詳述する。
【0029】
図6〜図9には本例のリフト機構12を示している。上記リフト機構12は、座部2下方にてマッサージ機本体1に一端側が上下に回動自在に連結されるウォーム軸27と、ウォーム軸27に噛合うモータ28と、モータ28に固定されるとともに該モータ28と一体となってウォーム軸27に沿って進退駆動される柱状の駆動体32と、駆動体32に対して軸方向にスライド自在に被嵌される筒状の連結体31とで主体を形成している。
【0030】
上記連結体31は、支持部19に対して上下に回動自在に連結される連結部31aと、駆動体32と当接して該駆動体32と一体に連結体31を駆動させる当接部31bとを有している。したがって、モータ28を回転させて駆動体32が延伸方向(図7〜図9中の左方向)に移動すると連結体31もこれに押されて一体に延伸方向に移動し、連結体31に連結される支持部19やこれに支持されるオットマン6を上方に回動させるものである。またモータ28を逆方向に回転させて駆動体32が収縮方向(図7〜図9中の右方向)に移動すると、オットマン6や支持部19の重みを受ける連結体31も駆動体32に追従して収縮方向に移動し、連結体31に連結される支持部19やこれに支持されるオットマン6を下方に回動させるものである。
【0031】
上述の如く、通常の動作においては連結体31は駆動体32と一体に進退駆動されるのであるが、オットマン6を元のスライド位置に戻さずに下方に回動させた場合には、図14(c)にて示したようにオットマン6先端の外底面が床面100と接触し、オットマン6や支持部19、並びに該支持部19と連結する連結体31は途中で移動を停止させる。これに対して駆動体32は連結体31とスライド自在に連結されているので、図7(c)や図8(c)に示すようにモータ28の回転駆動力により該モータ28と一体に収縮方向への移動を続ける。
【0032】
即ち、オットマン6が床面100と接触した後は、連結体31と駆動体32とを離間させようとする駆動力がモータ28を駆動源として生じるものであり、本例のロック解除機構はこのモータ28を駆動源とする上記連結体31と駆動体32の離間動作に連動させて、リフト機構12内にまで導入された上記ワイヤ45のインナーケーブル45aを引張り操作するものである。
【0033】
具体的には図9に示すように、リフト機構12内にまで導入されたワイヤ45先端のアウター部45bを連結体31側に固定するとともに、アウター部45b先端から突出するインナーケーブル45aを駆動体32側に固定する構造とする。上記構造により、オットマン6が床面100と接触した後はワイヤ45のインナーケーブル45aがモータ28の駆動力により引っ張られ、これにより図10に示すように、固定部材17の係止溝16に嵌入させてあるストッパ29は軸40中心に回動し、係止片42の係止溝16との係合状態を解除するものである。
【0034】
また、調整レバー25を引くことによっても上記ワイヤ45とは別のワイヤ44が同様にストッパ29を軸40中心に回動させて係合状態を解除することは勿論である。
【0035】
しかして、本例の椅子式マッサージ機にあっては、オットマン6を座部2から離れる方向にスライドさせたままリフト機構12により該オットマン6を下方に回動させ、オットマン6が回動途中で床面100と接触した場合には、リフト機構12内の連結体31と駆動体32との離間動作に連動してワイヤ45のインナーケーブル45aが引張り操作される。このワイヤ45操作によりロック機構30のロックが解除されるので、そのままオットマン6を初期位置にまで収納することが可能である。
【0036】
そして、上記の簡単且つ低コストな構造であるにも関わらず、ワイヤ45のインナーケーブル45aを引く力はリフト機構12のモータ28を利用したものとなるので、解除作業を確実に行うことが可能である。
【0037】
次に、本発明の実施形態における他例の椅子式マッサージ機について図11、図12に基づいて説明する。なお、本例の構成のうち一例と同様の構成については詳しい説明を省略し、一例とは相違する特徴的な構成についてのみ異符号を付して以下に詳述する。
【0038】
本例のロック解除機構は、リフト機構12における連結体31と駆動体32との離間動作を利用してロックを解除するものである点では一例と一致するが、ワイヤ45を用いるのではなく上記離間動作を検知するセンサ50を用い、このセンサ50からの信号に基づいて電気エネルギにより動作するソレノイド51によってロック機構30のロックを解除させるものである点で、一例と相違している。
【0039】
即ち、本例にあってはリフト機構12における連結体31と駆動体32との接触部分に圧力センサであるセンサ50を配しており、該センサ50で検知される圧力がゼロとなった時点で上記離間動作が検知されるものである。上記センサ50は図示例では駆動体32側に配しているが、連結体31側に配してあっても構わない。
【0040】
図12に示す如く本例のロック機構を成すストッパ29近傍に上記ソレノイド51を配してあり、このソレノイド51のプランジャ52先端をストッパ29の引張り片43に係合させてある。上記ソレノイド51は、センサ50からの電気信号に基づいてプランジャ52を引込み動作させるものである。
【0041】
しかして、本例の椅子式マッサージ機にあっては、オットマン6を座部2から離れる方向にスライドさせたままリフト機構12により該オットマン6を下方に回動させ、その回動途中で床面100と接触した場合には、リフト機構12内の連結体31と駆動体32との離間動作をセンサ50が検知してソレノイド51にまで電気信号を送る。電気信号を受けたソレノイド51はプランジャ52を引込み動作させ、この引込み動作によりストッパ29が軸40中心に回転してロック機構30のロックを解除させるので、そのままオットマン6を初期位置にまで収納することが可能となる。
【0042】
このように本例にあってはソレノイド51が電気信号により作動するので、回動途中のオットマン6が床面100と接触した後に素早くロック解除が行われるという利点がある。
【0043】
なお、上記センサ50は圧力センサに限定されず、連結体31と駆動体32との離間動作を検知するものであればよいので、リミットスイッチ等を用いた他のセンサであっても構わない。またロック機構30のロックを解除する機構も上記ソレノイド51に限定されず、電気エネルギを機械的運動に変換して作動するものであれば他の構成であっても構わない。
【0044】
次に、本発明の実施形態における他例の椅子式マッサージ機について図13に基づいて説明する。なお、本例の構成のうち一例と同様の構成については詳しい説明を省略し、一例とは相違する特徴的な構成についてのみ異符号を付して以下に詳述する。
【0045】
本例のロック解除機構にあっては、オットマン6外底面の床面100と接触する部分から押込み自在に突設される突起部材60と、上記突起部材60の押込み動作と連動してワイヤ45を引張り操作する変換機構61とを備えている。
【0046】
ここで、ワイヤ45の先端はオットマン6内の上記突起部材60近傍にまで導入されており、該ワイヤ45のアウター部45b先端はオットマン6内に固定されている。そして上記変換機構61は、ワイヤ45先端から突出するインナーケーブル45aと突起部材60とを軸62中心に回動自在に連結させる回転板63から成り、回転板63が回動することで突起部材60の押込み力がワイヤ45の引張り力に変換される構造になっている。
【0047】
しかして、本例の椅子式マッサージ機にあっては、オットマン6を座部2から離れる方向にスライドさせたままリフト機構12により該オットマン6を下方に回動させた場合には、その回動途中で突起部材60が床面100と接触する。上記接触後には、突起部材60はオットマン6や支持部19の重みを受けてオットマン6内に押込まれ、この押込み動作と連動して回転板63が回動するとともにワイヤ45のインナーケーブル45aが引張り操作される。このワイヤ45操作によりロック機構30のロックが解除されることは一例と同様であり、オットマン6をそのまま初期位置にまで収納することが可能となる。
【0048】
即ち、本例にあってはワイヤ45のインナーケーブル45aを引く力として、オットマン6や支持部19の重みが利用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態における一例の椅子式マッサージ機の全体斜視図である。
【図2】同上の椅子式マッサージ機のオットマンのカバーを半部側だけ装着した状態を示す斜視図である。
【図3】同上の椅子式マッサージ機のオットマンのスライド収納状態を示しており、(a)は正面図、(b)は斜視図である。
【図4】同上の椅子式マッサージ機のオットマンのスライド状態を示しており、(a)は正面図、(b)は斜視図である。
【図5】同上の椅子式マッサージ機の支持部を示す斜視図である。
【図6】同上の椅子式マッサージのリフト機構の説明図であり、(a)、(b)はオットマン収納時、(c)、(d)はオットマン上昇時を示している。
【図7】同上の椅子式マッサージ機のリフト機構の説明図であり、(a)はオットマン収納時、(b)はオットマン上昇時、(c)はオットマンの床面接触後の状態を示している。
【図8】同上の椅子式マッサージ機のリフト機構の説明図であり、(a)はオットマン収納時、(b)はオットマン上昇時、(c)はオットマンの床面接触後の状態を模式的に示している。
【図9】同上の椅子式マッサージ機のワイヤを引張り操作する機構の説明図であり、(a)は通常時の状態、(b)はオットマンの床面接触後の状態を模式的に示している。
【図10】同上の椅子式マッサージ機のワイヤ操作されるロック機構の説明図であり、(a)は通常時の状態、(b)はオットマンの床面接触後の状態を模式的に示している。
【図11】本発明の実施形態における他例の椅子式マッサージ機に配置されるセンサの説明図であり、(a)は通常時の状態、(b)はオットマンの床面接触後の状態を模式的に示している。
【図12】同上の椅子式マッサージ機のセンサ信号により操作されるロック機構の説明図であり、(a)は通常時の状態、(b)はオットマンの床面接触後の状態を模式的に示している。
【図13】本発明の実施形態における他例の椅子式マッサージ機の主要部説明図であり、(a)はオットマンの床面接触時点の状態、(b)オットマンの床面接触後の状態を模式的に示している。
【図14】従来の椅子式マッサージ機の説明図であり、(a)はオットマンの初期状態、(b)はオットマンの使用状態、(c)はオットマンの床面接触状態を示している。
【符号の説明】
【0050】
2 座部
6 オットマン
19 支持部
28 モータ
30 ロック機構
31 連結体
32 駆動体
45 ワイヤ
50 センサ
60 突起部材
61 変換機構
100 床面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部と、座部前方にて上下に回動自在に連結される支持部と、支持部にスライド自在に連結支持されるオットマンと、支持部を介してオットマンを上下に回動させるリフト機構と、オットマンを任意のスライド量で支持部にロックするロック機構と、オットマンの下方への回動に連動して上記ロック機構のロックを解除するロック解除機構とを備えたことを特徴とする椅子式マッサージ機。
【請求項2】
上記リフト機構が、モータにより進退駆動される駆動体と、該駆動体にスライド自在に連結し且つオットマンと連結する連結体とを備え、駆動体の進退動作により連結体を介してオットマンを回動させるものであるとともに、上記ロック解除機構が、上記リフト機構の連結体と駆動体との離間動作に連動して引張り操作されるワイヤと、ワイヤの引張り操作によりロック機構のロックを解除する機構とを備えるものであることを特徴とする請求項1記載の椅子式マッサージ機。
【請求項3】
上記リフト機構が、モータにより進退駆動される駆動体と、該駆動体にスライド自在に連結し且つオットマンと連結する連結体とを備え、駆動体の進退動作により連結体を介してオットマンを回動させるものであるとともに、上記ロック解除機構が、上記リフト機構の連結体と駆動体との離間動作を検知するセンサと、該センサの検知信号に基づいてロック機構のロックを解除する機構とを備えるものであることを特徴とする請求項1記載の椅子式マッサージ機。
【請求項4】
上記ロック解除機構が、オットマン外底面の床面と接触する部分から突設される突起部材と、上記突起部材の押込みと連動して引張り操作されるワイヤと、ワイヤの引張り操作によりロック機構のロックを解除する機構とを備えるものであることを特徴とする請求項1記載の椅子式マッサージ機。
【請求項1】
座部と、座部前方にて上下に回動自在に連結される支持部と、支持部にスライド自在に連結支持されるオットマンと、支持部を介してオットマンを上下に回動させるリフト機構と、オットマンを任意のスライド量で支持部にロックするロック機構と、オットマンの下方への回動に連動して上記ロック機構のロックを解除するロック解除機構とを備えたことを特徴とする椅子式マッサージ機。
【請求項2】
上記リフト機構が、モータにより進退駆動される駆動体と、該駆動体にスライド自在に連結し且つオットマンと連結する連結体とを備え、駆動体の進退動作により連結体を介してオットマンを回動させるものであるとともに、上記ロック解除機構が、上記リフト機構の連結体と駆動体との離間動作に連動して引張り操作されるワイヤと、ワイヤの引張り操作によりロック機構のロックを解除する機構とを備えるものであることを特徴とする請求項1記載の椅子式マッサージ機。
【請求項3】
上記リフト機構が、モータにより進退駆動される駆動体と、該駆動体にスライド自在に連結し且つオットマンと連結する連結体とを備え、駆動体の進退動作により連結体を介してオットマンを回動させるものであるとともに、上記ロック解除機構が、上記リフト機構の連結体と駆動体との離間動作を検知するセンサと、該センサの検知信号に基づいてロック機構のロックを解除する機構とを備えるものであることを特徴とする請求項1記載の椅子式マッサージ機。
【請求項4】
上記ロック解除機構が、オットマン外底面の床面と接触する部分から突設される突起部材と、上記突起部材の押込みと連動して引張り操作されるワイヤと、ワイヤの引張り操作によりロック機構のロックを解除する機構とを備えるものであることを特徴とする請求項1記載の椅子式マッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−167459(P2007−167459A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−371033(P2005−371033)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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