説明

椅子式マッサージ機

【課題】
足載せ部の確実な伸縮動作が行える椅子式マッサージ機を提供する。
【解決手段】
座部11aの前端において出没可能に連結した支持フレーム体5aに支持された足載せ部13aに脛施療部131a及び足先施療部132aを設け、座部11aと脛施療部131aと足先施療部132aとの各間隔を伸縮機構6aにより伸縮可能とし、該伸縮機構6aとして、支持フレーム体5aを後部部材51aと、該後部部材51aとスライド可能に連結して脛施療部131aを支持する中間部材52aと、該中間部材52aとスライド可能に連結して足先施療部132aを支持する前部部材53aとから構成し、且つ後部部材51a及び前部部材53aにそれぞれ係合レーン61a・63aを設けると共にそれら係合レーン61a・63aに介設係合しつつ転動可能な転動係合部材62aを中間部材52aに設けて構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座部の前端において出没可能に設けた足載せ部に、人体脚部の脛部を施療するための脛施療部及び人体脚部の足先を施療するための足先施療部をそれぞれ設けて、座部と脛施療部と足先施療部との各間隔を伸縮機構により伸縮可能とした椅子式マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から椅子式マッサージ機は、主として背凭れ部に昇降自在に設けた施療子の動作により被施療者の背中に押圧刺激を与える構成のものとなっており、近年では座部の前方で出没する足載せ部を設けると共に、該足載せ部に施療ローラーまたは施療子、或いはエアバッグ等の膨縮袋を内装して、該足載せ部に載置した被施療者の脚部に施療を施すことができるようにしたものも市場でよく出回っている。
【0003】
さらに最近では、被施療者の脚部の長さにおける個人差に対応できる機構を足載せ部に設けた技術も開発され、既に開示されている。
【0004】
例えば、図10乃至図12に示すように、座部2の前側にフットレスト4を配した椅子型マッサージ機1が既に開示されているが、該椅子型マッサージ機1のフットレスト4は、被施療者の脹脛を支持する脹脛載せ部材4aと、被施療者の足底及び踵の後部等を支持する足載せ部材4bとを有している。
【0005】
また、この脹脛載せ部材4a及び足載せ部材4bには、それぞれ複数の空気袋が設けられていて、該空気袋はポンプ及びバルブ等からなる給排気装置からの給排気によって膨張又は収縮するように構成されている。
【0006】
そして、これらの構成により、被施療者が着座したときに、該空気袋が膨張及び収縮を繰り返すことができるようになっており、これにより、被施療者の脹脛並びに足底及び踵(かかと)の後部に対して押圧刺激を与えるようにしている。
【0007】
また、前記フットレスト4の脹脛載せ部材4a及び足載せ部材4bは、図12に示すように伸縮機構4cに取り付けられており、互いに近接又は離反するように相対移動することが可能となっている。
【0008】
すなわち、該伸縮機構4cは、座部2の前端で回動連結する上部部材45と、中間部材46と、下部部材47とによって主として構成されると共に、3つの菱形が連続したパンタグラフ機構である伸縮腕51が備えられている。
【0009】
よって、フットレスト4が伸張する場合、座部2から上部部材45は離反すると共に該上部部材45から中間部材46は離反し、同時に該中間部材46から下部部材47も離反するような態様となる。
【0010】
さらに、被施療者の操作部における操作入力による制御信号に応じてモータ56を駆動してフットレスト4を伸縮させるようにしており、これにより、足底支持面37及び踵支持面38の座面2bとの離隔距離が変化されることとなり、被施療者は、操作部によって足底支持面37を自身の脚の長さに合わせてこの離隔距離を調節することができるものとなる。
【特許文献1】特開2004−215938号公報(第15頁の図1及び図4、第18頁の図13)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、上記のような被施療者の脚部の長さに対応するための伸縮機構を設けた椅子式マッサージ機は、伸縮機構にパンタグラフ機構を採用しており、このパンタグラフ機構は棒状または長板状の各アーム部材と、互いに該各アーム部材が先端において回動可能に連結するための回動部とから主に構成されている。上記の公知例で開示されているパンタグラフ機構は3つの菱形が連続したものであるが、この場合、少なくとも前記のようなアーム部材を8本、及び回動部を10カ所設ける必要がある。
【0012】
このようなパンタグラフ機構は、その構成部品であるアーム部材及び回動部を多数設けなければならないため、撓みや摩擦抵抗等が発生し易くなり、伸縮機構自体に無駄な負荷がかかることで動作時の不快音や故障を招くといった問題点が懸念される。
【0013】
このため、上記伸縮機構の駆動源としてモータを採用する場合は、上記問題点を原因としてモータから伝達される動力の損失が生じることになる。
【0014】
よって、このような動力損失の補填を図るために、より大きな電力を供給することができる比較的大型のモータを搭載しなければならず、椅子式マッサージ機の省電力化や足載せ部の小型化または軽量化には適さないものとなっていた。
【0015】
そこで、本発明は、上記問題点を解消する為に成されたものであり、足載せ部の伸縮機構を構成する必要な部品点数を極力抑えることにより、伸縮動作時の摩擦抵抗や負荷を可及的に抑制して、静音性の向上や故障の阻止等を図ると共に、伸縮機構における伸縮駆動をモータで行う場合は、該モータの動力伝達効率を向上させ、椅子式マッサージ機の省電力化や足載せ部の小型化または軽量化に適した椅子式マッサージ機を提供する事を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
すなわち、本発明の椅子式マッサージ機は、座部と該座部の前端において出没可能に連結した支持フレーム体に支持された足載せ部とを有し、該足載せ部に人体脚部の脛部を施療するための脛施療部及び人体脚部の足先を施療するための足先施療部を設けると共に、座部と脛施療部と足先施療部との各間隔を伸縮機構により伸縮可能とした椅子式マッサージ機であって、該椅子式マッサージ機は、前記伸縮機構を、前記支持フレーム体を前記座部の前端で軸支された後部部材と、該後部部材とスライド可能に連結して前記脛施療部を支持する中間部材と、該中間部材とスライド可能に連結して前記足先施療部を支持する前部部材とで構成し、且つ、前記後部部材及び前記前部部材にそれぞれ係合レーンを設けると共に、前記中間部材には前記各係合レーンに係合し得るよう介設されて転動可能な転動係合部材を設けてあるものとしている。
【0017】
また、本発明の椅子式マッサージ機は、前記係合レーンがラックであり、前記転動係合部材がピニオンである構成にしたものとしている。
【0018】
さらに、本発明の椅子式マッサージ機は、前記転動係合部材を前記中間部材に設けられたモータの動力により転動させるものとして構成したものとしている。
【0019】
さらにまた、本発明の椅子式マッサージ機は、前記後部部材に対する中間部材のスライド距離と後部部材に対する前記前部部材のスライド距離との割合を1対2となるよう構成したものとしている。
【発明の効果】
【0020】
よって、本発明の椅子式マッサージ機は、座部と脛施療部と足先施療部との各間隔を伸縮機構により伸縮可能とした椅子式マッサージ機であって、前記伸縮機構として、前記支持フレーム体を前記座部の前端で軸支された後部部材と、該後部部材とスライド可能に連結して前記脛施療部を支持する中間部材と、該中間部材とスライド可能に連結して前記足先施療部を支持する前部部材とから構成し、且つ後部部材及び前部部材にそれぞれ係合レーンを設けると共にそれら係合レーンに介設係合しつつ転動可能な転動係合部材を中間部材に設けて構成したものとしているため、前記後部部材及び前記前部部材にそれぞれ設けられた前記係合レーンと前記転動係合部材とが相互において直接的に係合しているので、足載せ部の伸縮機構を構成する必要な部品点数を極力抑えることにより、従来の問題であった撓みや摩擦抵抗の発生が抑止され、静音性の向上や故障の阻止等を図ることができる。
【0021】
また、伸縮機構の駆動源としてのモータから伝達される動力の損失の発生を抑えて椅子式マッサージ機の省力化を図ることができる。
【0022】
さらに、伸縮機構の構造を可及的にコンパクトに纏まるように構成しているので、椅子式マッサージ機における足載せ部の小型化または軽量化を図ることができる。
【0023】
また、本発明の椅子式マッサージ機は、前記係合レーンをラックとすると共に前記転動係合部材をピニオンとして構成したものとしているため、ピニオン及びラックにおける確実で正確且つ静穏な係合が実現できる。
【0024】
さらに、本発明の椅子式マッサージ機は、前記転動係合部材を前記中間部材に設けられたモータの動力により転動させるものとして構成したものとしているため、前記伸縮機構におけるモータの回転動力の伝達効率を従来に比して大幅に向上させた伸縮機構が実現でき、しかも、モータによる回転により転動係合部材は単独で前記後部部材に対する前記中間部材の移動と、中間部材に対する前記前部部材の移動とを同時に行うので、伸縮機構におけるモータの単一化が図れる。
【0025】
さらに、モータによって転動係合部材が後部部材の前記係合レーン上を移動する時、中間部材は前部部材を伴って移動すると共に前部部材の係合レーンを転動係合部材が移動方向へさらに押し出すことになるので、転動係合部材の回転に対する後部部材に対する前部部材の移動効率を向上させることができる。
【0026】
さらにまた、本発明の椅子式マッサージ機は、前記後部部材に対する中間部材のスライド距離と後部部材に対する前記前部部材のスライド距離との割合を1対2として構成したものとしているため、使用者の脚部の長さの違いにかかわらず、常時において前記脛施療部及び前記足先施療部におけるそれぞれの的確な施療ポイントで施療を実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に、本発明の椅子式マッサージ機を、図面に示す一実施形態に基づきこれを詳細に説明する。図1は本発明の椅子式マッサージ機における椅子型の一実施形態を示す斜視図であり、図2は本発明の椅子式マッサージ機における椅子型の一実施形態を示す使用状態図であり、図3は本発明の椅子式マッサージ機における足載せ部の一実施形態を示す右側面簡易構成説明図であり、図4は本発明の椅子式マッサージ機における足載せ部の伸縮動作の一実施形態を示す右側面簡易構成説明図であり、図5は本発明の椅子式マッサージ機における足載せ部が使用者の個人差に対応することを示す一実施形態の説明図である。図6は本発明の椅子式マッサージ機の足載せ部における内部構造の一実施形態を示す右側面説明図であり、図7は本発明の椅子式マッサージ機の足載せ部を伸張した状態における内部構造の一実施形態を示す右側面説明図であり、図8は本発明の椅子式マッサージ機の足載せ部における内部構造の一実施形態を示す正面説明図であり、図9は本発明の椅子式マッサージ機の足載せ部を伸張した状態における内部構造の一実施形態を示す正面説明図である。図10乃至図12は従来技術を示す参考図である。
【0028】
すなわち、本発明の椅子式マッサージ機は図1及び図2の実施例で示したように、座部11aと共に、該座部11aの後側にリクライニング可能に連結する背凭れ部12aと、座部11aの前端において前後へ出没可能に連結した足載せ部13aとから構成した椅子式マッサージ機1aである。
【0029】
更に、前記座部11aの両側に肘掛け部14aを立設すると共に、前記背凭れ部12aの左右両側に前方に向かって突出した側壁部2aを夫々配設している。
【0030】
図1に示すように、前記背凭れ部12aには、その中央部に左右一対の施療子31aを備えた昇降自在の施療子機構3aを設けている。該施療子機構3aは、背凭れ部12aの内部左右に設けた左右一対のガイドレール32aに沿って背凭れ部12aの上端から下端にかけて昇降するようにしている。
【0031】
前記左右一対の施療子31aは、モータ等を駆動源とした機械式の椅子式マッサージ機構であり、前記背凭れ部12aに凭れた施療者の首部、背部、腰部、臀部等の背面全域を、たたき、揉み、ローリング、振動、指圧などの多様な形態で施療するようにしたものである。
【0032】
また、前記椅子式マッサージ機1aの各所定の位置には、空気の給排気により膨縮を繰り返す事が可能な膨縮袋4aを夫々埋設している。該膨縮袋4aは、エアーコンプレッサー及び各膨縮袋4aに空気を分配するための分配器等からなる空気給排装置41aによる給排気により膨縮動作を行うようにしており、該空気給排装置41aは前記座部11aの下部空間に配備している。
【0033】
前記空気給排装置41aによる各前記膨縮袋4aの膨縮動作によって、施療者の所定の施療部位を押圧、指圧等を実施する事ができ、一定間隔を存して対向するよう複数の膨縮袋4aを対設させる場合、挟圧等の施療も行う事ができる。また膨縮袋4aを膨張状態に保つ場合は、施療者の所定の部位を一定の時間保持する事も可能としている。
【0034】
また、前記椅子式マッサージ機1aは、前記背凭れ部12aの左右側において、上部及び下部に夫々膨縮袋4aを設けており、施療者の背中及び腰部を押圧、または左右両側から挟圧するような施療を行うよう構成している。
【0035】
また、前記座部11aには、後部側に臀下部用、また腿部用の膨縮袋4aを夫々埋設して、主に下方から上方に押圧する施療を行うようにしている。
【0036】
前記足載せ部13aは、人体の脚部である脛部または足先部を夫々嵌入させる左右一対の凹部を夫々形成したものであり、各凹部に膨縮袋4aを左右一対として対設するよう設けて、凹部内部で人体の脛部及び足先部に対する挟圧施療を実施するようにしている。尚、該足載せ部13aの構成については後に詳しく説明する。
【0037】
前記左右の肘掛け部14aの上部には、必要に応じて人体の手や前腕を嵌入保持して施療するための凹部を形成する腕保持部15aを設ける事ができる。図1の場合、該腕保持部15aの内部において、上下に各膨縮袋4aを夫々対設するよう設けて、凹部内部で人体の手や前腕に対する挟圧施療を実施するようにしている。
【0038】
前記左右の側壁部2aは、座部11aに着座した施療者の肩または上腕側方となる位置に配設しており、該左右の側壁部2aの内側面には夫々左右方向に重合した膨縮袋4aを並列状態に埋設している。これら重合した膨縮袋4a・4aはその基端部のみを側壁部2aの基端部に取り付けているため、膨張時には重合した膨縮袋4a・4aが扇状に広がって施療者の身体側部を挟圧しつつ、身体前方まで覆うようになる。
【0039】
よって、前記左右側壁部2aの前記膨縮袋4aは、膨縮動作により身体側部を施療する事ができるだけでなく、一定の時間において膨張状態を保つならば、施療者の身体が前記背凭れ部12aから離れないようにしっかりと保持する事ができ、施療者の身体を固定したままの状態で前記施療子機構3aの前記施療子31aによる背部からの施療を効果的に受ける事が可能となるのである。
【0040】
本発明である前記椅子式マッサージ機1aの前記足載せ部13aについて、以下にさらに詳しく説明すると、図1の実施形態で示したように、上部に人体脛部を施療するための凹部を幅方向左右に夫々設けた脛施療部131aと、該脛施療部131aの下部に位置する人体足先を施療するための凹部を幅方向左右に夫々設けた足先施療部132aとから構成しており、脛施療部131aと足先施療部132aの各凹部内部に、前述のような膨縮袋4aを左右に対設させている。尚、適宜各凹部底部にも膨縮袋4aを設ける事ができる。
【0041】
また、図3に示すように前記足載せ部13aは、支持フレーム体5aによって支持されており、該支持フレーム体5aは、後部部材51a、中間部材52a、前部部材53aによって主に構成している。
【0042】
前記後部部材51aは、その端部と前記座部11aの下部にある座部下フレーム111aの前端部とが回動部133aを介して回動可能に前記座部11aに連結している。これにより、前述したように前記足載せ部13aが座部11aに対して上下回動可能となる。
【0043】
尚、この上下回動は手動及び自動を問わないが、自動とする場合は電動モータを動力源とするアクチュエータ(図示せず)を適用する事ができる。
【0044】
また、前記中間部材52aは脛施療部131aを、また前記前部部材53aは足先施療部132aをそれぞれ固定的に支持している。
【0045】
図3に示すように前記足載せ部13aには、前記支持フレーム体5aの前記後部部材51a、前記中間部材52a、前記前部部材53aが、相互に接近したり離間したりするための伸縮機構6aを設けている。すなわち、該伸縮機構6aとして後部部材51aの下部前面にラックからなる後部部材側の係合レーン61aを設けると共に、中間部材52aの後面中間においてピニオンからなる転動係合部材62aを設け、さらに前部部材53aの上部後面にラックからなる前部部材側の係合レーン63aを設けて構成しており、転動係合部材62aは後部部材側の係合レーン61a及び前部部材側の係合レーン63aにそれぞれ噛合している。
【0046】
図4に示すのは前記足載せ部13aを前方へ突出させた状態であるが、前記脛施療部131aまたは前記足先施療部132aに人体の足の長さ方向への力を掛けるか、または前記転動係合部材62aを回転させるかすると、前記後部部材側の係合レーン61a上を転動係合部材62aが人体の足の長さ方向へ回転して脛施療部131aを伴って移動距離L1を進む時、脛施療部131aは移動距離L1と同じ距離である移動距離L2を人体の足の長さ方向へ移動することになる。
【0047】
さらに、転動係合部材62aが前部部材側の係合レーン63aに噛合しているため、足先施療部132aも脛施療部131aの移動に伴って人体の足の長さ方向へ移動することになると共に、転動係合部材62aはその回転により前部部材側の係合レーン63aを人体の足の長さ方向へ押し出す態様となるので、移動距離L2に転動係合部材62aによる前部部材側の係合レーン63aの相対的な人体の足の長さ方向への押し出す距離が加算された移動距離L3を足先施療部132aは移動することになる。
【0048】
尚、図面で示す構成は、前記脛施療部131aの移動距離L2と前記足先施療部132aの移動距離L3とは1対2の割合となっている。
【0049】
さらに、図6乃至図9において、前記足載せ部13aの前記伸縮機構6aに関連する具体的な構成を説明する。前記後部部材51aは、図6及び図8に示すように上下方向に設けた縦フレーム511aを左右両端にそれぞれ設けると共に、該左右の縦フレーム511aを強固に連結する横フレーム512aを上下方向に複数本並設して成る。
【0050】
また、前記左右の縦フレーム511aの上端に、前記座部11aに対して前記足載せ部13aが出没回動するための前記回動部133aがそれぞれ位置する。
【0051】
前記中間部材52aは、図6及び図8に示すように上端に上横フレーム521aを、下端に下横フレーム522aをそれぞれ設けると共に、それら上横フレーム521a及び下横フレーム522aを上下にて強固に連結する板状の中央板フレーム523aを設けている。
【0052】
また、前記前部部材53aは図6及び図8に示すように、その底部にフレームを環状にした環状底フレーム531aを設けている。
【0053】
前記後部部材51aと前記中間部材52aとの間、及び中間部材52aと前記前部部材53aとの間には、それぞれ左右一対のスライド連結機構54aを設けており、後部部材51aに対して中間部材52aを人体の足の長さ方向にスライド可能に連結すると共に、前部部材53aも同様に中間部材52aに対してスライド可能に連結している。
【0054】
図6及び図8に示す構成において、前述の図3に示す構成と同様に前記伸縮機構6aが設けられている。すなわち、前記後部部材51aの下部中央付近において、人体の足の長さ方向に左右一対の前記係合レーン61aが一定間隔を存してそれぞれ設けられ、また前記前部部材53aに設けた前記環状底フレーム531aの中央後端から前記中間部材52aの方向に向かって直立させた左右一対の直立フレーム532aの上部裏面に前記係合レーン63aがそれぞれ設けられており、これら係合レーン61aと係合レーン63aとの間に、前記中間部材52aに設けた前記転動係合部材62aが噛合介設されている。
【0055】
さらに、図6及び図8に示す実施形態は、前記伸縮機構6aにおいて駆動用のモータ64aを設けた構成のものであり、該伸縮機構6aの伸縮を該モータ64aで駆動させる。図面の場合は一例として、該モータ64aを前記中間部材52aの前記中央板フレーム523aの下部に設けたものとしている。
【0056】
また、前記モータ64aの回転を変速伝達する変速機構65aを該モータ64aに隣設させており、モータ64aの回転は該変速機構65aを介して前記転動係合部材62aに伝達される。
【0057】
前記モータ64aの駆動制御については、使用者が操作を行う操作部(図示せず)からの入力信号、または内蔵記憶されたプログラムによる制御信号を電子回路等の制御手段(図示せず)が処理して行うものとしている。
【0058】
このように、前記足載せ部13aにおいて前記伸縮機構6aを構成することにより、使用者の所望に応じて、または使用者の脚部の個人差などの身体特徴に応じて、前記脛施療部131a及び前記足先施療部132aを施療に適切な位置に移動させられる。
【0059】
例えば、図5に示すように使用者の脚部の長さの違いにかかわらず、前記脛施療部131a及び前記足先施療部132aにおけるそれぞれの的確な施療ポイントPが常時保たれることになる。
【0060】
加えて、前記脛施療部131a及び前記足先施療部132aの間隔を前記モータ64aにより自動的に変化させて、使用者の脛部における施療ポイントを漸進的に変位させつつ、脛部全体を隈無く揉みほぐすようにしてもよい。
【0061】
さらに、上記の前記足載せ部13aにおける前記伸縮機構6aは、前記モータ64aによる前記転動係合部材62aの回転がダイレクトに前記後部部材51a側の係合レーン61a及び前記前部部材53a側の係合レーン63aにそれぞれ伝達される構成であるので、前記伸縮機構6aにおけるモータ64aの回転動力の伝達効率を向上させることができ、且つ全体的にも該伸縮機構6aを簡易な構造とし、且つ部品点数が少ない構成とすることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の椅子式マッサージ機における椅子型の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の椅子式マッサージ機における椅子型の一実施形態を示す使用状態図である。
【図3】本発明の椅子式マッサージ機における足載せ部の一実施形態を示す右側面簡易構成説明図である。
【図4】本発明の椅子式マッサージ機における足載せ部の伸縮動作の一実施形態を示す右側面簡易構成説明図である。
【図5】本発明の椅子式マッサージ機における足載せ部が使用者の個人差に対応することを示す一実施形態の説明図である。
【図6】本発明の椅子式マッサージ機の足載せ部における内部構造の一実施形態を示す右側面説明図である。
【図7】本発明の椅子式マッサージ機の足載せ部を伸張した状態における内部構造の一実施形態を示す右側面説明図である。
【図8】本発明の椅子式マッサージ機の足載せ部における内部構造の一実施形態を示す正面説明図である。
【図9】本発明の椅子式マッサージ機の足載せ部を伸張した状態における内部構造の一実施形態を示す正面説明図である。
【図10】従来技術を示す参考図である。
【図11】従来技術を示す参考図である。
【図12】従来技術を示す参考図である。
【符号の説明】
【0063】
1a 椅子式マッサージ機
11a 座部
111a 座部下フレーム
12a 背凭れ部
13a 足載せ部
131a 脛施療部
132a 足先施療部
133a 回動部
14a 肘掛け部
15a 腕保持部
2a 側壁部
3a 施療子機構
31a 施療子
32a ガイドレール
4a 膨縮袋
41a 空気給排装置
5a 支持フレーム体
51a 後部部材
511a 縦フレーム
512a 横フレーム
52a 中間部材
521a 上横フレーム
522a 下横フレーム
523a 中央板フレーム
53a 前部部材
531a 環状底フレーム
532a 直立フレーム
54a スライド連結機構
6a 伸縮機構
61a 係合レーン
62a 転動係合部材
63a 係合レーン
64a モータ
65a 変速機構
L1 移動距離
L2 移動距離
L3 移動距離
P 施療ポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部と該座部の前端において出没可能に連結した支持フレーム体に支持された足載せ部とを有し、該足載せ部に人体脚部の脛部を施療するための脛施療部及び人体脚部の足先を施療するための足先施療部を設けると共に、座部と脛施療部と足先施療部との各間隔を伸縮機構により伸縮可能とした椅子式マッサージ機であって、該椅子式マッサージ機は、前記伸縮機構を、前記支持フレーム体を前記座部の前端で軸支された後部部材と、該後部部材とスライド可能に連結して前記脛施療部を支持する中間部材と、該中間部材とスライド可能に連結して前記足先施療部を支持する前部部材とで構成し、且つ、前記後部部材及び前記前部部材にそれぞれ係合レーンを設けると共に、前記中間部材には前記各係合レーンに係合し得るよう介設されて転動可能な転動係合部材を設けてあることを特徴とする椅子式マッサージ機。
【請求項2】
前記係合レーンがラックであり、前記転動係合部材がピニオンである構成にしたことを特徴とする請求項1記載の椅子式マッサージ機。
【請求項3】
前記転動係合部材を前記中間部材に設けられたモータの動力により転動させるものとして構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の椅子式マッサージ機。
【請求項4】
前記後部部材に対する中間部材のスライド距離と後部部材に対する前記前部部材のスライド距離との割合を1対2となるよう構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか記載の椅子式マッサージ機。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate