説明

植付装置

【課題】上下動を繰り返す植付具へ、確実に移植対象物を供給できる植付装置を提供する。
【解決手段】移植対象物を植え付ける植付具28、所定方向に揺動する第1揺動リンク51、および一端が第1揺動リンクに連結され他端が植付具に連結し別の所定方向に揺動する第2揺動リンク53を有するリンク機構29と、第1揺動リンクを作動させる第1揺動用部材54と、第2揺動リンクを作動させる第2揺動用部材55とを備える。第1揺動用部材および第2揺動用部材が、第1揺動リンクおよび第2揺動リンクを作動させることによって、植付具の先端にループ状の静軌跡を描かせるとともに、植付具の先端の速度を、移植対象物を植え付ける位置におけるよりも移植対象物が供給される位置における方が遅くなるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、苗や種芋等の移植機に設けられる植付装置に関するものであり、農業機械の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、移植機の載置台上に準備された種芋や苗株を、その移植機の走行にあわせてループ状に回転搬送される複数の供給カップに、作業者が一個ずつ手で供給することで、自動的に圃場に植え付ける移植機が知られている。
【0003】
以下、図面を参照しながら、従来の移植機の構成と動作を簡単に説明する。
【0004】
図17は、特許文献1で開示されている従来の野菜苗移植機151の側面図である。
【0005】
なお、本願の図面は、特に注釈のないものは、向かって左側が移植機の前方となるように記載している。
【0006】
図17に示すように、野菜苗移植機151は、作業者が手で苗株を一個ずつ供給するための供給カップ153が、供給回転台154上にループ状で所定間隔毎に配置された苗株供給部152と、その苗株供給部152から供給された苗株を一時的に保持した状態で圃場に植え付けていく植付具160を有する植付装置155等を備えている。
【0007】
この野菜苗移植機151は、その機体の走行と共に歩行する作業者が、苗株収納部156にある苗株を一つずつ手でつかんで、機体の走行にあわせて回転している供給カップ153に、それぞれ入れていく。
【0008】
各供給カップ153の底部には、上下方向に可動する開閉蓋がそれぞれ1つずつ設けられており、各開閉蓋は、供給回転台154による供給カップ153の回転に伴って、植付具160が上死点に来た時に開放され、供給カップ153内の苗株が下方の植付具160に供給される。植付具160の先端部は、最下端に来た時に圃場に所定深さまで進入するとともに鳥の嘴の如く開いて、内部に保持されていた苗株が圃場に落下して植え付けられる。
【0009】
図18は、植付装置155の要部拡大側面図を示す。
【0010】
植付装置155は、上部に形成した開口から苗株を受けて左右に開閉可能な嘴状の植付具160と、この植付具160を昇降駆動する植付伝動部161に前端側を連結する昇降アーム162と、この昇降アーム162の下方に並行して昇降動作しつつ植付具160のホルダ167と連結してその姿勢を保持する副リンク163とから構成される。
【0011】
また、昇降アーム162の前端部162aは、前後に揺動可能に下端164aを支軸に軸支した揺動アーム164を介して前後移動可能に連結するとともに、昇降アーム162の中間部分の連結点162bを回転駆動するクランクアーム165が設けられている。また、クランクアーム165の回転動作と平行に回転動作して副リンク163の前端を支持する副クランクアーム166が設けられている。
【0012】
上記構成の植付装置155は、クランクアーム165の回転によって上下に揺動される昇降アーム162により、植付具160が昇降動作と連動して左右に開閉して苗株の植付けを行う。
【0013】
図19(a)は、機体が静止しているときに植付具160の先端が描く軌跡を示し、図19(b)は、機体が走行しているときに植付具160の先端が描く動軌跡を示す。
【0014】
植付装置155のクランクアーム165が回転すると、昇降アーム162の前端部162aが揺動アーム164により前後移動しつつ上下に揺動され、後端位置の植付具160は、クランクアーム165の連結点162bからの距離に応じて、先端が図19(a)に示す長円状軌道の軌跡170を描くように動作する。
【0015】
そして、野菜苗移植機151の走行時には、植付具160は、先端が図19(b)の軌跡171を描くように動作することになる。図19(b)に示すように、植え付け位置における、植付具160の下降時および上昇時の前後位置を所定の範囲内に抑えることができるので、植付け深さに左右されることなく、植付具160が圃場に穿孔する植付穴の口径を小さくして苗株の倒れを招くことなく安定保持して植付けすることができる。
【0016】
また、このような植付装置を1つの苗株供給部に対して複数備える構成として、機体構成の小型化を図った苗移植機も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2009−284858号公報
【特許文献2】特開2010−193792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、上記した従来の植付装置では、苗株等の植付具への供給をし損なう可能性が大きかった。
【0019】
図19(a)の軌跡170に示すように、苗株等の移植対象物が植付具160へ供給される上死点付近において、植付具160は、上下方向への移動に加えて機体の前後方向へも移動しており、供給カップ153の開閉蓋が開く所定の位置において、速い速度で移動している。そのため、開閉蓋が開く所定の位置の下方を移動する植付具160と、開閉蓋が開くタイミングの関係等で、供給カップ153内の苗株が植付具160へ供給され損なう可能性が大きかった。
【0020】
本発明は、このような従来の植付装置の課題を考慮し、上下動を繰り返す植付具へ、確実に移植対象物を供給できる植付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の上記課題は、次の解決手段で解決される。
【0022】
第1の本発明は、
移植対象物を植え付ける植付具(28)と、
所定方向に揺動する第1揺動リンク(51)と、一端が前記第1揺動リンク(51)に連結され、他端が前記植付具(28)に連結し、別の所定方向に揺動する第2揺動リンク(53)とを有するリンク機構(29)と、
前記第1揺動リンク(51)を作動させる第1揺動用部材(54)と、
前記第2揺動リンク(53)を作動させる第2揺動用部材(55)と、を備え、
前記第1揺動用部材(54)および前記第2揺動用部材(55)が、前記第1揺動リンク(51)および前記第2揺動リンク(53)を作動させることによって、前記植付具(28)の先端にループ状の静軌跡(17)を描かせるとともに、前記植付具(28)の先端の速度を、前記移植対象物を植え付ける位置におけるよりも前記移植対象物が供給される位置における方が遅くなるようにする、植付装置である。
【0023】
また、第2の本発明は、
前記植付具(28)の先端の上下動する幅の中心位置よりも下方の位置で、前記静軌跡(17)の前後幅が最大となる、第1の本発明の植付装置である。
【0024】
また、第3の本発明は、
前記第1揺動リンク(50、51)および前記第2揺動リンク(52、53)は、それぞれ2本あり、
前記第1揺動用部材(54)は、一方の前記第1揺動リンク(50)に作用し、
前記第2揺動用部材(55)は、一方の前記第2揺動リンク(53)に作用する、第1または第2の本発明の植付装置である。
【0025】
また、第4の本発明は、
前記第1揺動用部材(54)は、前記2本の第1揺動リンク(50、51)のうちの他方の前記第1揺動リンク(51)の回動支点軸を兼用する駆動軸(60)によって駆動される、第3の本発明の植付装置である。
【0026】
また、第5の本発明は、
前記駆動軸(60)によって駆動される前記第1揺動用部材(54)は、前記一方の第1揺動リンク(50)の中央位置よりも、前記一方の第1揺動リンク(50)の回動支点軸(62)に近い位置に作用する、第4の本発明の植付装置である。
【0027】
また、第6の本発明は、
前記第1揺動用部材(54)は、周縁部によって前記第1揺動リンク(50)に作用する板状のカム(54)であり、
前記第2揺動用部材(55)は、連結アーム(56)を介して前記第2揺動リンク(53)に連結されるクランク(55)であり、
前記植付具(28)の先端が前記移植対象物が供給される位置に存在する場合の前記カム(54)の径の変化は、前記植付具(28)の先端が前記移植対象物を植え付ける位置に存在する場合の前記カム(54)の径の変化よりも小さく、
前記植付具(28)の先端が、前記移植対象物が供給される位置に存在する場合および前記移植対象物を植え付ける位置に存在する場合では、前記クランク(55)が鉛直または鉛直に近い向きとなる、第1〜第5のいずれかの本発明の植付装置である。
【0028】
また、第7の本発明は、
前記植付具(28)の先端が前記移植対象物を植え付ける植付位置またはその近傍に存在する場合で、前記クランク(55)および前記連結アーム(56)は、直線状に重なり、前記クランク(55)および前記第1揺動リンク(51)は、互いに平行となる、第6の本発明の植付装置である。
【0029】
また、第8の本発明は、
前記第1揺動リンク(51)および前記第2揺動リンク(53)と共に移動し、前記植付具(28)を開閉する開閉用部材(76)と、
前記第1揺動用部材(54)または前記第2揺動用部材(55)と一体で駆動され、前記開閉用部材(76)を作動させる開閉用カム(75)とを備えた、第1〜第7のいずれかの本発明の植付装置である。
【発明の効果】
【0030】
第1の本発明によって、植付具(28)の先端にループ状の静軌跡(17)を描かせるとともに、植付具(28)の先端の速度が、移植対象物を植え付ける位置におけるよりも移植対象物が供給される位置における方が遅くなるので、上下動を繰り返す植付具(28)へ、確実に移植対象物を供給させることができる。
【0031】
第2の本発明によって、植付具(28)の先端の上下動する幅の中心位置よりも下方の位置で、静軌跡(17)の前後幅が最大となるので、移植機走行時の動軌跡は、直線的に上下する軌跡となり、移植対象物をきれいに植え付けることができる。
【0032】
第3の本発明によって、第1揺動用部材(54)は、一方の第1揺動リンク(50)に作用するので、複数の第1揺動リンクに作用する場合に比べて、伝動系のガタによる植付不具合を抑制することができる。また、伝動構成が簡単になる。
【0033】
同様に、第2揺動用部材(55)は、一方の第2揺動リンク(53)に作用するので、複数の第2揺動リンクに作用する場合に比べて、伝動系のガタによる植付不具合を抑制することができる。また、伝動構成が簡単になる。
【0034】
第4の本発明によって、第1揺動用部材(54)は、2本の第1揺動リンク(50、51)のうちの他方の第1揺動リンク(51)の回動支点軸を兼用する駆動軸(60)によって駆動されるので、植付装置の小型化を図ることができる。
【0035】
第5の本発明によって、駆動軸(60)によって駆動される第1揺動用部材(54)は、一方の第1揺動リンク(50)の中央位置よりも、一方の第1揺動リンク(50)の回動支点軸(62)に近い位置に作用するので、第1揺動用部材(54)を小さくすることができ、植付装置の小型化を図ることができる。
【0036】
第6の本発明によって、第1揺動用部材(54)を、周縁部によって第1揺動リンク(50)に作用する板状のカム(54)とし、植付具(28)の先端が移植対象物が供給される位置に存在する場合のカム(54)の径の変化を、植付具(28)の先端が移植対象物を植え付ける位置に存在する場合のカム(54)の径の変化よりも小さくしたので、移植対象物を植え付ける位置におけるよりも、移植対象物が供給される位置における速度を遅くすることができる。したがって、移植対象物を、より確実に植付具(28)に供給させることができる。
【0037】
第7の本発明によって、植付具(28)の先端が移植対象物を植え付ける位置に存在する場合では、クランク(55)および連結アーム(56)は、直線状に重なるので、クランク(55)による上下動と、連結アーム(56)の傾きによる上下動が一致し、植付具(28)の動きを速くできる。
【0038】
また、植付具(28)の先端が移植対象物を植え付ける位置に存在する場合では、クランク(55)および第1揺動リンク(51)が、互いに平行となるので、第1揺動リンク(51)の上下動が少なくなり、クランク(55)および連結アーム(56)による上下動で、植付具(28)をより速く移動させることができる。
【0039】
第8の本発明によって、第1揺動用部材(54)または第2揺動用部材(55)と一体で駆動され、開閉用部材(76)を作動させる開閉用カム(75)を備える構成としたので、植付具(28)を簡単な構成で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態1の種芋移植機の左側面図
【図2】本発明の実施の形態1の種芋移植機の平面図
【図3】本発明の実施の形態1の種芋供給部を下から見た底面図
【図4】本発明の実施の形態1の、上死点における植付装置の要部拡大側面図
【図5】本発明の実施の形態1の、上死点から下死点に至る途中の位置にあるときの植付装置の要部拡大側面図
【図6】本発明の実施の形態1の、下死点における植付装置の要部拡大側面図
【図7】本発明の実施の形態1の、他の構成の植付装置の要部拡大側面図
【図8】本発明の実施の形態1の、他の構成の植付装置の要部拡大側面図
【図9】本発明の実施の形態1の植付具の背面図
【図10】本発明の実施の形態1の、他の構成の植付装置の要部拡大側面図
【図11】本発明の実施の形態2の植付装置の斜視図
【図12】本発明の実施の形態2の植付装置の平面図
【図13】本発明の実施の形態2の植付装置の背面図
【図14】(a)〜(d)本発明の実施の形態2の、植付動作中の各位置における植付装置の側面図
【図15】本発明の実施の形態2の、植付動作中の植付具の、上下動速度、前後動速度および絶対速度を示したグラフ
【図16】(a)〜(c)本発明の実施の形態2の、植付動作中の植付具先端の静軌跡および動軌跡を示したグラフ
【図17】従来の野菜苗移植機の側面図
【図18】従来の野菜苗移植機の植付装置の要部拡大側面図
【図19】(a)従来の野菜苗移植機静止時の、植付具の先端が描く軌跡を示す図、(b)従来の野菜苗移植機走行時の、植付具の先端が描く軌跡を示す図、
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図面に基づき、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
【0042】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の移植機の一例としてジャガイモ等の種芋を移植する種芋移植機10を示す側面図であり、図2は、種芋移植機10の平面図である。
【0043】
図1に示すように、この種芋移植機10は、前部にエンジン11および主伝動ケース12と、走行車輪としての左右一対の前輪13および後輪14と、後部に植付装置19、種芋供給部31、鎮圧輪15および操縦ハンドル16とを備えて構成されている。
【0044】
この種芋移植機10は、走行機体が圃場内の畝Uをまたぐように、前輪13および後輪14が畝間を走行し、畝Uの上面の左右幅方向における中央位置に植付装置19により種芋を植付けていくようになっている。
【0045】
また、図2に示すように、主伝動ケース12の左右端には該主伝動ケース12に対して回動可能な走行エクステンションケース40を左右それぞれ設け、左右の走行エクステンションケース40のそれぞれの端部に走行チェーンケース20を取り付けている。したがって、エンジン11から入力される主伝動ケース12内の動力を走行チェーンケース20内に伝動する構成となっている。
【0046】
走行チェーンケース20の回動先端部の左右外側には、走行車輪である左右一対の後輪14をそれぞれ取り付け、この左右一対の後輪14の駆動により機体が走行するようになっている。したがって、主伝動ケース12は、走行車輪としての後輪14に伝動する伝動装置となっている。
【0047】
一方、エンジン載置台の下部には左右方向に延びる前輪支持フレーム41を前後方向のローリング軸18(図1参照)回りに回動可能に設け、この前輪支持フレーム41の左右両端部に前輪13を取り付けた構成としている。
【0048】
また、図2に示すように、主伝動ケース12の後端の左右方向に配置された左右フレーム21の後部には、右寄りの位置に延びる主フレーム22を設けている。該主フレーム22の後端部には操縦ハンドル16を設け、この操縦ハンドル16が主フレーム22および左右フレーム21を介して主伝動ケース12に支持された構成となっている。
【0049】
また、図2に示すように、主伝動ケース12の後部で左右方向の中央には、油圧昇降シリンダ23を設けている。この油圧昇降シリンダ23は、主伝動ケース12に取り付けられた油圧切替バルブ部24(図1参照)に固着して設けられ、主伝動ケース12に取り付けられた油圧ポンプからの油圧を切り替える油圧切替バルブ部24に備えられた昇降操作バルブを操作することにより作動するようになっている。
【0050】
また、図2に示すように、油圧昇降シリンダ23のシリンダロッド端には左右に延びる横杆43を設け、この横杆43の左右端部にそれぞれ後輪昇降ロッド44、45を枢着し該ロッド44、45の他端をそれぞれの走行エクステンションケース40に取り付けられた上側ア−ム40aに枢着して、横杆43と走行エクステンションケース40とが連結された構成となっている。
【0051】
したがって、油圧昇降シリンダ23の伸縮により横杆43、後輪昇降ロッド44、45を介して主伝動ケース12の左右の出力軸回りに走行チェーンケース20が回動され、該走行チェーンケース20の回動により後輪14が上下して走行機体が昇降する構成となっている。
【0052】
また、左側の後輪昇降ロッド44が伸縮するように該ロッド44の中途部に油圧ポンプからの油圧により作動する水平用油圧シリンダ25を設けており、該水平用油圧シリンダ25の伸縮により右側の後輪14の上下位置に対して左側の後輪14を上下させて、畝Uの谷部の凹凸に関係なく走行機体を左右水平に維持できるようになっている。
【0053】
なお、主伝動ケース12の右側には振り子式の左右傾斜センサ42が設けられて、この左右傾斜センサ42の検出により油圧切替バルブ部24に備えられた水平操作バルブを介して水平用油圧シリンダ25を作動させ、走行機体を左右水平に維持する構成となっている。
【0054】
本実施の形態1の植付装置19は、種芋を1個ずつ圃場の畝部に植付けるべく、主伝動ケース12内からの動力が主伝動ケース12の後側に設けた植付伝動ケース26と、その植付伝動ケース26に取り付けられた植付装置駆動ケース27を介して伝達され作動するようになっている。
【0055】
種芋植付装置19は、先端が尖ったカップ状の植付具28と該植付具28を昇降させるべく作動する昇降リンク機構29とで構成される。植付具28の先端は、植付具28の昇降動作によって、図1に示すように、前後方向の幅が上部よりも下部の方が大きい形状の軌跡17を描いて図中の矢印方向に繰り返し作動する。
【0056】
図3は、種芋供給部31を下から見た底面図である。
【0057】
図2に示すように、種芋供給部31には、作業者が手で種芋を一個ずつ供給するための供給カップ33が、供給回転台32上にループ状で所定間隔毎に配置されている。
【0058】
そして、図3に示すように、各供給カップ33の底部には、上下方向に可動する開閉蓋34が、それぞれ1つずつ設けられている。
【0059】
また、図3に示すように、各供給カップ33の下方には、供給回転台32の矢印A方向への回転により供給カップ33が、植付具28の上死点の位置に対応した所定位置Pに来たときにのみ供給カップ33の底部の開閉蓋34が開くように、略C字型の供給カップ開閉ガイド35が、走行機体側に固定されている。
【0060】
本実施の形態1の種芋移植機10は、その機体の走行と共に歩行する作業者が、種芋載置台30にある種芋を一つずつ手でつかんで、機体の走行にあわせてA方向に回転している供給カップ33に、それぞれ入れていく。
【0061】
供給カップ33の開閉蓋34は、供給カップ33のA方向への回転に伴って、植付具28が上死点に来た時に開放され、供給カップ33内の種芋が下方の植付具28に供給される。植付具28の先端部は、図1に示す軌跡17を描いて駆動し、最下端に来た時に圃場に所定深さまで進入するとともに鳥の嘴の如く開いて、内部に保持されていた種芋が圃場に落下して植え付けられる。
【0062】
次に、本実施の形態1の植付装置19の詳細な構成および動作について説明する。
【0063】
図4〜図6に、植付装置19の要部拡大側面図を示す。図4は、植付具28が上死点にあるときの側面図を、図6は、植付具28が下死点にあるときの側面図を、図5は、植付具28が上死点から下死点に至る途中の位置にあるときの側面図を、それぞれ示している。なお、図4〜図6では、植付具28の開閉機構の記載は省略している。
【0064】
植付装置19は、図4〜図6に示すように、上部に形成した開口から種芋を受けて左右に開閉可能な先端が尖ったカップ状の植付具28と、この植付具28を昇降駆動する植付装置駆動ケース27(図2参照)に設けられた昇降リンク機構29とから構成される。
【0065】
昇降リンク機構29は、植付装置駆動ケース27に上端が上前軸62と揺動カム駆動軸60にそれぞれ回動自在に枢支され、下端がそれぞれ下前軸63と下後軸65にて回動自在に連結支持板68にて連結されて前後に平行に設けられた前揺動アーム50と後揺動アーム51を備える。
【0066】
また、連結支持板68の上軸64と下後軸65に前端がそれぞれ回動自在に枢支され、後端がそれぞれ植付具28の支持板72に設けた回動上軸73と回動下軸74に回動自在に連結された平行な上アーム52および下アーム53を備える。
【0067】
なお、昇降リンク機構29が、本発明のリンク機構の一例にあたる。また、主に前後に揺動する前揺動アーム50および後揺動アーム51が、本発明の所定方向に揺動する2本の第1揺動リンクの一例にあたり、主に上下に揺動する上アーム52および下アーム53が、本発明の別の所定方向に揺動する2本の第2揺動リンクの一例にあたる。また、前揺動アーム50が、本発明の一方の第1揺動リンクの一例にあたり、下アーム53が、本発明の一方の第2揺動リンクの一例にあたる。また、揺動カム駆動軸60が、本発明の駆動軸の一例にあたり、上前軸62が、本発明の一方の第1揺動リンクの回動支点軸の一例にあたる。
【0068】
植付装置駆動ケース27から突出して設けたクランクアーム駆動軸61に基部が固着されて回転するクランクアーム55と、クランクアーム55の先端に設けた回動支持軸66に回動自在に一端が枢支され、他端が下アーム53の前後途中部分に設けた回動枢支軸67に回動自在に連結された連結アーム56を備える。
【0069】
また、揺動カム駆動軸60に固定されて回転する揺動駆動カム54を備え、揺動駆動カム54の周縁部に当接するように、前揺動アーム50の上前軸62寄りの途中部分に回動自在に回動ローラ57が設けられている。
【0070】
なお、揺動駆動カム54が、本発明の第1揺動用部材の一例にあたり、クランクアーム55が、本発明の第2揺動用部材の一例にあたる。
【0071】
また、植付装置駆動ケース27に設けられた支持ピン58と後揺動アーム51の下端部との間に設けられて、前揺動アーム50および後揺動アーム51を機体後方に向けて付勢し、揺動駆動カム54と回動ローラ57を当接させる引張バネ59を備えている。
【0072】
なお、植付具28の下部は、嘴状の左側部材70Lと右側部材70Rとから構成されており、左側部材70Lと右側部材70Rは閉じた状態で内部に種芋を保持して、植付け軌跡17の最下端で左右に開いて畝内で種芋を植付ける一般的な構成である。
【0073】
次に、上記昇降リンク機構29の作動によって、植付具28の下端が植付け軌跡17(静軌跡:機体を停止した状態の軌跡)を描いて植付具28が種芋を畝Uに移植する作用を説明する。
【0074】
揺動カム駆動軸60がB方向に回転することにより、揺動カム駆動軸60に固定されている揺動駆動カム54はB方向に回転し、揺動駆動カム54に当接する回動ローラ57を介して前揺動アーム50および後揺動アーム51が前後に揺動する。
【0075】
一方、クランクアーム駆動軸61が回転することにより、クランクアーム駆動軸61に固定されているクランクアーム55がC方向に回動し、連結アーム56を介して下アーム53および上アーム52が上下に揺動する。
【0076】
したがって、前揺動アーム50および後揺動アーム51と、上アーム52および下アーム53は、いずれも平行リンク機構であるから、植付具28は垂直方向を向いた姿勢を維持してその下端が植付け軌跡17を描いて作動し、植付具28内に受け入れられた種芋を適正な姿勢で畝に植付けることができる。
【0077】
種芋が植付具28に供給される位置、すなわち植付具28が上死点付近にある場合の、揺動駆動カム54が回動ローラ57と当接している位置における揺動駆動カム54の径の変化は小さくなるように、また、種芋を植え付ける位置、すなわち植付具28が下死点付近にある場合の、揺動駆動カム54が回動ローラ57と当接している位置における揺動駆動カム54の径の変化は大きくなるように、揺動駆動カム54の形状および揺動駆動カム54が揺動カム駆動軸60に固定される向きが設定されている。
【0078】
揺動駆動カム54の形状および揺動カム駆動軸60に固定される向きをこのように構成することにより、植付具28の先端の移動速度を、種芋を植え付ける位置よりも、種芋を供給する位置を遅くすることができる。
【0079】
また、図4および図6に示すように、上死点および下死点では、クランクアーム55と連結アーム56が、鉛直方向で直線状に重なる位置となり、かつ、前揺動アーム50および後揺動アーム51と平行になるようにしている。従って、種芋が植付具28に供給される位置、すなわち植付具28が上死点付近にある場合と、種芋を植え付ける位置、すなわち植付具28が下死点付近にある場合の、クランクアーム55の回転による連結アーム56の上下方向の位置の変化は小さくなるように、クランクアーム55の向きが設定されている。
【0080】
本実施の形態1の植付装置19は、上記構成により、植え付け動作時に、植付具28の先端によって、ループ状の軌跡17を描かせるように動作させ、上死点(種芋が供給される位置)における植付具28の移動速度が、下死点(種芋が植え付けられる位置)における移動速度よりも遅くなるようにしている。
【0081】
さらに、図1に示すように、植付具28の先端によって描かれる軌跡17が、植え付ける位置で前後の幅が最大となるように、すなわち植付具28の上下動する幅の中心よりも下部で前後の幅が最大となるようにしている。
【0082】
本実施の形態1の植付装置19では、上記した平行リンク機構を、1つのクランクアーム55により動作させている。一軸のクランクアーム55で駆動するため、伝動系のガタによる植付不具合を抑制することができる。
【0083】
また、上記した平行リンク機構を、揺動駆動カム54によって前後移動させている。揺動駆動カム54を用いている構成なので、植付具28の先端が描く軌跡17の前後幅を自由に設定することができる。
【0084】
また、揺動駆動カム54を、後揺動アーム51の支点である揺動カム駆動軸60を中心に回転させる構成としているので、簡単な構成となっている。また、機体後ろ側の後揺動アーム51の支点を、揺動駆動カム54の支点としているので、植付装置19の小型化を図ることができる。
【0085】
また、揺動駆動カム54に当接する回動ローラ57を、前揺動アーム50の長手方向の中央位置よりも上前軸62に近い位置、すなわち前揺動アーム50の支点である上前軸62に近い位置に配置しているので、揺動駆動カム54の支点との距離を短くでき、揺動駆動カム54を小さくできる。揺動駆動カム54を小さくできるので、植付装置19の小型化を図ることができる。
【0086】
また、連結アーム56の長さは、クランクアーム55の長さとの差が小さい方が望ましい。連結アーム56の長さを、クランクアーム55に近い長さとすることにより、上死点における植付具28の移動速度を遅くすることができ、種芋等を確実に植付具28へ供給させることができる。
【0087】
また、植付具28の先端が描く静軌跡17は、下死点付近で円形状となっているので、種芋移植機10走行時の動軌跡は、下死点付近では直線的に上下する軌跡となり、種芋等の移植対象物をきれいに植え付けることができる。さらに、植付具28の先端が描く軌跡17を、植え付け深さの範囲で円形状となるように調整するのが望ましい。植え付け深さの範囲で円形状の静軌跡とすることにより、植穴を小さくすることができる。
【0088】
また、植付具28の先端が描く軌跡17を、植え付け深さよりも上方では前後幅が小さくなる形状としたことにより、植付具28が上昇する際の後ろ方向へのベクトルが小さくなり、植付具28の先端が、植え付けた苗や種芋等を引っ掛けないようにできる。
【0089】
また、植付具28が下降する際に、揺動駆動カム54および回動ローラ57間の摩擦力と植付具28の自重との関係で、植付具28が急激に降下して植付具28内に保持している苗や種芋等が落ちる場合があるが、本実施の形態1の植付装置19では、引張バネ59により付勢していることで、植付具28の自重による急激な降下の現象が生じるのを抑制している。
【0090】
また、引張バネ59により、下死点付近では植付具28の後方への動作のアシストとなるので、抵抗力の大きい土中において、植付具28を安定して動作させることができる。
【0091】
次に、図7に、本実施の形態1の他の構成の植付装置39の要部拡大側面図を示す。図4〜図6と同じ構成部分には、同じ符号を用いている。図7は、植付具28が上死点にあるときの側面図を示している。なお、図7では、植付具28の開閉機構の記載は省略している。
【0092】
図7に示す植付装置39は、図4〜図6に示した植付装置19と同じ構成であり、クランクアーム駆動軸69が、植付装置19のクランクアーム駆動軸61とは逆方向に回転する点のみが異なる。
【0093】
図7に示す植付装置39では、クランクアーム駆動軸69が逆方向に回転するので、クランクアーム55がクランクアーム駆動軸69を中心としてD方向に回動する。
【0094】
クランクアーム55を、植付装置19とは逆向きのD方向へ回動させることにより、上死点における植付具28の移動速度を、植付装置19の場合よりも遅くさせ易くなる。上死点における植付具28の移動速度を遅くすることで、より確実に種芋を植付具28へ供給させることができる。
【0095】
下死点付近では、前揺動アーム50および後揺動アーム51が、前方から後方へ向けて動作するのに対し、クランクアーム55の先端の回動支持軸66は、後方から前方へ向けて回動する。前揺動アーム50および後揺動アーム51と、クランクアーム55とが対向して動作するため、植付具28の上下動の速度は、植付装置19の場合よりも速くなる。したがって、植え付けの株間が変化しても、植付具28先端の軌跡の変化は小さい。
【0096】
また、下死点において、クランクアーム55と連結アーム56が一直線となるようにすると、クランクアーム55による上下動と、連結アーム56の傾きによる上下動が一致するため、植付具28の移動を速くできる。このときの一直線の向きを鉛直方向としたときに、植付具28の移動を最も速くすることができる。
【0097】
さらに、下死点において、前揺動アーム50および後揺動アーム51が、クランクアーム55および連結アーム56と平行になるようにすることで、前揺動アーム50および後揺動アーム51の上下動が少なくなり、クランクアーム55および連結アーム56による上下動で、植付具28をより速く移動させることができる。
【0098】
次に本実施の形態1の、植付具28を開閉するための植付装置39の開閉機構および動作について説明する。
【0099】
図8に、本実施の形態1の植付装置39の要部拡大側面図を示す。図8は、図7で説明した植付装置39であり、図7では省略した植付具28の開閉機構も記載した側面図である。
【0100】
植付具28の開閉動作のためのカウンターアーム79が、下アーム53の一端が連結されている回動下軸74に、回動自在に軸支されている。
【0101】
また、開閉アーム76が、下アーム53の他端が連結されている下後軸65に、回動自在に軸支されており、開閉アーム76の途中部分とカウンターアーム79の一端が、連結ロッド78により連結されている。カウンターアーム79の他端部分には、長孔が設けられており、ホルダ71に立設されたピン80が遊嵌されている。
【0102】
また、連結ロッド78には、カウンターアーム79との連結部分に調節ネジ82が設けられており、この調節ネジ82により、開閉アーム76とカウンターアーム79間の連結ロッド78の長さを調節できるようになっている。
【0103】
また、揺動駆動カム54とともに揺動カム駆動軸60に固定されて回転する開閉駆動カム75が設けられており、開閉駆動カム75の周縁部に当接するように、開閉アーム76の一端に回動自在に開閉用ローラ77が設けられている。揺動カム駆動軸60の回転にしたがって開閉駆動カム75が回転することにより、開閉用ローラ77を介して開閉アーム76に所定のタイミングで作用させる。
【0104】
植付具28の開閉動作については、下アーム53が連結されている回動下軸74に軸支したカウンターアーム79が、上アーム52および下アーム53の昇降位置によることなく、連結ロッド78を介して開閉アーム76と並行動作し、この開閉アーム76は、開閉用ローラ77を介して開閉駆動カム75によって動作制御される。したがって、簡易な形状の開閉駆動カム75によって開閉タイミングと開閉量の高精度の制御が可能となる。
【0105】
なお、開閉駆動カム75が、本発明の開閉用カムの一例にあたり、開閉アーム76が、本発明の開閉用部材の一例にあたる。
【0106】
図9に、植付具28を後ろから見た背面図を示す。
【0107】
図8および図9を用いて、植付具28の具体的な開閉動作について説明する。
【0108】
ホルダ71は、左ホルダ71Lおよび右ホルダ71Rで構成され、左ホルダ71Lおよび右ホルダ71Rは、それぞれ左側部材70Lおよび右側部材70Rと連結している。左ホルダ71Lおよび右ホルダ71Rは、支点軸81を中心に離合可能な構造となっている。
【0109】
揺動カム駆動軸60の回転と共に開閉駆動カム75が回転し、開閉用ローラ77が開閉駆動カム75の周縁形状にしたがって前後に揺動することにより、開閉アーム76が、下後軸65を中心に前後に揺動する。開閉アーム76の揺動に伴って、連結ロッド78は、E方向に動作し、連結ロッド78のE方向の動作に伴って、カウンターアーム79は、回動下軸74を中心として、F方向に回動する。そして、カウンターアーム79のF方向の回動に伴って、左ホルダ71Lに立設したピン80に対して上下方向の力が作用する。
【0110】
具体的には、図8において、開閉アーム76が機体前方側へ揺動すると、カウンターアーム79は、回動下軸74を中心として左回りに回動し、ピン80に上向きの力が作用する。ピン80に上向きの力が作用すると、左ホルダ71Lと右ホルダ71Rが離れ、左側部材70Lと右側部材70Rが離れて、植付具28の下部が開く。
【0111】
なお、本実施の形態1では、開閉用ローラ77に作用して植付具28を開閉させるための開閉駆動カム75を、揺動カム駆動軸60に固定して回転させる構成としたが、開閉駆動カムを、クランクアーム55を駆動するクランクアーム駆動軸69に固定し、クランクアーム55と一体に回転する構成としてもよい。
【0112】
本実施の形態1の植付装置39は、後揺動アーム51および下アーム53の支点である下後軸65に開閉アーム76を取り付けているので、簡単な構成となっている。
【0113】
また、図8に示すように、開閉アーム76は、カウンターアーム79を介して植付具28を開閉している。連結ロッド78が、上アーム52および下アーム53と平行リンクとなるので、上アーム52および下アーム53が上下しても、植付具28の開き量は変化しない。
【0114】
また、開閉アーム76の支点である下後軸65およびカウンターアーム79の支点である回動下軸74は、いずれも下アーム53に連結している。植付具28の開閉の荷重が加わっても、一つの剛体(下アーム53)を支点としているため、開閉強度が高い。
【0115】
また、開閉アーム76の支点およびカウンターアーム79の支点が、いずれも下アーム53に連結した構成としていることにより、連結ロッド78が上アーム52に沿って配置され、コンパクトな構成となっている。
【0116】
また、カウンターアーム79が、長孔によって植付具28のホルダ71に連結される、簡単な構造となっている。
【0117】
また、開閉駆動カム75を、揺動駆動カム54とともに後揺動アーム51の支点である揺動カム駆動軸60に取り付けているので、簡単な構造となっている。
【0118】
また、開閉用ローラ77を連結ロッド78から離れた位置に配置しているので、開閉用ローラ77にかかる力が小さくなり、後揺動アーム51の動作の妨げにならない。
【0119】
また、調節ネジ82を設けているので、連結ロッド78の取り付けを調節することができる。また、調節ネジ82を、種芋移植機10の後方から調節できる位置に設けているので、植付具28の後方から、植付具28の開き量を調節することができる。
【0120】
また、図8の構成では、連結ロッド78を、開閉用ローラ77から離れた位置に取り付ける構成としているが、連結ロッド78を、開閉アーム76上の開閉用ローラ77に近い位置に取り付ける構成としてもよい。連結ロッド78を、開閉用ローラ77に近い位置に取り付けることにより、後揺動アーム51が揺動しても、連結ロッド78の引き量の変化を小さくすることができる。
【0121】
さらに、連結ロッド78を、開閉用ローラ77に近い位置に取り付けるようにするとともに、カウンターアーム79を長くして、下アーム53の支点である回動下軸74から連結ロッド78の取り付け位置までの距離を大きくしてもよい。このようにすることで、連結ロッド78が、上アーム52および下アーム53と平行リンクに近い構成となるので、上下動しても連結ロッド78の引き量を小さくでき、それによって連結ロッド78にかかる力を小さくできるので、上アーム52および下アーム53に無理な力が加わらないようにすることができる。
【0122】
なお、上記した本実施の形態1では、前揺動アーム50および後揺動アーム51をカム(揺動駆動カム54)によって作動させ、上アーム52および下アーム53をクランク(クランクアーム55)によって作動させることとしたが、主に上下に揺動する上アームおよび下アームをカムによって作動させ、主に前後に揺動する前揺動アームおよび後揺動アームをクランクによって作動させる構成としてもよい。
【0123】
図10に、そのような構成とした、本実施の形態1の他の構成の植付装置130の要部拡大側面図を示す。
【0124】
図10に示す植付装置130は、例えば図1に示したような種芋移植機10の植付装置19に代えて搭載することができる。ここでは、図1の種芋移植機10に、植付装置130を搭載するものとして説明する。
【0125】
植付装置130は、図4で示した植付具28と同様の構造の植付具143と、この植付具143を昇降駆動する植付装置駆動ケース27(図2参照)に設けられた昇降リンク機構とから構成される。
【0126】
図10に示す昇降リンク機構は、植付装置駆動ケース27に前端が上前軸141と揺動カム駆動軸139にそれぞれ回動自在に枢支され、後端がそれぞれ回動自在に連結支持板142にて連結されて上下に平行に設けられた上アーム133と下アーム134を備える。
【0127】
また、連結支持板142に上端がそれぞれ回動自在に枢支され、下端がそれぞれ植付具143に回動自在に連結された平行な前揺動アーム131および後揺動アーム132を備える。
【0128】
なお、図10に示す植付装置130では、主に上下方向に揺動する上アーム133および下アーム134が、本発明の所定方向に揺動する2本の第1揺動リンクの一例にあたり、主に前後方向に揺動する前揺動アーム131および後揺動アーム132が、本発明の別の所定方向に揺動する2本の第2揺動リンクの一例にあたる。また、上アーム133が、本発明の一方の第1揺動リンクの一例にあたり、前揺動アーム131が、本発明の一方の第2揺動リンクの一例にあたる。また、揺動カム駆動軸139が、本発明の駆動軸の一例にあたり、上前軸141が、本発明の一方の第1揺動リンクの回動支点軸の一例にあたる。
【0129】
植付装置駆動ケース27から突出して設けたクランクアーム駆動軸140に基部が固着されて回転するクランクアーム136と、クランクアーム136の先端に設けた回動支持軸に回動自在に一端が枢支され、他端が前揺動アーム131の途中部分に設けた回動枢支軸に回動自在に連結された連結アーム137を備える。
【0130】
また、揺動カム駆動軸139に固定されて回転する揺動駆動カム135を備え、揺動駆動カム135の周縁部に当接するように、上アーム133の上前軸141寄りの途中部分に回動自在に回動ローラ138が設けられている。
【0131】
なお、揺動駆動カム135が、本発明の第1揺動用部材の一例にあたり、クランクアーム136が、本発明の第2揺動用部材の一例にあたる。
【0132】
揺動カム駆動軸139が回転することにより、揺動カム駆動軸139に固定されている揺動駆動カム135は回転し、揺動駆動カム135に当接する回動ローラ138を介して上アーム133および下アーム134が上下に揺動する。
【0133】
一方、クランクアーム駆動軸140が回転することにより、クランクアーム駆動軸140に固定されているクランクアーム136が回動し、連結アーム137を介して前揺動アーム131および後揺動アーム132が前後に揺動する。
【0134】
したがって、上アーム133および下アーム134と、前揺動アーム131および後揺動アーム132は、いずれも平行リンク機構であるから、植付具143は垂直方向を向いた姿勢を維持してその下端が、植付装置19と同様の植付け軌跡17を描いて作動し、植付具143内に受け入れられた種芋を適正な姿勢で畝に植付けることができる。
【0135】
種芋が植付具143に供給される位置、すなわち植付具143が上死点付近にある場合の、揺動駆動カム135が回動ローラ138と当接している位置における揺動駆動カム135の径の変化は小さくなるように、また、種芋を植え付ける位置、すなわち植付具143が下死点付近にある場合の、揺動駆動カム135が回動ローラ138と当接している位置における揺動駆動カム135の径の変化は大きくなるように、揺動駆動カム135の形状および揺動駆動カム135が揺動カム駆動軸139に固定される向きが設定されている。
【0136】
なお、図10に示す植付装置130は、揺動駆動カム135を、下アーム134の支点である揺動カム駆動軸139を中心に回転させる構成としているので、簡単な構成となっている。また、機体下側の下アーム134の支点を、揺動駆動カム135の支点としているので、植付装置130の小型化を図ることができる。
【0137】
また、揺動駆動カム135に当接する回動ローラ138を、上アーム133の長手方向の中央位置よりも上前軸141に近い位置、すなわち上アーム133の支点である上前軸141に近い位置に配置しているので、揺動駆動カム135の支点との距離を短くでき、揺動駆動カム135を小さくできる。揺動駆動カム135を小さくできるので、植付装置130の小型化を図ることができる。
【0138】
(実施の形態2)
図11、図12および図13に、それぞれ、本発明の実施の形態2の植付装置90の斜視図、平面図、および機体の後ろから見た背面図を示す。
【0139】
本実施の形態2の植付装置90は、例えば図1に示したような種芋移植機10の植付装置として使用することができる。ここでは、図1の種芋移植機10に、植付装置19に代えて植付装置90を搭載するものとして説明する。
【0140】
植付装置90は、図11〜図13に示すように、上部に形成した開口から苗株を受けて左右に開閉可能な先端が尖ったカップ状の植付具91と、この植付具91を昇降駆動する植付装置駆動ケース27(図2参照)に設けられた昇降リンク機構とから構成される。
【0141】
なお、植付具91は、実施の形態1の植付具28と同様に、先端が尖ったカップ状の下部が閉じた状態で内部に種芋を保持して、植付け軌跡の最下端で左右に開いて畝内で種芋を植付ける一般的な構成である。
【0142】
本実施の形態2の昇降リンク機構は、植付装置駆動ケース27に上端が揺動カム駆動軸108と上後軸110にそれぞれ回動自在に枢支され、下端がそれぞれ下前軸111と下後軸113にて回動自在に連結支持板114にて連結されて前後に平行に設けられた前揺動アーム100(図14(a)参照)と後揺動アーム101を備える。
【0143】
また、連結支持板114の上軸112と下後軸113に前端がそれぞれ回動自在に枢支され、後端がそれぞれ植付具91の回動上軸115と回動下軸116に回動自在に連結された平行な上アーム102および下アーム103を備える。
【0144】
植付装置駆動ケース27から突出して設けたクランクアーム駆動軸109に基部が固着されて回転するクランクアーム105と、クランクアーム105の先端に設けた回動支持軸に回動自在に一端が枢支され、他端が下アーム103の前後途中部分に設けた回動枢支軸に回動自在に連結された連結アーム106を備える。
【0145】
また、揺動カム駆動軸108に固定されて回転する揺動駆動カム104を備え、揺動駆動カム104の周縁部に当接するように、後揺動アーム101の上後軸110寄りの途中部分に回動自在に回動ローラ107が設けられている。
【0146】
また、植付装置駆動ケース27に設けられた支持ピンと後揺動アーム101の下端部との間に設けられて、前揺動アーム100および後揺動アーム101を機体前方に向けて付勢し、揺動駆動カム104と回動ローラ107を当接させる引張バネ117(図14(a)参照)を備えている。
【0147】
また、植付具91の開閉動作のためのカウンターアーム124が、上アーム102の一端が連結されている回動上軸115に、回動自在に軸支されている。
【0148】
また、開閉アーム121が、上アーム102の他端が連結されている上軸112に、回動自在に軸支されており、開閉アーム76とカウンターアーム124が、連結ロッド123により連結されている。カウンターアーム124には、孔が設けられており、植付具91のホルダ部分に立設されたピン125が遊嵌されている。
【0149】
また、揺動駆動カム104とともに揺動カム駆動軸108に固定されて回転する開閉駆動カム120が設けられており、開閉駆動カム120の周縁部に当接するように、開閉アーム121上に開閉用ローラ122が設けられている。揺動カム駆動軸108の回転にしたがって開閉駆動カム120が回転することにより、開閉用ローラ122を介して開閉アーム121に所定のタイミングで作用させる。
【0150】
このような構成により、本実施の形態2の植付装置90は、実施の形態1の植付装置19と同様に、植付動作時において、種芋移植機10が停止している場合に、先端が軌跡17を描くように動作する。
【0151】
次に、本実施の形態2の植付装置90の動作について説明する。
【0152】
図14(a)〜(d)は、植付動作中の各位置における植付装置90の側面図を示している。図14(a)は、上死点における側面図を示し、図14(c)は、下死点における側面図を示している。図14(b)は、上死点から下死点に向けて下降している際の側面図を示し、図14(d)は、下死点から上死点に向けて上昇している際の側面図を示している。
【0153】
揺動カム駆動軸108が回転することにより、揺動カム駆動軸108に固定されている揺動駆動カム104は揺動カム駆動軸108とともに回動し、揺動駆動カム104と当接する回動ローラ107を介して後揺動アーム101および前揺動アーム100が前後に揺動する。
【0154】
一方、クランクアーム駆動軸109が回転することにより、クランクアーム駆動軸109に固定されているクランクアーム105がクランクアーム駆動軸109とともに回動し、連結アーム106を介して下アーム103および上アーム102が上下に揺動する。
【0155】
したがって、前揺動アーム100および後揺動アーム101と、上アーム102および下アーム103は、いずれも平行リンク機構であるから、植付具91は垂直方向を向いた姿勢を維持してその下端が植付け軌跡17を描いて作動し、植付具91内に受け入れられた種芋を適正な姿勢で畝に植付けることができる。
【0156】
次に、植付具91の開閉動作について説明する。
【0157】
揺動カム駆動軸108の回転と共に開閉駆動カム120が右回りに回転し、開閉駆動カム120の周縁部が開閉用ローラ122に当接すると、開閉駆動カム120の周縁部の形状にしたがって、開閉アーム121には、上軸112を中心として左回りに回転する力が作用する。
【0158】
開閉アーム121が左回りに回転することに伴って、連結ロッド123には、開閉アーム121側へ引っ張る力が作用し、カウンターアーム124には、回動上軸115を中心として、左回りに回動する力が作用する。そして、カウンターアーム124の左回りの回動に伴って、ピン125を上げる力が作用する。ピン125に上向きの力が作用すると、植付具91の下部が開いて、植付具91内に受け入れられた種芋が落下する。
【0159】
植付具91は、ピン125に対して上向きの力が作用していない場合には、下部の閉じた状態が維持されるように構成されており、ピン125に対して上向きの力が作用すると、下部が開くようになっている。
【0160】
図14(a)および(b)に示す位置では、開閉用ローラ122には開閉駆動カム120が当接していないので、上死点および上死点から下降する位置では、植付具91の下部が閉じた状態が維持されている。
【0161】
図14(c)の下死点の位置において、開閉用ローラ122に開閉駆動カム120が当接し始め、下死点から上昇する図14(d)の位置では、開閉用ローラ122に開閉駆動カム120が当接し続ける状態となる。
【0162】
したがって、植付具91は、下降して下死点に至るまでは、下部が閉じた状態が維持され、下死点の位置で下部が開き始め、下死点からは下部が開いた状態のまま上昇し始める。
【0163】
このように、上アーム102が連結されている回動上軸115に軸支したカウンターアーム124が、上アーム102および下アーム103の昇降位置によることなく、連結ロッド123を介して開閉アーム121と並行動作し、この開閉アーム121は、開閉用ローラ122を介して開閉駆動カム120によって動作制御される。したがって、簡易な形状の開閉駆動カム120によって開閉タイミングと開閉量の高精度の制御が可能となる。
【0164】
図15は、植付動作時の、本実施の形態2の植付具91の、上下動速度、前後動速度、および上下動速度と前後動速度を合成した絶対速度を示したグラフである。
【0165】
図15では、植付具91の、上下動速度を破線で示し、前後動速度を一点鎖線で示し、それらを合成した絶対速度を実線で示している。
【0166】
図15より、植付具91の絶対速度は、下死点では速いのに対し、上死点では非常に遅くなっていることがわかる。つまり、植付具91は、下死点付近では、比較的早く移動しているのに対し、上死点では、ゆっくりと移動しており停止に近い状態になっている。
【0167】
つまり、供給カップ33から種芋が供給される上死点付近では、植付具91の速度が非常に遅くなっているので、供給カップ33から確実に種芋を供給させることができる。
【0168】
図16(a)〜(c)は、植付動作時における、本実施の形態2の植付具91の、種芋移植機10が停止している場合の静軌跡、および種芋移植機10が走行している場合の動軌跡を示している。それぞれ、静軌跡を一点差線で示し、動軌跡を実線で示している。
【0169】
図16(a)〜(c)に示す動軌跡は、種芋移植機10の走行速度を変えて株間を変えたものであり、それぞれ、株間を40cm、50cmおよび60cmとした場合を示している。
【0170】
図16より、動軌跡は、株間50cmで、下死点から75mmでの軌跡のラップ代は4.9mmであり、また、株間40cmおよび60cmでは、19.1mmおよび20.2mmであり、問題なく植え付け可能であることを確認できた。
【0171】
また、上死点では、X方向変位が10mm以下になる時間が0.21秒であり、供給カップ33から確実に種芋を供給できる停止時間であることを確認できた。
【0172】
よって、植付具91の上死点での移動速度を小さく(停止時間を大きく)できるので、従来のような上死点で植付具91への伝動を停止して該植付具91を間欠的に作動させる間欠植付機構を設けなくても、植付具91への伝動比を変更するだけで種々の株間で適正な動軌跡により植え付けることができる。
【0173】
なお、各実施の形態では、本発明の移植対象物として種芋を例に説明したが、本発明の植付装置は、種芋以外の移植対象物を植え付ける植付装置としても適用できる。例えば、植付装置を利用する苗株用の植付装置としても適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0174】
本発明にかかる植付装置は、上下動を繰り返す植付具へ確実に移植対象物を供給できるので、種芋や苗株等の移植対象物を植え付ける植付装置を備えた移植機などに適用でき、産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0175】
10 種芋移植機
11 エンジン
12 主伝動ケース
13 前輪
14 後輪
15 鎮圧輪
16 操縦ハンドル
17 軌跡
18 ローリング軸
19 植付装置
20 走行チェーンケース
21 左右フレーム
22 主フレーム
23 油圧昇降シリンダ
24 油圧切替バルブ部
25 水平用油圧シリンダ
26 植付伝動ケース
27 植付装置駆動ケース
28 植付具
29 昇降リンク機構
30 種芋載置台
31 種芋供給部
32 供給回転台
33 供給カップ
34 開閉蓋
35 供給カップ開閉ガイド
39 植付装置
40 走行エクステンションケース
40a 上側アーム
41 前輪支持フレーム
42 左右傾斜センサ
43 横杆
44、45 後輪昇降ロッド
50 前揺動アーム
51 後揺動アーム
52 上アーム
53 下アーム
54 揺動駆動カム
55 クランクアーム
56 連結アーム
57 回動ローラ
58 支持ピン
59 引張バネ
60 揺動カム駆動軸
61 クランクアーム駆動軸
62 上前軸
63 下前軸
64 上軸
65 下後軸
66 回動支持軸
67 回動枢支軸
68 連結支持板
69 クランクアーム駆動軸
70L 左側部材
70R 右側部材
71 ホルダ
71L 左ホルダ
71R 右ホルダ
72 支持板
73 回動上軸
74 回動下軸
75 開閉駆動カム
76 開閉アーム
77 開閉用ローラ
78 連結ロッド
79 カウンターアーム
80 ピン
81 支点軸
82 調節ネジ
90 植付装置
91 植付具
100 前揺動アーム
101 後揺動アーム
102 上アーム
103 下アーム
104 揺動駆動カム
105 クランクアーム
106 連結アーム
107 回動ローラ
108 揺動カム駆動軸
109 クランクアーム駆動軸
110 上後軸
111 下前軸
112 上軸
113 下後軸
114 連結支持板
115 回動上軸
116 回動下軸
117 引張バネ
120 開閉駆動カム
121 開閉アーム
122 開閉用ローラ
123 連結ロッド
124 カウンターアーム
125 ピン
130 植付装置
131 前揺動アーム
132 後揺動アーム
133 上アーム
134 下アーム
135 揺動駆動カム
136 クランクアーム
137 連結アーム
138 回動ローラ
139 揺動カム駆動軸
140 クランクアーム駆動軸
141 上前軸
142 連結支持板
143 植付具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移植対象物を植え付ける植付具(28)と、
所定方向に揺動する第1揺動リンク(51)と、一端が前記第1揺動リンク(51)に連結され、他端が前記植付具(28)に連結し、別の所定方向に揺動する第2揺動リンク(53)とを有するリンク機構(29)と、
前記第1揺動リンク(51)を作動させる第1揺動用部材(54)と、
前記第2揺動リンク(53)を作動させる第2揺動用部材(55)と、を備え、
前記第1揺動用部材(54)および前記第2揺動用部材(55)が、前記第1揺動リンク(51)および前記第2揺動リンク(53)を作動させることによって、前記植付具(28)の先端にループ状の静軌跡(17)を描かせるとともに、前記植付具(28)の先端の速度を、前記移植対象物を植え付ける位置におけるよりも前記移植対象物が供給される位置における方が遅くなるようにする、植付装置。
【請求項2】
前記植付具(28)の先端の上下動する幅の中心位置よりも下方の位置で、前記静軌跡(17)の前後幅が最大となる、請求項1に記載の植付装置。
【請求項3】
前記第1揺動リンク(50、51)および前記第2揺動リンク(52、53)は、それぞれ2本あり、
前記第1揺動用部材(54)は、一方の前記第1揺動リンク(50)に作用し、
前記第2揺動用部材(55)は、一方の前記第2揺動リンク(53)に作用する、請求項1または2に記載の植付装置。
【請求項4】
前記第1揺動用部材(54)は、前記2本の第1揺動リンク(50、51)のうちの他方の前記第1揺動リンク(51)の回動支点軸を兼用する駆動軸(60)によって駆動される、請求項3に記載の植付装置。
【請求項5】
前記駆動軸(60)によって駆動される前記第1揺動用部材(54)は、前記一方の第1揺動リンク(50)の中央位置よりも、前記一方の第1揺動リンク(50)の回動支点軸(62)に近い位置に作用する、請求項4に記載の植付装置。
【請求項6】
前記第1揺動用部材(54)は、周縁部によって前記第1揺動リンク(50)に作用する板状のカム(54)であり、
前記第2揺動用部材(55)は、連結アーム(56)を介して前記第2揺動リンク(53)に連結されるクランク(55)であり、
前記植付具(28)の先端が前記移植対象物が供給される位置に存在する場合の前記カム(54)の径の変化は、前記植付具(28)の先端が前記移植対象物を植え付ける位置に存在する場合の前記カム(54)の径の変化よりも小さく、
前記植付具(28)の先端が、前記移植対象物が供給される位置に存在する場合および前記移植対象物を植え付ける位置に存在する場合では、前記クランク(55)が鉛直または鉛直に近い向きとなる、請求項1〜5のいずれかに記載の植付装置。
【請求項7】
前記植付具(28)の先端が前記移植対象物を植え付ける植付位置またはその近傍に存在する場合で、前記クランク(55)および前記連結アーム(56)は、直線状に重なり、前記クランク(55)および前記第1揺動リンク(51)は、互いに平行となる、請求項6に記載の植付装置。
【請求項8】
前記第1揺動リンク(51)および前記第2揺動リンク(53)と共に移動し、前記植付具(28)を開閉する開閉用部材(76)と、
前記第1揺動用部材(54)または前記第2揺動用部材(55)と一体で駆動され、前記開閉用部材(76)を作動させる開閉用カム(75)とを備えた、請求項1〜7のいずれかに記載の植付装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate