説明

植木鉢スタンド

【課題】水平な場所のみならず、傾斜面や段差のある場所などの様々な場所に、植木鉢を水平に維持したまま展示することが可能な植木鉢スタンドの提供。
【解決手段】略アーチ状の主フレーム2と、植木鉢Aを受け入れて保持するリング部3aと、このリング部3aを主フレーム2に回動自在に軸支する支持部3bとからなる鉢受けフレーム3とからなる植木鉢スタンド1であり、略アーチ状の主フレーム2により、水平な場所のみならず、傾斜面や段差のある場所などの様々な場所に安定して設置することができるとともに、この主フレーム2に回動自在に軸支されたリング部3aに植木鉢Aを保持させることで、植木鉢Aを水平に維持したまま展示することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植木鉢を展示するための植木鉢スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の植木鉢を展示する植木鉢スタンドが知られている。例えば、特許文献1には、土台の上に2本の支柱を立設し、植木鉢用受皿に設けた受皿保持軸の自由端部を支柱の小孔に挿入して、受皿を2本の支柱間に取り付けた植木鉢用スタンドが記載されている。この植木鉢スタンドではスタンドに人が衝突した場合など外部から衝撃が加えられたときに、この衝撃により受皿が回動することにより衝突エネルギーが吸収され、受皿上の植木鉢が落下する可能性が少なくなる。
【0003】
また、特許文献2には、多数の鉢植え植物を配置させるベンチ本体を支柱に環装した筒部材に蝶番を介して連結し、また、車輪付きの支持部材にヒンジ結合を介して支持させた栽培ベンチ装置が記載されている。この栽培ベンチ装置では、鉢植え植物は鉢押さえ枠を介してベント本体外枠に対し観覧車のゴンドラ様に回動して常に水平に維持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−127451号公報
【特許文献2】特開平11−332381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のものは、土台上に2本の支柱が立設されたものであり、衝撃に対して受皿が回動するようになっているものの、基本的には鉛直方向に植木鉢を展示することしかできない。また、特許文献2に記載のものでは、各ベンチ本体の傾斜角度を変動させて多数の鉢植え植物を展示することが可能であるが、支柱を水平な地面に鉛直に立設し、支持部材を案内するレール用鉄管を水平に敷設する必要がある。すなわち、特許文献1,2に記載のものは、いずれも水平な場所にしか設置することができない。
【0006】
そこで、本発明は、水平な場所のみならず、傾斜面や段差のある場所などの様々な場所に、植木鉢を水平に維持したまま展示することが可能な植木鉢スタンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の植木鉢スタンドは、略アーチ状の主フレームと、植木鉢を受け入れて保持するリング部と、このリング部を主フレームに回動自在に軸支する支持部とからなる鉢受けフレームとからなる。本発明の植木鉢スタンドでは、略アーチ状の主フレームにより、水平な場所のみならず、傾斜面や段差のある場所などの様々な場所に安定して設置することができる。また、この主フレームに回動自在に軸支されたリング部に植木鉢を保持させることで、植木鉢は自動的にバランスを取って、水平を維持することができる。
【0008】
また、本発明の植木鉢スタンドは、主フレームが対の略アーチ状の支持骨と、この対の略アーチ状の支持骨間を連結する補強骨とからなり、補強骨に回動可能に支持された固定具を有するものであることが望ましい。これにより、固定具は補強骨に回動可能に支持されているため、主フレームがどのような角度に設置されても、この固定具を用いて設置場所に動かないように固定することが可能となる。
【0009】
また、支持部は、リング部の植木鉢の保持面からオフセットした位置で軸支するものであることが望ましい。これにより、リング部に保持された植木鉢の重心位置が、このリング部を回動自在に軸支する支持部の位置からさらに低い位置となり、植木鉢の姿勢が安定する。
【発明の効果】
【0010】
(1)略アーチ状の主フレームと、植木鉢を受け入れて保持するリング部と、このリング部を主フレームに回動自在に軸支する支持部とからなる鉢受けフレームとからなる植木鉢スタンドによれば、略アーチ状の主フレームにより、水平な場所のみならず、傾斜面や段差のある場所などの様々な場所に安定して設置することができるとともに、この主フレームに回動自在に軸支されたリング部に植木鉢を保持させることで、植木鉢を水平に維持したまま展示することが可能となる。
【0011】
(2)主フレームが対の略アーチ状の支持骨と、この対の略アーチ状の支持骨間を連結する補強骨とからなり、補強骨に回動可能に支持された固定具を有することにより、傾斜面や段差のある場所などに設置する場合や、垂直面に設置する場合などに、補強骨に回動可能に支持された固定具を用いて動かないように固定することが可能となり、さらに展示場所の自由度が増す。
【0012】
(3)支持部がリング部の植木鉢の保持面からオフセットした軸中心位置で軸支するものであることにより、植木鉢の姿勢をさらに安定させた状態で展示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態における植木鉢スタンドの平面図である。
【図2】図1の植木鉢スタンドの正面図である。
【図3】図1の植木鉢スタンドの右側面図である。
【図4】図1の植木鉢スタンドを水平面に置いて使用した状態を示す斜視図である。
【図5】図1の植木鉢スタンドを段差部に置いて使用した状態を示す斜視図である。
【図6】固定具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は本発明の実施の形態における植木鉢スタンドの平面図、図2は正面図、図3は右側面図、図4は図1の植木鉢スタンドを水平面に置いて使用した状態を示す斜視図、図5は図1の植木鉢スタンドを段差部に置いて使用した状態を示す斜視図である。
【0015】
図1〜図3において、本発明の実施の形態における植木鉢スタンド1は、アーチ状の主フレーム2と、植木鉢A(図4参照。)を受け入れて保持する鉢受けフレーム3とからなる。主フレーム2は、円形断面のスチール製のパイプによりアーチ状に形成された2本の支持骨2aと、この2本のアーチ状の支持骨2a間を連結する複数のスチール製の丸棒により形成された補強骨2bとからなる。
【0016】
鉢受けフレーム3は、図3に示すように、植木鉢Aを受け入れて保持するリング部3aと、このリング部3aを主フレーム2に回動自在に支持する支持部3bとからなる。リング部3aは、スチール製の丸棒により環状に形成されている。支持部3bは、スチール製の丸棒により略L字状に形成されており、リング部3aの植木鉢Aの保持面4からオフセットした軸中心位置で、支持骨2aに回動自在に軸支されている。
【0017】
上記構成の植木鉢スタンド1は、図4および図5に示すように、複数の植木鉢Aをそれぞれ鉢受けフレーム3のリング部3a内に入れて使用する。このとき、各植木鉢Aは、リング部3aが支持部3bにより主フレーム2に回動自在に軸支されていることにより、自動的にバランスを取って水平を維持する。特に、この植木鉢スタンド1では、支持部3bがリング部3aの植木鉢Aの保持面4からオフセットした位置で軸支されているため、植木鉢Aの重心位置が支持部3bの位置からさらに低い位置となっており、植木鉢Aの姿勢が安定する。
【0018】
そして、この植木鉢スタンド1では、主フレーム2がアーチ状であるため、図4および図5に示すように、水平面や段差部に置いて自立させて使用することができる。このとき、各リング部3aに保持された各植木鉢Aは、主フレーム2の設置角度に拘わらず、リング部3aが回動することによって、自動的にバランスを取るので、正しい姿勢で安定して保持される。
【0019】
また、この植木鉢スタンド1を壁などの垂直面や垂直面に近い角度の傾斜面に設置する場合には、図6に示す固定具5を用いて固定することが可能となっている。この固定具5は、ビス6によって被固定面7に固定される平板部5aと、平板部5aを補強骨2bに対して回動可能に支持するアーム部5bとからなる。この固定具5は、補強骨2bに対して着脱可能となっており、不要時には取り外すことが可能である。
【0020】
この固定具5を用いて被固定面7に固定することで、植木鉢スタンド1を動かないように固定することが可能であり、展示場所の自由度が増す。もちろん、壁などの垂直面や垂直面に近い角度の傾斜面だけでなく、図4および図5に示すように水平面や段差部に設置する場合でも、この固定具5を用いれば、植木鉢スタンド1をしっかりと固定することができる。
【0021】
なお、本実施形態においては、主フレーム2は2本のアーチ状の支持骨2aにより形成されたものであるが、支持骨2aの本数はさらに増やすことも可能である。この場合、2本の各支持骨2aを対として各支持骨2a間に鉢受けフレーム3を配置することができる。また、本実施形態においては、支持骨2aはアーチ状としているが、これを階段状や波状として、全体として略アーチ状の主フレーム2とすることも可能である。
【0022】
また、鉢受けフレーム3の数や支持骨2aの数も自由に増減することが可能であり、鉢受けフレーム3は保持する植木鉢の大きさに合わせて構成することができる。また、本実施形態においては、植木鉢スタンド1はスチール製としているが、樹脂製やその他の材質により構成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の植木鉢スタンドは、植木鉢を展示するためのスタンドとして有用である。
【符号の説明】
【0024】
1 植木鉢スタンド
2 主フレーム
2a 支持骨
2b 補強骨
3 鉢受けフレーム
3a リング部
3b 支持部
4 保持面
5 固定具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略アーチ状の主フレームと、
植木鉢を受け入れて保持するリング部と、このリング部を前記主フレームに回動自在に軸支する支持部とからなる鉢受けフレームと
からなる植木鉢スタンド。
【請求項2】
前記主フレームは、対の略アーチ状の支持骨と、この対の略アーチ状の支持骨間を連結する補強骨とからなるものである請求項1記載の植木鉢スタンド。
【請求項3】
前記補強骨に回動可能に支持された固定具を有する請求項2記載の植木鉢スタンド。
【請求項4】
前記支持部は、前記リング部の前記植木鉢の保持面からオフセットした軸中心位置で軸支するものである請求項1から3のいずれかに記載の植木鉢スタンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−179029(P2012−179029A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45519(P2011−45519)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(599037872)有限会社山部製作所 (2)
【Fターム(参考)】