説明

植木鉢付き額

【課題】使用状態における一体性に乏しい。
【解決手段】有底筒状の植木鉢1を額部2に垂直又は後傾姿勢で据付け可能とし、額部2は自立可能で後傾状態の額部本体6を有し、該額部本体6に植木鉢1の背部が嵌まり込む開口部3を形成し、額部2の後方下部に植木鉢1の載置部4を一体形成し、額部2に植木鉢1の背凭れ部5を形成する。育成時には額部2から植木鉢1を外し、店頭への陳列時又は購入後に、植木鉢1に植物Pを植え付けた鉢植えTを、額部2の開口部3に嵌め込んで載置部4上に載置すれば、据付け状態における鉢植えTに安定感を持たせ、植木鉢1の後部が背凭れ部5に当たって前後方向のグラツキを防止すると共に、植木鉢1の両側方にある開口部3の両側縁部により植木鉢1の左右方向のグラツキを防止する。額部1の開口部3に嵌込み可能で、載置部4上に載置可能で、植木鉢1の後部が背凭れ部5に当接可能であることを条件に、サイズの異なる植木鉢1を額部2に据付け可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、机、サイドボード、キャビネット等の家具類の天板や棚板の上に載置したり、生花・園芸店舗の陳列用として使用する様にした植木鉢付き額に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉢植えは、上方拡開状且つ有底円筒形状の植木鉢の中央に一種類の植物が植えられているのが一般的であり、通常は受け皿の上に載置して飾られることが多いが、このままではあくまでも鉢植えであって、それ以外の何者でもない。
【0003】
そこで、額部の表面に受台を設け、この受台上に着脱自在に設けた花びんの中に花を飾ることで、額の中に花を立体的に生けた様に見せて、花及び額のグレードアップを図り、一層の装飾効果を発揮可能な花びん付の額が見受けられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかし、この額では、表面に設けた受台の上に花びんを載置するだけであるため、遠目では一体感があって装飾効果は発揮されるかもしれないが、近くからでは一体感に乏しいと言わざるを得ない。
【0005】
一方、額部の表面に、花を生けた花びんを着脱自在に取り付け、この花びんの裏部に形成した平面壁を額部の表面に当接させて花びんのグラツキを防止した構造や、額部に予め花びんの形状に穿設した取付開口部に花びんを嵌着して取り付け、額部の表面側の花びんの開口部に生花を差す様にした構造の、額部と花びんに一体感のある花びん付きの額も見受けられる(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平2−60000号公報
【特許文献2】実開昭57−12073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献2に記載の従来技術にあっては、下記の通り、解決せねばならない課題があった。
(1)花びんが宙に浮いた様な状態となって、不安定感を呈し手しまう。
(2)前者のものは前後方向のグラツキは防止されているが、左右方向のグラツキに関する言及が無い。
(3)後者にものは、特定の花瓶にしか対応できない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記従来技術に基づく、上記(1)〜(3)の課題に鑑み、有底筒状の植木鉢と、該植木鉢を垂直又は後傾姿勢で据付け可能な額部とを有し、該額部は自立可能で後傾状態の額部本体を有し、該額部本体に前記植木鉢の背部が嵌まり込む開口部を形成し、前記額部の後方下部に前記植木鉢の載置部を一体形成し、該載置部の上面を、前記開口部の下縁部と同レベルか下方に設定し、且つ水平面又は後方へ下方傾斜面とし、前記額部に前記植木鉢の背凭れ部を形成して、育成時には額部から植木鉢を外し、店頭への陳列時又は購入後に、植木鉢に植物を植え付けた鉢植えを、額部の開口部に嵌め込んで載置部上に載置することによって、据付け状態における鉢植えに安定感を持たせて上記(1)の課題を解決し、植木鉢の後部が背凭れ部に当たって前後方向のグラツキを防止すると共に、植木鉢の両側方にある開口部の両側縁部により植木鉢の左右方向のグラツキを防止して上記(2)の課題を解決し、額部の開口部に嵌込み可能で、載置部上に載置可能で、植木鉢の後部が背凭れ部に当接可能であることを条件に、サイズの異なる植木鉢を据付け可能にして上記(3)の課題を解決する。
【発明の効果】
【0009】
要するに本発明は、有底筒状の植木鉢と、該植木鉢を垂直又は後傾姿勢で据付け可能な額部とを有しているので、育成時には額部から植木鉢を外して使用し、店頭への陳列時又は購入後に植木鉢を額部に据え付けることが出来る。
又、前記額部は自立可能で後傾状態の額部本体を有しているので、この額部本体の前面や外周部に装飾を施して、植え付けられた植物を引き立たせる背景にすることが出来る。
又、前記額部本体に前記植木鉢の背部が嵌まり込む開口部を形成し、前記額部の後方下部に前記植木鉢の載置部を一体形成し、該載置部の上面を、前記開口部の下縁部と同レベルか下方に設定し、且つ水平面又は後方且つ下方への傾斜面とし、前記額部に前記植木鉢の背凭れ部を形成したので、据付け状態における植木鉢の前後・左右方向のグラツキを防止することが出来、而も植木鉢の背部が額部側に、植木鉢の上部が額部の前方に露出した状態で埋没するため、一体感のある状態で使用することが出来る。
又、載置部の上面が傾斜面であれば、植木鉢を背凭れ部に凭れ掛からせることが出来るため、植木鉢の前方への転倒を抑止することが出来る。
【0010】
而も、前記植木鉢を有底半円筒状に形成したので、この植木鉢の背面が平面になって、背凭れ部に凭れ掛からせることが出来るため、額部に対し植木鉢をより安定的に据え付けることが出来る等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る植木鉢付き額の実施例1の使用状態を示す斜視図である。
【図2】植木鉢付き額の実施例1の中央縦断面図である。
【図3】本発明に係る植木鉢付き額の実施例2の使用状態を示す斜視図である。
【図4】植木鉢付き額の実施例2の中央縦断面図である。
【図5】植木鉢付き額の実施例3の中央縦断面図である。
【図6】植木鉢が半円筒形状の2つの鉢植えを背合せで並べた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
本発明に係る植木鉢付き額にあっては、基本的に、有底筒状の植木鉢1と、該植木鉢1を直立(設置面に対し垂直)又は後傾姿勢で据付け可能な額部2とを有し、該額部2は自立可能で、前記植木鉢1の背部が嵌まり込む開口部3を有し、額部2の後方下部に植木鉢1の載置部4を一体形成し、該載置部4の上面を、開口部3の下縁部と同レベルか下方に設定し、且つ水平面又は後方へ下方傾斜面とし、額部2に前記植木鉢1の背凭れ部5を形成している。
【実施例1】
【0013】
図1、2は、本発明に係る植木鉢付き額の実施例1の使用状態を示す斜視図及び中央縦断面図であり、植木鉢1の上端部が額部2の開口部3の上縁部より下方に位置し、植木鉢1は有底半円筒状に形成し、且つ後傾姿勢で額部2に据え付けられ、又額部2は植木鉢1より大きく後傾している。
植木鉢1は、育成用又は鑑賞用として使用されるもので、主にプラスチック製とし、通常の円形鉢を中央で縦に分割し、その断面を塞いだ形態とし、図6に示す様に、2つの植木鉢1、1を背合せにすると一般的な円形鉢の外観を呈し、その状態で育成、運搬すれば、既成のトレー(図示せず)が使用可能になる。
【0014】
額部2は矩形板状にして後傾状態の額部本体6と、該額部本体6の背面の両側部に設けた、額部本体6を後傾状態に支持するスタンド7、7aとを有し、額部本体6に開口部3が形成されている。
載置部4は、額部本体6における開口部3の下縁部位より後方且つ下方への傾斜板としている。
背凭れ部5は、額部本体6における開口部3の上縁部位より下方へ形成した垂下板としている。
尚、この背凭れ部5は、図面上、下端部を載置部4に一体化させる様に延設されているが、この載置部4まで至らない様に形成しても良い。
又、載置部4及び背凭れ部5の両側部に、額部本体6との間の開口を塞ぐ側板8、8aを設けているが、無くても良い。
【実施例2】
【0015】
図3、4は、本発明に係る植木鉢付き額の実施例2の使用状態を示す斜視図及び中央縦断面図であり、植木鉢1の上端部が額部2の開口部3の上縁部と同レベルで、植木鉢1は直立姿勢で額部2に据え付けられており、植木鉢1は、上記実施例1と同構成としている。
【0016】
額部2は矩形板状にして後傾状態の額部本体6と、該額部本体6の下端部より後方へ連続形成された支持板9とを有し、前記額部本体6に前記開口部3が形成されている。
載置部4は、額部本体6における開口部3の下縁部位より後方への水平板とし、背凭れ部5及び側板8、8aは、上記実施例1と同構成としている。
【実施例3】
【0017】
図5は、本発明に係る植木鉢付き額の実施例3の中央縦断面図であり、前記植木鉢1の上端部が額部2の開口部3の上縁部より上方に位置し、植木鉢1は直立姿勢で額部2に据え付けられており、植木鉢1は、上記実施例1と同構成としている。
【0018】
前記額部2は、上記実施例2と同様に、額部本体6及び支持板9を有し、該額部本体6には上記実施例2と同様の開口部3及び載置部4を有しているが、背凭れ部5は、前記額部本体6における開口部3の上縁部としており、側板8、8aは無い。
【0019】
尚、上記実施例1〜3にあっては、載置部4の上面が開口部3の下縁部より連続して形成されているが、開口部3の下縁部より下方になる様に載置部4を配置形成しても良い。
【0020】
次に、本発明に係る植木鉢付き額の作用について説明する。
植木鉢1に植物Pを植え付けた鉢植えTを額部2に据え付けると、植木鉢1の上端部位は額部本体6の前面より前方に露出して、額部2が植物Pの邪魔にならず、下端側にへ行くに従い徐々に額部本体6の前面より後方に隠れ、植木鉢1の両側方にある開口部3の両側縁部により植木鉢1の両側部はホールド状態となり、而も植木鉢1の背部が当たるため鉢植えTが前後・左右方向にぐらつかず、額部2に対し鉢植えTが一体化する。
又、一体性に若干劣ってしまうこともあるが、額部2に対し、許容範囲内ではあるが、大きさの異なる植木鉢1も据付け可能に成っている。
【0021】
又、額部2に対し植木鉢1を後傾姿勢で据え付けるタイプのものは、該植木鉢1の底面が載置部4の上面に接地状態のまま、背部が背凭れ部5に凭れ掛かった状態になるため、鉢植えTの前方への転倒が抑止可能になる。
【符号の説明】
【0022】
1 植木鉢
2 額部
3 開口部
4 載置部
5 背凭れ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状の植木鉢と、該植木鉢を垂直又は後傾姿勢で据付け可能な額部とを有し、該額部は自立可能で後傾状態の額部本体を有し、該額部本体に前記植木鉢の背部が嵌まり込む開口部を形成し、前記額部の後方下部に前記植木鉢の載置部を一体形成し、該載置部の上面を、前記開口部の下縁部と同レベルか下方に設定し、且つ水平面又は後方へ下方傾斜面とし、前記額部に前記植木鉢の背凭れ部を形成したことを特徴とする額付き植木鉢。
【請求項2】
前記植木鉢を有底半円筒状に形成したことを特徴とする請求項1記載の額付き植木鉢。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−239731(P2012−239731A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114464(P2011−114464)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(511158144)有限会社モリヒロ園芸 (2)
【Fターム(参考)】