説明

植栽用具

【課題】
本発明が解決しようとする課題は、鉢およびプランター内に植栽されている夫々の植物が成長して、それらの植物を移植する際に従来の、鉢およびプランター内より他所へ移植される、移植の対象たる植物に及ぼされる、移植によるダメージを最小限にまで低減することが可能な植栽用具を提供することである。
【解決手段】
植栽管状体と、これを同軸的にかつ、間隔を置いて収納する有底容器と、前記植栽管状体(1)と有底容器(2)に、植物を植栽するために充填する土壌及び/又は植物植栽床とより構成される植栽用具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物(草本植物と木本植物を包含する。)の植栽用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
(1) 従来よりさまざまな形状のプランターが市販されて来たが、プランター植栽では、内部で植物が根を張ってしまうと、移植や移植が困難となったり、作業性が悪くなるという問題があった。又従来のプランターでは、ひとつのプランター内で夫々に特徴の違う異種類の植物に、夫々の生育特徴に応じた土壌環境を夫々の植物に提供することは困難だった。
【0003】
(2) 特開平10−295190号公報
【特許文献1】には、植木鉢の鉢枠を粘土、セラミック等の代わりに紙の繊維を厚板状にした部材や紙の繊維にインドセンダン(Azadirachta indica A.Juss.),シナピス(S.albal),プソラーレア(psoralea)等の繊維又は種子殻、繊維を混合したものを板状にして構成するようにしている。このため環境美化に優れさらに安全で植物の生育に最適な植木鉢が開示されている。 従来の植木鉢は素焼きの陶器、紙、プラスチック等の容器であったが、これらの植木鉢は腐らず分割しないので、使用後に放置されると、環境保全上好ましくなかった。殺虫効果のある薬剤を定期的に植物に塗布噴霧するため他健康障害を起こしていた。特許文献1に開示されている植木鉢は、このような従来の技術における問題点を解消することができる。
【0004】
(3) 特開2005−237213号公報
【特許文献2】には、コンパクトで持ち運びも可能で、頻繁に水やりを行わなくとも簡単に植物体や気象に合った適量の給水をおこなうことができ、かつ植物体の根グサレ等の心配がなく植物体の成長を促進する植栽用具が開示されている。 この植栽用具は、培地を充填するための上段容器と植物植栽用の液肥を貯留するための下段容器から構成される二段式植物植栽用具であって、上段容器は、下面の少なくとも70%以上が防根透水シートで構成されており、下段容器は、内側下部に液肥を一定水位以下に保持するための液溜部を有しており、上段容器の下面と、下段容器の下部の液溜部の間に、空気層が存する構成を有し、毛細管現象により吸水機能を有する吸水体が下段容器の液溜部と上段容器の防根透水シートに接する態様で設けられてなり、吸水体と防根透水シートとの接触面積合計が防根透水シート面積の10〜90%であることを特徴とする、二段式植物植栽用具である。
【0005】
(4) 特開2003−061474号公報
【特許文献3】には、鉢植え植物の鉢替え時、植木鉢を分割することによって植木鉢と植物とを容易に分離できるようにした分割式植木鉢が開示されている。特許文献3に開示されている植木鉢は、中心から縦に2分割した鉢と鉢を合体させて1個の植木鉢(1)を構成し、この植木鉢に締付枠を嵌着させて一体に組み立てたことを特徴とする分割式植木鉢である。
【0006】
(1) 植木鉢の内部で成長した植物の根が張り過ぎたとき、とりわけ数種類の植物を同一の植木鉢の中で植栽され成長した植物の根が張って、互いの根と根がくっつき合う状態になると、植木鉢の内部で生育した植物の移植作業において、植木鉢と植物を別々 に分離することが容易でなく植物にもダメージがかかり、又、植木鉢と植物を分離することが容易でないために、分離作業中、大事な枝を折ったり、葉に傷を付けたり、あるいは根に傷を付けたりすることがあった。又、植物の移植作業行為者においても負担 が増大した。
【0007】
(2) さらに、植物の苗等を所定の移植場所に定植する場合には、植栽されていたプランターおよび鉢より定植される植物を引き抜くか、又はプランターおよび鉢を分割又は壊して取り出すか、又はプランターおよび鉢の底に収置された底板を押し上げることにより充填している土壌及び/又は植物植栽床ごとすべて取り出すか、又はプランターおよび鉢をひっくり返し振動を与えることにより植物は取り出された。
【0008】
(3) 以上の問題は、プランター及び鉢に植栽されている植物が大きくなるに比例して大となり、移植時に植物へ及ぼされるダメージも大きくなる。
【0009】
(4) 又、従来技術を鑑みると、植物の移植作業の際に、鉢およびプランター内に植栽されている夫々の植物を新しい移植場所に移す作業時においては、移植作業行為者の手が直接植物及びその根及び土壌及び/又は植物植栽床に触れざるをえず、植物にダメージを与えると共に、移植作業行為者の手汚れはまぬがれなかった。
【0010】
(5) 同一の鉢およびプランター内に植栽されている夫々の植物にとり、それらの植物がまざって植栽されていたので、夫々の植物に、最適な土壌及び/又は、肥料を、夫々の植物に行き渡らせることは困難であった。
【0011】
(6) 同一の鉢およびプランター内に植栽されている夫々別種類の植物に、夫々最適量の水分を夫々の植物に行き渡らせることは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平10−295190号公報
【特許文献2】特開2005−237213号公報
【特許文献3】特開2003−061474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
(1) 本発明が解決しようとする第1の課題は、鉢およびプランター内に植栽されている夫々の植物が成長して、それらの植物を移植する際に従来の、鉢およびプランター内より他所へ移植される、移植の対象たる植物に及ぼされる、移植によるダメージを最小限にまで低減することが可能な植栽用具を提供することである。
【0014】
(2) 本発明が解決しようとする第2の課題は、植物の移植作業の際に、鉢およびプランター内に植栽されている夫々の植物を新しい移植場所に移す作業時において、移植作業行為者の手が直接に、植物及びその植物が栽培されている土壌及び/又は植物植栽床に触れることなく、植物に及ぼされるダメージを軽減すると共に、移植作業行為者の手汚れなく、移植される植物を確実に新しい移植場所に設置することの出来る植栽用具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上述した従来の技術における問題点に鑑みなされたもので、次の(1)〜(7)に記載の植栽用具である。
【0016】
(1) 植栽管状体(1)と、これを同軸的に、かつ、間隔を置いて収納する有底容器(2)と、前記植栽管状体(1)と、前記有底容器(2)に、植物を植栽するために充填する土壌及び/又は植物植栽床とにより構成される植栽用具。
(2) (1)に記載の前記植栽管状体(1)が、縦方向及び/又は、斜め方向にすくなくとも2つ以上に分割されていることを特徴とする植栽管状体。
(3) (1)又は(2)に記載の前記植栽管状体(1)が、上天面(U1)・下底面(B1)共に開口している管状の形状であることにより、平面形状に展開することが出来、及び/又は前記のように平面形状に展開された形状より、長尺のシートを渦巻状に巻回して形成される手段を有していることを特徴とする植栽管状体。
(4) (1)、(2)又は(3)に記載の前記有底容器(2)底部が少なくとも1つの貫通穴を有していることを特徴とする植栽用具。
(5) (1)、(2)、(3)又は(4)に記載の前記植栽管状体及(1)び前記有底容器(2)は、側面に少なくとも1つの通気孔(H)又は通水孔(H)を有していることを特徴とする植栽用具。
(6) (1)、(2)、(3)、(4)又は(5)に記載の前記植栽管状体(1)及び有底容器(2)が、側面に少なくとも1つ以上の取っ手を有していることを特徴とする植栽用具。
(7) (1)、(2)、(3)、(4)、(5)又は(6)に記載の前記植栽管状体(1)と有底容器(2)は、内層壁と外層壁からなり、両壁の間には植栽管状体(1)の軸方向に貫通する複数の通気孔(H)又は複数の通気孔(H)を有していることを特徴とする植栽用具。
【発明の効果】
【0017】
(1) 本発明によって得られる第1の効果は、鉢およびプランター内に植栽されている夫々の成長した植物が移植される際に、従来の鉢およびプランター内より移植される移植の対象たる植物に及ぼす移植によるダメージを最小限にまで低 減ずることが可能な植栽用具を提供できることである。
【0018】
(2) 本発明によって得られる第2の効果は、植物の移植作業の際に、鉢およびプランター内に植栽されている夫々の植物を新しい移植場所に移す作業時において、移植作業行為者の手が直接に植物及びその根および土壌及び/又は植物植栽床に触れることな く、それにより、従来よりも植物に与えられる移植作業によるダメージを軽減すると共に、移植作業行為者の手汚れなく、移植さ れる植物を確実に新しい移植場所に設置することの出来る植栽用具を提供できることである。
【0019】
(3) 本発明によって得られる第3の効果は、鉢及びプランター内で生育する植物の根ぐされを防止することの出来る植栽用具を提供することである。
【0020】
(4) 本発明によって得られる第4の効果は、鉢及びプランター内で植栽している植物の根に対して、酸素をより多く効果的に行き渡らせることの出来る植栽用具を提供できることである。
【0021】
(5) 本発明によって得られる第5の効果は、鉢及びプランター内で植栽している植物の根に対して、追肥した肥料をより効果的に行き渡らせることの出来る植栽用具を提供できることである。
【0022】
(6) 本発明によって得られる第6の効果は、同一の鉢及びプランター内に数種類の種類の異なる植物を植栽している場合において、それぞれの株に対して、均等且つ最適に肥料および土壌を夫々に施すことの出来る植栽用具を提供できることである。
【0023】
(7) 本発明によって得られる第7の効果は、同一の鉢及びプランター内に異種類の植物を植栽している場合において、それぞれの株に対して、均等且つ最適な水分を夫々に提供することの出来る植栽用具を提供できることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、 本発明の最良の実施形態を実施例によって説明する。
【実施例1】
【0025】
図1は実施例1の植栽用具を示す。図において、(1)は植栽管状体、(2)はこれを同軸的に収納する有底容器である。植栽管状体(1)には、植物を培養する土壌及び/又は植物植栽床が充填される。図1に示す植栽管状体(1)は、下方に向けて次第に細くなっている。
図2〜図5は、上記植栽管状体(1)の変形例である。この植栽管状体(1)は、土壌等の保持力に差異が生ずる。
【0026】
図1は、実施例1に係る、ベースメントに設置された有底容器(2)(以下、有底容器(2)と記載する)と、前記有底容器(2)に収納された土壌及び/又は植物植栽床等に差し入れられて、前記植栽管状体(1)に土及び土壌及び/又は植物植栽床を充填して植物を植栽する本発明の植栽管状体(1)(以下、植栽管状体(1)と記載する)の基本使用形態の断面図である。
図1の(1)は、本発明に係る植栽管状体(1)であり、植栽管状体(1)には土壌及び/又は植物植栽床が充填され、その充填された土壌及び/又は植物植栽床等の中で、植物が植栽される。 前記の管形状の植栽用具である差し入れて使用される植栽管状体(1)の形状としては、上天面(U1)・下底面(B1)共に開口している管形状を形成している。
図1の(2)は、本発明に係る植栽用具のベースメントに位置する有底容器(2)である。有底容器(2)に充填された土壌及び/又は植物植栽床へ植栽管状体(1)はしっかりと差し込まれることにより、植栽管状体(1)は、安定して自立する。
有底容器(2)の形状は、前記有底容器(2)に充填した土壌及び/又は植物植栽床に差し入れた植栽管状体(1)を安定して差し込んで収納できる形状、又は植栽管状体(1)を安定した状態で収納できる形状とする。
本発明の植栽管状体(1)が、有底容器(2)又は、有底容器(2)に充填された土壌及び/又は植物植栽床の中で安定した形状を保持できるのは、植栽管状体(1)内において充填された土壌及び/又は植物植栽床から生じる土圧が植栽管状体(1)内側から植栽管状体(1)の側面へ伝達されると共に、又、植栽管状体(1)が有底容器(2)に収納されることにより、有底容器(2)の土壌及び/又は植物植栽床、から発生する有底容器(2)内の土圧が、前記有底容器(2)の土壌及び/又は植物植栽床、に差し入れられた前記植栽管状体(1)に伝達され前記それらの作用により差し入れられた前記植栽管状体(1)が土壌及び/又は植物植栽床を充填した状態で、充分に安定した形状を保持し、前記有底容器(2)に差し入れられ、又は安定して収納される状態を保つためである。又、前記植栽管状体(1)はその形状により、独立していても形状を保つことが出来る。
又本発明の植栽管状体(1)を構成する素材としては、従来ある鉢又は、プランターに準ずる素材であればよい。及び、バイオファイバー、カーボンファイバー、化学繊維、天然繊維、天然樹脂、合成樹脂、可塑性のゴム等でも、鉢又は、プランターに適する素材であればよい。又植栽管状体(1)を形成するにあたって、前記の素材を2つ以上併用して植栽管状体(1)を形成することも出来る。
前記植栽管状体(1)及び有底容器(2)に充填される土壌及び/又は植物植栽床における植物植栽床(3b)は、既存の植物植栽用シート及び植物植栽用の既存のスポンジ状シート又は,植物植栽用天然繊維又は、植物植栽用合成繊維又、紙状のシートも含むものとする。
土壌と共に前記植物植栽床を使用する例によれば、たとえば、図1に示すように植栽管状体(1)の内部下方に植物植栽床(3b)を充填することにより、その上に充填される土壌(3a)は、より安定した状態で前記植栽管状体(1)に充填される。
又、前記植物植栽床には、夫々の特性により土壌よりも優れた、保水、及び/又は、吸水性及び/又は、通気性及び/又は、防菌及び/又は、保形成又は、各種肥料を含むなどの特徴があるため、植栽管状体(1)に植物植栽床を充填及び/又は、土壌と植物植栽床を共に充填することにより、より植栽管状体(1)の中で植栽される夫々の植物の特徴に応じた地下茎の成長に応じて、本発明の植栽管状体(1)及び/又は、有底容器(2)に、土壌及び/又は植物植栽床を適宜充填することにより、夫々により良い生育環境を提供することが出来る。
【0027】
植栽管状体(1)、及び有底容器(2)は、好ましい形態としては、底側から天側に向かってラッパ状又はテーパー状又は直上状に開いた形状である。 ここで記載される、「ラッパ状又はテーパー状又は直上状に開いた形状」については、長さ方向と垂直な断面の形状は、特に限定されるものではない。「ラッパ状又はテーパー状又は直上状に開いた形状」については、長さ方向と垂直な断面の形状の具体例としては、例えば、円形、楕円形、矩形、正方形、1〜20の角を有する多角形又は、ラッパ状又はテーパー状又は直上状に開いた形状であれば図21に示すように、アメーバーを上から見たような不定形を挙げることができる。
本発明の植栽管状体(1)の下底面(B1)は開口している形状のため、前記植栽管状体(1)の中で植栽されている植物の根が枝分かれをしつつ根の長さも伸びて成長していく前記の根が、より以上に成長する際に、従来の鉢及びプランター栽培のように、根が行き場を失ってからみあったり、根腐れを起こす障壁となる原因となる従来の鉢及びプランターにあった底面を有さない本発明の植栽管状体(1)の形状により、本発明の植栽管状体(1)の下底面(B1)が開口しているその開口した下底面(B1)より、根は充分に成長していくことが出来るために、成長した根が行き場を失ってからみあったり、根腐れを起こすことがないため、本植栽管状体(1)に充填された土壌及び/又は植物栽培床の中で栽培された植物の根は、十分に成長していくことができる。そのため植栽管状体(1)を使用して栽培される前記植物の根のからみあいや根腐れは防止される。又、有底容器(2)に充填されている土壌及び/又は植物植栽床等より植物が栽培されている植栽管状体(1)を取り出して、その中に植栽されている植物の根切り作業を行う際に、前記植栽管状体(1)は下底面が開口している形状であるため、生育した根の成長に障壁とならない形状であるそのため前記の開口している下底面より、根は有底容器(2)内の土壌及び/又は植物植栽床へと成長していくため、植栽管状体(1)内に植栽された植物の根切り作業手順は、前記植栽管状体(1)を前記有底容器(2)より抜き出して前記植栽管状体(1)よりはみ出た根を切ることにより、根切りしたい根をまんべんなく容易に根切り作業が行える。その後、再び前記植栽管状体(1)は土壌及び/又は植物植栽床、の中へ差し入れられる為、前記植栽管状体(1)中にて生育している根にはなんらのダメージも与えられることなく、根切りしたい根を容易に根切り出来る。
又、前記植栽管状体(1)の側面に、少なくとも1つの通気孔(H)又は通水孔(H)を有していること及び/又は、より通気性及び/又は、通水性に優れる素材で形成することも出来る。及び/又は、図20に示すようにメッシュ状に形成する事も出来る。例えば前記のメッシュ状に形状された面を有底容器(2)に充填された土壌及び/又は植物植栽床より上方向に位置させることで、前記のメッシュ状に形状された面が外気に接することで、外気中の酸素をより多く前記植栽管状体(1)が充填している土壌及び/又は植物植栽床の中に浸透させることが出来ることにより、前記植栽管状体(1)に充填された土壌及び/又は植物植栽床植栽されている植物の根には、より多くの酸素が供給される。前記のこの効果は前記植栽管状体(1)中で生育する植物及び植物の根の生育において、より良い生育環境を提供できる。
又本発明の前記植栽管状体(1)は、図6及び図7に示すようにその側面に、波型形状や蛇腹形状やうねり形状やウェイブ及び/又は、各種類の形状の凹凸形状をつけてもよい。前記の形状のように形成されるとその形状により植栽管状体(1)の形状の構造強度は強化される。 又、本発明の側面の形状を図5に示すように多層構造としてもよい。例えば図4の横断面構造が前記図5のように形成されるとその多層構造形状により植栽管状体(1)の形状の構造強度は強化される。 本発明の植栽管状体(1)の形状は上記に記載された以外にも有底容器(2)に安定して差し入れられ収納される形状であり、かつ植栽管状体(1)の中に土壌及び/又は植物植栽床を安定した状態で充填して植物を植栽できる管形状であればよい。
【0028】
図2、図3、図4は、上記植栽管状体(1)実施例1の変形例である。他の構成は同じである。
本発明の植栽管状体(1)の形状として図2のように下底面(B1)近くにいくにつれて内法は小さくなるベンチェリー管形状に成形されると、前記植栽管状体(1)の中に充填される土壌及び/又は植物植栽床はとりわけ安定して充填される。これは前記植栽管状体(1)に入れた土壌及び/又は植物植栽床をより確実に保持したい場合、たとえば有底容器(2)に入れられた土壌及び/又は植物植栽床と前記植栽管状体(1)に入れられた土壌及び/又は植物植栽床の性質が違う場合などに前記植栽管状体(1)を使用することにより、異種類の培養土が互いに混入するのを防止する。又は、図3のようにより下底面(B1)近くになると逆に内法が大きくなる形状においては、前記植栽管状体(1)に充填されている同系の種類の培養土が互いに安定して充填される。又前記植栽管状体(1)の中に植栽された植物の成長につれて大きくなる、植物の根は逃げ道を求めて、前記植栽管状体(1)が管形状であることによる形状である、開口されている下底面(B1)より前記の根は成長していくことが出来るため、とりわけ直上形状に構成された図(4)の形状においては植物の成長の阻害に大いに係る根づまりは解消される。
【0029】
図5は上記植栽管状体(1)の図4の横断面図である。前記植栽管状体は、側面の少なくとも一部分又は全面を多層構造としてもよい。本発明の側面が前記のように形成されると、その形状により前記植栽管状体(1)の形状の構造強度は強化される。図5の植栽管状体(1)においては側面の少なくとも40%以上の面積を2層以上の多層構造とすることにより植栽管状体(1)の構造の強度を強化させる。
又、本発明の植栽用具を多層構造とすることにより、以下のようなメリットが期待される。
一般の鉢又はプランター内で栽培されている植物に必要な日光は、その植物を栽培している鉢又はプランター本体にも照射する。その鉢又はプランターに照射された日光は、前記鉢又はプランターに蓄積される熱エネルギーとなる。その前記の蓄積された熱エネルギーは、前記鉢又はプランターに充填された前記植物を栽培している土壌等に伝達されてしまうことにより、前記鉢及びプランター内で栽培されている前記植物の根までにも前記の熱エネルギーは伝達されてしまうために、前記の根にダメージを与えてしまう。とりわけ暑い夏季においては、前記の理由による前記の根に与えられるダメージは大きい。本発明の植栽用具を例えば、図(5)のように構成すれば、その多層構造の中に中空層が設けられていることにより、前記植物の根にまで伝達されてしまいそのため前記植物の根にダメージを及ぼしてしまう前記の鉢又はプランターに蓄積される熱エネルギーの伝達量を充分に低減させることが出来る。
又、本発明の植栽用具を多層構造とすることにより、以下のようなメリットが期待される。
本発明の植栽用具を多層構造として、その多層構造面内の一面を、土壌及び/又は植物栽培床に接して設けて、その前記の面の少なくとも一部に例えば小さな穴や例えばメッシュなどの通気孔(H)及び通水孔(H)等を前記面へ貫通して設けて、及び前記の土壌及び/又は植物栽培床に接している面の反対面に接するように中空層を設けることにより、本発明の植栽用具内の土壌及び/又は植物栽培床が接する側面の例えば小さな穴(H)や例えばメッシュなどの通気孔(H)及び通水孔(H)等を通り、植物栽培において有益な外気及び、水分又は水性肥料等は、前記植栽用具内に充填及び収納された土壌及び/又は植物栽培床へと、より効率よく吸収される。
【実施例2】
【0030】
次に本発明の実施例2を説明する。
この実施例2の植栽管状体(1)は、実施例1における植栽管状体(1)と構造が異なっている。他の構成は同じである。
図6〜図8は、実施例2の植栽管状体(1)を示す。(以下、植栽管状体(1)と記載する。)
図6の植栽管状体は、半円弧状のシートの両端の雄型(O)雌型(M)の掛合い印(O1)(M1)を掛止して管状に形成した例である。
図7の植栽管状体(1)は、断面くの字型のシートを間隔を設けて渦巻状に形成した例である。シートは、図8のように、上下両縁穴部及び/又は、凸凹部及び/又は、突起部をクリップ(K)で結合して形成される。
図9は、上端部の突起部及び/又は、穴部及び/又は、凸凹部を並列して設けたシートをクリップ(K)で結合して8の字型に形成した例である。 図8は図9による結合方法を上端部及び下端部に設けて結合した図である。このように植栽管状体(1)に設ける穴および凹凸部は、その目的に応じて夫々任意に設けてよい。
【0031】
上記に記載の実施例2の植栽管状体(1)のシート(1)を平面展開形状より立体形状に形成するための、掛止手段及び/又は、結合手段及び/又は、接合手段は、以下に示すような方法で、掛止及び/又は、結合され、立体形状に形成される。
実施例2に記載の植栽管状体(1)のシートを平面展開形状より立体形状に形成するために、シートに設けたシートの両端の雄型O雌型Mの掛合い印(O1)、(M1)を掛止して管状に形成する方法又は、
実施例2に記載の植栽管状体(1)のシートを平面展開形状より立体形状に形成するために、シートに設けた穴部及び/又は、凸凹部及び/又は、突起部を並列して設けたシートをクリップ(K)で結合して形成する方法又は、
実施例2に記載の植栽管状体(1)のシートを平面展開形状より立体形状に形成するために、シートの両端を接着テープ(T)で接合する。
実施例2に記載の植栽管状体(1)のシートを平面展開形状より立体形状に形成するために、シートの両端を接着剤で接着する。
実施例2に記載の植栽管状体(1)のシートを平面展開形状より植栽管状体(1)の立体形状に形成するために、シートを一周以上渦巻状に巻回して形状を保持させる。
実施例2に記載の植栽管状体(1)のシートを平面展開形状より立体形状に形成するために、ベルト及び/又は、伸縮するリング形状及び/又は、紐を結んで、掛止する。
以上に記載の方法のほかにも実施例2に記載の植栽管状体(1)のシートを平面展開形状より、本発明の使用時の形状である立体形状に形成するための、適切な手段であれば植栽管状体(1)のシートを平面展開形状より立体形状に形成するための方法は限定しない。又前記記載の2つ以上の手段を用いて植栽管状体(1)を形成しても良い。又シートの厚さにおいては、前記の実施例2のように形成されることの出来る範囲におけるシートの厚さであればよい。
【0032】
図10は実施例1の植栽管状体(1)の中に更にS字形状に展開された植栽管状体(1)を挿入した例である。
【0033】
図6は本発明の実施例2の植栽用具を示す。実施例2に係る植栽管状体(1)を平面に展開した形状であるところの平面展開図と、その前記植栽管状体(1)の使用状態の側面図である。植栽管状体(1)の形状として上天面・下底面(B1)ともに開口している管形状をなし、上部開口部(U2)に近づくにつれて内径が広くなる構造とし、且つ有底容器(2)に入れられた土壌及び/又は植物植栽床にしっかりと差し挟まれる状態を保つ形状とすることが好ましい。前記植栽管状体(1)の下底面(B1)は開口している形状のため、前記植栽管状体(1)のその開口している下底面の中で植栽されている植物の根が十分に成長できる広さを設けることにより、前記植物の根の成長の妨げにはならない。
又本発明の前記植栽管状体(1)は、前記のように平面形状(1)に展開された形状より、平面展開前の前記植栽管状体(1)に回復することが出来る、そのため変形可能な素材で、かつ任意の植栽管状体(1)の形状に成形した形状を充分に安定して維持できる素材で形成される。又植栽管状体(1)の少なくとも一部分又は全面を図6に示すように、波型形状や蛇腹形状やうねり形状やウェイブなどの又はエンボス加工など、各種凹凸形状をつけてもよい。又図7に示すように、縦方向に折り目又はスリットをつけてもよい。平面展開形状が前記のように形成されると、その形状により前記植栽管状体(1)形状の構造強度は強化される。又、本発明の側面の少なくとも一部分又は全面を図5に示すように多層構造としてもよい。本発明の側面が前記のように形成されると、その形状により前記植栽管状体(1)の形状の構造強度は強化される。
本発明の実施例2における前記植栽管状体(1)は、実施例1における植栽管状体(1)と同じく、植栽管状体(1)に充填された土壌及び/又は植物植栽床が安定した形状を保持した状態で、有底容器(2)の中へ充填された土壌及び/又は植物植栽床に差し入れられ、又は安定して収納される状態を保つ。
又、前記植栽管状体(1)の中に植栽された植物の成長に伴って大きくなる前記植物の根の成長に伴う根の逃げ道として、植栽管状体(1)の開口されている下底面(B1)が有効である。植栽管状体(1)が管形状であることにより開口されている下底面(B1)より植栽された植物の根が成長して長くなっていっても前記開口部より逃げて成長することが出来る。
逆に植栽管状体(1)の中央部近くになると前期植栽管状体(1)の内法が大きくなる形状でもよい。
又、本発明の植栽管状体(1)は、既存の技術による有底の鉢およびプランターとは異なる形状である管形状の形状であり、底が開口しており且つ、平面形状に展開できる本発明の植栽管状体(1)は容易に平面に展開が出来ることで、植栽管状体(1)の中に植栽されている植物の周りに充填されている土壌及び/又は植物植栽床の周りより、本発明の植栽管状体(1)を容易に取り外すことが出来るので、移植作業時においては、既存の鉢及びプランターでの移植作業のように中から植物を引っ張り出し取り出して移植したり、分割した鉢及びプランターの中から、植物を移植作業行為者が手作業などで取り出したりすることがないため、植物移植作業行為者の手に植物及び/又は、土壌及び/又は植物植栽床等が付着することなく植物を移植する行為者の手汚れもなく移植作業が行える。又、移植される植物が受けるダメージも格段に少なくなる。
その方法として図11に示すように、移植される植物は、前記植栽管状体内に植栽された状態のまま、植物を移植させる予定の位置に載置しその状態で、植栽管状体(1)の形態を平面形状に展開したのち、移植させる植物周りに充填されている土壌及び/又は植物植栽床の周りから容易に取り外して、その後移植される植物の周りに土壌及び/又は植物植栽床を充填させることにより、植物移植作業行為者の手に植物及び/又は、土壌及び/又は植物植栽床等が付着することなく、移植作業者の手汚れもなく、又本発明の差し入れ植栽管状体を使用することにより移植作業中に植物が受けるダメージも格段に少なくなる。植栽管状体(1)を使用することにより、前記の様に、植物植栽に不慣れな者にも容易に植物の移植が行える。
【0034】
図7は、本発明の実施例2に係る植栽管状体(1)の植栽管状体(1)応用形及びその使用形態として植栽管状体(1)の使用状態時における植栽管状体(1)本体の構造が、図7に示すように一周以上巻回して形成されている形状を示す斜視図である。
本発明の植栽管状体(1)は図7に示すように前記植栽管状体(1)の平面展開形状より長く延長された平面形状面(1)である。図7ではその平面形状面をロール状に保持しているその平面形状面より、本発明の植栽管状体(1)の使用時における形状に回復するに最適な長さに切断され、前記植栽管状体(1)に回復整形するに最適な平面形状に展開された形状より、平面展開前の前記植栽管状体(1)に回復することが出来る。前記植栽管状体(1)は変形可能な、且つ成形された後は自立できる強度を有する素材で形成される。
【0035】
図8は本発明の実施例2に係る植栽管状体(1)の応用形態である。
上記記載のように、図8のような本発明の植栽管状体(1)の形状が、前記植栽管状体(1)の中央部近くになると植栽管状体(1)の内法が大きくなる形状でも平面展開は可能である。このように既存の鉢及びプランターとして使用可能な形状でかつ、下底面を開口させてある形状であれば、無理なく本発明の植栽管状体(1)として成形できる。及び本発明により植栽管状体(1)は、前記のように平面形状に展開された形状より平面展開前の前記植栽管状体(1)に回復することが出来る。
又本発明の植栽管状体(1)の実施例2の形状を構成する素材としては、従来ある鉢及びプランターに準ずる素材であり、及び/又、バイオファイバー、カーボンファイバー、天然樹脂、合成樹脂、天然繊維、化学繊維、可塑性のゴム等、紙類等、及び/又は、鉢、プランターに適する素材であり、変形可能な素材で形成すればよい。又前記記載の2つ以上の素材を使用して植栽管状体(1)を併用して形成しても良い。
【0036】
図8に示すように前記植栽管状体(1)の形状においても 植栽管状体(1)の平面展開形状より長く延長された平面展開形状面である、その平面展開形状面を一周以上巻回している。 植栽管状体(1)に回復整形するに最適な平面形状に展開された形状より、平面展開前の前記植栽管状体(1)に回復することが出来る。前記植栽管状体(1)は、上天面(U1)・下底面(B1)共に開口している管状の形状であることにより、平面形状に展開することが出来、及び/又は前記のように平面形状に展開された形状であることより、平面展開前の前記植栽管状体(1)はぐるりと一周以上巻回することにより管形状に回復することが出来る。
前記植栽管状体(1)は、上天面(U1)・下底面(B1)共に開口している管状の形状であることにより、平面形状に展開することが出来、及び/又は前記のように、前記植栽管状体(1)はぐるりと一周以上巻回することにより形成される形状の特性として、一周以上巻回することの巻回数が多くなればなるほど、その巻回形状により前記植栽管状体(1)の形状の構造強度はより強化される。
【0037】
又、前記に記載のように植栽管状体(1)は、ぐるりと一周以上巻回することにより形成される形状の特性として、既存の技術による有底の植物植栽用具に比べ、管形状の形状で且つ平面形状に展開できる本発明の植栽管状体(1)は容易に平面展開が出来るので、既存の鉢及びプランターのように、鉢及びプランターの中から植物を引っ張り出して取り出し移植したり、分割した鉢及びプランターの中から植物を移植作業行為者が手作業などで取り出したりすることがないため、既存の技術による有底の植物植栽用具に植栽された植物の移植作業に比べ、植物移植作業行為者の手に植物及び/又は、土壌及び/又は植物植栽床等が付着することないので植物に及ぼされる移植時のダメージは軽減する。又、植物を移植する行為者の手汚れもなく移植作業が行える。
【0038】
又、本発明の実施例2に示す植栽管状体(1)の本体の形状は、ぐるりと一周以上巻回することにより形成される形状であることから、移植等において本発明の植栽管状体(1)をぐるりと一周以上巻回している巻き加減を適宜調整することにより、前記植栽管状体(1)の形状は安定した形状を保ち且つ、任意に変形させることが出来る。それによりその植栽管状体(1)の中に充填される土壌及び/又は植物植栽床の容積量も増加又は減少させることができる。このように本発明の実施例2に示す植栽管状体(1)はその形状を変化させることが出来る。前記形状においても、本発明の実施例2における前記植栽管状体(1)が前記実施例2における植栽管状体(1)と同じく、有底容器(2)に充填された土壌及び/又は植物植栽床の中へ差し入れられた前期植栽管状体(1)は安定した形状を保持した状態で土壌及び/又は植物植栽床を充填して有底容器(2)に差し入れられ、又は安定して収納される状態を保つ。例えば、3巻きほど巻回された前記植栽管状体(1)の巻回状態を、使用状態の変化に応じて、前記植栽管状体(1)のに栽培されている植物を収納した状態を保ったまま、2巻きほどに巻回して形成することで、前記植栽管状体(1)の収納できる土壌及び/又は植物栽培床の充填される容積量は、前記植栽管状体(1)の中で植物を栽培している状態を変えることなく、前記植栽管状体(1)に充填される土壌及び/又は植物栽培床の容積量を増加させることが出来る。又、前記植栽管状体(1)を収納する有底容器(2)は、前記植栽管状体(1)形状の使用状態及び形状に応じた前期植栽管状体(1)を差し入れて収納することが出来る形状であればよい。
従来の鉢及びプランターにおいては前記のように、鉢及びプランターの中で栽培されている植物を収納した状態を保ったまま前記鉢及びプランターの形状を任意に変形させることは出来なかった。しかし前記の問題も、本発明の植栽用具を使用することによって解消する。前記の効果により、例えば植物の種子を発芽させて成長させていく作業段階に応じて、前記の発芽した植物が急速に成長していく段階においての肥料の追加、又は土壌及び/又は植物栽培床を幾度か前記植物の成長に合わせて追加していく作業も、本発明の植栽用具を使用することにより容易に行うことができる。
【0039】
図9も図6に示す本発明の実施例2の植栽管状体(1)の他の形状に成形された使用例である。図9に示すように本案の植栽管状体(1)は本発明の植栽管状体(1)の使用時における形状に回復するに最適な長さに切断され、平面形状に展開された形状より、8の字形状に構成された2つ以上の前記植栽管状体(1)に回復することも出来る。
【0040】
図8及び図9に示すように、前記植栽管状体(1)の巻回されて成形される方法として、実施例2の巻回して形成される植栽管状体(1)の側面に、夫々が似た形状の孔及び/又は、夫々が似た形状の凹凸形状を、前記植栽管状体(1)側面の水平方向及び/又は、垂直方向にほぼ等しい間隔をあけて設けることにより、一巻目の側面の夫々が似た形状の孔(H)及び/又は、夫々が似た形状の凹凸形状を、合わせる事により前記植栽管状体(1)を形成させるにあたり、一巻目とそれに巻回されていく前期植栽管状体(1)の重なる夫々の面が確実に重なり合っていくことが出来るため、前期植栽管状体(1)の形成状態を任意の形状に保持するために、掛止方法等の各種形成方法を行う作業においても、より確実に行うことが出来る。
前記の効果は又、図7及び図13に示すような、植栽管状体(1)の側面に折り目やスリットを設けることによっても、例えば折り紙を折るときに先に折り目をつけておくと成形しやすいように、同様に前期植栽管状体(1)の形成状態を任意の形状に保持するために、各種形成方法を行う作業においても、より確実に行うことが出来る。
【0041】
図10も図7に示す本発明の実施例2の植栽管状体(1)の他の形状に成形された使用例である。平面展開された本発明の植栽管状体(1)を管状成形する前の形状の状態で、植栽管状体(1)へ前記植栽管状体(1)のように差し入れて使用し、植栽管状体(1)を区画している使用図である。図10に示されるように、本発明の植栽管状体(1)を管状成形する前の形状の状態で使用しても、植栽管状体(1)に充填されている土壌及び/又は植物植栽床を区画していることにより互いの植物の根がらみを防止するため、前記植栽管状体(1)の効果及び特徴は十分に発揮されている。
【0042】
図11は本発明の実施例2に係る植栽管状体(1)に充填した土壌及び/又は植物植栽床等に植栽された植物が移植される作業の手順を示す図である。
本発明の植栽管状体(1)は、既存の技術による有底の植物植栽用具とは異なる形状であるところの、管形状の形状であり、底が開口しており且つ、平面形状に展開できる本発明の植栽管状体(1)は容易に平面に展開が出来ることで、本発明の植栽用具により栽培された植物の移植作業時においては、植栽管状体(1)の中に植栽されている植物の周りに充填されている土壌及び/又は植物植栽床の周りより、本発明の植栽管状体(1)を容易に取り外すことが出来る。
従来の移植作業時においては、既存の鉢及びプランターでの移植作業のように中から植物を引っ張り出し取り出して移植したり、又、既存の分割可能な鉢及びプランターの中から移植される植物を含む土壌等を移植作業行為者が既存の分割可能な鉢及びプランターの中から手作業などで取り出したりしなければならない。その理由として、本発明の植栽管状体(1)とは異なり、既存の鉢及びプランターは有底構造であるため、植物を移植させる予定の位置に既存の鉢及びプランターを載置してそのままの状態で植物及び植物を収納している土壌等を動かすことなく、そのままの状態で移植された植物の周りに肥料及び/又は、土壌及び/又は植物植栽床を充填させることができない。前記理由により、従来の鉢及びプランターの中で栽培された植物の移植作業時においては、既存の鉢及びプランターでの移植作業のように中から植物を引っ張り出し取り出して移植したり、又、既存の有底の容器で且つ、分割可能な鉢及びプランターの中からでさえも、移植される植物を含む土壌等を移植作業行為者が既存の分割可能な鉢及びプランターの中から手作業などで取り出したりしなければならなかった。本発明の植栽用具により栽培された植物を移植する際には、植物移植作業行為者の手に植物及び/又は、土壌及び/又は植物植栽床等が付着することなく、植物を移植する行為者の手汚れもなく移植作業が行える。前記理由により、既存の鉢及びプランターの中で栽培された植物が移植される際に受けるダメージに比べて、本植栽用具を使用して栽培された植物が本植栽用具より移植される際に受けるダメージは格段に少なくなる。
その本発明による植物の移植方法として図11に示すように、移植される植物は、前記植栽管状体(1)に差し込まれた状態のまま、植物を移植させる予定の位置に前期植栽管状体(1)を載置しその状態で、植栽管状体(1)の形態を平面形状に展開したのち、移植させる植物周りに充填されている土壌及び/又は植物植栽床の周囲から前記植栽管状体(1)を容易に取り外して、その後移植される植物の周囲に肥料及び/又は、土壌及び/又は植物植栽床を充填させることにより移植作業は完成する。前記の作業において植物移植作業行為者の手に植物及び、土壌及び、植物植栽床等が付着することなく、植物を移植する作業者の手汚れもない。前記理由により、本発明の植栽管状体(1)を使用することにより移植作業中に植物が受けるダメージは格段に少なくなる。例えば、本発明の植栽用具を使用して種子より発芽させて移植できるほどに成長させた植物を移植させる作業も、本発明の植栽用具を使用することにより、植物植栽に不慣れな者にも容易に植物の移植が行える。
【実施例3】
【0043】
次に本発明の実施例3を説明する。
この実施例3の植栽管状体(1)(以下植栽管状体(1)と記載する)は、実施例1及び実施例2における植栽管状体(1)と構造が異なっている。他の構成は同じである。
図12〜図14は、実施例3の植栽管状体(1)の側面図である。
図12の植栽管状体は、半円弧状の両端の雄型(O)雌型(M)の掛合い印(O1)(M1)を掛止して管状に形成した例である。
図13の植栽管状体(1)は、断面くの字型をクリップ(K)で結合して形成される。
図14は、接着テープ(T)で結合して形成した例である。
前記植栽管状体(1)は、縦方向及び/又は、斜め方向にすくなくとも2つ以上に分割され、及び/又は前記のように分割された形状より、分割前の前記植栽管状体(1)に回復することが出来る上天面(U1)・下底面(B1)共に開口している管状の形状であることを特徴とするものである。
【0044】
図12は、本発明の実施例3に係る本発明の植栽管状体(1)の形態として、2つ以上に分割され、及び組み立てられた形状を示す側面図である。本発明の植栽管状体(1)は上天面(U1)・下底面(B1)とも開口している管形状であり、前記形状のため本発明の実施例3に係る前記植栽管状体(1)を2つ以上に分割することにより容易に前記植栽管状体(1)に充填されている土壌及び/又は植物植栽床等に移植されている植物を取り出すことが出来る。
【0045】
図12、図13及び図14は本発明の実施例3に係る植栽管状体(1)の応用形態である。図12、図13及び図14のように前記植栽管状体(1)の組み立て時の懸止方法としては、上記に記載の実施例3に記載の分割された植栽管状体(1)を立体形状に形成するための、掛止手段及び/又は、結合手段及び/又は、接合手段は、以下に示すような方法で、掛止及び/又は、結合され、立体形状に形成される。
図12に示す植栽管状体(1)成形するための掛止方法は、例えば図12に示すように、実施例3に記載の植栽管状体(1)を分割された形状より立体形状に形成するために設けた、分割された状態の前記植栽管状体(1)両端の雄型(O)雌型(M)の掛合い印(O1)、(M1)を掛止して分割された形状の植栽管状体(1)を、管状に形成する方法又は、
図13に示す植栽管状体(1)成形するための結合方法は、例えば図13に示すように、実施例3に記載の植栽管状体(1)を分割された形状より立体形状に形成するために設けた、穴部及び/又は、凸凹部及び/又は、並列して設けた突起部を有する分割された形状の植栽管状体(1)を、前記クリップ(K)で結合して形成する方法又は、
図14に示す植栽管状体(1)成形するための接合方法は、例えば図14に示すように、実施例3に記載の植栽管状体(1)を分割された形状より立体形状に形成するために、斜め方向に分割された状態の前記植栽管状体(1)両端を接着テープ(T)で接合して分割された形状の植栽管状体(1)を、管状に形成する方法又は、
実施例3に記載の植栽管状体(1)を分割された形状より立体形状に形成するため、分割された植栽管状体(1)の両端を接着剤で接着する。
実施例3に記載の植栽管状体(1)を分割された形状より立体形状に形成するために、分割された植栽管状体(1)を、ベルト及び/又は、伸縮するリング形状及び/又は、紐を結んで、掛止する。
以上に記載の方法のほかにも実施例2に記載の植栽管状体(1)を立体形状に形成するための、適切な手段であれば前記植栽管状体(1)を立体形状に形成するための方法は限定しない。
【0046】
図15は本発明の実施例3に係る植栽管状体(1)に充填した土壌及び/又は植物植栽床等に植栽された植物が移植される作業の手順を示す図である。又本発明の植栽管状体(1)は、既存の技術による有底の植物植栽用具とは異なる形状である管形状の形状であり、底が開口しており且つ、少なくとも2つ以上に分割できる本発明の植栽管状体(1)は本発明の下底面が開口していることにより、従来の植栽用具には不可能であった以下の手順のように、移植する場所に植栽管状体(1)を、移植される植物を収納した状態で移植する場所に載置したまま、少なくとも2つ以上に容易に分割できることで、植栽管状体(1)の中に収納されて植栽されている植物の周りに充填されている土壌及び/又は植物植栽床の周囲より、前記植栽管状体(1)は容易に取り外すことが出来る。このため、本発明の植栽用具の中で栽培されている植物の移植作業時においては、既存の鉢及びプランターでの移植作業のように中から植物を引っ張り出し取り出して移植したり、分割した鉢及びプランターの中から植物を移植作業行為者が手作業などで取り出したりすることがないために、植物移植作業行為者の手に植物及び/又は、土壌及び/又は植物植栽床等が付着することなく植物を移植する行為者の手汚れもなく移植作業が行える。
前記理由により、本発明の植栽用具の中で栽培されている植物が移植される際に受けるダメージは、既存の鉢及びプランターの中で栽培されている植物が移植される際に受けるダメージに比べて、格段に少なくなる。
その本発明による植物の移植方法として図15に示すように、移植される植物は、植栽管状体に差し込まれた状態のまま、植物を移植させる予定の位置に載置され、その状態で植栽管状体(1)の形態を2つ以上の分割形状に展開したのち、移植させる植物周りに充填されている土壌及び/又は植物植栽床の周囲から容易に取り外して、その後移植される植物の周囲に土壌及び/又は植物植栽床を充填させることにより、植物移植作業行為者の手に植物及び/又は、土壌及び/又は植物植栽床等が付着することなく、植物を移植作業者の手汚れもない。又本発明の差し入れ植栽管状体を使用することにより移植作業中に植物が受けるダメージも格段に少なくなる。植栽管状体(1)を使用することにより、前記の様に、植物植栽に不慣れな者にも容易に植物の移植が行える。
【0047】
図16は、本発明に係る植栽用具を植栽管状体(1)と有底容器(2)とに分割したものである。
基本的には、本発明に係る植栽用具を移動する場合は有底容器(2)を持って移動する際の、持ち手部も兼ねた形状であるところの有底容器(2)は、たやすく持ち上げられる形状とすることがのぞましい。且つ有底容器(2)の形状は、植栽管状体を安定して差し込むことが出来、かつ、土壌及び/又は植物栽培床を安定して保持できる形状とする。
【0048】
図17は、差し入れる植栽管状体(1)と有底容器(2)の形状として、上天面・下底面(B1)ともに開口していて、上部開口部(U2)に近づくにつれても直上内径が等しくなる構造とし、図17の開口している植栽管状体(1)下底面(B1)付近には前記植栽管状体(1)の中で栽培する植物に適した肥料を含んだ植物植栽床が充填されている。前記植栽管状体(1)の下底面(B1)付近に前記植物植栽床が充填されていることにより一緒に前記植栽管状体(1)の中に充填されている土壌の形状も安定している。前記植栽管状体(1)はその中で生育している植物の根が十分に成長できる広さとし、かつ前記植栽管状体(1)が前記有底容器(2)に収納される植物栽培床にも前記植栽管状体(1)の中で栽培する植物に適した肥料を含ませることもできる。
前期植栽管状体(1)は前記有底容器(2)に差し入れられ収納された状態を保つ形状としたものである。この前記植栽用具の形状は、例えば前記植栽用具の中で、種子より苗に育てられた植物を市場で販売する際などに適した形状である。
前記植栽管状体(1)の形状として図17に示すように直上形状等の任意の形状であればよく、例えば下底面(B1)近くにいくにつれて内法は小さくなるがより下底面(B1)近くになるその途中より逆に内法が大きくなる形状もよい。
【0049】
図18は、本発明にて生育した植物の移植作業に関するものである。
本発明に係る植栽管状体(1)で生育した植物を移植する場合、有底容器(2)を固定し本発明の植栽管状体(1)をアッパーを使い取り出すことにより、前記植栽管状体(1)の中にて生育している植物と土壌及び/又は植物植栽床、を植栽管状体(1)に収納された状態で、たやすく前記有底容器(2)より引き上げることが出来る。
このときに植栽管状体(1)及び/又は、有底容器(2)の形状に取っ手(持ち手、ハンドル、帯状ハンドル、環状ハンドルを包含する。)が付いていると、より簡易に前記有底容器(2)の中の土壌及び/又は植物植栽床、より植栽管状体(1)を引き上げやすくなる。より簡易に前記有底容器(2)の中の土壌及び/又は植物植栽床等より前記植栽管状体(1)を引き上げやすくなるということは前記植栽管状体(1)内で生育している植物においても移植時のダメージが軽減されるという効果がある。
移植時の作業の際に植栽管状体(1)より前記植栽管状体(1)に収納されて充填されている土壌及び/又は植物植栽床が移植時に下に落ちづらい構造として、植栽管状体(1)の下底面(B1)開口部に近づくにつれて内法が小さくなる形状が好ましい。又、前記植栽管状体(1)に収納されて充填されている土壌及び/又は植物植栽床が移植時に下に落ちづらい構造として、前記植栽管状体(1)の内部下方部に植物植栽床を充填し、その上に土壌を充填することにより、移植作業の際にも前記植栽管状体(1)に収納されている内部下方部に充填された植物栽培床がともに植栽管状体(1)の中に充填された土壌を支持することにより、前記植栽管状体(1)内の土壌及び/又は植物栽培床は共に安定して収納されている。
上記の機能を要するものであれば植栽管状体(1)及び有底容器(2)の形状は上記説明の形状のみとは限らない。
移植時に地植え等など、その後移植の予定がない場合は、植栽管状体(2)に収納されている植物及び土壌及び/又は植物植栽床より植栽管状体(1)を移植する際に取り外す。実施例2及び実施例3の形状の植栽管状体(1)においてはとりわけ容易に植栽管状体(1)は前記植栽管状体(1)に収納されている植物及び土壌及び/又は植物植栽床の周囲より取り外すことができる。
しかし必要に応じて前記植栽管状体(1)を取り外さずに移植しても良い。例えば、寄植えされるために植栽管状体(1)の中で栽培されていた植物を移植する場合などは、前記植栽管状体(1)を取り外さずに移植することにより、本発明の植栽用具のメリットが発揮される。
又、図18におけるように、有底容器(2)に収納された植栽管状体(1)をアッパー(b)で上に持ち上げる図である。アッパーを使用することにより、植栽管状体(1)の中で栽培され成長した植物の根が前記植栽管状体(1)の開口した下底面より伸びていき、前記植栽管状体(1)を収納している有底容器(2)の中に充填された土壌及び/又は植物栽培床の中にも根をはった植物においても、植物に無理のかからない移植が容易にできる。又、例えば有底容器(2)に差し入れられた前記植栽管状体(1)の土壌に接する前記植栽管状体(1)面に微細な穴又はメッシュを構成する及び側面に通気孔(H)又は通水孔(H)を設けることにより差し入れられる植栽管状体(1)と有底容器(2)との土壌中の水分の割合が均質化する。又透水性のある材質等を使用することにより、植栽管状体(1)内に充填された土壌及び/又は植物栽培床と、有底容器(2)内に充填された土壌及び/又は植物栽培床との水分の含有割合は均質化する。
【0050】
図19においては、有底容器(2)の土壌及び/又は植物植栽床(1)に複数の植栽管状体(1)を差し入れて収納されている。
これは前記有底容器(2)に前記植栽管状体(1)が収納されたとき、有底容器(2)の土壌及び/又は植物植栽床へ差し入れられた植栽管状体(1)が受ける土圧が前記植栽管状体(1)にかかる外圧となることにより、植栽管状体(1)は有底容器(2)に安定して収納されている。前記植栽管状体(1)の形状は上天面(U1)・下底面(B1)共に開口している管形状を構成しているが、前記理由により、前記植栽管状体(1)夫々が安定して差し入れられ、又は夫々が安定して収納される状態を保持される。且つ、夫々の前記植栽管状体(1)に充填又された夫々の植物に、均等且つ最適な土壌及び/又は植物植栽床が充填されていることにより、同一の有底容器(2)内に数種類の前記植栽管状体(1)が差し入れて収納されていて、且つ前記植栽管状体(1)の中に夫々に種類の違う植物を植栽している場合においても、前記植栽管状体(1)に植栽された夫々の植物に均等及び/又は、夫々の植物の性質に応じた肥料および最適な水分量を、夫々の植栽管状体(1)に植栽された、その夫々の植物に施すことの出来るものである。
又、下底面(B1)近くになると逆に内法が小さくなる形状でもよい。これは前記鉢内に入れた土壌及び/又は植物植栽床、を夫々に確実に保持したい場合、たとえばベースメントに設置される有底容器(2)に入れられた土壌及び/又は植物植栽床と前記植栽管状体(1)に入れられた土壌及び/又は植物植栽床の性質が違う場合などに適している。
【0051】
図20は、発明に係る植栽管状体(1)および有底容器(2)を使用して植物を植栽する際の、水遣り・追肥・又根ぐされ防止のために有効な、外気と土壌及び/又は植物植栽床の接触面の広さを示したものである。
図20に示すように、本発明の植栽用具を使用することによって、夫々の前記植栽管状体(1)内栽培される夫々の植物に、より根に近い距離から追肥される。そのことにより追肥された肥料は植物の根より植物により吸収されやすくなる。
又、本発明の植栽管状体(1)を使用することにより、従来の鉢及びプランター栽培に比べ、土壌及び/又は植物植栽床と外気の接触面積も従来の鉢及びプランターに比べて、本発明の植栽管状体(1)においてはより広い面積を得る。この場合においては前記植栽管状体(1)の外気に触れる面の少なくとも一部分にメッシュを構成する及び/又は、側面に通気孔(H)(H)又は通水孔を設ける及び/又は、水分及び/又は外気を浸透させる材質を使用することにより、植栽管状体(1)内に土壌及び/又は植物栽培床は外気に接する面積が多くなるため、植栽管状体(1)の中に充填されている土壌及び/又は植物植栽床内に植栽されている植物の根に従来技術よりも外気や肥料は追肥されることにより植物により十分に吸収されやすくなる。
又、図20に図示されるように、一個の有底容器(2)に数個の植栽管状体(1)を差し入れ、おのおのの植栽管状体(1)に別種の植物を植えつけて、その植物各に最適な肥料を追肥することが出来る。植物各に適した追肥又土壌の選定が可能であることにより、夫々の植物の生育を大いに助ける。
従来の技術における鉢及びプランターによる植物植栽では、一つのプランターに別種の植物を植えつけて、その別種の植物の夫々の性質各に最適な肥料を追肥することは困難であった。本発明の植栽管状体(1)と有底容器(2)と土壌及び/又は植物植栽床、にて構成される植栽用具によりそれらのデメリットは解消される。
図20に示される、植栽管状体(1)は、有底容器(2)に差し入れ収納された植栽管状体(1)に充填されて収納されている土壌及び/又は植物植栽床の中に植栽管状体(1)を差し入れた図である。このようにベースメントになる有底容器(2)及びこの場合の植栽管状体(1)が、十分に安定した形状であればその中の土壌及び/又は植物植栽床に差し入れられた前記植栽管状体(1)の中の土壌及び/又は植物植栽床に又、植栽管状体(1)を差し入れることが出来、これを繰り返し何段かの植栽管状体(1)を差し入れていくことができる。これにより植物の寄植えもより多種類のアレンジができる。又例えば茎の地上部に発生する気根、とりわけ水や栄養を吸収する吸収根をもつ植物植栽において、土壌面積の限られた植栽場所においても植栽管状体(1)を使用することにより、水や栄養を吸収する吸収根を前記植栽管状体(1)の中の土壌及び/又は植物植栽床、に差し入れることにより、気根より新しい根が成長することが出来るので気根、を有する植物にとってより成長するに良好な植栽環境も提供できる。この場合も、有底容器(2)が充分に安定した形状であって、且つ、植栽管状体(1)の形状も何段にも差し入れるに足りる安定した形状であればよい。
【0052】
図21に示す如く、有底容器(2)に数種類の形状の違う植栽管状体(1)を差し入れ、その中に夫々の植物を生育させる。本発明の植栽用具を使用することにより植物各に適した追肥又土壌の充填が可能であり、かつ植栽管状体(1)に植栽される植物の夫々の成長の仕方により前記植栽管状体(1)の形状を選定できる。及び/又は、植栽管状体(1)に植栽される植物の夫々の成長の仕方により前記植栽管状体(1)の形状を変形できる。それにより前記植栽管状体(1)内で栽培される夫々の植物の生育を大いに助ける。
図21は、本発明に係る植栽管状体(1)及び有底容器(2)の他の変形形態である。
請求項に記されたように、本発明に係る植栽用具および有底容器(2)の形状は,角型、ク型、柱型等色々な形であっても構わない。このように本発明の植栽管状体(1)は、長さ方向と垂直な断面の形状は、特に限定されるものではない。形状については、長さ方向と垂直な断面の形状の具体例としては、例えば、円形、楕円形、矩形、正方形、1〜20の角を有する多角形又は、ラッパ状又はテーパー状又は直上状に開いた形状であればアメーバーを上から見たような不定形を挙げることができる。
【0053】
図21に示すように、有底容器(2)に2個以上の植栽管状体(1)を差し入れ収納し、一つの植栽管状体(1)の中には十分に水分を含んだ培養土壌を入れ、又別の植栽管状体(1)には夫々性質の違う土壌及び/又は植物栽培床を入れている。
このように本発明の植栽用具は、1個の有底容器(2)に数個の植栽管状体(1)を入れ、前記植栽管状体(1)各に夫々性質の違う土壌及び/又は植物栽培床を充填しることが可能であり本発明の植栽用具を使用することにより、本発明の前期植栽用具に寄植えされた違う性質の植物同士も夫々良好に前記植栽管状体(1)の中で夫々に適した土壌及び/又は植物栽培床に植栽されて栽培できる。このため有底容器(2)に差し込まれ収納された夫々の前記植栽管状体(1)の中に植栽される植物の品種は格段に多種類となる。例えば同時期に花が咲く植物であっても、乾燥土壌を好む植物と湿潤土壌を好む植物特性がある植物の寄せ植を作りたくても、今までのプランター植栽では難しかったが、本発明の植栽用具(1)を使用することにより、寄せ植えされた植物は夫々前記植栽管状体(1)の中に植栽され、それら夫々の植物に良好な土壌を夫々に提供できる。
【0054】
又、植栽管状体(1)の形状を上天面に近づくほど内法面積が大きくなることにこだわらない場合などには図22に示すように土留めを設けても良い。土留めは、植栽管状体(1)に生育している植物の根に支障とならない形状及び素材で、植栽管状体(1)より容易に取り外せる構造で構成される構造とする。
又、日照方向等の植栽環境により、前記植栽管状体(1)の高さ及び横幅及び縦幅は均一および平行でなくてもかまわない。例えば、日照方向にあたる前記植栽管状体(1)の側面は前記植栽管状体(1)の反対面より短い長さとして成形しても良い。これにより前記植栽管状体(1)の中で植栽されている植物の葉へ、より多くの直射日光が当たる。
又前記植栽管状体(1)および有底容器(2)の素材の選定にあたっては、植物の生育に支障ない素材を選定する。又前記植栽管状体(1)側面の少なくとも一部分に微細な穴又はメッシュを構成する及び/又は、側面に通気孔(H)又は通水孔(H)を設ける及び/又は、水分及び/又は、外気及び/又は水分を浸透させる材質を使用してもよい。例えば有底容器(2)に差し入れられた前記植栽管状体(1)の土壌面に接する前記植栽管状体面に微細な穴又はメッシュを構成すると、有底容器(2)と前記有底容器(2)に差し入れられる植栽管状体(1)の中の土壌中の水分の割合が均質化する。前期の効果は又透水性のある材質を使用しても構わない。又、例えば有底容器(2)に差し入れられた前記植栽管状体(1)の外気面に接する前記植栽管状体面に通気性及び/又は通水性に優れた微細な穴(H)(H)又はメッシュを構成すると有底容器(2)及び前記有底容器(2)に差し入れられる植栽管状体(1)の土壌中の外気から吸収される酸素及び/又は水分の割合が増加する。
なお、本発明は、実施するための形態に限定して解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施例1に係る植栽管状体(1)と有底容器(2)の断面図である。
【図2】本発明の実施例1に係る植栽管状体(1)の断面図である。
【図3】本発明の実施例1に係る植栽管状体(1)の断面図である。
【図4】本発明の実施例1に係る植栽管状体(1)の断面図である。
【図5】本発明の実施例1に係る植栽管状体(1)の横断面図である。
【図6】本発明の実施例2に係る植栽管状体(1)を平面展開した展開図応用形及びその使用形態の断面図である
【図7】本発明の実施例2に係る植栽管状体(1)の応用形及び、その使用形態の一例として、それを成形する前の平面展開形状の図である。
【図8】本発明の実施例2に係る植栽管状体(1)の応用形及び、その使用形態の一例としてとして平面展開前の図と、それを成形した一周以上巻回形状を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施例2に係る植栽管状体(1)の応用形及びその使用形態として8字形状に整形されて使用される一周以上巻回形状を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施例2に係る植栽管状体(1)の応用形及びその使用形態としてS字形状にて使用される斜視図である。
【図11】本発明の実施例2に係る移植作業中の本発明の植栽管状体(1)及び有底容器(2)の作業図である。
【図12】本発明の実施例3に係る植栽管状体(1)応用形及び形態として1つに組み立てられた形状を示す側面図である。
【図13】本発明の実施例3に係る植栽管状体(1)応用形及び形態として1つに組み立てられた形状を示す側面図である。
【図14】本発明の実施例3に係る植栽管状体(1)応用形及び形態として1つに組み立てられた形状を示す側面図である。
【図15】本発明の実施例3に係る移植作業中の本発明の植栽管状体(1)及び有底容器(2)の作業図である。
【図16】本発明に係る植栽管状体(1)と有底容器(2)の分離した状態を示す断面図である。
【図17】本発明の植栽管状体(1)及び有底容器(2)の断面図である。
【図18】本発明の植栽管状体(1)及び有底容器(2)の応用図である。
【図19】本発明における水遣り及び追肥作業中の斜視図である。
【図20】本発明の植栽管状体(1)の応用使用形態及び有底容器(2)の斜視図である。
【図21】本発明の植栽管状体(1)の応用形態及び有底容器(2)の斜視図である。
【図22】本発明の植栽管状体(1)の土留め(H1)の平面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 植栽管状体
2 有底容器
3 土壌及び/又は植物植栽床
3a 土壌
3b 植物植栽床
4 植物
11 水
12 肥料
U1 植栽管状体(1)の上部開口部
B1 植栽管状体(1)の開口部
H 孔
H1 土留め
U2 有底容器(2)の上部開口部
B2 有底容器(2)の下底面
H2 有底容器(2)の下底面の穴
G 目皿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植栽管状体と、これを同軸的にかつ、間隔を置いて収納する有底容器と、前記植栽管状体(1)と有底容器(2)に、植物を植栽するために充填する土壌及び/又は植物植栽床とより構成される植栽用具。
【請求項2】
前記植栽管状体は、縦方向及び/又は、斜め方向にすくなくとも2つ以上に分割されることを特徴とする請求項1記載の植栽用具。
【請求項3】
前記植栽管状体は、長尺のシートを渦巻状に巻回して形成される手段を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の植栽用具。
【請求項4】
前記植栽管状体及び有底容器は、側面に少なくとも1つの通気孔又は通水孔を有していることを特徴とする請求項1,2、又は3に記の植栽用具。
【請求項5】
前記有底容器は、底部に少なくとも1つの貫通穴を有していることを特徴とする請求項1、2、3、又は4に記載の植栽用具。
【請求項6】
前記植栽管状体及び有底容器は、側面に少なくとも1つ以上の取っ手を有していることを特徴とする請求項1、2、3,4,又は5に記載の植栽用具。
【請求項7】
前記植栽管状体は、内層壁と外層壁からなり、両壁の間には植栽管状体(1)の軸方向に貫通する複数の通気孔又は複数の通気孔を有している請求項1、2、3,4,5又は6に記載の植栽用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−147774(P2012−147774A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−284667(P2011−284667)
【出願日】平成23年12月27日(2011.12.27)
【出願人】(502402009)
【Fターム(参考)】