説明

植物の生長を向上させる方法

本発明は、植物の内因性の防御を増強するための並びに/又は植物の生長を向上させるための並びに/又は菌類、細菌類、ウイルス類、MLO類(マイコプラズマ様微生物)及び/若しくはRLO類(リケッチア様微生物)に起因する植物病害に対する植物の抵抗性を増強するための並びに/又は非生物的ストレス因子に対する植物の抵抗性を増強するための、エナミノカルボニル化合物類から選択される少なくとも1種類の化合物の使用に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の内因性の防御を増強するための並びに/又は植物の生長を向上させるための並びに/又は菌類、細菌類、ウイルス類、MLO類(マイコプラズマ様微生物)及び/若しくはRLO類(リケッチア様微生物)に起因する植物病害に対する植物の抵抗性を増強するための並びに/又は非生物的ストレス因子に対する植物の抵抗性を増強するための、エナミノカルボニル化合物類から選択される少なくとも1種類の化合物の使用。
【請求項2】
少なくとも1種類のエナミノカルボニル化合物が一般式(I)
【化1】

〔式中、
Aは、ピリド−2−イル若しくはピリド−4−イルを表すか、又は、ピリド−3−イル(該ピリド−3−イルは、6位がフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシで置換されていてもよい。)を表すか、又は、ピリダジン−3−イル(該ピリダジン−3−イルは、6位が塩素又はメチルで置換されていてもよい。)を表すか、又は、ピラジン−3−イルを表すか、又は、2−クロロピラジン−5−イルを表すか、又は、1,3−チアゾール−5−イル(該1,3−チアゾール−5−イルは、2位が塩素又はメチルで置換されていてもよい。)を表し;
又は、
Aは、基ピリミジニル、ピラゾリル、チオフェニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、イソチアゾリル、1,2,4−トリアゾリル又は1,2,5−チアジアゾリル[該基は、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、C−C−アルキル(該アルキルは、フッ素及び/又は塩素で置換されていてもよい。)、C−C−アルキルチオ(該アルキルチオは、フッ素及び/又は塩素で置換されていてもよい。)又はC−C−アルキルスルホニル(該アルキルスルホニルは、フッ素及び/又は塩素で置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。]を表し;
又は、
Aは、基
【化2】

[Xは、ハロゲン、アルキル又はハロアルキルを表し;
Yは、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アジド又はシアノを表す。]
を表し;
Bは、酸素、硫黄、エチレン又はメチレンを表し;
は、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロシクロアルキル、アルコキシ又はハロシクロアルキルアルキルを表し;
は、水素又はハロゲンを表し;
及び、
は、水素又はアルキルを表す。〕
のエナミノカルボニル化合物の類から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
少なくとも1種類のエナミノカルボニル化合物が
(I−1): 4−{[(6−ブロモピリド−3−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−2): 4−{[(6−ブロモピリド−3−イル)メチル](2,2−ジフルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−3): 4−{[(6−フルオロピリド−3−イル)メチル](2,2−ジフルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−4): 4−{[(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−5): 3−クロロ−4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−6): 4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−7): 4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](2,2−ジフルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−8): 4−{[(6−クロロ−5−フルオロピリド−3−イル)メチル](メチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−9): 4−{[(5,6−ジクロロピリド−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−10): 4−{[(5,6−ジクロロピリド−3−イル)メチル](メチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−11): 4−{[(6−ブロモ−5−フルオロピリド−3−イル)メチル](メチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−12): 4−{[(6−ブロモ−5−フルオロピリド−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−13): 4−{[(6−クロロ−5−フルオロピリド−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−14): 4−{[(5,6−ジクロロピリド−3−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−15): 4−{[(5,6−ジクロロピリド−3−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−16): 4−{[(6−ブロモ−5−フルオロピリド−3−イル)メチル](2,2−ジフルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−17): 4−{[(6−クロロ−5−フルオロピリド−3−イル)メチル](2,2−ジフルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−18): 3−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](メチル)アミノ}シクロペンタ−2−エン−1−オン;
(I−19): 3−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}シクロペンタ−2−エン−1−オン;
(I−20): 4−{[(2−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−イル)メチル](メチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−21): 4−[メチル(ピリド−3−イルメチル)アミノ]フラン−2(5H)−オン;
(I−22): 4−{シクロプロピル[(6−フルオロピリド−3−イル)メチル]アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−23): 4−(メチル{[6−(トリフルオロメチル)ピリド−3−イル]メチル}アミノ)フラン−2(5H)−オン;
(I−24): 4−(シクロプロピル{[6−(トリフルオロメチル)ピリド−3−イル]メチル}アミノ)フラン−2(5H)−オン;
(I−25): 4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](メチル)アミノ}−5−メチルフラン−2(5H)−オン;
(I−26): 4−{[(6−ブロモピリド−3−イル)メチル](メチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−27): 4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](メチル)アミノ}チオフェン−2(5H)−オン;
(I−28): 4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](メチル)アミノ}−3−フルオロフラン−2(5H)−オン;
(I−29): 4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](メトキシ)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−30): 4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](エチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−31): 4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−32): 4−{アリル[(6−クロロピリド−3−イル)メチル]アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−33): 4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](プロパ−2−イン−1−イル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−34): 4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](メチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−35): 4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル]アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−36): 4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](2,2−ジフルオロメチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−37): 4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](2−クロロ−2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−38): 4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](2,2−ジフルオロエチル)アミノ}−3−ブロモフラン−2(5H)−オン;
(I−39): 4−{[(6−クロロ−5−メチルピリド−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−40): 4−{[(6−クロロ−5−メチルピリド−3−イル)メチル](2,2−ジフルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン;
(I−41): 3−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](プロピル)アミノ}シクロヘキサ−2−エン−1−オン;
(I−42): 3−{アリル[(6−クロロピリド−3−イル)メチル]アミノ}シクロヘキサ−2−エン−1−オン;
(I−43): 3−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](プロパ−2−イン−1−イル)アミノ}シクロヘキサ−2−エン−1−オン;
(I−44): 3−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル]アミノ}シクロヘキサ−2−エン−1−オン;
(I−45): 3−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](メチル)アミノ}シクロヘキサ−2−エン−1−オン;
及び、
(I−46): 3−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](エチル)アミノ}シクロヘキサ−2−エン−1−オン;
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
少なくとも1種類のエナミノカルボニル化合物で処理される植物がトランスジェニックであることを特徴とする、請求項1から3の一項に記載の使用。
【請求項5】
生物的ストレス因子又は非生物的ストレス因子から植物を保護するための、請求項1から4の一項に記載の使用。
【請求項6】
少なくとも1種類のエナミノカルボニル化合物を少なくとも1種類の肥料と組み合わせて使用することを特徴とする、請求項1から5の一項に記載の使用。
【請求項7】
種子及び発芽中の植物を保護するための、植物の内因性の防御を増強するための並びに/又は植物の生長を向上させるための並びに/又は菌類、細菌類、ウイルス類、MLO類(マイコプラズマ様微生物)及び/若しくはRLO類(リケッチア様微生物)に起因する植物病害に対する植物の抵抗性を増強するための、エナミノカルボニル化合物類から選択される少なくとも1種類の化合物の使用。
【請求項8】
種子及び/又は前記発芽中の植物を処理するのに、栄養溶液〔該栄養溶液の中には、栄養溶液の総重量に基づいて0.0005から0.025重量%の量の少なくとも1種類のエナミノカルボニル化合物が存在している。〕を使用することを特徴とする、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
種子及び/又は発芽中の植物を処理するのに使用される前記少なくとも1種類のエナミノカルボニル化合物が請求項2又は3に記載の一般式(I)のエナミノカルボニル化合物であることを特徴とする、請求項7又は8に記載の使用。
【請求項10】
植物がフローティング法で栽培されることを特徴とする、請求項7から9の一項に記載の使用。
【請求項11】
植物の内因性の防御を増強するのに並びに/又は植物の生長を向上させるのに並びに/又は菌類、細菌類、ウイルス類、MLO類(マイコプラズマ様微生物)及び/若しくはRLO類(リケッチア様微生物)に起因する植物病害に対する植物の抵抗性を増強するのに有効な量の少なくとも1種類のエナミノカルボニル化合物、特に請求項2又は3に記載の一般式(I)のエナミノカルボニル化合物を含んでいる、成育中の植物のための及び/又は発芽中の植物のための、栄養溶液。
【請求項12】
栄養溶液中の前記少なくとも1種類のエナミノカルボニル化合物の含有量が栄養溶液の総重量に基づいて合計で0.0005から0.025重量%になることを特徴とする、請求項11に記載の栄養溶液。
【請求項13】
植物の内因性の防御を増強するための並びに/又は植物の生長を向上させるための並びに/又は菌類、細菌類、ウイルス類、MLO類(マイコプラズマ様微生物)及び/若しくはRLO類(リケッチア様微生物)に起因する植物病害に対する植物の抵抗性を増強するための、請求項11又は12の一項に記載の栄養溶液の使用。
【請求項14】
種子を包含する繁殖器官から植物を生育させるための、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
植物体内においてPRタンパク質を誘導するための、エナミノカルボニル化合物類から選択される少なくとも1種類の化合物、特に請求項2又は3の一項に記載の一般式(I)の少なくとも1種類のエナミノカルボニル化合物の使用。
【請求項16】
植物が以下のものであることを特徴とする、請求項1から10又は13から15の一項に記載の使用:
芝生;ブドウの木;禾穀類、例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、イネ、トウモロコシ及びキビ/ソルガム; ビート、例えば、テンサイ及び飼料用ビート; 果実類、例えば、仁果類、核果類及び小果樹類、例えば、リンゴ、西洋ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクラの木、及び、液果類、例えば、イチゴ、ラズベリー、クロイチゴ; マメ果類、例えば、インゲンマメ、レンズマメ、エンドウマメ及びダイズ; 油料作物、例えば、ナタネ、カラシナ、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、トウゴマ、カカオマメ及びラッカセイ; ウリ科植物、例えば、カボチャ(pumpkin)/カボチャ(squash)、キュウリ及びメロン; 繊維植物、例えば、ワタ、アマ、アサ及びジュート; 柑橘類果実、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ及びタンジェリン; 野菜類、例えば、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ類、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ及びピーマン; クスノキ科、例えば、アボガド、クスノキ属(Cinnamomum)、ショウノウ、タバコ;堅果類;コーヒー;ナス;サトウキビ;チャ;コショウ;ブドウの蔓;ホップ;バナナ;ラテックス植物及び観賞植物、例えば、花卉、低木、落葉樹及び針葉樹。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−540577(P2010−540577A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527347(P2010−527347)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【国際出願番号】PCT/EP2008/007857
【国際公開番号】WO2009/046837
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】