説明

植物人工染色体、その使用及び植物人工染色体の製造方法

【課題】植物人工染色体を含む細胞株を調製する方法、植物人工染色体の調製方法、植物人工染色体内への異種DNAのターゲティング性挿入方法、および選択細胞および組織への植物染色体の送達方法を提供すること。
【解決手段】特に、変化量のヘテロクロマチンおよびユークロマチンのリピート性核酸ユニットから実質的になる植物人工染色体を提供する。また有益トランスジェニック植物の生産における植物および動物人工染色体を使用する方法を提供する。特定形質をコードする植物遺伝子を、人工染色体を使用して同定する方法およびアクロセントリック植物染色体を生産する方法を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工染色体を生産する方法であって:
1または2以上の植物染色体を含む細胞に、核酸を導入する、および
1または2以上のリピート領域を含む人工染色体を含む細胞を選択する、
ことを含み、ここで:
1または2以上の核酸ユニットが、リピート領域でリピートされ、
核酸ユニットのリピートが共通核酸配列を有し、かつ
リピート領域が実質的に均等量のユークロマチン性およびヘテロクロマチン性核酸を含む、方法。
【請求項2】
人工染色体が卓越的に、1または2以上のリピート領域から作成される、請求項1の方法。
【請求項3】
細胞に導入される核酸が、植物染色体のある領域の増幅を容易化し、またはそれを植物染色体の増幅可能領域にターゲティングさせる核酸配列を含む、請求項1の方法。
【請求項4】
細胞に導入される核酸が、rDNA、ラムダファージDNAおよびサテライトDNAからなる群より選択される1または2以上の核酸を含む、請求項1の方法。
【請求項5】
核酸が植物rDNAを含む請求項4の方法。
【請求項6】
rDNAが、Arabidopsis、Nicotiana、Solanum、Lycopersicon、Daucus、Hordeum、Zea mays、Brassica、TriticumおよびOryzaからなる群より選択される植物からのものである請求項5の方法。
【請求項7】
核酸が動物rDNAを含む請求項4の方法。
【請求項8】
rDNAが哺乳動物rDNAである請求項7の方法。
【請求項9】
核酸が遺伝子間スペーサー領域の配列を含むrDNAを含む、請求項4の方法。
【請求項10】
遺伝子間スペーサー領域がArabidopsis、Solanum、Lycopersicon、Hordeum、Zea、Oryza、ライムギ、コムギ、ラディッシュおよびマングビーンからなる群より選択される植物からのDNA由来である、請求項9の方法。
【請求項11】
細胞に導入される核酸が、核酸を含む細胞の同定を容易化する核酸配列を含む細胞内に導入される、請求項1の方法。
【請求項12】
核酸配列が、蛍光タンパク質をコードする請求項11の方法。
【請求項13】
タンパク質が緑色蛍光タンパク質である、請求項12の方法。
【請求項14】
人工染色体を含む細胞を選択するステップが、核酸が導入された細胞のソーティングを含む、請求項1の方法。
【請求項15】
人工染色体を含む細胞を選択するステップが、核酸が導入された細胞の蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)分析を含む、請求項1の方法。
【請求項16】
細胞に含まれる1または2以上の植物染色体が、Arabidopsis、タバコおよびHelianthus細胞からなる群より選択される請求項1の方法。
【請求項17】
細胞が植物プロトプラストである請求項16の方法。
【請求項18】
細胞に導入される核酸が選択マーカーをコードする核酸を含む、請求項1の方法。
【請求項19】
選択マーカーが、ホスヒノスリシン、アンモニウムグルホシネート、グリホサート、カナマイシン、ハイグロマイシン、ジヒドロホレートまたはスルホニルウレアへの抵抗性を湯世する、請求項18の方法。
【請求項20】
1または2以上のリピート領域を含む単離植物人工染色体であって:
1または2以上の核酸ユニットが、リピート領域でリピートされ、
核酸ユニットのリピートが、共通核酸配列を有し、かつ
リピート領域が、実質的に均等量のユークロマチン性およびヘテロクロマチン性核酸を含む、人工染色体。
【請求項21】
人工染色体が卓越的に、1または2以上のリピート領域から作成される、請求項20の植物人工染色体。
【請求項22】
人工染色体を含む植物細胞であって、人工染色体が請求項1または2の方法により生産される細胞。
【請求項23】
請求項20または21の人工染色体を植物細胞内に導入することを含むトランスジェニック植物を生産する方法。
【請求項24】
人工染色体が遺伝子産物をコードする異種核酸を含む請求項23の方法。
【請求項25】
異種核酸が酵素、アンチセンスRNA、tRNA、rDNA、構造タンパク質、マーカータンパク質、リガンド、レセプター、リボザイム、治療タンパク質および生物医薬タンパク質からなる群より選択される、請求項24の方法。
【請求項26】
異種核酸が、ワクチン、血液因子、抗原、ホルモン、サイトカイニン、成長因子および抗体からなる群より選択される産物をコードする請求項24の方法。
【請求項27】
異種核酸が、植物の病害、昆虫、除草剤、またはストレスへの抵抗性を提供する産物をコードする請求項24の方法。
【請求項28】
異種核酸が、植物で農業重要形質を提供する産物をコードする請求項24の方法。
【請求項29】
異種核酸が、栄養利用性を変更し、および/または植物の栄養質を改善する産物をコードする請求項24の方法。
【請求項30】
異種核酸が細菌人工染色体(BAC)またはコウボ人工染色体(YAC)内に含まれる、請求項24の方法。
【請求項31】
特定形質をコードする植物遺伝子を同定する方法であって、
植物の第一種からユークロマチン性DNAを含む人工染色体を生成し、
植物の第二種の植物細胞内に人工染色体を導入し、そして
人工染色体を含む植物細胞および/または人工染色体を含む植物細胞から生成した植物での表現型変化を検出することを含む、方法。
【請求項32】
人工染色体が、植物人工染色体または哺乳動物人工染色体である、請求項31の方法。
【請求項33】
請求項31の方法であって、人工染色体が、
核酸を、1または2以上の植物染色体を含む細胞内に導入する、および
1または2以上のリピート領域を含む人工染色体を含む植物細胞を選択する
ことを含む方法によって生産され、ここで、
核酸ユニットのリピートが、共通核酸配列を有し、かつ
リピート領域が実質的に均等量のユークロマチン性およびヘテロクロマチン性核酸を含む、方法。
【請求項34】
請求項31の方法であって、人工染色体が、
植物細胞内に核酸を導入する、および
SATACを含む植物細胞を選択する
ことを含む方法によって生産される、方法。
【請求項35】
請求項31の方法であって、人工染色体が、
核酸を植物細胞内に導入する、および
ネオセントロメアおよびユークロマチンを含むミニ染色体を含む細胞を選択することを含む方法によって生産される、方法。
【請求項36】
植物細胞に導入される核酸が、選択マーカーをコードするDNAを含む、請求項33-35のいずれかの方法。
【請求項37】
選択マーカーが、ホスヒノスリシン、アンモニウムグルホシネート、グリホサート、カナマイシン、ハイグロマイシン、ジヒドロホレート、またはスルホニルウレアに対する抵抗性を付与する請求項36の方法。
【請求項38】
請求項31の方法であって、第一植物種からのユークロマチン性DNAを含む人工染色体が、
第一種植物の植物細胞内に第一種植物種のDNAと相同組み換えを経験可能な人工染色体を導入する、
人工染色体と第一植物種のDNAの間の組み換え事象について選択する、および
第一種植物種からのユークロマチン性DNAを含む人工染色体を選択することを含む方法によって生産される、方法。
【請求項39】
請求項31の方法であって、第一種植物種からのユークロマチン性DNAを含む人工染色体が、
第一種の植物細胞内に、第一種植物種のDNAと部位特異的組み換えを経験可能な人工染色体を導入する、
人工染色体と第一植物種のDNAの間の部位特異的組み換え事象について選択する、および
第一植物種からのユークロマチン性DNAを含む人工染色体を選択する、ことを含む方法によって生産される、方法。
【請求項40】
部位特異的組み換え配列を含むように、第一種の植物細胞のDNAを修飾する、請求項39の方法。
【請求項41】
人工染色体が、部位特異的組み換え配列を含む、請求項39の方法。
【請求項42】
部位特異的組み換え配列を含むために第一種の植物細胞のDNAを修飾する、かつ人工染色体が部位特異的組み換え配列を含む、請求項39の方法。
【請求項43】
部位特異的組み換え配列を含むため第一種の植物細胞のDNAを修飾する、かつ人工染色体が、第一植物種の植物細胞の部位特異的組み換え配列に相補的である部位特異的組み換え配列を含む、請求項39の方法。
【請求項44】
部位特異的組み換えがレコンビナーゼ酵素によって触媒される、請求項39の方法。
【請求項45】
アクロセントリック植物染色体を生産する方法であって:
部位特異的組み換え部位を含む第一核酸を、植物細胞の第一染色体内に導入する、
部位特異的組み換え部位を含む第二核酸を、植物細胞の第二染色体に導入する、
レコンビナーゼ活性を、植物細胞内に導入し、ここで該活性が第一および第二染色体の間の組み換えを触媒し、それによってアクロセントリック植物染色体が生産される、
ことを含む方法。
【請求項46】
第一核酸が第一染色体のペリセントリックヘテロクロマチン内に導入される請求項45の方法。
【請求項47】
第二核酸が、第二染色体のアームの遠位末端内に導入される、請求項45の方法。
【請求項48】
第一核酸が、第一染色体のペリセントリックヘテロクロマチン内に導入され、かつ第二核酸が、第二染色体のアームの遠位末端内に導入される、請求項45の方法。
【請求項49】
アクロセントリック植物染色体を生産する方法であって、
部位特異的組み換え部位を含む第一核酸を、植物細胞の染色体のペリセントリックヘテロクロマチン内に導入する、
部位特異的組み換え部位を含む第二核酸を、染色体の遠位末端内に導入し、ここで第一および第二組み換え部位が、染色体の同じアーム上に位置し、
レコンビナーゼ活性を細胞内に導入し、ここで活性が染色体の第一および第二組み換え部位の間の組み換えを触媒し、それによってアクロセントリック植物染色体が生産される、
ことを含む方法。
【請求項50】
アクロセントリック植物染色体を生産する方法であって、
選択マーカーをコードする核酸に隣接する組み換え部位を含む核酸を、第一植物細胞内に導入する、
第一植物細胞から第一トランスジェニック植物を生成する、
植物細胞で機能性のプロモーターを含む核酸、組み換え部位および作動性連結におけるレコンビナーゼコード領域を、第二植物細胞内に導入する、
第二植物細胞から第二トランスジェニック植物を生成する、
第一および第二植物を交雑する、
選択マーカーをコードする核酸を含む細胞について選択する剤に抵抗性の植物を取得する、および
アクロセントリック植物染色体を含む細胞を含む抵抗性植物を選択する、ことを含む方法。
【請求項51】
アクロセントリック染色体の短いアームのDNAが5%より少ないユークロマチン性DNAを含む、請求項45-50いずれかの方法。
【請求項52】
アクロセントリック染色体の短いアームのDNAが、1%より少ないユークロマチン性DNAを含む、請求項45-50いずれかの方法。
【請求項53】
アクロセントリック染色体の短いアームのDNAがユークロマチン性DNAを含まない、請求項45-50いずれかの方法。
【請求項54】
染色体内に導入される核酸が、選択マーカーをコードする核酸を含む、請求項45-49いずれかの方法。
【請求項55】
アクロセントリック染色体の短いアームがユークロマチン性DNAを含まない、アクロセントリック植物人工染色体。
【請求項56】
植物人工染色体の生産方法であって、
核酸を細胞の植物アクロセントリック染色体内に導入する、ここで該アクロセントリック染色体の短いアームがユークロマチン性DNAを含まない、
細胞を少なくとも1細胞分裂を経由して培養する、および
人工染色体を含む細胞を選択し、卓越的にヘテロクロマチン性である、ことを含む方法。
【請求項57】
アクロセントリック染色体が、請求項45-49いずれかの方法によって生産される、請求項56の方法。
【請求項58】
人工染色体を生産する方法であって、
植物細胞内に核酸を導入する、および
1または2以上のリピート領域を含む人工染色体を含む植物細胞を選択し、
ここで1または2以上の核酸ユニットが、リピート領域内でリピートし、
核酸ユニットのリピートが共通核酸配列を有し、かつ
共通核酸配列がユークロマチン性およびヘテロクロマチン性核酸を示す配列を含む、
ことを含む方法。
【請求項59】
核酸が双子葉植物種からの植物rDNAを含む請求項4の方法。
【請求項60】
核酸が単子葉植物種からの植物rDNAを含む請求項4の方法。
【請求項61】
遺伝子間スペーサー領域がNicotiana植物由来のDNA由来である請求項9の方法。
【請求項62】
rDNAが植物rDNAである請求項9の方法。
【請求項63】
植物が双子葉植物種である請求項62の方法。
【請求項64】
植物が単子葉植物種である請求項62の方法。
【請求項65】
細胞が双子葉植物細胞である請求項1の方法。
【請求項66】
細胞が単子葉植物細胞である請求項1の方法。
【請求項67】
1または2以上のリピート領域を含む単離植物人工染色体であって、
1または2以上の核酸ユニットが、リピート領域でリピートされ、
核酸ユニットのリピートが共通核酸配列を有しかつ
共通核酸配列がユークロマチン性およびヘテロクロマチン性核酸を示す配列を含む、染色体。
【請求項68】
請求項31の方法であって、人工染色体が、
植物細胞内に核酸を導入する、および
1または2以上のリピート領域を含む人工染色体を含む植物細胞を選択し、ここで
核酸ユニットのリピートが共通核酸配列を有し、かつ
共通核酸配列がユークロマチン性およびヘテロクロマチン性核酸を示す配列を含む、
ことを含む方法によって生産される、方法。
【請求項69】
請求項44の方法であって、レコンビナーゼが、バクテリオファージP1Creレコンビナーゼ、コウボRレコンビナーゼおよびコウボFLPレコンビナーゼからなる群より選択される、請求項44の方法。
【請求項70】
第一および第二トランスジェニック植物を選択することをさらに含む請求項50の方法であって、
植物のいずれかが、ペリセントリックヘテロクロマチンに隣接する領域において染色体の短いアーム上に位置する組み換え部位を含む染色体を含み、かつ
他の植物が染色体のrDNAに位置する組み換え部位を含む染色体を含む、方法。
【請求項71】
2染色体上の組み換え部位が同じ方向におけるものである、請求項70の方法。
【請求項72】
アクロセントリック植物染色体を生産する方法であって、
2部位特異的組み換え部位を含む核酸を、1または2以上の植物染色体を含む細胞内に導入する、
細胞内にレコンビナーゼ活性を導入する、ここで活性が2組み換え部位の間の組み換えを触媒し、それによって植物アクロセントリック染色体が生産される、ことを含む方法。
【請求項73】
2部位特異的組み換え部位が、別個核酸フラグメント上に含まれる、請求項72の方法。
【請求項74】
別個核酸フラグメントが同時にまたは逐次的に細胞に導入される、請求項73の方法。
【請求項75】
人工染色体が卓越的に、ヘテロクロマチン性である請求項56の方法。
【請求項76】
植物人工染色体を生産する方法であって、
核酸を細胞の植物染色体内に導入する、ここで染色体は、rDNAおよびヘテロクロマチン性DNAの隣接領域を含む、
細胞を少なくとも1細胞分裂を経由して培養する、および
人工染色体を含む細胞を選択する、ことを含む方法。
【請求項77】
人工染色体が卓越的にヘテロクロマチン性である請求項76の方法。
【請求項78】
核酸が導入される植物染色体がアクロセントリック染色体である請求項76または77の方法。
【請求項79】
染色体の短いアームがrDNAおよびヘテロクロマチン性DNAの隣接領域を含む請求項78の方法。
【請求項80】
ヘテロクロマチン性DNAがペリセントリックヘテロクロマチンである請求項76-79いずれかの方法
【請求項81】
ベクターであって、
任意のプロモーターと作動可能に連関されていない選択マーカーをコードする核酸、ここで選択マーカーは動物細胞に通常は毒性の剤の存在下動物細胞の成長を可能とする、かつここで、剤が植物細胞に毒性でない、
組み換えのための認識部位、および
植物染色体のある領域の増幅を容易化する、またはベクターを植物染色体の増幅可能領域にターゲティングするヌクレオチドの配列
を含むベクター。
【請求項82】
増幅可能部分がヘテロクロマチン性核酸を含む請求項81の方法。
【請求項83】
増幅可能部分がrDNAを含む請求項81の方法。
【請求項84】
植物染色体のある領域の増幅を容易化するまたはベクターを植物染色体の増幅可能領域にターゲティングするヌクレオチドの配列が、増幅を容易化またはターゲティングを実施するためのrDNAの遺伝子間スペーサー領域の十分な部分を含む、請求項81のベクター。
【請求項85】
該十分な部分が、遺伝子間スペーサー領域からの少なくとも14、20、30、50、100、150、300、または500連続ヌクレオチドを含む、請求項84のベクター。
【請求項86】
選択マーカーがゼオマイシンへの抵抗性を付与する産物をコードする請求項81のベクター。
【請求項88】
認識部位がatt部位を含む請求項81のベクター。
【請求項89】
pAgIIa またはpAgIIbである請求項81のベクター。
【請求項90】
ベクターであって、
任意のプロモーターに作動可能に連関されていない選択マーカーをコードする核酸、ここで選択マーカーは、動物細胞に通常毒性である剤の存在下動物細胞の成長を可能とする、かつここで剤が植物細胞に毒性でない、
組み換えのための認識部位および
植物プロモーターに作動可能に連結されたタンパク質をコードする核酸、
を含むベクター。
【請求項91】
認識部位がatt部位を含む、請求項90のベクター。
【請求項92】
植物染色体のある領域の増幅を容易化するまたはベクターを植物染色体の増幅可能領域にターゲティングするヌクレオチドの配列をさらに含む、請求項90のベクター。
【請求項93】
プロモーターがノパリンシンターゼ(NOS)またはCaMV35Sである請求項90のベクター。
【請求項94】
pAg1またはpAg2である請求項93のベクター。
【請求項95】
増幅可能領域がヘテロクロマチン性核酸を含む請求項92のベクター。
【請求項96】
増幅可能領域がrDNAを含む請求項92のベクター。
【請求項97】
植物染色体の領域の増幅を容易化すまたは植物染色体の増幅可能領域にベクターをターゲティングするヌクレオチドの配列が増幅またはターゲティングを実施するためrDNAの遺伝子間スペーサー領域の十分部分を含む、請求項96のベクター。
【請求項98】
タンパク質が植物細胞に通常毒性である剤の存在下、植物細胞の成長を可能とする選択マーカーである、請求項90のベクター。
【請求項99】
選択マーカーがハイグロマイシンまたはホスヒノスリシンへの抵抗性を付与する請求項98の方法。
【請求項100】
タンパク質が蛍光タンパク質である請求項90のベクター。
【請求項101】
蛍光タンパク質が緑色、青色および赤色蛍光タンパク質からなる群より選択される請求項90のベクター。
【請求項102】
ベクターであって、
任意のプロモーターと作動可能に連関されていない選択マーカーをコードする核酸、ここで選択マーカーは、植物細胞に通常毒性である剤の存在下植物細胞の成長を可能とする、かつ、ここで、剤が動物細胞に毒性でない、
組み換えのための認識部位、および
植物プロモーターに作動可能に連結されたタンパク質をコードする核酸
を含むベクター。
【請求項103】
ベクターであって、
組み換えのための認識部位および
植物染色体のある領域の増幅を容易化するまたは植物染色体の増幅可能領域にベクターをターゲティングするヌクレオチドの配列を含み、ここで植物がArabidopsis、Nicotiana、Solanum、Lycopersicon、Daucus、Hordeum、Zea mays、Brassica、Triticum、Helianthus、Glycine、ダイズ、Gossypium、ワタ、Helianthus、ヒマワリおよびOryzaからなる群より選択されるものである、ベクター。
【請求項104】
認識部位がatt部位を含む請求項103のベクター。
【請求項105】
請求項81-104のいずれかのベクターを含む細胞。
【請求項106】
植物細胞である請求項105の細胞。
【請求項107】
細胞内に請求項90のベクターを導入することを含む方法であって、ここで細胞はベクター中の認識部位と、そのためのレコンビナーゼの存在下で組み換える認識部位を含む動物プラットフォームACesを含み、それによって任意のプロモーターと作動可能に連関されていない選択マーカーおよび、植物プロモーターに作動可能に連結されるタンパク質をコードする核酸を、プラットフォームACes内に取り込ませ、得られるプラットフォームACesを生産する、方法。
【請求項108】
組み換え部位はatt部位である請求項107の方法。
【請求項109】
動物は哺乳動物である請求項107の方法。
【請求項110】
プラットフォームACesが、組み換えるとベクターにおいてプロモーターと作動可能に連関されていない選択マーカーに作動可能に連結されるプロモーターを含む請求項107の方法。
【請求項111】
請求項107-110いずれかの方法であって、得られたプラットフォームACesを、植物細胞に移入し、プラットフォームACesを含む植物細胞を生産することをさらに含む方法。
【請求項112】
得られたプラットフォームACesが移入に先立ち単離される、請求項111の方法。
【請求項113】
請求項111の方法であって、単離ACesがプロトプラストトランスフェクション、脂質介在送達、リポソーム、エレクトロポレーション、ソノポレーション、マイクロインジェクション、パーティクルボンバードメント、シリコンカルボジイミドウィスカー介在形質転換、ポリエチレングリコール(PEG) 介在DNA取り込み、リポフェクションおよび脂質介在キャリアーシステムからなる群より選択される方法によって植物細胞内に導入される方法。
【請求項114】
請求項111の方法であって、得られたプラットフォームACesが細胞の融合によって移入される方法。
【請求項115】
請求項111の方法であって、細胞が植物プロトプラストである方法。
【請求項116】
請求項107のいずれかの方法であって、該細胞が動物細胞である方法。
【請求項117】
請求項116の方法であって、動物細胞が哺乳動物細胞である方法。
【請求項118】
請求項111の方法であって、植物プロモーターに作動可能に連結される核酸によってコードされるタンパク質が発現されるような条件下でプラットフォームACesを含む植物細胞を培養することをさらに含む方法。
【請求項119】
請求項81のベクターを植物細胞内に導入すること、
植物細胞を培養すること、および
1または2以上のリピート領域を含む人工染色体を含む植物細胞を選択すること、を含む方法。
【請求項120】
ベクターの十分部分が、植物細胞の染色体内に組み込み、染色体DNAの増幅という結果となる、請求項119の方法。
【請求項121】
請求項119または120の方法であって、
1または2以上の核酸ユニットが、リピート領域でリピートされ、
核酸ユニットのリピートが共通核酸配列を有し、および
リピート領域がユークロマチン性およびヘテロクロマチン性核酸の実質的均等量を含む、方法。
【請求項122】
人工染色体を単離することをさらに含む請求項119の方法。
【請求項123】
ベクターを細胞内に導入することを含む方法であって、ここで
i)ベクターが:
a)任意のプロモーターと作動可能に連関されていない選択マーカーをコードする核酸、ここで選択マーカーは、動物細胞に通常毒性である剤の存在下で動物細胞の成長を可能とする、かつ該剤が植物細胞に毒性でない、
b)組み換えのための認識部位、および
c)動物プロモーターに作動可能に連結されるタンパク質をコードする核酸を含み
ii)細胞が:
組み換え部位および組み換えると、プロモーターと作動可能に連関されていないベクターにおける選択マーカーに作動可能に連結される動物プロモーターを含むプラットフォーム人工染色体(PAC)を含み、
iii)導入が、ベクターがPACと組み換えられ、プロモーターに作動可能に連結される選択マーカーを含む植物プラットフォームPACを生産するような条件下で実施される、および
得られた細胞を、動物プロモーターに作動可能に連結される核酸によってコードされるタンパク質が発現されるような条件下で得られた細胞を培養する
ものである方法。
【請求項124】
人工染色体がACesである請求項119の方法。
【請求項125】
植物プラットフォームPACがACesである請求項123の方法。
【請求項126】
細胞に導入される核酸が、選択マーカーをコードする核酸を含む細胞に導入される請求項1の方法。
【請求項127】
植物細胞で発現されるとき1または2以上の選択マーカーが細胞の選択を可能とすることをさらに含む請求項81のベクター。
【請求項128】
植物形質転換ベクターであって、
組み換えのための認識部位、
植物染色体のある領域の増幅を容易化するまたは植物染色体の増幅可能領域へベクターをターゲティングするヌクレオチドの配列および
植物細胞で発現されるとき細胞の選択を可能とする1または2以上の選択マーカー
を含み、ここで該植物形質転換ベクターは植物のアグロバクテリウム介在形質転換のためのものである、ベクター。
【請求項129】
植物人工染色体を生産する方法であって
請求項81、127、および128のいずれかのベクターを1または2以上の植物染色体を含む細胞に導入することおよび
1または2以上のリピート領域を含む人工染色体を含む細胞を選択する、
ことを含み、ここで
1または2以上の核酸ユニットがリピート領域でリピートされ、
核酸ユニットのリピートが共通核酸配列を有しおよび
共通核酸配列がユークロマチン性およびヘテロクロマチン性核酸を示す配列を含む、方法。
【請求項130】
植物人工染色体を生産する方法であって
請求項81、127および128のいずれかのベクターを、1または2以上の植物染色体を含む細胞内に導入すること、および
1または2以上のリピート領域を含む人工染色体を含む細胞を選択すること
を含み、ここで
1または2以上の核酸ユニットがリピート領域でリピートされ
核酸ユニットのリピートが共通核酸配列を有しおよび
リピート領域が実質的に均等量のユークロマチン性およびヘテロクロマチン性核酸を含む、方法。
【請求項131】
ベクターが導入される細胞が動物細胞である請求項123の方法。
【請求項132】
該細胞が哺乳動物細胞である請求項131の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−254382(P2009−254382A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−180844(P2009−180844)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【分割の表示】特願2003−500102(P2003−500102)の分割
【原出願日】平成14年5月30日(2002.5.30)
【出願人】(509215042)カリックス・バイオ−ベンチャーズ・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】CALYX BIO−VENTURES INC.
【出願人】(503437831)アグリソマ・バイオサイエンシーズ・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】AGRISOMA BIOSCIENCES INC.
【Fターム(参考)】