説明

植物成長を向上させるための方法

本発明は、植物に特有の防御力を増加させるため、ならびに/または植物成長を向上させるため、ならびに/または真菌、細菌、ウイルス、MLO(マイコプラズマ様生物)および/もしくはRLO(リケッチア様生物)により引き起こされる植物病に対する植物の抵抗性を増加させるため、ならびに/または非生物的ストレス要因に対する植物の抵抗性を増加させるための、スルホキシミンの部類から選択される少なくとも1種の化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スルホキシミンを使用し、植物の内因性防御を増強する、ならびに/または植物成長を向上させる、ならびに/または真菌、細菌、ウイルス、MLO(マイコプラズマ様生物)および/もしくはRLO(リケッチア様生物)により引き起こされる植物病に対する植物の抵抗性を増加させるのに適当である方法に関する。
【背景技術】
【0002】
植物は、特異的または非特異的防御機序で、例えば、寒冷、熱、干ばつ、創傷、病原体の攻撃(ウイルス、細菌、真菌)および昆虫などの自然のストレス状態に対してだけでなく、除草剤にも反応することが知られている(Pflanzenbiochemie、393−462頁、Spektrum Akademischer Verlag、Heidelberg、Berlin、Oxford、Hans W.Heldt、1996;Biochemistry and Molecular Biology of Plants、1102−1203頁、American Society of Plant Physiologists、Rockville、Maryland、編集Buchanan、Gruissem、Jones、2000)。この文脈において、シグナル物質、例えば創傷により生じた細胞壁構成物質、または病原体から由来する特異的シグナル物質は、最終的にストレス要因を対象とする防御分子の形成をもたらす植物のシグナル伝達鎖の誘導因子として作用する。これらは、例えば、(a)低分子量物質、例えばフィトアレキシンなど、(b)非酵素タンパク質、例えば病原体関連タンパク質(PRタンパク質)など、(c)酵素タンパク質、例えばキチナーゼ、グルカナーゼなど、または(d)必須タンパク質の特異的阻害剤、例えば病原体を直接攻撃するまたはこの増殖を妨害するプロテアーゼ阻害剤、キシラナーゼ阻害剤などの形態をとることができる(DanglおよびJones、Nature 411、826−833、2001;KesslerおよびBaldwin、Annual Review of Plant Biology、53、299−328、2003)。
【0003】
別の防御機序は、酸化ストレスにより媒介され、感染病巣周囲の植物組織の死滅を引き起こし、したがって、生体細胞に依存する植物病原体の拡散を予防する過敏性反応(HR)として知られているものである(Pennazio、New Microbiol.18、229−240、1995)。
【0004】
感染のさらなる過程において、シグナルは植物メッセンジャー物質により非感染組織中に伝達され、そこで再びこれらにより防御反応が誘発され、二次感染の発生を妨害する(全身獲得抵抗性、SAR)(Ryalsら、The Plant Cell 8、1809−1819、1996)。
【0005】
ストレス耐性または病原体防御に関与する一連の内因性植物シグナル物質が既に知られている。以下のものを挙げることができる。サリチル酸、安息香酸、ジャスモン酸またはエチレン(Biochemistry and Molecular Biology of Plants、850−929頁、American Society of Plant Physiologists、Rockville、Maryland、編集Buchanan、Gruissem、Jones、2000)。これらの物質の一部またはそれらの安定な合成誘導体および誘導構造も、植物に外部から施用する場合または種子粉衣剤として有効であり、防御反応を活性化することによって植物のストレス耐性または病原体耐性の増強をもたらす(Sembdner、Parthier、Ann.Rev.Plant Physiol.Plant Mol.Biol.44、569−589、1993)。サリチレート媒介性防御は、特に植物病原性の真菌、細菌およびウイルスを対象とする(Ryalsら、The Plant Cell 8、1809−1819、1996)。
【0006】
サリチル酸の作用に匹敵する作用を持ち、植物病原性の真菌、細菌およびウイルスに対する保護効果を発揮する能力がある周知の合成生成物は、ベンゾチアジアゾール(CGA 245704;一般名称:アシベンゾラル−S−メチル;商品名:Bion(登録商標))である(Achuoら、Plant Pathology 53(1)、65−72、2004;Tamblynら、Pesticide Science 55(6)、676−677、1999;EP−OS 0 313 512)。
【0007】
例えばジャスモン酸などのオキシリピンの群に属する他の化合物およびこれらが誘発する保護機序は、有害な昆虫に対して特に活性である(Walling、J.Plant Growth Regul.19、195−216、2000)。
【0008】
ネオニコチノイド(クロロニコチニル)系列からの殺虫剤を用いる植物の治療は、非生物的ストレスに対する植物の抵抗性増加をもたらすことがさらに知られている。これは特に、物質イミダクロプリドに適用される(Brownら、Beltwide Cotton Conference Proceedings 2231−2237、2004)。この保護は、例えば膜安定性を向上させること、炭水化物濃度を増加させること、ならびにポリオール濃度および抗酸化活性を増強することによるなど、罹患している植物細胞の生理的特性および生化学的特性により生じる(Goniasら、Beltwide Cotton Conference Proceedings 2225−2229、2004)。
【0009】
生物的ストレス要因に対するクロロニコチニルの効果がさらに知られている(Crop Protection 19(5)、349−354、2000;Journal of Entomological Science 37(1)、101−112、2002;Annals of Biology(Hisar、India)19(2)、179−181、2003)。例えば、ネオニコチノイド(クロロニコチニル)系列からの殺虫剤は、病変形成関連タンパク質(PRタンパク質)系列からの遺伝子の発現増強を導く。PRタンパク質は、主に、例えば植物病原性の真菌、細菌およびウイルスなどの生物的ストレス要因に対する防御において植物を補助する(DE 10 2005 045 174 A;DE 10 2005 022 994 AおよびWO 2006/122662 A;Thielert Pflanzenschutz−Nachrichten Bayer、59(1)、73−86、2006;Francisら、European Journal of Plant Pathology、発表online 23.1.2009)。
【0010】
ネオニコチノイド(クロロニコチニル)系列からの殺虫剤を用いる遺伝子組換え植物の治療は、植物のストレス耐性向上をもたらすことがさらに知られており(EP 1 731 037 A)、例えば除草剤グリフォセートに対してもである(WO 2006/015697 A)。
【0011】
したがって、植物は、広範囲の有害生物(生物的ストレス)および/または非生物的ストレスに対する有効な防御をもたらすことができる複数の利用可能な内因性反応機序を有することが知られている。
【0012】
健康で均一の成苗を栽培することは、農業、園芸および育林の作物植物の大規模生産および経済的管理のための必須の前提条件である。
【0013】
実生のための多数の栽培方法が、農業、林業および園芸において確立されている。本発明において使用される栽培培地は、蒸気土壌の他に、ホワイトピート、ココナツ繊維、例えばGrodan(登録商標)などのロックウール、軽石粉、例えばLecaton(登録商標)もしくはLecadan(登録商標)などの膨張粘土、例えばSeramis(登録商標)などの粘土粒、例えばBaystrat(登録商標)などのフォーム、バーミキュライト、パーライト、例えばHygromull(登録商標)などの人工土壌をベースにした培地、またはこれらの培地の組合せなどの特別の培地であり、その培地に真菌および/もしくは殺虫剤処理または未処理の種子を蒔く。
【0014】
例えば、タバコなどの特殊な作物において、若い植物は、フロート法またはフローティング方法として知られているものにより成長が増す(Leal、R.S.、The use of Confidor S in the float、a new tobacco seedlings production system in the South of Brazil.Pflanzenschutz−Nachrichten Bayer (German edition)(2001)、54(3)、337から352頁;Rudolph、R.D.;Rogers、W.D.;The efficacy of imidacloprid treatment for reduction in the severity of insect vectored virus diseases of tobacco.Pflanzenschutz−Nachrichten Bayer(ドイツ版)(2001)、54(3)、311から336頁)。この方法において、種子は、特定のピート培地ベースの堆肥中の特定容器、例えば、穿孔処理したStyroporトレーに播種され、引き続いて、実生が所望の移植植物サイズに達するまで容器中にて適当な栄養液で培養される(図1)。ここで、該容器を該栄養液上に浮遊させるが、このことにより該栽培方法にこの名前が付けられている(Leal、2001、上記を参照のこと)。フローティング法において、吸汁性有害生物を防除するため、ネオニコチノイド(クロロニコチニル)部類からの殺虫剤が数年間用いられる。フロート法において、植物は通常、移植の直前にネオニコチノイド(クロロニコチニル)殺虫剤を噴霧される、または圃場に移植される直前もしくは移植中にネオニコチノイド(クロロニコチニル)殺虫剤に浸される(Leal、2001、上記を参照のこと;RudolphおよびRogers、2001、上記を参照のこと)。両施用方法は技術的にかなり複雑である。
【0015】
ここで、出芽する生殖繁殖器官または栄養繁殖器官を真菌性病原体および有害生物から保護するため、殺真菌剤および殺虫剤が移植まで使用される。植物保護製品の選択、施用の部位および時機、ならびに組成物の施用量は、この文脈において、遭遇する真菌性疾患および有害生物の種類、組成物の特定の作用様式および作用持続時間、ならびに植物耐性に主に依存し、したがって、様々な作物および地域の特定の要件に直接適応させることができる。
【0016】
スルホキシミンは、例えば、動物有害生物、特に昆虫を防除するための薬剤として記載されている(例えば、米国特許出願2005/228027 A1、WO 2006/060029 A2、WO 2007/095229 A2、WO 2007/149134 A1、WO 2008/027539 A1、WO 2008/027073 A1およびWO 2008/097235 A1)。さらに、適当な塩を添加する手段により増強された殺虫活性および適当な場合添加剤が、スルホキシミンのサブグループに関して記載されている(WO 2007/068355)。
【0017】
スルホキシミンが、植物の生物的ストレス要因および/もしくは非生物的ストレスに対してまたは植物成長に関して活性であることは、従来技術から知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0 313 512号明細書
【特許文献2】ドイツ特許出願公開第10 2005 045 174号明細書
【特許文献3】ドイツ特許出願公開第10 2005 022 994号明細書
【特許文献4】国際公開第2006/122662号
【特許文献5】欧州特許出願公開第1 731 037号明細書
【特許文献6】国際公開第2006/015697号
【特許文献7】米国特許出願公開第2005/228027号明細書
【特許文献8】国際公開第2006/060029号
【特許文献9】国際公開第2007/095229号
【特許文献10】国際公開第2007/149134号
【特許文献11】国際公開第2008/027539号
【特許文献12】国際公開第2008/027073号
【特許文献13】国際公開第2008/097235号
【特許文献14】国際公開第2007/068355号
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】Pflanzenbiochemie、393−462頁、Spektrum Akademischer Verlag、Heidelberg、Berlin、Oxford、Hans W.Heldt、1996
【非特許文献2】Biochemistry and Molecular Biology of Plants、1102−1203頁、American Society of Plant Physiologists、Rockville、Maryland、編集Buchanan、Gruissem、Jones、2000
【非特許文献3】DanglおよびJones、Nature 411、826−833、2001
【非特許文献4】KesslerおよびBaldwin、Annual Review of Plant Biology、53、299−328、2003
【非特許文献5】Pennazio、New Microbiol.18、229−240、1995
【非特許文献6】Ryalsら、The Plant Cell 8、1809−1819、1996
【非特許文献7】Biochemistry and Molecular Biology of Plants、850−929頁、American Society of Plant Physiologists、Rockville、Maryland、編集Buchanan、Gruissem、Jones、2000
【非特許文献8】Sembdner、Parthier、Ann.Rev.Plant Physiol.Plant Mol.Biol.44、569−589、1993
【非特許文献9】Achuoら、Plant Pathology 53(1)、65−72、2004
【非特許文献10】Tamblynら、Pesticide Science 55(6)、676−677、1999
【非特許文献11】Walling、J.Plant Growth Regul.19、195−216、2000
【非特許文献12】Brownら、Beltwide Cotton Conference Proceedings 2231−2237、2004
【非特許文献13】Goniasら、Beltwide Cotton Conference Proceedings 2225−2229、2004
【非特許文献14】Crop Protection 19(5)、349−354、2000
【非特許文献15】Journal of Entomological Science 37(1)、101−112、2002
【非特許文献16】Annals of Biology(Hisar、India)19(2)、179−181、2003
【非特許文献17】Thielert Pflanzenschutz−Nachrichten Bayer、59(1)、73−86、2006
【非特許文献18】Francisら、European Journal of Plant Pathology、発表online 23.1.2009
【非特許文献19】Leal、R.S.、The use of Confidor S in the float、a new tobacco seedlings production system in the South of Brazil.Pflanzenschutz−Nachrichten Bayer (German edition)(2001)、54(3)、337から352頁
【非特許文献20】Rudolph、R.D.;Rogers、W.D.;The efficacy of imidacloprid treatment for reduction in the severity of insect vectored virus diseases of tobacco。Pflanzenschutz−Nachrichten Bayer(ドイツ版)(2001)、54(3)、311から336頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
スルホキシミンは植物の内因性防御(植物における病原体防御)を増強するのに適当であることが、見出された。
【0021】
ここで、スルホキシミンは、昆虫の防除とは別に、真菌性、細菌性またはウイルス性病原体による損傷からの植物の良好な保護をもたらす。理論に束縛される必要なく、病原体に対する防御は、少なくとも1種のスルホキシミンを用いる処理の結果としてのPRタンパク質の誘導の結果であることが、現在想定される。
【0022】
本発明に従った使用は、特に、土壌の種子処理、特定の培養および成長方法(例えば、フローティングボックス、ロックウール、水耕法)だけでなく、茎および葉の処理において上記利点を示す。とりわけ殺虫剤、殺真菌剤および殺菌剤とスルホキシミンとの組合せは、植物病の防除に相乗作用の効果を示す。増加した非生物的ストレス耐性に関連する遺伝子組換え種とスルホキシミンとの併用はさらに、相乗的に向上した成長をもたらす。
【0023】
最終的に、スルホキシミンは植物における病原体防御を増強するのに適当であるだけでなく、植物成長を向上させる、ならびに/または真菌、細菌、ウイルス、MLO(マイコプラズマ様生物)および/もしくはRLO(リケッチア様生物)により引き起こされる植物病に対する、特に土壌媒介性の真菌性疾患に対する植物の抵抗性を増強する、ならびに/または非生物的ストレス要因に対する植物の抵抗性を増加させるのにも適当であることが、本発明によって見出された。
【0024】
非生物的ストレス要因として、例えば、干ばつ、寒冷条件および熱条件、浸透圧ストレス、湛水、土壌塩分増加、鉱物への曝露増加、オゾン条件、強光条件、窒素栄養素の利用制限、リン栄養素の利用制限または日陰の回避を挙げることができる。
【課題を解決するための手段】
【0025】
したがって、本発明は、第一に、植物の内因性防御を増強するため、ならびに/または植物成長を向上させるため、ならびに/または真菌、細菌、ウイルス、MLO(マイコプラズマ様生物)および/もしくはRLO(リケッチア様生物)により引き起こされる植物病、特に土壌媒介性の真菌性疾患に対する植物の抵抗性を増強するため、ならびに/または非生物的ストレス要因に対する植物の抵抗性を増強するための、スルホキシミンの部類から選択される少なくとも1種の化合物の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】栄養液が充填されているフローティングボックスの写真である。
【図2】実生用堆肥およびタバコ種子が充填されている浮遊Styropor培養皿が入っているフローティングボックスの写真である。
【図3】フローティングボックス内で成長した後のタバコ植物が入っているStyropor培養皿の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
特に適当なスルホキシミンは、一般式(I)により記載される。
【0028】
【化1】

[式中、
XはNO、CNまたはCOORを表し、
Lは単結合を表し、
はC−C−アルキルを表し、または
、硫黄およびLは一緒になって、4員、5員もしくは6員環を表し、
およびRは互いに独立して、水素、メチル、エチル、フッ素、塩素もしくは臭素を表し、
または
およびRは一緒になって、−(CH−、−(CH−、−(CH−もしくは−(CH−を表し、これらが結合している炭素原子と一緒になって、3員、4員、5員もしくは6員環を形成し、
nは0、1、2もしくは3を表し、
Yは以下の基の1つを表す
【0029】
【化2】

(式中、
Zはハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−ハロアルコキシを表し、
はC−C−アルキルを表す。)]。
【0030】
置換基の性質に依存して、式(I)の化合物は、様々な組成における光学異性体または異性体の混合物として存在することも可能であり、これらは適当な場合、通例の方法で分離することができる。純粋な異性体だけでなく、異性体混合物、これらの使用およびこれらを含む組成物も本発明の対象である。しかし、便宜上、以下の文脈は常に式(I)の化合物を述べているが、これは純粋な化合物だけでなく、適当な場合、様々な割合の異性体化合物との混合物も意味すると理解される。
【0031】
式(I)の化合物の好ましい亜群を以下の文脈において述べる。
式(I)の化合物の強調群(Ia)において、Xはニトロ基を表す。
【0032】
【化3】

【0033】
式(I)の化合物のさらなる強調群(Ib)において、Xはシアノ基を表す。
【0034】
【化4】

【0035】
式(I)の化合物のさらなる強調群(Ic)において、XはNOまたはCNを表し、Yは6−クロロピリド−3−イル基を表す。
【0036】
【化5】

【0037】
式(I)の化合物のさらなる強調群(Id)において、XはNOまたはCNを表し、Yは6−トリフルオロメチルピリド−3−イル基を表す。
【0038】
【化6】

【0039】
式(I)の化合物のさらなる強調群(Ie)において、XはNOまたはCNを表し、Yは2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル基を表す。
【0040】
【化7】

【0041】
式(I)の化合物のさらなる強調群(If)において、XはNOまたはCNを表し、Yは2−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−イル基を表す。
【0042】
【化8】

【0043】
式(I)の化合物のさらなる強調群(Ig)において、R、硫黄およびLは一緒になって5員環を形成し、XはNOまたはCNを表し、Yは6−ハロピリド−3−イルまたは6−(C−C−ハロアルキル)ピリド−3−イル、特に好ましくは6−クロロピリド−3−イルまたは6−トリフルオロメチルピリド−3−イルを表し、nは好ましくは0を表す。
【0044】
【化9】

【0045】
式(I)の化合物のさらなる強調群(Ih)において、R、硫黄およびLは一緒になって5員環を形成し、XはNOまたはCNを表し、Yは6−ハロピリド−3−イルまたは6−(C−C−ハロアルキル)ピリド−3−イル、特に好ましくは6−クロロピリド−3−イルまたは6−トリフルオロメチルピリド−3−イルを表し、nは好ましくは0を表す。
【0046】
【化10】

【0047】
式(I)の化合物のさらなる強調群(Ii)において、Rはメチルを表し、XはNOまたはCNを表し、Lは単結合を表し、およびnは好ましくは1を表す。
【0048】
【化11】

【0049】
式(I)の化合物のさらなる強調群(Ij)において、Rはメチルを表し、RおよびRは互いに独立して水素またはメチルを表し、XはNOまたはCNを表し、nは好ましくは1を表す。
【0050】
【化12】

【0051】
式(I)の化合物のさらなる強調群(Ik)において、Rはメチルを表し、RおよびRは一緒になって−(CH−を形成し、これらが結合している炭素原子と一緒になって3員環を形成し、XはNOまたはCNを表し、nは好ましくは1を表す。
【0052】
【化13】

【0053】
置換基の性質に依存して、一般式(I)の化合物は適当な場合、幾何異性体および/もしくは光学活性異性体として、または様々な組成の対応する異性体混合物として存在することができる。本発明は、純粋な異性体だけでなく異性体混合物にも関する。
【0054】
以下の式(I)の化合物は単独で述べることができる。
・米国特許出願2005/228027 A1およびWO 2007/149134 A1に開示されている、化合物(I−1)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]メチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアンアミド。
【0055】
【化14】

【0056】
・WO 2007/095229 A2、WO 2007/149134 A1およびWO 2008/027073 A1に開示されている、化合物(I−2)、N−[6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル]メチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアンアミド。
【0057】
【化15】

【0058】
・米国特許出願2005/228027 A1に開示されている、化合物(I−3)、N−メチル(オキシド){[2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル]メチル}λ−スルファニリデンシアンアミド。
【0059】
【化16】

【0060】
・WO 2008/027539 A1に開示されている、化合物(I−4)、N−メチル(オキシド){[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]メチル}λ−スルファニリデンシアンアミド。
【0061】
【化17】

【0062】
・米国特許出願2005/228027 A1およびWO 2007/149134 A1に開示されている、化合物(I−5)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアンアミド。
【0063】
【化18】

【0064】
・米国特許出願2005/228027 A1およびWO 2007/149134 A1に開示されている、化合物(I−6)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアンアミドジアステレオマー。
【0065】
【化19】

【0066】
・米国特許出願2005/228027 A1およびWO 2007/149134 A1に開示されている、化合物(I−7)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアンアミドジアステレオマー。
【0067】
【化20】

【0068】
・WO 2007/095229 A2およびWO 2007/149134 A1に開示されている、化合物(I−8)、N−[6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアンアミド。
【0069】
【化21】

【0070】
・WO 2007/095229 A2に開示されている、化合物(I−9)、N−[6−(1,1−ジフルオロエチル)ピリド−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアンアミド。
【0071】
【化22】

【0072】
・WO 2007/095229 A2に開示されている、化合物(I−10)、N−[6−ジフルオロメチルピリド−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアンアミド。
【0073】
【化23】

【0074】
・WO 2007/095229 A2に開示されている、化合物(I−11)、N−メチル(オキシド){1−[2−(トリクロロメチル)ピリド−3−イル]エチル}λ−スルファニリデンシアンアミド。
【0075】
【化24】

【0076】
・WO 2007/095229 A2に開示されている、化合物(I−12)、N−メチル(オキシド){1−[2−(ペンタフルオロエチル)ピリド−3−イル]エチル}λ−スルファニリデンシアンアミド。
【0077】
【化25】

【0078】
・WO 2007/095229 A2に開示されている、化合物(I−13)、N−[6−クロロジフルオロメチルピリド−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアンアミド。
【0079】
【化26】

【0080】
・WO 2008/027539 A1に開示されている、化合物(I−14)、N−メチル(オキシド){1−[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]エチル}λ−スルファニリデンシアンアミド。
【0081】
【化27】

【0082】
・WO 2008/027073 A1に開示されている、化合物(I−15)、N−メチル(オキシド){1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロプロピル−λ−スルファニリデンシアンアミド。
【0083】
【化28】

【0084】
・WO 2008/027073 A1に開示されている、化合物(I−16)、N−メチル(オキシド){1−(6−クロロピリジン−3−イル)シクロプロピル−λ−スルファニリデンシアンアミド。
【0085】
【化29】

【0086】
・WO 2004/149134 A1に開示されている、化合物(I−17)、N−2−(6−クロロピリジン−3−イル)−1−オキシドテトラヒドロ−1H−1λ−チエニリデンシアンアミド。
【0087】
【化30】

【0088】
・WO 2004/149134 A1に開示されている、化合物(I−18)、N−2−(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−1−オキシドテトラヒドロ−1H−1λ−チエニリデンシアンアミド。
【0089】
【化31】

【0090】
・WO 2008/027539 A1に開示されている、化合物(I−19)、N−1−オキソ−2−(2−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデンシアンアミド。
【0091】
【化32】

【0092】
・WO 2007/095229 A2に開示されている、化合物(I−20)、N−1−オキソ−2−(6−トリフルオロメチルピリド−3−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデンシアンアミド。
【0093】
【化33】

【0094】
・米国特許出願2005/228027 A1に開示されている、化合物(I−21)、N−1−オキソ−2−(6−クロロピリド−3−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデンシアンアミド。
【0095】
【化34】

【0096】
・米国特許出願2005/228027 A1に開示されている、化合物(I−22)、N−1−オキソ−2−(6−クロロピリド−3−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデンシアンアミドジアステレオマー。
【0097】
【化35】

【0098】
・米国特許出願2005/228027 A1に開示されている、化合物(I−23)、N−1−オキソ−2−(6−クロロピリド−3−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデンシアンアミドジアステレオマー。
【0099】
【化36】

【0100】
以下の式(I)のスルホキシミンが好ましい。
(I−1)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]メチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−2)、N−[6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル]メチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−3)、N−メチル(オキシド){[2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル]メチル}−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−4)、N−メチル(オキシド){[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]メチル}−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−5)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−6)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミドジアステレオマー、
(I−7)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミドジアステレオマー、
(I−8)、N−[6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−14)、N−メチル(オキシド){1−[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]エチル}−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−15)、N−メチル(オキシド){1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロプロピル−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−16)、N−メチル(オキシド){1−(6−クロロピリジン−3−イル)シクロプロピル−λ−スルファニリデンシアナミド。
【0101】
特に好ましいのは、以下の式(I)のスルホキシミンである。
(I−5)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−6)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミドジアステレオマー、
(I−7)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミドジアステレオマー、
(I−8)、N−[6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−15)、N−メチル(オキシド){1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロプロピル−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−16)、N−メチル(オキシド){1−(6−クロロピリジン−3−イル)シクロプロピル−λ−スルファニリデンシアナミド。
【0102】
本発明の範囲内において、スルホキシミンを述べる場合、これらは一般に一般式(I)のスルホキシミンであり、特に(Ia)群から(Ik)群の化合物、とりわけ一般式(I−1)から(I−23)の化合物が一般式(I)により包含されることになるのが可能である。
【0103】
本発明に従って、スルホキシミンが植物の成長に対して本発明による活性を有することが実証された。
【0104】
「植物の成長」という用語は、本発明の範囲内において、スルホキシミン、特に一般式(I)のスルホキシミンの公知農薬活性、好ましくは殺虫活性に直接関連しない、植物の様々な利点を意味すると理解される。こうした有利な特性は、例えば、以下に述べる改善された植物の特徴である。生殖繁殖器官および栄養繁殖器官の発芽および出芽の加速、表面積および丈に関する根成長の向上、走根または分げつの発育増強、走根および分げつの強化および増殖化、苗条成長の向上、起立力の増加、苗条基部直径の増加、葉面積の増加、例えば炭水化物、脂肪、油、タンパク質、ビタミン、鉱物、芳香油、色素、繊維などの栄養素および構成物質のより高い収率、より良い繊維品質、より早い開花、花数の増加、マイコトキシンなどの毒性生成物の含有量低減、残留物もしくは任意の種類の不利益な構成物質の含有量低減またはより良い消化能力、収穫作物のより良い保存能力、不利益な温度に対する耐性の向上、干ばつならびに湛水の結果としての乾燥および酸素欠乏にも対する耐性の向上、土壌塩分の増加および水に対する耐性の向上、UV放射線に対する耐性の増加、オゾンストレスに対する耐性の増加、除草剤および他の植物処理剤に対する耐性の向上、水揚げおよび光合成速度の向上、例えば成熟の加速、より均一な成熟、有益な動物に対するより大きな誘引力、授粉の改善などの有利な植物の特性、または当業者によく知られている他の利点。
【0105】
公知のように、さらに上述した植物のための様々な利点は部分的に組み合わせることが可能であり、一般に適用可能な用語を使用してそれらを記載することができる。こうした用語は例えば以下のものである。植物毒性効果、ストレス要因に対する抵抗性、より少ない植物ストレス、植物の健康、健康な植物、植物の適応度、植物の健康状態、植物の概念、活力効果、ストレスシールド、保護シールド、作物の健康、作物の健康特性、作物の健康製品、作物の健康管理、作物の健康治療、植物の健康、植物の健康特性、植物の健康製品、植物の衛生管理、植物の衛生治療、緑化効果もしくは再緑化効果、新鮮さ、または当業者に非常になじみのある他の用語。
【0106】
一般式(I)のスルホキシミンは植物の成長に良好な効果を有することが実証された。本発明の範囲内において、「良好な効果」という用語は、限定されるものではないが、
・少なくとも、一般に5%、特に10%、特に好ましくは15%、とりわけ20%向上した出芽、
・少なくとも、一般に5%、特に10%、特に好ましくは15%、とりわけ20%である収率の増加、
・少なくとも、一般に5%、特に10%、特に好ましくは15%、とりわけ20%である根発育の向上、
・少なくとも、一般に5%、特に10%、特に好ましくは15%、とりわけ20%である苗条長さの増加、
・少なくとも、一般に5%、特に10%、特に好ましくは15%、とりわけ20%である葉面積の増加、
・少なくとも、一般に5%、特に10%、特に好ましくは15%、とりわけ20%である発芽の向上、
・少なくとも、一般に5%、特に10%、特に好ましくは15%、とりわけ20%である光合成速度の向上
を意味すると理解され、該効果が個々に、または他に2つ以上の効果の任意の組合せで現れることが可能である。
【0107】
本発明に従って、植物またはこれらの環境に対する、以下に定義した通りの肥料と組み合わせたスルホキシミンの施用は、相乗的な成長促進効果をもたらすことがさらに見出された。
【0108】
上記において非常に詳細に説明したスルホキシミンと一緒に、本発明に従って用いることができる肥料は、例えば、尿素、尿素/ホルムアルデヒド縮合物、アミノ酸、アンモニウム塩および硝酸アンモニウム、カリウム塩(好ましくは塩化物、硫酸塩、硝酸塩)、リン酸の塩および/または亜リン酸の塩(好ましくはカリウム塩およびアンモニウム塩)など、一般に有機および無機の窒素含有化合物である。特にこの文脈で述べなければならないものは、NPK肥料、即ち窒素、リンおよびカリウムを含有する肥料、硝酸カルシウムアンモニウム、即ちカルシウムまたはアンモニアナイトレートサルフェート(一般式(NHSONHNO)を追加として含有する肥料、リン酸アンモニウムおよび硫酸アンモニウムである。これらの肥料は当業者に一般に知られており、例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、A10巻、323から431頁、Verlagsgesellschaft、Weinheim、1987を参照されたい。
【0109】
該肥料は、微量栄養素の塩(好ましくはカルシウム、硫黄、ホウ素、マンガン、マグネシウム、鉄、ホウ素、銅、亜鉛、モリブデンおよびコバルト)および植物ホルモン(例えば、ビタミンB1およびインドール−3−酢酸(IAA))またはこれらの混合物を含有することもできる。本発明に従って用いられる肥料は、第一リン酸アンモニウム(MAP)、第二リン酸アンモニウム(DAP)、硫酸カリウム、塩化カリウムまたは硫酸マグネシウムなどの他の塩も含有することができる。二次栄養素または微量元素の適当な量は、肥料全体に対して0.5重量%から5重量%の量である。他の可能な構成物質は、植物保護剤、殺虫剤もしくは殺真菌剤、成長調節剤またはこれらの混合物である。これをさらに下記で詳細に説明する。
【0110】
該肥料は、例えば粉末、顆粒、プリルまたは圧縮物の形態で用いることができる。しかし、該肥料は、水性媒体中に溶解した、液状形態で用いることもできる。この場合、希釈アンモニア水を窒素肥料として用いることもできる。肥料のさらに可能な構成物質は、例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、1987、A 10巻、363から401頁、DE−A 41 28 828、DE−A 19 05 834およびDE−A 196 31 764に記載されている。
【0111】
本発明の範囲内において、例えば窒素、カリウムまたはリンで構成される、単肥および/または複合肥料の形態をとる肥料の一般組成は、広い範囲内で変動してよい。一般に、1重量%から30重量%の窒素含有量(好ましくは5重量%から20重量%)、1重量%から20重量%のカリウム(好ましくは3重量%から15重量%)、および1重量%から20重量%のリン含有量(好ましくは3重量%から10重量%)が有利である。微量要素の含有量は、通常ppmの桁であり、好ましくは1ppmから1000ppmの桁である。
【0112】
本発明の範囲内において、肥料およびスルホキシミン、特に一般式(I)のスルホキシミンは、同時に、即ち同時期に施用することができる。しかし、最初に肥料および次いでスルホキシミンを用いる、または最初にスルホキシミンおよび次いで肥料を用いることも可能である。スルホキシミンおよび肥料を非同時期に施用する場合、本発明の範囲内における施用は、しかし、機能的な文脈において特に、一般には24時間、好ましくは18時間、特に好ましくは12時間、とりわけ6時間、さらにとりわけ4時間、またさらにとりわけ2時間以内の期間内に実施される。本発明の非常に特殊な実施形態において、本発明に従った一般式(I)および肥料の活性物質の施用は、1時間未満、好ましくは30分未満、特に好ましくは15分未満の時間枠内で実施される。
【0113】
本発明に従って使用される少なくとも1種の活性物質および少なくとも1種の肥料から出発し、例えばロッド、顆粒および錠剤などの形態で寸法的に安定な混合物を調製することがさらに可能である。適当な寸法的に安定な混合物を調製するため、当該の構成成分を互いに混合し、適当な場合押し出すことができ、または肥料は、本発明に従って使用される一般式(I)の少なくとも1種の活性物質で被膜することができる。適当な場合、生じる混合物の寸法安定性を達成するため、寸法的に安定な混合物中に、例えば増量剤または接着剤などの配合助剤を使用することも可能である。適当な寸法安定性の結果として、こうした混合物は、家庭部門および庭園部門における施用に、即ち寸法的に安定な混合物またはここに存在する構成成分を正確に定義されている所定の量で特定の助剤を用いずに使用し得る個人利用者または趣味の園芸家による施用に特に適当である。
【0114】
上記とは別に、本発明に従って使用される活性物質の少なくとも1種と少なくとも1種の肥料との混合物は液状形態で存在することもできるため、生じる混合物は、タンクミックスとして知られているものとして、例えば農業部門における専門家利用者により施用することができる。
【0115】
本発明に従って使用される活性物質の少なくとも1種および肥料の少なくとも1種を使用することで根の成長を増加させることを可能にし、順じて、これがより高い栄養素の取込みを可能にし、それによって植物成長を促進する。
【0116】
本発明に従って使用される活性物質は、適当な場合肥料との組合せで、好ましくは以下の植物中で用いることができるが、以下の一覧は限定するものではない。
【0117】
好ましい植物は、有用植物、観葉植物、芝生、公共部門および家庭内部門において観葉植物として用いられる一般使用の樹木、ならびに林業樹木の群からのものである。林業樹木は、材木、セルロース、紙および樹木の一部分で作られる製品の製造用樹木を含む。
【0118】
有用植物という用語は、該文脈で使用される場合、食料品、飼料、燃料を得るための植物または産業目的の植物として用いられる作物植物を指す。
【0119】
本発明による方法で改善することができる有用植物として、例えば以下の種類の植物が挙げられる。芝生、つる植物、穀類、例えばコムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、イネ、トウモロコシおよびアワ/ソルガム;ビート、例えばサトウダイコンおよび飼料用ビート;果実、例えば仁果、核果および軟果実、例えばリンゴ、セイヨウナシ、セイヨウスモモ、モモ、アーモンド、サクランボおよびベリー、例えばイチゴ、ラズベリー、ブラックベリー;マメ科植物、例えばマメ、レンズマメ、エンドウマメおよびダイズ;油料作物、例えばアブラナ、カラシナ、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、トウゴマ、カカオ豆およびピーナッツ;ウリ科植物、例えばカボチャ/スクワッシュ、キュウリおよびメロン;繊維植物、例えば綿、亜麻、麻および黄麻;柑橘類果実、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツおよびタンジェリン;野菜、例えばホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ種、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモおよびピーマン;クスノキ科、例えばアボカド、ニッケイ属、樟脳、またはさらにタバコ、木の実、コーヒー、ナス、サトウキビ、茶、コショウ、ブドウ、ホップ、バナナ、天然ゴム植物および観葉植物などの植物、例えば花卉、低木、落葉樹および針葉樹。この一覧は限定するものではない。
【0120】
以下の植物は、本発明による方法を適用するのに特に適当な標的作物であると考えられる。綿、ナス、芝生、仁果、核果、軟果実、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、キュウリ、タバコ、つる植物、イネ、穀類、セイヨウナシ、マメ、ダイズ、アブラナ、トマト、ピーマン、メロン、キャベツ、ジャガイモおよびリンゴ。
【0121】
本発明による方法に従って改善することができる樹木の例は、アビエス属種(Abies sp.)、ユーカリプツス属種(Eucalyptus sp.)、ピセア属種(Picea sp.)、ピヌス属種(Pinus sp.)、アエスクルス属種(Aesculus sp.)、プラタヌス属種(Platanus sp.)、チリア属種(Tilia sp.)、アセル属種(Acer sp.)、ツガ属種(Tsuga sp.)、フラキシヌス属種(Fraxinus sp.)、ソルブス属種(Sorbus sp.)、ベツラ属種(Betula sp.)、クラタエグス属種(Crataegus sp.)、ウルムス属種(Ulmus sp.)、クェルクス属種(Quercus sp.)、ファグス属種(Fagus sp.)、サリキス属種(Salix sp.)、ポプルス属種(Populus sp.)である。
【0122】
本発明による方法に従って改善することができる好ましい樹木は、樹木種トチノキ属(Aesculus)由来:A.ヒッポカスタヌム(A.hippocastanum)、A.パリフロラ(A.pariflora)、A.カルネア(A.carnea);樹木種スズカケノキ属(Platanus)由来:P.アセリフロラ(P.aceriflora)、P.オッシデンタリス(P.occidentalis)、P.ラセモサ(P.racemosa);樹木種トウヒ属(Picea)由来:P.アビエス(P.abies);樹木種マツ属(Pinus)由来:P.ラジアート(P.radiate)、P.ポンデロサ(P.ponderosa)、P.コントルタ(P.contorta)、P.シルベストル(P.sylvestre)、P.エリオッチイ(P.elliottii)、P.モンテコラ(P.montecola)、P.アルビカウリス(P.albicaulis)、P.レジノサ(P.resinosa)、P.パルストリス(P.palustris)、P.タエダ(P.taeda)、P.フレキシリス(P.flexilis)、P.ジェフレギ(P.jeffregi)、P.バクシアナ(P.baksiana)、P.ストロベス(P.strobes);樹木種ユーカリ属(Eucalyptus)由来:E.グランジス(E.grandis)、E.グロブルス(E.globulus)、E.カマデンチス(E.camadentis)、E.ニテンス(E.nitens)、E.オブリクア(E.obliqua)、E.レグナンス(E.regnans)、E.ピルラルス(E.pilularus)である。
【0123】
本発明による方法に従って改善することができる特に好ましい樹木は、樹木種ピヌス属(Pinus)由来:P.ラジアート(P.radiate)、P.ポンデロサ(P.ponderosa)、P.コントルタ(P.contorta)、P.シルベストル(P.sylvestre)、P.ストロベス(P.strobes);樹木種ユーカリ属(Eucalyptus)由来:E.グランジス(E.grandis)、E.グロブルス(E.globulus)、E.カマデンチス(E.camadentis)である。
【0124】
本発明による方法に従って改善することができる非常に特に好ましい樹木は、セイヨウトチノキ、スズカケノキ属(Platanaceae)、菩提樹、カエデである。
【0125】
本発明は、寒地型芝草および暖地型芝草を含めた任意の芝草に施用することもできる。寒冷地型芝草の例は、ケンタッキーブルーグラス(ポア・プラテンシス L.(Poa pratensis L.))、オオスズメノカタビラ(ポア・トリビアリス L.(Poa trivialis L.))、カナダブルーグラス(ポア・コンプレッサ L.(Poa compressa L.))、スズメノカタビラ(ポア・アンヌア L.(Poa annua L.))、アップランドブルーグラス(ポア・グラウカンタ ガウジン(Poa glaucantha Gaudin))、ウッドブルーグラス(ポア・ネモラリス L.(Poa nemoralis L.))およびバルバスブルーグラス(ポア・ブルボサ L.(Poa bulbosa L.))などのブルーグラス類(ポア属種(Poa spp.));クリーピングベントグラス(アグロスティス・パルストリス Huds.(Agrostis palustris Huds.))、コロニアルベントグラス(アグロスティス・テヌイス Sibth.(Agrostis tenuis Sibth.))、ベルベットベントグラス(アグロスティス・カニナ L.(Agrostis canina L.))、アグロスティス・テニウス Sibth.(Agrostis tenius Sibth.)、アグロスティス・カニナ L.(Agrostis canina L.)およびアグロスティス・パルストリス Huds.(Agrostis palustris Huds.))を含めたサウスジャーマンミックスドベントグラス(アグロスティス属種(Agrostis spp.)、およびコヌカグサ(アグロスティス・アルバ L.(Agrostis alba L.))などのベントグラス類(アグロスティス属種(Agrostis spp.));
レッドフェスク(フェストゥカ・ルブラ L.属種ルブラ(Festuca rubra L.spp. rubra))、クリーピングフェスク(フェストゥカ・ルブラ L.(Festuca rubra L.))、チューイングスフェスク(フェストゥカ・ルブラ・コミュタタ Gaud.(Festuca rubra commutata Gaud.))、シープフェスク(フェストゥカ・オビナ L.(Festuca ovina L.))、ハードフェスク(フェストゥカ・ロンギホリア Thuill.(Festuca longifolia Thuill.))、ヘアフェスク(フェストゥカ・カピラタ Lam.(Festuca capillata Lam.))、トールフェスク(フェストゥカ・アルンジナセア Schreb.(Festuca arundinacea Schreb.))およびメドウフェスク(フェストゥカ・エラノル L.(Festuca elanor L.))などのウシノケグサ類(フェストゥカ属種(Festuca spp.));
ネズミムギ(ロリウム・ムルチフロルム Lam.(Lolium multiflorum Lam.))、ホソムギ(ロリウム・ペレン L.(Lolium perenne L.))およびイタリアンライグラス(ロリウム・ムルチフロルム Lam.(Lolium multiflorum Lam.))などのドクムギ類(ロリウム属種(Lolium spp.));
ならびにフェアウェイウィートグラス(アグロピュロン・クリスタツム(L.)Gaertn.(Agropyron cristatum(L.)Gaertn.))、クレステッドウィートグラス(アグロピュロン・デセルトルム(Fisch.)Schult.(Agropyron desertorum(Fisch.)Schult.)およびウェスタンウィートグラス(アグロピュロン・スミチイ Rydb.(Agropyron smithii Rydb.))などのカモジグサ属種(アグロピュロン(Agropyron spp.))
である。
【0126】
さらなる寒地型芝草の例は、ビーチグラス(アンモフィラ・ブレビリグラタ Fern.(Ammophila breviligulata Fern.))、スムーズブロムグラス(ブロムス・イネルミス Leyss.(Bromus inermis Leyss.))、オオアワガエリ(プレウム・プラテンス L.(Phleum pratense L.))、サンドカットテイル(プレウム・スブラツム L.(Phleum subulatum L.))、カモガヤ(ダクチルイス・グロメラタ L.(Dactylis glomerata L.))、アレチタチドジョウツナギ(プッシネリア・ジスタンス(L.)Parl.(Puccinellia distans(L.)Parl.))およびクシガヤ(シノスルス・クリスタツス L.(Cynosurus cristatus L.))などのガマである。
【0127】
暖地型芝草の例は、ギョウギシバ(キュノドン属種L.C.Rich(Cynodon spp.L.C.Rich))、ノシバ(ゾイシア属種Willd.(Zoysia spp.Willd.))、イヌシバ(ステノタフルム・セクンダツム・ワルト・クントズ(Stenotaphrum secundatum Walt Kuntze))、センチピードグラス(エレモクロア・オフィウロイデス・ムンロHack.(Eremochloa ophiuroides Munro Hack.))、カーペットグラス(アキソノプス・アフィニス・カーゼ(Axonopus affinis Chase))、バヒアグラス(パスパルム・ノタツム・フルッグ(Paspalum notatum Flugge))、キクユグラス(ペンニセツム・クランデスチヌムHochst.ex Chiov.(Pennisetum clandestinum Hochst.ex Chiov.))、バッファローグラス(ブクロ・ダクチルオイドス(Nutt.)Engelm.(Buchloe dactyloids(Nutt.)Engelm.))、メダカスゲ(ボウテロウア・グラシリス(H.B.K.)Lag.ex グリフィトス(Bouteloua gracilis (H.B.K.)Lag.ex Griffiths))、シーショアパスパラム(パスパルム・バギナツム・スワルトズ(Paspalum vaginatum Swartz))およびアゼガヤモドキ(ボウテロウア・クルチペンズラ(Michx.Torr.)(Bouteloua curtipendula(Michx.Torr.)))である。寒地型芝草は一般に、本発明による使用に好ましい。特に好ましいのは、ブルーグラス、ベントグラスおよびコヌカグサ、ウシノケグサ類およびドクムギ類である。ベントグラスが特に好ましい。
【0128】
一般式(I)のスルホキシミンは、病原関連タンパク質(PRタンパク質)系列からの遺伝子発現の増加をもたらすことがさらに見出された。PRタンパク質は、主に、例えば植物病原性の真菌、細菌およびウイルスなどの生物的ストレス要因に対する防御において植物を補助する。結果として、植物は、スルホキシミン特に一般式(I)のスルホキシミンの施用後、植物病原性の真菌、細菌およびウイルスの感染からより良く保護される。混合物において、およびスルホキシミン特に一般式(I)のスルホキシミンとの順次施用においても、殺虫剤、殺真菌剤および殺菌剤の使用が必要な場合、形成剤の活性が補助される。
【0129】
活性化合物は、溶液、エマルジョン、水和剤、水性懸濁液および油性懸濁液、粉末、粉剤、ペースト剤、可溶性粉末、可溶性顆粒、散布用顆粒、懸濁液−エマルジョン濃縮物、活性化合物を含浸させた天然物質、活性化合物を含浸させた合成物質、肥料、ならびにポリマー物質中のマイクロカプセル化など通例の製剤に変換することができる。
【0130】
これらの製剤は、公知の方法で、例えば活性化合物と増量剤即ち液体溶媒および/または固体担体とを混合することにより、場合によって、界面活性剤即ち乳化剤および/または分散剤および/または泡形成剤の使用とともに製造される。該製剤は、適当な植物中または他に施用前もしくは施用中に調製される。
【0131】
助剤としての使用に適当であるのは、該組成物自体および/またはこれから誘導される調製物(例えばスプレー液、種子粉衣剤)に、特定の技術特性などの特別な特性および/または特別な生物学的特性も付与するのに適当である物質である。通常適当な助剤は、増量剤、溶媒および担体である。
【0132】
適当な増量剤は、例えば芳香族および非芳香族の炭化水素(パラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、クロロベンゼンなど)の部類、アルコールおよびポリオール(適当な場合、置換、エーテル化および/またはエステル化されていてもよい。)の部類、ケトン(アセトン、シクロヘキサノンなど)、エステル(脂肪および油を含める。)および(ポリ)エーテルの部類、非置換および置換のアミン、アミド、ラクタム(N−アルキルピロリドンなど)およびラクトンの部類、スルホンおよびスルホキシド(ジメチルスルホキシドなど)の部類からの例えば水、極性および非極性の有機化学液体である。
【0133】
使用される増量剤が水である場合、補助溶媒として例えば有機溶媒を用いることも可能である。本質的に、適当な液体溶媒は、キシレン、トルエンまたはアルキルナフタレンなどの芳香族、クロロベンゼン、クロロエチレンまたは塩化メチレンなどの塩素化芳香族および塩素化脂肪族炭化水素、シクロヘキサンまたはパラフィンなどの脂肪族炭化水素、例えば石油留分、鉱物油および植物油、ブタノールまたはグリコールなどのアルコールならびにさらにこれらのエーテルおよびエステル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはシクロヘキサノンなどのケトン、ジメチルスルホキシドなどの強極性溶媒、ならびにさらに水である。
【0134】
適当な担体は、
例えば、アンモニウム塩、およびカオリン、粘土、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイトまたは珪藻土などの粉砕天然鉱物、ならびに微粉化されたシリカ、アルミナおよびシリケートなどの粉砕合成鉱物であり、顆粒のための適当な固体担体は、例えば方解石、大理石、軽石粉、海泡石およびドロマイトなどの破砕および画分化した天然岩、ならびにさらに無機荒粉および有機荒粉の合成顆粒、および紙、おがくず、ココナツ外殻、トウモロコシ穂軸およびタバコ柄などの有機物質の顆粒であり、適当な乳化剤および/または泡形成剤は、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテルなどの非イオン性およびアニオン性の乳化剤、例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホネート、アルキルサルフェート、アリールスルホネートおよびさらにタンパク質加水分解物であり、適当な分散剤は、例えば、アルコール−POEおよび/もしくは−POPエーテル、酸および/もしくPOP−POEエステル、アルキルアリールおよび/もしくはPOP−POEエーテル、脂肪および/もしくはPOP−POE付加物、POEおよび/もしくはPOPポリオール誘導体、POEおよび/もしくはPOPソルビタンもしくは糖付加物、アルキルサルフェートもしくはアリールサルフェート、アルキル−スルホネートもしくはアリールスルホネート、およびアルキルホスフェートもしくはアリールホスフェートの部類、または対応するPO−エーテル付加物からの非イオン性および/またはイオン性物質である。さらに、適当なオリゴ−またはポリマー、例えばビニルモノマーから、アクリル酸から、単一または例えば(ポリ)アルコールもしくは(ポリ)アミンとの組合せでEOおよび/もしくはPOから誘導されるもの。リグニンおよびこのスルホン酸誘導体、非修飾および修飾セルロース、芳香族および/または脂肪族スルホン酸、ならびにホルムアルデヒドとのこれらの付加物を用いることも可能である。
【0135】
アラビアゴム、ポリビニルアルコールおよびポリビニルアセテートなど、粉末、顆粒またはラテックスの形態におけるカルボキシメチルセルロースならびに天然および合成ポリマー、ならびにケファリンおよびレシチンなどの天然リン脂質および合成リン脂質などの粘着性付与剤を製剤中に使用することができる。
【0136】
無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタンおよびプルシアンブルーなどの着色剤、ならびにアリザリン染料、アゾ染料および金属フタロシアニン染料などの有機染料、ならびに鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛の塩などの痕跡量の栄養素を使用することが可能である。
【0137】
他の可能な添加剤は、芳香剤、鉱物または野菜、場合によって改質油、ワックス、ならびに鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛の塩などの栄養素(痕跡量の栄養素を含める。)である。
【0138】
低温安定剤、保存料、抗酸化剤、光安定剤、または化学的および/もしくは物理的安定性を改善する他の薬剤などの安定剤も存在してよい。
【0139】
該製剤は、一般に0.01重量%から98重量%の間、好ましくは0.5重量%から90重量%の間の活性化合物を含む。
【0140】
本発明による活性化合物は、この市販されている製剤中に、ならびに殺虫剤、誘引剤、滅菌剤、殺菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺真菌剤、成長調節物質、除草剤、安全化剤、肥料またはセミオケミカルなどの他の活性化合物との混合物としてこれらの製剤から調製される使用形態中に存在することができる。
【0141】
本発明はさらに、真菌、細菌、ウイルス、MLO(マイコプラズマ様生物)および/またはRLO(リケッチア様生物)により引き起こされる植物病に対して植物を保護するための、スルホキシミン特に一般式(I)のスルホキシミンの使用に関する。昆虫防除とは別に、スルホキシミンは、真菌性、細菌性またはウイルス性の病原体による損傷からの植物の良好な保護をもたらす。
【0142】
可能である他の方法を上回る利点は、この保護を達成するのに必要な低施用量、および一般式(I)のスルホキシミンの良好な植物耐性である。さらに、多数の病原体に対する保護が、たった1種の活性物質で達成することができる。
【0143】
病原体、特に真菌、細菌、ウイルス、MLO(マイコプラズマ様生物)および/またはRLO(リケッチア様生物)により引き起こされる植物病からの保護を得るため、個々の活性物質または一般式(I)のスルホキシミンとの組合せで植物を処理することができる。
【0144】
さらに、植物の内因性防御に対するスルホキシミンの記載した陽性活性は、殺虫性、殺真菌性または殺菌性活性物質での追加処理により補助することができる。
【0145】
好ましい実施形態において、この保護は、一般式(I)のスルホキシミンでの処理の結果として、PRタンパク質を誘導することによりもたらされる。
【0146】
好ましい一般式(I)のスルホキシミンは以下の通りである。
(I−1)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]メチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−2)、N−[6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル]メチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−3)、N−メチル(オキシド){[2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル]メチル}−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−4)、N−メチル(オキシド){[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]メチル}−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−5)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−6)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミドジアステレオマー
(I−7)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミドジアステレオマー
(I−8)、N−[6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−9)、N−[6−(1,1−ジフルオロエチル)ピリド−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−10)、N−[6−ジフルオロメチルピリド−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−11)、N−メチル(オキシド){1−[2−(トリクロロメチル)ピリド−3−イル]エチル}−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−12)、N−メチル(オキシド){1−[2−(ペンタフルオロエチル)ピリド−3−イル]エチル}−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−13)、N−[6−クロロジフルオロメチルピリド−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−14)、N−メチル(オキシド){1−[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]エチル}−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−15)、N−メチル(オキシド){1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロプロピル−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−16)、N−メチル(オキシド){1−(6−クロロピリジン−3−イル)シクロプロピル−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−17)、N−2−(6−クロロピリジン−3−イル)−1−オキシドテトラヒドロ−1H−1λ−チエニリデンシアナミド
(I−18)、N−2−(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−1−オキシドテトラヒドロ−1H−1λ−チエニリデンシアナミド
(I−19)、N−1−オキソ−2−(2−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデンシアナミド
(I−20)、N−1−オキソ−2−(6−トリフルオロメチルピリド−3−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデンシアナミド
(I−21)、N−1−オキソ−2−(6−クロロピリド−3−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデンシアナミド
(I−22)、N−1−オキソ−2−(6−クロロピリド−3−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデンシアナミドジアステレオマー
(I−23)、N−1−オキソ−2−(6−クロロピリド−3−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデンシアナミドジアステレオマー
【0147】
特に好ましい一般式(I)のスルホキシミンは以下の通りである。
(I−1)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]メチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−2)、N−[6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル]メチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−3)、N−メチル(オキシド){[2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル]メチル}−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−4)、N−メチル(オキシド){[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]メチル}−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−5)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−6)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミドジアステレオマー、
(I−7)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミドジアステレオマー、
(I−8)、N−[6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−14)、N−メチル(オキシド){1−[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]エチル}−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−15)、N−メチル(オキシド){1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロプロピル−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−16)、N−メチル(オキシド){1−(6−クロロピリジン−3−イル)シクロプロピル−λ−スルファニリデンシアナミド。
【0148】
式(I)の非常に特に好ましいスルホキシミンは以下のものである。
(I−5)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−6)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミドジアステレオマー、
(I−7)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミドジアステレオマー、
(I−8)、N−[6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−15)、N−メチル(オキシド){1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロプロピル−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−16)、N−メチル(オキシド){1−(6−クロロピリジン−3−イル)シクロプロピル−λ−スルファニリデンシアナミド。
【0149】
本発明に従って、市販されているまたは使用されているそれぞれの植物変種の植物を処理するのが特に好ましい。植物変種は、従来の育種により、変異誘発により、または他に組換えDNA技術の助けにより得られた新規な特性(「形質」)を持つ植物を意味すると理解される。即ち、作物植物は、トランスジェニック植物および植物育種者の権利により保護することができるまたはできない植物変種を含めて、従来の育種および最適化の方法により、または生物工学および組換えの方法により、またはこれらの方法の組合せにより得ることができる植物であってよい。
【0150】
したがって、本発明による処理方法は、遺伝子組換え体(GMO)、例えば植物または種子の処理のために使用することもできる。遺伝子組換え植物(またはトランスジェニック植物)は、異種遺伝子がゲノム中に安定に組み込まれた植物である。「異種遺伝子」という用語は本質的に、該植物の外部で供給または構築され、これが興味対象のタンパク質またはポリペプチドを発現するため、または該植物に存在する別の遺伝子もしくは該植物に存在する他の遺伝子が下方調節またはスイッチオフされるため(例えばアンチセンス技術、共抑制技術またはRNAi技術[RNA干渉]の手段による。)、細胞核ゲノム中への導入で葉緑体ゲノムまたはミトコンドリアゲノムが形質転換植物に新規または改善された農学的形質または他の形質を付与する遺伝子を意味する。ゲノムに存在する異種遺伝子は導入遺伝子とも称される。植物ゲノムにおけるこの特異的存在により定義される導入遺伝子は、形質転換イベントまたはトランスジェニックイベントと称される。
【0151】
本発明により処理されるのが好ましい植物および植物変種として、特に有利な有用な形質をこれらの植物(育種により得られるおよび/または生物工学的手段により得られる。)に付与する遺伝子材料を有する全ての植物が挙げられる。
【0152】
本発明により処理されるのがやはり好ましい植物および植物変種は、1つ以上の生物的ストレス要因に対して抵抗性であり、即ち前記植物は、線虫、昆虫、ダニ、植物病原性真菌、細菌、ウイルスおよび/またはウイロイドなど動物および微生物の有害生物に対するより良い防御を示す。
【0153】
本発明により処理してもよい植物および植物変種は、1つ以上の非生物的ストレス要因に対して抵抗性である植物である。非生物的ストレス状態として、例えば干ばつ、冷温曝露、熱曝露、浸透圧ストレス、湛水、土壌塩分の増加、鉱物曝露の増加、オゾン曝露、高い露光、窒素栄養素の利用制限、リン栄養素の利用制限、遮光回避を挙げることができる。
【0154】
本発明により処理してもよい植物および植物変種は、収量特徴の増強を特徴とする植物である。前記植物における収量の増加は、水の使用効率、保水効率、窒素使用の改善、炭素同化作用の増強、光合成の向上、発芽効率の増加および成熟の加速など、植物の生理機能、成長および発育の向上の結果であり得る。収量はさらに、限定されるものではないが早期開花、ハイブリッド種子生産のための開花制御、実生活力、植物の大きさ、節間数および節間距離、根成長、種子の大きさ、果実の大きさ、さやの大きさ、さや数または穂数、さや当たりまたは穂当たりの種子数、種子質量、種子充填の増強、種子分散の低下、さや裂開の低下ならびに耐倒伏性を含めて、(ストレス状態および非ストレス状態下での)植物構造の改善により影響され得る。さらに収量形質として、炭水化物含有量、タンパク質含有量、油含有量および油組成、栄養価、抗栄養化合物の減少、加工性の向上ならびにより良い貯蔵安定性などの種子組成が挙げられる。
【0155】
本発明により処理することができる植物は、一般により高い収量、より大きな活力、より良い健康、ならびに生物的および非生物的ストレス要因に対する抵抗性をもたらす雑種強勢またはハイブリッド効果の特徴を既に発現しているハイブリッド植物である。こうした植物は通常、自殖性雄性不稔性親系統(雌親)と別の自殖性雄性稔性親系統(雄親)とを交雑させることにより作られる。ハイブリッド種子は通常、雄性不稔性植物から収穫され、栽培者に販売される。雄性不稔性植物は、ふさを取り除くこと(即ち、雄性生殖器または雄花の機械的な除去)により(例えば、トウモロコシ中で)時折生産されることがあるが、より通常には、雄性不稔性は植物ゲノムにおける遺伝的決定因子の結果である。この場合、特に種子がハイブリッド植物から収穫される所望の生産物である場合、雄性不稔性に遺伝的に関与している決定因子を含有するハイブリッド植物中で、雄性稔性が十分回復されているのを確実にすることが通常有用である。これは、雄性不稔性に関与している遺伝的決定因子を含有するハイブリッド植物中で雄性稔性を回復する能力がある適当な稔性回復遺伝子を雄親が有するのを確実にすることにより達成することができる。雄性不稔性に関する遺伝的決定因子は、細胞質に位置し得る。細胞質雄性不稔性(CMS)の例は、例えば、ブラッシカ属各種(Brassica species)(WO 1992/005251、WO 1995/009910、WO 1998/27806、WO 2005/002324、WO 2006/021972およびUS 6,229,072)に記載されている。しかし、雄性不稔性に関する遺伝的決定因子は、細胞核ゲノムにも位置することができる。雄性不稔性植物は、遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー方法により得ることもできる。雄性不稔性植物を得る特に有用な手段はWO89/10396に記載されており、ここでは、例えばバルナーゼなどのリボヌクレアーゼが、雄しべのタペータム細胞中で選択的に発現される。次いで、タペータム細胞においてバルスターなどのリボヌクレアーゼ阻害剤が発現することにより、稔性が回復され得る(例えば、WO1991/002069)。
【0156】
本発明により処理することができる(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー方法により得られる)植物または植物品種は、除草剤耐性植物、即ち1種以上の所定の除草剤に対して耐性に作られた植物である。こうした植物は、遺伝子形質転換により、またはこうした除草剤耐性を付与する突然変異を含有する植物の選択のいずれかにより得ることができる。
【0157】
除草剤耐性植物は、例えばグリフォセート耐性植物、即ち除草剤グリフォセートまたはこの塩に対して耐性に作られた植物である。例えば、グリフォセート耐性植物は、酵素5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸合成酵素(EPSPS)をコードする遺伝子で植物を形質転換することにより得ることができる。こうしたEPSPS遺伝子の例は、細菌サルモネッラ・テュピムリウム(Salmonella typhimurium)のAroA遺伝子(変異体CT7)(Comaiら、Science(1983)、221、370−371)、細菌アグロバクテリウム属種(Agrobacterium sp.)のCP4遺伝子(Barryら、Curr.Topics Plant Physiol.(1992)、7、139−145)、ペチュニアEPSPS(Shahら、Science(1986)、233、478−481)、トマトEPSPS(Gasserら、J.Biol.Chem.(1988)、263、4280−4289)またはオヒシバEPSPS(WO 2001/66704)をコードする遺伝子である。それは、例えばEP−A 0837944、WO 2000/066746、WO 2000/066747またはWO 2002/026995に記載されている通り、変異型EPSPSでもあり得る。グリフォセート耐性植物は、US 5,776,760およびUS 5,463,175に記載されている通り、グリフォセートオキシドレダクターゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることにより得ることもできる。グリフォセート耐性植物は、例えばWO 2002/036782、WO 2003/092360、WO 2005/012515およびWO 2007/024782に記載されている通り、グリフォセートアセチルトランスフェラーゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることにより得ることもできる。グリフォセート耐性植物は、例えばWO 2001/024615またはWO 2003/013226に記載されている通り、上述した遺伝子の自然発生突然変異を含有する植物を選択することにより得ることもできる。
【0158】
他の除草剤抵抗性植物は、例えば、ビアラホス、ホスフィノトリシンまたはグルホシネートなどの酵素グルタミンシンターゼを阻害する除草剤に対して耐性に作られている植物である。こうした植物は、該除草剤を解毒する酵素、または阻害に対して抵抗性である変異体グルタミンシンターゼ酵素を発現させることにより得ることができる。1つのこうした有効な解毒酵素は、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(ストレプトミセス属各種(Streptomyces species)からのbarタンパク質またはpatタンパク質など)をコードする酵素である。外因性ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼを発現する植物は、例えばUS 5,561,236;US 5,648,477;US 5,646,024;US 5,273,894;US 5,637,489;US 5,276,268;US 5,739,082;US 5,908,810およびUS 7,112,665に記載されている。
【0159】
さらなる除草剤耐性植物には、酵素ヒドロキシフェニルピルベートジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害する除草剤に対して耐性に作られている植物もある。ヒドロキシフェニルピルベートジオキシゲナーゼは、パラ−ヒドロキシフェニルピルベート(HPP)がホモゲンチジン酸に形質転換する反応を触媒する酵素である。HPPD阻害剤に耐性の植物は、WO 1996/038567、WO 1999/024585およびWO 1999/024586に記載されている通り、自然発生抵抗性HPPD酵素をコードする遺伝子、または変異型HPPD酵素をコードする遺伝子で形質転換することができる。HPPD阻害剤に対する耐性は、HPPE阻害剤による未変性HPPD酵素の阻害にもかかわらず、ホモゲンチジン酸の形成を可能にする特定の酵素をコードする遺伝子で植物を形質転換することにより得ることもできる。こうした植物および遺伝子は、WO 1999/034008およびWO 2002/36787に記載されている。HPPD阻害剤に対する植物の耐性は、WO 2004/024928に記載されている通り、HPPD耐性酵素をコードする遺伝子に加えて酵素プレフェナートデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子で植物を形質転換することにより向上することもできる。
【0160】
またさらなる除草剤抵抗性植物は、アセト乳酸シンターゼ(ALS)阻害剤に対して耐性に作られている植物である。公知のALS阻害剤として、例えばスルホニル尿素、イミダゾリノン、トリアゾロピリミジン、ピリミジニルオキシ(チオ)安息香酸および/またはスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン除草剤が挙げられる。ALS酵素(アセトヒドロキシ酸シンターゼ、AHASとしても知られている。)における異なる突然変異は、例えばTranelおよびWright、Weed Science(2002)、50、700−712だけでなくUS 5,605,011、US 5,378,824、US 5,141,870およびUS 5,013,659に記載されている通り、異なる除草剤および除草剤の群に対する耐性を与えることが知られている。スルホニル尿素耐性植物およびイミダゾリノン耐性植物の生産は、US 5,605,011;US 5,013,659;US 5,141,870;US 5,767,361;US 5,731,180;US 5,304,732;US 4,761,373;US 5,331,107;US 5,928,937;およびUS 5,378,824;ならびに国際公開WO 1996/033270に記載されている。他のイミダゾリノン耐性植物も、例えばWO 2004/040012、WO 2004/106529、WO 2005/020673、WO 2005/093093、WO 2006/007373、WO 2006/015376、WO 2006/024351およびWO 2006/060634に記載されている。さらにスルホニル尿素耐性植物およびイミダゾリノン耐性植物も、例えばWO 2007/024782に記載されている。
【0161】
イミダゾリノンおよび/またはスルホニル尿素に対して耐性の他の植物は、例えばダイズに関してはUS 5,084,082に、イネに関してはWO 1997/41218に、サトウダイコンに関してはUS 5,773,702およびWO 1999/057965に、レタスに関してはUS 5,198,599に、またはヒマワリに関してWO 2001/065922に記載されている通り、誘発変異原性、除草剤の存在下での細胞培養における選択、または突然変異育種により得ることができる。
【0162】
本発明により処理してもよい(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー方法により得られる)植物または植物品種は、昆虫抵抗性トランスジェニック植物、即ち特定の標的昆虫による攻撃に対して抵抗性に作られた植物である。こうした植物は、遺伝子形質転換により、またはこうした昆虫抵抗性を付与する突然変異を含有する植物の選択により得ることができる。
【0163】
「昆虫抵抗性トランスジェニック植物」は、本明細書で使用される場合、以下をコードするコード配列を含む少なくとも1つの導入遺伝子を含有する任意の植物を含める。
1)Crickmoreら、Microbiology and Molecular Biology Reviews(1998)、62、807−813により列挙され、Crickmoreら(2005)によりバキルルス・トゥリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)毒の名称オンラインhttpi/www.lifesci.sussex.ac.uk/Home/Neil_Crickmore/Bt/)で更新された殺虫性結晶タンパク質、またはこれらの殺虫性部分、例えば、Cryタンパク質部類のCrylAb、CrylAc、Cry1F、Cry2Ab、Cry3AeもしくはCry3Bbのタンパク質またはこれらの殺虫性部分など、バキルルス・トゥリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)またはこの殺虫性部分からの殺虫性結晶タンパク質、または
2)Cy34およびCy35結晶タンパク質から構成された二成分毒素(Moellenbeckら、Nat.Biotechnol.(2001)、19、668−72;Schnepfら、Applied Environm.Microb.(2006)、71、1765−1774)など、バキルルス・トゥリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)またはこの一部分以外の第二結晶タンパク質の存在下にて殺虫性である、バキルルス・トゥリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)またはこの一部分からの結晶タンパク質、または
3)上記の1)のタンパク質のハイブリッドまたは上記2)のタンパク質のハイブリッド、例えばトウモロコシイベントMON98034(WO 2007/027777)により産生されるCrylA.105タンパク質など、バキルルス・トゥリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)からの異なる殺虫性結晶タンパク質の部分を含むハイブリッド殺虫性タンパク質、または
4)トウモロコシイベントMON863もしくはMON88017におけるCry3Bb1タンパク質、またはトウモロコシイベントMIR604におけるCry3Aタンパク質など、標的昆虫種に対するより高い殺虫活性を得るため、および/または影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するため、および/またはクローニング中もしくは形質転換中にコードDNAに導入された変化により、一部のアミノ酸、特に1から10のアミノ酸が別のアミノ酸に置換された上記1)から3)のいずれか1種のタンパク質、または
5)http://www.lifesci.sussex.ac.uk/Home/Neil_Crickmore/Bt/vip.htmlに列挙されている植物性殺虫(VIP)タンパク質、例えばVIP3Aaタンパク質部類からのタンパク質など、バキルルス・トゥリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)もしくはバキルルス・ケレウス(Bacillus cereus)またはこれらの殺虫性部分からの殺虫性分泌タンパク質、または
6)VIP1AおよびVIP2Aタンパク質から構成された二成分毒素(WO 1994/21795)など、バキルルス・トゥリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)またはB.セロイス(B.cereus)からの第二分泌タンパク質の存在下にて殺虫性である、バキルルス・トゥリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)またはバキルルス・ケレウス(Bacillus cereus)からの分泌タンパク質、または
7)上記1)におけるタンパク質のハイブリッドまたは上記2)におけるタンパク質のハイブリッドなど、バキルルス・トゥリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)またはバキルルス・ケレウス(Bacillus cereus)からの異なる分泌タンパク質の一部分を含むハイブリッド殺虫性タンパク質、または
8)綿イベントCOT102におけるVIP3Aaタンパク質など、標的昆虫種に対するより高い殺虫活性を得るため、および/または影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するため、および/または(まだ殺虫性タンパク質をコードしながら)クローニング中もしくは形質転換中にコードDNAに導入された変化により、一部のアミノ酸、特に1から10のアミノ酸が別のアミノ酸により置換された上記1)から3)のいずれか1種のタンパク質。
【0164】
当然、昆虫抵抗性トランスジェニック植物は、本明細書で使用される場合、上記1から8の分類のいずれか1つのタンパク質をコードする遺伝子の組合せを含む任意の植物も含める。一実施形態において、昆虫抵抗性植物は、影響される標的昆虫種の範囲を拡大するため、または同じ標的昆虫種に対して異なるタンパク質の殺虫性を使用するが、該昆虫の異なる受容体結合部位に結合するなどの異なる作用様式を有することにより植物に対する昆虫抵抗性の発生を遅延させるため、上記1から8の分類のいずれか1つのタンパク質をコードする1種を超える導入遺伝子を含有する。
【0165】
本発明により処理してもよい(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー方法により得られる)植物または植物品種は、非生物的ストレス要因に対して耐性である。こうした植物は、遺伝子形質転換により、またはこうしたストレス抵抗性を付与する突然変異を含有する植物の選択により得ることができる。特に有用なストレス耐性植物は以下の通りである。
a.WO 2000/004173またはEP 04077984.5もしくはEP 06009836.5に記載されている通りの、植物細胞または植物におけるポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)遺伝子の発現および/または活性を低減する能力がある導入遺伝子を含有する植物。
b.例えばWO 2004/090140に記載されている通りの、植物または植物細胞の遺伝子をコードするPARGの発現および/または活性を低減する能力がある導入遺伝子を増強するストレス耐性を含む植物。
c.例えばEP 04077624.7またはWO 2006/133827またはPCT/EP07/002433に記載されている通りの、ニコチンアミダーゼ、ニコチネートホスホリボシルトランスフェラーゼ、ニコチン酸モノヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドシンテターゼまたはニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼを含めた、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドサルベージ生合成経路の植物機能酵素をコードする導入遺伝子を増強するストレス耐性を含む植物。
【0166】
本発明により処理してもよい(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー方法により得られる)植物または植物品種は、以下のものなどの収穫生産物の量、品質および/もしくは貯蔵安定性の変化、ならびに/または収穫生産物の特異成分の特性の変化を示す。
1)物理化学的特性、特にアミロース含有量もしくはアミロース/アミロペクチン比、枝分かれ度、平均鎖長、側鎖分布、粘度挙動、ゲル強度、デンプン粒の大きさおよび/またはデンプン粒の形態が、野生型の植物細胞または植物における合成されたデンプンと比較して変化されているので、特殊な施用にさらに良く適する修飾デンプンを合成するトランスジェニック植物。修飾デンプンを合成する前記トランスジェニック植物は、例えばEP 0571427、WO 1995/004826、EP 0719338、WO 1996/15248、WO 1996/19581、WO 1996/27674、WO 1997/11188、WO 1997/26362、WO 1997/32985、WO 1997/42328、WO 1997/44472、WO 1997/45545、WO 1998/27212、WO 1998/40503、WO 99/58688、WO 1999/58690、WO 1999/58654、WO 2000/008184、WO 2000/008185、WO 2000/28052、WO 2000/77229、WO 2001/12782、WO 2001/12826、WO 2002/101059、WO 2003/071860、WO 2004/056999、WO 2005/030942、WO 2005/030941、WO 2005/095632、WO 2005/095617、WO 2005/095619、WO 2005/095618、WO 2005/123927、WO 2006/018319、WO 2006/103107、WO 2006/108702、WO 2007/009823、WO 2000/22140、WO 2006/063862、WO 2006/072603、WO 2002/034923、EP 06090134.5、EP 06090228.5、EP 06090227.7、EP 07090007.1、EP 07090009.7、WO 2001/14569、WO 2002/79410、WO 2003/33540、WO 2004/078983、WO 2001/19975、WO 1995/26407、WO 1996/34968、WO 1998/20145、WO 1999/12950、WO 1999/66050、WO 1999/53072、US 6,734,341、WO 2000/11192、WO 1998/22604、WO 1998/32326、WO 2001/98509、WO 2001/98509、WO 2005/002359、US 5,824,790、US 6,013,861、WO 1994/004693、WO 1994/009144、WO 1994/11520、WO 1995/35026またはWO 1997/20936に開示されている。
2)非デンプン炭水化物ポリマーを合成する、または遺伝子改変をしていない野生型植物と比較して特性が変化した非デンプン炭水化物ポリマーを合成するトランスジェニック植物。該例は、EP 0663956、WO 1996/001904、WO 1996/021023、WO 1998/039460およびWO 1999/024593に開示されている通りの、特にイヌリン型およびレバン型のポリフルクトースを産生する植物、WO 1995/031553、US 2002/031826、US 6,284,479、US 5,712,107、WO 1997/047806、WO 1997/047807、WO 1997/047808およびWO 2000/14249に開示されている通りの、アルファ−1,4グルカンを産生する植物、WO 2000/73422に開示されている通りの、アルファ−1,6分枝アルファ−1,4グルカンを産生する植物、およびWO 2000/047727、EP 06077301.7、US 5,908,975およびEP 0728213に開示されている通りの、アルテルナンを産生する植物である。
3)例えばWO 2006/032538、 WO 2007/039314、WO 2007/039315、WO 2007/039316、JP 2006/304779およびWO 2005/012529に開示されている通りの、ヒアルロナンを産生するトランスジェニック植物。
【0167】
本発明により処理してもよい(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー方法により得ることができる)植物または植物品種は、繊維特徴が変化した、綿植物などの植物である。こうした植物は、遺伝子形質転換により、またはこうした変化した繊維特徴を付与する突然変異を含有する植物の選択により得ることができ、以下のものが挙げられる。
a)WO 1998/000549に記載されている通りの、セルロースシンターゼ遺伝子の変化した形態を含有する綿植物などの植物、
b)WO 2004/053219に記載されている通りの、rsw2またはrsw3相同核酸の変化した形態を含有する綿植物などの植物、
c)WO 2001/017333に記載されている通りの、スクロースリン酸シンターゼの発現が増加した綿植物などの植物、
d)WO 02/45485に記載されている通りの、スクロースシンターゼの発現が増加した綿植物などの植物、
e)WO 2005/017157に記載されている通りの、繊維細胞の基底における原形質連絡の開閉時機が例えば繊維選択的β−1,3−グルカナーゼの下方制御を介して変化される綿植物などの植物、
f)WO 2006/136351に記載されている通りの、例えばnodCを含めたN−アセチルグルコサミントランスフェラーゼ遺伝子の発現およびキチンシンターゼ遺伝子の発現を介して反応性が変化した繊維を有する綿植物などの植物。
【0168】
本発明により処理してもよい(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー方法により得ることができる)植物または植物品種は、油プロファイル特性が変化したアブラナまたは近縁ブラッシカ属(Brassica)植物などの植物である。こうした植物は、遺伝子形質転換により、またはこうした変化した油特性を付与する突然変異を含有する植物の選択により得ることができ、以下のものが挙げられる。
a)例えばUS 5,969,169、US 5,840,946またはUS 6,323,392またはUS 6,063、947に記載されている通りの、高いオレイン酸含有量を有する油を産生するアブラナ植物などの植物、
b)US 6,270,828、US 6,169,190またはUS 5,965,755に記載されている通りの、低いリノレン酸含有量を有する油を生産するアブラナ植物などの植物、
c)例えばUS 5,434,283に記載されている通りの、低濃度の飽和脂肪酸を有する油を産生するアブラナ植物などの植物。
【0169】
本発明により処理することができる特に有用なトランスジェニック植物は、1種以上の毒素をコードする1つ以上の遺伝子を含む植物であり、以下、商品名YIELD GARD(登録商標)(例えばトウモロコシ、綿、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えばトウモロコシ)、BiteGard(登録商標)(例えばトウモロコシ)、BT−Xtra(登録商標)(例えばトウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えばトウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(綿)、Nucotn(登録商標)(綿)、Nucotn 33B(登録商標)(綿)、NatureGard(登録商標)(例えばトウモロコシ)、Protecta(登録商標)およびNewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)の下で販売されているものである。挙げることができる除草剤耐性植物の例は、商品名Roundup Ready(登録商標)(グリフォセートに対して耐性、例えばトウモロコシ、綿、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシンに対して耐性、例えばアブラナ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノンに対して耐性)およびSCS(登録商標)(スルホニル尿素剤に対して耐性、例えばトウモロコシ)の下で販売されているトウモロコシ変種、綿変種およびダイズ変種である。挙げることができる除草剤抵抗性植物(従来の方法において除草剤耐性のために育種された植物)として、名称Clearfield(登録商標)(例えばトウモロコシ)の下に販売されている変種が挙げられる。
【0170】
本発明により処理することができる特に有用なトランスジェニック植物は、例えば様々な国家または地域の規制当局からのデータベース(例えばhttp://gmoinfo.jrc.it/gmp_browse.aspxおよびhttp://www.agbios.com/dbase.phpを参照のこと。)に列挙されている形質転換イベントまたは形質転換イベントの組合せを含有する植物である。
【0171】
トランスジェニック植物およびトランスジェニック種子に対するこの施用のための一般式(I)の好ましいスルホキシミンは以下のものである。
(I−1)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]メチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−2)、N−[6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル]メチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−3)、N−メチル(オキシド){[2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル]メチル}λ−スルファニリデンシアナミド
(I−4)、N−メチル(オキシド){[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]メチル}λ−スルファニリデンシアナミド
(I−5)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−6)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミドジアステレオマー
(I−7)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミドジアステレオマー
(I−8)、N−[6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−9)、N−[6−(1,1−ジフルオロエチル)ピリド−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−10)、N−[6−ジフルオロメチルピリド−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−11)、N−メチル(オキシド){1−[2−(トリクロロメチル)ピリド−3−イル]エチル}−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−12)、N−メチル(オキシド){1−[2−(ペンタフルオロエチル)ピリド−3−イル]エチル}−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−13)、N−[6−クロロジフルオロメチルピリド−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−14)、N−メチル(オキシド){1−[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]エチル}−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−15)、N−メチル(オキシド){1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロプロピル−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−16)、N−メチル(オキシド){1−(6−クロロピリジン−3−イル)シクロプロピル−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−17)、N−2−(6−クロロピリジン−3−イル)−1−オキシドテトラヒドロ−1H−1λ−チエニリデンシアナミド
(I−18)、N−2−(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−1−オキシドテトラヒドロ−1H−1λ−チエニリデンシアナミド
(I−19)、N−1−オキソ−2−(2−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデン−シアナミド
(I−20)、N−1−オキソ−2−(6−トリフルオロメチルピリド−3−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデンシアナミド
(I−21)、N−1−オキソ−2−(6−クロロピリド−3−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデンシアナミド
(I−22)、N−1−オキソ−2−(6−クロロピリド−3−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデンシアナミドジアステレオマー
(I−23)、N−1−オキソ−2−(6−クロロピリド−3−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデンシアナミドジアステレオマー
【0172】
この施用のための一般式(I)の特に好ましいスルホキシミンは以下のものである。
(I−1)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]メチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−2)、N−[6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル]メチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−3)、N−メチル(オキシド){[2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル]メチル}−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−4)、N−メチル(オキシド){[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]メチル}−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−5)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−6)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミドジアステレオマー、
(I−7)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミドジアステレオマー、
(I−8)、N−[6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−14)、N−メチル(オキシド){1−[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]エチル}−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−15)、N−メチル(オキシド){1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロプロピル−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−16)、N−メチル(オキシド){1−(6−クロロピリジン−3−イル)シクロプロピル−λ−スルファニリデンシアナミド。
【0173】
この施用のための一般式(I)の非常に特に好ましいスルホキシミンは以下のものである。
(I−5)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−6)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミドジアステレオマー、
(I−7)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミドジアステレオマー、
(I−8)、N−[6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−15)、N−メチル(オキシド){1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロプロピル−λ−スルファニリデンシアナミド、
(I−16)、N−メチル(オキシド){1−(6−クロロピリジン−3−イル)シクロプロピル−λ−スルファニリデンシアナミド。
【0174】
本発明の範囲内において、以下の病原体に対する防御が好ましくは増強される。ボトリュティス・キネレア(Botrytis cinerea)、ピュトプトラ・ニコチアナ(Phytophthora nicotianae)、ペロノスポラ・タバシナ(Peronospora tabacinae)、ピュトプトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)、スパエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)、パコプソラ・パキュリジ(Phakopsora pachyrhizi)、ラムラリア・ゴッシピイ(Ramularia gossypii)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、クルブラリア属種(Curvularia spec.)、ピュレノポラ属種(Pyrenophora spec.)、スクレロティニア・ホモエオカルパ(Sclerotinia homoeocarpa)、エリイシフ・グラミニス(Eiysiphe graminis)、コッレトトリクム・グラミニコラ(Colletotrichum graminicola)、ピュティウム・ウルティムム(Pythium ultimum)、ピュティウム・アパニデルマトゥム(Pythium aphanidermatum)。
【0175】
真菌性および細菌性疾患を引き起こし、上述した属名に入る一部の病原体は、以下を一例として挙げることができるが、限定されるものではない。
【0176】
・例えば以下のものなどのうどんこ病(powdery mildew)を引き起こす病原体により引き起こされる疾患
ブルメリア属各種(Blumeria species)、例えばブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)など、
ポドスパエラ属各種(Podosphaera species)、例えばポドスパエラ・レウコトリカ(Podosphaera leucotricha)など、
スパエロテカ属各種(Sphaerotheca species)、例えばスパエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)など、
ウンキヌラ属各種(Uncinula species)、例えばウンキヌラ・ネカトル(Uncinula necator)など、
・例えば以下のものなどのさび病(rust disease)を引き起こす病原体により引き起こされる疾患
ギュムノスポランギウム属各種(Gymnosporangium species)、例えばギュムノスポランギウム・サビナエ(Gymnosporangium sabinae)など、
ヘミレイア属各種(Hemileia species)、例えばヘミレイア・ワスタトリクス(Hemileia vastatrix)など、
パコプソラ属各種(Phakopsora species)、例えばパコプソラ・パキュリジ(Phakopsora pachyrhizi)およびパコプソラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae)など、
プッキニア属各種(Puccinia species)、例えばプッキニア・レコンジタ(Puccinia recondita)など、
ウロミュケス属各種(Uromyces species)、例えばウロミュケス・アッペンディクラトゥス(Uromyces appendiculatus)など、
・例えば以下のものなどの卵菌類(Oomycetes)群からの病原体により引き起こされる疾患
ブレミア属各種(Bremia species)、例えばブレミア・ラクトゥカエ(Bremia lactucae)など、
ペロノスポラ属各種(Peronospora species)、例えばペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi)またはP.ブラッシカ(P.brassicae)など、
ピュトプトラ属各種(Phytophthora species)、例えばピュトプトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)など、
プラスモパラ属各種(Plasmopara species)、例えばプラスモパラ・ウィティコラ(Plasmopara viticola)など、
プセウドペロノスポラ属各種(Pseudoperonospora species)、例えばプセウドペロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli)またはプセウドペロノスポラ・クベンシス(Pseudoperonospora cubensis)など、
ピュティウム属各種(Pythium species)、例えばピュティウム・ウルティムム(Pythium ultimum)など、
・例えば以下のものなどにより引き起こされる斑点病および葉萎凋病
アルテルナリア属各種(Alternaria species)、例えばアルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)など、
ケルコスポラ属各種(Cercospora species)、例えばケルコスポラ・ベティコラ(Cercospora beticola)など、
クラジオスポルム属各種(Cladiosporum species)、例えばクラディオスポリウム・ククメリヌム(Cladiosporium cucumerinum)など、
コクリオボルス属各種(Cochliobolus species)、例えばコクリオボルス・サティウス(Cochliobolus sativus)など
(分生子形態:ドレクスレラ(Drechslera)、異名:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium))、
コッレトトリクム属各種(Colletotrichum species)、例えばコッレトトリクム・リンデムタニウム(Colletotrichum lindemuthanium)など、
キュクロコニウム属各種(Cycloconium species)、例えばキュクロコニウム・オレアギヌム(Cycloconium oleaginum)など、
ディアポルテ属各種(Diaporthe species)、例えばディアポルテ・キトリ(Diaporthe citri)など、
エルシノエ属各種(Elsinoe species)、例えばエルシノエ・ファウケッティイ(Elsinoe fawcettii)など、
グロエオスポリウム属各種(Gloeosporium species)、例えばグロエオスポリウム・ラエティコロル(Gloeosporium laeticolor)など、
グロメレッラ属各種(Glomerella species)、例えばグロメレッラ・キングラタ(Glomerella cingulata)など、
グイグナルディア属各種(Guignardia species)、例えばグイグナルディア・ビドウェッリ(Guignardia bidwelli)など、
レプトスパエリア属各種(Leptosphaeria species)、例えばレプトスパエリア・マクランス(Leptosphaeria maculans)など、
マグナポルテ属各種(Magnaporthe species)、例えばマグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)など、
ミュコスパエレッラ属各種(Mycosphaerella species)、例えばミュコスパエレッラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)およびミュコスパエレッラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis)など、
パエオスパエリア属各種(Phaeosphaeria species)、例えばパエオスパエリア・ノドルム(Phaeosphaeria nodorum)など、
ピュレノポラ属各種(Pyrenophora species)、例えばピュレノポラ・テレス(Pyrenophora teres)など、
ラムラリア属各種(Ramularia species)、例えばラムラリア・コッロ−キュグニ(Ramularia collo−cygni)など、
リュンコスポリウム属各種(Rhynchosporium species)、例えばリュンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)など、
セプトリア属各種(Septoria species)、例えばセプトリア・アピイ(Septoria apii)など、
テュプラ属各種(Typhula species)、例えばテュプラ・インカルナタ(Typhula incarnata)など、
ウェントゥリア属各種(Venturia species)、例えばウェントゥリア・イナエクワリス(Venturia inaequalis)など、
・例えば以下のものにより引き起こされる根および茎の疾患
コルティキウム属各種(Corticium species)、例えばコルティキウム・グラミネアルム(Corticium graminearum)など、
フサリウム属各種(Fusarium species)、例えばフサリウム・オクシスポルム(Fusarium oxysporum)など、
ガエウマンノミュケス属各種(Gaeumannomyces species)、例えばガエウマンノミュケス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis)など、
リゾクトニア属各種(Rhizoctonia species)、例えばリゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)など、
タペシア属各種(Tapesia species)、例えばタペシア・アクフォルミス(Tapesia acuformis)など、
ティエラウィオプシス属各種(Thielaviopsis species)、例えばティエラウィオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola)など、
・例えば以下のものに引き起こされる穂および円錐花序の疾患(トウモロコシ穂軸を含める。)
アルテルナリア属各種(Alternaria species)、例えばアルテルナリア属種(Alternaria spp.)など、
アスペルギッルス属各種(Aspergillus species)、例えばアスペルギッルス・フラウス(Aspergillus flavus)など、
クラドスポリウム属各種(Cladosporium species)、例えばクラドスポリウム属種(Cladosporium spp.)など、
クラウィケプス属各種(Claviceps species)、例えばクラウィケプス・プルプレア(Claviceps purpurea)など、
フサリウム属各種(Fusarium species)、例えばフサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)など、
ギッベレッラ属各種(Gibberella species)、例えばギッベレッラ・ゼアエ(Gibberella zeae)など、
モノグラペッラ属各種(Monographella species)、例えばモノグラペッラ・ニワリス(Monographella nivalis)など、
・例えば以下のものなどの黒穂病により引き起こされる疾患
スパケロテカ属各種(Sphacelotheca species)、例えばスパケロテカ・レイリアナ(Sphacelotheca reiliana)など、
ティッレティア属各種(Tilletia species)、例えばティッレティア・カリエス(Tilletia caries)など、
ウロキュスティス属各種(Urocystis species)、例えばウロキュスティス・オックルタ(Urocystis occulta)など、
ウスティラゴ属各種(Ustilago species)、例えばウスティラゴ・ヌダ(Ustilago nuda)など、
・例えば以下のものに引き起こされる果実腐敗
アスペルギッルス属各種(Aspergillus species)、例えばアスペルギッルス・フラウス(Aspergillus flavus)など、
ボトリュティス属各種(Botrytis species)、例えばボトリュティス・キネレア(Botrytis cinerea)など、
ペニキッリウム属各種(Penicillium species)、例えばペニキッリウム・エクスパンスム(Penicillium expansum)およびペニキッリウム・プルプロゲヌム(Penicillium purpurogenum)など、
スクレロティニア属各種(Sclerotinia species)、例えばスクレロティニア・スクレロティオルム(Sclerotinia sclerotiorum)など、
ウェルティキリウム属各種(Verticilium species)、例えばウェルティキリウム・アルボアトルム(Verticilium alboatrum)など、
・例えば以下のものに引き起こされる種子および土壌媒介性腐敗および萎凋ならびに実生病
アルテルナリア属各種(Alternaria species)、例えばアルテルナリア・ブラッシキコラ(Alternaria brassicicola)など、
アパノミュケス属各種(Aphanomyces species)、例えばアパノミュケス・エウテイケス(Aphanomyces euteiches)など、
アスコキュタ属各種(Ascochyta species)、例えばアスコキュタ・レンティス(Ascochyta lentis)など、
アスペルギッルス属各種(Aspergillus species)、例えばアスペルギッルス・フラウス(Aspergillus flavus)など、
クラドスポリウム属各種(Cladosporium species)、例えばクラドスポリウム・ヘルバルム(Cladosporium herbarum)など、
コクリオボルス属各種(Cochliobolus species)、例えばコクリオボルス・サティウス(Cochliobolus sativus)など、
(分生子形態:ドレクスレラ(Drechslera)、ビポラリス(Bipolaris)異名:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium))、
コッレトトリクム属各種(Colletotrichum species)、例えばコッレトトリクム・コッコデス(Colletotrichum coccodes)など、
フサリウム属各種(Fusarium species)、例えばフサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)など、
ギッベレッラ属各種(Gibberella species)、例えばギッベレッラ・ゼアエ(Gibberella zeae)など、
マクロポミナ属各種(Macrophomina species)、例えばマクロポミナ・パセオリナ(Macrophomina phaseolina)など、
モノグラペッラ属各種(Monographella species)、例えばモノグラペッラ・ニワリス(Monographella nivalis)など、
ペニキッリウム属各種(Penicillium species)、例えばペニキッリウム・エクスパンスム(Penicillium expansum)など、
ポマ属各種(Phoma species)、例えばポマ・リンガム(Phoma lingam)など、
ポモプシス属各種(Phomopsis species)、例えばポモプシス・ソイヤエ(Phomopsis sojae)など、
ピュトプトラ属各種(Phytophthora species)、例えばピュトプトラ・カクトルム(Phytophthora cactorum)など、
ピュレノポラ属各種(Pyrenophora species)、例えばピュレノポラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)など、
ピュリクラリア属各種(Pyricularia species)、例えばピュリクラリア・オリュザエ(Pyricularia oryzae)など、
ピュティウム属各種(Pythium species)、例えばピュティウム・ウルティムム(Pythium ultimum)など、
リゾクトニア属各種(Rhizoctonia species)、例えばリゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)など、
リゾプス属各種(Rhizopus species)、例えばリゾプス・オリュザエ(Rhizopus oryzae)など、
スクレロティウム属各種(Sclerotium species)、例えばスクレロティウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)など、
セプトリア属各種(Septoria species)、例えばセプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)など、
テュプラ属各種(Typhula species)、例えばテュプラ・インカルナタ(Typhula incarnata)など、
ウェルティキッリウム属各種(Verticillium species)、例えばウェルティキッリウム・ダリアエ(Verticillium dahliae)など、
・例えば以下のものにより引き起こされるがん腫病、虫こぶおよびてんぐ巣病
ネクトリア属各種(Nectria species)、例えばネクトリア・ガッリゲナ(Nectria galligena)など、
・例えば以下のものに引き起こされる萎凋
モニリニア属各種(Monilinia species)、例えばモニリニア・ラクサ(Monilinia laxa)など、
・例えば以下のものに引き起こされる葉、花および果実の変形
タプリナ属各種(Taphrina species)、例えばタプリナ・デフォルマンス(Taphrina deformans)など、
・例えば以下のものに引き起こされる木本種の変性疾患
エスカ属各種(Esca species)、例えばパエモニエラ・クラミドスポラ(Phaemoniella clamydospora) および パエオアクレモニウム・アレオピルム(Phaeoacremonium aleophilum) および フォミティポリア・メディテッラネア(Fomitiporia mediterranea)など、
・例えば以下のものに引き起こされる花および種子の疾患
ボトリュティス属各種(Botrytis species)、例えばボトリュティス・キネレア(Botrytis cinerea)など、
・例えば以下のものに引き起こされる植物塊茎の疾患
リゾクトニア属各種(Rhizoctonia species)、例えばリゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)など、
ヘルミントスポリウム属各種(Helminthosporium species)、例えばヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solani)など、
・例えば以下のものなどの細菌性病原体により引き起こされる疾患
クサントモナス属各種(Xanthomonas species)、例えばクサントモナス・カムペストリス pv.オリュザエ(Xanthomonas campestris pv. oryzae)など、
プセウドモナス属各種(Pseudomonas species)、例えばプセウドモナス・シュリンガエ pv.ラクリュマンス(Pseudomonas syringae pv. lachrymans)など、
エルウィニア属各種(Erwinia species)、例えばエルウィニア・アミュロウォラ(Erwinia amylovora)など。
【0177】
ダイズの下記疾患が好ましくは防除され得る。
例えば、以下のものに引き起こされる、葉、茎、さやおよび種子における真菌性疾患
アルテルナリア斑点病(アルテルナリア属種アトランス・テヌイシッマ(Alternaria spec.atrans tenuissima))、炭疽病(コッレトトリクム・グロエオスポロイデス・デマチウム変種トルンカツム(Colletotrichum gloeosporoides dematium var.truncatum))、褐斑病(セプトリア・グリュキネス(Septoria glycines))、紫斑病(ケルコスポラ・キクキイ(Cercospora kikuchii))、コアネホラ葉枯病(コアネポラ・インフンディブリフェラ・トリスポラ(Choanephora infundibulifera trispora)(異名))、ダクツリオホラ斑点病(ダクトゥリオポラ・グリュキネス(Dactuliophora glycines))、ベト病(ペロノスポラ・マンスリカ(Peronospora manshurica))、黒砂病(ドレクスレラ・グリュキニ(Drechslera glycini))、斑点病(ケルコスポラ・ソイナ(Cercospora sojina))、そばかす病(レプトスパエルリナ・トリフォリイ(Leptosphaerulina trifolii))、灰星病(ピュッロスティクタ・ソイヤエコラ(Phyllosticta sojaecola))、黒点病(ポモプシス・ソイヤエ(Phomopsis sojae))、うどんこ病(powdery mildew)(ミクロスパエラ・ディッフサ(Microsphaera diffusa))、ピレノカエタ斑点病(ピュレノカエタ・グリュキネス(Pyrenochaeta glycines))、葉枯病(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani))、さび病(パコプソラ・パキュリジ(Phakopsora pachyrhizi))、黒星病(スパケロマ・グリュキネス(Sphaceloma glycines))、ステムフィリウム葉枯病(ステンフィリウム・ボチヨスム(Stemphylium botiyosum))、褐色輪紋病コリネスポラ・カッシイコラ((Corynespora cassiicola))。
【0178】
例えば以下のものに引き起こされる根および茎基部における真菌性疾患
黒根腐病(カロネクトリア・クロタラリアエ(Calonectria crotalariae))、炭腐病(マクロポミナ・パセオリナ(Macrophomina phaseolina))、赤かび病(フサリウム・オクシスポルム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・オルトケラス(Fusarium orthoceras)、フサリウム・セミテクトゥム(Fusarium semitectum)、フサリウム・エクウィセティ(Fusarium equiseti))、ミコレプトジスクス根腐病(ミュコレプトディスクス・テッレストリス(Mycoleptodiscus terrestris))、根腐病(ネオコスモプスポラ・バシンフェクタ(Neocosmopspora vasinfecta))、黒点病(ディアポルテ・パセオロルム(Diaporthe phaseolorum))、茎腐爛病(ディアポルテ・パセオロルム・変種カウリボラ(Diaporthe phaseolorum var.caulivora))、茎疫病(ピュトプトラ・メガスペルマ(Phytophthora megasperma))、落葉病(ピアロポラ・グレガタ(Phialophora gregata))、根茎腐敗病(ピュティウム・アパニデルマトゥム(Pythium aphanidermatum)、ピュティウム・イッレグラレ(Pythium irregulare)、ピュティウム・デバリュアヌム(Pythium debaryanum)、ピュティウム・ミュリオテュルム(Pythium myriotylum)、ピュティウム・ウルティムム(Pythium ultimum))、リゾクトニア根腐病(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani))、菌核病(スクレロティニア・スクレロティオルム(Sclerotinia sclerotiorum))、スクレロチニアサウザンブライト病(スクレロティニア・ロルフシイ(Sclerotinia rolfsii))、チエラビオプシス根腐病(ティエラウィオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola))。
【0179】
病原体防御の目的でのスルホキシミン施用のための好ましい時点は、認可された施用量での種子、土壌、栄養液、茎および/または葉の処理である。
【0180】
本発明による特性を達成するために、スルホキシミンの量は実質的な範囲内において変動することができる。効果を達成するのに、0.00001%から0.05%、特に好ましくは0.000025%から0.025%、非常に特に好ましくは0.000025%から0.005%の濃度を使用するのが好ましい。混合物が用いられる場合、活性物質組合せの濃度は、0.000025%から0.005%の間、特に好ましくは0.00005%から0.001%の間が好ましい。以下および以降に示されるデータは、別段の指定がない限り重量による百分率である。
【0181】
植物の内因性防御を増強するため、および/または植物成長を向上させるため、および/または植物病に対する植物の耐性を増加させるため、本発明による活性物質は種子の処理に用いることもできる。この文脈において優先して挙げられる活性物質は特に、好ましい、特に好ましいおよび非常に特に好ましいとして上述されたものである。この点において、一般式(Ia)から(Ik)の化合物および式(I−1)から(I−23)の特定の化合物を特に挙げなければならない。
【0182】
作物植物に引き起こされる損傷の大部分は、早くも貯蔵中の種子状態時、ならびに種子が土壌に導入された後、ならびに植物の発芽時および発芽直後に発生する。成長した植物の根および苗条は特に敏感であり、少しの損傷でさえ植物全体の死に至る恐れがあることから、この段階は特に重要である。したがって存在するのは、種子の植物の内因性防御を増強すること、植物成長を補助すること、植物病に対する種子および実生の抵抗性を増加させること、したがって言い換えれば、適当な手段を使用することにより発芽中の植物を保護することにおける多大な興味対象である。
【0183】
植物種子の処理は長い間知られており、継続的改善の対象である。しかし、種子の処理には、満足のいく方法で常に解決できるわけではない一連の問題がある。したがって、植物保護組成物の追加施用、または植物成長を向上させるための組成物、ならびに播種後または植物の出芽後に真菌、細菌、ウイルス、MLOおよび/またはRLOにより引き起こされる植物病に対する植物の耐性を増加させるための組成物の追加施用を省く、種子および発芽中の植物を保護する方法を開発するのが望ましい。種子および発芽中の植物の最も可能な保護をもたらすが、用いられる活性物質により植物自体を損なうことがないような方法に用いられる活性物質の量を最適化することがさらに望ましい。
【0184】
本発明はしたがって、特に、本発明による活性物質で種子および/または発芽中の植物を処理することにより、植物成長を向上させるため、ならびに/または真菌、細菌、ウイルス、MLOおよび/もしくはRLOにより引き起こされる植物病に対する植物の耐性を増加させるための、種子および発芽中の植物を保護する方法にも関する。本発明は、種子の治療のための、本発明による活性物質の対応する使用にも関する。本発明はさらに、本発明による活性物質で処理された種子に関する。
【0185】
さらに、本発明は、植物の内因性防御を増加させるため、ならびに/または植物成長を向上させるため、ならびに/または真菌、細菌、ウイルス、MLO(マイコプラズマ様生物)および/もしくはRLO(リケッチア様生物)に引き起こされる植物病に対する植物の耐性を増加させるために有効である量の少なくとも1種のスルホキシミン、特に一般式(I)のスルホキシミンを含む、特に成長中の植物および/または発芽中の植物のための対応する栄養液にも関する。この文脈において、栄養液は、少なくとも1種のスルホキシミンを、栄養液の全重量に対して0.0005重量%から0.025重量%の量で含有するのが好ましい。好ましい実施形態において、少なくとも1種のスルホキシミンは、10重量%から50重量%のプロピレンカーボネートを含むNMPフリー製剤の形態で存在する。
【0186】
好ましい実施形態において、植物成長を向上させるため、ならびに/または真菌、細菌、ウイルス、MLOおよび/もしくはRLOにより引き起こされる植物病に対する植物の耐性を増加させるための、種子および発芽中の植物を保護する方法は、フロート法またはフローティング法として知られているものにおいて、本発明による活性物質と一緒に種子を成長させることにより実施される(Leal、R.S.、The use of Confidor S in the float、a new tobacco seedlings production system in the South of Brazil Pflanzenschutz−Nachrichten Bayer(ドイツ版)(2001)、54(3)、337から352頁;Rudolph、R.D.;Rogers、W.D.;The efficacy of imidacloprid treatment for reduction in the severity of insect vectored virus diseases of tobacco.Pflanzenschutz−Nachrichten Bayer(ドイツ版)(2001)、54(3)、311から336頁)。この方法において、種子は特定の容器、例えば、ピート培地を基礎とした特定の種子堆肥中の穿孔処理したStyroporトレーに番種され、引き続いて、所望の移植植物の大きさに達するまで該容器内にて適当な栄養液で培養される(図1参照)。ここで、容器を栄養液上に浮遊させるが、これにより該栽培方法にこの名称が付けられている(Leal、2001、上記を参照のこと)。フローティング法において、ネオニコチノイド(クロロニコチニル)部類からの殺虫剤が、特定の昆虫を防除するために数年間用いられてきた。
【0187】
添付の図1から図3を用いて、フローティング法を、より詳細に説明する。
【0188】
本発明の活性物質の特定の浸透移行特性により、これらの活性物質での種子の処理は、種子自体を保護するだけでなく、出芽後に発生する植物も、植物の成長が増強し、真菌、細菌、ウイルス、MLOおよび/またはRLOに引き起こされる植物病に対する植物の耐性が増加するような方法で保護することが本発明の利点の1つである。したがって、播種の時点またはその直後での作物の直接処理を省くことができる。
【0189】
別の利点は、本発明による混合物が、特にトランスジェニック種子のために用いることもできることである。
【0190】
本発明による組成物は、農業、温室、植林または園芸に用いられる既に上述した通りの任意の植物変種の種子の保護および担持に適当である。特にこれは、トウモロコシ、ピーナッツ、セイヨウアブラナ、アブラナ、ケシ、ダイズ、綿、ビート(例えばサトウダイコンおよび飼料用ビート)、イネ、ソルガムおよびアワ、コムギ、オオムギ、カラスムギ、ライムギ、ヒマワリ、タバコ、ジャガイモまたは野菜(例えばトマト、アブラナ科植物)の種子の形態をとる。本発明に従って使用される活性物質は、果実植物または野菜の種子の処理にも適当である。特に重要なのは、トウモロコシ、ダイズ、綿、コムギおよびセイヨウアブラナまたはアブラナの種子の処理である。
【0191】
既に上述した通り、本発明による組成物でのトランスジェニック種子の処理も特に重要である。
【0192】
本発明の範囲内において、本発明による活性物質は、単独または適当な製剤の形態のいずれかで種子に施用される。種子は、処理中の損傷を回避するのに十分安定である状態で処理するのが好ましい。一般に、種子の処理は、収穫から播種の間の任意の時点で行なうことができる。通常、植物から分離し、穂軸、外皮、茎、外被、毛または果肉から取り除いた種子が使用される。
【0193】
種子を処理する場合、一般に、種子に施用される本発明による活性物質および/またはさらに添加剤の量は、種子の発芽が不利に影響されないような方法、または種子が生み出す植物が損傷されないような方法で選択するという配慮を施さなければならない。これは特に、特定の施用量で植物毒性効果を有する恐れがある活性物質に当てはまる。
【0194】
本発明による組成物は直接施用することができるが、これは、さらなる構成成分を含まないこと、および希釈されていないことを意味する。概して、適当な製剤の形態で該組成物を種子に施用するのが好ましい。種子を処理するための適当な製剤および方法は当業者に知られており、例えば以下の文献に記載されている。US 4,272,417 A、US 4,245,432 A、US 4,808,430 A、US 5,876,739 A、US 2003/0176428 Al、WO 2002/080675 Al、WO 2002/028186 A2。
【0195】
本発明に従って使用することができる活性物質は、溶液、エマルジョン、懸濁液、粉末、フォーム、スラリーまたは他の種子用コーティング組成物など通例の種子ドレッシング製剤、およびULV製剤に変換することができる。
【0196】
これらの製剤は、例えば通例の増量剤および溶媒または希釈剤、着色剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、保存料、二次増粘剤、接着剤、ジベレリンおよびさらに水など通例の添加剤と本発明による活性物質を混合することにより、公知方法で調製される。
【0197】
本発明に従って使用することができる種子ドレッシング製剤に存在してよい着色剤は、こうした目的に通例である全ての着色剤である。この文脈において、水にやや溶けにくい顔料だけでなく、水に可溶性である色素も使用してよい。挙げることができる例は、Rhodamin B、C.I.Pigment Red 112およびC.I.Solvent Red 1として知られている着色剤である。
【0198】
本発明に従って使用することができる種子ドレッシング製剤に存在してよい湿潤剤は、湿潤を促進し、農芸化学活性物質の製剤において通例である全ての物質である。以下のものが好ましく使用することができる。ジイソプロピルナフタレンスルホネートまたはジイソブチルナフタレンスルホネートなどのアルキルナフタレンスルホネート。
【0199】
本発明に従って使用することができる種子ドレッシング製剤に存在してよい分散剤および/または乳化剤は、農芸化学活性物質の製剤において通例である全ての非イオン性、アニオン性およびカチオン性の分散剤である。以下のものが好ましく使用することができる。非イオン性もしくはアニオン性分散剤、または非イオン性もしくはアニオン性分散剤の混合物。適当な非イオン性分散剤は、特に、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマー、アルキルフェノールポリグリコールエーテルおよびトリストリリルフェノールポリグリコールエーテル、ならびにこれらのリン酸化誘導体または硫酸化誘導体である。適当な無機分散剤は、特に、リグノスルホネート、ポリアクリル酸およびアリールスルホネート/ホルムアルデヒド縮合物である。
【0200】
本発明に従って使用することができる種子ドレッシング製剤に使用してよい消泡剤は、農芸化学活性物質の製剤において通例である全ての発泡抑制物質である。シリコーン消泡剤およびステアリン酸マグネシウムが好ましく使用することができる。
【0201】
本発明に従って使用することができる種子ドレッシング製剤に使用してよい保存料は、農芸化学組成物においてこうした目的に使用することができる全ての物質である。挙げることができる例は、ジクロロフェンおよびベンジルアルコールヘミホルマールである。
【0202】
本発明に従って使用することができる種子ドレッシング製剤に使用してよい二次増粘剤は、農芸化学組成物においてこうした目的に使用することができる全ての物質である。以下のものが好ましくは適当である。セルロース誘導体、アクリル酸誘導体、キサンタン、改質粘土および高分散シリカ。
【0203】
本発明に従って使用することができる種子ドレッシング製剤に使用してよい接着剤は、種子ドレッシング製品に用いることができる全ての通例のバインダーである。以下のものが優先的に挙げることができる。ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコールおよびチロース。
【0204】
本発明に従って使用することができる種子ドレッシング製剤に存在してよいジベレリンは、ジベレリンA1、A3(=ジベレリン酸)、A4およびA7が好ましく、ジベレリン酸が特に好ましく使用される。ジベレリンは知られている(R.Wegler「Chemie der Pflanzenschutz− und Schadlingsbekampfungsmittel」[Chemistry of Crop Protectants and Pesticides]、2巻、Springer Verlag、1970、401−412頁参照のこと)。
【0205】
本発明に従って、トランスジェニック植物の種子を含めた広範囲の種子を処理するために使用することができる種子ドレッシング製剤は、直接または事前に水で希釈した後のいずれかで用いることができる。
【0206】
種子にドレッシングするために用いることができる全ての混合装置が、本発明に従って使用することができる種子ドレッシング製剤で、または水の添加によりこれから調製される調製物で種子を処理するのに適当である。とりわけ、該種子ドレッシング工程には、種子が混合装置に導入され、種子ドレッシング製剤の特定の所要量を、それ自体または水で事前に希釈した後のいずれかで添加し、該製剤が種子上に均一に塗布されるまで全てを混合する手順が伴われる。適当な場合、これに乾燥工程が続く。
【0207】
一般に、本発明による活性物質は、これらの市販されている製剤およびこれらの製剤から調製される使用形態中に、殺虫剤、誘引剤、滅菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺真菌剤、成長調節物質または除草剤などの他の活性物質との混合物としてさらに存在することができる。
【0208】
殺真菌剤
(1)核酸合成阻害剤、例えば、ベナラキシル、ベナラキシル−M、ブピリメート、クロジルアコン、ジメチリモール、エチリモール、フララキシル、ヒメキサゾール、メタラキシル、メタラキシル−M、オフラク、オキサジキシルおよびオキソリン酸など。
(2)有糸分裂および細胞分裂阻害剤、例えば、ベノミル、カルベンダジム、クロルフェナゾール、ジエトフェンカルブ、エタボキサム、フベリダゾール、ペンシクロン、チアベンダゾール、チオファネート、チオファネート−メチルおよびゾキサミドなど。
(3)呼吸阻害剤(呼吸鎖阻害剤)、例えば呼吸鎖複合体Iでの阻害剤としてジフルメトリム;ビキサフェン、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フルトラニル、フルオピラム、フラメトピル、フルメシクロキス、イソピラザム(syn−エピマーラセミ体1RS,4SR,9RSおよびanti−エピマーラセミ体1RS,4SR,9SRの混合物)、イソピラザム(syn−エピマーラセミ体1RS,4SR,9RS)、イソピラザム(synエピマーエナンチオマー1R,4S,9R)、イソピラザム(syn−エピマーエナンチオマー1S,4R,9S)、イソピラザム(anti−エピマーラセミ体1RS,4SR,9SR)、イソピラザム(anti−エピマーエナンチオマー1R,4S,9S)、イソピラザム(anti−エピマーエナンチオマー1S,4R,9R)、
呼吸鎖複合体IIでの阻害剤としてメプロニル、オキシカルボキシン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、チフルザミド;呼吸鎖複合体IIIでの阻害剤としてアミスルブロム、アゾキシストロビン、シアゾファミド、ジモキシストロビン、エネストロブリン、ファモキサドン、フェンアミドン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、ピラオキシストロビン、ピラメトストロビン、ピリベンカルブ、トリフロキシストロビンなど。
(4)デカップラー、例えばビナプアクリル、ジノカプ、フルアジナムおよびメプチルジノカプなど。
(5)ATP産生阻害剤、例えばフェンチンアセテート、フェンチンクロリド、フェンチンヒドロキシドおよびシルチオファムなど。
(6)アミノ酸およびタンパク質生合成阻害剤、例えばアンドプリム、ブラストサイジン−S、シプロジニル、カスガマイシン、塩酸カスガマイシン水和物、メパニピリムおよびピリメタニルなど。
(7)シグナル伝達阻害剤、例えばフェンピクロニル、フルジオキソニルおよびキノキシフェンなど。
(8)脂質および膜合成阻害剤、例えばビフェニル、クロゾリネート、エジフェンホス、エトリジアゾール、ヨードカルブ、イプロベンホス、イプロジオン、イソプロチオラン、プロシミドン、プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩、ピラゾホス、トルクロホス−メチルおよびビンクロゾリンなど。
(9)エルゴステロール生合成阻害剤、例えばアルジモルフ、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、ドデモルフ、ドデモルフアセテート、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェナリモール、フェンブコナゾール、フェンヘキサアミド、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フルキンコナゾール、フルルプリルミドール、フルシラゾール、フルトリアホール、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、ヘキサコナゾール、イマザリル、イマザリルサルフェート、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブトアニル、ナフチフィン、ヌアリモール、オキスポコナゾール、パクロブトラゾール、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ピペラリン、プロクロラズ、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、ピリブチカルブ、ピリフェノキス、キンコナゾール、シメコナゾール、スピロキサミン、テブコナゾール、テルビナフィン、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリデモルフ、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ビニコナゾールおよびボリコナゾールなど。
(10)細胞壁合成阻害剤、例えばベンチアバリカルブ、ジメトモルフ、フルモルフ、イプロバリカルブ、マンジプロプアミド、ポリオキシンス、ポリオキソリム、プロチオカルブ、バリダマイシンAおよびバレフェナレートなど。
(11)メラニン生合成阻害剤、例えばカルプロプアミド、ジクロシメト、フェノキサニル、フタリド、ピロキロンおよびトリシクラゾールなど。
(12)抵抗性誘導剤、例えばアシベンゾラル−S−メチル、プロベナゾールおよびチアジニルなど。
(13)多部位活性を持つ化合物、例えばボルドー混合物、カプタホール、キャプタン、クロロタロニル、ナフテン酸銅、酸化銅、オキシ塩化銅、水酸化銅、硫酸銅などの銅調製物、ジクロフルアニド、ジチアノン、ドジンおよびこの遊離塩基、ファーバム、フルオロフォルペット、フォルペット、グアザチン、グアザチンアセテート、イミンオクタジン、イミンオクタジンアルベシレート、イミンオクタジントリアセテート、マン銅、マンコゼブ、マネブ、メチラム、メチラム亜鉛、オキシン銅、プロパミジン、プロピネブ、硫黄および例えばカルシウム多硫化物などの硫黄調製物、チラム、トリイフルアニド、ジネブならびにジラムなど。
(14)例えば以下などの他の化合物。
2,3−ジブチル−6−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、エチル(2Z)−3−アミノ−2−シアノ−3−フェニルプロパ−2−エノエート、N−[2−(1,3−ジメチルブチル)フェニル]−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−(3’,4’,5’−トリフルオロビフェニル−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[4−フルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、(2E)−2−(2−{[6−(3−クロロ−2−メチルフェノキシ)−5−フルオロピリミジン−4−イル]オキシ}フェニル)−2−(メトキシイミノ)−N−メチルエタンアミド、(2E)−2−{2−[({[(2E,3E)−4−(2,6−ジクロロフェニル)ブタ−3−エン−2−イリデン]アミノ}オキシ)メチル]フェニル}−2−(メトキシイミノ)−N−メチルエタンアミド、2−クロロ−N−(1,1,3−トリメチル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−4−イル)ピリジン−3−カルボキサミド、N−(3−エチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル)−3−(ホルミルアミノ)−2−ヒドロキシベンズアミド、5−メトキシ−2−メチル−4−(2−{[({(1E)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン}アミノ)オキシ]メチル}フェニル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン、(2E)−2−(メトキシイミノ)−N−メチル−2−(2−{[({(1E)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−エチリデン}アミノ)オキシ]メチル}フェニル)エタンアミド、(2E)−2−(メトキシイミノ)−N−メチル−2−{2−[(E)−({1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}イミノ)メチル]フェニル}エタンアミド、(2E)−2−{2−[({[(1E)−1−(3−{[(E)−1−フルオロ−2−フェニルエテニル]オキシ}フェニル)エチリデン]アミノ}オキシ)メチル]フェニル}−2−(メトキシイミノ)−N−メチルエタンアミド、1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)シクロヘプタノール、メチル1−(2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸、N−エチル−N−メチル−N’−{2−メチル−5−(トリフルオロメチル)−4−[3−(トリメチルシリル)プロポキシ]フェニル}イミドホルムアミド、N’−{5−(ジフルオロメチル)−2−メチル−4−[3−(トリメチルシリル)プロポキシ]フェニル}−N−エチル−N−メチルイミドホルムアミド、O−{1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル}1H−イミダゾール−1−カルボチオエート、N−[2−(4−{[3−(4−クロロフェニル)プロパ−2−イン−1−イル]オキシ}−3−メトキシフェニル)エチル]−N−(メチルスルホニル)バリンアミド、5−クロロ−7−(4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、プロパモカルブ−ホセチル、1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル1H−イミダゾール−1−カルボキシレート、1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピル−4H−クロメン−4−オン、2−フェニルフェノールおよびその塩、3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3,4,5−トリクロロピリジン−2,6−ジカルボニトリル、3−[5−(4−クロロフェニル)−2,3−ジメチルイソオキサゾリジン−3−イル]ピリジン、3−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチルピリダジン、4−(4−クロロフェニル)−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3,6−ジメチルピリダジン、8−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリンスルフェート、テブフロキン、5−メチル−6−オクチル−3,7−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン、5−エチル−6−オクチル−3,7−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン、アメトクトラジン、ベンチアゾール、ベトキサジン、カプシマイシン、カルボン、キノメチオネート、クロロネブ、クフラネブ、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロスルファミド、ダゾメット、デブカルブ、ジクロロフェン、ジクロメジン、ジクロラン、ジフェンゾクアート、ジフェンゾクアートメチルスルフェート、ジフェニルアミン、エコマット、フェリムゾン、フルメトベル、フルオピコリド、フルオロミド、フルスルファミド、フルチアニル、ホセチルアルミニウム、ホセチルカルシウム、ホセチルナトリウム、ヘキサクロロベンゼン、イルママイシン、イソチアニル、メタスルフォカルブ、メチル(2E)−2−{2−[({シクロプロピル[(4−メトキシフェニル)イミノ]メチル}チオ)メチル]フェニル}−3−メトキシアクリレート、メチルイソチオシアネート、メトラフェノン、(5−クロロ−2−メトキシ−4−メチルピリジン−3−イル)(2,3,4−トリメトキシ−6−メチルフェニル)メタノン、ミルジオマイシン、トルニファニド、N−(4−クロロベンジル)−3−[3−メトキシ−4−(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)フェニル]プロパンアミド、N−[(4−クロロフェニル)(シアノ)メチル]−3−[3−メトキシ−4−(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)フェニル]プロパンアミド、N−[(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)メチル]−2,4−ジクロロピリジン−3−カルボキサミド、N−[1−(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)エチル]−2,4−ジクロロピリジン−3−カルボキサミド、N−[1−(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)エチル]−2−フルオロ−4−ヨードピリジン−3−カルボキサミド、N−{(Z)−[(シクロプロピルメトキシ)イミノ][6−(ジフルオロメトキシ)−2,3−ジフルオロフェニル]メチル}−2−フェニルアセトアミド、N−{(E)−[(シクロプロピルメトキシ)イミノ][6−(ジフルオロメトキシ)−2,3−ジフルオロフェニル]メチル}−2−フェニルアセトアミド、ナタマイシン、ニッケルジメチルジチオカルバメート、ニトロタール−イソプロピル、オクチリノン、オキサモカルブ、オキシフェンチイン、ペンタクロロフェノールおよびその塩、フェナジン−1−カルボン酸、フェノトリン、リン酸およびその塩、プロパモカルブフォセチレート、プロパノシン−ナトリウム、プロキナジド、ピロールニトリン、キントゼン、S−プロパ−2−エン−1−イル5−アミノ−2−(1−メチルエチル)−4−(2−メチルフェニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−1−カルボチオエート、テクロフタラム、テクナゼン、トリアゾキシド、トリクラミド、5−クロロ−N’−フェニル−N’−プロパ−2−イン−1−イルチオフェン−2−スルホノヒドラジド、ザリラミド、N−メチル−2−(1−{[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]アセチル}ピペリジン−4−イル)−N−[(1R)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド、N−メチル−2−(1−{[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]アセチル}ピペリジン−4−イル)−N−(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−1,3−チアゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[4−フルオロ−2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドおよびペンチル−{6−[({[(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)(フェニル)メチリデン]−アミノ}オキシ)メチル]ピリジン−2−イル}カルバメート。
【0209】
殺菌剤
ブロノポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、ニッケルジメチルジチオカルバメート、カスガマイシン、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅および他の銅調製。
【0210】
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤
「一般名称」により本明細書に挙げられる活性物質は、例えば「The Pesticide Manual」第14版、英国作物保護協議会2006およびウェブサイトhttp://www.alanwood.net/pesticidesから知られている。
(1)アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害剤、例えばカルバメート、例えばアラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メトミル、メトールカルブ、オキサミル、ピリミカルブ、プロポクサー、チオジカルブ、チオファノキス、トリアザメート、トリメタカルブ、XMCおよびキシリルカルブ;または
有機ホスフェート、例えばアセフェート、アザメチホス、アジンホス(−メチル、−エチル)、カズサホス、クロレトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス(−メチル)、クーマホス、シアノホス、デメトン−S−メチル、ダイアジノン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、ファンフル、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンチオン、ホースチアゼート、ヘプテノホス、イソフェンホス、イソプロピルO−(メトキシアミノチオ−ホスホリル)サリチレート、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート,オキシデメトン−メチル、パラチオン(−メチル)、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミホス(−メチル)、プロフェノホス、プロペタンホス、プロチオホス、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、キナルホス、スルホテプ、テブピリンホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリアザメート、トリクロルホンおよびバミドチオンなど。
(2)GABA制御塩化物チャネルアンタゴニスト、例えば、有機塩素、例えばクロルデンおよびエンドスルファン(アルファ−);またはフィプロール(フェニルピラゾール)、例えばエチプロール、フィプロニル、ピラフルプロールおよびピリプロールなど。
(3)ナトリウムチャネル修飾因子/電位依存性ナトリウムチャネル遮断薬、例えばピレスロイド、例えばアクリナトリン、アレスリン(d−シス−トランス、d−トランス)、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリン−S−シクロペンテニル、ビオレスメトリン、シクロプロトリン、シフルトリン(ベータ−)、シハロトリン(ガンマ−、ラムダ−)、シペルメトリン(アルファ−、ベータ−、シータ−、ゼータ−)、シフェノトリン[(1R)−トランス異性体]、デルタメトリン、ジメフルトリン、エンペントリン[(EZ)−(1R)異性体]、エスフェンバレレート、エトフェンプロキス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、フルバリネート(タウ−)、ハルフェンプロキス、イミプロトリン、メトフルトリン、ペルメトリン、フェノトリン[(1R)−トランス異性体]、プラレトリン、プロフルトリン、ピレトリン(除虫菊)、レスメトリン、RU15525、シラフルオフェン、テフルトリン、テトラメトリン[(1R)異性体]、トラロメトリン、トランスフルトリンおよびZXI 8901;またはDDT;またはメトキシクロルなど。
(4)ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト、例えばネオニコチノイド、例えばアセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアクロプリド、チアメトキサム;またはニコチンなど
(5)アロステリックアセチルコリン受容体修飾因子(アゴニスト)、例えばスピノシンス、例えばスピネトラムおよびスピノサドなど。
(6)塩化物チャネル活性化因子、例えばアベルメクチン/ミルベマイシン、例えばアバメクチン、エマメクチン安息香酸塩、レピメクチンおよびミルベメクチンなど。
(7)幼若ホルモン類似体、例えばヒドロプレン、キノプレン、メトプレン;またはフェノキシカルブ;ピリプロキシフェン。
(8)作用が不明または非特異的機序を持つ活性物質、例えば燻蒸剤、例えば臭化メチルおよび他のハロゲン化アルキル;またはクロロピクリン;フッ化スルフリル;ホウ砂;吐酒石など。
(9)選択的摂食阻害剤、例えばピメトロジン;またはフロニクアミド。
(10)ダニ成長阻害剤、例えばクロフェンテジン、ジフロビダジン、ヘキシチアゾキス、エトキサゾール。
(11)昆虫腸膜の微生物崩壊剤、例えばバキルルス・トゥリンギエンシス属腫イスラエレンシス(Bacillus thuringiensis subsp.israelensis)、バキルルス属種ハエリクス(Bacillus sphaericus)、バキルルス・トゥリンギエンシス属腫アイザワイ(Bacillus thuringiensis subsp.aizawai)、バキルルス・トゥリンギエンシス属腫クルスタキ(Bacillus thuringiensis subsp.kurstaki)、バキルルス・トゥリンギエンシス属腫テネブリオニス(Bacillus thuringiensis subsp.tenebrionis)、および BT 植物 タンパク質、例えばCrylAb、CrylAc、CrylFa、Cry2Ab、mCry3A、Cry3Ab、Cry3Bb、Cry34/35Ab1など。
(12)酸化的リン酸化阻害剤、ATP崩壊剤、例えばジアフェンチウロン;または有機スズ化合物、例えばアゾシクロスズ、シヘキサチン、フェンブタチンオキシド;またはプロパルギット;テトラジホンなど。
(13)Hプロトン勾配を妨害することによる酸化的リン酸化のデカップラー、例えばクロルフェナピルおよびDNOCなど。
(14)ニコチン性アセチルコリン受容体アンタゴニスト、例えば、ベンスルタプ、カルタップ(−塩酸塩)、チオシルアムおよびチオスルタプ(−ナトリウム)など。
(15)キチン生合成阻害剤、0型、例えばベンゾイル尿素、例えばビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロキスロン、フルフェノキスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、テフルベンズロンおよびトリフルムロンなど。
(16)キチン生合成阻害剤、1型、例えばブプロフェジンなど。
(17)脱皮破壊活性物質、例えばシロマジンなど。
(18)エクジソンアゴニスト/破壊剤、例えばジアシルヒドラジン、例えばクロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジドおよびテブフェノジドなど。
(19)オクトパミンアゴニスト、例えばアミトラズなど。
(20)部位III電子輸送阻害剤/部位II電子輸送阻害剤、例えばヒドラメチルノン;アセキノシル;フルアクリピリム;またはシフルメトフェンおよびシエノピラフェンなど。
(21)電子輸送阻害剤、例えばMETI殺ダニ剤の群からの部位−I電子輸送阻害剤、例えばフェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド;またはロテノン(デリス)など。
(22)電位依存性ナトリウムチャネル遮断薬、例えばインドキサカルブ;メタフルミゾン。
(23)アセチル−CoAカルボキシラーゼ阻害剤、例えばテトロン酸誘導体、例えばスピロジクロフェンおよびスピロメシフェン;またはテトラミン酸誘導体、例えばスピロテトラメートなど。
(24)部位−IV電子輸送阻害剤、例えばホスフィン、例えばリン化アルミニウム、リン化カルシウム、ホスフィン、リン化亜鉛;またはシアン化物など。
(28)リアノジン受容体エフェクター、例えばジアミド、例えばクロラントラニリプロール(リナキシピル)、シアントラニリプロール(シアジピル)およびフルベンジアミドなど。
【0211】
不明な作用機序を持つさらなる活性物質、例えば、アザジラクチン、アミドフルメト、ベンゾオキシメート、ビフェナゼート、キノメチオネート、氷晶石、ジコホール、フルフェネリム、ピリダリルおよびピリフルキナゾン;または以下の公知活性化合物など。
4−{[(6−ブロモピリド−3−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン(WO 2007/115644に開示されている。)、4−{[(6−フルオロピリド−3−イル)メチル](2,2−ジフルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン(WO 2007/115644に開示されている。)、4−{[(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン(WO 2007/115644に開示されている。)、4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン(WO 2007/115644に開示されている。)、4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](2,2−ジフルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン(WO 2007/115644に開示されている。)、4−{[(6−クロロ−5−フルオロピリド−3−イル)メチル](メチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン(WO 2007/115643に開示されている。)、4−{[(5,6−ジクロロピリド−3−イル)メチル](2−フルオロエチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン(WO 2007/115646に開示されている。)、4−{[(6−クロロ−5−フルオロピリド−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン−2(5H)−オン(WO 2007/115643に開示されている。)、4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](シクロプロピル)アミノ}フラン−2(5H)−オン(EP−A−0 539 588に開示されている。)、4−{[(6−クロロピリド−3−イル)メチル](メチル)アミノ}フラン−2(5H)−オン(EP−A−0 539 588に開示されている。)、[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアンアミド(WO 2007/149134に開示されている。)、[1−(6−クロロピリジン−3−イル)エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアンアミド(WO 2007/149134に開示されている。)ならびにこのジアステレオマー(A)および(B)
【0212】
【化37】

(同様にWO 2007/149134に開示されている。)、[(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)メチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアンアミド(WO 2007/095229に開示されている。)、スルホキサフロール(同様にWO 2007/149134に開示されている。)、11−(4−クロロ−2,6−ジメチルフェニル)−12−ヒドロキシ−1,4−ジオキサ−9−アザジスピロ[4.2.4.2]テトラデカ−11−エン−10−オン(WO 2006/089633に開示されている。)、3−(4’−フルオロ−2,4−ジメチルビフェニル−3−イル)−4−ヒドロキシ−8−オキサ−1−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン(WO 2008/067911に開示されている。)および1−{2,4−ジメチル−5−[(2,2,2−トリフルオロエチル)スルフィニル]フェニル}−3−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール(WO 1999/55668に開示されている。)。
【0213】
以下に続く実施例で本発明を詳細に記載するが、決して本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0214】
(実施例1)
酸素欠乏条件下にて栄養液中におけるトマトの根成長試験
該調製物の適当な溶液を調製するため、活性物質1重量部を水と混合して所望の濃度にする。
【0215】
トマト種子(ソラヌム・リコペルシクム(Solanum lycopersicum)「Rentita」)をロックウール中で成長させる。発芽後、ロックウールブロックを、調製物の溶液が供給されたフローティングボックス内に移し、適当な気候条件下で成長させ続ける。
【0216】
フローティングボックスの栄養液に曝気しなかった(酸素欠乏症ストレス)。
【0217】
所望の期間後、1トマト植物当たりの根の最大長を測定し、1フローティングボックスおよび1処理当たりの根の平均長を算出する。
【0218】
この試験において、本発明による化合物は対照より優れていることが明らかになった。
【0219】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の内因性防御を増強するため、ならびに/または植物成長を向上させるため、ならびに/または真菌、細菌、ウイルス、MLO(マイコプラズマ様生物)および/もしくはRLO(リケッチア様生物)により引き起こされる植物病に対する植物の抵抗性を増強するため、ならびに/または非生物的ストレス要因に対する植物の抵抗性を増強するための、スルホキシミンの部類から選択される少なくとも1種の化合物の使用。
【請求項2】
少なくとも1種のスルホキシミンが一般式(I)のスルホキシミンの部類から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の使用
【化1】

[式中、
XはNO、CNまたはCOORを表し、
Lは単結合を表し、
はC−C−アルキルを表し、または
、硫黄およびLは一緒になって、4員、5員もしくは6員環を表し、
およびRは互いに独立して、水素、メチル、エチル、フッ素、塩素もしくは臭素を表し、
または
およびRは一緒になって、−(CH−、−(CH−、−(CH−もしくは−(CH−を表し、およびこれらが結合している炭素原子と一緒になって、3員、4員、5員もしくは6員環を形成し、
nは0、1、2もしくは3を表し、
Yは以下の基
【化2】

(式中、
Zはハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−ハロアルコキシを表し、ならびに
はC−C−アルキルを表す。)
の1つを表す。]。
【請求項3】
少なくとも1種のスルホキシミンが
(I−1)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]メチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−2)、N−[6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル]メチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−3)、N−メチル(オキシド){[2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イル]メチル}−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−4)、N−メチル(オキシド){[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]メチル}−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−5)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−6)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミドジアステレオマー
(I−7)、N−[6−クロロピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミドジアステレオマー
(I−8)、N−[6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−9)、N−[6−(1,1−ジフルオロエチル)ピリド−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−10)、N−[6−ジフルオロメチルピリド−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−11)、N−メチル(オキシド){1−[2−(トリクロロメチル)ピリド−3−イル]エチル}−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−12)、N−メチル(オキシド){1−[2−(ペンタフルオロエチル)ピリド−3−イル]エチル}−λ−スルファニリデン−シアナミド
(I−13)、N−[6−クロロジフルオロメチルピリド−3−イル]エチル](メチル)オキシド−λ−スルファニリデン−シアナミド
(I−14)、N−メチル(オキシド){1−[2−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−イル]エチル}−λ−スルファニリデン−シアナミド
(I−15)、N−メチル(オキシド){1−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]シクロプロピル−λ−スルファニリデン−シアナミド
(I−16)、N−メチル(オキシド){1−(6−クロロピリジン−3−イル)シクロプロピル−λ−スルファニリデンシアナミド
(I−17)、N−2−(6−クロロピリジン−3−イル)−1−オキシドテトラヒドロ−1H−1λ−チエニリデンシアナミド
(I−18)、N−2−(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−1−オキシドテトラヒドロ−1H−1λ−チエニリデンシアナミド
(I−19)、N−1−オキソ−2−(2−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデンシアナミド
(I−20)、N−1−オキソ−2−(6−トリフルオロメチルピリド−3−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデン−シアナミド
(I−21)、N−1−オキソ−2−(6−クロロピリド−3−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデンシアナミド
(I−22)、N−1−オキソ−2−(6−クロロピリド−3−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデンシアナミドジアステレオマー
(I−23)、N−1−オキソ−2−(6−クロロピリド−3−イルメチル)テトラヒドロ−1−λ−チオフェン−1−イリデンシアナミドジアステレオマー
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
少なくとも1種のスルホキシミンで処理される植物がトランスジェニックであることを特徴とする、請求項1から3の一項に記載の使用。
【請求項5】
生物的または非生物的ストレス要因から植物を保護するための、請求項1から4の一項に記載の使用。
【請求項6】
少なくとも1種のスルホキシミンが少なくとも1種の肥料と組み合わせて使用されることを特徴とする、請求項1から5の一項に記載の使用。
【請求項7】
種子および発芽中の植物を保護するため、植物の内因性防御を増強するため、ならびに/または植物成長を向上させるため、ならびに/または真菌、細菌、ウイルス、MLO(マイコプラズマ様生物)および/もしくはRLO(リケッチア様生物)により引き起こされる植物病に対する植物の耐性を増加させるための、スルホキシミンの部類から選択される少なくとも1種の化合物の使用。
【請求項8】
栄養液が種子および/または発芽中の植物の処理のために使用され、少なくとも1種のスルホキシミンが前記栄養液の全重量に対して0.0005重量%から0.025重量%の量で存在することを特徴とする、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
種子および/または発芽中の植物の処理のために使用される少なくとも1種のスルホキシミンが、請求項2または3に記載の一般式(I)のスルホキシミンであることを特徴とする、請求項7または8に記載の使用。
【請求項10】
植物がフローティング法で成長することを特徴とする、請求項7から9の一項に記載の使用。
【請求項11】
植物の内因性防御を増強する、ならびに/または植物成長を向上させる、ならびに/または真菌、細菌、ウイルス、MLO(マイコプラズマ様生物)および/もしくはRLO(リケッチア様生物)により引き起こされる植物病に対する植物の耐性を増強するのに有効である量の少なくとも1種のスルホキシミン、特に請求項2または3に記載の一般式(I)のスルホキシミンを含む、植物および/または発芽中の植物を成長させるための栄養液。
【請求項12】
栄養液における少なくとも1種のスルホキシミンの含有量が前記栄養液の全重量に対して0.0005重量%から0.025重量%に相当することを特徴とする、請求項11に記載の栄養液。
【請求項13】
植物の内因性防御を増強するため、ならびに/または植物成長を向上させるため、ならびに/または真菌、細菌、ウイルス、MLO(マイコプラズマ様生物)および/もしくはRLO(リケッチア様生物)により引き起こされる植物病に対する植物の耐性を増強するための、請求項11または12の一項に記載の栄養液の使用。
【請求項14】
種子を含む繁殖器官から植物を成長させるための、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
植物におけるPRタンパク質を誘発するための、スルホキシミンの部類、特に請求項2または3の一項に記載の少なくとも1種の一般式(I)のスルホキシミンの部類から選択される少なくとも1種の化合物の使用。
【請求項16】
植物が、芝生;つる植物;コムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、イネ、トウモロコシおよびアワ/ソルガムなどの穀類;サトウダイコンおよび飼料用ビートなどのビート;リンゴ、セイヨウナシ、セイヨウスモモ、モモ、アーモンド、サクランボ、およびイチゴ、ラズベリー、ブラックベリーなどのベリーなどの、仁果、核果および軟果実などの果実;マメ、レンズマメ、エンドウマメおよびダイズなどのマメ科植物;アブラナ、カラシナ、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、トウゴマ、カカオ豆およびピーナッツなどの油料作物;カボチャ/スクワッシュ、キュウリおよびメロンなどのウリ科植物;綿、亜麻、麻および黄麻などの繊維植物;オレンジ、レモン、グレープフルーツおよびタンジェリンなどの柑橘類果実;ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ種、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモおよびピーマンなどの野菜;アボカド、ニッケイ属、樟脳などのクスノキ科;タバコ;木の実;コーヒー;ナス;サトウキビ;茶;コショウ;ブドウ;ホップ;バナナ;天然ゴム植物ならびに花卉、低木、落葉樹および針葉樹などの観葉植物であることを特徴とする、請求項1から10または請求項13から15の一項に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−500816(P2012−500816A)
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−524237(P2011−524237)
【出願日】平成21年8月17日(2009.8.17)
【国際出願番号】PCT/EP2009/006064
【国際公開番号】WO2010/022897
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(507203353)バイエル・クロップサイエンス・アーゲー (172)
【氏名又は名称原語表記】BAYER CROPSCIENCE AG
【Fターム(参考)】