説明

植物栽培施設内陽圧型熱交換機

【課題】本発明は、従来よりも少ない燃料で短時間で栽培施設内を暖めることができ、効率よく温度管理をすることができる植物栽培施設内陽圧型熱交換機を提供する。
【解決手段】本発明は、植物栽培施設内に暖かい空気を取り入れる植物栽培施設内陽圧型熱交換機であって、植物栽培施設内に設置され、植物栽培施設内を暖める燃料燃焼式の暖房機と接続管を介して接続され、暖房機からの排気を植物栽培施設外に排出する排気管を接続した内室と、内室を囲み、植物栽培施設外から空気を取り入れる吸気口と取り入れた空気を内室の表面熱に接触させ暖めた後に、植物栽培施設内に吐出する吐出口を備えた箱体とからなることを特徴とする植物栽培施設内陽圧型熱交換機の構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物栽培施設内に暖かい空気を取り入れる植物栽培施設内陽圧型熱交換機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビニールハウス等の植物栽培施設は、冬場などの外気温が低い時期には、前記施設内に暖房機を設置し、直接施設内を暖めていた。
【0003】
しかしながら、従来のような栽培施設内の暖め方法では、植物栽培施設内の空気を使って重油を燃焼し、発生する排気ガスを排気管を介して施設外に排出しているため、施設内の気圧が下がり、それにより施設の隙間等から冷たい外気が侵入してくるため、施設内が暖まるまでに時間がかかるという問題があった。
【0004】
また、前記栽培施設がビニールハウスであった場合、壁面の隙間は多く、更に施設内を暖める時間がかかると共に一定温度を維持するために多くの燃料を要していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−15655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、従来よりも少ない燃料で短時間で栽培施設内を暖めることができ、効率よく温度管理をすることができる植物栽培施設内陽圧型熱交換機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために、植物栽培施設内に暖かい空気を取り入れる植物栽培施設内陽圧型熱交換機であって、前記植物栽培施設内に設置され、前記植物栽培施設内を暖める燃料燃焼式の暖房機と接続管を介して接続され、前記暖房機からの排気を前記植物栽培施設外に排出する排気管を接続した内室と、前記内室を囲み、前記植物栽培施設外から空気を取り入れる吸気口と取り入れた空気を前記内室の表面熱に接触させ暖めた後に、前記植物栽培施設内に吐出する吐出口を備えた箱体とからなることを特徴とする植物栽培施設内陽圧型熱交換機の構成とした。
【0008】
また、前記箱体は、長手方向に複数の側面を有し、前記箱体内に吸引される前記空気は各側面と前記内室との間を1度通過し、前記箱体の長手方向の端面部で進行方向を他の流れと混じることなく変更することを特徴とする植物栽培施設内陽圧型熱交換機の構成とした。
【0009】
また、前記箱体を、長手方向と平行に第一壁及び第二壁を設けて前記箱体内を3つの空間に分け、前記第一壁及び第二壁で挟まれた空間に前記内室を前記箱体の長手方向と平行且つ前記内室の長手方向の両端外壁面が前記箱体の長手方向の両端内壁面と非接触に配置し、前記内室の長手方向の一端の外壁面と前記箱体の一端の内壁面の間の空間に、前記第一壁及び第二壁と垂直に第三壁を設けて、前記空間を上下に分け、更に、前記第三壁により分けられた下側の空間と接触する前記第一壁の壁面を開口し、前記第三壁により分けられたの上側の空間と接触する前記第二壁の壁面を開口させ、前記箱体と第一壁で形成された空間の前記第一壁に設けた前記開口の反対側の前記箱体に前記吸気口を設け、前記箱体と第二壁で形成された空間の前記第二壁に設けた前記開口の反対側の前記箱体に前記排気口を設けて、前記箱体内に箱体内を蛇行する空気の通路を形成した箱体とし、前記吸気口から箱体内に取り入れた空気が箱体内を蛇行する間に前記暖房機の排気の排出経路となる内室に接触して暖められて吐出口から前記植物栽培施設内に吐出されることを特徴とする植物栽培施設内陽圧型熱交換機の構成とした。
【0010】
また、植物栽培施設内に暖かい空気を取り入れる植物栽培施設内陽圧型熱交換機であって、前記植物栽培施設内に設置され、前記植物栽培施設内を暖める燃料燃焼式の暖房機と接続管を介して接続され、前記暖房機からの排気を前記植物栽培施設外に排出する排気管を接続した内室と、
前記植物栽培施設外の空気を取り入れる前記内室の中央を横断した導入管、前記導入管に連通し導入管より取り入れた空気を前記内室の表面熱に接触させ暖める前記内室の周囲に設けた通路及び前記前記通路の終わりに設けて暖めた空気を前記植物栽培施設内に吐出する吐出口を備えた箱体とからなることを特徴とする植物栽培施設内陽圧型熱交換機の構成とした。
【0011】
また、前記箱体は、長手方向に複数の側面を有し、前記箱体内に吸引される前記空気は内室の内部及び各側面と前記内室との間を1度通過し、前記箱体の長手方向の端面部で進行方向を他の流れと混じることなく変更することを特徴とする植物栽培施設内陽圧型熱交換機の構成とした。
【0012】
また、前記箱体を、長手方向と平行に第一内壁及び第二内壁を設けて前記箱体内を3つの空間に分け、前記第一内壁及び第二内壁で挟まれた空間に前記内室を前記箱体の長手方向と平行且つ前記内室の長手方向の底面以外の面が前記箱体の長手方向の内壁面と非接触に配置し、前記第一内壁と前記箱体の前記第一内壁と平行の面に挟まれた空間を第三の通路とし、前記第二内壁と前記箱体の前記第二内壁と平行の面に挟まれた空間を第七の通路とし、前記内室の長手方向の一端の外壁面と前記箱体の一端の内壁面の間の空間に第三内壁を設けて、前記空間を2つに分け、更に前記第三内壁により分けられた一方の空間と接触する前記第一内壁の壁面を開口させ第二の通路とし、前記第三内壁により分けられた他方の空間と接触する前記第二内壁を開口させ第六の通路とし、前記第三内壁とは反対側で前記箱体10の長手方向端部と前記内室の長手方向端部で挟まれた空間を第四の通路とし、
前記第一内壁、前記第二内壁、内室の上面及び箱体の上面で囲まれた空間を第五の通路とし、
前記箱体の長手方向の端部中央から前記内室の第三内壁側の端部にかけて内部を第一の通路とした導入管を挿通して前記導入管の端部を前記第二の通路に連通し、
前記第六の通路とは反対側の第七の通路の端部に前記吐出口設けて、
前記導入管から取入れた空気が前記箱体及び内室の内部を蛇行する間に前記暖房機からの排気により暖められて前記吐出口から前記植物栽培施設内に吐出されることを特徴とする植物栽培施設内陽圧型熱交換機の構成とした。
【0013】
また、前記吸気口にジョイントを介して空気を取り入れるためのシロッコファンを取り付け、 更に前記シロッコファンに植物栽培施設外の空気を取り入れる吸気管を取り付けたことを特徴とする植物栽培施設内陽圧型熱交換機の構成とした。
【0014】
また、前記暖房機の排気量より、前記植物栽培施設内に吸引される空気量を多く制御したことを特徴とする植物栽培施設内陽圧型熱交換機の構成とした。
【0015】
更に、前記制御を、前記排気量、空気量を測定し、常に、排気量<吸気量の関係式が成り立つよう、前記シロッコファンの駆動を制御し前記空気の吸引量を調節することを特徴とする植物栽培施設内陽圧型熱交換機。の構成とした。
【0016】
加えて、前記吸気管の前記植物栽培施設外の端部を、下方に向け屈曲させたことを特徴とする植物栽培施設内陽圧型熱交換機。の構成とした。
【0017】
暖房機の排熱を利用して外気を暖め、植物栽培施設内に暖かい空気を送り、前記植物栽培施設内を陽圧にして、植物栽培施設8外の冷気が前記植物栽培施設内に侵入することを防ぎながら植物栽培施設内を暖めることを特徴とする植物栽培施設の暖房方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上記のような構成であるため、従来よりも少ない燃料で短時間で栽培施設内を暖めることができる。
【0019】
また、冷たい外気の侵入を抑えることができるため、効率よく施設内の温度を一定に保つことができる。
【0020】
更に、従来から使用している暖房機に取り付けることができるため、設置費用に巨額を投じることなく設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機の斜視透過図である。
【図2】本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機のA−A線断面図である。
【図3】本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機のB−B線断面図である。
【図4】本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機のC−C線断面図である。
【図5】本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機のD−D線断面図である。
【図6】本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機を使用した植物栽培施設の全体図である。
【図7】本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機内での空気の流れを示した図である。
【図8】本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機の第二実施例の斜視透過図である。
【図9】本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機の第二実施例のA−A線断面図である。
【図10】本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機の第二実施例のB−B線断面図である。
【図11】本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機の第二実施例のC−C線断面図である。
【図12】本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機の第二実施例のD−D線断面図である。
【図13】本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機の第二実施例を使用した植物栽培施設の全体図である。
【図14】本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機の第二実施例内での空気の流れを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照し、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
図1は本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機の斜視透過図、図2は植物栽培施設内陽圧型熱交換機のA−A線断面図、図3は植物栽培施設内陽圧型熱交換機のB−B線断面図、図4は植物栽培施設内陽圧型熱交換機のC−C線断面図、図5は植物栽培施設内陽圧型熱交換機のD−D線断面図、図6は植物栽培施設内陽圧型熱交換機を使用した植物栽培施設の全体図、図7は植物栽培施設内陽圧型熱交換機内での空気の流れを示した図である。
【0024】
図1から図6に示すように、本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機1は、植物栽培施設8内に暖かい空気を取り入れる植物栽培施設内陽圧型熱交換機1であって、前記植物栽培施設8内に設置され、前記植物栽培施設8内を暖める燃料燃焼式の暖房機5と接続管3aを介して接続され、前記暖房機5からの排気を前記植物栽培施設8外に排出する排気管3bを接続した内室3と、
前記内室3を囲み、前記植物栽培施設8外から空気を取り入れる吸気口2aと取り入れた空気を前記内室3の表面熱に接触させ暖めた後に、前記植物栽培施設8内に吐出する吐出口2bを備えた箱体2とからなる。
【0025】
図1に示すように、前記箱体2は、長手方向に複数の側面を有し、前記箱体2内に吸引される前記空気は各側面と前記内室3との間を1度通過し、前記箱体2の長手方向の端面部で進行方向を他の流れと混じることなく変更し前記吐出口2bから植物栽培施設8内に吐出される。
【0026】
図1から図5及び図7に示すように、前記箱体2の内部は、長手方向と平行に第一壁7及び第二壁7aを設けて前記箱体2内を3つの空間に分けられており、前記第一壁7及び第二壁7aで挟まれた空間に前記内室3を前記箱体2の長手方向と平行且つ前記内室3の長手方向の両端外壁面が前記箱体2の長手方向の両端内壁面と非接触に配置されている。
【0027】
また、前記内室3の長手方向の一端の外壁面と前記箱体2の一端の内壁面の間の空間には、前記第一壁7及び第二壁7aと垂直となるように第三壁7bを設けて、前記空間を上下に分けている。
【0028】
更に、前記第三壁7bにより分けられた下側の空間と接触する前記第一壁7の壁面を開口し、前記第三壁7bにより分けられたの上側の空間と接触する前記第二壁7aの壁面を開口している。
【0029】
前記箱体2と前記第一壁7で形成された空間の前記第一壁7に設けた前記開口の反対側の前記箱体には前記吸気口2aを形成し、前記箱体2と第二壁7aで形成された空間の前記第二壁7aに設けた前記開口の反対側の前記箱体2には前記吐出口2bを形成し、前記箱体2内に箱体2内を蛇行する空気の通路を形成している。
【0030】
尚、吸気口2aを備え、前記箱体2と前記第一壁7で形成された部分を第一通路2cとし、前記第一壁7の開口から前記第三壁7bの下側の空間を第二通路2dとし、前記内室3の底面と前記第一壁7及び第二壁7aで形成された部分を第三通路2eとし、前記内室3の上面と前記第一壁7及び第二壁7aで形成された部分を第五通路2gとし、前記第三通路2eと第五通路2gを結ぶ部分を第四通路2fとし、前記第二壁7aの開口から前記第三壁7bの上側の空間を第六通路2hとし、前記吐出口2bを備え、前記箱体2と前記第二壁7aで形成された部分を第七通路2iとした。
【0031】
以上のような通路を備えた箱体2において、吸気口2aから箱体2内に侵入する空気は、前記第一通路2cを通過して前記第一壁7の開口へ向かい、前記第一壁7の開口から前記第二通路2dへ移動する。そして、前記第二通路2dから前記第三通路2eを通過して、前記第四通路2f内を上昇して前記第五通路2gへ移動し、前記第五通路2gから前記第六通路2hへ移動する。更に前記第六通路2hから前記第二壁7aの開口を通り前記第七通路2iへ侵入し、前記吐出口2bから吐出される。
【0032】
箱体2内に侵入する空気は、上述のように箱体2内を蛇行して前記吐出口2bから吐出されるが、前記侵入空気は箱体2内を蛇行する過程で常に前記暖房機5の排気の排気経路となる内室3の外壁面に接触することで暖められるため、前記吐出口2bから吐出されるまでには暖められている。
【0033】
尚、前記吐出口2bに取り付けた板2jは、必須の部材ではないが、図1に示すように吐出口2bに取り付けることで吐出口2bから吐出される暖かい空気が吐出と同時に前記板2jに当たり、前記吸気口2aとは反対側に向かう空気の流れを作り出し、植物栽培施設8内に拡散するため、前記施設内を効率よく暖めることができる。
【0034】
図6に示すように、本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機1は、植物栽培施設8内に設置され、前記植物栽培施設内陽圧型熱交換機1の内室3と従来から設置されている暖房機5を接続管3aで接続し、更に前記内室3に排気管3bを取り付けて、前記排気管3bの他端が植物栽培施設8外に位置するように設置する。
【0035】
そして、前記吸気口2aにジョイント6bを介してシロッコファン6を接続し、更に前記シロッコファン6に吸気管6aを接続する。前記吸気管6aの他端は植物栽培施設8外に位置しており、前記シロッコファン6を作動させて外気を吸引し、前記箱体2内に外気を送り込むことができる。尚、前記吸気管6aの植物栽培施設8外側の他端についても雨水やゴミの侵入を防ぐために下方に向いている方が良い。
【0036】
図1及び図6に示すように、本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機1には、コンビネーションコントローラー4が取り付けられており、前記コンビネーションコントローラー4は植物栽培施設内陽圧型熱交換機1内の温度を感知する温度センサーと植物栽培施設内陽圧型熱交換機1内の過熱防止のための前記植物栽培施設内陽圧型熱交換機1の作動制御装置を備えている。
【0037】
以上のように、前記コンビネーションコントローラー4は、植物栽培施設内陽圧型熱交換機の温度を感知して、前記シロッコファンのON/OFFを制御する装置であり、また、過熱時に前記暖房機5のバーナーを止める役割をしている。
【0038】
前記暖房機5から排出される排気量よりも、前記植物栽培施設内陽圧型熱交換機1を通して植物栽培施設8内に吐出される空気量を多くすることで、従来問題となっていた植物栽培施設の隙間からの外気の侵入を抑えることができ、より効率よく植物栽培施設8内を暖めることができるため、常に排気量<吸気量の関係式が成り立つよう、前記シロッコファンの駆動を制御させた。
【実施例2】
【0039】
次に、図8から図14を使用して、本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機の第二実施例を説明することとする。
【0040】
図8は本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機の第二実施例の斜視透過図、図9は植物栽培施設内陽圧型熱交換機の第二実施例のA−A線断面図、図10は植物栽培施設内陽圧型熱交換機の第二実施例のB−B線断面図、図11は植物栽培施設内陽圧型熱交換機の第二実施例のC−C線断面図、図12は植物栽培施設内陽圧型熱交換機の第二実施例のD−D線断面図、図13は植物栽培施設内陽圧型熱交換機の第二実施例を使用した植物栽培施設の全体図、図14は植物栽培施設内陽圧型熱交換機の第二実施例内での空気の流れを示した図である。
【0041】
図8から図14に示すように、本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機1aは、植物栽培施設内に暖かい空気を取り入れる植物栽培施設内陽圧型熱交換機1aであって、前記植物栽培施設17内に設置され、前記植物栽培施設17内を暖める燃料燃焼式の暖房機13と接続管11aを介して接続され、前記暖房機13からの排気を前記植物栽培施設17外に排出する排気管11bを接続した内室11と、前記植物栽培施設17外の空気を取り入れる前記内室11の中央を横断した導入管11c、前記導入管11cに連通し導入管11cより取り入れた空気を前記内室11の表面熱に接触させ暖める前記内室11の周囲に設けた通路及び前記前記通路の終わりに設けて暖めた空気を前記植物栽培施設17内に吐出する吐出口10bを備えた箱体10とからなる。
【0042】
図8に示すように、前記箱体10は、長手方向に複数の側面を有し、前記箱体10内に吸引される前記空気は内室11の内部及び各側面と前記内室11との間を1度通過し、前記箱体10の長手方向の端面部で進行方向を他の流れと混じることなく変更し前記吐出口10bから植物栽培施設17内に吐出される。
【0043】
図8から図12及び図14に示すように、前記箱体10の内部は、長手方向と平行に第一内壁15及び第二内壁15aを設けて前記箱体10内を3つの空間に分けており、前記第一内壁15及び第二内壁15aで挟まれた空間に前記内室11を前記箱体10の長手方向と平行且つ前記内室11の長手方向の底面以外の面が前記箱体(10)の長手方向の底面以外の面と非接触に配置されている。即ち、前記内室11の底面のみが前記箱体10の底面と接触している。また、前記内室11の底面は前記箱体10の中央に位置している。
【0044】
前記第一内壁15と前記箱体10の前記第一内壁15と平行且つ最も近い面に挟まれた空間を第三の通路10eとし、前記第二内壁15aと前記箱体10の前記第二内壁15aと平行且つ最も近い面に挟まれた空間を第七の通路10iとした。
【0045】
また、前記内室11の長手方向の一端の外壁面と前記箱体10の一端の内壁面の間の空間に第三内壁15bを設けて、前記空間を2つに分け、更に前記第三内壁15bにより分けられた一方の空間と接触する前記第一内壁15の壁面を開口させ第二の通路10dとし、前記第三内壁15bにより分けられた他方の空間と接触する前記第二内壁15aを開口させ第六の通路10hとし、前記第三内壁15bとは反対側で前記箱体10の長手方向端部と前記内室11の長手方向端部で挟まれた空間を第四の通路10fとし、前記第一内壁15、前記第二内壁15a、内室11の上面及び箱体10の上面で囲まれた空間を第五の通路10gとした。
【0046】
更に、前記箱体10の長手方向の端部中央から前記内室11の第三内壁15b側の端部にかけて内部を第一の通路10cとした導入管11cを挿通して前記導入管11cの端部を前記第二の通路10dに連通し、前記第六の通路10hとは反対側の第七の通路10iの端部に前記吐出口10b設けた。
【0047】
以上のように、前記箱体10内は、複数の内壁を設けて箱体10内の両端を行ったり来たりする通路が設けられており、前記導入管11cから取入れた空気は前記箱体10及び内室11の内部を蛇行する間に前記暖房機13からの排気により暖められて前記吐出口10bから前記植物栽培施設17内に吐出される。
【0048】
前記箱体10内に取り入れられる空気がどのように暖められて吐出口10bから排出されるかについて、まず、空気が導入管11cから取り入れられて前記第一の通路10cを進む過程では、前記導入管11cが暖房機13からの排気が通過する内室11の中央を縦断してしているため前記導入管11cは排気に包まれて暖められた状態となっており、取り入れた空気は、まず前記導入管11c内を通過する際に暖められる。
【0049】
そして、前記暖められた空気は、前記導入管11c(第一の通路10c)の端部から前記第二の通路10dへ排出され、前記第二の通路10dで折返して前記第三の通路10eへ流れる。前記第二の通路10dも第三の通路10eも前記内室11の外壁面の一部を通路の壁面としているため、前記第一の通路10cで暖められた空気は前記第二及び第三通路10d、10eを通過する際も内室11の壁面と接触により引き続き暖められる。
【0050】
引き続き暖められている空気は、その後、前記第三の通路10eから前記第四の通路10fで折返して前記第五の通路10gへ流れ、前記第六の通路10hへ向かい、前記第六の通路10hで再び折り返して前記第七の通路10iへ流れる。
【0051】
前記第四から第七の通路(10f、10g、10h、10i)も前記内室11の外壁面の一部を通路の壁面としているため、前記第一の通路10cから第三の通路10eで暖められ続けた空気は、更に引き続き内室11の壁面と接触することで暖められる。
【0052】
以上のように、前記箱体10内に導入管11cを介して取り入れた空気は、前記第一の通路10cから第七の通路10iを通過する際に常に排気又は排気が通過する内室11の壁面により暖められて、前記第七の通路10iの端部に形成した吐出口10bから排出される際には非常に暖かい空気となっている。
【0053】
尚、図8に示すように、前記箱体10に穿設した導入管11cを挿通するための孔を挿通孔10aとし、前記内室11に穿設した導入管11cを挿通するための孔を挿入孔11dとした。また、符号11eは前記導入管11cの端部の開口を示している。
【0054】
また、前記吐出口10bに取り付けた板10jは、必須の部材ではないが、図9に示すように吐出口10bに取り付けることで吐出口10bから吐出される暖かい空気が吐出と同時に前記板10jに当たり、前記導入管11cとは反対側に向かう空気の流れを作り出し、植物栽培施設17内に拡散するため、前記施設内を効率よく暖めることができる。
【0055】
また、図8に示すように、前記内室11の底面中央には扉10kが取り付けられており、前記扉10kを開けることにより、前記内室11の内部を清掃することができる。尚、前記箱体10の底面の四隅に脚16を設けた。これにより前記内室11の扉10kを開けて前記内室11を清掃する際に箱体10の下に人が入ることができ、より清掃メンテナンス作業がしやすくなる。
【0056】
図13に示すように、本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機1aは、植物栽培施設17内に設置され、前記内室11と従来から設置されている暖房機13を接続管11aで接続し、更に前記内室11に排気管11bを取り付けて、前記排気管11bの他端が植物栽培施設17外に位置するように設置されている。
【0057】
そして、前記導入管11cにシロッコファン14を接続し、更に前記シロッコファン14に吸気管14aを接続する。前記吸気管14aの他端は植物栽培施設17外に位置しており、前記シロッコファン14を作動させて外気を吸引し、前記箱体10内に外気を送り込むことができる。尚、前記吸気管14aの植物栽培施設17外側の他端についても雨水やゴミの侵入を防ぐために下方に向いている方が良い。
【0058】
図8及び図13に示すように、前記植物栽培施設内陽圧型熱交換機1aの箱体10には、コンビネーションコントローラー12が取り付けられており、前記コンビネーションコントローラー12は植物栽培施設内陽圧型熱交換機1a内の温度を感知する温度センサーと植物栽培施設内陽圧型熱交換機1a内の過熱防止のための前記植物栽培施設内陽圧型熱交換機1aの作動制御装置を備えている。
【0059】
以上のように、前記コンビネーションコントローラー12は、植物栽培施設内陽圧型熱交換機1aの温度を感知して、前記シロッコファン14のON/OFFを制御する装置であり、また、過熱時に前記暖房機13のバーナーを止める役割をしている。
【0060】
また、前記暖房機13から排出される排気量よりも、前記植物栽培施設内陽圧型熱交換機1aを通して植物栽培施設17内に吐出される空気量(即ち、吸気量)が多くなるように、前記シロッコファン14の駆動を制御し、植物栽培施設の隙間からの冷たい外気の侵入を抑えた。これにより、効率よく植物栽培施設17内を暖めることができ、暖房機13の燃料を無駄にすることがない。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明である植物栽培施設内陽圧型熱交換機は、従来よりも少ない燃料で効率よく植物栽培施設内を暖めることができるため、植物栽培施設を使用する多くの領域に多大な貢献をもたらす。
【符号の説明】
【0062】
1 植物栽培施設内陽圧型熱交換機
1a 植物栽培施設内陽圧型熱交換機
2 箱体
2a 吸気口
2b 吐出口
2c 第一通路
2d 第二通路
2e 第三通路
2f 第四通路
2g 第五通路
2h 第六通路
2i 第七通路
2j 板
3 内室
3a 接続管
3b 排気管
4 コンビネーションコントローラー
5 暖房機
6 シロッコファン
6a 吸気管
6b ジョイント
7 第一壁
7a 第二壁
7b 第三壁
8 植物栽培施設
10 箱体
10a 挿通孔
10b 吐出口
10c 第一の通路
10d 第二の通路
10e 第三の通路
10f 第四の通路
10g 第五の通路
10h 第六の通路
10i 第七の通路
10j 板
10k 扉
11 内室
11a 接続管
11b 排気管
11c 導入管
11d 挿入孔
11e 開口
12 コンビネーションコントローラー
13 暖房機
14 シロッコファン
14a 吸気管
15 第一内壁
15a 第二内壁
15b 第三内壁
16 脚
17 植物栽培施設

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物栽培施設内に暖かい空気を取り入れる植物栽培施設内陽圧型熱交換機であって、前記植物栽培施設内に設置され、前記植物栽培施設内を暖める燃料燃焼式の暖房機と接続管を介して接続され、前記暖房機からの排気を前記植物栽培施設外に排出する排気管を接続した内室と、前記内室を囲み、前記植物栽培施設外から空気を取り入れる吸気口と取り入れた空気を前記内室の表面熱に接触させ暖めた後に、前記植物栽培施設内に吐出する吐出口を備えた箱体と、からなることを特徴とする植物栽培施設内陽圧型熱交換機。
【請求項2】
前記箱体は、長手方向に複数の側面を有し、前記箱体内に吸引される前記空気は各側面と前記内室との間を1度通過し、前記箱体の長手方向の端面部で進行方向を他の流れと混じることなく変更することを特徴とする請求項1に記載の植物栽培施設内陽圧型熱交換機。
【請求項3】
前記箱体を、長手方向と平行に第一壁及び第二壁を設けて前記箱体内を3つの空間に分け、前記第一壁及び第二壁で挟まれた空間に前記内室を前記箱体の長手方向と平行且つ前記内室の長手方向の両端外壁面が前記箱体の長手方向の両端内壁面と非接触に配置し、 前記内室の長手方向の一端の外壁面と前記箱体の一端の内壁面の間の空間に、前記第一壁及び第二壁と垂直に第三壁を設けて、前記空間を上下に分け、更に、前記第三壁により分けられた下側の空間と接触する前記第一壁の壁面を開口し、前記第三壁により分けられたの上側の空間と接触する前記第二壁の壁面を開口させ、前記箱体と第一壁で形成された空間の前記第一壁に設けた前記開口の反対側の前記箱体に前記吸気口を設け、前記箱体と第二壁で形成された空間の前記第二壁に設けた前記開口の反対側の前記箱体に前記吐出口を設けて、前記箱体内に箱体内を蛇行する空気の通路を形成した箱体とし、前記吸気口から箱体内に取り入れた空気が箱体内を蛇行する間に前記暖房機の排気の排出経路となる内室に接触して暖められて吐出口から前記植物栽培施設内に吐出されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の植物栽培施設内陽圧型熱交換機。
【請求項4】
植物栽培施設内に暖かい空気を取り入れる植物栽培施設内陽圧型熱交換機であって、
前記植物栽培施設内に設置され、前記植物栽培施設内を暖める燃料燃焼式の暖房機と接続管を介して接続され、前記暖房機からの排気を前記植物栽培施設外に排出する排気管を接続した内室と、
前記植物栽培施設外の空気を取り入れる前記内室の中央を横断した導入管、前記導入管に連通し導入管より取り入れた空気を前記内室の表面熱に接触させ暖める前記内室の周囲に設けた通路及び前記前記通路の終わりに設けて暖めた空気を前記植物栽培施設内に吐出する吐出口を備えた箱体とからなることを特徴とする植物栽培施設内陽圧型熱交換機。
【請求項5】
前記箱体は、長手方向に複数の側面を有し、前記箱体内に吸引される前記空気は内室の内部及び各側面と前記内室との間を1度通過し、前記箱体の長手方向の端面部で進行方向を他の流れと混じることなく変更することを特徴とする請求項9に記載の植物栽培施設内陽圧型熱交換機。
【請求項6】
前記箱体を、長手方向と平行に第一内壁及び第二内壁を設けて前記箱体内を3つの空間に分け、前記第一内壁及び第二内壁で挟まれた空間に前記内室を前記箱体の長手方向と平行且つ前記内室の長手方向の底面以外の面が前記箱体の長手方向の内壁面と非接触に配置し、
前記第一内壁と前記箱体の前記第一内壁と平行の面に挟まれた空間を第三の通路とし、
前記第二内壁と前記箱体の前記第二内壁と平行の面に挟まれた空間を第七の通路とし、
前記内室の長手方向の一端の外壁面と前記箱体の一端の内壁面の間の空間に第三内壁を設けて、前記空間を2つに分け、更に前記第三内壁により分けられた一方の空間と接触する前記第一内壁の壁面を開口させ第二の通路とし、前記第三内壁により分けられた他方の空間と接触する前記第二内壁を開口させ第六の通路とし、
前記第三内壁とは反対側で前記箱体の長手方向端部と前記内室の長手方向端部で挟まれた空間を第四の通路とし、
前記第一内壁、前記第二内壁、内室の上面及び箱体の上面で囲まれた空間を第五の通路とし、
前記箱体の長手方向の端部中央から前記内室の第三内壁側の端部にかけて内部を第一の通路とした導入管を挿通して前記導入管の端部を前記第二の通路に連通し、
前記第六の通路とは反対側の第七の通路の端部に前記吐出口設けて、
前記導入管から取入れた空気が前記箱体及び内室の内部を蛇行する間に前記暖房機からの排気により暖められて前記吐出口から前記植物栽培施設内に吐出されることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の植物栽培施設内陽圧型熱交換機。
【請求項7】
前記吸気口にジョイントを介して空気を取り入れるためのシロッコファンを取り付け、更に前記シロッコファンに植物栽培施設外の空気を取り入れる吸気管を取り付けたことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の植物栽培施設内陽圧型熱交換機。
【請求項8】
前記暖房機の排気量より、前記植物栽培施設内に吸引される空気量を多く制御したことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の植物栽培施設内陽圧型熱交換機。
【請求項9】
前記制御を、前記排気量、空気量を測定し、常に、排気量<吸気量の関係式が成り立つよう、前記シロッコファンの駆動を制御し前記空気の吸引量を調節することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の植物栽培施設内陽圧型熱交換機。
【請求項10】
前記吸気管の前記植物栽培施設外の端部を、下方に向け屈曲させたことを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の植物栽培施設内陽圧型熱交換機。
【請求項11】
暖房機の排熱を利用して外気を暖め、植物栽培施設内に暖かい空気を送り、前記植物栽培施設内を陽圧にして、植物栽培施設外の冷気が前記植物栽培施設内に侵入することを防ぎながら植物栽培施設内を暖めることを特徴とする植物栽培施設の暖房方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−51954(P2013−51954A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247093(P2011−247093)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(308008281)
【Fターム(参考)】