説明

植物育成装置

【課題】家庭内において容易に無農薬で安心、安全なおかつ新鮮な野菜の供給を容易にすることを課題とするものである。
【解決手段】 本発明はその課題を解決するために家庭用冷蔵庫の中に植物育成装置を設け、冷蔵庫の冷気と、廃熱として捨てられている温気を利用して植物の育成に最適な雰囲気温度を保つことにより、容易に植物育成装置を提供することによって解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は天候に左右されず、無農薬で安全安心に安定的に野菜等を育成する植物育成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
天候に左右されずに安定的に野菜等を育成することができる装置としていわゆる植物工場と呼ばれる植物育成装置は多数知られているが、従来提案されている植物育成装置は建物の中に光源、育成棚、肥料供給装置を設けた大掛かりな装置を必要とするものが大部分である。
【0003】
また植物工場においては温度を一定範囲内に設定する必要から冷房装置、暖房装置等のエアコンデショナーを必ず必要とし、設備や装置が大掛かりなものとなるので、家庭内で容易に育成出来る装置は限られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はこれらの問題を解決する為に、家庭内で容易かつ継続的に植物を育成することが出来る植物育成装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、家庭内で一般的な圧縮器、凝縮器、冷却器を持つ冷蔵庫を利用した植物育成装置を提供することにより上記の課題を解決する。また冷蔵庫は十分な断熱が施されているためエネルギー効率からみても非常に有効である。
【0006】
また、本発明は、家庭用冷蔵庫の一部に植物育成装置設け一体型とすることで容易に家庭内植物育成装置を提供することにより解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の植物育成装置によれば、容易に家庭内で無農薬の安心、安全な野菜を育成することができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】 本発明の植物育成装置の一例を示す正面図である。
【図2】 本発明の植物育成装置の一例を示す側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明するが、本発明が図示のものに限られるわけではないことは勿論である。
【0010】
図1は本発明の植物育成装置の一例を示す正面図で、冷蔵庫筐体1の下部に植物育成装置2を設け、その上部に植物育成用光源3を、下部に育成床4が液肥5に浮いた状態で構成されている。また冷気導入口7からは、冷蔵庫筺体1の冷却器が発生する冷気が、温気導入口8からは、冷蔵庫筺体1の凝縮器で放熱された温気が、それぞれ植物育成装置2内に導かれて、温度調整装置により植物育成装置2内を植物育成に最適な温度を保つ構造になっている。
【0011】
また冷蔵庫筐体1は、本来の冷蔵庫としても当然機能する為、植物育成装置2で育成された植物をそのまま食することは勿論であるが、冷蔵庫の一部に設けられている野菜室に保管することもでき、常に新鮮な野菜を食することを可能にするものである。
【0012】
また植物育成装置では植物と光源の距離が近いほどエネルギーを有効に利用することが出来るため、本例の植物育成装置2においては、液肥5の下部に空気袋9を設け、この空気袋9をポンプにより膨らませたり萎ませたりすることにより液肥5の液面を上昇させたり下降させたりすることを可能にし、液肥5に浮いている育成床4と育成用光源3との距離を植物育成に最適な距離に任意に保つことが出来る。
【0013】
また一般的な植物育成装置では光合成速度を速める為に二酸化炭素を付加することが広く知られているが、本例の植物育成装置2には、二酸化炭素を容易に付加出来るように二酸化炭素発生装置10が植物育成装置2の中に設けられている。
【0014】
本例の植物育成装置2における二酸化炭素発生装置10は筒状になっており、その中に炭酸水素ナトリウムとクエン酸を投入することにより二酸化炭素を発生させるものである。
【0015】
図2は図1に示す冷蔵庫筺体1と植物育成装置2の側面図である。図2に示すとおり、植物育成装置2は植物育成用光源3を冷蔵庫筺体1内に残して、冷蔵庫筺体1から引出自在に構成されており、植物育成装置2を引き出し式で矢印の方向に引き出した状態で植え付け、収穫を行うことが出来る。説明では引き出し式としたが、引き出し式とする代わりに、植物育成装置2の前面に扉を取り付けて開閉式としても良いことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明の家庭用冷蔵庫を用いた植物育成装置は上述のとおりに構成されているので、家庭内において容易に植物を育成することが出来、新鮮かつ無農薬で安全な野菜を食することを可能にするものである。
【符号の説明】
【0017】
1 冷蔵庫筐体
2 植物育成装置
3 光源
4 育成床
5 液肥
6 植物
7 冷気導入口
8 温気導入口
9 空気袋
10 二酸化炭素発生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭用冷蔵庫の冷気と廃熱として捨てられている温気を利用して植物育成に最適な温度を保つことを特徴とした冷蔵庫一体型植物育成装置。
【請求項2】
植物育成床を液肥の上に浮かせ、液肥の下部に空気袋を設けそれを膨らましたり収縮させたりすることにより任意に液肥の液面を上下させて植物育成床を上下させることを特徴とする請求項1記載の植物育成装置。
【請求項3】
植物育成装置の中に二酸化炭素発生装置を設け、植物育成装置内に二酸化炭素を付加させることを特徴とする請求項1又は2記載の植物育成装置。
【請求項4】
二酸化炭素発生装置が炭酸水素ナトリウムとクエン酸を反応させて二酸化炭素を発生させるものである請求項3記載の植物育成装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−228238(P2012−228238A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109879(P2011−109879)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(509304922)両備ホールディングス株式会社 (4)
【Fターム(参考)】