説明

植生用袋及び植生用包装体

【課題】植え付けの現場作業工数を削減するとともに作業を簡易化することができる植生用袋及び植生用包装体の提供。
【解決手段】全体が生分解性樹脂材によって形成され、フィルムによって筒状に形成された胴部2を有し、その上端側を開閉可能な開口部とし、ここに密封構造式のファスナー10を備え、胴部2の下端部には、これを閉鎖する底シール部30を一体に備え、これに一端が胴部2内に通じ、他端が底シール部30の下縁部によって閉鎖された有底孔状の水抜き孔部31を備え、底シール部30の水抜き孔部の底部より上側を水平方向に切断することによって、水抜き孔部の底部が開口されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削工事によって形成された傾斜面や、造成によって形成された法面、更に不毛化した裸地等を植生によって緑化するための植生用袋及び植生用包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、傾斜面や法面などの裸地に草木を植生することにより緑化する方法として、生分解性の合成樹脂材を使用して形成したポットに、土壌材や肥料とともに種子又は苗を植え付け、これを緑化しようとする地盤に埋めつける方法が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
また、植生のための苗を育てる育苗ポットを生分解性合成樹脂材によって製造し、このその中に土壌材や肥料を含む植生基材を充填し、その中に播種することによって苗を栽培する方法が知られている(例えば特許文献2)。
【特許文献1】特開2005−256520号公報
【特許文献2】特願2002−262672号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来の生分解性樹脂を使用した育苗ポットによる育苗や植生は、ポットをそのまま植生地埋めることによって、継時的にポットが分解され、内部にて生育した草木類の植生地に根付くものであるため、植生の際にポットから苗等を取り出して植える必要が無いため点で好ましいものであるが、ポットを使用しているため、植生地への搬送や、植生地での植え付けの作業に手数を要するという問題があった。
【0005】
本発明はこのような従来の問題に鑑み、植生用土壌材、肥料構成材及び種子を混合した植生材の充填、植生地までの運搬及び植生地における植え付けの現場作業工数を削減するとともに作業を簡易化し、降雨量の少ない植生地条件下においても植生率を高いものとすることができる植生用袋及び植生用包装体の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、全体が生分解性樹脂材によって形成され、フィルムによって筒状に形成された胴部を有し、該胴部の上端側を開閉可能な開口部とし、該開口部に密封構造式のファスナーを備え、前記胴部の下端部には、これを閉鎖する底シール部を一体に備え、該底シール部には、一端が前記胴部内に通じ、他端が閉鎖された有底孔状の水抜き孔部を備え、該底シール部の前記水抜き孔部の底部より上側を水平方向に切断することによって、水抜き孔部の底部が開口されるようにした植生用袋にある。
【0007】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記底シール部には、前記水抜き穴部を構成している有底孔の底部より上側の位置に易引き裂き部を備えたことにある。
【0008】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2何れかの請求項の構成に加え、前記底シール部の上縁は、テーパ状に形成され、該テーパ状の最も低い部分に前記有底孔の上端を開口させたことにある。
【0009】
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1〜3の何れかの請求項の構成に加え、前記水抜き孔部の幅を底シール部の左右の全長の1/3〜2/3程度の幅に形成し、該水抜き孔部の同部内開口部よりやや胴部内側に、胴部内にて互いに対向する2重のフィルム間をスポット的に溶着した複数のスポット溶着部が形成されていることにある。
【0010】
請求項5に記載の発明の特徴は、前記請求項1〜3の何れかに記載の植生用袋内に、植生用土壌材、肥料構成材及び種子を混合した植生材を充填した植生用包装体にある。
【0011】
請求項6に記載の発明の特徴は、請求項4の構成に加え、前記植生材には、粉末、顆粒又は粒状の吸水性樹脂材を混合させることにある。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る植生用袋は、全体が生分解性樹脂材によって形成され、フィルムによって筒状に形成された胴部を有し、該胴部の上端側を開閉可能な開口部とし、該開口部に密封構造式のファスナーを備え、前記胴部の下端部には、これを閉鎖する底シール部を一体に備え、該底シール部には、一端が前記胴部内に通じ、他端が閉鎖された有底孔状の水抜き孔部を備え、該底シール部の前記水抜き孔部の底部より上側を水平方向に切断することによって、水抜き孔部の底部が開口されるようにしたことにより、胴部の底部を閉鎖した状態で、該胴部の上端の開口部を開き、植生用土壌材、肥料構成材及び種子等を混合した植生材の充填が可能となり、また、植生材充填後、植生作業までの保管、運搬などの作業中には、底部及び上部をともに閉じた密閉状態として取り扱うことができ、作業性が向上する。
【0013】
更に、植生地での植生時には底シール部水平方向に切断することによって水抜き孔部の底部側が除去され、底部に吸排水孔が開口されるため、降雨や水遣りによって袋内に入り込んだ余分の水が排水され、また、植生地の水分が袋内に浸透されることとなる。
【0014】
また、前記底シール部には、前記水抜き穴部を構成している有底孔の底部より上側の位置に易引き裂き部を備えたことにより、植生現場における水抜き孔を開口させるための作業が切断器具を要することなくなしえられ、現場作業が簡略化される。
【0015】
また、前記底シール部の上縁は、テーパ状に形成され、該テーパ状の最も低い部分に前記有底孔の上端を開口させていることにより、袋内の水が底部に溜まらなくなり、根腐れを防止できる。
【0016】
前記ファスナーには、前記開口部外側からの開き力に対する耐開き抵抗より該開口部内側からの開き抵抗が大きく、且つ気密性を維持できるレールファスナーを使用することができ、この場合には内圧に対する開口部の開き抵抗が大きく、外側からは開きやすいものとなり、植生材の充填後の保管や運搬時における植生材の漏れ出しが防止され、植生時における開口部の開き操作が容易となる。
【0017】
また、水抜き孔部の幅を底シール部の左右方向の全長の1/3〜2/3程度の幅に形成し、該水抜き孔部の同部内開口部よりやや胴部内側に、胴部内にて互いに対向する2重のフィルム間をスポット的に溶着した複数のスポット溶着部が形成されていることにより、水抜き孔部を比較的大きく形成した場合であっても、これが大きく開放されるのを防止することとなり、内部の植生材を漏れ出難くした状態で水抜けを浴することができる。
【0018】
更に、この植生用袋内に、植生用土壌材、肥料構成材及び種子を混合した植生材を充填した植生用包装体とすることにより、植生材に水分を含ませた状態で、植生地に搬送した包装体を、その底部の易引き裂き部を引き裂いて排水溝を開口させた状態で袋ごと埋め込み、その埋め込み作業前又は後にファスナーを開いて開口部を開放させることによって植生ができ、現場での作業性は従来に比べて良好となる。
【0019】
また、袋内の植生材の充填量を袋容量の1/3〜3/4程度とし、埋め込みの際に、胴部の上半部を植生地の表面に突出させた状態で開口部を開くことにより、植生材上側周囲に円筒状の風防ができることとなり、気温が低い地域や季節においても、発芽及び発芽後の生育条件を良いものとすることができる。
【0020】
更に、植生材には、粉末、顆粒又は粒状の吸水性樹脂材を混合させることにより、保水性が改善され、降雨量の少ない地域における植生に効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に本発明における植生用袋及び植生用包装体の実施の形態を図面に示した実施例に基づいて説明する。
【0022】
図1は、本発明第一実施例の植生用袋を示している。この植生用袋1は、全体が生分解性樹脂材によって形成されている。この袋1は、フィルムによって筒状に形成された胴部2を有している。符号3は、胴部2形成している側縁シール部である。胴部2の上端側を開閉可能な開口部とし、開口部内面には密封構造式のレールファスナー10が一体に形成されている。このファスナー10は開口部外側からの開き力に対する耐開き抵抗より該開口部内側からの開き抵抗が大きい構造のものが使用されている。
【0023】
更に具体的には、胴部2の開口部を構成している筒状のフィルムの各半周部分を互いに重ね合わせるように畳み、図2に示すように、その各半周部分を基台部11,12とし、その両基台部間を開閉するチャック部13が備えられている。
【0024】
両チャック部13は、一方の基台部11の表面に一体に突設された雌封止レール部14内に、他方の基台部12に一体に突設された雄封止レール部15が挿入されることによって封止されるようになっている。
【0025】
雌封止レール部14は、基台部11に突設され、先端部内側面に断面が鈎状の鈎爪部16を有する一対の雌鈎レール部17a,17bを備えている。雄封止レール部15は、他方の基台部12の表面に一体に突設され、先端部外側面に断面が鈎状の鈎爪部18,18を有し雌鈎レール部17a,17b間に挿入される一対の雄鈎レール部19,19を備えている。
【0026】
また、一方の基台部11の両雌鈎レール部17a,17bの中間位置に、他方の基台部12の両雄鈎レール部19,19間に圧入される密封用レール部20が一体に突設され、雄封止レール部15を雌封止レール部14内に挿入することによって両者間の両鈎爪部16と18とが互いに系合されるとともに前記密封用レール部20が前記雄鈎レール部19,19の背面19a,19a間に圧入されるようになっている。
【0027】
密封用レール部20はその先端部分に両面側を膨出させた形状の頭部20aを備え、該頭部20aの両側面が両雄鈎レール部19,19の背面19a,19aを押圧することによって互いに線接触状態となり、気液密性が維持されるようになっている。
【0028】
また、雌封止レール部14の一方の雌鈎レール部17aの根元部の断面形状は、基台部11側に至るに従って厚くしたテーパ状に成型されており、これによって該雌鈎レール部17aが突設されている基台部11に対する曲げ力がこの雌鈎レール部17aに伝わり易く、従って図5に示すように、基台部11を外側に曲げることによって、雌鈎レール部17aが容易に雄鈎レール部27から離れる方向に曲げられて、互いに係合状態にある鈎爪部16と18とを容易に外すことが可能な易開放側係合部を構成している。
【0029】
これに対し、他方の雌鈎レール部17bの根元部は、その外側面が基台部11に至るに従って内側面と同様に一方の雌鈎レール部17a側に湾曲させた形状となっており、該根元部は、その厚さa(図2に示す)が基台部11の厚さbより厚く成型され、断面形状が円弧状に成型された円弧状部21を有している。このため、基台部11に開き方向の曲げ力が作用した場合、図4に示すように、基台部11が雌鈎レール部17bの根元部外側位置で曲がり、前記曲げ力が雌鈎レール部17bに容易には伝わらず、互いに係合状態にある鈎爪部16,18の係合が容易には外れない難開放側係合部を構成している。
【0030】
胴部2の下端側には、筒状の各半周部分が互いに重なり合うように平らにたたみ、その重なり合った半周部分間を互いに熱溶着させた底シール部30を有している。この底シール部30は、上縁30a側が袋幅方向の中央部分を低く傾斜させたテーパ上に形成されている。
【0031】
この底シール部30には、胴部2内に開口した有底孔状の水抜き孔部31が形成されている。この水抜き孔部31は、底シール部30に、その上縁30aから下縁30bのやや上に至る熱溶着しない空洞を形成することによって胴部内に開口し、底部がシール部30の下縁部分によって閉鎖された状態に形成されている。
【0032】
また、底シール部30には、前記水抜き孔部31の底閉鎖部31aより上側の位置に易引き裂き部が形成されている。この易引き裂き部は、シール部30をその幅方向に引き裂くことによって水抜き孔部31の底閉鎖部31aを除去し、これによって胴部2の底部に水抜き孔部31を上下に連通開口させるものであり、一例として、図1に示すように、底シール部30の両側縁にVカット等の切込み部32,32を形成することによって構成させることができる。この場合、この袋を構成している樹脂フィルム形成時の伸張方向が、胴部2の幅方向、即ち胴部の軸心と直行する方向となっている場合に効果的である。
【0033】
この他、図5に示すように、シール部30の両縁から水抜き孔部31のやや手前位置に至る間にミシン目34を形成しておくことによって構成させても良い。この場合には、本袋を構成している樹脂フィルム形成時の伸張方向に係りなく、引き裂きが可能となる。
【0034】
更に、本発明は、図6に示すように、筒状に成型した胴部2を備え、その一方の開口部(上端開口部)に前述と同様のレールファスナー10を溶着によって一体化させることにより開閉可能な開口部を形成している。
【0035】
また、他方の開口部(下端開口部)を平らに折り畳み、前述した実施例と同様に、上縁30a側が袋幅方向の中央部分を低く傾斜させたテーパ上に形成された底シール部30を形成し、この底シール部30に、胴部2内に開口した有底孔状の水抜き孔部31が形成されて、この水抜き孔部31は、底シール部30に、その上縁30aから下縁30bのやや上に至る熱溶着しない空洞を形成することによって胴部内に開口し、底部がシール部30の下縁部分によって閉鎖された状態に形成している。
【0036】
この実施例では、水抜き孔部31の幅を底シール部30の左右の全長の1/3〜2/3程度の幅に形成し、前述の実施例に比べて水抜き孔部30の同部内側開口を大きくしている。また、水抜き孔部30の同部内開口部よりやや胴部内側に、胴部内にて互いに対向する2重のフィルム間をスポット的に溶着した複数のスポット溶着部35が形成され、水抜き孔部30が大きく開くのを防止するようにしている。
【0037】
底シール部30には、その両縁から水抜き孔部31のやや手前位置に至る間に形成したミシン目34による易引き裂き部を備えるとともに、水抜き孔部31の片側又は両側のフィルム表面に、例えば数字1,2,3を印字するなどした、所定間隔毎の引き裂き長さ用目印36を付している。使用に際しては、易引き裂き部を引き裂いて水抜き孔31を開放させる際に、この目印によって引き裂き長さの目安とし、必要に応じた大きさに水抜き孔31を開口させることができるようになっている。
【0038】
尚、上述した各実施例では水抜き孔部31を、底シール部30の一部にシールしない部分を形成することによって形成し、有底孔の底閉鎖部31aを底シール部によって形成した場合を示しているが、この他、袋1の底部を、図7に示すようにフィルムの折り返しによって閉鎖された形状に形成し、その折り返し部分を有底孔状の水抜き孔部31の底閉鎖部31aとしてもよい。
【0039】
次に、上述した植生用袋を使用した植生用包装体について説明する。
【0040】
この包装体6は、前述した植生用袋内に、レールファスナーを開いて開口部より植生材4を収容し(図8(a))、レールファスナーを閉じて開口部を密閉する。
【0041】
植生材4は、種子、種子が発芽して成長した苗が根を張るための土壌材、苗が生長するための肥料構成材をもって構成される。この他、粉末、顆粒状又は粒状の吸水性樹脂を混合させても良い。
【0042】
土壌材には、天然の土砂の他、人口の土壌材を使用する。肥料構成材としては、腐葉土、堆肥等の自然肥料の他、化学肥料を各種必要に応じて混合したものを使用する。
【0043】
種子には、草木類の種子を使用し、植生地の植物成育環境に適したものを適宜選択して使用する。
【0044】
この包装体6は、植生までに期間がある場合は、乾燥状態の植生材4を袋1内に収容して密閉しておく(図8(b))。これによって生分解性樹脂の生分解を進行させることなく保管することができる。そして植生時期が来たとき、袋の開口部のファスナーを開いて必要量の水を注入し(図8(c))、再度ファスナーを閉じて植生現場に搬入し(図8(d))、易引き裂き部を引き裂いて水抜き孔部31の底部を除去し(図8(e))、通水孔を袋内外に連通開口させる。
【0045】
この状態で、植生地盤5中の表面に開口部を露出させた状態で埋める(図8(f))。然る後、ファスナーを開き開口部を開放する。このとき開口部は降雨が取り込まれ易いように大きく開いた状態を維持できるようにする。
【0046】
なお、植生材4を袋1内に詰めた後、袋1の生分解により保形性が維持できなくなる時間以前に植生する場合は、予め植生材に水を含ませたものを袋内1に充填し、前述と同様にして植生現場に搬入しても良い。
【0047】
また、植生に際し、図9に示すように袋1の開口部まで植生材47を充填した状態で植生地盤にうめる他、図10に示すように、袋1内にその容量の1/3〜3/4程度の量の植生材4収容しておき、植生材4を袋の底部側に詰め、袋1の上部を植生地盤5の上面に筒状に立ち上げた状態としても良く、この場合、筒状に立ち上げた空筒が風防の役目をなし、低気温条件下における発芽及び発芽後の生育を助けるものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る植生用袋の一例の全体を示す平面図である。
【図2】図1に示す実施例における密封構造式のファスナーを示す断面図である。
【図3】同上のチャック部の易開放側の開き状態を示す拡大断面図である。
【図4】同上のチャック部の難開放側の開き状態を示す拡大断面図である。
【図5】本発明に係る植生用袋の他の例の部分平面図である。
【図6】本発明に係る植生用袋の更に他の例の平面図である。
【図7】本発明に係る植生用袋の更に他の例の水抜き孔部の底部を示す部分切り欠き拡大斜視図である。
【図8】本発明に係る植生用袋を使用した植生工程の説明図である。
【図9】本発明に係る植生用袋を使用した植生状態の一例を示す断面図である。
【図10】本発明に係る植生用袋を使用した植生状態の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 袋
2 胴部
4 植生材
5 植生地盤
6 包装体
10 レールファスナー
11 基台部
11a 縁部背面
12 基台部
12a 縁部背面
12b 縁部背面
13 チャック部
14 雌封止レール部
15 雄封止レール部
16 鈎爪部
17a 雌鈎レール部
17b 雌鈎レール部
18 鈎爪部
19 雄鈎レール部
19a 背面
20 密封用レール部
20a 頭部
21 円弧状部
30 底シール部
30a 上縁
30b 下縁
31 水抜き孔部
31a 底部
32 切込み部
34 ミシン目
35 スポット溶着部
36 引き裂き長さ用目印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体が生分解性樹脂材によって形成され、フィルムによって筒状に形成された胴部を有し、該胴部の上端側を開閉可能な開口部とし、該開口部に密封構造式のファスナーを備え、前記胴部の下端部には、これを閉鎖する底シール部を一体に備え、
該底シール部には、一端が前記胴部内に通じ、他端が閉鎖された有底孔状の水抜き孔部を備え、
該底シール部の前記水抜き孔部の底部より上側を水平方向に切断することによって、水抜き孔部の底部が開口されるようにしたことを特徴としてなる植生用袋。
【請求項2】
前記底シール部には、前記水抜き穴部を構成している有底孔の底部より上側の位置に易引き裂き部を備えてなる請求項1に記載の植生用袋。
【請求項3】
前記底シール部の上縁は、テーパ状に形成され、該テーパ状の最も低い部分に前記有底孔の上端を開口させてなる請求項1又は2の何れかに記載の植生用袋。
【請求項4】
前記水抜き孔部の幅を底シール部の左右の全長の1/2〜1/3程度の幅に形成し、該水抜き孔部の同部内開口部よりやや胴部内側に、胴部内にて互いに対向する2重のフィルム間をスポット的に溶着した複数のスポット溶着部が形成されている請求項1〜3の何れかに記載の植生用袋。
【請求項5】
前記請求項1〜4の何れかに記載の植生用袋内に、植生用土壌材、肥料構成材及び種子を混合した植生材を充填した植生用包装体。
【請求項6】
前記植生材には、粉末、顆粒又は粒状の吸水性樹脂材を混合させてなる請求項4に記載の植生用包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−77712(P2010−77712A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248344(P2008−248344)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(507131159)ハイパック株式会社 (9)
【Fターム(参考)】