検体処理のための方法および装置
試料における検体を処理するためのシステムは、器具およびカートリッジを含む。カートリッジは、流体入力部、入力弁および出力弁組立体、処理機器、流体槽、および流体入力部から流体槽に試料を搬送するためのチャネルを含む。弁組立体は、器具の可動ヘッド組立体によって印加される力に応答して、密閉流体チャンバを形成するように適合される弁を含む。各流体槽は、空気変位ポンプ接続部材と嵌合および整列するように適合される。弁組立体は、凹部を包囲する凹部壁と、凹部と凹部壁との両方を包囲する弁組立体壁とを含む。凹部壁および弁組立体壁は、凹部、凹部壁、および弁組立体壁を被覆する可撓性シートに嵌合および密閉するように適合される。カートリッジおよび器具は、器具組立体をカートリッジの部分と精密におよび粗く整列する相補的特徴を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、処理システムにおいて流体試料の流動を制御するための装置および方法に関し、具体的には、流体試料における1つ以上の検体を検出するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物試料または化学試料における検体を検出および/または分析するための処理を自動化するために、多くのシステムが開発されている。しかしながら、これらのシステムの多くは、不正確であり、検体試料を汚染する傾向にあり、メンテナンスや使用が難しい。多くのシステムは、処理機器を出入りする試料を輸送するための構造を含む。これらのシステムは、すぐに汚染され得る。結果として、例えば、各周期後にオートクレーブすることによってシステム全体を滅菌しなければならない。システムによっては、使い捨てカートリッジを使用することによってこの問題を回避している。しかしながら、これらのカートリッジの製造は難しく、費用が掛かる。また、多くの現在のシステムは、蠕動ポンプを使用するが、この蠕動ポンプは、機能中にいくつかの不利点を有する。蠕動管の製造上の公差により、蠕動管は、本機器によって所望の体積流動精度を達成するために一括較正を必要とする。加えて、蠕動管のために構成されるいくつかのシステムは、ユーザによる管の操作を必要とし、これは厄介である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明に従うシステムは、流体試料(生物学的、化学的、または物理的)の正確な分析を提供し、使用およびメンテナンスが容易である。本発明の一部の実施形態は、多種多様の流体処理機能をカートリッジに統合し、蠕動ポンプを空気変位システムに置換する。一部の実施形態は、流体に直接接触せずに流体試料の輸送および処理を管理するために、カートリッジと接続する器具を含む。カートリッジの一部の実施形態は、弁の操作および接続を可能にする特徴を組み込み、この特徴によって、器具は、正確な弁を形成するとともに、カートリッジを介して流体試料をポンプで送出することが可能になる。空気変位システムの一部の実施形態は、カートリッジを介して流体試料を引くかまたは押圧するために、カートリッジと接続する。蠕動管を含まずに消費可能なカートリッジは、正確な機能のために、定期的に較正する必要がない。
【0004】
本発明は、一側面では、試料を処理するためのカートリッジに関する。カートリッジは、複数の流体入力部を含む。また、カートリッジは、複数の入力弁を有する入力弁組立体も含む。各入力弁は、入口および出口を有し、第1の可動ヘッド組立体によって印加される力に応答して、密閉流体チャンバを形成するように適合される。また、カートリッジは、複数の第1の出力弁および複数の第2の出力弁を含む出力弁組立体も含む。各出力弁は、入口および出口を有し、第2の可動(例えば、独立して整列される)ヘッド組立体によって印加される力に応答して、密閉流体チャンバを形成するように適合される。また、カートリッジは、複数のポンプ接続部材と嵌合および整列するように適合される複数の流体槽も含む。また、カートリッジは、複数の処理機器も含み、その各々は、流体チャンバ、入口、および出口を有する。各処理機器入口は、少なくとも1つの入力弁の出口と流体連通し、各処理機器出口は、第1の出力弁の入口と流体連通する。各第1の出力弁出口は、流体槽および第2の出力弁の入口と流体連通する。また、カートリッジは、複数のチャネルも含む。各チャネルは、入力弁組立体の1つの入力弁を介して、1つの処理機器を介して、出力弁組立体の1つの第1の出力弁を介して1つの流体槽に、および出力弁組立体の1つの第2の出力弁を介して、流体試料を1つの流体入力部から輸送するように適合される。
【0005】
一部の実施形態では、カートリッジは、空気容積型ポンプの1つ以上の接続部材と嵌合および整列するように適合される流体槽を含む。空気容積型ポンプは、カートリッジ内に、カートリッジを介して、カートリッジから流体試料を引くかまたは押圧することができる。一実施形態では、チャネルは、流体槽に流入する前に、(1)入力弁組立体の入力弁を介して、(2)処理機器を介して、(3)出力弁組立体の第1の出力弁を介して、流体試料を輸送するように適合される。一部の実施形態では、追加のチャネルは、流体槽から、出力弁組立体の第2の出力弁を介して、およびカートリッジから、処理された試料を輸送するように適合される。
【0006】
カートリッジの別の実施形態では、各入力弁および出力弁は、第1および第2の可動ヘッド組立体のうちの1つの嵌合する表面によって印加される力に応答して、密封流体チャンバを形成するように適合される。一実施形態では、各入力弁および出力弁は、第1および第2の可動ヘッド組立体のうちの1つの対応する可動部材によって印加される力に応答して、入口と出口との間の流体連通を開放および閉鎖するように適合される。
【0007】
一実施形態では、処理機器は、たわみ板波機器である。別の実施形態では、入力弁は、複数の試薬入力弁および複数の流体入力部(例えば、試料入力)弁を含む。
【0008】
本発明の別の側面では、カートリッジは、少なくとも1つの位置決め特徴を含む。一実施形態では、位置決め特徴は、検体処理システムの適切な機能のために、器具に対してカートリッジを位置決めする。少なくとも1つの位置決め特徴は、カートリッジの表面によって画定される少なくとも1つの開口部を含むことができる。カートリッジの表面から延出する壁は、少なくとも1つの開口部を囲むことができる。別の実施形態では、少なくとも1つの位置決め特徴は、カートリッジの表面上に配置される少なくとも1つのピンを含む。少なくとも1つのピンは、器具上の対応する開口部と嵌合することができる。一部の実施形態では、少なくとも1つの位置決め特徴は、カートリッジを器具と整列するように適合される。別の実施形態では、少なくとも第2の位置決め特徴は、器具の少なくとも1つの組立体を、カートリッジの少なくとも1つの部分に整列するように適合される。一実施形態では、少なくとも1つの組立体は、第1の可動ヘッド組立体であり、カートリッジの少なくとも1つの部分は、入力弁組立体である。
【0009】
本発明の一実施形態では、各流体槽は、開口部および壁を有するチャンバを含む。壁は、チャンバの外面から延出し、開口部を囲む。壁は、複数のポンプ接続部材のうちの1つと整列、嵌合、密閉するように適合される。別の実施形態では、壁は、気体透過性で液体不透過性の要素を受容するように適合される。さらに別の実施形態では、壁は、流体槽と接続する空気ポンプシステムに液体または液体蒸気が進入することを防止するように、フィルタまたは膜要素を受容するように適合される。
【0010】
本発明は、別の側面において、試料を処理するためのカートリッジである。カートリッジは、第1の側面と、第1の側面の反対側の第2の側面とを有する本体を含む。本体の第1の側面は、第1および第2のチャネルを含む。本体の第2の側面は、第1および第2の開口部を有する第1の凹部を含む。第1の凹部は、第1の開口部を介して(1)第1のチャネルと流体連通し、第2の開口部を介して(2)第2のチャネルと流体連通する。カートリッジは、第1の凹部を囲み、かつカートリッジが試料処理システムに取り付けられる場合に、第1の壁および第1の凹部を被覆する可撓性シートに嵌合および密閉するように適合される第1の凹部壁をさらに含む。一実施形態では、第1のチャネルは、第1の流体入力部と流体連通し、第2のチャネルは、処理機器と流体連通する。
【0011】
別の実施形態では、カートリッジは、第1の凹部と第1の凹部壁との組み合わせを囲む弁組立体壁をさらに含む。弁組立体壁は、可撓性シートに嵌合および密閉するように適合される。
【0012】
別の実施形態では、カートリッジ本体の第1の側面は、第3のチャネルをさらに含み、カートリッジの第2の側面は、第2の凹部を含む。本実施形態では、第2の凹部は、第2の凹部の第1の開口部を介して(1)第3のチャネルと流体連通し、第2の凹部の第2の開口部を介して(2)第1のチャネルと流体連通する。第2の凹部壁は、第2の凹部を囲む。また、弁組立体壁は、第2の凹部と第2の凹部壁との組み合わせを囲む。第2の凹部壁の表面は、試料処理システムに取り付けられる場合に、第2の凹部壁および第2の凹部を被覆する可撓性シートに嵌合および密閉するように適合される。
【0013】
カートリッジの別の実施形態では、第1のチャネルは、流体槽と流体連通し、第2のチャネルは、処理機器と流体連通し、第3のチャネルは、廃棄物出力接続部と流体連通する。
【0014】
一実施形態では、カートリッジは、カートリッジの少なくとも1つの特徴を少なくとも部分的に包囲する本体の第1の側面に付着されるシートを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの特徴は、第1のチャネルおよび流体槽を含む。
【0015】
本発明は、別の側面において、試料を処理するためのシステムに関する。システムは、複数の流体接続部、弁組立体、複数のチャネル、および複数の流体槽を含むカートリッジを含む。弁組立体は、複数の弁を含み、その各々は、入口および出口を含む。少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つの弁を介して少なくとも1つの流体接続部と少なくとも1つの流体槽との間に流体連通を提供する。また、システムは、可動ヘッド組立体も含む。可動ヘッド組立体は、密閉流体チャンバを複数の弁の各々に形成するために、力を弁組立体に印加するように適合される弁接続組立体を含む。弁接続組立体は、複数の弁の各々の入口と出口との間の流体連通を開放および閉鎖するように適合される複数の可動部材を含む。また、システムは、ポンプも含む。ポンプは、複数のポンプ接続部材を含み、各々は、(1)複数の流体槽のうちの対応するものと嵌合および整列するように、および(2)少なくとも1つのチャネルおよび少なくとも1つの弁を介して、少なくとも1つの流体接続部と少なくとも1つの流体槽との間で試料を移動させるように適合される.一実施形態では、可動部材は、弁の入口と出口との間の流体連通を閉鎖するように弁に力を印加する。別の実施形態では、各可動部材は、ゼロ保持力作動を各対応する弁に提供するように適合される。
【0016】
本発明は、別の側面において、試料を処理するための器具に関する。器具は、板、可動ヘッド組立体、および板を含む。板は、カートリッジを受容および支持するように適合される。可動ヘッド組立体は、弁組立体における少なくとも1つの弁において密閉流体チャンバを形成するために、カートリッジ上の弁組立体に力を印加するように適合される弁接続組立体を含む。弁接続組立体は、少なくとも1つの弁の入口と出口との間の流体連通を開放および閉鎖するように適合される少なくとも1つの可動部材を含む。ポンプは、カートリッジ上で画定される複数の流体槽と嵌合および整列するように適合される複数のポンプ接続部材を含む。
【0017】
器具の一実施形態では、可動ヘッド組立体は、カートリッジ上で画定される少なくとも1つの相補的位置決め特徴と嵌合および整列するように適合される少なくとも1つの位置決め特徴を含む。器具の別の実施形態では、弁接続組立体は、カートリッジの弁組立体に関連付けられる少なくとも1つの相補的位置決め特徴と嵌合および整列するように適合される少なくとも1つの位置決め特徴を含む。一部の実施形態では、板は、可動板である。一部の実施形態では、板は、熱的に制御される板である。
【0018】
本発明は、別の側面において、カートリッジによって試料を処理する方法に関する。方法は、複数の入力弁および複数の出力弁の上に配置される可撓性シートに力を印加して、入力弁および出力弁の各々において密閉チャンバを提供するステップを含む。複数の入力弁は、複数の試薬入力弁および複数の流体入力弁を含む。複数の出力弁は、複数の第1および第2の出力弁を含む。複数の試薬入力弁および複数の第2の出力弁は閉鎖される。また、複数の流体入力弁および複数の第1の出力弁は、開放される。試料は、各流体入力弁を介して、対応する処理機器を介して、および対応する第1の出力弁を介して引き込まれる。試料は、各処理機器によって処理される。試料が処理された後、複数の流体入力弁は、閉鎖され、複数の試薬入力弁は、開放される。試薬は、(1)各試薬入力弁を介して、(2)対応する処理機器を介して、および(3)対応する第1の出力弁を介して引き込まれる。試薬の流動によって、試料の各々は、対応する流体槽に進入する。複数の第1の出力は、閉鎖され、複数の第2の出力弁は、開放される。試料および試薬は、各流体槽から、および各第2の出力弁を介して押圧される。
【0019】
一部の実施形態では、カートリッジを介して試料および試薬を引き込むステップは、各流体槽から各第2の出力弁を介して試料および試薬を押圧する前に、多数回繰り返される。
【0020】
本発明は、別の側面において、試料を処理するためのカートリッジを製造する方法に関する。方法は、第1のチャネルおよび第2のチャネルを本体の第1の側面に形成するステップを含む。第1の凹部は、本体の第2の側面に形成される。第1のチャネルと流体連通する第1の開口部は、第1の凹部に形成される。第2のチャネルと流体連通する第2の開口部は、第1の凹部に形成される。第1の凹部を囲む第1の凹部壁が形成される。第1の凹部壁は、カートリッジが試料処理システムに取り付けられる場合に、第1の凹部壁および第1の凹部を被覆する可撓性シートに嵌合および密閉する。
【0021】
一実施形態では、カートリッジを製造する方法は、(1)第1の凹部と第1の凹部壁との組み合わせを囲み、かつ(2)可撓性シートに嵌合および密閉する弁組立体壁を形成するステップを含む。一部の実施形態では、可撓性シートは、接着剤を使用せずに、弁組立体壁に永久的に密閉する。一部の実施形態では、1つ以上の製造ステップは、まとめて実行される。
【0022】
別の実施形態では、カートリッジを製造する方法は、第3のチャネルを本体の第1の側面に形成するステップをさらに含む。第2の凹部は、本体の第2の側面に形成される。第3のチャネルと流体連通する第1の開口部は、第2の凹部に形成される。第2のチャネルと流体連通する第2の開口部は、第2の凹部に形成される。第2の凹部を囲み、かつカートリッジが試料処理システムに取り付けられる場合に、第2の凹部壁および第2の凹部を被覆する可撓性シートに嵌合および密閉する第2の凹部壁が形成される。一実施形態では、第1および第2の凹部と第1および第2の凹部壁との組み合わせを囲み、かつ可撓性シートに嵌合および密閉する弁組立体壁が形成される。
【0023】
1つ以上の例に関する詳細は、添付の図面および以下の説明に記述される。本発明のさらなる特徴、側面、および利点は、説明、図面、および請求項によって明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の前述および他の目的、特徴、および利点、ならびに本発明自体は、必ずしも縮尺が一定ではない添付の図面とともに熟読することによって、以下の例示的な説明から、より完全に理解される。
【図1】図1は、本発明の例示的実施形態に従う、試料を処理するためのシステムのブロック図である。
【図2】図2は、本発明の例示的実施形態に従う、試料を処理するためのシステムの斜視図である。
【図3A】図3Aは、本発明の例示的実施形態に従う、複数の流体入力部、複数の入力弁および出力弁、複数の処理機器、ならびに複数の槽を有する図2におけるカートリッジの斜視図である。
【図3B】図3Bは、図3Aのカートリッジの底面図である。
【図4】図4は、図3Aおよび図3Bのカートリッジの流体入力部の断面側面図である。
【図5】図5は、可撓性シートを含まない図3Aおよび図3Bのカートリッジの出力弁組立体の上面図である
【図6】図6は、図3Aおよび図3Bのカートリッジの出力弁組立体の断面側面図である。
【図7】図7は、図3Aおよび図3Bのカートリッジの槽の断面側面図である。
【図8】図8は、本発明の例示的実施形態に従う、カートリッジとともに使用する可動ヘッド組立体の斜視底面図である。
【図9】図9は、図8の可動ヘッド組立体の弁アクチュエータ組立体の斜視図である。
【図10】図10は、図6の出力弁組立体に嵌合する図9の弁アクチュエータ組立体の側面断面図である。
【図11】図11は、図2の注射器ポンプ組立体の斜視側面図である。
【図12A】図12Aは、本発明の例示的実施形態に従う、検体処理システムに取り付けられる注射器ポンプ接続組立体の斜視上面図である。
【図12B】図12Bは、図12Aの注射器ポンプ接続組立体の斜視底面図である。
【図13】図13は、本発明の例示的実施形態に従う、カートリッジの槽と嵌合する器具のヘッドのポンプ接続部材の断面側面図である。
【図14】図14は、本発明の例示的実施形態に従う、注射器ポンプ接続組立体の斜視図である。
【図15】図15は、本発明の例示的実施形態に従う、カートリッジの複数の槽と嵌合する器具のヘッドの複数のポンプ接続部材の断面側面図である。
【図16A】図16Aは、本発明の例示的実施形態に従う、カートリッジの容易な装填および板組立体の板の洗浄を容易にするように、システムに近づけておよび離れる方向に移動するように構成される試料を処理するためのシステムの板組立体の斜視図である。
【図16B】図16Bは、図16Aの板組立体の一部分の斜視図である。
【図17】図17は、本発明の例示的実施形態に従ってカートリッジを制御する方法のフロー図である。
【図18A】図18Aは、本発明の例示的実施形態に従ってカートリッジを製造するための方法のフロー図である。
【図18B】図18Bは、本発明の別の実施形態に従う、図18Aの方法に加えて用いられるカートリッジを製造するための方法のフロー図である。
【図19A】図19Aは、本発明の別の例示的実施形態に従う、前部カバーが除去された弁アクチュエータ組立体の斜視側面図である。
【図19B】図19Bは、図19Aの弁アクチュエータ組立体の断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
概して、本発明は、1つ以上の試料を分析するための交換可能流体カートリッジと、カートリッジを操作するための器具とに関する。図1は、本発明のある実施形態に従う、試料を処理するためのシステム100のブロック図である。システム100は、カートリッジ101および器具108を含む。器具108は、電子機器135および空気制御機器140を支持する基部130を含む。また、器具108は、垂直軸106に沿って可動であるヘッド組立体102と、可動ヘッド組立体102の動きを支持および駆動する昇降組立体104とも含む。また、器具108は、水平軸105に沿って可動であるプラットフォーム103も含む。可動ヘッド組立体102は、第1の可動ヘッド組立体117および第2の可動ヘッド組立体127を含む。システム100を操作するために、ユーザは、カートリッジ101をプラットフォーム103上に載置し、カートリッジ101を含むプラットフォーム103をヘッド組立体102の下の位置に移動させる。次いで、ユーザは、コマンド信号を電子機器135に送信して(例えば、電子機器135と通信するコンピュータまたは他のユーザインターフェースを介して)、ヘッド組立体102を移動させてカートリッジ101に係合する。ヘッド組立体102がカートリッジ101と係合した後、ユーザは、試料をカートリッジ101内に置き、コマンド信号を電子機器135に送信して、一連の処理ステップを実行する。次いで、ヘッド組立体102は、カートリッジ101を操作して、一連の処理ステップに従って、カートリッジ101を介して試料を処理する。
【0026】
カートリッジ101は、流体入力部132、緩衝剤入力部107、入力弁組立体110、処理機器150、出力弁組立体120、流体槽142、および廃棄物出力部109を含む。入力弁組立体110は、流体入力弁112を含み、これは、流体入力部132から処理機器150への試料の流動を制御する。また、入力弁組立体110は、試薬入力弁111も含み、これは、試薬入力部107と処理機器150との間の試薬の流動を制御する。各入力弁は、第1の可動ヘッド組立体117が力を各入力弁に印加する場合に密閉流体チャンバを形成するように構築される。一実施形態では、処理機器150は、試料における検体を検出する。
【0027】
出力弁組立体120は、第1の出力弁121を特徴とし、これは、流体槽142に向けられる処理機器150を出る試料の流動を制御する。また、出力弁組立体120は、第2の出力弁122も含み、これは、流体槽142と廃棄物出力部109との間の試料の流動を制御する。各出力弁は、第2の可動ヘッド組立体127が力を各入力弁に印加する場合に密閉流体チャンバを形成するように構築される。
【0028】
ヘッド組立体102は、カートリッジ101の弁111、112、121、122を開閉して、カートリッジ101を介する試料または試薬の輸送を制御する複数の弁アクチュエータ組立体115、116、125、126を含む。試薬入力弁アクチュエータ組立体115は、試薬入力弁111を開閉するために、垂直軸106の方向に沿ってピン113を移動させる。流体入力弁アクチュエータ組立体116は、流体入力弁112を開閉するために、垂直軸106の方向に沿ってピン114を移動させる。第1の出力弁アクチュエータ組立体125は、第1の出力弁121を開閉するために、垂直軸106の方向に沿ってピン123を移動させる。第2の出力弁アクチュエータ組立体126は、第2の出力弁122を開閉するために、垂直軸106の方向に沿ってピン124を移動させる。
【0029】
また、器具108は、流体槽142と接続し、かつ空気を使用してカートリッジ101を介して流体を押圧するかまたは引く空気ポンプ140も含む。管148は、空気ポンプ140をポンプ接続部材146に連結する。ポンプ接続部材146は、流体槽142に結合する。また、器具108は、処理機器接続部152も含む。処理機器接続部152は、処理機器150を電気的に結合する。電子機器135は、電子機器135と可動ヘッド組立体102との間の電気ケーブル149を介して、処理機器接続部152に電気的に結合される。電子機器135は、処理機器150を操作し、処理機器接続部152を介して処理機器150から測定データを入手する。また、電子機器135は、電力および制御信号を、昇降組立体104、空気ポンプ140、カートリッジプラットフォーム103、ならびに可動ヘッド組立体102の弁アクチュエータ組立体117、118および処理機器接続部152に提供する。器具108は、可動ヘッド組立体102、昇降組立体104、空気ポンプ140、および電子機器135を包囲および保護するカバー190を含み、カートリッジ100が動作する清潔な環境を提供する。
【0030】
昇降組立体104は、ヘッド組立体102を上昇および下降させる昇降機構を含む。一部の実施形態では、昇降組立体104は、ヘッド組立体102の動きを可能にするため、失速させるため、および終了させるために使用される位置センサも含む。一部の実施形態では、器具108は、アクセスドアセンサを含み、これは、器具108へのアクセスドア(図示されないが、例えば、カバー190の一部分)が開放しているか否かに関する情報を提供する。一実施形態では、情報は、割り込み信号である。ユーザは、位置センサからの情報と、アクセスドアセンサからの情報とを組み合わせる論理によって電子機器104をプログラミングして、ユーザへの負傷のリスク(例えば、ヘッド組立体102がユーザの手または指を押しつぶす)を低減するために、ヘッド組立体102の動きを停止するか、またはヘッド組立体が印加する力を制限し得る。一実施形態では、器具108は、力センサを含む。力センサは、ヘッド組立体102が印加する力の制御に使用される力情報を提供する。別の実施形態では、器具108は、電流センサを含み、これは、ヘッド組立体102を移動させる器具108のモータに印加される電流を検知する。電流センサからの電流情報を使用して、ヘッド組立体102を移動させるモータが印加する力を制御または制限する。
【0031】
図2は、本発明の別の実施形態に従う、検体試料を処理するためのシステム200の斜視図である。システム200は、複数の試料を並行して処理するように構成される。また、システム200は、8つの試料を同時に処理するようにも構成される。システム200は、8つの処理チャネルを含むカートリッジ201と器具210とを含む。システム200は、可動ヘッド組立体202と、可動ヘッド組立体202を垂直方向206に移動させるための昇降組立体204とを含む。また、システム200は、8つの注射器ポンプを含む注射器ポンプ組立体240も含む。注射器ポンプの各々は、複数の管248のうちの1つを介して、可動ヘッド組立体202上の複数のポンプ接続部材(図示せず)のうちの1つに空気制御を提供する。可動ヘッド組立体214は、弁アクチュエータ組立体214を含み、これは、カートリッジ201上の対応する弁組立体と嵌合する。システム200は、システムにおける電子機器に電力および制御信号を提供するシステム電子機器235を含む。
【0032】
図3Aおよび図3Bは、図2の検体処理システム200におけるカートリッジ201の詳細を図示する。カートリッジ201は、複数の流体入力部332a〜332h(概して、332)と、複数の流体入力弁312a〜312h(概して、312)を有する入力弁組立体310とを含む。また、カートリッジ201は、複数の処理機器351a〜351h(概して、351)を有するチップ350と、複数の第1の出力弁321a〜321h(概して、321)を有する複数の流体入力弁312a〜312h(概して、312)を有する入力弁組立体310とも含む。また、カートリッジ201は、複数の流体槽342a〜342h(概して、342)と、流体入力部332から流体槽342に流体試料を輸送するための複数のチャネル372a〜372h、313a〜313h、381a〜381h、および342a〜342hも含む。一部の実施形態では、流体槽342は、流体を受容および吐出する移行チャンバとしての役割を果たす。カートリッジ201が単回使用のみのものである別の実施形態では、流体槽342は、流体を受容および保管するだけである。
【0033】
各流体入力弁312は、入口303a〜303hおよび出口304a〜304hを有し、これらを介して、流体は、流体入力部チャネル372から処理機器入力チャネル313に流動する。同様に、各試薬入力弁311は、入口301a〜301h(概して、301)および出口302a〜302hを有し、これらを介して、流体は、試薬入力部チャネル371a〜371h(概して、371)から処理機器入力チャネル313に流動する。カートリッジ201の出力側において、各第1の出力弁321は、入口305a〜305hおよび出口306a〜306hを有し、これらを介して、流体は、処理機器出力チャネル381から流体槽チャネル392に流動する。同様に、各第2の出力弁322は、入口307a〜307hおよび出口308a〜308hを有し、これらを介して、流体は、流体槽チャネル392から廃棄物出力部チャネル382に流動する。カートリッジは、廃棄物出力接続部329、複数の第2の出力弁322a〜322h(概して、322)、および流体槽342から廃棄物出力接続部329に廃液を輸送するための複数の廃棄物出力部チャネル382a〜382h(概して、382)をさらに含む。
【0034】
本実施形態では、廃棄物出力接続部329は、管の可撓性部分に結合するための棘部を含む。一実施形態では、管の可撓性部分は、流体槽342から廃液を回収するための瓶または他の容器に、廃棄物出力接続部329から連結される。また、カートリッジ201は、試薬入力接続部327も含み、ここを介して、試薬は、試薬入力部チャネル371a〜371h(概して、371)を介して流体槽342に向かって流動し得る。一実施形態では、管の可撓性部分は、試薬入力接続部327を、緩衝液を含有する瓶、脱気袋、または他の容器に連結する。管の可撓性部分は、試薬入力接続部327から緩衝液の瓶への逆流を防止するために、逆止弁を有し得る。
【0035】
処理チップ350は、カートリッジ201の本体309上に配置される。一実施形態では、処理チップ350は、接着剤を使用して、カートリッジ201の本体309の表面に取り付けられる。カートリッジ201は、処理機器入口331a〜331h(概して、331)および処理機器出口333a〜333h(概して、333)を含み、これらは、各処理機器351のチャネルと接続する。処理チップ350は、カートリッジ201の本体309上に精密に配置され、各処理機器351が、カートリッジ201の各処理機器入口331a〜331hおよび各処理機器出口333と適切に整列するようにする。種々の実施形態では、チップ350は、処理機器入口331a〜331hおよび出口333との適切な整列を確実にするために、カートリッジ201が画定する突出面または凹部に装着される。
【0036】
別の実施形態では、処理チップ350は、各処理機器351の空洞ならびに各処理機器入口331および出口333と整列する開口部を有する感圧接着剤で装着および密封される。一部の実施形態では、各処理機器351の表面は、感圧接着剤から作製される薄い積層(キャップ385)およびアクリル裏当てシートで覆われる。一実施形態では、キャップ385は、キャップ385と処理機器351の表面との間に低プロファイルポケットを形成する。処理機器キャップ385は、処理機器351の膜が破れた場合に液体汚染から試料処理システム(例えば、図2の試料処理システム200)を保護する。一部の実施形態では、キャップ385は、処理機器接続部(例えば、図1における処理機器接続部152)が、処理機器351上の接触パッドに電気的にアクセスできるように設計される。キャップ385は、処理機器接続部および/または可動ヘッド組立体(例えば、図2の可動ヘッド組立体202)が、キャップ385と機械的に接続することなく、処理機器接続部の構成要素(例えば、磁石)を、処理機器の表面に可能な限り近接して位置決めできるようにさらに設計される。
【0037】
一実施形態では、処理機器351は、試料における検体を検出するための、または試料の特性を検知するためのセンサである。別の実施形態では、処理機器351は、たわみ板波(FPW)機器である。一実施形態では、処理機器351のチップ350は、微小電気機械システム(MEMS)チップである。
【0038】
流体は、ポンプ接続部材344a〜344h(概して、344)を介して流体槽342と流体連通する空気制御機器を使用して、所定の速度でカートリッジ201の構成要素を介して押圧されるかまたは引かれる。一実施形態では、空気制御機器は、空気容積型ポンプである。別の実施形態では、空気制御機器は、標準的な注射器ポンプである。標準的な注射器ポンプは、バレルと、バレルの内部で2方向に移動するプランジャとを含む。モータまたは他の機構は、バレルの内部で2方向にプランジャを駆動し、カートリッジ201のチャネルおよび機器(例えば、処理機器351および第2の出力弁322)を介して、試料および試薬を押圧するかまたは引く。各流体槽342は、別々の空気制御機器と流体連通する。別の実施形態では、全ての流体槽342は、単一の空気制御機器と流体連通する。流体槽342は、流体槽342から空気を引くことによって空気制御機器がカートリッジ201を介して流体槽342内に引き込む試料および試薬を蓄積する。流体槽342が既定のレベルに充填されるか、または容量まで充填されると、空気制御機器は、空気を流体槽342に押圧して、試料および試薬を流体槽342から変位させる。
【0039】
カートリッジ201を使用して試料の分析を実行するために、試料は、流体入力部332内に置かれる。ポンプ接続部材344を介して流体槽342と接続する空気制御機器は、流体入力部チャネル372を介して流体入力部332から試料を引き込む。次いで、空気制御機器は、入口303を介して試料を流体入力弁312に引き込む。試料は、出口304を介して流体入力弁312から、処理機器350の入口331a〜331hに通じる処理機器入力チャネル313a〜313h内に退出する。試料は、試料を分析する処理機器351を通過し、出口333を介して処理機器出力チャネル381内に退出する。
【0040】
処理機器出力チャネル381は、第1の出力弁321の入口305a〜305h(概して、305)に通じる。試料は、入口305を介して第1の出力弁321内を通過し、出口306a〜306h(概して、306)を介して流体槽チャネル392内に退出し、流体槽342に向かって流れる。処理された試料は、処理された試料の既定の体積で槽342が充填されるまで流体槽342に蓄積する。次いで、空気制御機器は、流体槽342の含有物を、第2の出力弁322の入口307a〜307h(概して、307)に向かって流体槽チャネル392内に戻すように押圧する。次いで、処理された試料は、入口307を介して第2の出力弁322に流入し、第2の出力弁322の出口308a〜308h(概して、308)を介して廃棄物出力部チャネル382内に退出する。廃棄物出力部チャネル382における試料は、共通廃棄物出力部チャネル319に流入し、廃棄物出力接続部329を介してカートリッジ201を退出する。
【0041】
また、空気制御機器は、試薬接続部327を介して共通試薬入力部チャネル317内に試料を別々に引き込み得る。試薬は、試薬入力弁311の入口301に向かって、共通試薬入力部チャネル317から複数の試薬入力部チャネル371に流入する。試薬は、入口301を介して試薬入力弁311に進入し、処理機器350の処理機器入口331a〜331hに向かって、出口302を介して試薬入力弁311から処理機器入力チャネル313内に退出する。次いで、試薬は、試料に関して上述した経路と同一の経路を進み得る。試薬は、次の試料の処理実行に備えて、カートリッジのチャネルおよび構成要素を洗浄するための緩衝液を含み得る。
【0042】
他の実施形態では、流体槽342または追加の組の流体槽および空気制御機器に対応する接続部が、カートリッジ201の入力部から出力部への流体経路に沿った別の位置に配置される。例えば、一実施形態では、追加の組の流体槽が、共通試薬入力部チャネル317からの所定量の試薬と流体入力部332からの所定量の試料とを受容および組み合わせるために、入力弁出口302、304と処理機器350の処理機器入口331との間に配置されてもよい。本実施形態では、追加の弁が、各追加の流体槽に結合される空気制御機器が印加する圧力から各処理機器351への損傷を防止するために、各追加の流体槽と各処理機器入口331との間に配置される。本実施形態では、追加の弁が閉鎖した後、各追加の流体槽に結合される各空気制御機器は、流体入力部332および共通試薬入力部チャネル317から各追加の流体槽内に、別々にまたは同時に流体を引き込む。次いで、追加の弁は、開放し、各空気制御機器は、処理機器350の入口332に向かって、各追加の流体槽から混合物を吐出させる。
【0043】
図2および図3Aを参照すると、カートリッジ201は、カートリッジ201およびその構成要素に対して可動ヘッド組立体202およびその構成要素を適切に位置決めするために、粗い位置決め特徴と精密な位置決め特徴との両方を含むことができる。位置決め特徴は、カートリッジ201の本体309によって画定される開口部またはカートリッジ201の本体309上に配置されるピンを含むことができる。一実施形態では、位置決め開口部は、可動ヘッド組立体202上に相補的に位置するピンと嵌合する。図3Aに示すように、カートリッジ201は、2つの粗い位置決め部材360a、360bを含む。本実施形態では、粗い位置決め部材360a、360bは、カートリッジ201の表面によって画定される開口部と、開口部を囲み、かつカートリッジ201の表面から延出する壁とを含む。粗い位置決め部材360a、360bは、カートリッジ201の表面に平行する平面において、カートリッジ201に対して可動ヘッド組立体202を粗雑に整列する。
【0044】
別の実施形態では、可動ヘッド組立体202が、カートリッジ201に係合する場合、可動ヘッド組立体202の表面は、粗い位置決め部材360a、360bの壁の上部分362a、bに存在する。このように、粗い位置決め部材360a、360bの壁は、カートリッジ201の本体309の上面370に直角である垂直方向206に沿って、カートリッジ201に対して可動ヘッド組立体を整列させる。
【0045】
図3Aに示すように、カートリッジ201は、カートリッジ201の本体309において画定される入力弁組立体位置決め開口部314a、314bおよび出力弁組立体位置決め開口部324a、324bも含む。入力弁組立体位置決め開口部314a、314bは、カートリッジ201の入力弁組立体310に対して、可動ヘッド組立体の入力弁組立体接続部を精密に位置決めする。同様に、出力弁組立体位置決め開口部324a、324bは、カートリッジ201の出力弁組立体310に対して、可動ヘッド組立体の出力弁組立体接続部を精密に位置決めする。一部の実施形態では、可動ヘッド組立体の弁組立体接続部は、千分の数インチ以内までカートリッジの弁組立体310、320と整列できる。
【0046】
図3Bを参照すると、カートリッジ201は、カートリッジ201の本体309の表面によって画定される処理機器位置決め開口部326a、326b、328a、328bも含む。処理機器位置決め開口部326a、326bは、処理機器350に対して、可動ヘッド組立体の処理機器接続部を精密に位置決めするために、処理機器350は、適切に機能し、測定信号および制御信号を送受信する。一実施形態では、処理機器位置決め開口部328a、328bは、処理機器チップ350をカートリッジ201の本体309に取り付けるため、および組み立て中にキャップ385を処理機器チップ350の上面に適用するために使用される固定具(相補的なピンを含む)を位置決めする。
【0047】
種々の実施形態では、カートリッジ201の本体309は、射出成形によって製作される。一実施形態では、本体309は、流体入力部332、流体槽342の部分、入力弁311、312および出力弁321、322の部分(例えば、後述する弁凹部および凹部壁)、ならびにチャネル313、317、319、371、372、381、382、392を形成するように射出成形される。一実施形態では、カートリッジ201は、射出成形されたポリカーボネートから形成され、チャネルは、本体309の底側375に形成され、流体入力部332、流体槽342の部分、ならびに入力弁311、312および出力弁321、322の部分は、本体309の上側370に形成される。本体309は、他の材料の中でも特にプラスチック、エラストマー、金属、セラミック、または複合物を含む多種多様の材料から形成可能である。一部の実施形態では、ポリマー(例えば、ポリカーボネート)を用いて本体309を作製することができる。
【0048】
カートリッジ201を組み立てるために、本体309は、約2分から約30分までの範囲の時間間隔で約5%から約100%までのエタノールを含有するエタノール溶液に浸漬される。一実施形態では、各カートリッジ201チャネルは、本体309を通って画定されるトンネルではなく、むしろ、本体309の表面を通る延出空洞切断である。チャネル313、371、372、381、382、392が配置および/または切断される本体309の表面、例えば、本体309の底側375の表面は、カートリッジ201のチャネルからエタノール溶液が排出可能になるように位置決めされる。一部の実施形態では、本体309の底側375の表面は、表面、例えば、摩耗防止テッシュ(例えば、Kimwipe(登録商標))上に位置決めされる。任意選択によって、任意の粒子が、底側375の表面を洗浄することによって、例えば、窒素等の不活性ガスを底側375の表面の上に吹き込むことによって、本体309の底側375の表面から除去される。密封層390は、本体309の表面の少なくとも一部分に配置される。例えば、密封層390は、本体309の底側375に配置される(図6も参照)。
【0049】
一部の実施形態では、密封層390は、熱転写層である。密封層390は、約0.00254mm(0.0001インチ)から0.254mm(0.01インチ)の間、または約0.0254mm(0.001インチ)から0.127mm(0.005インチ)の間の薄い層であることが可能である。密封層390は、流体熱状態調節を可能にする熱界面層を提供する。例えば、洗浄緩衝剤、流体、試料標本、および/または試料の温度を、処理機器351による処理の前に制御または調節することができる。より具体的には、密封層390が、熱的に制御される表面(例えば、温度制御機器1606を有する板1604の上面;図16Aおよび図16B参照)に接触する場合、カートリッジ201を流れる液体は、熱的に状態調節される。液体(例えば、洗浄緩衝剤、流体、試料標本、および/または試料)の熱的状態調節は、カートリッジ201を流れる液体の粘度、密度、および音速に影響を及ぼす、および/またはそれらを制御する。
【0050】
一実施形態では、密封層390は、本体309によって画定される位置決め特徴314a、314b、324a、324b、325a、325b、326a、326b、360a、360bと整列する1つ以上の部分391を有する。例えば、密封層390の一部分は、本体309によって画定される位置決め開口部314、324と整列する開口部391を含む。したがって、密封層は、密封層390における開口部を、本体309において画定される対応する開口部と整列することによって、適切に位置決めされ、本体309の底側375の表面に取り付けられる。一実施形態では、密封層390は、親水性層である。密封層390として用いることが可能な適切な材料には、親水性テープまたは親水性シールを有するポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、もしくはポリエーテルイミド等のプラスチックフィルムが含まれる。一実施形態では、密封層390は、本体309の表面上に配置される湿潤表面を提供する。密封層390は、例えば、親水性テープであることが可能である。別の実施形態では、本体309の表面は、例えば、化学的に、および/または電荷を本体309の表面に導入することによって修正される。例えば、本体309の表面は、本体309の表面上に疎水性または親水性の特徴をもたらすように、流体で処理可能である。
【0051】
一実施形態では、密封層390は、接着剤を含む親水性テープである。裏当ては、親水性テープから除去され、破棄される。親水性テープの領域は、本体309によって画定される位置決め特徴と整列される。親水性テープの接着剤側は、本体309の底側375の表面上に押し付けられる。一実施形態では、密封層390は、ブロック、例えば、プラスチックブロックで擦られ、密封層390と本体309の底側375の表面との間に気泡が存在しないことを確実にする。一実施形態では、本体309および密封層390は、密封層390が本体309の底側375の表面に密閉されることを確実にするために、加熱表面に載置される。加熱表面は、約50℃から約160℃まで、約80℃から約120℃まで、または約100℃の範囲内の温度の熱板であることが可能である。密封層390および本体309は、約20秒から約10分まで、約40秒から約5分まで、または約1分間の範囲内の値を有する時間、加熱表面上に保持可能である。任意選択によって、組立体が加熱表面上にある時間中に、力は、本体309および密封層390組立体に印加される。
【0052】
組立体は、加熱表面から除去されるが、依然として熱い間に、密封層390と本体309との間に位置するいかなる空気ポケットも、例えば、密封層390を押し付けるか、または例えば、密封層390の上で擦られるブロックによって密封層390を擦ることによって除去される。一実施形態では、密封層390と本体309の底側375の表面との間に位置するいかなる空気ポケットも除去される。密封層390を本体309の底側375の表面に追加する前に、カートリッジ201の各チャネルは、文字「C」に実質的に類似する断面形状を有する。密封層390を本体309の底側375の表面に付着させると、各チャネルの断面は、文字「D」に実質的に類似する形状を有する。
【0053】
また、カートリッジ201は、ユーザが把持することができるタブ380も含み、これにより、ユーザは、カートリッジ201を器具(例えば、図2の器具)に容易に挿入または除去することが可能になる。
【0054】
図4は、図3Aおよび図3Bのカートリッジ201の流体入力部332の断面側面図である。流体入力部332は、カートリッジ201の本体309の上側370の表面から延出する壁401を有する。一実施形態では、カートリッジ210が器具(例えば、図2の器具210)に取り付けられる場合、流体入力部332は、依然として外部にあり、かつ器具(例えば、図2の器具210)を包囲するカバー(例えば、図1のカバー190)の付近にある。流体入力部332の壁401は、カバー(例えば、図1のカバー190)から干渉を受けずに、試料移行機器から試料を容易に移行させる能力をユーザに提供するような形状を有し、これは、流体入力部332が、器具(例えば、図2の器具210)の他の部分によって被い隠されていないからである。本実施形態では、壁401は、卵形を有し、ユーザが、システム200の水平軸に対してある角度でピペットを配置し、かつピペットの先端を壁401内に位置決めして、器具(例えば、図2の器具210)を包囲するカバー(例えば、図1のカバー190)から干渉を受けずに試料を配置することができるようになる。
【0055】
各流体入力部332は、傾斜型底部分403および出口405を有する。底部分403は、出口405を介して流体入力部チャネル312に試料を向ける。本実施形態では、開口部は、0.05588cm(0.022インチ)の直径を有する。一部の実施形態では、各流体入力部332の開口部は、0.0508cm(0.020インチ)から0.254cm(0.1インチ)の間の直径を有する。底部分403の傾斜により、確実に、システムの使用の完了時に流体入力部332に残る試料が可能な限り少なくなる(すなわち、死体積が最小限に抑えられる)。流体入力部332の本実施形態は、漏斗のように作用するため、空気をカートリッジに引き込まずに、および気泡をカートリッジに導入せずに、流体入力部332から試料の大部分を引き込むことができる。本実施形態では、流体入力部332は、約400マイクロリットルの試料を保持する容量を有する。一実施形態では、カートリッジ201の動作中、流体入力部332から通じる流体入力部チャネル312は、緩衝液によって事前準備される。カートリッジ201は、とりわけ、気体スラグおよび気泡を除去するため、ならびにカートリッジを介する湿潤経路を確立および維持するために事前準備される。一実施形態では、流体入力部チャネル312は、事前準備される。例えば、緩衝液は、共通試薬入力部チャネル317から流体槽342内に引き込まれる。次いで、緩衝液は、流体槽342から流体入力部チャネル312内に押圧される。
【0056】
図5は、可撓性シートを含まない図3Aおよび図3Bのカートリッジ201の出力弁組立体320の上面図である。図6は、可撓性シート605を含む図3Aおよび図3Bのカートリッジ201の出力弁組立体320の断面側面図である。出力弁組立体320は、第1の出力弁321および第2の出力弁322を含む。第1の出力弁321は、本体309の上側370上に形成され、第1の凹部501と、第1の凹部501を囲む第1の凹部壁502とを含む。各凹部501、503は、例えば、深さが0.0508cm(0.020インチ)であり、直径が0.23368cm(0.092インチ)であるボウルの形状である。図6を参照すると、一実施形態では、第1の凹部壁502は、本体309の第1の側面370から離れる方向に延出する突起部602を形成し、突起部602において凹部503を形成することによって製作される。第1の凹部壁502は、カートリッジ201を器具(例えば、図2の器具210)内に挿入する場合に、第1の凹部壁502および第1の凹部501を被覆する可撓性シート605に嵌合および密閉するように適合される。
【0057】
第1の出力弁321は、第1の開口部(例えば、図3Bの入口305)と、第2の開口部(例えば、図3Bの出口306)とをさらに含む。一部の実施形態では、第1および第2の開口部は、流体が弁を通って流動する方向に依存して、入口または出口のいずれかになる。図6に示すように、第1の凹部501は、第1の開口部305を通って本体309の底側375の処理機器出力チャネル381と流体連通する。また、第1の凹部501は、第2の開口部306を通って本体309の底側375の流体槽チャネル392と流体連通する。
【0058】
出力弁組立体320は、弁組立体壁520をさらに含む。弁組立体壁520は、第1の凹部501および第1の凹部壁502を囲む。また、弁組立体壁520も、可撓性シートと嵌合および密閉するように適合される。本実施形態では、弁組立体壁520は、カートリッジ201の上側370の表面から延出する相補的柱522と嵌合するように構成される開口部524を含む保持具である。可撓性シート605は、カートリッジ201の本体309の上側370から延出する隆起部525の間に載置され、弁組立体壁520は、相補的柱522に熱かしめされる。このように、可撓性シート605は、隆起部525に押し付けられ、隆起部525との外周シールを形成する。
【0059】
第2の出力弁322は、本体309の上側370上に形成され、第2の凹部503と、第2の凹部503を囲む第2の凹部壁504とを含む。第2の凹部壁504は、カートリッジ201が試料処理システム200(図2)内に挿入される場合に、第2の凹部壁504および第2の凹部503を被覆する可撓性シート(例えば、図6に示す可撓性シート605)に嵌合および密閉するように適合される。一実施形態では、可動ヘッド組立体202上の表面は、第2の凹部壁504が可撓性シートに嵌合および密閉するように、第2の凹部壁504および第2の凹部503を被覆する可撓性シートに力を印加する。また、弁組立体壁520は、第2の凹部501および第2の凹部壁502を囲む。
【0060】
第2の出力弁322は、第1の開口部(例えば、図3Bの入口307)と、第2の開口部(例えば、図3Bの出口308)とをさらに含む。図6に示すように、第2の凹部503は、第1の開口部307を介して、本体309の底側375の流体槽チャネル392と流体連通する。また、第2の凹部503は、第2の開口部308を介して、本体309の底側375の廃棄物出力部チャネル382と流体連通する。一実施形態では、第1および第2の凹部壁502、504は、本体309の上側370の表面に対して、約0.0254cm(0.010インチ)突出する。別の実施形態では、第1および第2の凹部壁502、504は、第1および第2の凹部壁502、504にすぐ隣接する表面(例えば、突起部602の高さ)の上から0.076cm(0.030インチ)突出する。別の実施形態では、第1および第2の凹部壁502、504は、可動ヘッド組立体202が可撓性シートに力を印加する場合に、可撓性シート605との密閉を形成するために、0.033cm(0.013インチ)の平坦な幅を有する。別の実施形態では、厚さが約0.0308cmから0.127cm(0.020インチから0.050インチ)の可撓性シート605は、凹部501、503および凹部壁502、504を被覆する。
【0061】
可動ヘッド組立体202が可撓性シート605の上面に力を印加する場合、可撓性シート605は、凹部壁502、504の上部と密閉し、各弁321、322において密閉流体チャンバ601、603を形成する。一実施形態では、可撓性シート605は、シリコーン膜である。別の実施形態では、可撓性シート605は、本体309の上側370の表面上に位置し、伸長され、カートリッジ201に熱かしめされる前にクランプで締められる。上述のように、可撓性シート605は、弁組立体壁520と、カートリッジ201の本体309から突出し、かつ弁組立体壁520と嵌合する柱522とを使用して、本体309の上側370に熱かましされる。さらに別の実施形態では、可動ヘッド組立体202は、出力弁321、322毎に約6.67N(1.5lb)の力を印加して、出力弁321、322を密閉する。
【0062】
入力弁組立体310は、出力弁組立体320に関して上述した方式と同様に設計される。入力弁組立体310の試薬入力弁311は、本体309の上側370上に形成され、第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)と、第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)を囲む第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)とを含む。一実施形態では、第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)は、本体309の第1の側面370から離れる方向に延出する突起部(例えば、図6の突起部602)を形成し、突起部(例えば、図6の突起部602)において凹部(例えば、図6の第1の凹部501)を形成することによって製作される。第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)は、カートリッジ201が試料処理システム200(図2)内に挿入される場合に、第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)および第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)を被覆する可撓性シート(例えば、図6の可撓性シート605)に嵌合および密閉するように適合される。
【0063】
試薬入力弁311は、第1の開口部(例えば、図6の第1の開口部305)と、第2の開口部(例えば、図6の第2の開口部306)とをさらに含む。第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)は、第1の開口部(例えば、図6の第1の開口部305)を介して、本体309の底側375の試薬入力部チャネル371と流体連通する。また、第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)は、第2の開口部(例えば、図6の第2の開口部306)を介して、本体309の底側375の処理機器入力チャネル313と流体連通する。
【0064】
入力弁組立体310は、弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)をさらに含む。弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)は、第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)および第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)を囲む。また、弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)は、可撓性シートに嵌合および密閉するように適合される。本実施形態では、弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)は、カートリッジ201の上側370の表面から延出する相補的柱(例えば、図6の柱522)と嵌合するように構成される開口部(例えば、図6の開口部524)を含む。可撓性シートは、カートリッジ201の上側370の表面と、弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)との間に載置され、弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)は、相補的柱(例えば、図6の柱522)に熱かしめされる。このように、可撓性シート(例えば、図6の可撓性シート605)は、第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)および第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)の上に熱かしめされる。
【0065】
流体入力弁312は、本体309の上側370上に形成され、第2の凹部(例えば、図6の第2の凹部503)と、第2の凹部(例えば、図6の第2の凹部503)を囲む第2の凹部壁(例えば、図6の第2の凹部壁504)とを含む。第2の凹部壁(例えば、図6の第2の凹部壁504)は、カートリッジ201が試料処理システム200(図2)内に挿入される場合に、第2の凹部壁(例えば、図6の第2の凹部壁504)および第2の凹部(例えば、図6の第2の凹部503)を被覆する可撓性シート(例えば、図6の可撓性シート605)に嵌合および密閉するように適合される。一実施形態では、可動ヘッド組立体202上の表面は、第2の凹部壁(例えば、図6の第2の凹部壁504)が可撓性シートに嵌合および密閉して、密閉チャンバ(例えば、図6のチャンバ603)を形成するように、第2の凹部壁(例えば、図6の第2の凹部壁504)および第2の凹部(例えば、図6の第2の凹部503)を被覆する可撓性シートに力を印加する。また、弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)は、第2の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)および第2の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)を囲む。
【0066】
流体入力弁312は、第1の開口部(例えば、図6の第1の開口部307)と、第2の開口部(例えば、図6の第2の開口部308)とをさらに含む。第2の凹部(例えば、図6の第2の凹部503)は、第1の開口部(例えば、図6の第1の開口部307)を介して、本体309の底側375の流体入力部チャネル372と流体連通する。また、第2の凹部(例えば、図6の第2の凹部503)は、第2の開口部(例えば、図6の第2の開口部308)を介して、本体309の底側375の処理機器入力チャネル313と流体連通する。
【0067】
一実施形態では、第1および第2の凹部壁(例えば、図6の第1および第2の凹部壁502、504)は、本体309の上側370の表面に対して、約0.0254cm(0.010インチ)突出する。別の実施形態では、第1および第2の凹部壁502、504は、第1および第2の凹部壁502、504にすぐ隣接する表面(例えば、図6の突起部602の高さ)の上から0.076cm(0.030インチ)突出する。別の実施形態では、第1および第2の凹部壁(例えば、図6の第1および第2の凹部壁502、504)は、可動ヘッド組立体202が可撓性シートに力を印加する場合に、可撓性シートとの密閉を形成するために、0.0254cm(0.010インチ)の平坦な幅を有する。別の実施形態では、可動ヘッド組立体202表面は、第1および第2の凹部壁(例えば、図6の第1および第2の凹部壁502、504)ならびに第1および第2の凹部(例えば、図6の第1および第2の凹部501、503)を被覆する可撓性シートに力を印加し、第1および第2の凹部壁(例えば、図6の第1および第2の凹部壁502、504)が、可撓性シートに嵌合および密閉するようにする。さらに別の実施形態では、可動ヘッド組立体202は、出力弁321、322毎に約1.5lb、6.67Nの力を印加して、出力弁321、322を密閉する。
【0068】
図7は、図3Aおよび図3Bのカートリッジ201の流体槽342の断面側面図である。各流体槽342は、開口部704および第1の壁705を有するチャンバ703を含む。チャンバは、任意の所定の量の試料を保持するように設計可能である。一実施形態では、チャンバ703は、分析評価プロセスの実行に必要な試料の全体積を保持するようなサイズを有する。例えば、チャンバ703は、約1.2mlの流体の容量を有し得る。第2の壁701は、開口部704を囲み、チャンバ703の外面から延出する。第2の壁701は、本明細書に説明するように、ポンプ接続部材と整列、嵌合、および密閉するように構成される。一実施形態では、第2の壁701の内面は、第2の壁701内に適合するサイズを有する円柱状ポンプ接続部材の外面と嵌合する。
【0069】
一部の実施形態では、第2の壁701の開放端部における上面702は、ポンプ接続部材と整列、嵌合、および密閉する。例えば、図14を参照すると、上面702は、Oリング1445を介してポンプ接続部材1446の上部分1444に嵌合および密閉することが可能である。本実施形態では、ポンプ接続部材1446の底部分1448は、円錐形状を有し、第2の壁701の上面702は、面取りされる。ポンプ接続部材1446の円錐形状と、第2の壁701の面取り上面702とによって、流体槽342がポンプ接続部材1446に対して不整列である場合に、ポンプ接続部材1446は、第2の壁701内に進入可能になる。流体槽342がポンプ接続部材1446に対して不整列である場合、ポンプ接続部材1446が第2の壁701内に進入する際、第2の壁701の上面702は、流体槽342およびポンプ接続部材1466が相互に整列および嵌合するまで、ポンプ接続部材1466の円錐状部分の表面に沿って接触および摺動する。
【0070】
気体透過性で液体不透過性の要素707は、第2の壁701内に適合し、開口部704の上のチャンバ703のその上部外面上に位置する。本実施形態では、要素707は、液体および液体蒸気が、流体槽342と接続する空気制御機器に進入し、損傷を与えることを防止する。他の実施形態では、要素707は、膜またはフィルタ(例えば、マトリクスフィルタ)であり得る。
【0071】
図8は、カートリッジ(例えば、図3Aおよび図3Bのカートリッジ201)とともに使用する可動ヘッド組立体802の斜視底面図である。可動ヘッド組立体802は、入力弁組立体接続部810および出力弁組立体接続部820を含む。弁接続部810、820は、カートリッジ201の弁組立体110、120に力を印加して、弁組立体110、120(例えば、図1参照)の弁の各々において密閉流体チャンバを形成する。
【0072】
また、可動ヘッド組立体802は、処理機器接続部850および空気制御機器接続部840も含む。処理機器接続部850は、電気的および/または磁気的接続部を処理機器350に提供して、処理機器350を操作し、処理機器350と通信する。ポンプ接続部840は流体槽342と接続し、空気変位力を提供して、カートリッジ201を介して流体を移動させる。
【0073】
前述のように、カートリッジ201は、粗い位置決め部材(例えば、図3Aの360a、360b)と精密な位置決め開口部(例えば、図3Aおよび図3Bの314a、314b、324a、324b、325a、325b、326a、326b)との両方を含み、カートリッジ201およびその構成要素に対して、可動ヘッド組立体202およびその構成要素を適切に位置決めする。図8に示すように、可動ヘッド組立体802は、可動ヘッド組立体の基部865に取り付けられる2つの粗い位置決めピン860a、860bを含み、これらは、カートリッジ201の2つの粗い位置決め部材360a、360b(図3A)の壁内に適合するように設計される。2つの粗い位置決めピン860a、860bは、カートリッジ201の2つの対応する粗い位置決め部材360a、360b(図3A)を適切に確実に位置設定するために、円錐状の先端を有する。
【0074】
可動ヘッド組立体202の接続部810、820、840、および855の各々は、カートリッジ201上の対応する機器との接続部の各々を精密に整列するために、位置決めピンを含む。例えば、入力弁組立体接続部810は、位置決めピン814a、814bを特徴とし、これらは、カートリッジ201の対応する入力弁組立体位置決め開口部314a、314b(図3A)と嵌合および整列する。同様に、出力弁組立体接続部820は、位置決めピン824a、824bを特徴とし、これらは、カートリッジ201の対応する出力弁組立体位置決め開口部324a、324bと嵌合および整列する。図8に図示するように、位置決めピン814a、814b、824a、824bの先端は、弁組立体接続部810、820が、確実に、位置決めピン814a、814b、824a、824bを、カートリッジ201において対応する弁組立体開口部314a、314b、324a、324bに適切に位置決めして案内するような形状を有する。また、処理機器接続部855も位置決めピン825a、825bを含む。処理機器の位置決めピン825a、825bは、カートリッジ上の対応する処理機器位置決め開口部(例えば、図3Bのカートリッジ201上の位置決め開口部325a、325b)と嵌合する。また、処理機器接続部855は、処理機器接続部855とカートリッジ上の処理機器(例えば、図3Bのカートリッジ201の処理機器850)との間の精密な距離を設定および保持するための位置決め部材826も含む。
【0075】
図9は、図8の可動ヘッド組立体802の弁アクチュエータ組立体820の一実施形態の斜視図である。弁アクチュエータ組立体820は、可動ヘッド組立体がカートリッジと係合するときに、カートリッジ上の弁組立体の可撓性シートに力を印加する面密封要素909を含む。印加された力が弁組立体における弁の各々を密閉する。例えば、図6を参照すると、面密封要素909は、可動ヘッド組立体802がカートリッジ201と係合するときに、出力弁組立体320の可撓性シート605に力を印加して、出力弁121、122を密閉する。別の実施形態では、弁アクチュエータ組立体820は、弁アクチュエータ組立体820がモータによって駆動されるときに、別々に可動であり、カートリッジ201における弁組立体と係合する。
【0076】
弁アクチュエータ組立体820は、弁アクチュエータ組立体931の第1の部分の第1の弁ピン921a〜921h(概して、921)の列と、弁アクチュエータ組立体931の第2の部分の第2の弁ピン922a〜922h(概して、922)の列とを含む。弁ピン921、922は、面密封部909における開口部を介して位置決めされる。一実施形態では、弁ピン921、922の直径は、約0.15875cm(0.0625インチ)である。各弁ピン921は、対応する弁ピンバネ913a〜913hによって個々にバネで負荷がかけられる。弁ピンバネ913a〜913hは、2.22Nから4.45N(0.5Ibから1Ib)の密閉力を提供するように選択される。図9に示す実施形態では、弁アクチュエータ組立体820は、第1の弁ピン921を同調して駆動するために、第1のモータ927、第1のリンクアーム部923、および第1のベルクランク925も含む。また、弁アクチュエータ組立体820も、第2の弁ピン922を駆動するために、第2のモータ928、第2のリンクアーム部923、および第2のベルクランク925を含む。一実施形態では、弁ピンは、ユーザが、カートリッジの異なるチャネルにおいて異なる分析を実行する場合に、同調せずに駆動される。別の実施形態では、弁アクチュエータ組立体820は、各々が単一の弁ピン921、922を駆動する複数のモータを含む。
【0077】
図10は、図6の出力弁組立体320と嵌合する図9の弁アクチュエータ組立体820の断面側面図である。図10に示すように、弁アクチュエータ組立体820は、可撓性シート605の中央部分1019において力を印加して、例えば、出力弁321を密封し、密閉流体チャンバ1004を形成する。第2の出力弁322を閉鎖するコマンド信号に応答して、第2のモータ928は、可撓性シート605の第1の部分1001が、第2の出力弁322の開口部307および開口部308を被覆および密閉するように、弁ピン922aを可撓性シート605の第1の部分1001に駆動する。この結果、流体は、第2の弁322の開口部307と開口部308との間で流動不可能になる。
【0078】
第1の出力弁321を開放するコマンド信号に応答して、第1のモータ927は、既定の解放位置に移動し(すなわち、第1のモータ927がこの位置に到達すると電流を停止することができる)、弁アクチュエータ組立体931を引き込み、弁ピンバネの力は、可撓性シート605から離れる方向に弁ピン921aを駆動する。この結果、可撓性シート605の第2の部分1002は、開口部305、306を被覆および密閉せず、流体は、第1の出力弁321の開口部305、306の間で流動し得る。一部の実施形態では、第2のモータ928は、第2の出力弁322を閉鎖するコマンド信号に応答して既定の係合位置に移動し、弁ピンバネ913は、力を印加して、第2の弁ピン922を可撓性シート605に駆動し、第2の出力弁322の開口部307および開口部308を密閉する。本実施形態では、モータ電流は、モータが既定の係合位置に到達するとともに、弁ピン922が係合したままになると停止する。反対に、第2の出力弁322を開放するコマンド信号に応答して、第2のモータ928は、作動し、第2の弁ピン922を引き込む。次いで、シリコーンシート605は、凹部からその元々の位置に回復し、開口部307と開口部308との間の流動が再開する。
【0079】
本実施形態では、弁ピン921a、921bは、円形先端を有する。他の実施形態では、弁ピン921a、921bは、異なる形状の先端を有する。一実施形態では、弁ピン921a、921bは、円錐状先端を有し、弁凹部(例えば、図5および図6の弁凹部502)は、弁ピン921a、921bの先端に対して相補的な形状を有するような形状を有する。
【0080】
図11は、図2のシステム200の注射器ポンプ組立体240の斜視側面図である。注射器ポンプ組立体240は、8つの注射器1143a〜1143h、8つの圧力センサ1145a〜1145h、および8つの管1147a〜1147hを有する注射器ポンプ1140を含む。本実施形態では、注射器ポンプ1140は、Tecan Cavro XMP 6008の8チャネル型注射器ポンプ(Tecan Trading AG,Switzerland)である。他の実施形態では、他の市販の注射器ポンプまたはカスタム製作された注射器ポンプを使用することができる。各圧力センサ1145a〜1145hは、各対応する管1147a〜1147hにおける圧力を検知して、漏出を検出し、注射器ポンプ1140の適切な機能を観測する。本実施形態では、圧力センサは、Honeywell SDX05D4+/−5V非増幅差圧センサ(Honeywell International Inc.,Morristown,NJ)である。
【0081】
図12Aは、本発明の例示的実施形態に従う、検体処理システムに取り付けられる注射器ポンプ接続組立体1240の斜視上面図である。図12Bは、図12Aの注射器ポンプ接続組立体1240の斜視底面図である。注射器ポンプ(例えば図11の注射器)上の注射器1143a〜1143hからの管1247a〜1247h(概して、1247)は、注射器ポンプ接続組立体1240の注射器ポンプ接続ブロック1201を介して、対応するポンプ接続部材1246a〜1246hに連結する。本実施形態では、各ポンプ接続部材1246には、Oリング1245が装備され、これは、ポンプ接続部材1246と図13に示す流体槽342の第2の壁701の内面との間に密封を提供する。図13は、本発明の例示的実施形態に従う、カートリッジ201の流体槽342と嵌合する器具のヘッド(例えば、図2の可動ヘッド組立体202)のポンプ接続部材1246の断面側面図である。ポンプ接続部材1246は、管1244と流体連通する開口部1249を有する。開口部1249は、空気変位力を流体槽342へ提供して、カートリッジ201を介して流体を引き込みまたは押圧する。
【0082】
ポンプ接続部材1246は、器具のヘッドがカートリッジと係合する場合に、ポンプ接続部材1246が流体槽342の第2の壁701と整列することを容易にするためにバネ負荷型である。具体的には、各ポンプ接続部材1246は、バネ1342で負荷がかけられ、流体槽342の第2の壁701と自己整列するための能力が各ポンプ接続部材1246に提供される。ポンプ接続部材1246および流体槽342の実施形態は、空気ポンプ接続部を、多種多様のカートリッジバッチのカートリッジ201に確実に密閉するように設計される。
【0083】
図14は、ポンプ接続組立体1400の別の実施形態を示す。ポンプ接続組立体1400は、複数のポンプ接続組立体部材1446を受容するブロック1402を含む。各ポンプ接続組立体部材1446は、可動ヘッド組立体(例えば、図2の可動ヘッド組立体202)がカートリッジ(例えば、図3Aのカートリッジ201)と係合する場合に、Oリング1445を介して、流体槽(例えば、図3Aの流体槽342)の第2の壁(例えば、図7の第2の壁701)の上面(例えば、図7の上面702)に嵌合および密閉する。また、ポンプ接続組立体1400は、ブロック1408に取り付けられ、かつ対応するポンプ接続部材1446と流体連通する複数の棘部1404も含む。空気容積型ポンプは、棘部1404に取り付けられる管を介してポンプ接続組立体1400に連結することができる。
【0084】
図15は、本発明の例示的実施形態に従う、カートリッジ1501の複数の流体槽1542と嵌合する器具(例えば、図2の器具210)の複数のポンプ接続部材1546の断面側面図である。ポンプ接続部材1546は、本体部分1545を有する。また、ポンプ接続部材1546は、本体部分1545の上部から延出する本体部分1545よりも小さい直径のヘッド部分1541も含む。ヘッド部分1541は、壁1522の内面を裏当てするスリーブ1523と嵌合する。本実施形態では、スリーブは、軟質エラストマー材料から作製される。一部の実施形態では、スリーブは、シリコーン、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、または熱可塑性エラストマー(TPE)(例えば、Santroprene)から作製される。ポンプ接続部材1546は、本体部分1545の上面1565が壁1522の上面1552に嵌合するように、十分大きい直径1555を有する本体部分1545を有する。密閉は、ヘッド部分1541の外面と、スリーブ1523の内面との間に形成される。本実施形態では、スリーブ1523の内面との密閉を形成するヘッド部分1541上のリブ1543が存在する。
【0085】
図16Aおよび図16Bは、本発明の例示的実施形態に従う、カートリッジの容易な装填および板組立体1600の板1604の洗浄を容易にするように、システムに近づく方向におよび離れる方向に移動するように構成される検体処理システムの板組立体1600の斜視図である。板組立体1600は、レール1602、板1604、温度制御機器1606、電子機器1608、およびハンドル1612を含む。板組立体1600は、検体処理システムの基部に取り付けられるトラックの上で水平軸1610に沿って移動する引き出しのように動作するように設計される。ハンドル1612によって、ユーザは、カートリッジ(例えば、図2のカートリッジ201)を容易に装填するため、および板1604を洗浄するために、可動板組立体1600を検体処理システムから離れる方向に引くことが可能になる(例えば、図1の103、105に関して説明したように)。別の実施形態では、モータは、ユーザからのコマンドに応答して、検体処理システムの基部に対して特定の位置に可動板組立体1600を駆動する。
【0086】
温度制御機器1606は、板1604において所定の冷却温度を維持するために、熱電冷却機器およびファンを含む。他の実施形態では、温度制御機器1606は、温度を維持または変更するために、加熱および冷却の両方の要素を含む。レール1602は、ユーザがカートリッジを手動で取り付ける場合に、カートリッジ(例えば、図2のカートリッジ201)を位置に案内する。一実施形態では、カートリッジが板1604上の位置に取り付けられると、可動ヘッド組立体(例えば、図2の可動ヘッド組立体202)は、カートリッジを自動的に係合する。可動ヘッド組立体は、板1604の表面に対してカートリッジを押し付ける。
【0087】
図17は、本発明の例示的実施形態に従う、カートリッジを操作する方法を図示するフロー図である。開始1701後、多数の試薬入力弁(例えば、図3Aの試薬入力弁311)、流体入力弁(例えば、図3Aの流体入力弁312)、第1の出力弁(例えば、図3Aの第1の出力弁321)、および第2の出力弁(例えば、図3Aの第2の出力弁322)の上に配置される可撓性シート(例えば、図10の可撓性シート605)に力を印加し、入力弁および出力弁の各々において密閉チャンバ(例えば、図10の密閉流体チャンバ1004)を提供する1702。次に、試薬入力弁(例えば、図3Aの試薬入力弁311)を閉鎖し1704、第2の出力弁(例えば、図3Aの第2の出力弁322)を閉鎖する1708(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第1の部分1001内に駆動される)。また、流体入力弁(例えば、図3Aの流体入力弁312)を開放し1706、第1の出力弁(例えば、図3Aの第1の出力弁321)を開放する1710(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第2の部分1002から離れる方向に引き込まれる)。次に、試料(例えば、図3Aの流体入力部332からの試料)を、各流体入力弁(例えば、図3Aの流体入力弁312)を介して、対応する処理機器(例えば、図3Aの処理機器351)を介して、および対応する第1の出力弁(例えば、図3Aの第2の出力弁322)を介して引き込む1712。次いで、試料を各処理機器(例えば、図3Aの処理機器351)によって処理する1714。
【0088】
試料の処理1714の後、流体入力弁(例えば、図3Aの流体入力弁312)を閉鎖し1716(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第1の部分1001内に駆動される)、試薬入力弁を開放する1718(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第2の部分1002から離れる方向に引き込まれる)。次に、試薬を、(1)各試薬入力弁(例えば、図3Aの試薬入力弁311)、(2)対応する処理機器(例えば、図3Aの処理機器351)、および(3)対応する第1の出力弁(例えば、図3Aの第1の出力弁321)を介して引き込む1720。試薬の流動によって、試料の各々は、対応する流体槽(例えば、図3Aの流体槽342)に進入する。次に、第1の出力弁(例えば、図3Aの第1の出力弁321)を閉鎖し(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第1の部分1001内に駆動される)1722、第2の出力弁(例えば、図3Aの第2の出力弁322)を開放する(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第2の部分1002から離れる方向に引き込まれる)1724。終了1727の前に、各試料は、各流体槽(例えば、図3Aの流体槽342)から各第2の出力弁(例えば、図3Aの第2の出力弁322)を介して押圧される1726。別の実施形態では、流体槽(例えば、図3Aの流体槽342)から流体を押圧することに関するステップを実行する前に、カートリッジを介して流体を引き込むことに関するステップを、多数回繰り返してもよい。
【0089】
別の実施形態では、乾燥カートリッジ(例えば、図3Aのカートリッジ201)を器具(例えば、図2の器具210)に取り付ける。最初に、流体入力弁(例えば、図3Aの流体入力弁312)を閉鎖し(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第1の部分1001内に駆動される)、試薬入力弁を開放する(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第2の部分1002から離れる方向に引き込まれる)。次に、試薬を、(1)各試薬入力弁(例えば、図3Aの試薬入力弁311)、(2)対応する処理機器(例えば、図3Aの処理機器351)、および(3)対応する第1の出力弁(例えば、図3Aの第1の出力弁321)を介して引き込む。次に、第1の出力弁(例えば、図3Aの第1の出力弁321)を閉鎖し(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第1の部分1001内に駆動される)、第2の出力弁(例えば、図3Aの第2の出力弁322)を開放する(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第2の部分1002から離れる方向に引き込まれる)。
【0090】
次に、流体入力弁(例えば、図3Aの流体入力弁312)を開放し(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第2の部分1002から離れる方向に引き込まれる)、試薬入力弁を閉鎖し(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第1の部分1001内に駆動される)、流体入力部(例えば、図3Aの流体入力部332)を試薬(例えば、緩衝液)で充填する。次に、試薬を、(1)各流体入力弁(例えば、図3Aの流体入力弁312)、(2)対応する処理機器(例えば、図3Aの処理機器351)、および(3)対応する第1の出力弁(例えば、図3Aの第1の出力弁321)を介して引き込む。次に、第1の出力弁(例えば、図3Aの第1の出力弁321)を閉鎖し(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第1の部分1001内に駆動される)、第2の出力弁(例えば、図3Aの第2の出力弁322)を開放する(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第2の部分1002から離れる方向に引き込まれる)。終了前に、試料は、各流体槽(例えば、図3Aの流体槽342)から各第2の出力弁(例えば、図3Aの第2の出力弁322)を介して押圧される。このように、カートリッジ(例えば、図3Bのカートリッジ201)の全チャネルは準備される。全てのチャネルが準備されると、流体入力部(例えば、図3Aの流体入力部332)を試料で充填し、プロセス1700が開始する。
【0091】
図18Aは、一実施形態に従ってカートリッジ(例えば、図6のカートリッジ201)の一部分を製造するためのプロセス1800aのフロー図である。プロセス1800aの開始1801の後、第1のチャネル(例えば、図6の処理機器出力チャネル381)および第2のチャネル(例えば、図6の流体槽チャネル392)を、本体1802(例えば、図6の本体309)の第1の側面(例えば、図6の第1の側面375)に形成する。次に、第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)を、本体1804(例えば、図6の本体309)の第2の側面(例えば、図6の第2の側面370)に形成する。次いで、第1のチャネル(例えば、図6の処理機器出力チャネル381)と流体連通する第1の開口部(例えば、図6の第1の開口部305)を、第1の凹部1806(例えば、図6の第1の凹部501)に形成する。第1の開口部(例えば、図6の第1の開口部305)が形成された後、第2のチャネル(例えば、図6の流体槽チャネル392)に連通する第2の開口部(例えば、図6の第2の開口部305)を、第1の凹部1808(例えば、図6の第1の凹部501)に形成する。プロセス1800aが終了する前に、第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)を、第1の凹部1810(例えば、図6の第1の凹部501)の周囲に形成する。
【0092】
一実施形態では、第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)および第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)を形成するステップは、本体の第1の側面(例えば、図6の第1の側面375)から延出する突起部(例えば、図6の突起部602)を形成するステップと、凹部(例えば、図6の第1の凹部501)を突起部に形成するステップとを含む。本実施形態では、第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)は、カートリッジ(例えば、図6のカートリッジ201)が試料処理システム(例えば、図2の試料処理システム200)に取り付けられる場合に、第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)および第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)を被覆する可撓性シート(例えば、図6の可撓性シート605)に嵌合および密閉するように形成される。プロセス1800aの別の実施形態では、さらなるステップは、弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)が可撓性シート(例えば、図6の可撓性シート605)に嵌合および密閉するように、第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)と第1の凹部壁との組み合わせの周囲に弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)を形成するステップを含む。一部の実施形態では、上記製造ステップのうちの1つ以上は、まとめて実行される。
【0093】
図18Bは、本発明の別の実施形態に従う、図18Aの方法に後続する、カートリッジ201(例えば、図6のカートリッジ201)を製造するための方法1800bのフロー図である。方法1800bは、方法1800aの終了1811後に開始する1813。第3のチャネル(例えば、図6の廃棄物出力部チャネル382)を、本体1812(例えば、図6の本体309)の第1の側面(例えば、図6の第1の側面375)に形成する。次に、第2の凹部(例えば、図6の第2の凹部503)は、本体1814(例えば、図6の本体309)の第2の側面に形成される。次いで、第3のチャネル(例えば、図6の廃棄物出力部チャネル382)と流体連通する第1の開口部(例えば、図6の第2の開口部308)を、第2の凹部1816(例えば、図6の第2の凹部503)に形成し、第2のチャネル(例えば、図6の流体槽チャネル392)と流体連通する第2の開口部(例えば、図6の第1の開口部307)を、第2の凹部1818(例えば、図6の第2の凹部503)に形成する。
【0094】
次に、第2の凹部壁(例えば、図6の第2の凹部壁504)を、第2の凹部1820(例えば、図6の第2の凹部503)の周囲に形成する。第2の凹部壁(例えば、図6の第2の凹部壁504)は、カートリッジ(例えば、図6のカートリッジ201)が、試料処理システム(例えば、図2の試料処理システム200)に取り付けられる場合に、第2の凹部(例えば、図6の第2の凹部503)および第2の凹部壁(例えば、図6の第2の凹部壁504)を被覆する可撓性シート(例えば、図6の可撓性シート605)に嵌合および密閉可能である表面とともに形成される。プロセス1800bが終了する1823前に、弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)を、第1および第2の凹部(例えば、図6の第1および第2の凹部501、503)と、第1および第2の凹部壁(例えば、図6の第1および第2の凹部壁502、504)との組み合わせの周囲に形成する。弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)は、弁組立体壁が可撓性シート(例えば、図6の可撓性シート605)に嵌合および密閉するように形成される。一部の実施形態では、弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)は、凹部(例えば、図6の第1および第2の凹部501、503)および凹部壁(例えば、図6の第1および第2の凹部壁502、504)を被覆するために、可撓性シート(例えば、図6の可撓性シート605)をカートリッジ(例えば、図6のカートリッジ201)に取り付ける。
【0095】
図19Aは、前部カバーが除去された可動ヘッド組立体(例えば、図8の可動ヘッド組立体802)の弁アクチュエータ組立体1900の別の実施形態の斜視側面図である。図19Bは、図19Aの弁アクチュエータ組立体1900の断面斜視図である。弁アクチュエータ組立体1900は、粗い整列位置決めピン1911、1912と、精密な整列位置決めピン1917、1918とを含む。精密な整列位置決めピン1917、1918は、カートリッジの対応する弁組立体の位置決め開口部(例えば、図3Aのカートリッジ201の入力弁組立体位置決め開口部314a、314bまたは出力弁組立体位置決め開口部324a、324b)と嵌合および整列する。粗い整列位置決めピン1911、1912は、弁アクチュエータ組立体ブロック1905に取り付けられる。粗い整列位置決めピン1911、1912は、ヘッド組立体が移動する際に、対応する開口部と嵌合および整列する。
【0096】
弁アクチュエータ組立体1900は、バネ1913、1914を介して弁アクチュエータ組立体ブロック1905に結合される面密封要素1909であって、粗い整列位置決めピン1911、1912の上部分を囲む面密封要素1909を含む。可動ヘッド組立体がカートリッジと係合する場合、面密封要素1909は、カートリッジの弁組立体の可撓性シート(例えば、図6の出力弁組立体320の可撓性シート605)と嵌合する。可動ヘッド組立体は、カートリッジの弁組立体の弁の各々(例えば、図3Aの入力弁組立体310の入力弁311、312または出力弁組立体320の出力弁321、322)を密閉するために、バネ1913、1914を介して、面密封要素1909に力を印加する。別の実施形態では、弁アクチュエータ組立体1900は、垂直軸1902に沿って可動ヘッド組立体(例えば、図8の可動ヘッド組立体802)に対して別々に可動である。弁アクチュエータ組立体1900は、弁アクチュエータ組立体1900がモータによって駆動される場合に、カートリッジの弁組立体(例えば、図3Aの入力弁組立体310)と係合することができる。
【0097】
弁アクチュエータ組立体1900は、8つの第1の弁ピン1921a〜1921h(概して、1921)の列と、8つの第2の弁ピン1922a〜1922h(概して、1922)の平行した列とを含む。第1の弁ピン1921は、面密閉1909における開口部1923a〜1923h(概して、1923)を介して位置決めされる。第2の弁ピン1922は、面密閉1909における開口部1924a〜1924h(概して、1924)を介して位置決めされる。弁アクチュエータ組立体1900は、8つの弁ピンを上回るまたは下回る第1の弁ピンの列または第2の弁ピンの列を含むことができる。一実施形態では、弁ピン1921、1922は、直径が約0.15875cm(0.0625インチ)である。各第1の弁ピン1921は、対応する第1の弁ピンバネ1953a〜1953h(概して、1953)で個々にバネ負荷を受ける。第1の弁ピン1921の上部分および対応する第1の弁ピンバネ1953は、上部第1の弁ピンバネブロック1952bにおける開口部と、底部第1の弁ピンバネブロック1952aにおける開口部との内部に位置決めされる。ブロック1952a、1952bは、第1の弁ピン1921および第1の弁ピンバネ1953を適所に保持するために、ナット1956bをボルト1956aに締結することによって、およびナット1966bをボルト1966aに締結することによって、まとめて結合される。
【0098】
各第1の弁ピン1922は、対応する第2の弁ピンバネ1954a〜1954h(概して、1954)で個々にバネ負荷を受ける。第2の弁ピン1922の上部分および対応する第1の弁ピンバネ1954は、上部第2の弁ピンバネブロック1951bにおける開口部と、底部第1の弁ピンバネブロック1951aにおける開口部との内部に位置決めされる。ブロック1951a、1951bは、第2の弁ピン1922および第2の弁ピンバネ1954を適所に保持するために、ナット1955bをボルト1955aに締結することによって、およびナット1965bをボルト1965aに締結することによって、まとめて結合される。一実施形態では、弁ピンバネ1953、1954は、2.22Nから4.45N(0.5Ibから1Ib)の範囲の密封力を提供するように選択される。
【0099】
弁アクチュエータ組立体1900は、第1のモータ1931、第1のカム軸の第1の部分1935a、第1のカム軸の第2の部分1935b(すなわち、偏心部分)、および第1のスロット付き軸受ブロック1941を含む。また、弁アクチュエータ組立体1900は、第2のモータ1932、第2のカム軸の第1の部分1936a、第2のカム軸の第2の部分1936b(すなわち、偏心部分)、およびスロット1946を含む第2のスロット付き軸受ブロック1942も含む。第2のモータ1932は、第2のカム軸1936を駆動して、スロット1946において第2のカム軸の第2の部分1936bを回転させ、これによって、第2のスロット付軸受ブロック1942は、垂直軸1902に沿って上方または下方に移動する。第2のスロット付軸受ブロック1942は、平坦で細長い結合要素1944を介して第2の弁ピン組立体1962に取り付けられる。このように、第2のモータ1932は、バネ負荷を受ける第2の弁ピン1922を同調して上昇または下降させるために、垂直軸1902に沿って第2の弁ピン組立体1962を上方または下方に移動することができる。
【0100】
第2のカム軸の第2の部分1936bは、垂直軸1902に沿って到達可能である最高または最低位置において、またはその付近で停止することが可能である。最高または最低位置において、またはその付近で、カム軸1948の第2の部分の長手方向軸は、第2のカム軸1936の第1の部分の長手方向軸(すなわち、回転の中心)の真上または真下に、垂直に整列される。したがって、第2の弁ピン組立体1962の第2の弁ピンバネ1954におけるバネ力は、約ゼロのトルクを第2のカム軸1936に及ぼす。第2のモータ1932は、遊星ギアヘッド1972を含み、遊星ギアヘッドにおける摩擦と組み合わせられたこのほぼゼロのトルクによって、垂直軸1902に沿った上昇または下降位置において第2の弁ピン組立体1962を保持する力が確実に不必要となるようにする。
第2のモータ1932と同様に、第1のモータ1931は、第1のカム軸1935を駆動して、第1のカム軸の第2の部分1935bを回転させ、これによって、第1のスロット付軸受ブロック1941は、垂直軸1902に沿って上方または下方に移動する。第1のスロット付軸受ブロック1941は、平坦で細長い結合要素1943を介して第1の弁ピン組立体1961に取り付けられる。このように、第2のモータ1931は、バネ負荷を受ける第1の弁ピン1921を同調して上昇または下降させるために、垂直軸1902に沿って第2の弁ピン組立体1961を上方または下方に移動することができる。
【0101】
光センサ1937は、第1のカム軸1935に結合される半月円板1933の存在を検知することによって、第1のカム軸1935の長手方向軸に対する第1のカム軸1935の半径方向位置を検知する。同様に、光センサ1938は、第2のカム軸1936に結合される半月円板1934の存在を検知することによって、第2のカム軸1936の長手方向軸に対する第2のカム軸1936の半径方向位置を検知する。操作中、第1のモータ1931は、半月円板1933が光センサ1937を干渉しなくなるまで特定の方向に第1のカム軸の第2の部分1935bを駆動し、その点において、第1のカム軸の第2の部分1935bは、垂直軸1902に沿って到達可能である最高または最低位置に到達する。同様に、第2のモータ1932は、半月円板1934が光センサ1938を干渉しなくなるまで第2のカム軸の第2の部分1936bを駆動し、その点において、第1のカム軸の第2の部分1936bは、垂直軸1902に沿って到達可能である最高または最低位置に到達する。
【0102】
具体的な実施形態を参照して本発明について具体的に図示および説明したが、添付の請求項が既定する本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形式および詳細に種々の変更を加えてもよいことを当業者により理解されたい。
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、処理システムにおいて流体試料の流動を制御するための装置および方法に関し、具体的には、流体試料における1つ以上の検体を検出するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物試料または化学試料における検体を検出および/または分析するための処理を自動化するために、多くのシステムが開発されている。しかしながら、これらのシステムの多くは、不正確であり、検体試料を汚染する傾向にあり、メンテナンスや使用が難しい。多くのシステムは、処理機器を出入りする試料を輸送するための構造を含む。これらのシステムは、すぐに汚染され得る。結果として、例えば、各周期後にオートクレーブすることによってシステム全体を滅菌しなければならない。システムによっては、使い捨てカートリッジを使用することによってこの問題を回避している。しかしながら、これらのカートリッジの製造は難しく、費用が掛かる。また、多くの現在のシステムは、蠕動ポンプを使用するが、この蠕動ポンプは、機能中にいくつかの不利点を有する。蠕動管の製造上の公差により、蠕動管は、本機器によって所望の体積流動精度を達成するために一括較正を必要とする。加えて、蠕動管のために構成されるいくつかのシステムは、ユーザによる管の操作を必要とし、これは厄介である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明に従うシステムは、流体試料(生物学的、化学的、または物理的)の正確な分析を提供し、使用およびメンテナンスが容易である。本発明の一部の実施形態は、多種多様の流体処理機能をカートリッジに統合し、蠕動ポンプを空気変位システムに置換する。一部の実施形態は、流体に直接接触せずに流体試料の輸送および処理を管理するために、カートリッジと接続する器具を含む。カートリッジの一部の実施形態は、弁の操作および接続を可能にする特徴を組み込み、この特徴によって、器具は、正確な弁を形成するとともに、カートリッジを介して流体試料をポンプで送出することが可能になる。空気変位システムの一部の実施形態は、カートリッジを介して流体試料を引くかまたは押圧するために、カートリッジと接続する。蠕動管を含まずに消費可能なカートリッジは、正確な機能のために、定期的に較正する必要がない。
【0004】
本発明は、一側面では、試料を処理するためのカートリッジに関する。カートリッジは、複数の流体入力部を含む。また、カートリッジは、複数の入力弁を有する入力弁組立体も含む。各入力弁は、入口および出口を有し、第1の可動ヘッド組立体によって印加される力に応答して、密閉流体チャンバを形成するように適合される。また、カートリッジは、複数の第1の出力弁および複数の第2の出力弁を含む出力弁組立体も含む。各出力弁は、入口および出口を有し、第2の可動(例えば、独立して整列される)ヘッド組立体によって印加される力に応答して、密閉流体チャンバを形成するように適合される。また、カートリッジは、複数のポンプ接続部材と嵌合および整列するように適合される複数の流体槽も含む。また、カートリッジは、複数の処理機器も含み、その各々は、流体チャンバ、入口、および出口を有する。各処理機器入口は、少なくとも1つの入力弁の出口と流体連通し、各処理機器出口は、第1の出力弁の入口と流体連通する。各第1の出力弁出口は、流体槽および第2の出力弁の入口と流体連通する。また、カートリッジは、複数のチャネルも含む。各チャネルは、入力弁組立体の1つの入力弁を介して、1つの処理機器を介して、出力弁組立体の1つの第1の出力弁を介して1つの流体槽に、および出力弁組立体の1つの第2の出力弁を介して、流体試料を1つの流体入力部から輸送するように適合される。
【0005】
一部の実施形態では、カートリッジは、空気容積型ポンプの1つ以上の接続部材と嵌合および整列するように適合される流体槽を含む。空気容積型ポンプは、カートリッジ内に、カートリッジを介して、カートリッジから流体試料を引くかまたは押圧することができる。一実施形態では、チャネルは、流体槽に流入する前に、(1)入力弁組立体の入力弁を介して、(2)処理機器を介して、(3)出力弁組立体の第1の出力弁を介して、流体試料を輸送するように適合される。一部の実施形態では、追加のチャネルは、流体槽から、出力弁組立体の第2の出力弁を介して、およびカートリッジから、処理された試料を輸送するように適合される。
【0006】
カートリッジの別の実施形態では、各入力弁および出力弁は、第1および第2の可動ヘッド組立体のうちの1つの嵌合する表面によって印加される力に応答して、密封流体チャンバを形成するように適合される。一実施形態では、各入力弁および出力弁は、第1および第2の可動ヘッド組立体のうちの1つの対応する可動部材によって印加される力に応答して、入口と出口との間の流体連通を開放および閉鎖するように適合される。
【0007】
一実施形態では、処理機器は、たわみ板波機器である。別の実施形態では、入力弁は、複数の試薬入力弁および複数の流体入力部(例えば、試料入力)弁を含む。
【0008】
本発明の別の側面では、カートリッジは、少なくとも1つの位置決め特徴を含む。一実施形態では、位置決め特徴は、検体処理システムの適切な機能のために、器具に対してカートリッジを位置決めする。少なくとも1つの位置決め特徴は、カートリッジの表面によって画定される少なくとも1つの開口部を含むことができる。カートリッジの表面から延出する壁は、少なくとも1つの開口部を囲むことができる。別の実施形態では、少なくとも1つの位置決め特徴は、カートリッジの表面上に配置される少なくとも1つのピンを含む。少なくとも1つのピンは、器具上の対応する開口部と嵌合することができる。一部の実施形態では、少なくとも1つの位置決め特徴は、カートリッジを器具と整列するように適合される。別の実施形態では、少なくとも第2の位置決め特徴は、器具の少なくとも1つの組立体を、カートリッジの少なくとも1つの部分に整列するように適合される。一実施形態では、少なくとも1つの組立体は、第1の可動ヘッド組立体であり、カートリッジの少なくとも1つの部分は、入力弁組立体である。
【0009】
本発明の一実施形態では、各流体槽は、開口部および壁を有するチャンバを含む。壁は、チャンバの外面から延出し、開口部を囲む。壁は、複数のポンプ接続部材のうちの1つと整列、嵌合、密閉するように適合される。別の実施形態では、壁は、気体透過性で液体不透過性の要素を受容するように適合される。さらに別の実施形態では、壁は、流体槽と接続する空気ポンプシステムに液体または液体蒸気が進入することを防止するように、フィルタまたは膜要素を受容するように適合される。
【0010】
本発明は、別の側面において、試料を処理するためのカートリッジである。カートリッジは、第1の側面と、第1の側面の反対側の第2の側面とを有する本体を含む。本体の第1の側面は、第1および第2のチャネルを含む。本体の第2の側面は、第1および第2の開口部を有する第1の凹部を含む。第1の凹部は、第1の開口部を介して(1)第1のチャネルと流体連通し、第2の開口部を介して(2)第2のチャネルと流体連通する。カートリッジは、第1の凹部を囲み、かつカートリッジが試料処理システムに取り付けられる場合に、第1の壁および第1の凹部を被覆する可撓性シートに嵌合および密閉するように適合される第1の凹部壁をさらに含む。一実施形態では、第1のチャネルは、第1の流体入力部と流体連通し、第2のチャネルは、処理機器と流体連通する。
【0011】
別の実施形態では、カートリッジは、第1の凹部と第1の凹部壁との組み合わせを囲む弁組立体壁をさらに含む。弁組立体壁は、可撓性シートに嵌合および密閉するように適合される。
【0012】
別の実施形態では、カートリッジ本体の第1の側面は、第3のチャネルをさらに含み、カートリッジの第2の側面は、第2の凹部を含む。本実施形態では、第2の凹部は、第2の凹部の第1の開口部を介して(1)第3のチャネルと流体連通し、第2の凹部の第2の開口部を介して(2)第1のチャネルと流体連通する。第2の凹部壁は、第2の凹部を囲む。また、弁組立体壁は、第2の凹部と第2の凹部壁との組み合わせを囲む。第2の凹部壁の表面は、試料処理システムに取り付けられる場合に、第2の凹部壁および第2の凹部を被覆する可撓性シートに嵌合および密閉するように適合される。
【0013】
カートリッジの別の実施形態では、第1のチャネルは、流体槽と流体連通し、第2のチャネルは、処理機器と流体連通し、第3のチャネルは、廃棄物出力接続部と流体連通する。
【0014】
一実施形態では、カートリッジは、カートリッジの少なくとも1つの特徴を少なくとも部分的に包囲する本体の第1の側面に付着されるシートを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの特徴は、第1のチャネルおよび流体槽を含む。
【0015】
本発明は、別の側面において、試料を処理するためのシステムに関する。システムは、複数の流体接続部、弁組立体、複数のチャネル、および複数の流体槽を含むカートリッジを含む。弁組立体は、複数の弁を含み、その各々は、入口および出口を含む。少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つの弁を介して少なくとも1つの流体接続部と少なくとも1つの流体槽との間に流体連通を提供する。また、システムは、可動ヘッド組立体も含む。可動ヘッド組立体は、密閉流体チャンバを複数の弁の各々に形成するために、力を弁組立体に印加するように適合される弁接続組立体を含む。弁接続組立体は、複数の弁の各々の入口と出口との間の流体連通を開放および閉鎖するように適合される複数の可動部材を含む。また、システムは、ポンプも含む。ポンプは、複数のポンプ接続部材を含み、各々は、(1)複数の流体槽のうちの対応するものと嵌合および整列するように、および(2)少なくとも1つのチャネルおよび少なくとも1つの弁を介して、少なくとも1つの流体接続部と少なくとも1つの流体槽との間で試料を移動させるように適合される.一実施形態では、可動部材は、弁の入口と出口との間の流体連通を閉鎖するように弁に力を印加する。別の実施形態では、各可動部材は、ゼロ保持力作動を各対応する弁に提供するように適合される。
【0016】
本発明は、別の側面において、試料を処理するための器具に関する。器具は、板、可動ヘッド組立体、および板を含む。板は、カートリッジを受容および支持するように適合される。可動ヘッド組立体は、弁組立体における少なくとも1つの弁において密閉流体チャンバを形成するために、カートリッジ上の弁組立体に力を印加するように適合される弁接続組立体を含む。弁接続組立体は、少なくとも1つの弁の入口と出口との間の流体連通を開放および閉鎖するように適合される少なくとも1つの可動部材を含む。ポンプは、カートリッジ上で画定される複数の流体槽と嵌合および整列するように適合される複数のポンプ接続部材を含む。
【0017】
器具の一実施形態では、可動ヘッド組立体は、カートリッジ上で画定される少なくとも1つの相補的位置決め特徴と嵌合および整列するように適合される少なくとも1つの位置決め特徴を含む。器具の別の実施形態では、弁接続組立体は、カートリッジの弁組立体に関連付けられる少なくとも1つの相補的位置決め特徴と嵌合および整列するように適合される少なくとも1つの位置決め特徴を含む。一部の実施形態では、板は、可動板である。一部の実施形態では、板は、熱的に制御される板である。
【0018】
本発明は、別の側面において、カートリッジによって試料を処理する方法に関する。方法は、複数の入力弁および複数の出力弁の上に配置される可撓性シートに力を印加して、入力弁および出力弁の各々において密閉チャンバを提供するステップを含む。複数の入力弁は、複数の試薬入力弁および複数の流体入力弁を含む。複数の出力弁は、複数の第1および第2の出力弁を含む。複数の試薬入力弁および複数の第2の出力弁は閉鎖される。また、複数の流体入力弁および複数の第1の出力弁は、開放される。試料は、各流体入力弁を介して、対応する処理機器を介して、および対応する第1の出力弁を介して引き込まれる。試料は、各処理機器によって処理される。試料が処理された後、複数の流体入力弁は、閉鎖され、複数の試薬入力弁は、開放される。試薬は、(1)各試薬入力弁を介して、(2)対応する処理機器を介して、および(3)対応する第1の出力弁を介して引き込まれる。試薬の流動によって、試料の各々は、対応する流体槽に進入する。複数の第1の出力は、閉鎖され、複数の第2の出力弁は、開放される。試料および試薬は、各流体槽から、および各第2の出力弁を介して押圧される。
【0019】
一部の実施形態では、カートリッジを介して試料および試薬を引き込むステップは、各流体槽から各第2の出力弁を介して試料および試薬を押圧する前に、多数回繰り返される。
【0020】
本発明は、別の側面において、試料を処理するためのカートリッジを製造する方法に関する。方法は、第1のチャネルおよび第2のチャネルを本体の第1の側面に形成するステップを含む。第1の凹部は、本体の第2の側面に形成される。第1のチャネルと流体連通する第1の開口部は、第1の凹部に形成される。第2のチャネルと流体連通する第2の開口部は、第1の凹部に形成される。第1の凹部を囲む第1の凹部壁が形成される。第1の凹部壁は、カートリッジが試料処理システムに取り付けられる場合に、第1の凹部壁および第1の凹部を被覆する可撓性シートに嵌合および密閉する。
【0021】
一実施形態では、カートリッジを製造する方法は、(1)第1の凹部と第1の凹部壁との組み合わせを囲み、かつ(2)可撓性シートに嵌合および密閉する弁組立体壁を形成するステップを含む。一部の実施形態では、可撓性シートは、接着剤を使用せずに、弁組立体壁に永久的に密閉する。一部の実施形態では、1つ以上の製造ステップは、まとめて実行される。
【0022】
別の実施形態では、カートリッジを製造する方法は、第3のチャネルを本体の第1の側面に形成するステップをさらに含む。第2の凹部は、本体の第2の側面に形成される。第3のチャネルと流体連通する第1の開口部は、第2の凹部に形成される。第2のチャネルと流体連通する第2の開口部は、第2の凹部に形成される。第2の凹部を囲み、かつカートリッジが試料処理システムに取り付けられる場合に、第2の凹部壁および第2の凹部を被覆する可撓性シートに嵌合および密閉する第2の凹部壁が形成される。一実施形態では、第1および第2の凹部と第1および第2の凹部壁との組み合わせを囲み、かつ可撓性シートに嵌合および密閉する弁組立体壁が形成される。
【0023】
1つ以上の例に関する詳細は、添付の図面および以下の説明に記述される。本発明のさらなる特徴、側面、および利点は、説明、図面、および請求項によって明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の前述および他の目的、特徴、および利点、ならびに本発明自体は、必ずしも縮尺が一定ではない添付の図面とともに熟読することによって、以下の例示的な説明から、より完全に理解される。
【図1】図1は、本発明の例示的実施形態に従う、試料を処理するためのシステムのブロック図である。
【図2】図2は、本発明の例示的実施形態に従う、試料を処理するためのシステムの斜視図である。
【図3A】図3Aは、本発明の例示的実施形態に従う、複数の流体入力部、複数の入力弁および出力弁、複数の処理機器、ならびに複数の槽を有する図2におけるカートリッジの斜視図である。
【図3B】図3Bは、図3Aのカートリッジの底面図である。
【図4】図4は、図3Aおよび図3Bのカートリッジの流体入力部の断面側面図である。
【図5】図5は、可撓性シートを含まない図3Aおよび図3Bのカートリッジの出力弁組立体の上面図である
【図6】図6は、図3Aおよび図3Bのカートリッジの出力弁組立体の断面側面図である。
【図7】図7は、図3Aおよび図3Bのカートリッジの槽の断面側面図である。
【図8】図8は、本発明の例示的実施形態に従う、カートリッジとともに使用する可動ヘッド組立体の斜視底面図である。
【図9】図9は、図8の可動ヘッド組立体の弁アクチュエータ組立体の斜視図である。
【図10】図10は、図6の出力弁組立体に嵌合する図9の弁アクチュエータ組立体の側面断面図である。
【図11】図11は、図2の注射器ポンプ組立体の斜視側面図である。
【図12A】図12Aは、本発明の例示的実施形態に従う、検体処理システムに取り付けられる注射器ポンプ接続組立体の斜視上面図である。
【図12B】図12Bは、図12Aの注射器ポンプ接続組立体の斜視底面図である。
【図13】図13は、本発明の例示的実施形態に従う、カートリッジの槽と嵌合する器具のヘッドのポンプ接続部材の断面側面図である。
【図14】図14は、本発明の例示的実施形態に従う、注射器ポンプ接続組立体の斜視図である。
【図15】図15は、本発明の例示的実施形態に従う、カートリッジの複数の槽と嵌合する器具のヘッドの複数のポンプ接続部材の断面側面図である。
【図16A】図16Aは、本発明の例示的実施形態に従う、カートリッジの容易な装填および板組立体の板の洗浄を容易にするように、システムに近づけておよび離れる方向に移動するように構成される試料を処理するためのシステムの板組立体の斜視図である。
【図16B】図16Bは、図16Aの板組立体の一部分の斜視図である。
【図17】図17は、本発明の例示的実施形態に従ってカートリッジを制御する方法のフロー図である。
【図18A】図18Aは、本発明の例示的実施形態に従ってカートリッジを製造するための方法のフロー図である。
【図18B】図18Bは、本発明の別の実施形態に従う、図18Aの方法に加えて用いられるカートリッジを製造するための方法のフロー図である。
【図19A】図19Aは、本発明の別の例示的実施形態に従う、前部カバーが除去された弁アクチュエータ組立体の斜視側面図である。
【図19B】図19Bは、図19Aの弁アクチュエータ組立体の断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
概して、本発明は、1つ以上の試料を分析するための交換可能流体カートリッジと、カートリッジを操作するための器具とに関する。図1は、本発明のある実施形態に従う、試料を処理するためのシステム100のブロック図である。システム100は、カートリッジ101および器具108を含む。器具108は、電子機器135および空気制御機器140を支持する基部130を含む。また、器具108は、垂直軸106に沿って可動であるヘッド組立体102と、可動ヘッド組立体102の動きを支持および駆動する昇降組立体104とも含む。また、器具108は、水平軸105に沿って可動であるプラットフォーム103も含む。可動ヘッド組立体102は、第1の可動ヘッド組立体117および第2の可動ヘッド組立体127を含む。システム100を操作するために、ユーザは、カートリッジ101をプラットフォーム103上に載置し、カートリッジ101を含むプラットフォーム103をヘッド組立体102の下の位置に移動させる。次いで、ユーザは、コマンド信号を電子機器135に送信して(例えば、電子機器135と通信するコンピュータまたは他のユーザインターフェースを介して)、ヘッド組立体102を移動させてカートリッジ101に係合する。ヘッド組立体102がカートリッジ101と係合した後、ユーザは、試料をカートリッジ101内に置き、コマンド信号を電子機器135に送信して、一連の処理ステップを実行する。次いで、ヘッド組立体102は、カートリッジ101を操作して、一連の処理ステップに従って、カートリッジ101を介して試料を処理する。
【0026】
カートリッジ101は、流体入力部132、緩衝剤入力部107、入力弁組立体110、処理機器150、出力弁組立体120、流体槽142、および廃棄物出力部109を含む。入力弁組立体110は、流体入力弁112を含み、これは、流体入力部132から処理機器150への試料の流動を制御する。また、入力弁組立体110は、試薬入力弁111も含み、これは、試薬入力部107と処理機器150との間の試薬の流動を制御する。各入力弁は、第1の可動ヘッド組立体117が力を各入力弁に印加する場合に密閉流体チャンバを形成するように構築される。一実施形態では、処理機器150は、試料における検体を検出する。
【0027】
出力弁組立体120は、第1の出力弁121を特徴とし、これは、流体槽142に向けられる処理機器150を出る試料の流動を制御する。また、出力弁組立体120は、第2の出力弁122も含み、これは、流体槽142と廃棄物出力部109との間の試料の流動を制御する。各出力弁は、第2の可動ヘッド組立体127が力を各入力弁に印加する場合に密閉流体チャンバを形成するように構築される。
【0028】
ヘッド組立体102は、カートリッジ101の弁111、112、121、122を開閉して、カートリッジ101を介する試料または試薬の輸送を制御する複数の弁アクチュエータ組立体115、116、125、126を含む。試薬入力弁アクチュエータ組立体115は、試薬入力弁111を開閉するために、垂直軸106の方向に沿ってピン113を移動させる。流体入力弁アクチュエータ組立体116は、流体入力弁112を開閉するために、垂直軸106の方向に沿ってピン114を移動させる。第1の出力弁アクチュエータ組立体125は、第1の出力弁121を開閉するために、垂直軸106の方向に沿ってピン123を移動させる。第2の出力弁アクチュエータ組立体126は、第2の出力弁122を開閉するために、垂直軸106の方向に沿ってピン124を移動させる。
【0029】
また、器具108は、流体槽142と接続し、かつ空気を使用してカートリッジ101を介して流体を押圧するかまたは引く空気ポンプ140も含む。管148は、空気ポンプ140をポンプ接続部材146に連結する。ポンプ接続部材146は、流体槽142に結合する。また、器具108は、処理機器接続部152も含む。処理機器接続部152は、処理機器150を電気的に結合する。電子機器135は、電子機器135と可動ヘッド組立体102との間の電気ケーブル149を介して、処理機器接続部152に電気的に結合される。電子機器135は、処理機器150を操作し、処理機器接続部152を介して処理機器150から測定データを入手する。また、電子機器135は、電力および制御信号を、昇降組立体104、空気ポンプ140、カートリッジプラットフォーム103、ならびに可動ヘッド組立体102の弁アクチュエータ組立体117、118および処理機器接続部152に提供する。器具108は、可動ヘッド組立体102、昇降組立体104、空気ポンプ140、および電子機器135を包囲および保護するカバー190を含み、カートリッジ100が動作する清潔な環境を提供する。
【0030】
昇降組立体104は、ヘッド組立体102を上昇および下降させる昇降機構を含む。一部の実施形態では、昇降組立体104は、ヘッド組立体102の動きを可能にするため、失速させるため、および終了させるために使用される位置センサも含む。一部の実施形態では、器具108は、アクセスドアセンサを含み、これは、器具108へのアクセスドア(図示されないが、例えば、カバー190の一部分)が開放しているか否かに関する情報を提供する。一実施形態では、情報は、割り込み信号である。ユーザは、位置センサからの情報と、アクセスドアセンサからの情報とを組み合わせる論理によって電子機器104をプログラミングして、ユーザへの負傷のリスク(例えば、ヘッド組立体102がユーザの手または指を押しつぶす)を低減するために、ヘッド組立体102の動きを停止するか、またはヘッド組立体が印加する力を制限し得る。一実施形態では、器具108は、力センサを含む。力センサは、ヘッド組立体102が印加する力の制御に使用される力情報を提供する。別の実施形態では、器具108は、電流センサを含み、これは、ヘッド組立体102を移動させる器具108のモータに印加される電流を検知する。電流センサからの電流情報を使用して、ヘッド組立体102を移動させるモータが印加する力を制御または制限する。
【0031】
図2は、本発明の別の実施形態に従う、検体試料を処理するためのシステム200の斜視図である。システム200は、複数の試料を並行して処理するように構成される。また、システム200は、8つの試料を同時に処理するようにも構成される。システム200は、8つの処理チャネルを含むカートリッジ201と器具210とを含む。システム200は、可動ヘッド組立体202と、可動ヘッド組立体202を垂直方向206に移動させるための昇降組立体204とを含む。また、システム200は、8つの注射器ポンプを含む注射器ポンプ組立体240も含む。注射器ポンプの各々は、複数の管248のうちの1つを介して、可動ヘッド組立体202上の複数のポンプ接続部材(図示せず)のうちの1つに空気制御を提供する。可動ヘッド組立体214は、弁アクチュエータ組立体214を含み、これは、カートリッジ201上の対応する弁組立体と嵌合する。システム200は、システムにおける電子機器に電力および制御信号を提供するシステム電子機器235を含む。
【0032】
図3Aおよび図3Bは、図2の検体処理システム200におけるカートリッジ201の詳細を図示する。カートリッジ201は、複数の流体入力部332a〜332h(概して、332)と、複数の流体入力弁312a〜312h(概して、312)を有する入力弁組立体310とを含む。また、カートリッジ201は、複数の処理機器351a〜351h(概して、351)を有するチップ350と、複数の第1の出力弁321a〜321h(概して、321)を有する複数の流体入力弁312a〜312h(概して、312)を有する入力弁組立体310とも含む。また、カートリッジ201は、複数の流体槽342a〜342h(概して、342)と、流体入力部332から流体槽342に流体試料を輸送するための複数のチャネル372a〜372h、313a〜313h、381a〜381h、および342a〜342hも含む。一部の実施形態では、流体槽342は、流体を受容および吐出する移行チャンバとしての役割を果たす。カートリッジ201が単回使用のみのものである別の実施形態では、流体槽342は、流体を受容および保管するだけである。
【0033】
各流体入力弁312は、入口303a〜303hおよび出口304a〜304hを有し、これらを介して、流体は、流体入力部チャネル372から処理機器入力チャネル313に流動する。同様に、各試薬入力弁311は、入口301a〜301h(概して、301)および出口302a〜302hを有し、これらを介して、流体は、試薬入力部チャネル371a〜371h(概して、371)から処理機器入力チャネル313に流動する。カートリッジ201の出力側において、各第1の出力弁321は、入口305a〜305hおよび出口306a〜306hを有し、これらを介して、流体は、処理機器出力チャネル381から流体槽チャネル392に流動する。同様に、各第2の出力弁322は、入口307a〜307hおよび出口308a〜308hを有し、これらを介して、流体は、流体槽チャネル392から廃棄物出力部チャネル382に流動する。カートリッジは、廃棄物出力接続部329、複数の第2の出力弁322a〜322h(概して、322)、および流体槽342から廃棄物出力接続部329に廃液を輸送するための複数の廃棄物出力部チャネル382a〜382h(概して、382)をさらに含む。
【0034】
本実施形態では、廃棄物出力接続部329は、管の可撓性部分に結合するための棘部を含む。一実施形態では、管の可撓性部分は、流体槽342から廃液を回収するための瓶または他の容器に、廃棄物出力接続部329から連結される。また、カートリッジ201は、試薬入力接続部327も含み、ここを介して、試薬は、試薬入力部チャネル371a〜371h(概して、371)を介して流体槽342に向かって流動し得る。一実施形態では、管の可撓性部分は、試薬入力接続部327を、緩衝液を含有する瓶、脱気袋、または他の容器に連結する。管の可撓性部分は、試薬入力接続部327から緩衝液の瓶への逆流を防止するために、逆止弁を有し得る。
【0035】
処理チップ350は、カートリッジ201の本体309上に配置される。一実施形態では、処理チップ350は、接着剤を使用して、カートリッジ201の本体309の表面に取り付けられる。カートリッジ201は、処理機器入口331a〜331h(概して、331)および処理機器出口333a〜333h(概して、333)を含み、これらは、各処理機器351のチャネルと接続する。処理チップ350は、カートリッジ201の本体309上に精密に配置され、各処理機器351が、カートリッジ201の各処理機器入口331a〜331hおよび各処理機器出口333と適切に整列するようにする。種々の実施形態では、チップ350は、処理機器入口331a〜331hおよび出口333との適切な整列を確実にするために、カートリッジ201が画定する突出面または凹部に装着される。
【0036】
別の実施形態では、処理チップ350は、各処理機器351の空洞ならびに各処理機器入口331および出口333と整列する開口部を有する感圧接着剤で装着および密封される。一部の実施形態では、各処理機器351の表面は、感圧接着剤から作製される薄い積層(キャップ385)およびアクリル裏当てシートで覆われる。一実施形態では、キャップ385は、キャップ385と処理機器351の表面との間に低プロファイルポケットを形成する。処理機器キャップ385は、処理機器351の膜が破れた場合に液体汚染から試料処理システム(例えば、図2の試料処理システム200)を保護する。一部の実施形態では、キャップ385は、処理機器接続部(例えば、図1における処理機器接続部152)が、処理機器351上の接触パッドに電気的にアクセスできるように設計される。キャップ385は、処理機器接続部および/または可動ヘッド組立体(例えば、図2の可動ヘッド組立体202)が、キャップ385と機械的に接続することなく、処理機器接続部の構成要素(例えば、磁石)を、処理機器の表面に可能な限り近接して位置決めできるようにさらに設計される。
【0037】
一実施形態では、処理機器351は、試料における検体を検出するための、または試料の特性を検知するためのセンサである。別の実施形態では、処理機器351は、たわみ板波(FPW)機器である。一実施形態では、処理機器351のチップ350は、微小電気機械システム(MEMS)チップである。
【0038】
流体は、ポンプ接続部材344a〜344h(概して、344)を介して流体槽342と流体連通する空気制御機器を使用して、所定の速度でカートリッジ201の構成要素を介して押圧されるかまたは引かれる。一実施形態では、空気制御機器は、空気容積型ポンプである。別の実施形態では、空気制御機器は、標準的な注射器ポンプである。標準的な注射器ポンプは、バレルと、バレルの内部で2方向に移動するプランジャとを含む。モータまたは他の機構は、バレルの内部で2方向にプランジャを駆動し、カートリッジ201のチャネルおよび機器(例えば、処理機器351および第2の出力弁322)を介して、試料および試薬を押圧するかまたは引く。各流体槽342は、別々の空気制御機器と流体連通する。別の実施形態では、全ての流体槽342は、単一の空気制御機器と流体連通する。流体槽342は、流体槽342から空気を引くことによって空気制御機器がカートリッジ201を介して流体槽342内に引き込む試料および試薬を蓄積する。流体槽342が既定のレベルに充填されるか、または容量まで充填されると、空気制御機器は、空気を流体槽342に押圧して、試料および試薬を流体槽342から変位させる。
【0039】
カートリッジ201を使用して試料の分析を実行するために、試料は、流体入力部332内に置かれる。ポンプ接続部材344を介して流体槽342と接続する空気制御機器は、流体入力部チャネル372を介して流体入力部332から試料を引き込む。次いで、空気制御機器は、入口303を介して試料を流体入力弁312に引き込む。試料は、出口304を介して流体入力弁312から、処理機器350の入口331a〜331hに通じる処理機器入力チャネル313a〜313h内に退出する。試料は、試料を分析する処理機器351を通過し、出口333を介して処理機器出力チャネル381内に退出する。
【0040】
処理機器出力チャネル381は、第1の出力弁321の入口305a〜305h(概して、305)に通じる。試料は、入口305を介して第1の出力弁321内を通過し、出口306a〜306h(概して、306)を介して流体槽チャネル392内に退出し、流体槽342に向かって流れる。処理された試料は、処理された試料の既定の体積で槽342が充填されるまで流体槽342に蓄積する。次いで、空気制御機器は、流体槽342の含有物を、第2の出力弁322の入口307a〜307h(概して、307)に向かって流体槽チャネル392内に戻すように押圧する。次いで、処理された試料は、入口307を介して第2の出力弁322に流入し、第2の出力弁322の出口308a〜308h(概して、308)を介して廃棄物出力部チャネル382内に退出する。廃棄物出力部チャネル382における試料は、共通廃棄物出力部チャネル319に流入し、廃棄物出力接続部329を介してカートリッジ201を退出する。
【0041】
また、空気制御機器は、試薬接続部327を介して共通試薬入力部チャネル317内に試料を別々に引き込み得る。試薬は、試薬入力弁311の入口301に向かって、共通試薬入力部チャネル317から複数の試薬入力部チャネル371に流入する。試薬は、入口301を介して試薬入力弁311に進入し、処理機器350の処理機器入口331a〜331hに向かって、出口302を介して試薬入力弁311から処理機器入力チャネル313内に退出する。次いで、試薬は、試料に関して上述した経路と同一の経路を進み得る。試薬は、次の試料の処理実行に備えて、カートリッジのチャネルおよび構成要素を洗浄するための緩衝液を含み得る。
【0042】
他の実施形態では、流体槽342または追加の組の流体槽および空気制御機器に対応する接続部が、カートリッジ201の入力部から出力部への流体経路に沿った別の位置に配置される。例えば、一実施形態では、追加の組の流体槽が、共通試薬入力部チャネル317からの所定量の試薬と流体入力部332からの所定量の試料とを受容および組み合わせるために、入力弁出口302、304と処理機器350の処理機器入口331との間に配置されてもよい。本実施形態では、追加の弁が、各追加の流体槽に結合される空気制御機器が印加する圧力から各処理機器351への損傷を防止するために、各追加の流体槽と各処理機器入口331との間に配置される。本実施形態では、追加の弁が閉鎖した後、各追加の流体槽に結合される各空気制御機器は、流体入力部332および共通試薬入力部チャネル317から各追加の流体槽内に、別々にまたは同時に流体を引き込む。次いで、追加の弁は、開放し、各空気制御機器は、処理機器350の入口332に向かって、各追加の流体槽から混合物を吐出させる。
【0043】
図2および図3Aを参照すると、カートリッジ201は、カートリッジ201およびその構成要素に対して可動ヘッド組立体202およびその構成要素を適切に位置決めするために、粗い位置決め特徴と精密な位置決め特徴との両方を含むことができる。位置決め特徴は、カートリッジ201の本体309によって画定される開口部またはカートリッジ201の本体309上に配置されるピンを含むことができる。一実施形態では、位置決め開口部は、可動ヘッド組立体202上に相補的に位置するピンと嵌合する。図3Aに示すように、カートリッジ201は、2つの粗い位置決め部材360a、360bを含む。本実施形態では、粗い位置決め部材360a、360bは、カートリッジ201の表面によって画定される開口部と、開口部を囲み、かつカートリッジ201の表面から延出する壁とを含む。粗い位置決め部材360a、360bは、カートリッジ201の表面に平行する平面において、カートリッジ201に対して可動ヘッド組立体202を粗雑に整列する。
【0044】
別の実施形態では、可動ヘッド組立体202が、カートリッジ201に係合する場合、可動ヘッド組立体202の表面は、粗い位置決め部材360a、360bの壁の上部分362a、bに存在する。このように、粗い位置決め部材360a、360bの壁は、カートリッジ201の本体309の上面370に直角である垂直方向206に沿って、カートリッジ201に対して可動ヘッド組立体を整列させる。
【0045】
図3Aに示すように、カートリッジ201は、カートリッジ201の本体309において画定される入力弁組立体位置決め開口部314a、314bおよび出力弁組立体位置決め開口部324a、324bも含む。入力弁組立体位置決め開口部314a、314bは、カートリッジ201の入力弁組立体310に対して、可動ヘッド組立体の入力弁組立体接続部を精密に位置決めする。同様に、出力弁組立体位置決め開口部324a、324bは、カートリッジ201の出力弁組立体310に対して、可動ヘッド組立体の出力弁組立体接続部を精密に位置決めする。一部の実施形態では、可動ヘッド組立体の弁組立体接続部は、千分の数インチ以内までカートリッジの弁組立体310、320と整列できる。
【0046】
図3Bを参照すると、カートリッジ201は、カートリッジ201の本体309の表面によって画定される処理機器位置決め開口部326a、326b、328a、328bも含む。処理機器位置決め開口部326a、326bは、処理機器350に対して、可動ヘッド組立体の処理機器接続部を精密に位置決めするために、処理機器350は、適切に機能し、測定信号および制御信号を送受信する。一実施形態では、処理機器位置決め開口部328a、328bは、処理機器チップ350をカートリッジ201の本体309に取り付けるため、および組み立て中にキャップ385を処理機器チップ350の上面に適用するために使用される固定具(相補的なピンを含む)を位置決めする。
【0047】
種々の実施形態では、カートリッジ201の本体309は、射出成形によって製作される。一実施形態では、本体309は、流体入力部332、流体槽342の部分、入力弁311、312および出力弁321、322の部分(例えば、後述する弁凹部および凹部壁)、ならびにチャネル313、317、319、371、372、381、382、392を形成するように射出成形される。一実施形態では、カートリッジ201は、射出成形されたポリカーボネートから形成され、チャネルは、本体309の底側375に形成され、流体入力部332、流体槽342の部分、ならびに入力弁311、312および出力弁321、322の部分は、本体309の上側370に形成される。本体309は、他の材料の中でも特にプラスチック、エラストマー、金属、セラミック、または複合物を含む多種多様の材料から形成可能である。一部の実施形態では、ポリマー(例えば、ポリカーボネート)を用いて本体309を作製することができる。
【0048】
カートリッジ201を組み立てるために、本体309は、約2分から約30分までの範囲の時間間隔で約5%から約100%までのエタノールを含有するエタノール溶液に浸漬される。一実施形態では、各カートリッジ201チャネルは、本体309を通って画定されるトンネルではなく、むしろ、本体309の表面を通る延出空洞切断である。チャネル313、371、372、381、382、392が配置および/または切断される本体309の表面、例えば、本体309の底側375の表面は、カートリッジ201のチャネルからエタノール溶液が排出可能になるように位置決めされる。一部の実施形態では、本体309の底側375の表面は、表面、例えば、摩耗防止テッシュ(例えば、Kimwipe(登録商標))上に位置決めされる。任意選択によって、任意の粒子が、底側375の表面を洗浄することによって、例えば、窒素等の不活性ガスを底側375の表面の上に吹き込むことによって、本体309の底側375の表面から除去される。密封層390は、本体309の表面の少なくとも一部分に配置される。例えば、密封層390は、本体309の底側375に配置される(図6も参照)。
【0049】
一部の実施形態では、密封層390は、熱転写層である。密封層390は、約0.00254mm(0.0001インチ)から0.254mm(0.01インチ)の間、または約0.0254mm(0.001インチ)から0.127mm(0.005インチ)の間の薄い層であることが可能である。密封層390は、流体熱状態調節を可能にする熱界面層を提供する。例えば、洗浄緩衝剤、流体、試料標本、および/または試料の温度を、処理機器351による処理の前に制御または調節することができる。より具体的には、密封層390が、熱的に制御される表面(例えば、温度制御機器1606を有する板1604の上面;図16Aおよび図16B参照)に接触する場合、カートリッジ201を流れる液体は、熱的に状態調節される。液体(例えば、洗浄緩衝剤、流体、試料標本、および/または試料)の熱的状態調節は、カートリッジ201を流れる液体の粘度、密度、および音速に影響を及ぼす、および/またはそれらを制御する。
【0050】
一実施形態では、密封層390は、本体309によって画定される位置決め特徴314a、314b、324a、324b、325a、325b、326a、326b、360a、360bと整列する1つ以上の部分391を有する。例えば、密封層390の一部分は、本体309によって画定される位置決め開口部314、324と整列する開口部391を含む。したがって、密封層は、密封層390における開口部を、本体309において画定される対応する開口部と整列することによって、適切に位置決めされ、本体309の底側375の表面に取り付けられる。一実施形態では、密封層390は、親水性層である。密封層390として用いることが可能な適切な材料には、親水性テープまたは親水性シールを有するポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、もしくはポリエーテルイミド等のプラスチックフィルムが含まれる。一実施形態では、密封層390は、本体309の表面上に配置される湿潤表面を提供する。密封層390は、例えば、親水性テープであることが可能である。別の実施形態では、本体309の表面は、例えば、化学的に、および/または電荷を本体309の表面に導入することによって修正される。例えば、本体309の表面は、本体309の表面上に疎水性または親水性の特徴をもたらすように、流体で処理可能である。
【0051】
一実施形態では、密封層390は、接着剤を含む親水性テープである。裏当ては、親水性テープから除去され、破棄される。親水性テープの領域は、本体309によって画定される位置決め特徴と整列される。親水性テープの接着剤側は、本体309の底側375の表面上に押し付けられる。一実施形態では、密封層390は、ブロック、例えば、プラスチックブロックで擦られ、密封層390と本体309の底側375の表面との間に気泡が存在しないことを確実にする。一実施形態では、本体309および密封層390は、密封層390が本体309の底側375の表面に密閉されることを確実にするために、加熱表面に載置される。加熱表面は、約50℃から約160℃まで、約80℃から約120℃まで、または約100℃の範囲内の温度の熱板であることが可能である。密封層390および本体309は、約20秒から約10分まで、約40秒から約5分まで、または約1分間の範囲内の値を有する時間、加熱表面上に保持可能である。任意選択によって、組立体が加熱表面上にある時間中に、力は、本体309および密封層390組立体に印加される。
【0052】
組立体は、加熱表面から除去されるが、依然として熱い間に、密封層390と本体309との間に位置するいかなる空気ポケットも、例えば、密封層390を押し付けるか、または例えば、密封層390の上で擦られるブロックによって密封層390を擦ることによって除去される。一実施形態では、密封層390と本体309の底側375の表面との間に位置するいかなる空気ポケットも除去される。密封層390を本体309の底側375の表面に追加する前に、カートリッジ201の各チャネルは、文字「C」に実質的に類似する断面形状を有する。密封層390を本体309の底側375の表面に付着させると、各チャネルの断面は、文字「D」に実質的に類似する形状を有する。
【0053】
また、カートリッジ201は、ユーザが把持することができるタブ380も含み、これにより、ユーザは、カートリッジ201を器具(例えば、図2の器具)に容易に挿入または除去することが可能になる。
【0054】
図4は、図3Aおよび図3Bのカートリッジ201の流体入力部332の断面側面図である。流体入力部332は、カートリッジ201の本体309の上側370の表面から延出する壁401を有する。一実施形態では、カートリッジ210が器具(例えば、図2の器具210)に取り付けられる場合、流体入力部332は、依然として外部にあり、かつ器具(例えば、図2の器具210)を包囲するカバー(例えば、図1のカバー190)の付近にある。流体入力部332の壁401は、カバー(例えば、図1のカバー190)から干渉を受けずに、試料移行機器から試料を容易に移行させる能力をユーザに提供するような形状を有し、これは、流体入力部332が、器具(例えば、図2の器具210)の他の部分によって被い隠されていないからである。本実施形態では、壁401は、卵形を有し、ユーザが、システム200の水平軸に対してある角度でピペットを配置し、かつピペットの先端を壁401内に位置決めして、器具(例えば、図2の器具210)を包囲するカバー(例えば、図1のカバー190)から干渉を受けずに試料を配置することができるようになる。
【0055】
各流体入力部332は、傾斜型底部分403および出口405を有する。底部分403は、出口405を介して流体入力部チャネル312に試料を向ける。本実施形態では、開口部は、0.05588cm(0.022インチ)の直径を有する。一部の実施形態では、各流体入力部332の開口部は、0.0508cm(0.020インチ)から0.254cm(0.1インチ)の間の直径を有する。底部分403の傾斜により、確実に、システムの使用の完了時に流体入力部332に残る試料が可能な限り少なくなる(すなわち、死体積が最小限に抑えられる)。流体入力部332の本実施形態は、漏斗のように作用するため、空気をカートリッジに引き込まずに、および気泡をカートリッジに導入せずに、流体入力部332から試料の大部分を引き込むことができる。本実施形態では、流体入力部332は、約400マイクロリットルの試料を保持する容量を有する。一実施形態では、カートリッジ201の動作中、流体入力部332から通じる流体入力部チャネル312は、緩衝液によって事前準備される。カートリッジ201は、とりわけ、気体スラグおよび気泡を除去するため、ならびにカートリッジを介する湿潤経路を確立および維持するために事前準備される。一実施形態では、流体入力部チャネル312は、事前準備される。例えば、緩衝液は、共通試薬入力部チャネル317から流体槽342内に引き込まれる。次いで、緩衝液は、流体槽342から流体入力部チャネル312内に押圧される。
【0056】
図5は、可撓性シートを含まない図3Aおよび図3Bのカートリッジ201の出力弁組立体320の上面図である。図6は、可撓性シート605を含む図3Aおよび図3Bのカートリッジ201の出力弁組立体320の断面側面図である。出力弁組立体320は、第1の出力弁321および第2の出力弁322を含む。第1の出力弁321は、本体309の上側370上に形成され、第1の凹部501と、第1の凹部501を囲む第1の凹部壁502とを含む。各凹部501、503は、例えば、深さが0.0508cm(0.020インチ)であり、直径が0.23368cm(0.092インチ)であるボウルの形状である。図6を参照すると、一実施形態では、第1の凹部壁502は、本体309の第1の側面370から離れる方向に延出する突起部602を形成し、突起部602において凹部503を形成することによって製作される。第1の凹部壁502は、カートリッジ201を器具(例えば、図2の器具210)内に挿入する場合に、第1の凹部壁502および第1の凹部501を被覆する可撓性シート605に嵌合および密閉するように適合される。
【0057】
第1の出力弁321は、第1の開口部(例えば、図3Bの入口305)と、第2の開口部(例えば、図3Bの出口306)とをさらに含む。一部の実施形態では、第1および第2の開口部は、流体が弁を通って流動する方向に依存して、入口または出口のいずれかになる。図6に示すように、第1の凹部501は、第1の開口部305を通って本体309の底側375の処理機器出力チャネル381と流体連通する。また、第1の凹部501は、第2の開口部306を通って本体309の底側375の流体槽チャネル392と流体連通する。
【0058】
出力弁組立体320は、弁組立体壁520をさらに含む。弁組立体壁520は、第1の凹部501および第1の凹部壁502を囲む。また、弁組立体壁520も、可撓性シートと嵌合および密閉するように適合される。本実施形態では、弁組立体壁520は、カートリッジ201の上側370の表面から延出する相補的柱522と嵌合するように構成される開口部524を含む保持具である。可撓性シート605は、カートリッジ201の本体309の上側370から延出する隆起部525の間に載置され、弁組立体壁520は、相補的柱522に熱かしめされる。このように、可撓性シート605は、隆起部525に押し付けられ、隆起部525との外周シールを形成する。
【0059】
第2の出力弁322は、本体309の上側370上に形成され、第2の凹部503と、第2の凹部503を囲む第2の凹部壁504とを含む。第2の凹部壁504は、カートリッジ201が試料処理システム200(図2)内に挿入される場合に、第2の凹部壁504および第2の凹部503を被覆する可撓性シート(例えば、図6に示す可撓性シート605)に嵌合および密閉するように適合される。一実施形態では、可動ヘッド組立体202上の表面は、第2の凹部壁504が可撓性シートに嵌合および密閉するように、第2の凹部壁504および第2の凹部503を被覆する可撓性シートに力を印加する。また、弁組立体壁520は、第2の凹部501および第2の凹部壁502を囲む。
【0060】
第2の出力弁322は、第1の開口部(例えば、図3Bの入口307)と、第2の開口部(例えば、図3Bの出口308)とをさらに含む。図6に示すように、第2の凹部503は、第1の開口部307を介して、本体309の底側375の流体槽チャネル392と流体連通する。また、第2の凹部503は、第2の開口部308を介して、本体309の底側375の廃棄物出力部チャネル382と流体連通する。一実施形態では、第1および第2の凹部壁502、504は、本体309の上側370の表面に対して、約0.0254cm(0.010インチ)突出する。別の実施形態では、第1および第2の凹部壁502、504は、第1および第2の凹部壁502、504にすぐ隣接する表面(例えば、突起部602の高さ)の上から0.076cm(0.030インチ)突出する。別の実施形態では、第1および第2の凹部壁502、504は、可動ヘッド組立体202が可撓性シートに力を印加する場合に、可撓性シート605との密閉を形成するために、0.033cm(0.013インチ)の平坦な幅を有する。別の実施形態では、厚さが約0.0308cmから0.127cm(0.020インチから0.050インチ)の可撓性シート605は、凹部501、503および凹部壁502、504を被覆する。
【0061】
可動ヘッド組立体202が可撓性シート605の上面に力を印加する場合、可撓性シート605は、凹部壁502、504の上部と密閉し、各弁321、322において密閉流体チャンバ601、603を形成する。一実施形態では、可撓性シート605は、シリコーン膜である。別の実施形態では、可撓性シート605は、本体309の上側370の表面上に位置し、伸長され、カートリッジ201に熱かしめされる前にクランプで締められる。上述のように、可撓性シート605は、弁組立体壁520と、カートリッジ201の本体309から突出し、かつ弁組立体壁520と嵌合する柱522とを使用して、本体309の上側370に熱かましされる。さらに別の実施形態では、可動ヘッド組立体202は、出力弁321、322毎に約6.67N(1.5lb)の力を印加して、出力弁321、322を密閉する。
【0062】
入力弁組立体310は、出力弁組立体320に関して上述した方式と同様に設計される。入力弁組立体310の試薬入力弁311は、本体309の上側370上に形成され、第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)と、第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)を囲む第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)とを含む。一実施形態では、第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)は、本体309の第1の側面370から離れる方向に延出する突起部(例えば、図6の突起部602)を形成し、突起部(例えば、図6の突起部602)において凹部(例えば、図6の第1の凹部501)を形成することによって製作される。第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)は、カートリッジ201が試料処理システム200(図2)内に挿入される場合に、第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)および第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)を被覆する可撓性シート(例えば、図6の可撓性シート605)に嵌合および密閉するように適合される。
【0063】
試薬入力弁311は、第1の開口部(例えば、図6の第1の開口部305)と、第2の開口部(例えば、図6の第2の開口部306)とをさらに含む。第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)は、第1の開口部(例えば、図6の第1の開口部305)を介して、本体309の底側375の試薬入力部チャネル371と流体連通する。また、第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)は、第2の開口部(例えば、図6の第2の開口部306)を介して、本体309の底側375の処理機器入力チャネル313と流体連通する。
【0064】
入力弁組立体310は、弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)をさらに含む。弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)は、第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)および第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)を囲む。また、弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)は、可撓性シートに嵌合および密閉するように適合される。本実施形態では、弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)は、カートリッジ201の上側370の表面から延出する相補的柱(例えば、図6の柱522)と嵌合するように構成される開口部(例えば、図6の開口部524)を含む。可撓性シートは、カートリッジ201の上側370の表面と、弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)との間に載置され、弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)は、相補的柱(例えば、図6の柱522)に熱かしめされる。このように、可撓性シート(例えば、図6の可撓性シート605)は、第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)および第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)の上に熱かしめされる。
【0065】
流体入力弁312は、本体309の上側370上に形成され、第2の凹部(例えば、図6の第2の凹部503)と、第2の凹部(例えば、図6の第2の凹部503)を囲む第2の凹部壁(例えば、図6の第2の凹部壁504)とを含む。第2の凹部壁(例えば、図6の第2の凹部壁504)は、カートリッジ201が試料処理システム200(図2)内に挿入される場合に、第2の凹部壁(例えば、図6の第2の凹部壁504)および第2の凹部(例えば、図6の第2の凹部503)を被覆する可撓性シート(例えば、図6の可撓性シート605)に嵌合および密閉するように適合される。一実施形態では、可動ヘッド組立体202上の表面は、第2の凹部壁(例えば、図6の第2の凹部壁504)が可撓性シートに嵌合および密閉して、密閉チャンバ(例えば、図6のチャンバ603)を形成するように、第2の凹部壁(例えば、図6の第2の凹部壁504)および第2の凹部(例えば、図6の第2の凹部503)を被覆する可撓性シートに力を印加する。また、弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)は、第2の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)および第2の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)を囲む。
【0066】
流体入力弁312は、第1の開口部(例えば、図6の第1の開口部307)と、第2の開口部(例えば、図6の第2の開口部308)とをさらに含む。第2の凹部(例えば、図6の第2の凹部503)は、第1の開口部(例えば、図6の第1の開口部307)を介して、本体309の底側375の流体入力部チャネル372と流体連通する。また、第2の凹部(例えば、図6の第2の凹部503)は、第2の開口部(例えば、図6の第2の開口部308)を介して、本体309の底側375の処理機器入力チャネル313と流体連通する。
【0067】
一実施形態では、第1および第2の凹部壁(例えば、図6の第1および第2の凹部壁502、504)は、本体309の上側370の表面に対して、約0.0254cm(0.010インチ)突出する。別の実施形態では、第1および第2の凹部壁502、504は、第1および第2の凹部壁502、504にすぐ隣接する表面(例えば、図6の突起部602の高さ)の上から0.076cm(0.030インチ)突出する。別の実施形態では、第1および第2の凹部壁(例えば、図6の第1および第2の凹部壁502、504)は、可動ヘッド組立体202が可撓性シートに力を印加する場合に、可撓性シートとの密閉を形成するために、0.0254cm(0.010インチ)の平坦な幅を有する。別の実施形態では、可動ヘッド組立体202表面は、第1および第2の凹部壁(例えば、図6の第1および第2の凹部壁502、504)ならびに第1および第2の凹部(例えば、図6の第1および第2の凹部501、503)を被覆する可撓性シートに力を印加し、第1および第2の凹部壁(例えば、図6の第1および第2の凹部壁502、504)が、可撓性シートに嵌合および密閉するようにする。さらに別の実施形態では、可動ヘッド組立体202は、出力弁321、322毎に約1.5lb、6.67Nの力を印加して、出力弁321、322を密閉する。
【0068】
図7は、図3Aおよび図3Bのカートリッジ201の流体槽342の断面側面図である。各流体槽342は、開口部704および第1の壁705を有するチャンバ703を含む。チャンバは、任意の所定の量の試料を保持するように設計可能である。一実施形態では、チャンバ703は、分析評価プロセスの実行に必要な試料の全体積を保持するようなサイズを有する。例えば、チャンバ703は、約1.2mlの流体の容量を有し得る。第2の壁701は、開口部704を囲み、チャンバ703の外面から延出する。第2の壁701は、本明細書に説明するように、ポンプ接続部材と整列、嵌合、および密閉するように構成される。一実施形態では、第2の壁701の内面は、第2の壁701内に適合するサイズを有する円柱状ポンプ接続部材の外面と嵌合する。
【0069】
一部の実施形態では、第2の壁701の開放端部における上面702は、ポンプ接続部材と整列、嵌合、および密閉する。例えば、図14を参照すると、上面702は、Oリング1445を介してポンプ接続部材1446の上部分1444に嵌合および密閉することが可能である。本実施形態では、ポンプ接続部材1446の底部分1448は、円錐形状を有し、第2の壁701の上面702は、面取りされる。ポンプ接続部材1446の円錐形状と、第2の壁701の面取り上面702とによって、流体槽342がポンプ接続部材1446に対して不整列である場合に、ポンプ接続部材1446は、第2の壁701内に進入可能になる。流体槽342がポンプ接続部材1446に対して不整列である場合、ポンプ接続部材1446が第2の壁701内に進入する際、第2の壁701の上面702は、流体槽342およびポンプ接続部材1466が相互に整列および嵌合するまで、ポンプ接続部材1466の円錐状部分の表面に沿って接触および摺動する。
【0070】
気体透過性で液体不透過性の要素707は、第2の壁701内に適合し、開口部704の上のチャンバ703のその上部外面上に位置する。本実施形態では、要素707は、液体および液体蒸気が、流体槽342と接続する空気制御機器に進入し、損傷を与えることを防止する。他の実施形態では、要素707は、膜またはフィルタ(例えば、マトリクスフィルタ)であり得る。
【0071】
図8は、カートリッジ(例えば、図3Aおよび図3Bのカートリッジ201)とともに使用する可動ヘッド組立体802の斜視底面図である。可動ヘッド組立体802は、入力弁組立体接続部810および出力弁組立体接続部820を含む。弁接続部810、820は、カートリッジ201の弁組立体110、120に力を印加して、弁組立体110、120(例えば、図1参照)の弁の各々において密閉流体チャンバを形成する。
【0072】
また、可動ヘッド組立体802は、処理機器接続部850および空気制御機器接続部840も含む。処理機器接続部850は、電気的および/または磁気的接続部を処理機器350に提供して、処理機器350を操作し、処理機器350と通信する。ポンプ接続部840は流体槽342と接続し、空気変位力を提供して、カートリッジ201を介して流体を移動させる。
【0073】
前述のように、カートリッジ201は、粗い位置決め部材(例えば、図3Aの360a、360b)と精密な位置決め開口部(例えば、図3Aおよび図3Bの314a、314b、324a、324b、325a、325b、326a、326b)との両方を含み、カートリッジ201およびその構成要素に対して、可動ヘッド組立体202およびその構成要素を適切に位置決めする。図8に示すように、可動ヘッド組立体802は、可動ヘッド組立体の基部865に取り付けられる2つの粗い位置決めピン860a、860bを含み、これらは、カートリッジ201の2つの粗い位置決め部材360a、360b(図3A)の壁内に適合するように設計される。2つの粗い位置決めピン860a、860bは、カートリッジ201の2つの対応する粗い位置決め部材360a、360b(図3A)を適切に確実に位置設定するために、円錐状の先端を有する。
【0074】
可動ヘッド組立体202の接続部810、820、840、および855の各々は、カートリッジ201上の対応する機器との接続部の各々を精密に整列するために、位置決めピンを含む。例えば、入力弁組立体接続部810は、位置決めピン814a、814bを特徴とし、これらは、カートリッジ201の対応する入力弁組立体位置決め開口部314a、314b(図3A)と嵌合および整列する。同様に、出力弁組立体接続部820は、位置決めピン824a、824bを特徴とし、これらは、カートリッジ201の対応する出力弁組立体位置決め開口部324a、324bと嵌合および整列する。図8に図示するように、位置決めピン814a、814b、824a、824bの先端は、弁組立体接続部810、820が、確実に、位置決めピン814a、814b、824a、824bを、カートリッジ201において対応する弁組立体開口部314a、314b、324a、324bに適切に位置決めして案内するような形状を有する。また、処理機器接続部855も位置決めピン825a、825bを含む。処理機器の位置決めピン825a、825bは、カートリッジ上の対応する処理機器位置決め開口部(例えば、図3Bのカートリッジ201上の位置決め開口部325a、325b)と嵌合する。また、処理機器接続部855は、処理機器接続部855とカートリッジ上の処理機器(例えば、図3Bのカートリッジ201の処理機器850)との間の精密な距離を設定および保持するための位置決め部材826も含む。
【0075】
図9は、図8の可動ヘッド組立体802の弁アクチュエータ組立体820の一実施形態の斜視図である。弁アクチュエータ組立体820は、可動ヘッド組立体がカートリッジと係合するときに、カートリッジ上の弁組立体の可撓性シートに力を印加する面密封要素909を含む。印加された力が弁組立体における弁の各々を密閉する。例えば、図6を参照すると、面密封要素909は、可動ヘッド組立体802がカートリッジ201と係合するときに、出力弁組立体320の可撓性シート605に力を印加して、出力弁121、122を密閉する。別の実施形態では、弁アクチュエータ組立体820は、弁アクチュエータ組立体820がモータによって駆動されるときに、別々に可動であり、カートリッジ201における弁組立体と係合する。
【0076】
弁アクチュエータ組立体820は、弁アクチュエータ組立体931の第1の部分の第1の弁ピン921a〜921h(概して、921)の列と、弁アクチュエータ組立体931の第2の部分の第2の弁ピン922a〜922h(概して、922)の列とを含む。弁ピン921、922は、面密封部909における開口部を介して位置決めされる。一実施形態では、弁ピン921、922の直径は、約0.15875cm(0.0625インチ)である。各弁ピン921は、対応する弁ピンバネ913a〜913hによって個々にバネで負荷がかけられる。弁ピンバネ913a〜913hは、2.22Nから4.45N(0.5Ibから1Ib)の密閉力を提供するように選択される。図9に示す実施形態では、弁アクチュエータ組立体820は、第1の弁ピン921を同調して駆動するために、第1のモータ927、第1のリンクアーム部923、および第1のベルクランク925も含む。また、弁アクチュエータ組立体820も、第2の弁ピン922を駆動するために、第2のモータ928、第2のリンクアーム部923、および第2のベルクランク925を含む。一実施形態では、弁ピンは、ユーザが、カートリッジの異なるチャネルにおいて異なる分析を実行する場合に、同調せずに駆動される。別の実施形態では、弁アクチュエータ組立体820は、各々が単一の弁ピン921、922を駆動する複数のモータを含む。
【0077】
図10は、図6の出力弁組立体320と嵌合する図9の弁アクチュエータ組立体820の断面側面図である。図10に示すように、弁アクチュエータ組立体820は、可撓性シート605の中央部分1019において力を印加して、例えば、出力弁321を密封し、密閉流体チャンバ1004を形成する。第2の出力弁322を閉鎖するコマンド信号に応答して、第2のモータ928は、可撓性シート605の第1の部分1001が、第2の出力弁322の開口部307および開口部308を被覆および密閉するように、弁ピン922aを可撓性シート605の第1の部分1001に駆動する。この結果、流体は、第2の弁322の開口部307と開口部308との間で流動不可能になる。
【0078】
第1の出力弁321を開放するコマンド信号に応答して、第1のモータ927は、既定の解放位置に移動し(すなわち、第1のモータ927がこの位置に到達すると電流を停止することができる)、弁アクチュエータ組立体931を引き込み、弁ピンバネの力は、可撓性シート605から離れる方向に弁ピン921aを駆動する。この結果、可撓性シート605の第2の部分1002は、開口部305、306を被覆および密閉せず、流体は、第1の出力弁321の開口部305、306の間で流動し得る。一部の実施形態では、第2のモータ928は、第2の出力弁322を閉鎖するコマンド信号に応答して既定の係合位置に移動し、弁ピンバネ913は、力を印加して、第2の弁ピン922を可撓性シート605に駆動し、第2の出力弁322の開口部307および開口部308を密閉する。本実施形態では、モータ電流は、モータが既定の係合位置に到達するとともに、弁ピン922が係合したままになると停止する。反対に、第2の出力弁322を開放するコマンド信号に応答して、第2のモータ928は、作動し、第2の弁ピン922を引き込む。次いで、シリコーンシート605は、凹部からその元々の位置に回復し、開口部307と開口部308との間の流動が再開する。
【0079】
本実施形態では、弁ピン921a、921bは、円形先端を有する。他の実施形態では、弁ピン921a、921bは、異なる形状の先端を有する。一実施形態では、弁ピン921a、921bは、円錐状先端を有し、弁凹部(例えば、図5および図6の弁凹部502)は、弁ピン921a、921bの先端に対して相補的な形状を有するような形状を有する。
【0080】
図11は、図2のシステム200の注射器ポンプ組立体240の斜視側面図である。注射器ポンプ組立体240は、8つの注射器1143a〜1143h、8つの圧力センサ1145a〜1145h、および8つの管1147a〜1147hを有する注射器ポンプ1140を含む。本実施形態では、注射器ポンプ1140は、Tecan Cavro XMP 6008の8チャネル型注射器ポンプ(Tecan Trading AG,Switzerland)である。他の実施形態では、他の市販の注射器ポンプまたはカスタム製作された注射器ポンプを使用することができる。各圧力センサ1145a〜1145hは、各対応する管1147a〜1147hにおける圧力を検知して、漏出を検出し、注射器ポンプ1140の適切な機能を観測する。本実施形態では、圧力センサは、Honeywell SDX05D4+/−5V非増幅差圧センサ(Honeywell International Inc.,Morristown,NJ)である。
【0081】
図12Aは、本発明の例示的実施形態に従う、検体処理システムに取り付けられる注射器ポンプ接続組立体1240の斜視上面図である。図12Bは、図12Aの注射器ポンプ接続組立体1240の斜視底面図である。注射器ポンプ(例えば図11の注射器)上の注射器1143a〜1143hからの管1247a〜1247h(概して、1247)は、注射器ポンプ接続組立体1240の注射器ポンプ接続ブロック1201を介して、対応するポンプ接続部材1246a〜1246hに連結する。本実施形態では、各ポンプ接続部材1246には、Oリング1245が装備され、これは、ポンプ接続部材1246と図13に示す流体槽342の第2の壁701の内面との間に密封を提供する。図13は、本発明の例示的実施形態に従う、カートリッジ201の流体槽342と嵌合する器具のヘッド(例えば、図2の可動ヘッド組立体202)のポンプ接続部材1246の断面側面図である。ポンプ接続部材1246は、管1244と流体連通する開口部1249を有する。開口部1249は、空気変位力を流体槽342へ提供して、カートリッジ201を介して流体を引き込みまたは押圧する。
【0082】
ポンプ接続部材1246は、器具のヘッドがカートリッジと係合する場合に、ポンプ接続部材1246が流体槽342の第2の壁701と整列することを容易にするためにバネ負荷型である。具体的には、各ポンプ接続部材1246は、バネ1342で負荷がかけられ、流体槽342の第2の壁701と自己整列するための能力が各ポンプ接続部材1246に提供される。ポンプ接続部材1246および流体槽342の実施形態は、空気ポンプ接続部を、多種多様のカートリッジバッチのカートリッジ201に確実に密閉するように設計される。
【0083】
図14は、ポンプ接続組立体1400の別の実施形態を示す。ポンプ接続組立体1400は、複数のポンプ接続組立体部材1446を受容するブロック1402を含む。各ポンプ接続組立体部材1446は、可動ヘッド組立体(例えば、図2の可動ヘッド組立体202)がカートリッジ(例えば、図3Aのカートリッジ201)と係合する場合に、Oリング1445を介して、流体槽(例えば、図3Aの流体槽342)の第2の壁(例えば、図7の第2の壁701)の上面(例えば、図7の上面702)に嵌合および密閉する。また、ポンプ接続組立体1400は、ブロック1408に取り付けられ、かつ対応するポンプ接続部材1446と流体連通する複数の棘部1404も含む。空気容積型ポンプは、棘部1404に取り付けられる管を介してポンプ接続組立体1400に連結することができる。
【0084】
図15は、本発明の例示的実施形態に従う、カートリッジ1501の複数の流体槽1542と嵌合する器具(例えば、図2の器具210)の複数のポンプ接続部材1546の断面側面図である。ポンプ接続部材1546は、本体部分1545を有する。また、ポンプ接続部材1546は、本体部分1545の上部から延出する本体部分1545よりも小さい直径のヘッド部分1541も含む。ヘッド部分1541は、壁1522の内面を裏当てするスリーブ1523と嵌合する。本実施形態では、スリーブは、軟質エラストマー材料から作製される。一部の実施形態では、スリーブは、シリコーン、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、または熱可塑性エラストマー(TPE)(例えば、Santroprene)から作製される。ポンプ接続部材1546は、本体部分1545の上面1565が壁1522の上面1552に嵌合するように、十分大きい直径1555を有する本体部分1545を有する。密閉は、ヘッド部分1541の外面と、スリーブ1523の内面との間に形成される。本実施形態では、スリーブ1523の内面との密閉を形成するヘッド部分1541上のリブ1543が存在する。
【0085】
図16Aおよび図16Bは、本発明の例示的実施形態に従う、カートリッジの容易な装填および板組立体1600の板1604の洗浄を容易にするように、システムに近づく方向におよび離れる方向に移動するように構成される検体処理システムの板組立体1600の斜視図である。板組立体1600は、レール1602、板1604、温度制御機器1606、電子機器1608、およびハンドル1612を含む。板組立体1600は、検体処理システムの基部に取り付けられるトラックの上で水平軸1610に沿って移動する引き出しのように動作するように設計される。ハンドル1612によって、ユーザは、カートリッジ(例えば、図2のカートリッジ201)を容易に装填するため、および板1604を洗浄するために、可動板組立体1600を検体処理システムから離れる方向に引くことが可能になる(例えば、図1の103、105に関して説明したように)。別の実施形態では、モータは、ユーザからのコマンドに応答して、検体処理システムの基部に対して特定の位置に可動板組立体1600を駆動する。
【0086】
温度制御機器1606は、板1604において所定の冷却温度を維持するために、熱電冷却機器およびファンを含む。他の実施形態では、温度制御機器1606は、温度を維持または変更するために、加熱および冷却の両方の要素を含む。レール1602は、ユーザがカートリッジを手動で取り付ける場合に、カートリッジ(例えば、図2のカートリッジ201)を位置に案内する。一実施形態では、カートリッジが板1604上の位置に取り付けられると、可動ヘッド組立体(例えば、図2の可動ヘッド組立体202)は、カートリッジを自動的に係合する。可動ヘッド組立体は、板1604の表面に対してカートリッジを押し付ける。
【0087】
図17は、本発明の例示的実施形態に従う、カートリッジを操作する方法を図示するフロー図である。開始1701後、多数の試薬入力弁(例えば、図3Aの試薬入力弁311)、流体入力弁(例えば、図3Aの流体入力弁312)、第1の出力弁(例えば、図3Aの第1の出力弁321)、および第2の出力弁(例えば、図3Aの第2の出力弁322)の上に配置される可撓性シート(例えば、図10の可撓性シート605)に力を印加し、入力弁および出力弁の各々において密閉チャンバ(例えば、図10の密閉流体チャンバ1004)を提供する1702。次に、試薬入力弁(例えば、図3Aの試薬入力弁311)を閉鎖し1704、第2の出力弁(例えば、図3Aの第2の出力弁322)を閉鎖する1708(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第1の部分1001内に駆動される)。また、流体入力弁(例えば、図3Aの流体入力弁312)を開放し1706、第1の出力弁(例えば、図3Aの第1の出力弁321)を開放する1710(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第2の部分1002から離れる方向に引き込まれる)。次に、試料(例えば、図3Aの流体入力部332からの試料)を、各流体入力弁(例えば、図3Aの流体入力弁312)を介して、対応する処理機器(例えば、図3Aの処理機器351)を介して、および対応する第1の出力弁(例えば、図3Aの第2の出力弁322)を介して引き込む1712。次いで、試料を各処理機器(例えば、図3Aの処理機器351)によって処理する1714。
【0088】
試料の処理1714の後、流体入力弁(例えば、図3Aの流体入力弁312)を閉鎖し1716(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第1の部分1001内に駆動される)、試薬入力弁を開放する1718(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第2の部分1002から離れる方向に引き込まれる)。次に、試薬を、(1)各試薬入力弁(例えば、図3Aの試薬入力弁311)、(2)対応する処理機器(例えば、図3Aの処理機器351)、および(3)対応する第1の出力弁(例えば、図3Aの第1の出力弁321)を介して引き込む1720。試薬の流動によって、試料の各々は、対応する流体槽(例えば、図3Aの流体槽342)に進入する。次に、第1の出力弁(例えば、図3Aの第1の出力弁321)を閉鎖し(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第1の部分1001内に駆動される)1722、第2の出力弁(例えば、図3Aの第2の出力弁322)を開放する(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第2の部分1002から離れる方向に引き込まれる)1724。終了1727の前に、各試料は、各流体槽(例えば、図3Aの流体槽342)から各第2の出力弁(例えば、図3Aの第2の出力弁322)を介して押圧される1726。別の実施形態では、流体槽(例えば、図3Aの流体槽342)から流体を押圧することに関するステップを実行する前に、カートリッジを介して流体を引き込むことに関するステップを、多数回繰り返してもよい。
【0089】
別の実施形態では、乾燥カートリッジ(例えば、図3Aのカートリッジ201)を器具(例えば、図2の器具210)に取り付ける。最初に、流体入力弁(例えば、図3Aの流体入力弁312)を閉鎖し(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第1の部分1001内に駆動される)、試薬入力弁を開放する(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第2の部分1002から離れる方向に引き込まれる)。次に、試薬を、(1)各試薬入力弁(例えば、図3Aの試薬入力弁311)、(2)対応する処理機器(例えば、図3Aの処理機器351)、および(3)対応する第1の出力弁(例えば、図3Aの第1の出力弁321)を介して引き込む。次に、第1の出力弁(例えば、図3Aの第1の出力弁321)を閉鎖し(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第1の部分1001内に駆動される)、第2の出力弁(例えば、図3Aの第2の出力弁322)を開放する(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第2の部分1002から離れる方向に引き込まれる)。
【0090】
次に、流体入力弁(例えば、図3Aの流体入力弁312)を開放し(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第2の部分1002から離れる方向に引き込まれる)、試薬入力弁を閉鎖し(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第1の部分1001内に駆動される)、流体入力部(例えば、図3Aの流体入力部332)を試薬(例えば、緩衝液)で充填する。次に、試薬を、(1)各流体入力弁(例えば、図3Aの流体入力弁312)、(2)対応する処理機器(例えば、図3Aの処理機器351)、および(3)対応する第1の出力弁(例えば、図3Aの第1の出力弁321)を介して引き込む。次に、第1の出力弁(例えば、図3Aの第1の出力弁321)を閉鎖し(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第1の部分1001内に駆動される)、第2の出力弁(例えば、図3Aの第2の出力弁322)を開放する(例えば、弁ピンが、図10に示すように、可撓性シート605の第2の部分1002から離れる方向に引き込まれる)。終了前に、試料は、各流体槽(例えば、図3Aの流体槽342)から各第2の出力弁(例えば、図3Aの第2の出力弁322)を介して押圧される。このように、カートリッジ(例えば、図3Bのカートリッジ201)の全チャネルは準備される。全てのチャネルが準備されると、流体入力部(例えば、図3Aの流体入力部332)を試料で充填し、プロセス1700が開始する。
【0091】
図18Aは、一実施形態に従ってカートリッジ(例えば、図6のカートリッジ201)の一部分を製造するためのプロセス1800aのフロー図である。プロセス1800aの開始1801の後、第1のチャネル(例えば、図6の処理機器出力チャネル381)および第2のチャネル(例えば、図6の流体槽チャネル392)を、本体1802(例えば、図6の本体309)の第1の側面(例えば、図6の第1の側面375)に形成する。次に、第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)を、本体1804(例えば、図6の本体309)の第2の側面(例えば、図6の第2の側面370)に形成する。次いで、第1のチャネル(例えば、図6の処理機器出力チャネル381)と流体連通する第1の開口部(例えば、図6の第1の開口部305)を、第1の凹部1806(例えば、図6の第1の凹部501)に形成する。第1の開口部(例えば、図6の第1の開口部305)が形成された後、第2のチャネル(例えば、図6の流体槽チャネル392)に連通する第2の開口部(例えば、図6の第2の開口部305)を、第1の凹部1808(例えば、図6の第1の凹部501)に形成する。プロセス1800aが終了する前に、第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)を、第1の凹部1810(例えば、図6の第1の凹部501)の周囲に形成する。
【0092】
一実施形態では、第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)および第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)を形成するステップは、本体の第1の側面(例えば、図6の第1の側面375)から延出する突起部(例えば、図6の突起部602)を形成するステップと、凹部(例えば、図6の第1の凹部501)を突起部に形成するステップとを含む。本実施形態では、第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)は、カートリッジ(例えば、図6のカートリッジ201)が試料処理システム(例えば、図2の試料処理システム200)に取り付けられる場合に、第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)および第1の凹部壁(例えば、図6の第1の凹部壁502)を被覆する可撓性シート(例えば、図6の可撓性シート605)に嵌合および密閉するように形成される。プロセス1800aの別の実施形態では、さらなるステップは、弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)が可撓性シート(例えば、図6の可撓性シート605)に嵌合および密閉するように、第1の凹部(例えば、図6の第1の凹部501)と第1の凹部壁との組み合わせの周囲に弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)を形成するステップを含む。一部の実施形態では、上記製造ステップのうちの1つ以上は、まとめて実行される。
【0093】
図18Bは、本発明の別の実施形態に従う、図18Aの方法に後続する、カートリッジ201(例えば、図6のカートリッジ201)を製造するための方法1800bのフロー図である。方法1800bは、方法1800aの終了1811後に開始する1813。第3のチャネル(例えば、図6の廃棄物出力部チャネル382)を、本体1812(例えば、図6の本体309)の第1の側面(例えば、図6の第1の側面375)に形成する。次に、第2の凹部(例えば、図6の第2の凹部503)は、本体1814(例えば、図6の本体309)の第2の側面に形成される。次いで、第3のチャネル(例えば、図6の廃棄物出力部チャネル382)と流体連通する第1の開口部(例えば、図6の第2の開口部308)を、第2の凹部1816(例えば、図6の第2の凹部503)に形成し、第2のチャネル(例えば、図6の流体槽チャネル392)と流体連通する第2の開口部(例えば、図6の第1の開口部307)を、第2の凹部1818(例えば、図6の第2の凹部503)に形成する。
【0094】
次に、第2の凹部壁(例えば、図6の第2の凹部壁504)を、第2の凹部1820(例えば、図6の第2の凹部503)の周囲に形成する。第2の凹部壁(例えば、図6の第2の凹部壁504)は、カートリッジ(例えば、図6のカートリッジ201)が、試料処理システム(例えば、図2の試料処理システム200)に取り付けられる場合に、第2の凹部(例えば、図6の第2の凹部503)および第2の凹部壁(例えば、図6の第2の凹部壁504)を被覆する可撓性シート(例えば、図6の可撓性シート605)に嵌合および密閉可能である表面とともに形成される。プロセス1800bが終了する1823前に、弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)を、第1および第2の凹部(例えば、図6の第1および第2の凹部501、503)と、第1および第2の凹部壁(例えば、図6の第1および第2の凹部壁502、504)との組み合わせの周囲に形成する。弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)は、弁組立体壁が可撓性シート(例えば、図6の可撓性シート605)に嵌合および密閉するように形成される。一部の実施形態では、弁組立体壁(例えば、図6の弁組立体壁520)は、凹部(例えば、図6の第1および第2の凹部501、503)および凹部壁(例えば、図6の第1および第2の凹部壁502、504)を被覆するために、可撓性シート(例えば、図6の可撓性シート605)をカートリッジ(例えば、図6のカートリッジ201)に取り付ける。
【0095】
図19Aは、前部カバーが除去された可動ヘッド組立体(例えば、図8の可動ヘッド組立体802)の弁アクチュエータ組立体1900の別の実施形態の斜視側面図である。図19Bは、図19Aの弁アクチュエータ組立体1900の断面斜視図である。弁アクチュエータ組立体1900は、粗い整列位置決めピン1911、1912と、精密な整列位置決めピン1917、1918とを含む。精密な整列位置決めピン1917、1918は、カートリッジの対応する弁組立体の位置決め開口部(例えば、図3Aのカートリッジ201の入力弁組立体位置決め開口部314a、314bまたは出力弁組立体位置決め開口部324a、324b)と嵌合および整列する。粗い整列位置決めピン1911、1912は、弁アクチュエータ組立体ブロック1905に取り付けられる。粗い整列位置決めピン1911、1912は、ヘッド組立体が移動する際に、対応する開口部と嵌合および整列する。
【0096】
弁アクチュエータ組立体1900は、バネ1913、1914を介して弁アクチュエータ組立体ブロック1905に結合される面密封要素1909であって、粗い整列位置決めピン1911、1912の上部分を囲む面密封要素1909を含む。可動ヘッド組立体がカートリッジと係合する場合、面密封要素1909は、カートリッジの弁組立体の可撓性シート(例えば、図6の出力弁組立体320の可撓性シート605)と嵌合する。可動ヘッド組立体は、カートリッジの弁組立体の弁の各々(例えば、図3Aの入力弁組立体310の入力弁311、312または出力弁組立体320の出力弁321、322)を密閉するために、バネ1913、1914を介して、面密封要素1909に力を印加する。別の実施形態では、弁アクチュエータ組立体1900は、垂直軸1902に沿って可動ヘッド組立体(例えば、図8の可動ヘッド組立体802)に対して別々に可動である。弁アクチュエータ組立体1900は、弁アクチュエータ組立体1900がモータによって駆動される場合に、カートリッジの弁組立体(例えば、図3Aの入力弁組立体310)と係合することができる。
【0097】
弁アクチュエータ組立体1900は、8つの第1の弁ピン1921a〜1921h(概して、1921)の列と、8つの第2の弁ピン1922a〜1922h(概して、1922)の平行した列とを含む。第1の弁ピン1921は、面密閉1909における開口部1923a〜1923h(概して、1923)を介して位置決めされる。第2の弁ピン1922は、面密閉1909における開口部1924a〜1924h(概して、1924)を介して位置決めされる。弁アクチュエータ組立体1900は、8つの弁ピンを上回るまたは下回る第1の弁ピンの列または第2の弁ピンの列を含むことができる。一実施形態では、弁ピン1921、1922は、直径が約0.15875cm(0.0625インチ)である。各第1の弁ピン1921は、対応する第1の弁ピンバネ1953a〜1953h(概して、1953)で個々にバネ負荷を受ける。第1の弁ピン1921の上部分および対応する第1の弁ピンバネ1953は、上部第1の弁ピンバネブロック1952bにおける開口部と、底部第1の弁ピンバネブロック1952aにおける開口部との内部に位置決めされる。ブロック1952a、1952bは、第1の弁ピン1921および第1の弁ピンバネ1953を適所に保持するために、ナット1956bをボルト1956aに締結することによって、およびナット1966bをボルト1966aに締結することによって、まとめて結合される。
【0098】
各第1の弁ピン1922は、対応する第2の弁ピンバネ1954a〜1954h(概して、1954)で個々にバネ負荷を受ける。第2の弁ピン1922の上部分および対応する第1の弁ピンバネ1954は、上部第2の弁ピンバネブロック1951bにおける開口部と、底部第1の弁ピンバネブロック1951aにおける開口部との内部に位置決めされる。ブロック1951a、1951bは、第2の弁ピン1922および第2の弁ピンバネ1954を適所に保持するために、ナット1955bをボルト1955aに締結することによって、およびナット1965bをボルト1965aに締結することによって、まとめて結合される。一実施形態では、弁ピンバネ1953、1954は、2.22Nから4.45N(0.5Ibから1Ib)の範囲の密封力を提供するように選択される。
【0099】
弁アクチュエータ組立体1900は、第1のモータ1931、第1のカム軸の第1の部分1935a、第1のカム軸の第2の部分1935b(すなわち、偏心部分)、および第1のスロット付き軸受ブロック1941を含む。また、弁アクチュエータ組立体1900は、第2のモータ1932、第2のカム軸の第1の部分1936a、第2のカム軸の第2の部分1936b(すなわち、偏心部分)、およびスロット1946を含む第2のスロット付き軸受ブロック1942も含む。第2のモータ1932は、第2のカム軸1936を駆動して、スロット1946において第2のカム軸の第2の部分1936bを回転させ、これによって、第2のスロット付軸受ブロック1942は、垂直軸1902に沿って上方または下方に移動する。第2のスロット付軸受ブロック1942は、平坦で細長い結合要素1944を介して第2の弁ピン組立体1962に取り付けられる。このように、第2のモータ1932は、バネ負荷を受ける第2の弁ピン1922を同調して上昇または下降させるために、垂直軸1902に沿って第2の弁ピン組立体1962を上方または下方に移動することができる。
【0100】
第2のカム軸の第2の部分1936bは、垂直軸1902に沿って到達可能である最高または最低位置において、またはその付近で停止することが可能である。最高または最低位置において、またはその付近で、カム軸1948の第2の部分の長手方向軸は、第2のカム軸1936の第1の部分の長手方向軸(すなわち、回転の中心)の真上または真下に、垂直に整列される。したがって、第2の弁ピン組立体1962の第2の弁ピンバネ1954におけるバネ力は、約ゼロのトルクを第2のカム軸1936に及ぼす。第2のモータ1932は、遊星ギアヘッド1972を含み、遊星ギアヘッドにおける摩擦と組み合わせられたこのほぼゼロのトルクによって、垂直軸1902に沿った上昇または下降位置において第2の弁ピン組立体1962を保持する力が確実に不必要となるようにする。
第2のモータ1932と同様に、第1のモータ1931は、第1のカム軸1935を駆動して、第1のカム軸の第2の部分1935bを回転させ、これによって、第1のスロット付軸受ブロック1941は、垂直軸1902に沿って上方または下方に移動する。第1のスロット付軸受ブロック1941は、平坦で細長い結合要素1943を介して第1の弁ピン組立体1961に取り付けられる。このように、第2のモータ1931は、バネ負荷を受ける第1の弁ピン1921を同調して上昇または下降させるために、垂直軸1902に沿って第2の弁ピン組立体1961を上方または下方に移動することができる。
【0101】
光センサ1937は、第1のカム軸1935に結合される半月円板1933の存在を検知することによって、第1のカム軸1935の長手方向軸に対する第1のカム軸1935の半径方向位置を検知する。同様に、光センサ1938は、第2のカム軸1936に結合される半月円板1934の存在を検知することによって、第2のカム軸1936の長手方向軸に対する第2のカム軸1936の半径方向位置を検知する。操作中、第1のモータ1931は、半月円板1933が光センサ1937を干渉しなくなるまで特定の方向に第1のカム軸の第2の部分1935bを駆動し、その点において、第1のカム軸の第2の部分1935bは、垂直軸1902に沿って到達可能である最高または最低位置に到達する。同様に、第2のモータ1932は、半月円板1934が光センサ1938を干渉しなくなるまで第2のカム軸の第2の部分1936bを駆動し、その点において、第1のカム軸の第2の部分1936bは、垂直軸1902に沿って到達可能である最高または最低位置に到達する。
【0102】
具体的な実施形態を参照して本発明について具体的に図示および説明したが、添付の請求項が既定する本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形式および詳細に種々の変更を加えてもよいことを当業者により理解されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を処理するためのカートリッジであって、
複数の流体入力部と、
入口および出口を各々が有する複数の入力弁を備える入力弁組立体であって、各入力弁は、第1の可動ヘッド組立体によって印加される力に応答して、密閉流体チャンバを形成するように適合される、入力弁組立体と、
入口および出口を各々が有する複数の第1の出力弁および複数の第2の出力弁を備える出力弁組立体であって、各出力弁は、第2の可動ヘッド組立体によって印加される力に応答して、密閉流体チャンバを形成するように適合される、出力弁組立体と、
複数のポンプ接続部材と嵌合および整列するように適合される複数の流体槽と、
流体チャンバ、入口、および出口を各々が有する複数の処理機器であって、各処理機器入口は、少なくとも1つの入力弁の該出口と流体連通し、各処理機器出口は、1つの第1の出力弁の該入口と流体連通し、各第1の出力弁出口は、1つの流体槽および1つの第2の出力弁の該入口と流体連通する、処理機器と、
複数のチャネルであって、該複数のチャネルは、各々、該入力弁組立体の1つの入力弁を介して、1つの処理機器を介して、該出力弁組立体の1つの第1の出力弁を介して1つの流体槽に、および前記出力弁組立体の1つの第2の出力弁を介して、流体試料を1つの流体入力部から輸送するように適合される、複数のチャネルと
を備える、カートリッジ。
【請求項2】
前記複数の入力弁および出力弁の各々は、前記第1および第2の可動ヘッド組立体のうちの1つの嵌合表面によって印加される力に応答して、密閉流体チャンバを形成するように適合される、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記複数の入力弁および出力弁の各々は、前記第1および第2の可動ヘッド組立体のうちの1つの対応する可動部材によって印加される力に応答して、前記入口と前記出口との間の流体連通を開放および閉鎖するように適合される、請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記複数の処理機器は、たわみ板波機器である、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記複数の入力弁は、複数の試薬入力弁および複数の流体入力弁を備える、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項6】
少なくとも1つの位置決め特徴をさらに備える、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの位置決め特徴は、前記カートリッジの表面によって画定される少なくとも1つの開口部を備える、請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの開口部を囲み、かつ前記カートリッジの前記表面から延出する壁をさらに備える、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの位置決め特徴は、前記カートリッジの前記表面上に配置される少なくとも1つのピンを備える、請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの位置決め特徴は、前記カートリッジを前記器具と整列させるように適合される、請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項11】
少なくとも第2の位置決め特徴は、前記器具の少なくとも1つの組立体を、前記カートリッジの少なくとも1つの部分と整列させるように適合される、請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの組立体は、前記第1の可動ヘッド組立体であり、前記カートリッジの前記少なくとも1つの部分は、前記入力弁組立体である、請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項13】
各流体槽は、開口部および壁を有するチャンバを備え、該壁は、該開口部を囲み、該チャンバの外面から延出し、該壁は、前記複数のポンプ接続部材のうちの1つと整列、嵌合、密閉するように適合される、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記壁は、気体透過性で液体不透過性の要素を受容するように適合される、請求項13に記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記要素は、膜またはフィルタである、請求項14に記載のカートリッジ。
【請求項16】
試料を処理するためのカートリッジであって、
第1の側面、および該第1の側面の反対側の第2の側面を有する本体と、
該本体の該第1の側面における第1および第2のチャネルと、
第1および第2の開口部を有する該本体の該第2の側面における第1の凹部であって、該第1の開口部を介して(1)該第1のチャネルと流体連通し、該第2の開口部を介して(2)該第2のチャネルと流体連通する、第1の凹部と、
該第1の凹部を囲み第1の凹部壁であって、該第1の凹部壁は、試料処理システムに取り付けられると、該第1の壁および該第1の凹部を被覆する可撓性シートに嵌合および密閉するように適合される、第1の凹部壁と
を備える、カートリッジ。
【請求項17】
前記第1のチャネルは、第1の流体入力部と流体連通し、前記第2のチャネルは、処理機器と流体連通する、請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項18】
前記第1の凹部と前記第1の凹部壁との組み合わせを囲む弁組立体壁をさらに備え、該弁組立体壁は、前記可撓性シートに嵌合および密閉するように適合される、請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項19】
第3のチャネルと、
第1および第2の開口部を有する前記本体の前記第2の側面における第2の凹部であって、該第2の凹部の該第1の開口部を介して(1)該第3のチャネルと流体連通し、該第2の凹部の該第2の開口部を介して(2)前記第1のチャネルと流体連通する、第2の凹部と、
該第2の凹部を囲む第2の凹部壁であって、前記弁組立体壁は、該第2の凹部と該第2の凹部壁との組み合わせをさらに囲み、該第2の凹部壁の表面は、試料処理システムに取り付けられると、該第2の凹部壁および該第2の凹部を被覆する可撓性シートに嵌合および密閉するように適合される、第2の凹部壁と
をさらに備える、請求項18に記載のカートリッジ。
【請求項20】
前記第1のチャネルは、流体槽と流体連通し、前記第2のチャネルは、処理機器と流体連通し、前記第3のチャネルは、廃棄物出力接続部と流体連通する、請求項19に記載のカートリッジ。
【請求項21】
前記カートリッジの少なくとも1つの特徴を少なくとも部分的に囲む前記本体の前記第1の側面に付着されるシートをさらに備える、請求項20に記載のカートリッジ。
【請求項22】
前記少なくとも1つの特徴は、前記第1のチャネルおよび流体槽を含む、請求項21に記載のカートリッジ。
【請求項23】
試料を処理するためのシステムであって、
複数の流体接続部、弁組立体、複数のチャネル、および複数の流体槽を備えるカートリッジであって、該弁組立体は、入口および出口を各々が有する複数の弁を備え、少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つの弁を介して少なくとも1つの流体接続部と少なくとも1つの流体槽との間に流体連通を提供する、カートリッジと、
力を該弁組立体に印加して、密閉流体チャンバを該複数の弁の各々に形成するように適合される弁接続組立体を備える可動ヘッド組立体であって、該弁接続組立体は、該複数の弁の各々の該入口と該出口との間の流体連通を開放および閉鎖するように各々が適合される複数の可動部材を備える、可動ヘッド組立体と、
(1)該複数の流体槽のうちの対応する1つと嵌合および整列するように、および(2)処理機器において少なくとも1つのチャネルおよび少なくとも1つの弁を介して、少なくとも1つの流体接続部と少なくとも1つの流体槽との間で試料を移動させるように各々が適合される複数のポンプ接続部材を備えるポンプと
を備える、システム。
【請求項24】
各可動部材は、ゼロ保持力作動を各対応する弁に提供するように適合される、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
試料を処理するための器具であって、
カートリッジを受容および支持するように適合される板と、
該カートリッジ上の弁組立体に力を印加して、該弁組立体における少なくとも1つの弁において密閉流体チャンバを形成するように適合される弁接続組立体を備える可動ヘッド組立体であって、該弁接続組立体は、該少なくとも1つの弁の入口と出口との間の流体連通を開放および閉鎖するように適合される少なくとも1つの可動部材を備える、可動ヘッド組立体と、
該カートリッジ上に画定される複数の流体槽と嵌合および整列するように適合される複数のポンプ接続部材を備えるポンプと
を備える、器具。
【請求項26】
前記可動ヘッド組立体は、前記カートリッジ上に画定される少なくとも1つの相補的位置決め特徴と嵌合および整列するように適合される少なくとも1つの位置決め特徴を備える、請求項25に記載の器具。
【請求項27】
前記弁接続組立体は、前記カートリッジの前記弁組立体に関連付けられる少なくとも1つの相補的位置決め特徴と嵌合および整列するように適合される少なくとも1つの位置決め特徴を備える、請求項26に記載の器具。
【請求項28】
前記板は、可動板である、請求項25に記載の器具。
【請求項29】
前記板は、熱的に制御される板である、請求項28に記載の器具。
【請求項30】
カートリッジによって試料を処理する方法であって、
複数の入力弁および複数の出力弁の上に配置される可撓性シートに力を印加して、該入力弁および出力弁の各々において密閉チャンバを提供することであって、該複数の入力弁は、複数の試薬入力弁および複数の流体入力弁を備え、該複数の出力弁は、複数の第1および第2の出力弁を備える、ことと、
該複数の試薬入力弁を閉鎖することと、
該複数の流体入力弁を開放することと、
該複数の第2の出力弁を閉鎖することと、
該複数の第1の出力弁を開放することと、
各流体入力弁を介して、対応する処理機器を介して、および対応する第1の出力弁を介して試料を引き込むことと、
各処理機器によって該試料を処理することと、
該複数の流体入力弁を閉鎖することと、
該複数の試薬入力弁を開放することと、
各試薬入力弁を介して、対応する処理機器を介して、および対応する第1の出力弁を介して試薬を引き込むことであって、該試薬の流動によって、該試料の各々は、対応する流体槽に進入する、ことと、
該複数の第1の出力弁を閉鎖することと、
該複数の第2の出力弁を開放することと、
該試料および該試薬を、各第2の出力弁を介して該流体槽から押圧することと
を含む、方法。
【請求項31】
試料を処理するためのカートリッジを製造する方法であって、
第1のチャネルおよび第2のチャネルを本体の第1の側面に形成することと、
第1の凹部を該本体の第2の側面に形成することと、
該第1のチャネルと流体連通する第1の開口部を該第1の凹部に形成することと、
該第2のチャネルと連通する第2の開口部を該第1の凹部に形成することと、
該第1の凹部を囲み、かつ試料処理システムに取り付けられると、該第1の凹部壁および該第1の凹部を被覆する可撓性シートに嵌合および密閉する第1の凹部壁を形成することと
を含む、方法。
【請求項32】
前記第1の凹部と前記第1の凹部壁との組み合わせを囲み、かつ前記可撓性シートに嵌合および密閉する弁組立体壁を形成することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
1つ以上の製造ステップは、まとめて実行される、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
第3のチャネルを前記本体の前記第1の側面に形成することと、
第2の凹部を該本体の前記第2の側面に形成することと、
該第3のチャネルと流体連通する第1の開口部を該第2の凹部に形成することと、
前記第2のチャネルと流体連通する第2の開口部を該第2の凹部に形成することと、
該第2の凹部を囲み、前記可撓性シートに嵌合および密閉する第2の凹部壁を形成することであって、該可撓性シートは、試料処理システムに取り付けられると、該第2の凹部壁および該第2の凹部を被覆する、ことと
を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記第1および第2の凹部と前記第1および第2の凹部壁との組み合わせを囲み、かつ前記可撓性シートに嵌合および密閉する弁組立体壁を形成するこよをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項1】
試料を処理するためのカートリッジであって、
複数の流体入力部と、
入口および出口を各々が有する複数の入力弁を備える入力弁組立体であって、各入力弁は、第1の可動ヘッド組立体によって印加される力に応答して、密閉流体チャンバを形成するように適合される、入力弁組立体と、
入口および出口を各々が有する複数の第1の出力弁および複数の第2の出力弁を備える出力弁組立体であって、各出力弁は、第2の可動ヘッド組立体によって印加される力に応答して、密閉流体チャンバを形成するように適合される、出力弁組立体と、
複数のポンプ接続部材と嵌合および整列するように適合される複数の流体槽と、
流体チャンバ、入口、および出口を各々が有する複数の処理機器であって、各処理機器入口は、少なくとも1つの入力弁の該出口と流体連通し、各処理機器出口は、1つの第1の出力弁の該入口と流体連通し、各第1の出力弁出口は、1つの流体槽および1つの第2の出力弁の該入口と流体連通する、処理機器と、
複数のチャネルであって、該複数のチャネルは、各々、該入力弁組立体の1つの入力弁を介して、1つの処理機器を介して、該出力弁組立体の1つの第1の出力弁を介して1つの流体槽に、および前記出力弁組立体の1つの第2の出力弁を介して、流体試料を1つの流体入力部から輸送するように適合される、複数のチャネルと
を備える、カートリッジ。
【請求項2】
前記複数の入力弁および出力弁の各々は、前記第1および第2の可動ヘッド組立体のうちの1つの嵌合表面によって印加される力に応答して、密閉流体チャンバを形成するように適合される、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記複数の入力弁および出力弁の各々は、前記第1および第2の可動ヘッド組立体のうちの1つの対応する可動部材によって印加される力に応答して、前記入口と前記出口との間の流体連通を開放および閉鎖するように適合される、請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記複数の処理機器は、たわみ板波機器である、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記複数の入力弁は、複数の試薬入力弁および複数の流体入力弁を備える、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項6】
少なくとも1つの位置決め特徴をさらに備える、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの位置決め特徴は、前記カートリッジの表面によって画定される少なくとも1つの開口部を備える、請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの開口部を囲み、かつ前記カートリッジの前記表面から延出する壁をさらに備える、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの位置決め特徴は、前記カートリッジの前記表面上に配置される少なくとも1つのピンを備える、請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの位置決め特徴は、前記カートリッジを前記器具と整列させるように適合される、請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項11】
少なくとも第2の位置決め特徴は、前記器具の少なくとも1つの組立体を、前記カートリッジの少なくとも1つの部分と整列させるように適合される、請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの組立体は、前記第1の可動ヘッド組立体であり、前記カートリッジの前記少なくとも1つの部分は、前記入力弁組立体である、請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項13】
各流体槽は、開口部および壁を有するチャンバを備え、該壁は、該開口部を囲み、該チャンバの外面から延出し、該壁は、前記複数のポンプ接続部材のうちの1つと整列、嵌合、密閉するように適合される、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記壁は、気体透過性で液体不透過性の要素を受容するように適合される、請求項13に記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記要素は、膜またはフィルタである、請求項14に記載のカートリッジ。
【請求項16】
試料を処理するためのカートリッジであって、
第1の側面、および該第1の側面の反対側の第2の側面を有する本体と、
該本体の該第1の側面における第1および第2のチャネルと、
第1および第2の開口部を有する該本体の該第2の側面における第1の凹部であって、該第1の開口部を介して(1)該第1のチャネルと流体連通し、該第2の開口部を介して(2)該第2のチャネルと流体連通する、第1の凹部と、
該第1の凹部を囲み第1の凹部壁であって、該第1の凹部壁は、試料処理システムに取り付けられると、該第1の壁および該第1の凹部を被覆する可撓性シートに嵌合および密閉するように適合される、第1の凹部壁と
を備える、カートリッジ。
【請求項17】
前記第1のチャネルは、第1の流体入力部と流体連通し、前記第2のチャネルは、処理機器と流体連通する、請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項18】
前記第1の凹部と前記第1の凹部壁との組み合わせを囲む弁組立体壁をさらに備え、該弁組立体壁は、前記可撓性シートに嵌合および密閉するように適合される、請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項19】
第3のチャネルと、
第1および第2の開口部を有する前記本体の前記第2の側面における第2の凹部であって、該第2の凹部の該第1の開口部を介して(1)該第3のチャネルと流体連通し、該第2の凹部の該第2の開口部を介して(2)前記第1のチャネルと流体連通する、第2の凹部と、
該第2の凹部を囲む第2の凹部壁であって、前記弁組立体壁は、該第2の凹部と該第2の凹部壁との組み合わせをさらに囲み、該第2の凹部壁の表面は、試料処理システムに取り付けられると、該第2の凹部壁および該第2の凹部を被覆する可撓性シートに嵌合および密閉するように適合される、第2の凹部壁と
をさらに備える、請求項18に記載のカートリッジ。
【請求項20】
前記第1のチャネルは、流体槽と流体連通し、前記第2のチャネルは、処理機器と流体連通し、前記第3のチャネルは、廃棄物出力接続部と流体連通する、請求項19に記載のカートリッジ。
【請求項21】
前記カートリッジの少なくとも1つの特徴を少なくとも部分的に囲む前記本体の前記第1の側面に付着されるシートをさらに備える、請求項20に記載のカートリッジ。
【請求項22】
前記少なくとも1つの特徴は、前記第1のチャネルおよび流体槽を含む、請求項21に記載のカートリッジ。
【請求項23】
試料を処理するためのシステムであって、
複数の流体接続部、弁組立体、複数のチャネル、および複数の流体槽を備えるカートリッジであって、該弁組立体は、入口および出口を各々が有する複数の弁を備え、少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つの弁を介して少なくとも1つの流体接続部と少なくとも1つの流体槽との間に流体連通を提供する、カートリッジと、
力を該弁組立体に印加して、密閉流体チャンバを該複数の弁の各々に形成するように適合される弁接続組立体を備える可動ヘッド組立体であって、該弁接続組立体は、該複数の弁の各々の該入口と該出口との間の流体連通を開放および閉鎖するように各々が適合される複数の可動部材を備える、可動ヘッド組立体と、
(1)該複数の流体槽のうちの対応する1つと嵌合および整列するように、および(2)処理機器において少なくとも1つのチャネルおよび少なくとも1つの弁を介して、少なくとも1つの流体接続部と少なくとも1つの流体槽との間で試料を移動させるように各々が適合される複数のポンプ接続部材を備えるポンプと
を備える、システム。
【請求項24】
各可動部材は、ゼロ保持力作動を各対応する弁に提供するように適合される、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
試料を処理するための器具であって、
カートリッジを受容および支持するように適合される板と、
該カートリッジ上の弁組立体に力を印加して、該弁組立体における少なくとも1つの弁において密閉流体チャンバを形成するように適合される弁接続組立体を備える可動ヘッド組立体であって、該弁接続組立体は、該少なくとも1つの弁の入口と出口との間の流体連通を開放および閉鎖するように適合される少なくとも1つの可動部材を備える、可動ヘッド組立体と、
該カートリッジ上に画定される複数の流体槽と嵌合および整列するように適合される複数のポンプ接続部材を備えるポンプと
を備える、器具。
【請求項26】
前記可動ヘッド組立体は、前記カートリッジ上に画定される少なくとも1つの相補的位置決め特徴と嵌合および整列するように適合される少なくとも1つの位置決め特徴を備える、請求項25に記載の器具。
【請求項27】
前記弁接続組立体は、前記カートリッジの前記弁組立体に関連付けられる少なくとも1つの相補的位置決め特徴と嵌合および整列するように適合される少なくとも1つの位置決め特徴を備える、請求項26に記載の器具。
【請求項28】
前記板は、可動板である、請求項25に記載の器具。
【請求項29】
前記板は、熱的に制御される板である、請求項28に記載の器具。
【請求項30】
カートリッジによって試料を処理する方法であって、
複数の入力弁および複数の出力弁の上に配置される可撓性シートに力を印加して、該入力弁および出力弁の各々において密閉チャンバを提供することであって、該複数の入力弁は、複数の試薬入力弁および複数の流体入力弁を備え、該複数の出力弁は、複数の第1および第2の出力弁を備える、ことと、
該複数の試薬入力弁を閉鎖することと、
該複数の流体入力弁を開放することと、
該複数の第2の出力弁を閉鎖することと、
該複数の第1の出力弁を開放することと、
各流体入力弁を介して、対応する処理機器を介して、および対応する第1の出力弁を介して試料を引き込むことと、
各処理機器によって該試料を処理することと、
該複数の流体入力弁を閉鎖することと、
該複数の試薬入力弁を開放することと、
各試薬入力弁を介して、対応する処理機器を介して、および対応する第1の出力弁を介して試薬を引き込むことであって、該試薬の流動によって、該試料の各々は、対応する流体槽に進入する、ことと、
該複数の第1の出力弁を閉鎖することと、
該複数の第2の出力弁を開放することと、
該試料および該試薬を、各第2の出力弁を介して該流体槽から押圧することと
を含む、方法。
【請求項31】
試料を処理するためのカートリッジを製造する方法であって、
第1のチャネルおよび第2のチャネルを本体の第1の側面に形成することと、
第1の凹部を該本体の第2の側面に形成することと、
該第1のチャネルと流体連通する第1の開口部を該第1の凹部に形成することと、
該第2のチャネルと連通する第2の開口部を該第1の凹部に形成することと、
該第1の凹部を囲み、かつ試料処理システムに取り付けられると、該第1の凹部壁および該第1の凹部を被覆する可撓性シートに嵌合および密閉する第1の凹部壁を形成することと
を含む、方法。
【請求項32】
前記第1の凹部と前記第1の凹部壁との組み合わせを囲み、かつ前記可撓性シートに嵌合および密閉する弁組立体壁を形成することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
1つ以上の製造ステップは、まとめて実行される、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
第3のチャネルを前記本体の前記第1の側面に形成することと、
第2の凹部を該本体の前記第2の側面に形成することと、
該第3のチャネルと流体連通する第1の開口部を該第2の凹部に形成することと、
前記第2のチャネルと流体連通する第2の開口部を該第2の凹部に形成することと、
該第2の凹部を囲み、前記可撓性シートに嵌合および密閉する第2の凹部壁を形成することであって、該可撓性シートは、試料処理システムに取り付けられると、該第2の凹部壁および該第2の凹部を被覆する、ことと
を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記第1および第2の凹部と前記第1および第2の凹部壁との組み合わせを囲み、かつ前記可撓性シートに嵌合および密閉する弁組立体壁を形成するこよをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【公表番号】特表2011−519033(P2011−519033A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506360(P2011−506360)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/040716
【国際公開番号】WO2009/131883
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(508153707)バイオスケール, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/040716
【国際公開番号】WO2009/131883
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(508153707)バイオスケール, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
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