説明

検査チップ

【課題】希釈液と被希釈液とを混合させるとともに混合した液を撹拌して均一にする検査チップを提供する。
【解決手段】希釈液Bを収容可能な希釈液収容部202と、被希釈液Pを収容可能な被希釈液収容部203と、第一の希釈流路221A、第二の希釈流路222A、第一の被希釈流路223Aおよび第二の被希釈流路224Aを有する流路と、希釈流路および被希釈流路の接続状態を切替える切替え機構と、流路内の希釈液および被希釈液を攪拌する攪拌機構と、を備える検査チップ1であって、切替え機構は、希釈液収容部、第一の希釈流路および第二の希釈流路が直列に接続されて連通され、かつ、被希釈液収容部、第一の被希釈流路および第二の被希釈流路が直列に接続されて連通された充填接続状態と、第一の希釈流路、第二の希釈流路、第一の被希釈流路および第二の被希釈流路が環状に接続されて連通された環状接続状態と、を切替え可能とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被希釈液を希釈する検査チップに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、微細な流路の加工技術や生物医学の発展により、マイクロデバイス(検査チップ)が診断分野を始め、ドラッグディスカバリーや幹細胞研究など広範な分野へ応用されてきている。マイクロデバイスを用いた診断は、検体(被希釈液)の量が少なくて良い、反応時間が短い、機能をチップ内に組み込むことにより操作が簡便であることなどから、ベッドサイドや診療所などでの迅速な検査(POC:Point Of Care)に用いられている。
【0003】
検体に含まれる成分をマイクロデバイス内で分析するには、生化学的分析で用いられている希釈を微細な流路で行わなければならないが、流体の表面張力や流路壁面の濡れ性などのため、検体を希釈液により任意の比率で希釈することは困難である。そこで、微細な流路における検体や試薬の希釈方法には、これまで幾つかの提案がなされてきた。
【0004】
例えば、特許文献1に記載されたマイクロ分析チップでは、流路内に柱状突起物を形成することにより、2つの液体を効率的に撹拌している。また、特許文献2に開示されたマイクロデバイスでは、流体に超低周波振動を伝播することにより、流速変動を誘起させて流体を混合している。特許文献3に記載された検査チップのように、マイクロスターラーで攪拌する例もある。
一方で、検体を秤量して希釈する方法には、非特許文献1に示された混合比を制御する希釈方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−24522号公報
【特許文献2】特開2009−115821号公報
【特許文献3】特開2006−266974号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Lab Chip、第9号(2009年)p.709
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されたマイクロ分析チップでは、検体と希釈溶液で粘度など物理的性状が異なる場合、均一な混合は難しくなる。特許文献2に開示されたマイクロデバイスおよび特許文献3に開示された検査チップでは、小型モータを付加したり、や回転子を組込んだりするため、構造が複雑になる。また、これらの特許文献には、任意の希釈率を得る方法は記載されていない。
非特許文献1の方法では、電気回路をモデルに微細な流路で任意の希釈溶液を作製している。しかし、この方法では、検体が流路内を均一に送液されることを前提にしているため、粘性の高い検体には適応しにくいと考えられる。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、簡単な構成で希釈液と被希釈液とを所望の割合で混合させるとともに、混合した液を撹拌して均一にする検査チップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の検査チップは、希釈液を収容可能な希釈液収容部と、前記希釈液により希釈される被希釈液を収容可能な被希釈液収容部と、第一の希釈流路、第二の希釈流路、第一の被希釈流路および第二の被希釈流路を有し、内部に前記希釈液および前記被希釈液を流す流路と、前記第一の希釈流路、前記第二の希釈流路、前記第一の被希釈流路および前記第二の被希釈流路の接続状態を切替える切替え機構と、前記流路内の前記希釈液および前記被希釈液を攪拌する攪拌機構と、を備える検査チップであって、前記切替え機構は、前記第一の希釈流路、前記第二の希釈流路および前記希釈液収容部が直列に接続されて連通され、かつ、前記第一の被希釈流路、前記第二の被希釈流路および前記被希釈液収容部が直列に接続されて連通された充填接続状態と、前記第一の希釈流路、前記第二の希釈流路、前記第一の被希釈流路および前記第二の被希釈流路が環状に接続されて連通された環状接続状態と、を切替え可能とされていることを特徴としている。
【0010】
また、上記の検査チップにおいて、前記攪拌機構は、前記流路に設けられ、前記流路を前記希釈液および前記被希釈液が流れる開状態と、前記流路を前記希釈液および前記被希釈液が流れない閉状態と、を切替える3つの切替え弁を備えることがより好ましい。
また、上記の検査チップにおいて、前記切替え弁は、空気圧により前記開状態と前記閉状態とが切替えられることがより好ましい。
【0011】
また、上記の検査チップにおいて、前記希釈液により希釈される補助被希釈液を収容可能な補助被希釈液収容部と、第一の補助希釈流路、第二の補助希釈流路、第一の補助被希釈流路および第二の補助被希釈流路を有する補助流路と、前記第一の補助希釈流路、前記第二の補助希釈流路、前記第一の補助被希釈流路および前記第二の補助被希釈流路の接続状態を切替える補助切替え機構と、前記流路内の前記希釈液および前記補助被希釈液を攪拌する補助攪拌機構と、をさらに備え、前記補助切替え機構は、前記希釈液収容部、前記第一の補助希釈流路および前記第二の補助希釈流路が直列に接続されて連通され、かつ、前記補助被希釈液収容部、前記第一の補助被希釈流路および前記第二の補助被希釈流路が直列に接続されて連通された補助充填接続状態と、前記第一の補助希釈流路、前記第二の補助希釈流路、前記第一の補助被希釈流路および前記第二の補助被希釈流路が環状に接続されて連通された補助環状接続状態と、を切替え可能とされていることがより好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の検査チップによれば、簡単な構成で希釈液と被希釈液とを所望の割合で混合させるとともに、混合した液を撹拌して均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態の検査チップを透過させた平面図である。
【図2】同検査チップの断面を説明する図である。
【図3】図1中の要部拡大図である。
【図4】図3において収容部および液用流路のみを示した図である。
【図5】図3においてバルブ、空気用流路および開口部のみを示した図である。
【図6】同検査チップの動作を説明する図である。
【図7】同検査チップの動作を説明する図である。
【図8】同検査チップの動作を説明する図である。
【図9】同検査チップの動作を説明する図である。
【図10】本発明の第2実施形態の検査チップを透過させた平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る検査チップの第1実施形態を、図1から図9を参照しながら説明する。本検査チップは、検体溶液(被希釈液)および標準サンプル(補助被希釈液)と希釈・洗浄用のバッファー(希釈液)とを、それぞれ2段階に混合して希釈するものである。検体溶液としては、血清・血しょうや唾液などが挙げられ、バッファーとしては、リン酸緩衝液(PBS)や生理食塩水などを用いることができる。
図1および図2に示すように、検査チップ1は、ガラス板10と、ガラス板10の一方の面11上に設けられ空気用溝部110が形成された空気用流路層100と、空気用流路層100の一方の面101上に設けられ液用溝部210が形成された液用流路層200とを備えている。
【0015】
まず、図2を用いて、検査チップ1の基本的な構成について説明する。以下に示す、空気用流路111、液用流路(流路)211、開口部111aおよびバルブ310は、構成の一例であり、実際には、検査チップ1にはこれらと同様の構成がそれぞれ多数備えられている。
空気用流路層100は、PDMS(ポリジメチルシロキサン)などの樹脂によりシート状に形成されている。
空気用溝部110は、空気用流路層100におけるガラス板10側の面に形成され、ガラス板10の一方の面11と一体となって空気用流路111を構成する。
【0016】
液用流路層200は、空気用流路層100と同一の材料で形成されている。
液用溝部210は、液用流路層200における空気用流路層100側の面に形成され、空気用流路層100の一方の面101と一体となって液用流路(流路)211を構成する。
液用流路層200の空気用流路層100側の面には、互いの端部が離間するように配置された液用溝部210a、210bが形成されている。
液用溝部210aと空気用流路層100の一方の面101とで液用流路211aを、液用溝部210bと空気用流路層100の一方の面101とで液用流路211bを、それぞれ構成する。
液用流路211a、211bの端部は、空気用流路層100の厚さ方向において空気用流路111の中央部に重なるように配置されている。
ガラス板10と空気用流路層100、空気用流路層100と液用流路層200のバルブ310以外は、公知の接着剤などで接続することができる。
【0017】
空気用流路111の端部に設けられた開口部111aには、シリンジポンプなどの圧力調節装置Mが接続されている。
圧力調節装置Mにより、空気用流路111内が大気圧になったときには、液用流路層200に空気用流路層100の一方の面101が気密に接続し、液用流路211aと液用流路211bとが連通していなく、液用流路211aと液用流路211bとの間で液が流れない閉状態となる。一方で、圧力調節装置Mにより開口部111aから空気を流出させ、空気用流路111内が大気圧より低い負圧になったときには、空気用流路111の液用流路層200側の部分が圧力差により形状Fのように湾曲する。このため、液用流路211aと液用流路211bとが連通し、液用流路211aと液用流路211bとの間で液が流れる開状態となる。
このように、空気用流路111と、液用流路211a、211bの端部とによりバルブ(切替え弁)310が構成される。そして、圧力調節装置Mで空気用流路111内の空気圧を調節することで、液用流路211aと液用流路211bとを閉状態と開状態とに切替えることができる。
なお、空気用流路111内に圧力をかけないときには、空気用流路111内は大気圧になり、バルブ310は閉状態となる。
以下では、検査チップ1における、実際の空気用流路、液用流路、開口部、およびバルブの構成を中心に説明する。
【0018】
検査チップ1は、図3に示すように、収容部202〜205(収容部205は図1参照。)、検体側流路セット(流路)220A、230A、標準サンプル側流路セット(補助流路)220B、230B、原液流路240A、240B、および、バルブを備えている。
このうち、検体側流路セット220Aと標準サンプル側流路セット220B、検体側流路セット230Aと標準サンプル側流路セット230Bは、液用流路層200上に規定される中心軸線Cに対してほぼ対称に形成されている。
検体側流路セット230Aと標準サンプル側流路セット230Bは、検体側流路セット220Aと標準サンプル側流路セット220Bを挟むように配置されている。
以下では、検体側流路セット220A、230A、後述する検体原液流路240A、および、これらに関するバルブについて詳しく説明する。そして、これらに対して、中心軸線Cに対して線対称となる構成については、符号の数字の部分を共通にし、符号に付加する英字を「A」、「B」と変えることで示し、重複する説明を省略する。
【0019】
収容部202〜205は、液用流路層200の面上に形成された凹部である。収容部202〜205は、バッファーBを収容可能なバッファー収容部(希釈液収容部)202と、バッファーBにより希釈される検体溶液Pを収容可能な検体溶液収容部(被希釈液収容部)203と、バッファーBにより希釈される標準サンプル(補助被希釈液)Sを収容可能な標準サンプル収容部(補助被希釈液収容部)204と、検出試薬Aを収容可能な検出試薬収容部205とで構成されている。
【0020】
図4に示すように、バッファーBが流れるバッファー原液流路207は、中心軸線C上を延びている。
検体側流路セット220Aは、第一のバッファー流路(第一の希釈流路)221A、第二のバッファー流路(第二の希釈流路)222A、第一の検体溶液流路(第一の被希釈流路)223A、および第二の検体溶液流路(第二の被希釈流路)224Aを有している。
第一のバッファー流路221Aと第二のバッファー流路222A、および、第一の検体溶液流路223Aと第二の検体溶液流路224Aは、互いに線対称に形成されている。
バッファー流路221A、222Aは、中心軸線Cに沿って蛇行するように形成されている。バッファー流路221A、222Aの容積の合計と、検体溶液流路223A、224Aの容積の合計との比率は、例えば、15対1に設定されている。バッファー流路221A、222Aに充填されたバッファーBと、検体溶液流路223A、224Aに充填された検体溶液Pとを混合すると、検体溶液Pが16倍に希釈される。
【0021】
図3から図5に示すように、第一のバッファー流路221Aの一端と第二のバッファー流路222Aの一端とは、バルブ321Aにより接続されている。第一のバッファー流路221Aの他端と第二のバッファー流路222Aの他端とは、バルブ322Aにより接続されている。
第一のバッファー流路221Aにおける一端側には、バルブ323Aが設けられている。第一のバッファー流路221Aにおけるバルブ321Aとバルブ323Aとの間の部分は、バッファー原液流路207とバルブ324Aにより接続されている。
第二のバッファー流路222Aにおける一端側には、バルブ325Aが設けられている
【0022】
第一の検体溶液流路223Aの一端と第二の検体溶液流路224Aの一端とは、バルブ326Aにより接続されている。第一の検体溶液流路223Aの他端と第二の検体溶液流路224Aの他端とは、バルブ327Aにより接続されている。
第一のバッファー流路221Aの他端と第一の検体溶液流路223Aの一端とは、バルブ328Aにより接続されている。第二のバッファー流路222Aの他端と第二の検体溶液流路224Aの一端とは、バルブ329Aにより接続されている。
第一の検体溶液流路223Aの他端側は、バッファー原液流路207に接続されている。
【0023】
検体側流路セット230Aが、検体側流路セット220Aと異なる点は、バッファー流路231A、232A、および検体溶液流路233A、234Aの容積である。
第一のバッファー流路231Aにおけるバルブ331Aとバルブ333Aとの間の部分は、第二のバッファー流路222Aとバルブ334Aにより接続されている。
第一の検体溶液流路233Aの他端側と第二の検体溶液流路224Aの他端側とは、バルブ340Aにより接続されている。
バッファー流路231A、232Aの容積の合計と、検体溶液流路233A、234Aの容積の合計との比率は、3対1に設定されている。バッファー流路231A、232Aに充填されたバッファーBと、検体溶液流路233A、234Aに充填された検体溶液Pとを混合すると、検体溶液Pが4倍に希釈される。
検体側流路セット230Aの容積は、検体側流路セット220Aの容積と等しく設定されている。
【0024】
標準サンプル側流路セット220Bにおいて、第一のバッファー流路221Bが第一の補助希釈流路に、第二のバッファー流路222Bが第二の補助希釈流路に、第一の標準サンプル流路223Bが第一の補助被希釈流路に、第二の標準サンプル流路224Bが第二の補助被希釈流路に、それぞれ相当する。
【0025】
検体側流路セット230Aに対する中心軸線Cとは反対側には、検体原液流路240Aが中心軸線Cに沿って蛇行するように形成されている。
検体原液流路240Aの容積は、検体側流路セット220Aの容積と等しく設定されている。
検体原液流路240Aの一端と第二の検体溶液流路234Aの他端とは、バルブ341Aにより接続されている。また、検体原液流路240Aの一端は、補助開口部241Aとバルブ342Aにより接続されている。
【0026】
バッファー原液流路207の一端は、バルブ351を介してバッファー収容部202に接続されるとともに、バルブ352を介して検出試薬収容部205に接続されている(図1参照。)。
第一の検体溶液流路223Aの他端は、バルブ353Aを介して検体溶液収容部203に接続されている。第一の標準サンプル流路223Bの他端は、バルブ353Bを介して標準サンプル収容部204に接続されている。
【0027】
続いて、検体側流路セット220A、230A、標準サンプル側流路セット220B、230B、および、原液流路240A、240Bより下流側の構成について説明する。
図3から図5に示すように、第一のバッファー流路221Aにおけるバルブ321Aとバルブ323Aとの間の部分には、搬出流路226Aの一端が接続されている。搬出流路226Aには、一端側から他端側に向けて、バルブ371A、372Aが設けられている(バルブ372Aは図1参照。)。図1に示すように、搬出流路226Aにおけるバルブ372Aより他端側となる中間部227Aの流路の幅は、搬出流路226Aの他の部分の幅より狭くなっている。中間部227Aは、中心軸線Cに平行に配置されている。
搬出流路226Aの他端には、開口部228Aが設けられている。
一方で、図3から図5に示すように、第二のバッファー流路222Aの一端は、補助開口部229Aとバルブ373Aにより接続されている。
【0028】
第一のバッファー流路231Aにおけるバルブ331Aとバルブ333Aとの間の部分には、補助流路235Aの一端が接続され、第二のバッファー流路232Aにおけるバルブ331Aとバルブ335Aとの間の部分には、この補助流路235Aの他端が接続されている。補助流路235Aには、バルブ381A、383Aが設けられている。
補助流路235Aにおけるバルブ381Aとバルブ383Aとの間の部分には、搬出流路236Aの一端が接続されている。図1に示すように、搬出流路236Aには、バルブ382Aが設けられている。搬出流路236Aにおけるバルブ382Aより他端側となる中間部237Aの流路の幅は、搬出流路236Aの他の部分の幅より狭くなっている。中間部237Aの一部は、中心軸線Cに平行に配置されている。
搬出流路236Aの他端には、開口部238Aが設けられている。
一方で、図3から図5に示すように、補助流路235Aにおける、バルブ383Aが設けられた部分より他端側は、補助開口部239Aとバルブ384Aにより接続されている。
【0029】
検体原液流路240Aの他端には、環状流路245Aが接続されている。環状流路245Aにおける検体原液流路240Aの他端が接続された部分の反対側には、搬出流路246Aの一端が接続されている。環状流路245Aにおける、検体原液流路240Aの他端が接続された部分と搬出流路246Aの一端が接続された部分とのそれぞれの中間部には、バルブ391A、392Aが設けられている。
図1に示すように、搬出流路246Aには、バルブ393Aが設けられている。搬出流路246Aにおけるバルブ393Aより他端側となる中間部247Aの流路の幅は、搬出流路246Aの他の部分の幅より狭くなっている。中間部247Aの一部は、中心軸線Cに平行に配置されている。
搬出流路246Aの他端には、開口部248Aが設けられている。
【0030】
図3から図5に示すように、バッファー原液流路207の他端は、バルブ356を介して搬出流路256の一端に接続されている。搬出流路256は、中心軸線C上を延びている。搬出流路256には、図1に示すバルブ357が設けられている。
搬出流路256におけるバルブ357より他端側となる中間部257の流路の幅は、搬出流路256の他の部分の幅より狭くなっている。
搬出流路256の他端には、開口部258が設けられている。
なお、搬出流路226A、236A、246A、226B、236B、246B、256の容積は、互いに等しく設定されている。
また、中間部227A、237A、247A、227B、237B、247B、257は、検査チップ1における検出部となる。
【0031】
図1に示すように、搬出流路256におけるバルブ356とバルブ357との間の部分には、分岐流路261Aの一端が接続されている。分岐流路261Aの中間部は、搬出流路226Aおよび搬出流路236Aに接続され、分岐流路261Aの他端は搬出流路246Aに接続されている。
分岐流路261Aにおける一端と搬出流路226Aに接続された部分との間には、バルブ396Aが設けられている。分岐流路261Aにおける搬出流路226Aに接続された部分と搬出流路236Aに接続された部分との間には、バルブ397Aが設けられている。そして、分岐流路261Aにおける搬出流路236Aに接続された部分と他端との間には、バルブ398Aが設けられている。
【0032】
図5に示すように、バルブ351は、空気用流路により開口部121に接続されている。このように構成することで、開口部121に接続された不図示の圧力調節装置により、バルブ351を閉状態と開状態とを切替えることができる。同様に、バルブ352は、開口部122に接続されている(図1参照。)。
バルブ327A、337A、327B、337Bは、開口部123にそれぞれ接続されている。すなわち、これらのバルブ327A、337A、327B、337Bは、開口部123に接続された圧力調節装置により、閉状態と開状態とを一斉に切替えられる。
同様に、バルブ326A、336A、340A、341A、353A、391A、326B、336B、340B、341B、353B、391Bは、開口部124にそれぞれ接続されている
バルブ328A、329A、338A、339A、328B、329B、338B、339Bは、開口部125にそれぞれ接続されている。
バルブ322A、332A、322B、332Bは、開口部126にそれぞれ接続されている。
バルブ325A、335A、325B、335Bは、開口部127にそれぞれ接続されている。
バルブ323A、333A、323B、333Bは、開口部128にそれぞれ接続されている。
バルブ321A、331A、321B、331Bは、開口部129にそれぞれ接続されている。
バルブ324A、334A、383A、324B、334B、383Bは、開口部130にそれぞれ接続されている。
バルブ342A、371A、373A、381A、384A、392A、342B、371B、373B、381B、384B、392Bは、開口部131にそれぞれ接続されている。
バルブ356は、開口部132(図1参照。)に接続されている。
【0033】
さらに、図1に示すように、バルブ357は開口部133に接続されている。
バルブ372A、382A、393A、372B、382B、393Bは、開口部134にそれぞれ接続されている。
バルブ396A、397A、398A、396B、397B、398Bは、開口部135にそれぞれ接続されている。
【0034】
なお、バルブ321A、322A、324A、326A、327A、328A、329A、開口部123、124、125、126、129、130、および空気用流路で、切替え機構を構成する。
具体的に、バルブ323A、325A、351が開状態のときで説明する。
開口部126、130から空気を流出させ、バルブ322A、324Aを開状態とすることで、バッファー原液流路207を介して、バッファー収容部202、第一のバッファー流路221A、および第二のバッファー流路222Aが直列に接続され、互いに連通する。同様に、開口部124から空気を流出させ、バルブ326A、353Aを開状態とすることで、検体溶液収容部203、第一の検体溶液流路223A、および第二の検体溶液流路224Aが直列に接続され、互いに連通する。
このように、バルブ322A、324A、326A、353Aを開状態とすることで、バッファー収容部202、バッファー流路221A、222Aが連通するとともに、検体溶液収容部203、検体溶液流路223A、224Aが連通した充填接続状態にすることができる。
【0035】
一方で、開口部123、125、129から空気を流出させ、バルブ327A、328A、329A、321Aを開状態とすることで、バッファー流路221A、222A、検体溶液流路223A、224Aが環状に接続されて連通された環状接続状態にすることができる。
このように、空気を流出させる開口部を適宜選択することで、切替え機構がバッファー収容部202、検体溶液収容部203、および検体側流路セット220Aの接続状態を、充填接続状態と環状接続状態とに切替えることができる。
【0036】
また、3つのバルブ321A、323A、325A、開口部129、127、128、および空気用流路で、攪拌機構を構成する。
すなわち、他の開口部を負圧にした状態で、開口部129、開口部128、開口部127の順で大気圧にし、バルブ321A、バルブ323A、バルブ325Aを順に閉状態とする。このように操作することで、いわゆる蠕動運動により、環状に接続された検体側流路セット220A内の液体が反時計回りに回転する。この液体を回転させる駆動力と、検体側流路セット220Aの蛇行する流路とにより、検体側流路セット220A内の液体が効果的に攪拌される。
検体側流路セット230Aにおいても同様に、切替え機構および攪拌機構が備えられている。
標準サンプル側流路セット220B、230Bは、検体側流路セット220Aにおける切替え機構および攪拌機構に相当する、補助切替え機構および補助攪拌機構を備えている。補助切替え機構は、標準サンプル側流路セット220Bを、検体側流路セット220Aの充填接続状態および環状接続状態に相当する、補助充填接続状態および補助環状接続状態に切替えるものである。
【0037】
次に、以上のように構成された検査チップ1の使用方法について説明する。
この例では、予め、検出部に捕捉抗体を固定化させておくとともに、検体溶液Pおよび標準サンプルSには、マーカー分子を入れておいてある。また、図6および図7においては、異なる液が流れる流路を異なる線種で示している。
まず、バッファーBを充填するバッファー充填工程を行う。
具体的には、開口部121、126、127、128、130から空気を流出させ、図6中にハッチングで示すバルブを開状態とすることで、検体側流路セット220Aおよびバッファー収容部202を充填接続状態にする。同様に、検体側流路セット230Aを充填接続状態に、標準サンプル側流路セット220B、230Bを補助充填接続状態にする。
開口部238A(図1参照。)から圧力調節装置で空気を流出させることで、バッファー収容部202内のバッファーBが、バッファー原液流路207、第一のバッファー流路221A、第二のバッファー流路222A、第一のバッファー流路231A、および第二のバッファー流路232Aに充填される。同様に、開口部238B(図1参照。)から空気を流出させることで、バッファー収容部202内のバッファーBが、バッファー原液流路207、第一のバッファー流路221B、第二のバッファー流路222B、第一のバッファー流路231B、および第二のバッファー流路232Bに充填される。
【0038】
次に、検体溶液Pおよび標準サンプルSを充填する検体・サンプル充填工程を行う。
具体的には、開口部124から空気を流出させ、図7中にハッチングで示すバルブを開状態とする。開口部248A(図1参照。)から圧力調節装置で空気を流出させることで、検体溶液収容部203内の検体溶液Pが、第一の検体溶液流路223A、第二の検体溶液流路224A、第一の検体溶液流路233A、第二の検体溶液流路234A、および検体原液流路240Aに充填される。
一方で、開口部248B(図1参照。)から空気を流出させることで、標準サンプル収容部204内の標準サンプルSが、第一の標準サンプル流路223B、第二の標準サンプル流路224B、第一の標準サンプル流路233B、第二の標準サンプル流路234B、および標準サンプル原液流路240Bに充填される。
【0039】
続いて、検体溶液PとバッファーB、標準サンプルSとバッファーBをそれぞれ攪拌する攪拌工程を行う。
具体的には、開口部123、125、127、128、129から空気を流出させ、図8中にハッチングで示すバルブを開状態とすることで、検体側流路セット220Aを環状接続状態にする。同様に、検体側流路セット230Aを環状接続状態に、標準サンプル側流路セット220B、230Bを補助環状接続状態にする。
ここで、開口部129、開口部128、開口部127を順に閉状態にすることで、環状に接続された検体側流路セット220A、230A内の検体溶液PとバッファーB、標準サンプル側流路セット220B、230B内の標準サンプルSとバッファーBをそれぞれ攪拌する。
【0040】
次に、希釈した検体溶液Pおよび標準サンプルSを検出部に送る搬出工程を行う。
開口部121、123、127、128、131から空気を流出させ、図9中にハッチングで示すバルブを開状態とする。
そして、開口部228A、238A、248A、228B、238B、248B、258(図1参照。)から空気を流出させることで、搬出流路226A、236A、246A、226B、236B、246B、256内を負圧にする。
これにより、16倍に希釈された検体溶液Pが搬出流路226Aに、4倍に希釈された検体溶液Pが搬出流路236Aに、検体溶液Pが搬出流路246Aに、それぞれ充填される。16倍に希釈された標準サンプルSが搬出流路226Bに、4倍に希釈された標準サンプルSが搬出流路236Bに、標準サンプルSが搬出流路246Bに、それぞれ充填される。バッファーBは、搬出流路256に充填される。
【0041】
検体溶液Pおよび標準サンプルS中のマーカー分子は、検出部の各搬出流路に固定化された前述の捕捉抗体と結合する。
ここで、開口部121、132、135から空気を流出させるとともに、開口部228A、238A、248A、228B、238B、248B、258から空気を流出させることで、検出部の各搬出流路をバッファーBで洗浄する。
適切な標識済み検出抗体を有する検出試薬を検出試薬収容部205に収容し、上記と同様の方法で、検出部の各搬出流路に流す。さらに、上記と同じ洗浄工程により、非特異的に結合した検出試薬を洗い落とした後、検出試薬に応じた方法によって検出部に残った標識分子を測定する。
これにより、検体溶液Pおよび標準サンプルSの検量線を同時に作成し、検体溶液Pを分析する。
【0042】
以上説明したように、本実施形態の検査チップ1によれば、切替え機構により検体側流路セット220Aおよびバッファー収容部202を充填接続状態にして、第二のバッファー流路222Aの一端側を負圧にすることで、バッファー収容部202中のバッファーBがバッファー流路221A、222Aに充填される。同様に、第二の検体溶液流路224Aの他端側を負圧にすることで、検体溶液収容部203中の検体溶液Pが検体溶液流路223A、224Aに充填される。
ここで、切替え機構により検体側流路セット220Aを環状接続状態にして攪拌機構を動作させると、バッファー流路221A、222A中のバッファーBと検体溶液流路223A、224A中の検体溶液Pとが撹拌される。撹拌されるバッファーBと検体溶液Pとの混合比率は、バッファー流路221A、222Aと検体溶液流路223A、224Aとの容積比で決まるので、バッファー流路および検体溶液流路の容積を調節することで、バッファーBと検体溶液Pとを所望の割合で混合し、均一に撹拌することができる。
また、検査チップ1を収容部、流路、切替え機構、および攪拌機構で構成できるため、検査チップ1の構成を簡単にすることができる。
【0043】
攪拌機構は、開状態と閉状態とを切替える3つのバルブ321A、323A、325Aを備える。このため、3つのバルブ321A、323A、325Aのうち、閉状態にするバルブを順に切替えることで、バッファーBおよび検体溶液Pを環状に接続された検体側流路セット220Aに沿って流し、撹拌することができる。
バルブは、空気圧により開状態と閉状態とが切替えられるため、バルブ近傍に潤滑油などを用いることなく、清潔さを保った状態で開状態と閉状態とを切替えることができる。
【0044】
検査チップ1は、標準サンプル収容部204、標準サンプル側流路セット220Bを備えるため、検体溶液Pと同時に標準サンプルSをバッファーBで希釈することができる。
【0045】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図10を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本検査チップ2は、第1実施形態の検査チップ1に対して、検体溶液Pおよび標準サンプルSをバッファーBでそれぞれ4段階に希釈する構成となっている。この例では、検体溶液Pおよび標準サンプルSを、2倍、4倍、8倍、16倍にそれぞれ希釈している。
【0046】
以上、本発明の第1実施形態および第2実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更なども含まれる。さらに、各実施形態で示した構成のそれぞれを適宜組み合わせて利用できることは、言うまでもない。
たとえば、前記第1実施形態および第2実施形態では、液用流路層200はPDMSなどの樹脂により形成していたが、ガラスにより形成されてもよい。
前記第1実施形態および第2実施形態のバルブは、前述の構成に限ることなく、例えば、特許第3418727号公報に記載された圧力制御により開閉可能なニューマチックバルブや、特許第4383053号公報に記載された圧電アクチュエーターによるバルブなども好適に用いることができる。
【0047】
前記第1実施形態では、標準サンプルSをバッファーBで希釈するための、標準サンプル収容部204や標準サンプル側流路セット220B、230Bは備えられなくてもよい。検体溶液Pに対する検量線が得られれば充分な場合もあるからである。
また、前記第1実施形態および第2実施形態では、検体溶液Pおよび標準サンプルSを希釈する段階に制限はなく、1段階でもよいし、3段階や5段階以上でもよい。
【0048】
(実施例)
図10に示した3層から成る検査チップ2を作製した。液用溝部210が形成された液用流路層200は、縦44mm、横70mm、厚さ2mmとし、空気用溝部110が形成された空気用流路層100は、縦52mm、横70mm、厚さ0.24mmとし、ガラス板10は、縦52mm、横76mm、厚さ1mmとした。
ガラス板10は、空気用流路層100の空気用溝部110に対する蓋の役割を果たす。
【0049】
液用溝部210は、幅300μm(検出部における幅は100μm)、深さ50μmとした。空気用溝部110は、幅160μm、深さ70μmとし、バルブの直径1.7mmとした。
【0050】
液用流路層200と空気用流路層100はPDMS製とし、次のように作製した。
まず、液用流路層200、および中間層の空気用流路層100のマスク設計を行い、フィルムマスクを作製した。レジスト型作製として、Siウエハ上にレジスト(SU−8)を溝部の深さ厚毎に塗布し、Siウエハ(SU−8塗布)を露光機に載せ、マスクをセットして露光し、露光されていないSU−8部分を除去した。レジスト型にPDMS樹脂を注入し、PDMSをベークして固めた。硬化したPDMSをレジスト型より離型し、各直径用に応じた生検トレパンで穴を開けた。外形をカット後、貼り合せ接合面をOプラズマ処理し、顕微鏡付き貼り合わせ機により位置合わせをしながらパーマネントボンディングした。圧力調節装置Mのチューブを空気用流路層100に取付けるときに、空気用流路層100にチューブ取付け部補強PDMSシート(縦7mm、横70mm、厚さ2mm)を貼り付け、直径2mmの穴を開けた後、シリコン製チューブ(外径2mm、内径1mm)を取付けた。
なお、送液のための吸引用のチューブは、別のPDMS板に取り付け、チューブ付きPDMS板として液用流路層200に貫通させた吸引孔に合うように密着させた。
【0051】
圧力制御は、空気用流路層100に取付けられたチューブに連結したシリンジにて吸引することによりバルブを開閉した。しかし、攪拌時にバルブを連続的に開閉させる場合は、以下に説明するような加減圧制御ポンプを作製し使用した。なお、送液はシリンジポンプ(Fusion200;CHEMYX Inc.社製)に連結したシリンジによる吸引にて行った。
【0052】
空気用流路層100に連結したラインは、それぞれ減圧(−30kPa)と加圧(10kPa)がかかるようにし、ラインに連結したバルブの薄膜を変形させ、対応する液用流路層200の流路を開閉させた。加減圧はそれぞれ圧力センサ(AP−41,43;キーエンス社製)にて制御された小型マイクロポンプ(NMP830KNDCB24V;KNFジャパン社製)で発生させ、3方ソレノイドバルブ(LHDA1223111H;ジュピターコーポレーション社製)で切替えた。ソレノイドバルブは、LabVIEW(National Instruments Corporation社製)で作成したプログラムに従い、I/Oユニット(USBK−116;テクノウェーブ株式会社製)を介して制御した。
【0053】
希釈攪拌を目視により確認するために、バッファーBに水を、検体溶液Pおよび標準サンプルSに着色水を用いた。
前述の検査チップの使用方法に従って、1秒ずつの間隔で開口部127、128、129から加減圧することにより、5分間バルブ開閉による蠕動運動を行ったところ、希釈溶液が作製されることが確認された。本希釈液を、検査チップの検出部に送液したところ、希釈列が作製されていた。
【符号の説明】
【0054】
1、2 検査チップ
202 バッファー収容部(希釈液収容部)
203 検体溶液収容部(被希釈液収容部)
204 標準サンプル収容部(補助被希釈液収容部)
220A、230A 検体側流路セット(流路)
220B、230B 標準サンプル側流路セット(補助流路)
221A、231A 第一のバッファー流路(第一の希釈流路)
221B、231B 第一のバッファー流路(第一の補助希釈流路)
222A、232A 第二のバッファー流路(第二の希釈流路)
222B、232B 第二のバッファー流路(第二の補助希釈流路)
223A、232A 第一の検体溶液流路(第一の被希釈流路)
223B、232B 第一の標準サンプル流路(第一の補助被希釈流路)
224A、232A 第二の検体溶液流路(第二の被希釈流路)
224B、232B 第二の標準サンプル流路(第二の補助被希釈流路)
321A、323A、325A バルブ(切替え弁)
B バッファー(希釈液)
P 検体溶液(被希釈液)
S 標準サンプル(補助被希釈液)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
希釈液を収容可能な希釈液収容部と、
前記希釈液により希釈される被希釈液を収容可能な被希釈液収容部と、
第一の希釈流路、第二の希釈流路、第一の被希釈流路および第二の被希釈流路を有する流路と、
前記第一の希釈流路、前記第二の希釈流路、前記第一の被希釈流路および前記第二の被希釈流路の接続状態を切替える切替え機構と、
前記流路内の前記希釈液および前記被希釈液を攪拌する攪拌機構と、
を備える検査チップであって、
前記切替え機構は、
前記希釈液収容部、前記第一の希釈流路および前記第二の希釈流路が直列に接続されて連通され、かつ、前記被希釈液収容部、前記第一の被希釈流路および前記第二の被希釈流路が直列に接続されて連通された充填接続状態と、前記第一の希釈流路、前記第二の希釈流路、前記第一の被希釈流路および前記第二の被希釈流路が環状に接続されて連通された環状接続状態と、を切替え可能とされていることを特徴とする検査チップ。
【請求項2】
前記攪拌機構は、
前記流路に設けられ、前記流路を前記希釈液および前記被希釈液が流れる開状態と、前記流路を前記希釈液および前記被希釈液が流れない閉状態と、を切替える3つの切替え弁を備えることを特徴とする請求項1に記載の検査チップ。
【請求項3】
前記切替え弁は、空気圧により前記開状態と前記閉状態とが切替えられることを特徴とする請求項2に記載の検査チップ。
【請求項4】
前記希釈液により希釈される補助被希釈液を収容可能な補助被希釈液収容部と、
第一の補助希釈流路、第二の補助希釈流路、第一の補助被希釈流路および第二の補助被希釈流路を有する補助流路と、
前記第一の補助希釈流路、前記第二の補助希釈流路、前記第一の補助被希釈流路および前記第二の補助被希釈流路の接続状態を切替える補助切替え機構と、
前記流路内の前記希釈液および前記補助被希釈液を攪拌する補助攪拌機構と、
をさらに備え、
前記補助切替え機構は、
前記希釈液収容部、前記第一の補助希釈流路および前記第二の補助希釈流路が直列に接続されて連通され、かつ、前記補助被希釈液収容部、前記第一の補助被希釈流路および前記第二の補助被希釈流路が直列に接続されて連通された補助充填接続状態と、前記第一の補助希釈流路、前記第二の補助希釈流路、前記第一の補助被希釈流路および前記第二の補助被希釈流路が環状に接続されて連通された補助環状接続状態と、を切替え可能とされていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の検査チップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−215389(P2012−215389A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−78935(P2011−78935)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、委託業務「ナノテク・先端部材実用化研究開発/高機能性蛍光磁性ビーズによる高速・高感度疾患診断システムの開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】