説明

検査データ管理装置及び方法、並びに医用ネットワークシステム

【課題】重要な検査データの選別作業を支援することを目的とする。
【解決手段】診療所は、データセンタ経由で病院の医療検査を予約して、医療検査を依頼する。病院は、受託した医療検査を実施して、その検査データをコンピュータシステムに記録する。病院のコンピュータシステムは、病院内において、端末を通じて検査データにアクセスするユーザのアクセス履歴を記録する。検査が終了すると、病院からデータセンタに検査データとアクセス履歴がアップロードされる。データセンタのコンピュータシステムは、アクセス履歴に基づいて各検査データの重要度を判定し、判定結果を診療所に配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療検査に関する検査データを管理するための検査データ管理装置及び方法、並びに医用ネットワークシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療施設間で行われる医療検査予約を行う検査予約サービス、医療検査で得られる検査画像を自動解析して診断支援を行う診断支援サービスといった、コンピュータシステムを利用したアプリケーションサービスを、オンラインで提供する医用ネットワークシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。医用ネットワークシステムは、複数の医療施設に設置される複数のコンピュータシステムと、サービス提供元のデータセンタに設置されるコンピュータシステムとを、広域IP(Internet Protocol)ネットワーク、公衆電話網、専用線といった広域通信網(WAN)で接続することによって構成される。
【0003】
データセンタのコンピュータシステムは、医療検査の依頼元から依頼先に向けて送信される検査予約に関するデータや、依頼先から依頼元へ送信される医療検査の検査データを中継するサーバを備えている。サーバは、依頼元や依頼先のクライアント端末から送信されるデータを受信してデータストレージに格納し、クライアント端末からの要求に応じてデータストレージから読み出したデータを配信する。検査データには、生理検査や検体検査で得られた数値データ、CT(Computed Tomography)検査や内視鏡検査といった画像検査で撮影された検査画像、及びそれらの検査結果をまとめた医用レポートなどが含まれる。
【0004】
医療検査を受ける患者の傷病の種類や病状によっては、依頼先の医療施設において、複数種類の医療検査が行われる。これらの医療検査の検査結果は、それぞれの検査部門で医用レポートにまとめられ、検査画像や数値データとともに、患者を担当する担当医に報告される。担当医は、報告された検査結果を考慮して、総合的な診断(確定診断)を下す。
【0005】
依頼先で記録した検査データは、原則としてすべて、データセンタへアップロードされて、依頼元へ送られる。依頼元では、受け取った検査データの中から、依頼先が確定診断に至るまでに重視した検査画像や医用レポートといった重要な検査データを見極めながら、依頼先における確定診断の根拠を把握して、患者の検査後の治療方針を決定する。
【特許文献1】特開2001−265877号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
依頼元では、当然ながら、検査データの量が多いと、重要な検査データの選別に時間が掛かるという問題が生じる。選別作業に時間が掛かると、業務効率が悪化し、検査後の治療方針の決定も遅れる。上記特許文献1の診断支援サービスは、複数枚の検査画像の中から病変部を写した検査画像を選別する作業を支援することはできるが、上記重要な検査データの選別に利用することはできず、上記問題の解決策にはなり得なかった。
【0007】
本発明は、こうした背景に鑑みてなされたもので、その目的は、重要な検査データの選別作業を支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の検査データ管理装置は、医療検査に関する複数の検査データのそれぞれについて、端末を通じてアクセスするユーザのアクセス履歴を取得するアクセス履歴取得手段と、前記アクセス履歴に基づいて、前記検査データ毎に診断時の利用価値の尺度となる重要度を判定する重要度判定手段と、前記重要度を前記検査データと関連付けて記録する重要度記録手段と、前記重要度の判定結果を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
ここで、上記アクセス履歴取得手段は、1回のアクセス毎に端末から送信される情報に基づいてアクセス履歴を記録するアクセス履歴記録手段と、アクセス履歴記録手段によって記録されたアクセス履歴の転送を受けて受信するアクセス履歴受信手段の少なくとも1つの手段を含む。
【0010】
前記重要度判定手段は、例えば、前記アクセス履歴の内容に応じてスコアを算出して、算出したスコアを元に前記重要度を判定する。
【0011】
前記アクセス履歴には、前記ユーザのユーザID及び検査データのIDに加えて、前記検査データ毎のアクセス日時及びアクセス回数のうち少なくとも1つが含まれることが好ましい。検査データのIDは、例えば、ファイル名である。
【0012】
また、前記複数の検査データは、例えば、1人の患者に対して実施された複数の医療検査に関する検査データである。こうした複数の検査データのそれぞれについて重要度を判定することで、1人の患者の複数の検査データの中から、重要な検査データを選別することが容易になる。
【0013】
また、前記重要度判定手段は、前記ユーザのプロファイルに応じて与えられた重み付けを元に前記重要度を判定することが好ましい。前記プロファイルには、例えば、医師の資格の有無、所属、職位の少なくとも1つが含まれる。こうしたユーザ(スタッフ)のプロファイルに応じて、重み付けを変化させることで、より適切に重要度を判定することができる。
【0014】
また、前記検査データへのアクセスの目的が、医用レポート作成に利用する目的及び確定診断に利用する目的の少なくともいずれかの目的であるか否かを判定するアクセス目的判定手段を有しており、前記重要度判定手段は、前記アクセス目的判定手段の判定結果を元に前記重要度を判定することが好ましい。
【0015】
また、前記重要度判定手段は、前記アクセス目的判定手段の判定結果に応じて与えられた重み付けを元に前記重要度を判定することが好ましい。
【0016】
また、前記アクセス目的判定手段は、前記ユーザID及び前記アクセス日時に基づいて、前記アクセス目的を判定することが好ましい。
【0017】
また、前記重要度判定手段は、前記アクセス履歴から前記検査データの閲覧履歴を調べて、前記重要度を判定することが好ましい。
【0018】
また、前記重要度判定手段は、前記検査データが別の検査データに引用されたことを表す引用履歴を前記アクセス履歴から調べて、前記重要度を判定することが好ましい。
【0019】
前記重要度に基づいて検査データのそれぞれの保管期間を決定する保管期間決定手段を備えることが好ましい。
【0020】
本発明の検査データ管理装置は、医療検査に関する複数の検査データのそれぞれについて、端末を通じてアクセスするユーザのアクセス履歴を取得するアクセス履歴取得ステップと、前記アクセス履歴に基づいて、前記検査データ毎に重要度を判定する重要度判定ステップと、前記重要度を前記検査データと関連付けて記録する重要度記録ステップとを備えたことを特徴とする。
【0021】
本発明の医用ネットワークシステムは、医療検査の依頼先の検査施設から依頼元宛てに検査データを送信する前記検査施設の第1コンピュータシステムと、第1コンピュータシステムとネットワークを介して通信可能に接続され、第1コンピュータシステムから受信した前記検査データを依頼元に配信するデータセンタの第2コンピュータシステムとからなる医用ネットワークシステムにおいて、前記第1コンピュータシステムは、前記医療検査に関する複数の前記検査データを格納する第1データ格納手段と、前記検査施設内の端末を通じて、前記第1データ格納手段内の複数の前記検査データのそれぞれにアクセスしたユーザのアクセス履歴を記録するアクセス履歴記録手段とを備えており、前記第2コンピュータシステムは、複数の前記検査データに対応する前記アクセス履歴を、前記ネットワークを通じて前記第1コンピュータシステムから受信するアクセス履歴受信手段と、受信した前記アクセス履歴に基づいて、複数の前記検査データのそれぞれに対して重要度を判定する重要度判定手段と、前記重要度を前記各検査データと関連付けて記録する重要度記録手段と、前記依頼元の端末からの要求に応じて前記各検査データに対応する前記重要度の判定結果を配信する配信手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】
前記第2コンピュータシステムは、さらに、前記検査データを格納する第2データ格納手段と、前記重要度に基づいて、前記第2データ格納手段内の前記検査データのそれぞれの保管期間を決定する保管期間決定手段とを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、ユーザのアクセス履歴に基づいて検査データの重要度を判定するから、重要な検査データの選別作業を支援することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1に示す医用ネットワークシステム10は、データセンタ11のコンピュータシステムと、このコンピュータシステムと通信ネットワークによって接続された、病院12及び診療所13の各医療施設のコンピュータシステムとからなる。病院12は、例えば、地域における医療施設の中で比較的大規模な医療施設であり、CT(Computed Tomography)装置やMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置など高度な医療検査設備(モダリティ)を保有し、外部の医療施設からの検査依頼を受託する医療検査施設である。診療所13は、そうしたモダリティを持たず、病院12に対して医療検査を委託する比較的小規模な医療施設の例である。病院12は、診療所13からの検査依頼をデータセンタ11経由で受け付けて、医療検査を受託する。
【0025】
データセンタ11のコンピュータシステムは、病院12及び診療所13のそれぞれのコンピュータシステムを構成する各クライアント端末14,15とWAN(Wide Area Network)16を介して通信可能に接続されており、クライアント端末14,15からの要求に応じて、検査予約サービス及び検査データの配信サービスといったアプリケーションサービスを提供する。各クライアント端末14,15には、例えば、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)に対応したブラウザソフトがインストールされており、ブラウザソフトを通じてデータセンタ11のコンピュータシステムと通信を行ってアプリケーションサービスを受ける。
【0026】
WAN16としては、例えば、情報セキュリティと通信コストのバランスを考慮して、通信事業者が提供するIPネットワークやインターネットなどの共有ネットワーク上に専用回線を仮想的に構築するVPN(Virtual Private Network)が使用される。
【0027】
データセンタ11のコンピュータシステムは、検査予約管理サーバ17、センタDBサーバ18、ルータ19からなる。検査予約管理サーバ17には、依頼先となる各病院12の予約受付枠に対応したスケジュールデータが格納されており、クライアント端末14、15からの配信要求に応じて、スケジュールデータを配信する。配信されたスケジュールデータは、各クライアント端末14、15において、例えば、カレンダ形式で表示される。依頼元では、表示されたスケジュールから空き状況を確認して、依頼先の病院宛の予約申し込み情報を、クライアント端末15から検査予約管理サーバ17に送信する。
【0028】
予約申し込み情報には、依頼元の診療所名、患者名、希望受診日、検査目的などが含まれる。検査目的は、患者の傷病名や依頼先へ特に検査してもらいたい項目などである。検査予約管理サーバ17は、予約申し込み情報を受信してスケジュールデータを更新し、更新したスケジュールデータを依頼先の病院12へ配信する。依頼先の病院12は、クライアント端末14でスケジュールデータを確認して、検査依頼を受け付ける。
【0029】
医療検査が終了すると、病院12からクライアント端末14を通じて、依頼元宛の検査データがデータセンタ11にアップロードされ、受信した検査データは、センタDBサーバ18に格納される。データセンタ11は、検査データがアップロードされたことを依頼元へ通知し、センタDBサーバ18は、依頼元のクライアント端末15からの配信要求に応じて検査データを配信する。
【0030】
また、後述するように、センタDBサーバ18は、病院12から、検査データに対する病院12内のアクセス履歴を受信する。アクセス履歴は、いつ誰によってどの検査データがアクセス(閲覧など)されたかを記録したものである。センタDBサーバ18は、アクセス履歴に基づいて検査データの重要度を判定して、その判定結果を依頼元へ配信する。ここで、重要度とは、検査データの診断時の利用価値の尺度となる指標である。
【0031】
ルータ19は、データセンタ11内のLAN(Local・Area Network)20とWAN12といった異なるネットワーク間でデータの受け渡しを行う転送機器であり、LAN20と接続するLANポートと、WAN12と接続するWANポートを備えている。検査予約管理サーバ17及びセンタDBサーバ18は、ルータ19のLANポートと接続されている。
【0032】
病院12のコンピュータシステムは、各クライアント端末14と、病院DBサーバ21とからなり、ルータ19と同様のルータ22を介してWAN16と接続されている。各クライアント端末14は、データセンタ11に接続して予約申し込み情報を受信する外部接続用端末、外科や内科といった各診療部門に配置された診療科端末、放射線科や内視鏡科といった各検査部門に配置された検査依頼管理端末及び医用レポート作成端末といった各種の端末として利用される。それぞれの端末には、用途に応じてカルテ編集プログラム、検査依頼管理プログラム、医用レポート編集プログラムといったアプリケーションプログラムがインストールされている。
【0033】
各クライアント端末14は、病院12内のLAN23を介して通信可能に接続されており、各端末14相互間でメール連絡といった通信が行われる。また、クライアント端末14は、LAN23を介して病院DBサーバ21と通信を行って、病院DBサーバ21内のデータにアクセスできるようになっている。
【0034】
クライアント端末14は、不正利用を防止するために、利用時にはユーザのスタッフID(病院12内のスタッフに割り当てられたID)やパスワードの入力を要求して、ユーザ認証(ログイン)を行う。ログイン後は、クライアント端末14を利用するユーザの操作履歴の記録が開始され、クライアント端末14からLAN23を通じてアクセスしたアクセス先へもスタッフIDが送信される。病院DBサーバ21は、クライアント端末14からアクセスを受けた場合には、その端末ID、端末を利用するユーザのスタッフID、及びそのアクセス種別(データの新規作成、更新、閲覧など)をアクセス履歴として記録する。
【0035】
また、LAN23には、複数のモダリティ24が接続されており、各モダリティ24で撮影された検査画像は、LAN23を通じて病院DBサーバ21に送信されて格納される。モダリティ24もクライアント端末14と同様に、利用時にはログインが行われ、病院DBサーバ21にアクセスした場合には、そのアクセス履歴が記録される。
【0036】
図2に示すように、病院DBサーバ21は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータなどのコンピュータをベースに、DBを管理するソフトウエアであるDBMS(Data Base Management System)33をインストールすることによって構成される。病院DBサーバ21は、CPU26,メモリ27,HDD(Hard Disk Drive)28,LANポート29,各種のDBが構築されるストレージユニット30,及びコンソール31を備えており、これらはデータバス32を介して接続されている。コンソール31は、ディスプレイと、キーボードやマウスなどの入力デバイスとからなり、病院DBサーバ21の管理や設定を行うために用いられる。
【0037】
HDD28には、オペレーティングシステムなどの制御プログラムやDBMS33が格納されている。メモリ27は、CPU26が処理を実行するためのワークメモリである。CPU26は、HDD28に格納された制御プログラムをメモリ27へロードして、プログラムに従った処理を実行することにより、病院DBサーバ21の各部を統括的に制御する。LANポート29は、LAN23との間で伝送制御を行うネットワークインタフェースである。
【0038】
CPU26は、DBMS33を実行することにより、要求処理部26a及び履歴記録部26bとして機能する。要求処理部26aは、各クライアント端末14やモダリティ23から発行される各種の処理要求を受け付ける。具体的には、データの新規作成、更新といったDBへのデータ書き込み要求、指定された検索条件(患者IDや検査IDなど)に合致するデータをDBから検索する検索要求、検索して抽出されたデータの読み出し要求などである。要求処理部26aは、受け付けた要求内容に応じた処理を実行し、処理結果を、LANポート29を通じて要求元へ通知する。
【0039】
履歴記録部26bは、各クライアント端末14及びモダリティ24からDBへのアクセスがあったときに、アクセス履歴を記録する。
【0040】
ストレージユニット30には、患者の診療録を電子化したカルテデータが格納されるカルテDB38,各種の検査データが格納される検査データDB39,アクセス履歴が格納されるアクセス履歴DB40の複数のDBが構築されている。各DB38,39,40内のデータは、患者IDと対応付けて格納されている。ストレージユニット30は、例えば、複数のHDDを連装したディスクアレイで構成される。ストレージユニット30は、サーバ本体に直接接続されていてもよいし、ネットワークを経由して接続されていてもよい。
【0041】
本例では、複数種類のDBを1つのサーバに構築した例で説明しているが、カルテDB38を格納するカルテサーバ、検査データDB39を格納する検査データサーバというようにデータの種類毎にサーバを分散してもよいし、さらに、画像,レポート,それ以外のデータ(生理検査や検体検査の数値データや心電図)というように、検査データの種類毎にサーバを分けてもよい。
【0042】
図3に示すカルテ表示画面41は、カルテDB38に格納されたカルテデータの表示画面の例である。カルテデータは、例えば、診療科端末など、カルテ編集表示プログラムがインストールされたクライアント端末14で表示される。心電図43,CT画像44,CTレポート45,ES(内視鏡)画像46,ESレポート47,病理レポート48は、検査データDB39に格納される検査データの一例である。
【0043】
カルテデータには、患者を担当する担当医の名前,病院12内で割り当てられた担当医のスタッフID,患者基本情報,診療記録が含まれる。患者基本情報には、例えば、患者ID,患者名,生年月日,性別,依頼元の診療所名などが記録される備考欄が含まれる。診療記録には、主訴、所見、担当医による確定診断といった診察記録と、実施した各種の検査記録が含まれており、項目毎に記録日時が入力される。本例では、病院12において、検査入院した患者に対して、生理検査、CT検査、ES検査及び病理検査の複数種類の検査がこの順に実施される。ここで、確定診断とは、担当医がそれまでに行われた検査結果(検査画像や読影によって作成されたレポートを含む複数の検査データ)に基づいて、総合的に下される診断をいう。
【0044】
カルテデータは、診療科端末を通じて診療部門に属する担当医によって編集される。診療科端末は、カルテデータの編集に加えて、検査部門へのオーダリングが行えるようになっており、カルテデータには、検査部門への依頼情報(図示せず)も記録される。また、診療科端末には、オーダした検査に関する検査実施通知,医用レポート完了通知等の連絡通知や、それらに対応する各検査データの検査データDB39内の格納先アドレスが検査部門から送信され、診療科端末が受信した通知や格納先アドレスはカルテデータに記録される。
【0045】
各検査データの格納先アドレスは、診療科端末のカルテ表示画面から、マウスのクリックによって検査データを読み出して診療科端末に表示できるように、ハイパーリンクが設定される。具体的には、カルテに記載される検査の実施記録(検査実施通知やレポート完了通知)の表示位置と対応するように、実施記録を示すテキストデータと格納先アドレスとの間にリンク情報が設定される。
【0046】
心電図43,CT画像44,ES画像46は、モダリティ24によって生成され、CTレポート45,ESレポート47,病理レポート48は、それぞれクライアント端末14によって作成編集される。これらの各検査データには、それぞれファイル名(「ECG0405010」,「CT0406012」,「R−CT0406012」など)や患者ID(「01234」)や作成者のスタッフID(「D−IR9」,「D−ES3」など)が付与されて、検査データDB39に格納されている。
【0047】
ファイル名には、例えば、検査種別(ECG,CT,ESなど)やデータ種別(画像やレポート)を識別するための識別子が与えられる。CT画像44やES画像46は、それぞれ複数枚あり、それぞれにファイル名、患者ID、スタッフIDが付与される。検査データの作成者は、検査画像の場合には、CT装置の検査技師や内視鏡検査を行う内視鏡医などであり、レポートの場合は、読影医、内視鏡医、病理医などである。
【0048】
図4に示すように、履歴記録部26bは、クライアント端末14やモダリティ24から検査データDB39へのアクセスがあると、1回のアクセス毎に、1件のアクセスレコード49を生成して、アクセス履歴DB40に記録する。アクセスレコード49には、例えば、アクセス対象の検査データのファイル名,アクセス日時,アクセス種別(新規作成、閲覧など),検査データにアクセスしたスタッフID,担当医識別,端末ID,当該検査データに対応する患者IDなどの項目が記録されるフィールドが含まれる。担当医識別は、検査データにアクセスしたスタッフが、検査データに対応する患者の担当医か否かを識別する情報である。
【0049】
履歴記録部26bは、まず、要求処理部26aが受け付けたクライアント端末14からの要求内容を表す要求データを受け取り、要求データから、アクセス対象情報(ファイル名,アクセス種別,検査データの患者ID)と、アクセス元情報(スタッフID,端末ID)を読み取る。
【0050】
次に、要求処理部26aから取得した患者IDを検索キーとして、カルテDB38から対応するカルテデータを読み出して、当該患者IDの担当医のスタッフIDを読み出す。そして、履歴記録部26bは、担当医のスタッフIDとアクセス元情報のスタッフIDとを照合して、両者が一致した場合には、アクセス元が担当医であると判定し、アクセスレコード49の担当医識別にその判定結果を記録する。さらに、履歴記録部26bは、病院DBサーバ21のシステムタイマ(図示せず)からアクセス日時を取得して、それらのデータ項目を1件にまとめてアクセスレコード49を生成する。
【0051】
図5に示すアクセス履歴リスト50は、1人の患者(患者ID「01234」)について、複数存在する検査データのそれぞれのアクセスレコード49をアクセス履歴DB40から抽出して生成したリスト例である。CT画像44やES画像46は、複数枚存在するので、画像単位(「001」,「002」・・・)でアクセスレコード49が生成される。
【0052】
アクセス種別は、例えば、「新規作成」,「更新」,「閲覧」,「引用」,「完了」に分類される。「新規作成」は、検査データDB39へ新規に検査データを格納したときに記録され、「更新」は、既に作成済みの検査データに更新が加えられたときに記録され、「閲覧」は、検査データが検査データDB39から読み出されて閲覧されたときに記録される。
【0053】
「引用」は、例えば、レポートへの検査画像の貼付や、レポートから検査画像へのハイパーリンクが設定されるというように、レポートへの検査画像の引用が行われた場合に、貼付元やリンク先となる検査画像のアクセス履歴として記録される。引用の履歴は、例えば、次のような方法で取得される。病院DBサーバ21が、クライアント端末14に対して検査データを配信する際に、要求処理部26aは、クライアント端末14の引用操作を監視するためのスクリプトやプログラムモジュール(アプレット)を検査データに付帯させて配信する。これにより、クライアント端末14のブラウザは、貼付やハイパーリンクといった引用操作がなされた場合に、病院DBサーバ21に対してその旨を通知し、その通知を履歴記録部26bが受け取ることにより、引用の履歴が取得される。
【0054】
「完了」は、新規作成されたレポートの編集が終了して内容が確定されたときに付される記録であり、レポートに固有のアクセス種別である。レポートは、例えば、改ざんを防止するために、レポートの作成が完了するまでは、作成者のみに対してアクセスが許可されており、作成者以外のユーザは、更新はおろか閲覧することもできない。レポートの作成が完了すると、検査データDB39内のレポートが公開されて、作成者以外のスタッフにも閲覧が許可されるが、更新は禁止される。
【0055】
さらに、レポートの作成完了後は、所見欄等のレポートの主要な記録部分については、作成者に対しても更新が禁止される。履歴記録部26bは、要求処理部26aが受信したクライアント端末14からの完了通知を受け取り、その履歴を取得する。完了通知は、例えば、レポート編集プログラムによって実現される完了通知機能によって、レポート編集プログラムがインストールされたクライアント端末14から病院DBサーバ21に送信される。
【0056】
スタッフIDには、看護師には「N」、医師には「D」、検査技師には「IT」というようにそれぞれの職種(資格)を識別する識別子が与えられている。また、医師のスタッフIDには、読影医には「IR」、内科医には「P」、内視鏡医には「ES」、病理医には「PT」というように所属や専門に応じた識別子が与えられている。アクセスレコード49に含まれる担当医識別の情報は、例えば、「at」という識別子が与えられる。本例では、スタッフIDが「D−P21」の内科医が担当医であるので、「D−P21」に「at」の識別子が付加されている。
【0057】
図6に示すように、センタDBサーバ18は、病院DBサーバ21と同様に、ワークステーションやパーソナルコンピュータなどのコンピュータをベースに、DBを管理するソフトウエアであるDBMSをインストールすることによって構成される。センタDBサーバ18は、CPU51,メモリ52,HDD(Hard Disk Drive)53,LANポート54,各種のDBが構築されるストレージユニット56,及びコンソール57を備えており、これらはデータバス55を介して接続されている。コンソール57は、ディスプレイと、キーボードやマウスなどの入力デバイスとからなり、センタDBサーバ18の管理や設定を行うために用いられる。センタDBサーバ18は、病院DBサーバ21と基本的な構成は、同様であるので、便宜上、共通部分の説明は省略し、主に相違点について説明する。
【0058】
HDD53には、DBMS53aに加えて、重要度判定プログラム53bが格納される。CPU51は、DBMS53aを実行することにより、要求処理部51aとして機能し、重要度判定プログラム53bを実行することにより、重要度判定部51bとして機能する。また、CPU51は、ディスプレイへの表示要求や配信要求といった出力要求に応答して、重要度判定部51bの判定結果を出力する出力部として機能する。
【0059】
要求処理部51aは、病院12のクライアント端末14や病院DBサーバ21からのアップロード要求をWAN16経由で受信して、アップロードされたデータをストレージユニット56内の各DBに格納する。病院12からデータセンタ11に対しては、依頼元宛ての検査データに加えて、それに対応するアクセス履歴データ及びカルテデータがアップロードされる。
【0060】
これらの各データには、病院12が付与した患者ID(例えば、「01234」)が与えられているが、要求処理部51aは、この患者IDに各病院12の識別子である施設ID(「H1」,「H2」・・・)を付加して患者IDを変換した後、それぞれのデータをストレージユニット56内の各DBに格納する。これにより、各病院12で同じ患者IDが与えられた場合でも、センタDBサーバ18内における患者IDの一意性が確保される。また、要求処理部51aは、診療所13のクライアント端末15からの配信要求をWAN16経由で受信して、検査データとそれに対する重要度データの配信処理を行う。
【0061】
ストレージユニット56には、カルテデータが格納されるカルテDB58,検査データが格納される検査データDB59,アクセス履歴データが格納されるアクセス履歴DB61が構築されている。これらの各DB58,59,61には、病院DBサーバ21と同様に、各データが患者IDと対応付けて格納される。なお、病院DBサーバ21と同様に、これらの各DBを複数のサーバに分散して構築してもよい。
【0062】
ストレージユニット56内には、各DB58,59,61に加えて、重要度DB62が構築されている。重要度DB62には、重要度判定部51bが判定した判定結果である重要度データが格納される。重要度DB62には、重要度判定部51bが重要度判定処理を行う際に参照する第1及び第2重み付けテーブル67,68(図8及び図9参照)が格納される。第1及び第2重み付けテーブル67,68は、病院12毎に1セット用意されており、各セットが施設ID(「H1,H2・・」)に対応付けて格納されている。
【0063】
図7に示すように、重要度判定部51bは、カルテDB58からカルテデータを読み出し、アクセス履歴DB61から、カルテデータに対応する患者のアクセス履歴データを読み出し、読み出したカルテデータとアクセス履歴データに基づいて、検査データ毎に重要度判定処理を行う。判定結果は、検査データ毎に1件の重要度レコード66が生成されて、各重要度レコード66が、患者IDと対応づけられて、重要度データの1レコードとして重要度DB62に記録される。
【0064】
検査データは、病院12におけるアクセス回数が多ければそれだけ利用された機会が多いので重要度が高いと考えられ、中でも、確定診断やレポート作成に関与する医師によって閲覧された検査データは特に重要度が高いと考えられる。そこで、重要度判定部51bは、アクセス履歴データやカルテデータに基づいて、単純にアクセス回数だけでなく、誰によって(閲覧者)、どのような目的(閲覧目的)で利用されたかといった要素に重み付けを与えて、検査データの重要度を判定する。
【0065】
重要度DB62には、閲覧者に応じた重み付けを行うための第1重み付けテーブル67と、閲覧目的に応じた重み付けを行うための第2重み付けテーブル68とが予め格納されている。図8に示すように、第1重み付けテーブル67には、スタッフIDと第1重み付け係数Wspの値とが対応付けて記憶されている。第1重み付け係数Wspは、例えば、医師は「5」、検査技師や看護師は「1」に設定される。第1重み付けテーブル67の備考欄には、教授や助教授といった職位や、癌の権威といった特記事項が記録される。第1重み付けテーブル67は、例えば、各病院12から提出される職員録(各スタッフの資格、職位、所属、専門領域、特記事項などを含むプロファイルデータ)に基づいて作成される。
【0066】
図9に示すように、第2重み付けテーブル68には、閲覧目的と第2重み付け係数Wbaの値とが対応付けて記憶されている。閲覧目的は、例えば、「確定診断」と「レポート作成」であり、第2重み付け係数Wbaは、「確定診断」に対しては「20」が、「レポート作成」に対しては「5」が、その他に対しては「1」がそれぞれ設定されている。第1重み付けテーブル67及び第2重み付けテーブル68内の各値は、例えば、センタDBサーバ18のコンソール57を通じてオペレータによって適宜変更が可能である。例えば、本例では、医師に対する重み付けを一律にしているが、担当医の重み付けを他の医師よりも高くしてもよい。
【0067】
重要度レコード66には、検査データのファイル名,総合評価,合計スコアTS,確定診断時の利用の有無,閲覧回数Nb,引用回数Nr,保管期間などの項目が記録されるフィールドが含まれる。合計スコアTSは、重要度判定処理の判定結果であり、総合評価は、合計スコアTSに基づいて判定される。重要度DB62には、総合評価判定用テーブル69が格納されている。総合評価判定用テーブル69には、図10に示すように、合計スコアTSの値と総合評価のレベル(L1〜3)との対応が記憶されており、合計スコアTSの値に応じて各検査データの総合評価が判定される。例えば、L1は、重要度が最も低く、L3は、重要度が最も高い。もちろん、レベルは3段階以外でもよい。
【0068】
確定診断時の利用の有無,閲覧回数Nb,引用回数Nrのそれぞれの項目は、合計スコアTSの算出に際して使用されるパラメータであり、それぞれが合計スコアTSの内訳項目である。
【0069】
確定診断時の利用の有無は、検査データが確定診断に利用されたか否かを表す情報であり、後述するように、アクセス履歴に含まれるアクセス日時とカルテデータに記録された確定診断日時を照合して判定される。閲覧回数Nbは、検査データがユーザに閲覧された回数であり、図5のCTレポートの例では、閲覧回数Nbが3回である。
【0070】
引用回数Nrは、例えば、レポートや画像が、他のレポート内に参照用のハイパーリンクが設定されたり、貼付されるというように、ある検査データが他の検査データに引用された回数である。引用された回数が多いほど、検査データの重要度は高いと考えられるので、合計スコアTSを算出する際には、引用回数Nrが加味される。図5のCT画像(002)やES画像(002)は、それぞれ1回ずつ引用されている。
【0071】
また、保管期間は、データセンタ11にアップロードされた検査データをデータセンタ11が保管しておく期間であり、重要度の判定結果に基づいて決定される。重要度DB62には、保管期間決定用テーブル70が格納されており、図11に示すように、保管期間決定用テーブル70には、重要度の総合評価の各レベルと各レベルの保管期間との対応が記憶されている。重要度判定部51bは、保管期間決定用テーブル70を参照して、重要度に応じた保管期間を決定する。保管期間は、重要度の判定結果とともに、依頼元に配信される。
【0072】
総合評価判定用テーブル69及び保管期間決定用テーブル70の値は、上記各テーブル67,68と同様に、センタDBサーバ18のコンソール57を通じてオペレータによって適宜変更が可能である。なお、本例では、総合評価判定用テーブル69,保管期間決定用テーブル70については、上記各テーブル67,68と異なり、複数の病院12に共通のテーブルを使用しているが、病院12毎に異なる値を設定したテーブルを用いてもよい。
【0073】
図12に示すフローチャートに従って、重要度判定部51bが実行する重要度判定処理を説明する。重要度判定部51bは、患者1人分の複数の検査データに関するアクセス履歴データと、カルテデータとを、それぞれアクセス履歴DB61,カルテDB58から読み出す(ステップ(S)101)。S102において、アクセス履歴データから1つの検査データ(例えば、CTレポートや1枚のCT画像など)に関するアクセスレコード49を読み出し、その中から、アクセス種別が「閲覧」のアクセスレコード(閲覧レコード)を抽出する。抽出された閲覧レコードの件数は、重要度レコード66の閲覧回数Nbのフィールドに記録される。
【0074】
S103において、重要度判定部51bは、1件の閲覧レコードからスタッフIDとアクセス日時(閲覧日時)を読み出す。ステップS104において、スタッフIDに基づいて閲覧者が特定され、第1重み付けテーブル67から、そのスタッフIDに対応する第1重み付け係数Wspが読み出される。
【0075】
次のS105において、重要度判定部51bは、閲覧日時に基づいて当該閲覧レコードに関する閲覧目的を判定する。閲覧者が読影医の場合には、すべての閲覧について、その閲覧目的はレポート作成目的であると推定されるが、読影医が閲覧した検査データの中で、特に読影医がレポート作成に際して重視した検査データに高いスコアが与えられるように、閲覧日時に基づいて閲覧目的が判定される。重要度判定部51bは、アクセス履歴データの記録から、読影医のレポート作成期間を調べて、閲覧時刻がそのレポート作成期間内に含まれる閲覧レコードに対しては、閲覧目的がレポート作成目的であると判定する。レポート作成期間は、例えば、読影医がレポート作成に着手した新規作成日時からレポートを確定した確定日時までの期間である。
【0076】
例えば、図5に示すCT画像(「002」)の読影医(スタッフID:D−IR9)による閲覧日時が「07/04/07/09:00」の閲覧レコードの場合には、CTレポートの作成期間(新規作成「07/04/06/15:00」〜完了「07/04/07/11:00」)に入っているので、閲覧目的がレポート作成目的と判定される。一方、CT画像(「001」)の閲覧日時が「07/04/06/11:30」の閲覧レコードの場合には、CTレポートの作成期間に入っていないので、レポート作成目的と判定されない。このように、読影医による閲覧であっても、閲覧日時に応じて重み付けを変化させることで、読影医が特に重視した検査データに対して高いスコアが与えられる。閲覧目的がレポート作成目的と判定された場合には、重要度判定部51bは、第2重み付けテーブル68から、レポート作成目的に対応する第2重み付け係数Wba(「5」)を読み出す。
【0077】
また、閲覧レコードのスタッフIDが担当医(「D−P21−at」)である場合には、閲覧目的が確定診断目的であると推定されるが、担当医が閲覧した検査データの中で、担当医が特に重視した検査データに高いスコアが与えられるように、重要度判定部51bは、カルテデータの記録から担当医による確定診断期間を調べて、確定診断期間に含まれる閲覧レコードについて、閲覧目的が確定診断目的であると判定する。確定診断期間は、例えば、すべての検査及びレポートが完了した日時から、確定診断日時までの期間である。
【0078】
例えば、図3の例では、すべての検査及びレポートが完了した日時は、病理レポートの作成が完了した日時である「07/04/09/14:00」であり、確定診断日時が「07/04/10/10:00」であるので、その間の期間が確定診断期間となる。そして、CT画像(「002」),ES画像(「002」),CTレポート,ESレポート,病理レポートは、閲覧時刻が上記確定診断期間に含まれている閲覧レコードが含まれているので、重要度判定部51bは、それらの閲覧レコードについて、閲覧目的が確定診断目的であると判定する。一方、心電図,CT画像(「001」),ES画像(「001」)は、担当医によって閲覧されているが、それらの閲覧レコードの閲覧日時は、確定診断期間に入っていないので、閲覧目的と判定されない。重要度判定部51bは、このようにして判定された閲覧目的に基づいて、第2重み付けテーブル68から、閲覧目的に対応する第2重み付け係数Wbaを読み出す。
【0079】
S106では、重要度判定部51bは、1件の閲覧レコードのスコアSbを式(1)に基づいて算出する。
Sb=1×Wsp×Wba ・・・・・・・・・・・・式(1)
1回の閲覧の基本スコアは、「1」ポイントであり、閲覧者に応じた第1重み付け係数Wspや閲覧目的に応じた第2重み付け係数Wbaが大きければ、その分スコアSbが高くなる。例えば、読影医がレポート作成目的で閲覧した場合には、第1重み付け係数Wspに「5」ポイント、第2重み付け係数Wbaに「5」ポイントがそれぞれ与えられるので、スコアSbは、「25」ポイントとなる。また、担当医が確定診断目的で閲覧した場合には、第1重み付け係数Wspに「5」ポイント、第2重み付け係数Wbaに「20」ポイントが与えられて、スコアSbは、「100」ポイントとなる。
【0080】
重要度判定部51bは、1つの検査データに関するすべての閲覧レコードについて、スコアSbを算出し(S107)、S108では、次式(2)に基づいて、1つの検査データに関するすべての閲覧レコードのスコアSb1,Sb2・・・Sbnを合計し、合計値TSbを求める。
TSb=Sb1+Sb2+・・+Sbn ・・・・・・式(2)
【0081】
重要度判定部51bは、S109において、アクセス履歴データから、当該検査データが他の検査データに引用された引用回数Nrをカウントする。重要度判定部51bは、アクセス履歴データから、当該検査データに関して、アクセス種別が「引用」であるアクセスレコード49を抽出して、引用回数Nrをカウントする。CT画像(「002」),ES画像(「002」)は、それぞれ1回ずつ引用されているので、それぞれの検査データの引用回数Nrは、1回となる。引用回数Nrは、重要度レコード66の対応するフィールドに記録される。
【0082】
S110において、重要度判定部51bは、次式(3)に示すように、合計値TSbに、引用回数Nrを加算して、最終的なスコアTSを算出する。
TS=TSb+Nr ・・・・・・・・・・・・・・・式(3)
こうして、1つの検査データについて、アクセス履歴に基づくスコアTSが求められる。このスコアTSは、重要度レコード66の対応するフィールドに記録される。
【0083】
S111において、重要度判定部51bは、総合評価判定用テーブル69を参照して、スコアTSに応じた総合評価を判定する。さらに、S112では、重要度判定部51bは、保管期間決定用テーブル70を参照して、総合評価に応じた保管期間を判定する。重要度の総合評価及び保管期間は、それぞれ重要度レコード66の対応するフィールドに記録される。このようにして生成された重要度レコード66は、検査データに関連付けて記録される(S113)。重要度判定部51bは、上記重要度判定処理を患者1人分のすべての検査データについて実行して(S114)、各検査データのそれぞれについて重要度レコードを生成記録する。
【0084】
図13に示す検査データリスト71は、依頼元のクライアント端末15で表示される検査データリストの例である。重要度データは、検査データのリストデータに含めて、依頼元へ配信される。要求処理部51aは、クライアント端末15から検査データの配信要求があったときに、検査データDB59及び重要度DB62から該当するリストデータと重要度データを抽出して、要求元のクライアント端末15に配信する。クライアント端末15は、配信されたリストデータ及び重要度データに基づいて、例えば、ブラウザが検査データリスト71の表示画面を生成してディスプレイに表示する。
【0085】
検査データリスト71には、検査施設名(依頼先の医療施設名),各検査の検査日,各検査の検査結果である検査データのファイル名を表示するフィールドに加えて、検査データ毎に重要度データを表示するフィールドが含まれる。重要度データを表示するフィールドは、総合評価,確定診断時の利用の有無,閲覧回数Nb,引用回数Nr,保管期間の各項目に対応する複数のフィールドからなる。L1〜L3で表される総合評価には、重要度の高低を確認しやすいように、各レベルに星の数が付されている。
【0086】
総合評価以外の項目は、総合評価の内訳に関する項目であるので、例えば、初期状態では、総合評価のみが表示され、詳細ボタンがクリックされると、総合評価以外の項目が表示されるというように、総合評価以外の項目については表示と非表示を切り替えられるようにしてもよい。もちろん、総合評価を含めた重要度に関するすべての項目について表示と非表示を切り替えられるようにしてもよい。
【0087】
保管期間を依頼元に通知することで、依頼元に対する検査データの削除予告通知となる。一方、データセンタ11においては、保管期間を過ぎた検査データの削除をスムーズに行うことができる。データセンタ11では、複数の医療施設に関わる大量の検査データを保管するため、長期間放置された検査データの削除をスムーズに行うことができれば、データ保管設備の効率的な運用がしやすい。
【0088】
要求処理部51aは、検査データリスト71を配信後、クライアント端末15において検査データリスト71から指定された検査データの配信要求を受信した場合には、指定された検査データを検査データDB59から抽出して、クライアント端末15に配信する。また、要求処理部51aは、検査データに加えて、クライアント端末15からのカルテデータの配信要求に応じてカルテデータを配信する。
【0089】
以下、図14及び図15のフローチャートを参照しながら上記構成による作用について説明する。診療所13は、クライアント端末15によって検査予約管理サーバ17にアクセスして、データセンタ11経由で病院12に対して検査依頼を行う。依頼先の病院12は、クライアント端末14から検査予約管理サーバ17にアクセスして、依頼元からの検査予約データを受信する。こうして、データセンタ11によって依頼元から依頼先への検査予約データが中継される。
【0090】
病院12において医療検査が実施されると、病院12の病院DBサーバ21には、実施した医療検査の複数の検査データが蓄積される。病院DBサーバ21は、病院12内のクライアント端末14からの検査データに対する1回のアクセス毎に、図4に示すアクセスレコード49を生成し、これをアクセス履歴データとして、患者IDに対応付けて、アクセス履歴DB40に格納する。担当医によって作成されるカルテデータには、検査実施日時、レポート完了通知、確定診断日時を含む診療内容が記録される。
【0091】
病院12において医療検査が終了すると、クライアント端末14を通じて、データセンタ11へ、検査結果(カルテデータ及び検査データ)とそれに対応するアクセス履歴データがアップロードされる。センタDBサーバ18は、アップロードされたデータを受信すると、受信したデータを各DBに格納する。センタDBサーバ18は、図12に示す手順で、受信した検査データの重要度判定処理を行う。重要度判定部51bは、判定した重要度データを重要度DB62に格納する。
【0092】
センタDBサーバ18は、重要度判定処理が終了した後、クライアント端末15から検査データの配信要求を受信すると、配信要求に応答して、検査データリスト71を配信する。配信された検査データリスト71は、クライアント端末15のディスプレイに表示される。検査データリスト71には検査データ毎に重要度が表示されるので、依頼先の病院12においてどの検査データが重視されたかを確認することができる。これにより、依頼元において、大量の検査データの中から重要な検査データの選別作業を簡単に行うことができる。
【0093】
上記実施形態では、データセンタのコンピュータシステムと病院のコンピュータシステムから構成した医用ネットワークシステムを例に、病院で記録したアクセス履歴に基づいて、データセンタで重要度判定を行い、判定した重要度を依頼元の診療所で利用する例で説明しているが、本発明の検査データ管理装置は、病院のコンピュータシステムによってアクセス履歴の取得と重要度判定とを行って、判定した重要度を病院内で利用する場合にも適用することができる。その場合には、例えば、病院DBサーバに重要度判定プログラムをインストールして、病院DBサーバのCPUを重要度判定部として機能させるとともに、重要度DBも病院DBサーバに設けることで、検査データ管理装置を構成する。
【0094】
病院のコンピュータシステムに検査データ管理装置を組み込んで、病院内のクライアント端末に重要度を配信して表示させるようにすれば、病院の医師が複数の検査データの重要度を確認できるようになる。これにより、例えば、担当医がそれまでの検査結果をまとめたレポートを参考に確定診断を行う場合など、レポート作成者が注目した検査データを簡単に確認することができ、レポート作成者の思考過程の把握が容易になるので、担当医の診断効率の向上も期待できる。
【0095】
もちろん、病院の検査データ管理装置に、重要度判定部に加えて保管期間決定部を設けてもよい。この場合には、病院DBサーバのコンソールや端末など、病院のコンピュータシステムを構成する表示装置に重要度や保管期間を表示させて、重要度や保管期間をシステム運用担当者が利用できるようにしてもよい。こうすれば、コンピュータシステムの運用担当者は、重要度や保管期間を確認して、コンピュータシステム内に保管される大量の検査データの中から、保管しておくべき検査データと削除可能な検査データの選別を簡単に行うことができ、データ保管設備を有効利用することができる。
【0096】
さらに、病院又はデータセンタのコンピュータシステムに、DBなどに格納された検査データの保管期間が経過したか否かを調べて、保管期間が経過した検査データについて自動的に削除するデータ削除部を設けてもよい。こうすれば、コンピュータシステムの運用をより簡便に効率的に行うことができる。
【0097】
上記実施形態の検査データの重要度判定方法は1例であり、別の方法を用いてもよい。例えば、上記実施形態では、検査データの重要度を、閲覧回数と、閲覧者(スタッフ)のプロファイルと、閲覧目的とに基づいて算出した例で説明したが、閲覧者のプロファイルと閲覧目的を両方使用しなくてもよく、いずれか一方のみを使用して算出してもよい。また、閲覧目的として、確定診断に利用される目的及びレポート作成に利用される目的の両方を判定しているが、いずれかの目的についてのみ判定を行ってもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、検査データ毎にそのアクセス履歴の内容に応じてスコアを算出して、算出したスコアに基づいて重要度を判定しているが、スコアを算出しなくてもよい。例えば、担当医によって確定診断時に閲覧された、または、読影医によってレポート作成時に閲覧されたというように、特定のタイミングで特定の担当者が閲覧した場合には、アクセスレコードにその旨のフラグを記録しておく。重要度判定部は、前記フラグの有無を調べて、フラグが有る場合には、重要度を高、無い場合には低と判定する。
【0099】
また、閲覧目的の判定方法として、アクセス履歴データやカルテデータからレポート作成期間や確定診断期間を調べて、閲覧目的を判定しているが、閲覧者のプロファイルと閲覧回数に基づいて、閲覧目的を判定してもよい。例えば、閲覧者が担当医や読影医である場合に、1つの検査データに関して閲覧回数が予め規定した回数以上の場合には、その閲覧目的を確定診断目的あるいはレポート作成目的と判定する。
【0100】
また、レポート作成期間をアクセス履歴データから判定し、確定診断期間をカルテデータから判定する例で説明しているが、レポート作成期間をカルテデータから判定してもよいし、確定診断期間をアクセス履歴データから判定してもよい。確定診断期間をアクセス履歴データから判定する場合には、データセンタへアクセス履歴をアップロードする前に、病院のコンピュータシステムがカルテデータから確定診断期間に関するデータをアクセス履歴データに記録しておく。
【0101】
また、上記実施形態に示したように、閲覧者のプロファイルとして、癌の権威といった特定の傷病に関連する特記事項が含まれている場合には、そうした特記事項を重要度判定のパラメータとして使用してもよい。例えば、カルテデータから患者の傷病情報を読み出し、その傷病情報と閲覧者の特記事項とを照合して、両者の傷病が符合する場合には、その閲覧者のアクセス履歴のスコアを加算する。また、癌の場合はその傷病を担当する診療科(例えば、内科)の重みを高くするというように、診療科と傷病の関係を重要度判定のパラメータとしてもよい。また、医師の職位(教授、准教授、講師)に応じて、重みを変化させてもよい。また、医師の職位には、左記の各職位に加えて、さらに、インターンを加えてもよい。
【0102】
また、閲覧者のプロファイルや閲覧目的に関わらず、重要度を単純に閲覧回数で判定してもよい。この場合には、例えば、検査データ間でそれぞれの閲覧回数を比較して、相対的に閲覧回数が多い検査データについて、重要度が高いと判定する。また、アクセス履歴のうち、アクセス種別が閲覧である閲覧履歴にスコアを与えて重要度判定を行う例で説明したが、閲覧以外の更新や新規作成に対してもスコアを与えてもよい。
【0103】
また、検査データの他の検査データへの引用回数について、上記例では、1人の患者の検査データ間での引用回数を重要度判定のパラメータとしているが、これに加えて、ある患者の検査データが別の患者の検査データに利用される二次利用の回数を、重要度判定のパラメータとして利用してもよい。例えば、ある患者の検査データが重要な症例として利用価値が高い場合には、二次利用の回数が増加する。もちろん、二次利用の回数は、依頼元がある患者の検査データの中から重要な検査データの選別を行う場合の重要度判定のパラメータとしては利用しにくいが、病院やデータセンタのコンピュータシステムが保有する複数の患者に関する大量の検査データの中から、保管しておくべき検査データと削除可能な検査データとを選別する場合には、重要度判定のパラメータとして有効である。
【0104】
また、上記実施形態では、重要度判定の基礎となる合計スコアを求める際に、単純に引用回数Nrをそのまま閲覧履歴のスコアに加算して求めているが、引用回数Nrの大きさに応じてスコアが高くなるように引用回数Nrに係数を乗じて、そのスコアを閲覧履歴のスコアに加算するようにしてもよい。例えば、引用回数Nrが3回以上の場合は2倍、5回を超えたら10倍するというように、引用回数Nrが増加するにつれて大きくなるような係数が与えられる。また、引用履歴についても、閲覧履歴と同様に、1回のアクセスレコード毎にスコアを求めてもよい。
【0105】
このように、アクセス履歴のスコア算出方法には各種の方法が考えられ、スコア算出方法は、いつ、誰の、どのような種別のアクセスをどの程度重視するか等を考慮して、適宜選択が可能である。
【0106】
上記実施形態では、検査データを格納するDBサーバが検査データへのユーザのアクセス履歴を取得して記録する例で説明したが、DBサーバと、アクセス履歴の取得及び記録を行う履歴記録サーバを別々に構成してもよい。この場合には、端末からDBサーバへ送信されたアクセス要求をDBサーバが履歴記録サーバへ転送してもよいし、端末からDBサーバへ送信されるアクセス要求が履歴記録サーバを経由してDBサーバに送信されるようにしてもよい。
【0107】
上記実施形態では、データセンタが、依頼先から依頼元宛ての検査データの他に、検査データの重要度を判定するためのアクセス履歴データを依頼先からデータセンタにアップロードした後、データセンタのコンピュータシステムにいったん格納して重要度判定処理を行っているが、例えば、データセンタのコンピュータシステムから病院のコンピュータシステムへ、リアルタイムでWAN経由のオンラインアクセスが可能であれば、データセンタのコンピュータシステムが、重要度判定処理を行う際に、病院のコンピュータシステムにオンラインアクセスして、重要度判定処理に必要なアクセス履歴データを必要に応じてリアルタイムで読み出すようにしてもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、本発明の医用ネットワークシステムを、検査の依頼先となる複数の医療施設のコンピュータシステムと、依頼先から依頼元へ検査結果を中継するデータセンタのコンピュータシステムとからなる形態で説明したが、他の形態にも適用可能である。例えば、1つの病院に複数の拠点があり、それぞれの拠点が、依頼元、依頼先、データセンタとしての役割を担い、各拠点の複数のコンピュータシステムをネットワークで接続した医用ネットワークシステムとしてもよい。また、複数の病院のそれぞれのコンピュータシステムをネットワークで接続した医用ネットワークシステムでもよい。この場合、いずれかの病院がデータセンタとなりホスト的な役割を担う。上記いずれの場合でも、各コンピュータシステム間を接続するネットワークはWANでもLANでもよい。
【0109】
上記実施形態では、検査の例として、生理検査、検体検査、CT検査、内視鏡検査の組み合わせの例で説明したが、これらは1例であり、他の検査の組み合わせでもよい。
【0110】
本発明の検査データ管理装置は、1台のサーバからなるコンピュータシステムで構成してもよいし、複数台のサーバに処理を分散させるコンピュータシステムとして構成してもよい。
【0111】
なお、上記実施形態で示したとおり、本発明は、プログラムの形態、さらにはプログラムを記憶する記憶媒体にも及ぶことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】医用ネットワークシステムの概略を示す構成図である。
【図2】病院DBサーバの概略を示す構成図である。
【図3】カルテ画面と検査データの説明図である。
【図4】履歴記録部の処理内容を示す説明図である。
【図5】アクセス履歴リストの例を示す説明図である。
【図6】センタDBサーバの概略構成図である。
【図7】重要度レコードの生成記録手順を示す説明図である。
【図8】第1重み付けテーブルの説明図である。
【図9】第2重み付けテーブルの説明図である。
【図10】総合評価判定用テーブルの説明図である。
【図11】保管期間決定用テーブルの説明図である。
【図12】重要度判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】検査データリストの説明図である。
【図14】医用ネットワークシステムにおける検査予約から検査結果の受信までの流れを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0113】
10 医用ネットワークシステム
11 データセンタ11
12 病院
13 診療所
14 クライアント端末(病院)
15 クライアント端末(診療所)
16 WAN
17 検査予約管理サーバ
18 センタDBサーバ
21 病院DBサーバ
26,51 CPU
26b 履歴記録部
38,58 カルテDB
39,59 検査データDB
40,61 アクセス履歴DB
51b 重要度判定部
62 重要度DB
66 重要度レコード
67 第1重み付けテーブル
68 第2重み付けテーブル
69 重要度評価用テーブル
70 保管期間決定用テーブル
71 検査データリスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療検査に関する複数の検査データのそれぞれについて、端末を通じてアクセスするユーザのアクセス履歴を取得するアクセス履歴取得手段と、
前記アクセス履歴に基づいて、前記検査データ毎に診断時の利用価値の尺度となる重要度を判定する重要度判定手段と、
前記重要度を前記検査データと関連付けて記録する重要度記録手段と、
前記重要度の判定結果を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする検査データ管理装置。
【請求項2】
前記重要度判定手段は、前記アクセス履歴の内容に応じてスコアを算出して、算出したスコアを元に前記重要度を判定することを特徴とする請求項1記載の検査データ管理装置。
【請求項3】
前記アクセス履歴には、前記ユーザのユーザID及び検査データのIDに加えて、前記検査データ毎のアクセス日時及びアクセス回数のうち少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項1又は2記載の検査データ管理装置。
【請求項4】
前記複数の検査データは、1人の患者に対して実施された複数の医療検査に関する検査データであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の検査データ管理装置。
【請求項5】
前記重要度判定手段は、前記ユーザのプロファイルに応じて与えられた重み付けを元に前記重要度を判定することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の検査データ管理装置。
【請求項6】
前記プロファイルは、医師の資格の有無、所属、職位の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項5記載の検査データ管理装置。
【請求項7】
前記検査データへのアクセスの目的が、医用レポート作成に利用する目的及び確定診断に利用する目的の少なくともいずれかの目的であるか否かを判定するアクセス目的判定手段を有しており、
前記重要度判定手段は、前記アクセス目的判定手段の判定結果を元に前記重要度を判定することを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の検査データ管理装置。
【請求項8】
前記重要度判定手段は、前記アクセス目的判定手段の判定結果に応じて与えられた重み付けを元に前記重要度を判定することを特徴とする請求項7記載の検査データ管理装置。
【請求項9】
前記アクセス目的判定手段は、前記ユーザID及び前記アクセス日時に基づいて、前記アクセス目的を判定することを特徴とする請求項7又は8記載の検査データ管理装置。
【請求項10】
前記重要度判定手段は、前記アクセス履歴から前記検査データの閲覧履歴を調べて、前記重要度を判定することを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の検査データ管理装置。
【請求項11】
前記重要度判定手段は、前記検査データが別の検査データに引用されたことを表す引用履歴を前記アクセス履歴から調べて、前記重要度を判定することを特徴とする請求項1〜10いずれか記載の検査データ管理装置。
【請求項12】
前記重要度に基づいて検査データのそれぞれの保管期間を決定する保管期間決定手段を備えたことを特徴とする請求項1〜11いずれか記載の検査データ管理装置。
【請求項13】
医療検査に関する複数の検査データのそれぞれについて、端末を通じてアクセスするユーザのアクセス履歴を取得するアクセス履歴取得ステップと、
前記アクセス履歴に基づいて、前記検査データ毎に重要度を判定する重要度判定ステップと、
前記重要度を前記検査データと関連付けて記録する重要度記録ステップとを備えたことを特徴とする検査データ管理方法。
【請求項14】
医療検査の依頼先の検査施設から依頼元宛てに検査データを送信する前記検査施設の第1コンピュータシステムと、第1コンピュータシステムとネットワークを介して通信可能に接続され、第1コンピュータシステムから受信した前記検査データを依頼元に配信するデータセンタの第2コンピュータシステムとからなる医用ネットワークシステムにおいて、
前記第1コンピュータシステムは、前記医療検査に関する複数の前記検査データを格納する第1データ格納手段と、
前記検査施設内の端末を通じて、前記第1データ格納手段内の複数の前記検査データのそれぞれにアクセスしたユーザのアクセス履歴を記録するアクセス履歴記録手段とを備えており、
前記第2コンピュータシステムは、複数の前記検査データに対応する前記アクセス履歴を、前記ネットワークを通じて前記第1コンピュータシステムから受信するアクセス履歴受信手段と、
受信した前記アクセス履歴に基づいて、複数の前記検査データのそれぞれに対して重要度を判定する重要度判定手段と、
前記重要度を前記各検査データと関連付けて記録する重要度記録手段と、
前記依頼元の端末からの要求に応じて前記各検査データに対応する前記重要度の判定結果を配信する配信手段とを備えたことを特徴とする医用ネットワークシステム。
【請求項15】
前記第2コンピュータシステムは、さらに、前記検査データを格納する第2データ格納手段と、
前記重要度に基づいて、前記第2データ格納手段内の前記検査データのそれぞれの保管期間を決定する保管期間決定手段とを備えたことを特徴とする請求項14記載の医用ネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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