検査情報システム、及びコンピュータプログラム
【課題】表示部に表示された検査項目に関する情報を利用してユーザが検査業務を円滑に遂行することができる検査情報システムを提供する。
【解決手段】検査情報システム1は、患者に対する検査オーダを受け付けるオーダ受付部51と、特定の患者に対する検査オーダに含まれる複数の検査項目を示す画面を表示するための表示部5bと、複数の検査項目を分類表示するための第1表示形式および第2表示形式からいずれかの表示形式の選択を受け付ける選択受付部53と、選択受付部53が第1表示形式の選択を受け付けた場合には、第1の基準に基づき複数の検査項目を分類表示する画面を表示部5bに表示させ、選択受付部53が第2表示形式の選択を受け付けた場合には、第2の基準に基づき複数の検査項目を分類表示する画面を表示部5bに表示させる表示制御部54と、を備える。
【解決手段】検査情報システム1は、患者に対する検査オーダを受け付けるオーダ受付部51と、特定の患者に対する検査オーダに含まれる複数の検査項目を示す画面を表示するための表示部5bと、複数の検査項目を分類表示するための第1表示形式および第2表示形式からいずれかの表示形式の選択を受け付ける選択受付部53と、選択受付部53が第1表示形式の選択を受け付けた場合には、第1の基準に基づき複数の検査項目を分類表示する画面を表示部5bに表示させ、選択受付部53が第2表示形式の選択を受け付けた場合には、第2の基準に基づき複数の検査項目を分類表示する画面を表示部5bに表示させる表示制御部54と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置で行われる検査の情報を管理するための検査情報システム、及び、この検査情報システムに用いることができるコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院や検査機関等の医療機関においては、医師による検体検査の依頼から分析装置による検査の結果報告までをコンピュータを用いて管理する検査システムが導入されている。この検査システムでは、医師により患者の検体検査の依頼が行われると、検体の検査項目を含むオーダ情報がデータ管理装置に入力され、検体の検査項目に応じて検査技師が検体容器を該当する検査部門に搬送し、データ管理装置に入力されたオーダ情報に基づいて分析装置により検体の検査が行われ、その検査結果がデータ管理装置に記憶されて医師への報告が行われる。
【0003】
下記特許文献1には、各検査室に配置されている複数の分析装置や複数のデータ管理装置を接続してデータの一元管理を可能とする検査システムが開示されている。この検査システムにおいて、各検査室のデータ管理装置の画面には、オーダ情報や検体情報等の各種情報が表示されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−142411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような検査システムにおいて、検査技師等のユーザは、画面に表示されたオーダ情報を参照し、検査項目の入力チェックや追加・修正、検査に供されるべき検体容器の本数確認、各検体容器を使用する分析装置の種類確認等、種々の検査業務を行っている。
【0006】
しかしながら、画面に表示されたオーダ情報から所望の情報を得るためには、ある程度の慣れや熟練を要する場合があった。そのため、検査業務の熟練度に関わらず、どのようなユーザであっても表示画面を見て円滑に検査業務を遂行できるようにすることが望まれる。
また、上記特許文献1に記載の検査システムにおいては、検体のオーダ情報をどのように画面に表示するかについては一切考慮されていない。
【0007】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたものであり、表示部に表示された検査項目に関する情報を利用してユーザが検査業務を円滑に行い得る検査情報システムおよびこれに用いられるコンピュータプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の検査情報システムは、患者に対する検査オーダを受け付けるオーダ受付部と、特定の患者に対する検査オーダに含まれる複数の検査項目を示す画面を表示するための表示部と、前記複数の検査項目を分類表示するための第1表示形式および第2表示形式からいずれかの表示形式の選択を受け付ける選択受付部と、前記選択受付部が前記第1表示形式の選択を受け付けた場合には、第1の基準に基づき前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させ、前記選択受付部が前記第2表示形式の選択を受け付けた場合には、第2の基準に基づき前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させる表示制御部と、を備えることを特徴としている。
【0009】
この検査情報システムでは、第1および第2表示形式のなかから検査技師等のユーザが選択した表示形式で検査オーダに含まれる複数の検査項目を表示部に分類表示させることができる。したがって、ユーザは、自身が行おうとしている検査業務に適した表示形式を適宜選択することによって、円滑に検査業務を遂行することが可能となる。
【0010】
なお、「オーダ受付部」は、検査情報システムを構成するコンピュータ等の機器に対してユーザが直接入力した検査オーダを受け付ける構成であってもよいし、他の機器に入力され、当該他の機器から通信回線を介して送信された検査オーダを受信することによって受け付ける構成であってもよい。
【0011】
(2)前記選択受付部は、前記第1の基準に基づき前記複数の検査項目を分類表示する画面が前記表示部に表示されているときに、前記第2表示形式の選択を受け付け可能であり、前記表示制御部は、前記選択受付部が前記第2表示形式の選択を受け付けると、前記第2の基準に基づき前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させるものであってもよい。
【0012】
この構成によれば、一の表示形式で検査項目が表示されているときに、他の表示形式の選択を行うことで当該他の表示形式で検査項目を画面に表示することができる。そのため、ユーザは、種々の検査業務を行う度に、各検査業務に適した表示形式で複数の検査項目を分類表示することができる。
【0013】
(3)前記第1の基準は、検査を実施する検査部門の種類であり、前記第1表示形式は、前記複数の検査項目を、検査部門の種類別に分類表示する表示形式であってもよい。
このような構成によって、ユーザが表示部に表示された画面を見ることで、どの検査項目の検査がどの検査部門で実施されるのかを容易に把握することができる。そのため、例えば、検査項目の追加や修正を行う場合に、その旨をどの部門に対して連絡をすればよいかを容易に知ることができる。
なお、上記「検査部門」は、検査の種類や検体の種類等に応じて分類された部門、又は検査の種類や検査の緊急性等に応じて施設内で組織的に編成された部門とすることができ、検査情報システムを利用する医療機関等において任意に設定することが可能である。
【0014】
(4)前記検査部門は、生化学検査部門、血液検査部門、血液凝固検査部門、免疫検査部門、及び尿検査部門のいずれかを含むことができる。
ここで、生化学検査部門とは、血液検体の総蛋白量や臓器機能の指標である酵素活性等を測定する検査を行う検査部門をいう。血液検査部門とは、血液検体中の赤血球数・白血球数・血小板数やヘモグロビン濃度等の検査を行う検査部門をいう。血液凝固検査部門とは、血液検体に対して凝固機能の検査を行う検査部門をいう。免疫検査部門とは、血液検体を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカおよび甲状腺ホルモン等の項目の検査を行う検査部門をいう。尿検査部門とは、尿検体に対して、蛋白質、糖、赤血球の有無を判定する尿定性検査や、赤血球、白血球、上皮細胞、円柱、細菌を測定する尿沈渣検査を行う検査部門をいう。なお、血液検体としては、全血、血清、血漿等を用いることができる。
【0015】
(5)前記第1の基準は、検査を実施する検査装置の種類であり、前記第1表示形式は、前記複数の検査項目を、検査装置の種類別に分類表示する表示形式であってもよい。
このような構成によって、ユーザが表示部に表示された画面を見ることで、どの検査項目の検査がどの検査装置で実施されるのかを容易に把握することができる。
【0016】
(6)前記検査装置は、生化学分析装置、血球分析装置、血液凝固測定装置、免疫分析装置、及び尿分析装置のいずれかを含むことができる。
ここで、生化学分析装置とは、血液検体の総蛋白量や臓器機能の指標である酵素活性等を測定する装置をいう。血球分析装置とは、血液検体中の赤血球数・白血球数・血小板数やヘモグロビン濃度等の測定を行う装置をいう。血液凝固測定装置とは、血液検体に対して凝固機能の測定を行う装置をいう。免疫分析装置とは、血液検体を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカおよび甲状腺ホルモン等の項目を検査する装置をいう。尿分析装置とは、尿検体に対して蛋白質、糖、赤血球の有無を判定する尿定性検査を行うための装置、又は、赤血球、白血球、上皮細胞、円柱、細菌を測定する尿沈渣検査を行うための装置をいう。なお、血液検体としては、全血、血清、血漿等を用いることができる。
【0017】
(7)前記第2の基準は、検体容器を識別する識別番号であり、前記第2表示形式は、前記複数の検査項目を、検体容器の識別番号別に分類表示する表示形式であってもよい。
このような構成によって、ユーザが表示部に表示された画面を見ることで、検査に使用される検体容器の本数や、検体容器内の検体について実施される検査項目を容易に把握することができる。
【0018】
(8)前記表示制御部は、緊急に検査を行うことが必要である検査項目を識別可能に、前記複数の検査項目を示す画面を前記表示部に表示させるものであってもよい。
このような構成によって、ユーザは、緊急に検査する必要がある検査項目を容易に識別し、必要な対応を迅速に行うことができる。
【0019】
(9)前記表示制御部は、前記複数の検査項目が表示される検査項目表示領域と、検査項目の入力を行うための検査項目入力領域とを含む画面を前記表示部に表示させ、前記オーダ受付部は、前記検査項目入力領域で入力された検査項目を受け付けるものであってもよい。
この構成によれば、検査項目が表示される画面と同一の画面上で検査項目の入力を行うことができるため、既に入力された検査項目を確認しながら新たな検査項目の追加を行うことができ、検査業務におけるユーザの操作性を向上させることができる。
【0020】
(10)前記表示制御部は、前記第1の基準に基づき前記複数の検査項目を前記画面内の所定領域に分類表示させ、前記選択受付部が前記第2表示形式の選択を受け付けると、前記第1の基準に基づいて分類表示された前記複数の検査項目に切り替えて、前記第2の基準に基づき前記複数の検査項目を前記所定領域に分類表示させるものであってもよい。
このような構成によって、検査項目を表示するための表示面積を抑制することができ、表示部に表示された画面を他の情報の表示にも有効に活用することができる。
【0021】
(11) 前記画面は、前記第1および第2表示形式にそれぞれ対応した第1および第2タブを含み、前記選択受付部は、前記第1および第2タブの一方をユーザが選択することによって、前記表示形式の選択を受け付けるものであってもよい。
このような構成によって、ユーザは容易に表示形式を切り替えることができる。
【0022】
(12)本発明の検査情報システムは、前記オーダ受付部が受け付けた前記検査オーダを受信し、当該検査オーダに含まれる前記複数の検査項目に応じて患者の検体を検査し、取得した検査結果を送信する複数の検査装置と、前記複数の検査装置から送信された検査結果を受信する管理装置と、をさらに備えていることが好ましい。
【0023】
(13)本発明に係るコンピュータプログラムは、表示部に接続されたコンピュータを、患者に対する検査オーダを取得するオーダ取得手段、特定の患者に対する検査オーダに含まれる複数の検査項目を分類表示するための第1表示形式および第2表示形式からいずれかの表示形式の選択を受け付ける選択受付手段、及び、前記選択受付手段により前記第1表示形式の選択が受け付けられた場合には、第1の基準で前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させ、前記選択受付手段により前記第2表示形式の選択が受け付けられた場合には、第2の基準で前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させる表示制御手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、表示部に表示された検査項目に関する情報を利用して、ユーザが検査業務を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係る検体情報システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】サーバ管理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】サーバ管理装置の機能構成を示す図である。
【図4】検査項目の表示領域を含むオーダ登録画面を示す図である。
【図5】検査項目の表示領域についての他の表示形式を示す図である。
【図6】検査項目の表示領域についてのさらに他の表示形式を示す図である。
【図7】検査項目の修正操作画面を示す図である。
【図8】検査項目についての設定情報のデータ構造を示すテーブルである。
【図9】検体容器の一例を示す斜視図である。
【図10】サーバ管理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】サーバ管理装置における画面操作処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の実施の形態に係る検査情報システムの全体構成を示す概略図である。
本実施の形態における検査情報システム(分析システム)1は、病院の検査室等に設置され、検体の分析を行う分析装置(検査装置)3と、検査の情報や分析装置3を管理する管理システム2と、検査オーダの登録を受け付けるオーダリングシステム8とを有している。管理システム2は、サーバ管理装置5とクライアント管理装置4とを備えたクライアント/サーバ型システムであり、図に示す例では、1台のサーバ管理装置5と複数台(3台)のクライアント管理装置4とが通信回線7を介してデータ通信可能に接続されている。
【0027】
各クライアント管理装置4には、複数の分析装置3が接続されている。例えば、血球分析装置、血液凝固測定装置、生化学分析装置、免疫分析装置、尿中成分分析装置(尿分析装置)等の様々な種類の分析装置3がクライアント管理装置4に接続される。そして、あるクライアント管理装置4には、血液を検体とする検査を行うための複数の分析装置3が接続され、あるクライアント管理装置4には、尿を検体とする検査を行うための複数の分析装置3が接続される、というように、1つのクライアント装置4に、同一の検体を用いる複数の分析装置3を接続することができる。
【0028】
また、クライアント管理装置4には、検体を収容する検体容器10(図9参照)に貼付される採取ラベル12を印刷するラベルプリンタ(印刷装置)6が接続されている。なお、このラベルプリンタ6は、クライアント管理装置4に限らず、検体情報システム1内のネットワークに接続されていればよい。
【0029】
管理システム2は、病院のオーダリングシステム8と通信回線7を介して接続されている。医師は、患者に検査が必要であると判断すると、このオーダリングシステム8の端末に検査依頼(検査オーダ)を入力する。入力された検査オーダは、オーダリングシステム8のホストコンピュータ9に登録される。ホストコンピュータ9は、登録された検査オーダを管理システム2に送信し、サーバ管理装置5が検査オーダを受け付ける。クライアント管理装置4は、サーバ管理装置5に対して検査オーダを問い合わせ、サーバ管理装置5から受信した検査オーダに基づいて分析装置3に検査を実行させる。サーバ管理装置5は、分析装置3により得られた分析結果をクライアント管理装置4から受け取り、所定の形式に整えてオーダリングシステム8のホストコンピュータ9に登録することにより医師等に報告する。
【0030】
〔サーバ管理装置のハードウェア構成〕
図2は、サーバ管理装置のハードウェア構成を示す図である。サーバ管理装置5は、制御部5aと、タッチパネル式の表示部5bと、入力デバイス5cとを含むコンピュータ501によって構成されている。制御部5aは、主としてCPU501aと、ROM501b、RAM501c及びハードディスク501d等からなる記憶装置と、読出装置501eと、入出力インタフェース501fと、通信インタフェース501gと、画像出力インタフェース501hとから構成され、これらは、バス501iによって接続されている。
【0031】
ハードディスク501dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU401aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及びそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。本実施の形態では、検査情報の管理や分析装置3の管理に用いるアプリケーションプログラム504aがこのハードディスク501dにインストールされている。また、ハードディスク501dには、検査項目についての設定情報等の各種データが記憶されている。
【0032】
なお、ハードディスク501dには、検査項目についての設定情報として図8に示されるような情報が記憶されている。具体的には、検査情報システム1を導入した医療機関等において実施可能な全ての検査項目について、「項目コード」「項目名」「部門」「検体種別」「容器の種類」「子項目情報」が相互に対応付けられた状態で記憶されている。「子項目情報」は、該当する検査項目が、親子関係をもつ下位階層の項目を有している場合に設定されるものであり、例えば、親項目としての「CBC」(全血算)は、子項目として、「WBC」「RBC」「HGB」等を有しており、親項目としての「尿定性」は、子項目として「色調」「混濁」「PH」等を有している。
【0033】
図2に示されるように、画像出力インタフェース501hには、LCD又はCRT等の表示部5bが接続され、入出力インタフェース501fには、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイス5cが接続されている。
通信インタフェース501gは、例えば、Ethernet(登録商標)インタフェースであり、コンピュータ501は、その通信インタフェース501gによって、TCP/IPプロトコル等の所定の通信プロトコルを使用して他のコンピュータ(クライアント管理装置4やホストコンピュータ9)との間でデータの送受信が可能である。
【0034】
なお、クライアント管理装置4は、サーバ管理装置5と同様のコンピュータから構成されるため、詳細な説明は省略するが、クライアント管理装置4の入出力インタフェースには、ラベルプリンタ6や複数の分析装置3が接続される。また、クライアント管理装置4のハードディスクには、以下に説明するようなサーバ管理装置の機能構成を実現するためのアプリケーションプログラムがインストールされ、サーバ管理装置と略同様の機能を発揮することが可能である。
【0035】
〔サーバ管理装置の機能構成〕
図3は、サーバ管理装置の機能構成を示す図である。サーバ管理装置5は、制御部5aのCPU501aがハードディスク501dにインストールされたアプリケーションプログラム504aを実行することによって、図3に示す機能を発揮する。
具体的に、サーバ管理装置5は、検査オーダをオーダリングシステム8(図1参照)から取得したり、検査オーダの登録を直接受け付けるオーダ取得部(オーダ受付部)51と、取得した検査オーダに対する検査項目の追加等の修正を受け付けるオーダ修正受付部52とを有する。また、サーバ管理装置5は、表示部5bの画面(図4参照)に表示される検査項目の表示形式の選択を受け付ける選択受付部53と、この選択受付部53によって受け付けられた表示形式で検査項目を表示部5bに表示させる表示制御部54と、を有している。オーダ修正受付部52や選択受付部53としての機能は、図4に示される表示部5bの画面100を介して実行される。
【0036】
〔表示部における表示画面の構成〕
図4に示される画面100は、オーダリングシステム8のホストコンピュータ9から取得した検査オーダを表示するとともに、この検査オーダに対する検査項目の追加や修正を可能にするオーダ登録画面である。このオーダ登録画面100は、患者に関する情報を表示するための患者属性情報表示領域110、医師から依頼された検査オーダを表示する検査項目表示領域120、検査項目の追加や修正を行うための検査項目入力領域130、及びその他の表示領域を含む。
【0037】
患者属性情報表示領域110には、患者ID,氏名、生年月日等の患者個人を特定するための情報等が表示される。検査項目表示領域120には、患者属性情報表示領域110で特定された患者に対して医師から依頼された検査項目や検査技師等によって新たに追加された検査項目等、検査が実施される全ての検査項目が表示される。検査項目入力領域130には、検体情報システム1に備わった分析装置3によって実施可能な全ての検査項目が、内容の追加や修正が可能なように表示されている。
【0038】
具体的に、図4に示されている検査項目入力領域130には、検査項目コード(0101.00等の(4桁.2桁)の数字)と検査項目名(ALP、AST等)とが記載された複数のボタン131が縦横に整列して表示されている。また、検査項目入力領域130の右端には、「生化学」「血液・凝固」「尿・便」「免疫・他」「外部委託」等の検査の種類が表示された複数のタブ132が設けられており、選択されたタブ132に属する全ての検査項目が測定項目入力領域130に表示されている。
【0039】
また、検査項目入力領域130においては、検査依頼がなされていない検査項目のボタン131の背景色が例えば白色に表示され、検査依頼がなされている検査項目のボタン131の背景色が例えば黄色に表示される。また、検査依頼がなされている検査項目のうち、至急の検査が必要な検査項目については、検査項目コードや検査項目名の文字色が他のボタンの文字色(例えば、黒色)とは異なった、目立つ色(例えば、赤色)で表示される。したがって、この検査項目入力領域130には、全ての検査項目が表示されるが、ボタン131の背景色や文字色等によって依頼の状況が一目で把握できるように構成されている。
【0040】
この検査項目入力領域130を使用して検査項目の追加や修正を行うには、ユーザがマウス等の入力デバイス5cを用いて追加・修正しようとする検査項目のボタン131をクリック(選択)すればよい。例えば、検査項目を新たに追加する場合は、該当する検査項目のボタン131を1回クリックすることによって、当該検査項目に対する依頼を追加することができる。依頼を追加すると、ボタン131の背景色が白色から黄色に変化し、依頼が追加されたことを視覚的に認識することができる。さらに、当該ボタン131をもう一回クリックすると、検査項目名等の文字色が赤色となり、当該検査項目を「至急」の依頼にすることができる。また、「至急」の状態からさらにボタン131をもう一回クリックすると、再びボタン131の背景色が白色に変化し、当該検査項目を依頼無しの状態に戻すことができる。以降、ボタン131をクリックする度に「依頼有り」→「至急」→「依頼無し」の順で検査項目の依頼状況を入力することができる。
【0041】
また、既に「依頼」されている検査項目を修正する場合は、該当する検査項目のボタン131をクリックすることによって、当該ボタン131の文字色が黒色から赤色となり、当該検査項目を「至急」の依頼に修正することができる。また、当該ボタン131をもう一回クリックすることによって、検査項目名等の文字に取消線が付加され、依頼を取り消すことができる。さらに、当該ボタン131をもう一回することによって、通常の「依頼」の状態に戻すことができる。以降、ボタンをクリックする度に、「至急」→「依頼取消」→「依頼有り」の順で当該検査項目の依頼状況を修正することができる。
【0042】
なお、検査項目入力領域130を使用した依頼内容の追加・修正は、上記の方法に限られず、他の方法で行ってもよく、本実施の形態では、依頼内容の追加・修正のために他の方法の選択が可能とされている。具体的には、検査項目入力領域130の上部に設けられた「属性」「伝票」「参照入力」「コード入力」のタブ133を切り替えることによって、依頼内容の追加・修正の方法を選択することが可能となっている。上述した方法は「伝票」タブ133を選択したときの依頼内容の追加・修正の方法であり、例えば「コード入力」タブ133を選択したときには、検査技師等のユーザが直接、検査項目に対応するコードを入力することによって検査項目の追加や修正を行うことが可能となっている。
【0043】
ホストコンピュータ8に登録された検査オーダに含まれる検査項目や、上述の検査項目入力領域130から追加・修正された検査項目のうち、患者属性情報表示領域110で特定された患者の検体に対する検査項目は、全て検査項目表示領域120に表示される。そして、本実施の形態の検査項目表示領域120は、複数の検査項目を複数の表示形式で表示することができ、ユーザは複数の表示形式のなかからいずれかの表示形式を選択することが可能となっている。
【0044】
具体的に、本実施の形態では、検査項目表示領域120の上部には、「全項目」「検査部門」「バーコード」の3つのタブ121a〜121cが表示されており、この3つのタブ121a〜121cをマウス等の入力デバイス5cにより選択することで、3つの表示形式に切り替えて検査項目表示領域120に表示することができる。
【0045】
図4に示される検査項目表示領域120には、「全項目」タブ121aを選択した場合の表示形式(以下、「第1の表示形式」ともいう)で検査項目が表示されている。この「全項目」タブ121aによって表示される第1の表示形式は、依頼されている検査項目を一覧で列挙して表示するものである。
【0046】
具体的に、検査項目表示領域120には、「0102.00 AST」というように検査項目コードと検査項目名とが1セットで並べて表示されている。また、親子関係を有する項目同士は、ツリー構造(階層構造)で表示されている。例えば、親項目としての「CBC」の下位には、子項目としての「WBC」「RBC」「HGB」等が枝分かれするかたちで表示されている。
【0047】
このように検査が実施される全ての検査項目が一覧で表示されていると、例えば、医師から依頼された検査オーダの内容と、実際に装置に入力された検査項目とを照らし合わせてチェックする作業を容易に行うことができ、入力状況の把握や入力漏れの防止に役立てることができる。
【0048】
図5に示される検査項目表示領域120には、「検査部門」タブ121bを選択した場合の表示形式(以下、「第2の表示形式」ともいう)で検査項目が表示されている。この「検査部門」は、検査の種類や病院内の組織的な編成を基準として区分けされた分類とされる。図5に示される例では、「生化学」「血液」「凝固」「尿」「免疫」の5つの検査部門に分類して検査項目が表示されている。また、第2の表示形式においては、各検査部門を親として、下位に属する検査項目がツリー構造(階層構造)で表示されている。また、検査項目が子項目を有している場合には、その検査項目を親として子項目がツリー構造で表示される。ここで、生化学検査部門とは、血清中の総蛋白量や臓器機能の指標である酵素活性等を測定する検査を行う検査部門をいう。血液検査部門とは、全血中の赤血球数・白血球数・血小板数やヘモグロビン濃度等の検査を行う検査部門をいう。凝固検査部門とは、血漿に対して凝固機能の検査を行う検査部門をいう。尿検査部門とは、尿に対して、蛋白質、糖、赤血球の有無を判定する尿定性検査や、赤血球、白血球、上皮細胞、円柱、細菌を測定する尿沈渣検査を行う検査部門をいう。免疫検査部門とは、血清を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカおよび甲状腺ホルモン等の項目の検査を行う検査部門をいう。
【0049】
「検査部門」タブ121bを選択して表示される第2の表示形式においては、ユーザは、検査を実施する検査項目がどの検査部門に属しているのかを一目で把握することが可能である。そのため、ユーザは、例えば依頼内容を追加・修正した場合等に、どの検査部門に対してその旨を連絡したらよいかを即座に認識することができる。したがって、第2の表示形式は、検査部門別に検査室が分かれているような比較的大規模な施設において特に有用である。
【0050】
図6に示される検査項目表示領域120には、「バーコード」タブ121cを選択した場合の表示形式(以下、「第3の表示形式」ともいう)で検査項目が表示されている。この「バーコード」とは、図9に示されるように、患者から採取した検体を収容する検体容器10に付与された識別情報(識別番号)であり、採取ラベル12に印刷された状態で検体容器10に貼付されている。検査に使用される検体容器10の本数や検体容器10内に採取される検体の量は、医師等がホストコンピュータ9に登録した検査オーダや検査技師等がサーバ管理装置5等から追加・修正した検査項目に基づいて自動的に設定され、併せて各検体容器10に貼付される採取ラベル12がラベルプリンタ6によって印刷される。
【0051】
採取ラベル12には、検体番号を識別するためのバーコード11に加え、検体番号受付日、受付No、患者ID、患者氏名、検体容器の名称、検査項目等の属性情報(いずれも図示略)が印刷される。採血室等では、採取ラベル12を貼り付けた検体容器10に患者から採取した検体が収容され、検体収容済みの各検体容器は、検査が実施される検査室に搬送されて分析装置3にセットされる。
【0052】
図6に示されるように、第3の表示形式においては、検体容器に付された識別番号を基準にして複数の検査項目が分類表示されており、検体容器10に貼付されたバーコード11を表す番号と、その検体容器10に収容された検体について実施される検査項目とがツリー構造で表示されている。例えば、親項目としてのバーコード番号「10200101」の検体容器10の下位には、子項目としての「AST」「ALT」「ALB」等の検査項目が表示されている。また、検査項目が子項目を有している場合には、その検査項目を親として子項目がツリー構造で表示される。
【0053】
この「バーコード」タブ121cを選択して表示される第3の表示形式によって、ユーザは、各検体容器10がどの検査項目で使用されるかを一目で把握することができる。したがって、ある分析装置3で検査を行った後、次に検体容器10をどの分析装置3にセットすればよいかを容易に認識ことができる。また、第3の表示形式によって、ユーザは、検査に必要な検体容器10の本数をすぐに確認することができる。そのため、ユーザは、全ての検体容器10が検査室に届いているか否かを容易かつ迅速に判断することが可能となる。
【0054】
なお、図6において、バーコード番号に隣接する括弧書きの表示は、検体の種別と、検体容器10に装着されるキャップの色である。したがって、ユーザは、バーコード番号だけでなく、検体容器10に装着されたキャップの色で収容されている検体の種別を正確に把握することができる。
【0055】
図4〜図6に示す検査項目表示領域120における各検査項目の表示は、検査項目入力領域130と同様に、依頼の状況を視覚的に認識できるように構成されている。具体的に、検査項目が「至急」に設定されている場合、検査項目表示領域120における検査項目の文字色が、他の検査項目の文字色(例えば、黒色)とは異なった、目立つ色(例えば、赤色)で表示され、取り消された検査項目には、検査項目の文字に取消線が付加されるようになっている。
【0056】
また、本実施の形態では、検査項目表示領域120においても検査項目の依頼状況の修正が可能となっている。具体的には、修正しようとする検査項目を選択してマウスで右クリックすると、図7に示されるようなポップアップウィンドウ(修正操作画面)140が画面に表示され、このポップアップウィンドウ140に表示された項目を選択することによって、検査項目の依頼状況を修正することができる。
【0057】
また、図7に示されるポップウィンドウ140に表示された項目のうち、「至急」は、その検査項目が通常の依頼に設定されている場合にのみ選択することができ、「至急取消」は、その検査項目が「至急」に設定されている場合にのみ選択することができる。「再依頼」は、その検査項目が一旦取り消されて削除された場合にのみ選択することができる。
【0058】
なお、以上に説明したオーダ登録画面100の表示や検査項目の追加・修正の処理は、サーバ管理装置5だけでなくクライアント管理装置4においても実行することが可能である。
【0059】
次に、図10を参照して、上述したような検査項目の追加・修正作業や検査項目の表示形式の選択処理を含むサーバ管理装置5の処理手順について説明する。
まず、医師からの検査オーダは、オーダリングシステム9におけるホストコンピュータ9に登録された状態にあり、サーバ管理装置5の制御部5aは、ステップS1において、検査オーダをホストコンピュータ9から受信したか否か(受け付けたか否か)を判断する。制御部5aは、検査オーダを受信したと判断した場合には、ステップS2に処理を進め、受信しなかったと判断した場合には、ステップS3に処理を進める。そして、ステップS2において、制御部5aは、受信した検査オーダをハードディスク501d等の記憶装置に記憶する処理を行う。
【0060】
次いで、ステップS3において、制御部5aは、サーバ管理装置5の表示部5bにオーダ登録画面100(図4参照)が表示されているかを判断し、表示されていると判断した場合には、ステップS6に処理を進め、表示されていないと判断した場合にはステップS4に処理を進める。ステップS4において、制御部5aは、オーダ登録画面100の表示指示を受け付けたか否かを判断し、受け付けたと判断した場合には処理をステップS5に進めて表示部5bにオーダ登録画面100を表示する。制御部5aは、オーダ登録画面100の表示指示を受け付けいないと判断した場合はステップS7に処理を進める。
【0061】
ステップS6において、制御部5aは、以下に説明する画面操作処理を実行する。
図11は、画面操作処理の手順を示すフローチャートである。制御部5aは、ステップS601において、新規に患者IDの入力があったか否かを判断し、入力があったと判断した場合には処理をステップS602に進め、入力がなかったと判断した場合には処理をステップS603に進める。患者IDの入力は、オーダ登録画面100の「属性」タブ133が選択された際に検査項目入力領域130に表示される画面で行うことができる。
【0062】
ステップS602において、制御部5aは、表示部5bに対して患者IDに対応する情報の表示をオーダ登録画面100に表示する。
次いで、ステップS603において、制御部5aは、患者IDの変更があったか否かを判断し、変更があったと判断した場合にはステップS602に処理を戻し、変更がなかったと判断した場合にはステップS604に処理を進める。
【0063】
ステップS604において、制御部5aは、検査項目表示領域120(図4参照)において「検査部門」タブ121bが選択されたか否かを判断し、選択されたと判断した場合には、ステップS605において検査項目表示領域120に検査部門別に(検査部門の種類を基準として)複数の検査項目を分類表示し(図5参照)、ステップS610に処理を進める。
「検査部門」タブが選択されなかったと判断した場合には、制御部5aは、ステップS606において、「バーコード」タブ121cが選択されたか否かを判断する。「バーコード」タブ121cが選択されたと判断した場合には、ステップS607において、制御部5aは、表示部5bに表示された検査項目表示領域120にバーコード別に(バーコード番号を基準として)複数の検査項目を分類表示し(図6参照)、ステップS610に処理を進める。
【0064】
ステップS606において、制御部5aは、「バーコード」タブ121cが選択されなかったと判断した場合、ステップS608において、「全項目」タブ121aが選択されたか否かを判断する。制御部5aは、「全項目」タブ121aが選択されたと判断した場合には、表示部5bに表示された検査項目表示領域120に全項目の表示形式(図4参照)で検査項目を表示してステップS610に処理を進め、選択されなかったと判断した場合にもステップS610に処理を進める。
【0065】
ステップS610において、制御部5aは、検査項目入力領域130(図4参照)を介して検査項目の追加の入力があったか否かを判断する。検査項目の追加の入力があったと判断した場合、制御部5aは、追加された検査項目を記憶装置に記憶する処理を行うとともに、表示部5bに表示されている検査項目入力領域130及び検査項目表示領域120に検査項目の追加を反映した表示を行い(ステップS611)、ステップS612に処理を進める。制御部5aは、検査項目の追加の入力がなかったと判断した場合にも、ステップS612に処理を進める。
【0066】
次いで、ステップS612において、制御部5aは、検査項目入力領域130や検査項目表示領域120を介して検査項目の削除の指示があったか否かを判断する。制御部5aは、検査項目の削除の指示があったと判断した場合、当該検査項目を記憶装置から削除する処理を行うとともに、表示部5bに表示されている検査項目入力領域130及び検査項目表示領域120に対して検査項目の削除を反映した表示、すなわち取消線の表示を行い(ステップS613)、ステップS614に処理を進める。制御部5aは、検査項目の削除の指示がなかったと判断した場合にも、ステップS614に処理を進める。
【0067】
次いで、ステップS614において、制御部5aは、検査項目入力領域130や検査項目表示領域120を介して検査項目を「至急」に設定する指示があったか否かを判断する。制御部5aは、検査項目を至急に設定する指示があったと判断した場合、表示部5bに表示されている検査項目入力領域130及び検査項目表示領域120に対して至急の設定を反映する表示、すなわち当該検査項目のコード及び名称の文字色を変更する処理を行い(ステップS615)、ステップS616に処理を進める。制御部5aは、至急に設定する指示がなかったと判断した場合にも、ステップS616に処理を進める。
【0068】
次いで、ステップS616において、制御部5aは、オーダ登録画面100の表示終了指示を受け付けたか否かを判断する。制御部5aは、オーダ登録画面100の表示終了指示を受け付けたと判断した場合、表示部5bに表示されているオーダ登録画面100を閉じて処理をリターンし、オーダ登録画面100の表示終了指示を受け付けなかったと判断した場合にはそのまま処理をリターンする。
【0069】
分析装置3は、検査を開始するときに図9に示される検体容器10に貼付されたバーコード11を読み取り、この分析装置3が接続されたクライアント管理装置4は、そのバーコード11が貼付された検体容器10についての検査オーダの問い合わせをサーバ管理装置5に対して行う。
サーバ管理装置5の制御部5aは、図10のステップS7において、クライアント管理装置4からの検査オーダの問い合わせを受信したか否かを判断する。制御部5aは、検査オーダの問い合わせを受信したと判断した場合、ステップS8において検査オーダをクライアント管理装置4に送信したあとステップS9に処理を進め、検査オーダの問い合わせを受信しなかったと判断した場合にも、ステップS9に処理を進める。
【0070】
ステップS9において、サーバ管理装置5の制御部5aは、クライアント管理装置4から検査結果を受信したか否かを判断する。制御部5aは、検査結果を受信したと判断した場合、ステップS10において当該検査結果を記憶装置に記憶する処理を行ったのち、ステップS11に処理を進め、検査結果を受信しなかったと判断した場合にも、ステップS11に処理を進める。
【0071】
ステップS11において、制御部5aは、シャットダウン指示を受け付けたか否かを判断し、シャットダウン指示を受け付けたと判断した場合には、サーバ管理装置5のシャットダウンを実行し、シャットダウン指示を受け付けなかったと判断した場合には、ステップS1に処理を戻し、ステップS1〜ステップS11の処理を繰り返す。
【0072】
以上、説明したように本実施の形態の検査情報システム1では、サーバ管理装置5の表示部5bに表示される検査項目表示領域120に、特定の患者の検査オーダに含まれる複数の検査項目をユーザに選択された基準で分類表示することができるので、ユーザが行う種々の検査業務、例えば、検査項目の追加・修正、検体容器の本数の確認、検査室への検体容器の到着状況の確認等を円滑に行うことができる。そのため、検査業務の熟練度に関わらず、どのようなユーザであっても円滑な検査業務の遂行が可能となる。
【0073】
また、本実施の形態の検査情報システム1では、サーバ管理装置5の表示部5bに検査項目表示領域120と検査項目入力領域130とが同時に表示されている。そのため、既に依頼が入力されて検査項目表示領域120に表示されている検査項目を確認しながら、新たな検査項目の追加や既に入力された検査項目の修正を行うことができ、検査項目の追加・修正作業の操作性、正確性を高めることができる。
【0074】
また、検査項目表示領域120には、複数の表示形式が切り替えて表示されるので、各表示形式を同時に一つの画面に表示する場合に比べて検査項目表示領域120の表示面積を抑制することができ、表示部5bにおける表示画面を他の情報の表示にも有効に活用することができる。
また、ユーザは、検査項目表示領域120のタブ121a〜121cを選択することによって複数の表示形式を容易に切り替えることができる。
【0075】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において適宜変更することが可能である。
例えば、表示部5bに表示されたオーダ登録画面100(図4参照)における検査項目表示領域120の表示形式は、「全項目」「検査部門」「バーコード」の3種類とされているが、2種類又は4種類以上とされていてもよい。例えば、これらの3種類に加えて又はその一部に代えて、「分析装置」の表示形式を設けてもよく、生化学分析装置、血球分析装置、血液凝固測定装置、尿分析装置、免疫分析装置等の分析装置の種類を基準として、実施される検査項目をツリー構造で分類して表示してもよい。また、「検体種別」の表示形式を設けてもよく、「全血」「血清」「血漿」「尿」等の検体種別を基準として、実施される検査項目をツリー構造で分類して表示してもよい。
【0076】
また、検査項目表示領域120における表示形式の切り替えは、タブ121a〜121cの選択による方法に限定されるものではなく、画面上に別途設けられた切り替えボタンをクリックしたり、キーボードを利用して表示を切り替えたりする方法を採用することもできる。
上記実施の形態において、図5に示されるような検査項目表示領域120における「検査部門」毎の表示形式(第2の表示形式)では、「生化学」「血液」「凝固」「尿」「免疫」の5種類の検査部門に分類されているが、これらに限定されるものではない。また、「生化学・免疫」といったように、同一の検体を使用する検査をまとめて一つの検査部門に分類してもよい。また、各検査部門の呼称についても限定されるものではなく、検査情報システム1を導入した医療機関等に応じた呼称とすることができる。
【0077】
また、「検査部門」は、検査の種類によって分類されたものに限らず、例えば、病院内の組織編成に応じて分類された部門であってもよい。また、各検査部門に属する分析装置は1台であってもよいし複数台であってもよい。
【0078】
上記実施の形態において、検査情報システム1は、ホストコンピュータ9を有するオーダリングシステム8を含んでいるが、これを含まない構成であってもよい。この場合、サーバ管理装置5は、オーダ取得部(オーダ受付部)51(図3参照)の機能により、医師等から依頼された検査オーダの登録(入力)を直接受け付けることができる。
また、上記実施の形態では、サーバ管理装置5とクライアント管理装置4との両方が、オーダ登録画面100の表示や検査項目の追加・修正の機能を備えているが、一方のみが当該機能を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 検査情報システム
3 分析装置
4 クライアント管理装置
5 サーバ管理装置
5b 表示部
10 検体容器
11 バーコード(識別情報)
51 オーダ取得部(オーダ受付部)
53 選択受付部
54 表示制御部
100 オーダ登録画面
120 検査項目表示領域
130 検査項目入力領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置で行われる検査の情報を管理するための検査情報システム、及び、この検査情報システムに用いることができるコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院や検査機関等の医療機関においては、医師による検体検査の依頼から分析装置による検査の結果報告までをコンピュータを用いて管理する検査システムが導入されている。この検査システムでは、医師により患者の検体検査の依頼が行われると、検体の検査項目を含むオーダ情報がデータ管理装置に入力され、検体の検査項目に応じて検査技師が検体容器を該当する検査部門に搬送し、データ管理装置に入力されたオーダ情報に基づいて分析装置により検体の検査が行われ、その検査結果がデータ管理装置に記憶されて医師への報告が行われる。
【0003】
下記特許文献1には、各検査室に配置されている複数の分析装置や複数のデータ管理装置を接続してデータの一元管理を可能とする検査システムが開示されている。この検査システムにおいて、各検査室のデータ管理装置の画面には、オーダ情報や検体情報等の各種情報が表示されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−142411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような検査システムにおいて、検査技師等のユーザは、画面に表示されたオーダ情報を参照し、検査項目の入力チェックや追加・修正、検査に供されるべき検体容器の本数確認、各検体容器を使用する分析装置の種類確認等、種々の検査業務を行っている。
【0006】
しかしながら、画面に表示されたオーダ情報から所望の情報を得るためには、ある程度の慣れや熟練を要する場合があった。そのため、検査業務の熟練度に関わらず、どのようなユーザであっても表示画面を見て円滑に検査業務を遂行できるようにすることが望まれる。
また、上記特許文献1に記載の検査システムにおいては、検体のオーダ情報をどのように画面に表示するかについては一切考慮されていない。
【0007】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたものであり、表示部に表示された検査項目に関する情報を利用してユーザが検査業務を円滑に行い得る検査情報システムおよびこれに用いられるコンピュータプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の検査情報システムは、患者に対する検査オーダを受け付けるオーダ受付部と、特定の患者に対する検査オーダに含まれる複数の検査項目を示す画面を表示するための表示部と、前記複数の検査項目を分類表示するための第1表示形式および第2表示形式からいずれかの表示形式の選択を受け付ける選択受付部と、前記選択受付部が前記第1表示形式の選択を受け付けた場合には、第1の基準に基づき前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させ、前記選択受付部が前記第2表示形式の選択を受け付けた場合には、第2の基準に基づき前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させる表示制御部と、を備えることを特徴としている。
【0009】
この検査情報システムでは、第1および第2表示形式のなかから検査技師等のユーザが選択した表示形式で検査オーダに含まれる複数の検査項目を表示部に分類表示させることができる。したがって、ユーザは、自身が行おうとしている検査業務に適した表示形式を適宜選択することによって、円滑に検査業務を遂行することが可能となる。
【0010】
なお、「オーダ受付部」は、検査情報システムを構成するコンピュータ等の機器に対してユーザが直接入力した検査オーダを受け付ける構成であってもよいし、他の機器に入力され、当該他の機器から通信回線を介して送信された検査オーダを受信することによって受け付ける構成であってもよい。
【0011】
(2)前記選択受付部は、前記第1の基準に基づき前記複数の検査項目を分類表示する画面が前記表示部に表示されているときに、前記第2表示形式の選択を受け付け可能であり、前記表示制御部は、前記選択受付部が前記第2表示形式の選択を受け付けると、前記第2の基準に基づき前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させるものであってもよい。
【0012】
この構成によれば、一の表示形式で検査項目が表示されているときに、他の表示形式の選択を行うことで当該他の表示形式で検査項目を画面に表示することができる。そのため、ユーザは、種々の検査業務を行う度に、各検査業務に適した表示形式で複数の検査項目を分類表示することができる。
【0013】
(3)前記第1の基準は、検査を実施する検査部門の種類であり、前記第1表示形式は、前記複数の検査項目を、検査部門の種類別に分類表示する表示形式であってもよい。
このような構成によって、ユーザが表示部に表示された画面を見ることで、どの検査項目の検査がどの検査部門で実施されるのかを容易に把握することができる。そのため、例えば、検査項目の追加や修正を行う場合に、その旨をどの部門に対して連絡をすればよいかを容易に知ることができる。
なお、上記「検査部門」は、検査の種類や検体の種類等に応じて分類された部門、又は検査の種類や検査の緊急性等に応じて施設内で組織的に編成された部門とすることができ、検査情報システムを利用する医療機関等において任意に設定することが可能である。
【0014】
(4)前記検査部門は、生化学検査部門、血液検査部門、血液凝固検査部門、免疫検査部門、及び尿検査部門のいずれかを含むことができる。
ここで、生化学検査部門とは、血液検体の総蛋白量や臓器機能の指標である酵素活性等を測定する検査を行う検査部門をいう。血液検査部門とは、血液検体中の赤血球数・白血球数・血小板数やヘモグロビン濃度等の検査を行う検査部門をいう。血液凝固検査部門とは、血液検体に対して凝固機能の検査を行う検査部門をいう。免疫検査部門とは、血液検体を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカおよび甲状腺ホルモン等の項目の検査を行う検査部門をいう。尿検査部門とは、尿検体に対して、蛋白質、糖、赤血球の有無を判定する尿定性検査や、赤血球、白血球、上皮細胞、円柱、細菌を測定する尿沈渣検査を行う検査部門をいう。なお、血液検体としては、全血、血清、血漿等を用いることができる。
【0015】
(5)前記第1の基準は、検査を実施する検査装置の種類であり、前記第1表示形式は、前記複数の検査項目を、検査装置の種類別に分類表示する表示形式であってもよい。
このような構成によって、ユーザが表示部に表示された画面を見ることで、どの検査項目の検査がどの検査装置で実施されるのかを容易に把握することができる。
【0016】
(6)前記検査装置は、生化学分析装置、血球分析装置、血液凝固測定装置、免疫分析装置、及び尿分析装置のいずれかを含むことができる。
ここで、生化学分析装置とは、血液検体の総蛋白量や臓器機能の指標である酵素活性等を測定する装置をいう。血球分析装置とは、血液検体中の赤血球数・白血球数・血小板数やヘモグロビン濃度等の測定を行う装置をいう。血液凝固測定装置とは、血液検体に対して凝固機能の測定を行う装置をいう。免疫分析装置とは、血液検体を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカおよび甲状腺ホルモン等の項目を検査する装置をいう。尿分析装置とは、尿検体に対して蛋白質、糖、赤血球の有無を判定する尿定性検査を行うための装置、又は、赤血球、白血球、上皮細胞、円柱、細菌を測定する尿沈渣検査を行うための装置をいう。なお、血液検体としては、全血、血清、血漿等を用いることができる。
【0017】
(7)前記第2の基準は、検体容器を識別する識別番号であり、前記第2表示形式は、前記複数の検査項目を、検体容器の識別番号別に分類表示する表示形式であってもよい。
このような構成によって、ユーザが表示部に表示された画面を見ることで、検査に使用される検体容器の本数や、検体容器内の検体について実施される検査項目を容易に把握することができる。
【0018】
(8)前記表示制御部は、緊急に検査を行うことが必要である検査項目を識別可能に、前記複数の検査項目を示す画面を前記表示部に表示させるものであってもよい。
このような構成によって、ユーザは、緊急に検査する必要がある検査項目を容易に識別し、必要な対応を迅速に行うことができる。
【0019】
(9)前記表示制御部は、前記複数の検査項目が表示される検査項目表示領域と、検査項目の入力を行うための検査項目入力領域とを含む画面を前記表示部に表示させ、前記オーダ受付部は、前記検査項目入力領域で入力された検査項目を受け付けるものであってもよい。
この構成によれば、検査項目が表示される画面と同一の画面上で検査項目の入力を行うことができるため、既に入力された検査項目を確認しながら新たな検査項目の追加を行うことができ、検査業務におけるユーザの操作性を向上させることができる。
【0020】
(10)前記表示制御部は、前記第1の基準に基づき前記複数の検査項目を前記画面内の所定領域に分類表示させ、前記選択受付部が前記第2表示形式の選択を受け付けると、前記第1の基準に基づいて分類表示された前記複数の検査項目に切り替えて、前記第2の基準に基づき前記複数の検査項目を前記所定領域に分類表示させるものであってもよい。
このような構成によって、検査項目を表示するための表示面積を抑制することができ、表示部に表示された画面を他の情報の表示にも有効に活用することができる。
【0021】
(11) 前記画面は、前記第1および第2表示形式にそれぞれ対応した第1および第2タブを含み、前記選択受付部は、前記第1および第2タブの一方をユーザが選択することによって、前記表示形式の選択を受け付けるものであってもよい。
このような構成によって、ユーザは容易に表示形式を切り替えることができる。
【0022】
(12)本発明の検査情報システムは、前記オーダ受付部が受け付けた前記検査オーダを受信し、当該検査オーダに含まれる前記複数の検査項目に応じて患者の検体を検査し、取得した検査結果を送信する複数の検査装置と、前記複数の検査装置から送信された検査結果を受信する管理装置と、をさらに備えていることが好ましい。
【0023】
(13)本発明に係るコンピュータプログラムは、表示部に接続されたコンピュータを、患者に対する検査オーダを取得するオーダ取得手段、特定の患者に対する検査オーダに含まれる複数の検査項目を分類表示するための第1表示形式および第2表示形式からいずれかの表示形式の選択を受け付ける選択受付手段、及び、前記選択受付手段により前記第1表示形式の選択が受け付けられた場合には、第1の基準で前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させ、前記選択受付手段により前記第2表示形式の選択が受け付けられた場合には、第2の基準で前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させる表示制御手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、表示部に表示された検査項目に関する情報を利用して、ユーザが検査業務を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係る検体情報システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】サーバ管理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】サーバ管理装置の機能構成を示す図である。
【図4】検査項目の表示領域を含むオーダ登録画面を示す図である。
【図5】検査項目の表示領域についての他の表示形式を示す図である。
【図6】検査項目の表示領域についてのさらに他の表示形式を示す図である。
【図7】検査項目の修正操作画面を示す図である。
【図8】検査項目についての設定情報のデータ構造を示すテーブルである。
【図9】検体容器の一例を示す斜視図である。
【図10】サーバ管理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】サーバ管理装置における画面操作処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の実施の形態に係る検査情報システムの全体構成を示す概略図である。
本実施の形態における検査情報システム(分析システム)1は、病院の検査室等に設置され、検体の分析を行う分析装置(検査装置)3と、検査の情報や分析装置3を管理する管理システム2と、検査オーダの登録を受け付けるオーダリングシステム8とを有している。管理システム2は、サーバ管理装置5とクライアント管理装置4とを備えたクライアント/サーバ型システムであり、図に示す例では、1台のサーバ管理装置5と複数台(3台)のクライアント管理装置4とが通信回線7を介してデータ通信可能に接続されている。
【0027】
各クライアント管理装置4には、複数の分析装置3が接続されている。例えば、血球分析装置、血液凝固測定装置、生化学分析装置、免疫分析装置、尿中成分分析装置(尿分析装置)等の様々な種類の分析装置3がクライアント管理装置4に接続される。そして、あるクライアント管理装置4には、血液を検体とする検査を行うための複数の分析装置3が接続され、あるクライアント管理装置4には、尿を検体とする検査を行うための複数の分析装置3が接続される、というように、1つのクライアント装置4に、同一の検体を用いる複数の分析装置3を接続することができる。
【0028】
また、クライアント管理装置4には、検体を収容する検体容器10(図9参照)に貼付される採取ラベル12を印刷するラベルプリンタ(印刷装置)6が接続されている。なお、このラベルプリンタ6は、クライアント管理装置4に限らず、検体情報システム1内のネットワークに接続されていればよい。
【0029】
管理システム2は、病院のオーダリングシステム8と通信回線7を介して接続されている。医師は、患者に検査が必要であると判断すると、このオーダリングシステム8の端末に検査依頼(検査オーダ)を入力する。入力された検査オーダは、オーダリングシステム8のホストコンピュータ9に登録される。ホストコンピュータ9は、登録された検査オーダを管理システム2に送信し、サーバ管理装置5が検査オーダを受け付ける。クライアント管理装置4は、サーバ管理装置5に対して検査オーダを問い合わせ、サーバ管理装置5から受信した検査オーダに基づいて分析装置3に検査を実行させる。サーバ管理装置5は、分析装置3により得られた分析結果をクライアント管理装置4から受け取り、所定の形式に整えてオーダリングシステム8のホストコンピュータ9に登録することにより医師等に報告する。
【0030】
〔サーバ管理装置のハードウェア構成〕
図2は、サーバ管理装置のハードウェア構成を示す図である。サーバ管理装置5は、制御部5aと、タッチパネル式の表示部5bと、入力デバイス5cとを含むコンピュータ501によって構成されている。制御部5aは、主としてCPU501aと、ROM501b、RAM501c及びハードディスク501d等からなる記憶装置と、読出装置501eと、入出力インタフェース501fと、通信インタフェース501gと、画像出力インタフェース501hとから構成され、これらは、バス501iによって接続されている。
【0031】
ハードディスク501dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU401aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及びそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。本実施の形態では、検査情報の管理や分析装置3の管理に用いるアプリケーションプログラム504aがこのハードディスク501dにインストールされている。また、ハードディスク501dには、検査項目についての設定情報等の各種データが記憶されている。
【0032】
なお、ハードディスク501dには、検査項目についての設定情報として図8に示されるような情報が記憶されている。具体的には、検査情報システム1を導入した医療機関等において実施可能な全ての検査項目について、「項目コード」「項目名」「部門」「検体種別」「容器の種類」「子項目情報」が相互に対応付けられた状態で記憶されている。「子項目情報」は、該当する検査項目が、親子関係をもつ下位階層の項目を有している場合に設定されるものであり、例えば、親項目としての「CBC」(全血算)は、子項目として、「WBC」「RBC」「HGB」等を有しており、親項目としての「尿定性」は、子項目として「色調」「混濁」「PH」等を有している。
【0033】
図2に示されるように、画像出力インタフェース501hには、LCD又はCRT等の表示部5bが接続され、入出力インタフェース501fには、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイス5cが接続されている。
通信インタフェース501gは、例えば、Ethernet(登録商標)インタフェースであり、コンピュータ501は、その通信インタフェース501gによって、TCP/IPプロトコル等の所定の通信プロトコルを使用して他のコンピュータ(クライアント管理装置4やホストコンピュータ9)との間でデータの送受信が可能である。
【0034】
なお、クライアント管理装置4は、サーバ管理装置5と同様のコンピュータから構成されるため、詳細な説明は省略するが、クライアント管理装置4の入出力インタフェースには、ラベルプリンタ6や複数の分析装置3が接続される。また、クライアント管理装置4のハードディスクには、以下に説明するようなサーバ管理装置の機能構成を実現するためのアプリケーションプログラムがインストールされ、サーバ管理装置と略同様の機能を発揮することが可能である。
【0035】
〔サーバ管理装置の機能構成〕
図3は、サーバ管理装置の機能構成を示す図である。サーバ管理装置5は、制御部5aのCPU501aがハードディスク501dにインストールされたアプリケーションプログラム504aを実行することによって、図3に示す機能を発揮する。
具体的に、サーバ管理装置5は、検査オーダをオーダリングシステム8(図1参照)から取得したり、検査オーダの登録を直接受け付けるオーダ取得部(オーダ受付部)51と、取得した検査オーダに対する検査項目の追加等の修正を受け付けるオーダ修正受付部52とを有する。また、サーバ管理装置5は、表示部5bの画面(図4参照)に表示される検査項目の表示形式の選択を受け付ける選択受付部53と、この選択受付部53によって受け付けられた表示形式で検査項目を表示部5bに表示させる表示制御部54と、を有している。オーダ修正受付部52や選択受付部53としての機能は、図4に示される表示部5bの画面100を介して実行される。
【0036】
〔表示部における表示画面の構成〕
図4に示される画面100は、オーダリングシステム8のホストコンピュータ9から取得した検査オーダを表示するとともに、この検査オーダに対する検査項目の追加や修正を可能にするオーダ登録画面である。このオーダ登録画面100は、患者に関する情報を表示するための患者属性情報表示領域110、医師から依頼された検査オーダを表示する検査項目表示領域120、検査項目の追加や修正を行うための検査項目入力領域130、及びその他の表示領域を含む。
【0037】
患者属性情報表示領域110には、患者ID,氏名、生年月日等の患者個人を特定するための情報等が表示される。検査項目表示領域120には、患者属性情報表示領域110で特定された患者に対して医師から依頼された検査項目や検査技師等によって新たに追加された検査項目等、検査が実施される全ての検査項目が表示される。検査項目入力領域130には、検体情報システム1に備わった分析装置3によって実施可能な全ての検査項目が、内容の追加や修正が可能なように表示されている。
【0038】
具体的に、図4に示されている検査項目入力領域130には、検査項目コード(0101.00等の(4桁.2桁)の数字)と検査項目名(ALP、AST等)とが記載された複数のボタン131が縦横に整列して表示されている。また、検査項目入力領域130の右端には、「生化学」「血液・凝固」「尿・便」「免疫・他」「外部委託」等の検査の種類が表示された複数のタブ132が設けられており、選択されたタブ132に属する全ての検査項目が測定項目入力領域130に表示されている。
【0039】
また、検査項目入力領域130においては、検査依頼がなされていない検査項目のボタン131の背景色が例えば白色に表示され、検査依頼がなされている検査項目のボタン131の背景色が例えば黄色に表示される。また、検査依頼がなされている検査項目のうち、至急の検査が必要な検査項目については、検査項目コードや検査項目名の文字色が他のボタンの文字色(例えば、黒色)とは異なった、目立つ色(例えば、赤色)で表示される。したがって、この検査項目入力領域130には、全ての検査項目が表示されるが、ボタン131の背景色や文字色等によって依頼の状況が一目で把握できるように構成されている。
【0040】
この検査項目入力領域130を使用して検査項目の追加や修正を行うには、ユーザがマウス等の入力デバイス5cを用いて追加・修正しようとする検査項目のボタン131をクリック(選択)すればよい。例えば、検査項目を新たに追加する場合は、該当する検査項目のボタン131を1回クリックすることによって、当該検査項目に対する依頼を追加することができる。依頼を追加すると、ボタン131の背景色が白色から黄色に変化し、依頼が追加されたことを視覚的に認識することができる。さらに、当該ボタン131をもう一回クリックすると、検査項目名等の文字色が赤色となり、当該検査項目を「至急」の依頼にすることができる。また、「至急」の状態からさらにボタン131をもう一回クリックすると、再びボタン131の背景色が白色に変化し、当該検査項目を依頼無しの状態に戻すことができる。以降、ボタン131をクリックする度に「依頼有り」→「至急」→「依頼無し」の順で検査項目の依頼状況を入力することができる。
【0041】
また、既に「依頼」されている検査項目を修正する場合は、該当する検査項目のボタン131をクリックすることによって、当該ボタン131の文字色が黒色から赤色となり、当該検査項目を「至急」の依頼に修正することができる。また、当該ボタン131をもう一回クリックすることによって、検査項目名等の文字に取消線が付加され、依頼を取り消すことができる。さらに、当該ボタン131をもう一回することによって、通常の「依頼」の状態に戻すことができる。以降、ボタンをクリックする度に、「至急」→「依頼取消」→「依頼有り」の順で当該検査項目の依頼状況を修正することができる。
【0042】
なお、検査項目入力領域130を使用した依頼内容の追加・修正は、上記の方法に限られず、他の方法で行ってもよく、本実施の形態では、依頼内容の追加・修正のために他の方法の選択が可能とされている。具体的には、検査項目入力領域130の上部に設けられた「属性」「伝票」「参照入力」「コード入力」のタブ133を切り替えることによって、依頼内容の追加・修正の方法を選択することが可能となっている。上述した方法は「伝票」タブ133を選択したときの依頼内容の追加・修正の方法であり、例えば「コード入力」タブ133を選択したときには、検査技師等のユーザが直接、検査項目に対応するコードを入力することによって検査項目の追加や修正を行うことが可能となっている。
【0043】
ホストコンピュータ8に登録された検査オーダに含まれる検査項目や、上述の検査項目入力領域130から追加・修正された検査項目のうち、患者属性情報表示領域110で特定された患者の検体に対する検査項目は、全て検査項目表示領域120に表示される。そして、本実施の形態の検査項目表示領域120は、複数の検査項目を複数の表示形式で表示することができ、ユーザは複数の表示形式のなかからいずれかの表示形式を選択することが可能となっている。
【0044】
具体的に、本実施の形態では、検査項目表示領域120の上部には、「全項目」「検査部門」「バーコード」の3つのタブ121a〜121cが表示されており、この3つのタブ121a〜121cをマウス等の入力デバイス5cにより選択することで、3つの表示形式に切り替えて検査項目表示領域120に表示することができる。
【0045】
図4に示される検査項目表示領域120には、「全項目」タブ121aを選択した場合の表示形式(以下、「第1の表示形式」ともいう)で検査項目が表示されている。この「全項目」タブ121aによって表示される第1の表示形式は、依頼されている検査項目を一覧で列挙して表示するものである。
【0046】
具体的に、検査項目表示領域120には、「0102.00 AST」というように検査項目コードと検査項目名とが1セットで並べて表示されている。また、親子関係を有する項目同士は、ツリー構造(階層構造)で表示されている。例えば、親項目としての「CBC」の下位には、子項目としての「WBC」「RBC」「HGB」等が枝分かれするかたちで表示されている。
【0047】
このように検査が実施される全ての検査項目が一覧で表示されていると、例えば、医師から依頼された検査オーダの内容と、実際に装置に入力された検査項目とを照らし合わせてチェックする作業を容易に行うことができ、入力状況の把握や入力漏れの防止に役立てることができる。
【0048】
図5に示される検査項目表示領域120には、「検査部門」タブ121bを選択した場合の表示形式(以下、「第2の表示形式」ともいう)で検査項目が表示されている。この「検査部門」は、検査の種類や病院内の組織的な編成を基準として区分けされた分類とされる。図5に示される例では、「生化学」「血液」「凝固」「尿」「免疫」の5つの検査部門に分類して検査項目が表示されている。また、第2の表示形式においては、各検査部門を親として、下位に属する検査項目がツリー構造(階層構造)で表示されている。また、検査項目が子項目を有している場合には、その検査項目を親として子項目がツリー構造で表示される。ここで、生化学検査部門とは、血清中の総蛋白量や臓器機能の指標である酵素活性等を測定する検査を行う検査部門をいう。血液検査部門とは、全血中の赤血球数・白血球数・血小板数やヘモグロビン濃度等の検査を行う検査部門をいう。凝固検査部門とは、血漿に対して凝固機能の検査を行う検査部門をいう。尿検査部門とは、尿に対して、蛋白質、糖、赤血球の有無を判定する尿定性検査や、赤血球、白血球、上皮細胞、円柱、細菌を測定する尿沈渣検査を行う検査部門をいう。免疫検査部門とは、血清を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカおよび甲状腺ホルモン等の項目の検査を行う検査部門をいう。
【0049】
「検査部門」タブ121bを選択して表示される第2の表示形式においては、ユーザは、検査を実施する検査項目がどの検査部門に属しているのかを一目で把握することが可能である。そのため、ユーザは、例えば依頼内容を追加・修正した場合等に、どの検査部門に対してその旨を連絡したらよいかを即座に認識することができる。したがって、第2の表示形式は、検査部門別に検査室が分かれているような比較的大規模な施設において特に有用である。
【0050】
図6に示される検査項目表示領域120には、「バーコード」タブ121cを選択した場合の表示形式(以下、「第3の表示形式」ともいう)で検査項目が表示されている。この「バーコード」とは、図9に示されるように、患者から採取した検体を収容する検体容器10に付与された識別情報(識別番号)であり、採取ラベル12に印刷された状態で検体容器10に貼付されている。検査に使用される検体容器10の本数や検体容器10内に採取される検体の量は、医師等がホストコンピュータ9に登録した検査オーダや検査技師等がサーバ管理装置5等から追加・修正した検査項目に基づいて自動的に設定され、併せて各検体容器10に貼付される採取ラベル12がラベルプリンタ6によって印刷される。
【0051】
採取ラベル12には、検体番号を識別するためのバーコード11に加え、検体番号受付日、受付No、患者ID、患者氏名、検体容器の名称、検査項目等の属性情報(いずれも図示略)が印刷される。採血室等では、採取ラベル12を貼り付けた検体容器10に患者から採取した検体が収容され、検体収容済みの各検体容器は、検査が実施される検査室に搬送されて分析装置3にセットされる。
【0052】
図6に示されるように、第3の表示形式においては、検体容器に付された識別番号を基準にして複数の検査項目が分類表示されており、検体容器10に貼付されたバーコード11を表す番号と、その検体容器10に収容された検体について実施される検査項目とがツリー構造で表示されている。例えば、親項目としてのバーコード番号「10200101」の検体容器10の下位には、子項目としての「AST」「ALT」「ALB」等の検査項目が表示されている。また、検査項目が子項目を有している場合には、その検査項目を親として子項目がツリー構造で表示される。
【0053】
この「バーコード」タブ121cを選択して表示される第3の表示形式によって、ユーザは、各検体容器10がどの検査項目で使用されるかを一目で把握することができる。したがって、ある分析装置3で検査を行った後、次に検体容器10をどの分析装置3にセットすればよいかを容易に認識ことができる。また、第3の表示形式によって、ユーザは、検査に必要な検体容器10の本数をすぐに確認することができる。そのため、ユーザは、全ての検体容器10が検査室に届いているか否かを容易かつ迅速に判断することが可能となる。
【0054】
なお、図6において、バーコード番号に隣接する括弧書きの表示は、検体の種別と、検体容器10に装着されるキャップの色である。したがって、ユーザは、バーコード番号だけでなく、検体容器10に装着されたキャップの色で収容されている検体の種別を正確に把握することができる。
【0055】
図4〜図6に示す検査項目表示領域120における各検査項目の表示は、検査項目入力領域130と同様に、依頼の状況を視覚的に認識できるように構成されている。具体的に、検査項目が「至急」に設定されている場合、検査項目表示領域120における検査項目の文字色が、他の検査項目の文字色(例えば、黒色)とは異なった、目立つ色(例えば、赤色)で表示され、取り消された検査項目には、検査項目の文字に取消線が付加されるようになっている。
【0056】
また、本実施の形態では、検査項目表示領域120においても検査項目の依頼状況の修正が可能となっている。具体的には、修正しようとする検査項目を選択してマウスで右クリックすると、図7に示されるようなポップアップウィンドウ(修正操作画面)140が画面に表示され、このポップアップウィンドウ140に表示された項目を選択することによって、検査項目の依頼状況を修正することができる。
【0057】
また、図7に示されるポップウィンドウ140に表示された項目のうち、「至急」は、その検査項目が通常の依頼に設定されている場合にのみ選択することができ、「至急取消」は、その検査項目が「至急」に設定されている場合にのみ選択することができる。「再依頼」は、その検査項目が一旦取り消されて削除された場合にのみ選択することができる。
【0058】
なお、以上に説明したオーダ登録画面100の表示や検査項目の追加・修正の処理は、サーバ管理装置5だけでなくクライアント管理装置4においても実行することが可能である。
【0059】
次に、図10を参照して、上述したような検査項目の追加・修正作業や検査項目の表示形式の選択処理を含むサーバ管理装置5の処理手順について説明する。
まず、医師からの検査オーダは、オーダリングシステム9におけるホストコンピュータ9に登録された状態にあり、サーバ管理装置5の制御部5aは、ステップS1において、検査オーダをホストコンピュータ9から受信したか否か(受け付けたか否か)を判断する。制御部5aは、検査オーダを受信したと判断した場合には、ステップS2に処理を進め、受信しなかったと判断した場合には、ステップS3に処理を進める。そして、ステップS2において、制御部5aは、受信した検査オーダをハードディスク501d等の記憶装置に記憶する処理を行う。
【0060】
次いで、ステップS3において、制御部5aは、サーバ管理装置5の表示部5bにオーダ登録画面100(図4参照)が表示されているかを判断し、表示されていると判断した場合には、ステップS6に処理を進め、表示されていないと判断した場合にはステップS4に処理を進める。ステップS4において、制御部5aは、オーダ登録画面100の表示指示を受け付けたか否かを判断し、受け付けたと判断した場合には処理をステップS5に進めて表示部5bにオーダ登録画面100を表示する。制御部5aは、オーダ登録画面100の表示指示を受け付けいないと判断した場合はステップS7に処理を進める。
【0061】
ステップS6において、制御部5aは、以下に説明する画面操作処理を実行する。
図11は、画面操作処理の手順を示すフローチャートである。制御部5aは、ステップS601において、新規に患者IDの入力があったか否かを判断し、入力があったと判断した場合には処理をステップS602に進め、入力がなかったと判断した場合には処理をステップS603に進める。患者IDの入力は、オーダ登録画面100の「属性」タブ133が選択された際に検査項目入力領域130に表示される画面で行うことができる。
【0062】
ステップS602において、制御部5aは、表示部5bに対して患者IDに対応する情報の表示をオーダ登録画面100に表示する。
次いで、ステップS603において、制御部5aは、患者IDの変更があったか否かを判断し、変更があったと判断した場合にはステップS602に処理を戻し、変更がなかったと判断した場合にはステップS604に処理を進める。
【0063】
ステップS604において、制御部5aは、検査項目表示領域120(図4参照)において「検査部門」タブ121bが選択されたか否かを判断し、選択されたと判断した場合には、ステップS605において検査項目表示領域120に検査部門別に(検査部門の種類を基準として)複数の検査項目を分類表示し(図5参照)、ステップS610に処理を進める。
「検査部門」タブが選択されなかったと判断した場合には、制御部5aは、ステップS606において、「バーコード」タブ121cが選択されたか否かを判断する。「バーコード」タブ121cが選択されたと判断した場合には、ステップS607において、制御部5aは、表示部5bに表示された検査項目表示領域120にバーコード別に(バーコード番号を基準として)複数の検査項目を分類表示し(図6参照)、ステップS610に処理を進める。
【0064】
ステップS606において、制御部5aは、「バーコード」タブ121cが選択されなかったと判断した場合、ステップS608において、「全項目」タブ121aが選択されたか否かを判断する。制御部5aは、「全項目」タブ121aが選択されたと判断した場合には、表示部5bに表示された検査項目表示領域120に全項目の表示形式(図4参照)で検査項目を表示してステップS610に処理を進め、選択されなかったと判断した場合にもステップS610に処理を進める。
【0065】
ステップS610において、制御部5aは、検査項目入力領域130(図4参照)を介して検査項目の追加の入力があったか否かを判断する。検査項目の追加の入力があったと判断した場合、制御部5aは、追加された検査項目を記憶装置に記憶する処理を行うとともに、表示部5bに表示されている検査項目入力領域130及び検査項目表示領域120に検査項目の追加を反映した表示を行い(ステップS611)、ステップS612に処理を進める。制御部5aは、検査項目の追加の入力がなかったと判断した場合にも、ステップS612に処理を進める。
【0066】
次いで、ステップS612において、制御部5aは、検査項目入力領域130や検査項目表示領域120を介して検査項目の削除の指示があったか否かを判断する。制御部5aは、検査項目の削除の指示があったと判断した場合、当該検査項目を記憶装置から削除する処理を行うとともに、表示部5bに表示されている検査項目入力領域130及び検査項目表示領域120に対して検査項目の削除を反映した表示、すなわち取消線の表示を行い(ステップS613)、ステップS614に処理を進める。制御部5aは、検査項目の削除の指示がなかったと判断した場合にも、ステップS614に処理を進める。
【0067】
次いで、ステップS614において、制御部5aは、検査項目入力領域130や検査項目表示領域120を介して検査項目を「至急」に設定する指示があったか否かを判断する。制御部5aは、検査項目を至急に設定する指示があったと判断した場合、表示部5bに表示されている検査項目入力領域130及び検査項目表示領域120に対して至急の設定を反映する表示、すなわち当該検査項目のコード及び名称の文字色を変更する処理を行い(ステップS615)、ステップS616に処理を進める。制御部5aは、至急に設定する指示がなかったと判断した場合にも、ステップS616に処理を進める。
【0068】
次いで、ステップS616において、制御部5aは、オーダ登録画面100の表示終了指示を受け付けたか否かを判断する。制御部5aは、オーダ登録画面100の表示終了指示を受け付けたと判断した場合、表示部5bに表示されているオーダ登録画面100を閉じて処理をリターンし、オーダ登録画面100の表示終了指示を受け付けなかったと判断した場合にはそのまま処理をリターンする。
【0069】
分析装置3は、検査を開始するときに図9に示される検体容器10に貼付されたバーコード11を読み取り、この分析装置3が接続されたクライアント管理装置4は、そのバーコード11が貼付された検体容器10についての検査オーダの問い合わせをサーバ管理装置5に対して行う。
サーバ管理装置5の制御部5aは、図10のステップS7において、クライアント管理装置4からの検査オーダの問い合わせを受信したか否かを判断する。制御部5aは、検査オーダの問い合わせを受信したと判断した場合、ステップS8において検査オーダをクライアント管理装置4に送信したあとステップS9に処理を進め、検査オーダの問い合わせを受信しなかったと判断した場合にも、ステップS9に処理を進める。
【0070】
ステップS9において、サーバ管理装置5の制御部5aは、クライアント管理装置4から検査結果を受信したか否かを判断する。制御部5aは、検査結果を受信したと判断した場合、ステップS10において当該検査結果を記憶装置に記憶する処理を行ったのち、ステップS11に処理を進め、検査結果を受信しなかったと判断した場合にも、ステップS11に処理を進める。
【0071】
ステップS11において、制御部5aは、シャットダウン指示を受け付けたか否かを判断し、シャットダウン指示を受け付けたと判断した場合には、サーバ管理装置5のシャットダウンを実行し、シャットダウン指示を受け付けなかったと判断した場合には、ステップS1に処理を戻し、ステップS1〜ステップS11の処理を繰り返す。
【0072】
以上、説明したように本実施の形態の検査情報システム1では、サーバ管理装置5の表示部5bに表示される検査項目表示領域120に、特定の患者の検査オーダに含まれる複数の検査項目をユーザに選択された基準で分類表示することができるので、ユーザが行う種々の検査業務、例えば、検査項目の追加・修正、検体容器の本数の確認、検査室への検体容器の到着状況の確認等を円滑に行うことができる。そのため、検査業務の熟練度に関わらず、どのようなユーザであっても円滑な検査業務の遂行が可能となる。
【0073】
また、本実施の形態の検査情報システム1では、サーバ管理装置5の表示部5bに検査項目表示領域120と検査項目入力領域130とが同時に表示されている。そのため、既に依頼が入力されて検査項目表示領域120に表示されている検査項目を確認しながら、新たな検査項目の追加や既に入力された検査項目の修正を行うことができ、検査項目の追加・修正作業の操作性、正確性を高めることができる。
【0074】
また、検査項目表示領域120には、複数の表示形式が切り替えて表示されるので、各表示形式を同時に一つの画面に表示する場合に比べて検査項目表示領域120の表示面積を抑制することができ、表示部5bにおける表示画面を他の情報の表示にも有効に活用することができる。
また、ユーザは、検査項目表示領域120のタブ121a〜121cを選択することによって複数の表示形式を容易に切り替えることができる。
【0075】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において適宜変更することが可能である。
例えば、表示部5bに表示されたオーダ登録画面100(図4参照)における検査項目表示領域120の表示形式は、「全項目」「検査部門」「バーコード」の3種類とされているが、2種類又は4種類以上とされていてもよい。例えば、これらの3種類に加えて又はその一部に代えて、「分析装置」の表示形式を設けてもよく、生化学分析装置、血球分析装置、血液凝固測定装置、尿分析装置、免疫分析装置等の分析装置の種類を基準として、実施される検査項目をツリー構造で分類して表示してもよい。また、「検体種別」の表示形式を設けてもよく、「全血」「血清」「血漿」「尿」等の検体種別を基準として、実施される検査項目をツリー構造で分類して表示してもよい。
【0076】
また、検査項目表示領域120における表示形式の切り替えは、タブ121a〜121cの選択による方法に限定されるものではなく、画面上に別途設けられた切り替えボタンをクリックしたり、キーボードを利用して表示を切り替えたりする方法を採用することもできる。
上記実施の形態において、図5に示されるような検査項目表示領域120における「検査部門」毎の表示形式(第2の表示形式)では、「生化学」「血液」「凝固」「尿」「免疫」の5種類の検査部門に分類されているが、これらに限定されるものではない。また、「生化学・免疫」といったように、同一の検体を使用する検査をまとめて一つの検査部門に分類してもよい。また、各検査部門の呼称についても限定されるものではなく、検査情報システム1を導入した医療機関等に応じた呼称とすることができる。
【0077】
また、「検査部門」は、検査の種類によって分類されたものに限らず、例えば、病院内の組織編成に応じて分類された部門であってもよい。また、各検査部門に属する分析装置は1台であってもよいし複数台であってもよい。
【0078】
上記実施の形態において、検査情報システム1は、ホストコンピュータ9を有するオーダリングシステム8を含んでいるが、これを含まない構成であってもよい。この場合、サーバ管理装置5は、オーダ取得部(オーダ受付部)51(図3参照)の機能により、医師等から依頼された検査オーダの登録(入力)を直接受け付けることができる。
また、上記実施の形態では、サーバ管理装置5とクライアント管理装置4との両方が、オーダ登録画面100の表示や検査項目の追加・修正の機能を備えているが、一方のみが当該機能を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 検査情報システム
3 分析装置
4 クライアント管理装置
5 サーバ管理装置
5b 表示部
10 検体容器
11 バーコード(識別情報)
51 オーダ取得部(オーダ受付部)
53 選択受付部
54 表示制御部
100 オーダ登録画面
120 検査項目表示領域
130 検査項目入力領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に対する検査オーダを受け付けるオーダ受付部と、
特定の患者に対する検査オーダに含まれる複数の検査項目を示す画面を表示するための表示部と、
前記複数の検査項目を分類表示するための第1表示形式および第2表示形式からいずれかの表示形式の選択を受け付ける選択受付部と、
前記選択受付部が前記第1表示形式の選択を受け付けた場合には、第1の基準に基づき前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させ、前記選択受付部が前記第2表示形式の選択を受け付けた場合には、第2の基準に基づき前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させる表示制御部と、を備える検査情報システム。
【請求項2】
前記選択受付部は、前記第1の基準に基づき前記複数の検査項目を分類表示する画面が前記表示部に表示されているときに、前記第2表示形式の選択を受け付け可能であり、
前記表示制御部は、前記選択受付部が前記第2表示形式の選択を受け付けると、前記第2の基準に基づき前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の検査情報システム。
【請求項3】
前記第1の基準は、検査を実施する検査部門の種類であり、
前記第1表示形式は、前記複数の検査項目を、検査部門の種類別に分類表示する表示形式である、請求項1または2に記載の検査情報システム。
【請求項4】
前記検査部門は、生化学検査部門、血液検査部門、血液凝固検査部門、免疫検査部門、及び尿検査部門のいずれかを含む、請求項3に記載の検査情報システム。
【請求項5】
前記第1の基準は、検査を実施する検査装置の種類であり、
前記第1表示形式は、前記複数の検査項目を、検査装置の種類別に分類表示する表示形式である、請求項1または2に記載の検査情報システム。
【請求項6】
前記検査装置は、生化学分析装置、血球分析装置、血液凝固測定装置、免疫分析装置、及び尿分析装置のいずれかを含む、請求項5に記載の検査情報システム。
【請求項7】
前記第2の基準は、検体容器を識別する識別番号であり、
前記第2表示形式は、前記複数の検査項目を、検体容器の識別番号別に分類表示する表示形式である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の検査情報システム。
【請求項8】
前記表示制御部は、緊急に検査を行うことが必要である検査項目を識別可能に、前記複数の検査項目を示す画面を前記表示部に表示させる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の検査情報システム。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記複数の検査項目が表示される検査項目表示領域と、検査項目の入力を行うための検査項目入力領域とを含む画面を前記表示部に表示させ、
前記オーダ受付部は、前記検査項目入力領域で入力された検査項目を受け付ける、請求項1〜8のいずれか1項に記載の検査情報システム。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記第1の基準に基づき前記複数の検査項目を前記画面内の所定領域に分類表示させ、前記選択受付部が前記第2表示形式の選択を受け付けると、前記第1の基準に基づいて分類表示された前記複数の検査項目に切り替えて、前記第2の基準に基づき前記複数の検査項目を前記所定領域に分類表示させる、請求項2に記載の検査情報システム。
【請求項11】
前記画面は、前記第1および第2表示形式にそれぞれ対応した第1および第2タブを含み、
前記選択受付部は、前記第1および第2タブの一方をユーザが選択することによって、前記表示形式の選択を受け付ける、請求項10に記載の検査情報システム。
【請求項12】
前記オーダ受付部が受け付けた前記検査オーダを受信し、当該検査オーダに含まれる前記複数の検査項目に応じて患者の検体を検査し、取得した検査結果を送信する複数の検査装置と、
前記複数の検査装置から送信された検査結果を受信する管理装置と、をさらに備える請求項1〜11のいずれかに記載の検査情報システム。
【請求項13】
表示部に接続されたコンピュータを、
患者に対する検査オーダを取得するオーダ取得手段、
特定の患者に対する検査オーダに含まれる複数の検査項目を分類表示するための第1表示形式および第2表示形式からいずれかの表示形式の選択を受け付ける選択受付手段、及び、
前記選択受付手段により前記第1表示形式の選択が受け付けられた場合には、第1の基準で前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させ、前記選択受付手段により前記第2表示形式の選択が受け付けられた場合には、第2の基準で前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させる表示制御手段、として機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項1】
患者に対する検査オーダを受け付けるオーダ受付部と、
特定の患者に対する検査オーダに含まれる複数の検査項目を示す画面を表示するための表示部と、
前記複数の検査項目を分類表示するための第1表示形式および第2表示形式からいずれかの表示形式の選択を受け付ける選択受付部と、
前記選択受付部が前記第1表示形式の選択を受け付けた場合には、第1の基準に基づき前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させ、前記選択受付部が前記第2表示形式の選択を受け付けた場合には、第2の基準に基づき前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させる表示制御部と、を備える検査情報システム。
【請求項2】
前記選択受付部は、前記第1の基準に基づき前記複数の検査項目を分類表示する画面が前記表示部に表示されているときに、前記第2表示形式の選択を受け付け可能であり、
前記表示制御部は、前記選択受付部が前記第2表示形式の選択を受け付けると、前記第2の基準に基づき前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の検査情報システム。
【請求項3】
前記第1の基準は、検査を実施する検査部門の種類であり、
前記第1表示形式は、前記複数の検査項目を、検査部門の種類別に分類表示する表示形式である、請求項1または2に記載の検査情報システム。
【請求項4】
前記検査部門は、生化学検査部門、血液検査部門、血液凝固検査部門、免疫検査部門、及び尿検査部門のいずれかを含む、請求項3に記載の検査情報システム。
【請求項5】
前記第1の基準は、検査を実施する検査装置の種類であり、
前記第1表示形式は、前記複数の検査項目を、検査装置の種類別に分類表示する表示形式である、請求項1または2に記載の検査情報システム。
【請求項6】
前記検査装置は、生化学分析装置、血球分析装置、血液凝固測定装置、免疫分析装置、及び尿分析装置のいずれかを含む、請求項5に記載の検査情報システム。
【請求項7】
前記第2の基準は、検体容器を識別する識別番号であり、
前記第2表示形式は、前記複数の検査項目を、検体容器の識別番号別に分類表示する表示形式である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の検査情報システム。
【請求項8】
前記表示制御部は、緊急に検査を行うことが必要である検査項目を識別可能に、前記複数の検査項目を示す画面を前記表示部に表示させる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の検査情報システム。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記複数の検査項目が表示される検査項目表示領域と、検査項目の入力を行うための検査項目入力領域とを含む画面を前記表示部に表示させ、
前記オーダ受付部は、前記検査項目入力領域で入力された検査項目を受け付ける、請求項1〜8のいずれか1項に記載の検査情報システム。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記第1の基準に基づき前記複数の検査項目を前記画面内の所定領域に分類表示させ、前記選択受付部が前記第2表示形式の選択を受け付けると、前記第1の基準に基づいて分類表示された前記複数の検査項目に切り替えて、前記第2の基準に基づき前記複数の検査項目を前記所定領域に分類表示させる、請求項2に記載の検査情報システム。
【請求項11】
前記画面は、前記第1および第2表示形式にそれぞれ対応した第1および第2タブを含み、
前記選択受付部は、前記第1および第2タブの一方をユーザが選択することによって、前記表示形式の選択を受け付ける、請求項10に記載の検査情報システム。
【請求項12】
前記オーダ受付部が受け付けた前記検査オーダを受信し、当該検査オーダに含まれる前記複数の検査項目に応じて患者の検体を検査し、取得した検査結果を送信する複数の検査装置と、
前記複数の検査装置から送信された検査結果を受信する管理装置と、をさらに備える請求項1〜11のいずれかに記載の検査情報システム。
【請求項13】
表示部に接続されたコンピュータを、
患者に対する検査オーダを取得するオーダ取得手段、
特定の患者に対する検査オーダに含まれる複数の検査項目を分類表示するための第1表示形式および第2表示形式からいずれかの表示形式の選択を受け付ける選択受付手段、及び、
前記選択受付手段により前記第1表示形式の選択が受け付けられた場合には、第1の基準で前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させ、前記選択受付手段により前記第2表示形式の選択が受け付けられた場合には、第2の基準で前記複数の検査項目を分類表示する画面を前記表示部に表示させる表示制御手段、として機能させるためのコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−21815(P2012−21815A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158183(P2010−158183)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
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