説明

検査用チップ収納体とその包装体

【課題】検査時に、手がチップに触れることのない、チップ収納体を提供することを目的とする。また、長期間保存しても、チップ内に収納された試験紙が、吸湿などにより劣化しない、チップ収納体包装体を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン樹脂からなる円筒状容器に、検査薬が含まれる試験紙が装填されているチップを収めたことを特徴とする。また、更に、前記ポリオレフィン樹脂からなる円筒状容器が、シリカゲル、塩化カルシウム、ゼオライト、生石灰、酸化アルミニウム、硫酸マグネシウム、焼き明礬の中から選ばれる1種成分、或いは混合成分からなる乾燥剤を、重量比で5%以上、70%以下の混合比で、ポリオレフィン樹脂に練り込んだ混合樹脂からなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査用チップ収納体とその包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ノロウイルス、性病、インフルエンザ、糖尿病、ピロリ菌、各種アレルギー、血糖値などの疾病に対する人体の状態を、簡易的に検査する医療用の検査キットが使用されるようになってきている。
【0003】
各種疾病の状態を確認する検査キットは、繰り返し、何回も検査する必要性から1回の使用で使い捨てする検査薬を含む試験紙が装填されているチップと、繰り返し測定できる検査機本体を分離することでコストを下げることが求められている。
【0004】
一方、使用時に手で触れることで、汗、汚れ、水分などにより、チップや或いは試験紙が汚染され、検査精度に影響を及ぼす恐れがあり、直接チップを振れない包装材料が求められている。
【0005】
更に、薬剤の水分による分解、反応などによる劣化が生じて起きる、検査精度のバラツキをなくすため、チップに使用される包装材料には防湿性が求められることが多い。
【0006】
チップに装填されている試験紙が剥き出しになっていると、使用状況によっては手で触れてしまう恐れがある。また、防湿目的でアルミ包材を外装として使用し、乾燥剤をチップとともに同封し密封することで、吸湿の影響をなくすことができるが、この場合は、包装後に乾燥剤が同封されたか否かの確認ができない問題がある。
【0007】
検査薬が含まれる試験紙はチップ内部に装填し、更にチップと乾燥剤をカップ成型物に装填しているため、直接手で触れることがない。但し、カップ成型物内部には乾燥剤を同封し密封しているため、包装後に乾燥剤が同封されたかの確認ができない問題があるとともに、カップ自体の防湿性は高いものの、長時間のうちに徐々に吸湿するため、製造から使用までの試用期間に制約が出てしまう問題がある。
【0008】
公知文献を以下に示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−104514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
検査時に、手が試験紙を内蔵する成分測定用容器(以下、単に「チップ」と言う)に触れることのない、チップ収納体を提供することを目的とする。また、長期間保存しても、チップ内に収納された試験紙が、吸湿などにより劣化しない、チップ収納体包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、請求項1の発明は、ポリオレフィン樹脂からなる円筒状容器に、検査薬が含まれる試験紙が装填されているチップを収めたことを特徴とする検査用チップ収納体である。
【0012】
本発明の検査用チップ収納体は、ポリオレフィン樹脂からなる円筒状容器に、検査薬が含まれる試験紙が装填されているチップを収められているので、チップを手で触れることがなく、チップや試験紙を汚染することがない。
【0013】
本発明の請求項2の発明は、前記ポリオレフィン樹脂からなる円筒状容器が、シリカゲル、塩化カルシウム、ゼオライト、生石灰、酸化アルミニウム、硫酸マグネシウム、焼き明礬の中から選ばれる1種成分、或いは混合成分からなる乾燥剤を、重量比で5%以上、70%以下の混合比で、ポリオレフィン樹脂に練り込んだ混合樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の検査用チップ収納体である。
【0014】
本発明はさらに、上記のような、混合樹脂で円筒状容器ができているので、これを更に包装して、保管しても、外気からの吸湿により、試験紙が劣化することがない。
【0015】
本発明の請求項3の発明は、請求項1または2に記載の検査用チップ収納体が、水蒸気透過度が0.1g/m/day以下の包装材料で包装されていることを特徴とするチップ収納体包装体である。
【0016】
本発明は、検査用チップ収納体を、水蒸気透過度が0.1g/m/day以下の包装材料で包装しているチップ収納体包装体であるので、保管しても、外気からの吸湿により、試験紙が劣化することがない。
【0017】
本発明の請求項4の発明は、請求項1または2に記載の検査用チップ収納体が、円筒形状に成型された包装材料に包装されていることを特徴とするチップ収納体包装体である。
【0018】
本発明のチップ収納体包装体は、円筒形状のチップ収納体を、円筒形状に成型した包装材料で包装しているので、固定されていて、輸送などで、ゆれてもずれることが無く、破損する恐れがない。
【0019】
本発明の請求項5の発明は、前記包装材料が、シリカゲル、塩化カルシウム、ゼオライト、生石灰、酸化アルミニウム、硫酸マグネシウム、焼き明礬の中から選ばれる、1種の、或いは、2種以上を混合した、成分からなる乾燥剤を、重量比で5%以上、70%以下になるように、ポリオレフィン樹脂に錬り込んだ混合樹脂を含む層を積層した包装材料であることを特徴とする請求項3または4に記載のチップ収納体包装体である。
【0020】
本発明はさらに、上記のような、混合樹脂を含む層を積層した包装材料で包装されているので、これを保管しても、外気からの吸湿により、試験紙が劣化することがない。
【発明の効果】
【0021】
本発明の検査用チップ収納体は、ポリオレフィン樹脂からなる円筒(チューブ)形状の容器内に、検査薬が含まれる試験紙を装填されているチップを収められているので、チップを手で触れることがなくなる。
【0022】
また、本発明のチップ収納体包装体は、円筒状容器、または外装、或いはその両方に乾燥剤を錬り込んだ樹脂を使用することで、吸湿による試験紙の性能劣化をなくすことができるとともに、乾燥剤を使用している場合の乾燥剤装填ミスの心配がない。また、包装材料を成形することで、輸送などで、ゆれてもずれることが無く、破損する恐れがない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の検査用チップ収納体の一例の説明図である。
【図2】本発明の検査用チップ収納体が収納されたチップ収納体包装体の一例を説明する平面図である。
【図3】本発明の検査用チップ収納体が収納されたチップ収納体包装体の一例を説明する正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下本発明を実施するための形態につき説明する。
図1は、本発明の検査用チップ収納体の一例の説明図、図2は、本発明の検査用チップ収納体が収納されたチップ収納体包装体の一例を説明する平面図、図3は、本発明の検査用チップ収納体が収納されたチップ収納体包装体の一例を説明する正面図である。
【0025】
検査用チップ収納体1には、検査薬が含まれる試験紙(図示せず)が装填されている容器(チップ)2が円筒状容器3に収められている。そして、検査用チップ収納体1は、包装材料4に包まれている。すなわち、チップ2が収められた円筒状容器3が、包装材料4に包まれていて、一体となって、チップ収納体包装体5となっている。
【0026】
包装材料4は、図3のように、上下2枚の包装材料4が一体となって、円筒形状になるように成型されていて、円筒状容器3が略密着して包装されている。
【0027】
検査用チップ収納体1に用いられる、円筒状容器3を成型するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、シクロペンタジエンやノルボルネンなどの環状オレフィンを共重合させた、エチレン−環状オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはその部分または完全けん化物、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体あるいはこのエステル化物、あるいはイオン架橋物、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体などから選定することが可能である。
【0028】
また、これらポリオレフィン樹脂の2種以上のブレンド物でも構わない。これらのポリオレフィン樹脂には、さらに各種添加剤、例えば酸化防止剤、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、分散剤、光安定剤など各種添加剤を配合してもかまわない。
【0029】
また、円筒状容器3に水分吸収機能を付与する場合は、ポリオレフィン樹脂に無機化合物からなる乾燥剤を練り込んだ混合樹脂で円筒状容器3を成型することで実現できる。この無機化合物を配合した混合樹脂の製造方法としては、目的に応じた水分吸収性能を有する無機化合物を5〜70wt%、ポリオレフィン樹脂30〜95wt%になるように調整した材料をリボンミキサー、タンブラーミキサー、ヘンシェルミキサーなどを用いてドライブレンドし、単軸押出機、二軸押出機などの押出機、バンバリーなどの混練機を用いて、融点以上280℃以下、好ましくは260℃以下で混練することで得られる。
【0030】
無機化合物からなる乾燥剤としては水分を吸収する能力を有するシリカゲル、塩化カルシウム、ゼオライト、生石灰、酸化アルミニウム、硫酸マグネシウム、焼き明礬などが好ましいが、更に好ましくは、吸収能力や吸収速度などの加工性から生石灰が良い。
【0031】
乾燥剤とポリオレフィン樹脂を配合した混合樹脂には、分散剤としてポリオレフィン系ワックスなど、乾燥剤の表面処理剤として脂肪酸として分岐脂肪酸、環状脂肪酸、ヒドロキシル脂肪酸など、任意で添加剤を使用することができる。
【0032】
本発明に用いる円筒状容器3は中空のチューブ容器でも、底があるカップ容器でもかま
わない。円筒状容器3は、その容器内部にチップ2が装填できることが重要であり、また加工、流通、使用時において変形などの問題がないように、適宜、厚み内径、外径、長さを設定すれば良い。更には水分吸収能力を要望する場合には、目的とする吸収能力に満たすように乾燥材料を、或いは、厚みを設定すればよい。
【0033】
円筒状容器3の製造方法としては、目的とする形状、厚みよって、射出成形、異型押出成形、真空・圧空成形、プレス成型などの各種成形法により得ることができる。
【0034】
検査用チップ収納体1の外装材として使用する包装材料4は、目的とする防湿性能に合わせて、高分子樹脂フィルム、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム、無機酸化物蒸着フィルムなどを積層したものから適宜選定できるが、防湿性、成型性などからアルミニウム箔を積層することが好ましい。
【0035】
その場合、アルミニウム箔の外層に2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)、2軸延伸ナイロン(Ny)などの基材フィルムを、接着剤を介して貼り合せてもかまわない。
【0036】
また、ヒートシール性を付与するために、未延伸ポリプロピレン(CPP)、あるいは、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)などの未延伸のポリエチレン(PE)等のポリオレフィンフィルムをシーラントフィルムとして接着剤を介して貼り合せるたり、或いは押出しラミネートにて貼り合せるなどしてもかまわない。同じくヒートシール性を付与するために、ホットメルト樹脂や各種ヒートシール性ラッカー剤を塗布してもかまわない。
【0037】
包装材料4に水分吸収機能を付与するためには、シーラントフィルムとして乾燥剤を配合したポリオレフィンフィルムを貼り合せてもかまわない。この場合、ポリオレフィン樹脂に無機化合物からなる乾燥剤を練り込んだ樹脂をフィルム化することで実現できる。
【0038】
水分吸収機能を有する無機化合物を配合した樹脂の製造方法としては、目的に応じた水分吸収性能を有する無機化合物を5〜70wt%、熱可塑性樹脂30〜95wt%になるように調整した材料をリボンミキサー、タンブラーミキサー、ヘンシェルミキサーなどを用いてドライブレンドし、単軸押出機、二軸押出機などの押出機、バンバリーなどの混練機を用いて、融点以上280℃以下、好ましくは260℃以下で混練することで得られる。
【0039】
乾燥剤としては水分を吸収する能力を有する
シリカゲル、塩化カルシウム、ゼオライト、生石灰、酸化アルミニウム、硫酸マグネシウムや、焼き明礬などが好ましいが、特に好ましくは、吸収能力や吸収速度などの加工性から生石灰が良い。
【0040】
乾燥剤とポリオレフィン樹脂を配合した混合樹脂には、分散剤としてポリオレフィン系ワックスなど、乾燥剤の表面処理剤として脂肪酸として分岐脂肪酸、環状脂肪酸、ヒドロキシル脂肪酸など、任意で添加剤を使用することができる。
【0041】
フィルムの厚み、内部の層構成、乾燥剤の配合量は、目的とする水分吸収能力や製膜加工のしやすさなどから、適宜、設定すればよい。水分吸収機能を付与したシーラントフィルムは、包材の加工性から、好ましくは約10〜100μmの厚み範囲がよく、インフレーション製膜、Tダイキャスト製膜等の各種製膜法により得られるが、これに限定されるものではない。
【0042】
層構成としては、加工性、衛生性の点から最内層に乾燥剤が練り込まれた層がないことが好ましく、3層以上の共押しフィルムの中間層に設定することが好ましい。外装に充填された検査用チップ収納体1が外装内で動かないようにするため、外装に用いる包装材料4を検査用チップ収納体1の形状に合わせて成型することができる。
【0043】
包装材料4の成型方法は真空・圧空成形、プレス成型などの各種成形法に制限はないが、検査用チップ収納体1を装填する充填機内で熱プレスにて成型することが好ましい。包装材料4の成型形態としては、検査用チップ収納体1の円筒状容器を2つに切ったような、断面が半円状の溝を上下2枚の包装材料4にそれぞれ形成して、下方の包装材料4に円筒状容器を装填し、その後、上方の包装材料4をかぶせ、熱圧着し、密封することで製造することが可能である。
【0044】
チップ2を装填した円筒状容器3からなる検査用チップ収納体1を充填した包装材料4には、検査用チップ収納体1の円筒の端部で包装材料4が開封できるように包装材料4にミシン目加工などの易カット加工を施すことも好ましい。
【実施例】
【0045】
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
【0046】
<チップ2>
外径10mmで、長さ15mmの中空の円筒形状チップをポリプロピレンにて作成した。
【0047】
<円筒状容器3>
(A)外径11.5mm、内径10.5mmで、長さ15mmの中空の円筒状容器3をポリプロピレンにて作成した。
(B)形状は(A)と同じ中空の円筒状容器3で、ポリプロピレンの単体樹脂ではなく、生石灰を50wt%配合したポリエチレンの混合樹脂で作成した。
【0048】
<包装材料4>
(a−1)PET50μmとアルミニウム箔30μmとLLDPE60μmを、この順にそれぞれドライラミネート接着剤を介して積層した包装材料を用いた。
(a−2)a−1に用いた包装材料2枚をそれぞれ、熱プレスにて、円筒状容器を2つに切ったような断面が半円状の溝を上下2枚の包装材料にそれぞれ形成して用いた。
(b−1)a−1に用いた包装材料のLLDPE60μmを、生石灰50wt%を配合したLLDPE60μmに変え、その他は、a−1と同様の包装材料を用いた。
(b−2)b−1に用いた包装材料2枚をそれぞれ、熱プレスにて、円筒状容器を2つに切った、断面が半円状の溝を上下2枚の包装材料にそれぞれ形成して用いた。
尚、水蒸気透過度は、いずれの外装容器も0.1g/m/day以下である。
【0049】
<実施例1>
チップ2を(A)の円筒状容器3に装填し、(a−1)の包装材料4で4方シールにて密封した。
【0050】
<実施例2>
チップ2を(A)の円筒状容器3に装填し、(a−2)の包装材料4で全面圧着シールにて密封した。
【0051】
<実施例3>
チップ2を(B)の円筒状容器3に装填し、(a−1)の包装材料4で4方シールにて密
封した。
【0052】
<実施例4>
チップ2を(B)の円筒状容器3に装填し、(a−2)の包装材料4で全面圧着シールにて密封した。
【0053】
<実施例5>
チップ2を(A)の円筒状容器3に装填し、(b−1)の包装材料4で4方シールにて密封した。
【0054】
<実施例6>
チップ2を(A)の円筒状容器3に装填し、(b−2)の包装材料4で全面圧着シールにて密封した。
【0055】
<実施例7>
チップ2を(B)の円筒状容器3に装填し、(b−1)の包装材料4で4方シールにて密封した。
【0056】
<実施例8>
チップ2を(B)の円筒状容器3に装填し、(b−2)の包装材料4で全面圧着シールにて密封した。
【0057】
以下に、本発明の比較例について説明する。
【0058】
<比較例1>
チップ2をポリプロピレン製のカップ状容器(C)に入れ、開放面をアルミニウム箔30μmに、ヒートシール剤として、ホットメルト樹脂を塗布した、蓋材で密封した。
【0059】
<比較例2>
チップ2を直接、(a−1)の包装材料4で4方シールにて密封した。
【0060】
<評価項目>
・評価項目1:チップ2を手で触れずに、検査機本体のセットできるのか、実際に試した。
手に触れずに、セットできたものを○とし、手に触れてしまったものを×とした。
・評価項目2:包装材料4の外装内に濾紙3g入れ、60℃75%、6ヶ月保存し、濾紙の重量増加を確認した。
重量増加がないものを○として、重量増加のあるものを×とした。
・評価項目3:ゆすってみて、外装内で検査用チップ収納体1の位置がずれるか否かを目視で確認した。
位置ズレの無いものを○とし、位置ズレのあるものを△とした。
【0061】
評価結果を表1にまとめた。
【0062】
【表1】

<比較結果>
本発明の実施例は、評価項目1及び評価項目2についてはいずれも良好な結果であった。また、評価項目3の検査用チップ収納体1の位置ずれについては、熱プレスにて、円筒状容器を2つに切ったような断面が半円状の溝を設けた、上下2枚の包装材料4で包装したものについては、位置ずれを起こさなかった。
【0063】
一方、比較例1は外装の包装材料4を使用せず、チップ2をポリプロピレン製のカップ状容器に入れ、開放面をアルミニウム箔30μmに、ヒートシール剤として、ホットメルト樹脂を塗布した、蓋材で密封したものであるが、濾紙の重量増加が認められ、水蒸気バリアが不十分であった。
【0064】
また、比較例2は円筒状容器3を用いずに、直接、チップ2を包装材料4で包装したものであるが、検査機本体にセットするには、手で触れずに行うことはできなかった。
【0065】
なお、本発明で用いる円筒状容器3のポリオレフィン樹脂には、シリカゲル、塩化カルシウム、ゼオライト、生石灰、酸化アルミニウム、硫酸マグネシウム、焼き明礬の混合成分からなる乾燥剤を重量比で5%以上、70%以下の混合比で練り込んだポリオレフィン樹脂の混合樹脂を用いることもできる。
【符号の説明】
【0066】
1・・・検査用チップ収納体
2・・・チップ(試験紙を内蔵する成分測定用容器)
3・・・円筒状容器
4・・・包装材料
5・・・チップ収納体包装体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン樹脂からなる円筒状容器に、検査薬が含まれる試験紙が装填されているチップを収めたことを特徴とする検査用チップ収納体。
【請求項2】
前記ポリオレフィン樹脂からなる円筒状容器が、シリカゲル、塩化カルシウム、ゼオライト、生石灰、酸化アルミニウム、硫酸マグネシウム、焼き明礬の中から選ばれる1種成分、或いは混合成分からなる乾燥剤を、重量比で5%以上、70%以下の混合比で、ポリオレフィン樹脂に練り込んだ混合樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の検査用チップ収納体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の検査用チップ収納体が、水蒸気透過度が0.1g/m/day以下の包装材料で包装されていることを特徴とするチップ収納体包装体。
【請求項4】
請求項1または2に記載の検査用チップ収納体が、円筒形状に成型された包装材料に包装されていることを特徴とするチップ収納体包装体。
【請求項5】
前記包装材料が、シリカゲル、塩化カルシウム、ゼオライト、生石灰、酸化アルミニウム、硫酸マグネシウム、焼き明礬の中から選ばれる、1種の、或いは、2種以上を混合した、成分からなる乾燥剤を、重量比で5%以上、70%以下になるように、ポリオレフィン樹脂に錬り込んだ混合樹脂を含む層を積層した包装材料であることを特徴とする請求項3または4に記載のチップ収納体包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−6649(P2012−6649A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146269(P2010−146269)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】