説明

検査装置およびその制御方法、並びに検査用反応容器

【課題】使用済みの反応容器を誤って再使用してしまうことを防止できる検査装置を得る。
【解決手段】試薬を保持した反応容器20を用い、外部から受け入れた検体と前記試薬との反応に基づいて該検体に関する検査を行う検査装置1において、検査が中途で終了したことを検出する手段と、この手段により検査が中途で終了したことが検出されたとき、反応容器20に所定のマークを付与する手段32、36とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検査装置、特に詳細には、検体を保持する反応容器を用いて所定の検査を行う検査装置およびその制御方法に関するものである。
【0002】
また本発明は、検体を保持してそのような検査装置に用いられる反応容器に関するものである。
【背景技術】
【0003】
近年、被験物質を含有する可能性のある検体(試料)を担体に保持させ、免疫学的測定等のアッセイ法を用いてこの被験物質について簡便かつ迅速に検査するアッセイ用デバイスが数多く開発されており、体外診断薬や毒物等の検査のための各種デバイスも市販されている。このようなデバイスの一例として、特許文献1に示すようなイムノクロマトグラフ法を利用したものが挙げられる。イムノクロマトグラフ法を利用したデバイスを用いる場合は、検体溶液を担体に保持させた後、早いものであれば約5〜10分間静置するだけで検査結果が得られる。そのため、免疫学的検査等のアッセイ法を用いた検査手法は、簡便かつ迅速な検査手法として、例えば病院における臨床検査や研究室における検定試験等で広く採用されている。
【0004】
特に、医院や診療所あるいは在宅医療等の診療現場においては、臨床検査の専門家によらず簡便に検査を行うPOCT(Point of Care Testing)診療向けの検査装置として、イムノクロマトグラフ検査装置(イムノクロマトリーダー)が多く用いられている。このイムノクロマトグラフ検査装置は、装填されたデバイスの試薬の呈色状態を高感度に測定して、目視判定困難な低呈色状態においても高感度かつ信頼性の高い検査を行うことを可能とする。特許文献2には、この種の検査装置の一例が示されている。
【0005】
上述したような検査方法においては、極く微量の被験物質を高感度で検出可能とすることが求められている。そのような要求に応える検査方法として、例えば特許文献3に示される増幅(増感)処理を行うものが公知となっている。この方法は、担体上に被験物質を展開した後に、洗浄液を送液することによって、担体上の反応部位に特異的な結合により捕捉した標識物質以外を洗浄し、その後増感液を担体上に送液して増感することにより、微量の被験物質を高感度で検出可能としたものである。
【0006】
なお上記増感処理は、必要に応じて行うことができる。すなわち、通常の処理で試薬の呈色状態が測定できた場合はそこで測定を終了し、通常の処理では呈色状態が測定不可能であった場合は、さらに増感処理を行ってから呈色状態を測定するようにしてもよい。
【0007】
上に述べた担体は、一般にカートリッジ、パッケージ、検査キットなどと称される反応容器内に保持して使用され、特許文献4にはその種の反応容器の一例が示されている。この特許文献4にも示されるように該反応容器においては、予め保持している試薬等の漏出や変質を防止する保護シートが設けられることが多い。その保護シートは反応容器の使用に当たり、試薬等を利用するために検査装置によって破られるので、この保護シートが破られているかどうかを確認することにより、反応容器が既に使用されたものであるか、あるいは未使用のものであるかを判別することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−139297号公報
【特許文献2】特開2009−133813号公報
【特許文献3】特開2009−287952号公報
【特許文献4】特開2007−101364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、前述の増感処理ができるように構成された反応容器等に関しては、上記保護シートの状態から未使用か使用済みであるかを判断すると、判断を誤ることがある。以下、この点について、増感液を保護する保護シートが反応容器に設けられている場合を例に挙げて説明する。その反応容器を用い、通常の処理で試薬の呈色状態が測定できた場合はそこで測定が終了され、反応容器が検査装置から取り出されるが、増感処理はなされていないので、増感液を保護する保護シートは破られていない状態にある。しかしこの場合、通常の処理に用いられる試薬は使用済みであるので、保護シートが破られていないことから反応容器が未使用と判断してそれを検査に再使用してしまうと、当然、不正な検査結果しか得られないことになる。
【0010】
また、増感処理ができるように構成された反応容器に限らず、その他のタイプの反応容器を用いる場合でも、反応容器を検査装置にセットして検査を開始してから、何らかの理由により検査を途中で強制終了させるようなことがあり得る。そのようなとき、反応容器が再使用不可能であるのに、試薬を保護する保護シートは破られていないという状況が発生することがあるが、その場合も、保護シートが破られていないことから反応容器が未使用と判断してそれを検査に再使用してしまうと、当然、不正な検査結果しか得られないことになる。
【0011】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、使用済みの反応容器を誤って再使用してしまうことを防止できる検査装置、およびその制御方法を提供することを目的とする。
【0012】
また本発明は、使用済みであるのにも拘わらず再使用されてしまうことを防止できる検査用反応容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による検査装置は、
試薬を保持した反応容器を用い、外部から受け入れた検体と前記試薬との反応に基づいて該検体に関する検査を行う検査装置において、
検査が中途で終了したことを検出する手段と、
この手段により検査が中途で終了したことが検出されたとき、前記反応容器に所定のマークを付与する手段とが設けられたことを特徴とするものである。
【0014】
ここで、上記のように「検査が中途で終了」するとは、検査装置にセットされた反応容器を利用して行われ得る全検査が完了していないことを意味するものである。すなわち、例えば前述の増感処理が実行され得る反応容器においては、増感処理後の呈色状態測定までを行って全検査が完了したものと定義し、増感処理をしない通常の処理のみで有効な検査結果が得られたとしても、その場合は「検査が中途で終了」したと定めるものである。また、検査装置に反応容器がセットされた後、何らかの理由により検査工程が途中で強制終了される場合も、勿論、「検査が中途で終了」したと定める。
【0015】
なお上記マークを付与する手段としては、反応容器の表面に前記マークとしての穴を開けるものが好適に用いられ得る。また、そのようにする場合、マークを付与する手段として、試薬を保護する保護シートを破るために用いられる手段が兼用されることが好ましい。
【0016】
さらに、上記マークを付与する手段としては上述のものに限らず、反応容器の表面に油性インク等を用いてマークを描くような手段を適用することもできる。
【0017】
一方、本発明による第1の検査用反応容器は、上述したマークを付与する手段として、反応容器の表面に前記マークとしての穴を開ける手段が用いられる検査装置に適用されるものであって、表面に開口が設けられ、その開口が前記マークを付与する手段によって破られ得るシート材で被覆されていることを特徴とするものである。
【0018】
なお、この本発明による第1の検査用反応容器においては、上記破られ得るシート材の下に、該シート材と間隔を置いて、試薬を封止する別のシート材が設けられてなる二重シート構造が適用されることが望ましい。
【0019】
また、本発明による第2の検査用反応容器は、同じく上述したマークを付与する手段として、反応容器の表面に前記マークとしての穴を開ける手段が用いられる検査装置に適用されるものであって、表面の一部が、マークを付与する手段によって穴が開けられるように低強度とされていることを特徴とするものである。
【0020】
他方、本発明による検査装置の制御方法は、
前記マークを付与する手段として、反応容器の表面に穴を開けるものが用いられた検査装置において、前記二重シート構造が適用された検査用反応容器を使用する際に、
前記検査を行う場合は、前記破られ得るシート材および前記別のシート材の双方を破って試薬が流出可能とし、
前記マークとしての穴を開ける場合は、前記破られ得るシート材のみを破ることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明による検査装置によれば、検査が中途で終了したことを検出する手段と、この手段により検査が中途で終了したことが検出されたとき反応容器に所定のマークを付与する手段とが設けられたので、検査装置使用者は、例えば検査装置の近辺に有る反応容器にそのマークが付いているか否かを確認することにより、その反応容器が一度検査に使用されたものであるか、あるいは未使用であるかを明確に認識可能となる。そうであれば、使用済みの反応容器を誤って再使用して不正な検査結果を得てしまうことが確実に防止される。
【0022】
一方、本発明による第1の検査用反応容器においては、表面に開口が設けられ、その開口が前記マークを付与する手段によって破られ得るシート材で被覆されているので、未使用の場合は開口が見えず、一度検査に使用された後はシート材が破られて出来た穴が見える状態となる。そこでこの穴の有無を確認することにより、反応容器が使用済みであるかあるいは未使用であるかを判別でき、よって、使用済みの反応容器が誤って再使用されてしまうことを防止可能となる。
【0023】
また、本発明による第2の検査用反応容器においては、表面の一部が、マークを付与する手段によって穴が開けられるように低強度とされているので、未使用の場合は穴が見えず、一度検査に使用された後は表面に開けられた穴が見える状態となる。そこでこの場合も、上記穴の有無を確認することにより、反応容器が使用済みであるかあるいは未使用であるかを判別でき、よって、使用済みの反応容器が誤って再使用されてしまうことを防止可能となる。
【0024】
他方、本発明による検査装置の制御方法によれば、前記マークを付与する手段として、反応容器の表面に穴を開けるものが用いられた検査装置において、前記二重シート構造が適用された検査用反応容器を使用する際に、検査を行う場合は、前記破られ得るシート材および前記別のシート材の双方を破り、前記マークとしての穴を開ける場合は、前記破られ得るシート材のみを破るようにしたので、マークとしての穴を開ける際に、不必要に試薬を流出させてしまうことを防止可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態による検査装置を示す斜視図
【図2】上記検査装置の一部破断側面図
【図3】上記検査装置の電気的構成を示すブロック図
【図4】上記検査装置の一部を示す正面図
【図5】上記検査装置に用いられたカートリッジの一状態を示す一部破断平面図
【図6】上記カートリッジの別の状態を示す一部破断平面図
【図7】上記カートリッジのさらに別の状態を示す一部破断平面図
【図8】上記カートリッジの外形形状を示す斜視図
【図9】上記カートリッジの使用後の状態を示す部分平面図
【図10】本発明の別の実施形態によるカートリッジの使用後の状態を示す部分平面図
【図11】上記検査装置における検査時の工程を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態によるクロマトグラフ検査装置1の斜視形状を、図2はその一部破断側面形状を、そして図3はその電気的構成を示すものである。まず図1および図2を参照して、本装置の基本構成について説明する。
【0027】
それらの図に示されるようにクロマトグラフ検査装置1は、前面に開口10aを有する筐体10と、筐体10の上面に配置された表示部11と、この表示部11に表示されたメニューの操作を行うための操作部12と、電源スイッチ13と、イムノクロマト用カートリッジ(検査用反応容器)20を装置内部に装填するためのカートリッジ装填部14とを有している。また筐体10の内部には、カートリッジ装填部14を図2中で左右方向に移動自在に案内するレール15と、後述する洗浄液ポット27および増感液ポット28をそれぞれ押し潰すための押圧部30、34と、カートリッジ20から情報を取得する第1の測定部40および第2の測定部50とを有している。
【0028】
上記カートリッジ装填部14は、レール15に沿って自動あるいは手動により移動自在とされている。そして、その大部分が開口10aを通過して筐体10の外に出されたとき、その上に、後述するようにして検査溶液(検体)が供給されたカートリッジ20が載置される。その後このカートリッジ装填部14は、図2に示すように筐体10の内部に押し込まれ、それによりカートリッジ20がクロマトグラフ検査装置1の内部に取り込まれる。
【0029】
図4は、上記押圧部30、34の部分を、図2中の左方側から見た状態を示す正面図である。なおここでは、カートリッジ20を破断して示してある。以下、この図4を参照して、押圧部30、34について説明する。押圧部30は、軸31aの周りをシーソー状に回動自在とされたアーム31と、このアーム31の先端下部に固定された押圧片32と、アーム31の後端下側に配置されたカム33とを有している。カム33は、モータ38によって回転される駆動軸39に、例えば図示外の電磁クラッチ等を介して接断自在に連結されている。このカム33が回転するとアーム31の後端が押し上げられて先端の押圧片32が下降動する。もう一つの押圧部34もアーム35、押圧片36およびカム37を有して、押圧部30と同様に構成されている。
【0030】
ここで押圧部30の押圧片32と、押圧部34の押圧片36はそれぞれ、カートリッジ20が筐体10の中の所定位置に配置されたとき、カートリッジ内部に配置されている洗浄液ポット27、増感液ポット28の直上位置に来るように配設されている。
【0031】
図5は、上記カートリッジ20の上面部を破断して示す平面図であり、以下、この図5も参照してカートリッジ20について説明する。カートリッジ20は、テストラインA、テストラインBおよびコントロールラインCを有する不溶性担体21と、不溶性担体21を収容するカートリッジケース22と、不溶性担体21に検体溶液を注入するためにケース上面に形成された溶液注入口23と、不溶性担体21の検査部位(テストラインA、BおよびコントロールラインCの部分)を観察するための観察窓24とを備えている。カートリッジケース22の上面には情報表示部25が設けられている。なおカートリッジ装填部14にも、上記観察窓24とほぼ整合する観察窓14aが設けられている。
【0032】
上記不溶性担体21は、固定化された標識物質を有するものである。またテストラインAおよびBはそれぞれ、被験物質に対する特異的結合物質が固定されたものであり、コントロールラインCは測定の終了時を判断するためのものである。
【0033】
またこのカートリッジ20の内部には、不溶性担体21を間に挟む状態にして、送液用不溶性担体72および吸収用不溶性担体73が配設されている。そして送液用不溶性担体72の上方位置には前述した洗浄液ポット27が固定され、不溶性担体21のコントロールラインC側の端部の上方位置には増感液ポット28が固定されている。
【0034】
なお図8には、カートリッジ20の形状を詳しく示してある。そこに図示されるように、ケース22の上面部分には、それぞれ洗浄液ポット27、増感液ポット28の直上位置において開口22a、22bが形成されており、そしてそれらの開口22a、22bは紙あるいは薄い合成樹脂シート等からなるシート材26によって覆われている。このシート材26は、前述の押圧片32、36によって上から押されたとき容易に破れて、押圧片32が開口22aを通過して洗浄液ポット27を潰し、また押圧片36が開口22bを通過して増感液ポット28を潰すのを許容するようになっている。
【0035】
本実施形態では上記シート材26に、四角形の開口22a、22bの各対角線に沿ってミシン目26aが設けられており、それにより、シート材26が押圧片32、36によって上から押されたとき、該シート材26がミシン目26aに沿って容易に破れるようになっている。
【0036】
なお、洗浄液ポット27、増感液ポット28の上方位置に刃物を配置しておき、下降動した押圧片32、36により押圧されたそれらの刃物が各々洗浄液ポット27、増感液ポット28を切り開くようにしてもよい。
【0037】
第1の測定部40は、カートリッジ20の観察窓24を通して検査部位(テストラインA、BおよびコントロールラインCの部分)の呈色状態を測定するものである。第1の測定部40は、図2に示すようにカメラ42および光源44を備え、カートリッジ20が検査装置1に装填された際に、これらがカートリッジ20の下方から観察窓24に対向するように構成されている。そして、第1の測定部40によって取得された検査部位における光学的情報に基づいて、該検査部位の呈色状態として光学濃度および色度が算出される(この点については後述する)。
【0038】
なお上記光学濃度は、カートリッジ20の検査部位に入射した入射光の強度をI、検査部位からの反射光の強度をIとしたとき、下記式で定義する。
【0039】
光学濃度=−log10(I/I)
また色度は、色相と彩度を数量的に表示したものであり、カメラで読み取ったRGB輝度信号から算出する。色度の表色系としては、一般的なCIE表色系を用いることができる。
【0040】
カメラ42は、例えば複数のフォトダイオードがライン状に配列された構成、あるいはエリアセンサからなるイメージセンサを有するもので、受光光量に応じた出力を生じる。カメラ42の受光範囲は、カートリッジ20の長手方向に延びた帯状範囲とされている。光源44は、例えばLEDが内蔵されたモジュールであり、白色光を発するように構成されている。なお光源44は、後述する増感処理の前後の色度の区別が付けば、例えば単色光を発するものであってもよい。また光源44は、複数のモジュールから構成される場合は、異なる波長の単色光を発する複数のモジュールを用いて構成することもできる。光源44から発せられる光は、カートリッジ20の長手方向の所定範囲を照明可能とされている。
【0041】
一方、第2の測定部50は、カートリッジ20の情報表示部25に照明光を照射し、情報表示部25に表示された情報を取得するものである。情報表示部25は、手書きまたはシール添付等により検査に関する情報が表示される。検査に関する情報とは例えば、被験物質を採取した患者に関する情報(氏名、年齢および性別等)および、検査に使用される試料・試薬に関する情報(検査対象となる被験物質、洗浄液および増感液等の名称等)等が挙げられる。情報を取得する方法は特に制限されず、情報表示部25をそのまま画像化したり、バーコード化された情報から読み取ったりすることができる。
【0042】
この第2の測定部50は、図2に示すようにカメラ52および光源54を備え、カートリッジ20が検査装置1に装填された際に、これらがカートリッジ20の上方から情報表示部25に対向するように構成されている。そして、第2の測定部50によって取得された検査に関する情報と検査結果とが紐付けされて管理される。カメラ52および光源54の具体的な構成は、前述したカメラ42および光源44とそれぞれ同様である。
【0043】
次に、本装置の電気的な構成について図3を参照して説明する。先に説明した表示部11、操作部12、モータ38等を含む押圧機構30、34、カメラ42、52(各々光源44、54を含む)は、同図に示す制御部80によって動作が制御される。また、本検査装置1は、例えば100〜240Vの商用電源を利用して作動可能であり、その商用電源を受け入れて12Vの直流電流に変換する電源部100と、この12Vの直流電流が入力される切替部101とを有している。また本検査装置1は、それとともに二次電池であるバッテリ102でも駆動可能とされており、このバッテリ102も上記切替部101に接続されている。切替部101は、商用電源が接続されているときは電源部100から供給される12Vの直流電流を、そして商用電源が接続されていないときはバッテリ102から供給される12Vの直流電流を各電装部品において使用するように切替を行う。
【0044】
また切替部101には、バッテリ102の残留電力量を検出する電池残量検出手段としてのバッテリ容量監視ユニット103が接続されている。一般に電池はその化学特性から、容量が低下してくると内部抵抗が大きくなって端子電圧が低下する特性があるので、その端子電圧を測定することで残留電力量を検出することができる。バッテリ容量監視ユニット103はこうしてバッテリ102の残留電力量を検出し続け、その残留電力量を示す信号を制御部80に入力する。
【0045】
次に、本実施形態の検査装置1の作用について説明する。本装置においては原則として、検体溶液を検査するための第1段階の測定と、それに続く第2段階の測定が行われる。第1段階の測定とは、後述する増感処理を行わないで前記検査部位の呈色状態を測定するものであり、また第2段階の測定とは、後述する増感処理を行ってから検査部位の呈色状態を測定するものである。
【0046】
次に具体的な測定の操作手順について説明する。なお、この手順の流れを図11のフローチャートに示す。
【0047】
《第1段階の測定》
この第1段階の測定においては、まず図5に示すように、例えば検査装置1の外においてカートリッジ20の溶液注入口23から検体溶液90が注入される。その後このカートリッジ20は前述の通りにして検査装置1内に挿入される(図11のステップS1。以下同様)。次に図2の制御部80が、所定のルーチン以外でカートリッジ装填部14が引き出されていないかどうかを検出する等により、測定の強制終了がなされたかどうかを判別する(ステップS2)。
【0048】
ここで強制終了がなされていないと判別された場合は、カートリッジ20の検査部位(テストラインA、BおよびコントロールラインCの部分)の光学濃度および色度を算出するために、その部位の像がカメラ42によって取得される。制御部80は、こうして取得された像から光学濃度および色度を算出し、それらの値を、あるいはそれらの値から判定される疾患の有無等の検査結果を表示部11に表示させる(ステップS3)。
【0049】
《第2段階の測定》
次に上記判定結果に基づいて、増幅(増感)処理が必要であるか否かが制御部80によって判別される(ステップS4)。増幅処理が必要であると判別された場合は、この第2段階の測定がなされる。ここでは、まず図2、4に示した押圧部30が駆動されて、そのアーム31の先端が下降動され、前記開口22aの部分においてシート材26に穴が開けられ(ステップS5)、開口22aを通過した押圧片32がカートリッジ20内の洗浄液ポット27を外部から押し潰す。それにより図6に示すように、洗浄液ポット27に貯えられていた洗浄液91が不溶性担体21の検査部位を洗浄する。このとき洗浄液91は、送液用不溶性担体72で十分に拡がってから、不溶性担体21、吸収用不溶性担体73の順に送液される。
【0050】
次に、図2、4に示した押圧部34が駆動されて、そのアーム35の先端が下降動され、前記開口22bの部分においてシート材26に穴が開けられ(ステップS5)、開口22bを通過した押圧片36がカートリッジ20内の増感液ポット28を外部から押し潰す。それにより図7に示すように、増感液ポット28に貯えられていた増感液92が不溶性担体21の検査部位に送液されて、増感処理がなされる(ステップS6)。なおこの増感液92および上記洗浄液91については、前述した特許文献3に詳しい開示がなされており、本発明においてもそれらを適用することができる。
【0051】
この増感処理がなされた後、カートリッジ20の検査部位の像が、上述と同様にカメラ42によって取得される。制御部80は、こうして取得された像の光学濃度および色度を算出し、それらの値を、あるいはそれらの値から判定される疾患の有無等の検査結果を表示部11に表示させる(ステップS7)。その後カートリッジ20は、検査装置1から取り出される(ステップS8)。
【0052】
なお、上記測定に関わる事項について、以下簡単に説明する。
【0053】
(検体溶液)
本発明の検査装置を用いて分析することのできる検体溶液としては、被験物質(天然物、毒素、ホルモンまたは農薬等の生理活性物質あるいは環境汚染物質等)を含む可能性のあるものである限り、特に限定されるものではなく、例えば、生物学的試料、特には動物(特にヒト)の体液(例えば、血液、血清、血漿、髄液、涙液、汗、尿、膿、鼻水、または喀痰)若しくは排泄物(例えば、糞便)、臓器、組織、粘膜や皮膚、それらを含むと考えられる搾過検体(スワブ)、うがい液、または動植物それ自体若しくはそれらの乾燥体を後述の希釈液で希釈したもの等を挙げることができる。
【0054】
検体溶液はそのままで、あるいは、検体溶液を適当な抽出用溶媒を用いて抽出して得られる抽出液の形で、さらには、この抽出液を適当な希釈剤で希釈して得られる希釈液の形、若しくは抽出液を適当な方法で濃縮した形で用いることができる。
【0055】
(標識物質)
本発明で使用することができる標識物質としては、一般的なイムノクロマトグラフ法で用いられるような金属微粒子(または金属コロイド)、着色ラテックス粒子、酵素など、有色で視認できる、または、反応により検査できるようになる標識物であれば特に限定されることなく用いることができるが、標識物質を触媒とした金属イオンの還元反応によって、標識物質への金属の沈着でシグナルを増感する場合には、その触媒活性の観点から金属微粒子が好ましい。
【0056】
その金属微粒子の材料としては、金属単体、金属硫化物、その他金属合金、または金属を含むポリマ−粒子標識を用いることができる。粒子(またはコロイド)の平均粒径は、1nm〜10μmの範囲にあることが好ましい。ここで、平均粒径とは、透過型電子顕微鏡(TEM)により実測された複数の粒子の径(粒子の最長径)の平均値である。より詳細には、金コロイド、銀コロイド、白金コロイド、鉄コロイド、水酸化アルミニウムコロイド、およびこれらの複合コロイドなどが挙げられ、好ましくは、金コロイド、銀コロイド、白金コロイド、およびこれらの複合コロイドであることが望ましい。特に、金コロイドと銀コロイドが適当な粒径において、金コロイドは赤色、銀コロイドは黄色を示し視認度が高いという観点からより好ましい。金コロイドを用いることにより、銀イオン含有化合物を用いた増感工程を行うことにより増感の前後で標識の色度が変化する(金コロイドは赤く呈色し、増感後は還元された銀イオンが金コロイドに沈着し黒くなる)ため、後述するようにこの変化を検査のエラー判定に用いることができるようになる。金属コロイドの平均粒径としては、約1〜500nmが好ましく、さらには1〜100nmがより好ましい。
【0057】
(特異的結合物質)
特異的結合物質としては、被検物質に対して親和性を持つものならば特に限定されることはなく例えば、被験物質が抗原である場合には当該抗原に対する抗体、被験物質がたんぱく質、金属イオンまたは低分子量有機化合物である場合にはこれらに対するアプタマー、被験物質がDNAやRNAなど核酸である場合にはこれらに対して相補的な配列を持つDNAやRNA等の核酸分子、被験物質がアビジンである場合にはビオチン、被験物質が特定のペプチドの場合にはこれに特異的に結合する錯体、等を挙げることができる。また、上記した例では特異的結合物質と被験物質との関係を入れ替えることもでき、例えば被験物質が抗体である場合には当該抗体に対する抗原を、特異的結合物質として用いることもできる。さらに、上記のような被検物質に対して親和性を持つ物質を一部に含有する化合物等を特異的結合物質として用いることもできる。
【0058】
上記抗体としては具体的に、その被験物質によって免疫された動物の血清から調製する抗血清、抗血清から精製された免疫グロブリン画分、その被験物質によって免疫された動物の脾臓細胞を用いる細胞融合によって得られるモノクローナル抗体、あるいは、それらの断片[例えば、F(ab’)2、Fab、Fab’、またはFv]を用いることができる。これらの抗体の調製は、常法により行なうことができる。
【0059】
(不溶性担体)
不溶性担体21の材料は、多孔性であることが好ましく、例えば、ニトロセルロース膜、セルロース膜、アセチルセルロース膜、ポリスルホン膜、ポリエーテルスルホン膜、ナイロン膜、ガラス繊維、不織布、布、または糸等が好ましく挙げられる。
【0060】
クロマトグラフ担体には、被験物質に対する特異的結合物質を固定化させて検査ラインや所望によりコントロール部位が作製される。特異的結合物質は、特異的結合物質をクロマトグラフ担体の一部に物理的または化学的結合により直接固定化させてもよいし、特異的結合物質をラテックス粒子などの微粒子に物理的または化学的に結合させ、この微粒子をクロマトグラフ担体の一部にトラップさせて固定化させてもよい。
【0061】
(増感液)
増感液は、含まれる薬剤が標識物質や被験物質の触媒作用によって反応することにより、呈色あるいは発光する化合物などを生じ、シグナルの増感を起こすことができる溶液である。例えば、金属標識上で、物理現像により金属銀の析出を起こす銀イオン溶液である。詳細には、写真化学の分野での一般書物(例えば、「改訂写真工学の基礎-銀塩写真編-」(日本写真学会編、コロナ社)、「写真の化学」(笹井明、写真工業出版社)、「最新処方ハンドブック」(菊池真一他、アミコ出版社))に記載されているような、いわゆる現像液を用いることができる。例えば、増感液として銀イオン含有化合物を含む物理現像液を用いれば、銀イオンの還元剤により液中の銀イオンを、現像の核となるような金属コロイド等を中心に還元させることができる。
【0062】
また別の例としては、酵素反応を用いた例がある。例えば、ペルオキシダーゼ標識と過酸化水素の作用により色素となる、フェニレンジアミン化合物とナフトール化合物の溶液などが挙げられる。さらに、非特許文献「臨床検査 Vol.41 no.9 p.1020 H−POD系を利用した染色」に記載されているような、西洋わさびペルオキシダーゼ検出の発色基質などでもよい。また、特開2009−156612号公報に記載の発色基質は特に好ましく用いることができる。なお、酵素の代わりに白金微粒子などの金属触媒を用いる系でもよい。
【0063】
別の酵素を用いた例としては、アルカリホスファターゼを標識とし、5−ブロモ−4クロロ−3−インドリル−リン酸二ナトリウム塩(BCIP)を基質として発色させるような系もある。以上、呈色する反応を代表に挙げたが、一般的にエンザイムイムノアッセイで用いられるような、酵素と基質の組み合わせであればなんでも良く、化学発光する基質であっても、蛍光を発する基質であってもよい。
【0064】
(銀イオン含有化合物)
銀イオン含有化合物としては、有機銀塩、無機銀塩、もしくは銀錯体を用いることができる。好ましくは、水などの溶媒に対して溶解度の高い銀イオン含有化合物であり、硝酸銀、酢酸銀、乳酸銀、酪酸銀、チオ硫酸銀などが挙げられる。特に好ましくは硝酸銀である。銀錯体としては、水酸基やスルホン基など水溶性基を有する配位子に配位された銀錯体が好ましく、ヒドロキシチオエーテル銀等が挙げられる。無機銀塩、もしくは銀錯体は、銀として一般に0.001モル/m〜0.2モル/m、好ましくは0.01モル/m〜0.05モル/m含有されることが好ましい。
【0065】
(銀イオンの還元剤)
銀イオンの還元剤は、銀イオンを銀に還元することができれば、無機・有機のいかなる材料、またはその混合物でも用いることができる。
【0066】
無機還元剤としては、Fe2+、V2+、Ti3+、などの金属イオンで原子価の変化し得る還元性金属塩、還元性金属錯塩を好ましく挙げることができる。無機還元剤を用いる際には、酸化されたイオンを錯形成するか還元して、除去するか無害化する必要がある。例えば、Fe2+を還元剤として用いる系では、クエン酸やEDTAを用いて酸化物であるFe3+の錯体を形成し、無害化することができる。本系ではこのような無機還元剤を用いることが好ましく、より好ましくはFe2+の金属塩が好ましい。
【0067】
なお、上記実施形態においては、呈色状態の増感方法として銀イオン含有化合物を還元剤で還元することにより標識物質を増感させる方法を用いたが、本発明における増感方法はこれに限定されない。増感液は、含まれる薬剤が標識物質や被験物質の触媒作用によって反応することにより、呈色あるいは発光する化合物などを生じ、シグナルの増感を起こすことができる溶液であればよく、例えば上記したような酵素を用いた用液などが挙げられる。
【0068】
また上記実施形態においては、アッセイ法としてイムノクロマトグラフ法について説明したが、本発明で適用するアッセイ法はこれに限定されない。いわゆる免疫反応を用いない系でもよく、例えば、抗体を用いずにDNAやRNAなどの核酸で被験物質を捕捉する系でもよいし、さらには被験物質に対する親和性を持つ別の小分子やペプチド、たんぱく質、錯体形成物質等、によって被験物質を捕捉する系であってもよい。
【0069】
以上説明した第1段階の測定および第2段階の測定がなされると、カートリッジ20のシート材26の部分は、図9に示すような状態になる。つまり、開口22a、22bに整合している部分のシート材26が、それぞれ前述の押圧片32、36によって破られて穴が開いた状態になる。そこで、検査終了後にクロマトグラフ検査装置1の外に取り出されたカートリッジ20は、上記穴が開いていることにより使用済みの物であると認識されるので、誤ってそれを再使用してしまうことが防止される。
【0070】
ただし、前述した測定の強制終了がなされた場合、および前記第1段階の測定のみが行われた場合は、クロマトグラフ検査装置1から取り出されたカートリッジ20は、そのままでは上記穴が開いた状態になっていないので、誤ってそれが再使用されるおそれが有る。以下、この問題を防止する点について説明する。
【0071】
図2に示した制御部80は、検査が中途で終了したと判別されたとき、つまり図11に示したステップS2において強制終了がなされたと判別された場合、並びにステップS4において増幅処理が必要ではないと判別された場合、押圧部30、34を駆動させて押圧片32、36により、開口22a、22bに整合する部分においてシート材26に穴を開けさせる(ステップS9)。それによりこの場合も、クロマトグラフ検査装置1の外に取り出されたカートリッジ20は、上記穴が開いていることにより使用済みの物であると認識されるので、誤ってそれを再使用してしまうことが防止される。
【0072】
以上の説明から明らかな通り、本実施形態では制御部80が、検査が中途で終了したことを検出する手段を構成しており、押圧片32、36およびそれらを駆動する機構が、反応容器としてのカートリッジ20に所定のマークを付与する手段を構成している。
【0073】
なお、以上説明したように洗浄液ポット27、増感液ポット28と各々整合する位置にある開口22a、22bの部分においてシート材26に穴を開けるようにする場合は、洗浄液ポット27、増感液ポット28の各開口を個別の液封止用シート材で覆い、その上に若干の間隔を置いてシート材26が位置する状態にしておくのが好ましい。そのような二重シート構造を採用すれば、前述の増感処理を行う場合はアーム31、35の下降動ストロークを比較的大きく設定することにより、シート材26および上記液封止用シート材の双方が押圧片32、36によって破られるようにし、他方、使用済みマークとしての穴をシート材26に開ける場合はアーム31、35の下降動ストロークを比較的小さく設定することにより、シート材26のみが押圧片32、36によって破られるようにすることができる。このようにすれば、使用済みマークとしての穴をシート材26に開ける際に、不必要に洗浄液や増感液を流出させることがなくなる。
【0074】
また、図10に示すように上記開口22a、22bの近辺に別の開口22c、22dを設けておき、それらの開口22c、22dの部分においてシート材26に穴を開けるようにしてもよい。その場合は、上述した二重シート構造を採用せずに、シート材26のみで洗浄液ポット27、増感液ポット28を覆って封止しておいても、使用済みマークとしての穴をシート材26に開ける際に、不必要に洗浄液や増感液を流出させないで済むようになる。
【0075】
なお、上記別の開口22c、22dを設ける場合は、その部分でシート材26に穴を開けるための専用の機構を設けてもよいし、あるいは、上記と同様に押圧部30および34によってシート材26に穴を開けるようにしてもよい。後者の場合は、押圧部30および34とカートリッジ装填部14とを、開口22aと開口22c(開口22bと開口22d)の並び方向に相対移動させる手段を設けて、その相対移動により、増感処理を行う場合は押圧片32、36がそれぞれ開口22a、22bに整合し、使用済みマークとしての穴をシート材26に開ける場合は押圧片32、36がそれぞれ開口22c、22dに整合する状態にすればよい。
【0076】
また、以上述べたような開口22a、22bを設けてそれらをシート材26で覆っておく代わりに、開口22a、22bの設置位置に相当する部分のカートリッジケース壁を薄く形成して低強度にしておき、その部分を押圧片32、36により破って穴を開けるようにしてもよい。
【0077】
さらには、上述のようにしてカートリッジケース22に穴を開ける代わりに、油性インク等を用いてカートリッジケース22の表面に、使用済みを示すマークを描くようにしてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 クロマトグラフ検査装置
10 筐体
11 表示部
12 操作部
13 電源スイッチ
14 カートリッジ装填部
20 イムノクロマト用カートリッジ
21 不溶性担体
22 カートリッジケース
22a、22b、22c、22d カートリッジケースの開口
23 溶液注入口
26 シート材
27 洗浄液ポット
28 増感液ポット
30、34 押圧部
32、36 押圧片
33、37 カム
38 モータ
40、50 測定部
87、88 刃
80 制御部
90 検体溶液
91 洗浄液
92 増感液
102 バッテリ
103 バッテリ容量監視ユニット
A、B テストライン
C コントロールライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬を保持した反応容器を用い、外部から受け入れた検体と前記試薬との反応に基づいて該検体に関する検査を行う検査装置において、
検査が中途で終了したことを検出する手段と、
この手段により検査が中途で終了したことが検出されたとき、前記反応容器に所定のマークを付与する手段とを備えたことを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記マークを付与する手段が、反応容器の表面に前記マークとしての穴を開けるものであることを特徴とする請求項1記載の検査装置。
【請求項3】
前記マークを付与する手段として、前記試薬を保護する保護シートを破るために用いられる手段が兼用されていることを特徴とする請求項2記載の検査装置。
【請求項4】
請求項2記載の検査装置に用いられる検査用反応容器であって、表面に開口が設けられ、その開口が前記マークを付与する手段によって破られ得るシート材で被覆されていることを特徴とする検査用反応容器。
【請求項5】
前記破られ得るシート材の下に、該シート材と間隔を置いて、試薬を封止する別のシート材が設けられてなる二重シート構造を有することを特徴とする請求項4記載の検査用反応容器。
【請求項6】
請求項2記載の検査装置に用いられる検査用反応容器であって、表面の一部が、前記マークを付与する手段によって穴が開けられるように低強度とされていることを特徴とする検査用反応容器。
【請求項7】
試薬を保持した反応容器を用い、外部から受け入れた検体と前記試薬との反応に基づいて該検体に関する検査を行う検査装置であって、
検査が中途で終了したことを検出する手段と、
この手段により検査が中途で終了したことが検出されたとき、前記反応容器の表面に所定のマークとしての穴を開ける手段とが設けられてなる検査装置において請求項5記載の検査用反応容器を使用する際に、
前記検査を行う場合は、前記破られ得るシート材および前記別のシート材の双方を破って試薬が流出可能とし、
前記マークとしての穴を開ける場合は、前記破られ得るシート材のみを破ることを特徴とする検査装置の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−73067(P2012−73067A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216923(P2010−216923)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】