説明

検査装置

本発明は、例えば、半導体産業用のウェーハ、太陽電池、ガラス、FPD基板またはバイオセンサー用の生物活性基板のような、接触に対して敏感な平面状の材料もしくは加工品の検査装置に関し、さらに、接触に対して敏感な曲面表面の材料の検査装置にも関する。この場合、この検査装置は、材料(3)をその上面上に担持する支持体(1)と、その支持体(1)に接続される少なくとも1つの振動発生器であって、その振動発生器の振動の周波数および振幅は、材料(3)を支持体(1)の上で浮揚させ続けうるように選択される少なくとも1つの振動発生器と、少なくとも1つの光学センサー(4)とを含み、さらに、支持体は透明な材料から構成され、かつ、光学センサー(4)は支持体(1)の下部に配置される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、例えば、半導体産業用のウェーハ、太陽電池、ガラス、FPD基板またはバイオセンサー用の生物活性基板のような、接触に対して敏感な平面状の材料もしくは加工品の検査装置に関し、さらに、接触に対して敏感な曲面表面の材料の検査装置にも関する。以下においては、これらのあらゆる種類の材料または加工品を単に材料と呼称する。材料の表面は多様な加工工程において処理されるが、その場合、処理というのは、例えば物理蒸着または型付け加工のような加工ステップとして理解するものとする。処理後、加工結果が検査される。そのため、例えば、画像認識プログラムおよび評価プログラムを備えたカメラを用いることができる。
【0002】
材料の上面および下面の両方における処理を想定する技術の場合は、両面の検査も必要になる。上面の検査は、材料が検査テーブルまたは搬送ベルトの上に載っており、従って表面の自由な観察が可能であるので、容易に実施できる。しかし、材料の下面を同時に検査することは難しい。材料の下面が、少なくとも部分的に、材料が載っている面によってカバーされ、従って、例えばカメラが下面全体を走査できないからである。
【0003】
例えば、その下面が機械的接触に対して非常に敏感である太陽電池を搬送する場合は、この太陽電池を複数の狭い輸送ベルト上に載せる。しかし、その下面の検査は、輸送ベルトによってカバーされない太陽電池の面積部分のみをカメラによって下から行うことができるだけである。全下面の検査が必要な場合は、太陽電池を搬送ベルトから取り上げてひっくり返さねばならないが、これは、連続的に流れるプロセスにおいては、厄介でありかつ障害をもたらしやすい。
【0004】
この問題を解決するため、現行技術からは、搬送路を、それぞれ1つの間隙によって分離された複数のセグメントに分割することが知られている。これによって、1つのセグメントから別のセグメントへの材料の引き渡しが行われ、この引き渡し間隙の部分では材料は支持されないので、その全幅の走査が可能になるのである。しかし、この場合、材料の固有の剛性は非常に小さいので、この引き渡し間隙を非常に狭く保持しなければならないという問題がある。その場合は、時には、障害のない走査が不可能になる。
【0005】
従って、本発明の目的は、搬送進路上に搬送される接触に敏感な材料を、その下面において光学的に完全に検査し得るような手段、すなわち、材料の搭載面における検査がカバーされることによって妨げられることがないような手段を作り出すことにある。
【0006】
この目的は、請求項1による検査装置、および、請求項5による搬送および検査装置によって実現される。
【0007】
請求項1による本発明は、被検査材料を担持する支持体を有する検査装置に関する。この支持体に、この支持体を振動させる振動発生器が連結される。この場合、振動の周波数および振幅は、被検査材料を、超音波浮揚によって支持体の上面上で浮揚させ続けうるように選択される。支持体は、材料下面の幾何学的形態に適合した表面形態を有する。
【0008】
本発明によれば、支持体は、材料の下面を、例えば、カメラ、干渉計、スペックル測定器またはライン走査カメラのような光学センサによって検査できるように、すなわち光学的走査可能なように透明である。
【0009】
従って、例えばウェーハまたは太陽電池のような接触に敏感な材料を、下面の検査中、無接触で保持して、下面を完全に検査することが可能である。
【0010】
検査に使用する光線に応じて、請求項2〜4に従って、支持体を、ガラス、例えばサファイアのような透明セラミック、または振動可能な透明プラスチックから構成するのが適切である。
【0011】
支持体の光学的特性は、支持体が構成される材料によると共に、支持体の幾何学的形態および使用される光の波長にも依存していることは、当業者には明らかである。
【0012】
例えば、ウェーハ搬送用としては、支持体の表面は平坦であり、支持体は平行平面のプレートとして形成される。その結果、光学系を設計する当業者は、光学センサーの計画において、光の屈折に関して平行平面のプレートの光学的特性を顧慮するであろう。
【0013】
これに対して、円形断面を有する棒材を無接触で保持して検査する場合は、その棒材を、支持体の半円形の溝の中に置く。その場合、その溝の半径は棒材の半径に対応している。この支持体の光学的特性は、平行平面のプレートの場合とは異なっており、そのため、当業者は、曲面の屈折特性および反射特性を顧慮しなければならない。これは、光学センサーおよび照明装置の両者を構成する場合に当てはまる。
【0014】
従って、支持体は、光学素子と見做すべきであり、光学素子の製造および被覆処理に関するあらゆる公知の技術によって仕上げることができる。
【0015】
請求項5によれば、材料が搬送径路に沿って搬送される搬送および検査装置が提供される。この搬送径路の適当な位置に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の検査装置が配置される。
【0016】
支持プレートは被担持材料の形状およびサイズによって変化し、被検査面は全材料面積とすることもできるし、あるいはその一部分のみとすることも可能であるので、支持プレートの構造および形状に関して具体的に幾何学的に規定することは不可能である。当業者には、開示された技術的教示を知れば、光線の伝播が遮蔽されまたは妨げられることがない支持プレートの面積部分のみが、検査用として使用可能であることが明らかである。
【0017】
光学センサーによって供給される信号をどのように評価するべきかについては、当業者には明らかである。信号処理およびその評価は本発明の対象でなく、また現行技術から知れるところでもあるので、当業者にとって詳しい説明は不要である。
【0018】
次に、本発明を実施形態および添付の概略図に基づいて説明する。
【0019】
図1は、その上に平面状の材料が載せられた支持プレートの概略的な斜視図である。
図2は、図1の支持プレートをカメラと共に側面図で示す。
【0020】
図1は、側方において折り曲げられた支持プレート1を概略的な斜視図として示す。脚2は振動発生器に接続される(図示なし)。双方向矢印は振動発生を表す。平面状の材料3は、支持プレート1上に0.1mm浮遊するシリコン板である。
【0021】
図2は、図1による構造を側面図で示す。支持プレート1の下部にカメラ4が配置され、そのカメラによって、直接搭載されていないシリコン板の下面が検査される。支持プレートは光学ガラス製であり、側方の下から照明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】その上に平面状の材料が載せられた支持プレートの概略的な斜視図である。
【図2】図1の支持プレートをカメラと共に側面図で示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
・ 材料(3)をその上面上に担持する支持体(1)と、
・ 前記支持体(1)に接続される少なくとも1つの振動発生器であって、その振動の周波数および振幅は、前記材料(3)を、前記支持体(1)上で浮揚させ続けうるように選択される、前記少なくとも1つの振動発生器と、
・ 少なくとも1つの光学センサーと、
を有する検査装置において、
・ 前記支持体(1)が透明な材料から構成され、かつ、
・ 前記光学センサーが前記支持体(1)の下部に配置される、
検査装置。
【請求項2】
前記支持体(1)がガラス製であることを特徴とする、請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記支持体(1)が透明なセラミック製であることを特徴とする、請求項1に記載の検査装置。
【請求項4】
前記支持体(1)が透明な振動可能プラスチック製であることを特徴とする、請求項1に記載の検査装置。
【請求項5】
搬送手段によって搬送進路に沿って動かされる被輸送および被検査材料用の搬送および検査装置において、前記搬送進路に接して、あるいは前記搬送進路の内部に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の検査装置が配置されることを特徴とする、搬送および検査装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−502257(P2011−502257A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531413(P2010−531413)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【国際出願番号】PCT/DE2008/001790
【国際公開番号】WO2009/056127
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(509282413)ジメルマン アンド シルプ アンダバングステクニック ゲーエムベーハー (3)
【氏名又は名称原語表記】ZIMMERMANN & SCHILP HANDHABUNGSTECHNIK GMBH
【住所又は居所原語表記】Budapester Strasse 2 93055 Regensburg (DE)
【Fターム(参考)】