説明

検知材および定量方法

【課題】 対象物質の簡便な定量方法を提案するとともに、より精度よく定量することができる検知材を提供する。
【解決手段】 溶液中に存在する対象物質の濃度を、担体へ毛管現象を利用して、あるいは吸引やろ過方式により溶液1を供給することで着色する領域4の長さに変換して目視定量する検知材であって、対象物質と接触することにより着色する反応剤を含ませた着色帯3と該反応剤を含ませない非着色帯2とを担体の長さ方向に交互に配置させる構成とする。さらに、それぞれの着色帯に含ませる反応剤の量を配置する位置に応じて調整してなる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中に存在する対象物質の濃度を目視定量する検知材および対象物質濃度の定量方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
湖沼・海域等の閉鎖性水域では、排水などの流入により栄養塩類が増加し、富栄養化による水質汚濁が進行し、これを回避すべく生活排水処理施設が設けられていることは周知のとおりである。当該処理施設においては窒素およびリン酸等を除去するための処理が行われるが、処理後に排出される溶液には少なからず除去すべき物質が含まれており、当該濃度が上限値を超えていないことを確認する必要があった。
【0003】
そこで、従来、水中に存在する物質の濃度を簡便に目視定量できる検知材としては、セルロースアセテートまたは四級アンモニウム塩をシリカゲル粉末またはポリ塩化ビニル(PVC)の粉末に担持させた吸着剤を充填した検知管(カラム)があった(特許文献1参照)。この検知管は、リン酸イオンをモリブデン青として発色させた溶液を注入することにより、検知管の吸着剤が注入された溶液中のリン酸イオンを順次吸着し、溶液注入側から連続した状態でモリブデン青が出現することを利用するものである。つまり、リン酸イオンの濃度に応じて当該リン酸イオンを吸着する吸着剤の量が異なることから、結果的に、濃度に応じて検知管の長さ方向に異なる長さで着色することとなり、当該着色の長さによって濃度を目視で定量し得るものであった。
【0004】
また、四級アンモニウム塩を担持させたPVCの粉末と、合成ハイドロタルサイトによる無機イオン交換体の粉末との混合物を充填してなる検知管(カラム)があった(特許文献2参照)。この検知管は、アンモニウムイオンをインドナフトール法により発色した溶液を注入することにより、上記リン酸イオンの場合と同様に、着色長から目視により濃度を定量し得るものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−88828号公報
【特許文献2】特開2007−278921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記した従来技術は、いずれも反応剤(あるいは吸着剤)を均一に担持し、連続した着色帯を形成する構成の検知材であることから、低濃度域で含有物質を測定する場合や、担持した反応剤量が多く、着色が接液部近傍で完了してしまう場合には、着色帯長さが短くなり、定量しにくいという欠点があった。また、着色帯の先端が乱れて長さが不明確になることがあった。
【0007】
本発明は、対象物質の簡便な定量方法を提案するとともに、より精度よく定量することができる検知材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記した課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0009】
つまり、検知材に係る本発明は、溶液中に存在する対象物質を、担体へ毛管現象を利用して、あるいは吸引やろ過方式により前記溶液を供給することで着色する領域の長さに変換して目視定量する検知材において、対象物質と接触することにより着色する反応剤を含ませた着色帯と該反応剤を含ませない非着色帯とを担体の長さ方向に交互に配置させたことを特徴とする検知材を要旨とする。
【0010】
また、検知材に係る本発明は、溶液中に存在する対象物質の濃度を、担体へ毛管現象を利用して、あるいは吸引やろ過方式により前記溶液を供給することで着色する領域の長さに変換して目視定量する検知材において、対象物質と接触することにより着色する反応剤を含ませた着色帯と該反応剤を含ませない非着色帯とを担体の長さ方向に交互に配置するとともに、それぞれの着色帯に含ませる反応剤の量を配置する位置に応じて調整してなることを特徴とする検知材をも要旨とする。
【0011】
上記発明において、前記対象物質が、リン酸イオン、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素及びアンモニア性窒素からなる群より選ばれるものであり、前記反応剤が四級アンモニウム塩を含むものであることが好ましい。
【0012】
また、前記反応剤が、前記対象物質から誘導される陰イオン性着色物質とイオン対形成反応する反応剤であることが好ましく、前記溶液中の対象物質が、アンモニア性窒素である場合には、前記陰イオン性着色物質が、塩素剤、ホウ酸及びフェノール化合物を添加されて着色し、さらに前記溶液にアルカリ剤が添加されて当該溶液をアルカリ化したものであることが好ましい。
【0013】
さらに好ましくは、前記塩素剤が、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム及びジクロロイソシアヌル酸からなる群より選ばれるものであり、前記フェノール化合物が、サリチル酸、モノ置換サリチル酸化合物、m−クレゾール、チモール、1−ナフトール、2−フェニルフェノール、2−ベンジルフェノール、2−イソプロピルフェノール及び3−エチルフェノールからなる群より選ばれたものであり、前記アルカリ剤が、水酸化ナトリウム及びリン酸三ナトリウムから選ばれたものである。
【0014】
上記各発明においては、前記担体が、短繊維を熱融着して作製した吸水性多孔フェルトであることが好ましく、さらに好ましくは、当該吸水性多孔フェルトを熱収縮性樹脂により被覆してなるものである。
【0015】
また、前記担体が、透明又は白色のガラスビーズ又はプラスチックビーズを透明な管に充填したカラムであることが好ましい。
【0016】
定量方法に係る本発明は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の検知材を使用する定量方法であって、前記溶液の所定量を前記検知材に供給したとき、着色する着色帯の数により該溶液に存在する対象物質の濃度を判別することを特徴とする定量方法を要旨としている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の検知材によれば、着色帯と非着色帯とを交互に配置させているため、着色帯の見掛けの着色領域の長さを長くすることが可能となり、相対的な長さの比較を容易にし、また、着色した着色帯の個数によって、対象物質の濃度を精度よく目視定量することが可能となる。
【0018】
請求項2に記載の検知材によれば、上記請求項1の効果と同様に、対象物質の濃度を精度よく目視定量できる。また、この検知材によれば、着色帯に含ませる反応剤の量が当該着色帯を配置する位置に応じて調整されていることから、所望の位置における着色反応を増加させ、または、逆に所望の位置における着色反応を少なくすることができる。従って、例えば、溶液が供給される側に配置される着色帯の反応剤の量を多くする場合には、高濃度の対象物質含有溶液を供給したとしても、当該供給側の着色帯における着色反応によって対象物質を吸着(捕捉)されることとなる。これにより、当該着色帯を通過した溶液の対象物質濃度が低下し、下流側の限られた範囲内に配置される着色帯によって濃度を定量することが可能となる。
【0019】
また、下流側の着色帯の反応剤の量が比較的多い場合、溶液の対象物質濃度が低いとき、または、下流において濃度が低下したときには、下流側に位置するいずれか1個の着色帯において部分的に着色することがあった。そこで、例えば、前記検知材において、担体の供給側から反対側に向かって段階的に反応剤の量を減少させる構成とすれば、下流側で着色されるべき各着色帯の全体が着色されることとなる。これにより、対象物質の濃度は、着色した着色帯の数によって確認することができる。
【0020】
請求項3に記載の検知材によれば、請求項1又は2に記載の検知材の効果に加え、次のとおりの効果を奏する。すなわち、この検知材によれば、反応剤が対象物質から誘導される陰イオン性着色物質とイオン対形成反応する反応剤であることから、陰イオン性着色物質が着色帯に接触することによって、イオン対が形成されることとなる。これにより、着色帯が陰イオン性着色物質を吸着(又は捕捉)することによって、当該着色帯が着色することとなるのである。この場合、定量すべき対象物質に応じて異なる呈色試薬を使用して呈色反応を行うことにより、種類の異なる複数の物質についても同じ構成の検知材によって濃度を定量することが可能となる。
【0021】
請求項4に記載の検知材によれば、請求項1又は2に記載の検知材の効果に加え、次のとおりの効果を奏する。すなわち、この検知材によれば、対象物質が、リン酸イオン、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素及びアンモニア性窒素からなる群より選ばれるものであることから、これらの物質から誘導される陰イオン性着色物質が四級アンモニウム塩との間で容易にイオン対反応により吸着(又は捕捉)されることとができ、着色帯において陰イオン性着色物質の接触による着色を可能にする。当該対象物質は、リン酸イオン、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素及びアンモニア性窒素であることから、閉鎖性水域における植物性プランクトンの栄養素となり得る成分について検査することができる。
【0022】
請求項5に記載の検知材によれば、請求項3に記載の検知材の効果に加え、次のとおりの効果を奏する。すなわち、この検知材によれば、対象物質をアンモニア性窒素とするものであり、塩素剤、ホウ酸及びカップリング剤としてのフェノール化合物を添加するものであることから、アンモニア性窒素を対象物質としたときの呈色反応を可能にする。また、アルカリ剤を添加することにより、カップリング剤によってカップリング反応させた着色物質を陰イオン化し、着色帯における吸着(又は捕捉)の能力を向上させることができる。
【0023】
請求項6に記載の検知材によれば、請求項5に記載の検知材の効果に加え、次のとおりの効果を奏する。すなわち、この検知材によれば、入手容易な材料により呈色させたアンモニア性窒素を着色帯により吸着(又は捕捉)させることができる。また、アルカリ剤としてリン酸三ナトリウムを選択する場合には、取り扱いの容易な物質を使用した呈色試薬を作製することができる。つまり、塩素剤として使用するジクロロイソシアヌル酸のほか、ホウ酸及びリン酸三ナトリウムを使用すれば、これら全てが粉体であることから、容易に取り扱うことができるのである。
【0024】
請求項7に記載の検知材によれば、請求項1ないし6に記載の検知管の効果に加え、次のとおりの効果を奏する。すなわち、この検知材によれば、吸水性多孔フェルトを使用することから、毛管現象を利用して検知材に給水することができる。また、柔軟性を有するため取り扱いが容易となる。
【0025】
請求項8に記載の検知材によれば、請求項7に記載の検知材の効果に加え、次のとおりの効果を奏する。すなわち、この検知材によれば、担体が吸水性多孔フェルトを熱収縮性樹脂により被覆したものであることから、担体を構成する着色帯を保護することができる。また、吸水性多孔フェルトの側縁部が熱収縮性樹脂に密着して、当該側縁部に沿って溶液が流下し又は吸引上昇することを抑制し、正確な着色状態を形成することができる。また、例えば、長尺に形成した吸水性多孔フェルトの両端を開口しつつ熱収縮性樹脂により被覆する場合には、毛管現象を利用することができるほか、吸引又はろ過方式によっても溶液を供給することができる。
【0026】
請求項9に記載の検知材によれば、請求項1ないし6に記載の検知管の効果に加え、次のとおりの効果を奏する。すなわち、この検知材によれば、ガラスビーズ又はプラスチックビーズを使用してカラムを構成していることから、当該ビーズに四級アンモニウム塩を担持させることができる。
【0027】
請求項10に記載の発明によれば、着色帯と非着色帯を交互に配置してなる検知材を使用して定量することから、対象物質の濃度を着色した着色帯の個数によって定量できることとなり、明確でかつ精度のよい簡易定量が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の検知材と従来の検知材を用いて亜硝酸窒素を目視定量した例を示す図である。
【図2】PVC樹脂によりカラムを構成した状態を示す説明図である。
【図3】吸水性多孔フェルトを熱収縮性樹脂で被覆し、シリンジを備えた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0030】
本発明において、溶液中に存在する対象物質としては、リン酸イオン、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素、アンモニア性窒素などが挙げられ、これら対象物質から誘導された陰イオン性着色物質がイオン対形成反応によって検知材に含まれる四級アンモニウム塩などに吸着又は捕捉されることにより着色することとなる。
【0031】
本発明において、上記したような対象物質と接触することにより着色する反応剤としては、四級アンモニウム塩を含むものや、陰イオン交換樹脂などが挙げられ、四級アンモニウム塩を含むものとしては、ベンゼルセチルジメチルアンモニウム(BCDMA)、セチルトリメチルアンモニウム(CTMA)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(HTMA)の塩化物および臭化物が挙げられる。
【0032】
ここで反応剤とは、陰イオン性物質との間でイオン対形成反応を起こすものをいい、当該イオン対形成反応により陰イオン性物質が吸着(又は捕捉)されることから、吸着剤又は捕捉剤と呼ぶことがある。また、呈色試薬により予め呈色された溶液中の陰イオン性物質(これを陰イオン性着色物質という)がイオン対形成反応により着色帯に吸着(又は捕捉)されることにより、溶液と同色を呈することを着色と称することとする。
【0033】
対象物質の呈色方法としては、リン酸イオンに対し、モリブデン酸アンモニウム及びアスコルビン酸メタノールを添加することによってモリブデン青を形成できることが知られており、これを使用することができる。また、亜硝酸性窒素に対しては、スルファニル酸及び芳香族化合物を用いてアゾカップリング反応により、色彩を呈するアゾ化合物を生成することができる。本実施形態では、1−ナフトールを用いることとする。
【0034】
さらに、硝酸性窒素を対象物質とするときは、硝酸イオンを還元して亜硝酸イオンとし、上述のように呈色させることができる。硝酸イオンの還元には、カドミウム、銅又は亜鉛を使用することができる。従って、呈色試薬を作製する際には、スルファニル酸、1−ナフトール(カップリング剤)、酢酸ナトリウム及び亜鉛を混合したものを使用することができる。
【0035】
また、アンモニア性窒素に対する呈色方法としては、インドフェノール法又はα−ナフトール法によるものが知られている。しかし、本発明の実施においては、簡易定量に資するものとして次に示す呈色方法を用いる。すなわち、塩素剤及びホウ酸を添加してフェノール化合物によりカップリング反応させる方法である。ここで、塩素剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム及びジクロロイソシアヌル酸の群の中から選ぶことができ、また、カップリング剤としてのフェノール化合物には、サリチル酸、モノ置換サリチル酸化合物、m−クレゾール、チモール、1−ナフトール、2−フェニルフェノール、2−ベンジルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3エチルフェノールの群の中から選ぶことができる。なお、塩素剤は、粉体で使用が簡便なジクロロイソシアヌル酸が好ましく、カップリング剤は、着色帯を形成するために2−フェニルフェノールが好ましい。
【0036】
上記アンモニア性窒素に対する呈色過程において、呈色反応させた後、さらに、溶液をアルカリ性に調整するためアルカリ剤を添加することが好ましい。ここで、アルカリ剤としては、1規定の水酸化ナトリウム溶液、水酸化ナトリウム又はリン酸三ナトリウムの中から選ぶことができる。これらのうち、一般的に入手が容易であるリン酸三ナトリウム・12水和物が好ましく、また、このリン酸三ナトリウム・12水和物は、粉体であることから取り扱いが容易であるという点においても好ましい。
【0037】
上記した対象物質と反応剤は、好ましい組合せがあり、例えば、リン酸イオン、亜硝酸性窒素に対しては塩化ベンゼルセチルジメチルアンモニウム(BCDMA)、アンモニア性窒素に対しては塩化ベンゼルセチルジメチルアンモニウム(BCDMA)あるいは塩化ベンゼルセチルジメチルアンモニウム(BCDMA)とハイドロタルサイトの混合物である。
【0038】
本発明において用いられる担体としては、対象物質を含む水の毛管現象を利用するか、あるいは吸引やろ過方式によって溶液を移動させることができ、かつ反応剤を担持することが可能なものであれば特に限定されるものではない。そのようなものとしては、短繊維を熱融着して作製した吸水性多孔フェルトや、微粒状のガラスあるいはポリ塩化ビニル樹脂(PVC)を充填したミニカラムが挙げられる。これらの中で、短繊維を熱融着して作製した吸水性多孔フェルトは、毛管現象を利用して速い吸水速度が得られるため好ましく、PVC樹脂を充填したミニカラムは、吸引又はろ過方式による場合にカラム内を移動する溶液の速度を速くすることができるため好ましい。
【0039】
本発明の検知材は、上記した担体において、対象物質と接触することにより着色する反応剤を含ませた着色帯と該反応剤を含ませない非着色帯とが担体の長さ方向に交互に配置されていることに特徴を有する。
【0040】
本発明において、着色帯の長さとしては、2mm〜10mmが好ましく、2mm〜5mmがより好ましく、2mm〜3mmがさらに好ましい。なお、これらを均一な長さとしてもよいが、上述のように、異なる長さの着色帯を単一の担体に使用してもよい。いずれの場合においても、各着色帯において着色した部分の先端が不明確とならないように、着色帯の長さを比較的短くすることが望ましい。
【0041】
また、非着色帯の長さとしては、3mm〜20mmが好ましく、3mm〜10mmがより好ましく、5mm〜10mmがさらに好ましい。なお、上述のとおり、非着色帯では、陰イオン性着色物質とのイオン対形成反応を起こさせないものであることから、隣接する着色帯を十分に区別できる程度であればよく、この非着色帯の長さは、均一にすることができる。
【0042】
本発明において、着色帯及び非着色帯の個数としては、2が好ましく、4がより好ましく、6がさらに好ましい。この場合、6個の着色帯を備える検知材とするときには、例えば、対象物質の濃度が1mg/Lあたり1個の着色帯を着色するものであるように構成すれば、1〜5mg/Lの濃度を測定する検知材として機能することとなる。すなわち、1個以下の着色帯の着色においては1mg/L以下の濃度となり、6個の着色帯の全部を着色する場合には、6mg/L以上の濃度を有することから、有効に定量できる範囲は1〜5mg/Lとなる。同様にして、高濃度の対象物質を定量する場合は、当該個数を増加することで対応することも可能である。
【0043】
また、それぞれの着色帯は、同じ量の反応剤を各着色帯に担持させてもよいが、異なる位置に配置される着色帯ごとに異なる量の反応剤を担持させてもよい。異なる量の反応剤を担持させることによって、異なる量の陰イオン性着色物質を吸着(捕捉)させることとなる。そして、明らかに高濃度の対象物質を定量するのであれば、多くの反応剤を担持させた着色帯を検知材の供給側に配置することによって、多くの陰イオン性着色物質を吸着(捕捉)させ、検知材の2個目又は3個目以降において定量することが可能となる。例えば、検知材の給水側から2個目までの2個の着色帯により5mg/Lの対象物質を吸着(捕捉)させるとすると、3個目の着色帯が着色した場合には6mg/Lの濃度を定量できることとなり、4個目の着色帯が着色した場合には7mg/Lの濃度を定量できることとなる。
【0044】
本発明の検知材を作製するには、例えば、担体に反応剤を浸漬法などの公知の方法により担持させた後、所定の長さに切断し、一方、反応剤を含ませない担体を所定の長さに切断し、着色帯と非着色帯とを交互に接着すればよい。
【0045】
ここで、接着とは、着色帯と非着色帯に接着領域を設けて、隣接する接着領域を直接的に接着する場合のほかに、疎水性材料による基材(例えば、プラスチックフィルムまたはプラスチック板など)の表面に接着する場合を含むものである。基材に接着する構成では、着色帯と非着色帯の隣接する端縁が緊密に接触する状態で、着色帯と非着色帯とを交互に基材表面に積層するのである。また、この場合の基材は細長い短冊状とし、その表面の長手方向に向かって所定数の着色帯と非着色帯とを交互に配置することにより、一枚の短冊状の検知材を構成させることができるのである。
【0046】
検知材の使用方法としては、本発明に使用する着色帯を連続した検知材を使用し、対象物質を含む測定試料水に呈色試薬を添加して呈色させた液中に浸漬させ、毛管吸引現象により、試料水を検知材中に流入展開させ、その反応着色領域の長さを別に作成した標準液を同様な方法で着色した着色領域の長さと比較して試料水中の対象物質の濃度を測定してもよいが、本発明のように、着色帯と非着色帯とを交互に配置した検知材を使用する場合には、着色した着色帯の個数により濃度を測定すればよい。
【0047】
このような測定方法によれば、測定すべき対象物質の種類によって、呈色試薬が異なることから、測定すべき対象物質ごとに個別に検知することができる。呈色したときの色彩を異ならせることができ、測定すべき物質を混同することを避けることができる。さらに、検知材に供給する溶液のアルカリ化の程度によりイオン対形成反応の程度が異なることとなるから、同一の検知材を使用しつつ、測定対象物質に応じて異なる濃度の測定を行うことも可能である。
【0048】
上述の実施形態は、本発明の実施の一例を示したものであり、反応剤又は呈色試薬等については、対象物質又は担体等の材質などに応じて適宜変更することができる。従って、例示した反応剤及び呈色試薬はこれらに限定されるものではなく、特に、着色帯の長さについては、着色帯に含められる反応剤の量を変更させる場合には、所望量を確保すべく当該長さを変更すべきこととなり得る。
【0049】
また、反応剤及び反応の意味については前述したとおりであるが、この種の性質を有する反応剤に限定する趣旨ではなく、着色帯に対象物質が接触することにより、着色帯に含ませた物質との間で着色反応する場合、または、着色帯を変色させる場合もあり得る。例えば、吸水性多孔フェルトまたはシリカゲル等に発色試薬又は変色試薬を担持させるような場合である。
【0050】
上述の実施形態における対象物質の吸着(又は捕捉)の方法は、着色帯を陽イオン化し、対象物質を陰イオン化することにより、両者間でイオン対形成反応させるものであるが、これとは逆に、着色帯を陰イオン化し、対象物質を陽イオン化する場合もあり得る。さらには、物理的な吸着方法として、ファンデルワールス力による吸着作用を利用するもの、または、疎水性相互作用による吸着作用を利用するものがあり、その他、対象物質によっては酵素反応による吸着などを利用する方法もあり得る。
【0051】
その他、本発明は、趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた形態で実施できるものである。
【実施例】
【0052】
<実施例1>
吸水特性のポリエステル短繊維を熱融着して製造した吸水性多孔フェルト(例えば特許3059352号)のシート(縦150mm×横100mm×厚さ2mm、気孔率74%)を塩化ベンゼルセチルジメチルアンモニウム(BCDMA)のエタノール溶液(濃度1000mg/L)30mLに含浸し、風乾させ、反応剤BCDMAを担持した担体を製造した。これを幅10mm×長さ150mmにカッターにより切断した短冊状シートを作り、連続して着色帯のある検知材とした(図1(a)参照)。
【0053】
また、この短冊状シートをさらに幅10mm×長さ3mmに切断したピース10個(3)と、反応剤を担持していない未処理の吸水性多孔フェルトを幅10mm×長さ10mmに切断したピース10個(非着色帯)(2)を交互に並べ、下端には幅10mm×長さ20mmの未処理ピースが来るようにして接着して製造したシート(接液部は非着色帯となる)を不連続着色帯検知材(図1(b)参照)とした。
【0054】
なお、処理ピースと未処理ピースとを直接的に接着して短冊状とするほかに、短冊状の基材に処理ピースおよび未処理ピースを交互に積層してもよく、この場合の基材としてはプラスチックフィルムまたはプラスチック板を使用し、処理ピースと未処理ピースとの両端縁が相互に緊密に接触するように配置するのである。
【0055】
次に、スルファニル酸、1−ナフトール、グルコースを1:1:8の割合で均一混合した呈色試薬を調整した。この場合、グルコースに代えて塩化ナトリウムを使用してもよい。次に、亜硝酸性窒素5mg/L、10mg/L、20mg/Lを含む水50mg/Lに対して、この試薬0.3mgを加えることにより、亜硝酸イオンは橙色の陰イオン性アゾ化合物を生成させた(1)。呈色が安定した後、1規定の水酸化ナトリウム溶液1mLを加えてアルカリ性にした各濃度の溶液中に検知材の先端部を浸漬させ7分間垂直に保持して、120mmの高さまで毛管現象により溶液を供給して陽イオン性BCDMAと陰イオンのアゾ化合物とイオン対形成による吸着した着色領域の長さを測定した。
【0056】
図1に示したように、連続した着色帯のある検知材では着色領域の長さ(4)は5mg/Lの場合で水面から6mm、10mg/Lの場合で11mm、20mg/Lの場合で20mmとなり、着色領域の長さは全長150mmの検知材の1/7程度と短く、また濃度差に比べて着色帯の長さの差が小さく、且つ、高い濃度では着色帯の先端は乱れて、長さを決めるのが難しかった。
【0057】
一方、本発明の検知材を用いた場合、5mg/Lの場合で水面から2個目、10mg/Lの場合で4個目、20mg/Lの場合で7個目まで着色されており、見掛けの着色領域の長さが伸び、また、着色帯(4)の個数から濃度を判定することができるため、明確に判断できた。
<実施例2>
本実施例では、粒状のPVC樹脂を使用し、反応剤の量を変更した着色帯を形成するカラムを作製した。カラムに充填するPVC樹脂は、キシダ化学(株)社製の粒径0.1mmを使用した。着色帯を構成するPVC樹脂は、BCDMA及びビフェニルを担持したものであって、具体的には、東京化学工業(株)社製のBCDMA及び東京化学工業(株)社製ビフェニル各1.0gをメタノール溶液1.0Lに溶解させ、メタノール溶液250mLに対し、50gのPVC樹脂を加えて1日振とうした後、ロータリーエバポレータを用いて45°Cでメタノールを除去し、さらに70°Cで約3時間乾燥して得ることができる。これによりBCDMA及びビフェニルの担持率を0.5w%(第1の着色帯用PVC)に調整し、また、メタノール溶液に溶解させるBCDMA及びビフェニルの量を各0.4gとして、担持率を0.2w%(第2の着色帯用PVC)に調整した。
【0058】
他方、非着色帯を構成するPVC樹脂は、同種のPVC樹脂を使用し、親水化処理を行った。すなわち、ポリビニルアルコール(PVA)の水溶液250mLに対し50gのPVC樹脂を加え、1日振とうしてPVAをPVCに担持し、その後、ロータリーエバポレータを用いて45°Cで溶媒を除去し、さらに70°Cで約3時間乾燥した。これにより、PVCを親水化することができ、対象物質を含む溶液の給水速度を向上させることができる。
【0059】
上記のようにして、二種類の担持率の異なる着色帯用PVCと、非着色帯用PVCを順次、透明のプラスチック製円筒管(内径3mm、全長130mm)に充填してカラムを構成した。複数の着色帯の形成のために、供給側から非着色帯用PVC、第一の着色帯用PVC、非着色帯用PVC、第二の着色帯用PVC・・・の順で行い、以降の着色帯用PVCは第二の着色帯用PVCを使用して、合計5個の着色帯を形成した。非着色帯用PVCの充填量は一律0.025gとし、第一及び第二の着色帯用PVCは表1に示すとおりとした。なお、供給側の先端には樹脂製メッシュ(100μmメッシュ)で閉鎖し、他方側の先端にはガラス繊維フィルタで閉塞した。なお、上記の樹脂製メッシュ及びガラス繊維フィルタに代えて、両端をメラミンフォームによって閉塞してもよい。メラミンフォームは、吸水性に優れるものであるから、対象物質を含む溶液の供給を妨げるものではなく、また、取り扱いも容易である。
【0060】
上記により作製したカラム(C)を図2に示す。この図において、(31)は第1の着色帯用PVCによる着色帯であり、(32)は第2の着色帯用PVCによる着色帯である。各着色帯(31,32)に表示している1〜5の数字は、供給側からの着色帯の順位であり、溶液の供給は下端から上向きである。また、供給側は樹脂製メッシュ(PM)により、反対側はガラス繊維フィルタ(GF)により、それぞれ閉塞されている。
【0061】
次に、対象物質が亜硝酸性窒素である場合の陰イオン性着色物質を含む検査溶液を作製(呈色)するために、実施例1と同様に、スルファニル酸、1−ナフトール、塩化ナトリウムを1:1:8の割合で均一混合した呈色試薬を調整した。そして、亜硝酸性窒素2mg/L、4mg/L、6mg/L、8mg/L、10mg/Lを含む水に上記呈色試薬を加えて検査溶液を作製した。なお、この実施例では、塩化ナトリウムを使用したがグルコースを使用してもよい。また、この実施例においても、呈色が安定した後、1規定の水酸化ナトリウム溶液1mLを加えてアルカリ性にしている。
【0062】
上記条件により、表1に示すBCDMA及びビフェニルの充填率(担持される量)によって5個の着色帯を備えたカラムを5本用意し、各カラムに異なる濃度(2mg/L〜10mg/L)の亜硝酸性窒素を含む検査溶液0.5mLをシリンジで供給した。その結果は表2に示すとおりである。
【0063】
【表1】

【0064】
【表2】

【0065】
上記結果から明らかなとおり、亜硝酸性窒素濃度に応じた数の着色帯を着色することができた。このように、供給側の第1番目に充填する着色帯用PVCについて、BCDMA及びビフェニルの担持率を0.5w%とすることにより、着色帯の長さを比較的短くしつつ十分な亜硝酸イオンの吸着を可能にし、さらに、供給側から離れるに連れて充填量を減少させることにより、亜硝酸性窒素の濃度が等差的に増加した場合に比例して着色帯の数が増えることとなる。
【0066】
なお、いずれも同じ担持率(例えば0.5w%)により、同様の実験を行った場合には、8mg/Lの亜硝酸性窒素を含む検査溶液を供給するとき、4番目の着色帯が一部のみ着色した状態となることがあった。この現象と上記結果を比較すると、供給側から離れた位置の着色帯全体を着色させるためには、離れた着色帯の充填量を少なくすることが必要となり、また、担体の長さ方向に着色帯を短く構成することで着色帯全体を着色させ得ることが判明した。しかも、当該離れた位置の着色帯に到達するまでの間に通過する各着色帯において、予定する亜硝酸イオンを吸着できるように担持率を調整する必要があることが判明した。本実施例は、その一例であるが、これに準じて担持率を調整することにより、他の濃度範囲についても同様に定量することが可能となる。
<実施例3>
本実施例は、アンモニア性窒素の定量に関する。本実施例では、実施例1において使用した吸水性多孔フェルトを使用し、着色帯と非着色帯を交互に配置して連続した担体を作製する。着色帯に使用する反応剤についても実施例1と同様に、上記吸水性多孔フェルトのシートをBCDMAのエタノール溶液に含浸し、風乾させてBCDMAを担持した。
【0067】
なお、着色帯と非着色帯を交互に配置する方法は、実施例1と同様に裁断したシートを接着することによってもよく、また、連続する1枚の細長いシートの所定個所にBCDMAのエタノール溶液を数回に分けて滴下する方法もあり得るが、いずれの方法により作製してもよい。
【0068】
また、本実施例では、上記により作製した担体を熱収縮性樹脂により被覆して検知材とした。熱収縮性樹脂による被覆の方法は、住友電工ファインポリマー(株)社製のポリエチレン熱収縮チューブ(商品名・スミチューブ(住友電気工業株式会社の登録商標))を使用し、内径2.6mmのポリエチレン熱収縮チューブに対し、幅2mmの細長状に裁断した上記担体を挿入し、乾燥機内において約100°Cの状態で数分間加熱した。これにより、ポリエチレン熱収縮チューブが収縮して、担体表面に密着した状態となり、当該担体表面を被覆することができた。なお、ポリエチレン熱収縮チューブの両端は当初より開口しており、熱収縮後も両端は開口している。従って、この両端から溶液の供給を可能にしている。
【0069】
上記の被覆方法は、本実施例のために採用した一例を示すものであり、他の熱収縮性樹脂を使用することができる。例えば、ポリオレフィン系の熱収縮性樹脂などが挙げられる。また、使用したポリエチレン熱収縮チューブの内径は、担体の幅寸法によって適宜変更されるものであり、例えば、幅3mmの担体を被覆する場合には、内径3.1mmのポリエチレン熱収縮チューブを使用することができる。さらに、収縮のための加熱方法は、乾燥機を使用することに限定されず、熱風等による加熱方法でもよく、適宜選択することができる。
【0070】
上記により作製した検知材の供給側にシリンジを接続した状態を図3に示す。この図において、(C)は検知材を、(S)はシリンジを示し、(T)は担体を示す。また、(2)は非着色帯であり、(3)は着色帯である。この図に示すように、担体(T)を被覆する熱収縮性樹脂は筒状となっており、その両端は僅かに開口している。その一端(図では上端)にシリンジ(S)を接続して、内部の担体(T)に所定量の溶液を供給できるようにしている。
【0071】
次に、対象物質であるアンモニア性窒素に対し陰イオン性着色物質を含む検査溶液を作製(呈色)するために、アンモニア性窒素2mg/L、4mg/L、6mg/L、8mg/L、10mg/Lを含む水10mLにジクロロイソシアヌル酸20mg、ホウ酸0.1g及び2−フェニルフェノール0.1gを添加し、約1分間振とうして溶解した。この状態で、検査溶液は黄色に呈色するが、その後、さらにリン酸三ナトリウム・12水和物(1.5g)を添加して約1分間振とうし、検査溶液をアルカリ化させ、20分間静置した。
【0072】
上記条件により作製した検知材5本に、異なる濃度のアンモニア性窒素を含む検査溶液0.5mLをシリンジで吸引して供給した。その結果は表3に示すとおりである。
【0073】
【表3】

【0074】
上記の結果から明らかなとおり、アンモニア性窒素についても、その濃度に応じて着色した着色帯の数が異なる結果を得ることができた。
【符号の説明】
【0075】
1 亜硝酸窒素を含む水
2 非着色帯
3 着色帯
4 着色領域
20 非着色帯
31 第1の着色帯用PVCによる着色帯
32 第2の着色帯用PVCによる着色帯
C カラム
S シリンジ
T 検知材
PM 樹脂製メッシュ
GF ガラス繊維フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶液中に存在する対象物質の濃度を、担体へ毛管現象を利用して、あるいは吸引やろ過方式により前記溶液を供給することで着色する領域の長さに変換して目視定量する検知材において、
対象物質と接触することにより着色する反応剤を含ませた着色帯と該反応剤を含ませない非着色帯とを担体の長さ方向に交互に配置させたことを特徴とする検知材。
【請求項2】
溶液中に存在する対象物質の濃度を、担体へ毛管現象を利用して、あるいは吸引やろ過方式により前記溶液を供給することで着色する領域の長さに変換して目視定量する検知材において、
対象物質と接触することにより着色する反応剤を含ませた着色帯と該反応剤を含ませない非着色帯とを担体の長さ方向に交互に配置するとともに、それぞれの着色帯に含ませる反応剤の量を配置する位置に応じて調整してなることを特徴とする検知材。
【請求項3】
前記反応剤が、前記対象物質から誘導される陰イオン性着色物質とイオン対形成反応する反応剤である請求項1又は2に記載の検知材。
【請求項4】
前記対象物質が、リン酸イオン、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素及びアンモニア性窒素からなる群より選ばれるものであり、前記反応剤が四級アンモニウム塩を含むものである請求項1又は2に記載の検知材。
【請求項5】
前記溶液中の対象物質が、アンモニア性窒素であり、前記陰イオン性着色物質が、塩素剤、ホウ酸及びフェノール化合物を添加されて着色してなる陰イオン性着色物質であり、前記溶液が、アルカリ剤を添加されてアルカリ化された溶液である請求項3に記載の検知材。
【請求項6】
前記塩素剤が、ジクロロイソシアヌル酸であり、前記フェノール化合物が、2−フェニルフェノールであり、前記アルカリ剤が、リン酸三ナトリウム又は水酸化ナトリウムである請求項5記載の検知材。
【請求項7】
前記担体が、短繊維を熱融着して作製した吸水性多孔フェルトである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の検知材。
【請求項8】
前記担体が、前記吸水性多孔フェルトを熱収縮性樹脂により被覆してなる担体である請求項7に記載の検知材。
【請求項9】
前記担体が、透明又は白色のガラスビーズ又はプラスチックビーズを透明な管に充填したカラムである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の検知材。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の検知材を使用する定量方法であって、前記溶液の所定量を前記検知材に供給したとき、着色する着色帯の数により該溶液に存在する対象物質の濃度を判別することを特徴とする定量方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2010−160134(P2010−160134A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−240466(P2009−240466)
【出願日】平成21年10月19日(2009.10.19)
【出願人】(000004503)ユニチカ株式会社 (1,214)
【出願人】(304027349)国立大学法人豊橋技術科学大学 (391)
【Fターム(参考)】