説明

検索クエリーの作成を支援する装置、グラフィカルユーザインターフェース生成システム、方法及びプログラム

【課題】複雑な論理構造をもった検索クエリーの作成・修正・検証を簡便化することのできる新規な検索クエリー作成支援装置、グラフィカルユーザインターフェース、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】本発明のGUIによれば、サンプル文書に含まれる語句がドラッグされたこと、または、ファセットリスト内のファセットがクリックされたことに応答して、文書検索エンジンがサポートする検索文法に則ってドラッグされた語句またはクリックされたファセットから検索式が自動的に生成される。本発明によれば、検索文法について専門的な知識がなくても、特殊検索構文(検索式)を簡便且つ直感的に作成することができる。さらに、本発明によれば、検索クエリーに追加する予定の検索語の妥当性を事前に推定することができるため、無駄な検索を回避することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索クエリーの作成を支援する装置に関し、より詳細には、複雑な論理構造をもった検索クエリーの作成・修正・検証を簡便化するためのグラフィカルユーザインターフェースを提供する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
企業において、日々、実に多くのテキスト文書が蓄積される。コールセンターのコンタクト履歴やユーザのアンケート回答、故障報告、品質情報、営業日誌等はその一例である。近年、顧客満足度の向上や企業リスクの低減を企図して、これらのテキスト情報を利用した以下の様な業務改善サイクルが多くの企業で実施されている。まず、蓄積された大量のテキスト情報をコンピュータで分析し、そこから顧客満足度や企業リスクに関連する何らかの知見を得る。次に、得られた知見に基づいてアクションプランを作成・実行する。その後、さらにテキスト情報を分析することによって実行したアクションプランの効果を検証する。その結果、予測した効果が得られていないと判断された場合には、当該テキスト情報をさらに分析することによってその原因に対する仮説を立て、これに基づいて新たなアクションプランを作成・実行する。
【0003】
このような業務改善サイクルにおいて肝要になるのが、テキスト群の中に内在する暗黙知を形式知化したり、テキスト群の中にある種の特徴や傾向を見出したり、異なる種類のテキスト群の間に相関関係を見出したりする、テキストマイニングと呼ばれる手法である。特許第3831319号(特許文献1)は、そのようなテキストマイニングを行なうためのテキスト情報分析システムを示す。
【0004】
ここで、テキストマイニングを専門に行う分析アナリストが日常的に行っている文書検索業務について、携帯電話の水濡れに係る不具合に注目している携帯電話会社の分析アナリストの場合を例にとって説明する。分析アナリストは、まず、蓄積されたテキスト(例えば、サポートセンターに寄せられた苦情メールなど)の中から「水濡れに係る不具合」について記述された1つのサンプル文書を選定し、その中から「水濡れに係る不具合」の記述に共通する特有のキーワードや文型パターンを抽出する。次に、適切な検索文法を用いて抽出したキーワードや文型パターンから検索クエリーを作成する。最後に、作成した検索クエリーを文書検索エンジンに発行して検索を行ない、ヒットしたテキスト群の内容を精査する。
【0005】
その結果、ヒットしたテキスト群の中に期待した文書が多く含まれていない場合には、作成した検索クエリーが適切でないということになる。そのような場合、分析アナリストは、検索クエリーを修正し、再びこれを検索エンジンに発行して検索を行う。分析アナリストは、これら一連の作業を繰り返し、期待した文書が多く得られるようになったものを「水濡れに係る不具合」に係る検索クエリーとして保存する。
【0006】
その後、分析アナリストは、ユーザから続けて寄せられるテキスト群について、先に作成・保存しておいた検索クエリーを使用して検索を継続的に実施し、これにヒットする文書を蓄積していく。このようにして蓄積された情報を解析することによって、そこから「水濡れに係る不具合」に対する対応策を見出し、これに基づいてアクションプランを作成する。上述したように、テキストマイニングの成功は、ターゲットに対していかに適切な検索クエリーを作成するかにかかっている。しかしながら、従来、分析アナリストにとって、このような検索クエリーの作成作業は煩雑きわまりないものであった。以下、この点について説明する。
【0007】
従来、テキストマイニングに用いられる文書検索システムの多くは、検索クエリーを入力するためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)としてテキストフィールドを提供するのみであった。したがって、分析アナリストは、検索文法に則った検索式をキーボード操作によって直接入力することを要求され、多種多様な検索文法について熟知していなければならなかった。また、複雑な論理構造をもった検索クエリーの場合、複数の論理演算子が複雑に入り組んだ非常に長い文字列の中の一部分について、これを正確且つ迅速に修正することは非常に困難な作業であった。
【0008】
さらに、分析アナリストは、検索クエリーの作成の過程で、検索語を選出するにあたりサンプル文書を何度も参照する必要に迫られるが、従来システムのGUIにおいては、その都度、検索クエリーの入力画面とは別にサンプル文書のプレビュー画面を開いて参照しなければならなかった。さらに、そのようにして作成した検索クエリーの妥当性は、実際に検索エンジンに発行してみなければ判断することができず、しかも、その検証のためには、検索クエリーの入力画面とは別に展開される検索結果表示画面を開いて参照しなければならなかった。このような一連の作業を最適な検索クエリーが得られるまで何度も繰り返し行わなければならない分析アナリストにとって、従来システムのGUIは、決してユーザビリティが高いものとは言えなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3831319号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、本発明は、複雑な論理構造をもった検索クエリーの作成・修正・検証を簡便化することのできる新規な検索クエリー作成支援装置、グラフィカルユーザインターフェース生成システム、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、複雑な論理構造をもった検索クエリーの作成・修正・検証を簡便化することのできる新規な構成につき鋭意検討した結果、サンプル文書に含まれる語句がドラッグされたこと、または、ファセットリスト内のファセットがクリックされたことに応答して、文書検索エンジンがサポートする検索文法に則ってドラッグされた語句またはクリックされたファセットから検索式を自動的に生成するGUIウィンドウの構成に想到した。さらに、本発明者らは、検索語についての検索ヒット件数を当該GUIウィンドウに表示することによって、当該検索語の妥当性をユーザに推定させる構成に想到し、本発明に至ったのである。
【発明の効果】
【0012】
上述したように、本発明によれば、複雑な論理構造をもった検索クエリーの作成・修正・検証を簡便化することのできる新規な検索クエリー作成支援装置、ユーザインターフェース、方法及びプログラムが提供される。本発明によれば、本発明によれば、検索文法について専門的な知識がなくても、特殊検索構文(検索式)を簡便且つ直感的に作成することができ、さらに、追加する予定の検索語の妥当性を事前に推定することができるため、無駄な検索を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態の検索クエリー作成支援装置を含む文書検索システムを示す図。
【図2】本実施形態の検索クエリー作成支援装置が生成するGUI画面を示す図。
【図3】本実施形態のGUI画面10のクエリーツリービュー領域を示す図。
【図4】本実施形態のクエリーノードビルダーが表示されたGUI画面を示す図。
【図5】本実施形態のクエリーノードビルダーを示す図。
【図6】「キーワード検索」を選択したクエリーノードビルダーを示す図。
【図7】「ファセット検索」を選択したクエリーノードビルダーを示す図。
【図8】「近接検索」を選択したクエリーノードビルダーを示す図。
【図9】「あいまい検索」を選択したクエリーノードビルダーを示す図。
【図10】クエリーノードをクエリーツリービューに追加する態様を示す図。
【図11】クエリーノードビルダーが最小化されたGUI画面を示す図。
【図12】クエリーノードをクエリーツリービューに追加する態様を示す図。
【図13】検索クエリーを保存する際のGUI画面を示す図。
【図14】保存した検索クエリーを呼び出す際のGUI画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を図面に示した実施の形態をもって説明するが、本発明は、図面に示した実施の形態に限定されるものではない。なお、以下に参照する各図においては、共通する要素について同じ符号を用い、適宜、その説明を省略するものとする。図1は、本発明の実施形態である検索クエリー作成支援装置100を含む文書検索システム1000を示す。文書検索システム1000は、テキストマイニングに用いることができるシステムであり、検索クエリー作成支援装置100、文書検索エンジン200およびテキスト文書データベース300を含んで構成されている。なお、文書検索エンジン200は、形態素解析エンジン202を含んで構成されている。
【0015】
本実施形態の検索クエリー作成支援装置100は、文書検索エンジン200に発行する検索クエリーを生成するための検索クエリー生成部102と、当該検索クエリーの生成を支援するグラフィカルユーザインターフェース(以下、GUIという)を生成するGUI生成部104と、生成した検索クエリーを保存するための検索クエリーデータベース106を含んで構成されている。以下、本実施形態の検索クエリー作成支援装置100の機能について、表示装置400に表示されるGUI画面に基づいて具体的に説明する。なお、以下の説明においては、理解の容易のため、ソフトウェア会社の分析アナリストが「OSの圧縮とコンピュータの起動に係る不具合の関係」を探るために実施するテキストマイニングを例にとって説明する。
【0016】
図2は、本実施形態の検索クエリー作成支援装置100のGUI生成部104が生成するGUI画面の実施形態を示す。図1に示すように、本実施形態のGUI画面10には、検索クエリーの持つ論理構造をツリービューとして表示するクエリーツリービュー領域20と、ヒットした文書を検索結果として表示するためのヒット文書一覧表示領域30とが同一のレイヤーにシームレスに表示されている。さらに、GUI画面10は、データベースに蓄積されたテキスト文書のファセット(属性)を選択するためのリストボックス40と、作成した検索クエリーの保存をするためのアイコンなどの各種アイコン類が配置されるツールバー領域42を含んで構成されている。
【0017】
分析アナリストは、まず、リストボックス40の中の「お客様の声/好ましくない意見」と表示されたリストをクリックして指定するとともに、「ファセット検索」と表示されたテキストフィールド44に「起動する−ない」というキーワードを入力し、実行ボタン46をクリックする。検索クエリー作成支援装置100の検索クエリー生成部102は、上記操作に応答して検索クエリーを生成する。ここで、検索クエリーは、論理演算子(AND,OR,NOT)と検索語を組み合わせてなる文字列として定義されるものであり、文書検索エンジン200に対する問い合わせ(処理要求)である。図2に示す例の場合、検索クエリー生成部102は、GUI画面10を介した上記操作に応答して、

検索式「 *:* /"keyword$._voc.bad"/"起動する-ない" 」

で表される検索クエリーを生成し、これを文書検索エンジン200に発行する。文書検索エンジン200は発行された検索クエリーを用いて検索を実行し、検索クエリー作成支援装置100に検索結果を返す。
【0018】
文書検索エンジン200から検索結果を受け取った検索クエリー作成支援装置100のGUI生成部104は、発行した

検索式「 *:* /"keyword$._voc.bad"/"起動する-ない" 」

で表される検索クエリーの論理構造の視覚化表現であるクエリーツリービュー12を生成するとともに、ヒット文書一覧表示領域30に表示するためのヒットした文書群のリストを生成して、これらをGUI画面10に表示する。ヒット文書一覧表示領域30には、検索によってヒットした文書の内容に加え、タイトル、日付、その他の書誌情報がともに表示される。分析アナリストは、ヒット文書一覧表示領域30をスクロールしながら、各ヒット文書の内容を精査し、「OSの圧縮とコンピュータの起動に係る不具合」について記述した文書の中から、最も注目すべき文書をサンプル文書として選定する。続いて、分析アナリストは、選定したサンプル文書の中から「OSの圧縮とコンピュータの起動に係る不具合」について記述した文書に特有のキーワードや文型パターンを抽出し、これらを使用して最適な検索クエリーを作成する。以下、最適な検索クエリーが作成されるまでの一連の作業について、詳細に説明する。
【0019】
最初に、本実施形態におけるクエリーツリービューについて、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態のGUI画面10からクエリーツリービュー領域20のみを抜き出して示す。検索クエリーは、先に説明したように論理演算子および検索語から構成される。ここで、本発明において、検索語は、単一語またはフレーズ、あるいは、検索修飾子によって修飾された単一語またはフレーズとして参照する。図3(a)には、

検索式
「/"keyword$._voc.bad"/"起動する-ない" 圧縮
( /"keyword$.sem_software"/"Computer-OS"
OR /"keyword$.sem_software"/"COMPUTER-OS" )」

で表される検索クエリーの論理構造の視覚化表現としてのクエリーツリービュー12が示されている。図3(a)に示されるように、クエリーツリービュー12は、論理演算子および検索語をノードとするツリービューであり、論理演算子を示すノードアイコン(以下、論理演算子ノードという)および検索語を示すノードアイコン(以下、検索語ノードという)の集合体として構成されている。クエリーツリービュー12においては、画面左側に最上位ノードとして論理演算子ノードが配置され、当該論理演算子ノードの右側に下流ノードが配置される。各ノードアイコンのうち、論理演算子ノードの直近の下位の階層には、少なくとも2つのノードアイコンが配置される。これら少なくとも2つのノードアイコンのうち、少なくとも1つは、検索語ノードであり、その他に論理演算子ノードを含むことができる。
【0020】
図3(a)に示すクエリーツリービュー12においては、[AND:19 文書]と表示された検索語ノードの直近の下位の階層に[ファセット:″Unfavorable:起動する-ない″720 文書]と表示された検索語ノード、[キーワード:″圧縮″720 文書]と表示された検索語ノードおよび[OR:3100 文書]と表示された論理演算子ノードという3つのアイコンが配置されており、[OR:3100 文書]と表示された論理演算子ノードの直近の下位の階層には、[ファセット:″ソフトウェア:Computer-OS″3098 文書]と表示された検索語ノードおよび[ファセット:″ソフトウェア:COMPUTER-OS″2 文書]と表示された検索語ノードという2つのアイコンが配置されている。
【0021】
図3(a)に示すクエリーツリービュー12において、[ファセット:″ソフトウェア:Computer-OS″3098 文書]と表示された検索語ノードは、「ソフトウェア:Computer-OS」でファセット検索したヒット文書(3098件)に紐付けられており、[ファセット:″ソフトウェア:COMPUTER-OS″2 文書]と表示された検索語ノードは、「ソフトウェア:COMPUTER-OS」でファセット検索したヒット文書(2件)に紐付けられており、これら2つのアイコンの直近の上位の階層に位置する[OR:3100 文書]と表示された論理演算子ノードは、上述した2つの文書群の論理和となる文書群(3100件)に紐付けられている。同様に、[ファセット:″Unfavorable:起動する-ない″720 文書]と表示された検索語ノードは、「Unfavorable:起動する-ない」でファセット検索したヒット文書(720件)に紐付けられており、[キーワード:″圧縮″720 文書]と表示された検索語ノードは、「圧縮」でキーワード検索したヒット文書(720件)に紐付けられている。これら2つの文書群と、先に述べた2つの文書群の論理和となる文書群(3100件)の合わせて3つの文書群の論理積となる文書群(19件)が最上位に位置する[AND:19 文書]と表示された論理演算子ノードに紐付けられている。本実施形態においては、クエリーツリービュー12を構成する各ノードアイコンを直接編集することができ、これに連動して検索クエリー生成部102が編集内容に基づいて検索クエリーを生成するように構成されている。以下、この点について説明する。
【0022】
クエリーツリービュー12において、各ノードアイコンは、それが示すところの論理演算子または検索語を直接編集するための各種アイコンを含んで構成されている。論理演算子ノードは、その内容を編集するためのアイコン(図3に示す例においては「鉛筆」)を含んで構成されている。例えば、図3(a)に示すクエリーツリービュー12の[OR:3100 文書]と表示された論理演算子ノードについて、その論理演算子を「OR」から「AND」に変えたい場合、「鉛筆」アイコンをクリックすると、これに応答して論理演算子の下に論理演算子を選択するためのプルダウンメニューが出現する。ここで、例えば、「AND」をクリックすると当該ノードの論理演算子が「AND」に変化する。
【0023】
さらに、各ノードアイコンは、その内容を反転させるためのアイコン(図3に示す例においては「両端矢印」)を含んで構成されている。図3(b)に示すクエリーツリービュー12の[OR:3100 文書]と表示された論理演算子ノードについて、その内容を反転したい場合には、「両端矢印」アイコンをクリックする。すると、これに応答して、図3(c)に示すように、[OR:3100 文書]と表示された論理演算子ノードの直近の上位の階層に[MODIFIER(NOT):25811 文書]と表示された論理演算子ノードが表示される。このアイコンは、[OR:3100 文書]と表示された論理演算子ノードに紐付けられた文書群の排他的論理和に相当する25811件の文書群に紐付けられる。これに伴って、最上位に位置する[AND:19 文書]と表示された論理演算子ノードの件数表示が[19]から[7]に変化する。
【0024】
さらに、各ノードアイコンは、各ノードを削除するためのアイコン(図3に示す例においては「ゴミ箱」)を含んでいる。例えば、図3(c)に示すクエリーツリービュー12cの[ファセット:″Unfavorable:起動する-ない″720 文書]と表示された検索語ノードを削除する場合には、当該検索語ノードに含まれる「ゴミ箱」アイコンをクリックする。すると、これに応答して、図3(d)に示すように[ファセット:″Unfavorable:起動する-ない″720 文書]と表示された検索語ノード(すなわち、アイコンが表示するところの検索語)が削除され、これに伴って、最上位に位置する[AND:19 文書]と表示された論理演算子ノードの件数表示が[7]から[381]に変化する。なお、同様の手順で論理演算子ノードを削除することもでき、その場合には、論理演算子ノードの下流に配置された全てのノードアイコン(すなわち、アイコンが表示するところの論理演算子にぶら下がる全ての検索語)が削除される。
【0025】
さらに、検索語ノードについても、「鉛筆」アイコンをクリックすることによって、その内容を直接編集することができる。例えば、図3(d)に示すクエリーツリービュー12dの[キーワード:″圧縮″720 文書]と表示された検索語ノードに含まれる「鉛筆」アイコンをクリックすると、これに応答して、図3(d)に示すように、キーワードを入力するためのテキストフィールド14が出現する。このテキストフィールド14に新たなキーワード(例えば「圧縮後」)を直接入力することによって、検索語ノードが表示するところの検索語の内容を変更することができる。
【0026】
以上、説明したように、本実施形態におけるクエリーツリービュー12によれば、分析アナリストは、検索クエリーの持つ論理構造を視覚的に把握することができるので、複数の論理演算子が複雑に入り組んだ非常に長い文字列からなる検索クエリーであっても、その部分編集を直感的且つ簡便に行なうことができる。以上、本実施形態におけるクエリーツリービューについて説明してきたが、次に、検索クエリーに対して新たな検索語を追加する作業を支援するためのGUIについて説明する。
【0027】
再び、図2に戻って説明を続ける。ヒット文書一覧表示領域30の右側には、各ヒット文書をサンプル文書として選択するためのアイコン32が表示されている。分析アナリストは、ヒット文書一覧表示領域30に表示された各ヒット文書の内容を精査した結果、「TF2TB:圧縮後のトラブル…」というタイトルの文書をサンプル文書として選定し、これに対応付けられたアイコン32をクリックする。これを受けてGUI生成部104は、検索クエリーに追加する新たな検索語の簡便な作成を支援するGUIウィンドウを起動する。以下の説明においては、このGUIウィンドウを「クエリーノードビルダー」として参照する。
【0028】
図4は、クエリーノードビルダー50が表示されたGUI画面10を示す。クエリーノードビルダー50は、図4に示すようにクエリーツリービュー領域20とヒット文書一覧表示領域30とがシームレスに表示された画面の上位レイヤーにモードレスダイアログとして表示される。図5は、クエリーノードビルダー50のみを抜き出して示す。図5に示すようにクエリーノードビルダー50は、サンプル文書プレビュー領域60と、ファセットリスト領域70と、クエリーノード生成補助領域80と、論理演算子を示すアイコン群90とを含んで構成されている。なお、クエリーノードビルダー50は、さらに、保存した検索クエリーを呼び出すための検索クエリー呼出領域85をさらに含むがこの点については、後述する。
【0029】
サンプル文書プレビュー領域60には、ヒット文書一覧表示領域30から選択されたサンプル文書の全文が表示される。また、ファセットリスト領域70には、サンプル文書に含まれる語句とその属性が一覧表示される。なお、GUI生成部104は、形態素解析エンジン202からサンプル文書に含まれる語句およびその属性を受け取ってそれらのリスト(以下、ファセットリストという)を生成する。また、クエリーノード生成補助領域80には、検索文法を選択するための手段であるテキストフィールド81とクエリーノードの構成要素となる語句またはファセットを登録するための検索語要素登録領域82が設けられており、分析アナリストは、これらのGUIを使用してクエリーツリービュー12に追加するための新たな検索語(クエリーノード)を作成する。
【0030】
次に、図6〜図9を参照して、本実施形態のクエリーノードビルダー50についてさらに詳細に説明する。図6は、検索文法として「キーワード検索」を選択してクエリーノードを生成する態様を示す。この場合、分析アナリストは、まず、クエリーノード生成補助領域80のテキストフィールド81を介して検索文法を選択する。テキストフィールド81は、好ましくはオートコンプリートテキストフィールドとして構成され、テキストフィールド81の三角矢印アイコンをクリックすることによって、キーワード検索、ファセット検索、近接検索、あいまい検索、ワイルドカード検索など、文書検索エンジン200がサポートする全ての検索文法のリストを選択可能に表示するプルダウンメニューが展開する。分析アナリストは、その中から「キーワード検索」をクリックして選択する。また、文書検索エンジン200がサポートする検索文法が増えた場合には、クエリーノードビルダー50における検索文法リストもこれに対応させて逐次追加することができるように構成されている。なお、検索文法を選択するための手段は、テキストフィールドに限定されるものではなく、リストボックスなどその他の適切なGUI部品で構成することができる。
【0031】
次に、分析アナリストは、サンプル文書プレビュー領域60に表示されたテキストの内容を精査し、そこから少なくとも1つの適切なキーワードを選んで検索語要素登録領域82にドラッグ&ドロップする。検索語要素登録領域82にドラッグ&ドロップされたキーワードは、新たな検索語の要素候補として自動的に登録される。図6に示す例においては、「SAFE MODE」および「PC-OS」という2つのキーワードがサンプル文書プレビュー領域60から検索語要素登録領域82に登録されている。なお、検索語要素登録領域82に複数のキーワードが登録される場合は、それら複数のキーワードの論理積(AND)が要素候補として定義される。検索クエリー生成部102は、検索語要素登録領域82を介してキーワードが登録されたことに応答して、キーワード検索の文法に則ってこれらのキーワードから検索式を生成し、これを追加する検索語候補として一時記憶に保持する。
【0032】
なお、本実施形態においては、サンプル文書プレビュー領域60でキーワードがドラッグされたことに応答して、検索クエリー生成部102は、その都度、キーワード検索の文法に則ってドラッグされたキーワードから検索式を生成し、これを検索クエリーとして文書検索エンジン200に発行する。文書検索エンジン200は発行された検索クエリーを用いて検索を実行し、検索クエリー作成支援装置100に対してヒットした文書の件数(以下、ヒット件数という)を返す。文書検索エンジン200からヒット件数を受け取った検索クエリー作成支援装置100のGUI生成部104は、当該ヒット件数をヒット件数表示領域83に表示する。図6に示す例においては、

検索式「"SAFE MODE" PC-OS」

を検索クエリーとした場合のヒット件数「894」がヒット件数表示領域83に表示されている。本実施形態のクエリーノードビルダー50によれば、分析アナリストは、ヒット件数表示領域83に表示されるヒット件数を確認することによって、クエリーツリービュー12(すなわち、検索クエリー)に新たに追加することを検討しているクエリーノード(すなわち、検索語)の妥当性について、事前にある程度の推定を立てることが可能になる。
【0033】
図7は、検索文法として「ファセット検索」を選択してクエリーノードを生成する態様を示す。この場合、分析アナリストは、まず、クエリーノード生成補助領域80のテキストフィールド81を介して先述したのと同様の手順で「ファセット検索」を選択する。次に、分析アナリストは、ファセットリスト領域70に表示されたファセットリストから少なくとも1つの適切なファセットを選んでクリックする。クリックされたファセットは、新たな検索語の要素候補として自動的に登録され、検索語要素登録領域82に表示される。図7(a)に示す例においては、クリックされた「一般名詞:ドライバー」というファセットが検索語要素登録領域82に表示されている。なお、検索語要素登録領域82に複数のファセットが表示(登録)される場合は、それら複数のファセットの論理積(AND)が要素候補として定義される。検索クエリー生成部102は、検索語要素登録領域82を介してファセットが登録されたことに応答して、ファセット検索の文法に則ってこれらのファセットから検索式を生成し、これを追加する検索語候補として一時記憶に保持する。
【0034】
なお、この場合も同様に、ファセットリスト領域70でファセットがクリックされたことに応答して、検索クエリー生成部102は、その都度、ファセット検索の文法に則ってクリックされたファセットから検索式を生成し、これを検索クエリーとして文書検索エンジン200に発行し、文書検索エンジン200からヒット件数を受け取ったGUI生成部104は、当該ヒット件数をヒット件数表示領域83に表示する。図7(a)に示す例においては、

検索式「/"keyword$._word.noun.general"/"ドライバー"」

を検索クエリーとした場合のヒット件数「87」がヒット件数表示領域83に表示されている。一方、図7(b)に示すように、「ソフトウェア:ドライバー」というファセットがクリックされた場合には、同様の手順でGUI生成部104は、当該ファセットから生成した検索式を検索クエリーとした場合のヒット件数をヒット件数表示領域83に表示する。図7(b)に示す例においては、

検索式「/"keyword$.sem_software"/"ドライバー"」

を検索クエリーとした場合のヒット件数「1508」がヒット件数表示領域83に表示されている。本実施形態のクエリーノードビルダー50によれば、分析アナリストは、複数の類似するファセットについて、各々のヒット件数を比較することによって、ファセットの妥当性について、事前にある程度の推定を立てることができるので、より適切なファセットを選択することが可能になる。
【0035】
図8は、検索文法として「近接検索」を選択してクエリーノードを生成する態様を示す。この場合、分析アナリストは、まず、クエリーノード生成補助領域80のテキストフィールド81を介して先述したのと同様の手順で「近接検索」を選択する。「近接検索」が選択されたことに応答して、GUI生成部104は、近接検索の条件設定のためのGUIを生成してクエリーノード生成補助領域80に表示する。具体的には、選択されたキーワードが同じセンテンス内にあることを条件とするか否かを選択するためのラジオボタン84、キーワード間の距離を条件とするか否かを選択するためのラジオボタン86、およびキーワードの出現順を条件とするか否かを選択するためのチェックボックス87を表示する。なお、ラジオボタン86の横にはさらにキーワード間の距離を入力するためのスピンボタン88が表示されている。
【0036】
次に、分析アナリストは、サンプル文書プレビュー領域60に表示されたテキストの内容を精査し、そこから少なくとも2つの適切なキーワードを選んでドラッグ&ドロップする。図8に示す例においては、近接する2つのキーワード「ドライバー」および「BACK UP」がサンプル文書プレビュー領域60から検索語要素登録領域82にドラッグ&ドロップされている。検索語要素登録領域82にドラッグ&ドロップされたキーワードの組は、新たな検索語の要素候補として自動的に登録される。なお、チェックボックス87のチェックが外れている場合(すなわち、キーワードの出現順を条件とする場合)には、検索語要素登録領域82に表示される順番(上から下)が、文中の出現順として定義される。検索クエリー生成部102は、検索語要素登録領域82を介してキーワードの組が登録されたことに応答して、近接検索の文法に則ってこれらのキーワードの組から検索式を生成し、これを追加する検索語候補として一時記憶に保持する。
【0037】
なお、この場合も同様に、サンプル文書プレビュー領域60でキーワードがドラッグされたことに応答して、検索クエリー生成部102は、その都度、各ボタン84,86,87を介して設定された条件に基づき、近接検索の文法に則ってドラッグされたキーワードの組から検索式を生成し、これを検索クエリーとして文書検索エンジン200に発行し、文書検索エンジン200からヒット件数を受け取ったGUI生成部104は、当該ヒット件数をヒット件数表示領域83に表示する。図8に示す例においては、

検索式「( ドライバー BACKUP ) WITHIN SENTENCE」

を検索キーとした場合のヒット件数「3」がヒット件数表示領域83に表示されている。本実施形態のクエリーノードビルダー50によれば、分析アナリストは、ヒット件数を確認すことによって、組み合わせるキーワードの種類およびその近接条件の妥当性について、事前にある程度の推定を立てることができる。
【0038】
図9は、検索文法として「あいまい検索」を選択してクエリーノードを生成する態様を示す。この場合、分析アナリストは、まず、クエリーノード生成補助領域80のテキストフィールド81を介して先述したのと同様の手順で「あいまい検索」を選択する。「あいまい検索」が選択されたことに応答して、クエリーノード生成補助領域80には、あいまいさの度合いを指定するためのGUIであるスライダー89を表示する。次に、分析アナリストは、サンプル文書プレビュー領域60に表示されたテキストの内容を精査し、そこから少なくとも1つの適切なキーワードを選んで検索語要素登録領域82にドラッグ&ドロップする。図9に示す例においては、キーワード「ドライバー」がサンプル文書プレビュー領域60から検索語要素登録領域82にドラッグ&ドロップされている。検索語要素登録領域82にドラッグ&ドロップされたキーワードは、新たな検索語の要素候補として自動的に登録される。検索クエリー生成部102は、検索語要素登録領域82を介してキーワードが登録されたことに応答して、あいまい検索の文法に則ってこれらのキーワードから検索式を生成し、これを追加する検索語候補として一時記憶に保持する。
【0039】
分析アナリストは、サンプル文書プレビュー領域60から検索語要素登録領域82にキーワードをドラッグ&ドロップした後、スライダー89のつまみにカーソルを合わせて左右に動かしてあいまいさの度合いを調整する。検索クエリー生成部102は、その都度、あいまい検索の文法に則ってドラッグ&ドロップされたキーワードから調整されたあいまいさの度合いに応じた検索式を生成し、これを検索クエリーとして文書検索エンジン200に発行する。文書検索エンジン200からヒット件数を受け取ったGUI生成部104は、当該ヒット件数をヒット件数表示領域83に表示する。図9(a)に示す例(あいまいさの度合いが「0.3」)においては、ヒット件数「1555」が表示されており、図9(a)に示す例(あいまいさの度合いが「0.7」)においては、ヒット件数「2603」が表示されている。本実施形態のクエリーノードビルダー50によれば、分析アナリストは、スライダー89の動きに応じて変動するヒット件数を確認することによって、最適なあいまいさの度合いを直感的に設定することができる。
【0040】
以上、説明したように、本実施形態のクエリーノードビルダー50によれば、分析アナリストは、検索文法について専門的な知識がなくても、特殊検索構文(検索式)を簡便且つ直感的に作成することができる。また、追加する予定の検索語の妥当性を事前に推定することができるため、無駄な検索(実際の検索のみならずその検証作業を含む)を回避することができる。以上、本実施形態のクエリーノードビルダー50の機能について説明してきたが、次に、クエリーノードビルダー50で生成したクエリーノードをクエリーツリービュー12に追加する態様について、図10を参照して説明する。
【0041】
図10に示す例においては、クエリーノードの検索文法としてファセット検索を選択している。分析アナリストがファセットリスト領域70のファセット[ソフトウェア:ドライバー]を選択してクリックすると、これに応答してヒット件数表示領域83にヒット件数「1508」が表示される。このヒット件数を確認してその妥当性を判断した結果、[ソフトウェア:ドライバー]のファセット検索式をクエリーノードとして使用することを決定した分析アナリストは、クエリーツリービュー12の最上位ノードである[AND:720 文書]と表示された論理演算子ノードをクリックして指定した後、論理演算子を示すアイコン群90の中の「AND」をクリックする。これに応答して、検索クエリー生成部102は、クエリーツリービュー12が示すところの現在の検索クエリーに一時記憶に保持していた検索語(検索式)を論理演算子「AND」で接続してなる新たな検索クエリーを生成し、文書検索エンジン200に発行する。一方、GUI生成部104は、図11に示すように、クエリーノードビルダー50が生成した[ソフトウェア:ドライバー]のファセット検索式に対応するノードアイコンを生成してクエリーツリービュー12の[AND:720 文書]と表示された論理演算子ノードの直近の下位の階層に接続される形で表示する。
【0042】
ここで、クエリーノードをクエリーツリービューに追加する際の他の態様を図12(a)〜(l)に示す。図12においては、紙面左にクエリーノードを追加する前のクエリーツリービューを示し、紙面真ん中に追加されるクエリーノード[X]を論理演算子とともに示し、紙面右にクエリーノード追加後のクエリーツリービューを示す。なお、各図の下には、クエリーツリービューによって定義される検索クエリー(論理式)を示している。図12(a)〜(l)においては、カーソルによって指定されたノードアイコン(強調表示する)に対して、「AND」、「OR」、「AND NOT」の論理演算子を選択してクエリーノード[X]が追加されたものとして参照されたい。図12(a)〜(l)に示すように、本実施形態においては、クエリーツリービューを構成する論理演算子を示すノードアイコンまたは検索語を示すノードアイコンのいずれかを選択してクエリーノードの追加することができる。図12(a)〜(l)をみればわかるように、本実施形態によれば、分析アナリストは、クエリーツリービューに対して簡便且つ直感的にクエリーノードを追加することができ、また、追加後に定義される検索クエリーの論理構造が視覚化されるので、それが意図した論理構造となっているか否かについて容易に把握することができる。したがって、複数の論理演算子が複雑に入り組んだ非常に長い文字列からなる検索クエリーであっても、これを簡便に、そして正確且つ迅速に修正することが可能になる。
【0043】
再び、図11に戻って説明を続ける。論理演算子を示すアイコン群90の中の「AND」がクリックされたことに応答して、クエリーツリービュー領域20とヒット文書一覧表示領域30とがシームレスに表示された画面の上位レイヤーにモードレスダイアログとして表示されていたクエリーノードビルダー50が最小化される。その結果、分析アナリストは、それまでクエリーノードビルダー50の下に隠れていたヒット文書一覧表示領域30を参照することができるようになり、そこには、クエリーノードを追加してなる新たな検索クエリーを使用した検索結果(ヒット文書一覧)が表示される。このように、本実施形態によれば、GUI生成部104は、新たな検索クエリーの発行と同時的にクエリーノードビルダー50を最小化し、ヒット文書一覧表示領域30を参照可能な状態で表示するので、分析アナリストは、検索結果を参照する度に別に展開される検索結果表示画面を開くなどの煩雑な操作から解放され、迅速に検索結果の検証に移ることが可能になる。
【0044】
次に、分析アナリストは、ヒット文書一覧表示領域30に表示された各ヒット文書の内容を精査し、修正した検索クエリーによって期待した文書が抽出できているか否かを確認する。たとえば、それは、ヒット文書の中に何らかの共通項(例えば、共通して現われるキーワードなど)が見出せるか否かによって確認することができる。仮に、期待した文書が十分に抽出できていないような場合、その検索クエリーは適切ではないと考えられるので、分析アナリストは、最小化していたクエリーノードビルダー50を再び開き、上述した手順で、再び新たなクエリーノードを生成してクエリーツリービュー12(すなわち、検索クエリー)を修正し、さらにその検索結果を精査する。分析アナリストはこのような一連の作業を繰り返し行なう。その結果、期待した文書が十分に抽出できるようになった時点で、その検索クエリーを、「OSの圧縮とコンピュータの起動に係る不具合」の原因を探るために有用なものと認定し、以下に示す手順でこれを保存する。
【0045】
図13は、検索クエリーを保存する際のGUI画面10を示す。検索クエリーを保存するにあたり、分析アナリストは、まず、ツールバー領域42の中の作成した検索クエリーの保存をするためのアイコン43をクリックする。これに応答してGUI生成部104は、検索クエリー保存確認ダイアログ92を最上位レイヤーに表示する。検索クエリー保存確認ダイアログ92は、作成した検索クエリーの検索式を確認表示するフィールド94の他に、検索クエリーの名前を入力するためのテキストフィールド93と、備考を入力するためのテキストフィールド95を備えており、分析アナリストは、作成した検索クエリーに適切な名前を付与してテキストフィールド93に入力し、また、当該検索クエリーを使用する目的などをテキストフィールド95に入力した上で、保存ボタンをクリックする。図13に示す例においては、分析アナリストは、ヒット文書の内容を精査した結果、「OSの圧縮とコンピュータの起動に係る不具合」を記述した文書の中に「SAFE MODE」という語句が共通して現われることを見出したので、当該検索クエリーが「OSの圧縮とコンピュータの起動に係る不具合」と「SAFE MODE」の関連性を探るために有用であると判断し、これを保存したものである。
【0046】
さらに、分析アナリストは、ユーザから日々寄せられる新たなテキスト群について検索を継続する。その際、先に保存した検索クエリーを呼び出して使用する。図14は、保存した検索クエリーを呼び出す際のGUI画面10を示す。保存した検索クエリーを呼び出す場合、分析アナリストは、まず、クエリーノードビルダー50を開き、クエリーノード生成補助領域80の下の検索クエリー呼出領域85をクリックする。これに応答して、検索クエリー呼出領域85が最大化し、その右側に検索クエリーリスト表示領域96が開く。検索クエリーリスト表示領域96には、過去に保存した検索クエリーの名前リストが表示され、分析アナリストは、その中から使用する検索クエリーの名前をクリックして選択する。これに応答して、検索クエリー呼出領域85に、「検索クエリーの名前」、「検索式」および「備考」が確認表示される。分析アナリストは、表示された内容を確認した上で、論理演算子を示すアイコン群90の中の「AND」をクリックする。これに応答して、GUI生成部104は、クエリーツリービュー領域20に選択した検索クエリーの論理構造の視覚化表現であるクエリーツリービュー12を表示するとともに、クエリーノードビルダー50を最小化する。一方、検索クエリー生成部102は、選択した検索クエリーを文書検索エンジン200に発行する。その結果、ヒット文書一覧表示領域30に検索結果が表示される。
【0047】
さらに加えて、本実施形態においては、先に保存した検索クエリー全体を1つのクエリーノードとして扱うことができる。具体的には、クエリーツリービュー領域20に既に他のクエリーツリービュー12が表示されている場合に、そのクエリーツリービュー12の中の任意のノードをクリックして指定した後、検索クエリー呼出領域85から保存された検索クエリーを呼び出して任意の論理演算子を示すアイコン90をクリックする。すると、呼び出した検索クエリー全体が現在のクエリーツリービュー12の指定したノードに対して論理演算子によって接続される。そして、修正されたこの新たな検索クエリーによって検索が実行される。
【0048】
以上、説明したように、本発明者によれば、検索クエリーの持つ論理構造をツリービューとして視覚化し、当該ツリービューの直感的な編集を可能にするとともに、検索クエリーに追加する新たな検索語を当該ツリービューに接続可能な検索語ノードとして定義することに加え、検索クエリーに追加する検索語ノードの生成を補助するためのGUIウィンドウを検索結果表示画面の上位レイヤーにモードレスダイアログとして表示することによって、検索クエリーの作成・修正・検証といった一連の作業がスムーズ化される。
【0049】
本発明の上記機能は、C++、Java(登録商標)、Java(登録商標)Beans、Java(登録商標)Applet、Java(登録商標)Script、Perl、Rubyなどのオブジェクト指向プログラミング言語、SQLなどのデータベース言語などで記述された装置実行可能なプログラムにより実現でき、装置可読な記録媒体に格納して頒布または伝送して頒布することができる。
【0050】
以上、本発明について実施形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その他、当業者が推考しうる実施態様の範囲内において、本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0051】
10…GUI画面
12…クエリーツリービュー
14…テキストフィールド
20…クエリーツリービュー領域
30…ヒット文書一覧表示領域
32…アイコン
40…リストボックス
42…ツールバー領域
43…アイコン
44…テキストフィールド
46…実行ボタン
50…クエリーノードビルダー
60…サンプル文書プレビュー領域
70…ファセットリスト領域
80…クエリーノード生成補助領域
81…テキストフィールド
82…検索語要素登録領域
83…ヒット件数表示領域
84…ラジオボタン
85…検索クエリー呼出領域
86…ラジオボタン
87…チェックボックス
88…スピンボタン
89…スライダー
90…アイコン群
92…検索クエリー保存確認ダイアログ
93…テキストフィールド
94…フィールド
95…テキストフィールド
96…検索クエリーリスト表示領域
100…検索クエリー作成支援装置
102…検索クエリー生成部
104…GUI生成部
106…検索クエリーデータベース
200…文書検索エンジン
202…形態素解析エンジン
300…テキスト文書データベース
400…表示装置
1000…文書検索システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書検索エンジンに発行する検索クエリーの作成を支援するための装置であって、
検索クエリーの作成を支援するためのグラフィカルユーザインターフェースを生成するGUI生成部と、
前記GUIの操作に応答して検索クエリーを生成する検索クエリー生成部と
を含み、
前記GUI生成部は、
検索クエリーに論理演算子によって接続する新たな検索語を生成するためのGUIウィンドウであって、
サンプル文書を表示するサンプル文書プレビュー領域と、
前記サンプル文書から抽出されたファセットを一覧表示するファセットリスト領域と、
前記新たな検索語の生成を補助するクエリーノード生成補助領域と、
生成した前記検索語を接続する論理演算子を選択するための論理演算子選択アイコンとを含むクエリーノード生成ウィンドウを生成する、
検索クエリー作成支援装置。
【請求項2】
前記クエリーノード生成補助領域は、
前記文書検索エンジンがサポートする検索文法を選択するための検索文法選択手段と、
前記新たな検索語の要素候補の登録を受け付けるための検索語要素登録領域とを含み、
前記検索クエリー生成部は、
前記サンプル文書に含まれる語句または前記ファセットが前記検索語要素登録領域を介して要素候補として登録されたことに応答して、前記検索文法選択手段を介して選択された検索文法に則って前記語句または前記ファセットから検索式を生成し、該検索式を前記新たな検索語の候補として一時記憶に保持する、
請求項1に記載の検索クエリー作成支援装置。
【請求項3】
前記クエリーノード生成補助領域はヒット件数表示領域をさらに含み、
前記検索クエリー生成部は、
前記語句がドラッグされたことまたは前記ファセットがクリックされたことに応答して前記検索文法選択手段を介して選択された検索文法に則って該語句または該ファセットから検索式を生成し、該検索式を検索クエリーとして前記文書検索エンジンに発行し、該文書検索エンジンからヒットした文書の件数を受領し、
前記GUI生成部は、
前記ヒットした文書の件数を前記ヒット件数表示領域に表示する、
請求項2に記載の検索クエリー作成支援装置。
【請求項4】
前記GUI生成部は、さらに、
論理演算子および検索語から構成される検索クエリーの持つ論理構造を論理演算子ノードおよび検索語ノードからなるツリービューとして表示するクエリーツリービューと、前記検索クエリーを使用した検索結果としてヒット文書を選択可能に表示するヒット文書一覧表示領域とを同一画面にシームレスに表示するGUIを生成し、
前記クエリーノード生成ウィンドウを前記同一画面の上位レイヤーにモードレスダイアログとして表示する、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の検索クエリー作成支援装置。
【請求項5】
前記GUI生成部は、
前記論理演算子選択アイコンによって論理演算子が指定されることに応答して、指定された前記論理演算子ノードまたは前記検索語ノードの直近の下位の階層に該論理演算子で前記新たな検索語に対応するノードのアイコンを接続し、
前記検索クエリー生成部は、
一時記憶に保持した前記検索式を、指定された前記論理演算子ノードまたは前記検索語ノードが示す検索式に対して指定された前記論理演算子によって接続して新たな検索クエリーを生成する、
請求項4に記載の検索クエリー作成支援装置。
【請求項6】
文書検索エンジンに発行する検索クエリーの作成を支援するためのグラフィカルユーザインターフェースを生成するシステムであって、
検索クエリーに論理演算子によって接続する新たな検索語を生成するためのGUIウィンドウであって
サンプル文書を表示するサンプル文書プレビュー領域と、
前記サンプル文書から抽出されたファセットを一覧表示するファセットリスト領域と、
前記新たな検索語の生成を補助するクエリーノード生成補助領域と、
生成した前記検索語を接続する論理演算子を選択するための論理演算子選択アイコンとを含むクエリーノード生成ウィンドウを生成する、
システム。
【請求項7】
前記クエリーノード生成補助領域は、
前記文書検索エンジンがサポートする検索文法を選択するための検索文法選択手段と、
前記サンプル文書プレビュー領域においてドラッグされた語句または前記ファセットリスト領域においてクリックされたファセットを前記新たな検索語の要素候補として表示する検索語要素登録領域とを含む、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記クエリーノード生成補助領域は、
前記検索文法選択手段を介して選択された検索文法に則って前記語句または前記ファセットから生成された検索式を使用した検索結果としてヒットした文書の件数を表示するヒット件数表示領域をさらに含む、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
さらに、論理演算子および検索語から構成される検索クエリーの持つ論理構造を論理演算子ノードおよび検索語ノードからなるツリービューとして表示するクエリーツリービューと、前記検索クエリーを使用した検索結果としてヒット文書を選択可能に表示するヒット文書一覧表示領域とを同一画面にシームレスに表示するGUIを生成し、
前記クエリーノード生成ウィンドウを前記同一画面の上位レイヤーにモードレスダイアログとして表示する、
請求項6〜8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
コンピュータに対して文書検索エンジンに発行する検索クエリーの作成支援を実行させるコンピュータ実行可能な方法であって、該方法は、
コンピュータに対して、
検索クエリーの作成を支援するためのグラフィカルユーザインターフェースを生成するための機能手段と、
前記GUIの操作に応答して検索クエリーを生成するための機能手段と
を実現する方法であり、
前記GUIを生成するための機能手段は、
検索クエリーに論理演算子によって接続する新たな検索語を生成するためのGUIウィンドウであって、
サンプル文書を表示するサンプル文書プレビュー領域と、
前記サンプル文書から抽出されたファセットを一覧表示するファセットリスト領域と、
前記新たな検索語の生成を補助するクエリーノード生成補助領域と、
生成した前記検索語を接続する前記論理演算子を選択するための論理演算子選択アイコンとを含むクエリーノード生成ウィンドウを生成する、
方法。
【請求項11】
前記クエリーノード生成補助領域は、
前記文書検索エンジンがサポートする検索文法を選択するための検索文法選択手段と、
前記新たな検索語の要素候補の登録を受け付けるための検索語要素登録領域とを含み、
前記検索クエリーを生成するための機能手段は、
前記サンプル文書に含まれる語句または前記ファセットが前記検索語要素登録領域を介して要素候補として登録されたことに応答して、前記検索文法選択手段を介して選択された検索文法に則って前記語句または前記ファセットから検索式を生成し、該検索式を前記新たな検索語の候補として一時記憶に保持する、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記クエリーノード生成補助領域はヒット件数表示領域をさらに含み、
前記検索クエリーを生成するための機能手段は、
前記語句がドラッグされたことまたは前記ファセットがクリックされたことに応答して前記検索文法選択手段を介して選択された検索文法に則って該語句または該ファセットから検索式を生成し、該検索式を検索クエリーとして前記文書検索エンジンに発行し、該文書検索エンジンからヒットした文書の件数を受領し、
前記GUIを生成するための機能手段は、
前記ヒットした文書の件数を前記ヒット件数表示領域に表示する、
請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記GUIを生成するための機能手段は、さらに、
論理演算子および検索語から構成される検索クエリーの持つ論理構造を論理演算子ノードおよび検索語ノードからなるツリービューとして表示するクエリーツリービューと、前記検索クエリーを使用した検索結果としてヒット文書を選択可能に表示するヒット文書一覧表示領域とを同一画面にシームレスに表示するGUIを生成し、
前記クエリーノード生成ウィンドウを前記同一画面の上位レイヤーにモードレスダイアログとして表示する、
請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記GUIを生成するための機能手段は、
前記論理演算子選択アイコンによって論理演算子が指定されることに応答して、指定された前記論理演算子ノードまたは前記検索語ノードの直近の下位の階層に該論理演算子で前記新たな検索語に対応するノードのアイコンを接続し、
前記検索クエリーを生成するための機能手段は、
一時記憶に保持した前記検索式を、指定された前記論理演算子ノードまたは前記検索語ノードが示す検索式に対して指定された前記論理演算子によって接続して新たな検索クエリーを生成する、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項10〜14のいずれか一項に記載された各機能手段をコンピュータに実現させるためのコンピュータ実行可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−78966(P2012−78966A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221922(P2010−221922)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100110607
【弁理士】
【氏名又は名称】間山 進也
【Fターム(参考)】