説明

業務用タオルの制作方法

【課題】
ポリエステルの持つ特性により、乾燥時間を短縮し、かかる燃料も節約するとともに、静電防止効果や逆汚染防止効果も併せて効果を得ることができる業務用タオルの制作方法を実現する。
【解決手段】
パイル面に対し、縦軸である経糸と横軸である緯糸とが、垂直に配置され格子状に編み込まれていて、縦軸である経糸に所定の割合でポリエステル系である多価カルボン酸(ジカルボン酸)とポリアルコール(ジオール)との重縮合体素材を配合する方法により、業務用タオルを制作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦軸である経糸に所定の割合でポリエステル系である多価カルボン酸(ジカルボン酸)とポリアルコール(ジオール)との重縮合体素材が配合されていることにより、タオル本来の風合いや肌触りを保ちながら、乾燥時間の短縮や燃料の節約をすることができる業務用タオルの制作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の業務用タオルは、綿を素材としたパイル糸と緯糸と経糸とで編成し、制作されているものが一般的に普及している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記業務用タオルにあっては、乾燥に多くの時間を要し、必然的に多くの燃料が必要となることから相応のコストが生じていた。特にホテル・病院・スパリゾート・湿浴施設等の業務分野においては、日常的に大量の業務用タオルを使用していることが多く、その問題は顕著であった。
【0004】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、ポリエステルの持つ特性により、乾燥時間を短縮し、かかる燃料も節約するとともに、静電防止効果や逆汚染防止効果も併せて得ることができる業務用タオルの制作方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の業務用タオルの制作方法は、
パイル糸と緯糸と経糸とで編成される業務用タオルの制作方法であって、パイル糸がループ状に編成されてタオルの表裏面を構成し、前記表裏面を縫製するための縦軸となる経糸と横軸となる緯糸とが、垂直に配置されて格子状に編み込まれていることを特徴としている。
この特徴によれば、パイル糸がループ状に編成されているタオルの表裏面を、縦軸である経糸と横軸である緯糸とが、互いに交差して格子状に編み込まれるかたちで縫製され、高い使用頻度においても形状を損なうことなく、耐久性を維持することができる。
【0006】
本発明の請求項2に記載の業務用タオルの制作方法は、パイル糸と緯糸と経糸とで編成される業務用タオルの制作方法であって、前記表裏面を縫製するための縦軸となる経糸に、所定の割合でポリエステル系である多価カルボン酸(ジカルボン酸)とポリアルコール(ジオール)との重縮合体素材が配合されていることを特徴としている。
この特徴によれば、業務用タオル本来の風合いや肌触りを保ちながら、乾燥時間の短縮や燃料の節約を実現することができる。
【0007】
また、同時に静電防止や逆汚染防止の効果を得ることも可能となる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の業務用タオルの制作方法は、パイル糸と緯糸と経糸とで編成される業務用タオルの制作方法であって、パイル糸と緯糸と経糸との割合が、パイル糸の60〜70%、緯糸の15〜20%、経糸の15〜20%で編成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、縦軸となる経糸に、15〜20%程度の割合でポリエステル系の糸が配合され、十分な業務用タオル本来の風合いや肌触りを保ちながらも、乾燥時間の短縮や燃料の節約をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に係る業務用タオルの制作方法を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0010】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、本発明の実施例における
綿素材のパイル糸がループ状に編成されてタオルの表裏面を構成する部分の、側面図と表面図である。
【0011】
図1の1は、パイル糸がループ状となっており、当該パイル糸が横に連続的に構成されることにより、タオルの表面の一部を形成している。
【0012】
図1の2は、パイル糸がループ状となっており、当該パイル糸が横に連続的に構成されることにより、タオルの裏面の一部を形成している。
【0013】
図1の3は、パイル糸がループ状となっており、当該パイル糸が縦横に連続的に構成されることにより、タオルの表面全体を形成している。
【0014】
図2は、本発明の実施例における横軸となる緯糸を示す図である。
【0015】
図2に示されるように、横軸となる緯糸は、同じ太さ及び同じ長さの糸で構成されており、素材は一般的な綿を用いている。
【0016】
また、図2に示される緯糸は、細い糸が複数により編成され、一定の太さを形成していてもよい。
【0017】
また、図2に示される緯糸は、綿を用いることを基本とするが、その材料は、業務用タオルに用いる要件として、吸収性、耐久性、風合いの維持に支障がなければ木綿、真綿、麻綿、羊毛綿、合繊綿等に限定するものではない。
【0018】
次に、図3は、本発明の実施例における縦軸である経糸を示す図である。
【0019】
図3に示されるように、縦軸となる経糸は、横軸となる緯糸と同様に、同じ太さ及び同じ長さの糸で構成されており、素材は一般的な綿を用いている。
【0020】
但し、図3に示される縦軸となる経糸は、横軸となる緯糸とは異なり、綿素材の中に
例えば15%から20%程度のポリエステル系の糸が配合されている。
【0021】
この配合比率は、実験の結果から導いたもので、15%から20%程度であれば、十分な業務用タオル本来の風合いや肌触りを保ちながらも、乾燥時間の短縮や燃料の節約をすることができる。
【0022】
図2に示される横軸となる緯糸と同様に、図3に示される縦軸となる経糸は、細い糸が複数により編成され、一定の太さを形成していてもよい。
【0023】
また、図2に示される横軸となる緯糸と同様に、図3に示される縦軸となる経糸の綿部分は、業務用タオルに用いる要件として、吸収性、耐久性、風合いの維持に支障がなければ木綿、真綿、麻綿、羊毛綿、合繊綿等に限定するものではない。
【0024】
図4は、本発明の実施例におけるパイル面に対し、縦軸となる経糸と横軸となる緯糸とを実際に編成する方法を示す図である。
【0025】
図4に示されるように、パイル面に対し、縦軸となる経糸と横軸となる緯糸とは、互いに交差して格子状に編み込まれるようになっている。
【0026】
図4では、例として縦軸を経糸、また横軸を緯糸としているが、縦軸を緯糸、また横軸を経糸としても特段の問題はない。
【0027】
以上の説明により、パイル面に対し、縦軸となる経糸と横軸となる緯糸とが、垂直に配置され格子状に編み込まれており、かつ、縦軸となる経糸に所定の割合でポリエステル系である多価カルボン酸(ジカルボン酸)とポリアルコール(ジオール)との重縮合体素材が配合されていることから、高い使用頻度においても形状を損なうことなく、耐久性を維持することができ、また、タオル本来の風合いや肌触りを保ちながら、乾燥時間の短縮や燃料の節約を実現することができる業務用タオルを制作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施例におけるパイル糸(面)を示す図である。
【図2】本発明の実施例における横軸である緯糸を示す図である。
【図3】本発明の実施例における縦軸である経糸を示す図である。
【図4】本発明の実施例における縦軸である経糸と横軸である緯糸とを実際に編成する方法を示す図である。
【符号の説明】
【0029】
1、2 パイル糸
3 パイル面
4 緯糸
5 経糸


















【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイル糸と緯糸と経糸とで編成される業務用タオルの制作方法であって、パイル糸がループ状に編成されてタオルの表裏面を構成し、前記表裏面を縫製するための縦軸となる経糸と横軸となる緯糸とが、垂直に配置されて格子状に編み込まれていることを特徴とした業務用タオルの制作方法。
【請求項2】
パイル糸と緯糸と経糸とで編成される業務用タオルの制作方法であって、前記表裏面を縫製するための縦軸となる経糸に、所定の割合でポリエステル系である多価カルボン酸(ジカルボン酸)とポリアルコール(ジオール)との重縮合体素材が配合されていることを特徴とした業務用タオルの制作方法。
【請求項3】
パイル糸と緯糸と経糸とで編成される業務用タオルの制作方法であって、パイル糸と緯糸と経糸との割合が、パイル糸の60〜70%、緯糸の15〜20%、経糸の15〜20%で編成されていることを特徴とした業務用タオルの制作方法。















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−43394(P2010−43394A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−210097(P2008−210097)
【出願日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【出願人】(500276736)アサヒ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】