説明

構内交換機のシステムデータ転送方式

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構内交換機に関するものである。特に、ある特定の加入者回路またはトランク回路のシステムデータが、そのほかの加入者回路またはトランク回路に対しても転送しなければならない場合のシステムデータの転送方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術の場合について説明する。
【0003】従来、構内交換機の構成は、図12に示すようになっていた。
【0004】図12において、1は構内交換機、2は網(ISDN公衆網、その他)、3は端末である。
【0005】また、構内交換機1において、4は端末を収容する加入者回路、5は網2からの回線を収容するトランク回路、6は加入者回路4とトランク回路5とを接続する時分割スイッチ、7は時分割スイッチをはじめ構内交換機全体を制御する呼処理プロセッサー、8はシステム全体のシステムデータを管理し記憶する記憶部である。
【0006】41、51はそれぞれ、加入者回路4およびトランク回路5に設けられ、呼処理プロセッサー7からら送信されたシステム情報を記憶する記憶部である。
【0007】さらに、従来の記憶部8のファイル構成は、図13のようになっていた。
【0008】図13において、81は加入者回路4用のシステムデータ、82はトランク回路5用のシステムデータ、83はシステムデータ81と83を関連づけるシステムデータ関連ファイル、85は加入者回路4以外の加入者回路のシステムデータ、86はトランク回路5以外のトランク回路のシステムデータである。
【0009】また、トランク回路5用のシステムデータ82において、821は加入者回路4とトランク回路5の両方に送信されるシステムデータAである。
【0010】図12と図13の構成を基に、記憶部8に保存されているそれぞれのシステムデータを加入者回路4の記憶部41またはトランク回路5の記憶部51に転送する従来の方式について説明する。
【0011】まず、呼処理プロセッサー7が記憶部8から加入者回路4に転送するシステムデータ81を読み出し、転送する方式について説明する。
【0012】呼処理プロセッサー7は、加入者回路4用のシステムデータ81を読み出す。
【0013】さらに、呼処理プロセッサー7は、システムデータ関連ファイル83を参照して、トランク回路用のシステムデータ82の中に関連あるものがあるかを検索する。検索した結果、、トランク回路5用のシステムデータ82の中のシステムデータA821があることを認識し、システムデータA821を読み出す。
【0014】そして、呼処理プロセッサー7は、読み出したシステムデータ81とシステムデータA821を加入者回路4に送信する。
【0015】加入者回路4は、呼処理プロセッサー7から受信したシステムデータ81と821を記憶部41に保存し管理する。
【0016】次に、呼処理プロセッサー7が記憶部8からトランク回路5に転送するシステムデータを読み出し、転送する方式について説明する。
【0017】呼処理プロセッサー7は、トランク回路5用のシステムデータ82を読み出す。とともに、読み出したシステムデータ82の中に加入者回路4用のシステムデータA821があるか否かを検索し、システムデータA821があれば、それをも読み出す。
【0018】そして、呼処理プロセッサー7は読み出したシステムデータ82をトランク回路5に送信し、またシステムデータA821を加入者回路4に送信する。
【0019】トランク回路5は、呼処理プロセッサー7から受信したシステムデータ82を記憶部51に保存し管理する。また加入者回路5はシステムデータA821を記憶部に保存し管理する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】従って、このような従来の構内交換機のシステムデータの転送方式では、ある加入者回路またはトランク回路のシステムデータの一部をその他の加入者回路またはトランク回路に転送しようとする場合は、システムデータはトランク回路または加入者回路ごとに保管管理されているため、システムデータの関連を示す別なファイルが必要になり、記憶部に必要な容量が増大するという問題点があった。
【0021】また、関連を示すファイルを呼処理プロセッサーが検索しなければならないため、呼処理プロセッサーの負荷が増大するという問題点があった。
【0022】さらに、関連ファイルを作成するために、システムデータ投入時の作業が増大するという問題点があった。
【0023】本発明は、このような課題を解決するものであり、システムデータの管理と転送における呼処理プロセッサーの負荷を低減させるとともに、記憶部に必要な容量を最小限に止めることができる構内交換機を提供することを目的としている。
【0024】
【課題を解決するためのの手段】このような目的を達成するために、本発明による構内交換機は、記憶部には、トランク回路を制御する第1のシステムデータと加入者回路を制御する第2のシステムデータを別々に管理および記憶する手段を有し、トランク回路には、呼処理プロセッサーが記憶部から読み出した第1のシステムデータのうち加入者回路に送るべき第3のシステムデータを選別する手段と、システムデータを記億する手段を有し、時分割スイッチには、固定パス接続情報に基づいてトランク回路と加入者回路とを固定的に接続する固定接続パスを有し、加入者回路には、トランク回路から転送された第3のシステムデータを受信しデータが一般の呼の情報かシステムデータかを識別する手段と、システムデータを記憶する手段を有する。
【0025】また、記憶部には、トランク回路を制御する第1のシステムデータと加入者回路を制御する第2のシステムデータを別々に管理および記憶する手段を有し、前記加入者回路には、呼処理プロセッサーが記憶部から読み出した第1のシステムデータのうちトランク回路に送るべき第3のシステムデータを選別する手段と、システムデータを記憶する手段を有し、時分割スイッチには、固定パス接続情報に基づいてトランク回路と加入者回路とを固定的に接続する固定接続パスを有し、トランク回路には、加入者回路から転送された第3のシステムデータを受信しデータが一般の呼の情報かシステムデータかを識別する手段と、システムデータを記憶する手段を有する。
【0026】さらに、記憶部には、第1のトランク回路を制御する第1のシステムデータと第2のトランク回路を制御する第2のシステムデータを別々に管理および記憶する手段を有し、第1のトランク回路には、呼処理プロセッサーが記憶部から読み出した第1のシステムデータのうち第2のトランク回路に送るべき第3のシステムデータを選別する手段と、システムデータを記憶する手段を有し、時分割スイッチには、固定パス接続情報に基づいて第1のトランク回路と第2のトランク回路とを固定的に接続する固定接続パスを有し、第2のトランク回路には、第1のトランク回路から転送された第3のシステムデータを受信しデータが一般の呼の情報かシステムデータかを識別する手段と、システムデータを記憶する手段を有する。
【0027】また、記憶部には、第1の加入者回路を制御する第1のシステムデータと第2の加入者回路を制御する第2のシステムデータを別々に管理および記億する手段を有し、第1の加入者回路には、呼処理プロセッサーが記憶部から読み出した第1のシステムデータのうち第2の加入者回路に送るべき第3のシステムデータを選別する手段と、システムデータを記憶する手段を有し、時分割スイッチには、固定パス接続情報に基づいて第1の加入者回路と第2の加入者回路とを固定的に接続する固定接続パスを有し、第2の加入者回路には、第1の加入者回路から転送された第3のシステムデータを受信しデータが一般の呼の情報かシステムデータかを識別する手段と、システムデータを記憶する手段を有する。
【0028】
【作用】呼処理プロセッサー7は、記憶部8から加入者回路4に転送するシステムデータ81を読み出し、読み出したシステムデータ81を加入者回路4に送信する。加入者回路4は受信したシステムデータ81を記憶部41に記憶する。
【0029】また、呼処理プロセッサー7が記憶部8からトランク回路5に転送するシステムデータ82を読み出し、読み出したシステムデータ82をトランク回路5に送信する。トランク回路5は受信したシステムデータ82を記憶部51に記憶する。さらに、トランク回路5の選択部52は、呼処理プロセッサー7から受信したシステムデータのうち、時分割スイッチ6で固定接続されている加入者回路4に転送すべきシステムデータA821があるか否かを検索し、システムデータA821があれば、固定接続を介して加入者回路4に送信する。加入者回路4の選択部42は、通常の呼の情報かトランク回路によって中継されたシステムデータであるかを識別、選択して、システムデータA821を記憶部41に記憶する。
【0030】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明する。
【0031】図1は、本発明の一実施例の構内交換機のブロック図である。
【0032】図12に示す従来の構内交換機に比べて、選択部41及び52を設けた点に特徴がある。
【0033】図1において、1は構内交換機、2は網(公衆網、その他)、3は端末である。
【0034】また、構内交換機1において、4は端末を収容する加入者回路、5は網2からの回線を収容するトランク回路、6は加入者回路4とトランク回路5とを接続する時分割スイッチ、7は時分割スイッチをはじめ構内交換機全体を制御する呼処理プロセッサー、8はシステム全体のシステムデータを管理し記憶する記憶部である。
【0035】41、51は、それぞれ、加入者回路4およびトランク回路5に設けられ、呼処理プロセッサー7から送信されたシステム情報を記憶する記憶部である。
【0036】52は、トランク回路5に設けられ、呼処理プロセッサー7から送信されたシステム情報の中で、固定接続された加入者回路4に対して転送すべきシステムデータかを識別する選択部である。
【0037】42は加入者回路4に設けられ、固定接続から受信した情報が、一般の情報(網側回線からの情報など)かまたはシステムデータかを識別する選択部である。
【0038】次に、記憶部8のファイル構成は、図2のようになっている。
【0039】図2において、81は加入者回路4用のシステムデータ、82はトランク回路5用のシステムデータ、85は加入者回路4以外の加入者回路のシステムデータ、86はトランク回路5以外のトランク回路のシステムデータである。図7の従来のファイル構成に比べて、システムデータ関連ファイル83のない点が特徴がある。
【0040】また、トランク回路5用のシステムデータ82において、821は加入者回路4とトランク回路5の両方に送信されるシステムデータAである。
【0041】図1と図2を基に、記憶部8に保存されているそれぞれのシステムデータを加入者回路4の記憶部41またはトランク回路5の記憶部51に転送する方式について説明する。
【0042】まず、呼処理プロセッサー7が記憶部8から加入者回路4に転送するシステムデータを読み出し、転送する方式について説明する。
【0043】呼処理プロセッサー7は、加入者回路4用のシステムデータ81を読み出す。そして、呼処理プロセッサー7は、読み出したシステムデータ81を加入者回路4に送信する。加入者回路4は、呼処理プロセッサー7から受信したシステムデータ81を記憶部41に保存し管理する。
【0044】次に、呼処理プロセッサー7が記憶部8からトランク回路5に転送するシステムデータを読み出し、転送する方式について説明する。
【0045】呼処理プロセッサー7はトランク回路5用のシステムデータ82を読み出す。そして、呼処理プロセッサー7は読み出したシステムデータ82をトランク回路5に送信する。トランク回路5は、呼処理プロセッサー7から受信したシステムデータ82を記憶部51に保存し管理する。
【0046】さらに、トランク回路5が受信したシステム情報のうち、システムデータA821を加入者回路4の記憶部41に転送し保存する方式について説明する。
【0047】図5はシステムデータA821の転送のフローを示す。
【0048】トランク回路5の選択部52は、呼処理プロセッサー7から受信したシステムデータ82のうち、時分割スイッチ6で固定接続されている加入者回路4に転送するシステムデータA821があるかを検索する。この検索は、システムデータを区別するためにシステムデータのなかに付けられる識別子A(図3参照)によって行なわれる。
【0049】選択部52はシステムデータA821を識別すると、固定接続を介して加入者回路4にシステムデータA821を送信する。この時、通常の呼の情報(網側回線からの情報など)と区別するために、新たな識別子B(図4)を付けて送信する。
【0050】加入者回路4の選択部42はトランク回路によって中継されたシステムデータか、通常の呼の情報であるかを識別する。選択部42はシステムデータA821を認識すると、記憶部41に保存し管理する。
【0051】図6は、本発明の第2実施例の構内交換機のブロック図である。図6において、前述の説明(図1R>1)とは同じまたは同等部分には同一符号を付けてある。
【0052】図6において、1は構内交換機、2は網(公衆網、その他、)3は端末である。
【0053】また、構内交換機1において、9は端末3を収容する加入者回路、10は網2からの回線を収容するトランク回路、6は加入者回路4とトランク回路5とを接続する時分割スイッチ、7は時分割スイッチをはじめ構内交換機全体を制御する呼処理プロセッサー、8はシステム全体のシステムデータを管理し記憶する記憶部である。
【0054】91、101は、それぞれ、加入者回路9およびトランク回路10に設けられ、呼処理プロセッサー7から送信されたシステム情報を記憶する記憶部である。
【0055】92は、加入者回路9に設けられ、呼処理プロセッサーから送信されたシステム情報の中で、固定接続されたトランク回路に対して転送すべきシステムデータかを識別する選択部である。
【0056】102は、トランク回路10に設けられ、固定接続から受信した情報が、一般の情報(網側回線からの情報など)またはシステムデータかを識別する選択部である。
【0057】次に、記憶部8のファイル構成は、図7のようになっている。
【0058】図7において、88はトランク回路10用のシステムデータ、87は加入者回路9用のシステムデータである。
【0059】また、加入者回路9用のシステムデータ87において、871は加入者回路9とトランク回路10の両方に送信されるシステムデータBである。
【0060】図6と図7の構成を基に、記憶部8に保存されているそれぞれのシステムデータを記憶部91または101に転送する方式について説明する。
【0061】まず、呼処理プロセッサー7が、記憶部8からトランク回路10に転送するシステムデータを読み出し、転送する方式について説明する。
【0062】呼処理プロセッサー7は、トランク回路10用のシステムデータ88を読み出す。そして、呼処理プロセッサー7は、読み出したシステムデータ88をトランク回路10に送信する。
【0063】トランク回路10は、呼処理プロセッサー7から受信したシステムデータ88を記憶部101に保存し管理する。
【0064】次に、呼処理プロセッサー7が記憶部8から加入者回路9に転送するシステムデータを読み出し、転送する方式について説明する。
【0065】呼処理プロセッサー7は加入者回路9のシステムデータ87を読み出す。
【0066】そして、呼処理プロセッサー7は読み出したシステムデータ87を加入者回路9に送信する。
【0067】加入者回路9は、呼処理プロセッサー7から受信したシステムデータ87を記憶部91に保存し管理する。
【0068】さらに、加入者回路9が受信したシステム情報のうち、システムデータB871をトランク回路10の記憶部101に保存する方式について説明する。
【0069】加入者回路9の選択部92は、呼処理プロセッサー7から受信したシステムデータ87のうち、時分割スイッチ6て固定接続されているトランク回路10に転送するシステムデータB871があるかを検索する。この検索は、システムデータを区別するためにシステムデータのなかに付けられる識別子A(図3参照)によって行われる。
【0070】選択部92はシステムデータB871を識別すると、固定接続を介してトランク回路10にシステムデータB871を送信する。この時、通常の呼の情報(網側回線からの情報など)と区別するために、新たな識別子B(図4)を付けて送信する。
【0071】選択部102は加入者回路によって中継されたシステムデータか通常の呼の情報であるかを識別する。選択部102はシステムデータB871を認識すると、記憶部101に保存し管理する。
【0072】図8は、本発明の第3実施例の構内交換機のブロック図である。図8において、前述の説明(図1R>1、図6)とは同じまたは同等部分には同一符号を付けてある。
【0073】図8において、1は構内交換機、2と21は網(公衆網、をの他)である。
【0074】また、構内交換機1において、10は網21からの回線を収容するトランク回路、5は網2からの回線を収容するトランク回路、6はトランク回路10とトランク回路5とを接続する時分割スイッチ、7は時分割スイッチをはじめ構内交換機全体を制御する呼処理プロセッサー、8はシステム全体のシステムデータを管理し記憶する記憶部である。
【0075】51、101は、それぞれ、トランク回路5およびトランク回路10に設けられ、呼処理プロセッサー7から送信されたシステム情報を記憶する記憶部である。
【0076】52は、トランク回路5に設けられ、呼処理プロセッサーから送信されたシステム情報の中で、固定接続されたトランク回路に対して転送すべきシステムデータかを識別する選択部である。
【0077】102は、トランク回路10に設けられ、固定接続から受信した情報が、一般の情報(網側回線からの情報など)またはシステムデータかを識別する選択部である。
【0078】次に、記憶部8のファイル構成は、図9のようになっている。
【0079】図9において、88はトランク回路10用のシステムデータ、82はトランク回路5用のシステムデータである。
【0080】また、トランク回路5用のシステムデータ82において、821はトランク回路4とトランク回路5の両方に送信されるシステムデータAである。
【0081】図8と図9の構成を基に、記憶部8に保存されているそれぞれのシステムデータを記憶部51または101に転送する方式について説明する。
【0082】まず、呼処理プロセッサー7が、記憶部8からトランク回路10に転送するシステムデータを読み出し、転送する方式について説明する。呼処理プロセッサー7は、トランク回路10用のシステムデータ88を読み出す。そして、呼処理プロセッサー7は、読み出したシステムデータ88をトランク回路10に送信する。
【0083】トランク回路10は、呼処理プロセッサー7から受信したシステムデータ88を記憶部101に保存し管理する。
【0084】次に、呼処理プロセッサー7が記憶部8からトランク回路5に転送するシステムデータを読み出し、転送する方式について説明する。
【0085】呼処理プロセッサー7はトランク回路5用のシステムデータ82を読み出す。
【0086】そして、呼処理プロセッサー7は読み出したシステムデータ82をトランク回路5に送信する。
【0087】トランク回路5は、呼処理プロセッサー7から受信したシステムデータ82を記憶部51に保存し管理する。
【0088】さらに、トランク回路5が受信したシステム情報のうち、システムデータA821をトランク回路10の記憶部101に保存する方式について説明する。
【0089】トランク回路5の選択部52は、呼処理プロセッサー7から受信したシステムデータ82のうち、時分割スイッチ6で固定接続されているトランク回路10に転送するシステムデータA821があるかを検索する。この検索は、システムデータを区別するためにシステムデータのなかに付けられる識別子A(図3参照)によって行われる。
【0090】選択部52はシステムデータA821を識別すると、固定接続を介してトランク回路10にシステムデータA821を送信する。この時、通常の呼の情報(網側回線からの情報など)と区別するために、新たな識別子B(図4)を付けて送信する。
【0091】選択部102はトランク回路によって中継されたシステムデータか通常の呼の情報であるかを識別する。選択部102はシステムデータA821を認識すると、記憶部101に保存し管理する。
【0092】図10は、本発明の第4実施例の構内交換機のブロック図である。図10において、前述の発明(図1、図6、図8)とは同じまたは同等部分には同一符号を付けてある。
【0093】図10において、1は構内交換機、3と31は端末である。
【0094】また、構内交換機1において、4と9は、それぞれ端末3、31を収容する加入者回路、6は加入者回路4と加入者回路5とを接続する時分割スイッチ、7は時分割スイッチをはじめ構内交換機全体を制御する呼処理プロセッサー、8はシステム全体のシステムデータを管理し記憶する記憶部である。
【0095】41、91は、それぞれ、加入者回路4および加入者回路9に設けられ、呼処理プロセッサー7から送信されたシステム情報を記憶する記憶部である。
【0096】92は、加入者回路9に設けられ、呼処理プロセッサーから送信されたシステム情報の中で、固定接続された加入者回路に対して転送すべきシステムデータかを識別する選択部である。
【0097】42は、加入者回路4に設けられ、固定接続から受信した情報が、一般の情報(網側回線からの情報など)またはシステムデータかを識別する選択部である。次に、記憶部8のファイル構成は、図11のようになっている。
【0098】図11において、81は加入者回路4用のシステムデータ、87は加入者回路9用のシステムデータである。
【0099】また、加入者回路9用のシステムデータ87において、871は加入者回路4と加入者回路9の両方に送信されるシステムデータBである。
【0100】図10と図11の構成を基に、記憶部8に保存されているそれぞれのシステムデータを記憶部41または91に転送する従来の方式について説明する。
【0101】まず、呼処理プロセッサー7が記憶部8から加入者回路4に転送するシステムデータを読み出し、転送する方式について説明する。
【0102】呼処理プロセッサー7は、加入者回路4用のシステムデータ81を読み出す。そして、呼処理プロセッサー7は、読み出したシステムデータ81を加入者回路4に送信する。
【0103】加入者回路4は、呼処理プロセッサー7から受信したシステムデータ81を記憶部41に保存し管理する。
【0104】次に、呼処理プロセッサー7が記憶部8から加入者回路9に転送するシステムデータを読み出し、転送する方式について説明する。
【0105】呼処理プロセッサー7は加入者回路9用のシステムデータ87を読み出す。
【0106】そして、呼処理プロセッサー7は読み出したシステムデータ87を加入者回路9に送信する。
【0107】加入者回路9は、呼処理プロセッサー7から受信したシステムデータ87を記憶部91に保存し管理する。
【0108】さらに、加入者回路9が受信したシステム情報のうち、システムデータA871を加入者回路4の記憶部41に保存する方式について説明する。
【0109】加入者回路9の選択部92は、呼処理プロセッサー7から受信したシステムデータ87のうち、時分割スイッチ6で固定接続されている加入者回路4に転送するシステムデータB871があるかを検索する。この検索は、システムデータを区別するためにシステムデータのなかにつけられる識別子A(図3参照)によっておなわれる。
【0110】選択部92はシステムデータB871を識別すると、固定接続を介して加入者回路4にシステムデータB871を送信する。この時、通常の呼の情報(網側回線からの情報など)と区別するために、新たな識別子B(図4)を付けて送信する。
【0111】選択部42は加入者回路9によって中継されたシステムデータか通常の呼の情報であるかを識別する。選択部42はシステムデータB871を認識すると、記憶部41に保存し管理する。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、あらかじめ接続してある固定パスを利用して、加入者回路にも送信すべきシステムデータを、トランク回路で中継させて加入者回路に送信するものである。
【0113】これにより、構内交換機全体のシステムデータを管理する記憶部でシステムデータが、トランク回路または加入者回路ごとに保管管理されていても、システムデータの関連を示す別なファイルが不要になり、記憶部に必要な容量が最小限で済むという効果がある。
【0114】また、関連を示すファイルを呼処理プロセッサーが検索する必要がないため、呼処理プロセッサーの負荷を最小限に止め、負荷を加入者回路またはトランク回路に分散させるという効果がある。
【0115】さらに、関連ファイルを作成する必要がないため、システムデータ投入時の作業を削減できるとういう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による構内交換機のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施例によるシステムデータのファイル構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施例による呼処理プロセッサーからトランク回路ヘ送信する時のシステムデータのフォーマットを示す。
【図4】本発明の第1実施例による固定接続を介して転送されるシステムデータのフォーマットを示す。
【図5】本発明の第1実施例によるトランク回路と加入者回路間のシステムデータ転送のフローである。
【図6】本発明の第2実施例による構内交換機のブロック図である。
【図7】本発明の第2実施例によるシステムデータファイル構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3実施例による構内交換機のブロック図である。
【図9】本発明の第3実施例によるシステムデータのファイル構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第4実施例による構内交換機のブロック図である。
【図11】本発明の第4実施例によるシステムデータのファイル構成を示すブロック図である。
【図12】従来の構内交換機のシステム構成を示すブロック図である。
【図13】従来のシステムデータのファイル構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 構内交換機
2 網
3 端末
4 加入者回路
41 記憶部
42 選択部
5 トランク回路
51 記憶部
52 選択部
6 時分割スイッチ
7 呼処理プロセッサー
8 記憶部
81 加入者回路4用のシステムデータ
82 トランク回路5用のシステムデータ
821 トランク回路用5のシステムデータA
83 システムデータ関連ファイル
85 加入者回路4以外の加入者回路用のシステムデータ
86 トランク回路5以外のトランク回路用のシステムデータ
87 加入者回路9用のシステムデータ
871 トランク回路9用のシステムデータB
88 トランク回路10用のシステムデータ
9 加入者回路
91 記憶部
92 選択部
10 トランク回路
101 記憶部
102 選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 網側回線を収容するトランク回路と、加入者端末を収容する加入者回路と、前記トランク回路と加入者回路とを接続する時分割スイッチと、これらを制御する呼処理プロセッサーと、システム全体のシステムデータを管理し保存する記憶部を有し、固定パス接続情報に基づき前記時分割スイッチに設定された固定接続パスを介して、前記加入者端末および前記網側回線からの情報を、対応する前記網側回線および前記加入者端末に相互に出力することが可能な構内交換機において、前記記憶部は、前記トランク回路を制御する第1のシステムデータと前記加入者回路を制御する第2のシステムデータを別々に管理および記憶する手段を有し、前記トランク回路は、前記呼処理プロセッサーが記憶部から読み出した前記第1のシステムデータのうち前記加入者回路に送るべき第3のシステムデータを選別する手段と、システムデータを記憶する手段を有し、前記時分割スイッチは、前記固定パス接続情報に基づいて前記トランク回路と前記加入者回路とを固定的に接続する固定接続パスを有し、前記加入者回路は、前記トランク回路から転送された前記第3のシステムデータを受信しデータが一般の呼の情報かシステムデータかを識別する手段と、システムデータを記憶する手段を有することを特徴とする構内交換機のシステムデータ転送方式。
【請求項2】 網側回線を収容するトランク回路と、加入者端末を収容する加入者回路と、前記トランク回路と加入者回路とを接続する時分割スイッチと、これらを制御する呼処理プロセッサーと、システム全体のシステムデータを管理し保存する記憶部を有し、固定パス接続情報に基づき前記時分割スイッチに設定された固定接続パスを介して、前記加入者端末および前記網側回線からの情報を、対応する前記網側回線および前記加入者端末に相互に出力することが可能な構内交換機において、前記記憶部は、前記トランク回路を制御する第1のシステムデータと前記加入者回路を制御する第2のシステムデータを別々に管理および記憶する手段を有し、前記加入者回路は、前記呼処理プロセッサーが記憶部から読み出した前記第1のシステムデータのうち前記トランク回路に送るべき第3のシステムデータを選別する手段と、システムデータを記憶する手段を有し、前記時分割スイッチは、前記固定パス接続情報に基づいて前記トランク回路と前記加入者回路とを固定的に接続する固定接続パスを有し、前記トランク回路は、前記加入者回路から転送された前記第3のシステムデータを受信しデータが一般の呼の情報かシステムデータかを識別する手段と、システムデータを記憶する手段を有することを特徴とする構内交換機のシステムデータ転送方式。
【請求項3】 網側回線を収容する第1のトランク回路と、網側回線を収容する第2のトランク回路と、前記2つのトランク回路を接続する時分割スイッチと、これらを制御する呼処理プロセッサーと、システム全体のシステムデータを管理し保存する記憶部を有し、固定パス接続情報に基づき前記時分割スイッチに設定された固定接続パスを介して、前記網側回線からの情報を、対応する前記網側回線に相互に出力することが可能な構内交換機において、前記記憶部は、前記第1のトランク回路を制御する第1のシステムデータと前記第2のトラック回路を制御する第2のシステムデータを別々に管理および記憶する手段を有し、前記第1のトランク回路は、前記呼処理プロセッサーが記憶部から読み出した前記第1のシステムデータのうち前記第2のトランク回路に送るべき第3のシステムデータを選別する手段と、システムデータを記憶する手段を有し、前記時分割スイッチは、前記固定パス接続情報に基づいて前記第1のトランク回路と前記第2のトランク回路とを固定的に接統する固定接続パスを有し、前記第2のトランク回路は、前記第1のトランク回路から転送された第3のシステムデータを受信しデータが一般の呼の情報かシステムデータかを識別する手段と、システムデータを記憶する手段を有することを特徴とする構内交換機のシステムデータ転送方式。
【請求項4】加入者端末を収容する第1の加入者回路と、加入者端末を収容する第2の加入者回路と、前記2つの加入者回路を接続する時分割スイッチと、これらを制御する呼処理プロセッサーと、システム全体のシステムデータを管理し保存する記憶部を有し、固定パス接続情報に基づき前記時分割スイッチに設定された固定接続パスを介して、前記加入者端末からの情報を、対応する前記加入者端末に相互に出力することが可能な構内交換機において、前記記憶部は、前記第1の加入者回路を制御する第1のシステムデータと前記第2の加入者回路を制御する第2のシステムデータを別々に管理および記憶する手段を有し、前記第1の加入者回路は、前記呼処理プロセッサーが記憶部から読み出した前記第1のシステムデータのうち前記第2の加入者回路に送るべき第3のシステムデータを選別する手段と、システムデータを記憶する手段を有し、前記時分割スイッチは、前記固定パス接続情報に基づいて前記第1の加入者回路と前記第2の加入者回路とを固定的に接続する固定接続パスを有し、前記第2の加入者回路は、前記第1の加入者回路から転送された第3のシステムデータを受信しデータが一般の呼の情報かシステムデータかを識別する手段と、システムデータを記憶する手段を有することを特徴とする構内交換機のシステムデータ転送方式。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図6】
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【図8】
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【図11】
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【図13】
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【図10】
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【図12】
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【特許番号】第2636731号
【登録日】平成9年(1997)4月25日
【発行日】平成9年(1997)7月30日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−108150
【出願日】平成6年(1994)5月23日
【公開番号】特開平7−322312
【公開日】平成7年(1995)12月8日
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)