説明

構成可能な実行可能アプリケーションを用いた遠隔技術サポート

【課題】遠隔技術サポートの供与を向上させるシステムの提供。
【解決手段】サービスの要求に応答して、ユーザデバイスが技術サポートコントローラから実行可能アプリケーションを受信し、実行可能アプリケーションはユーザデバイスにおいて呼び出される。ユーザデバイスは技術サポートコントローラから構成情報を受信する。実行可能アプリケーションは、構成情報に基づいて、動的なワークフローに従事するように、すなわち、以前の結果に基づいてどのアクティビティを遂行すべきかについて決定を行うように構成されることができる。構成情報はユーザデバイスの特定の性質および/またはサービス要求の特定の性質に従って選択されることができるので、実行可能アプリケーションは、遠隔技術員から最小限の注意を払ってもらうだけで要求エンドユーザのニーズに最もうまく対処するように適合されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ユーザデバイスのための遠隔技術サポートを提供することに関し、特に、このような遠隔技術サポートを、構成可能な実行可能アプリケーションを利用して提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスの利用が増加したため、このようなデバイスが要求通り動作しないときの技術サポートの需要も増加した。本願明細書で用いられる通り、技術サポートとは、正常に機能しないデバイスを診断すること、さらに場合によってはそれを修復することに関わるありとあらゆるアクティビティを含むものである。状況によっては(例えば大きな営利企業では)、このような技術サポートは現地の技術員のスタッフによって提供される。例えば、比較的多数のコンピュータユーザを有する企業なら、企業によって用いられるハードウェアおよびソフトウェアシステムに関する知識が非常に豊富な技術員を多数雇えばよい。個々のユーザのコンピュータに問題が起きる場合は、このようなユーザの所在地に技術員を配置しておいて、必要な技術サポートを提供すればよい。典型的には、任意の数のコンピュータユーザをサポートするために必要とされるサポートのレベルに関する履歴的な知識を通じて、予想されるニーズに合うように専任の技術サポートスタッフの規模を調節することができる。このアプローチはコンピュータユーザが最も効率的に職務を果たすよう保つことに効果を挙げることができるものの、現地の専任技術員のスタッフを維持することは比較的費用がかかる。接続能力が向上した(公衆および私設のコンピュータネットワークがどこにでもあることが前提となった)この時代では、比較的遠隔のユーザを多数含むコンピュータユーザにサービスを提供する必要が増した。種々のコンピュータユーザが広い地理範囲に散らばっている場合、技術員の専任スタッフを提供することが実行不能になる可能性がある。
【0003】
さらに、全てのデバイスユーザが、専任の技術サポートスタッフを提供するための資源を有する大きな事業体に属しているわけではない。例えば、全世界にはおよそ12億台のパーソナルコンピュータがあり、米国内だけで2億6410万台のパーソナルコンピュータが含まれると推定されている。技術員が「家庭訪問」をしてくれるサービスを約束することは可能ではあるが、このようなサービスは平均的な家庭用コンピュータユーザにとってはかなり高価なものになる。これに鑑みて、最近になって、インターネット等の上述のユビキタスネットワークを通じて供与される遠隔技術サポートサービスを提供する種々の解決策が提案されている。例えば、米国特許出願公開第2006/0277096号(レヴィタス(Levitus)名義)、第2008/0147789号(ウィング(Wing)他名義)、第2008/0172574号(フィッシャー(Fisher)名義)および第2009/0125608号(ワース(Werth)他名義)が、図1に大まかに示される形式の種々のシステムを記載している。図1に示されるように、システム100は、1つ以上の介在ネットワーク106を介して技術サポートコントローラ104と通信することができる複数のユーザデバイス102を含む。介在ネットワーク106は、公衆ネットワーク(インターネットなど)、私設ネットワーク(ローカルエリアネットワーク、仮想私設ネットワーク等など)またはその組み合わせを含んでよい。技術サポートコントローラ104に仲介されて複数の遠隔技術員108がユーザデバイス102のために所望の技術サポートアクティビティを遂行する。ユーザデバイス102は多くの場合、コンピュータであるが、他の種類のデバイス、例えば、テレビケーブルセットトップボックス、テレビ、携帯電話、自動車、あるいはさらに台所電化製品等のより日常的なデバイス、がこのような遠隔技術サポートの恩恵を同様に受けてもよい。技術サポートコントローラ104は、例えば、適切に構成されたウェブインターフェースを通じてアクセスされればよいウェブサービスの形で提供される集中サービスである。技術サポートコントローラ104は、ユーザデバイス102からのサービス要求、およびこのような要求に応えてサービスを提供する遠隔技術員108の配置を調整する。図示されるように、一実施形態では、遠隔技術員108aは、1つ以上のネットワーク106を介して、サービスを受けているユーザデバイス102、および技術サポートコントローラ104の両方にアクセスすればよい。代替的に、遠隔技術員108bは、ユーザデバイス102にはネットワーク(単数または複数)106を介してなおサービスを提供しながらも、技術サポートコントローラ104には独自の接続を通じて直接結合されてもよい。技術サポートコントローラ104が要求ユーザとの対話を全て仲介するので、遠隔技術員は技術サポートコントローラ104と通信ができる限り、事実上どこにいても構わない。種々の遠隔サービスツールを用いることで、遠隔技術員108はユーザデバイス102と対話して、要求された技術サポートを提供することができる。
【0004】
図2に、遠隔技術員のサービスを配置するための典型的なモデルが示されている。本図で示されるように、遠隔技術員は、多数のサービス要求(SR 1〜SR Nと標識)が遠隔技術員に割り当てられる作業待ち行列202(通例、技術サポートコントローラによって実装される)を提供される。典型的な従来技術のシステムでは、任意の遠隔技術員の待ち行列の「深さ」は、受けているサービス要求の量と利用可能な遠隔技術員全員にわたる負荷分散とによって決定される。サービス要求を処理するとき、通常、遠隔技術員は自分の時間の最初の部分を要求ユーザと係わることに、典型的にはユーザが経験している問題に関する情報を収集することに費やすことになる(「作業」と標識)。その後、通常、遠隔技術員は、遠隔技術員の全面的な注意を大抵は必要としない種々の自動/半自動タスクに従事することになる。遠隔から、ユーザデバイスの自動スキャンを遂行すること、ユーザデバイスを再起動すること、ユーザデバイスにソフトウェア修復をインストールすること、等を大抵含むこのようなタスク。これらのタスクの終結時、通常、遠隔技術員は、問題が修復されたこと、顧客にさらなるニーズがないこと等を確実にするために、要求ユーザと直接対話することに再び時間を費やすことになる。その後、遠隔技術員は待ち行列202内の次のサービス要求に移る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サービス要求を逐次取り扱うというこのアプローチは、有効であるものの、遠隔技術員が、種々の自動/半自動タスクが完了するのを待っている期間204a〜bを有する場合が多いため、効率的ではない。これは遠隔技術員の時間の利用が非効率的になるという結果をもたらすだけでなく、これは、待ち行列に入れられたサービス要求の取り扱いのための待ち時間が増大する可能性にもつながり、それがひいては、エンドユーザエクスペリエンスが不満足なものとなる可能性が高まることにつながる。従って、現在の遠隔技術サービス供与システムを改良する技法を提供することが有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、遠隔技術サポートの供与を向上させるための種々のアプローチを記載する。特に、これは、改良された自動操作技法、ならびにそれによりもたらされる、各遠隔技術員の時間をよりうまく用い管理する能力を利用して達成される。従って、一実施形態では、サービスの要求に応答して、ユーザデバイスは技術サポートコントローラから実行可能アプリケーションを受信し、その実行可能アプリケーションはその後、ユーザデバイスにおいて呼び出される。加えて、ユーザデバイスは、実行可能アプリケーションによって開始されユーザデバイスを介して送信される要求に場合により応答して、技術サポートコントローラから構成情報を受信する。すると、実行可能アプリケーションは構成情報に従ってユーザデバイスの技術サポート処理を遂行する。技術サポート処理の最中またはその終結時のいずれかにおいて、実行可能アプリケーションは結果(例えばステータスおよび情報)を提供する。さらに、一実施形態では、実行可能アプリケーションは、構成情報に基づいて、動的なワークフローに携わるように、すなわち、どのようなアクティビティを遂行すべきかに関して以前の結果に基づいて決定を行うように構成されることができる。構成情報はユーザデバイスの特定の性質および/またはサービス要求の特定の性質(すなわち、ユーザデバイスが現在経験している問題の特性)に従って選択されることができるので、実行可能アプリケーションは、遠隔技術員から最小限の注意を払ってもらうだけで要求顧客のニーズに最もうまく対処するように適合されることができる。
【0007】
別の実施形態では、このような自動操作の利用を、遠隔技術員の効率を向上させ、その結果、エンドユーザエクスペリエンスを向上させるために活用する。本実施形態では、技術サポートコントローラは、遠隔技術員によってサービスを受けるサポートセッションの最大数の指示を受信する。その後、技術サポートコントローラはユーザデバイスのためのサービス要求を受信する。サービス要求を処理させようとするとき、技術サポートコントローラは、任意の遠隔技術員がサービス要求を取り扱うと、遠隔技術員によって現在取り扱われているサポートセッションの数が、以前に示されたサポートセッションの最大数を超えることにならないかどうか判定する。そうならない場合は、サービス要求は遠隔技術員用の作業待ち行列に追加される。各サービス要求をカテゴリに分類し、任意のカテゴリに関連付けられる遠隔技術員のみがそのカテゴリのためのサービス要求を取り扱うことができるようにしてよい。このようなカテゴリは、解決すべき問題の複雑さおよび/または遠隔技術員のスキルのレベルによって区別されることができる。さらに、任意のサービス要求を取り扱う遠隔技術員を選択するプロセスは、完全に自動化させるか、または個々の遠隔技術員が予備待ち行列からサービス要求を選択することに基づくものとさせることができる。
【0008】
本開示において記載されている特徴は添付の請求項に詳細に明記されている。これらの特徴と付随する利点は以下の詳細な記載を添付の図面と併せて考慮することで明らかとなろう。これより、1つ以上の実施形態が、添付の図面を参照しながら例としてのみ記載される。図面において、同様の参照符号は同様の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】従来技術による、技術サポートサービスを遠隔から提供するシステムのブロック図である。
【図2】従来技術による、遠隔技術員がサービス要求を取り扱う方法の概略図である。
【図3】本開示による技術サポートコントローラの実施形態をより詳細に示すブロック図である。
【図4】本開示による技術サポートコントローラおよびそれによって用いられる追加のサービスの実施形態をさらにより詳細に示すブロック図である。
【図5】本開示の種々の態様を実装するために用いられればよい処理デバイスのブロック図である。
【図6】本開示の実施形態による、ユーザデバイスと技術サポートコントローラとの間の対話を示すシーケンス図である。
【図7】本願明細書に記載の実施形態による処理を示すフローチャートである。
【図8】本開示による、遠隔技術員がサービス要求を取り扱う方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に図3を参照すると、本開示による技術サポートコントローラ104がより詳細に示されている。図示の実施形態では、技術サポートコントローラ104は、バックエンド304に結合されるサービスインターフェース302を含む。図示のように、サービスインターフェース302は、技術サポートコントローラ104によって提供されるサービスへのアクセスをエンドユーザに提供するために用いられればよい上記の1つ以上のネットワーク106に直接結合する。この目的を達成するために、サービスインターフェース302は、エンドユーザがアクセスすればよい対話式のウェブページを1つ以上実装するサーバコンピュータを少なくとも1台、含んでいればよい。例えば、このようなウェブページは、ASP.NETまたはJavaServer Pages等のウェブアプリケーションフレームワークを用いて実装されればよい。サービスインターフェース302はエンドユーザからのサービス要求を受信するために用いられることができ、そのサービス要求は、エンドユーザが現在、問題を経験しているユーザデバイス(例えば上述のようにコンピュータ等)、および経験されている問題の性質を明記するものであればよい。
【0011】
代替的に、または追加的に、サービスインターフェース302は、エンドユーザに、ユーザが遠隔技術員と対話することを可能とするために必要なインターフェースを提供することができる。例えば、サービスインターフェース302は、エンドユーザに、選択されるとエンドユーザ(および、場合によっては、サービス対象のユーザデバイス)と遠隔技術員のワークステーション306との間の通信を開始する選択可能な入力機構(例えば、1つ以上のボタン、ハイパーリンク、ドロップダウンメニュー項目、等)を1つ以上提供すればよい。
【0012】
さらになお、サービスインターフェース302は、遠隔技術員によるサービス要求の処理の制御および管理に必要なそれらの機能を実装することができる。例えば、サービスインターフェース302は、後により詳細に記載されるように、技術サポート処理を自動化するために用いられる実行可能アプリケーションおよび構成情報をユーザデバイスに提供すればよい。後により詳細にさらに記載されるように、サービスインターフェース302は、受け付けたサービス要求を複数の遠隔技術員の1人1人に割り当てるために用いられる1つ以上の待ち行列を実装することもできる。
【0013】
バックエンド304は、データベースサーバコンピュータを同様に1台以上含んでいればよく、遠隔技術サポートサービスを実装するために用いられるデータ記憶、報告およびビジネスロジック機能の全てを実装する。例えば、バックエンド304は、オラクル(Oracle)データベース、MySQL等などの適当なデータベース管理システム(database management system、DBMS)を実装するデータベースサーバを1台以上含んでいればよい。このようなデータ記憶機構を用いて、未解決のサービス要求、種々のユーザデバイスについて既知の問題に関する情報等に関する全てのデータが記憶されればよい。さらに図示されているように、技術サポートコントローラ104は、エンドユーザの代理人がエンドユーザの代わりに技術サポートサービスにアクセスできるようにするクライアント代理人ポータル306を含んでもよい。このようにすれば、代理人は、遂行されるサービスに関する必要な情報を提供し、サービスを許可し、さらにその後、サービスセッションを開始することができる。一実施形態では、クライアント代理人ポータル306は、エンドユーザによって直接用いられるものと類似しているが、代理人による特定の用途に適合されたウェブインターフェースを実装してよい。
【0014】
さらに図示されているように、技術サポートコントローラ104は1台以上の遠隔技術員ワークステーション308とも通信する。上述されたように、技術サポートコントローラ104と遠隔技術員ワークステーション(単数または複数)308との間の通信は1つ以上のネットワーク106によって仲介されればよい。遠隔技術員ワークステーション(単数または複数)308は各々、デスクトップまたはラップトップコンピュータ等の、技術サポートコントローラ104と通信する能力があるコンピュータを1台以上含んでいればよい。後により詳細に記載されるように、各遠隔技術員ワークステーション308は、対応する遠隔技術員によって、遠隔技術員が取り扱うサポートセッションの最大数に関する情報を伝えるために用いられてよい。
【0015】
次に図4を参照すると、技術サポートコントローラとそれによって用いられる追加のサービスの実施形態がより詳細に示されている。特に、クライアントウェブサイト404、技術員ウェブサイト406、代理人許可ウェブサイト408およびウェブサービスポータル410を実装するために1台以上のウェブサーバ402が提供される。クライアントウェブサイト404は、エンドユーザと技術サポートコントローラとの間のインターフェースとして用いられるウェブページを1つ以上含むものであればよい。このようなウェブページを製作する技法は当技術分野において周知であり、ここで列挙される必要はない。上述されたように、クライアントウェブサイト404は、種々のフォームベースのインターフェースを用いて、エンドユーザから、サービス対象のユーザデバイスおよびエンドユーザが経験している問題の性質に関する情報を収集するために用いられればよい。上述されたように、サービス対象のユーザデバイスは、クライアントウェブサイト404にアクセスするためにユーザによって用いられるデバイスと必ずしも同じである必要はなく、例えば、サービス対象のデバイスは、典型的なユーザインターフェースを持たない家庭電化製品(冷蔵庫、ケーブルセットトップボックス等)であることが理解される。この場合、サービス対象のデバイスは、デバイスへの無人アクセスを許す遠隔サービスツールセットを提供するチップセットを含むものであることが期待される。このとき、エンドユーザは任意の適当なデバイス(例えば家庭用コンピュータ)を用いてクライアントウェブサイト404にアクセスし、さらにサービス対象のデバイスに関し(例えば、ネットワークアドレス、インストールされているプログラム、エラーログ、物理的構成等)、サービス対象のデバイスへのアクセスを許可する種々の情報を提供することができ、それにより、遠隔サービスツールセットの能力によってデバイスとのセッションを仲介させることを可能にする。
【0016】
技術員ウェブサイト406は、遠隔技術員によって用いられるウェブページを同様に1つ以上実装する。例えば、技術員ウェブサイト406は、各代理人が技術サポートコントローラに安全にログインできるようにするログイン画面を含むものであればよい。ログインに成功すると、遠隔技術員には、遠隔技術員が種々の自動操作ツールにアクセスすることと、遠隔技術員に自動的に割り当てられるサービス要求に関する情報にアクセスすること、および/または遠隔技術員が処理の選択に利用できる未解決のサービス要求に関する情報を見ることとを可能とするグラフィカルユーザインターフェースが提示されればよい。以前のサービス要求の詳細、およびそれらが解決された方法、例えばユーザデバイスに適用された修復、に関する履歴情報等の事例管理情報を遠隔技術員が得ることができる追加のサービスが技術員ウェブサイト406を介して提供されてもよい。同様に、技術員ウェブサイト406は、各サービス要求に対するサービス供与の開始および停止時刻、言及された問題が解決されたかどうか、遠隔技術員の能力に関する任意の顧客フィードバック、等などの各遠隔技術員の能力に関するデータを維持するように構成される。こうした情報に基づいて技術員ウェブサイト406は任意の所望のデータ分析を遂行し、これに従い、報告、例えば、遠隔技術員が事案にサービスを提供する時間の平均的な長さ、解決が成功した割合等、を提供してもよい。同様に、後記詳述されるように、自分の作業負荷の管理を促進するために、各遠隔技術員は技術員ウェブサイト406を用いて、遠隔技術員によって取り扱われるサービス要求の最大数を任意の所与の時点で伝達してもよい。後述されるように、この情報を用いることで、技術員ウェブサイト406は、個々の遠隔技術員用の作業待ち行列が維持される、待ち行列管理の機能性を含むものとなればよい。
【0017】
代理人許可ウェブサイト408は、エンドユーザが自分の代理人に、エンドユーザの代わりに技術サポートコントローラと接続する許可を与えればよい手段となるウェブページを1つ以上含むものであればよい。一実施形態では、代理人許可ウェブサイト408は、許可を受けた代理人がログインし、サービスを選択し、エンドユーザからの関連情報を確認し、さらにサービス対象のデバイスがサービスに適合していることを確証することを許す一連のフォームを提供する。サービス対象のデバイスがウェブサーバ402によってアクセス可能な場合、代理人許可ウェブサイト408は、(後にさらに詳細に記載されるように、)サービス対象のデバイスに関する情報を収集する、例えば、サービスを受けているパーソナルコンピュータのオペレーティングシステムに関する情報を収集する、アプリケーションを実装するために用いられてもよい。
【0018】
ウェブサービスポータル410は、技術員ウェブサイト406と、サービス要求を取り扱う際に遠隔技術員によって用いられる種々の外部アプリケーション412との間のインターフェースの役割を果たす。当技術分野で周知のように、このようなウェブサービスポータルは、外部アプリケーション412にアクセスする場所のアドレス(例えばユニフォームリソースロケータ)の一覧を含むものであればよい。ウェブサービスポータル410を介して任意のアプリケーションを選択することによって、遠隔技術員は外部アプリケーションに、サービスを受けているエンドユーザデバイスとの遠隔接続を開始させ、その自動サービスを始めさせることができる。図示されているように、外部アプリケーション412は、事前接続サービス414、健全性チェックサービス416および/または自動操作エンジンサービス418を含んでよい。事前接続サービス414は、サービスを受けているユーザデバイスにアクセスしてその構成の妥当性を確認するために用いられる。例えば、コンピュータの場合、事前接続サービス414は、自動ツールがユーザデバイス上で適切に作動するために必要なハードウェアおよびソフトウェア要件を検証するために用いられる。追加的に、事前接続サービス414は、ユーザデバイス上に、ユーザデバイスにサービスを提供する間に用いられればよいそれらのツール、すなわち、後述される種々の「アクティビティ」を実行するために必要なソフトウェア、をダウンロードするために用いられてもよい。例えば、ダウンロードされるツールとして、ユーザデバイスに関する追加情報を収集するスキャンソフトウェアが挙げられてよい。
【0019】
健全性チェックサービス416は、ユーザデバイス上で実行されるとその種々の動作パラメータの挙動を測定する静的な(同じ処理が常時遂行されるという意味で)実行可能アプリケーションをダウンロードするように機能する。このような動作パラメータを測定する技法は当技術分野において周知である。健全性チェックサービス416を任意の技術サポートサービスの開始時および終了時の両方で用いれば、技術サポートサービスによって得られた恩恵を容易に実証することができよう。例えば、コンピュータがサービスを受けている場合、健全性チェックサービス416は、ディスクの断片化、存在するウィルスの数、デバイスドライバのバージョン等などの最適化およびマルウェア関連パラメータを測定するために用いられればよい。技術サポート処理の後、健全性チェックサービス416は、技術サポート処理を通じてもたらされた恩恵を示すべく、同じパラメータを再測定するために再び用いられてもよい。
【0020】
自動操作エンジンサービス418は、サービスを受けているユーザデバイスに実行可能アプリケーションをダウンロードするほかに、ユーザデバイスの技術サポート処理を動的に遂行するために実行可能アプリケーションによって用いられる構成情報をダウンロードするように機能する。一実施形態では、実行可能アプリケーションによって遂行される技術サポート処理は、他の技術サポート処理の操作の間に用いられる、ユーザデバイスのパラメータをいくつか収集する1つ以上のスキャンアクティビティを含む。例えば、ユーザデバイスが、「ウィンドウズ(WINDOWS)」オペレーティングシステムを用いる家庭用コンピュータである状況では、スキャン操作はオペレーティングシステムの現在の状態に関する情報を収集するためにWindows Management Instrumentation(WMI)インターフェースを呼び出すことを含む場合がある。この場合、このような情報は、中央処理装置(central processing unit、CPU)の速度、空きディスクスペース、オペレーティングシステム(operating system、OS)の種類およびバージョン、ネットワークアドレス等を含むものであればよい。
【0021】
一実施形態では、技術サポート処理は1つ以上のダウンロードアクティビティおよびアプリケーション実行アクティビティをさらに含む。ダウンロードアクティビティとは、実行可能ファイルを含め、他のファイルをユーザデバイスにダウンロードするために用いられるものである。例えば、ユーザデバイスにアンチマルウェアソフトウェアをダウンロードすることが望ましい場合がある。最後に、アプリケーション実行アクティビティとは、ユーザデバイス上で利用可能な、ダウンロードされた(または以前に利用可能であった)ソフトウェアアプリケーションをいくつか呼び出すために実行可能アプリケーションによって遂行されればよいものである。
【0022】
構成情報を用いた、実行可能アプリケーションの制御操作は、一実施形態では、以下の表1に示されるもの等のアクティビティリストの形をとるものであればよい。
<ActivityList>
<Activity Type=“...”> ... </Activity>
<Activity Type=“...”> ... </Activity>
<Activity Type=“...”> ... </Activity>
...
<Activity Type=“...”> ... </Activity>
</ActivityList>
表1
【0023】
表1に示されるように、アクティビティリストは、実行可能アプリケーションによって遂行される多数のアクティビティを含むものであればよく、アクティビティは上述のスキャン、妥当性確認、ダウンロードおよびアプリケーション実行アクティビティの任意の組み合わせを含んでよい。一実施形態では、実行可能アプリケーションはアクティビティリストの中を進行していき、アクティビティが完了されると、実行可能アプリケーションは自動操作エンジンサービス418と対話して、アクティビティリスト内のどのアクティビティがさらに完了されることができるか/完了されるべきかを判定する。この目的を達成するために、実行可能アプリケーションは、完了されたアクティビティの結果を自動操作エンジンサービス418に提供することができ、今度は、自動操作エンジンサービス418がその結果を用いてどのアクティビティを次に遂行すべきか判定する。換言すれば、自動操作エンジンサービス418は、実行可能アプリケーションによって遂行された前のアクティビティの結果を追跡し、次の行動方針を絶えず決定する。新しい行動方針を発効させるために、一実施形態では、自動操作エンジンサービス418は、次のアクティビティのうちの1つ以上が所望の変更を反映するようにアクティビティリストを更新する。一実施形態では、次の行動方針を絶えず決定する能力は、エンドユーザが説明した同様の問題への対処に成功した技法の履歴的知識に由来するものであればよい。この方式では、改良された処理技法またはパターンを発展させると、改良された処理を反映するように自動操作エンジンサービス418を更新すればよい。このように、実行可能アプリケーションは、改良された処理技法が特定される度に再コンパイルされる必要がなく、むしろ、このような新しい処理技法を供給する十分な柔軟性を保ち続ける。
【0024】
図4を再び参照すると、ウェブサービスポータル410を介して同様にアクセスされればよい遠隔ログインサービス422も提供されている。例えば、コンピュータを対象にした技術サポートサービスの場合、遠隔ログインサービス422は、遠隔技術員が実行可能アプリケーションのダウンロードを遂行する前にユーザデバイスに遠隔ログインすることを可能とする周知の「LOGMEIN RESCUE」サービスを含むものであればよい。図4にさらに示されているように、サービス要求を取り扱う間に収集されるデータを全て記憶するために一次データベース424および二次データベース426が(好ましくは適切なDBMSを実装する1つ以上のデータベースサーバの形で)提供されればよい。図示のように、一次データ424は、ウェブサーバ(単数または複数)402によって実装される種々のウェブサイト404〜408およびポータル410によって用いられる全ての関連データを記憶すればよい。同様に、遠隔ログインサービス422も、遠隔ログインプロセスに関連するデータを記憶するために一次データベース424と対話してよい。さらに図示されているように、例えば、一次およびバックアップデータベース424、426ならびに実装と通信する1台以上の報告サーバ428が提供されればよい。SQLレポートサービス(SQL Reporting Services)。特に、一次データベース424内に記憶されている任意の現在のデータ(現在未解決の技術サポートサービス要求に関連するという意味で)はライブ報告モジュール430によってアクセスされればよく、一方、二次データベース内に記憶されているアーカイブまたはバックアップデータは非ライブ報告モジュール432を介してアクセスされればよい。
【0025】
図5は、本開示の教示を実装するために用いられればよい代表的な処理デバイス500を示す。特に、デバイス500は、一実施形態では、図4に示される種々のサーバを実装するために用いられればよく、別の実施形態では、図3に示される遠隔技術員ワークステーション(単数または複数)308を実装するために用いられればよい。加えて、本開示の一実施形態では、サービス対象のユーザデバイス(例えばコンピュータ)も、図5に示される一般的な形態をとってよい。いずれの場合でも、デバイス500は、記憶デバイス504に結合されるプロセッサ502を含む。次に、記憶デバイス504は、記憶された実行命令516およびデータ518を含む。一実施形態では、プロセッサ502は、記憶された命令516を実行し、記憶されたデータ518に作用することができるマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、またはそれらの組み合わせ等の処理デバイスを1つ以上含むものであればよい。同様に、記憶デバイス504は、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)またはリードオンリーメモリ(read only memory、ROM)を含む、ただしそれらに限定されるものではない、揮発性または不揮発性メモリ等のデバイスを1つ以上含むものであればよい。図5に示される形式のプロセッサおよび記憶の仕組みは当業者に周知のものである。一実施形態では、本願明細書において記載されている種々の処理技法は、記憶コンポーネント504内の実行命令およびデータの組み合わせとして実装される。
【0026】
図示のように、デバイス500は、プロセッサ502と通信する1つ以上のユーザ入力デバイス506、ディスプレイ508、周辺インターフェース510、他の出力デバイス512、およびネットワークインターフェース514を含んでよい。ユーザ入力デバイス506は、プロセッサ502にユーザ入力を提供する任意の機構を含むものであればよい。例えば、ユーザ入力デバイス506は、デバイス500のユーザがプロセッサ502に入力データを提供する手段としてよいキーボード、マウス、タッチスクリーン、マイクロホンおよび適当な音声認識アプリケーションあるいは他の任意の手段を含むものであればよい。ディスプレイ508は、陰極線管(cathode ray tube、CRT)、フラットパネルディスプレイ、または当業者に周知の他の任意のディスプレイ機構等の任意の従来のディスプレイ機構を含むものであればよい。一実施形態では、ディスプレイ308は、適当な記憶された命令316と併せて、グラフィカルユーザインターフェースを実装するために用いられてよい。このようにグラフィカルユーザインターフェースを実装することは当業者には周知である。周辺インターフェース510は、媒体ドライブ(例えば磁気ディスクまたは光ディスクドライブ)、他の処理デバイス、あるいは本技法と接続して用いられる他の任意の入力源等の種々の周辺デバイスとの通信に必要なハードウェア、ファームウェアおよび/またはソフトウェアを含むものであればよい。同様に、他の出力デバイス(単数または複数)512は、同様の媒体ドライブ機構、他の処理デバイス、あるいはデバイス500のユーザに情報を提供することができるスピーカ、LED、触覚出力等などの他の出力先を任意に含むものであればよい。最後に、ネットワークインターフェース514は、当技術分野において周知のように、ローカルエリアであれワイドエリアであれ、私設であれ公衆であれ、有線または無線ネットワークを介してプロセッサ502が他のデバイスと通信することを可能にするハードウェア、ファームウェアおよび/またはソフトウェアを含むものであればよい。例えば、このようなネットワークとしては、当技術分野において周知のように、ワールドワイドウェブまたはインターネット、あるいは民間企業ネットワークが挙げられよう。
【0027】
デバイス500は、本願明細書において記載されている技法を実装するための一形態として記載されているが、当業者は機能的に同等な他の技法が用いられてもよいことを理解しよう。例えば、当技術分野において周知のように、実行命令を介して実装される機能性の一部または全てが、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、プログラマブルロジックアレイ、状態機械等などのファームウェアおよび/またはハードウェアデバイスを用いて実装されてもよい。さらになお、デバイス500の他の実装では、含まれるコンポーネントの数が図示のものよりも多い場合もあるし少ない場合もある。再度、当業者は、用いられればよい数多くの変形はこの方式であることを理解しよう。
【0028】
次に図6を参照すると、本開示の一実施形態による、ユーザデバイスと技術サポートコントローラとの間のやり取りならびに両者の操作を示すシーケンスチャートが提供されている。或る実装では、図6に示される処理は、例えば図5に示されるように、1つ以上のプロセッサおよび関連ハードウェアによって実行される記憶された命令を実行することで実施される。いずれの場合でも、図6に示される処理は、ユーザデバイスのためのサービス要求602が受信されると、図示の実施形態では技術サポートコントローラによってユーザデバイス自体から受信されると、始まる。サービス要求は、技術サポートコントローラがエンドユーザとの対話を開始できるようにするために十分な情報、例えば、エンドユーザ識別情報、ネットワークアドレス等、を含んでいればよい。上述されたように、サービス要求は、技術サポートコントローラによって提供されるウェブページにユーザデバイスがアクセスすることによって提供されればよい。任意に、サービス要求602は、先にも記載されているように、サービス対象のユーザデバイス以外のソースから受信されてもよい。
【0029】
サービス要求602が、技術サポートサービスを開始するために要求される必要情報を含んでいるものとすると、技術サポートコントローラが、ユーザデバイスの能力の妥当性を確認し、さらにユーザデバイスにダウンロードされる実行可能アプリケーションおよび他の任意のツールの互換性を確実にするために、事前接続サービス603を呼び出す処理が続く。このような能力/互換性が存在するものとすれば、事前接続サービスは、上述されたように、種々のツールセットもダウンロードする。その後、技術サポートコントローラは、(例えば「LOGMEIN RESCUE」サービスを用いて)ユーザデバイスと遠隔技術員との間の遠隔接続を確立する604。接続が確立されると、技術サポートコントローラは、遠隔技術員から受信される命令によって、ユーザデバイスのための操作パラメータの基準を確立するために健全性チェックサービスを任意に呼び出してよい606。健全性チェックサービスは別の形で用いられてもよい。例えば、健全性チェックサービスは、サービス要求602を提出する前にユーザが(例えばクライアントウェブサイト404を介して)呼び出すことができるサービスとして提供されることができ、その結果はその後、ユーザのデバイス上に現地で記憶される、および/または技術サポートコントローラにアップロードされる。こうすれば、ユーザは、サービスを要求する前に自分のデバイスをより良く診断する能力を提供されることになる。
【0030】
その後、技術サポートコントローラはユーザデバイスに実行可能アプリケーションもダウンロードし608、続いてユーザデバイスは実行可能アプリケーションを呼び出す610。実行可能アプリケーションは、呼び出されると、ユーザデバイスに、技術サポートコントローラへ必要な構成情報を求める要求を任意に送信させてよい612。それに応じて、技術サポートコントローラは必要な構成情報を判定し、ユーザデバイスに構成情報を返す614。一実施形態では、技術サポートコントローラは、(事前接続サービス606によって集められるような、)エンドユーザによって説明された問題、およびユーザデバイスの特定のメーカー/機種、ハードウェア構成等の知識を有し、この情報を、これらの同じパラメータ群について既知の値のセットの様々な例と比較する。一致するもの(すなわち、類似または同一の問題、ユーザデバイスのメーカー/機種、ハードウェア構成、等)を発見すると、技術サポートコントローラは、パラメータ値のその特定のセットに対応する、構成情報の予め定義されたセットを特定する。このようにして、構成情報は、エンドユーザに最も効果的にサービスを提供するべく特定の状況に適合されることができる。実質的に特定の一致するものが発見されない場合は、構成情報のデフォルトのセット(例えば、潜在的に有用性のある追加の診断情報を取得するように適合されたセット)が用いられることができる。代替的に、技術サポートコントローラはユーザデバイスから要求を受信するのを待たなくてもよく612、代わりに、実行可能アプリケーションを送信するのと同時にまたはその直後に構成情報を自動的に送信してもよい。
【0031】
いずれの場合でも、次に、技術サポート処理が、上述されたように、受信された構成情報に従い実行可能アプリケーションによってユーザデバイスを介して遂行される616。さらに上述されたように、実行可能アプリケーションによって遂行される種々のアクティビティは、例えば、第1のアクティビティ(例えば、アンチマルウェアソフトウェアがユーザデバイスに以前にダウンロードされているかどうか判定するスキャンアクティビティ)の結果次第で、第2のアクティビティ(例えば、アンチマルウェアソフトウェアが以前にダウンロードされていなければアンチマルウェアソフトウェアをダウンロードする)を遂行させることにするか、それとも第3のアクティビティ(例えば、アンチマルウェアソフトウェアが以前にダウンロードされていればそのアンチマルウェアソフトウェアを実行する)を遂行させることにするか決定することになるように、相互に依存するものとすればよい。一実施形態では、構成情報によって示される各アクティビティが実行されると、各アクティビティからの結果がローカルのログに記憶されるようにしてよい。(ユーザデバイスまたは技術サポートコントローラのいずれかにおいて)記憶されてよい追加情報として関連ステータス情報が挙げられ、その例としては、デバイスが、デバイス上で実行中の自動操作を現在有しているかどうか、遠隔技術員によるアクションを待っているかどうか、技術サポートコントローラから切断されているかどうか、等が挙げられる。その後、示されているアクティビティが完了すると、ユーザデバイスは、ローカルのログ内に反映されている通りの結果/ステータス更新を技術サポートコントローラに任意に送信してよい618。代替的に、指定されたアクティビティが全て完了するのを待つのではなく、ユーザデバイスは、教示アクティビティが完了されると、技術サポートコントローラを教示アクティビティに関連する結果/ステータスで更新することができよう。
【0032】
最後に、さらに図示されているように、実行可能アプリケーションが完了すると(ステータス更新の受信時に技術サポートコントローラによって判定される)、技術サポートコントローラは、実行可能アプリケーションによって実装された技術サポート処理から何らかの改善がもたらされたなら、どのような改善がもたらされたかを判定するために健全性チェックサービスを再度呼び出すことができる620。一実施形態では、このような改善は、例えば、サービス要求において当初示された問題が解決された証拠として、エンドユーザに呈示されることができる。
【0033】
図7は、本開示の別の実施形態によるさらなる処理のフローチャートを示す。特に、図7において示される以下の処理は、図5に図示されるように、技術サポートコントローラによって、1つ以上の適当なプロセッサによって実行される記憶された命令を用いて実装されればよい。いずれの場合でも、ブロック702より始まり、技術サポートコントローラは、任意の遠隔技術員に関連付けられる遠隔技術員ワークステーションから、遠隔技術員によって同時にサービスを受けるサポートセッションの最大数の指示を受信する。一実施形態では、最大数の指示は、技術員ウェブサイト406を介して、ウェブページを介して遠隔技術員に提示される適切なデータ入力機構を用いて提供されればよい。例えば、図8を参照すると、4つのサービス要求(すなわちSR 1〜SR 4)の最大深さを有する作業待ち行列802によって示されるように、任意の技術員が自分のサポートセッションの最大数は4つ(N=4)であることを示せばよい。
【0034】
その後、ブロック704において、技術サポートコントローラはエンドユーザからサービス要求を受信すればよく、サービス要求は、上述されたように、サービス対象のユーザデバイスおよび経験されている問題に関する情報を含むものであればよい。その後、ブロック706〜714によって示されるように、多数の任意の/択一的な操作が遂行されればよい。従って、ブロック706では、技術サポートコントローラはサービス要求を複数のカテゴリのうちの1つに分類すればよい。例えば、一実施形態では、サービス要求は、経験されている問題の性質および/またはサービス対象のユーザデバイスの種類/メーカー/機種/構成によって分類されればよい。従って、さらなる例として、オペレーティングシステムXを実行するA社製デスクトップコンピュータであって、過度に長い起動時間を経験しているコンピュータは、オペレーティングシステムYを実行するB社製ラップトップコンピュータであるが、同様に過度に長い起動時間を経験しているコンピュータとは異なって分類されればよい。代替的にまたは追加的に、最初に評価された、潜在的にその問題を解決する難しさが、サービス要求を分類するために用いられてもよい。例えば、インターネットダウンロード時間が遅いという問題(経験を通じた知識としては、ユーザデバイス上にもしかするといわゆる「スパイウェア」が存在するために生じている可能性がある)は、散発的に起こるシステムまたはアプリケーションエラー(様々な複合的な原因がある可能性がある)に比べれば、対処が比較的容易な問題と考えられてよい。それに関連して、カテゴリ化は、提示された問題を修復しうるために遠隔技術員によって必要とされるスキルのレベルを考慮するものとすればよい。以前の例を踏まえれば、ダウンロードが遅いという比較的容易な問題なら、このような事案を扱った経験の量がわずかしかない遠隔技術員に取り扱わせてもよいが、比較的難しいシステム/アプリケーションエラーの問題では、当該オペレーティングシステムまたはアプリケーションの専門知識を有する遠隔技術員を必要とする場合がある。
【0035】
サービス要求が分類されれば、こうした分類のための基準の利用にかかわらず、ブロック708において、サービス要求のために選択されたカテゴリに関連付けられる遠隔技術員を技術サポートコントローラが自動的に特定すればよい処理が続けばよい。この目的を達成するために、技術サポートコントローラは、各カテゴリ内のサービス要求を取り扱うことを認められている遠隔技術員の身分証明書を相互参照させる、利用可能なカテゴリのデータベースを維持することができる。代替の実施形態では、受け付けた各サービス要求は(分類されたものであってもなくても)、ブロック710において技術サポートコントローラによって予備待ち行列に追加されればよい。受け付けたサービス要求の分類が遂行されない場合は、予備待ち行列は、受け付けたサービス要求を全て記憶するために用いられればよい。一方、受け付けたサービス要求の分類が遂行される場合は、予備待ち行列は、種々のカテゴリによって区別される多くの予備待ち行列のうちの1つとすればよい。本願明細書において用いられている通り、予備待ち行列とは、遠隔技術員にまだ割り当てられていない/遠隔技術員によってまだ選択されていない受け付けたサービス要求に関する情報を記憶するものである。その後、ブロック712において、技術サポートコントローラは、予備待ち行列内のサービス要求に関する情報を各遠隔技術員のワークステーションに提供することができる。一実施形態では、このような情報は、ワークステーションによって表示されるウェブページデータの形でワークステーションに提供されればよい。一実施形態では、情報は、問題の種類および/またはユーザデバイスの種類/メーカー/機種/構成の特定、ならびにサービス要求が未解決となっている時間の指示を含むものであればよい。受け付けたサービス要求が予備待ち行列内にとどまるのが長くなりすぎないことを確実にするためには、遠隔技術員に提供される情報を、予備待ち行列内の一番上のX個の最も古い(未解決という点で)サービス要求のみに限定すればよい。
【0036】
ブロック712において提供された情報に基づき、ブロック714において、それに応じて技術サポートコントローラが遠隔技術員から選択情報を受信すればよい処理が続く。選択情報は、例えば、遠隔技術員が、提供された情報内に示される種々のサービス要求から特定のサービス要求を選択したとの指示を含むものであればよい。このように、遠隔技術員はどの特定のサービス要求を取り扱うことにするか選択することができる。自動的なアプローチ(ブロック708)および技術員が選択を行うアプローチ(ブロック710〜714)の両方が組み合わせて用いられてもよいことに留意されたい。
【0037】
任意のサービス要求が遠隔技術員に関連付けられる方法がどちらであれ、ブロック716において、技術サポートコントローラが、サービス要求の取り扱いのために、遠隔技術員によって現在取り扱われている多数のサポートセッションが、遠隔技術員によって同時にサポートを受けるサポートセッションの最大数について以前に提供された指示を超えることにならないかどうか判定する処理が続けばよい。再度、遠隔技術員によって同時にサポートを受けるサポートセッションの最大数の指示は、データベースにより相互参照される、遠隔技術員の一致した身分証明書情報内に記憶されることができる。現在のセッションの数が最大値を超えることになる場合は、ブロック718において、以前に割り当てられた/選択する遠隔技術員にこの結果の指示が提供される処理が続けばよい。その後、ブロック708または710のいずれかにおいて、サービス要求を取り扱う別の遠隔技術員を特定しようと試みる処理が続けばよい。
【0038】
しかし、遠隔技術員は最大数を超えずサービス要求を取り扱うことができようと判定されれば、ブロック720において、技術サポートコントローラによって、その遠隔技術員に関連付けられる作業待ち行列にサービス要求が追加される処理が続く。予備待ち行列が用いられる場合は、サービス要求は、別の遠隔技術員に割り当てられない/別の遠隔技術員によって選択されないことを確実にするために、予備待ち行列から削除される。さらに、ブロック722において、遠隔技術員は、サービス要求が自分の作業待ち行列に追加されて、さらなる処理を現在、受けられるようになっていることを通知されればよい。
【0039】
すでに述べたように、上述の自動操作および作業待ち行列管理の恩恵は、図8にさらに示されるように、各遠隔技術員の時間がより効率的に用いられてよいということである。図示のように、上述の動的な自動操作を所与とすると、各技術員は、任意のサービス要求について作業を開始し、そのサービス要求のための自動操作が動作している間に、他の1つ以上のサービス要求について作業および自動操作を開始すればよい。図8に示される理想例では、結果としてもたらされる遠隔技術員の時間の利用804は、遠隔技術員によって複数の同時サポートセッション(示されている例では4つ)が取り扱われてよいという程度まで高められることができるようになっている。もし、任意の遠隔技術員についての経験が、(例えば、平均解決時間が非常に長いことによって示されるように、)技術員があまりにも多くのセッションを同時に取り扱おうとしていることを示せば、自分の最大同時セッション数を減らすようにと遠隔技術員に忠告が与えられればよい。
【0040】
上述のように、本開示は、遠隔技術サポートサービスに関する現在の技術を改良する技法を記載している。これは、ダウンロードされる実行可能アプリケーションであって、サービスを受けているユーザデバイスに同様にダウンロードされる構成情報に従って構成される、実行可能アプリケーションを利用することで達成される。構成情報は特定のニーズに適合されることができるので、かように用いられる自動操作は、より効率的なものとなり且つ、必要なユーザの介在がより少なくてすむものになろう。さらに、自分たちがサポートできる同時セッションの数を遠隔技術員が指定できるようにすることで、動的な自動操作がもたらす効率の向上を活用して、各遠隔技術員の時間も同様により効率的に利用されよう。少なくともこれらの理由の故に、上述の技法は従来技術の教示を超える進歩を示すものとなっている。
【0041】
特定の好ましい実施形態が示され記載されているが、当業者は、本教示から逸脱することなく変更および修正がなされてよいことを理解しよう。従って、上述の教示の修正、変形、またはそれと同等のものはいずれも全て、以上に開示され本願明細書において請求されている基本的根本原理の範囲に含まれると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザデバイスと接続して技術サポートを提供する方法であって、前記方法は:
前記ユーザデバイスによって、前記ユーザデバイスに動作可能に接続される技術サポートコントローラから実行可能アプリケーションを受信することと;
前記ユーザデバイスにおいて前記実行可能アプリケーションを呼び出すことと;
前記ユーザデバイスによって前記技術サポートコントローラから構成情報を受信することと;
前記実行可能アプリケーションによって、前記構成情報に従って前記ユーザデバイスの技術サポート処理を遂行することと;
を含む方法。
【請求項2】
前記方法が:
前記実行可能アプリケーションによって、前記ユーザデバイスを介して前記技術サポートコントローラに前記構成情報の要求を送信すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が:
前記実行可能アプリケーションによって、前記ユーザデバイスを介して前記技術サポートコントローラに、前記実行可能アプリケーションによって遂行される前記技術サポート処理に関するステータス更新を送信すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記実行可能アプリケーションによって技術サポート処理を遂行することが:
前記実行可能アプリケーションによって、前記構成情報に従って第1のアクティビティを遂行すること;ならびに
前記実行可能アプリケーションによって、前記構成情報に従って、前記第1のアクティビティの結果に基づいて第2のアクティビティまたは第3のアクティビティのいずれかを遂行すること;
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記実行可能アプリケーションによって技術サポート処理を遂行することが、スキャンアクティビティ、妥当性確認アクティビティ、ダウンロードアクティビティ、およびアプリケーション実行アクティビティのうちの少なくとも1つを遂行することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記実行可能アプリケーションを受信することが、少なくとも1つのネットワークを介して前記実行可能アプリケーションを受信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記技術サポートコントローラによって提供される前記構成情報が、前記ユーザデバイスについての情報および前記ユーザデバイスのためのサービス要求のうちの少なくとも1つに基づいて判定される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ユーザデバイスと接続して技術サポートを提供する方法であって、前記方法は:
前記ユーザデバイスに動作可能に接続される技術サポートコントローラによって、実行可能アプリケーションを送信することと;
前記技術サポートコントローラによって前記ユーザデバイスに構成情報を送信することと;
を含み、
前記実行可能アプリケーションは前記構成情報に従って前記ユーザデバイスの技術サポート処理を遂行する、
方法。
【請求項9】
前記方法が:
前記技術サポートコントローラによって、前記ユーザデバイスを介して前記実行可能アプリケーションから前記構成情報の要求を受信すること
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が:
前記技術サポートコントローラによって、前記ユーザデバイスを介して前記実行可能アプリケーションから、前記実行可能アプリケーションによって遂行される技術サポート処理に関するステータス更新を受信すること
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記構成情報は、前記実行可能アプリケーションが第1のアクティビティを遂行し、さらに前記第1のアクティビティの結果に基づいて第2のアクティビティおよび第3のアクティビティのうちのいずれかを遂行するようにとの命令を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記構成情報は、前記実行可能アプリケーションがスキャンアクティビティ、妥当性確認アクティビティ、ダウンロードアクティビティ、およびアプリケーション実行アクティビティのうちの少なくとも1つを遂行するようにとの命令を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記実行可能アプリケーションを送信することが、少なくとも1つのネットワークを介して前記ユーザデバイスに前記実行可能アプリケーションを送信することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記構成情報を、前記ユーザデバイスについての情報および前記ユーザデバイスのためのサービス要求のうちの少なくとも1つに基づいて判定することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
装置であって、前記装置は:
プロセッサと;
前記プロセッサに動作可能に接続され、前記プロセッサによって実行されると前記プロセッサに:
前記装置に動作可能に接続される技術サポートコントローラから実行可能アプリケーションを受信させる命令;
前記実行可能アプリケーションを呼び出させる命令;
前記技術サポートコントローラから構成情報を受信させる命令;および
前記実行可能アプリケーションを介して、前記構成情報に従って前記装置の技術サポート処理を遂行させる命令;
が記憶されている記憶デバイスと;
を含む装置。
【請求項16】
前記記憶デバイスは、前記プロセッサによって実行されると前記プロセッサに:
前記実行可能アプリケーションを介して前記技術サポートコントローラに前記構成情報の要求を送信させる命令
をさらに含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記記憶デバイスは、前記プロセッサによって実行されると前記プロセッサに:
前記実行可能アプリケーションを介して前記技術サポートコントローラに、前記実行可能アプリケーションによって遂行される前記技術サポート処理に関するステータス更新を送信させる命令
をさらに含む、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記プロセッサによって実行されると前記実行可能アプリケーションを介して前記プロセッサに技術サポート処理を遂行させる当該命令が:
前記構成情報に従って前記実行可能アプリケーションを介して第1のアクティビティを遂行し;
前記構成情報に従って前記実行可能アプリケーションを介して、前記第1のアクティビティの結果に基づいて第2のアクティビティまたは第3のアクティビティのいずれかを遂行する;
ようにさらに機能する、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記プロセッサによって実行されると前記プロセッサに前記実行可能アプリケーションを介して技術サポート処理を遂行させる当該命令が、スキャンアクティビティ、妥当性確認アクティビティ、ダウンロードアクティビティ、およびアプリケーション実行アクティビティのうちの少なくとも1つを遂行するようにさらに機能する、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記装置が:
前記プロセッサに動作可能に接続されるネットワークインターフェース
をさらに含み、
前記プロセッサによって実行されると前記プロセッサに前記実行可能アプリケーションを受信させる当該命令が、前記ネットワークインターフェースを介して前記実行可能アプリケーションを受信するようにさらに機能する、
請求項15に記載の装置。
【請求項21】
前記技術サポートコントローラによって提供される前記構成情報が、前記装置についての情報および前記装置のためのサービス要求のうちの少なくとも1つに基づいて判定される、請求項15に記載の装置。
【請求項22】
プロセッサと;
前記プロセッサに動作可能に接続され、前記プロセッサによって実行されると前記プロセッサに:
ユーザデバイスに実行可能アプリケーションを送信させる命令;および
前記ユーザデバイスに構成情報を送信させる命令;
が記憶されている記憶デバイスと;
を含む装置であって、
前記実行可能アプリケーションは前記構成情報に従って前記ユーザデバイスの技術サポート処理を遂行する、
装置。
【請求項23】
前記記憶デバイスは、前記プロセッサによって実行されると前記プロセッサに:
前記ユーザデバイスを介して前記実行可能アプリケーションから前記構成情報の要求を受信させる命令
をさらに含む、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記記憶デバイスは、前記プロセッサによって実行されると前記プロセッサに:
前記ユーザデバイスを介して前記実行可能アプリケーションから、前記実行可能アプリケーションによって遂行される技術サポート処理に関するステータス更新を受信させる命令
をさらに含む、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記構成情報は、前記実行可能アプリケーションが第1のアクティビティを遂行し、前記第1のアクティビティの結果に基づいて第2のアクティビティおよび第3のアクティビティのうちのいずれかを遂行するようにとの命令を含む、請求項22に記載の装置。
【請求項26】
前記構成情報が、前記実行可能アプリケーションがスキャンアクティビティ、妥当性確認アクティビティ、ダウンロードアクティビティ、およびアプリケーション実行アクティビティのうちの少なくとも1つを遂行するようにとの命令を含む、請求項22に記載の装置。
【請求項27】
前記装置が:
前記プロセッサに動作可能に接続されるネットワークインターフェース
をさらに含み、
前記プロセッサによって実行されると前記プロセッサに前記実行可能アプリケーションを送信させる当該命令が、前記ネットワークインターフェースを介して前記ユーザデバイスに前記実行可能アプリケーションを送信するようにさらに機能する、
請求項22に記載の装置。
【請求項28】
前記記憶デバイスは、前記プロセッサによって実行されると前記プロセッサに:
前記構成情報を、前記ユーザデバイスについての情報および前記ユーザデバイスのためのサービス要求のうちの少なくとも1つに基づいて判定させる命令
をさらに含む、請求項22に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−176814(P2011−176814A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−28724(P2011−28724)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ウィンドウズ
2.WINDOWS
【出願人】(510290957)アクセンチュア グローバル サービスィズ リミテッド (13)
【Fターム(参考)】