説明

構造物設置架台、及び太陽電池システム

【課題】三角構造の架台を前提とし、格別に部品点数を増やさなくても、載置用桟の先端部とブラケット間の強度を高くし、太陽電池モジュールの位置決めを容易にし、更にブラケットやブラケット周辺の金具の腐食を防止する。
【解決手段】前方ブラケット73の当接部73mは、太陽電池モジュール2の枠部材21を前方ブラケット73の底板73aよりも該当接部73m側に迫り出させて位置決めしている。このため、太陽電池モジュール2と載置用桟11間に雨水が浸入して、この雨水が太陽電池モジュール2の底面を伝って徐々に流れ、この雨水が水滴Wとなって太陽電池モジュール2の端部から滴り落ちたとしても、この水滴Wが前方ブラケット73の底板73aやベースレール71に降りかかることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュール等の平板状の構造物を地面や陸屋根上に設置するのに好適な構造物設置架台、及びそれを用いた太陽電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の架台では、太陽電池モジュールを太陽に向けて支持するために、載置用桟を地面や陸屋根等の基礎面に対して傾斜させて固定し、この傾斜した載置用桟の上に太陽電池モジュールを支持していた。例えば、図41に示すように2つの基礎ブロック201、202を離間して固定し、載置用桟203の先端部203aを前方の基礎ブロック201に接続固定し、縦桟204の上端部204aを載置用桟203の上端から4分の1あたりの箇所に接続すると共に、縦桟204の下端部204bを後方の基礎ブロック202に接続して、載置用桟203と後方の基礎ブロック202間に縦桟204を介在させ、これにより載置用桟203を傾斜させて固定していた。そして、このような載置用桟203を複数本並設し、これらの載置用桟203上に太陽電池モジュール205を載せて支持していた。
【0003】
あるいは、4本の脚部を地面や陸屋根上に立設し、前側の2つの脚部を後側の2つの脚部よりも短くして、これらの脚部の上に矩形状の枠体を傾斜させて固定支持し、この枠体上に太陽電池モジュールを載置して、太陽電池モジュールの受光面を太陽光の入射方向に略向けるようにしていた(特許文献1、2を参照)。
【特許文献1】特開2000−101123号
【特許文献2】特開平11−177115号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、太陽電池モジュール等の平板状の構造物を支持する場合は、構造物に受ける風圧が大きいので、構造物そのものの荷重だけではなく、風圧から生じる荷重にも十分に耐えることができなければならない。
【0005】
例えば、特許文献1、2のように4本の脚部を立設し、これらの脚部の上に太陽電池モジュールを支持する構造では、構造物の重さや風圧から生じる荷重が作用すると、それぞれの脚部に垂直方向及び水平方向の力が作用するので、これらの脚部が倒れないように該各脚部を強固に支持せねばならず、脚部を固定支持するためのボルトや補強金具の個数を増やす必要があった。ところが、このために部品点数や組立て工数が増大し、現場での組立て作業が困難になり、コストが上昇した。
【0006】
これに対して図41に示すように載置用桟203、縦桟204、及び基礎面を三角に組み合わせた三角構造では、格別に部品点数を増やさなくても、垂直方向及び水平方向のいずれの力にも十分に耐えることができる。
【0007】
このような三角構造の本来の強度を十分に高く維持するには、載置用桟203及び縦桟204の強度は勿論のこと、載置用桟203、縦桟204、及び各基礎ブロック201、202の接続箇所の強度を十分に高くする必要がある。特に、載置用桟203の先端部には大きな力が作用するので、この先端部の接続強度を高くする必要がある。
【0008】
例えば、載置用桟203の先端部を基礎ブロック201側に固定されたブラケット(図示せず)に締結する接続構造では、載置用桟203の先端部とブラケット間の強度を高くする必要がある。しかしながら、強度向上のために、ボルトや補強金具の個数を増やしたならば、特許文献1、2と同様に、部品点数や組立て工数が増大し、現場での組立て作業が困難になり、コストが上昇してしまう。
【0009】
また、太陽電池モジュール205を太陽に向けるべく、載置用桟203の傾斜角度を大きくすることがある。この場合、太陽電池モジュール205を載置用桟203に載せただけでは、太陽電池モジュール205が載置用桟203上で滑り落ちるので、太陽電池モジュール205の位置決めが困難になる。このため、太陽電池モジュール205のストッパー等を載置用桟203に設けるのが好ましいが、このようなストッパーを設けることによっても、部品点数や組立て工数が増大し、組立て作業が困難になったり、コストが上昇する。
【0010】
更に、太陽電池モジュール205と載置用桟203間に雨水が浸入すると、この雨水が太陽電池モジュールの底面や載置用桟203の天板を伝って載置用桟203の先端まで徐々に流れ出て、載置用桟203の先端のブラケットやブラケット周辺の金具が濡れ、この濡れた状態が長時間続いて、ブラケットやブラケット周辺の金具が腐食するという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、三角構造の架台を前提とし、格別に部品点数を増やさなくても、載置用桟の先端部とブラケット間の強度を高くし、太陽電池モジュールの位置決めを容易にし、更にブラケットやブラケット周辺の金具の腐食を防止することが可能な構造物設置架台及びそれを用いた太陽電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の構造物設置架台は、基礎面に固定された前方ブラケットと、構造物が載置される載置用桟とを備え、載置用桟を基礎面に対して傾斜させて、傾斜した載置用桟の先端部側面と前方ブラケット側面を重ね合わせて、これらの側面を貫通するボルトにより載置用桟の先端部と前方ブラケットを締結した構造物設置架台であって、前記前方ブラケットは、前記傾斜した載置用桟上に載置された前記構造物の傾斜下側の端部に当接する当接部を有している。
【0013】
また、前記構造物の傾斜下側の端部が前方ブラケットの当接部に当接することにより載置用桟並びに構造物の移動が阻止される。
【0014】
更に、前記前方ブラケットは、前記基礎面に当接する底部と、この底部から立設した側壁部とを有し、この側壁部が前記傾斜した載置用桟の先端部に締結され、この側壁部の先端側が載置用桟の先端部よりも上側に突出して前記当接部を形成し、この当接部が載置用桟上に載置された前記構造物の傾斜下側の端部に当接している。
【0015】
また、前記前方ブラケットの当接部により前記構造物の傾斜下側の端部が前方ブラケットの底部よりも迫り出して位置決めされている。
【0016】
更に、断面形状がハット型のベースレールが基礎として用いられ、このベースレールのハット型の開口側が上方に向けられて、このベースレールのハット型両側の鍔状平板部が前記基礎面となっており、前記前方ブラケットが前記ベースレールのハット型の開口側で該ハット型両側の鍔状平板部に重ねられて固定されている。
【0017】
また、前記前方ブラケットから離間して基礎面に固定された後方ブラケットと、前記載置用桟と前記後方ブラケット間を連結接続する縦桟とを備えている。
【0018】
一方、本発明の太陽電池システムは、上記本発明の構造物設置架台を複数台並設し、これらの構造物設置架台上に太陽電池モジュールを載置している。
【0019】
例えば、断面形状がハット型である2本のベースレールを、相互に平行にかつ該各ベースレールのハット型の開口側を上方に向け固定して、これらのベースレールのハット型両側の鍔状平板部を前記基礎面とし、前記各構造物設置架台の前方ブラケットを一方のベースレールのハット型両側の鍔状平板部に重ねて固定し、該各構造物設置架台の後方ブラケットを他方のベースレールのハット型両側の鍔状平板部に重ねて固定し、該各構造物設置架台の傾斜した載置用桟の先端部をそれぞれの前方ブラケットに締結すると共に、該各構造物設置架台の傾斜した載置用桟と各後方ブラケット間にそれぞれの縦桟を挿入し固定している。
【発明の効果】
【0020】
本発明の構造物設置架台では、傾斜した載置用桟の先端部側面と前方ブラケット側面が重ね合わされて、これらの側面を貫通するボルトにより載置用桟の先端部と前方ブラケットが締結される。そして、傾斜した載置用桟上に載置された構造物の傾斜下側の端部が前方ブラケットの当接部に当接している。従って、載置用桟に作用した荷重は、載置用桟の先端部と前方ブラケットを締結するボルトで受けられるだけではなく、構造物の傾斜下側の端部が当接する前方ブラケットの当接部でも受けられ、ボルト及び当接部位の複数箇所に分散して受けられることになる。このため、ボルトの1箇所だけで載置用桟に作用した荷重全てを受けた場合と比較すると、載置用桟と前方ブラケット間の接続部位の耐荷重性が向上する。しかも、部品点数や組立て工数が増大することはない。
【0021】
また、前方ブラケットの当接部は、載置用桟並びに構造物の移動を阻止するというストパーとしての機能も有するので、別途ストッパーを設ける必要が無く、これによっても部品点数や組立て工数の増大が阻止される。
【0022】
例えば、前方ブラケットは、基礎面に当接する底部と、この底部から立設した側壁部とを有し、この側壁部が傾斜した載置用桟の先端部に締結され、この側壁部の先端側が載置用桟の先端部よりも上側に突出して当接部を形成し、この当接部が載置用桟上に載置された構造物の傾斜下側の端部に当接している。これにより、当接部を前方ブラケットに一体的に設けることができ、部品点数や組立て工数の増大を防止することができる。
【0023】
また、前方ブラケットの当接部により構造物の傾斜下側の端部が前方ブラケットの底部よりも迫り出して位置決めされている。この場合は、雨水が構造物の底面を伝って該構造物の傾斜下側の端部から滴り落ちても、この雨水が前方ブラケットの底部に降りかかることがなく、前方ブラケットの底部が腐食し難くなる。
【0024】
更に、断面形状がハット型のベースレールが基礎として用いられ、このベースレールのハット型の開口側が上方に向けられて、このベースレールのハット型両側の鍔状平板部が基礎面となっており、前方ブラケットがベースレールのハット型の開口側で該ハット型両側の鍔状平板部に重ねられて固定されている。断面形状がハット型のベースレールは、曲げに対する強度が元々高く、変形し難いので、基礎として好適である。更に、前方ブラケットをベースレールのハット型の開口側で該ハット型両側の鍔状平板部に重ねて固定すると、前方ブラケットによりハット型の開口箇所が閉じられるので、ベースレールの曲げに対する強度が高くなり、より好ましい基礎構造が得られる。
【0025】
また、前方ブラケットから離間して基礎面に固定された後方ブラケットと、載置用桟と後方ブラケット間を連結接続する縦桟とを備えているので、載置用桟、縦桟、及び基礎面からなる三角構造の架台を構成することができる。このような三角構造の架台では、荷重がいずれの方向から載置用桟に作用しても、この荷重を分散させて受けることができる。このため、載置用桟の上に太陽電池モジュール等の平板状の構造物を載置して固定した状態で、構造物そのものの荷重や風圧に基づく荷重が作用しても、これらの荷重に対して耐えることができる。
【0026】
一方、本発明の太陽電池システムは、上記本発明の構造物設置架台を複数台並設し、これらの構造物設置架台上に太陽電池モジュールを載置したものなので、上記本発明の構造物設置架台と同様の作用効果を奏することができる。
【0027】
例えば、断面形状がハット型である2本のベースレールを、相互に平行にかつ該各ベースレールのハット型の開口側を上方に向け固定して、これらのベースレールのハット型両側の鍔状平板部を基礎面とし、各構造物設置架台の前方ブラケットを一方のベースレールのハット型両側の鍔状平板部に重ねて固定し、各構造物設置架台の後方ブラケットを他方のベースレールのハット型両側の鍔状平板部に重ねて固定し、各構造物設置架台の傾斜した載置用桟の先端部をそれぞれの前方ブラケットに締結すると共に、該各構造物設置架台の傾斜した載置用桟と各後方ブラケット間にそれぞれの縦桟を挿入し固定している。この場合は、先に述べたように前方ブラケットによりハット型の開口箇所が閉じられるので、ベースレールの曲げに対する強度が高くなり、より好ましい基礎構造が得られる。また、載置用桟、縦桟、及び基礎面からなる三角構造の架台が構成され、架台の耐荷重性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の構造物設置架台の一実施形態を用いた太陽電池システムを示す斜視図である。また、図2は、本実施形態の構造物設置架台を示す側面図である。
【0030】
図1に示すように太陽電池システム1では、2本のベースレール71、72を陸屋根等に固定し、各ベースレール71、72上に3台の構造物設置架台10を並設し、各構造物設置架台10上に4枚の太陽電池モジュール2を載せて固定している。
【0031】
各ベースレール71、72は、ハット型の断面形状を有しており、ハット型の開口側が上方に向けられて、各ベースレール71、72が一定の間隔を開けて相互に平行となるように陸屋根等に固定され、各ベースレール71、72のハット型両側の鍔状平板部71a、72aが同一の2次元平面上に位置決めされて、各ベースレール71、72の鍔状平板部71a、72aにより平坦な基礎面が形成されている。構造物設置架台10は、各ベースレール71、72の鍔状平板部71a、72a上に、つまり平坦な基礎面上に載せられて固定されている。
【0032】
太陽電池モジュール2は、太陽電池パネル20と、この太陽電池パネル20を保持する枠部材21とを備えている。
【0033】
構造物設置架台10は、載置用桟11及び縦桟16を有しており、斜めに傾斜した載置用桟11の上端から4分の1あたりの箇所に、載置用桟11とは逆の向きに傾斜した縦桟16の先端を固定して、側面視、「人」の字形に形成されている。
【0034】
3台の構造物設置架台10は、太陽電池モジュール2の幅と略同一の間隔で並設されており、左側の構造物設置架台10の載置用桟11と中央の構造物設置架台10の載置用桟11との間に上下2枚の太陽電池モジュール2が並べて配置され、右側の構造物設置架台10の載置用桟11と中央の構造物設置架台10の載置用桟11との間に上下2枚の太陽電池モジュール2が並べて配置され、合計4枚の太陽電池モジュール2の端部が各構造物設置架台10の載置用桟11に載置され取付けられている。
【0035】
従って、左側及び右側の構造物設置架台10の載置用桟11の天板12には、上下2枚の太陽電池モジュール2の端部がそれぞれ載置され、また中央の構造物設置架台10の載置用桟11の天板12には、左右別に、上下2枚の太陽電池モジュール2の端部がそれぞれ載置されている。
【0036】
次に、構造物設置架台10の構成を詳しく説明する。構造物設置架台10では、前方ブラケット73及び後方ブラケット74をそれぞれのベースレール71、72の鍔状平板部71a、72aに固定し、載置用桟11の先端部11aを前方ブラケット73に接続固定し、縦桟16の下端部を後方ブラケット74に接続して、縦桟16を後方ブラケット74と載置用桟11の上端から4分の1あたりの箇所間に介在させて固定している。
【0037】
載置用桟11は、その先端部11aのみがコの字型断面形状を有し、先端部11a近傍から後端までの範囲ではハット型の断面形状を有している。また、縦桟16は、その上端部のみがコの字型断面形状を有し、上端部近傍から下端までの範囲ではハット型の断面形状を有している。
【0038】
前方ブラケット73、後方ブラケット74、載置用桟11、縦桟16のいずれも、メッキ鋼板等の金属板を切断及び折り曲げ加工したものである。
【0039】
図3は、載置用桟11の先端部11aに対する前方ブラケット73の接続構造を示す側面図である。また、図4(a)、(b)、(c)は、前方ブラケット73を示す斜視図、側面図、及び正面図である。
【0040】
前方ブラケット73は、底板73aと、底板73aの両側で折り曲げられて立設した各側板73bと、底板73aの前後で折り曲げられて立ち上がった各補強部73d、73eとを有している。前方ブラケット73の底板73aには、2つの孔73fが形成され、各側板73bには、それぞれのネジ孔73gが形成されている。
【0041】
また、各側板73bの上側縁は、曲線を描いており、この上側縁に頂部73i、肩部73j、及び谷部73kが形成され、更に最も先端側に上方に突出し湾曲した当接部73mが形成されている。各側板73bの当接部73mは、太陽電池モジュール2の枠部材21の傾斜下側の端部に当接して、太陽電池モジュール2の荷重を受ける。このため、各側板73bの当接部73mは、十分な強度を持つように幅広に形成され、かつ局部的な強度不足を生じないように滑らかな曲線の外縁を持つ。
【0042】
このような前方ブラケット73がベースレール71の各鍔状平板部71aに跨るように載置され、2本のボルト75が、それぞれのワッシャ76に通され、更に前方ブラケット73の底板73aのそれぞれの孔73fを通じてベースレール71の各鍔状平板部71aのネジ孔にねじ込まれて、前方ブラケット73が基礎面に固定される。
【0043】
このベースレール71は、その断面形状がハット型であるために、曲げに対する強度が高く、変形し難い。その上、前方ブラケット73をベースレール71のハット型の開口側で該ハット型の両側の鍔状平板部71aに重ねて固定して、前方ブラケット73によりハット型の開口箇所を閉じているので、ベースレール71の曲げに対する強度が高くなり、基礎面の強度が極めて高くなり、より好ましい基礎構造が得られる。
【0044】
載置用桟11の先端部11aは、コの字型断面形状を有しており、先端部11aの各側板11bの内幅が前方ブラケット73の各側板73bの外幅と同一かもしくは該外幅よりも僅かに広く設定され、先端部11aの各側板11bの内側に前方ブラケット73の各側板73bが挟み込まれて、先端部11aの各側板11bが前方ブラケット73の各側板73bに重ねられる。
【0045】
そして、2本のボルト77が、それぞれのワッシャ78に通され、更に先端部11aの各側板11bの孔(図示せず)を通じて前方ブラケット73の各側板73bのネジ孔73gにねじ込まれて締結される。これにより、載置用桟11の先端部11aが前方ブラケット73に接続固定される。
【0046】
ここで、載置用桟11は、太陽電池モジュール2を太陽に向けて支持するべく、基礎面に対して傾斜して支持される。このため、太陽電池モジュール2を載置用桟11に載せただけでは、太陽電池モジュール2が載置用桟11上で滑り落ち、太陽電池モジュール2の位置決めが困難になる。
【0047】
ところが、前方ブラケット73の各側板73bの当接部73mが太陽電池モジュール2の枠部材21に当接するため、太陽電池モジュール2が載置用桟11上で滑り落ちず、各側板73bの当接部73mにより太陽電池モジュール2が受けられて位置決めされる。
【0048】
また、太陽電池モジュール2の荷重は、載置用桟11の先端部11aと前方ブラケット73を締結するボルト77で受けられるだけではなく、太陽電池モジュール2の枠部材21が当接する前方ブラケット73の当接部73mでも受けられ、ボルト77及び当接部73mの2箇所に分散して受けられる。このため、ボルト77の1箇所だけで太陽電池モジュール2の荷重全てを受けた場合と比較すると、載置用桟11と前方ブラケット73間の接続部位の耐荷重性が向上する。
【0049】
太陽電池モジュール2は、屋外に設置され、多様な方向からの風圧を受けるため、載置用桟11の先端部11aには多様な方向の力が作用する。前方ブラケット73の当接部73mは、特に太陽電池モジュール2の傾斜下側方向(水流れ方向)の力を受けるので、載置用桟11と前方ブラケット73間の水流れ方向の耐荷重性が向上する。
【0050】
更に、図5(a)及び図6(a)に示すように前方ブラケット73の当接部73mは、太陽電池モジュール2の端部を前方ブラケット73の底板73aよりも該当接部73m側に迫り出させて位置決めしている。このため、太陽電池モジュール2と載置用桟11間に雨水が浸入して、この雨水が太陽電池モジュール2の底面を伝って徐々に流れ、この雨水が水滴Wとなって太陽電池モジュール2の端部から滴り落ちたとしても、この水滴Wが前方ブラケット73の底板73aやベースレール71に降りかかることがない。図5(a)及び図6(a)では太陽電池モジュール2及び載置用桟11の傾斜角度が30°であるが、図5(b)、(c)及び図6(b)、(c)から明らかなように傾斜角度が10°〜45°の範囲であれば、前方ブラケット73の当接部73mが底板73a及びベースレール71から離間して位置決めされ、太陽電池モジュール2の端部から滴り落ちた水滴Wが前方ブラケット73の底板73aやベースレール71に降りかからない。このため、前方ブラケット73の底板73aやベースレール71が腐食し難くなる。
【0051】
従って、前方ブラケット73の当接部73mは、太陽電池モジュール2を位置決めするストッパーとしての機能、載置用桟11と前方ブラケット73間の接続部位の耐荷重性を向上させる機能、及び水滴が前方ブラケット73の底板73aやベースレール71に降りかかることを防止する機能という3つの機能を同時に果たす。しかも、当接部73mが前方ブラケット73に一体的に設けられていることから、部品点数や組立て工数が増加することはない。
【0052】
図7及び図8は、縦桟16の下端部16aに対する後方ブラケット74の接続構造を示す斜視図及び側面図である。また、図9は、後方ブラケット74等を示す斜視図である。
【0053】
後方ブラケット74は、底板74aと、底板74aの両側で折り曲げられて立設された各側板74bと、底板74aの前後で折り曲げられて立設された各補強部74d、74eとを有している。後方ブラケット74の底板74aには、2つの孔74fが形成されている。また、各側板74bには、それぞれのネジ孔74gが形成されている。更に、前の補強部74dは、その途中で斜めに折り曲げられ、その斜めの先端側が受け部74iとなっている。
【0054】
この後方ブラケット74を基礎面に固定するべく、後方ブラケット74がベースレール72の各鍔状平板部72aに跨るように載置され、2本のボルト81が、それぞれのワッシャ82に通され、更に後方ブラケット74の底板74aの孔74fを通じてベースレール72の各鍔状平板部72aのネジ孔にねじ込まれる。
【0055】
この後方ブラケット74は、前方ブラケット73と同様に、ベースレール72のハット型の開口箇所を閉じるので、ベースレール72の曲げに対する強度が高くなり、基礎構造の強度が高くなる。
【0056】
縦桟16は、その上端部のみがコの字型断面形状を有し、上端部近傍から下端までの範囲ではハット型の断面形状を有しており、図7及び図8に示すように縦桟16の各側板16bの内幅が後方ブラケット74の各側板74bの外幅と同一かもしくは該外幅よりも僅かに広く設定されている。縦桟16の下端部16aでは、各側板16bの内側に後方ブラケット74の各側板74bが挟み込まれて、各側板16bが後方ブラケット74の各側板74bに重ねられる。また、各側板16bの下辺が後方ブラケット74の補強部74dの受け部74iに当接される。
【0057】
この状態で、2本のボルト83が、それぞれのワッシャ84に通され、更に縦桟16の各側板16bの孔(図示せず)を通じて後方ブラケット74の各側板74bのネジ孔74gにねじ込まれて締結される。これにより、縦桟16の下端部16aが後方ブラケット74に接続固定される。
【0058】
このとき、縦桟16の下端部16aでは、各側板16bの下辺が後方ブラケット74の補強部74dの受け部74iに当接して受けられるので、縦桟16が基礎面に対して傾斜させられた状態で支持される。
【0059】
図2に示すように縦桟16の上端部16dは、ハット型の載置用桟11の上端から4分の1あたりの箇所の内側に差し込まれ、2本のボルト85が載置用桟11の各側壁の孔を通じて縦桟16の各側壁のネジ孔にねじ込まれて締結され、これにより縦桟16の上端部16dが載置用桟11に連結固定される。
【0060】
ここで、載置用桟11から縦桟16へと荷重が作用すると、この荷重に基づく力が、縦桟16の下端部16aと後方ブラケット74を締結する2本のボルト83で受けられるだけではなく、縦桟16の各側壁16bの下辺が当接する後方ブラケット74の受け部74iでも受けられ、2本のボルト83及び後方ブラケット74の受け部74iという複数箇所に分散して受けられることになる。このため、後方ブラケット74に作用する力をボルトだけで受けた場合と比較すると、縦桟16と後方ブラケット74間の接続部位の耐荷重性が向上する。しかも、部品点数や組立て工数が増大することはない。
【0061】
また、後方ブラケット74の受け部74iは、縦桟16の各側板16bの下辺を下方から受けているので、各ボルト83周りの縦桟16の下方への回転移動が阻止される。このため、縦桟16の下端部16aを後方ブラケット74に接続固定するだけで、縦桟16を傾斜した状態で支持することができ、載置用桟11、縦桟16、及び基礎面からなる三角構造の構造物設置架台10を構成するときに、その組立て作業が容易になる。
【0062】
このような構成の構造物設置架台10において、その全体をみると、載置用桟11、縦桟16、及び基礎面が三角形状に組み合わせられている。この三角形状に構成された架台10では、載置用桟11に作用した力を該載置用桟11、縦桟16、及び基礎面に分散させて受けることができるので、この架台10の強度が高くなる。例えば、載置用桟11上に載置された太陽電池モジュール2の荷重や太陽電池モジュール2に加わった風圧等を載置用桟11、縦桟16、及び基礎面に分散させて受けることができる。
【0063】
また、載置用桟11、縦桟16、及び基礎面を形成するベースレール71の断面形状をハット型にして、これらの部材そのものについても、それぞれの強度を高くしている。
【0064】
しかも、本実施形態では、先に述べたように載置用桟11と前方ブラケット73間の接続部位の耐荷重性が高く、縦桟16と後方ブラケット74間の接続部位の耐荷重性も高いので、架台10に作用した荷重がそれらの接続部位に集中しても、この荷重に耐えることができる。
【0065】
次に、本実施形態の構造物設置架台10の組立て方法を説明する。
【0066】
まず、図9に示すように断面形状がハット型の2本のベースレール71、72を一定間隔を開けて相互に平行となるように陸屋根等に固定し、2本のベースレール71、72の各鍔状平板部71a、72aにより平坦な基礎面を形成する
各ベースレール71、72間に2本のブレース91、92を斜に架け渡し、各ブレース91、92の両端をボルト及びナットで各ベースレール71、72に固定する。
【0067】
そして、前方のベースレール71の各鍔状平板部71a上に前方ブラケット73を跨るように配置すると共に、後方のベースレール72の鍔状平板部72aに後方ブラケット74を跨るように配置し、各ベースレール71、72と直交する直線上に1組の前方ブラケット73及び後方ブラケット74を並べ、2本のボルト75により前方ブラケット73を固定し、2本のボルト81により後方ブラケット74を固定する(細部は図3、図8を参照)。
【0068】
また、3組の前方ブラケット73及び後方ブラケット74を各ベースレール71、72に沿って一定間隔で配設する。
【0069】
引き続いて、図10に示すように(細部は図7、図8を参照)後方ブラケット74毎に、縦桟16の下端部16aで各側板16bの内側に後方ブラケット74の各側板74bを挟み込んで、2本のボルト83を縦桟16の各側板16bの孔を通じて後方ブラケット74の各側板74bのネジ孔74gにねじ込んで締結し、縦桟16の下端部16aを後方ブラケット74に接続固定する。このとき、縦桟16の各側板16bの下辺が後方ブラケット74の受け部74iに当接して受けられるので、縦桟16が基礎面に対して傾斜させられた状態で支持される。
【0070】
図11に示すように相互に隣り合う2本の縦桟16間に2本のブレース93を斜に架け渡し、各ブレース93の両端をボルト及びナットで各縦桟16に固定する。
【0071】
次に、図12に示すように(細部は図2、図3を参照)載置用桟11の先端部11aの各側板11bの内側に前方ブラケット73の各側板73bを挟み込み、2本のボルト77を先端部11aの各側板11bの孔を通じて前方ブラケット73の各側板73bのネジ孔73gにねじ込んで締結し、載置用桟11の先端部11aを前方ブラケット73に接続固定する。
【0072】
また、図13に示すように縦桟16の上端部16dを載置用桟11の上端から4分の1あたりの箇所の内側に差し込んで、2本のボルト85を載置用桟11の各側壁の孔を通じて縦桟16の各側壁のネジ孔にねじ込んで締結し、縦桟16の上端部16dを載置用桟11に連結固定する。このとき、縦桟16が傾斜状態に維持されていることから、載置用桟11と縦桟16の上端部16dとの位置あわせを容易に行うことができる。
【0073】
図14に示すように前方ブラケット73毎に、載置用桟11の先端部11aを前方ブラケット73に接続固定する。これにより、前方ブラケット73及び後方ブラケット74毎に、載置用桟11及び縦桟16が三角形状に組み合わせられ、図15及び図16に示すように各ベースレール71上に並設された3台の構造物設置架台10が完成する。
【0074】
このような構造物設置架台10の組立て方法においては、縦桟16を後方ブラケット74に接続固定したときに、縦桟16が傾斜状態で支持されるので、縦桟16の上端部16dを載置用桟11の上端から4分の1あたりの箇所の内側に差し込んで連結固定する作業工程が容易であり、この作業工程を一人で行うことができる。また、他の作業工程についても、格別に困難ではなく、一人で行うことが可能である。
【0075】
しかも、構造物設置架台10毎に、三角形状の構造を持ち、相互に隣り合う構造物設置架台10間に複数のブレースを斜に架け渡しているので、全体的な強度が非常に高くなる。
【0076】
次に、構造物設置架台10の載置用桟11に対する太陽電池モジュール2の端部の取付け構造を概略的に説明する。
【0077】
図1及び図2に示すように左側及び右側の構造物設置架台10の載置用桟11の天板12には、上下2枚の太陽電池モジュール2の端部が載置され、また中央構造物設置架台10の載置用桟11の天板12には、左右別に、上下2枚の太陽電池モジュール2の端部が載置されて取付けられている。従って、左側及び右側の構造物設置架台10と中央の構造物設置架台10では、太陽電池モジュール2の端部の取付け構造が異なり、2種類の取付け構造が存在する。このため、それぞれの取付け構造を別々に説明する。
【0078】
まず、中央の構造物設置架台10に対する太陽電池モジュール2の端部の取付け構造について説明する。
【0079】
図17に示すように太陽電池モジュール2の枠部材21は、保持部22と、保持部22から下方に延設された壁部23と、太陽電池パネル20と平行であって、壁部23の下端に連結された底部片24とで構成されている。
【0080】
そして、保持部22は、立設された保持壁22aと、保持壁22aの上端及び下端から同一横方向に延設された保持上片22b及び保持下片22cとを有し、断面がコの字形となっている。このコの字形の内側に、太陽電池パネル20の端部が挟持される。
【0081】
図18(a)は、中央の構造物設置架台10の載置用桟11に左右の太陽電池モジュール2の端部が載置されて取付けられた状態を上方向から見て示す斜視図であり、図18(b)は、同状態を下方から見て示す斜視図である。又、図19は、同状態を示す断面図である。
【0082】
図18(a)、(b)、及び図19に示すように左右の太陽電池モジュール2は、太陽電池モジュール2の受光面側で枠部材21に当接する上部固定金具3a、太陽電池モジュールの受光面とは反対側で枠部材21に当接する下部固定金具4、及び締結部材であるボルト8を用いて、中央の構造物設置架台10の載置用桟11の天板12上に取付けられている。
【0083】
図20は、構造物設置架台10の載置用桟11を示す斜視図である。図20に示すように載置用桟11の天板12には、ボルト8が挿入される天板孔13、下部固定金具4を取付けるためのT字形の取付け補助孔15及び位置決めスリット14が形成されている。
【0084】
天板孔13は、ボルト8を挿入するためのものであり、このボルト8の挿入位置を微調整するために左右方向に細長い長孔となっている。又、位置決めスリット14は、後述する下部固定金具4の位置決め片43を挿入するためのものであり、この下部固定金具4の位置決め片43の挿入位置を微調整するために左右方向に細長い長孔となっている。
【0085】
図21は、上部固定金具3aを示す斜視図である。図21に示すように上部固定金具3aは、平板状の押圧板31の前後の両端部に下方へと突出する突起片32を形成し、押圧板31の中央部に押圧板孔33を貫通形成したものである。
【0086】
押圧板31は、構造物設置架台10の載置用桟11の天板12上に隣り合って配置された2枚の太陽電池モジュール2の枠部材21を上から押圧するのに用いられる。又、押圧板孔33は、ボルト8が挿入される孔である。上部固定金具3aの突起片32は、左右の太陽電池モジュール2の隙間に挿入される。
【0087】
図22は、下部固定金具4を示す斜視図である。図22に示すように下部固定金具4は、上板40、下板50、及び上板40と下板50を結合するジョイント部60を有している。ジョイント部60の途中には、容易に屈曲可能なように括部61が設けられている。
【0088】
下板50には、その後端縁から垂直に屈曲した下板後壁50bが形成され、またその前端縁から垂直に屈曲した下板前壁50aが形成されている。更に、下板前壁50aの端縁から垂直に屈曲した係合片50cが形成されている。
【0089】
上板40の左右の両端縁には、上方に屈曲した爪片41、41が形成されている。また、上板40の後端縁には、下方に屈曲した位置決め片43が形成されている。更に、位置決め片43には、係合溝43aが形成されている。
【0090】
また、上板40の中央部に上板孔42が貫通形成され、下板50には下板締結孔51が形成されている。上板40の上板孔42は、ボルト8が挿入される孔であり、下板50の下板締結孔51は、締結部材であるボルト8がねじ込まれるネジ孔である。
【0091】
図23乃至図25に示すように下部固定金具4のジョイント部60が括部61で折り曲げられて、上板40と下板50が相互に間隙を開けて対向配置され、下板50の係合片50cの長孔50dに上板40の位置決め片43が嵌入され、位置決め片43の長孔43aに係合片50cの凸部50eが嵌入されて、上板40と下板50が相互に係止される。
【0092】
また、図26に示すようにジョイント部60の括部61が折り曲げられた状態で、下部固定金具4が載置用桟11の天板12のT字形の取付け補助孔15及び位置決めスリット14に係止される。
【0093】
そして、図26の状態で、ボルト8が上部固定金具3aの押圧板孔33及び下部固定金具4の上板40の上板孔42に挿入され、ボルト8が天板12の天板孔13を通じて下部固定金具4の下板50の下板締結孔51へとネジ込まれる。ボルト8両側にある下板50の左右スペースには左右の太陽電池モジュール2の枠部材21が載り、これらの太陽電池モジュール2の枠部材21が下板50と上部固定金具3a間に挟みこまれる。
【0094】
図27乃至図30は、下部固定金具4を構造物設置架台10の載置用桟11の天板12に取付ける手順を示したものである。
【0095】
まず、図27に示すように下部固定金具4の下板50の各爪片41を取付け台11の天板12の長手方向と直交させた状態で、図28に示すように下部固定金具4のジョイント部60までを取付け補助孔15に挿入する。
【0096】
そして、図29に示すように下部固定金具4全体をジョイント部60周りで直角に回転させ、下部固定金具4の位置決め片43を載置用桟11の天板12の位置決めスリット14に挿入して、下部固定金具4の前後方向の位置決めを行う。
【0097】
更に、図30に示すように下部固定金具4のジョイント部60の括部61を90度折り曲げて、下板50と上板40を天板12を介して相互に対向配置し、下板50と上板40間に載置用桟11の天板12を挟持し、下部固定金具4を天板12に取付ける。このとき、下板50の係合片50cの長孔50dに上板40の位置決め片43を嵌入し、位置決め片43の長孔43aに係合片50cの凸部50eを嵌入して、上板40と下板50を相互に係止させる。
【0098】
こうして下部固定金具4を天板12に取付けた状態で、図18(a)、(b)及び、図19に示すように下部固定金具4の中央付近から左側の爪片41までのスペースに左側太陽電池モジュール2の枠部材21の底部片24を差し入れて配置し、また下部固定金具4の中央付近から右側の爪片41までのスペースに右側太陽電池モジュール2の枠部材21の底部片24を差し入れて配置し、各太陽電池モジュール2の枠部材21の保持部22上に上部固定金具3aを載せて、上部固定金具3aの突起片32を左右の太陽電池モジュール2の隙間に挿入し、ボルト8を上部固定金具3aの押圧板孔33及び上板40の上板孔42に挿入して、ボルト8を天板12の天板孔13を通じて下板50の下板締結孔51へとネジ込み、ボルト8を締め付ける。これにより、下部固定金具4と上部固定金具3a間に左右の太陽電池モジュール2の枠部材21が挟み込まれて固定支持される。
【0099】
次に、左側及び右側の構造物設置架台10に対する太陽電池モジュール2の端部の取付け構造について説明する。尚、左側及び右側の構造物設置架台10に取付けられる太陽電池モジュール2の端部は、中央の構造物設置架台10に取付けられる端部と同様に、図17に示すように構成されている。
【0100】
図31は、左側及び右側の構造物設置架台10に対する太陽電池モジュール2の端部の取付け構造を示す断面図である。また、図32は、図31の取付け構造で用いられる上部固定金具3bを示す斜視図である。
【0101】
図32に示すように上部固定金具3bは、平板状の押圧板31の前後の両端部に下方へと突出する突起片32を形成し、押圧板31の中央部に押圧板孔33を貫通形成し、押圧板31の一端縁から垂直に屈曲した立壁34を形成し、立壁34の下端縁から横向きに屈曲した底部片35を形成したものである。
【0102】
左側及び右側の構造物設置架台10の天板12にも、中央の構造物設置架台10の天板12と同様に、ボルト8が挿入される天板孔13、下部固定金具4を取付けるためのT字形の取付け補助孔15及び位置決めスリット14が形成され、T字形の取付け補助孔15及び位置決めスリット14に下部固定金具4が係止される。
【0103】
図31に示すように下部固定金具4の中央付近から内側の爪片41までのスペースに左側又は右側の太陽電池モジュール2の枠部材21の底部片24を差し入れて配置し、また下部固定金具4の中央付近から外側の爪片41までのスペースに上部固定金具3bの底部片35を配置し、太陽電池モジュール2の枠部材21の保持部22上に上部固定金具3bの押圧板31を載せて、上部固定金具3bの突起片32を太陽電池モジュール2の保持部22に押し当てて、太陽電池モジュール2を位置決めし、ボルト8を上部固定金具3bの押圧板孔33及び下部固定金具4の上板40の上板孔42に挿入して、ボルト8を天板12の天板孔13を通じて下板50の下板締結孔51へとネジ込み、ボルト8を締め付ける。これにより、下部固定金具4と上部固定金具3b間に太陽電池モジュール2の端部が挟み込まれて固定支持される。
【0104】
このように中央の構造物設置架台10と左側及び右側の構造物設置架台10では、太陽電池モジュール2の端部の取付け構造が異なる。ただし、下側左右2枚の太陽電池モジュール2を3台の構造物設置架台10の載置用桟11上に載せるときには、下側左右2枚の太陽電池モジュール2の傾斜下側の端部を各載置用桟11の前方ブラケット73の当接部73mに当接させてから、載置用桟11毎に、下部固定金具と上部固定金具間に太陽電池モジュール2の端部を挟み込んで固定する。これにより、先に述べたように前方ブラケット73の当接部73mが、太陽電池モジュール2を位置決めするストッパーとしての機能、載置用桟11と前方ブラケット73間の接続部位の耐荷重性を向上させる機能、及び水滴が前方ブラケット73の底板73aやベースレール71に降りかかることを防止する機能という3つの機能を同時に果たすことが可能となる。
【0105】
次に、上記実施形態の構造物設置架台を用いた太陽電池システムの他の例を説明する。図33(a)、(b)、(c)は、太陽電池システムの全体構成を概略的に示す平面図、正面図、及び側面図である。
【0106】
この太陽電池システムでは、図33(a)〜(c)に示すように複数の杭101を相互に平行なx方向の2列に等間隔で並ぶように地面に打設し、この2列の各杭101上にそれぞれの長いベースレール111、112を固定し、これらのベースレール111、112上に複数の構造物設置架台10を並設し、これらの構造物設置架台10上に多数の太陽電池モジュール(図示せず)を搭載している。
【0107】
各杭101は、その頂部が地面から30cm程上方に位置決めされており、これらの杭101の頂部にそれぞれのベースレール111、112が載せられている。従って、各構造物設置架台10及び各太陽電池モジュールは、地面から30cm以上離されることになる。これは、地面に生えた雑草や近隣のフェンス等の影に太陽電池モジュールが入ったり、あるいは大雨等により太陽電池モジュールが浸水することのないようにするためである。
【0108】
各ベールレール111、112は、ハット型の断面形状を有しており、ハット型の開口側が上方に向けられて、各ベースレール111、112の鍔状平板部により平坦な基礎面が形成され、各構造物設置架台10が各ベースレール111、112の鍔状平板部上に載せられて固定されている。各ベースレール111、112の長さは、数十メートルに及ぶ。このように長いベースレール111、112を単体構造で実現するのは困難であるため、後で述べるように短いベースレールを複数本並べて継いで、長いベースレールを形成している。
【0109】
各構造物設置架台10は、図1、図2に示したものと同様であり、前方ブラケット73及び後方ブラケット74をそれぞれのベースレール111、112の鍔状平板部に固定し、載置用桟11の先端部11aを前方ブラケット73に接続固定し、縦桟16の下端部を後方ブラケット74に接続して、縦桟16を後方ブラケット74と載置用桟11の上端から4分の1あたりの箇所間に介在させて固定したものである。そして、相互に隣り合う2台の構造物設置架台10の載置用桟11の間に、上下2枚の太陽電池モジュールを並べて配置している。図33(a)、(b)において、最も左端と最も右端の構造物設置架台10は、図1における左側及び右側の構造物設置架台10と同様に、それらの載置用桟11に上下2枚の太陽電池モジュール2の端部が載置されている。また、図33(a)、(b)において、最も左端と最も右端を除く他の各構造物設置架台10は、図1における中央の構造物設置架台10と同様に、その載置用桟11の左右に上下2枚の太陽電池モジュール2の端部がそれぞれ載置されている。
【0110】
図34(a)、(b)は、杭101を示す平面図及び側面図である。この杭101は、下端を尖らせた軸部101aと、軸部101aの上端に設けられたフランジ部101bとを有しており、フランジ部101bの外縁近くに合計6個の孔101c、101dが形成されている。また、杭101の軸部101aの外周に雄ネジ状の螺旋溝が刻設されており、杭101の軸部101aが地面に打ち込まれただけで、軸部101aの外周螺旋溝が地中の土石に食い込んで、杭101が強固に固定されるようになっている。これにより、施工工事を簡略化することができる。
【0111】
尚、杭101の代わりに、軸部の外周が滑らかな杭を用い、地面に穴を掘って、この穴に杭を立てコンクリートを流し込んで、杭を固定しても構わない。
【0112】
図35(a)、(b)、(c)は、長い各ベールレール111、112を形成するべく、並べられて継がれる短い各ベースレール71、72を示す平面図、側面図、及び断面図である。これらのベースレール71、72は、図1及び図2に示す各ベースレール71、72に相当し、その断面形状がハット型であって、このハット型両側に鍔状平板部71a、72aが形成されている。また、各ベースレール71、72の底板71b、72bの両端部には、ベースレールの長手方向に沿った2本の長孔71c、72cが相互に平行に形成されている。
【0113】
図36(a)、(b)は、各ベースレール71、72を継ぐのに用いられるベースレール連結部材113を示す平面図及び断面図である。ベースレール連結部材113は、各ベースレール71、72と同様に、その断面形状がハット型であって、このハット型両側に鍔状平板部113aが形成されている。また、両側の鍔状平板部113aには、2つのネジ孔113bが形成されている。更に、ベース連結部材113の底板113cには、両側の鍔状平板部113aに沿った2本の長孔113dが相互に平行に形成されている。
【0114】
図37(a)、(b)は、2本のベースレール71及び2本のベースレール72をそれぞれ継いだ状態を示す平面図及び側面図である。また、図38及び図39は、2本のベースレールを継いだ箇所周辺を拡大して示す平面図及び側面図である。杭101のフランジ部101bの上面は、平坦面となっており、この平坦面にベース連結部材113の底板113cが載せられ、ベースレール連結部材113の底板113cの2本の長孔113dがフランジ部101bの外縁近くの4つのネジ孔101cに重ねられ、4本のボルト121がベースレール連結部材113の底板113cの2本の長孔113dを通じてフランジ部101bの4つのネジ孔101cにねじ込まれる。各ボルト121がベースレール連結部材113の底板113cの2本の長孔113dに挿し通されるため、各ボルト121が緩められた仮止めの状態では、ベースレール連結部材113を各長孔113dの長手方向、つまりy方向にスライドさせることが可能である。ベースレール連結部材113のy方向の位置が決定した後に、各ボルト121が締結されて、ベースレール連結部材113が固定される。
【0115】
更に、このベースレール連結部材113両側の鍔状平板部113aには、2本のベースレール71(又は72)の底板71b(又は72b)の端部がそれぞれ載せられる。そして、2本のベースレール71(又は72)のいずれについても、底板71b(又は72b)の各長孔71c(又は72c)が鍔状平板部113aの各ネジ孔113bに重ねられ、2本のボルト122が底板71b(又は72b)の各長孔71c(又は72c)を通じて鍔状平板部113aの各ネジ孔113bにねじ込まれる。各ボルト122が緩められた仮止めの状態では、2本のベースレール71(又は72)を各長孔71c(又は72c)の長手方向、つまりx方向にスライドさせることができる。2本のベースレール71(又は72)のx方向の位置が決定した後に、各ボルト122が締結されて、2本のベースレール71(又は72)が固定される。
【0116】
また、図37(a)、(b)に示すようにベースレール71の各鍔状平板部71aには、4台の構造物設置架台10を搭載するべく、前方ブラケット73を固定するための2つのネジ孔71dを4組形成して、4個の前方ブラケット73を固定することができるようにしている。同様に、ベースレール72の各鍔状平板部72aには、後方ブラケット74を固定するための2つのネジ孔72dを4組形成して、4個の後方ブラケット74を固定することができるようにしている。
【0117】
更に、相互に平行な一対のベースレール71、72の中央には、該各ベースレール71、72と直交する方向に配置されたサポートバー123の両端が接続固定されている。
【0118】
次に、図40A(a)〜(c)及び図40B(d)〜(f)を参照しつつ、図33(a)〜(c)の太陽電池システムを構築するための施工手順を説明する。
【0119】
まず、図40A(a)に示すようにレーザ光を用いた測量機器等により、地表でx方向に沿う2列の直線ライン131、132を求め、これらのライン131、132上で各杭101の位置を求めて印す。各杭101の位置は、それぞれのライン131、132上で各ベースレール71、72の長さと同一の間隔を開けて決められる。そして、各杭101をそれぞれの位置に打設する。また、各杭101のフランジ部101bは、地上から30cm程度の高さに位置決めされかつ略水平にされる。
【0120】
図40A(b)(詳細は図37〜図39を参照)に示すように各杭101のフランジ部101b上にそれぞれのベースレール連結部材113を載せて、フランジ部101b毎に、4本のボルト121をベースレール連結部材113の底板113cの各長孔113dを通じてフランジ部101bの4つのネジ孔101cにねじ込む。これにより、2列のライン131、132上で、各ベースレール連結部材113が各ベースレール71、72の長さと同一の間隔を開けて位置決めされる。
【0121】
このとき、各ボルト121を緩めた仮止め状態とし、ベースレール連結部材113を各長孔113dの長手方向、つまりy方向にスライドさせることできるようにする。このy方向の移動範囲は、ベースレール連結部材113の各長孔113dの長さで決まり、例えば±50mm程度である。
【0122】
図40A(c)(詳細は図37〜図39を参照)に示すように一方の列131上の各ベース連結部材113間にそれぞれのベースレール71を架け渡し、ベースレール71毎に、ベースレール71の底板71bの両端部をそれぞれのベース連結部材113の鍔状平板部113aに載せる。そして、底板71bの両端部のいずれについても、底板71bの各長孔71cを鍔状平板部113aの各ネジ孔113bに重ね、2本のボルト122を底板71bの各長孔71cを通じて鍔状平板部113aの各ネジ孔113bにねじ込む。
【0123】
同様に、他方の列132上の各ベース連結部材113間にそれぞれのベースレール72を架け渡し、ベースレール72毎に、ベースレール72の底板72bの両端部をそれぞれのベース連結部材113の鍔状平板部113aに載せる。そして、底板72bの両端部のいずれについても、底板72bの各長孔72cを鍔状平板部113aの各ネジ孔113bに重ね、2本のボルト122を底板72bの各長孔72cを通じて鍔状平板部113aの各ネジ孔113bにねじ込む。
【0124】
このとき、各ボルト122を緩めた仮止め状態とし、各ベースレール71、72の端部を各長孔71c、72cの長手方向、つまりx方向にスライドさせることできるようにする。このx方向の移動範囲は、各ベースレール71、72の各長孔71c、72cの長さで決まり、例えば±50mm程度である。
【0125】
この状態では、各ベースレール71、72の端部を載せたベースレール連結部材113をy方向にスライドさせることでき、かつ各ベースレール71、72の端部をx方向にスライドさせることできるので、各ベースレール71、72の端部をxy方向に移動させることができる。各ベースレール71、72の端部の移動範囲は、xy方向共に±50mm程度であって、点線で示すような円形の範囲Q(図40B(e)に示す)となる。
【0126】
図40B(d)に示すように相互に対向する一対のベースレール71、72毎に、該各ベースレール71、72間にサポートバー123を配置し、該各ベースレール71、72の中央にサポートバー123の両端を接続固定する。このとき、サポートバー123を各ベースレール71、72と直交する方向に配置する。これにより、全ての各ベースレール71、72の離間距離が一定となり、図33(a)〜(c)に示すような各ベースレール71を継いでなるベースレール111と各ベースレール72を継いでなるベースレール112の離間距離も一定となる。
【0127】
図40B(e)に示すようにブレース124を、1番目のベースレール71と2番目のベースレール72に架け渡すと共に、2番目のベースレール71と1番目のベースレール72に架け渡して固定する。同様に、ブレース124を、2番目のベースレール71と3番目のベースレール72に掛け渡すと共に、3番目のベースレール71と2番目のベースレール72に架け渡して固定する。
【0128】
ブレース124は、2本のバーを斜めに交差させて相互に固定したものである。このブレース124の各端部を1番目と2番目のベースレール71(又は72)に固定しているので、1番目と2番目のベースレール71(又は72)の端部が相互に突き合わされるようにして位置決めされる。同様に、2番目と3番目のベースレール71(又は72)の端部が相互に突き合わされるようにして位置決めされる。
【0129】
また、ブレース124は、各ベースレール71、72の離間距離を一定にする。このブレース124による離間距離は、サポートバー123による離間距離と同一である。このため、1番目の相互に対向する各ベースレール71、72が平行となり、2番目の相互に対向する各ベースレール71、72も平行となる。
【0130】
こうして1番目と2番目の各ベースレール71、72を位置決めした後、これらのベースレール71、72の両端部側において、各ボルト121を本締めして、ベースレール連結部材113を杭101のフランジ部101bに固定し、各ボルト122を本締めして、各ベースレール71、72の両端部をベースレール連結部材113の鍔状平板部113aに固定する。これにより、1番目と2番目の各ベースレール71、72の両端部が固定される。
【0131】
次に、図40B(f)に示すように1番目のベースレールと2番目のベースレールに架け渡されていたブレース124を取り外して、このブレース124を、3番目のベースレール71と4番目のベースレール72に掛け渡すと共に、3番目のベースレール71と4番目のベースレール72に架け渡して固定する。すなわち、ブレース124を移動させる。
【0132】
これにより、3番目と4番目のベースレール71(又は72)の端部が相互に突き合わされるようにして位置決めされる。また、3番目の相互に対向する各ベースレール71、72が平行となり、4番目の相互に対向する各ベースレール71、72も平行となる。
【0133】
こうして3番目と4番目の各ベースレール71、72を位置決めした後、これらのベースレール71、72の両端部側における各ボルト121、122を締め付けて、これらのベースレール71、72の両端部を固定する。
【0134】
以降、2個のブレース124のうちの左側に位置するブレース124を取り外して、このブレース124を次の順番の各ベースレール71、72に架け渡して固定し、このブレース124により新たに位置決めされた各ベースレール71、72の両端部を固定し、各ベースレール71、72を順次固定して行く。
【0135】
そして、最後の順番の各ベースレール71、72の両端部を固定したならば、各ブレース124を取り外す。また、各サポートバー123は、図33(a)〜(c)に示すような長い各ベースレール111、112を補強するために残されて取り外されない。
【0136】
このような図40A(a)〜(c)及び図40B(d)〜(f)の手順により、図33(a)〜(c)に示すような長い各ベースレール111、112を一定の離間距離を開けて相互に平行に配置することができ、各ベースレール111、112の鍔状平板部を平坦な基礎面とすることができる。
【0137】
この後、図9〜図16に示した手順で、複数の構造物設置架台10を各ベースレール111、112上に並設して固定し、更に図19及び図31に示すように太陽電池モジュール2の端部を構造物設置架台10の載置用桟11上に固定して、多数の太陽電池モジュール2を設置する。
【0138】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、多様に変形することができる。例えば、載置用桟、縦桟の断面形状をハット型やコの字型にしているが、C型等にしても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の構造物設置架台の一実施形態を用いた太陽電池システムを示す斜視図である。
【図2】本実施形態の構造物設置架台を示す側面図である。
【図3】図2の構造物設置架台における載置用桟の先端部に対する前方ブラケットの接続構造を示す側面図である。
【図4】(a)、(b)、(c)は、前方ブラケットを示す斜視図、側面図、及び正面図である。
【図5】(a)、(b)、(c)は、太陽電池モジュール及び載置用桟の傾斜角度を30°、10°、45°に設定したときの前方ブラケット周辺を示す側面図である。
【図6】(a)、(b)、(c)は、太陽電池モジュール及び載置用桟の傾斜角度を30°、10°、45°に設定したときの前方ブラケット周辺を示す斜視図である。
【図7】図2の構造物設置架台における縦桟の下端部に対する後方ブラケットの接続構造を示す斜視図である。
【図8】図7の接続構造を示す側面図である。
【図9】図1の太陽電池システムにおける前方ブラケット及び後方ブラケットの設置工程を示す図である。
【図10】図1の太陽電池システムにおける縦桟の取付け工程を示す図である。
【図11】図10の縦桟へのブレースの取付け工程を示す図である。
【図12】図1の太陽電池システムにおける載置用桟の取付け工程を示す図である。
【図13】図1の太陽電池システムにおける載置用桟と縦桟の位置合わせの様子を示す図である。
【図14】複数の構造物設置架台を並設した状態を示す斜視図である。
【図15】2本のベースレール上に並設された3台の構造物設置架台を示す斜視図である。
【図16】2本のベースレール上に並設された3台の構造物設置架台を示す正面図である。
【図17】図1の太陽電池モジュールの枠部材を拡大して示す断面図である。
【図18】(a)は図1の太陽電池システムにおける中央の構造物設置架台の載置用桟に左右2台の太陽電池モジュールの端部が載置されて取付けられた状態を上方向から見て示す斜視図であり、(b)は同状態を下方から見て示す斜視図である。
【図19】図18(a)の状態を示す断面図である。
【図20】図2の構造物設置架台における載置用桟を示す斜視図である。
【図21】図2の構造物設置架台における上部固定金具を示す斜視図である。
【図22】図2の構造物設置架台における下部固定金具を示す斜視図である。
【図23】図2の構造物設置架台における下部固定金具の折り曲げた状態を示す平面図である。
【図24】図2の構造物設置架台における下部固定金具の折り曲げた状態を表側から見て示す斜視図である。
【図25】図2の構造物設置架台における下部固定金具の折り曲げた状態を裏側から見て示す斜視図である。
【図26】図2の構造物設置架台における下部固定金具及び上部固定金具を載置用桟に取付けた状態を示す斜視図である。
【図27】図2の構造物設置架台における下部固定金具を載置用桟に取付けるための手順を示す斜視図である。
【図28】図27に引き続く手順を示す斜視図である。
【図29】図28に引き続く手順を示す斜視図である。
【図30】図29に引き続く手順を示す斜視図である。
【図31】図1の太陽電池システムにおける左側及び右側の架台ユニットに対する太陽電池モジュールの端部の取付け構造を示す断面図である。
【図32】図31の取付け構造で用いられる上部固定金具を示す斜視図である。
【図33】(a)、(b)、(c)本実施形態の構造物設置架台を用いた太陽電池システムの他の例を概略的に示す平面図、正面図、及び側面図である。
【図34】(a)、(b)は、図33の太陽電池システムにおける杭を示す平面図及び側面図である。
【図35】(a)、(b)、(c)は、図33の太陽電池システムにおける長いベールレールを形成するべく、並べられて継がれる短いベースレールを示す平面図、側面図、及び断面図である。
【図36】(a)、(b)は、図35の短いベースレールを継ぐのに用いられるベースレール連結部材を示す平面図及び断面図である。
【図37】(a)、(b)は、図35の短いベースレールを継いだ状態を示す平面図及び側面図である。
【図38】図37における短いベースレールを継いだ箇所周辺を拡大して示す平面図である。
【図39】図37における短いベースレールを継いだ箇所周辺を拡大して示す側面図である。
【図40A】(a)〜(c)は、図33の太陽電池システムを構築するための施工手順を示す図である。
【図40B】(d)〜(f)は、図40Aに引き続く施工手順を示す図である。
【図41】従来の架台の概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0140】
1 太陽電池システム
2 太陽電池モジュール
3a、3b 上部固定金具
4 下部固定金具
10 構造物設置架台
11 載置用桟
12 天板
16 縦桟
20 太陽電池パネル
21 枠部材
71、72、111、112 ベースレール
73 前方ブラケット
74 後方ブラケット
75、77、83、85、121、122 ボルト
91、92、93 ブレース
101 杭
113 ベース連結部材
123 サポートバー
124 ブレース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎面に固定された前方ブラケットと、構造物が載置される載置用桟とを備え、載置用桟を基礎面に対して傾斜させて、傾斜した載置用桟の先端部側面と前方ブラケット側面を重ね合わせて、これらの側面を貫通するボルトにより載置用桟の先端部と前方ブラケットを締結した構造物設置架台であって、
前記前方ブラケットは、前記傾斜した載置用桟上に載置された前記構造物の傾斜下側の端部に当接する当接部を有することを特徴とする構造物設置架台。
【請求項2】
前記構造物の傾斜下側の端部が前方ブラケットの当接部に当接することにより載置用桟並びに構造物の移動が阻止されることを特徴とする請求項1に記載の構造物設置架台。
【請求項3】
前記前方ブラケットは、前記基礎面に当接する底部と、この底部から立設した側壁部とを有し、この側壁部が前記傾斜した載置用桟の先端部に締結され、この側壁部の先端側が載置用桟の先端部よりも上側に突出して前記当接部を形成し、この当接部が載置用桟上に載置された前記構造物の傾斜下側の端部に当接したことを特徴とする請求項1に記載の構造物設置架台。
【請求項4】
前記前方ブラケットの当接部により前記構造物の傾斜下側の端部が前方ブラケットの底部よりも迫り出して位置決めされたことを特徴とする請求項1に記載の構造物設置架台。
【請求項5】
断面形状がハット型のベースレールが基礎として用いられ、このベースレールのハット型の開口側が上方に向けられて、このベースレールのハット型両側の鍔状平板部が前記基礎面となっており、前記前方ブラケットが前記ベースレールのハット型の開口側で該ハット型両側の鍔状平板部に重ねられて固定されたことを特徴とする請求項1に記載の構造物設置架台。
【請求項6】
前記前方ブラケットから離間して基礎面に固定された後方ブラケットと、
前記載置用桟と前記後方ブラケット間を連結接続する縦桟とを備えることを特徴とする請求項1に記載の構造物設置架台。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1つに記載の構造物設置架台を複数台並設し、これらの構造物設置架台上に太陽電池モジュールを載置した太陽電池システム。
【請求項8】
断面形状がハット型である2本のベースレールを、相互に平行にかつ該各ベースレールのハット型の開口側を上方に向け固定して、これらのベースレールのハット型両側の鍔状平板部を基礎面とし、
前記各構造物設置架台の前方ブラケットを一方のベースレールのハット型両側の鍔状平板部に重ねて固定し、
該各構造物設置架台の後方ブラケットを他方のベースレールのハット型両側の鍔状平板部に重ねて固定し、
該各構造物設置架台の傾斜した載置用桟の先端部をそれぞれの前方ブラケットに締結すると共に、該各構造物設置架台の傾斜した載置用桟と各後方ブラケット間にそれぞれの縦桟を挿入し固定したことを特徴とする請求項7に記載の太陽電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40A】
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【図40B】
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【図41】
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【公開番号】特開2010−135632(P2010−135632A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311260(P2008−311260)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】