説明

構造表面を備えたホログラフィックデータ記憶媒体

【課題】フレネル反射率を減少させる1つまたは複数の構造表面を有するホログラフィックデータ記憶媒体を提供する。
【解決手段】反射を最小限にする構造は、媒体に入射する照明のスペクトルバンド幅、角バンド幅、および、偏光などの媒体(10)を使用するホログラフィック光学システム井の動作特性で低反射率を提供するサブ波長構造のグレーティングパターンを表す。接着増進が、媒体(10)の感光材料(12)と、この感光材料に隣接する基板材料(11)との間の接合表面に沿うような媒体(10)の内側表面に沿った構造によって提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つまたは複数の構造された表面を有するホログラフィックデータ記憶媒体に関し、さらに詳細には、媒体がホログラフィックデータ記憶システム内で操作される際の反射の抑制、ホログラフィック媒体内における隣接する物質の表面接着力の強化、または、反射の抑制および接着性の強化の両方のうちのひとつのための構造を備える1つまたは複数の表面を有するホログラフィックデータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ホログラフィックデータ記憶システム(HDSS)において、参照光および物体光は、ホログラフィック記録に適した媒体上で合致する。発生した干渉縞内での最大縞可視度には、これら2つの光線が、好ましくは、実質的に互いに並行する偏光ベクトルを有する。ほとんどのHDSSでは、この条件は、偏光ベクトルはホログラフィック媒体により定められた入射面に直交し、TE−偏光していることが必要である。ホログラフィック媒体の単一位置に複数の共通位置のホログラフィックページを記録するために、角度、ペリストロフィック、シフト、および/または、スペックルを含む様々な技術を用いて多重化する。通常、HDSSでは、高開口数レンズが、物体光に対し達成可能な記憶容量を最大限にするために使用され、それゆえに、参照光に対し高入射角が必要である。ページベースの光学システム(例えば、画素の1次元(1−D)または2次元(2−D)のアレイを含む空間光変調器および検出器を使用するホログラフィック光学システム)には、DVDおよびCD装置の場合などのビットベースのシステム(サブミクロン)と比較して、ホログラフィック媒体上に比較的大きな光学領域(数百ミクロン)を有する。したがって、DVDおよびCD媒体に記録が行われるエネルギー密度は、ページベースのHDSSの媒体でのエネルギー密度と比較して、同じパワーレーザでは著しく高い。DVDおよびCDなどの記録可能な材料の場合、それ未満では記録が不可能であり、それ以上では記録が可能な温度しきい値がある。したがって、DVDまたはCD装置内の散乱光(DVDまたはCDの光学システムの一次集束スポットと比較して著しく低い強度である)は、DVDまたはCDの位相変化材料内での誤りビットは記録できない。しかしながら、ホログラフィック媒体には、光重合可能な反応物質を有する材料などは、光開始プロセスによって、このような非線形なやり方では作用しない。それゆえ、ホログラフィック記録プロセス中の散乱光または迷光に対して非常に敏感である。このような反射された散乱光または迷光は、意図された露光領域の外部のホログラフィック媒体を望ましくなく露出する可能性があり、それによって、ホログラフィック媒体の記録可能なダイナミックレンジの一部を使い果たす。この問題は、角度多重化HDSSの場合のように、記憶面に沿ったホログラフィック媒体10の断面図を表す図1に示されている。ホログラフィック媒体10は、市販されているホログラフィックの光重合可能な材料の場合のように、感光材料12を挟む2枚の基板11から構成されている。物体光13および参考光14は、感光材料内で干渉し、ハッシュマークによって表された領域16にホログラムを記録する。しかしながら、多数の参照光の光線Nは、また、基板と空気との境界面でも反射し、このため、この光線に含まれた光15(破線で表されるように複数回反射する)による図1に描かれた反射は、意図された露光領域16の外部の追加の感光材料を露出することになる。このような反射をフレネル反射と称する。
【0003】
フレネル反射を抑制するための従来の方法は、薄膜コーティングの使用により行われる。反射防止(AR)コーティングは、通常積層であり、一般的な材料の境界面、入射角、偏光、および、スペクトルバンド幅に対して設計され得る。ホログラフィック材料を含有するホログラフィック媒体の少なくとも1面、好ましくは2面の外部表面17は、ARコーティングされている。例えば、このようなARコーティングされたホログラフィック媒体は、Maynard,MA,U.S.A.のAprilis,Inc.により販売されており、2003年8月14日公開の米国公開特許出願第2003/0151814号がホログラフィック媒体上のARコーティングの使用を説明している。迷光または散乱光を減少させるために有効ではあるが、接着性および塗布される媒体表面との熱膨張の不適合の問題がある薄膜の多層化プロセスを必要とする。さらに、媒体のこのような基板がポリカーボネートなどのプラスチックからできている場合、ARコーティングは塗布するのが難しい。そのため、薄膜コーティングの使用に代わるものが望まれている。
【0004】
サブ波長構造(SWS)表面は、反射防止のために設計され、本明細書では反射防止構造(ARS)表面と称する。通常、ARS表面は、インピーダンスが、一方が固体で、もう一方が気体、液体、または固体である2つの媒体と適合する表面レリーフグレーティングを含む。サブ波長期周期パターンを備えた表面(エッチング、エンボス加工、または、その他の技術のいずれかにより)を構成することによって、屈設率分布を合成できるため表面反射が最小限になる。適切に設計されると、これらの構造は、大きなスペクトルバンド幅および視野上で機能することができる。異物を基板表面に加えないので、接着および熱膨張の不適合などの薄膜技術において一般に遭遇する問題は、これらの構成表面の設計においては存在しない。
【0005】
比較的新しい技術ではあるが、ARS表面は、特定の夜に飛ぶ蛾の角膜上で見つけることができる。C.G.Bernhardの“Structural and functional adaptation in a visual system”,Endeavor 26,79−84(1967)を参照のこと。蛾の角膜のサブ波長構造は表面反射を減少させるが、もしなければ、捕食者に対する蛾の位置を露呈させる。スペクトルの可視または近赤外部においての応用に対するARS表面の研究では、蛾の目の表面を複製してきた。P.B.ClaphamとM.C.Hutleyの“Reduction of lens reflexion by the‘moth eye’principle”,Nature(London)244、281−282(1973),M.C.Hutleyの“Coherent phtofabrication”,Opt.Eng.15,190−196(1976)、および、S.J.WilsonとM.C.Hutleyの“The optical properties of‘moth eye’antireflection surfaces”,Opt.Acta 29,993−1009(1982)を参照のこと。これらの蛾の目構造は、ほぼ正弦波形の二次元構造のアレイである。蛾の目のARS表面以外のものも研究されてきている。M.G.MoharamとT.K.Gaylordの“Diffraction analysis of dielectric surface−relief gratings”,J.Opt.Soc.Am.72,1385−1392(1982),Y.Ono、Y.Kimura、Y.Ohta、N.Nishidaの“Antireflection effect in ultrahigh spatial−frequency holographic relief gratings”,Appl.Opt.26,1142−1146(1987)、1991年4月16日発行の米国特許第5,007,708号、および、D.H.RaguinとG.M.Morrisの“Antireflection structured surfaces for the infrared spectral region”,Appl.Opt.32、1154−1167(1992)を参照のこと。米国特許第5,007,708号において、記載されたARS表面は、二元のまたは階段状の側面を有するものに限られる。ARS表面は、上記文献により提案されてきたが、それらは、本発明に述べられているような表面側面を備えるホログラフィックデータ記憶媒体と一体化されていなかった。
【0006】
図2は、電子ディスプレイ上のウィンドウまたはスクリーンに使用するBedford,MAのOptical Switch Corporationによって製造された蛾の目構造の反射率を示す。この構造は、260nmのグレーティング周期を有し、BK7基板の両面の屈折率整合ポリマに複製(注型硬化)されていた。この図は、532nmのダブル−YAGレーザのTEおよびTM偏光の両方に対する入射角(AOI)の関数として基板の測定された両面反射率を示す。この反射率は、非常に低く、この特定の蛾の目のデザインに対しては、約54度までのTE偏光に対して、0.5%未満に減少させることができる。
【0007】
すべてのホログラフィック媒体が、複数の異質の材料から構成されているのではないが、図1に示されるように、ホログラフィックデータ記憶用に市販されている現在のフォトポリマは、Longmount,CO,U.S.A.のInPhase Techonologies、および、Maynard,MA,U.S.A.のAprilis,Inc.により販売されているように、ガラスまたはプラスチックである2枚の基板の間にフォトポリマを挟む必要がある。いくつかの異なる材料がホログラフィック媒体に含有されているため、ホログラフィック媒体からなる様々な材料の境界面(外側と内側の両方)で、フレネル反射率を抑制する手段を有することに加えて、材料が互いに十分に接着し合うことが必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の特徴は、フレネル反射率を減少させる1つまたは複数の構造表面を有する改良されたホログラフィックデータ記憶媒体を提供することである。
本発明の他の特徴は、媒体に含有される隣接する材料の接着性を向上させる1つまたは複数の構造表面を有する改良されたホログラフィックデータ記憶媒体を提供することである。
【0009】
簡単に説明すると、本発明を具体的に示したホログラフィックデータ記憶媒体は、表面の入射照明からの反射を最小限にするか、媒体内の表面間の接着性を向上させるかのうちの一方のため、または、反射を最小限にし、接着性を向上させるために、1つまたは複数の外側または内側の表面を有する。これら構造は、一次元、二次元、三次元の正弦波状、正弦波状、三角形状、蛾の目状、階段状、ピラミッド状、薄板状、あるいは二元構造または、それらの組み合わせ、あるいは、それらに類似する構造のグレーティングパターンを表し得る。このようなホログラフィック媒体は、このような媒体の読み込み、および、書き込みをするための光学を有するホログラフィックデータ記憶システムに使用することができる。
【0010】
本発明の媒体は、ホログラフ的に記録可能な感光材料(例えば、フォトポリマ)を有する。この媒体の場合、感光材料が、この感光材料に隣接する、または感光材料を封入する2枚の基板(例えば、ポリカーボネートまたは他の重合体などのガラスまたはプラスチック)の間に位置する。このような媒体の1つの実施形態において、構造が1枚または両方の基板の外側の表面上に備えられている。このような媒体のもう1つの実施形態において、構造が1枚または両方の基板の外側の表面に用いられたもう一方の材料の外側の表面に備えられている。
【0011】
例えば、LiNbOのような光屈折結晶などの基板の間での封入を必要としない感光材料を有する媒体の場合、他の実施形態における媒体は、その1面または複数の面に沿って感光材料の表面に直接パターンを形成された構造を有することができる。この媒体のさらにもう1つの実施形態において、構造が、基板の1方または両方の外側の表面に沿ったように、また、このような基板に対向する感光材料の1方または両方の表面に沿ったように、媒体の外側および内側の両方の上に備えられている。表面上への構造のパターン形成は、エッチング、モールディングによるものであってよいが、好ましくは、この構造は、複製などの低コストの方法によって得られる。
【0012】
反射を減少させるこの構造表面は、本明細書において反射防止構造(ARS)表面と称する。ARS表面のこのような構造は、この媒体を用いるHDSSの動作波長、または、スペクトルバンド幅において低い反射率を有するサブ波長構造のグレーティングパターンを提供し、かつ、角バンド幅(すなわち、入射角の範囲)、および、偏光(例えば、S、TE、または、TM偏光)などのHDSSの他の動作特性において低い反射率を有する可能性もある。角度多重化のHDSSには、優先的には、このような構造が、高い入射角(例えば、30度から70度)およびTE偏光に対する反射を抑制する。構造は、周期的、非周期的、またはランダムであってよい。これらの構造は、例えば、同じ構造、または、異なる周期性の領域および/またはランダム性の度合いを有する異なる構造(例えば、正弦波状、三角形状、蛾の目状、階段状、ピラミッド状、薄板状、あるいは二元構造、または、それらに類似する構造)の組み合わせを含んでよい。
【0013】
このような構造表面は、また、ホログラフィック媒体内に必要とされ得る2つ以上の異質の材料間の接着増進のために拡大された表面領域を提供することができる。前述した基板による封入を必要とするホログラフィックデータ記憶が可能な感光材料の前述の場合には、封入する表面は、基板と感光材料の間の接着性を増進させるため、構造を備えてパターン形成される。互いに接着し合う2つの材料の屈折率が、それらの間の境界において低い反射率であるように十分に類似するのであれば、表面の接着性を増進させるために用いられる表面構造の側面は、複数の形であってよい。例えば、この表面は、周期的またはランダム、1次元または2次元、あるいは、それらの組み合わせであってよい。表面が、優先的にはサブ波長特性を有するARS構造を必要としない場合、指数の適合が非常に近い時(例えば、指数差Δnが0.06以内)の接着性に対する表面は、ホログラフィック媒体上の動作の波長よりもはっきりと感知できるほど大きいという特徴があってよい。
【0014】
接着されなくてはならず、また、屈折率がはっきり感知できるほど違う2つ以上の材料を含むホログラフィック媒体の場合には、これら2以上の材料を接着するための表面のための構造は、また、媒体を使用するHDSSが境界をさらすであろうスペクトルバンド幅、角バンド幅、および、偏光のための材料の間の境界でのフレネル反射の抑制を提供することができる。
本発明の前述の特徴および利点は、添付の図面に係わる以下の説明を読むことからより明白になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図3〜6を参照すると、本発明の異なる実施形態が、構造をホログラフィックデータ記憶媒体の表面に適用するために示されている。これらの図面、および、ARS構造を備えた表面を示す他の以下の図面には、前記構造の尺度が、図示するために誇張されている。このような構造表面を備えるホログラフィック媒体は、ホログラフィックデータ記憶システム(HDSS)に用いることができる。例えば、このようなHDSSが、米国特許第5,621,549号に示されている。このARS表面は、ディスク、カード、クーポン、または、他の媒体の形、あるいは、ボリューム形式に入れることができるホログラフィック媒体に適用可能である。従って、これらの図は、媒体の一方の側面に沿った断面図のみを図示する。媒体の構造表面は、一次元または二次元であり、三次元に沿った表面の中に深さを有する。ARS表面を表す構造表面は、反射防止の光学的性質を有するサブ波長表面を有する。このようなARS表面は、ARS表面が媒体の外側表面であるときの気体(または空気)、または、媒体内の内側表面の固体などのもう1つの表面を形成される材料をインピーダンス整合する表面レリーフグレーティングを現す。サブ波長の周期的パターン(エッチング、エンボス加工、または、他の技術の何れかによって)を備えた表面を構成することによって、有効な屈折率分布が合成されて、表面反射が最小減になる。ARS表面は、ホログラフィックデータを記憶する媒体を使用するHDSSの動作光学パラメータに従って用いる媒体用に最適化される。このような光学パラメータは、例えば、動作波長(スペクトルバンド幅)、入射角の範囲(角バンド幅)、および、HDSSの物体光および参照光などによる入射光線の偏光を含む。波長および入射角の範囲のこのような動作パラメータに基づいて、ARS構造は、大きいスペクトルバンド幅および視野で動作可能である。
【0016】
図3は、ARS表面30がホログラフィック媒体10の外側表面に付けられて、媒体の感光材料12に隣接するか、または感光材料12を封入する基板11の上部に配置されるホログラフィック媒体10の第1の実施形態を示す。基板11は、ガラス、または、ポリカーボネートまたは他のポリマー材料などのプラスチックであってよい。例えば、基板が厚さ0.6nm、感光材料が厚さ0.5nmであってよい。このARS表面30は、基板11とは異なる物質31から作られているが、優先的には、その表面で反射を最小限にするためにほぼ整合する屈設率を有する。
【0017】
ARS表面の構造は、図4および5に示すように他の外側表面上にあってよい。図4は、ホログラフィック媒体10の第2の実施形態を示し、ARS表面30が、この媒体の感光材料12に隣接する基板11の中に直接用いられている。図5は、ARS表面が、感光材料12の中に直接用いられて(または、パターン形成されて)いるホログラフィック媒体10の第3の実施形態を示す。例えば、Polight(Polight Technologies Ltd.,Cambridge,England)により開発されたような成形可能なカルコゲニド物質が、ARS表面を形成するこの実施形態に用いてよい。また、Aitkenらの2004年4月29日発行の米国特許出願第2004/0079114号、または、“Low−Temperature Fabrication of Glass Optical Components”と題する、2002年10月29日出願の米国特許出願第10/283,402号を参照のこと。別の例において、ホログラフィック記録に適したLiNbOまたは他の感光材料は、フォトリソグラフィおよびエッチングプロセスによって、ARS表面を備えてパターン形成され得る。しかしながら、ARS表面を伴ってパターン形成されることが可能な他のフォトポリマ材料を用いてもよい。図3〜5の媒体10のARS表面30は、HDSSの動作波長より小さい横寸法Λと、一般に、深さdがより小さいまたは入射波長程度である構造を有することによって達成し得る。
【0018】
ARS構造は、ホログラフィック媒体10の外側表面と内側表面の両方に用いられ得る。例えば、図6が、ホログラフィック媒体10の第4の実施形態を示し、ARS表面が基板11の外側表面60上に設けられ、かつ、もう1つのARS表面がこの媒体の感光材料12の内側表面61上に設けられている。外側表面60のARSの特性のグレーティング周期Λおよび深さdが、内側表面61のARSの特性のそれら(それぞれ、Λおよび深d)と一致する必要はない。図6のARS表面は、HDSSの動作波長よりも小さい縦寸法ΛとΛ、および、一般的に入射波長より小さいか入射波長程度である深さdの構造を有することにより達成できる。
【0019】
第4の実施形態のホログラフィック媒体10の説明するための例として、媒体がホログラフィック記録に適した感光材料を有し、別の材料で封入されている場合を考える。感光材料の屈折率がそれを封入する材料と異なる場合、光線がこの境界から外れて反射することになる。このような反射を抑制するために、この第4の実施形態は、1つまたは複数の内側表面(2つの物質間の境界など)がホログラフィック媒体の内側の反射を抑制するARSを備えてパターン形成されている場合を対象とする。
【0020】
図3〜6において、ホログラフィック媒体の一方の側面のみが示され、これらの側面は、本質的に平面として示される。本発明は、ホログラフィック媒体のこのような平面の実施形態に限られるものではなく、立方体、球体、および、円筒形などの他の形式に適用される。さらに、ホログラフィック媒体の他の側面のうちのいずれかの上には、第1番目の側面のARS表面と同じ、または、異なる構造を持ち得るもう1つのARS表面(または、非ARS表面)がある。
【0021】
ARS表面のほぼ正弦波の断面を有する構造が、図3〜6に示されているが、このような構造は、実際には形が正弦波ではない正弦波様の構造であってよく、あるいは、正弦波または正弦波様以外の周期的な側面の構造であってよい。例えば、ARS表面は、図7Aに示されるような三角形状、図7Bに示されるような階段状、図7Cで示されるようなピラミッド状、または、薄板状の側面を有する構造を有することができる。同様に、実際には三角形状、階段状、ピラミッド状、または、薄板状ではない類似の構造が使用され得る。さらに、階段状構造の段は同等の段の大きさを有するように図7Bに示されているが、異なる段の大きさを有してよい。例えば、これらの側面は、1−D(例えば、図7A)または2−D(例えば、図7C)の規則的な側面、あるいは、HDSSの動作波長でAR特性を呈する1−Dまたは2−D、あるいは、擬似ランダムな側面でよい。これらの側面は、1−Dまたは2−Dとして説明されているが、3−Dの側面を提供する深さを有する。また、単一材料11が、感光材料12とARS表面31を含む材料を分離しているとして図示してあるが、任意の数の材料が、ARS表面を有することができるこれら2つを分離できる。2−D構造には、特徴寸法(周期)ΛおよびΛは、各寸法において同じ、または、異なっていてよい。
【0022】
媒体10のARS表面を製造する異なる方法を用いることができ、それらすべては、適切な材料にパターン形成された表面を最初に製造することが必要である。基板材料が選択され、前記材料を備えた基板が得られると、このような基板の表面は、フォトレジストで基板をコーティングし、次に、フォトレジスト層にパターン形成するためにフォトリソグラフィ、ホログラフィ、レーザ書き込み、または、電子ビームリソグラフィを行うことを含む工程を用いてパターン形成され得る。例えば、このような工程が、H.P.HerzigによるMicro−Optics:Elements,Systems,and Applications,ed.(Taylor&Francis,Inc.Bristol,PA,1997)に記載されている。フォトレジストは、水性のケミカルエッチング、または、イオンミリング、反応イオンエッチング、化学的に補助されたイオンビームエッチング、または、反応イオンビームエッチングなどのドライエッチングのようなエッチング法によって、下にある基板の中にエッチング転写することができる。残留フォトレジストが、表面から除去され、最終構造を達成するために必要であれば、追加のフォトレジストおよびエッチング工程が実施され得る。エッチングを施された構造は、最初に選択された基板材料が感光材料または感光材料を封入する基板材料の1つである場合、最終製品となり得る。好ましい実施形態は、必要なホログラフィック媒体の部分の上に必要な表面を複製する金型を形成するのに必要な工程の一部としてエッチングを施された材料を使用することである。例えば、エッチングを施された基板は、直接金型として使用されるか、または、エッチング施された基板は、ニッケルエレクトロフォーミングによって金型を形成するために使用され得る。金型工具がエレクトロフォーミング工程によって製造される場合、このような工具は、また、フォトレジストパターンから直接製造され、前述のエッチング工程を回避できる。適切な金型が作られると、その表面は、成形工程中、剥離剤として働く化学物質、または、材料で処理され得る。成形される材料によって、最終的なARS表面を作るために用いることができる複製技術は、例として、ホットエンボス加工、射出成形、圧縮成形、圧縮射出成形、および、注型硬化を含む。複製された材料(例えば、高分子材料)は、また、エッチングマスクとしてもう1つの基板上のARS表面を伴って使用してよい。複製された表面は、次に、エッチングによって下にある表面の中に転写され得る。
【0023】
ARS表面は、パターン形成されるか、または、エッチングを施されてよいが、ARS表面を製造するための好ましい方法は、低コストの複製方法により、特に、高分子フィルムが、ホログラフィックの媒体の1つまたは複数の外側表面上に反射防止特性を呈する必要な構造を注型される、注型硬化の方法により高分子材料を使用してなされる。高分子材料は、その境界面で最小限の反射になるように、好ましくは理想的には、その上に高分子材料が複製される材料に指数整合させる。1つまたは複数の外側表面に沿った媒体10の構造表面を形成する他の方法は、直接成形(例として、ホットエンボス加工、射出成形、または、圧縮射出成形)によるものでよい。
【0024】
ホログラフィック媒体の1つまたは複数の外側表面が高分子表面であるとき、この表面は、必要なARS表面を伴って成形され得る。ポリカーボネート(PC)は、PCディスクが、CDおよびDVD用に1年に大量に何億製造され、かつ、これらの記憶デバイス用に必要とされる穴と溝の構造を備えてすでに成形されているので、適切な高分子材料の一例である。PCディスク、クーポン、または、HDSSに適した他の形の媒体が、ARS表面を備えて成形され得る。また入手可能で、かつ、基板用に使用され得る他の適切な高分子材料は、例示目的であってこれに限るものではないが、Zeon Zeonur 1020RまたはTicona Topas 5013などの環状オレフィン共重合体、Acrylic VOD(Atofina,現在はArkema Groupと称する、France)などのアクリル酸塩、および、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)などのメタクリル酸塩が挙げられる。記録媒体として光重合可能な材料を使用するホログラフィックディスク媒体には、媒体の境界となる基板は、PCまたは成形されたARS表面を備えた他の適切な高分子基板でよい。このことは、表面用のARコーティングが、別々の工程を必要としなく、ディスク自体が成形されると達成できるという点で特に好都合である。また、薄膜を使用するARコーティングは、プラスチックがガラスや他の基板材料よりも被膜が難しいので、PCまたは他の高分子基板材料上の広い角度の範囲に渡って機能する必要がある場合、問題となる傾向がある。
【0025】
前の段落で説明された方法とプロセスは、ホログラフィックデータ記憶用途の様々なARS表面を製造するために使用可能である。例えば、ARS表面は、図3、4、および6のホログラフィック媒体10のポリカーボネートまたは他の適した高分子材料に直接成形されるか、または、図5および6のホログラフィックデータ記憶に適したLiNbOまたは他の感光(光屈折率)材料の表面上にパターン形成されるか、または、ホログラフィックデータ記憶に使用されているカルコゲナイドガラス基板の表面上に成形されてよい。前の段落で説明された方法とプロセスは、様々な表面レリーフ構造を得るために使用され得る。
【0026】
図8A〜8Cは、異なる側面を有する他のARS表面を示す。図8Aは、複数の構造タイプの集まりを含むARS表面を図示する。図示されるように、表面は、周期的な2組の周期的構造、周期Λおよび深さdでの1つの三角形状の表面構造80、および、周期Λおよび深さdでの1つの階段状の表面構造81の表面を含む。図示した表面は、説明するための例であり、一般に、複数の周期的構造が作られ、表面全体に渡って1または複数の次元で、周期的構造の組み合わせが発生し得る。例えば、xとyが表面に沿った直交軸である場合、側面は、xまたはy軸に沿って、または、xとy軸両方に沿って、あるいは、表面に沿って3方向に周期的でよい六角形アレイ構造内のような、もう1つの軸との組み合わせにおいて、周期的であってよい。図8Bは、複数の特性が周期性の1領域内に現れるARS表面82を図示する。図示されるように、周期性Λの1領域内に4つの構造がある。二次元において、周期性の領域が構成され、複数の特性がその中にある。図8Cは、ARS表面を図示し、表面は不規則構造を有する。構造の不規則性が、レーザスペクッルのホログラフィック記録、または、複数構成要素材料から1つまたは複数の構成要素に選択的にエッチングを施すエッチングプロセスなどの様々なプロセスによって達成され得る。好ましくは、不規則構造は、不規則構造からの散乱が最小限になるように、HDSS操作の波長よりも短い表面の不規則性の相関長を有する。
【0027】
図9は、ホログラフィック媒体の材料81の1つにパターン形成された2−Dの2元ARS側面の例を示す。ARSが、それぞれxおよびy方向においてΛおよびΛの周期性を有する二元特性80を有する。
ARS表面は、
【0028】
【数1】

に従って、ゼロ次以外のホログラフィック媒体での次数が伝搬しない構造のグレーティング周期を優先的に設定することにより設計されており、式中、λが自由空間波長、Λがグレーティング周期、nおよびnがそれぞれ、入射媒体および透過媒体の屈折率であり、θが、2つの材料の間の垂直な境界の表面に対して測定された入射媒体の入射角である。HDSSがTEおよびTM偏光の両方に対する低い反射率が必要な場合、例えばクロスグレーティングおよび蛾の目構造の2−D側面を有するARS表面が、優先される。二元構造を備えるARSの特定な場合には、
【0029】
【数2】

のシードの深さdを使用し、M.G.MoharamおよびT.K.Gaylordの“Diffraction analysis of dielectric surface−relief gratings”,J.Opt.Soc.Am.72,1385−1392(1982)において説明されるような、ベクトル回折の設計を始める。側面から見て連続的である2D側面には、E.B.Grann,M.G.Moharam、および、D.A.Pommetの、“Optimal design for antireflective tapered two−dimentional subwavelength grating structures”,J.Opt.Soc.Am.A 12(2),333−339(1995)を参照のこと。
【0030】
ARS表面の例として、532nmで動作するHDSSを考慮する。このHDSSが、ホログラフィック材料を挟む2枚のポリカーボネート(n=1.59)基板で構成されているホログラフィック媒体を用いて操作することも考慮する。さらに、TEおよびTM偏光が法線入射から約50°の大気中での入射角まで抑制される、空気対ポリカーボネート反射を有する二元の2−D ARS表面が、望まれていることを考慮する。ベクトル回折モデルを使用し、Λ=Λy=0.200μm、d=0.127μm、および、a/Λ=a/Λ=50%のARS表面側面のパラメータに対する図10に図示された大気中での反射率性能対入射角(AOI)を得る。例えば図9で示されるように、式中、ΛおよびΛが、それぞれxおよびy次元のグレーティング周期であり、aおよびaが、それぞれxおよびy次元における各構造の振幅(または、幅)であり、かつ、dは、構造の深さである。例えば、このようなARS表面が、表面自体が成形されるとき、直接ポリカーボネート表面の中に成形され得る。相対的に、大気中に露出したポリカーボネートの反射率は、法線入射で5.2%の反射率から60°で20.7%の反射率のTE偏光を反射する。
【0031】
ホログラフィック媒体を備える2つ以上の材料の間の接着を増加させる用途の構造表面の場合には、図7A〜C、図8A〜C、および図9で示された任意の構造を用いることができる。これらの構造の任意のものは、1−D、2−D、周期的、および/または、ランダムであり、パターン形成を施されていない表面よりも大きな領域を有する。従って、2つの材料の間の境界面の表面領域を大きくすることによって、前記2つの材料の間の接着性を高める。例えばそのような接着増進構造は、感光材料12と、この感光材料に隣接する基板11の間の接合表面(例えば、図6の面61)に沿っていても良い。この2つの材料が、同等(例えば、0.06以内)の屈折率を有する場合、接着増進に必要な表面構造が、サブ波長特性を必要としないが、その代わりに、HDSSの動作波長よりも著しく大きい特性である可能性があり、従って、製造しやすくなる。接着性の良さを必要とし、かつ、フレネル反射を抑制するいくつかの手段を必要とする十分な違いの屈折率を有するホログラフィック媒体内の2つの材料の場合には、図3〜9で説明されているARS表面は、フレネル反射の抑制と接着増進の二重目的を果たす。
【0032】
前述の表面構造および製造方法は、ARの用途、および/または、接着増進の用途に対して設計され得る構造の例であり、表面が、適用波長程度またはそれより小さい構造を備えてパターン形成され得る方法である。構造表面を製造する他の方法は、構造表面が適用される材料、HDSSの動作パラメータに従った構造に関する詳細、または、このような構造の環境の必要条件(例えば、温度感覚)に基づき使用され得る。従って、異なる表面レリーフ構造が、AR特性を呈し、かつ/または、接着を増進するように設計され得る。
【0033】
ARS表面が、媒体上のARコーティングの使用に対する代替手段として説明されているが、このような構造表面が反射率を減少させるためのARS表面を備えた、または、備えていない媒体の内側表面に沿って使用される場合、ARコーティングは、媒体上に適用されても良い。
【0034】
以上の説明から、1つまたは複数の構造表面を有するホログラフィックデータ記憶媒体、および、このような媒体を提供する方法が提供されることが明らかになるであろう。概して、図示された説明は、例示目的であって、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲内のこのような変形、変更、および、追加は、当業者には、確実に明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】媒体内のスプリアス反射が媒体内の対象となっている領域の外側の材料を露出することができることを示すホログラフィック記録面に沿った先行技術のホログラフィックデータ記憶媒体の断面図である。
【図2】BK7基板の両側上に屈折率整合ポリマに複製されたグレーティング周期260nmの蛾の目構造の反射率対入射角(AOI)のグラフである。
【図3】ARS表面を備える外側表面を有する本発明の第1の実施形態のホログラフィック媒体の一方の側面の断面図であり、このようなパターンを形成された外側表面が、媒体の感光材料を封入する基板と異なる媒体の材料に沿っている。
【図4】ARS表面を備えるパターンを形成された外側表面を有する本発明の第2の実施形態のホログラフィック媒体の一方のもう1つの側面の断面図であり、このようなパターンを形成された外側表面が、媒体の感光材料と隣接する基板である媒体の材料に沿っている。
【図5】ARS表面を備えるパターンを形成された外側表面を有する本発明の第3の実施形態のホログラフィック媒体の一方のもう1つの側面の断面図であり、このようなパターンを形成された外側表面が、媒体の感光材料内に直接ある。
【図6】ARS表面を備える、それぞれがパターンを形成された内側表面および外側表面を有する本発明の第4の実施形態のホログラフィック媒体の一方のもう1つの断面図である。
【図7A】図3〜6の実施形態のホログラフィック媒体内に用いられ得る三角形の構造のパターンを形成されたARS表面の例である。
【図7B】図3〜6の実施形態のホログラフィック媒体内に用いられ得る階段状の構造のパターンを形成されたARS表面の例である。
【図7C】図3〜6の実施形態のホログラフィック媒体内に用いられ得るピラミッド状の構造のパターンを形成されたARS表面の例である。
【図8A】図3〜6の実施形態のホログラフィック媒体内に用いられ得る複数の直列の周期的に構造された表面を含むARS表面の他の例である。
【図8B】図3〜6の実施形態のホログラフィック媒体内に用いられ得る構造の周期性が多数の表面レリーフ特性に及ぶ表面を含むARS表面の他の例である。
【図8C】図3〜6の実施形態のホログラフィック媒体内に用いられ得るランダムな構造を含む表面を含むARS表面の他の例である。
【図9】図3〜6の実施形態のホログラフィック媒体内に用いられ得る二元的特性の周期的な2次元アレイを含む構造を有するARS表面の例である。
【図10】図9に示されるような、2次元の二元ARS表面の532nmずれた波長におけるTEおよびTM偏光された照明の反射率対入射角(AOI)のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体が、感光材料に隣接するか、または、感光材料を封入する1つまたは複数の基板を有するとき、ホログラフィックデータを記憶する前記感光材料、および、前記媒体の外側に沿った、または、前記媒体内の1つまたは複数の表面を有するホログラフィックデータ記憶のための前記媒体であって、前記媒体が、前記感光材料に隣接するか、または、前記感光材料を封入する1つまたは複数の前記基板を有するとき、前記媒体に入射する照明からの反射を最小限にすること、または、前記感光材料と1つまたは複数の前記基板の間の接着性を高めることのうち少なくとも一方が可能な前記媒体の1つまたは複数の前記表面に沿ったパターンを提供する構造を備える媒体。
【請求項2】
反射を最小限にする前記構造が、前記媒体に入射する前記照明の特性によるサブ波長構造のグレーティングパターンを表す請求項1に記載のホログラフィック媒体。
【請求項3】
前記特性が、少なくとも、波長または前記媒体に入射する前記照明の波長を含む請求項2に記載のホログラフィック媒体。
【請求項4】
前記特性が、波長、スペクトルバンド幅、角バンド幅、および、前記媒体に入射する照明の偏光のうちの1つまたは複数を含む請求項2に記載のホログラフィック媒体。
【請求項5】
前記構造がグレーティングパターンを表す請求項1に記載のホログラフィック媒体。
【請求項6】
前記構造が、正弦波状、三角形状、階段状、蛾の目状、ピラミッド状、薄板状、または二元側面と同じであるか、または類似して形成される請求項1に記載のホログラフィック媒体。
【請求項7】
前記構造が、一次元、二次元、または、三次元である請求項1に記載のホログラフィック媒体。
【請求項8】
前記構造の前記パターンが、少なくとも1つの次元で周期的である請求項1に記載のホログラフィック媒体。
【請求項9】
前記構造の前記パターンが、少なくとも1つの次元でランダムである請求項1に記載のホログラフィック媒体。
【請求項10】
反射を最小限にするための前記構造を有する前記1つまたは複数の表面が、前記構造に対向する材料または気体から実質的に異なる屈折率を有する材料内で形成される請求項1に記載のホログラフィック媒体。
【請求項11】
前記媒体の外側に沿った前記表面の少なくとも1つを提供する前記媒体内にあり、かつ、前記表面が、反射を最小限にする前記構造を有する1つまたは複数の基板上の材料をさらに含む請求項1に記載のホログラフィック媒体。
【請求項12】
前記構造を有する前記表面の少なくとも1つが、前記感光材料の前記表面に備えられた請求項1に記載のホログラフィック媒体。
【請求項13】
1つまたは複数の前記基板があるとき、前記構造が、少なくとも前記基板のうちの1つの前記表面に備えられた請求項1に記載のホログラフィック媒体。
【請求項14】
前記反射が、30〜60度の入射角のs−偏光で照明するための前記構造によって最小限になる請求項1に記載のホログラフィック媒体。
【請求項15】
前記反射が、s−偏光で照明するための前記構造によって最小限になり、0.5%未満の反射率を達成する請求項1に記載のホログラフィック媒体。
【請求項16】
前記構造を有する1つまたは複数の表面が、前記構造を形成するように成形することが可能な材料でできている請求項1に記載のホログラフィック媒体。
【請求項17】
前記材料がポリカーボネートである請求項16に記載のホログラフィック媒体。
【請求項18】
各々が隣接する関係の表面を有する2つ以上の材料を含み、前記材料のうちの少なくとも一方の前記表面が、前記隣接する関係で他方の前記材料の前記表面に対する接着性を増進させる構造を有するホログラフィックデータを記憶するホログラフィック媒体。
【請求項19】
前記構造が、反射防止特性を有する請求項18に記載のホログラフィック媒体。
【請求項20】
前記構造が、正弦波状、三角形状、階段状、ピラミッド状、蛾の目状、薄板状、ランダム、または、二元構造のうちの少なくとも1つと同じ、または、類似している請求項18に記載のホログラフィック媒体。
【請求項21】
前記構造が、一次元、二次元、または、三次元である請求項18に記載のホログラフィック媒体。
【請求項22】
前記構造が、グレーティングを表す請求項18に記載のホログラフィック媒体。
【請求項23】
反射防止特性、または、隣接する材料に対する向上した接着性のうちの少なくとも一方を有する1つまたは複数の構造された表面を有するホログラフィックデータを記憶するホログラフィック媒体を提供する方法であって、
ホログラフィックデータを記録することが可能な感光材料を設けるステップと、
前記感光材料の片側に基板を設けるステップと、
前記表面に入射する照明からの反射を最小限にすること、または、前記表面が、前記媒体内のもう1つの表面に隣接するときの接着性を向上させることのうち、少なくとも一方のために、前記基板、または、前記感光材料うちのどちらか一方またはその両方の少なくとも1つの表面に沿った構造を形成するステップを含む方法。
【請求項24】
光学データ記憶システムにより操作されるとき、ホログラフィックデータ記憶媒体に入射する照明からの反射を最小限にするための方法であって、前記媒体が、前記光学データ記憶システムにより操作されるときに発生するフレネル反射を最小限にするグレーティングパターンを有する前記媒体の上、または、その中の少なくとも1つの表面を設けるステップを含む方法。
【請求項25】
前記媒体が、前記光学データ記憶システムにより操作されるときに発生するフレネル反射を最小限にするグレーティングパターンを有する前記媒体の上、または、その中の少なくとも1つの表面を含む光学データ記憶システム内で使用するための媒体。
【請求項26】
前記構造が、正弦波状、三角形状、階段状、蛾の目状、ピラミッド状、薄板状、ランダム、または、二元側面のうちの1つと同じに、または、類似して形成される請求項25に記載の媒体。
【請求項27】
前記構造が、一次元、二次元、または、三次元である請求項25に記載の媒体。
【請求項28】
前記グレーティングパターンが、少なくとも前記媒体内の表面にあり、前記媒体内の材料間の接着性を増進させる請求項25に記載の媒体。

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図8C】
image rotate

【図9】
image rotate

【図2】
image rotate

【図6】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2007−515667(P2007−515667A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539954(P2006−539954)
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/038020
【国際公開番号】WO2005/050627
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(506128363)アプリリス インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】